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半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置
説明

半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置

【課題】半導体チップ表面との接着性が良好であり、かつ耐湿性に優れた硬化物を与えることができる、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びそれを用いて封止した半導体装置の提供。
【解決手段】(A)少なくとも1種のエポキシ樹脂、(B)少なくとも1種の硬化促進剤、及び(C)少なくとも1種の酸無水物末端ポリアミック酸を含む、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物により、良好な流動性と硬化性を有するとともに、半導体チップ表面と樹脂組成物の硬化物との接着性が改善し、さらに水分の存在下でも、接着性の劣化が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物及びそれを用いて封止した半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業は、数十年間の継続した集積回路のスケールダウンを支えてきた。同時に、集積回路の中のトランジスタや、半導体チップへの電気的接続部もスケールダウンされてきた。トランジスタのスケールダウンは、より多くの機能性を単一チップに集積させた。より多くのチップの機能性は、音楽を演奏したり、ビデオを再生したり、画像を収集したり、様々な無線プロトコルを用いて通信したりすることができるスマートフォン等の最新の電子機器装置にみられる豊富な機能性を提供している。
【0003】
より多くの機能性は、また、半導体チップや、それを収納しているパッケージ中の電気的接続をさらに必要とする。通常、半導体は、OEM元に販売されるパッケージに備え付けられ、OEM元が、このパッケージを彼らのプリント基板(PCB)に実装する。あるいは、パッケージがない半導体チップは、直接、プリント基板に実装される。後者は、電気接続の増加及びコスト減の点から、有利であるため、注目されている。
【0004】
通常、半導体チップとそのチップが実装された基板の間を機械的に補強するためにアンダーフィル材料が施される。従来のアンダーフィルに使用される液状エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含み、またシリカ、シランカップリング剤、フッ素系又はシリコーン系の消泡剤などのその他の成分を含む場合もある。液状エポキシ樹脂組成物は、半導体チップとそのチップが実装された基板の隙間に充填された後、硬化される。
【0005】
上述のとおり、半導体チップは、スマートフォン等の携帯電子機器装置に使用されている。しかし、これらの携帯電子機器装置は、常に精密機械のように取り扱われるわけではなく、落とされたり、粗雑に扱われ、物理的衝撃を受けることが予測される。さらに、高温多湿下といった劣悪な環境で使用されることもある。これらを背景に、アンダーフィルに使用される液状エポキシ樹脂組成物は、その硬化物が、半導体チップ表面との接着性において良好であり、かつ耐湿性に優れていることが求められている。
【0006】
近年、半導体チップ表面との接着性に優れた液状エポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US2010/0308477A1
【特許文献2】日本国特開2010−77234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のような電子機器装置の機能性向上を背景に、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物への要求レベルは高まっている。本発明の課題は、良好な硬化性と流動性を有し、半導体チップ表面との接着性が良好であり、かつ耐湿性に優れた硬化物を与えることができる、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びそれを用いて封止した半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討した結果、エポキシ樹脂に、硬化促進剤と酸無水物末端ポリアミック酸とを組み合わせて配合した半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物により、上記課題の解決が可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明者らは、エポキシ樹脂に、硬化促進剤及び酸無水物末端ポリアミック酸を配合した半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物により、良好な流動性と硬化性を有するとともに、半導体チップ表面と樹脂組成物の硬化物との接着性が改善し、さらに水分の存在下でも、接着性の劣化が抑制されることを見出した。その機構は、必ずしも明らかではないが、以下が考えられる。
−組成物の硬化工程において、酸無水物末端は、水分の存在下で加水分解して、末端が極性の高いジカルボン酸となる。
−このジカルボン酸部分と、表面のポリイミドパッベーション膜において生成するアミド結合とが反応して、イミド結合を生成する。
これにより、接着性の低下を防止することができると考えられる。
【0011】
発明1は、(A)少なくとも1種のエポキシ樹脂、(B)少なくとも1種の硬化促進剤、及び(C)少なくとも1種の酸無水物末端ポリアミック酸を含む、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明2は、エポキシ樹脂100重量部に対して、酸無水物末端ポリアミック酸が0.05〜20重量部である、本発明1の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明3は、酸無水物末端ポリアミック酸が、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を、ジアミン化合物1モルに対してテトラカルボン酸二無水物1モル超となるような量で反応させることにより得られる化合物である、本発明1又は2の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明4は、硬化促進剤が、イミダゾール化合物及び第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)から選択される少なくとも1つの化合物である、本発明1〜3のいずれかの半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明5は、硬化促進剤が、イミダゾール化合物である、本発明4の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明6は、硬化促進剤が、第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)である、本発明5の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明7は、エポキシ樹脂100重量部に対して、イミダゾール化合物が0.01〜10重量部である、本発明4〜6のいずれかの半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明8は、エポキシ樹脂100重量部に対して、酸無水物末端ポリアミック酸が0.05〜20重量部である、本発明4〜7のいずれかの半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明9は、第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)からなる群より選択される、本発明4〜8のいずれかの半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明10は、酸無水物末端ポリアミック酸に対する第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)の重量比が、0.001〜6である、本発明4〜9のいずれかの半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明11は、フェノール樹脂及び酸無水物からなる群より選択される(E)少なくとも1種の硬化剤をさらに含む、本発明1〜10のいずれかの半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明12は、少なくとも1種の無機充填剤をさらに含む、本発明1〜11のいずれかの半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明13は、基板及び半導体を含むフリップチップ半導体装置であって、該半導体は、本発明1〜12のいずれかの液状エポキシ樹脂組成物により該基板に固定される、フリップチップ半導体装置に関する。
本発明14は、プリント回路基板;半導体ダイ;及び本発明1〜12のいずれかのエポキシ樹脂組成物の硬化材料であって、該硬化材料は、プリント回路基板と半導体ダイとの間に配置されることにより、半導体ダイは、プリント回路基板に固定されている;
を含む、アセンブリに関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物は、良好な流動性と硬化性し、加えて半導体チップの表面との接着性が良好であり、かつ耐湿性に優れた硬化物を与えることができる。本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物をアンダーフィルとして用いることによって、物理的衝撃や高温多湿下で、アンダーフィルと半導体チップとが剥離してしまうといった問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例の接着強度試験で使用するサンプルの模式図である。
【図2】図2は、フリップチップ型半導体装置の模式図である。
【図3A】図3Aは、合成例(c−1)のポリアミック酸のIRチャートである。
【図3B】図3Bは、合成例(c−2)のポリアミック酸のIRチャートである。
【図3C】図3Cは、合成例(c−1)及び(c−2)両方のIRチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、
(A)少なくとも1種のエポキシ樹脂、
(B)少なくとも1種の硬化促進剤、及び
(C)少なくとも1種の酸無水物末端ポリアミック酸
を含む、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。本明細書において、「常温で液状」とは、10〜35℃で流動性を有することをいう。
【0015】
(A)エポキシ樹脂
本発明における(A)エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基をするエポキシ化合物であれば、特に限定されない。エポキシ樹脂は、常温で液状であることが好ましいが、常温で固体のものであっても、他の液状のエポキシ樹脂又は希釈剤により希釈し、液状を示すようにして用いることができる。
【0016】
(A)エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、エーテル系又はポリエーテル系エポキシ樹脂、オキシラン環含有ポリブタジエン、シリコーンエポキシコポリマー樹脂等が挙げられる。
【0017】
液状であるエポキシ樹脂としては、平均分子量が約400以下のビスフェノールA型エポキシ樹脂;p−グリシジルオキシフェニルジメチルトリスビスフェノールAジグリシジルエーテルのような分岐状多官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;約570以下のフェノールノボラック型エポキシ樹脂;ビニル(3,4−シクロヘキセン)ジオキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルカルボン酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、アジピン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)5,1−スピロ(3,4−エポキシシクロヘキシル)−m−ジオキサンのような脂環式エポキシ樹脂;3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジグリシジルオキシビフェニルのようなビフェニル型エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル、3−メチルヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル、ヘキサヒドロテレフタル酸ジグリシジルのようなグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、テトラグリシジルビス(アミノメチル)シクロヘキサンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂;1,3−ジグリシジル−5−メチル−5−エチルヒダントインのようなヒダントイン型エポキシ樹脂;ナフタレン環含有エポキシ樹脂が挙げられる。また、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのようなシリコーン骨格をもつエポキシ樹脂も使用することができる。さらに、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグルシジルエーテル、ブタンジオールグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのようなジエポキシド化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルのようなトリエポキシド化合物等も挙げられる。
【0018】
常温で固体ないし超高粘性のエポキシ樹脂を併用することも可能であり、そのようなエポキシ樹脂としては、高分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、常温で低粘度のエポキシ樹脂及び/又は希釈剤と組み合わせて、流動性を調節して使用することができる。
【0019】
常温で低粘度のエポキシ樹脂としては、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグルシジルエーテル、ブタンジオールグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのようなジエポキシド化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルのようなトリエポキシド化合物等が挙げられる。
【0020】
希釈剤は、非反応性希釈剤及び反応性希釈剤のいずれであってもよいが、反応性希釈剤が好ましい。本明細書において、反応性希釈剤は、1個のエポキシ基を有する、常温で低粘度の化合物をいうこととし、目的に応じて、エポキシ基以外に、他の重合性官能基、例えばビニル、アリル等のアルケニル基;又はアクリロイル、メタクリロイル等の不飽和カルボン酸残基を有していてもよい。このような反応性希釈剤としては、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−s−ブチルフェニルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、α−ピネンオキシドのようなモノエポキシド化合物;アリルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル、1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサンのような他の官能基を有するモノエポキシド化合物等が挙げられる。
【0021】
エポキシ樹脂は、単独でも、2種以上を併用してもよい。エポキシ樹脂自体が、常温で液状であることが好ましく、中でも好ましくは、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂、液状アミノフェノール型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂である。さらに好ましくは液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、p−アミノフェノール型液状エポキシ樹脂、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサンである。
【0022】
(B)硬化促進剤
本発明における(B)硬化促進剤としては、エポキシ樹脂の硬化を促進することができるものであれば特に限定されず、イミダゾール化合物;第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない);トリアジン化合物、ジシアンジアミド;有機酸ヒドラジド;及びリン硬化促進剤が挙げられる。リン硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン等の第三級ホスフィン、テトラフェニルホスホニウム、テトラフェニルボラート等のホスホニウム塩が挙げられる。
【0023】
(B)硬化促進剤としては、良好な接着性、耐湿性及び硬化性を得られる観点から、イミダゾール化合物及び第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)が好ましい。イミダゾール化合物及び第三級アミン化合物は、単独でも、組み合わせても使用することができる。
【0024】
イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチル−イミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、2,4,5−トリメチルイミダゾール等が挙げられる。
【0025】
イミダゾール化合物として、イミダゾール化合物のエポキシアダクト、イミダゾール化合物の尿素アダクト及びイミダゾール化合物のエポキシアダクトの水酸基にイソシアナート化合物を付加させた化合物も、使用することができる。
【0026】
エポキシアダクトは、イミダゾール化合物とエポキシ化合物とを反応させることにより得ることができる。また、次いでエポキシアダクトの水酸基にイソシアナート化合物を付加反応させることもできる。
【0027】
エポキシ化合物としては、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシへキサン、1,2−エポキシオクタン、スチレンオキシド、n−ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアセタート、グリシジルブチラート、グリシジルヘキソアート、グリシジルベンゾアート等が挙げられる。
【0028】
イソシアナート化合物としては、フェニルイソシアナート、p−メチルフェニルイソシアナート、o−メチルフェニルイソシアナート、p−メトキシフェニルイソシアナート、2、4−ジメチルフェニルイソシアナート、o−クロロフェニルイソシアナート、p−クロロフェニルイソシアナート、メチルイソシアナート、エチルイソシアナート、プロピルイソシアナート、ブチルイソシアナート、ヘキシルイソシアナート等が挙げられる。
【0029】
尿素アダクトは、イミダゾール化合物、尿素化合物及び場合によりイソシアナート化合物を反応させることにより得ることができる。イミダゾール化合物及びイソシアナート化合物は、上記で例示したものが挙げられる。尿素化合物としては、尿素、チオ尿素等が挙げられる。
【0030】
エポキシアダクトの水酸基にイソシアナート化合物を付加反応させたものは、マイクロカプセル化イミダゾールと呼ばれるものも含み、例えばノバキュアHX−3088、ノバキュアHX−3722(いずれも旭化成ケミカルズ社製、商品名)等として入手可能である。
【0031】
さらに、イミダゾール化合物は、イミダゾール化合物と酸とを含む包接化合物の形態で使用することができる。酸としては、イソフタル酸及びその誘導体(アルキル基、アリール基等の置換基を有するイソフタル酸)が挙げられる。包接化合物は、上記のイミダゾール化合物と酸とを溶媒に溶解又は懸濁して加熱することにより得ることができる。このような包接化合物としては、日本国特開2007−39449号公報に記載されているものを使用することができる。
【0032】
また、イミダゾール化合物は、イミダゾール化合物をゲストとし、カルボン酸誘導体をホストとする包接化合物の形態で使用することもできる。カルボン酸誘導体としては、テトラキスフェノール系化合物が挙げられ、テトラキス(4−カルボキシフェニル)エタン、テトラキス(4−カルボキシフェニル)エタンテトラメチルエステル等が上げられる。このような包接化合物としては、日本国特開平05−201902号公報に記載されているものを使用することができる。
【0033】
イミダゾール化合物は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0034】
イミダゾール化合物は、良好な密着性、耐湿性、硬化性を得る点から、(A)エポキシ樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部とすることができ、好ましくは0.03〜9重量部である。
【0035】
第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)は、第三級アミノ基を1個以上有する化合物である。そのような第三級アミン化合物としては、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリエチレンジアミン(1,4−ジアザジシクロ(2.2.2)オクタン(DABCO))、ヘキサメチレンテトラミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン,N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N,N'−ジメチルピペラジン、N−メチルモルホリン,1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)等の脂肪族第三級アミン化合物;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ベンジルジメチルアミン、トリフェニルアミン、ピリジン、4−ジメチルピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2,2'−ジピリジル、2,5−ジメチルピラジン、キノリン等の芳香族第三級アミン化合物が挙げられる。中でも、流動性と密着性のバランスの点から、活性水素をもたない環状アミジン構造を有する第三級アミン化合物が好ましく、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)が挙げられる。
【0036】
第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)は、良好な密着性、耐湿性、硬化性を得る点から、(A)エポキシ樹脂100重量部に対して、0.002〜10重量部の量で使用することができ、好ましくは0.01〜8重量部である。
【0037】
流動性と密着性のバランスの点から、酸無水物末端ポリアミック酸に対する、第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)の重量比(第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)/酸無水物末端ポリアミック酸)は、重量比で、0.01〜6が好ましく、より好ましくは0.025〜1.25である。
【0038】
硬化促進剤は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0039】
(C)酸無水物末端ポリアミック酸
本発明における(C)酸無水物末端ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を、ジアミン化合物1モルに対してテトラカルボン酸二無水物1モル超となるような量で反応させることにより得ることができる。ジアミンカルボン化合物に対するテトラカルボン酸二無水物のモル比は、1超であり、好ましくは1超4以下であり、より好ましくは1.5〜2.5である。テトラカルボン酸二無水物を過剰量で用いることにより、酸無水物末端とすることができる。
【0040】
テトラカルボン酸二無水物としては、一般式(1):
【化1】


(式中、Rは、炭素原子数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選択される、四価の基である)で表される化合物が挙げられる。
【0041】
脂肪族基としては、C2〜C6アルカンテトライル、C2〜C6アルケンテトライルが挙げられ、環式脂肪族基としては、C3〜C10シクロアルカンテトライルが挙げられ、単環式芳香族基としては、ベンゼンテトライルが挙げられ、これらは非置換であっても、フッ素原子等で置換されていてもよい。架橋員としては、酸素原子、スルホニル基等が挙げられる。
【0042】
テトラカルボン酸二無水物としては、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族のテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3- ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3- ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルフォン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルフォン二無水物、4,4'- (p-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4'- (m-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10- ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。中でも、密着性の点から、ピロメリット酸二無水物が好ましい。
【0043】
ジアミン化合物は、一般式(2):
N−X−NH
(式中、Xは、二価の有機基である)で表される化合物が挙げられる。
【0044】
二価の有機基としては、炭素原子数1以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接又は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選択される、二価の基が挙げられる。架橋員としては、酸素原子等が挙げられる。
【0045】
脂肪族基としては、C2〜C6アルカンジイル、C2〜C6アルケンジイルが挙げられ、環式脂肪族基としては、C3〜C10シクロアルカンジイルが挙げられ、単環式芳香族基としては、置換又は非置換のベンゼンジイルが挙げられ、これらは非置換であっても、フッ素原子等で置換されていてもよい。架橋員としては、酸素原子等が挙げられる。
【0046】
ジアミン化合物としては、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等があげられる。中でも、流動性の点から、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましく、より好ましくは、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルである。
【0047】
一般式(1)のテトラカルボン酸二無水物と一般式(2)のジアミン化合物との反応により、下記一般式(3)で示される繰り返し単位を有するポリアミック酸が得られる。
【化2】


(式中、Rは、一般式(1)のRと同義であり、
Xは、一般式(2)のXと同義である)。
【0048】
ピロメリット酸二無水物(PMDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とを、ODAに対するPDMAのモル比(PDMA/ODA)が1超4以下のモル比で、反応させて得られる酸無水物末端ポリアミック酸が、密着性の点から好ましい。
【0049】
酸無水物末端ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、有機溶媒中で反応させることによって調製することができる。有機溶媒としては、ジメチルアセトアミド(DMAc)、テトラヒドロフラン(THF)等を使用することができ、反応温度は、20〜100℃とすることができる。より具体的には、ジメチルアセトアミドとトルエンの混合溶媒に、ODAを溶解させた後、トルエン及び残存する水を除去した後、50〜70℃に加熱し、次いでPMDAを添加して、70〜90℃の温度で反応させ、酸無水物末端ポリアミック酸を得ることができる。酸無水物末端ポリアミック酸が生成していることの確認は、IRでカルボン酸無水物、飽和カルボン酸、アミド結合のピークが観察されることをもって行うことができる。酸無水物末端ポリアミック酸の調製は、Hiemenzによる“Polymer Chemistry”(Dekker, 1984)にも記載されている。
【0050】
(C)酸無水物末端ポリアミック酸は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0051】
(C)酸無水物末端ポリアミック酸は、(A)エポキシ樹脂100重量部に対して、0.05〜20重量部とすることができ、流動性と密着性のバランスの点から、好ましくは0.2〜5重量部である。
【0052】
(D)フェノール樹脂及び酸無水物からなる群より選択される硬化剤
本発明の組成物は、高信頼性化(耐クラック性・耐湿性向上)の点から、(D)フェノール樹脂及び酸無水物からなる群より選択される硬化剤を含むことが好ましく、フリップチップボンディングとの組み合わせで用いる場合等、注入性が必要とされる用途において、好適に使用することができる。中でも、フェノール樹脂の使用がより好ましい。
【0053】
フェノール樹脂は、特に限定されず、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトール変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、p−キシレン変性フェノール樹脂等が挙げられるが、特に限定されない。フェノールノボラック樹脂は、アリル基等の置換基で置換されたものであってもよい。(A)エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1個あたり、フェノール樹脂中のOH基が、0.3〜1.5個となるような割合であることが好ましく、OH基が0.5〜1.2個となるような割合がさらに好ましい。フェノール樹脂は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0054】
酸無水物は、特に限定されず、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、アルキル化テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水メチルハイミック酸、無水ドデセニルコハク酸、無水メチルナジック酸等が挙げられる。エポキシ樹脂と酸無水物の配合割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1個あたり、酸無水物基が0.4〜1.2個となるような割合であることが好ましく、酸無水物基が0.6〜1.0個となるような割合がさらに好ましい。酸無水物は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0055】
(E)その他成分
本発明の組成物には、応力を低下させるため、エラストマーを配合してもよい。エラストマーとしては、ポリブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、水素添加アクリロニトリル・ブタジエンゴムのようなブタジエン系ゴム;ポリイソプレンゴム;エチレン・プロピレン・ジエンコポリマー、エチレン・プロピレンコポリマーのようなエチレン・プロピレン系ゴム;クロロプレンゴム;ブチルゴム;ポリノルボルネンゴム;シリコーンゴム;エチレン・アクリルゴム、アクリルゴム、プロピレンオキシドゴム、ウレタンゴムのような極性基含有ゴム;六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデンコポリマー、四フッ化エチレン・プロピレンコポリマーのようなフッ素ゴム;シリコーンゴム等が挙げられる。エラストマーは、固体のものを使用することができ、その形態は特に限定されない。粒子状の場合、平均粒子径は、好ましくは10〜200nm、より好ましくは30〜150nm、さらに好ましくは、80〜120nmである。本明細書において、平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置で測定した値とする。
【0056】
エラストマーは、常温で液状のものも使用することもできる。具体的には、平均分子量が比較的低い(例えば、重量平均分子量が8000以下)、ポリブタジエン、ブタジエン・アクリロニトリルコポリマー、ポリイソプレン、ポリプロピレンオキシド、ポリジオルガノシロキサンが挙げられる。また、エラストマーは、末端にエポキシ基と反応する基(例えばカルボキシ基)を有するものを使用することができ、これらは固体、液状いずれの形態であってもよい。
【0057】
エラストマーは、樹脂組成物の良好な粘度、エポキシ樹脂との相溶性又は分散性、硬化物の物性の点から、成分(A)〜(C)及び任意成分の合計100重量部に対して、20重量部以下で用いることが好ましく、より好ましくは0.1〜15重量部であり、特に好ましくは1〜10重量部である。エラストマーは、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0058】
本発明の組成物には、作業時の流動性の点から、界面活性剤を配合してもよい。界面活性剤は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれであってもよいが、電気特性への影響が小さいことから、ノニオン界面活性剤が好ましい。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシプロピレンを親油基とするブロックポリマー及びポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等のポリオキシアルキレン鎖含有ノニオン界面活性剤;ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン等のシロキサン含有ノニオン界面活性剤;グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステル等のエステル型界面活性剤;脂肪酸アルカノールアミド等の含窒素型ノニオン界面活性剤、フッ素系ノニオン界面活性剤が挙げられる。特に、フィレット形成性を向上させる効果の点から、ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン等のシロキサン含有ノニオン界面活性剤、フッ素系ノニオン界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤は、単独でも、2種以上併用してもよい。
【0059】
界面活性剤は、樹脂組成物の良好な粘度、エポキシ樹脂との相溶性又は分散性、硬化物の所望の物性の点から、成分(A)〜(C)及び任意成分の合計100重量部に対して、1重量部以下で用いることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5重量部である。界面活性剤は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0060】
本発明の組成物には、線膨張係数の調整の点から、無機充填剤を配合してもよい。無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、チッ化アルミニウム、チッ化ケイ素等が挙げられる。シリカは、非晶質シリカ、結晶性シリカのいずれであってもよいが、非晶質シリカが望ましい。無機充填剤は、シランカップリング剤等で表面処理が施されたものであってもよいが、表面処理が施されていなくもよい。
【0061】
無機充填剤は、樹脂組成物の総重量に基づいて、80重量%以下であることが好ましく、より好ましくは30〜70重量%である。無機充填剤は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0062】
本発明の組成物には、接着性を向上させるために、3−グリシドキシプロプルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、2−(2,3−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を配合してもよい。
【0063】
シランカップリング剤は、成分(A)〜(C)及び任意成分の合計100重量部に対して、3重量部以下で用いることができ、例えば0.03〜2重量部である。シランカップリング剤は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0064】
本発明の組成物には、カーボンブラック等の着色剤を配合してもよい。
【0065】
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、消泡剤、無機繊維、難燃剤、イオントラップ剤、内部離型剤、増感剤等を配合してもよい。
【0066】
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば原料を、所定の配合で、ライカイ機、ポットミル、三本ロールミル、回転式混合機、二軸ミキサー等の混合機に投入し、混合して、製造することができる。
【0067】
本発明の組成物は、常温で液状であり、25℃における粘度が、好ましくは0.1〜150Pa・sであり、より好ましくは0.1〜100Pa・sである。本明細書において、粘度は、HB型回転粘度計(回転数50rpm)、25℃で測定した値とする。
【0068】
本発明の組成物は、半導体チップを基板に接合する際のアンダーフィルとして、好適に使用することができ、特に、フリップチップボンディングとの組み合わせで用いるのに有利である。例えば、図2に示すように、フェースダウンで基板408上に搭載した半導体チップ402と、この基板との隙間にディスペンサー等を用いて、本発明の組成物を横から注入し、硬化させて封止して、フリップチップ型半導体装置を得ることができる。また、基板にディスペンサー等を用いて、半導体チップの大きさに合わせて、本発明の封止剤樹脂組成物を塗布し、チップボンダー等を用いて、加熱接続をした後、硬化させて封止することもできる。
【0069】
半導体チップは、特に限定されず、IC、LSI、VLSI等が挙げられる。通常、半導体チップの表面は、ポリイミドパッシベーション膜、窒化膜、酸化膜で覆われ、適宜、アンダーフィルとの接着性確保のために、プラズマエッチング、ケミカルエッチング又はUV照射等の表面活性化処理が施される。本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物をアンダーフィルに用いた場合、上記のような表面活性化処理を施さなくても、良好な接着性が得られる。しかしながら、表面活性化処理した半導体チップとの組み合わせで、本発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物を使用してもよい。
【0070】
基板は、特に限定されず、ガラスエポキシ基板(例えば、FR−4基板)、アラミド基板、ポリイミド基板、金属基板(シリコン基板等)、セラミック基板等が挙げられる。
【実施例】
【0071】
以下、本発明を、実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
【0072】
〔組成物の調製〕
表1に示す配合(各成分の配合量の単位は重量部である)で、ロールミルで各成分を混練して、実施例1〜5、比較例1〜3の組成物を調製した。実施例・比較例の組成物について、下記の試験を行った。結果を表1に示す。
【0073】
〔粘度の測定〕
粘度は、HB型回転粘度計(SC4-14/6Rスピンドル、回転数50rpm)を用いて、25℃で測定した値である。
【0074】
〔ゲルタイムの測定〕
150℃の熱板(小池精密機器製作所製ホットプレート HP−19U300)上に、実施例・比較例の組成物5mg±1mgを供給し、攪拌棒によって円を描くようにして攪拌し、供給から、攪拌しながら攪拌棒を持ち上げて引き離した場合に糸引きが5mm以下となるまでの時間を測定して、ゲルタイムとした。
【0075】
〔注入性の測定〕
FR−4基板上に50μmのギャップを設けて、半導体素子の代わりにガラス板を固定した試験片を作製した。この試験片を90℃に設定したホットプレート上に置き、10mm幅のガラス板の一端側に実施例・比較例の組成物を塗布し、ギャップが組成物で満たされるまでの時間を測定した。
【0076】
〔剪断接着強さ試験〕
ポリイミドパッシベーション膜208を備えたアルミニウム基板210上に、実施例・比較例の組成物を円錐台の形状(底面の直径4.75mm、高さ100μm)となるように塗布し、ポリイミドパッシベーション膜204を備えたアルミニウム円錐台(直径6.3mm)202を配置した後、18gの負荷を5分間かけ、その後表1の条件下で組成物を硬化させた(図1参照)。
次いで、万能試験機を用いて、剪断速度200μm/秒で、剪断接着強さを測定した。
サンプルを、2気圧、121℃、相対湿度100%で、20時間の条件で保管した後、同様に剪断試験を実施した。
【0077】
【表1】

【0078】
実施例で用いた(b)、(d−1)、(d−2)、(e)及びその他の成分は、以下のとおりである。
(b)マイクロカプセル化イミダゾール
旭化成イーマテリアルズ社製 商品名:ノバキュアHX3088(イミダゾール含有量35重量%)
(d−1)第三級アミン(DBU)
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)
(d−2)第三級アミン(DBN)
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)
(e)アリル化フェノールノボラック樹脂
明和化成社製 商品名:MEH8000H(OH当量140)
(その他)無機充填剤
球状シリカ粒子 平均粒子径2um (レーザー解析散乱法、測定装置:ベックマン コールター製 LS13320)
(その他)シランカップリング剤
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
【0079】
実施例で用いた(c−1)、(c−2)は、以下のとおりである。
【0080】
(c−1)の合成
還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)20g(0.1モル)と、ジメチルアセトアミド(DMAc)138g及びトルエン125gとを装入し、撹拌して、ODAを溶解させた後、130℃に昇温し、トルエン及び水を除去した。60℃まで冷却した後、ピロメリット酸二無水物(PMDA)の添加により、溶液温度は82℃迄上昇した。温度を75℃に保ち1時間攪拌を続けて、ポリアミック酸を得た(30質量%DMAc溶液)。得られたポリアミック酸をIRで測定したところにより、カルボン酸無水物、飽和カルボン酸、アミド結合のピークが観察され(図3A及び3C参照)、末端が酸無水物であることがわかる。
【0081】
(c−2)の合成
ジメチルアセトアミド(DMAc)及びトルエンの量を、それぞれ、98g及び91gとし、PMDAを4.36g(0.02mol)とした他は、(c−1)の合成と同様にして、ポリアミック酸を得た(30質量%DMAc溶液)。得られたポリアミック酸をIRにより測定したところ、飽和カルボン酸、アミド結合のピークが観察されたが、カルボン酸無水物のピークは観察されず(図3B及び3C参照)、末端がアミノ基であることがわかる。
【0082】
表1に示されるように、実施例1〜5の組成物は、PCT試験後の接着性の低下が抑制された。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明によれば、半導体チップ表面との接着性が良好であり、かつ耐湿性に優れた硬化物を与えることができる、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、及びそれを用いて封止した半導体装置が提供可能であり、産業上の利用性が高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)少なくとも1種のエポキシ樹脂、
(B)少なくとも1種の硬化促進剤、及び
(C)少なくとも1種の酸無水物末端ポリアミック酸
を含む、半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項2】
エポキシ樹脂100重量部に対して、酸無水物末端ポリアミック酸が0.05〜20重量部である、請求項1記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
酸無水物末端ポリアミック酸が、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を、ジアミン化合物1モルに対してテトラカルボン酸二無水物1モル超となるような量で反応させることにより得られる化合物である、請求項1又は2記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
硬化促進剤が、イミダゾール化合物及び第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)から選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1〜3のいずれか1項記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
硬化促進剤が、イミダゾール化合物である、請求項4記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
硬化促進剤が、第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)である、請求項5記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項7】
エポキシ樹脂100重量部に対して、イミダゾール化合物が0.01〜10重量部である、請求項4〜6のいずれか1項記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項8】
エポキシ樹脂100重量部に対して、酸無水物末端ポリアミック酸が0.05〜20重量部である、請求項4〜7のいずれか1項記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項9】
第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)からなる群より選択される、請求項4〜8のいずれか1項記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項10】
酸無水物末端ポリアミック酸に対する第三級アミン化合物(ただし、イミダゾール化合物ではない)の重量比が、0.001〜6である、請求項4〜9のいずれか1項記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項11】
フェノール樹脂及び酸無水物からなる群より選択される(E)少なくとも1種の硬化剤をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項12】
少なくとも1種の無機充填剤をさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項13】
基板及び半導体を含むフリップチップ半導体装置であって、該半導体は、請求項1〜12のいずれか1項記載の液状エポキシ樹脂組成物により該基板に固定される、フリップチップ半導体装置。
【請求項14】
プリント回路基板;
半導体ダイ;及び
請求項1〜12のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物の硬化材料であって、該硬化材料は、プリント回路基板と半導体ダイとの間に配置されることにより、半導体ダイは、プリント回路基板に固定されている、
を含む、アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【公開番号】特開2013−32522(P2013−32522A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−167118(P2012−167118)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【出願人】(591252862)ナミックス株式会社 (133)
【Fターム(参考)】