説明

半導体歪みゲージ及びその製造方法

【課題】半導体の歪みゲージのチャネル発生を防止するもので、拡散抵抗領域の周囲に不純物や電荷が付着した場合、あるいは半導体基板の不純物濃度が低い場合に電極パッド間に発生しやすくなるチャネルの発生を防止して、出力の抵抗値を安定させることのできる、各種加速センサ、圧力センサ等に利用できる半導体歪みゲージ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】所定の導電型の半導体基板の表面に形成され、該半導体基板とは反対導電型の拡散抵抗領域を備え、その拡散抵抗領域の両端に電極を備えた半導体歪みゲージにおいて、拡散抵抗領域の周囲にその半導体基板よりも高濃度に不純物がドープされた半導体基板と同一導電型の高濃度不純物拡散層を備え、上記電極の一方がその高濃度不純物拡散層まで伸びて形成されてその拡散抵抗領域と該高濃度不純物拡散層とが接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡散抵抗を用いる半導体歪みゲージの構造及びその製造方法に関するものであって、各種加速度センサ、圧力センサ等に利用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、加速度や圧力を検出するセンサとして歪みゲージが用いられ、その歪みゲージには各種のタイプがある。半導体単結晶を用いたものも多く使用されており、これらは半導体のピエゾ抵抗効果を利用して加えられた力の変化を電気抵抗の変化として検出するものである。このようなピエゾ抵抗効果を利用した半導体歪みゲージにはバルク型ゲージや拡散型ゲージがあり、いずれも半導体基板自体がゲージとなるので該半導体基板に加工を加える必要がある。
【0003】
図7は従来から一般に用いられる拡散型ゲージの構造を示すものであって、(a)は垂直断面図、(b)は(a)の矢視A−A線方向から見た平面図である。N型の単結晶シリコン基板1の表面にP型の不純物を拡散して反対導電型の拡散抵抗体2を形成したものである。該拡散抵抗体2の表面は絶縁膜であるSiOなどの酸化膜3で保護されており、その酸化膜3の一部をエッチングしてアルミニウム等の金属膜で正(+)電極4及び負(−)電極5を形成したものである。このように半導体基板としてのN型の単結晶シリコン基板1上に拡散により抵抗層を形成する場合には、半導体基板を機械的に加工する必要はない。
【特許文献1】米国特許第6635910号
【特許文献2】特開2001−264188号公報
【特許文献3】特表2004−531699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述した従来の技術に於ける拡散型ゲージの構造はN型の半導体基板、つまりN型の単結晶シリコン基板1の表面上にP型の抵抗体2を拡散によって形成しただけであり、周囲の不純物や電荷よって、また、該N型の半導体基板の不純物濃度が低い場合に酸化膜(絶縁膜)3の下にチャネルが発生しやすい状態にある。そのため、電流の流れる経路が上記P型拡散抵抗体2の部分以外にも存在することになり、拡散型ゲージの抵抗値が不安定となることが問題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る半導体歪みゲージ及びその製造方法は、拡散型の歪みゲージのチャネル発生を防止するものであり、上記P型拡散抵抗体2の周囲に不純物や電荷が付着した場合、あるいは半導体基板、すなわちN型単結晶シリコン基板1の不純物濃度が低い場合に電極パッド間に発生しやすくなるチャネルの発生を防止して、拡散型ゲージの出力の抵抗値を安定させるものであって、例えば、P型拡散抵抗体の周囲に高濃度の反対導電型の不純物拡散層を形成することにより、上記の課題を解決するものである。すなわち、本発明は所定の導電型の半導体基板と、該半導体基板の表面に形成された該半導体基板とは反対導電型の拡散抵抗領域と、該拡散抵抗領域の両端部に設けられた電極とを備えた半導体歪みゲージにおいて、前記拡散抵抗領域の周囲に前記半導体基板よりも高濃度に不純物がドープされた前記半導体基板と同一導電型の高濃度不純物拡散層を備え、前記電極の一方が該高濃度不純物拡散層まで伸びて形成されて前記拡散抵抗領域と該高濃度不純物拡散層とが接続され、前記電極には該拡散抵抗領域から該高濃度不純物拡散層へのリークが発生しないような電圧が印加されることに特徴を有するものである。
【0006】
また、本発明は所定の導電型の半導体基板と、該半導体基板の表面に形成された該半導体基板とは反対導電型の拡散抵抗領域と、ハーフブリッジ構成となるように該拡散抵抗領域の両端部および中間部に設けられた電極とを備えた半導体歪みゲージにおいて、前記拡散抵抗領域の周囲に前記半導体基板よりも高濃度に不純物がドープされた前記半導体基板と同一導電型の高濃度不純物拡散層を備え、前記電極のいずれか一つが該高濃度不純物拡散層まで伸びて形成されて前記拡散抵抗領域と該高濃度不純物拡散層とが接続され、前記電極には該拡散抵抗領域から該高濃度不純物拡散層へのリークが発生しないような電圧が印加されることに特徴を有するものである。
【0007】
また、本発明は所定の導電型の半導体基板と、該半導体基板の表面に形成された該半導体基板とは反対導電型の拡散抵抗領域と、フルブリッジ構成となるように該拡散抵抗領域の4箇所に設けられた電極とを備えた半導体歪みゲージにおいて、前記拡散抵抗領域の周囲に前記半導体基板よりも高濃度に不純物がドープされた前記半導体基板と同一導電型の高濃度不純物拡散層を備え、前記電極のいずれか一つが該高濃度不純物拡散層まで伸びて形成されて前記拡散抵抗領域と該高濃度不純物拡散層とが接続され、前記電極には該拡散抵抗領域から該高濃度不純物拡散層へのリークが発生しないような電圧が印加されることに特徴を有するものである。
【0008】
また、本発明は前記拡散抵抗領域の一部に前記半導体基板とは反対電極型の高濃度不純物拡散層を形成すると共に前記電極に接続されることに特徴を有するものである。
【0009】
また、本発明は前記拡散抵抗領域と前記高濃度不純物拡散層との間隔が5μm以上であることに特徴を有するものである。
【0010】
また、本発明は所定の導電型の半導体基板の表面に該半導体基板とは反対導電型の拡散抵抗領域を形成し、前記拡散抵抗領域の周囲に前記半導体基板よりも不純物が高濃度にドープされた前記半導体基板と同一導電型の高濃度不純物拡散層を形成し、前記半導体基板の表面に保護膜を形成し、前記拡散抵抗領域の2箇所の一部及び前記高濃度不純物拡散層の一部の上面に於ける前記保護膜部分を除去し、一方が前記拡散抵抗領域の1箇所と接続され、他方が前記高濃度不純物拡散層および該拡散抵抗領域の別の箇所に接続される2つの電極膜を形成することに特徴を有するものである。
【0011】
所定の導電型の半導体基板の表面に該半導体基板とは反対導電型であってハーフブリッジ構成でなる拡散抵抗領域を形成し、前記拡散抵抗領域の周囲に前記半導体基板よりも不純物が高濃度にドープされた前記半導体基板と同一導電型の高濃度不純物拡散層を形成し、前記半導体基板の表面に保護膜を形成し、前記拡散抵抗領域の3箇所の一部及び前記高濃度不純物拡散層の一部の上面に於ける前記保護膜部分を除去し、いずれか一つが前記高濃度不純物拡散層と接続される3つの電極膜を形成することに特徴を有するものである。
【0012】
さらに、本発明は所定の導電型の半導体基板の表面に該半導体基板とは反対導電型であってフルブリッジ構成でなる拡散抵抗領域を形成し、前記拡散抵抗領域の周囲に前記半導体基板よりも不純物が高濃度にドープされた高濃度不純物拡散層を形成し、前記半導体基板の表面に保護膜を形成し、前記拡散抵抗領域の4箇所の一部及び前記高濃度不純物拡散層の2箇所の一部の上面に於ける前記保護膜部分を除去し、いずれか一つが前記高濃度不純物層と接続される4つの電極膜を形成することに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る半導体歪みゲージ及びその製造方法は、叙上した構成、作用を有するので次の効果がある。
【0014】
請求項1ないし8記載の本発明によれば、拡散抵抗体の外周部に高濃度の反対導電型の不純物拡散層を形成することによって、チャネルの発生を防止して出力である拡散型ゲージの抵抗値が不安定となることを防止することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る半導体歪みゲージに於ける実施の形態を説明する。
所定の導電型の半導体基板上面又は表面に不純物を拡散させて反対導電型の拡散抵抗領域若しくは拡散抵抗体を形成する。その拡散抵抗体の周囲に、チャネルの発生を防止するための半導体基板と同じ導電型の高濃度不純物拡散層を形成する。該半導体基板上面又は表面を保護膜で覆い、上記拡散抵抗領域の一部及び高濃度不純物拡散層の一部の上面に於ける保護膜部分、すなわち上記電極と接続する部分に於ける保護膜をエッチングして除去する。
そして、アルミニウム等の導体膜によって電極を形成して外部回路と接続可能にする。
【0016】
例えばN型のシリコン基板の電位がP型の拡散抵抗体若しくは拡散抵抗領域よりも下がるとリークが発生するので、正(+)側電極で高濃度N型不純物拡散層とP型の拡散抵抗領域又は拡散抵抗体を接続して同電位としておく。また、該拡散抵抗体と電極とのオーミックコンタクトを得るために、該電極の下部に拡散抵抗体と同じ導電型の高濃度拡散層を設けておくことが望ましい。
【実施例1】
【0017】
次に、本発明に係る半導体歪みゲージに於ける具体的実施例について図1ないし図6に基づいて説明する。
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施例1について説明する。図1は基本構造体を示すものであって、単一素子に適用した本発明の実施例1を示している。(a)は垂直断面図、(b)は(a)の矢視B−B線方向から見た平面図である。半導体基板としてのN型単結晶シリコン基板6の表面に不純物を拡散して反対導電型のP型拡散抵抗領域(拡散抵抗体)7を形成したものである。該P型拡散抵抗領域7の表面にはSiOなどの酸化膜等で保護膜8が形成されており、その保護膜8の一部をエッチングして除去し、その場所にアルミニウム等の金属膜で電極9a、9bを形成したものである。P型の拡散抵抗領域7の周囲を取り囲むように高濃度N型不純物拡散層10を形成した点に本発明の特徴がある。また、この実施例1では正(+)側の電極9aを高濃度N型不純物拡散層10に接続してある。
【実施例2】
【0019】
次に、本発明の実施例2について説明する。図2は図1に示す本発明の実施例1と概ね同一構造を備えた半導体歪みゲージである。(a)は垂直断面図、(b)は(a)の矢視C−C線方向から見た平面図である。当該実施例1との相異点は、前記実施例1に示す電極9a、9bの下面に高濃度P型不純物拡散層11を形成して該電極9a、9bと前記P型拡散抵抗領域7とをオーミック接続した構造を採用した点である。
ほかの構成要素は前述した実施例1と同一であり、同一番号、同一符号を付し、その説明を省略する。
【実施例3】
【0020】
次に、本発明の実施例3について説明する。図3は単一素子に適用した本発明の実施例3を示している。(a)は垂直断面図、(b)は(a)の矢視D−D線方向から見た平面図である。
【0021】
半導体基板としてのP型単結晶シリコン基板12の表面に不純物を拡散して反対導電型のN型拡散抵抗領域(N型拡散抵抗体)13を形成したものである。該N型拡散抵抗領域13の表面はSiOなどの酸化膜等で保護膜8を形成しており、その保護膜8の一部をエッチングしてアルミニウム等の金属膜で電極9a、9bを形成したものである。該電極9a、9bの下面に高濃度N型不純物拡散層14を形成している。前記N型拡散抵抗領域13の周囲を取り囲むように高濃度P型不純物拡散層15を形成した点に本発明の特徴がある。この実施例3では負(−)側の電極9bを高濃度P型不純物拡散層15に接続してある。
【0022】
図4ないし図6は本発明のそれぞれ他の実施例すなわち実施例4ないし実施例6を示す平面図である。なお、各平面図は保護膜下の半導体基板の上面を示している。便宜上、半導体基板より上に在る電極の平面形状と位置を各図中に一点鎖線で示しておく。
図4はP型拡散抵抗領域16をハーフブリッジ構成としたもので、P型の抵抗体を用いているので正(+)側電極9aと高濃度N型不純物拡散層17とを接続したものである。拡散抵抗領域がN型の抵抗体を用いる場合には負(−)側電極9bとP型高濃度不純物拡散層(図示せず)を接続すればよい。また、中間に位置する中間電極9cを正(+)電極9aとし、高濃度N型不純物拡散層17と接続するようにしても実施可能である。
図5は図4と同じ導電型の半導体基板であるが、高濃度N型不純物拡散層の形状が異なった実施例である。高濃度N型不純物拡散層18をP型拡散抵抗領域16の形状に合わせて折り曲げて形成したものである。
図6はP型拡散抵抗領域19をフルブリッジ構成として高濃度N型不純物拡散層20a、20bをP型拡散抵抗領域19の外側と内側にそれぞれ形成し、この形成された外側と内側のそれぞれの高濃度N型不純物拡散層20a、20bと正(+)側電極9aとを接続したものである。
なお、図4ないし図6に示す実施例の他の構成要素は前述した実施例1同一であり、その説明を省略する。
【0023】
次に、本発明に係る半導体歪みゲージの製造方法を説明し、本発明を明らかにする。
【0024】
本発明による半導体歪みゲージの製造方法の工程は次のようになる。
(1)所定の導電型の半導体基板すなわち、N型又はP型単結晶シリコン基板6、12の表面に該半導体基板とは反対導電型のP型又はN型の拡散抵抗領域7、13となる不純物拡散層を形成する。
(2)当該P型又はN型の拡散抵抗領域7、13の周囲に当該一つの半導体基板と同一導電型であって該半導体基板よりも不純物が高濃度にドープされた高濃度N型又はP型不純物拡散層10、15を形成する。この高濃度N型又はP型不純物拡散層10、15はP型又はN型の拡散抵抗領域7、13と5μm程度の間隔を置いて形成するとよい。高濃度N型又はP型不純物拡散層10、15とP型又はN型の拡散抵抗領域7、13との間隔が広がると半導体歪みゲージの出力の抵抗値を安定させるという効果がなくなるので3mm程度までの範囲にするとよい。
(3)当該半導体基板の表面に保護膜8を形成する。
(4)上記P型又はN型拡散抵抗領域7、13の2箇所の一部と上記高濃度N型又はP型不純物拡散層10、15の一部の上面に於ける前記保護膜8を除去する。
(5)一方が保護膜8の除去されたP型又はN型拡散抵抗領域7、13の1箇所と接続され、他方が保護膜8の除去された高濃度N型又はP型不純物拡散層10、15およびP型又はN型拡散抵抗領域7、13の別の箇所に接続される2つの電極9a、9bを形成する。
【0025】
次に、試作例について説明する。N型の半導体基板にP型の抵抗体を拡散によって抵抗値が3.5kΩとなるように形成した。正(+)側電極の下部に高濃度N型不純物拡散層及び負(−)側電極の下部に高濃度N型不純物拡散層をそれぞれ形成した。N型の半導体基板の表面にSiOの絶縁保護膜を1μm形成し、エッチングで窓を形成した後に1μm厚のアルミニウム電極を形成した。該N型半導体基板の裏面を研磨して25μmの厚みに仕上げ、ダイシングを行って素子を得た。
【0026】
試作品の抵抗体の寸法は、比抵抗を0.03Ω・cmとする場合、断面積を60μm2(幅30μm、深さ2μm)、長さを750μmとした。素子の大きさは0.36mm×2.73mm×0.025mmとすることができた。試作品のゲージ率Gは、G=(ΔR/R)・(1/ε)(ただし、ε:歪み、ΔR/R:抵抗変化率)で約100となっていた。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る半導体歪みゲージに於ける実施例1を示す図面であって、(a)は垂直断面図、(b)は(a)の矢視B−B線方向から見た平面図である。
【図2】本発明に係る半導体歪みゲージに於ける実施例2を示す図面であって、(a)は垂直断面図、(b)は(a)の矢視C−C線方向から見た平面図である。
【図3】本発明に係る半導体歪みゲージに於ける実施例3を示す図面であって、(a)は垂直断面図、(b)は(a)の矢視D−D線方向から見た平面図である。
【図4】本発明に係る半導体歪みゲージに於ける実施例4を示す平面図である。
【図5】本発明に係る半導体歪みゲージに於ける実施例5を示す平面図である。
【図6】本発明に係る半導体歪みゲージに於ける実施例6を示す平面図である。
【図7】従来の技術に於ける拡散型ゲージの構造を示す図面であって、(a)は垂直断面図、(b)は(a)の矢視A−A線方向から見た平面図である。
【符号の説明】
【0028】
6 N型単結晶シリコン基板(半導体基板)
7 P型拡散抵抗領域(P型拡散抵抗体)
8 保護膜
9a 正(+)側電極
9b 負(−)側電極
9c 中間電極
10 高濃度N型不純物拡散層
11 高濃度P型不純物拡散層
12 P型単結晶シリコン基板(半導体基板)
13 N型拡散抵抗領域(N型拡散抵抗体)
14 高濃度N型不純物拡散層
15 高濃度P型不純物拡散層
16 P型拡散抵抗領域(P型拡散抵抗体)
17 高濃度N型不純物拡散層
18 高濃度N型不純物拡散層
19 P型拡散抵抗領域(P型拡散抵抗体)
20a 高濃度N型不純物拡散層(外側)
20b 高濃度N型不純物拡散層(内側)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の導電型の半導体基板と、該半導体基板の表面に形成された該半導体基板とは反対導電型の拡散抵抗領域と、該拡散抵抗領域の両端部に設けられた電極とを備えた半導体歪みゲージにおいて、前記拡散抵抗領域の周囲に前記半導体基板よりも高濃度に不純物がドープされた前記半導体基板と同一導電型の高濃度不純物拡散層を備え、前記電極の一方が該高濃度不純物拡散層まで伸びて形成されて前記拡散抵抗領域と該高濃度不純物拡散層とが接続され、前記電極には該拡散抵抗領域から該高濃度不純物拡散層へのリークが発生しないような電圧が印加されることを特徴とする半導体歪みゲージ。
【請求項2】
所定の導電型の半導体基板と、該半導体基板の表面に形成された該半導体基板とは反対導電型の拡散抵抗領域と、ハーフブリッジ構成となるように該拡散抵抗領域の両端部および中間部に設けられた電極とを備えた半導体歪みゲージにおいて、前記拡散抵抗領域の周囲に前記半導体基板よりも高濃度に不純物がドープされた前記半導体基板と同一導電型の高濃度不純物拡散層を備え、前記電極のいずれか一つが該高濃度不純物拡散層まで伸びて形成されて前記拡散抵抗領域と該高濃度不純物拡散層とが接続され、前記電極には該拡散抵抗領域から該高濃度不純物拡散層へのリークが発生しないような電圧が印加されることを特徴とする半導体歪みゲージ。
【請求項3】
所定の導電型の半導体基板と、該半導体基板の表面に形成された該半導体基板とは反対導電型の拡散抵抗領域と、フルブリッジ構成となるように該拡散抵抗領域の4箇所に設けられた電極とを備えた半導体歪みゲージにおいて、前記拡散抵抗領域の周囲に前記半導体基板よりも高濃度に不純物がドープされた前記半導体基板と同一導電型の高濃度不純物拡散層を備え、前記電極のいずれか一つが該高濃度不純物拡散層まで伸びて形成されて前記拡散抵抗領域と該高濃度不純物拡散層とが接続され、前記電極には該拡散抵抗領域から該高濃度不純物拡散層へのリークが発生しないような電圧が印加されることを特徴とする半導体歪みゲージ。
【請求項4】
前記拡散抵抗領域の一部に前記半導体基板とは反対導電型の高濃度不純物拡散層を形成すると共に前記電極に接続されることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の半導体歪みゲージ。
【請求項5】
前記拡散抵抗領域と前記高濃度不純物拡散層との間隔が5μm以上であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の半導体歪みゲージ。
【請求項6】
所定の導電型の半導体基板の表面に該半導体基板とは反対導電型の拡散抵抗領域を形成し、前記拡散抵抗領域の周囲に前記半導体基板よりも不純物が高濃度にドープされた前記半導体基板と同一導電型の高濃度不純物拡散層を形成し、前記半導体基板の表面に保護膜を形成し、前記拡散抵抗領域の2箇所の一部及び前記高濃度不純物拡散層の一部の上面に於ける前記保護膜部分を除去し、一方が前記拡散抵抗領域の1箇所と接続され、他方が前記高濃度不純物拡散層および該拡散抵抗領域の別の箇所に接続される2つの電極膜を形成する半導体歪みゲージの製造方法。
【請求項7】
所定の導電型の半導体基板の表面に該半導体基板とは反対導電型であってハーフブリッジ構成でなる拡散抵抗領域を形成し、前記拡散抵抗領域の周囲に前記半導体基板よりも不純物が高濃度にドープされた前記半導体基板と同一導電型の高濃度不純物拡散層を形成し、前記半導体基板の表面に保護膜を形成し、前記拡散抵抗領域の3箇所の一部及び前記高濃度不純物拡散層の一部の上面に於ける前記保護膜部分を除去し、いずれか一つが前記高濃度不純物拡散層と接続される3つの電極膜を形成する半導体歪みゲージの製造方法。
【請求項8】
所定の導電型の半導体基板の表面に該半導体基板とは反対導電型であってフルブリッジ構成でなる拡散抵抗領域を形成し、前記拡散抵抗領域の周囲に前記半導体基板よりも不純物が高濃度にドープされた高濃度不純物拡散層を形成し、前記半導体基板の表面に保護膜を形成し、前記拡散抵抗領域の4箇所の一部及び前記高濃度不純物拡散層の2箇所の一部の上面に於ける前記保護膜部分を除去し、いずれか一つが前記高濃度不純物拡散層と接続される4つの電極膜を形成する半導体歪みゲージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−324566(P2007−324566A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−59541(P2007−59541)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【出願人】(000003089)東光株式会社 (243)
【Fターム(参考)】