説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】貫通電極を有する半導体装置の信頼性を損なうことなく、貫通電極の脱落を抑制する。
【解決手段】半導体装置100は、シリコン基板101、シリコン基板101を貫通する貫通電極129、および貫通電極129の側面外周に設けられるとともにシリコン基板101を貫通する第一絶縁リング130を有する。また、半導体装置100は、シリコン基板101の少なくとも素子形成面の裏面の近傍に設けられるともに貫通電極129に接して設けられ、シリコン基板101の面内方向に貫通電極129の内部に向かって張り出した張出部146を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の軽薄短小化と高性能化が要求されており、マルチチップパッケージなどの半導体装置において、配線の高密度化、論理素子の微細化およびメモリの大容量化が進められている。
【0003】
こうした要請に対応する一つの手段として、半導体基板に貫通電極を設け、配線の高密度化等を図ることが試みられている。従来の貫通電極としては、特許文献1に記載されたものがある。同文献には、多結晶シリコン膜からなる貫通電極の下部において基板に開口部を設け、開口部内に、貫通電極に接する裏面バンプが設けられた装置が記載されている。
【特許文献1】特開昭60−140850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本発明者が貫通電極を有する半導体装置について検討したところ、半導体基板の裏面側において、貫通電極が半導体基板中から抜け落ちて脱落する場合があることが見出された。そこで、貫通電極が基板から抜け落ちないようにすべく、さらに鋭意検討を行った。
【0005】
ここで、貫通電極の脱落を抑制するために、貫通電極の半導体基板の素子形成面上にわたって延出させることも考えられる。これは、特許文献1に記載の構成に対応する。ところが、上記特許文献1に記載の構成では、貫通電極の周囲にさらにバンプ形成用の大きな開口部が設けられている。このため、貫通電極の微細ピッチ化が困難であった。
【0006】
また、特許文献1においては、貫通電極を構成する多結晶シリコン膜を素子形成面上にわたって形成するため、素子形成面側からの貫通電極の形成工程が必要となる。この場合、素子形成前に貫通電極を作製しようとすると、電極材料に耐熱性が必要となり、電極材料の選択の幅が限定される場合があった。また、素子形性後に貫通電極を作製しようとすると、素子の信頼性が低下する懸念があった。さらには、裏面からシリコンをエッチングする際や裏面のバンプを形成する際に、金属汚染の問題が発生し、デバイスの性能を劣化させる場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
半導体基板と、
前記半導体基板を貫通する貫通電極と、
前記貫通電極の側面外周に設けられるとともに、前記半導体基板を貫通する環筒状絶縁膜と、
前記半導体基板の少なくとも素子形成面の裏面の近傍に設けられるともに前記貫通電極に接して設けられ、前記半導体基板の面内方向に前記貫通電極の内部に向かって張り出した張出部と、
を含む半導体装置が提供される。
【0008】
本発明の半導体装置においては、半導体基板の裏面近傍に、半導体基板の面内方向に貫通電極の内部に向かって張り出した張出部が設けられており、張出部が貫通電極に接している。このため、半導体基板の裏面側において、張出部により貫通電極を支持し、貫通電極が基板から抜け落ちないようにすることができる。そして、本発明の半導体装置は、貫通電極を裏面側から作製可能な構成となっている。このため、本発明によれば、半導体装置の信頼性を損なうことなく、裏面側における貫通電極の脱落を効果的に防止することができる。
【0009】
また、本発明においては、貫通電極の周囲に環筒状絶縁膜が設けられているため、貫通電極の周囲を絶縁するとともに、寄生容量を低減することができる。また、貫通電極の周囲を確実に絶縁することができるため、貫通電極の狭ピッチ化が可能である。
【0010】
また、本発明によれば、
半導体基板の素子形成面の側から前記半導体基板を選択的に除去して環筒状凹部を形成し、前記環筒状凹部の内部に絶縁膜を埋設し、前記環筒状凹部の外部に形成された前記絶縁膜を除去して環筒状絶縁膜を形成する工程と、
前記素子形成面に所定の半導体素子を形成する工程と、
半導体素子を形成する前記工程の後、前記半導体基板を前記素子形成面の裏面から薄化する工程と、
半導体基板を薄化する前記工程の後、前記裏面に裏面絶縁膜を設け、該裏面絶縁膜の所定の領域を選択的に除去して開口部を設ける工程と、
前記裏面の側から、前記開口部をマスクとして、前記環筒状絶縁膜の内側に残存する前記半導体基板の所定の領域を選択的に除去し、前記開口部よりも拡径した領域を含み前記半導体基板を貫通する孔を形成するとともに、前記裏面絶縁膜の一部を前記半導体基板の面内方向に張り出した張出部とする工程と、
前記孔を埋め込むように導電膜を成長させて、前記半導体基板を貫通するとともに前記張出部に接する貫通電極を形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法が提供される。
【0011】
本発明においては、半導体基板の裏面側から貫通電極を形成するため、素子形成面に形成された半導体素子の劣化を抑制できる。また、半導体基板の裏面側に張出部を設けるとともに、張出部に接する貫通電極を形成する。このため、裏面側からの脱落が抑制された構成の半導体装置を高い歩留まりで安定的に製造することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、半導体基板の裏面近傍に、貫通電極に接する張出部を設けることにより、貫通電極を有する半導体装置の性能や信頼性を損なうことなく、貫通電極の脱落を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、以下の説明において詳細な説明を適宜省略する。
【0014】
(第一の実施形態)
図1は、本実施形態の半導体装置の構成を示す断面図である。
図1に示した半導体装置100は、半導体基板(シリコン基板101)と、シリコン基板101を貫通する貫通電極129と、貫通電極129の側面外周に設けられるとともに、シリコン基板101を貫通する環筒状絶縁膜(第一絶縁リング130)と、シリコン基板101の少なくとも素子形成面の裏面の近傍に設けられるともに貫通電極129に接して設けられ、シリコン基板101の面内方向に貫通電極129の内部に向かって張り出した張出部146と、を含む。また、半導体装置100は、シリコン基板101の裏面に接して設けられた裏面絶縁膜139をさらに含む。
張出部146は、素子形成面の裏面側において、貫通電極129を取り囲むように設けられた環状の部分である。張出部146は、シリコン基板残存部127および裏面絶縁膜139の一部により構成される。張出部146は、テーパ面145およびテーパ面128を有し、半導体装置100の裏面からシリコン基板101内部に向かって拡径した形状である。
裏面絶縁膜139は、張出部146の少なくとも一部を構成している。つまり、張出部146の一部が絶縁材料により構成されている。裏面絶縁膜139は、第一絶縁リング130の内側面から貫通電極129の内側に張り出すように設けられており、この部分が張出部146を構成している。また、裏面絶縁膜139は、貫通電極129の直径よりも小さい径の開口部を有し、開口部の側面がテーパ面145となっている。
半導体装置100において、シリコン基板101の所定の領域が除去されて、当該所定の領域に第一絶縁リング130および貫通電極129が設けられているとともに、第一絶縁リング130の形成領域と貫通電極129の形成領域との間に、シリコン基板101が残存した領域が設けられている。半導体装置100は、シリコン基板101が残存した領域として、具体的にはシリコン基板残存部127とシリコン基板残存部147とを有する。つまり、シリコン基板残存部127は、シリコン基板101と同種の材料からなる。
半導体装置100において、シリコン基板残存部127の形成領域およびシリコン基板残存部147の形成領域を除く領域において、貫通電極129の側面と第一絶縁リング130の内側面とが接している。
シリコン基板残存部127は、シリコン基板101の裏面側から素子形成面側に向かって内径が拡径した円環状の領域であり、テーパ面128を有する。張出部146の少なくとも一部が、シリコン基板101が残存した領域であるシリコン基板残存部127により構成されている。
シリコン基板残存部147は、素子形成面から裏面側に向かって内径が拡径した形状を有し、テーパ面148を有する。シリコン基板残存部147は、シリコン基板101の裏面側に設けられた張出部146とは別の張出部となっている。
シリコン基板101の素子形成面の近傍において、貫通電極129が、素子形成面に向かって狭径している。また、シリコン基板101の裏面の近傍において、貫通電極129が素子形成面に向かって拡径している。
第一絶縁リング130は、同心円状に積層された複数の絶縁膜(SiN膜131、SiO2膜133およびSiN膜135)を含む。絶縁膜の最もシンプルな構成は、SiO2膜133による二層構造であるが、さらにSiNやSiCNなどの金属拡散を防止するバリア膜が含まれると、金属汚染によるデバイス性能劣化を防ぐことができ、なおよい。
また、第一絶縁リング130は、少なくともリングの内側(貫通電極129側)および外側(シリコン基板101側)に絶縁膜が配置されていればよく、たとえば第八の実施形態に例示するように、内部に一部導電膜が含まれていてもよい。
基板面内方向における第一絶縁リング130全体の膜厚は、たとえば2〜5μm程度とする。こうすることにより、第一絶縁リング130形成時の埋め込み特性をさらに向上させることができる。
また、半導体装置100において、シリコン基板101の素子形成面に、SiN膜103、層間絶縁膜105および層間絶縁膜137がこの順に設けられている。貫通電極129は、層間絶縁膜105およびSiN膜103を貫通する複数の貫通電極接続プラグ117と接続する。
素子形成面の裏面において、貫通電極129に接して裏面バンプ142が設けられている。裏面バンプ142は、第一絶縁リング130の外側面よりも内側つまり貫通電極129の側に収まるように構成されている。
【0015】
また、シリコン基板101の素子形成面には、拡散層107とゲート電極111とを含むトランジスタ等の所定の素子が形成されている。トランジスタの側方に素子分離領域109が設けられ、他の素子との間が離隔されている。
【0016】
また、SiN膜103中および層間絶縁膜105中を、トランジスタ接続プラグ113および貫通電極接続プラグ117が貫通している。トランジスタ接続プラグ113は、拡散層107と層間絶縁膜105上に設けられた配線115とを接続する。また、貫通電極接続プラグ117は、貫通電極129と層間絶縁膜105上の配線119とを接続する。
配線115および配線119は同一水準に位置し、図1においては、ともに第一配線である。配線115および配線119は、層間絶縁膜137中に埋設されている。
【0017】
配線119上に、接続プラグ121、電極パッド123およびバンプ125がこの順に設けられている。一つの貫通電極129に複数の貫通電極接続プラグ117が接して設けられている。裏面バンプ142とバンプ125とが、貫通電極129および複数の貫通電極接続プラグ117を介して接続される。これにより、シリコン基板101両面をさらに確実に導通させることができる。
【0018】
次に、半導体装置100の製造方法を説明する。この製造方法は、以下の工程を含む。
シリコン基板101の素子形成面の側からシリコン基板101を選択的に除去して環筒状凹部を形成し、環筒状凹部の内部に絶縁膜を埋設し、環筒状凹部の外部に形成された絶縁膜を除去して第一絶縁リング130を形成する工程、
素子形成面に所定の半導体素子を形成する工程、
半導体素子を形成する工程の後、シリコン基板101を裏面から薄化する工程、
シリコン基板101を薄化する工程の後、裏面に裏面絶縁膜139を設け、裏面絶縁膜139の所定の領域を選択的に除去して開口部187(図13(a))を設ける工程、
裏面の側から、裏面絶縁膜139をマスクとして、開口部187から第一絶縁リング130の内側に残存するシリコン基板101の所定の領域を選択的に除去し、開口部187よりも拡径した領域を含みシリコン基板101を貫通する孔(図13(b)の貫通孔193)を形成するとともに、裏面絶縁膜139の一部をシリコン基板101の面内方向に張り出した張出部146とする工程、および
貫通孔193を埋め込むように金属膜等の導電膜を成長させて、シリコン基板101を貫通するとともに張出部146に接する貫通電極129を形成する工程。
シリコン基板101を裏面から薄化する上記工程により、環筒状絶縁膜の裏面を露出させる。
貫通孔193を形成するとともに裏面絶縁膜139の一部を張出部とする上記工程では、シリコン基板101の裏面の近傍において、第一絶縁リング130の内側にシリコン基板101を残存させる。
裏面絶縁膜139としては、たとえば感光性樹脂膜(図13(a)の感光性エポキシ樹脂膜185)を形成する。
貫通電極129を形成する工程は、素子形成面の側から無電解めっきにより貫通孔193の内部に金属膜(図15(a)のCu膜195)を成長させる工程を含む。
また、貫通電極129を形成する工程は、貫通孔193の内部から外部にわたってCu膜195を成長させた後、貫通孔193の外部に形成されたCu膜195を除去して平坦化する工程を含み、貫通電極129を形成する工程の後、裏面におけるCu膜195の露出面から、無電解めっきにより別の金属膜(Ni膜141、Au膜143)を成長させて、裏面バンプ142を形成する工程をさらに含む。
【0019】
以下、図9〜図15を参照して、半導体装置100の製造方法をさらに詳細に説明する。図9および図11〜図15は、半導体装置100の製造工程を示す断面図である。また、図10は、第一絶縁リング130の形状を説明する図である。
【0020】
まず、図9(a)に示すように、リソグラフィー技術を用いて、シリコン基板101の素子形成面となる面に、第一絶縁リング130の形状に対応する円筒環形状の開口部を有するレジストパターン(不図示)を形成する。このレジスト膜をマスクとして、シリコン基板101をドライエッチングし、第一絶縁リング130の形状に対応する環状の凹部を形成する。このとき、凹部の深さは適宜選択されるが、たとえば20μm以上200μm以下とする。
【0021】
レジスト膜を除去した後、シリコン基板101上に、SiN膜161およびSiO2膜133をこの順に成膜する(図9(a))。SiN膜161の膜厚は、たとえば100nmとする。また、SiO2膜133は、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により得られるBPSG(Boro-Phospho Silicate Glass)膜とする。そして、円筒環状の凹部以外の領域に成膜されたSiO2膜133をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により除去する(図9(b))。なお、図9(b)では、凹部以外の領域に成膜されたSiN膜161をさらに除去した様子を示している。
【0022】
図10は、図9(b)のA−A’面を示す上面図である。図10は、第一絶縁リング130の平面形状に対応する。図9および図10に示したように、SiO2膜133はSiO2膜165およびSiO2膜167の積層膜である。また、図10中のSiN膜131およびSiN膜135とをあわせたものが図9(b)中のSiN膜161である。
【0023】
次に、図11(a)に示したように、シリコン基板101の素子形成面に、素子分離領域109、拡散層107、ゲート電極111をそれぞれ形成する。素子分離領域109は、たとえばSTI(シャロートレンチアイソレーション)とする。また、シリコン基板101上に、SiN膜103および層間絶縁膜105をこの順に設ける。
【0024】
つづいて、層間絶縁膜105およびSiN膜103を選択的に除去してこれらの絶縁膜を貫通する孔を形成する。孔の内部に導電膜を埋設した後、孔の外部に形成された膜を除去することにより、トランジスタ接続プラグ113および貫通電極接続プラグ117を形成する。トランジスタ接続プラグ113および貫通電極接続プラグ117の材料は、たとえばタングステン(W)とする。
【0025】
さらに、図11(b)に示したように、層間絶縁膜105上に、トランジスタ接続プラグ113に接続する配線115および貫通電極接続プラグ117に接続する配線119をそれぞれ形成する。
【0026】
そして、配線115および配線119上に層間絶縁膜137を形成する。さらに、配線119に接続する電極パッド123およびバンプ125をこの順に形成する。電極パッド123の材料は、たとえばAl、Cu、NiまたはTiNとする。また、バンプ125の材料は、たとえばAuまたはハンダとする。
【0027】
なお、本実施形態および以下の実施形態において、配線119の上部にさらに所定の数の配線層等の上層を形成した後、電極パッド123およびバンプ125を形成することもできる。つまり、層間絶縁膜137中に多層配線構造を形成してもよい。
【0028】
次いで、素子形成面の上部に粘着剤層179を形成し、支持体181を貼付する。粘着剤層179として、たとえば粘着テープを用いる。粘着テープは基材とその両面に形成された粘着層から構成されている。粘着テープを構成する基材としては、たとえば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などが用いられる。また、粘着テープを構成する粘着剤としては、たとえば、アクリル系エマルジョン型粘着剤、アクリル系溶剤型粘着剤、ウレタン系粘着剤などが用いられる。また、支持体181の材料は、たとえば、石英やパイレックス(登録商標)等のガラスとすることができる。こうすれば、後述する裏面研削によるシリコン基板101の薄化加工等のプロセスにおける、熱、薬剤、外力などに対する耐性を充分に確保することができる。また、こうした耐性を有する材料であれば、ガラス以外の材料としてもよい。たとえば、アクリル樹脂などのプラスチックス等を用いてもよい。
【0029】
そして、シリコン基板101の裏面研削を行う。裏面研削は、機械的研磨により行う。研削後のシリコン基板101の厚さは、たとえば、50〜500μm程度とすることができる。これにより、裏面からSiO2膜133の底面が露出するとともに、SiN膜161がSiN膜131とSiN膜135とに分割される。これにより、第一絶縁リング130が得られる。
【0030】
次に、図12(a)に示すように、貫通電極129の形成領域において、シリコン基板101を除去する。このとき、貫通電極129の形成領域、つまり第一絶縁リング130の内側の領域において、シリコン基板101の裏面近傍にシリコン基板残存部127を形成するとともに、素子形成面の近傍にシリコン基板残存部147を形成する。以下、図12(a)の工程をさらに詳細に説明する。
【0031】
図13(a)および図13(b)は、図12(a)の工程をさらに詳細に説明する断面図である。
まず、図13(a)に示したように、シリコン基板101の裏面に、SiN膜183および感光性エポキシ樹脂膜185をこの順に形成する。SiN膜183および感光性エポキシ樹脂膜185の積層膜が、図1における裏面絶縁膜139に対応する。第一絶縁リング130の内側の領域の一部において、SiN膜183および感光性エポキシ樹脂膜185を選択的に除去して開口部187を設けるとともに、これらの絶縁膜にテーパ面145を形成する。感光性エポキシ樹脂膜185を用いることにより、成膜時の焼成温度を充分に低い温度とすることができるため、素子形成後の成膜に好適である。また、焼成温度が比較的低い膜として、感光性エポキシ樹脂膜185に代えて、BT(ビスマレイミド−トリアジン)レジン膜等を用いてもよい。
【0032】
そして、図13(b)に示したように、裏面絶縁膜139をマスクとして、第一絶縁リング130の内側に残存するシリコン基板101をエッチング除去し、開口部187よりも拡径した領域を有する貫通孔193を形成する。このとき、エッチングを複数のステップにより行うことにより、シリコン基板残存部127およびシリコン基板残存部147を形成する。また、裏面絶縁膜139の一部を、貫通孔193の側壁よりも基板面内方向において貫通孔193の内側に張り出した張出部146(図1)とする。
【0033】
貫通孔193は、多段階のステップを含むエッチングにより形成される。具体的には、まず、裏面近傍において裏面側に向かってすぼまっている形状(逆テーパ形状)になるようにシリコン基板101を裏面からドライエッチングして、テーパ面128を有するシリコン基板残存部127を形成する。
【0034】
次に、エッチングガスとデポガスを組み合わせて、デポガスによって側壁に保護膜を形成しながらエッチングを進める。これにより、シリコン基板101の法線方向にエッチングを行い、エッチング面に対して垂直な形状を得ることができる。このときのエッチングガスとデポガスとの組み合わせは、たとえばエッチングガスをSF6とし、デポガスをたとえばC48、HBrまたはSiF4などとする。
【0035】
その後、上述した条件から、デポガスの割合を減らすことにより、横方向へのエッチングを進める。これにより、逆テーパ形状が得られ、テーパ面148を有するシリコン基板残存部147が形成される。
【0036】
次に、図12(b)に示すように、貫通孔193中に貫通電極129を形成し、さらに、裏面側で貫通電極129に接する裏面バンプ142を形成する。以下、図12(b)の工程をさらに詳細に説明する。図14(a)、図14(b)、図15(a)および図15(b)は、図12(b)の工程をさらに詳細に説明する断面図である。
【0037】
まず、図14(a)に示したように、裏面側からTiおよびCuのスパッタリングをこの順に行い、Cu/Tiシード189を形成する。なお、本明細書においては、積層構造を示す際に、「上層/下層(基板側)」のように表す。Cu/Tiシード189は、裏面絶縁膜139上および貫通孔193の底部に形成される。
【0038】
そして、Cu/Tiシード189上に、感光性レジスト膜191を形成する。感光性レジスト膜191は、裏面絶縁膜139の上部および貫通孔193の内部に形成される。
【0039】
続いて、図14(b)に示したように、裏面側からシリコン基板101の法線方向に対して斜めに光照射することにより、貫通孔193の底部に選択的に感光性レジスト膜191を残存させる。貫通孔193の深さが充分であれば、斜め露光を用いずにウェハ面に垂直に光照射を行っても、貫通孔193の底部に選択的に感光性レジスト膜191を残存させることができる。なお、図14(b)では、残存する感光性レジスト膜191は不図示となっている。残存する感光性レジスト膜191をマスクとして、Cu/Tiシード189を除去することにより、貫通孔193の底部にCu/Tiシード189を選択的に残すことができる。貫通孔193内に残存していた感光性レジスト膜191を除去した後、Cu膜195を無電解めっき法により成長させる。無電解めっき法を用いることにより、貫通孔193内全体にCu膜195をボトムアップで確実に成長させることができる。このため、貫通電極129中にボイドが生じることを抑制できる。Cu膜195は、貫通孔193の内部から外部にわたって形成される(図15(a))。
【0040】
さらに、図15(b)に示したように、裏面研削を行う。これにより、Cu膜195の表面を平坦化するとともに感光性エポキシ樹脂膜185をたとえば20μm程度まで薄化する。これにより、裏面近傍においてテーパ面145およびテーパ面128に接し、張出部146によって係止された貫通電極129が得られる。この工程において、裏面研削の代わりに、裏面に対して化学機械研磨(CMP)を行ってもよい。この場合は、主に裏面において樹脂面から突出したCu膜195が除去され、感光性エポキシ樹脂膜185の除去量は小さくなり、バンプ部のシリコン基板101に対する容量を低減できる。
【0041】
その後、図12(b)に戻り、裏面にレジスト膜(不図示)を形成する。貫通電極129に対応する位置において、レジスト膜に開口部を設け、貫通電極129を露出させる。そして、たとえば無電解めっき法等を用いてNi膜141およびAu膜143を順次形成し、裏面バンプ142を得る。以上の手順により、図1に示した半導体装置100が得られる。
【0042】
次に、半導体装置100の効果を説明する。
半導体装置100においては、シリコン基板101の裏面の近傍に貫通電極129に接する張出部146が設けられている。また、半導体装置100は、貫通電極129をシリコン基板101の裏面側から形成可能な構成となっている。このため、半導体装置100は装置の信頼性に優れるとともに、貫通電極129に応力が付与された際にも、張出部146が貫通電極129を係止するため、裏面側から貫通電極129が抜け落ちない構成となっている。
【0043】
また、本実施形態では、貫通電極129の側方を取り囲むように第一絶縁リング130が設けられている。このため、貫通電極129の周囲を確実に絶縁することができる。よって、貫通電極129の狭ピッチ化が可能である。また、半導体装置100においては、シリコン基板101の裏面近傍および素子形成面近傍に、それぞれシリコン基板残存部127およびシリコン基板残存部147が設けられている。第一絶縁リング130の内側にシリコン基板を残存させることにより、第一絶縁リング130の内側の領域を補強することができる。このため、貫通電極129またはその近傍に応力が付与された場合にも、第一絶縁リング130が劣化したり損傷したりしないようにすることができる。
【0044】
ここで、図10を参照して前述したように、第一絶縁リング130は複数の絶縁膜の積層体であるため、第一絶縁リング130中に絶縁膜の界面が存在している。このため、第一絶縁リング130は比較的強度の低い部材である。また、本実施形態では、貫通電極129を無電解めっき法により形成しているため、貫通電極129の側壁における貫通電極129とSiN膜131との密着性が比較的低い。
【0045】
そこで、本実施形態では、第一絶縁リング130と貫通電極129との間にシリコン基板101の一部を残存させることにより、第一絶縁リング130およびその内側の領域の強度が充分に確保されている。具体的には、シリコン基板101に接して裏面絶縁膜139が設けられ、裏面絶縁膜139に接して第一絶縁リング130の内側面にシリコン基板残存部127が設けられている。また、シリコン基板101に接してSiN膜103が設けられ、SiN膜103に接してシリコン基板残存部147が設けられている。このように、第一絶縁リング130の外側面から端面を経由して内側面にわたる補強構造を設けることにより、たとえば、第一絶縁リング130の一部の領域に応力が集中した場合にも、第一絶縁リング130にクラックが入ることを抑制できる。また、裏面バンプ142を外部電極に接続する際に、貫通電極129または第一絶縁リング130に比較的大きな力が加えられた場合にも、貫通電極129の変形や第一絶縁リング130の劣化を抑制することができる。
【0046】
さらに、本実施形態においては、こうした補強部材として機能するシリコン基板残存部127およびシリコン基板残存部147が、さらに、張出部146の一部としても機能するため、貫通電極129の脱落を防止するとともに第一絶縁リング130の強度をさらに高め、装置の信頼性を向上させることができる。
【0047】
また、半導体装置100においては、第一絶縁リング130が複数の絶縁膜の積層膜であるため、容量の低減が可能である。
【0048】
また、半導体装置100においては、第一絶縁リング130がSiN膜を含むため、貫通電極129の形成時に、貫通孔193の内面にバリア膜を設けない場合にも(図13(b))、貫通電極129中の成分の拡散を好適に防止することができる。
【0049】
さらに、本実施形態では、第一絶縁リング130がSiN膜とSiO2膜133との積層膜である。これにより、第一絶縁リング130全体をSiN膜とするよりも、絶縁膜の誘電率を低減することができる。このように、第一絶縁リング130の材料として複数の種類の絶縁膜を組み合わせて用いることにより、第一絶縁リング130に複数の機能を付与することができる。
【0050】
また、本実施形態では、裏面絶縁膜139に、貫通電極129の径よりも小さい径の開口部187を設け、開口部187の側面をテーパ面145とすることにより、図12(a)および図12(b)を参照して前述した工程において、エッチングによりシリコン基板残存部127を安定的に製造することができる。
【0051】
以下の実施形態では、第一の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0052】
(第二の実施形態)
図2は、本実施形態の半導体装置の構成を示す断面図である。図2に示した半導体装置の基本構成は図1に示した半導体装置100と同様であるが、シリコン基板残存部147が設けられておらず、シリコン基板101の素子形成面近傍において、第一絶縁リング130の内側のシリコン基板101がすべて除去されて、除去された領域にCu膜が埋設されている点が異なる。つまり、図2においては、第一絶縁リング130の内側の領域において、シリコン基板101の裏面近傍に選択的にシリコン基板101の残存領域が設けられている。
【0053】
本実施形態においても、少なくともシリコン基板101の裏面近傍に、テーパ面145およびシリコン基板残存部127から構成される張出部が存在するため、第一の実施形態と同様の効果が得られる。
【0054】
また、図2の半導体装置の製造工程のうち、第一絶縁リング130内側のシリコン基板101を裏面側からエッチング除去する際に、少なくともシリコン基板残存部127を設けるエッチングステップを設ければよいため、エッチング条件の制御を簡素化することができる。
【0055】
なお、図2に示した半導体装置においては、裏面からシリコン基板101をドライエッチングして貫通孔193を形成する際に、まず、裏面近傍において裏面側に向かってすぼまっている形状(逆テーパ形状)になるようにシリコン基板101を裏面からドライエッチングして、テーパ面128を有するシリコン基板残存部127を形成する。
【0056】
次に、エッチングガスとデポガスを組み合わせて、デポガスによって側壁に保護膜を形成しながらエッチングを進める。これにより、シリコン基板101の法線方向にエッチングを行い、エッチング面に対して垂直な形状を得ることができる。このときのエッチングガスとデポガスとの組み合わせは、たとえばエッチングガスをSF6とし、デポガスをたとえばC48、HBrまたはSiF4などとする。RFパワーを増加させる、もしくはガス圧力を増加させることにより、プラズマ密度が増大し、横方向へのエッチングを増やすことが可能である。
【0057】
(第三の実施形態)
図3は、本実施形態の半導体装置の構成を示す断面図である。図3に示した半導体装置の基本構成は図1に示した半導体装置100と同様であるが、第一絶縁リング130の内側面全面を取り囲み被覆するシリコン基板残存部149が設けられている点が異なる。シリコン基板残存部149は、シリコン基板101の素子形成面近傍において、素子形成面からシリコン基板101内部に向かって内径が拡径するとともに、裏面近傍において、裏面からシリコン基板101内部に向かって内径が拡径した形状を有する環状の領域である。
【0058】
本実施形態においても、シリコン基板101の素子形成面および裏面の近傍に張出部が存在するため、第一の実施形態と同様の効果が得られる。
【0059】
さらに、本実施形態においては、第一絶縁リング130の内側面全体を取り囲むようにシリコン基板残存部149が設けられている。これは、第一絶縁リング130の内側に、シリコンにより構成される骨組みが設けられた構成である。第一絶縁リング130の内側に、シリコンのように第一絶縁リング130よりも強度の高い材料からなる枠組みを設けることにより、第一絶縁リング130を内側面の側から補強し、保護することができる。このため、裏面バンプ142と外部電極との接合等により、貫通電極129またはその近傍に応力が加わった場合にも、第一絶縁リング130を構成する絶縁膜の劣化や破損を抑制できる構成となっている。よって、本実施形態によれば、貫通電極129の脱落を抑制するとともに装置の信頼性をより一層向上させることができる。
【0060】
なお、図3に示した半導体装置においては、裏面からシリコン基板101をドライエッチングして貫通孔193を形成する際に、エッチング条件を途中で変更しながらエッチングすることにより、第一絶縁リング130の内側面全体にシリコン基板101を残存させて、シリコン基板残存部149を形成することができる。たとえば、エッチング初期には、第一の実施形態に記載の方法を用いて逆テーパーエッチング条件で行い、その後第一の実施形態に記載の垂直エッチング条件に切り替える。そして、エッチングが半分程度進んだ段階で、一度等方性エッチングに近い条件に切り替えることにより、図3に示したような形状が得られる。等方性エッチングに近づける際には、デポガスを少なくし、RF部とステージ間のバイアス電圧を小さくする。これにより、等方性エッチングが可能である。
【0061】
(第四の実施形態)
図4は、本実施形態の半導体装置の構成を示す断面図である。図4に示した半導体装置の基本構成は図1に示した半導体装置100と同様であるが、第一絶縁リング130の内側の領域全体において、シリコン基板101が除去されて、貫通電極129の形成領域となっている点が異なる。
【0062】
本実施形態においても、シリコン基板101の裏面近傍に、裏面絶縁膜139により形成された張出部146、つまりテーパ面145が存在するため、第一の実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態においては、第一絶縁リング130の内側全体においてシリコン基板101を除去すればよいため、シリコン基板101除去時のエッチング工程を複数のステップに分割する必要がなく、エッチング工程を簡素化することができる。
【0063】
(第五の実施形態)
図5は、本実施形態の半導体装置の構成を示す断面図である。図5に示した半導体装置の基本構成は図4に示した半導体装置と同様であるが、裏面絶縁膜139の端部がテーパ面ではなく、シリコン基板101の法線方向に平行な面となっている点が異なる。また、図5においては、第一絶縁リング130の内側に、円筒形のシリコン基板残存部169が設けられている。そして、貫通電極129、シリコン基板残存部169および第一絶縁リング130が同心円状にこの順に配置されている。
【0064】
本実施形態においても、裏面絶縁膜139が、第一絶縁リング130の内側面よりも貫通電極129の側、さらに具体的にはシリコン基板残存部169よりも貫通電極129の側に張り出している。このため、第四の実施形態と同様の効果が得られる。また、第一絶縁リング130の内側面全体に接してシリコン基板残存部169が設けられているため、第三の実施形態と同様に、第一絶縁リング130の内側の領域を確実に補強し、第一絶縁リング130の劣化をより一層確実に抑制することができる。
【0065】
(第六の実施形態)
以上の実施形態においては、貫通電極129がCu膜からなる構成を例に説明したが、貫通電極129が複数の金属膜の積層体であってもよい。図6は、本実施形態の半導体装置の構成を示す断面図である。図6に示した半導体装置の基本構成は図3に示した半導体装置と同様であるが、貫通電極129が、素子形成面側からNi膜175およびCu膜177が積層されてなる点が異なる。
【0066】
貫通電極129の一部をNi膜175とすることにより、全体をCu膜177とする場合よりも、めっき膜の成長速度を増加させることができる。このため、製造効率を向上させることができる。
【0067】
また、本実施形態においても、裏面側においては貫通電極129がCu膜177により構成されているため、裏面研削による貫通電極129の平坦化を確実に行うことができる。
【0068】
(第七の実施形態)
以上の実施形態においては、貫通電極129の側面外周に一つの絶縁リングが設けられた構成を例に説明したが、複数の絶縁リングが設けられていてもよい。また、同心円状に設けられた複数の環筒状絶縁膜を有し、複数の環筒状絶縁膜が、半導体基板と同種の材料により離隔されていてもよい。
【0069】
図7は、本実施形態の半導体装置の構成を示す断面図である。また、図16は、図7に示した半導体装置の平面図である。図7および図16に示した半導体装置の基本構成は図3に示した半導体装置と同様であるが、以下の点が異なる。
【0070】
まず、本実施形態の半導体装置においては、第一絶縁リング130の外側に、第二絶縁リング150が設けられている。第二絶縁リング150は、第一絶縁リング130の外径よりも大きい内径を有し、リングの内側から外側に向かって、SiN膜151、SiO2膜153およびSiN膜155がこの順に積層された環状の絶縁膜である。第一絶縁リング130と第二絶縁リング150との間にも、シリコン基板101の一部が残存してなるシリコン基板残存領域159が存在している。
【0071】
本実施形態によれば、複数の絶縁リングを設けることにより、一つの絶縁リングの絶縁膜の膜厚を厚くすることなく、貫通電極129近傍の寄生容量をさらに効果的に低減できる。このため、素子特性に優れるとともに、製造安定性に優れた構成となっている。
【0072】
また、本実施形態においても、図6を参照して第6の実施形態で前述した構成と同様に、貫通電極129が、Ni膜175およびCu膜177により構成されている。ただし、本実施形態においては、裏面絶縁膜139の開口部内から外部にわたってCu膜177が形成されている。つまり、貫通電極129と裏面バンプとが一体成形されている。こうすれば、製造工程数を削減できる。
【0073】
また、本実施形態では、貫通電極129の側面外周を被覆するSiN膜157が設けられている。SiN膜157は貫通電極129中の成分の拡散防止膜として機能する。このため、SiN膜157を設ければ、貫通電極129中の成分の拡散をさらに効果的に抑制できる。
【0074】
なお、本実施形態および以下の実施形態において、層間絶縁膜163は、第一の実施形態の半導体装置100のSiN膜103、層間絶縁膜105および層間絶縁膜137の積層膜に対応する。
【0075】
(第八の実施形態)
以上の実施形態においては、第一絶縁リング130が少なくともSiN膜131、SiO2膜133およびSiN膜135の三層から構成される場合を例示したが、第一絶縁リング130中の絶縁膜の積層数に特に制限はなく、所定の材料を所定の数組み合わせて用いることができる。本実施形態では、第一絶縁リング130の他の構成例を示す。
【0076】
図8は、本実施形態の半導体装置の構成を示す断面図である。図8に示した半導体装置の基本構成は図1に示した半導体装置100と同様であるが、第一絶縁リング130の構成が異なる。図8の第一絶縁リング130は、リングの内側から、シリコン熱酸化膜132、SiN膜131、SiO2膜133、SiN膜135およびシリコン熱酸化膜134が順に積層されている。つまり、本実施形態の第一絶縁リング130は、図1の第一絶縁リング130のSiN膜131およびSiN膜135の外側に、それぞれ、シリコン熱酸化膜を設けた構成である。こうすれば、第一絶縁リング130の誘電率をさらに低減することができる。
【0077】
シリコン熱酸化膜132およびシリコン熱酸化膜134は、たとえば、図9を参照して前述した円筒環状の凹部を形成した後、当該凹部表面の熱酸化により形成される。
【0078】
また、貫通電極129の外側に二つの絶縁リングが設けられた別の構成として、図17〜図19に示すものが挙げられる。図17〜図19は、半導体装置の別の構成例を示す断面図である。
【0079】
図17においては、貫通電極129が、Ni膜175およびCu膜177から構成される。無電解Niめっきのレートは、無電解Cuめっきのレートよりも速いため、貫通電極129の素子形成面側の領域をNi膜175により構成することにより、貫通電極129を構成する金属膜の埋め込み速度を増し、製造時のスループットをさらに向上させることができる。なお、図17においては、裏面バンプが、Cu/Tiバンプ235となっている。
【0080】
また、図17においては、貫通電極129の側面外周に、SiO2/SiN/SiO2膜213が設けられている。このため、SiN膜157を設けた図7の構成に比べて、貫通電極129とシリコン基板残存部149との間の寄生容量をさらに低減できる。
【0081】
また、図17では、SiO2/SiN/SiO2膜201、多結晶シリコン膜203およびSiO2/SiN/SiO2膜205が環の内側から外側に向かってこの順に積層してなる第一絶縁リング130が設けられている。同様に、SiO2/SiN/SiO2膜207、多結晶シリコン膜209およびSiO2/SiN/SiO2膜211が環の内側から外側に向かってこの順に積層してなる第二絶縁リング150が設けられている。このように、第一絶縁リング130および第二絶縁リング150中に導電膜である多結晶シリコン膜が設けられていてもよい。多結晶シリコン膜を設けることにより、絶縁リングの埋め込み性を向上させることができる。
【0082】
なお、図17において、貫通電極129および第一絶縁リング130の平面形状は、たとえば図20に示す構成とすることができる。
【0083】
また、貫通電極129は、シリコン基板101を貫通する複数の電極により構成されていてもよい。つまり、第一絶縁リング130の内側に複数の貫通電極が設けられていてもよい。図18および図19はこうした構成を示す断面図である。
【0084】
図18においては、貫通電極129が断面視において二つの多結晶シリコン膜225により構成されている。各多結晶シリコン膜225の側面は、SiO2膜227により被覆されており、シリコン基板残存部149との間が絶縁されている。多結晶シリコン膜225は、シリコン基板101の裏面近傍において、素子形成面から裏面に向かって狭径した形状となっている。
【0085】
また、第一絶縁リング130は、SiO2膜219、多結晶シリコン膜203およびSiO2膜221が環の内側から外側に向かってこの順に積層されてなる。また、第二絶縁リング150は、SiO2膜215、多結晶シリコン膜209およびSiO2膜217が環の内側から外側に向かってこの順に積層されてなる。
【0086】
図18においては、各多結晶シリコン膜225の一方の側において、裏面絶縁膜139およびSiO2膜217が多結晶シリコン膜225の側に張り出している。この場合にも、多結晶シリコン膜225の脱落が抑制できる。また、図18では、複数の多結晶シリコン膜225の間にシリコン基板残存部149が存在する。シリコン基板残存部149は、シリコン基板101の素子形成面から裏面に向かって広がったテーパ面を有する。さらに、裏面パンブであるCu/Ti/Alバンプ223がシリコン基板残存部149に接するとともに、複数の多結晶シリコン膜225に接している。このため、多結晶シリコン膜225間の領域が、シリコン基板残存部149およびCu/Ti/Alバンプ223により補強されている。
【0087】
また、貫通電極129の材料を多結晶シリコンとすることで、第一絶縁リング130および第二絶縁リング150と貫通電極129とを同時に形成できる。また、裏面バンプのシリコン基板101側にAl膜を用いることにより、多結晶シリコン膜129とのオーミック性を向上させることができる。
【0088】
図19の基本構成は図18と同様であるが、SiO2膜219とSiO2膜221とがシリコン基板101の裏面側で分離されておらず、連続一体のSiO2膜233となっている。同様に、SiO2膜215とSiO2膜217とが連続一体のSiO2膜231となっている。図19では、第一絶縁リング130および第二絶縁リング150の構成材料として多結晶シリコンを用いるが、リングに導電性は要求されないため、これらの絶縁リングを細くし、一層の絶縁膜(SiO2膜)で埋め込めない部分のみを多結晶シリコン膜で埋め合わせる。これにより、貫通電極129間のピッチを小さくすることができる。
【0089】
また、図19においても、図18と同様に、貫通電極129が複数の多結晶シリコン電極に分かれているため、貫通電極の埋め込み性の向上と低抵抗化の両立が可能となる。
【0090】
なお、図19において、貫通電極129および第一絶縁リング130の平面形状は、たとえば図21に示す構成とすることができる。図21に示したように、貫通電極129は、たとえば独立した四つの多結晶シリコン膜225からなる電極を備えることができる。
【0091】
また、以上の実施形態において、所定の箇所に金属の拡散を防止するバリア膜を設けることができる。バリア膜は絶縁膜であっても導電膜であってもよい。絶縁膜としては、SiN膜やSiCN膜等の窒素を含む膜が例示され、導電膜としては、バリアメタル膜等の配線金属を構成する膜が例示される。
【0092】
図24〜図26は、バリア膜の配置構成を示した断面図である。
図24に示した装置の基本構成は図17に示した半導体装置と同様であるが、第二絶縁リング150を有さず、SiN膜241を有する点が異なる。
【0093】
バリア膜は、少なくとも第一絶縁リング130内とシリコン基板101の素子形成面側つまりデバイス側と裏面側に形成されている。このバリア膜は、デバイス側に設けられたSiN膜と、裏面側に裏面絶縁膜139として設けられたSiN膜を含む。
【0094】
また、シリコン基板101の所定の領域が除去されて、所定の領域に第一絶縁リング130および貫通電極129が設けられているとともに、第一絶縁リング130の形成領域と貫通電極129の形成領域との間に、シリコン基板が残存した領域が設けられており、貫通電極129、第一絶縁リング130、およびシリコン基板が残存した領域の素子形成面側が、金属の拡散を防止するバリア膜により覆われている。また、貫通電極129の形成領域から第一絶縁リング130の形成領域にわたって、シリコン基板101の素子形成面側および裏面側をバリア膜が被覆している。
【0095】
このような構成にすることにより、裏面側からのシリコンエッチング、あるいは貫通孔内を金属で充填する際に、金属汚染があったとしても、バリア膜によってトランジスタ形成部が隔離されているので、デバイス性能を劣化させることがない。
【0096】
また、第一絶縁リング130は、Ni膜175およびCu膜177から構成される貫通電極129の側面外周に設けられ、シリコン基板101を貫通するとともに、少なくとも一層の金属の拡散を防止するバリア膜を含む。このバリア膜は、SiO2/SiN/SiO2膜201中およびSiO2/SiN/SiO2膜205中のSiN膜である。
【0097】
図25では、シリコン基板101の素子形成面に、半導体素子(不図示)と、この半導体素子に接続された導電性のコンタクトプラグ(不図示)と、が設けられている。半導体素子に接続されたコンタクトプラグは、貫通電極接続プラグ117と同一水準に設けられている。また、図25では、環筒状絶縁膜の素子面側の上部において、コンタクトプラグと同一水準にリング状のコンタクト配線(シールリング243)が設けられている。シールリング243は、貫通電極接続プラグ117および半導体素子に接続するコンタクトプラグと同層に設けられており、これらと同時に形成される。
【0098】
図25は、具体的には、図24において、第一絶縁リング130上にコンタクトプラグと同時形成されたタングステンのリング配線(シールリング243)が形成された構成となっている。シールリング243は、第一絶縁リング130の上部に接して設けられており、たとえばタングステン膜により構成される。
【0099】
また、バリア膜として機能するSiN膜241がシールリング243上に形成されている。ここでは、SiN膜241がシールリング243の直上に形成されている。SiN膜241は、半導体素子に接続するコンタクトプラグの上部およびシールリング243の上部に接して設けられている。SiN膜241は、シールリング243の形成領域の内側全体に設けられて、シールリング243およびコンタクトプラグが埋設された層間絶縁膜の上部を被覆している。つまり、貫通電極129、SiO2/SiN/SiO2膜213、SiO2/SiN/SiO2膜201の上部と、多結晶シリコン膜203の上部の少なくとも一部とが、SiN膜241によって覆われている。
【0100】
このような構成においても、トランジスタ形成部は貫通電極に対して、バリア膜、配線金属、ポリシリコン膜によって隔離されているため、金属汚染の問題を回避できる。このような構成では、裏面側からシリコンエッチングする際に、デバイス面側の配線層間膜までオーバーエッチングされたとしても、タングステンリングとバリア膜によって金属汚染の問題が発生しない構造となっている。
【0101】
図26では、図25に示したタングステンから構成されるリング配線の直上に、もう一層の金属配線によるリングを形成した例である。
【0102】
図26において、シールリング243の上部に接してさらにリング状の金属配線(リング状配線247)が設けられている。また、リング状配線247の上部に接して金属の拡散を防止するバリア膜(SiN膜241)が設けられている。
【0103】
なお、図24〜図26に示した構成で、シールリング243、リング状配線247等の金属配線や貫通電極接続プラグ117としてCuを用いる場合は、Cu形成前にTa、TaN、WN、TiNなどの金属バリア膜を形成しておく。また、Cu配線上には絶縁バリア膜が形成される。絶縁バリア膜は、SiNやSiCNなどが用いられる。Cu配線とWプラグ、およびCu配線上のバリア膜は、ダマシンCu配線を用いるLSIにおいては、一般的な構成であり、追加のプロセスを導入することなく、貫通電極形成に起因する金属汚染の問題を回避することが可能となる。
【0104】
図28および図29は、半導体装置のさらに別の例を示す断面図である。
図28は、図26に示した貫通電極が、LSIの配線に直接接続されている例である。
図28において、貫通電極は裏面からSi基板を突き抜けて形成され、LSIの下層配線に接続されている。この貫通電極はNi無電解めっきにて形成され、最後にAuめっきを施し、裏面バンプと一体に形成される。
【0105】
貫通電極と接続されるLSI配線は、単独の配線であっても、複数の配線であっても、いずれでもよい。複数の配線に接続する場合は、1本の配線幅を小さくすることができ、LSI配線プロセスとの整合性が良くなる。また、貫通電極側壁はSiと直接接しているが、絶縁は環筒状絶縁膜により確保されている。貫通電極材料としてNiを用いているが、Siと反応しない導電材料であればよい。たとえば、貫通孔を形成した後に、導電性ペーストを埋め込んで、貫通電極を形成してもよい。
【0106】
図29は、図28に示した貫通電極が、M1下層配線間の絶縁膜を突き抜け、M2配線まで達している例である。
貫通電極に接続されるM1配線を複数の配線にした場合、配線間の絶縁膜がエッチング時に抜けてしまう可能性があるが、その領域をM2配線とリングViaで取り囲むことによって、金属汚染を防止している。M1のリング配線の直上に、M2リング配線とリングViaを形成しておくと、なおよい。
【0107】
また、貫通電極129をストライプ状の多結晶シリコン膜により構成することもできる。図22、図23および図27は、こうした構成を例示する平面図である。
【0108】
図22においては、貫通電極129に対応する貫通電極が、連続一体の多結晶シリコン膜225により構成される。多結晶シリコン膜225は、環状領域と、環の異なる二箇所を接続する接続領域とから構成される。図22では、環状領域の平面形状が正方形であって、これを井桁状に接続する接続領域が設けられている。また、接続領域の内側に、シリコン基板残存部229が存在している。シリコン基板残存部229の平面形状も正方形である。多結晶シリコン膜225の側面は、SiO2膜227により被覆されている。また、シリコン基板残存部229の側面もSiO2膜227により被覆されている。つまり、シリコン基板残存部229と多結晶シリコン膜225とがSiO2膜227により絶縁されている。
【0109】
図22によれば、多結晶シリコン膜225の形成領域をスリット化することにより、その埋め込み性を向上させることができる。
【0110】
また、図23は、図22において、接続領域の十字交点をなくし、シリコン基板残存部229が斜格子状に配置された構造である。図23においては、多結晶シリコン膜225が、スリット状の領域とT字交点のみで構成される。このため、多結晶シリコン膜225の埋め込み性をより一層向上させることができる。また、スリットの交点では、エッチングが進みやすく、トレンチ幅が大きくなるため、埋め込み後のボイドが発生しやすい場合があるが、図23の構成によれば、こうしたボイドの発生も抑制できる。
【0111】
さらに、図27は、シリコン基板残存部229を六角形とした構造を示す図である。図27においては、多結晶シリコン膜225のスリットの交点が、T字交点よりさらに浅い角度で交差している。このため、交点付近でのエッチング均一性をさらに高まり、多結晶シリコン膜225の埋め込み性をさらに一層向上させることができる。
【0112】
以上、発明の好適な実施形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施形態を変形可能なことはもちろんである。
【0113】
たとえば、以上の実施形態においては、貫通電極129と貫通電極接続プラグ117とが端面同士で接する構成を例示したが、貫通電極接続プラグ117の端部が貫通電極129中に貫入していてよい。こうすれば、アンカー効果により、貫通電極129と貫通電極接続プラグ117とをさらに確実に密着させて、貫通電極129の脱落をさらに効果的に防止することができる。また、貫通電極129と貫通電極接続プラグ117との接触面積が増大するため、これらの接触抵抗をさらに低減することができる。
【0114】
また、以上の実施形態においては、粘着剤層179および支持体181をシリコン基板101の素子形成面から剥離したが、必要に応じて剥離させずにそのまま半導体装置の一部としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図2】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図3】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図4】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図5】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図6】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図7】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図8】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図9】本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図10】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【図11】本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図12】本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図13】本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図14】本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図15】本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図16】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【図17】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図18】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図19】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図20】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【図21】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【図22】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【図23】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【図24】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図25】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図26】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図27】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【図28】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図29】本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0116】
100 半導体装置
101 シリコン基板
103 SiN膜
105 層間絶縁膜
107 拡散層
109 素子分離領域
111 ゲート電極
113 トランジスタ接続プラグ
115 配線
117 貫通電極接続プラグ
119 配線
121 接続プラグ
123 電極パッド
125 バンプ
127 シリコン基板残存部
128 テーパ面
129 貫通電極
130 第一絶縁リング
131 SiN膜
132 シリコン熱酸化膜
133 SiO2
134 シリコン熱酸化膜
135 SiN膜
137 層間絶縁膜
139 裏面絶縁膜
141 Ni膜
142 裏面バンプ
143 Au膜
145 テーパ面
146 張出部
147 シリコン基板残存部
148 テーパ面
149 シリコン基板残存部
150 第二絶縁リング
151 SiN膜
153 SiO2
155 SiN膜
157 SiN膜
159 シリコン基板残存領域
161 SiN膜
163 層間絶縁膜
165 SiO2
167 SiO2
169 シリコン基板残存部
175 Ni膜
177 Cu膜
179 粘着剤層
181 支持体
183 SiN膜
185 感光性エポキシ樹脂膜
187 開口部
189 Cu/Tiシード
191 感光性レジスト膜
193 貫通孔
195 Cu膜
201 SiO2/SiN/SiO2
203 多結晶シリコン膜
205 SiO2/SiN/SiO2
207 SiO2/SiN/SiO2
209 多結晶シリコン膜
211 SiO2/SiN/SiO2
213 SiO2/SiN/SiO2
215 SiO2
217 SiO2
219 SiO2
221 SiO2
223 Cu/Ti/Alバンプ
225 多結晶シリコン膜
227 SiO2
229 シリコン基板残存部
231 SiO2
233 SiO2
235 Cu/Tiバンプ
241 SiN膜
243 シールリング
247 リング状配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板を貫通する貫通電極と、
前記貫通電極の側面外周に設けられるとともに、前記半導体基板を貫通する環筒状絶縁膜と、
前記半導体基板の少なくとも素子形成面の裏面の近傍に設けられるともに前記貫通電極に接して設けられ、前記半導体基板の面内方向に前記貫通電極の内部に向かって張り出した張出部と、
を含む半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、前記張出部の少なくとも一部が、絶縁材料により構成された半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置において、前記裏面に接して設けられた裏面絶縁膜をさらに含み、前記裏面絶縁膜が前記張出部の少なくとも一部を構成している半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかに記載の半導体装置において、前記半導体基板の所定の領域が除去されて、前記所定の領域に前記環筒状絶縁膜および前記貫通電極が設けられているとともに、前記環筒状絶縁膜の形成領域と前記貫通電極の形成領域との間に、前記半導体基板が残存した領域が設けられている半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置において、前記張出部の少なくとも一部が、前記半導体基板が残存した領域により構成された半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置において、前記半導体基板が残存した領域が、前記環筒状絶縁膜の内側面全体を取り囲むように設けられた半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかに記載の半導体装置において、前記環筒状絶縁膜が、同心円状に積層された複数の絶縁膜を含む半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかに記載の半導体装置において、前記素子形成面の近傍において、前記貫通電極が、前記素子形成面に向かって狭径している半導体装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれかに記載の半導体装置において、前記裏面の近傍において、前記貫通電極が前記素子形成面に向かって拡径している半導体装置。
【請求項10】
請求項1乃至9いずれかに記載の半導体装置において、
前記環筒状絶縁膜の内側に複数の前記貫通電極が設けられている半導体装置。
【請求項11】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記貫通電極の側面外周に設けられ、前記半導体基板を貫通するとともに、少なくとも一層の金属の拡散を防止するバリア膜を含む前記環筒状絶縁膜を含む半導体装置。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置において、
前記半導体基板の所定の領域が除去されて、前記所定の領域に前記環筒状絶縁膜および前記貫通電極が設けられているとともに、前記環筒状絶縁膜の形成領域と前記貫通電極の形成領域との間に、前記半導体基板が残存した領域が設けられており、
前記貫通電極、前記環筒状絶縁膜、および半導体基板が残存した前記領域の素子形成面側が、金属の拡散を防止するバリア膜により覆われている、半導体装置。
【請求項13】
請求項11に記載の半導体装置において、
前記半導体基板の素子形成面に、半導体素子と、前記半導体素子に接続された導電性のコンタクトプラグと、が設けられ、
前記環筒状絶縁膜の素子形成面側の上部において、前記コンタクトプラグと同一水準にリング状のコンタクト配線が設けられた半導体装置。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体装置において、
前記コンタクトプラグの上部および前記リング状のコンタクト配線の上部に接して、金属の拡散を防止するバリア膜が設けられた、半導体装置。
【請求項15】
請求項13に記載の半導体装置において、
前記リング状のコンタクト配線の上部に接してさらにリング状の金属配線が設けられた半導体装置。
【請求項16】
請求項15に記載の半導体装置において、
前記リング状の金属配線の上部に接して金属の拡散を防止するバリア膜が設けられた半導体装置。
【請求項17】
半導体基板の素子形成面の側から前記半導体基板を選択的に除去して環筒状凹部を形成し、前記環筒状凹部の内部に絶縁膜を埋設し、前記環筒状凹部の外部に形成された前記絶縁膜を除去して環筒状絶縁膜を形成する工程と、
前記素子形成面に所定の半導体素子を形成する工程と、
半導体素子を形成する前記工程の後、前記半導体基板を前記素子形成面の裏面から薄化する工程と、
半導体基板を薄化する前記工程の後、前記裏面に裏面絶縁膜を設け、該裏面絶縁膜の所定の領域を選択的に除去して開口部を設ける工程と、
前記裏面の側から、前記開口部をマスクとして、前記環筒状絶縁膜の内側に残存する前記半導体基板の所定の領域を選択的に除去し、前記開口部よりも拡径した領域を含み前記半導体基板を貫通する孔を形成するとともに、前記裏面絶縁膜の一部を前記半導体基板の面内方向に張り出した張出部とする工程と、
前記孔を埋め込むように導電膜を成長させて、前記半導体基板を貫通するとともに前記張出部に接する貫通電極を形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載の半導体装置の製造方法において、孔を形成するとともに裏面絶縁膜の一部を張出部とする前記工程において、前記裏面の近傍において前記環筒状絶縁膜の内側に前記半導体基板を残存させる半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2007−123857(P2007−123857A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−261283(P2006−261283)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】