半導体装置の製造方法および製造装置
【課題】製造工数を増やすことなく、大粒径の多結晶シリコン膜を有する半導体装置を製造可能な製造装置、および、製造方法を提供する。
【解決手段】製造装置100は、反応室1と、ヒータ2と、圧力計3と、複数のガス導入管4a〜4gと、MFC5a〜5gと、ニッケル導入部6と、バルブ7a,7bと、ICP−MS8と、ガス排出管9と、APC10と、ポンプ11a,11bと、を備えている。製造装置100にニッケル導入部6を設けるため、製造工数を抑えて製造装置100内で大粒径の多結晶シリコン膜34の形成を行うことができ、製造コストを抑えることができる。
【解決手段】製造装置100は、反応室1と、ヒータ2と、圧力計3と、複数のガス導入管4a〜4gと、MFC5a〜5gと、ニッケル導入部6と、バルブ7a,7bと、ICP−MS8と、ガス排出管9と、APC10と、ポンプ11a,11bと、を備えている。製造装置100にニッケル導入部6を設けるため、製造工数を抑えて製造装置100内で大粒径の多結晶シリコン膜34の形成を行うことができ、製造コストを抑えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大粒径の多結晶シリコン膜を有する半導体装置の製造方法およびその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイや太陽電池等には、チャネルを多結晶シリコンで形成した薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)が用いられる。多結晶シリコン膜は、例えば、金属誘起結晶化(Metal Induced Crystallization:MIC)法と呼ばれる手法で形成される。MIC法とは、ニッケル等の金属粒子を非晶質シリコン膜上に吸着させてアニールを行うことにより、金属粒子が吸着した箇所が核となって非晶質シリコンが結晶化し、多結晶シリコン膜を形成する手法である。
【0003】
MIC法を用いた一般的なTFTの製造手法は以下の通りである。まず、CVD装置でシリコン基板上に非晶質シリコン膜を成膜する。続いて、スピンコート法を用いて非晶質シリコン膜上に酢酸ニッケル水溶液を塗布する。これを乾燥させて、ニッケル粒子を非晶質シリコン膜に吸着させる。その後、アニール炉でアニールを行って多結晶シリコン膜を形成する。さらに、塩酸を含む酸素雰囲気中で熱処理を行い、多結晶シリコン膜表面に残留したニッケル粒子を除去(ゲッタリング)する。
【0004】
しかしながら、この手法では、成膜、スピンコート、乾燥、アニール、および熱処理によるゲッタリングという、多くの工程が必要で、これらの工程をそれぞれ別個の装置で処理する必要があるため、製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】
特許文献1には、製造装置内に気相の金属化合物を導入してシリコン表面に金属粒子を吸着させ、同装置内でアニールを行って多結晶シリコン膜を形成することにより、工数を減らしてTFTを製造する手法が開示されている。
【0006】
しかしながら、この手法では、多結晶シリコンのグレインの粒径を大きくできないという問題がある。スピンコート法に比べて非常に多くの金属粒子がシリコンに吸着することから、ある箇所の金属粒子を核として結晶化するグレインが、すぐ近くの金属粒子を核として結晶化するグレインと衝突してしまい、グレインの結晶が大きく成長できないためである。この場合、キャリアの移動度が低くなるため、トランジスタのオン・オフ比を十分に大きくできない。
【0007】
さらに、特許文献1の手法では、シリコンに吸着した金属粒子を除去しない。金属粒子が残っている状態で多結晶シリコン膜の上に薄膜を形成すると、異常成長が起こり、特性の良いデバイスを製造できないという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−73953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、製造工数を増やすことなく、大粒径の多結晶シリコン膜を有する半導体装置を製造可能な製造装置、および、製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、半導体基板を処理する反応室と、前記半導体基板上に非晶質シリコン膜を形成するための成膜ガスを前記反応室に導入する成膜ガス導入管と、前記非晶質シリコン膜の結晶化を誘起するための金属と、この金属を腐食させるための腐食性ガスとを前記反応室に導入する金属導入部と、前記非晶質シリコン膜に吸着した前記金属を核とする金属誘起結晶化により形成される多結晶シリコン膜の表面に残留する前記金属を除去するゲッタリングガスを前記反応室に導入するゲッタリングガス導入管と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造装置が提供される。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、半導体基板上に非晶質シリコン膜を形成するための成膜ガスを成膜ガス導入管から前記半導体基板を処理する反応室に導入して、前記半導体基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、前記非晶質シリコン膜の結晶化を誘起するための金属と、この金属を腐食させるための腐食性ガスとを金属導入部から前記反応室に導入して、前記非晶質シリコン膜上に前記金属を吸着させる工程と、前記反応室内でアニールを行い、前記吸着した金属を核とする金属誘起結晶化により前記非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に改質する工程と、前記非晶質シリコン膜に吸着した前記金属を除去するゲッタリングガスをゲッタリングガス導入管から前記反応室に導入して、前記多結晶シリコン膜の表面に残留する前記金属を除去する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、製造工数を増やすことなく、大粒径の多結晶シリコン膜を有する半導体装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造装置100の概略構成を示す図。
【図2】ニッケル導入部6の具体的な構成例を示す図。
【図3】本実施形態に係る製造装置100を用いたTFTの製造工程の手順を示す工程図。
【図4】製造装置100の制御シーケンスを示す図。
【図5】半導体装置の製造工程断面図。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程断面図。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程断面図。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程断面図。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程断面図。
【図10】反応室1内の残留金属量を示すグラフ。
【図11】図1の変形例である半導体装置の製造装置101の概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る半導体装置の製造装置、およびこの製造装置を用いた半導体装置の製造方法の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造装置(以下、製造装置)100の概略構成を示す図である。製造装置100は、反応室1と、ヒータ2と、圧力計3と、複数のガス導入管4a〜4gと、流量制御装置(Mass Flow Controller:以下、MFC)5a〜5gと、ニッケル導入部(金属導入部)6と、バルブ7a,7bと、誘導結合プラズマ質量計(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer:以下、ICP−MS)8と、ガス排出管9と、自動圧力制御装置(Auto Pressure Controller:以下、APC)10と、ポンプ11a,11bと、を備えている。本製造装置100は多結晶シリコン膜で形成されたチャネルを有するTFTを製造することを念頭に置いているが、TFT以外の半導体装置の製造にも用いることができる。
【0016】
反応室1の外壁は例えば石英で形成されている。この反応室1内にシリコン基板30を載置して化学的に処理し、TFT製造工程の一部である、多結晶シリコン膜の形成を行う。反応室1にはヒータ2が取り付けられており、ヒータ2は反応室1内の温度を制御する。圧力計3は反応室1内の圧力を計測する。
【0017】
反応室1へのガスの導入側は以下のように構成されている。各種ガスはそれぞれがバルブ(不図示)およびMFC5a〜5gを介してガス導入管4a〜4gに導入され、ガス導入管4a〜4gから反応室1内にガスが導入される。図1では、HF(フッ化水素)ガス、SiH4(モノシラン)ガス、H2(水素)ガス、O2(酸素)ガス、N2(窒素)ガス、F2(フッ素)ガスを導入可能な例を図示している。MFC5a〜5gはガスの導入量を制御し、不図示のバルブは各ガスを反応室1に導入するか否かを制御する。
【0018】
ニッケル導入部6は、MFC5gを介して供給される腐食性ガスであるHFガスの腐食作用を利用して、HFガスと共にニッケルを反応室1内に導入する。図2は、ニッケル導入部6の具体的な構成例を示す図である。図2(a)のニッケル導入部6は、ニッケルを含む管(例えば、ニッケル、鉄および銅等を含むいわゆるSUS(Stainless Used Steel)管や、ニッケルの単管)21と、この管を加熱するヒータ22とを有する。常温でHFガスを流しても管21は腐食されないが、ヒータ2で管21を例えば600℃に加熱してHFガスを流すことにより、管21がHFガスに腐食され、ニッケルのハロゲン(フッ素)化合物蒸気を含むHFガスを反応室1内に導入できる。ニッケルの導入量(HFガスに含まれるニッケルの量)は、管21の温度や、MFC5gで制御されるHFガスの流量によって制御できる。なお、管21として用いるSUS管やニッケルの単管は、通常の製造装置100で汎用的に使われるものなので、このような汎用的な管21にヒータ22を取り付けるのみで、簡易にニッケル導入部6を構成できる。
【0019】
また、図2(b)のニッケル導入部6は、管23と、ニッケルを含む電熱線24(例えば、ニッケル線やニクロム線)と、電熱線24の両端に電圧を印加して電熱線24に電流を流す電流生成部25とを有する。図2(b)の場合、管23は必ずしもニッケルを含んでいなくてもよい。電流生成部25から電熱線24に電流を流して電熱線24を加熱し、HFガスを流すことにより、電熱線24が腐食され、ニッケルのハロゲン(フッ素)化合物蒸気を含むHFガスを反応室1内に導入される。ニッケルの導入量は、電流量や、MFC5gで制御されるHFガスの流量によって制御できる。
【0020】
図2に示すニッケル導入部6は、ニッケルを含む管21や電熱線24をニッケル発生源とし、このニッケルをHFガスで腐食させて反応室1内に導入するため、反応室1内に過剰のニッケルが導入されるおそれはない。なお、反応室1内に導入されるニッケルの量は、ニッケル導入部6内の管21や電熱線24に含まれるニッケルの量と比べると極めて微量であるため、長年使用してもニッケル導入部6のニッケルが不足することはない。
【0021】
ニッケル導入部6が接続されるガス導入管4gは、バルブ7a(第2のバルブ)を介して反応室1に接続され、かつ、バルブ7b(第1のバルブ)を介してICP−MS8にも接続される。ICP−MS8はICP−MS8に流入するニッケルの量を計測する質量分析器として機能する。よって、ICP−MS8側のバルブ7bを開いてニッケルの量(HFガスに含まれるニッケルの量)を確認した後に、バルブ7bを閉じて反応室1側のバルブ7aを開くことで、所望の量のニッケルを安定的に反応室1内に導入できる。
【0022】
ポンプ11bは例えばターボポンプであり、ICP−MS8の後段に接続されている。ポンプ11bはICP−MS8を高真空(例えば10−5Pa)まで真空引きを行う。
【0023】
誘導結合プラズマによりニッケルのハロゲン化合物を高効率にイオン化できるため、ICP−MS8を用いることで、ニッケルの量が微量であっても、ニッケルの量を精度良く短時間で質量を計測できる。
【0024】
本実施形態は、図2のニッケル導入部6や、ICP−MS8を設けることにより、適切な量のニッケルを反応室1内に導入できることが特徴の1つである。
【0025】
一方、反応室1のガスの排出側は以下のように構成されている。ガス排出管9は一端が反応室1に接続されており、反応室1内のガスを排出する。ガス排出管9の他端はAPC10を介してポンプ11aが接続されている。ポンプ11aは反応室1およびICP−MS8から排出されるガスの排気を行い、APC10は反応室1内の圧力が所定の値となるよう制御する。
【0026】
図3は、本実施形態に係る製造装置100を用いたTFTの製造工程の手順を示す工程図であり、図4は、製造装置100の制御シーケンスを示す図である。図4に示す反応室1の温度はヒータ2によって制御され、反応室1の圧力はAPC10によって制御される。図5〜図9は半導体装置の製造工程断面図である。図3〜図9を用いて、TFTを製造する工程を説明する。
【0027】
まず、熱酸化等によりシリコン基板30上にSiO2膜31を形成し(ステップS1)、図5に示す断面構造が得られる。この工程は製造装置100とは別の装置で行われる。次に、SiO2膜31が形成されたシリコン基板30を、例えば500〜550℃に保たれた製造装置100の反応室1に載置する(ステップS2)。これ以降、後述するステップS10の工程までは製造装置100を用いて行われる。
【0028】
初めに、ポンプ11aにより反応室1内の真空引きを行い、反応室1内の圧力を例えば60Paとする(ステップS3)。次いで、成膜ガスであるSiH4ガスを例えば流量0.2slmで10分間、ガス導入管4aから反応室1内に導入し、SiH4ガスを熱分解して、SiO2膜31上に例えば20nmの非晶質シリコン膜32を形成する(ステップS4)。
【0029】
このとき、n型のTFTを製造する場合は、PH3(ホスフィン)ガスやAsH3(アルシン)ガス等の、p型のTFTを製造する場合は、BCl3(三塩化ボロン)ガスやB2H6(ジボラン)ガス等のドーピングガスを、SiH4ガスと同時に反応室1内に導入してもよい。これらのドーピングガスは、SiH4ガスと共にガス導入管4aから導入してもよいし、これとは別のガス導入管(不図示)から導入してもよい。非晶質シリコン膜32を形成した後、ポンプ11aで真空引きを行い、残留するSiH4ガス等を排出する(ステップS5)。
【0030】
そして、上述の手法で図2に示すニッケル導入部6から、ニッケルを含むHFガスを反応室1内に導入する。より具体的には、まずICP−MS8側のバルブ7bを開いてニッケルの量を計測する。HFガスに含まれるニッケルの量が後述する所望の値でない場合(ステップS6a、NO)、ニッケルの量が所望の値となるよう調整する(ステップS6b)。例えば、図2(a)に示すニッケル導入部6の場合は、計測されたニッケルの量が多すぎるときは管21の温度を下げ、少なすぎるときは管21の温度を上げる。また、図2(b)に示すニッケル導入部6の場合は、計測されたニッケルの量が多すぎるときは電熱線24に流す電流量を下げ、少なすぎるときは電熱線24に流す電流量を上げる。
【0031】
そして、ニッケルの量が所望の値で安定したのを確認して(ステップS6a、Yes)、バルブ7bを閉じ、反応室1側のバルブ7aを開く。これにより、ニッケルを含むHFガスが反応室1内に導入され、ニッケル粒子33が非晶質シリコン膜32の表面に吸着する(ステップS7)。以上により、図6に示す断面構造が得られる。非晶質シリコン膜32に吸着したニッケル粒子33は、大粒径の多結晶シリコン膜34を形成するための核となる。これにより、図7に示す断面構造の多結晶シリコン膜34が形成される。このような製法は、上述したようにMIC法と呼ばれる。
【0032】
図2(a)の構成のニッケル導入部6を用いる場合、反応室1内で非晶質シリコン膜32にニッケルを吸着させるためには、反応室1内の温度は管21の温度より低い温度であることが望ましい。そのため、ヒータ22は、反応室1内の温度より高い例えば600℃に管21を加熱する。
【0033】
ここで、シリコン原子の面密度が1015cm−2程度であるのに対し、これより2桁ほど少ない面密度1013cm−2程度のニッケルを吸着した場合に、大粒径の多結晶シリコン膜34が形成できる。導入するニッケルが少なすぎる場合、核となる金属が少ないために、非晶質シリコン膜32の結晶化があまり誘起されず、多結晶シリコン膜34が得られない。また、吸着するニッケル粒子33が多すぎる場合、ある箇所のニッケル粒子33を核として結晶化するグレインが、すぐ近くのニッケル粒子33を核として結晶化するグレインと衝突してしまい、大粒径の多結晶シリコン膜34が形成できない。
【0034】
ICP−MS8で検出されるニッケルの量がどれくらいのときに、面密度1013cm−2程度でニッケル粒子33を吸着させることができるかを、予め実験等により算出しておき、ステップS6,S7では、この量のニッケルを反応室1内に導入する。図2に示すニッケル導入部6は、面密度1013cm−2程度のニッケルを導入するのに適した構成である。
【0035】
このようにして、本実施形態では、大粒径の多結晶シリコン膜34の形成が可能な量のニッケルを、確実に反応室1内に導入できる。
【0036】
図3のステップS7の工程が終わると、ニッケルを含むHFガスの導入を止めて、反応室1内の温度を500〜550℃に保ったまま、例えば3時間放置する。非晶質シリコン膜32に吸着したニッケル粒子33を核として大粒径の多結晶シリコン膜34が形成され、図7に示す断面構造が得られる(ステップS8)。すなわち、非晶質シリコン膜32が大粒径の多結晶シリコン膜34に改質する。
【0037】
ここで、MIC法で用いる金属はニッケルに限らず他の金属でもよいが、ニッケルを用いると以下の効果が得られる。ニッケル粒子33がシリコン表面に吸着すると、ニッケル粒子33から電子が供給されて、ニッケルとシリコンが反応してニッケルシリサイドが形成される。ニッケルシリサイドの格子間隔はシリコンの格子間隔と極めて近いため、500〜550℃程度の低温でニッケル粒子33を核として非晶質シリコン膜32の結晶化が誘起される。しかし、この温度では、ニッケル粒子33が吸着していない部分は結晶化しない。その結果、ニッケル粒子33が吸着した箇所のみでグレインが形成されるため、大粒径の多結晶シリコン膜34を形成できる。
【0038】
この多結晶シリコン膜34を形成する工程において、非晶質シリコン膜32の厚さが10nm程度の薄さである場合、シリコン原子のマイグレーションが発生して、非晶質シリコン膜32の平坦性が悪化するおそれがある。このため、ニッケル吸着後、O2ガスを例えば流量10sccmで、ガス導入管4cから反応室1内に導入してもよい。O2ガスにより非晶質シリコン膜32の表面にわずかに酸化膜が形成されるため、マイグレーションを抑えることができ、平坦性を維持しつつ大粒径の多結晶シリコン膜34を形成できる。また、O2ガスにより過剰に非晶質シリコン膜32が酸化されるのを防止するため、N2ガスをガス導入管4dから反応室1内に導入しながらアニールを行ってもよい。
【0039】
その後、多結晶シリコン膜34表面に残留するニッケルの除去(ゲッタリング)を行い(ステップS9)、図8に示す断面構造が得られる。より具体的には、反応室1内の温度および圧力を例えば700〜800℃、20Paとし、ゲッタリングガスであるH2およびO2ガスを例えば流量1slmずつ10分間、ガス導入管4b,4cからそれぞれ反応室1内に導入する。このとき、反応室1内では酸素ラジカルおよび水素ラジカルが発生する。酸素ラジカルは多結晶シリコン膜34の表面を酸化し、SiO2が形成される。一方、水素ラジカルはニッケル粒子33を還元し、NiHが形成される。これにより、シリコン原子に吸着していたニッケル粒子33が多結晶シリコン膜34から離れるため、ニッケル粒子33を除去できる。本工程では、反応室1内に残存するニッケルも同様に除去される。
【0040】
図10は、上記のようにして残留金属の除去を行った場合の、反応室1内の残留金属量を示すグラフであり、横軸は時間、縦軸は残留金属の量である。図示のように、初め、1015cm−2程度のニッケルが反応室1内に残留しているが、10分間上記の処理を行うことで、1010cm−2まで残留ニッケルを減らすことができる。ニッケル導入部6に、図2(a)の管21としてSUS管を用いた場合、ニッケルの他、鉄や銅も反応室1内に導入される。しかし、図10に示すように、上述したステップS9の工程により、反応室1内に残留する鉄や銅も効率的に除去できる。
【0041】
図3のステップS9で残留金属を除去した後、シリコン基板30を製造装置100から取り出す(ステップS10)。図4に示すように、図5の断面構造が得られた後、図3のステップS10までの一連の工程を製造装置100を用いて行うことができる。
【0042】
ステップS10の工程が終了すると、次に、多結晶シリコン膜34の表面をラジカル酸化等により酸化して、ゲート酸化膜35を形成する。続いて、公知のフォトリソグラフィ法等により、ゲート電極36、ソース電極37、ドレイン電極38をそれぞれ形成し、CVD法等により形成される層間絶縁膜39を介して電極40を引き出すことにより、図9に示す多結晶シリコン膜34をチャネルとするTFTを製造できる(ステップS11)。
【0043】
以上のようにしてTFTが製造される。この製法によれば、多結晶シリコン膜34のグレインの粒径を200nm〜1μm程度まで大きくすることができる。このとき、電子の移動度は約120cm2/V・Sとなり、オン・オフ比が大きなTFTを得ることができる。
【0044】
ステップS11の工程が終了すると、製造装置100からシリコン基板30を取り出して、製造装置100のクリーニングを行う(ステップS12)。より具体的には、例えば反応室1内の温度および圧力を300℃、10000Paとし、クリーニングガスであるHFおよびF2ガスを流量lslmずつ1分間、ガス導入管4e,4fからそれぞれ反応室1内に導入する。これにより、反応室1内に残存する多結晶シリコンをほぼ完全に除去でき、また反応室1内に残留する金属成分を109cm−2以下とすることができる。
【0045】
仮に、反応室1内に金属成分が残留していると、次のシリコン基板30を反応室1内に載置してTFTを製造する際に、シリコン基板30に残留金属が付着し、この残留金属を核として細長い髭状の結晶が形成されるウイスカ等の異常成長が発生する。これに対し、本実施形態では、反応室1内のニッケルをゲッタリングし(ステップS9)、さらにクリーニングを行う(ステップS12)ため、このような異常成長を抑えることができる。
【0046】
このように、本実施形態では、製造装置100にニッケル導入部6を設けるため、製造工数を抑えて製造装置100内で大粒径の多結晶シリコン膜34の形成を行うことができ、製造コストを抑えることができる。また、ニッケル導入部6は、管21または電熱線24に含まれるニッケルをHFガスで腐食させて反応室1内に導入する構成であり、しかも、ICP−MS8によりニッケルの流量を計測でき、計測結果をフィードバックしてニッケルの量を調整可能なので、確実に適量のニッケルを導入でき、大粒径の多結晶シリコン膜34を形成できる。結果として、オン・オフ比の大きなTFTを製造できる。
【0047】
本実施形態で示した各ガスは例示であり、他のガスを用いることもできる。例えば、成膜ガスとして、SiH4の他、SiH6,Si3H8,SiH2Cl2等、非晶質シリコン膜32を形成可能な他のガスを用いてもよい。また、腐食性ガスは、HFの他、HCl,NH3,H2等のガスを用いてもよい。但し、HClガスを用いる場合は、反応室1内の非晶質シリコン膜32の表面がエッチングされるおそれがあり、NH3ガスを用いる場合は、窒素原子がシリコン原子に吸着してSiNが形成されるおそれがある。また、H2ガスを用いる場合は、管21や電熱線24を腐食するためには、HFガスを用いる場合より高い温度に設定する必要がある。
【0048】
また、非晶質シリコン膜32の結晶化を誘起する金属として、ニッケルの他、鉄、銅、クロム、コバルト、銀等を用いてもよい。但し、ステップS9のゲッタリング工程で除去される金属であることを必要とする。また、各金属の中でも、特にニッケルが適するのは上述の通りである。
【0049】
さらに、図1の製造装置100では、ニッケル導入部6にHFガスを導入する管4gと、クリーニングで用いるHFガスを導入する管4eとを別個に設けるが、共通の管からHFガスを導入してもよい。この場合は、ニッケルを導入する工程(ステップS6,S7)でのみ、ニッケル導入部6の管21を加熱するか(図2(a)の場合)、電熱線24に電流を流して、ニッケルを発生させればよい(図2(b)の場合)。
【0050】
また、質量分析器として、ICP−MS8以外のものを用いてもよい。例えば、ガスクロマトグラフ質量計(Gas Chromatograph Mass Spectrometer)を用いてもよく、この場合、ポンプ11aとポンプ11bを共用としてもよい。
【0051】
図11は、図1の変形例である半導体装置の製造装置101の概略構成を示す図である。図1の製造装置100は反応室1内に1枚ずつ半導体基板を載置して半導体装置を製造する枚葉式の製造装置である。これに対し、図11の製造装置101は反応室1内に複数の半導体基板を収納可能なバッチ式の製造装置である。図11の製造装置101の反応室1以外の基本的な構成は、図1の製造装置100と同様である。図11の製造装置101は、複数の半導体基板上に同時に半導体装置を製造できるため、図1の製造装置100よりスループットを向上できる。
【0052】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 反応室
4a〜4g ガス導入管
6 ニッケル導入部
7a,7b バルブ
8 ICP−MS
21,23 管
22 ヒータ
24 電熱線
25 電流生成部
30 シリコン基板
32 非晶質シリコン膜
33 ニッケル粒子
34 多結晶シリコン膜
100,101 製造装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、大粒径の多結晶シリコン膜を有する半導体装置の製造方法およびその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイや太陽電池等には、チャネルを多結晶シリコンで形成した薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)が用いられる。多結晶シリコン膜は、例えば、金属誘起結晶化(Metal Induced Crystallization:MIC)法と呼ばれる手法で形成される。MIC法とは、ニッケル等の金属粒子を非晶質シリコン膜上に吸着させてアニールを行うことにより、金属粒子が吸着した箇所が核となって非晶質シリコンが結晶化し、多結晶シリコン膜を形成する手法である。
【0003】
MIC法を用いた一般的なTFTの製造手法は以下の通りである。まず、CVD装置でシリコン基板上に非晶質シリコン膜を成膜する。続いて、スピンコート法を用いて非晶質シリコン膜上に酢酸ニッケル水溶液を塗布する。これを乾燥させて、ニッケル粒子を非晶質シリコン膜に吸着させる。その後、アニール炉でアニールを行って多結晶シリコン膜を形成する。さらに、塩酸を含む酸素雰囲気中で熱処理を行い、多結晶シリコン膜表面に残留したニッケル粒子を除去(ゲッタリング)する。
【0004】
しかしながら、この手法では、成膜、スピンコート、乾燥、アニール、および熱処理によるゲッタリングという、多くの工程が必要で、これらの工程をそれぞれ別個の装置で処理する必要があるため、製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】
特許文献1には、製造装置内に気相の金属化合物を導入してシリコン表面に金属粒子を吸着させ、同装置内でアニールを行って多結晶シリコン膜を形成することにより、工数を減らしてTFTを製造する手法が開示されている。
【0006】
しかしながら、この手法では、多結晶シリコンのグレインの粒径を大きくできないという問題がある。スピンコート法に比べて非常に多くの金属粒子がシリコンに吸着することから、ある箇所の金属粒子を核として結晶化するグレインが、すぐ近くの金属粒子を核として結晶化するグレインと衝突してしまい、グレインの結晶が大きく成長できないためである。この場合、キャリアの移動度が低くなるため、トランジスタのオン・オフ比を十分に大きくできない。
【0007】
さらに、特許文献1の手法では、シリコンに吸着した金属粒子を除去しない。金属粒子が残っている状態で多結晶シリコン膜の上に薄膜を形成すると、異常成長が起こり、特性の良いデバイスを製造できないという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−73953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、製造工数を増やすことなく、大粒径の多結晶シリコン膜を有する半導体装置を製造可能な製造装置、および、製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、半導体基板を処理する反応室と、前記半導体基板上に非晶質シリコン膜を形成するための成膜ガスを前記反応室に導入する成膜ガス導入管と、前記非晶質シリコン膜の結晶化を誘起するための金属と、この金属を腐食させるための腐食性ガスとを前記反応室に導入する金属導入部と、前記非晶質シリコン膜に吸着した前記金属を核とする金属誘起結晶化により形成される多結晶シリコン膜の表面に残留する前記金属を除去するゲッタリングガスを前記反応室に導入するゲッタリングガス導入管と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造装置が提供される。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、半導体基板上に非晶質シリコン膜を形成するための成膜ガスを成膜ガス導入管から前記半導体基板を処理する反応室に導入して、前記半導体基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、前記非晶質シリコン膜の結晶化を誘起するための金属と、この金属を腐食させるための腐食性ガスとを金属導入部から前記反応室に導入して、前記非晶質シリコン膜上に前記金属を吸着させる工程と、前記反応室内でアニールを行い、前記吸着した金属を核とする金属誘起結晶化により前記非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に改質する工程と、前記非晶質シリコン膜に吸着した前記金属を除去するゲッタリングガスをゲッタリングガス導入管から前記反応室に導入して、前記多結晶シリコン膜の表面に残留する前記金属を除去する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、製造工数を増やすことなく、大粒径の多結晶シリコン膜を有する半導体装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造装置100の概略構成を示す図。
【図2】ニッケル導入部6の具体的な構成例を示す図。
【図3】本実施形態に係る製造装置100を用いたTFTの製造工程の手順を示す工程図。
【図4】製造装置100の制御シーケンスを示す図。
【図5】半導体装置の製造工程断面図。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程断面図。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程断面図。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程断面図。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程断面図。
【図10】反応室1内の残留金属量を示すグラフ。
【図11】図1の変形例である半導体装置の製造装置101の概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る半導体装置の製造装置、およびこの製造装置を用いた半導体装置の製造方法の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造装置(以下、製造装置)100の概略構成を示す図である。製造装置100は、反応室1と、ヒータ2と、圧力計3と、複数のガス導入管4a〜4gと、流量制御装置(Mass Flow Controller:以下、MFC)5a〜5gと、ニッケル導入部(金属導入部)6と、バルブ7a,7bと、誘導結合プラズマ質量計(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer:以下、ICP−MS)8と、ガス排出管9と、自動圧力制御装置(Auto Pressure Controller:以下、APC)10と、ポンプ11a,11bと、を備えている。本製造装置100は多結晶シリコン膜で形成されたチャネルを有するTFTを製造することを念頭に置いているが、TFT以外の半導体装置の製造にも用いることができる。
【0016】
反応室1の外壁は例えば石英で形成されている。この反応室1内にシリコン基板30を載置して化学的に処理し、TFT製造工程の一部である、多結晶シリコン膜の形成を行う。反応室1にはヒータ2が取り付けられており、ヒータ2は反応室1内の温度を制御する。圧力計3は反応室1内の圧力を計測する。
【0017】
反応室1へのガスの導入側は以下のように構成されている。各種ガスはそれぞれがバルブ(不図示)およびMFC5a〜5gを介してガス導入管4a〜4gに導入され、ガス導入管4a〜4gから反応室1内にガスが導入される。図1では、HF(フッ化水素)ガス、SiH4(モノシラン)ガス、H2(水素)ガス、O2(酸素)ガス、N2(窒素)ガス、F2(フッ素)ガスを導入可能な例を図示している。MFC5a〜5gはガスの導入量を制御し、不図示のバルブは各ガスを反応室1に導入するか否かを制御する。
【0018】
ニッケル導入部6は、MFC5gを介して供給される腐食性ガスであるHFガスの腐食作用を利用して、HFガスと共にニッケルを反応室1内に導入する。図2は、ニッケル導入部6の具体的な構成例を示す図である。図2(a)のニッケル導入部6は、ニッケルを含む管(例えば、ニッケル、鉄および銅等を含むいわゆるSUS(Stainless Used Steel)管や、ニッケルの単管)21と、この管を加熱するヒータ22とを有する。常温でHFガスを流しても管21は腐食されないが、ヒータ2で管21を例えば600℃に加熱してHFガスを流すことにより、管21がHFガスに腐食され、ニッケルのハロゲン(フッ素)化合物蒸気を含むHFガスを反応室1内に導入できる。ニッケルの導入量(HFガスに含まれるニッケルの量)は、管21の温度や、MFC5gで制御されるHFガスの流量によって制御できる。なお、管21として用いるSUS管やニッケルの単管は、通常の製造装置100で汎用的に使われるものなので、このような汎用的な管21にヒータ22を取り付けるのみで、簡易にニッケル導入部6を構成できる。
【0019】
また、図2(b)のニッケル導入部6は、管23と、ニッケルを含む電熱線24(例えば、ニッケル線やニクロム線)と、電熱線24の両端に電圧を印加して電熱線24に電流を流す電流生成部25とを有する。図2(b)の場合、管23は必ずしもニッケルを含んでいなくてもよい。電流生成部25から電熱線24に電流を流して電熱線24を加熱し、HFガスを流すことにより、電熱線24が腐食され、ニッケルのハロゲン(フッ素)化合物蒸気を含むHFガスを反応室1内に導入される。ニッケルの導入量は、電流量や、MFC5gで制御されるHFガスの流量によって制御できる。
【0020】
図2に示すニッケル導入部6は、ニッケルを含む管21や電熱線24をニッケル発生源とし、このニッケルをHFガスで腐食させて反応室1内に導入するため、反応室1内に過剰のニッケルが導入されるおそれはない。なお、反応室1内に導入されるニッケルの量は、ニッケル導入部6内の管21や電熱線24に含まれるニッケルの量と比べると極めて微量であるため、長年使用してもニッケル導入部6のニッケルが不足することはない。
【0021】
ニッケル導入部6が接続されるガス導入管4gは、バルブ7a(第2のバルブ)を介して反応室1に接続され、かつ、バルブ7b(第1のバルブ)を介してICP−MS8にも接続される。ICP−MS8はICP−MS8に流入するニッケルの量を計測する質量分析器として機能する。よって、ICP−MS8側のバルブ7bを開いてニッケルの量(HFガスに含まれるニッケルの量)を確認した後に、バルブ7bを閉じて反応室1側のバルブ7aを開くことで、所望の量のニッケルを安定的に反応室1内に導入できる。
【0022】
ポンプ11bは例えばターボポンプであり、ICP−MS8の後段に接続されている。ポンプ11bはICP−MS8を高真空(例えば10−5Pa)まで真空引きを行う。
【0023】
誘導結合プラズマによりニッケルのハロゲン化合物を高効率にイオン化できるため、ICP−MS8を用いることで、ニッケルの量が微量であっても、ニッケルの量を精度良く短時間で質量を計測できる。
【0024】
本実施形態は、図2のニッケル導入部6や、ICP−MS8を設けることにより、適切な量のニッケルを反応室1内に導入できることが特徴の1つである。
【0025】
一方、反応室1のガスの排出側は以下のように構成されている。ガス排出管9は一端が反応室1に接続されており、反応室1内のガスを排出する。ガス排出管9の他端はAPC10を介してポンプ11aが接続されている。ポンプ11aは反応室1およびICP−MS8から排出されるガスの排気を行い、APC10は反応室1内の圧力が所定の値となるよう制御する。
【0026】
図3は、本実施形態に係る製造装置100を用いたTFTの製造工程の手順を示す工程図であり、図4は、製造装置100の制御シーケンスを示す図である。図4に示す反応室1の温度はヒータ2によって制御され、反応室1の圧力はAPC10によって制御される。図5〜図9は半導体装置の製造工程断面図である。図3〜図9を用いて、TFTを製造する工程を説明する。
【0027】
まず、熱酸化等によりシリコン基板30上にSiO2膜31を形成し(ステップS1)、図5に示す断面構造が得られる。この工程は製造装置100とは別の装置で行われる。次に、SiO2膜31が形成されたシリコン基板30を、例えば500〜550℃に保たれた製造装置100の反応室1に載置する(ステップS2)。これ以降、後述するステップS10の工程までは製造装置100を用いて行われる。
【0028】
初めに、ポンプ11aにより反応室1内の真空引きを行い、反応室1内の圧力を例えば60Paとする(ステップS3)。次いで、成膜ガスであるSiH4ガスを例えば流量0.2slmで10分間、ガス導入管4aから反応室1内に導入し、SiH4ガスを熱分解して、SiO2膜31上に例えば20nmの非晶質シリコン膜32を形成する(ステップS4)。
【0029】
このとき、n型のTFTを製造する場合は、PH3(ホスフィン)ガスやAsH3(アルシン)ガス等の、p型のTFTを製造する場合は、BCl3(三塩化ボロン)ガスやB2H6(ジボラン)ガス等のドーピングガスを、SiH4ガスと同時に反応室1内に導入してもよい。これらのドーピングガスは、SiH4ガスと共にガス導入管4aから導入してもよいし、これとは別のガス導入管(不図示)から導入してもよい。非晶質シリコン膜32を形成した後、ポンプ11aで真空引きを行い、残留するSiH4ガス等を排出する(ステップS5)。
【0030】
そして、上述の手法で図2に示すニッケル導入部6から、ニッケルを含むHFガスを反応室1内に導入する。より具体的には、まずICP−MS8側のバルブ7bを開いてニッケルの量を計測する。HFガスに含まれるニッケルの量が後述する所望の値でない場合(ステップS6a、NO)、ニッケルの量が所望の値となるよう調整する(ステップS6b)。例えば、図2(a)に示すニッケル導入部6の場合は、計測されたニッケルの量が多すぎるときは管21の温度を下げ、少なすぎるときは管21の温度を上げる。また、図2(b)に示すニッケル導入部6の場合は、計測されたニッケルの量が多すぎるときは電熱線24に流す電流量を下げ、少なすぎるときは電熱線24に流す電流量を上げる。
【0031】
そして、ニッケルの量が所望の値で安定したのを確認して(ステップS6a、Yes)、バルブ7bを閉じ、反応室1側のバルブ7aを開く。これにより、ニッケルを含むHFガスが反応室1内に導入され、ニッケル粒子33が非晶質シリコン膜32の表面に吸着する(ステップS7)。以上により、図6に示す断面構造が得られる。非晶質シリコン膜32に吸着したニッケル粒子33は、大粒径の多結晶シリコン膜34を形成するための核となる。これにより、図7に示す断面構造の多結晶シリコン膜34が形成される。このような製法は、上述したようにMIC法と呼ばれる。
【0032】
図2(a)の構成のニッケル導入部6を用いる場合、反応室1内で非晶質シリコン膜32にニッケルを吸着させるためには、反応室1内の温度は管21の温度より低い温度であることが望ましい。そのため、ヒータ22は、反応室1内の温度より高い例えば600℃に管21を加熱する。
【0033】
ここで、シリコン原子の面密度が1015cm−2程度であるのに対し、これより2桁ほど少ない面密度1013cm−2程度のニッケルを吸着した場合に、大粒径の多結晶シリコン膜34が形成できる。導入するニッケルが少なすぎる場合、核となる金属が少ないために、非晶質シリコン膜32の結晶化があまり誘起されず、多結晶シリコン膜34が得られない。また、吸着するニッケル粒子33が多すぎる場合、ある箇所のニッケル粒子33を核として結晶化するグレインが、すぐ近くのニッケル粒子33を核として結晶化するグレインと衝突してしまい、大粒径の多結晶シリコン膜34が形成できない。
【0034】
ICP−MS8で検出されるニッケルの量がどれくらいのときに、面密度1013cm−2程度でニッケル粒子33を吸着させることができるかを、予め実験等により算出しておき、ステップS6,S7では、この量のニッケルを反応室1内に導入する。図2に示すニッケル導入部6は、面密度1013cm−2程度のニッケルを導入するのに適した構成である。
【0035】
このようにして、本実施形態では、大粒径の多結晶シリコン膜34の形成が可能な量のニッケルを、確実に反応室1内に導入できる。
【0036】
図3のステップS7の工程が終わると、ニッケルを含むHFガスの導入を止めて、反応室1内の温度を500〜550℃に保ったまま、例えば3時間放置する。非晶質シリコン膜32に吸着したニッケル粒子33を核として大粒径の多結晶シリコン膜34が形成され、図7に示す断面構造が得られる(ステップS8)。すなわち、非晶質シリコン膜32が大粒径の多結晶シリコン膜34に改質する。
【0037】
ここで、MIC法で用いる金属はニッケルに限らず他の金属でもよいが、ニッケルを用いると以下の効果が得られる。ニッケル粒子33がシリコン表面に吸着すると、ニッケル粒子33から電子が供給されて、ニッケルとシリコンが反応してニッケルシリサイドが形成される。ニッケルシリサイドの格子間隔はシリコンの格子間隔と極めて近いため、500〜550℃程度の低温でニッケル粒子33を核として非晶質シリコン膜32の結晶化が誘起される。しかし、この温度では、ニッケル粒子33が吸着していない部分は結晶化しない。その結果、ニッケル粒子33が吸着した箇所のみでグレインが形成されるため、大粒径の多結晶シリコン膜34を形成できる。
【0038】
この多結晶シリコン膜34を形成する工程において、非晶質シリコン膜32の厚さが10nm程度の薄さである場合、シリコン原子のマイグレーションが発生して、非晶質シリコン膜32の平坦性が悪化するおそれがある。このため、ニッケル吸着後、O2ガスを例えば流量10sccmで、ガス導入管4cから反応室1内に導入してもよい。O2ガスにより非晶質シリコン膜32の表面にわずかに酸化膜が形成されるため、マイグレーションを抑えることができ、平坦性を維持しつつ大粒径の多結晶シリコン膜34を形成できる。また、O2ガスにより過剰に非晶質シリコン膜32が酸化されるのを防止するため、N2ガスをガス導入管4dから反応室1内に導入しながらアニールを行ってもよい。
【0039】
その後、多結晶シリコン膜34表面に残留するニッケルの除去(ゲッタリング)を行い(ステップS9)、図8に示す断面構造が得られる。より具体的には、反応室1内の温度および圧力を例えば700〜800℃、20Paとし、ゲッタリングガスであるH2およびO2ガスを例えば流量1slmずつ10分間、ガス導入管4b,4cからそれぞれ反応室1内に導入する。このとき、反応室1内では酸素ラジカルおよび水素ラジカルが発生する。酸素ラジカルは多結晶シリコン膜34の表面を酸化し、SiO2が形成される。一方、水素ラジカルはニッケル粒子33を還元し、NiHが形成される。これにより、シリコン原子に吸着していたニッケル粒子33が多結晶シリコン膜34から離れるため、ニッケル粒子33を除去できる。本工程では、反応室1内に残存するニッケルも同様に除去される。
【0040】
図10は、上記のようにして残留金属の除去を行った場合の、反応室1内の残留金属量を示すグラフであり、横軸は時間、縦軸は残留金属の量である。図示のように、初め、1015cm−2程度のニッケルが反応室1内に残留しているが、10分間上記の処理を行うことで、1010cm−2まで残留ニッケルを減らすことができる。ニッケル導入部6に、図2(a)の管21としてSUS管を用いた場合、ニッケルの他、鉄や銅も反応室1内に導入される。しかし、図10に示すように、上述したステップS9の工程により、反応室1内に残留する鉄や銅も効率的に除去できる。
【0041】
図3のステップS9で残留金属を除去した後、シリコン基板30を製造装置100から取り出す(ステップS10)。図4に示すように、図5の断面構造が得られた後、図3のステップS10までの一連の工程を製造装置100を用いて行うことができる。
【0042】
ステップS10の工程が終了すると、次に、多結晶シリコン膜34の表面をラジカル酸化等により酸化して、ゲート酸化膜35を形成する。続いて、公知のフォトリソグラフィ法等により、ゲート電極36、ソース電極37、ドレイン電極38をそれぞれ形成し、CVD法等により形成される層間絶縁膜39を介して電極40を引き出すことにより、図9に示す多結晶シリコン膜34をチャネルとするTFTを製造できる(ステップS11)。
【0043】
以上のようにしてTFTが製造される。この製法によれば、多結晶シリコン膜34のグレインの粒径を200nm〜1μm程度まで大きくすることができる。このとき、電子の移動度は約120cm2/V・Sとなり、オン・オフ比が大きなTFTを得ることができる。
【0044】
ステップS11の工程が終了すると、製造装置100からシリコン基板30を取り出して、製造装置100のクリーニングを行う(ステップS12)。より具体的には、例えば反応室1内の温度および圧力を300℃、10000Paとし、クリーニングガスであるHFおよびF2ガスを流量lslmずつ1分間、ガス導入管4e,4fからそれぞれ反応室1内に導入する。これにより、反応室1内に残存する多結晶シリコンをほぼ完全に除去でき、また反応室1内に残留する金属成分を109cm−2以下とすることができる。
【0045】
仮に、反応室1内に金属成分が残留していると、次のシリコン基板30を反応室1内に載置してTFTを製造する際に、シリコン基板30に残留金属が付着し、この残留金属を核として細長い髭状の結晶が形成されるウイスカ等の異常成長が発生する。これに対し、本実施形態では、反応室1内のニッケルをゲッタリングし(ステップS9)、さらにクリーニングを行う(ステップS12)ため、このような異常成長を抑えることができる。
【0046】
このように、本実施形態では、製造装置100にニッケル導入部6を設けるため、製造工数を抑えて製造装置100内で大粒径の多結晶シリコン膜34の形成を行うことができ、製造コストを抑えることができる。また、ニッケル導入部6は、管21または電熱線24に含まれるニッケルをHFガスで腐食させて反応室1内に導入する構成であり、しかも、ICP−MS8によりニッケルの流量を計測でき、計測結果をフィードバックしてニッケルの量を調整可能なので、確実に適量のニッケルを導入でき、大粒径の多結晶シリコン膜34を形成できる。結果として、オン・オフ比の大きなTFTを製造できる。
【0047】
本実施形態で示した各ガスは例示であり、他のガスを用いることもできる。例えば、成膜ガスとして、SiH4の他、SiH6,Si3H8,SiH2Cl2等、非晶質シリコン膜32を形成可能な他のガスを用いてもよい。また、腐食性ガスは、HFの他、HCl,NH3,H2等のガスを用いてもよい。但し、HClガスを用いる場合は、反応室1内の非晶質シリコン膜32の表面がエッチングされるおそれがあり、NH3ガスを用いる場合は、窒素原子がシリコン原子に吸着してSiNが形成されるおそれがある。また、H2ガスを用いる場合は、管21や電熱線24を腐食するためには、HFガスを用いる場合より高い温度に設定する必要がある。
【0048】
また、非晶質シリコン膜32の結晶化を誘起する金属として、ニッケルの他、鉄、銅、クロム、コバルト、銀等を用いてもよい。但し、ステップS9のゲッタリング工程で除去される金属であることを必要とする。また、各金属の中でも、特にニッケルが適するのは上述の通りである。
【0049】
さらに、図1の製造装置100では、ニッケル導入部6にHFガスを導入する管4gと、クリーニングで用いるHFガスを導入する管4eとを別個に設けるが、共通の管からHFガスを導入してもよい。この場合は、ニッケルを導入する工程(ステップS6,S7)でのみ、ニッケル導入部6の管21を加熱するか(図2(a)の場合)、電熱線24に電流を流して、ニッケルを発生させればよい(図2(b)の場合)。
【0050】
また、質量分析器として、ICP−MS8以外のものを用いてもよい。例えば、ガスクロマトグラフ質量計(Gas Chromatograph Mass Spectrometer)を用いてもよく、この場合、ポンプ11aとポンプ11bを共用としてもよい。
【0051】
図11は、図1の変形例である半導体装置の製造装置101の概略構成を示す図である。図1の製造装置100は反応室1内に1枚ずつ半導体基板を載置して半導体装置を製造する枚葉式の製造装置である。これに対し、図11の製造装置101は反応室1内に複数の半導体基板を収納可能なバッチ式の製造装置である。図11の製造装置101の反応室1以外の基本的な構成は、図1の製造装置100と同様である。図11の製造装置101は、複数の半導体基板上に同時に半導体装置を製造できるため、図1の製造装置100よりスループットを向上できる。
【0052】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 反応室
4a〜4g ガス導入管
6 ニッケル導入部
7a,7b バルブ
8 ICP−MS
21,23 管
22 ヒータ
24 電熱線
25 電流生成部
30 シリコン基板
32 非晶質シリコン膜
33 ニッケル粒子
34 多結晶シリコン膜
100,101 製造装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を処理する反応室と、
前記半導体基板上に非晶質シリコン膜を形成するための成膜ガスを前記反応室に導入する成膜ガス導入管と、
前記非晶質シリコン膜の結晶化を誘起するための金属と、この金属を腐食させるための腐食性ガスとを前記反応室に導入する金属導入部と、
前記非晶質シリコン膜に吸着した前記金属を核とする金属誘起結晶化により形成される多結晶シリコン膜の表面に残留する前記金属を除去するゲッタリングガスを前記反応室に導入するゲッタリングガス導入管と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項2】
前記金属導入部から前記反応室に導入される前記金属の導入量を計測する質量分析器と、
前記金属を前記質量分析器に導入するか否かを切り替える第1のバルブと、
前記金属を前記反応室に導入するか否かを切り替える第2のバルブと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
前記金属導入部は、
前記金属を含む材料で形成され、その内部を前記腐食性ガスが流れる管と、
前記管を加熱するヒータと、を有し、
前記金属導入部は、前記ヒータで加熱された前記管が前記腐食性ガスで腐食されて、前記金属を含む前記腐食性ガスを前記反応室に導入することを特徴とする請求項1または2に記載の製造装置。
【請求項4】
前記金属導入部は、
前記腐食性ガスが流れる管と、
前記管内に設けられ、前記金属を含む材料で形成された電熱線と、
前記電熱線に電流を流す電流生成部と、を有し、
前記金属導入部は、前記電流生成部にて電流を流して加熱された前記電熱線が前記腐食性ガスで腐食されて、前記金属を含む前記腐食性ガスを前記反応室に導入することを特徴とする請求項1または2に記載の製造装置。
【請求項5】
半導体基板上に非晶質シリコン膜を形成するための成膜ガスを成膜ガス導入管から前記半導体基板を処理する反応室に導入して、前記半導体基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、
前記非晶質シリコン膜の結晶化を誘起するための金属と、この金属を腐食させるための腐食性ガスとを金属導入部から前記反応室に導入して、前記非晶質シリコン膜上に前記金属を吸着させる工程と、
前記反応室内でアニールを行い、前記吸着した金属を核とする金属誘起結晶化により前記非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に改質する工程と、
前記非晶質シリコン膜に吸着した前記金属を除去するゲッタリングガスをゲッタリングガス導入管から前記反応室に導入して、前記多結晶シリコン膜の表面に残留する前記金属を除去する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記金属を前記反応室に導入する工程では、第1のバルブを開いて質量分析器で計測される前記金属の量が所定の量で安定した後に、前記第1のバルブを閉じ、かつ、第2のバルブを開いて前記金属を前記反応室に導入することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項1】
半導体基板を処理する反応室と、
前記半導体基板上に非晶質シリコン膜を形成するための成膜ガスを前記反応室に導入する成膜ガス導入管と、
前記非晶質シリコン膜の結晶化を誘起するための金属と、この金属を腐食させるための腐食性ガスとを前記反応室に導入する金属導入部と、
前記非晶質シリコン膜に吸着した前記金属を核とする金属誘起結晶化により形成される多結晶シリコン膜の表面に残留する前記金属を除去するゲッタリングガスを前記反応室に導入するゲッタリングガス導入管と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項2】
前記金属導入部から前記反応室に導入される前記金属の導入量を計測する質量分析器と、
前記金属を前記質量分析器に導入するか否かを切り替える第1のバルブと、
前記金属を前記反応室に導入するか否かを切り替える第2のバルブと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
前記金属導入部は、
前記金属を含む材料で形成され、その内部を前記腐食性ガスが流れる管と、
前記管を加熱するヒータと、を有し、
前記金属導入部は、前記ヒータで加熱された前記管が前記腐食性ガスで腐食されて、前記金属を含む前記腐食性ガスを前記反応室に導入することを特徴とする請求項1または2に記載の製造装置。
【請求項4】
前記金属導入部は、
前記腐食性ガスが流れる管と、
前記管内に設けられ、前記金属を含む材料で形成された電熱線と、
前記電熱線に電流を流す電流生成部と、を有し、
前記金属導入部は、前記電流生成部にて電流を流して加熱された前記電熱線が前記腐食性ガスで腐食されて、前記金属を含む前記腐食性ガスを前記反応室に導入することを特徴とする請求項1または2に記載の製造装置。
【請求項5】
半導体基板上に非晶質シリコン膜を形成するための成膜ガスを成膜ガス導入管から前記半導体基板を処理する反応室に導入して、前記半導体基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、
前記非晶質シリコン膜の結晶化を誘起するための金属と、この金属を腐食させるための腐食性ガスとを金属導入部から前記反応室に導入して、前記非晶質シリコン膜上に前記金属を吸着させる工程と、
前記反応室内でアニールを行い、前記吸着した金属を核とする金属誘起結晶化により前記非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に改質する工程と、
前記非晶質シリコン膜に吸着した前記金属を除去するゲッタリングガスをゲッタリングガス導入管から前記反応室に導入して、前記多結晶シリコン膜の表面に残留する前記金属を除去する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記金属を前記反応室に導入する工程では、第1のバルブを開いて質量分析器で計測される前記金属の量が所定の量で安定した後に、前記第1のバルブを閉じ、かつ、第2のバルブを開いて前記金属を前記反応室に導入することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−60908(P2011−60908A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207346(P2009−207346)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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