半導体装置の製造方法
【課題】拡散層濃度に制約されず、接合リーク電流が十分に低減された半導体装置を製造する。
【解決手段】シリコン基板の第1導電型の領域に、第1導電型と反対の第2導電型の不純物をドーピングし、熱処理を行って、第2の導電型の拡散層を形成する工程と、この拡散層に窒素又はフッ素をイオン注入し、その後、この拡散層に炭酸ガスレーザーを照射する工程を有する半導体装置の製造方法。
【解決手段】シリコン基板の第1導電型の領域に、第1導電型と反対の第2導電型の不純物をドーピングし、熱処理を行って、第2の導電型の拡散層を形成する工程と、この拡散層に窒素又はフッ素をイオン注入し、その後、この拡散層に炭酸ガスレーザーを照射する工程を有する半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、拡散層を有するシリコン基板に形成されたpn接合のリーク電流を低減できる半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン基板を用いた通常のMOSトランジスタの製造においては、素子分離領域に囲まれた領域に、チャネルとなる領域と同じ導電型の第1導電型のウエル層を形成し、次いでゲート絶縁膜およびゲート電極を形成し、その後、イオン注入と熱処理を行ってソース・ドレインとなる第2導電型の拡散層を形成している。
【0003】
このようにして形成されたMOSトランジスタにおいては、pn接合のリーク電流を低減することが重要な課題となっている。
【0004】
特許文献1(特開2005−197547号公報)には、ソース・ドレイン拡散層とウエル層から構成されるpn接合の逆方向リーク電流を低減するために、特定の注入量(1×1013〜3×1013/cm2)のリンを注入し、次いで熱処理を行ってソース・ドレイン拡散層を形成し、その後、特定の注入量(上記リン注入量より少ない)及び特定の注入深さ(上記拡散層より浅い)に限定した条件でハロゲン元素を注入し、次いで900〜1000℃で1〜60秒の熱処理を行う方法が記載されている。
【特許文献1】特開2005−197547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の図6には、特許文献1に記載された方法による接合リーク電流の低減効果が示されているが、より一層の低減効果が求められている。
【0006】
また、特許文献1に記載された方法では、拡散層を形成するためのイオン注入量が少ないため、低濃度拡散層を形成する場合にしか適用できず、高濃度拡散層を形成する場合の接合リーク電流の低減はできなかった。
【0007】
本発明の目的は、拡散層濃度に制約されず、接合リーク電流が十分に低減された半導体装置を製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、シリコン基板の第1導電型の領域に、第1導電型と反対の第2導電型の不純物をドーピングし、熱処理を行って、第2の導電型の拡散層を形成する工程と、前記拡散層に窒素又はフッ素をイオン注入し、その後、該拡散層に炭酸ガスレーザーを照射する工程を有する半導体装置が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、MOSトランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、シリコン基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、シリコン基板に不純物をドーピングし、その後に熱処理を行って、前記ゲート電極の両側にソース/ドレインとなる拡散層を形成する工程と、前記拡散層に窒素又はフッ素をイオン注入し、その後、該拡散層に炭酸ガスレーザーを照射する工程を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、拡散層濃度に制約されず、接合リーク電流が十分に低減された半導体装置を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一実施形態の製造方法においては、シリコン基板にpn接合が形成されるように拡散層を形成し、この拡散層に窒素又はフッ素をイオン注入し、その後、この拡散層に炭酸ガスレーザーを照射する。
【0012】
この拡散層は、シリコン基板に不純物をドーピングし、熱処理を行うことにより形成する。この熱処理は、不純物の電気的活性化のための通常の熱処理と同様に行うことができる。熱処理温度は、活性化率や熱拡散の範囲等の点から、例えば800〜1100℃に設定することができる。不純物のドーピングは、シリコン基板上に酸化膜を形成した状態で行うことが好ましい。不純物ドーピングの際に基板表面に付着する汚染物を酸化膜によってブロックすることができ、汚染物に起因するリーク電流を抑えることができる。
【0013】
窒素又はフッ素の注入量は5×1012/cm2〜1×1014/cm2の範囲にあることが好ましく、1×1013/cm2〜5×1013/cm2の範囲がより好ましい。
【0014】
炭酸ガスレーザーの照射条件は、以下の条件を満足するように設定することが好ましい。その際、シリコン基板が溶融しないように、シリコン基板の温度およびシリコン基板でのレーザー吸収量を設定することが好ましい。
【0015】
炭酸ガスレーザーの照射は、シリコン基板の温度を室温または加熱下で行うことができる。
【0016】
室温下あるいは比較的低い温度下でレーザーを照射する場合は、炭酸ガスレーザーの吸収量が小さくなるため、レーザーの出力を大きくしてレーザーの吸収量を大きくする必要がある。シリコン基板の温度を高くすることにより、シリコン基板での炭酸ガスレーザーの吸収量を大きくすることができるため、より高いレーザー照射効果を得る点から、加熱下で行うことが好ましく、300℃以上が好ましく、350℃以上がより好ましく、400℃以上がさらに好ましい。基板温度が高すぎると、空気等の酸化性ガス含有雰囲気においては不要な熱酸化が進んだり、レーザー吸収量が大きくなり基板表面の荒れや基板の融解が生じたりするため、500℃以下に設定することが好ましく、450℃以下がより好ましい。このような温度範囲に設定することにより、レーザー出力を抑えて炭酸ガスレーザーを効率良く吸収させ、かつ雰囲気の影響を受けにくい、良好なレーザー照射を行うことができる。
【0017】
レーザー照射時の雰囲気は、常圧下の空気中でもよく、窒素等の不活性ガス雰囲気であってもよく、特に制限されない。
【0018】
炭酸ガスレーザーの照射時にシリコン基板が吸収するレーザー吸収量(以下「レーザー吸収量」)は1000〜6000W/mm2の範囲に設定することができ、2000〜4000W/mm2の範囲が好ましく、3000〜4000W/mm2の範囲がより好ましい。このレーザー吸収量は、十分な照射効果を得る点から、1000W/mm2以上が好ましく、2000W/mm2以上がより好ましい。レーザー吸収量が大きすぎると、レーザー照射面の荒れやシリコン基板の融解が発生する可能性があるため、6000W/mm2以下が好ましく、4000W/mm2以下がより好ましい。なお、レーザー吸収量は、レーザー光の反射率を測定することにより吸収率を求めて、レーザー出力と吸収率の積で与えられる。
【0019】
レーザーの照射サイズは、長辺が例えば3〜10mm、短辺が例えば50〜200μm、好ましくは100〜200μm、より好ましくは100〜150μmとすることができ、レーザーの走査速度は、例えば5〜10cm/sの範囲に設定できる。レーザーの形状および走査速度は、レーザー照射処理の許容できるスループット(<10分/300mm wafer)から選ぶことができる。レーザー走査は、長辺の半分が重なるようにラスタ走査することが好ましい。
【0020】
上記の製造方法によれば以下の効果を得ることができる。
【0021】
シリコン基板に形成した拡散層に、窒素又はフッ素のイオン注入を行い、炭酸ガスレーザーを照射することにより、このイオン注入とレーザー照射を行わなかった場合に比べて10分の1以下の接合リーク電流を実現できる。
【0022】
上記拡散層にイオン注入は行うがレーザー照射は行わない場合には、接合リーク電流が3分の1程度までしか低減できないこと、また、上記拡散層にイオン注入は行わないがレーザー照射を行う場合には接合リーク電流が低減しないことから、窒素又はフッ素のイオン注入と、炭酸ガスレーザーの照射との組み合わせによって初めて、接合リーク電流の十分な低減効果が得られるといえる。
【0023】
上記効果が得られる理由について、以下に述べる。
【0024】
本発明者等は、接合リーク電流の原因が、Si未結合手に起因した発生・再結合中心であり、そのSi未結合手の形態は、シリコン酸化膜とシリコン基板との界面に存在するSi未結合手と、シリコン基板中の空孔と酸素で構成される結晶欠陥に存在するSi未結合手であることを明らかにした。すなわち、シリコン原子と酸素原子との結合がある部分にSi未結合手が発生しやすい。
【0025】
炭酸ガスレーザーは、その波長から、シリコン原子と酸素原子の結合部分でエネルギーが吸収される。その結果、炭酸ガスレーザーの照射中は、上記結合が分解し、シリコン原子と酸素原子は分離した状態が続く。そのレーザー照射中のシリコン原子の近傍に窒素原子やフッ素原子が存在すると、シリコン原子は窒素原子あるいはフッ素原子と結合する。レーザー照射後も、シリコン原子と窒素原子あるいはフッ素原子との結合力が強いため、シリコン原子と窒素原子あるいはフッ素原子と結合した状態を保つ。
【0026】
例えば、空孔が2個(Si原子が2個無い状態)と酸素原子が2個で欠陥が構成されている場合、2本のSi未結合手が存在する。ここで、2個の酸素原子が2個の窒素原子と置き換わると、Si未結合手は存在できなくなる。また、2個の酸素原子が例えば6個のフッ素原子と置き換わると、Si未結合手は存在できなくなる。このため、元のシリコン原子と酸素原子の結合が減少し、その結果としてSi未結合手の発生を抑制できる。
【0027】
上記のように、シリコン原子と窒素原子あるいはフッ素原子とを効率的に結合させるためには、上記シリコン酸化膜とシリコン基板との界面付近、及びシリコン基板中の空孔と酸素で構成される結晶欠陥付近に、数多くの窒素原子あるいはフッ素原子の存在が必要である。
【0028】
上記の条件でのレーザー照射では、注入によって導入された窒素原子あるいはフッ素原子がほとんど移動しないので、上記界面および結晶欠陥の周辺に数多く存在することができる。
【0029】
以上から、窒素又はフッ素注入前に存在していたSi未結合手を効率的に減少できるため、接合リーク電流も効果的に減少できる。
【0030】
特許文献1のフッ素注入および熱処理による方法では、熱処理によるシリコン原子と酸素原子の結合の分解効率が炭酸ガスレーザー照射のそれに比べて非常に小さい上に、熱処理によりフッ素が拡散するため上記界面および結晶欠陥の周辺のフッ素濃度が低減してしまうため、効率的にSi未結合手を減少できない。低減できたとしても1/3程度が限界である。
【0031】
本実施形態では、イオン注入と熱処理により拡散層を形成し、空孔と酸素で構成される結晶欠陥が形成された状態となった拡散層に対して、窒素又はフッ素のイオン注入を行い、この結晶欠陥の周辺に窒素又はフッ素を存在させた上で炭酸ガスレーザーを照射する。これにより、シリコン原子と酸素原子の結合を効率良くシリコン原子と窒素(あるいはフッ素)の結合に置き換えることができ、効率的に未結合手を低減できる。
【0032】
レーザー照射は、炭酸ガスレーザーの照射でなければ、効率良くシリコン原子と酸素原子の結合を分解できない。他のレーザーの照射では、シリコン原子と酸素原子の結合を分解できるとしても、レーザー照射による発熱によるものだけであり、特許文献1に記載のフッ素注入および熱処理による方法と同等以下の効果しか得られない。
【0033】
また、拡散層形成用のイオン注入の後に拡散層形成用の熱処理を行わないと、窒素又はフッ素の注入を行い炭酸ガスレーザーの照射を行っても、拡散層形成用のイオン注入により生成した結晶欠陥の全てを修復することが困難であるため、この結晶欠陥を修復できないときは接合リーク電流は逆に増加してしまう。上記結晶欠陥を修復させるために、窒素又はフッ素の注入後に熱処理を行うと窒素又はフッ素が拡散してしまい、所望の効果は得られない。
【実施例】
【0034】
以下、実施例を挙げてさらに説明する。
【0035】
本発明は、一実施例として、図1に示すように、MOSトランジスタの形成に適用することができる。シリコン基板1の表面にゲート酸化膜2を介してゲート電極3を形成し、不純物をイオン注入し、熱処理を行って拡散層4を形成する。その後、この拡散層4に、窒素又はフッ素のイオン注入を行う(図中の符号5は、窒素又はフッ素の注入領域を示す)。次に、この拡散層に、炭酸ガスレーザー6を照射する。
【0036】
上記の製造方法は、具体的に以下のようにして行うことができる。
【0037】
図2に示すように、シリコン基板1の主表面に浅溝素子分離7およびp型ウエル層8を形成した。浅溝素子分離7は、シリコン基板をエッチング加工して溝を形成したのち、シリコン酸化膜を埋め込んで形成した。p型ウエル層8は、所定の深さで所定の濃度になるようにボロンを多段注入して、N2、1000℃、10sの熱処理を施して形成した。なお、MOSトランジスタのチャネルが形成される部分のボロン濃度は3×1017/cm3程度とした。
【0038】
次に、図3に示すように、ゲート絶縁膜2およびゲート電極3を形成した。ゲート絶縁膜2は、熱酸化により厚み5nmのシリコン酸化膜を形成した。ゲート電極3は、多結晶シリコン膜を、キャップ絶縁膜9をマスクに用いたエッチングにより加工を行って形成した。ここで、キャップ絶縁膜9は、膜厚が200nmのシリコン窒化膜とした。また、多結晶シリコン膜3は、膜厚が200nmでリンが1×1020/cm3導入されたものを形成した。なお、ゲート電極3形成後に、熱酸化によりゲート側面にシリコン酸化膜10を厚み5nmに形成した。
【0039】
次に、図4に示すように、不純物をイオン注入し、その後にRTA(Rapid Thermal Anneal)による熱処理を行ってソース・ドレインとなる拡散層4を形成した。イオン注入条件は、不純物:リン、加速エネルギー:50keV、注入量:1×1014/cm2とした。イオン注入後の熱処理の条件は、N2、1000℃、10sとした。
【0040】
その後、図5に示すように、拡散層4にフッ素をイオン注入した後、炭酸ガスレーザー6を拡散層4に照射した。フッ素のイオン注入(以下「フッ素注入」)は、10keVで、注入量が5×1012/cm2〜1×1014/cm2の範囲で行った。
【0041】
なお、比較のために、従来例として、フッ素注入も炭酸ガスレーザー照射も行わない場合と、フッ素注入を行わないでレーザー照射だけを行った場合のサンプルも作製した。
【0042】
ここで、炭酸ガスレーザーを照射する際のシリコン基板の温度は、300〜500℃とした。シリコン基板の加熱は、シリコン基板をのせるステージを抵抗加熱して行った。なお、上記温度はステージ温度である。
【0043】
レーザーの照射サイズは長辺が5mmで短辺が100μmとし、8cm/sで試料上を走査した。また、レーザー吸収量は1500〜6000W/mm2の範囲とした。なお、レーザー吸収量の上限は、レーザー寿命を考慮した。
【0044】
レーザーの照射は、図6に示すように、拡散層に効率的に照射されるように、ゲート電極による影ができないように行った。レーザーの走査は、長辺の半分が重なるようにラスタ走査した。
【0045】
次に、図7に示すように、ゲート電極を覆うように層間絶縁膜11を形成し、その後、ソース/ドレイン電極12を形成してMOSトランジスタを得た。
【0046】
なお、上記のレーザー照射後に、ソース/ドレイン電極12の形成において、電極低抵抗化のために1000℃程度で10秒の熱処理を行った。本実施例にて得られた下記効果は、この電極低抵抗化のための熱処理を800℃〜1050℃、1秒〜30秒の範囲で行っても同等の結果であった。
【0047】
以下に、本実施例による効果を説明する。
【0048】
図8に、接合リーク電流とレーザー吸収量との関係を示した。接合リーク電流は、微細MOSトランジスタの接合リーク電流を支配するゲート電極端の接合リーク電流を指標とした。この図には、レーザー照射時のシリコン基板温度が異なる場合の結果と、フッ素注入を行った場合(注入量:3×1013/cm2)と行っていない場合の結果をまとめて示している。
【0049】
フッ素注入もレーザー照射も行わない場合(図中の「●」、従来例1)、接合リーク電流は8.5fA/μmである。
【0050】
フッ素注入を行わないがレーザー照射する場合(図中の「▲」)、接合リーク電流は従来例1と同等である。この結果から、炭酸ガスレーザーを照射するだけでは、接合リーク電流を低減できないことがわかる。
【0051】
フッ素注入を行うがレーザー照射は行わない場合(図中の「■」、従来例2、特許文献1の方法に相当)、接合リーク電流は3fA/μmであり、従来例1に対して1/3程度まで低減されている。
【0052】
本発明の実施例である、フッ素注入とレーザー照射を行う場合(図中の「◇」、「△」、「○」)は、シリコン基板温度(図中、温度表示)に依存するものの、接合リーク電流が低減されている。
【0053】
基板温度が300℃の場合(図中の「◇」)、接合リーク電流は、レーザー吸収量の大きい領域で減少している。この結果から、基板温度としては300℃以上が望ましいことがわかる。
【0054】
基板温度が400℃の場合(図中の「△」)、接合リーク電流は、レーザー吸収量の増加と共に減少し、レーザー吸収量が2500W/mm2付近で急激に減少し、レーザー吸収量が3000〜4000W/mm2の範囲で最も低減される(0.2〜0.3fA/μm)。本実施例によれば、従来例1に対して1/30程度以下、従来例2に対して1/10以下に接合リーク電流が低減される。なお、レーザー吸収量がさらに大きくなるとシリコン基板が融解する。
【0055】
基板温度が500℃の場合(図中の「○」)、接合リーク電流は、レーザー吸収量が2000W/mm2近傍で急激に減少し、レーザー吸収量が2000W/mm2を僅かに超えたところでシリコン基板が融解する。
【0056】
接合リーク電流は、基板温度を高くすることで、より小さなレーザー吸収量で低減できるが、接合リーク電流低減効果のレーザー吸収量依存性が大きくなり、制御しにくくなることがわかる。例えば、照射面の表面状態によってレーザー光の吸収率が変化してしまうと、効果が大きくばらつくことになってしまい、シリコン基板の融解を招くおそれもある。照射面の表面状態が安定な場合には、基板温度が500℃より高くても良いが、制御性の観点から基板温度を500℃以下にすることが望ましい。
【0057】
以上の結果から、シリコン基板温度は300〜500℃の範囲が望ましく、レーザー吸収量は2000〜6000W/mm2の範囲が望ましいことがわかる。また、シリコン基板の融解を防ぐことを考慮すると、レーザー吸収量は4000W/mm2以下が好ましく、接合リーク電流を効果的に低減する観点からは3000W/mm2以上が好ましいといえる。
【0058】
なお、上記のシリコン基板温度とレーザー吸収量は、本実施例で用いた基板の表面構造(図5)に対するものであり、レーザーの照射面の表面構造が本実施例と異なる場合には、シリコン基板温度およびレーザー吸収量と接合リーク電流との関係が多少変化すると思われるが、上記に従って適宜条件設定を行なえば、本発明による十分な効果を得ることができる。また、レーザー吸収量は、6000W/mm2を超える場合であっても、レーザー寿命に問題が無ければ、またシリコン基板の融解が生じない条件下であれば本発明による効果を得ることができる。
【0059】
図9に、接合リーク電流とフッ素注入量との関係を示した。この図には、シリコン基板温度を400℃とし、レーザー吸収量が3000W/mm2の場合と4000W/mm2の場合の結果を示した。
【0060】
レーザー吸収量が3000W/mm2の場合(図中の「△」)、注入量が5×1012〜1×1013/cm2の間で急激に接合リーク電流が低減され、1×1013〜5×1013/cm2の間では従来例2より接合リーク電流が低減され、2×1013〜3×1013/cm2付近で効果が最も大きい(従来例1に相当する「●」の値の1/30程度)。それ以上の注入量になると徐々に接合リーク電流が増加し、1×1014/cm2を超えるあたりで効果が無くなってしまう。レーザー吸収量が4000W/mm2の場合(図中の「○」)、注入量が5×1012〜1×1014/cm2の間では接合リーク電流が従来例2より低減され、1×1013〜5×1013/cm2の間でより一層低減され、2×1013〜3×1013/cm2付近で効果が最も大きい。以上の結果から、本実施例でのフッ素注入量は、5×1012/cm2〜1×1014/cm2の範囲が好ましく、1×1013/cm2〜5×1013/cm2の範囲がより好ましいことがわかる。
【0061】
以上のように、上記フッ素注入および炭酸ガスレーザー照射を施した本発明の実施例では、フッ素注入もレーザー照射も行わない従来例1の約30分の1以下にまで接合リーク電流を低減できた。その結果、接合リーク電流で支配される待機時電流を低減できるため、MOSトランジスタを集積した半導体装置の低電力化を実現できた。
【0062】
上記の拡散層中に注入されたフッ素の濃度分布を測定すると、図10に示すように、上記の実施例のレーザー照射条件では、フッ素濃度の深さ方向の分布はレーザー照射前後でほとんど変化していない。すなわち、本発明における炭酸ガスレーザー照射において、拡散層中のフッ素の拡散はほとんど無視できる程度であるといえる。
【0063】
次に、上記のフッ素注入を窒素のイオン注入(以下「窒素注入」)に置き換えた以外は上記実施例と同様に行った例を説明する。
【0064】
図11に、接合リーク電流とレーザー吸収量との関係を示し、図12に、接合リーク電流と窒素注入量との関係を示した。窒素注入の場合も接合リーク電流の優れた低減効果が得られている。
【0065】
窒素注入の場合もフッ素注入の場合と同様に、シリコン基板温度は300〜500℃の範囲が望ましく、レーザー吸収量は2000〜6000W/mm2の範囲が望ましい。シリコン基板の融解を防ぐことを考慮すると、レーザー吸収量は4000W/mm2以下が好ましく、接合リーク電流を効果的に低減する観点からは3000W/mm2以上が好ましい。窒素注入量は、5×1012/cm2〜1×1014/cm2の範囲が好ましく、1×1013/cm2〜5×1013/cm2の範囲がより好ましい。
【0066】
図8及び図9並びに図11及び図12に示したように、窒素注入による接合リーク電流の低減効果に対してフッ素注入による低減効果の方が大きい。この理由は、窒素が3価イオンであるのに対して、フッ素が1価イオンで且つ電気陰性度が大きいため、フッ素とシリコン未結合手との結合割合が窒素とシリコン未結合手との結合割合より大きくなることによるものと推測される。
【0067】
拡散層中に注入された窒素の濃度分布を測定すると、図13に示すように、上記の実施例のレーザー照射条件では、窒素濃度の深さ方向の分布はレーザー照射前後でほとんど変化していない。すなわち、本発明における炭酸ガスレーザー照射において、拡散層中の窒素の拡散はほとんど無視できる程度であるといえる。
【0068】
以上のように、本発明によれば、特許文献1に記載の方法に対して優れた効果を得ることができる。この理由は、図10及び図13に示すように、拡散層に注入された窒素又はフッ素がレーザー照射によってほとんど再分布しないため、窒素又はフッ素の注入およびレーザー照射により効率良く結晶欠陥が修復されたためと考えられる。特許文献1に記載の方法では、その熱処理において注入元素が拡散してしまうため、結晶欠陥の修復効率が低いと考えられる。
【0069】
本実施例では、nチャネルMOSトランジスタについて述べたが、pチャネルMOSトランジスタにおいても同等の効果が得られる。
【0070】
本発明は、シリコン基板に形成されるpn接合のリークを低減することを目的とするものであり、シリコン基板に形成される素子としてMOSトランジスタに限定されるものではなく、拡散層を有するバイポーラトランジスタやダイオード等、シリコン基板に拡散層を有し、pn接合が形成されている半導体素子であれば適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明による実施例の製造方法を説明する図。
【図2】本発明による実施例の製造方法の一工程を説明する図。
【図3】図2に示す製造工程に続く工程を説明する図。
【図4】図3に示す製造工程に続く工程を説明する図。
【図5】図4に示す製造工程に続く工程を説明する図。
【図6】図5に示す製造工程における炭酸ガスレーザーの照射を説明する図。
【図7】図5に示す製造工程に続く工程を説明する図。
【図8】フッ素注入の場合の接合リーク電流の低減効果を説明する図。
【図9】フッ素注入の場合の接合リーク電流の低減効果を説明する図。
【図10】本発明による実施例における拡散層のフッ素濃度の深さ方向の分布を示す図。
【図11】窒素注入の場合の接合リーク電流の低減効果を説明する図。
【図12】窒素注入の場合の接合リーク電流の低減効果を説明する図。
【図13】本発明による実施例における拡散層の窒素濃度の深さ方向の分布を示す図。
【符号の説明】
【0072】
1 シリコン基板
2 ゲート酸化膜
3 ゲート電極
4 拡散層
5 窒素又はフッ素の注入領域
6 炭酸ガスレーザー
7 浅溝素子分離
8 ウエル層
9 シリコン窒化膜
10 シリコン酸化膜
11 層間絶縁膜
12 ソース/ドレイン電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、拡散層を有するシリコン基板に形成されたpn接合のリーク電流を低減できる半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン基板を用いた通常のMOSトランジスタの製造においては、素子分離領域に囲まれた領域に、チャネルとなる領域と同じ導電型の第1導電型のウエル層を形成し、次いでゲート絶縁膜およびゲート電極を形成し、その後、イオン注入と熱処理を行ってソース・ドレインとなる第2導電型の拡散層を形成している。
【0003】
このようにして形成されたMOSトランジスタにおいては、pn接合のリーク電流を低減することが重要な課題となっている。
【0004】
特許文献1(特開2005−197547号公報)には、ソース・ドレイン拡散層とウエル層から構成されるpn接合の逆方向リーク電流を低減するために、特定の注入量(1×1013〜3×1013/cm2)のリンを注入し、次いで熱処理を行ってソース・ドレイン拡散層を形成し、その後、特定の注入量(上記リン注入量より少ない)及び特定の注入深さ(上記拡散層より浅い)に限定した条件でハロゲン元素を注入し、次いで900〜1000℃で1〜60秒の熱処理を行う方法が記載されている。
【特許文献1】特開2005−197547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の図6には、特許文献1に記載された方法による接合リーク電流の低減効果が示されているが、より一層の低減効果が求められている。
【0006】
また、特許文献1に記載された方法では、拡散層を形成するためのイオン注入量が少ないため、低濃度拡散層を形成する場合にしか適用できず、高濃度拡散層を形成する場合の接合リーク電流の低減はできなかった。
【0007】
本発明の目的は、拡散層濃度に制約されず、接合リーク電流が十分に低減された半導体装置を製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、シリコン基板の第1導電型の領域に、第1導電型と反対の第2導電型の不純物をドーピングし、熱処理を行って、第2の導電型の拡散層を形成する工程と、前記拡散層に窒素又はフッ素をイオン注入し、その後、該拡散層に炭酸ガスレーザーを照射する工程を有する半導体装置が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、MOSトランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、シリコン基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、シリコン基板に不純物をドーピングし、その後に熱処理を行って、前記ゲート電極の両側にソース/ドレインとなる拡散層を形成する工程と、前記拡散層に窒素又はフッ素をイオン注入し、その後、該拡散層に炭酸ガスレーザーを照射する工程を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、拡散層濃度に制約されず、接合リーク電流が十分に低減された半導体装置を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一実施形態の製造方法においては、シリコン基板にpn接合が形成されるように拡散層を形成し、この拡散層に窒素又はフッ素をイオン注入し、その後、この拡散層に炭酸ガスレーザーを照射する。
【0012】
この拡散層は、シリコン基板に不純物をドーピングし、熱処理を行うことにより形成する。この熱処理は、不純物の電気的活性化のための通常の熱処理と同様に行うことができる。熱処理温度は、活性化率や熱拡散の範囲等の点から、例えば800〜1100℃に設定することができる。不純物のドーピングは、シリコン基板上に酸化膜を形成した状態で行うことが好ましい。不純物ドーピングの際に基板表面に付着する汚染物を酸化膜によってブロックすることができ、汚染物に起因するリーク電流を抑えることができる。
【0013】
窒素又はフッ素の注入量は5×1012/cm2〜1×1014/cm2の範囲にあることが好ましく、1×1013/cm2〜5×1013/cm2の範囲がより好ましい。
【0014】
炭酸ガスレーザーの照射条件は、以下の条件を満足するように設定することが好ましい。その際、シリコン基板が溶融しないように、シリコン基板の温度およびシリコン基板でのレーザー吸収量を設定することが好ましい。
【0015】
炭酸ガスレーザーの照射は、シリコン基板の温度を室温または加熱下で行うことができる。
【0016】
室温下あるいは比較的低い温度下でレーザーを照射する場合は、炭酸ガスレーザーの吸収量が小さくなるため、レーザーの出力を大きくしてレーザーの吸収量を大きくする必要がある。シリコン基板の温度を高くすることにより、シリコン基板での炭酸ガスレーザーの吸収量を大きくすることができるため、より高いレーザー照射効果を得る点から、加熱下で行うことが好ましく、300℃以上が好ましく、350℃以上がより好ましく、400℃以上がさらに好ましい。基板温度が高すぎると、空気等の酸化性ガス含有雰囲気においては不要な熱酸化が進んだり、レーザー吸収量が大きくなり基板表面の荒れや基板の融解が生じたりするため、500℃以下に設定することが好ましく、450℃以下がより好ましい。このような温度範囲に設定することにより、レーザー出力を抑えて炭酸ガスレーザーを効率良く吸収させ、かつ雰囲気の影響を受けにくい、良好なレーザー照射を行うことができる。
【0017】
レーザー照射時の雰囲気は、常圧下の空気中でもよく、窒素等の不活性ガス雰囲気であってもよく、特に制限されない。
【0018】
炭酸ガスレーザーの照射時にシリコン基板が吸収するレーザー吸収量(以下「レーザー吸収量」)は1000〜6000W/mm2の範囲に設定することができ、2000〜4000W/mm2の範囲が好ましく、3000〜4000W/mm2の範囲がより好ましい。このレーザー吸収量は、十分な照射効果を得る点から、1000W/mm2以上が好ましく、2000W/mm2以上がより好ましい。レーザー吸収量が大きすぎると、レーザー照射面の荒れやシリコン基板の融解が発生する可能性があるため、6000W/mm2以下が好ましく、4000W/mm2以下がより好ましい。なお、レーザー吸収量は、レーザー光の反射率を測定することにより吸収率を求めて、レーザー出力と吸収率の積で与えられる。
【0019】
レーザーの照射サイズは、長辺が例えば3〜10mm、短辺が例えば50〜200μm、好ましくは100〜200μm、より好ましくは100〜150μmとすることができ、レーザーの走査速度は、例えば5〜10cm/sの範囲に設定できる。レーザーの形状および走査速度は、レーザー照射処理の許容できるスループット(<10分/300mm wafer)から選ぶことができる。レーザー走査は、長辺の半分が重なるようにラスタ走査することが好ましい。
【0020】
上記の製造方法によれば以下の効果を得ることができる。
【0021】
シリコン基板に形成した拡散層に、窒素又はフッ素のイオン注入を行い、炭酸ガスレーザーを照射することにより、このイオン注入とレーザー照射を行わなかった場合に比べて10分の1以下の接合リーク電流を実現できる。
【0022】
上記拡散層にイオン注入は行うがレーザー照射は行わない場合には、接合リーク電流が3分の1程度までしか低減できないこと、また、上記拡散層にイオン注入は行わないがレーザー照射を行う場合には接合リーク電流が低減しないことから、窒素又はフッ素のイオン注入と、炭酸ガスレーザーの照射との組み合わせによって初めて、接合リーク電流の十分な低減効果が得られるといえる。
【0023】
上記効果が得られる理由について、以下に述べる。
【0024】
本発明者等は、接合リーク電流の原因が、Si未結合手に起因した発生・再結合中心であり、そのSi未結合手の形態は、シリコン酸化膜とシリコン基板との界面に存在するSi未結合手と、シリコン基板中の空孔と酸素で構成される結晶欠陥に存在するSi未結合手であることを明らかにした。すなわち、シリコン原子と酸素原子との結合がある部分にSi未結合手が発生しやすい。
【0025】
炭酸ガスレーザーは、その波長から、シリコン原子と酸素原子の結合部分でエネルギーが吸収される。その結果、炭酸ガスレーザーの照射中は、上記結合が分解し、シリコン原子と酸素原子は分離した状態が続く。そのレーザー照射中のシリコン原子の近傍に窒素原子やフッ素原子が存在すると、シリコン原子は窒素原子あるいはフッ素原子と結合する。レーザー照射後も、シリコン原子と窒素原子あるいはフッ素原子との結合力が強いため、シリコン原子と窒素原子あるいはフッ素原子と結合した状態を保つ。
【0026】
例えば、空孔が2個(Si原子が2個無い状態)と酸素原子が2個で欠陥が構成されている場合、2本のSi未結合手が存在する。ここで、2個の酸素原子が2個の窒素原子と置き換わると、Si未結合手は存在できなくなる。また、2個の酸素原子が例えば6個のフッ素原子と置き換わると、Si未結合手は存在できなくなる。このため、元のシリコン原子と酸素原子の結合が減少し、その結果としてSi未結合手の発生を抑制できる。
【0027】
上記のように、シリコン原子と窒素原子あるいはフッ素原子とを効率的に結合させるためには、上記シリコン酸化膜とシリコン基板との界面付近、及びシリコン基板中の空孔と酸素で構成される結晶欠陥付近に、数多くの窒素原子あるいはフッ素原子の存在が必要である。
【0028】
上記の条件でのレーザー照射では、注入によって導入された窒素原子あるいはフッ素原子がほとんど移動しないので、上記界面および結晶欠陥の周辺に数多く存在することができる。
【0029】
以上から、窒素又はフッ素注入前に存在していたSi未結合手を効率的に減少できるため、接合リーク電流も効果的に減少できる。
【0030】
特許文献1のフッ素注入および熱処理による方法では、熱処理によるシリコン原子と酸素原子の結合の分解効率が炭酸ガスレーザー照射のそれに比べて非常に小さい上に、熱処理によりフッ素が拡散するため上記界面および結晶欠陥の周辺のフッ素濃度が低減してしまうため、効率的にSi未結合手を減少できない。低減できたとしても1/3程度が限界である。
【0031】
本実施形態では、イオン注入と熱処理により拡散層を形成し、空孔と酸素で構成される結晶欠陥が形成された状態となった拡散層に対して、窒素又はフッ素のイオン注入を行い、この結晶欠陥の周辺に窒素又はフッ素を存在させた上で炭酸ガスレーザーを照射する。これにより、シリコン原子と酸素原子の結合を効率良くシリコン原子と窒素(あるいはフッ素)の結合に置き換えることができ、効率的に未結合手を低減できる。
【0032】
レーザー照射は、炭酸ガスレーザーの照射でなければ、効率良くシリコン原子と酸素原子の結合を分解できない。他のレーザーの照射では、シリコン原子と酸素原子の結合を分解できるとしても、レーザー照射による発熱によるものだけであり、特許文献1に記載のフッ素注入および熱処理による方法と同等以下の効果しか得られない。
【0033】
また、拡散層形成用のイオン注入の後に拡散層形成用の熱処理を行わないと、窒素又はフッ素の注入を行い炭酸ガスレーザーの照射を行っても、拡散層形成用のイオン注入により生成した結晶欠陥の全てを修復することが困難であるため、この結晶欠陥を修復できないときは接合リーク電流は逆に増加してしまう。上記結晶欠陥を修復させるために、窒素又はフッ素の注入後に熱処理を行うと窒素又はフッ素が拡散してしまい、所望の効果は得られない。
【実施例】
【0034】
以下、実施例を挙げてさらに説明する。
【0035】
本発明は、一実施例として、図1に示すように、MOSトランジスタの形成に適用することができる。シリコン基板1の表面にゲート酸化膜2を介してゲート電極3を形成し、不純物をイオン注入し、熱処理を行って拡散層4を形成する。その後、この拡散層4に、窒素又はフッ素のイオン注入を行う(図中の符号5は、窒素又はフッ素の注入領域を示す)。次に、この拡散層に、炭酸ガスレーザー6を照射する。
【0036】
上記の製造方法は、具体的に以下のようにして行うことができる。
【0037】
図2に示すように、シリコン基板1の主表面に浅溝素子分離7およびp型ウエル層8を形成した。浅溝素子分離7は、シリコン基板をエッチング加工して溝を形成したのち、シリコン酸化膜を埋め込んで形成した。p型ウエル層8は、所定の深さで所定の濃度になるようにボロンを多段注入して、N2、1000℃、10sの熱処理を施して形成した。なお、MOSトランジスタのチャネルが形成される部分のボロン濃度は3×1017/cm3程度とした。
【0038】
次に、図3に示すように、ゲート絶縁膜2およびゲート電極3を形成した。ゲート絶縁膜2は、熱酸化により厚み5nmのシリコン酸化膜を形成した。ゲート電極3は、多結晶シリコン膜を、キャップ絶縁膜9をマスクに用いたエッチングにより加工を行って形成した。ここで、キャップ絶縁膜9は、膜厚が200nmのシリコン窒化膜とした。また、多結晶シリコン膜3は、膜厚が200nmでリンが1×1020/cm3導入されたものを形成した。なお、ゲート電極3形成後に、熱酸化によりゲート側面にシリコン酸化膜10を厚み5nmに形成した。
【0039】
次に、図4に示すように、不純物をイオン注入し、その後にRTA(Rapid Thermal Anneal)による熱処理を行ってソース・ドレインとなる拡散層4を形成した。イオン注入条件は、不純物:リン、加速エネルギー:50keV、注入量:1×1014/cm2とした。イオン注入後の熱処理の条件は、N2、1000℃、10sとした。
【0040】
その後、図5に示すように、拡散層4にフッ素をイオン注入した後、炭酸ガスレーザー6を拡散層4に照射した。フッ素のイオン注入(以下「フッ素注入」)は、10keVで、注入量が5×1012/cm2〜1×1014/cm2の範囲で行った。
【0041】
なお、比較のために、従来例として、フッ素注入も炭酸ガスレーザー照射も行わない場合と、フッ素注入を行わないでレーザー照射だけを行った場合のサンプルも作製した。
【0042】
ここで、炭酸ガスレーザーを照射する際のシリコン基板の温度は、300〜500℃とした。シリコン基板の加熱は、シリコン基板をのせるステージを抵抗加熱して行った。なお、上記温度はステージ温度である。
【0043】
レーザーの照射サイズは長辺が5mmで短辺が100μmとし、8cm/sで試料上を走査した。また、レーザー吸収量は1500〜6000W/mm2の範囲とした。なお、レーザー吸収量の上限は、レーザー寿命を考慮した。
【0044】
レーザーの照射は、図6に示すように、拡散層に効率的に照射されるように、ゲート電極による影ができないように行った。レーザーの走査は、長辺の半分が重なるようにラスタ走査した。
【0045】
次に、図7に示すように、ゲート電極を覆うように層間絶縁膜11を形成し、その後、ソース/ドレイン電極12を形成してMOSトランジスタを得た。
【0046】
なお、上記のレーザー照射後に、ソース/ドレイン電極12の形成において、電極低抵抗化のために1000℃程度で10秒の熱処理を行った。本実施例にて得られた下記効果は、この電極低抵抗化のための熱処理を800℃〜1050℃、1秒〜30秒の範囲で行っても同等の結果であった。
【0047】
以下に、本実施例による効果を説明する。
【0048】
図8に、接合リーク電流とレーザー吸収量との関係を示した。接合リーク電流は、微細MOSトランジスタの接合リーク電流を支配するゲート電極端の接合リーク電流を指標とした。この図には、レーザー照射時のシリコン基板温度が異なる場合の結果と、フッ素注入を行った場合(注入量:3×1013/cm2)と行っていない場合の結果をまとめて示している。
【0049】
フッ素注入もレーザー照射も行わない場合(図中の「●」、従来例1)、接合リーク電流は8.5fA/μmである。
【0050】
フッ素注入を行わないがレーザー照射する場合(図中の「▲」)、接合リーク電流は従来例1と同等である。この結果から、炭酸ガスレーザーを照射するだけでは、接合リーク電流を低減できないことがわかる。
【0051】
フッ素注入を行うがレーザー照射は行わない場合(図中の「■」、従来例2、特許文献1の方法に相当)、接合リーク電流は3fA/μmであり、従来例1に対して1/3程度まで低減されている。
【0052】
本発明の実施例である、フッ素注入とレーザー照射を行う場合(図中の「◇」、「△」、「○」)は、シリコン基板温度(図中、温度表示)に依存するものの、接合リーク電流が低減されている。
【0053】
基板温度が300℃の場合(図中の「◇」)、接合リーク電流は、レーザー吸収量の大きい領域で減少している。この結果から、基板温度としては300℃以上が望ましいことがわかる。
【0054】
基板温度が400℃の場合(図中の「△」)、接合リーク電流は、レーザー吸収量の増加と共に減少し、レーザー吸収量が2500W/mm2付近で急激に減少し、レーザー吸収量が3000〜4000W/mm2の範囲で最も低減される(0.2〜0.3fA/μm)。本実施例によれば、従来例1に対して1/30程度以下、従来例2に対して1/10以下に接合リーク電流が低減される。なお、レーザー吸収量がさらに大きくなるとシリコン基板が融解する。
【0055】
基板温度が500℃の場合(図中の「○」)、接合リーク電流は、レーザー吸収量が2000W/mm2近傍で急激に減少し、レーザー吸収量が2000W/mm2を僅かに超えたところでシリコン基板が融解する。
【0056】
接合リーク電流は、基板温度を高くすることで、より小さなレーザー吸収量で低減できるが、接合リーク電流低減効果のレーザー吸収量依存性が大きくなり、制御しにくくなることがわかる。例えば、照射面の表面状態によってレーザー光の吸収率が変化してしまうと、効果が大きくばらつくことになってしまい、シリコン基板の融解を招くおそれもある。照射面の表面状態が安定な場合には、基板温度が500℃より高くても良いが、制御性の観点から基板温度を500℃以下にすることが望ましい。
【0057】
以上の結果から、シリコン基板温度は300〜500℃の範囲が望ましく、レーザー吸収量は2000〜6000W/mm2の範囲が望ましいことがわかる。また、シリコン基板の融解を防ぐことを考慮すると、レーザー吸収量は4000W/mm2以下が好ましく、接合リーク電流を効果的に低減する観点からは3000W/mm2以上が好ましいといえる。
【0058】
なお、上記のシリコン基板温度とレーザー吸収量は、本実施例で用いた基板の表面構造(図5)に対するものであり、レーザーの照射面の表面構造が本実施例と異なる場合には、シリコン基板温度およびレーザー吸収量と接合リーク電流との関係が多少変化すると思われるが、上記に従って適宜条件設定を行なえば、本発明による十分な効果を得ることができる。また、レーザー吸収量は、6000W/mm2を超える場合であっても、レーザー寿命に問題が無ければ、またシリコン基板の融解が生じない条件下であれば本発明による効果を得ることができる。
【0059】
図9に、接合リーク電流とフッ素注入量との関係を示した。この図には、シリコン基板温度を400℃とし、レーザー吸収量が3000W/mm2の場合と4000W/mm2の場合の結果を示した。
【0060】
レーザー吸収量が3000W/mm2の場合(図中の「△」)、注入量が5×1012〜1×1013/cm2の間で急激に接合リーク電流が低減され、1×1013〜5×1013/cm2の間では従来例2より接合リーク電流が低減され、2×1013〜3×1013/cm2付近で効果が最も大きい(従来例1に相当する「●」の値の1/30程度)。それ以上の注入量になると徐々に接合リーク電流が増加し、1×1014/cm2を超えるあたりで効果が無くなってしまう。レーザー吸収量が4000W/mm2の場合(図中の「○」)、注入量が5×1012〜1×1014/cm2の間では接合リーク電流が従来例2より低減され、1×1013〜5×1013/cm2の間でより一層低減され、2×1013〜3×1013/cm2付近で効果が最も大きい。以上の結果から、本実施例でのフッ素注入量は、5×1012/cm2〜1×1014/cm2の範囲が好ましく、1×1013/cm2〜5×1013/cm2の範囲がより好ましいことがわかる。
【0061】
以上のように、上記フッ素注入および炭酸ガスレーザー照射を施した本発明の実施例では、フッ素注入もレーザー照射も行わない従来例1の約30分の1以下にまで接合リーク電流を低減できた。その結果、接合リーク電流で支配される待機時電流を低減できるため、MOSトランジスタを集積した半導体装置の低電力化を実現できた。
【0062】
上記の拡散層中に注入されたフッ素の濃度分布を測定すると、図10に示すように、上記の実施例のレーザー照射条件では、フッ素濃度の深さ方向の分布はレーザー照射前後でほとんど変化していない。すなわち、本発明における炭酸ガスレーザー照射において、拡散層中のフッ素の拡散はほとんど無視できる程度であるといえる。
【0063】
次に、上記のフッ素注入を窒素のイオン注入(以下「窒素注入」)に置き換えた以外は上記実施例と同様に行った例を説明する。
【0064】
図11に、接合リーク電流とレーザー吸収量との関係を示し、図12に、接合リーク電流と窒素注入量との関係を示した。窒素注入の場合も接合リーク電流の優れた低減効果が得られている。
【0065】
窒素注入の場合もフッ素注入の場合と同様に、シリコン基板温度は300〜500℃の範囲が望ましく、レーザー吸収量は2000〜6000W/mm2の範囲が望ましい。シリコン基板の融解を防ぐことを考慮すると、レーザー吸収量は4000W/mm2以下が好ましく、接合リーク電流を効果的に低減する観点からは3000W/mm2以上が好ましい。窒素注入量は、5×1012/cm2〜1×1014/cm2の範囲が好ましく、1×1013/cm2〜5×1013/cm2の範囲がより好ましい。
【0066】
図8及び図9並びに図11及び図12に示したように、窒素注入による接合リーク電流の低減効果に対してフッ素注入による低減効果の方が大きい。この理由は、窒素が3価イオンであるのに対して、フッ素が1価イオンで且つ電気陰性度が大きいため、フッ素とシリコン未結合手との結合割合が窒素とシリコン未結合手との結合割合より大きくなることによるものと推測される。
【0067】
拡散層中に注入された窒素の濃度分布を測定すると、図13に示すように、上記の実施例のレーザー照射条件では、窒素濃度の深さ方向の分布はレーザー照射前後でほとんど変化していない。すなわち、本発明における炭酸ガスレーザー照射において、拡散層中の窒素の拡散はほとんど無視できる程度であるといえる。
【0068】
以上のように、本発明によれば、特許文献1に記載の方法に対して優れた効果を得ることができる。この理由は、図10及び図13に示すように、拡散層に注入された窒素又はフッ素がレーザー照射によってほとんど再分布しないため、窒素又はフッ素の注入およびレーザー照射により効率良く結晶欠陥が修復されたためと考えられる。特許文献1に記載の方法では、その熱処理において注入元素が拡散してしまうため、結晶欠陥の修復効率が低いと考えられる。
【0069】
本実施例では、nチャネルMOSトランジスタについて述べたが、pチャネルMOSトランジスタにおいても同等の効果が得られる。
【0070】
本発明は、シリコン基板に形成されるpn接合のリークを低減することを目的とするものであり、シリコン基板に形成される素子としてMOSトランジスタに限定されるものではなく、拡散層を有するバイポーラトランジスタやダイオード等、シリコン基板に拡散層を有し、pn接合が形成されている半導体素子であれば適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明による実施例の製造方法を説明する図。
【図2】本発明による実施例の製造方法の一工程を説明する図。
【図3】図2に示す製造工程に続く工程を説明する図。
【図4】図3に示す製造工程に続く工程を説明する図。
【図5】図4に示す製造工程に続く工程を説明する図。
【図6】図5に示す製造工程における炭酸ガスレーザーの照射を説明する図。
【図7】図5に示す製造工程に続く工程を説明する図。
【図8】フッ素注入の場合の接合リーク電流の低減効果を説明する図。
【図9】フッ素注入の場合の接合リーク電流の低減効果を説明する図。
【図10】本発明による実施例における拡散層のフッ素濃度の深さ方向の分布を示す図。
【図11】窒素注入の場合の接合リーク電流の低減効果を説明する図。
【図12】窒素注入の場合の接合リーク電流の低減効果を説明する図。
【図13】本発明による実施例における拡散層の窒素濃度の深さ方向の分布を示す図。
【符号の説明】
【0072】
1 シリコン基板
2 ゲート酸化膜
3 ゲート電極
4 拡散層
5 窒素又はフッ素の注入領域
6 炭酸ガスレーザー
7 浅溝素子分離
8 ウエル層
9 シリコン窒化膜
10 シリコン酸化膜
11 層間絶縁膜
12 ソース/ドレイン電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板の第1導電型の領域に、第1導電型と反対の第2導電型の不純物をドーピングし、熱処理を行って、第2の導電型の拡散層を形成する工程と、
前記拡散層に窒素又はフッ素をイオン注入し、その後、該拡散層に炭酸ガスレーザーを照射する工程を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記シリコン基板上に酸化膜を形成し、この酸化膜が形成されたシリコン基板へ前記不純物をドーピングし、熱処理を行う、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記炭酸ガスレーザーの照射は、前記シリコン基板を300〜500℃に加熱した状態で行う、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記窒素又はフッ素のイオン注入量が5×1012/cm2〜1×1014/cm2の範囲にある、請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記窒素又はフッ素のイオン注入量が1×1013/cm2〜5×1013/cm2の範囲にある、請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記炭酸ガスレーザー照射時の前記シリコン基板におけるレーザー吸収量が2000W/mm2〜4000W/mm2の範囲にある、請求項1から5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記炭酸ガスレーザーの照射は、前記シリコン基板が溶融しないように前記シリコン基板の温度及びレーザー吸収量に設定する、請求項1から6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記炭酸ガスレーザーの照射は、レーザーの照射サイズを長辺が3〜10mm、短辺が50〜200μmとし、レーザー走査を、長辺の半分が重なるようにラスタ走査し、そのレーザー走査速度を5〜10cm/sとする、請求項1から7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
MOSトランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、
シリコン基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、
シリコン基板に不純物をドーピングし、その後に熱処理を行って、前記ゲート電極の両側にソース/ドレインとなる拡散層を形成する工程と、
前記拡散層に窒素又はフッ素をイオン注入し、その後、該拡散層に炭酸ガスレーザーを照射する工程を有する半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記炭酸ガスレーザーの照射は、前記シリコン基板を300〜500℃に加熱した状態で行う、請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
シリコン基板の第1導電型の領域に、第1導電型と反対の第2導電型の不純物をドーピングし、熱処理を行って、第2の導電型の拡散層を形成する工程と、
前記拡散層に窒素又はフッ素をイオン注入し、その後、該拡散層に炭酸ガスレーザーを照射する工程を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記シリコン基板上に酸化膜を形成し、この酸化膜が形成されたシリコン基板へ前記不純物をドーピングし、熱処理を行う、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記炭酸ガスレーザーの照射は、前記シリコン基板を300〜500℃に加熱した状態で行う、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記窒素又はフッ素のイオン注入量が5×1012/cm2〜1×1014/cm2の範囲にある、請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記窒素又はフッ素のイオン注入量が1×1013/cm2〜5×1013/cm2の範囲にある、請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記炭酸ガスレーザー照射時の前記シリコン基板におけるレーザー吸収量が2000W/mm2〜4000W/mm2の範囲にある、請求項1から5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記炭酸ガスレーザーの照射は、前記シリコン基板が溶融しないように前記シリコン基板の温度及びレーザー吸収量に設定する、請求項1から6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記炭酸ガスレーザーの照射は、レーザーの照射サイズを長辺が3〜10mm、短辺が50〜200μmとし、レーザー走査を、長辺の半分が重なるようにラスタ走査し、そのレーザー走査速度を5〜10cm/sとする、請求項1から7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
MOSトランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、
シリコン基板上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、
シリコン基板に不純物をドーピングし、その後に熱処理を行って、前記ゲート電極の両側にソース/ドレインとなる拡散層を形成する工程と、
前記拡散層に窒素又はフッ素をイオン注入し、その後、該拡散層に炭酸ガスレーザーを照射する工程を有する半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記炭酸ガスレーザーの照射は、前記シリコン基板を300〜500℃に加熱した状態で行う、請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−176808(P2009−176808A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11387(P2008−11387)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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