説明

半導体装置の製造方法

【課題】マスクの新規な作製技術を含む半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、半導体基板上方に、第1の膜を形成する工程と、第1の膜上方に、第1マスク膜を形成する工程と、第1マスク膜をパターニングする工程と、パターニングされた第1マスク膜の側部にプラズマ処理を行って、側部を変質層に変換する工程と、プラズマ処理の後、第1マスク膜の上部及び側部を覆う第2マスク膜を形成する工程と、第2マスク膜をエッチングして、側部に形成された第2マスク膜を残存させつつ、第1マスク膜上部に形成された第2マスク膜を除去する工程と、第2マスク膜のエッチングの後、変質層を除去する工程と、変質層を除去した後、残った部分の第1マスク膜、及び第2マスク膜をマスクとして、第1の膜をエッチングする工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の回路パターンを形成するために、マスクを用いたエッチングが行なわれている。回路パターンの微細化に伴い、マスクも微細化してきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−218574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一目的は、マスクの新規な作製技術を含む半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によれば、半導体基板上方に、第1の膜を形成する工程と、前記第1の膜上方に、第1マスク膜を形成する工程と、前記第1マスク膜をパターニングする工程と、パターニングされた前記第1マスク膜の側部にプラズマ処理を行って、前記側部を変質層に変換する工程と、前記プラズマ処理の後、前記第1マスク膜の上部及び前記側部を覆う第2マスク膜を形成する工程と、前記第2マスク膜をエッチングして、前記側部に形成された前記第2マスク膜を残存させつつ、前記第1マスク膜上部に形成された前記第2マスク膜を除去する工程と、前記第2マスク膜のエッチングの後、前記変質層を除去する工程と、前記変質層を除去した後、残った部分の前記第1マスク膜、及び前記第2マスク膜をマスクとして、前記第1の膜をエッチングする工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
変質層形成領域を挟み第1マスク膜と第2マスク膜が並ぶマスクパターンを形成できる。例えば、微細なマスクパターン形成に適用できる。また例えば、変質層の厚さを調整することにより、第1マスク膜と第2マスク膜の間隙幅を調整できる等、マスクパターン形状を制御しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1−A】図1AP、図1AX、図1AY1〜図1AY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図1−B】図1BP、図1BX、図1BY1〜図1BY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−C】図1CP、図1CX、図1CY1〜図1CY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−D】図1DP、図1DXは、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−E】図1EP、図1EXは、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−F】図1FP、図1FX、図1FY1〜図1FY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−G】図1GP、図1GX、図1GY1〜図1GY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−H】図1HP、図1HX、図1HY1〜図1HY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−I】図1IP、図1IX、図1IY1〜図1IY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−J】図1JP、図1JX、図1JY1〜図1JY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−K】図1KP、図1KX、図1KY1〜図1KY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−L】図1LP、図1LX、図1LY1〜図1LY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−M】図1MP、図1MX、図1MY1〜図1MY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−N】図1NP、図1NX、図1NY1〜図1NY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−O】図1OP、図1OX、図1OY1〜図1OY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−P】図1PP、図1PX、図1PY1〜図1PY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図1−Q】図1QP、図1QX、図1QY1〜図1QY3は、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図2−A】図2AP、図2AX、図2AY1〜図2AY3は、第2実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図2−B】図2BP、図2BX、図2BY1〜図2BY3は、第2実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図2−C】図2CP、図2CX、図2CY1〜図2CY3は、第2実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図2−D】図2DP、図2DX、図2DY1〜図2DY3は、第2実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図2−E】図2EP、図2EX、図2EY1〜図2EY3は、第2実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【図2−F】図2FP、図2FX、図2FY1〜図2FY3は、第2実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略的な平面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
まず、本発明の第1実施例による半導体装置の製造方法について説明する。第1実施例では、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)を作製し、SRAM回路の作製工程のうち、特に、MOSトランジスタのゲート電極を形成するパターニングについて詳しく説明する。
【0009】
図1A〜図1Qは、第1実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略平面図と概略断面図である。平面図に、例えば「図1AP」のように「P」を付し、平面図中の一点鎖線Xに沿った紙面横方向の断面図に、例えば「図1AX」のように「X」を付し、平面図中の一点鎖線Y1、Y2、Y3に沿った紙面縦方向の断面図に、例えば「図1AY1、図1AY2、図1AY3」のように、それぞれ「Y1」、「Y2」、「Y3」を付す。
【0010】
説明の煩雑さを避けるため、「P」を付した平面図、及び、「X」、「Y1」、「Y2」、「Y3」を付した断面図を、1群の図としてまとめて呼ぶ。例えば、図1AP、図1AX、及び図1AY1〜図1AY3を、図1Aと呼ぶ。なお、このような説明の仕方は、後述の第2実施例でも同様である。なお、図1D及び図1Eは、平面図とX方向の断面図のみ示す。
【0011】
図1Aを参照する。半導体基板1(例えばp型シリコン基板)に、例えばシャロートレンチアイソレーション(STI)により素子分離絶縁膜を形成して、活性領域を画定する。
【0012】
半導体基板1上に、例えばスピンコートにより、フォトレジスト膜を形成する。フォトレジスト膜に、フォトリソグラフィーにより、p型MOSトランジスタを形成する活性領域を露出する開口部を形成する。このフォトレジスト膜をマスクとし、p型MOSトランジスタを形成する活性領域に、例えばイオン注入法により、n型不純物を導入して、n型ウェルnwを形成する。n型ウェルnw形成に用いたフォトレジスト膜を、アッシングで除去する。
【0013】
半導体基板1上に、例えばスピンコートにより、フォトレジスト膜を形成する。フォトレジスト膜に、フォトリソグラフィーにより、n型MOSトランジスタを形成する活性領域を露出する開口部を形成する。このフォトレジスト膜をマスクとし、n型MOSトランジスタを形成する活性領域に、例えばイオン注入により、p型不純物を導入して、p型ウェルpwを形成する。p型ウェルpw形成に用いたフォトレジスト膜を、アッシングで除去する。
【0014】
それぞれX方向に細長いp型MOSトランジスタ形成領域(n型ウェルnw)とn型MOSトランジスタ形成領域(p型ウェルpw)とが、Y方向に並んで配置されている。
【0015】
図1Bを参照する。半導体基板1上に、例えば、熱酸化により厚さ1.5nmのシリコン酸化膜を形成して、ゲート絶縁膜2を形成する。
【0016】
図1Cを参照する。ゲート絶縁膜2上に、導電材料を堆積して、例えば、化学気相堆積(CVD)により厚さ100nmのポリシリコン膜を堆積して、ゲート電極膜3を形成する。
【0017】
ゲート電極膜3上に、マスク膜4を形成する。マスク膜4は、例えばSiCOH膜であり、例えば、ポーラスシリカ系低誘電率材料であるナノクラスタリングシリカ(NCS)を、塗布により成膜して形成される。マスク膜4の膜厚は、例えば100nmである。
【0018】
図1Dを参照する。マスク膜4上に、塗布により、有機材料の反射防止膜BARK1を形成する。反射防止膜BARK1上に、塗布により、フォトレジスト膜を形成する。フォトレジスト膜に、フォトリソグラフィーによりパターンを転写して、レジストパターンRP1を形成する。反射防止膜BARK1の厚さは、例えば約70nmであり、レジストパターンRP1の厚さは、例えば約150nmである。
【0019】
レジストパターンRP1は、ゲート電極の幅方向(X方向)に関するパターニングを行うマスクを形成するためのものである。図1DPに示すように、レジストパターンRP1は、ゲート電極の長さ方向(Y方向)に細長い開口部OP1を画定する。開口部OP1の幅は、ゲート電極の幅と等しく、例えば50nmである。レジストパターンRP1の各部分の幅は、あるゲート電極からその隣の隣のゲート電極までの間隙の幅と等しく、例えば190nmである。
【0020】
図1Eを参照する。レジストパターンRP1をマスクとして、反射防止膜BARK1をエッチングし、さらに、レジストパターンRP1と反射防止膜BARK1をマスクとして、マスク膜4を、ゲート電極膜3が露出するまでエッチングする。
【0021】
マスク膜4のエッチングは、例えば、平行平板型のドライエッチング装置を用い、真空チャンバー内で行う。エッチング時の基板温度は、例えば25℃程度とする。エッチングガスとして、例えば、CF、CHF、及びArを用いることができる。
【0022】
具体的には、CF、CHF、Arの順に、ガス比を、50〜300、10〜100、0〜1000で組合せ、混合ガスの総流量を200sccm〜1000sccmの範囲とする。チャンバー内の圧力は、例えば、10mTorr〜300mTorrとする。印加する高周波電力の、周波数は例えば13.56MHzとし、大きさは例えば100W〜1000W程度とする。なお、エッチング処理中にエッチングガスを他の組合せの混合ガスに切り替えることも可能である。
【0023】
図1Fを参照する。アッシング、つまり、酸素を含むガスによるプラズマ処理により、レジストパターンRP1及び反射防止膜BARK1を除去する。このプラズマ処理に用いる処理ガスは、O、CO及びCOのうちの少なくとも1種類以上のガスを含んで良い。また、処理ガスに、H及びNのうちの少なくとも1種類以上を混ぜても良い。具体的には、例えば、平行平板型の反応性イオンエッチング装置の真空チャンバー内に、流量500sccmでOガスを導入し、250mTorrの圧力のもと、13.56 MHz、500Wの高周波電力を平板電極に印加し、基板温度25℃で、60秒間の処理を行う。
【0024】
このプラズマ処理により、レジストパターンRP1及び反射防止膜BARK1を除去するとともに、マスク膜4の側面及び上面に、変質層4aを形成する(マスク膜4の側部及び上部を、変質層4aに変換する)。変質層4aは、マスク膜4の表面から、プラズマ処理ガス中の酸素がしみ込み、SiCOHがSiOに変質して形成される。酸素のしみ込みが容易になるという観点からは、マスク膜4は、ポーラスな膜であることが好ましい。
【0025】
プラズマ処理の開始からしばらくは、レジストパターンRP1及び反射防止膜BARK1が、マスク膜4の上部を覆っており、パターニングされたマスク膜4の各部分の露出した側面で、変質が進行する。反射防止膜BARK1がなくなると、マスク膜4上面での変質も開始する。
【0026】
マスク膜4の変質層4aの厚さは、プラズマ処理時間で調整することができる。後に例えば図1Nを参照して説明するように、非変質部分4bが、ゲート電極膜3をパターニングするマスクとして残される。本実施例では、マスク膜4側部の変質層4aの厚さが、例えば70nmとなるように、プラズマ処理時間が選ばれている。
【0027】
パターニングされたマスク膜4の各部分の幅は例えば190nmであり、両側側部の変質層4aを足した厚さが例えば140nmとなり、非変質部分4bの幅が例えば50nmとなる(図1FX参照)。つまり、非変質部分4bの幅が、ゲート電極幅、例えば50nmとなるように、マスク膜4側面に形成する変質層4aの厚さが選ばれている。
【0028】
例えば厚さ100nmのゲート電極膜3をエッチングするのに、マスクとなる非変質部分4bの高さは70nm以上であるのが望ましい。そこで、プラズマ処理後の非変質部分4bの高さが例えば100nm〜70nmとなるようにマスク膜4の厚さが選ばれており、マスク膜4上面の変質層4aの厚さは、例えば0nm〜30nmである。
【0029】
図1Gを参照する。パターニングされたマスク膜4を覆って(マスク膜4の各部分の上部と側部を覆って)、ゲート電極膜3上に、マスク膜5を形成する。マスク膜5は、例えば、マスク膜4と同じ材料で形成する。マスク膜5は、例えば、スピンコートによりNCSを塗布して形成されたSiCOH膜であり、例えば厚さ200nmである。
【0030】
図1Hを参照する。マスク膜5上に、例えば、CVDにより厚さ30nmのSiO膜6を堆積する。
【0031】
図1Iを参照する。マスク膜5上に、塗布により、有機材料の反射防止膜BARK2を形成する。反射防止膜BARK2上に、塗布により、フォトレジスト膜を形成する。フォトレジスト膜に、フォトリソグラフィーによりパターンを転写して、レジストパターンRP2を形成する。
【0032】
レジストパターンRP2は、ゲート電極の長さ方向(Y方向)に関するパターニングを行うマスクを形成するためのものである。図1IPに示すように、レジストパターンRP2は、ゲート電極の幅方向(X方向)に細長い開口部OP2を有する。各ゲート電極が、所望のSRAM回路が形成されるように、開口部OP2を挟んでY方向に区分される。
【0033】
図1Jを参照する。レジストパターンRP2をマスクとして、変質層4aの上面が露出する深さまでエッチングを行う。まず、レジストパターンRP2をマスクとして、反射防止膜BARK2をエッチングし、そして、レジストパターンRP2と反射防止膜BARK2をマスクとして、SiO膜6をエッチングする。さらに、変質層4aの上面が露出する深さまで、マスク膜5をエッチングする。
【0034】
SiO膜6及びマスク膜5のエッチングは、例えば、平行平板型のドライエッチング装置を用い、真空チャンバー内で行う。エッチング時の基板温度は、例えば25℃程度とする。SiO膜6のエッチングは、例えば、下記のSiOのエッチング条件で行う。マスク膜5のエッチングは、例えば、下記のSiCOHのエッチング条件で行う。
【0035】
本実施例で、マスク膜4やマスク膜5の材料はSiCOHであり、マスク膜4の変質層4aや後述のマスク膜5の変質層5a、及びSiO膜6の材料はSiOである。SiCOH及びSiOの相互の選択的なエッチングは、例えば、以下のような条件で行うことができる。
【0036】
SiOのエッチングは、エッチングガスとして、例えば、C、O、及びArを用いることができる。具体的には、C、O、Arの順に、ガス比を、5〜30、5〜100、0〜1000で組合せ、混合ガスの総流量を200sccm〜1000sccmの範囲とする。チャンバー内の圧力は、例えば、10mTorr〜300mTorrとする。印加する高周波電力の、周波数は例えば13.56MHzとし、大きさは例えば100W〜1500W程度とする。なお、エッチング処理中にエッチングガスを他の組合せの混合ガスに切り替えることも可能である。
【0037】
SiOCHのエッチングは、図1Eを参照して説明したマスク膜4のエッチング条件のように、エッチングガスとして、例えば、CF、CHF、及びArを用いることができる。具体的には、CF、CHF、Arの順に、ガス比を、50〜300、10〜100、0〜1000で組合せ、混合ガスの総流量を200sccm〜1000sccmの範囲とする。チャンバー内の圧力は、例えば、10mTorr〜300mTorrとする。印加する高周波電力の、周波数は例えば13.56MHzとし、大きさは例えば100W〜1000W程度とする。なお、エッチング処理中にエッチングガスを他の組合せの混合ガスに切り替えることも可能である。
【0038】
図1Kを参照する。アッシングにより、レジストパターンRP2と反射防止膜BARK2を除去する。このアッシングに伴い、図1Jを参照して説明したエッチングで形成された凹部RC内に露出したマスク膜5の表面がSiOに変質して、変質層5aが形成される。
【0039】
図1Lを参照する。全面のSiOのエッチングを行う。このSiOのエッチングは、例えば、上述のSiOのエッチング条件で行う。凹部RCの外側では、SiO膜6が除去されて、SiO膜6の下のマスク膜5が露出する(図1LX、図1LY1参照)。凹部RCの底では、マスク膜4上面の変質層4aが除去されて非変質部分4bが露出するとともに(図1LY2参照)、マスク膜5の変質層5aが除去されてマスク膜5の非変質部分が露出する(図1LY3参照)。なお、凹部RCの側面では、ドライエッチングの異方性により、マスク膜5の変質層5aが残る。
【0040】
図1Mを参照する。全面のSiCOHのエッチングを行う。このSiCOHのエッチングは、例えば、上述のSiCOHのエッチング条件で行う。マスク膜4側部に形成されたマスク膜5を残存させつつ、マスク膜4上部に形成されたマスク膜5を除去する。
【0041】
凹部RCの外側では、マスク膜4上部のマスク膜5が除去されて、マスク膜4上面の変質層4aが露出する(図1MX、図1MY1参照)。パターニングされたマスク膜4の各部分の間隙に(マスク膜4の側部に)残されるマスク膜5bの高さが、マスク膜4の非変質部分4bの高さと揃う深さまで、マスク膜5がエッチングされる(図1MX参照)。
【0042】
凹部RCの内側では、底に露出した、マスク膜4の非変質部分4bが除去されるとともに(図1MY2参照)、マスク膜5が除去されて(図1MY3参照)、ゲート電極膜3が露出する。
【0043】
図1Nを参照する。全面のSiOのエッチングを行う。このSiOのエッチングは、例えば、フッ酸によるウエットエッチング、もしくは、上述のエッチング条件のドライエッチングで行う。なお、フッ酸によるウエットエッチングでも、例えば濃度0.5%のフッ酸を用いた場合に、SiOCHに対するSiOの選択比が5程度の、選択的なエッチングができる。
【0044】
このエッチングにより、マスク膜4の上部及び側部の変質層4a、及びマスク膜5の変質層5aがすべて除去される。そして、ゲート電極膜3上に、マスク膜4の非変質部分4bによるマスクパターンと、パターニングされたマスク膜4の各部分の間隙に形成されたマスク膜5bによるマスクパターンとが残される。
【0045】
図1NXに示すように、ゲート電極幅方向について、マスク4bとマスク5bとが交互に並んだパターンが形成される。
【0046】
図1Fを参照して説明したように、レジストパターンRP1に基づいてパターニングされたマスク膜4の各部分で、側面を変質させることにより、側部の変質層4aの内側に、非変質層のマスク4bを形成することができる。
【0047】
そして、図1Gを参照して説明したように、パターニングされたマスク膜4を覆ってマスク膜5を形成することにより、マスク膜4の各部分の間隙にマスク5bを形成することができる。
【0048】
隣り合うマスク4bとマスク5bとの間隙の幅が、マスク膜4側部の変質層4aの厚さと等しくなる。つまり、マスク膜4側部の変質層4aは、隣り合うマスク4bとマスク5bとの間隙幅を決めるスペーサとして機能する。
【0049】
このようにして、ゲート電極の幅方向のパターニングを行うマスク4b及び5bを形成することができる。
【0050】
本実施例によれば、例えば、レジストパターンRP1による一度のパターニングに基づき、ゲート電極の幅方向のパターニングができたり、レジストパターンRP1のピッチを最終的に出来上がるマスク4b及び5bによるパターンのピッチの倍に太くできたりする(リソグラフィー工程で形成されるピッチを1/2に縮小した微細なマスクパターンが得られる)等、フォトリソグラフィー工程が容易になる。また例えば、マスク膜4側部の変質層の厚さを調整することにより、マスク4bとマスク5bとの間隙幅を容易に調整できたり、マスク4bの幅の細さを容易に調整できたりする等、マスクパターン形状を制御しやすい。
【0051】
なお、マスク4b及び5bの一方が異素材の積層構造のマスクとなったりせず、マスク4b及び5bを同一材料で同一構造に形成することができるので、パターニング加工の均一性を高めることが容易である。
【0052】
図1NY2及び図1NY3に示すように、ゲート電極長さ方向について、マスク4bとマスク5bとは、それぞれ所望の位置で区分されている。
【0053】
図1Mを参照して説明したように、レジストパターンRP2に基づいて、マスク膜4及びマスク膜5の非変質部分を、ゲート電極長さ方向の所望の区分位置で除去することができる。このようにして、マスク4b及び5bに、ゲート電極の長さ方向のパターン形状を付与できる。
【0054】
なお、図1Jを参照して説明したSiO膜6及びマスク膜5のエッチングにより、レジストパターンRP2及び反射防止膜BARK2が全て除去しきれる場合は、図1Kを参照して説明したアッシングを行わなくてもよい。その場合は、凹部RC内面にマスク膜5の変質層5aが形成されないが、図1L〜図1Nの処理は、同様に行うことができる。
【0055】
図1Oを参照する。マスク4b及びマスク5bによるパターンをマスクとして、ゲート電極膜3をエッチングする。
【0056】
図1Pを参照する。図1Fを参照して説明した処理と同様な、酸素を含むガスによるプラズマ処理により、マスク4b及びマスク5bを変質させて、変質マスク4a及び変質マスク5aを形成する。マスク4b及びマスク5bの全部分が変質するように、プラズマ処理時間が設定される。
【0057】
図1Qを参照する。全面のSiOを、例えばフッ酸によるウエットエッチングで除去する。これにより、変質マスク4a及び変質マスク5aと、ゲート電極3の外側に露出したゲート絶縁膜2とが除去される。このようにして、ゲート電極3が形成される。マスク4b及びマスク5bは、変質させることにより、余分なゲート絶縁膜2と同時に、ウエットエッチングで除去できる。
【0058】
その後は、公知技術を適宜用い、n型ウェルnwにp型不純物を導入してp型MOSトランジスタを形成し、p型ウェルpwにn型不純物を導入してn型MOSトランジスタを形成し、さらに、上方の配線構造を形成することができる。このようにして、第1実施例の半導体装置が形成される。
【0059】
次に、第2実施例の半導体装置の製造方法について説明する。第1実施例では、図1Fを参照して説明したように、レジストパターンRP1及び反射防止膜BARK1を除去するアッシングを流用して、マスク膜4側部を変質層4aに変換する処理を行った。第2実施例では、以下に説明するように、レジストパターンRP1及び反射防止膜BARK1の除去処理と、マスク膜4側部を変質層4aに変換する処理とを独立に行う。
【0060】
まず、第1実施例の図1Cを参照して説明した工程までと同様にして、ゲート電極膜3上のマスク膜4までを形成する。なお、第2実施例において、第1実施例との対応関係が明確な部材や構造に対しては、第1実施例での参照符号を流用する。
【0061】
図2Aを参照する。マスク膜4上に、例えば、CVDにより厚さ10nm〜30nmのSiO膜14を堆積する。SiO膜14上に、塗布により、有機材料の反射防止膜BARK1を形成する。反射防止膜BARK1上に、塗布により、フォトレジスト膜を形成する。フォトレジスト膜に、フォトリソグラフィーによりパターンを転写して、レジストパターンRP1を形成する。マスク膜4と、反射防止膜BARK1との間に、SiO膜14を挟むことが、第1実施例と異なる。
【0062】
図2Bを参照する。レジストパターンRP1をマスクとして、反射防止膜BARK1をエッチングし、さらに、レジストパターンRP1と反射防止膜BARK1をマスクとして、SiO膜14を、途中の厚さまでエッチングする。このエッチングは、例えば、上述のSiOのエッチング条件で行う。
【0063】
図2Cを参照する。アッシングにより、レジストパターンRP1及び反射防止膜BARK1を除去する。マスク膜4は、まだSiO膜14で覆われているので、このアッシングでは、マスク膜4に変質層が生じない。
【0064】
図2Dを参照する。全面のSiOのエッチングを行って、図2Bを参照して説明したSiO膜14の途中までの厚さのエッチングを、全厚さまで進め、レジストパターンRP1の開口部に対応する凹部の底に、マスク膜4を露出させる。このエッチングは、例えば、上述のSiOのエッチング条件で行う。
【0065】
図2Eを参照する。SiO膜14をマスクとして、マスク膜4を、ゲート電極膜3が露出するまでエッチングする。このエッチングは、例えば、上述のSiCOHのエッチング条件で行う。
【0066】
図2Fを参照する。マスク膜4上にSiO膜14が形成された状態で、酸素を含むガスによるプラズマ処理を行って、マスク膜4を変質させる。これにより、マスク膜4上面側は変質せずに、マスク膜4側面側が変質して、マスク膜4側部が変質層4aに変換される。プラズマ処理条件は、例えば、第1実施例の図1Fを参照して説明した条件と同様である。変質層4aが所望の厚さとなるように、つまり、非変質部分4bが所望の幅となるように、プラズマ処理時間が設定される。
【0067】
第2実施例では、マスク膜4上部は、SiO膜14でカバーされて変質しない。従って、マスク4bの高さを、成膜時のマスク膜4の厚さで決めることができる。マスク膜4上部の変質層の厚さを制御する必要がない。
【0068】
SiO膜14は、マスク膜4の変質層と同様に材料がSiOであるので、第1実施例でマスク膜4上面に形成された変質層4aと同様に機能する。
【0069】
第2実施例のその後の工程は、第1実施例でマスク膜4上面に形成された変質層4aをSiO膜14と読み替えて、第1実施例の図1G以下の工程と同様に行うことができる。このようにして、第2実施例の半導体装置が形成される。
【0070】
なお、第1実施例で図1Mを参照して説明した工程に対応する、全面のSiCOHのエッチング工程では、パターニングされたマスク膜4の各部分の間に残されるマスク膜5bの高さが、成膜時のマスク膜4の高さと揃えられる。
【0071】
なお、第1実施例で図1Nを参照して説明した工程に対応する、全面のSiOのエッチング工程では、マスク膜4側部の変質層4aとともに、マスク膜4上に形成されたカバー膜14も除去される。
【0072】
以上、第1及び第2実施例で説明したように、パターニングされたマスク膜4の側部を反応性のプラズマ処理により変質層4aに変換し、変質層4aの内側に非変質部分4bを残し、変質層4aの外側にマスク膜5bを形成し、変質層4aを除去することにより、マスク膜4の非変質部分4bとマスク膜5bとが変質層形成領域を挟んで並んだマスクパターンを形成することができる。
【0073】
第1及び第2実施例では、シリコンを含む材料で形成されたマスク膜4の側部を、酸素を含むガスによるプラズマ処理で酸化シリコンに変換して、変質層4aを形成した。マスク膜4の材料例として、塗布で成膜できるSiCOHを挙げたが、マスク膜4の材料は、塗布で成膜できるSiCOHに限定されない。
【0074】
例えば、低誘電率材料として、CVDで成膜できるポーラスなSiCOHやSiOCやSiCが多種開発されており、これらの中には例えば酸素プラズマ処理により変質層を形成するものがあるため、マスク膜4の材料として用いることができよう。変質層の膜厚を制御するプラズマ処理条件等は、実験的に見つけることができよう。なお、マスク膜4の材料として、多結晶Siを用いることができる可能性もあると思われる。
【0075】
なお、マスク5bをマスク4bと同一材料とすること、マスク5bをマスク4bと等しい高さとすることは、マスク5bを形成する観点では必須でない。ただし、マスク4bとマスク5bとが同一材料で高さが揃っていることは、マスク4b及び5bによるひとまとまりのマスクパターンを用いたパターニング加工の均一性を高めるという観点から好ましい。
【0076】
なお、マスク膜5が変質層に変換されることは、必須ではない。なお、第1実施例において、図1Jを参照して説明したSiO膜6及びマスク膜5のエッチングにより、レジストパターンRP2及び反射防止膜BARK2が全て除去しきれる場合は、図1Kを参照して説明したアッシングを行わなくてもよい、という例を説明したが、この場合は、マスク膜5の変質層5aが形成されない。
【0077】
なお、レジストパターンRP1をマスクとしたエッチング、及び、レジストパターンRP2をマスクとしたエッチングにおいて、それぞれ、反射防止膜BARK1、BARK2を用いる実施例を説明したが、反射防止膜は、エッチングに必須というわけではない。
【0078】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0079】
以上説明した第1及び第2実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
半導体基板上方に、第1の膜を形成する工程と、
前記第1の膜上方に、第1マスク膜を形成する工程と、
前記第1マスク膜をパターニングする工程と、
パターニングされた前記第1マスク膜の側部にプラズマ処理を行って、前記側部を変質層に変換する工程と、
前記プラズマ処理の後、前記第1マスク膜の上部及び前記側部を覆う第2マスク膜を形成する工程と、
前記第2マスク膜をエッチングして、前記側部に形成された前記第2マスク膜を残存させつつ、前記第1マスク膜上部に形成された前記第2マスク膜を除去する工程と、
前記第2マスク膜のエッチングの後、前記変質層を除去する工程と、
前記変質層を除去した後、残った部分の前記第1マスク膜、及び前記第2マスク膜をマスクとして、前記第1の膜をエッチングする工程と
を有する半導体装置の製造方法。
(付記2)
前記第1マスク膜は、シリコンを含む材料で形成され、前記プラズマ処理の工程においては、酸素を含むガスによるプラズマ処理を行って、前記シリコンを含む材料を酸化シリコンに変換する付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3)
前記第1マスク膜は、ポーラスな膜である付記2に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4)
前記第1マスク膜は、SiCOH、SiOC、またはSiCで形成される付記2または3に記載の半導体装置の製造方法。
(付記5)
前記第1マスク膜をパターニングする工程は、前記第1マスク膜上方にレジストパターンを形成し、前記レジストパターンをマスクとして前記第1マスク膜をエッチングする工程を含み、
前記プラズマ処理は、前記レジストパターンを除去するとともに、前記変質層を形成する付記2〜4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記6)
前記プラズマ処理により、前記第1マスク膜の前記側部を変質層に変換するとともに、前記第1マスク膜の上部も変質層に変換され、
前記変質層を除去する工程は、前記側部の前記変質層を除去するとともに、前記上部の前記変質層も除去する付記5に記載の半導体装置の製造方法。
(付記7)
前記第1マスク膜をパターニングする工程は、前記第1マスク膜上にカバー膜を形成し、前記カバー膜をパターニングし、前記カバー膜をマスクとして前記第1マスク膜をエッチングする工程を含み、
前記プラズマ処理は、前記カバー膜で前記第1マスク膜の上部を覆った状態で行われる付記1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記8)
前記カバー膜は、前記変質層と同一材料で形成され、
前記変質層を除去する工程は、前記変質層を除去するとともに、前記カバー膜も除去する付記7に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)
前記第1マスク膜上にカバー膜を形成し、前記カバー膜をパターニングし、前記カバー膜をマスクとして前記第1マスク膜をエッチングする工程は、
前記カバー膜上方にレジストパターンを形成し、前記レジストパターンをマスクとして前記カバー膜を途中の厚さまでエッチングする工程と、
前記カバー膜が途中の厚さまでエッチングされた状態で、酸素を含むガスによるプラズマ処理により、前記レジストパターンを除去する工程と、
前記レジストパターンの除去の後、前記カバー膜のエッチングをさらに進め、前記レジストパターンに基づいて形成された凹部の底に前記第1マスク膜を露出させ、そして、前記カバー膜をマスクとして前記第1マスク膜をエッチングする工程と
を含む、付記2〜4のいずれか1つに従属する付記7、または、そのような付記7に従属する付記8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記10)
前記第1マスク膜と前記第2マスク膜とが、同一材料である付記1〜9のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記11)
前記第2マスク膜を除去する工程は、残った部分の前記第2マスク膜の高さが、前記変質層を除去する工程で残される部分の前記第1マスク膜の高さと揃うように、前記第2マスク膜を除去する付記10に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)
前記第1の膜は、導電膜であり、前記第1の膜をエッチングする工程は、前記導電膜をパターニングしてMOSトランジスタのゲート電極を形成する付記1〜11のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)
前記第1マスク膜と前記第2マスク膜とが、同一材料であり、
さらに、
前記半導体基板上に、酸化シリコンにより、ゲート絶縁膜を形成する工程を有し、
前記第1の膜を形成する工程は、前記ゲート絶縁膜上方に、導電材料で前記第1の膜を形成し、
前記第1の膜をエッチングする工程は、前記第1の膜をパターニングしてゲート電極を形成し、
さらに、
前記第1の膜をエッチングした後、前記第1マスク膜及び前記第2マスク膜の全部分を酸化シリコンに変質させて、変質させた前記第1マスク膜及び前記第2マスク膜を除去するとともに、前記ゲート電極の外側の前記ゲート絶縁膜も除去する工程を有する、付記2〜4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記14)
変質させた前記第1マスク膜及び前記第2マスク膜を除去するとともに、前記ゲート電極の外側の前記ゲート絶縁膜も除去する工程は、ウエットエッチングで前記第1マスク膜、前記第2マスク膜、及び前記ゲート絶縁膜を除去する付記13に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)
半導体基板上方に、第1の膜を形成する工程と、
前記第1の膜上方に、第1マスク膜を形成する工程と、
前記第1マスク膜を、間隙を隔てて並ぶ複数の部分にパターニングする工程と、
パターニングされた前記第1マスク膜の、各部分の側面にプラズマ処理を行って、前記各部分の側面に変質層を形成する工程と、
前記変質層を形成した後、前記第1マスク膜を覆う第2マスク膜を形成する工程と、
前記第2マスク膜をエッチングして、前記第1マスク膜上方部分の前記第2マスク膜を除去し、前記間隙に前記第2マスク膜を残す工程と、
前記第2マスク膜のエッチングの後、前記変質層を除去する工程と、
前記各部分で前記変質層の除去後に残った部分の前記第1マスク膜、及び、前記間隙に残された部分の前記第2マスク膜をマスクとして、前記第1の膜をエッチングする工程と
を有する半導体装置の製造方法。
(付記16)
前記間隙は第1の幅を持ち、前記第1の膜をエッチングする工程において、前記間隙に残された部分の前記第2マスク膜が前記第1の幅を持つとともに、
前記第1の膜をエッチングする工程において、前記各部分で前記変質層の除去後に残った部分の前記第1マスク膜が前記第1の幅を持つ付記15に記載の半導体装置の製造方法。
(付記17)
前記第1マスク膜は、シリコンを含む材料で形成され、前記変質層を形成する工程は、前記プラズマ処理として酸素を含むガスによるプラズマ処理を行って、前記変質層として酸化シリコン膜を形成し、
前記変質層を形成する工程は、前記各部分で前記変質層の除去後に残った部分の前記第1マスク膜が前記第1の幅を持つように、前記酸素を含むガスによるプラズマ処理の処理時間が選択されている付記16に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0080】
1 半導体基板
nw n型ウェル
pw p型ウェル
2 ゲート絶縁膜
3 ゲート電極膜
4、5 マスク膜
4a、5a 変質層
4b、5b マスク(非変質層)
6、14 SiO
RP1、RP2 レジストパターン
BARK1、BARK2 反射防止膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上方に、第1の膜を形成する工程と、
前記第1の膜上方に、第1マスク膜を形成する工程と、
前記第1マスク膜をパターニングする工程と、
パターニングされた前記第1マスク膜の側部にプラズマ処理を行って、前記側部を変質層に変換する工程と、
前記プラズマ処理の後、前記第1マスク膜の上部及び前記側部を覆う第2マスク膜を形成する工程と、
前記第2マスク膜をエッチングして、前記側部に形成された前記第2マスク膜を残存させつつ、前記第1マスク膜上部に形成された前記第2マスク膜を除去する工程と、
前記第2マスク膜のエッチングの後、前記変質層を除去する工程と、
前記変質層を除去した後、残った部分の前記第1マスク膜、及び前記第2マスク膜をマスクとして、前記第1の膜をエッチングする工程と
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1マスク膜は、シリコンを含む材料で形成され、前記プラズマ処理の工程においては、酸素を含むガスによるプラズマ処理を行って、前記シリコンを含む材料を酸化シリコンに変換する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1マスク膜は、ポーラスな膜である請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1マスク膜は、SiCOH、SiOC、またはSiCで形成される請求項2または3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1マスク膜をパターニングする工程は、前記第1マスク膜上方にレジストパターンを形成し、前記レジストパターンをマスクとして前記第1マスク膜をエッチングする工程を含み、
前記プラズマ処理は、前記レジストパターンを除去するとともに、前記変質層を形成する請求項2〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記プラズマ処理により、前記第1マスク膜の前記側部を変質層に変換するとともに、前記第1マスク膜の上部も変質層に変換され、
前記変質層を除去する工程は、前記側部の前記変質層を除去するとともに、前記上部の前記変質層も除去する請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1マスク膜をパターニングする工程は、前記第1マスク膜上にカバー膜を形成し、前記カバー膜をパターニングし、前記カバー膜をマスクとして前記第1マスク膜をエッチングする工程を含み、
前記プラズマ処理は、前記カバー膜で前記第1マスク膜の上部を覆った状態で行われる請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記カバー膜は、前記変質層と同一材料で形成され、
前記変質層を除去する工程は、前記変質層を除去するとともに、前記カバー膜も除去する請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1マスク膜上にカバー膜を形成し、前記カバー膜をパターニングし、前記カバー膜をマスクとして前記第1マスク膜をエッチングする工程は、
前記カバー膜上方にレジストパターンを形成し、前記レジストパターンをマスクとして前記カバー膜を途中の厚さまでエッチングする工程と、
前記カバー膜が途中の厚さまでエッチングされた状態で、酸素を含むガスによるプラズマ処理により、前記レジストパターンを除去する工程と、
前記レジストパターンの除去の後、前記カバー膜のエッチングをさらに進め、前記レジストパターンに基づいて形成された凹部の底に前記第1マスク膜を露出させ、そして、前記カバー膜をマスクとして前記第1マスク膜をエッチングする工程と
を含む、請求項2〜4のいずれか1項に従属する請求項7、または、そのような請求項7に従属する請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1マスク膜と前記第2マスク膜とが、同一材料である請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1−A】
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【図1−B】
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【図1−C】
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【図1−D】
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【図1−E】
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【図1−F】
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【図1−G】
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【図1−H】
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【図1−I】
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【図1−J】
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【図1−K】
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【図1−L】
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【図1−M】
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【図1−N】
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【図1−O】
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【図1−P】
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【図1−Q】
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【図2−A】
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【図2−B】
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【図2−C】
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【図2−D】
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【図2−E】
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【図2−F】
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【公開番号】特開2012−59877(P2012−59877A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200981(P2010−200981)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】