説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】ビット線絶縁膜の形成後に該ビット線拡散層を大きく拡散させることなく、接続部の面積を十分に確保し該接続部における拡散層抵抗の増大を抑制して、メモリセルの微細化を図れるようにする。
【解決手段】半導体装置は、半導体基板1の上部に形成され、それぞれ行方向に延びる複数のビット線拡散層2と、各ビット線拡散層2の上にそれぞれ形成された複数のビット線絶縁膜3と、各ビット線拡散層2同士の間に形成された複数のゲート絶縁膜10と、各ビット線絶縁膜3及び各ゲート絶縁膜10と交差する複数のワード線4とを有している。各ゲート絶縁膜10と各ワード線4との交差部にメモリセルが形成され、半導体基板1の上部には、各ビット線拡散層2とそれぞれ電気的に接続された接続部6aを有する複数の接続拡散層6が形成されており、半導体基板1における各接続部6aの上面は、各接続拡散層6の上面よりも低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、半導体基板に設けた拡散層をビット線に用いる半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ワード線とビット線とが絶縁膜を介して交差し、該交差部にメモリセルが構成される半導体装置は、メモリセルアレイの面積を小さくできるため、半導体装置の微細化が進むにつれて重要性を増してきている。
【0003】
以下、上記の構造を備えた従来の半導体装置及びその製造方法について、図10(a)〜図10(c)を参照しながら説明する(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
まず、図10(a)に示すように、シリコン(Si)からなる半導体基板101の上部に行方向に形成された複数のビット線拡散層102と、各ビット線拡散層102ごとにその上に形成されたビット線絶縁膜103と、半導体基板101上における互いに隣接する各ビット線拡散層102同士の間に形成された複数のゲート絶縁膜(図示せず)と、それぞれが各ビット線絶縁膜103及び各ゲート絶縁膜の上に列方向に形成され、各ビット線拡散層102と交差する複数のワード線104とを形成する。ここでは、図の紙面に平行な方向を行方向とし、紙面に垂直な方向を列方向としている。また、各ビット線絶縁膜103の端部においては、各ビット線拡散層102が熱拡散することにより、各ビット線絶縁膜103の端部の外側にまで広がって形成される。
【0005】
次に、図10(b)に示すように、各ビット線拡散層102の端部を含むように、例えば他の回路と各ビット線102とを電気的に接続するための複数の接続拡散層105を、ビット線拡散層102と同一の導電型を示すドーパントを用いたイオン注入法により形成する。これにより、各ビット線拡散層102と接続される重畳接続部105aが形成される。
【0006】
次に、図10(c)に示すように、各ワード線104、各重畳接続部105a及び接続拡散層105の上部にそれぞれシリサイド層106を形成する。
【特許文献1】特開2002−050705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の半導体装置及びその製造方法は、重畳接続部105aにおける拡散層抵抗を低減するためには、該重畳接続部105aの面積(平面積)を大きくする必要があり、このためには、各ビット線拡散層102の上にビット線絶縁膜103をそれぞれ形成した後、各ビット線拡散層102を大きく熱拡散する必要がある。このように、各ビット線拡散層102を大きく拡散する熱処理を行なうと、メモリセル内の拡散層が必要以上に広がってしまうことから、微細化が困難になるという問題がある。
【0008】
本発明は、前記従来の問題に鑑み、ビット線絶縁膜の形成後に該ビット線拡散層を大きく拡散させることなく、接続部(重畳接続部)の面積を十分に確保し、該接続部における拡散層抵抗の増大を抑制しながら、メモリセルの微細化を図れるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明は、半導体装置をビット線拡散層の上に形成されるビット線絶縁膜における接続拡散層と隣接する側の端部を除去する構成とする。
【0010】
具体的に、本発明に係る半導体装置は、半導体領域の上部に形成され、それぞれ行方向に延びる複数のビット線拡散層と、各ビット線拡散層の上にそれぞれ形成された複数のビット線絶縁膜と、半導体領域上における互いに隣接する各ビット線拡散層同士の間に形成された複数のゲート絶縁膜と、半導体領域の上にそれぞれ列方向に形成され且つ各ビット線絶縁膜及び各ゲート絶縁膜と交差する複数のワード線とを備え、各ゲート絶縁膜と各ワード線との交差部にメモリセルが形成される半導体装置を対象とし、半導体領域の上部には、各ビット線拡散層とそれぞれ電気的に接続された接続部を有する複数の接続拡散層が形成されており、半導体領域における各接続部の上面は各接続拡散層の上面よりも低いことを特徴とする。
【0011】
本発明の半導体装置によると、半導体領域の上部には、各ビット線拡散層とそれぞれ電気的に接続された接続部を有する複数の接続拡散層が形成されており、半導体領域における各接続部の上面は各接続拡散層の上面よりも低い。すなわち、各ビット線拡散層の上に形成されるビット線絶縁膜における接続拡散層との接続部の上側部分が除去されている。これにより、各接続拡散層の接続部と各ビット線拡散層の端部との接続面積を熱拡散を用いることなく大きくすることができる。これにより、ビット線拡散層を大きく拡散させることなく接続部の面積が十分に確保されて、該接続部の拡散層抵抗の増大を抑制できるため、メモリセルを微細化することができる。
【0012】
本発明の半導体装置において、各接続部は、各接続拡散層の端部と各ビット線拡散層の端部とが互いに重なることによって形成されていることが好ましい。
【0013】
本発明の半導体装置において、各接続拡散層の少なくとも一部及び各接続部の少なくとも一部には金属シリサイド層が形成されており、金属シリサイド層における各接続部の上側の面は、各接続拡散層の上側の面よりも低いことが好ましい。
【0014】
本発明の半導体装置において、接続拡散層の拡散深さは、ビット線拡散層の拡散深さよりも深いことが好ましい。
【0015】
本発明の半導体装置において、複数のワード線のうち各接続部と隣接するワード線は、動作に寄与しないダミーワード線であり、各接続部は、半導体領域におけるダミーワード線の下方の一部にまで延在していることが好ましい。
【0016】
この場合に、ダミーワード線の幅は各ワード線の幅よりも大きいことが好ましい。
【0017】
また、本発明の半導体装置は、接続拡散層の上に形成されたビット線コンタクトをさらに備えていることが好ましい。
【0018】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体領域の上部に形成され、それぞれ行方向に延びる複数のビット線拡散層と、各ビット線拡散層の上にそれぞれ形成された複数のビット線絶縁膜と、半導体領域上における互いに隣接する各ビット線拡散層同士の間に形成された複数のゲート絶縁膜と、半導体領域の上にそれぞれ列方向に形成され且つ各ビット線絶縁膜及び各ゲート絶縁膜と交差する複数のワード線とを備え、各ゲート絶縁膜と各ワード線との交差部にメモリセルが形成される半導体装置の製造方法を対象とし、半導体領域の上部に、それぞれ行方向に延びる複数のビット線拡散層を形成する工程(a)と、複数のビット線拡散層の上にそれぞれビット線絶縁膜を形成する工程(b)と、半導体領域の上に、各ビット線拡散層及び各ビット線絶縁膜と交差するように列方向に延びる複数のワード線を形成する工程(c)と、各ビット線絶縁膜における一方の端部と該端部と隣接する各ワード線との間の領域であって少なくとも各ビット線拡散層の端部を含む領域を除去することにより、各ビット線拡散層の一方の端部をそれぞれ露出する露出領域を形成する工程(d)と、半導体領域に行方向に延びる複数の拡散層を選択的に形成することにより、各露出領域を含む領域に接続部を形成すると共に、該接続部により各ビット線拡散層と電気的に接続される接続拡散層を形成する工程(e)とを備えていることを特徴とする。
【0019】
本発明の半導体装置の製造方法によると、各ビット線絶縁膜における一方の端部と該端部と隣接する各ワード線との間の領域であって少なくとも各ビット線拡散層の端部を含む領域を除去することにより、各ビット線拡散層の一方の端部をそれぞれ露出する露出領域を形成し、その後、半導体領域に行方向に延びる複数の拡散層を選択的に形成することにより、各露出領域を含む領域に接続部を形成すると共に、該接続部により各ビット線拡散層と電気的に接続される接続拡散層を形成する。このため、各接続拡散層の接続部と各ビット線拡散層の端部との接続面積を熱拡散を用いることなく大きくすることが可能となる。これにより、ビット線拡散層を熱拡散により大きく拡散させることなく、各接続拡散層の接続部の面積が十分に確保されるため、各接続部の拡散層抵抗の増大を抑制できるので、メモリセルを微細化することができる。
【0020】
半導体装置の製造方法において、半導体領域はシリコンからなり、工程(e)よりも後に、接続部の少なくとも一部に、接続部を金属によりシリサイド化した金属シリサイド層を形成する工程(f)をさらに備えていることが好ましい。
【0021】
半導体装置の製造方法は、工程(e)において、接続拡散層の拡散深さをビット線拡散層の拡散深さよりも深くなるように形成することが好ましい。
【0022】
半導体装置の製造方法は、工程(c)において、複数のワード線のうち各接続部が形成される領域と隣接するワード線を動作に寄与しないダミーワード線として形成し、工程(e)において、各接続拡散層を、各接続部がダミーワード線の下方の一部にまで延在するように形成することが好ましい。
【0023】
半導体装置の製造方法は、工程(c)において、ダミーワード線の幅を各ワード線の幅よりも大きく形成することが好ましい。
【0024】
半導体装置の製造方法は、工程(e)よりも後に、複数の接続拡散層及び複数のワード線を含む半導体領域の上に層間絶縁膜を形成する工程(g)と、層間絶縁膜に、各接続拡散層と電気的に接続されるビット線コンタクトを形成する工程(h)とをさらに備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、ビット線拡散層と接続拡散層との互いの接続部を熱拡散によらずに拡大できるため、メモリセルの微細化を容易に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1(a)〜図1(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置であって、図1(a)は要部の部分的な平面構成を示し、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線における断面構成を示し、図1(c)は図1(a)のIc−Ic線における断面構成を示している。
【0028】
図1(a)〜図1(c)に示すように、第1の実施形態に係る半導体装置は、例えばシリコン(Si)からなる半導体基板1の主面上に、電荷を蓄積する絶縁膜を含む構成、例えばシリコン窒化膜をシリコン酸化膜の間に挟んだ構成を持ついわゆるONO膜であるゲート絶縁膜10が全面的に形成されている。
【0029】
ゲート絶縁膜10には、例えば行方向に延びる複数の開口部10aが形成されており、半導体基板1の上部における各開口部10aからの露出領域には、ビット線拡散層2がそれぞれ形成されている。また、各ビット線拡散層2の上には、例えば熱酸化法による酸化シリコンからなるビット線絶縁膜3が形成されている。
【0030】
ゲート絶縁膜10及び各ビット線拡散層2の上には、多結晶シリコン又はアモルファスシリコンからなる複数のワード線4が、それぞれ各ビット線拡散層2及該ビット線拡散層2同士の間に形成されたゲート絶縁膜10と交差するように列方向に形成されている。ここで、各ゲート絶縁膜10における各ワード線4との重なり部分が電荷の蓄積部(メモリセル)となる。また、ゲート絶縁膜10を挟んで対向する各ビット線拡散層2がソース又はドレインとして機能する。また、図1(b)に示すように、各ワード線4の両側面上には酸化シリコンからなる側壁絶縁膜5が形成されている。
【0031】
各ビット線絶縁膜3の一方の端部は、ワード線4の外側の側壁絶縁膜5の近傍部分までが除去されている。この各ビット線拡散層2の露出領域を含むように、各接続拡散層6が行方向にそれぞれ形成されており、各ビット線拡散層2の露出領域を含む各接続拡散層6のワード線4側の端部は、各ビット線拡散層2に対して接続部6aを形成する。
【0032】
このように、接続拡散層6におけるビット線拡散層2との接続部(重畳接続部)6aは、ビット線拡散層2を熱拡散した領域でのみ接続部6aを形成する従来の半導体装置と比べて大きくなる。これにより、ビット線拡散層2を熱拡散により大きく拡散させることなく、接続部6aの面積を大きくすることができるため、拡散層抵抗の増大を招かずにメモリセルの微細化を実現することができる。
【0033】
各ビット線拡散層2、接続部6aを含む各接続拡散層6及び各ワード線4の上部は、それぞれチタン(Ti)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)又はコバルト(Co)等によりシリサイド化された金属シリサイド層7が形成されている。
【0034】
第1の実施形態によると、接続拡散層6のビット線拡散層2との接続部6aにおいて、ビット線拡散層2の上側に位置するビット線絶縁膜3が除去されて形成されるため、接続部6aの上面の高さは、接続拡散層6の上面の高さよりも低くなる。従って、金属シリサイド層7が形成された後の状態においても、金属シリサイド層7における接続部6aの上側部分の高さは、金属シリサイド層7における接続拡散層6の上側部分の高さよりも低くなる。
【0035】
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0036】
図2(a)〜図2(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面フローを示している。
【0037】
まず、図示はしていないが、半導体基板1の主面上に全面にわたってONO膜であるゲート絶縁膜を形成する。具体的には、熱酸化法により、半導体基板の主面に厚さが5nm程度の第1のシリコン酸化膜を形成し、続いて、化学的気相堆積(CVD)法により、厚さが15nm程度のシリコン窒化膜を形成し、続いて、熱酸化法により、厚さが10nm程度の第2のシリコン酸化膜を形成する。これにより、第1のシリコン酸化膜、シリコン窒化膜及び第2のシリコン酸化膜、すなわちONO構造を有するゲート絶縁膜を形成する。
【0038】
次に、図2(a)に示すように、半導体基板1の所定の領域に行方向に延び、拡散深さが50nm程度(注入直後)の複数のビット線拡散層2と、各ビット線拡散層2の上にビット線絶縁膜3をそれぞれ形成する。具体的には、リソグラフィ法により、ゲート絶縁膜の上にビット線拡散層2の形成パターンを開口部に持つレジストパターンを形成する。続いて、形成したレジストパターンをマスクとしてゲート絶縁膜をエッチングして除去することにより、ゲート絶縁膜から半導体基板1が露出するビット線拡散層2の形成用の開口パターンを形成する。続いて、ビット線拡散層2の開口パターンを持つレジストパターンをマスクとして、半導体基板1に対して、n型不純物、例えばヒ素(As)又は燐(P)イオンを加速エネルギーが30keV程度でドーズ量が2.5×1015/cm2 程度の注入条件でイオン注入して、半導体基板1の上部に複数のビット線拡散層2を形成する。続いて、レジストパターンを除去した後、熱酸化法により、形成された各ビット線拡散層2の上部にそれぞれ厚さが50nm程度のビット線絶縁膜3を形成する。ここで、ビット線絶縁膜3を形成する際の熱処理により、各ビット線拡散層2の端部が熱拡散するため、各ビット線拡散層2はビット線絶縁膜3の端部の外側にも多少広がる。続いて、CVD法により、半導体基板1におけるゲート絶縁膜及び各ビット線絶縁膜3の上に厚さが200nm程度でn型不純物がドープされた多結晶シリコン膜を堆積する、その後、堆積した多結晶シリコン膜に対して、各ビット線拡散層2と交差する列方向にパターニングして、複数のワード線4を形成する。
【0039】
次に、図2(b)に示すように、CVD法により、各ワード線4を覆うように全面にわたってシリコン酸化膜を堆積し、堆積したシリコン酸化膜を異方性ドライエッチングによりエッチバックすることにより、各ワード線4の両側面上に酸化シリコンよりなる側壁絶縁膜5を形成する。続いて、各ビット線絶縁膜3における一方の端部と該端部と隣接するワード線4との間の領域であって、各ビット線拡散層2の端部を含む領域を選択的にエッチングして除去することにより、各ビット線拡散層2の一方の端部をそれぞれ露出する露出領域2aを形成する。なお、各ビット線拡散層2に露出領域2aを形成する工程は、側壁絶縁膜5を形成する際のエッチバック工程と同時に行なってもよい。但し、この場合には、各ワード線4同士の間は側壁絶縁膜5によって埋め込まれた状態とすることが好ましい。
【0040】
次に、図2(c)に示すように、半導体基板1における行方向であって、各ビット線拡散層2の露出領域2aの外側に延びる方向に、例えば周辺回路等の他の回路と電気的な接続を取るための接続拡散層6を選択的に形成する。このときのイオン注入条件は、例えばヒ素(As)又は燐(P)イオンを用い、加速エネルギーが40keV程度でドーズ量が2.5×1015/cm2 程度である。
【0041】
これにより、各ビット線拡散層2と接続拡散層6との間には、ビット線拡散層2が熱拡散した拡散領域でのみ接続部6aを形成する従来例と比べて、ビット線絶縁膜3の端部を除去することにより大きく広がった接続部6aが形成される。この面積が大きいすなわち拡散層抵抗が小さい接続部6aを介して、ビット線拡散層2と接続拡散層6とが電気的に接続される。
【0042】
次に、図2(d)に示すように、各ワード線4及び接続部6aを含む接続拡散層6の上に、真空蒸着法等によりそれぞれチタン(Ti)等からなる金属膜を堆積し、堆積した金属膜に加熱処理を施すことにより、金属シリサイド層7を形成する。ここで、接続部6aはビット線絶縁膜3の端部を除去して形成されるため、接続部6aの上面の高さは接続拡散層6の上面の高さよりも低い。これは、ビット線絶縁膜3を形成する際の熱酸化工程において、図1(c)に示すように、半導体基板1の上部にも酸化が進行するため、ビット線拡散層2とビット線絶縁膜3との界面が半導体基板1の主面よりも低くなることによる。従って、シリサイド化された後においても、金属シリサイド層7における接続部6aの上側部分の高さは、金属シリサイド層7における接続拡散層6の上側部分の高さよりも低くなる。
【0043】
なお、第1の実施形態においては、金属シリサイド層7を各ワード線4及び接続部6aを含む接続拡散層6の上に形成したが、これら各ワード線4、各接続部6a及び各接続拡散層6のうちの少なくとも1つ又はこれらのうちの一部の領域にのみ金属シリサイド層7を形成しても構わない。また、金属シリサイド層7は必ずしも設ける必要はない。
【0044】
以上説明したように、第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法によると、各ビット線拡散層2における接続拡散層6側の端部において、ビット線拡散層2の上に設けたビット線絶縁膜3を除去して露出領域2aを形成し、形成した露出領域2aを含むように接続拡散層6を形成する。このため、ビット線拡散層2と接続拡散層6との接続部6aの平面積を熱拡散によらずに拡大することができるので、メモリセルの微細化を容易に実現することができる。
【0045】
(第1の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第1変形例について図面を参照しながら説明する。
【0046】
図3は本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の行方向の断面構成を示している。図3において、図1と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0047】
図3に示すように、第1変形例に係る半導体装置は、接続拡散層6Aの拡散深さがビット線拡散層2の拡散深さよりも深くなるように形成されている。
【0048】
これにより、接続部6aの上面と接続拡散層6Aの端部との距離が大きくなるため、該接続部6aの上面と接続拡散層6Aの端部との間におけるリーク電流の発生が抑制されるので、半導体装置の動作をより安定化することが可能となる。
【0049】
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0050】
図4(a)〜図4(c)は本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面フローを示している。
【0051】
まず、図4(a)に示すように、第1の実施形態と同様に、CVD法により堆積したシリコン酸化膜を異方性ドライエッチングによりエッチバックすることにより、各ワード線4の両側面上に側壁絶縁膜5を形成する。続いて、各ビット線絶縁膜3における一方の端部と該端部と隣接するワード線4との間の領域であって、各ビット線拡散層2の端部を含む領域を選択的にエッチングして除去することにより、各ビット線拡散層2の一方の端部をそれぞれ露出する露出領域2aを形成する。なお、本変形例においても、各ビット線拡散層2に露出領域2aを形成する工程を側壁絶縁膜5を形成する際のエッチバック工程と同時に行なってもよい。但し、この場合には、各ワード線4同士の間は側壁絶縁膜5によって埋め込まれた状態とすることが好ましい。
【0052】
次に、図4(b)に示すように、半導体基板1における行方向であって、各ビット線拡散層2の露出領域2aの外側に延びる方向に、例えば周辺回路等と電気的な接続を取るための接続拡散層6Aを選択的に形成する。このときのイオン注入条件は、例えばヒ素(As)又は燐(P)イオンを用い、加速エネルギーを50keV程度とし、ドーズ量を2.5×1015/cm2 程度とすることにより、接続拡散層6Aの拡散深さをビット線拡散層2の拡散深さよりも深くする。これにより、各ビット線拡散層2と接続拡散層6Aとの間に、ビット線拡散層2が熱拡散した拡散領域でのみ接続部6aを形成する従来例と比べて、ビット線絶縁膜3の端部を除去することにより大きく広がった接続部6aが形成される。この面積が大きいすなわち拡散層抵抗が小さい接続部6aを介して、ビット線拡散層2と接続拡散層6Aとが電気的に接続される。
【0053】
次に、図4(c)に示すように、各ワード線4及び接続部6aを含む接続拡散層6Aの上にそれぞれ金属シリサイド層7を形成する。ここでは、第1の実施形態と同様に、金属シリサイド層7における接続部6aの上側部分の高さは、金属シリサイド層7における接続拡散層6Aの上側部分の高さよりも低くなる。
【0054】
なお、ここでも、金属シリサイド層7は、各ワード線4、各接続部6a及び各接続拡散層6Aのうちの少なくとも1つ又はこれらのうちの一部の領域にのみ形成しても構わない。また、金属シリサイド層7は設けなくても構わない。
【0055】
以上説明したように、第1の実施形態の第1変形例によると、第1の実施形態と同様に、接続部6aの拡散層抵抗を増大することなく、各メモリセルの微細化を実現できる。
【0056】
その上、第1変形例においては、接続拡散層6Aの拡散深さをビット線拡散層2の拡散深さよりも深くなるように形成しているため、前述したように、接続部6aの上面と接続拡散層6Aの端部との距離を大きくすることができる。このため、接続部6aの上面と接続拡散層6Aの端部との間に生じるリーク電流を抑制できるので、半導体装置の動作の安定化を図ることができる。
【0057】
また、このリーク電流を抑制できるという効果については、接続部6aの上部に金属シリサイド層7が形成されている場合には、形成された金属シリサイド層7の応力等に起因して半導体基板1との間でリーク電流が生じ易くなるため、特に効果が大きくなる。
【0058】
なお、接続拡散層6Aの拡散深さは、ビット線拡散層2の拡散深さの1.1倍から2倍程度が好ましい。
【0059】
(第1の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第2変形例について図面を参照しながら説明する。
【0060】
図5は本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の行方向の断面構成を示している。図5において、図1及び図3と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0061】
図5に示すように、第2変形例に係る半導体装置は、第1変形例と同様に、拡散深さがビット線拡散層2よりも深い接続拡散層6Aを有すると共に、さらに接続拡散層6Aと電気的な接続を取るコンタクト9を有している。
【0062】
具体的には、半導体基板1上に、金属シリサイド層7、ビット線絶縁膜3及び側壁絶縁膜5を含む全体に例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜8が形成され、該層間絶縁膜8における接続拡散層6Aの上には、金属シリサイド層7と接続されるタングステンからなるコンタクト(ビット線コンタクト)9が形成されている。コンタクト9は層間絶縁膜8上の配線(図示せず)と電気的に接続される。
【0063】
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0064】
図6(a)及び図6(b)は本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面フローを示している。
【0065】
まず、図6(a)に示すように、第1変形例と同様の注入条件で、半導体基板1における行方向であって、各ビット線拡散層2の露出領域2aの外側に延びる方向に、例えば周辺回路等と電気的な接続を取るための接続拡散層6Aを選択的に形成する。
【0066】
次に、図6(b)に示すように、各ワード線4及び接続部6aを含む接続拡散層6Aの上にそれぞれ金属シリサイド層7を形成する。従って、ここでは、第1の実施形態及びその第1変形例と同様に、金属シリサイド層7における接続部6aの上側部分の高さは、金属シリサイド層7における接続拡散層6Aの上側部分の高さよりも低くなる。
【0067】
なお、第2変形例においても、金属シリサイド層7は、各ワード線4、各接続部6a及び各接続拡散層6Aのうちの少なくとも1つ又はこれらのうちの一部の領域にのみ形成しても構わない。また、金属シリサイド層7を設けなくても構わない。
【0068】
続いて、金属シリサイド層7を形成した後に、例えばCVD法により、各ワード線4及び接続部6aを含む接続拡散層6Aの上に全面にわたって、酸化シリコンからなる層間絶縁膜8を形成する。その後、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、層間絶縁膜8に対して接続拡散層6Aの上の金属シリサイド層7を露出するコンタクトホールを形成する。続いて、CVD法又はスパッタ法により、層間絶縁膜8の上にタングステン等の金属膜をコンタクトホールに充填されるように堆積する。その後、例えば化学機械研磨(CMP)法により、層間絶縁膜8上に堆積した金属膜を除去することにより、層間絶縁膜8のコンタクトホールに形成されたコンタクト9を得る。
【0069】
以上説明したように、第1の実施形態の第2変形例によると、第1の実施形態及びその第1変形例と同様の効果を得られる上に、ビット線拡散層2は、接続拡散層6A及びビット線コンタクトとして機能するコンタクト9を介して上層の配線層(図示せず)と電気的に接続することが可能となる。
【0070】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0071】
図7は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の行方向の断面構成を示している。図7において、図1及び図5と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0072】
図7に示すように、第2の実施形態においては、列方向に延びる複数のワード線4のうち接続拡散層6Aの接続部6aに隣接するワード線を半導体装置の動作に寄与しないダミーワード線40としている。
【0073】
このように、各接続拡散層6Aの接続部6aに隣接するワード線4をダミーワード線40として構成しているため、接続部6aがビット線拡散層2に沿ってその端部からセルアレイの内側にまで拡散してメモリセルにまで到達し、該メモリセルの特性変動を引き起こすことを防止することが可能となる。
【0074】
なお、第2の実施形態においては、金属シリサイド層7は、ワード線4、ダミーワード線40、接続部6aを含む接続拡散層6Aの各上部に形成されているが、ダミーワード線40には、金属シリサイド層7を設けなくても構わない。
【0075】
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0076】
図8(a)〜図8(d)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面フローを示している。
【0077】
まず、図8(a)に示すように、第1の実施形態と同様に、半導体基板1の主面の全面にONO膜であるゲート絶縁膜を形成し、形成したゲート絶縁膜に行方向に延びるビット線拡散層2の形成用の開口パターンを選択的に形成する。その後、半導体基板1の主面の上部に複数のビット線拡散層2をイオン注入法により形成する。続いて、各ビット線拡散層2の上に、熱酸化法によりビット線絶縁膜3をそれぞれ形成する。続いて、ビット線絶縁膜3及びゲート絶縁膜の上に各ビット線拡散層2と交差するように列方向に延びる複数のワード線4及び1本のダミーワード線40を選択的に形成する。ここで、ダミーワード線40は、ビット線拡散層2における接続拡散層6Aを形成する側の端部に配置する。
【0078】
なお、ビット線絶縁膜3を形成する際の熱処理により、各ビット線絶縁膜3の端部はビット線拡散層2が熱拡散して、ビット線絶縁膜3の端部の外側にまで多少は広がる。
【0079】
次に、図8(b)に示すように、第1の実施形態と同様に、CVD法により堆積したシリコン酸化膜を異方性ドライエッチングによりエッチバックすることにより、各ワード線4及びダミーワード線40の両側面上に側壁絶縁膜5を形成する。続いて、各ビット線絶縁膜3における一方の端部と該端部と隣接するダミーワード線40との間の領域であって、各ビット線拡散層2の端部を含む領域を選択的にエッチングして除去することにより、各ビット線拡散層2の一方の端部をそれぞれ露出する露出領域2aを形成する。なお、本実施形態においても、各ビット線拡散層2に露出領域2aを形成する工程を側壁絶縁膜5を形成する際のエッチバック工程と同時に行なってもよい。但し、この場合には、ダミーワード線40を含め各ワード線4同士の間は側壁絶縁膜5によって埋め込まれた状態とすることが好ましい。
【0080】
次に、図8(c)に示すように、第1の実施形態の第1変形例と同様に、半導体基板1における行方向であって、各ビット線拡散層2の露出領域2aの外側に延びる方向に、例えば周辺回路等と電気的な接続を取るための接続拡散層6Aを選択的に形成する。これにより、各ビット線拡散層2と接続拡散層6Aとの間に、ビット線絶縁膜3の端部を除去することにより面積が大きくなった接続部6aが形成される。この面積が大きいすなわち拡散層抵抗が小さい接続部6aを介して、ビット線拡散層2と接続拡散層6Aとが電気的に接続される。
【0081】
次に、図8(d)に示すように、各ワード線4及び接続部6aを含む接続拡散層6Aの上にそれぞれ金属シリサイド層7を形成する。従って、ここでは、第1の実施形態と同様に、金属シリサイド層7における接続部6aの上側部分の高さは、金属シリサイド層7における接続拡散層6Aの上側部分の高さよりも低くなる。これは、第1の実施形態で説明したように、ビット線絶縁膜3を形成する際の熱酸化工程において、半導体基板1の上部にも酸化が進行するため、ビット線拡散層2とビット線絶縁膜3との界面が半導体基板1の主面よりも低くなることによる。
【0082】
なお、第2の実施形態においても、金属シリサイド層7は、各ワード線4、ダミーワード線40、各接続部6a及び各接続拡散層6Aのうちの少なくとも1つ又はこれらのうちの一部の領域にのみ形成しても構わない。また、金属シリサイド層7は必ずしも設けなくてもよく、特にダミーワード線40には設けなくてもよい。
【0083】
続いて、金属シリサイド層7を形成した後に、例えばCVD法により、各ワード線4及び接続部6aを含む接続拡散層6Aの上に全面にわたって、酸化シリコンからなる層間絶縁膜8を形成する。その後、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、層間絶縁膜8に対して接続拡散層6Aの上の金属シリサイド層7を露出するコンタクトホールを形成する。続いて、CVD法又はスパッタ法により、層間絶縁膜8の上にタングステン等の金属膜をコンタクトホールに充填されるように堆積する。その後、例えばCMP法により、層間絶縁膜8上に堆積した金属膜を除去することにより、層間絶縁膜8のコンタクトホールに形成されたコンタクト9を得る。
【0084】
以上説明したように、第2の実施形態によると、第1の実施形態と同様に、各ビット線拡散層2における接続拡散層6Aが形成される側の端部において、ビット線拡散層2の上に設けたビット線絶縁膜3を除去して露出領域2aを形成し、形成した露出領域2aを含むように接続拡散層6Aを形成する。このため、ビット線拡散層2と接続拡散層6Aとの接続部6aの平面積を熱拡散によらずに拡大することができるので、メモリセルの微細化を容易に実現することができる。
【0085】
その上、第2の実施形態においては、第1の実施形態、その各変形例と同様の効果を得られる上に、接続拡散層6Aの接続部6aと隣接するワード線をダミーワード線40としている。このダミーワード線40を設けない場合には、接続拡散層6Aを形成する際のイオン注入用のマスクがセルアレイの内側にずれて合わせられると、接続部6aがイオン注入後の熱処理によって拡散し、ワード線4の下側に入り込んで特性変動を引き起こすおそれがある。
【0086】
しかしながら、第2の実施形態においては、複数のワード線4のうち接続部6aに隣接する位置にダミーワード線40を配置することにより、接続拡散層6Aを形成する際の注入イオンが半導体基板1におけるダミーワード線40の下側の領域に留まるため、メモリセルの特性変動を引き起こすことがない。
【0087】
(第2の実施形態の一変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の一変形例について図面を参照しながら説明する。
【0088】
図9は本発明の第2の実施形態の一変形例に係る半導体装置の行方向の断面構成を示している。図9において、図7と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0089】
図9に示すように、本変形例に係る半導体装置は、列方向に延びる複数のワード線4のうち接続拡散層6Aの接続部6aと隣接するワード線をダミーワード線40Aとし、さらに該ダミーワード線40Aの幅寸法をワード線4よりも大きくしている。
【0090】
なお、ダミーワード線40Aの幅は、ワード線4の幅の1.5倍から3倍程度が好ましい。
【0091】
このように、ダミーワード線40Aの幅寸法はワード線4よりも大きいため、接続拡散層6Aを形成する際のイオン注入用のマスクがセルアレイの内側にずれたとしても、注入イオンが接続部6aからセルアレイの内側により拡散しにくくなる。その結果、その後の熱拡散によっても、メモリセルに特性変動が生じることがない。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法は、ビット線拡散層と接続拡散層との互いの接続部が熱拡散によらずに拡大されるため、メモリセルの微細化を容易に実現することができ、特に拡散層をビット線とし、該ビット線と他の拡散層(接続拡散層)とが重なって電気的に接続される接続部を有する半導体装置及びその製造方法等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は部分的な平面図であり、(b)は(a)のIb−Ib線における断面図であり、(c)は(a)のIc−Ic線における断面図である。
【図2】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面フロー図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
【図4】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面フロー図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面フロー図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【図8】(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面フロー図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の一変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
【図10】(a)〜(c)は従来の半導体装置の製造方法を示す工程順の断面フロー図である。
【符号の説明】
【0094】
1 半導体基板(半導体領域)
2 ビット線拡散層
2a 露出領域
3 ビット線絶縁膜
4 ワード線
5 側壁絶縁膜
6 接続拡散層
6a 接続部(重畳接続部)
6A 接続拡散層
7 金属シリサイド層
8 層間絶縁膜
9 (ビット線)コンタクト
10 ゲート絶縁膜
10a 開口部
40 ダミーワード線
40A ダミーワード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体領域の上部に形成され、それぞれ行方向に延びる複数のビット線拡散層と、前記各ビット線拡散層の上にそれぞれ形成された複数のビット線絶縁膜と、前記半導体領域上における互いに隣接する前記各ビット線拡散層同士の間に形成された複数のゲート絶縁膜と、前記半導体領域の上にそれぞれ列方向に形成され且つ前記各ビット線絶縁膜及び各ゲート絶縁膜と交差する複数のワード線とを備え、前記各ゲート絶縁膜と前記各ワード線との交差部にメモリセルが形成される半導体装置であって、
前記半導体領域の上部には、前記各ビット線拡散層とそれぞれ電気的に接続された接続部を有する複数の接続拡散層が形成されており、
前記半導体領域における前記各接続部の上面は、前記各接続拡散層の上面よりも低いことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記各接続部は、前記各接続拡散層の端部と前記各ビット線拡散層の端部とが互いに重なることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記各接続拡散層の少なくとも一部及び前記各接続部の少なくとも一部には金属シリサイド層が形成されており、
前記金属シリサイド層における前記各接続部の上側の面は、前記各接続拡散層の上側の面よりも低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記接続拡散層の拡散深さは、前記ビット線拡散層の拡散深さよりも深いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記複数のワード線のうち前記各接続部と隣接するワード線は、動作に寄与しないダミーワード線であり、
前記各接続部は、前記半導体領域における前記ダミーワード線の下方の一部にまで延在していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ダミーワード線の幅は前記各ワード線の幅よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記接続拡散層の上に形成されたビット線コンタクトをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
半導体領域の上部に形成され、それぞれ行方向に延びる複数のビット線拡散層と、前記各ビット線拡散層の上にそれぞれ形成された複数のビット線絶縁膜と、前記半導体領域上における互いに隣接する前記各ビット線拡散層同士の間に形成された複数のゲート絶縁膜と、前記半導体領域の上にそれぞれ列方向に形成され且つ前記各ビット線絶縁膜及び各ゲート絶縁膜と交差する複数のワード線とを備え、前記各ゲート絶縁膜と前記各ワード線との交差部にメモリセルが形成される半導体装置の製造方法であって、
前記半導体領域の上部に、それぞれ行方向に延びる前記複数のビット線拡散層を形成する工程(a)と、
前記複数のビット線拡散層の上にそれぞれビット線絶縁膜を形成する工程(b)と、
前記半導体領域の上に、前記各ビット線拡散層及び各ビット線絶縁膜と交差するように列方向に延びる複数のワード線を形成する工程(c)と、
前記各ビット線絶縁膜における一方の端部と該端部と隣接する各ワード線との間の領域であって少なくとも前記各ビット線拡散層の端部を含む領域を除去することにより、前記各ビット線拡散層の一方の端部をそれぞれ露出する露出領域を形成する工程(d)と、
前記半導体領域に行方向に延びる複数の拡散層を選択的に形成することにより、前記各露出領域を含む領域に接続部を形成すると共に、該接続部により前記各ビット線拡散層と電気的に接続される接続拡散層を形成する工程(e)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記半導体領域はシリコンからなり、
前記工程(e)よりも後に、前記接続部の少なくとも一部に、前記接続部を金属によりシリサイド化した金属シリサイド層を形成する工程(f)をさらに備えていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記工程(e)において、前記接続拡散層は、その拡散深さを前記ビット線拡散層の拡散深さよりも深くなるように形成することを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記工程(c)において、前記複数のワード線のうち前記各接続部が形成される領域と隣接するワード線を動作に寄与しないダミーワード線として形成し、
前記工程(e)において、前記各接続拡散層を、前記各接続部が前記ダミーワード線の下方の一部にまで延在するように形成することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記工程(c)において、前記ダミーワード線の幅を前記各ワード線の幅よりも大きく形成することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記工程(e)よりも後に、前記複数の接続拡散層及び複数のワード線を含む前記半導体領域の上に層間絶縁膜を形成する工程(g)と、
前記層間絶縁膜に、前記各接続拡散層と電気的に接続されるビット線コンタクトを形成する工程(h)とをさらに備えていることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−324638(P2006−324638A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65189(P2006−65189)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】