説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】p型MISトランジスタを有する半導体装置において、p型のエクステンション拡散層の浅接合化を進めた場合でも、p型のエクステンション拡散層が高抵抗化されることを抑制する。
【解決手段】半導体装置は、半導体基板1に形成されたp型MISトランジスタpTrを備えた半導体装置である。p型MISトランジスタpTrは、第1の活性領域1a上に形成された第1のゲート絶縁膜2aと、第1のゲート絶縁膜2a上に形成された第1のゲート電極3aと、第1の活性領域1aにおける第1のゲート電極3aの側方下の領域に形成されたp型のエクステンション拡散層5aと、第1のゲート電極3aの側面上に形成された第1のサイドウォールスペーサ11Aとを備えている。第1のサイドウォールスペーサ11Aは、負の電荷が帯電した帯電サイドウォール6aと、帯電サイドウォール6aの上に形成された第1のサイドウォール10Aとを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、pチャネルMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路の高集積化に伴い、スケーリング則に従ったエクステンション(Extension)拡散層の浅接合化が益々求められている。
【0003】
以下に、従来の半導体装置の構成について、図8を参照しながら説明する(例えば特許文献1参照)。図8は、従来の半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。図8において、左側に示す「pMIS領域」とは、pチャネルMISFET(以下、「p型MISトランジスタ」と称す)が形成される領域を示し、右側に示す「nMIS領域」とは、nチャネルMISFET(以下、「n型MISトランジスタ」と称す)が形成される領域を示している。
【0004】
図8に示すように、半導体基板101におけるpMIS領域に、p型MISトランジスタpTrが設けられている。半導体基板101におけるnMIS領域に、n型MISトランジスタnTrが設けられている。
【0005】
p型MISトランジスタpTrは、図8に示すように、半導体基板101における素子分離領域(図示せず)に囲まれた第1の活性領域101a上に形成された第1のゲート絶縁膜102aと、第1のゲート絶縁膜102a上に形成された第1のゲート電極103aと、第1の活性領域101aにおける第1のゲート電極103aの側方下の領域に形成されたp型のエクステンション拡散層105aと、第1のゲート電極103aの側面上に形成された第1のサイドウォールスペーサ111aと、第1の活性領域101aにおける第1のサイドウォールスペーサ111aの外側方下の領域に形成されたp型のソースドレイン拡散層112aとを備えている。
【0006】
n型MISトランジスタnTrは、図8に示すように、半導体基板101における素子分離領域(図示せず)に囲まれた第2の活性領域101b上に形成された第2のゲート絶縁膜102bと、第2のゲート絶縁膜102b上に形成された第2のゲート電極103bと、第2の活性領域101bにおける第2のゲート電極103bの側方下の領域に形成されたn型のエクステンション拡散層105bと、第2のゲート電極103bの側面上に形成された第2のサイドウォールスペーサ111bと、第2の活性領域101bにおける第2のサイドウォールスペーサ111bの外側方下の領域に形成されたn型のソースドレイン拡散層112bとを備えている。
【0007】
図8に示すように、第1のサイドウォールスペーサ111aと、第2のサイドウォールスペーサ111bとは、同一の構造である。
【0008】
スケーリング則に従って、第1のゲート電極103aのゲート長Lg(図8参照)を短小化させた場合、ゲート長Lgの短小化に伴い、p型のエクステンション拡散層105aの深さXj(図8参照)を浅接合化させる必要がある。これにより、ゲート長Lgの変動によるp型MISトランジスタpTrの閾値電圧Vthの変動を抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−115196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、p型のエクステンション拡散層の浅接合化により、それ自身が高抵抗化されるため、p型MISトランジスタのオン電流が低減するという問題がある。特に、p型のエクステンション拡散層の抵抗は、n型のエクステンション拡散層の抵抗よりも高く、p型のエクステンション拡散層の抵抗は比較的高い。そのため、p型のエクステンション拡散層の浅接合化により、それ自身が高抵抗化されると、p型MISトランジスタのオン電流が顕著に低減することが予想される。
【0011】
前記に鑑み、本発明の目的は、p型MISトランジスタを有する半導体装置において、p型のエクステンション拡散層の浅接合化を進めた場合でも、p型のエクステンション拡散層が高抵抗化されることを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するため、本発明に係る半導体装置は、半導体基板に形成されたp型MISトランジスタを備えた半導体装置であって、p型MISトランジスタは、半導体基板における第1の活性領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜上に形成された第1のゲート電極と、第1の活性領域における第1のゲート電極の側方下の領域に形成されたp型のエクステンション拡散層と、第1のゲート電極の側面上に形成された第1のサイドウォールスペーサとを備え、第1のサイドウォールスペーサは、負の電荷が帯電した帯電サイドウォールと、帯電サイドウォールの上に形成された第1のサイドウォールとを有していることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る半導体装置によると、負の電荷が帯電した帯電サイドウォールにより、p型のエクステンション拡散層における帯電サイドウォールと接する部分(即ち、p型のエクステンション拡散層の表面)に、正の電荷が静電誘導される。これにより、p型のエクステンション拡散層の正の電荷密度を高くすることができるため、p型のエクステンション拡散層の抵抗を低くすることができる。そのため、p型のエクステンション拡散層の浅接合化を進めた場合でも、p型のエクステンション拡散層が高抵抗化されることを抑制することができるので、p型MISトランジスタのオン電流が低減することを抑制することができる。
【0014】
本発明に係る半導体装置において、p型のエクステンション拡散層の表面には、正の電荷が静電誘導されていることが好ましい。
【0015】
本発明に係る半導体装置において、帯電サイドウォールは、断面形状がL字状のHf系絶縁膜からなることが好ましい。
【0016】
このようにすると、Hf系絶縁膜は、酸化雰囲気に晒されると、自身に負の電荷が帯電するという特性を持つため、酸化雰囲気に晒された帯電サイドウォールに負の電荷を帯電させることができる。
【0017】
本発明に係る半導体装置において、第1のサイドウォールにおける帯電サイドウォールと接する部分は、シリコン酸化膜からなることが好ましく、例えば、第1のサイドウォールは、帯電サイドウォール上に形成された断面形状がL字状の第1の内側サイドウォールと、第1の内側サイドウォール上に形成された第1の外側サイドウォールとを有し、第1の内側サイドウォールは、シリコン酸化膜からなり、第1の外側サイドウォールは、シリコン窒化膜からなることが好ましい。
【0018】
このようにすると、第1の内側サイドウォールの形成時に、酸化雰囲気に晒された帯電サイドウォールに負の電荷を帯電させることができる。
【0019】
本発明に係る半導体装置において、半導体装置は、半導体基板に形成されたn型MISトランジスタをさらに備え、n型MISトランジスタは、半導体基板における第2の活性領域上に形成された第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜上に形成された第2のゲート電極と、第2の活性領域における第2のゲート電極の側方下の領域に形成されたn型のエクステンション拡散層と、第2のゲート電極の側面上に形成された第2のサイドウォールスペーサとを備え、第2のサイドウォールスペーサは、第2のサイドウォールを有し、帯電サイドウォールを有していないことが好ましい。
【0020】
このようにすると、第2のサイドウォールスペーサは、帯電サイドウォールを有さないため、n型のエクステンション拡散層が、負の電荷が帯電した帯電サイドウォールと接することがない。そのため、n型のエクステンション拡散層の表面に、正の電荷が静電誘導されることはない。そのため、n型のエクステンション拡散層に含まれるn型不純物と正の電荷とが中和し合うことで、n型のエクステンション拡散層の抵抗が高くなることはない。
【0021】
本発明に係る半導体装置において、第2のサイドウォールスペーサは、第2のゲート電極と第2のサイドウォールとの間に形成された負の電荷が帯電していない非帯電サイドウォールを有し、非帯電サイドウォールは、断面形状がL字状の帯電サイドウォールと同一の材料からなり、第2のサイドウォールは、シリコン窒化膜からなることが好ましい。
【0022】
このようにすると、第2のサイドウォールの形成時に、非帯電サイドウォールが酸化雰囲気に晒されることを防止することができる。
【0023】
前記の目的を達成するため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板に形成されたp型MISトランジスタと、半導体基板に形成されたn型MISトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法であって、半導体基板における第1の活性領域上に、第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極を順次形成すると共に、半導体基板における第2の活性領域上に、第2のゲート絶縁膜及び第2のゲート電極を順次形成する工程(a)と、第1の活性領域における第1のゲート電極の側方下の領域にp型のエクステンション拡散層を形成する一方、第2の活性領域における第2のゲート電極の側方下の領域にn型のエクステンション拡散層を形成する工程(b)と、工程(b)の後に、第1のゲート電極を覆う絶縁膜を形成する工程(c)と、絶縁膜に負の電荷を帯電させて、負の電荷が帯電した帯電絶縁膜を形成した後、半導体基板上の全面に、サイドウォール用絶縁膜を形成する工程(d)と、サイドウォール用絶縁膜及び帯電絶縁膜に対してエッチングを行うことにより、第1のゲート電極の側面上に、帯電絶縁膜からなる帯電サイドウォール及びサイドウォール用絶縁膜からなる第1のサイドウォールを有する第1のサイドウォールスペーサを形成すると共に、第2のゲート電極の側面上に、サイドウォール用絶縁膜からなる第2のサイドウォールを有する第2のサイドウォールスペーサを形成する工程(e)とを備えたことを特徴とする。
【0024】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、負の電荷が帯電した帯電サイドウォールにより、p型のエクステンション拡散層における帯電サイドウォールと接する部分(即ち、p型のエクステンション拡散層の表面)に、正の電荷が静電誘導される。これにより、p型のエクステンション拡散層の正の電荷密度を高くすることができるため、p型のエクステンション拡散層の抵抗を低くすることができる。そのため、p型のエクステンション拡散層の浅接合化を進めた場合でも、p型のエクステンション拡散層が高抵抗化されることを抑制することができるので、p型MISトランジスタのオン電流が低減することを抑制することができる。
【0025】
一方、第2のサイドウォールスペーサは、帯電サイドウォールを有さないため、n型のエクステンション拡散層が、負の電荷が帯電した帯電サイドウォールと接することがない。そのため、n型のエクステンション拡散層の表面に、正の電荷が静電誘導されることはない。そのため、n型のエクステンション拡散層に含まれるn型不純物と正の電荷とが中和し合うことで、n型のエクステンション拡散層の抵抗が高くなることはない。
【0026】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(d)は、酸化雰囲気中、シリコン酸化膜からなるサイドウォール用絶縁膜を形成する工程を含み、工程(d)において、絶縁膜が酸化雰囲気に晒されることにより、絶縁膜に負の電荷が帯電して、帯電絶縁膜が形成されることが好ましく、第1に例えば、工程(d)は、常圧CVD法により、450℃以上であって且つ600℃以下の温度の下、サイドウォール用絶縁膜を形成する工程であることが好ましく、第2に例えば、工程(d)は、減圧CVD法により、600℃以上であって且つ700℃以下の温度の下、サイドウォール用絶縁膜を形成する工程であることが好ましい。
【0027】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(c)は、第2のゲート電極を覆う絶縁膜を形成する工程を含み、工程(d)は、絶縁膜における第2のゲート電極を覆う部分をレジストマスクで覆う工程(d1)と、工程(d1)の後に、酸素プラズマ処理を行う工程(d2)と、工程(d2)の後に、レジストマスクを除去する工程(d3)と、工程(d4)の後に、サイドウォール用絶縁膜を形成する工程(d4)とを含み、工程(d2)において、絶縁膜における第1のゲート電極を覆う部分に負の電荷が帯電して、帯電絶縁膜が形成されることが好ましい。
【0028】
このようにすると、絶縁膜における第2のゲート電極を覆う部分がレジストマスクで覆われた状態で、酸素プラズマ処理を行うことができる。そのため、酸素プラズマの処理時に、絶縁膜における第1のゲート電極を覆う部分に負の電荷を帯電させる一方、絶縁膜における第2のゲート電極を覆う部分に負の電荷が帯電することを防止することができる。
【0029】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、サイドウォール用絶縁膜は、シリコン窒化膜からなることが好ましい。
【0030】
このようにすると、サイドウォール用絶縁膜の形成時に、絶縁膜における第2のゲート電極を覆う部分が、酸化雰囲気に晒されることを防止することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、負の電荷が帯電した帯電サイドウォールにより、p型のエクステンション拡散層における帯電サイドウォールと接する部分(即ち、p型のエクステンション拡散層の表面)に、正の電荷が静電誘導される。これにより、p型のエクステンション拡散層の正の電荷密度を高くすることができるため、p型のエクステンション拡散層の抵抗を低くすることができる。そのため、p型のエクステンション拡散層の浅接合化を進めた場合でも、p型のエクステンション拡散層が高抵抗化されることを抑制することができるので、p型MISトランジスタのオン電流が低減することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a) 〜(c) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図2】(a) 〜(c) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図3】(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。
【図5】(a) 〜(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図6】(a) 〜(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。
【図8】従来の半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図1(a) 〜(c) 、図2(a) 〜(c) 及び図3(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図1(a) 〜図3(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。図1(a) 〜図3(b) 、及び後述の図5(a) 〜図6(b) において、左側に示す「pMIS領域」は、p型MISトランジスタが形成される領域を示し、右側に示す「nMIS領域」は、n型MISトランジスタが形成される領域を示している。
【0035】
まず、図示を省略するが、半導体基板1の上部に、素子分離領域(図示せず)を選択的に形成する。これにより、半導体基板1におけるpMIS領域に、素子分離領域に囲まれた第1の活性領域1aが形成される。それと共に、半導体基板1におけるnMIS領域に、素子分離領域に囲まれた第2の活性領域1bが形成される。
【0036】
次に、半導体基板1上に、ゲート絶縁膜形成膜及びゲート電極形成膜を順次形成する。その後、フォトリソグラフィ法により、ゲート電極形成膜の上に、ゲートパターン形状を有するレジストパターン(図示せず)を形成する。その後、レジストパターンをマスクにして、ゲート電極形成膜及びゲート絶縁膜形成膜を順次パターニングする。その後、レジストパターンを除去する。これにより、図1(a) に示すように、第1の活性領域1a上に、第1のゲート絶縁膜2a及び第1のゲート電極3aを順次形成する。それと共に、第2の活性領域1b上に、第2のゲート絶縁膜2b及び第2のゲート電極3bを順次形成する。このとき、第1,第2のゲート電極3a,3bのゲート長は、例えば32nmである。
【0037】
その後、CVD法により、半導体基板1上の全面に、例えばシリコン窒化膜(SiN膜)又はシリコン酸化膜(SiO2膜)からなるオフセットスペーサ用絶縁膜を堆積する。その後、オフセットスペーサ用絶縁膜に対して異方性エッチングを行う。これにより、図1(a) に示すように、第1のゲート電極3aの側面上に、第1のオフセットスペーサ4aを形成する。それと共に、第2のゲート電極3bの側面上に、第2のオフセットスペーサ4bを形成する。このとき、第1,第2のオフセットスペーサ4a,4bの幅は、例えば3nmである。
【0038】
次に、図1(b) に示すように、イオン注入法により、第1のゲート電極3a及び第1のオフセットスペーサ4aをマスクにして、第1の活性領域1aに、例えばボロンイオン(B+)等のp型不純物イオンを注入する。これにより、第1の活性領域1aにおける第1のゲート電極3aの側方下の領域にp型のエクステンション拡散層5aを自己整合的に形成する。一方、イオン注入法により、第2のゲート電極3b及び第2のオフセットスペーサ4bをマスクにして、第2の活性領域1bに、例えばヒ素イオン(As-)等のn型不純物イオンを注入する。これにより、第2の活性領域1bにおける第2のゲート電極3bの側方下の領域にn型のエクステンション拡散層5bを自己整合的に形成する。このとき、p型,n型のエクステンション拡散層5a,5bの深さは、例えば15nm以下であり、p型,n型のエクステンション拡散層5a,5bが浅接合化されている。
【0039】
次に、図1(c) に示すように、例えばPVD(Physical Vapor Deposition)法又はALD(Atomic Layer Deposition)法により、半導体基板1上の全面に、例えばHf系絶縁膜からなる絶縁膜6を堆積する。
【0040】
次に、図2(a) に示すように、フォトリソグラフィ法により、絶縁膜6上に、pMIS領域を覆いnMIS領域を開口するレジストマスク(図示せず)を形成する。その後、ドライエッチング法により、エッチングガスとして例えばBCl3系ガスを用いて、絶縁膜6におけるレジストマスクの下に形成された部分以外の部分(即ち、絶縁膜6におけるnMIS領域に形成された部分)を除去する。その後、アッシング法により、レジストマスクを除去する。
【0041】
このようにして、第1の活性領域1a上に、第1のゲート電極1aを覆うように、絶縁膜6を形成する。
【0042】
次に、図2(b) に示すように、例えば常圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、例えば450℃以上であって且つ500℃以下の温度の下、半導体基板1上の全面に、例えば膜厚が5nm〜15nmのSiO2膜からなる内側サイドウォール用絶縁膜7を堆積する。
【0043】
このとき、pMIS領域において、絶縁膜6は酸化雰囲気に晒されるため、絶縁膜6に負の電荷8を帯電させて、負の電荷8が帯電した帯電絶縁膜6xを形成することができる。これにより、p型のエクステンション拡散層5aにおける帯電絶縁膜6xと接する部分(即ち、p型のエクステンション拡散層5aの表面)に、正の電荷9が静電誘導される。
【0044】
一方、nMIS領域において、n型のエクステンション拡散層5b上には、絶縁膜6が形成されていないため、n型のエクステンション拡散層5b上に、負の電荷が帯電した帯電絶縁膜が形成されることはない。そのため、n型のエクステンション拡散層5bの表面に、正の電荷が静電誘導されることはない。
【0045】
次に、図2(c) に示すように、例えばCVD法により、内側サイドウォール用絶縁膜7上に、例えばSiN膜からなる外側サイドウォール用絶縁膜10を堆積する。
【0046】
次に、図3(a) に示すように、pMIS領域において、外側サイドウォール用絶縁膜10、内側サイドウォール用絶縁膜7及び帯電絶縁膜6xに対して、異方性ドライエッチングを行う。それと共に、nMIS領域において、外側サイドウォール用絶縁膜10及び内側サイドウォール用絶縁膜7に対して、異方性ドライエッチングを行う。これにより、第1のゲート電極3aの側面上に、断面形状がL字状の負の電荷8が帯電した帯電サイドウォール6aと、第1のサイドウォール10Aとを有する第1のサイドウォールスペーサ11Aを形成する。それと共に、第2のゲート電極3bの側面上に、第2のサイドウォール10Bを有する第2のサイドウォールスペーサ11Bを形成する。第1のサイドウォール10Aは、断面形状がL字状の第1の内側サイドウォール7a及び第1の外側サイドウォール10aを有する。第2のサイドウォール10Bは、断面形状がL字状の第2の内側サイドウォール7b及び第2の外側サイドウォール10bを有する。
【0047】
次に、図3(b) に示すように、イオン注入法により、第1のゲート電極3a及び第1のサイドウォールスペーサ11Aをマスクにして、第1の活性領域1aに、例えばB+等のp型不純物イオンを注入する。これにより、第1の活性領域1aにおける第1のサイドウォールスペーサ11Aの外側方下の領域にp型のソースドレイン拡散層12aを自己整合的に形成する。一方、イオン注入法により、第2のゲート電極3b及び第2のサイドウォールスペーサ11Bをマスクにして、第2の活性領域1bに、例えばAs-等のn型不純物イオンを注入する。これにより、第2の活性領域1bにおける第2のサイドウォールスペーサ11Bの外側方下の領域にn型のソースドレイン拡散層12bを自己整合的に形成する。
【0048】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
【0049】
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。
【0050】
図4に示すように、半導体基板1におけるpMIS領域には、p型MISトランジスタpTrが設けられている。一方、半導体基板1におけるnMIS領域には、n型MISトランジスタnTrが設けられている。
【0051】
p型MISトランジスタpTrは、図4に示すように、第1の活性領域1a上に形成された第1のゲート絶縁膜2aと、第1のゲート絶縁膜2a上に形成された第1のゲート電極3aと、第1のゲート電極3aの側面上に形成された第1のオフセットスペーサ4aと、第1の活性領域1aにおける第1のゲート電極3aの側方下の領域に形成されたp型のエクステンション拡散層5aと、第1のオフセットスペーサ4aの側面上に形成された第1のサイドウォールスペーサ11Aと、第1の活性領域1aにおける第1のサイドウォールスペーサ11Aの外側方下の領域に形成されたp型のソースドレイン拡散層12aとを備えている。
【0052】
第1のサイドウォールスペーサ11Aは、断面形状がL字状のHf系絶縁膜からなり、且つ負の電荷8が帯電した帯電サイドウォール6aと、第1のサイドウォール10Aとを有する。第1のサイドウォール10Aは、断面形状がL字状のSiO2膜からなる第1の内側サイドウォール7aと、SiN膜からなる第1の外側サイドウォール10aとを有する。
【0053】
帯電サイドウォール6aにより、p型のエクステンション拡散層5aにおける帯電サイドウォール6aと接する部分(即ち、p型のエクステンション拡散層5aの表面)には、正の電荷9が静電誘導されている。
【0054】
n型MISトランジスタnTrは、図4に示すように、第2の活性領域1b上に形成された第2のゲート絶縁膜2bと、第2のゲート絶縁膜2b上に形成された第2のゲート電極3bと、第2のゲート電極3bの側面上に形成された第2のオフセットスペーサ4bと、第2の活性領域1bにおける第2のゲート電極3bの側方下の領域に形成されたn型のエクステンション拡散層5bと、第2のオフセットスペーサ4bの側面上に形成された第2のサイドウォールスペーサ11Bと、第2の活性領域1bにおける第2のサイドウォールスペーサ11Bの外側方下の領域に形成されたn型のソースドレイン拡散層12bとを備えている。
【0055】
第2のサイドウォールスペーサ11Bは、第2のサイドウォール10Bを有する。第2のサイドウォール10Bは、断面形状がL字状のSiO2膜からなる第2の内側サイドウォール7bと、SiN膜からなる第2の外側サイドウォール10bとを有する。
【0056】
本実施形態によると、図4に示すように、p型のエクステンション拡散層5aの表面に接して、負の電荷8が帯電した帯電サイドウォール6aが設けられている。そのため、p型のエクステンション拡散層5aにおける帯電サイドウォール6aと接する部分(即ち、p型のエクステンション拡散層5aの表面)には、正の電荷9が静電誘導されている。これにより、p型のエクステンション拡散層5aの正の電荷密度を高くすることができるため、p型のエクステンション拡散層5aの抵抗を低くすることができる。そのため、p型のエクステンション拡散層5aの浅接合化を進めた場合でも、p型のエクステンション拡散層5aが高抵抗化されることを抑制することができるので、p型MISトランジスタpTrのオン電流が低減することを抑制することができる。
【0057】
一方、図4に示すように、n型のエクステンション拡散層5bの表面に接して、第2の内側サイドウォール7bが形成されている。言い換えれば、n型のエクステンション拡散層5bの表面に接して、負の電荷が帯電した帯電サイドウォールが設けられていない。そのため、n型のエクステンション拡散層5bの表面に、正の電荷が静電誘導されることがない。そのため、n型のエクステンション拡散層5bに含まれるn型不純物と正の電荷とが中和し合うことで、n型のエクステンション拡散層5bの抵抗が高くなることはない。
【0058】
なお、本実施形態では、第1,第2のサイドウォール10A,10Bの構成が、シリコン酸化膜からなる第1,第2の内側サイドウォール7a,7bとシリコン窒化膜からなる第1,第2の外側サイドウォール10a,10bとの積層構成の場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1,第2のサイドウォールの構成が、シリコン酸化膜からなる単層構成の場合でもよい。
【0059】
また、本実施形態では、図1(b) に示すように、p型,n型のエクステンション拡散層5a,5bを形成した後、図1(c) に示すように、半導体基板1上の全面にHf系絶縁膜からなる絶縁膜6を形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、p型,n型のエクステンション拡散層を形成した後、半導体基板上に、例えば膜厚が数nmのSiO2膜からなる下地絶縁膜を形成し、その後、半導体基板上の全面にHf系絶縁膜からなる絶縁膜を形成してもよい。このようにすると、絶縁膜は、半導体基板上に下地絶縁膜を介して形成されるため、半導体基板と接することがない。そのため、絶縁膜が半導体基板と接することにより、半導体基板と絶縁膜との界面に界面準位が生じることを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では、図2(a) に示すように、ドライエッチング法により、エッチングガスとして例えばBCl3系ガスを用いて、絶縁膜6におけるnMIS領域に形成された部分を除去する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ウェットエッチング法により、薬液として例えばHF系薬液を用いて、絶縁膜におけるnMIS領域に形成された部分を除去してもよい。この場合、第2のオフセットスペーサは、例えばSiN膜からなることが好ましい。このようにすると、一般に、薬液としてHF系薬液を用いた場合、SiN膜のエッチングレートは、Hf系絶縁膜のエッチングレートに比べて小さいため、絶縁膜におけるnMIS領域に形成された部分が除去された後に、第2のオフセットスペーサが除去されることを防止することができる。
【0061】
また、本実施形態では、図2(b) に示すように、例えば常圧CVD法により、例えば450℃以上であって且つ500℃以下の温度の下、内側サイドウォール用絶縁膜7を堆積する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば減圧CVD法により、例えば600℃以上であって且つ700℃以下の温度の下、内側サイドウォール用絶縁膜を堆積してもよい。
【0062】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図5(a) 〜(b) 及び図6(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図5(a) 〜図6(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の要部工程断面図である。なお、図5(a) 〜図6(b) において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、図1(a) 〜図3(b) に示す符号と同一の符号を付す。従って、本実施形態では、第1の実施形態と同様の説明を適宜省略する。
【0063】
まず、第1の実施形態における図1(a) 〜(c) に示す工程と同様の工程を順次行い、図1(c) に示す構成と同様の構成を得る。
【0064】
次に、図5(a) に示すように、フォトリソグラフィ法により、絶縁膜6上に、pMIS領域を開口しnMIS領域を覆うレジストマスク13を形成する。その後、絶縁膜6におけるnMIS領域に形成された部分がレジストマスク13で覆われた状態で、O2プラズマ処理を行う。ここで、レジストマスク13が完全に除去されて、絶縁膜6におけるnMIS領域に形成された部分が露出されることがないように、O2プラズマ処理の条件を調整する。
【0065】
このとき、pMIS領域において、絶縁膜6は酸化雰囲気に晒されるため、絶縁膜6におけるpMIS領域に形成された部分に負の電荷8を帯電させて、負の電荷8が帯電した帯電絶縁膜6xを形成することができる。これにより、p型のエクステンション拡散層5aの表面に正の電荷9が静電誘導される。
【0066】
一方、nMIS領域において、絶縁膜6はレジストマスク13で覆われているため、絶縁膜6におけるnMIS領域に形成された部分が酸化雰囲気に晒されることを防止することができる。そのため、絶縁膜6におけるnMIS領域に形成された部分に負の電荷が帯電することがない。そのため、n型のエクステンション拡散層5bの表面に正の電荷が静電誘導されることはない。
【0067】
次に、図5(b) に示すように、レジストマスク13を除去する。その後、例えばCVD法により、帯電絶縁膜6x及び絶縁膜6の上に、例えばSiN膜からなるサイドウォール用絶縁膜14を堆積する。
【0068】
これにより、pMIS領域において、帯電絶縁膜6xに帯電させた負の電荷8を逃がすことなく、帯電絶縁膜6xをサイドウォール用絶縁膜14で覆うことができる。
【0069】
一方、nMIS領域において、絶縁膜6を酸化雰囲気に晒すことなく(即ち、絶縁膜6に負の電荷を帯電させることなく)、絶縁膜6をサイドウォール用絶縁膜14で覆うことができる。
【0070】
次に、図6(a) に示すように、pMIS領域において、サイドウォール用絶縁膜14及び帯電絶縁膜6xに対して、異方性ドライエッチングを行う。それと共に、nMIS領域において、サイドウォール用絶縁膜14及び絶縁膜6に対して、異方性ドライエッチングを行う。これにより、第1のゲート電極3aの側面上に、断面形状がL字状の負の電荷8が帯電した帯電サイドウォール6a、及び第1のサイドウォール14aを有する第1のサイドウォールスペーサ15Aを形成する。それと共に、第2のゲート電極3bの側面上に、断面形状がL字状の負の電荷が帯電していない非帯電サイドウォール6b及び第2のサイドウォール14bを有する第2のサイドウォールスペーサ15Bを形成する。
【0071】
次に、図6(b) に示すように、イオン注入法により、第1のゲート電極3a及び第1のサイドウォールスペーサ15Aをマスクにして、第1の活性領域1aに、例えばB+等のp型不純物イオンを注入する。これにより、第1の活性領域1aにおける第1のサイドウォールスペーサ15Aの外側方下の領域にp型のソースドレイン拡散層12aを自己整合的に形成する。一方、イオン注入法により、第2のゲート電極3b及び第2のサイドウォールスペーサ15Bをマスクにして、第2の活性領域1bに、例えばAs-等のn型不純物イオンを注入する。これにより、第2の活性領域1bにおける第2のサイドウォールスペーサ15Bの外側方下の領域にn型のソースドレイン拡散層12bを自己整合的に形成する。
【0072】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
【0073】
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成について、図7を参照しながら説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。図7において、第1の実施形態における構成要素と同一の構成要素には、図4に示す符号と同一の符号を付す。従って、本実施形態では、第1の実施形態と同様の説明は適宜省略する。
【0074】
本実施形態と第1の実施形態との構成上の相違点について、以下に説明する。
【0075】
第1の実施形態では、第1のサイドウォールスペーサ11Aが、断面形状がL字状のHf系絶縁膜からなり、且つ負の電荷8が帯電した帯電サイドウォール6aと、第1のサイドウォール10Aとを有する。第1のサイドウォール10Aは、断面形状がL字状のSiO2膜からなる第1の内側サイドウォール7aと、SiN膜からなる第1の外側サイドウォール10aとを有する。
【0076】
これに対し、本実施形態では、第1のサイドウォールスペーサ15Bが、断面形状がL字状のHf系絶縁膜からなり、且つ負の電荷8が帯電した帯電サイドウォール6aと、SiN膜からなる第1のサイドウォール14bとを有する。
【0077】
このように、第1のサイドウォール10A,14aの構成が、第1の実施形態では積層構成であるのに対し、本実施形態では単層構成である。
【0078】
第1の実施形態では、第2のサイドウォールスペーサ11Bが、第2のサイドウォール10Bを有する。第2のサイドウォール10Bは、断面形状がL字状のSiO2膜からなる第2の内側サイドウォール7bと、SiN膜からなる第2の外側サイドウォール10bとを有する。
【0079】
これに対し、本実施形態では、第2のサイドウォールスペーサ15Bが、断面形状がL字状のHf系絶縁膜からなり、且つ負の電荷が帯電していない非帯電サイドウォール6bと、SiN膜からなる第2のサイドウォール14bとを有する。
【0080】
このように、第2のサイドウォールスペーサ11B,15Bが、第1の実施形態では非帯電サイドウォールを含まないのに対し、本実施形態では非帯電サイドウォール6bを含む。また、第2のサイドウォール10B,14bの構成が、第1の実施形態では積層構成であるのに対し、本実施形態では単層構成である。
【0081】
本実施形態によると、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上説明したように、p型のエクステンション拡散層の浅接合化を進めた場合でも、p型のエクステンション拡散層が高抵抗化されることを抑制することができるため、p型MISトランジスタを有する半導体装置及びその製造方法に有用である。
【符号の説明】
【0083】
1 半導体基板
1a 第1の活性領域
1b 第2の活性領域
2a 第1のゲート絶縁膜
2b 第2のゲート絶縁膜
3a 第1のゲート電極
3b 第2のゲート電極
4a 第1のオフセットスペーサ
4b 第2のオフセットスペーサ
5a p型のエクステンション拡散層
5b n型のエクステンション拡散層
6 絶縁膜
6x 帯電絶縁膜
6a 帯電サイドウォール
7 内側サイドウォール用絶縁膜
7a 第1の内側サイドウォール
7b 第2の内側サイドウォール
8 負の電荷
9 正の電荷
10 外側サイドウォール用絶縁膜
10a 第1の外側サイドウォール
10b 第2の外側サイドウォール
10A 第1のサイドウォール
10B 第2のサイドウォール
11A 第1のサイドウォールスペーサ
11B 第2のサイドウォールスペーサ
12a p型のソースドレイン拡散層
12b n型のソースドレイン拡散層
13 レジストマスク
6b 非帯電サイドウォール
14 サイドウォール用絶縁膜
14a 第1のサイドウォール
14b 第2のサイドウォール
15A 第1のサイドウォールスペーサ
15B 第2のサイドウォールスペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に形成されたp型MISトランジスタを備えた半導体装置であって、
前記p型MISトランジスタは、
前記半導体基板における第1の活性領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜上に形成された第1のゲート電極と、
前記第1の活性領域における前記第1のゲート電極の側方下の領域に形成されたp型のエクステンション拡散層と、
前記第1のゲート電極の側面上に形成された第1のサイドウォールスペーサとを備え、
前記第1のサイドウォールスペーサは、負の電荷が帯電した帯電サイドウォールと、前記帯電サイドウォールの上に形成された第1のサイドウォールとを有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記p型のエクステンション拡散層の表面には、正の電荷が静電誘導されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記帯電サイドウォールは、断面形状がL字状のHf系絶縁膜からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1のサイドウォールにおける前記帯電サイドウォールと接する部分は、シリコン酸化膜からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1のサイドウォールは、前記帯電サイドウォール上に形成された断面形状がL字状の第1の内側サイドウォールと、前記第1の内側サイドウォール上に形成された第1の外側サイドウォールとを有し、
前記第1の内側サイドウォールは、シリコン酸化膜からなり、
前記第1の外側サイドウォールは、シリコン窒化膜からなることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体装置は、前記半導体基板に形成されたn型MISトランジスタをさらに備え、
前記n型MISトランジスタは、
前記半導体基板における第2の活性領域上に形成された第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜上に形成された第2のゲート電極と、
前記第2の活性領域における前記第2のゲート電極の側方下の領域に形成されたn型のエクステンション拡散層と、
前記第2のゲート電極の側面上に形成された第2のサイドウォールスペーサとを備え、
前記第2のサイドウォールスペーサは、第2のサイドウォールを有し、前記帯電サイドウォールを有していないことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2のサイドウォールスペーサは、前記第2のゲート電極と前記第2のサイドウォールとの間に形成された負の電荷が帯電していない非帯電サイドウォールを有し、
前記非帯電サイドウォールは、断面形状がL字状の前記帯電サイドウォールと同一の材料からなり、
前記第2のサイドウォールは、シリコン窒化膜からなることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
半導体基板に形成されたp型MISトランジスタと、半導体基板に形成されたn型MISトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板における第1の活性領域上に、第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極を順次形成すると共に、前記半導体基板における第2の活性領域上に、第2のゲート絶縁膜及び第2のゲート電極を順次形成する工程(a)と、
前記第1の活性領域における前記第1のゲート電極の側方下の領域にp型のエクステンション拡散層を形成する一方、前記第2の活性領域における前記第2のゲート電極の側方下の領域にn型のエクステンション拡散層を形成する工程(b)と、
前記工程(b)の後に、前記第1のゲート電極を覆う絶縁膜を形成する工程(c)と、
前記絶縁膜に負の電荷を帯電させて、負の電荷が帯電した帯電絶縁膜を形成した後、前記半導体基板上の全面に、サイドウォール用絶縁膜を形成する工程(d)と、
前記サイドウォール用絶縁膜及び前記帯電絶縁膜に対してエッチングを行うことにより、前記第1のゲート電極の側面上に、前記帯電絶縁膜からなる帯電サイドウォール及び前記サイドウォール用絶縁膜からなる第1のサイドウォールを有する第1のサイドウォールスペーサを形成すると共に、前記第2のゲート電極の側面上に、前記サイドウォール用絶縁膜からなる第2のサイドウォールを有する第2のサイドウォールスペーサを形成する工程(e)とを備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記工程(d)は、酸化雰囲気中、シリコン酸化膜からなる前記サイドウォール用絶縁膜を形成する工程を含み、
前記工程(d)において、前記絶縁膜が前記酸化雰囲気に晒されることにより、前記絶縁膜に負の電荷が帯電して、前記帯電絶縁膜が形成されることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記工程(d)は、常圧CVD法により、450℃以上であって且つ600℃以下の温度の下、前記サイドウォール用絶縁膜を形成する工程であることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記工程(d)は、減圧CVD法により、600℃以上であって且つ700℃以下の温度の下、前記サイドウォール用絶縁膜を形成する工程であることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記工程(c)は、前記第2のゲート電極を覆う前記絶縁膜を形成する工程を含み、
前記工程(d)は、前記絶縁膜における前記第2のゲート電極を覆う部分をレジストマスクで覆う工程(d1)と、前記工程(d1)の後に、酸素プラズマ処理を行う工程(d2)と、前記工程(d2)の後に、前記レジストマスクを除去する工程(d3)と、前記工程(d4)の後に、前記サイドウォール用絶縁膜を形成する工程(d4)とを含み、
前記工程(d2)において、前記絶縁膜における前記第1のゲート電極を覆う部分に負の電荷が帯電して、前記帯電絶縁膜が形成されることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記サイドウォール用絶縁膜は、シリコン窒化膜からなることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−283209(P2010−283209A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136222(P2009−136222)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】