半導体装置
【課題】オン抵抗を低減できMOSFETを提供する。
【解決手段】半導体装置100は、半導体基板SBと、n-エピタキシャル層EPと、p型バックゲート領域BGと、n+ソース領域SRと、n型ドレイン領域DRと、ゲート電極GEと、n型高濃度領域HRとを備えている。n+ソース領域SRは、p型バックゲート領域BG内の主表面12に形成されている。n型ドレイン領域DRは、p型バックゲート領域BGを挟んでn+ソース領域SRと対向するように主表面12に形成されている。ゲート電極GEは、p型バックゲート領域BG上に形成されている。n型高濃度領域HRは、n-エピタキシャル層EPよりも高いn型不純物濃度を有し、p型バックゲート領域BGとn型ドレイン領域DRとの間に位置し、かつp型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとのpn接合部よりも主表面12から深い位置にピーク濃度を有している。
【解決手段】半導体装置100は、半導体基板SBと、n-エピタキシャル層EPと、p型バックゲート領域BGと、n+ソース領域SRと、n型ドレイン領域DRと、ゲート電極GEと、n型高濃度領域HRとを備えている。n+ソース領域SRは、p型バックゲート領域BG内の主表面12に形成されている。n型ドレイン領域DRは、p型バックゲート領域BGを挟んでn+ソース領域SRと対向するように主表面12に形成されている。ゲート電極GEは、p型バックゲート領域BG上に形成されている。n型高濃度領域HRは、n-エピタキシャル層EPよりも高いn型不純物濃度を有し、p型バックゲート領域BGとn型ドレイン領域DRとの間に位置し、かつp型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとのpn接合部よりも主表面12から深い位置にピーク濃度を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ソース領域と、ドレイン領域と、これらの領域間に位置するチャネル形成領域上に形成されたゲート電極とを備えたMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor:電界効果トランジスタ)が広く用いられている。このようなMOSFETとして、たとえば特許文献1には、、耐圧とオン抵抗(オン状態時の抵抗)とのトレードオフを改善することを目的としたDMOS(Double-diffused MOS)パワートランジスタが開示されている。このDMOSパワートランジスタでは、半導体基板の主表面に、浅いn型チャネル補償埋込層(shallow n-type channel compensating implant)が形成されている。
【特許文献1】米国特許第6700160号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1の構成では、オン抵抗を十分に低減できないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、オン抵抗を十分に低減できる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施の形態の半導体装置は、半導体基板と、エピタキシャル層と、バックゲート領域と、第1の領域と、第2の領域と、ゲート電極と、第3の領域とを備えている。半導体基板は、主表面を有している。エピタキシャル層は、主表面に形成され、第1導電型である。バックゲート領域は、主表面に形成され、かつエピタキシャル層とpn接合を構成するように形成され、第2導電型である。第1の領域は、バックゲート領域内の主表面に形成され、第1導電型である。第2の領域は、主表面においてバックゲート領域を挟んで第1の領域と対向するように主表面に形成され、第1導電型である。ゲート電極は、第1の領域と第2の領域との間に位置するバックゲート領域上に絶縁膜を介して形成されている。第3の領域は、エピタキシャル層よりも高い第1導電型の不純物濃度を有し、バックゲート領域と第2の領域との間に位置し、かつバックゲート領域と第1の領域とのpn接合部よりも主表面から深い位置にピーク濃度を有している。
【発明の効果】
【0006】
本実施の形態の半導体装置によれば、バックゲート領域と第2の領域との間に位置し、かつそのピーク濃度がバックゲート領域と第1の領域とのpn接合部よりも主表面から深くなるように第3の領域が形成されている。本実施の形態の半導体装置に順方向バイアスが印加された時には、第1の領域から第2の領域へ向かうキャリアの多くは、第3の領域を通る。この第3の領域はエピタキシャル層よりも不純物濃度が高いので、抵抗が低い。このため、電流経路に抵抗が低い第3の領域が形成されているので、半導体装置のオン抵抗を十分に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態における半導体装置を構成を示す概略断面図である。図1に示すように、本実施の形態における半導体装置100は、主表面12を有する半導体基板SBと、半導体基板SBに形成されたMOSFETとを備えている。このMOSFETは、たとえばDMOSFETである。半導体基板SBには、たとえばシリコン基板などを用いることができる。
【0008】
DMOSFETは、n-エピタキシャル層EPと、p型バックゲート領域BGと、第1の領域としてのn+ソース領域SRと、第2の領域としてのn型ドレイン領域DRと、第3の領域としてのn型高濃度領域HRと、ゲート絶縁膜GIと、ゲート電極GEとを有している。
【0009】
半導体基板SBはp型領域IM1を有し、このp型領域IM1上にはn+埋込層BUが選択的に形成されている。
【0010】
n-エピタキシャル層EPは、p型領域IM1およびn+埋込層BU上に形成され、かつ半導体基板SBの主表面12に位置している。
【0011】
p型バックゲート領域BGは、下面においてn-エピタキシャル層EPとpn接合をなすようにn-エピタキシャル層EP内における半導体基板SBの主表面12の一部に位置している。
【0012】
n+ソース領域SRは、p型バックゲート領域BGとpn接合をなすように、p型バックゲート領域BG内の主表面12に形成されている。n+ソース領域SRは、主表面12におけるp型バックゲート領域BGに取り囲まれている。
【0013】
n型ドレイン領域DRは、n+ソース領域SRとの間でp型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとを挟むように主表面12に形成されている。
【0014】
n型高濃度領域HRは、主表面12におけるp型バックゲート領域BGとn型ドレイン領域DRとの間に位置するように形成されている。n型高濃度領域HRは、主表面12においてp型バックゲート領域BGを取り囲んでいる。このn型高濃度領域HRは、p型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとのpn接合部よりも主表面12から深い位置にピーク濃度を有している。また、このn型高濃度領域HRは、p型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとのpn接合よりも浅い位置にピーク濃度を有している。n型高濃度領域HRは、n-エピタキシャル層EPよりも高いn型不純物濃度を有している。
【0015】
n+ソース領域SRとn型ドレイン領域DRとの間におけるn型高濃度領域HRおよびn型ドレイン領域DRの主表面12には、たとえばLOCOS(Local Oxidation of Silicon)酸化膜よりなるフィールド絶縁膜FIが選択的に形成されている。
【0016】
ゲート電極GEは、n+ソース領域SRとn型ドレイン領域DRとの間に位置する少なくともp型バックゲート領域BG上にゲート絶縁膜GIを介して形成されている。このゲート電極GEは、n型高濃度領域HR上にゲート絶縁膜GIを介して形成されており、そのゲート電極GEの一方端部は、フィールド絶縁膜FIの上に乗り上げている。このようにゲート電極GEは、ゲート絶縁膜GIを挟んでn型高濃度領域HRと対向する部分と、フィールド絶縁膜FIを挟んでn-エピタキシャル層EPと対向する部分とを有し、これによりフィールドプレート効果が得られる。ゲート電極GEは、たとえば不純物がドープされた多結晶シリコン膜、シリコン/タングステンなどからなっている。ゲート絶縁膜GIは、たとえばシリコン酸化膜である。
【0017】
n+ソース領域SRと隣接するようにp型バックゲート領域BG内における半導体基板SBの主表面12にp型不純物領域IM2が形成されている。p型不純物領域IM2は、p型バックゲート領域BGよりも高いp型不純物濃度を有しており、その下面においてp型バックゲート領域BGと接続されている。p型不純物領域IM2は、主表面12においてn+ソース領域SRに取り囲まれている。
【0018】
半導体基板SBは、上記DMOSFETが形成された領域を他のMOSFETなどの半導体素子が形成された領域から電気的に分離するための分離領域を有している。なお、他の半導体素子は、上述したDMOSFETと同一種類の半導体素子であってもよく、異なる種類の半導体素子であってもよい。
【0019】
このDMOSFETを分離するための分離領域は、たとえばSTI(Shallow Trench Isolation)であり、トレンチTRと、このトレンチTRを埋める充填層PGとを有している。トレンチTRは、主表面12からn-エピタキシャル層EPを貫通してp型領域IM1の内部に到達するように半導体基板SBに形成されている。充填層PGは、たとえば酸化シリコン膜などである。
【0020】
トレンチTRの下端近傍には、p+不純物領域IM3が形成されている。p+不純物領域IM3は、n-エピタキシャル層EPとは逆導電型であり、p型領域IM1よりも高い不純物濃度を有している。
【0021】
DMOSFETを覆うように主表面12上に層間絶縁膜OXが形成されている。層間絶縁膜OXには、n+ソース領域SR、p型不純物領域IM2およびn型ドレイン領域DRの各々に達するコンタクトホールCOが形成されている。層間絶縁膜OX上には、配線INC1、INC2が形成されている。配線INC1は、コンタクトホールCO内のプラグ導電層PLを介して、n+ソース領域SRおよびp型不純物領域IM2と電気的に接続されている。配線INC2は、コンタクトホールCO内のプラグ導電層PLを介してn型ドレイン領域DRと電気的に接続されている。プラグ導電層PLは、たとえばタングステンなどの導電性の材料よりなっており、配線INC1、INC2はたとえばアルミニウムよりなっている。
【0022】
続いて、図2〜図4を参照して、図1に示した本実施の形態における半導体装置100を構成するDMOSFETの各層(領域)の濃度について説明する。図2〜図4は、それぞれ図1のII−II線、III−III線およびIV−IV線に沿う部分の不純物濃度のプロファイルを示す図である。図2〜図4において横軸は、それぞれ図1のII−II線、III−III線およびIV−IV線に沿う位置を示しており、左端は主表面12を示している。この横軸の数値は、各層の位置を示す指標であり、同じ位置には同じ数値を付している。また縦軸は、それぞれの位置での不純物濃度(単位log(cm-3))を示している。図2および図4で示す不純物は、たとえばリンである。図3で示すn型を示す領域の不純物はたとえばリンであり、p型を示す領域の不純物はたとえばボロンである。
【0023】
図2に示すように、n型高濃度領域HRは、5.0×1015cm-3〜4.0×1016cm-3のn型不純物濃度を有している。n型高濃度領域HRは、この図2の横軸の深さにおいて、たとえば主表面12から0.16μmの深さ位置にピーク濃度(4.0×1016cm-3程度)を有している。またn型高濃度領域HRは、そのピーク濃度の深さ位置からn-エピタキシャル層EPとの接合部に向けて低くなる不純物濃度分布を有している。
【0024】
図3に示すように、n+ソース領域SRは、2.5×1017cm-3〜1.1×1020cm-3のn型不純物濃度を有している。n+ソース領域SRにおいてn型不純物濃度分布は、主表面12にピーク濃度を有しており、その主表面12からp型バックゲート領域BGとの接合部に向けて低くなる不純物濃度分布を有している。
【0025】
p型バックゲート領域BGは、4.0×1015cm-3〜1.0×1018cm-3のp型不純物濃度を有している。p型バックゲート領域BGにおけるp型不純物濃度分布は、n+ソース領域SRとの接合部とn-エピタキシャル層EPとの間にピーク濃度を有し、n+ソース領域SRとの接合部からピーク濃度に向けて高くなり、ピーク濃度からn-エピタキシャル層EPとの接合部に向けて低くなる不純物濃度分布を有している。
【0026】
n+ソース領域SRとp型バックゲート領域BGとのpn接合部は、この図3の横軸の深さにおいてたとえば主表面12から0.14μmの深さに位置している。このため、図2と図3とに示すように、n型高濃度領域HRのピーク濃度の深さ位置(たとえば0.16μm)は、n+ソース領域SRとp型バックゲート領域BGとのpn接合部の深さ位置(たとえば0.14μm)よりも深くに位置している。また、n型高濃度領域HRのピーク濃度の深さ位置は、p型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとのpn接合部の深さ位置(たとえば0.63μm)よりも浅くに位置している。
【0027】
図2および図4に示すように、n-エピタキシャル層EPは3.4×1014cm3〜5.0×1015cm-3のn型不純物濃度を有している。
【0028】
なお、上述したn型不純物としては、たとえばP(リン)、As(砒素)などを用いることができる。またp型不純物としては、たとえばB(ボロン)などを用いることができる。
【0029】
また本実施の形態では、後述するように、n型チャネルが形成されるように第1および第2の導電型を定めたが、p型チャネルが形成されるように第1および第2の導電型を上述した内容と逆に定めてもよい。
【0030】
また本実施の形態では、n型高濃度領域HRのピーク濃度が、p型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとのpn接合よりも浅い位置になるように形成されているが、特にこれに限定されない。n型高濃度領域HRのピーク濃度は、p型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとのpn接合部よりも深ければ、p型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとのpn接合よりも深くてもよい。
【0031】
続いて、本実施の形態における半導体装置100の製造方法について説明する。
図5〜図9は、本実施の形態における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。図5に示すように、まず、p型領域IM1よりなる半導体基板SBが準備される。この半導体基板SBの表面が酸化されて、その表面にたとえば300nm〜1000nmの厚みのシリコン酸化膜(図示せず)が形成される。通常の写真製版技術により、そのシリコン酸化膜上にフォトレジストパターン(図示せず)が形成される。このレジストパターンをマスクとしてシリコン酸化膜がエッチングされてパターニングされる。この後、レジストパターンがたとえばアッシングなどにより除去される。
【0032】
パターニングされたシリコン酸化膜をマスクとしてp型の半導体基板SBの主表面に、たとえばアンチモン(Sb)がイオン注入される。この後、たとえば1240℃の温度で熱処理を行なうことにより、半導体基板SBの主表面にn+埋込層BUが形成される。この後、半導体基板SBの主表面のシリコン酸化膜が除去される。
【0033】
次に、n+埋込層BUが形成された半導体基板SBの主表面にエピタキシャル成長が行なわれて、その半導体基板SBの主表面上にn-エピタキシャル層EPが形成される。
【0034】
n-エピタキシャル層EPの表面(半導体基板SBの主表面12)が酸化されて、その表面にたとえば300nm〜1000nmの厚みのシリコン酸化膜(図示せず)が形成される。通常の写真製版技術により、そのシリコン酸化膜上にフォトレジストパターン(図示せず)が形成される。このレジストパターンをマスクとしてシリコン酸化膜がエッチングされてパターニングされる。この後、レジストパターンがたとえばアッシングなどにより除去される。
【0035】
パターニングされたシリコン酸化膜をマスクとしてn-エピタキシャル層EPの表面がエッチングされる。この後、n-エピタキシャル層EPの主表面のシリコン酸化膜が除去される。
【0036】
次に、図6に示すように、半導体基板SBの主表面にLOCOS法によりフィールド絶縁膜FIが選択的に形成される。300nm〜1000nmの酸化が行なわれた後、写真製版技術によりレジストパターンが形成され、そのレジストパターンをマスクとしてフィールド絶縁膜FIが選択的にエッチング除去される。この後、レジストパターンがたとえばアッシングなどにより除去される。
【0037】
次に、選択的にエッチング除去されたフィールド絶縁膜FIをマスクとして半導体基板SBがエッチングされて、半導体基板SBにトレンチTRが形成される。酸化が行なわれて、トレンチTRの壁面にたとえば20nm〜30nmの厚みのシリコン酸化膜が形成される。この後、ボロンがイオン注入されることによって、トレンチTRの下端部を取り囲むように半導体基板SB中にp+不純物領域が形成される。この後、シリコン酸化膜が堆積されて、トレンチTR内を埋め込む充填層PGが形成される。
【0038】
次に、図7に示すように、写真製版技術によりレジストパターンが形成され、そのレジストパターンをマスクとして半導体基板SBの主表面にたとえばリンがイオン注入される。この後、たとえば800℃の温度で熱処理を行なうことにより、半導体基板SBの主表面にn型ドレイン領域DRが形成される。この後、レジストパターンは除去される。
【0039】
次に、図8に示すように、写真製版技術により、n型ドレイン領域DRにおいてフィールド絶縁膜FIと外周側で接触する部分までを開口したレジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面にたとえばリンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、n型高濃度領域HRが形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0040】
次に、図9に示すように、シリコン酸化膜が数十nmエッチングされ、フィールド絶縁膜FIが形成されていない領域の半導体基板SBの主表面が露出する。この後、熱酸化されることにより、露出した半導体基板SBの主表面にたとえば数十nmの厚みのシリコン酸化膜よりなるゲート絶縁膜GIが形成される。
【0041】
この後、不純物がドープされた多結晶シリコン膜(以下、ドープトポリシリコン膜と称する)とタングステンシリサイド(WSi2)層とが表面全面に順に積層される。通常の写真製版技術およびエッチング技術により、積層されたドープトポリシリコン膜とタングステンシリサイド層とがパターニングされて、ゲート電極GEが形成される。
【0042】
次に、写真製版技術によりレジストパターンが形成され、そのレジストパターン、ゲート電極などをマスクとして半導体基板SBの主表面にたとえばボロンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、p型バックゲート領域BGが形成される。この後、そのレジストパターンは除去される。
【0043】
次に、図1に示すように、写真製版技術によりレジストパターンが形成され、そのレジストパターン、ゲート電極などをマスクとして半導体基板SBの主表面にたとえば砒素がイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、n+ソース領域SRが形成される。この後、そのレジストパターンは除去される。
【0044】
次に、写真製版技術によりレジストパターンが形成され、そのレジストパターン、ゲート電極などをマスクとして半導体基板SBの主表面にたとえばボロンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、p型不純物領域IM2が形成される。この後、そのレジストパターンは除去される。
【0045】
次に、たとえばシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜OXが、厚み500nm〜1000nmで形成される。この後、通常の写真製版技術およびエッチング技術により、層間絶縁膜OXに、n型ドレイン領域DR、n+ソース領域SRおよびp型不純物領域IM2の各々に達するコンタクトホールCOが形成される。
【0046】
このコンタクトホールCO内を埋め込むように、たとえばチタン(Ti)層と窒化チタン(TiN)層との積層膜およびタングステン(W)膜が形成された後にコンタクトホールCO内のみに残存させるようにエッチングが施される。これによりコンタクトホールCO内を埋め込むプラグ導電層PLが形成される。
【0047】
次に、層間絶縁膜OX上に、たとえばAlCuまたはAlSiCuよりなる導電層が堆積された後に、通常の写真製版技術およびエッチング技術によりこの導電層がパターニングされて配線INC1、INC2が形成される。
【0048】
以上により、図1に示す本実施の形態の半導体装置100が製造される。この半導体装置100を実際に使用する際には、たとえば図10および図11に示すように用いられる。なお、図10は、本実施の形態における半導体装置100の適用例を示す概略平面図である。図10において、層間絶縁膜OX、配線INC1、INC2およびコンタクトホールCO内のプラグ導電層PLは省略している。図10におけるn型高濃度領域HRを示す点線は、上述したn型高濃度領域HRを形成する工程を示す図8において半導体基板SBの表面に形成されたレジストパターンRPの開口部である。図11は、図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【0049】
続いて、本実施の形態の半導体装置100の作用効果について説明する。
本実施の形態におけるオン抵抗低減の効果を調べるために図1、図12および図13の半導体装置の構成について、電子の移動度のシュミレーションを行なった。それらの結果を図15〜17にそれぞれ示す。
【0050】
ここで、図12は、図1に示す本実施の形態の構成からn型高濃度領域HRを省略した構成を示す概略断面図である。図13は、図1に示す本実施の形態の構成においてn型高濃度領域HRのピーク濃度位置がn+ソース領域SR下端位置よりも浅い場合の構成を示す概略断面図である。図12および図13の半導体装置において、n型高濃度領域HR以外の構成は、図1に示す本実施の形態と同様である。
【0051】
図14は、図13のXIV−XIV線に沿う部分の不純物濃度のプロファイルを示す図である。図14において左端は主表面12を示している。この横軸の数値は、各層の位置を示す指標であり、図2〜図4と同じ位置には同じ数値を付している。また縦軸はそれぞれの位置での不純物濃度(単位log(cm-3))を示している。
【0052】
図14に示すように、n型高濃度領域HRは、4.0×1015cm-3〜0.4×1017cm-3のn型不純物濃度を有している。n型高濃度領域HRは、この図2の横軸の深さにおいて、たとえば主表面12から0.01μmの深さ位置にピーク濃度(0.4×1017cm-3程度)を有している。n+ソース領域SRとp型バックゲート領域BGとのpn接合部は、上述したように図3の横軸の深さにおいてたとえば主表面12から0.14μmの深さに位置している。このため、図3と図14とに示すように、n型高濃度領域HRのピーク濃度の深さ位置(たとえば0.01μm)は、n+ソース領域SRとp型バックゲート領域BGとのpn接合部の深さ位置(たとえば0.14μm)よりも浅くに位置している。また、図2と図14とに示すように、図13に示す半導体装置に形成されたn型高濃度領域HRのピーク濃度の位置(たとえば0.01μm)は、本実施の形態の半導体装置100に形成されたn型高濃度領域HRのピーク濃度の位置(たとえば0.016μm)よりも半導体基板SBの主表面12に近い。
【0053】
図15〜17のそれぞれは、図1に示す本実施の形態における半導体装置100、図12および図13の半導体装置に順バイアスの電圧が印加されたときの電子の移動度を示す図である。図15〜17において記載されている数値は、電子の移動度(単位:cm2V-1s-1)である。
【0054】
図1に示す本実施の形態における半導体装置100において、ゲート電極GEに相対的に正の電圧が印加されると、ゲート電極GE下のp型バックゲート領域BGの表面に反転層であるn型チャネルが形成される。これにより、n型のキャリアとしての電子は、n+ソース領域SRから、この反転層、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPを通じてn型ドレイン領域DRに注入される。
【0055】
ここで、図15〜図17を比較すると、たとえば4.50×10-7cm2V-1s-1の電子の移動度を示す線は、図16および図17よりも図15において半導体基板SBの主表面12から深いところに延びている。つまり、図15の半導体装置では、図16および図17の半導体装置よりも大きな電子の移動度の得られる領域が広い。このことから、図1に示す本実施の形態における半導体装置100は、図12および図13に示す構成よりもオン抵抗を低減できることがわかる。
【0056】
図1に示す本実施の形態の構成において図12および図13に示す構成に比較して、オン抵抗を低減できる理由は以下のように考えられる。
【0057】
上述したように、DMOSFETのオン時には、n型のキャリアとしての電子はn+ソース領域SRから反転層、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPを通じてn型ドレイン領域DRに注入される。電子がn型高濃度領域HR内を通過する際に電子の大部分は、n型高濃度領域HR内においてn+ソース領域SRとn型バックゲート領域BGとのpn接合部よりも深い位置を通過すると考えられる。このため、そのpn接合部よりも深い位置にピーク濃度を有するn型高濃度領域HRを設けた図1の構成においてオン抵抗が低減したものと考えられる。
【0058】
また、図2および図13の各々の構成では、n型高濃度領域HR内における大部分の電子の通過経路にn型高濃度領域HRが存在しないため、オン抵抗が図1の構成よりも高くなったと考えられる。
【0059】
次に、本実施の形態における半導体装置100がカレントミラー回路でのバラツキを低減できる作用効果について説明する。
【0060】
カレントミラー回路は、主にMOSFETなどの半導体素子の過電流検出出力電流制御などの電流制御に使用されている。たとえば、MOSFETに数A流れている過電流の検出において、誤作動などで電流が規格以上流れた場合に、この過電流を直接検出することは不可能である。このため、カレントミラー回路では、図18(a)に示すように、検出するMOSFET(出力トランジスタ)よりも少ない電流を流すための(たとえばMOSFETに流れる電流の1/1000の電流が流れる)基準トランジスタが設けられ、この基準トランジスタに流れる電流が測定されることで、過電流が検出される。また、電流制御は、図18(b)に示すように、基準トランジスタに電流を流すことで、出力トランジスタに基準トランジスタよりも大きな電流を流すことができる(たとえばMOSFETに流れる電流の1000倍の電流が流れる)。このため、カレントミラー回路では、基準トランジスタにたとえば数百μA〜数mAの電流を流すことで、容易にMOSFETの電流制御が可能となる。なお、図18(a)は、過電流を検出するためのカレントミラー回路を示す模式図である。図18(b)は、電流制御を検出するためのカレントミラー回路を示す模式図である。
【0061】
このカレントミラー回路において、基準トランジスタに10μAの電流を流した場合に、出力トランジスタとしてのDMOSFETおよびHVMOS(High-Voltage MOS:高耐圧MOS)FETの各々に流れた電流値から求まるカレントミラー比(出力電流/入力電流)を図18(c)および下記の表1に示す。なお、図18(c)は、DMOSFETおよびHVMOSFETのカレントミラー比の分布を示す図である。図18(c)において、横軸はカレントミラー比を示し、縦軸は標準正規分布f(x)を示す。
【0062】
【表1】
【0063】
図18(c)および表1に示すように、DMOSFETのカレントミラー比は、HVMOSFETのカレントミラー比よりもバラツキが大きいことがわかる。また、表1に示すように、DMOSFETのバラツキ(3σ/average)は、HVMOSFETのバラツキの約4倍であることがわかる。このことから、HVMOSFETよりもDMOSFETの方が過電流のバラツキが大きいことがわかる。
【0064】
また、DMOSFETおよびHVMOSFETの基準トランジスタに10μAの電流を流した場合に、それぞれの基準トランジスタのドレイン領域に電流が流れるようになる基準トランジスタの閾値電圧VTHを下記の表2に示す。なお、基準トランジスタに10μmの電流を流した場合のDMOSFETおよびHVMOSFETの基準トランジスタのゲート電圧は、閾値電圧VTHから数百mV超えた値である。
【0065】
【表2】
【0066】
また、このときの出力トランジスタであるDMOSFETおよびHVMOSFETの閾値電圧VTHを下記の表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
表2および3より、基準トランジスタおよび出力トランジスタの各々の閾値電圧VTHのバラツキ(3σ/average)は、2、3%とほぼ同程度である。しかし、表2に示すように、DMOSFETの基準トランジスタの閾値電圧のσ(標準偏差)は、HVMOSFETの基準トランジスタの閾値電圧のσの1.8倍である。また、表3に示すように、出力側のDMOSFETの閾値電圧のσは、HVMOSFETの閾値電圧のσの1.5倍である。このことから、HVMOSFETよりもDMOSFETの方が電流制御のばらつきが大きいことがわかる。
【0069】
したがって、表1〜表3の過電流検出および電流制御のバラツキより、一般的に、DOMOSFETのカレントミラー回路でのバラツキはHVMOSFETのカレントミラー回路のバラツキよりも大きいことがわかる。
【0070】
ここで、本実施の形態のDMOSFETを備えた半導体装置100では、キャリアが移動する領域にn型不純物を注入して形成されたn型高濃度領域HRを備えている。このため、たとえばn型高濃度領域HRのリンの注入量を2×1012cm-3〜4×1012cm-3とすると、DMOSFETの閾値電圧VTHを1.0V〜1.3Vに低減することができる。従来のDMOSFETの閾値電圧が1.6V程度であったので、本実施の形態のDMOSFETでは閾値電圧を低減できる。このため、本実施の形態の半導体装置100によれば、カレントミラー回路のバラツキを低減できる。
【0071】
次に、本実施の形態における半導体装置100が耐圧の低下を抑制できる作用効果について説明する。半導体装置100において、p型バックゲート領域BGとn型ドレイン領域DRとに逆バイアスが印加されると、p型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとのpn接合、および、p型バックゲート領域BGとn型高濃度領域HRとのpn接合から、n-エピタキシャル層EPへ空乏層が広がる。本実施の形態では、n型高濃度領域HRのピーク濃度は、p型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとのpn接合よりも浅い。n-エピタキシャル層EPよりも不純物濃度が高いn型高濃度領域HRによって、空乏層の広がりが抑制される領域が少ない。このため、耐圧の低下を抑制することができる。つまり、耐圧を確保するためには、n+ソース領域SRからn型ドレイン領域DRに至るn-エピタキシャル層EPにおいて空乏化すればよいので、半導体基板SBの主表面12にn型高濃度領域HRが形成されていても、耐圧の低下を抑制することができる。
【0072】
次に、本実施の形態における半導体装置100が小型化を図ることができる作用効果について説明する。
【0073】
本実施の形態における半導体装置100では、DMOSFETと他の半導体素子との分離にトレンチ分離が用いられている。このため、不純物の拡散によりDMOSFETと他の半導体素子とを分離する場合よりも、DMOSFETを分離するために要する平面占有面積を小さくすることができる。したがって、デバイスの小型化を図ることができる。
【0074】
また上記半導体装置100において、素子を分離するための領域は、トレンチTRとトレンチTRを埋める充填層PGとを有している。このため、半導体装置100の小型化を図りつつ、充填層PGにより、DMOSFETと他の半導体素子とをより確実に電気的に分離できる。
【0075】
(実施の形態2)
図19は、本実施の形態における半導体装置の構成を示す概略断面図である。図19に示すように、本実施の形態における半導体装置101は、たとえばDMOSFETを備えている。
【0076】
図19に示すように、本実施の形態における半導体装置101は、図1に示す実施の形態1における半導体装置100と基本的には同様の構成を備えているが、フィールド絶縁膜FIの端部(エッジ)14と間隔をあけてn型高濃度領域HRが配置されている点において異なる。
【0077】
具体的には、n型高濃度領域HRは、n-エピタキシャル層EPを挟んでフィールド絶縁膜FIと対向している。
【0078】
n型高濃度領域HRは、フィールド絶縁膜FIの端部14から、たとえば0.3μm以上0.7μm以下、好ましくは0.5μm程度離れている。ここで、フィールド絶縁膜FIの端部14とは、いわゆるバーズビークと呼ばれる部分であり、一定の広い幅を構成する部分から幅が狭くなる始点である。このフィールド絶縁膜FIの端部14には、電界が集中する。
【0079】
図20は、図19のXX−XX線に沿う不純物濃度のプロファイルを示す図である。図20において左端はフィールド絶縁膜FIの端部14を示している。この横軸の数値は、各層の位置を示す指標である。また縦軸は、それぞれの位置での不純物濃度(単位log(cm-3))を示している。図20で示す不純物は、たとえばリンである。
【0080】
図20に示すように、n型高濃度領域HRは、3.2×1015cm-3〜7.5×1016cm-3のn型不純物濃度を有している。n型高濃度領域HRは、p型バックゲート領域BGとのpn接合部近傍にピーク濃度を有し、フィールド絶縁膜FIの端部14からp型バックゲート領域BGに向けて不純物濃度が高くなる不純物濃度分布を有している。また、p型バックゲート領域BGには、7.5×1016cm-3のn型不純物が注入されている。
【0081】
図19に示す上記以外の構成は、上述した図1に示す構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0082】
続いて、本実施の形態における半導体装置101の製造方法について説明する。
図21は、本実施の形態における半導体装置101の製造方法を示す概略断面図である。本実施の形態における半導体装置101の製造方法は、基本的には実施の形態1における半導体装置100の製造方法と同様の構成を備えているが、n型高濃度領域HRを形成する領域において異なっている。
【0083】
具体的には、図21に示すように、写真製版技術により、厚いフィールド絶縁膜FIの内周側で囲まれる領域を開口したレジストパターンRPが形成される。すなわち、フィールド絶縁膜FIの端部14にイオンが注入されないように、レジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面にたとえばリンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけてn型高濃度領域HRが形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0084】
本実施の形態の製造方法は、上記以外の工程については実施の形態1の製造方法とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0085】
以上により、図19に示す本実施の形態の半導体装置101が製造される。この半導体装置101を実際に使用する際には、たとえば図22および図23に示すように用いられる。なお、図22は、本実施の形態における半導体装置101の適用例を示す概略平面図である。図22において、層間絶縁膜OX、配線INC1、INC2およびコンタクトホールCO内のプラグ導電層PLは省略している。図22におけるn型高濃度領域HRを示す点線は、上述したn型高濃度領域HRを形成する工程を示す図21において半導体基板SBの表面に形成されたレジストパターンRPの開口部である。図23は、図22のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。
【0086】
続いて、本実施の形態の半導体装置101の作用効果について説明する。
まず、本実施の形態における半導体装置101が耐圧の低下を抑制できる作用効果について説明する。
【0087】
半導体装置101は、n型高濃度領域HRがフィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけて配置されている。フィールド絶縁膜FIの端部14を含むバーズビークと呼ばれる領域には、電界が集中するため、耐圧が低下する。この端部14にn型高濃度領域HRよりも不純物濃度が低いn-エピタキシャル層EPが配置されているので、耐圧の低下を抑制することができる。
【0088】
次に、本実施の形態における半導体装置101がオン抵抗を低減できる作用効果について説明する。
【0089】
本実施の形態におけるオン抵抗低減の効果を調べるために、図19の半導体装置101の構成について、電子の移動度のシュミレーションを行なった。その結果を図24に示す。図24は、図19に示す本実施の形態における半導体装置101に順バイアスの電圧が印加されたときの電子の移動度を示す図である。図24において記載されている数値は、電子の移動度(単位:cm2V-1s-1)である。
【0090】
図24に示す本実施の形態における半導体装置102において、ゲート電極GEに相対的に正の電圧が印加されると、ゲート電極GE下のp型バックゲート領域BGの表面に反転層であるn型チャネルが形成される。これにより、n型のキャリアとしての電子は、n+ソース領域SRから、この反転層、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPを通じてn型ドレイン領域DRに注入される。
【0091】
実施の形態1で示した図16、図17と、図24とを比較すると、たとえば4.50×10-7cm2V-1s-1の電子の移動度を示す線は図16および図17よりも図24において半導体基板SBの主表面12から深いところに延びている。つまり、図24の半導体装置において電流が流れる領域が、図16および図17の半導体装置において電流が流れる領域よりも大きい。このことから、図2に示す本実施の形態における半導体装置102は、図12および図13に示す構成よりもオン抵抗を十分に低減できることがわかる。
【0092】
さらに、上述したように、n型高濃度領域HRがフィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけて配置されることによって、耐圧の低下を抑制することができる。このため、不純物濃度が高いn型不純物をn型高濃度領域HRに注入することができる。したがって、n型高濃度領域HRの抵抗をさらに低減することができる。
【0093】
(実施の形態3)
図25は、本実施の形態における半導体装置の構成を示す概略断面図である。図25に示すように、本実施の形態における半導体装置102は、たとえばDMOSFETを備えている。
【0094】
図25に示すように、本実施の形態における半導体装置102は、図1に示す実施の形態1における半導体装置100と基本的には同様の構成を備えているが、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型の不純物が注入されたp型不純物領域IM4(第4の領域)をさらに備えている点において異なる。
【0095】
具体的には、p型不純物領域IM4は、フィールド絶縁膜FIの下面15から端部14を通じて半導体基板SBの主表面12との接合部に渡る領域まで接するように設けられている。つまり、p型不純物領域IM4は、バーズビークと呼ばれる領域に接するように設けられている。このp型不純物領域IM4は、フィールド絶縁膜FIの端部14の電界集中を緩和するために設けられている。
【0096】
p型不純物領域IM4は、本実施の形態ではn+ソース領域SR、n型高濃度領域HRおよびn型ドレイン領域DRとは逆導電型の領域である。ただし、p型不純物領域IM4は、n+ソース領域SR、n型高濃度領域HRおよびn型ドレイン領域DRとは同じ導電型であってもよい。この場合、p型不純物領域IM4にはp型の不純物が注入されているので、n-エピタキシャル層よりもn型を示す不純物濃度は低い。
【0097】
また、n型高濃度領域HRは、実施の形態2と同様に、フィールド絶縁膜FIの端部14から間隔をあけて配置されている。なお、実施の形態1と同様に、n型高濃度領域HRは、フィールド絶縁膜FIの端部14に接するように設けられていてもよい。n型高濃度領域HRとp型不純物領域IM4とは接触していてもよく、または接触していなくてもよい。接触していない場合には、p型不純物領域IM4とn型高濃度領域HRとの間には、たとえばn-エピタキシャル層EPが配置される。
【0098】
続いて、図26を参照して、本実施の形態における半導体装置102を構成するp型不純物領域の濃度について説明する。図26は、図25のXXVI−XXVI線に沿う不純物濃度のプロファイルを示す図である。図26において左端はフィールド絶縁膜FIの下面15を示している。また縦軸は、それぞれの位置での不純物濃度(単位log(cm-3))を示している。図26で示す不純物は、たとえばボロンである。
【0099】
図26に示すように、p型不純物領域IM4は、3.1×1015cm-3以下のp型不純物濃度を有している。p型不純物領域IM4におけるp型不純物濃度分布は、フィールド絶縁膜FIの下面15との接合部と、n-エピタキシャル層EPとの接合部との間にピーク濃度を有し、フィールド絶縁膜FIの下面15との接合部からピーク濃度に向けて高くなり、ピーク濃度からn-エピタキシャル層EPとの接合部に向けて低くなる不純物濃度分布を有している。
【0100】
図25に示す上記以外の構成は、上述した図1に示す構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0101】
続いて、本実施の形態における半導体装置102の製造方法について説明する。
図27は、本実施の形態における半導体装置102の製造方法を示す概略断面図である。本実施の形態における半導体装置102の製造方法は、基本的には実施の形態1における半導体装置100の製造方法と同様の構成を備えているが、n型高濃度領域HRを形成する領域およびp型不純物領域IM4をさらに形成する点において異なっている。
【0102】
具体的には、図21を示して実施の形態2で説明したように、半導体基板SBの主表面に、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけてn型高濃度領域HRが形成される。
【0103】
次に、図27に示すように、写真製版技術により、フィールド絶縁膜FIの下面15においてn型高濃度領域HRと近い側の領域上を開口したレジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面にたとえばボロンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型不純物領域IM4が形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0104】
本実施の形態の製造方法は、上記以外の工程については実施の形態1の製造方法とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0105】
以上により、図25に示す本実施の形態の半導体装置102が製造される。この半導体装置102を実際に使用する際には、たとえば図28および図29に示すように用いることができる。なお、図28は、本実施の形態における半導体装置102の適用例を示す概略平面図である。図28において、層間絶縁膜OX、配線INC1、INC2およびコンタクトホールCO内のプラグ導電層PLは省略している。図28におけるn型高濃度領域HRを示す点線は、上述したn型高濃度領域HRを形成する工程を示す図27において半導体基板SBの表面に形成されたレジストパターンRPの開口部である。図29は、図28のXXIX−XXIX線に沿う断面図である。
【0106】
続いて、本実施の形態の半導体装置102の作用効果について説明する。
まず、本実施の形態における半導体装置102が耐圧の低下を抑制できる作用効果について説明する。
【0107】
本実施の形態では、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型不純物領域IM4が形成されている。このp型不純物領域IM4は、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPとpn接合を構成しており、このpn接合からn型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EP内に空乏層がすでに生じている。またp型不純物領域IM4は、フローティングな電位で低濃度であるため、擬似的な空乏層として機能し得る。このため、上記の逆バイアスの印加時には、p型不純物領域IM4と、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPとのpn接合による空乏層と、p型不純物領域IM4による擬似的な空乏層とがすでに存在した状態で、p型バックゲート領域BGと、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPとのpn接合からn-エピタキシャル層EP内への空乏層が延びることになる。よって、空乏層全体の広がりが大きくなるため、半導体装置102の耐圧を向上させることができる。
【0108】
なお、p型不純物領域IM4がn型を示す場合であっても、フローティングな電位で低濃度であるため、擬似的な空乏層として機能し得る。このため、半導体装置102の耐圧を向上する効果を有している。
【0109】
次に、本実施の形態における半導体装置102がオン抵抗を低減できる作用効果について説明する。
【0110】
半導体装置101において、ゲート電極GEに相対的に正の電圧が印加されると、n型のキャリアとしての電子は、n+ソース領域SRから、p型バックゲート領域BGおよびn型高濃度領域HRを通じてn型ドレイン領域DRに注入される。この電流経路において、フィールド絶縁膜FIの下面15に接するp型不純物領域IM4を通るキャリアが少なく、n型高濃度領域HRを通るキャリアが多い。このため、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にn型高濃度領域HRを形成しない場合であっても、図12のn型高濃度領域HRが形成されていない半導体装置、図13に示すn型高濃度領域HRが浅い位置に形成されている半導体装置に比べて、本実施の形態における半導体装置102はオン抵抗を十分に低減できる。
【0111】
ここで、本発明者は、上述した本実施の形態1〜3の半導体装置100〜102と、図12のn型高濃度領域HRが形成されていない半導体装置とのオン抵抗および耐圧を調べた。その内容について以下に説明する。
【0112】
具体的には、図1に示す実施の形態1の半導体装置100および図19に示す実施の形態2の半導体装置101のn型高濃度領域HRは、1×1012/cm2および3×1012/cm2の2種類のn型不純物濃度を有している。図25に示す実施の形態3の半導体装置102のn型高濃度領域HRは、3×1012/cm2の1種類のn型不純物濃度を有している。なお、n型高濃度領域HRに注入するn型不純物は、リンである。また図12に示す半導体装置はn型高濃度領域を備えていない。それぞれの半導体装置のオン抵抗および耐圧を下記の表4に示す。
【0113】
【表4】
【0114】
表4に示すように、リンの注入量が3×1012/cm2の場合、ピーク濃度がp型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとのpn接合部よりも深い位置に形成されたn型高濃度領域HRが形成されている実施の形態1〜3は、n型高濃度領域HRが形成されていない比較例の半導体装置よりもオン抵抗を低減することができる。また、n型高濃度領域HRが半導体基板SBの主表面12におけるp型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとの間の全面に位置していた実施の形態1の半導体装置100では、0.720mΩcm2という低いオン抵抗を実現できる。
【0115】
また、リンの注入量が3×1012/cm2と1×1012/cm2とを比較して、n型高濃度領域HRの不純物濃度を高くすることによって、オン抵抗をより低減できる。
【0116】
なお、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけてn型高濃度領域HRを配置した実施の形態2の半導体装置101およびフィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型不純物領域IM4を配置した実施の形態3における半導体装置102は、n型高濃度領域HRが形成されていない比較例の半導体装置よりもオン抵抗が低く、実施の形態1よりも耐圧を向上することができる。
【0117】
電流経路を構成する抵抗は、p型バックゲート領域BGの抵抗(図25において領域P1の抵抗)、p型バックゲート領域BGとn型ドレイン領域DRとの間に位置する領域の抵抗(図25において領域P2の抵抗)、およびフィールド絶縁膜FI下に位置するn-エピタキシャル層EPの抵抗(図25において領域P3の抵抗)の主に3つである。上述した内容から、この3つの抵抗のうち、p型バックゲート領域BGとn型ドレイン領域DRとの間に位置する領域の抵抗が、オン抵抗の低減に大きく寄与することがわかった。つまり、この領域を高濃度にすれば、図25に示すように、フィールド絶縁膜FIの下部に擬似的な空乏層となるp型不純物領域IM4を設けても、オン抵抗を十分に抵抗できることがわかった。
【0118】
(実施の形態4)
図30は、本実施の形態における半導体装置の構成を示す概略断面図である。図30に示すように、本実施の形態における半導体装置103は、たとえばHVMOSFETを備えている。
【0119】
図30に示すように、本実施の形態における半導体装置103は、図1に示す実施の形態1における半導体装置100と基本的には同様の構成を備えているが、p型バックゲート領域BGの形状およびn型高濃度領域HRの配置において異なる。
【0120】
具体的には、n型高濃度領域HRは、p型バックゲート領域BGと間隔をあけて配置されている。すなわち、n型高濃度領域HRは、n-エピタキシャル層EPを挟んでp型バックゲート領域BGと対向している。
【0121】
また、p型バックゲート領域BGのピーク濃度の位置は、図1に示す実施の形態1の半導体装置100のp型バックゲート領域BGのピーク濃度の位置よりも半導体基板SBの主表面12から深い。より具体的には、本実施の形態におけるHVMOSとしての半導体装置103のp型バックゲート領域BGのピーク濃度は、主表面12からたとえば1μm以上3μmに位置している。一方、実施の形態1〜3のDMOSFETを備えた半導体装置100〜102のp型バックゲート領域BGのピーク濃度は、主表面12からたとえば1μm未満(図2では約0.16μm)に位置している。
【0122】
図30に示す上記以外の構成は、上述した図1に示す構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0123】
続いて、本実施の形態における半導体装置103の製造方法について説明する。
図31〜34は、本実施の形態における半導体装置103の製造方法を工程順に示す概略断面図である。本実施の形態における半導体装置103の製造方法は、基本的には実施の形態1における半導体装置100の製造方法と同様の構成を備えているが、p型バックゲート領域BGおよびn型高濃度領域HRを形成する工程において異なっている。
【0124】
具体的には、まず、図5〜7に示して実施の形態1で説明したように、半導体基板SBの主表面上にフィールド絶縁膜FIが形成されるとともに、半導体基板SBの主表面にn型ドレイン領域DRが形成される。
【0125】
次に、図31に示すように、写真製版技術により、厚いフィールド絶縁膜FIで覆われていない領域を開口したレジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面のn-エピタキシャル層EPにたとえばボロンがイオン注入される。この後、たとえば800℃の温度で熱処理を行なうことにより、半導体基板SBの主表面にp型バックゲート領域BGとなるべきp型不純物領域が形成される。この後、p型バックゲート領域BGの閾値電圧VTHを決めるために、半導体基板SBの主表面にたとえばボロンがさらにイオン注入される。これにより、p型不純物領域からp型バックゲート領域BGが形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0126】
次に、図32に示すように、p型バックゲート領域BGと間隔をあけた位置から、フィールド絶縁膜FIにおいてn型ドレイン領域DRの外周側と接触している位置までの領域を開口したレジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面にたとえばリンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、n型高濃度領域HRが形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0127】
次に、実施の形態1と同様に、半導体基板SBの主表面に、図33に示すゲート絶縁膜GIおよび図34に示すゲート電極GEが形成される。次に、実施の形態1と同様に、図30に示すように、半導体基板SBの主表面に、n+ソース領域SRが形成される。
【0128】
本実施の形態の製造方法は、上記以外の工程については実施の形態1の製造方法とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0129】
以上により、図30に示す本実施の形態の半導体装置103が製造される。この半導体装置103は、たとえば図35および図36に示すように用いられる。なお、図35は、本実施の形態における半導体装置103の適用例を示す概略平面図である。図35において、層間絶縁膜OX、配線INC1、INC2およびコンタクトホールCO内のプラグ導電層PLは省略している。図35におけるn型高濃度領域HRを示す点線は、上述したn型高濃度領域HRを形成する工程を示す図32において半導体基板SBの表面に形成されたレジストパターンRPの開口部である。図36は、図35のXXXVI−XXXVI線に沿う断面図である。
【0130】
以上より、本実施の形態における半導体装置103によれば、順方向の電圧が印加されると、実施の形態1〜3と同様に、n型高濃度領域HRを通るキャリアが多い。このため、オン抵抗を十分に低減するHVMOSFETを備えた半導体装置103を実現できる。
【0131】
(実施の形態5)
図37は、本実施の形態における半導体装置の構成を示す概略断面図である。図37に示すように、本実施の形態における半導体装置104は、たとえばHVMOSFETを備えている。
【0132】
図37に示すように、本実施の形態における半導体装置104は、図4に示す実施の形態4における半導体装置103と基本的には同様の構成を備えているが、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけてn型高濃度領域HRが配置されている点において異なる。
【0133】
具体的には、実施の形態2と同様に、n型高濃度領域HRは、n-エピタキシャル層EPを挟んでフィールド絶縁膜FIと対向している。n型高濃度領域HRとフィールド絶縁膜FIとの間隔などは、実施の形態2と同様である。
【0134】
本実施の形態の製造方法は、上記以外の工程については実施の形態1または4の製造方法とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0135】
続いて、本実施の形態における半導体装置104の製造方法について説明する。図38は、本実施の形態における半導体装置104の製造方法を示す概略断面図である。図38を参照して、本実施の形態における半導体装置104の製造方法は、基本的には実施の形態4における半導体装置103の製造方法と同様の構成を備えているが、n型高濃度領域HRを形成する工程において異なっている。
【0136】
具体的には、図38に示すように、p型バックゲート領域BGと外周側に間隔をあけた位置から、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけた位置までの領域を開口したレジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面にたとえばリンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけて、n型高濃度領域HRが形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0137】
本実施の形態の製造方法は、上記以外の工程については図5〜7に示す実施の形態1または図31、33〜35に示す実施の形態4の製造方法とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0138】
以上により、図37に示す本実施の形態の半導体装置104が製造される。この半導体装置104を実際に使用する際には、たとえば図39および図40に示すように用いられる。なお、図39は、本実施の形態における半導体装置104の適用例を示す概略平面図である。図39において、層間絶縁膜OX、配線INC1、INC2およびコンタクトホールCO内のプラグ導電層PLは省略している。図39におけるn型高濃度領域HRを示す点線は、上述したn型高濃度領域HRを形成する工程で用いられるレジストパターンRPの開口部である。図40は、図39のXL−XL線に沿う断面図である。
【0139】
以上より、本実施の形態における半導体装置104によれば、順方向の電圧が印加されると、実施の形態1〜3と同様に、n型高濃度領域HRを通るキャリアが多い。このため、オン抵抗を低減することができる。また、実施の形態2と同様に、半導体装置104は、n型高濃度領域HRがフィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけて配置されている。このため、電界が集中するフィールド絶縁膜FIの端部14にn型高濃度領域HRよりも不純物濃度が低いn-エピタキシャル層EPが配置されるので、耐圧の低下を抑制することができる。したがって、オン抵抗を十分に低減し、かつ耐圧を向上するHVMOSFETを備えた半導体装置104が実現できる。
【0140】
(実施の形態6)
図41は、本実施の形態における半導体装置の構成を示す概略断面図である。図41に示すように、本実施の形態における半導体装置105は、たとえばHVMOSFETを備えている。
【0141】
図41に示すように、本実施の形態における半導体装置105は、図4に示す実施の形態4における半導体装置103と基本的には同様の構成を備えているが、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型の不純物が注入されたp型不純物領域IM4(第3の領域)をさらに備えている点において異なる。
【0142】
具体的には、実施の形態3と同様に、p型不純物領域IM4は、フィールド絶縁膜FIの下面15から端部14を通じて半導体基板SBの主表面12との接合部まで渡る領域に接するように設けられている。また、n型高濃度領域HRは、実施の形態2と同様に、フィールド絶縁膜FIの端部14から間隔をあけて配置されている。
【0143】
続いて、本実施の形態における半導体装置105の製造方法について説明する。図42は、本実施の形態における半導体装置105の製造方法を示す概略断面図である。図42を参照して、本実施の形態における半導体装置105の製造方法は、基本的には実施の形態4における半導体装置103の製造方法と同様の構成を備えているが、n型高濃度領域HRを形成する領域およびp型不純物領域IM4をさらに形成する点において異なっている。
【0144】
具体的には、図38に示して実施の形態4で説明したように、半導体基板SBの主表面に、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけてn型高濃度領域HRが形成される。
【0145】
次に、図42に示すように、写真製版技術により、フィールド絶縁膜FIの下面15においてn型高濃度領域HRと近い側の領域上を開口したレジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面にたとえばボロンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型不純物領域IM4が形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0146】
本実施の形態の製造方法は、上記以外の工程については図5〜7に示す実施の形態1、図31、33〜35に示す実施の形態4または図38に示す実施の形態5の製造方法とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0147】
以上により、図41に示す本実施の形態の半導体装置105が製造される。この半導体装置105を実際に使用する際には、たとえば図43および図44に示すように用いられる。なお、図43は、本実施の形態における半導体装置105の適用例を示す概略平面図である。図43において、層間絶縁膜OX、配線INC1、INC2およびコンタクトホールCO内のプラグ導電層PLは省略している。図43におけるn型高濃度領域HRを示す点線は、上述したn型高濃度領域HRを形成する工程で用いられたレジストパターンRPの開口部である。図44は、図43のXLIV−XLIV線に沿う断面図である。
【0148】
以上より、本実施の形態における半導体装置104によれば、順方向の電圧が印加されると、実施の形態1〜3と同様に、n型高濃度領域HRを通るキャリアが多い。このため、オン抵抗を十分に低減することができる。
【0149】
また、実施の形態3と同様に、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型不純物領域IM4が形成されているので、逆バイアスの印加時には、p型不純物領域IM4と、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPとのpn接合による空乏層と、p型不純物領域IM4による擬似的な空乏層とがすでに存在した状態で、p型バックゲート領域BGとn型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPとのpn接合からn-エピタキシャル層EP内への空乏層が延びることになる。よって、空乏層全体の広がりが大きくなるため、半導体装置102の耐圧を向上させることができる。したがって、オン抵抗を十分に低減し、かつ耐圧を向上するHVMOSFETを備えた半導体装置104を実現できる。
【0150】
ここで、本発明者は、上述した本実施の形態4〜6の半導体装置103〜105と、図45のn型高濃度領域HRが形成されていない半導体装置とのオン抵抗および耐圧を調べた。その内容について以下に説明する。
【0151】
なお、図45は、n型高濃度領域が形成されていない半導体装置を示す概略断面図である。図45における半導体装置は、n型高濃度領域HR以外の構成は、図30に示す実施の形態4と同様である。
【0152】
具体的には、図30に示す実施の形態4の半導体装置103、図37に示す実施の形態5の半導体装置104、図41に示す実施の形態6の半導体装置105のn型高濃度領域HRは、1×1012/cm2のn型不純物濃度を有している。なお、n型高濃度領域HRに注入するn型不純物は、リンである。それぞれの半導体装置のオン抵抗および耐圧を下記の表5に示す。
【0153】
【表5】
【0154】
表5に示すように、ピーク濃度がp型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとのpn接合部よりも深い位置に形成されたn型高濃度領域HRが形成されている実施の形態4〜6は、n型高濃度領域が形成されていない比較例の半導体装置よりもオン抵抗を低減することができる。また、n型高濃度領域HRが半導体基板SBの主表面12におけるp型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとの間の全面に位置していた実施の形態4の半導体装置103では、1.108mΩcm2という低いオン抵抗を実現できる。
【0155】
なお、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型不純物領域IM4を配置した実施の形態6における半導体装置105は、n型高濃度領域が形成されていない比較例の半導体装置よりもオン抵抗が低く、実施の形態4よりも耐圧を向上することができる。
【0156】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の実施の形態1における半導体装置を構成を示す概略断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う部分の不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う部分の不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う部分の不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図9】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図10】本発明の実施の形態1における半導体装置の適用例を示す概略平面図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】本発明の実施の形態1の構成からn型高濃度領域HRを省略した構成を示す概略断面図である。
【図13】本発明の実施の形態1の構成においてn型高濃度領域HRのピーク濃度位置がn+ソース領域SR下端位置よりも浅い場合の構成を示す概略断面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線に沿う部分の不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図15】本発明の実施の形態1における半導体装置に順バイアスの電圧が印加されたときの電子の移動度を示す図である。
【図16】図12の半導体装置に順バイアスの電圧が印加されたときの電子の移動度を示す図である。
【図17】図13の半導体装置に順バイアスの電圧が印加されたときの電子の移動度を示す図である。
【図18】(a)は過電流を検出するためのカレントミラー回路を示す模式図であり、(b)は電流制御を検出するためのカレントミラー回路を示す模式図であり、(c)はDMOSFETおよびHVMOSFETのカレントミラー比の分布を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態2における半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図20】図19のXX−XX線に沿う不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図21】本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法を示す概略断面図である。
【図22】本発明の実施の形態2における半導体装置の適用例を示す概略平面図である。
【図23】図22のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。
【図24】本発明の実施の形態2における半導体装置に順バイアスの電圧が印加されたときの電子の移動度を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態3における半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図26】図25のXXVI−XXVI線に沿う不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図27】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法を示す概略断面図である。
【図28】本発明の実施の形態3における半導体装置の適用例を示す概略平面図である。
【図29】図28のXXIX−XXIX線に沿う断面図である。
【図30】本発明の実施の形態4における半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図31】本発明の実施の形態4における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図32】本発明の実施の形態4における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図33】本発明の実施の形態4における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図34】本発明の実施の形態4における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図35】本発明の実施の形態4における半導体装置の適用例を示す概略平面図である。
【図36】図35のXXXVI−XXXVI線に沿う断面図である。
【図37】本発明の実施の形態5における半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図38】本発明の実施の形態5における半導体装置の製造方法を示す概略断面図である。
【図39】本発明の実施の形態5における半導体装置の適用例を示す概略平面図である。
【図40】図39のXL−XL線に沿う断面図である。
【図41】本発明の実施の形態6における半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図42】本発明の実施の形態6における半導体装置の製造方法を示す概略断面図である。
【図43】本発明の実施の形態6における半導体装置の適用例を示す概略平面図である。
【図44】図43のXLIV−XLIV線に沿う断面図である。
【図45】n型高濃度領域が形成されていない半導体装置を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0158】
12 主表面、14 端部、15 下面、100〜105 半導体装置、BG p型バックゲート領域、BU n+埋込層、CO コンタクトホール、DR n型ドレイン領域、EP エピタキシャル層、FI フィールド絶縁膜、GE ゲート電極、GI ゲート絶縁膜、HR n型高濃度領域、IM1 p型領域、IM2 p型不純物領域、IM3 p+型不純物領域、IM4 p型不純物領域、INC1,INC2 配線、OX 層間絶縁膜、PG 充填層、PL プラグ導電層、RP レジストパターン、SB 半導体基板、SR n+ソース領域、TR トレンチ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ソース領域と、ドレイン領域と、これらの領域間に位置するチャネル形成領域上に形成されたゲート電極とを備えたMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor:電界効果トランジスタ)が広く用いられている。このようなMOSFETとして、たとえば特許文献1には、、耐圧とオン抵抗(オン状態時の抵抗)とのトレードオフを改善することを目的としたDMOS(Double-diffused MOS)パワートランジスタが開示されている。このDMOSパワートランジスタでは、半導体基板の主表面に、浅いn型チャネル補償埋込層(shallow n-type channel compensating implant)が形成されている。
【特許文献1】米国特許第6700160号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1の構成では、オン抵抗を十分に低減できないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、オン抵抗を十分に低減できる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施の形態の半導体装置は、半導体基板と、エピタキシャル層と、バックゲート領域と、第1の領域と、第2の領域と、ゲート電極と、第3の領域とを備えている。半導体基板は、主表面を有している。エピタキシャル層は、主表面に形成され、第1導電型である。バックゲート領域は、主表面に形成され、かつエピタキシャル層とpn接合を構成するように形成され、第2導電型である。第1の領域は、バックゲート領域内の主表面に形成され、第1導電型である。第2の領域は、主表面においてバックゲート領域を挟んで第1の領域と対向するように主表面に形成され、第1導電型である。ゲート電極は、第1の領域と第2の領域との間に位置するバックゲート領域上に絶縁膜を介して形成されている。第3の領域は、エピタキシャル層よりも高い第1導電型の不純物濃度を有し、バックゲート領域と第2の領域との間に位置し、かつバックゲート領域と第1の領域とのpn接合部よりも主表面から深い位置にピーク濃度を有している。
【発明の効果】
【0006】
本実施の形態の半導体装置によれば、バックゲート領域と第2の領域との間に位置し、かつそのピーク濃度がバックゲート領域と第1の領域とのpn接合部よりも主表面から深くなるように第3の領域が形成されている。本実施の形態の半導体装置に順方向バイアスが印加された時には、第1の領域から第2の領域へ向かうキャリアの多くは、第3の領域を通る。この第3の領域はエピタキシャル層よりも不純物濃度が高いので、抵抗が低い。このため、電流経路に抵抗が低い第3の領域が形成されているので、半導体装置のオン抵抗を十分に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態における半導体装置を構成を示す概略断面図である。図1に示すように、本実施の形態における半導体装置100は、主表面12を有する半導体基板SBと、半導体基板SBに形成されたMOSFETとを備えている。このMOSFETは、たとえばDMOSFETである。半導体基板SBには、たとえばシリコン基板などを用いることができる。
【0008】
DMOSFETは、n-エピタキシャル層EPと、p型バックゲート領域BGと、第1の領域としてのn+ソース領域SRと、第2の領域としてのn型ドレイン領域DRと、第3の領域としてのn型高濃度領域HRと、ゲート絶縁膜GIと、ゲート電極GEとを有している。
【0009】
半導体基板SBはp型領域IM1を有し、このp型領域IM1上にはn+埋込層BUが選択的に形成されている。
【0010】
n-エピタキシャル層EPは、p型領域IM1およびn+埋込層BU上に形成され、かつ半導体基板SBの主表面12に位置している。
【0011】
p型バックゲート領域BGは、下面においてn-エピタキシャル層EPとpn接合をなすようにn-エピタキシャル層EP内における半導体基板SBの主表面12の一部に位置している。
【0012】
n+ソース領域SRは、p型バックゲート領域BGとpn接合をなすように、p型バックゲート領域BG内の主表面12に形成されている。n+ソース領域SRは、主表面12におけるp型バックゲート領域BGに取り囲まれている。
【0013】
n型ドレイン領域DRは、n+ソース領域SRとの間でp型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとを挟むように主表面12に形成されている。
【0014】
n型高濃度領域HRは、主表面12におけるp型バックゲート領域BGとn型ドレイン領域DRとの間に位置するように形成されている。n型高濃度領域HRは、主表面12においてp型バックゲート領域BGを取り囲んでいる。このn型高濃度領域HRは、p型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとのpn接合部よりも主表面12から深い位置にピーク濃度を有している。また、このn型高濃度領域HRは、p型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとのpn接合よりも浅い位置にピーク濃度を有している。n型高濃度領域HRは、n-エピタキシャル層EPよりも高いn型不純物濃度を有している。
【0015】
n+ソース領域SRとn型ドレイン領域DRとの間におけるn型高濃度領域HRおよびn型ドレイン領域DRの主表面12には、たとえばLOCOS(Local Oxidation of Silicon)酸化膜よりなるフィールド絶縁膜FIが選択的に形成されている。
【0016】
ゲート電極GEは、n+ソース領域SRとn型ドレイン領域DRとの間に位置する少なくともp型バックゲート領域BG上にゲート絶縁膜GIを介して形成されている。このゲート電極GEは、n型高濃度領域HR上にゲート絶縁膜GIを介して形成されており、そのゲート電極GEの一方端部は、フィールド絶縁膜FIの上に乗り上げている。このようにゲート電極GEは、ゲート絶縁膜GIを挟んでn型高濃度領域HRと対向する部分と、フィールド絶縁膜FIを挟んでn-エピタキシャル層EPと対向する部分とを有し、これによりフィールドプレート効果が得られる。ゲート電極GEは、たとえば不純物がドープされた多結晶シリコン膜、シリコン/タングステンなどからなっている。ゲート絶縁膜GIは、たとえばシリコン酸化膜である。
【0017】
n+ソース領域SRと隣接するようにp型バックゲート領域BG内における半導体基板SBの主表面12にp型不純物領域IM2が形成されている。p型不純物領域IM2は、p型バックゲート領域BGよりも高いp型不純物濃度を有しており、その下面においてp型バックゲート領域BGと接続されている。p型不純物領域IM2は、主表面12においてn+ソース領域SRに取り囲まれている。
【0018】
半導体基板SBは、上記DMOSFETが形成された領域を他のMOSFETなどの半導体素子が形成された領域から電気的に分離するための分離領域を有している。なお、他の半導体素子は、上述したDMOSFETと同一種類の半導体素子であってもよく、異なる種類の半導体素子であってもよい。
【0019】
このDMOSFETを分離するための分離領域は、たとえばSTI(Shallow Trench Isolation)であり、トレンチTRと、このトレンチTRを埋める充填層PGとを有している。トレンチTRは、主表面12からn-エピタキシャル層EPを貫通してp型領域IM1の内部に到達するように半導体基板SBに形成されている。充填層PGは、たとえば酸化シリコン膜などである。
【0020】
トレンチTRの下端近傍には、p+不純物領域IM3が形成されている。p+不純物領域IM3は、n-エピタキシャル層EPとは逆導電型であり、p型領域IM1よりも高い不純物濃度を有している。
【0021】
DMOSFETを覆うように主表面12上に層間絶縁膜OXが形成されている。層間絶縁膜OXには、n+ソース領域SR、p型不純物領域IM2およびn型ドレイン領域DRの各々に達するコンタクトホールCOが形成されている。層間絶縁膜OX上には、配線INC1、INC2が形成されている。配線INC1は、コンタクトホールCO内のプラグ導電層PLを介して、n+ソース領域SRおよびp型不純物領域IM2と電気的に接続されている。配線INC2は、コンタクトホールCO内のプラグ導電層PLを介してn型ドレイン領域DRと電気的に接続されている。プラグ導電層PLは、たとえばタングステンなどの導電性の材料よりなっており、配線INC1、INC2はたとえばアルミニウムよりなっている。
【0022】
続いて、図2〜図4を参照して、図1に示した本実施の形態における半導体装置100を構成するDMOSFETの各層(領域)の濃度について説明する。図2〜図4は、それぞれ図1のII−II線、III−III線およびIV−IV線に沿う部分の不純物濃度のプロファイルを示す図である。図2〜図4において横軸は、それぞれ図1のII−II線、III−III線およびIV−IV線に沿う位置を示しており、左端は主表面12を示している。この横軸の数値は、各層の位置を示す指標であり、同じ位置には同じ数値を付している。また縦軸は、それぞれの位置での不純物濃度(単位log(cm-3))を示している。図2および図4で示す不純物は、たとえばリンである。図3で示すn型を示す領域の不純物はたとえばリンであり、p型を示す領域の不純物はたとえばボロンである。
【0023】
図2に示すように、n型高濃度領域HRは、5.0×1015cm-3〜4.0×1016cm-3のn型不純物濃度を有している。n型高濃度領域HRは、この図2の横軸の深さにおいて、たとえば主表面12から0.16μmの深さ位置にピーク濃度(4.0×1016cm-3程度)を有している。またn型高濃度領域HRは、そのピーク濃度の深さ位置からn-エピタキシャル層EPとの接合部に向けて低くなる不純物濃度分布を有している。
【0024】
図3に示すように、n+ソース領域SRは、2.5×1017cm-3〜1.1×1020cm-3のn型不純物濃度を有している。n+ソース領域SRにおいてn型不純物濃度分布は、主表面12にピーク濃度を有しており、その主表面12からp型バックゲート領域BGとの接合部に向けて低くなる不純物濃度分布を有している。
【0025】
p型バックゲート領域BGは、4.0×1015cm-3〜1.0×1018cm-3のp型不純物濃度を有している。p型バックゲート領域BGにおけるp型不純物濃度分布は、n+ソース領域SRとの接合部とn-エピタキシャル層EPとの間にピーク濃度を有し、n+ソース領域SRとの接合部からピーク濃度に向けて高くなり、ピーク濃度からn-エピタキシャル層EPとの接合部に向けて低くなる不純物濃度分布を有している。
【0026】
n+ソース領域SRとp型バックゲート領域BGとのpn接合部は、この図3の横軸の深さにおいてたとえば主表面12から0.14μmの深さに位置している。このため、図2と図3とに示すように、n型高濃度領域HRのピーク濃度の深さ位置(たとえば0.16μm)は、n+ソース領域SRとp型バックゲート領域BGとのpn接合部の深さ位置(たとえば0.14μm)よりも深くに位置している。また、n型高濃度領域HRのピーク濃度の深さ位置は、p型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとのpn接合部の深さ位置(たとえば0.63μm)よりも浅くに位置している。
【0027】
図2および図4に示すように、n-エピタキシャル層EPは3.4×1014cm3〜5.0×1015cm-3のn型不純物濃度を有している。
【0028】
なお、上述したn型不純物としては、たとえばP(リン)、As(砒素)などを用いることができる。またp型不純物としては、たとえばB(ボロン)などを用いることができる。
【0029】
また本実施の形態では、後述するように、n型チャネルが形成されるように第1および第2の導電型を定めたが、p型チャネルが形成されるように第1および第2の導電型を上述した内容と逆に定めてもよい。
【0030】
また本実施の形態では、n型高濃度領域HRのピーク濃度が、p型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとのpn接合よりも浅い位置になるように形成されているが、特にこれに限定されない。n型高濃度領域HRのピーク濃度は、p型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとのpn接合部よりも深ければ、p型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとのpn接合よりも深くてもよい。
【0031】
続いて、本実施の形態における半導体装置100の製造方法について説明する。
図5〜図9は、本実施の形態における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。図5に示すように、まず、p型領域IM1よりなる半導体基板SBが準備される。この半導体基板SBの表面が酸化されて、その表面にたとえば300nm〜1000nmの厚みのシリコン酸化膜(図示せず)が形成される。通常の写真製版技術により、そのシリコン酸化膜上にフォトレジストパターン(図示せず)が形成される。このレジストパターンをマスクとしてシリコン酸化膜がエッチングされてパターニングされる。この後、レジストパターンがたとえばアッシングなどにより除去される。
【0032】
パターニングされたシリコン酸化膜をマスクとしてp型の半導体基板SBの主表面に、たとえばアンチモン(Sb)がイオン注入される。この後、たとえば1240℃の温度で熱処理を行なうことにより、半導体基板SBの主表面にn+埋込層BUが形成される。この後、半導体基板SBの主表面のシリコン酸化膜が除去される。
【0033】
次に、n+埋込層BUが形成された半導体基板SBの主表面にエピタキシャル成長が行なわれて、その半導体基板SBの主表面上にn-エピタキシャル層EPが形成される。
【0034】
n-エピタキシャル層EPの表面(半導体基板SBの主表面12)が酸化されて、その表面にたとえば300nm〜1000nmの厚みのシリコン酸化膜(図示せず)が形成される。通常の写真製版技術により、そのシリコン酸化膜上にフォトレジストパターン(図示せず)が形成される。このレジストパターンをマスクとしてシリコン酸化膜がエッチングされてパターニングされる。この後、レジストパターンがたとえばアッシングなどにより除去される。
【0035】
パターニングされたシリコン酸化膜をマスクとしてn-エピタキシャル層EPの表面がエッチングされる。この後、n-エピタキシャル層EPの主表面のシリコン酸化膜が除去される。
【0036】
次に、図6に示すように、半導体基板SBの主表面にLOCOS法によりフィールド絶縁膜FIが選択的に形成される。300nm〜1000nmの酸化が行なわれた後、写真製版技術によりレジストパターンが形成され、そのレジストパターンをマスクとしてフィールド絶縁膜FIが選択的にエッチング除去される。この後、レジストパターンがたとえばアッシングなどにより除去される。
【0037】
次に、選択的にエッチング除去されたフィールド絶縁膜FIをマスクとして半導体基板SBがエッチングされて、半導体基板SBにトレンチTRが形成される。酸化が行なわれて、トレンチTRの壁面にたとえば20nm〜30nmの厚みのシリコン酸化膜が形成される。この後、ボロンがイオン注入されることによって、トレンチTRの下端部を取り囲むように半導体基板SB中にp+不純物領域が形成される。この後、シリコン酸化膜が堆積されて、トレンチTR内を埋め込む充填層PGが形成される。
【0038】
次に、図7に示すように、写真製版技術によりレジストパターンが形成され、そのレジストパターンをマスクとして半導体基板SBの主表面にたとえばリンがイオン注入される。この後、たとえば800℃の温度で熱処理を行なうことにより、半導体基板SBの主表面にn型ドレイン領域DRが形成される。この後、レジストパターンは除去される。
【0039】
次に、図8に示すように、写真製版技術により、n型ドレイン領域DRにおいてフィールド絶縁膜FIと外周側で接触する部分までを開口したレジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面にたとえばリンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、n型高濃度領域HRが形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0040】
次に、図9に示すように、シリコン酸化膜が数十nmエッチングされ、フィールド絶縁膜FIが形成されていない領域の半導体基板SBの主表面が露出する。この後、熱酸化されることにより、露出した半導体基板SBの主表面にたとえば数十nmの厚みのシリコン酸化膜よりなるゲート絶縁膜GIが形成される。
【0041】
この後、不純物がドープされた多結晶シリコン膜(以下、ドープトポリシリコン膜と称する)とタングステンシリサイド(WSi2)層とが表面全面に順に積層される。通常の写真製版技術およびエッチング技術により、積層されたドープトポリシリコン膜とタングステンシリサイド層とがパターニングされて、ゲート電極GEが形成される。
【0042】
次に、写真製版技術によりレジストパターンが形成され、そのレジストパターン、ゲート電極などをマスクとして半導体基板SBの主表面にたとえばボロンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、p型バックゲート領域BGが形成される。この後、そのレジストパターンは除去される。
【0043】
次に、図1に示すように、写真製版技術によりレジストパターンが形成され、そのレジストパターン、ゲート電極などをマスクとして半導体基板SBの主表面にたとえば砒素がイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、n+ソース領域SRが形成される。この後、そのレジストパターンは除去される。
【0044】
次に、写真製版技術によりレジストパターンが形成され、そのレジストパターン、ゲート電極などをマスクとして半導体基板SBの主表面にたとえばボロンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、p型不純物領域IM2が形成される。この後、そのレジストパターンは除去される。
【0045】
次に、たとえばシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜OXが、厚み500nm〜1000nmで形成される。この後、通常の写真製版技術およびエッチング技術により、層間絶縁膜OXに、n型ドレイン領域DR、n+ソース領域SRおよびp型不純物領域IM2の各々に達するコンタクトホールCOが形成される。
【0046】
このコンタクトホールCO内を埋め込むように、たとえばチタン(Ti)層と窒化チタン(TiN)層との積層膜およびタングステン(W)膜が形成された後にコンタクトホールCO内のみに残存させるようにエッチングが施される。これによりコンタクトホールCO内を埋め込むプラグ導電層PLが形成される。
【0047】
次に、層間絶縁膜OX上に、たとえばAlCuまたはAlSiCuよりなる導電層が堆積された後に、通常の写真製版技術およびエッチング技術によりこの導電層がパターニングされて配線INC1、INC2が形成される。
【0048】
以上により、図1に示す本実施の形態の半導体装置100が製造される。この半導体装置100を実際に使用する際には、たとえば図10および図11に示すように用いられる。なお、図10は、本実施の形態における半導体装置100の適用例を示す概略平面図である。図10において、層間絶縁膜OX、配線INC1、INC2およびコンタクトホールCO内のプラグ導電層PLは省略している。図10におけるn型高濃度領域HRを示す点線は、上述したn型高濃度領域HRを形成する工程を示す図8において半導体基板SBの表面に形成されたレジストパターンRPの開口部である。図11は、図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【0049】
続いて、本実施の形態の半導体装置100の作用効果について説明する。
本実施の形態におけるオン抵抗低減の効果を調べるために図1、図12および図13の半導体装置の構成について、電子の移動度のシュミレーションを行なった。それらの結果を図15〜17にそれぞれ示す。
【0050】
ここで、図12は、図1に示す本実施の形態の構成からn型高濃度領域HRを省略した構成を示す概略断面図である。図13は、図1に示す本実施の形態の構成においてn型高濃度領域HRのピーク濃度位置がn+ソース領域SR下端位置よりも浅い場合の構成を示す概略断面図である。図12および図13の半導体装置において、n型高濃度領域HR以外の構成は、図1に示す本実施の形態と同様である。
【0051】
図14は、図13のXIV−XIV線に沿う部分の不純物濃度のプロファイルを示す図である。図14において左端は主表面12を示している。この横軸の数値は、各層の位置を示す指標であり、図2〜図4と同じ位置には同じ数値を付している。また縦軸はそれぞれの位置での不純物濃度(単位log(cm-3))を示している。
【0052】
図14に示すように、n型高濃度領域HRは、4.0×1015cm-3〜0.4×1017cm-3のn型不純物濃度を有している。n型高濃度領域HRは、この図2の横軸の深さにおいて、たとえば主表面12から0.01μmの深さ位置にピーク濃度(0.4×1017cm-3程度)を有している。n+ソース領域SRとp型バックゲート領域BGとのpn接合部は、上述したように図3の横軸の深さにおいてたとえば主表面12から0.14μmの深さに位置している。このため、図3と図14とに示すように、n型高濃度領域HRのピーク濃度の深さ位置(たとえば0.01μm)は、n+ソース領域SRとp型バックゲート領域BGとのpn接合部の深さ位置(たとえば0.14μm)よりも浅くに位置している。また、図2と図14とに示すように、図13に示す半導体装置に形成されたn型高濃度領域HRのピーク濃度の位置(たとえば0.01μm)は、本実施の形態の半導体装置100に形成されたn型高濃度領域HRのピーク濃度の位置(たとえば0.016μm)よりも半導体基板SBの主表面12に近い。
【0053】
図15〜17のそれぞれは、図1に示す本実施の形態における半導体装置100、図12および図13の半導体装置に順バイアスの電圧が印加されたときの電子の移動度を示す図である。図15〜17において記載されている数値は、電子の移動度(単位:cm2V-1s-1)である。
【0054】
図1に示す本実施の形態における半導体装置100において、ゲート電極GEに相対的に正の電圧が印加されると、ゲート電極GE下のp型バックゲート領域BGの表面に反転層であるn型チャネルが形成される。これにより、n型のキャリアとしての電子は、n+ソース領域SRから、この反転層、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPを通じてn型ドレイン領域DRに注入される。
【0055】
ここで、図15〜図17を比較すると、たとえば4.50×10-7cm2V-1s-1の電子の移動度を示す線は、図16および図17よりも図15において半導体基板SBの主表面12から深いところに延びている。つまり、図15の半導体装置では、図16および図17の半導体装置よりも大きな電子の移動度の得られる領域が広い。このことから、図1に示す本実施の形態における半導体装置100は、図12および図13に示す構成よりもオン抵抗を低減できることがわかる。
【0056】
図1に示す本実施の形態の構成において図12および図13に示す構成に比較して、オン抵抗を低減できる理由は以下のように考えられる。
【0057】
上述したように、DMOSFETのオン時には、n型のキャリアとしての電子はn+ソース領域SRから反転層、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPを通じてn型ドレイン領域DRに注入される。電子がn型高濃度領域HR内を通過する際に電子の大部分は、n型高濃度領域HR内においてn+ソース領域SRとn型バックゲート領域BGとのpn接合部よりも深い位置を通過すると考えられる。このため、そのpn接合部よりも深い位置にピーク濃度を有するn型高濃度領域HRを設けた図1の構成においてオン抵抗が低減したものと考えられる。
【0058】
また、図2および図13の各々の構成では、n型高濃度領域HR内における大部分の電子の通過経路にn型高濃度領域HRが存在しないため、オン抵抗が図1の構成よりも高くなったと考えられる。
【0059】
次に、本実施の形態における半導体装置100がカレントミラー回路でのバラツキを低減できる作用効果について説明する。
【0060】
カレントミラー回路は、主にMOSFETなどの半導体素子の過電流検出出力電流制御などの電流制御に使用されている。たとえば、MOSFETに数A流れている過電流の検出において、誤作動などで電流が規格以上流れた場合に、この過電流を直接検出することは不可能である。このため、カレントミラー回路では、図18(a)に示すように、検出するMOSFET(出力トランジスタ)よりも少ない電流を流すための(たとえばMOSFETに流れる電流の1/1000の電流が流れる)基準トランジスタが設けられ、この基準トランジスタに流れる電流が測定されることで、過電流が検出される。また、電流制御は、図18(b)に示すように、基準トランジスタに電流を流すことで、出力トランジスタに基準トランジスタよりも大きな電流を流すことができる(たとえばMOSFETに流れる電流の1000倍の電流が流れる)。このため、カレントミラー回路では、基準トランジスタにたとえば数百μA〜数mAの電流を流すことで、容易にMOSFETの電流制御が可能となる。なお、図18(a)は、過電流を検出するためのカレントミラー回路を示す模式図である。図18(b)は、電流制御を検出するためのカレントミラー回路を示す模式図である。
【0061】
このカレントミラー回路において、基準トランジスタに10μAの電流を流した場合に、出力トランジスタとしてのDMOSFETおよびHVMOS(High-Voltage MOS:高耐圧MOS)FETの各々に流れた電流値から求まるカレントミラー比(出力電流/入力電流)を図18(c)および下記の表1に示す。なお、図18(c)は、DMOSFETおよびHVMOSFETのカレントミラー比の分布を示す図である。図18(c)において、横軸はカレントミラー比を示し、縦軸は標準正規分布f(x)を示す。
【0062】
【表1】
【0063】
図18(c)および表1に示すように、DMOSFETのカレントミラー比は、HVMOSFETのカレントミラー比よりもバラツキが大きいことがわかる。また、表1に示すように、DMOSFETのバラツキ(3σ/average)は、HVMOSFETのバラツキの約4倍であることがわかる。このことから、HVMOSFETよりもDMOSFETの方が過電流のバラツキが大きいことがわかる。
【0064】
また、DMOSFETおよびHVMOSFETの基準トランジスタに10μAの電流を流した場合に、それぞれの基準トランジスタのドレイン領域に電流が流れるようになる基準トランジスタの閾値電圧VTHを下記の表2に示す。なお、基準トランジスタに10μmの電流を流した場合のDMOSFETおよびHVMOSFETの基準トランジスタのゲート電圧は、閾値電圧VTHから数百mV超えた値である。
【0065】
【表2】
【0066】
また、このときの出力トランジスタであるDMOSFETおよびHVMOSFETの閾値電圧VTHを下記の表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
表2および3より、基準トランジスタおよび出力トランジスタの各々の閾値電圧VTHのバラツキ(3σ/average)は、2、3%とほぼ同程度である。しかし、表2に示すように、DMOSFETの基準トランジスタの閾値電圧のσ(標準偏差)は、HVMOSFETの基準トランジスタの閾値電圧のσの1.8倍である。また、表3に示すように、出力側のDMOSFETの閾値電圧のσは、HVMOSFETの閾値電圧のσの1.5倍である。このことから、HVMOSFETよりもDMOSFETの方が電流制御のばらつきが大きいことがわかる。
【0069】
したがって、表1〜表3の過電流検出および電流制御のバラツキより、一般的に、DOMOSFETのカレントミラー回路でのバラツキはHVMOSFETのカレントミラー回路のバラツキよりも大きいことがわかる。
【0070】
ここで、本実施の形態のDMOSFETを備えた半導体装置100では、キャリアが移動する領域にn型不純物を注入して形成されたn型高濃度領域HRを備えている。このため、たとえばn型高濃度領域HRのリンの注入量を2×1012cm-3〜4×1012cm-3とすると、DMOSFETの閾値電圧VTHを1.0V〜1.3Vに低減することができる。従来のDMOSFETの閾値電圧が1.6V程度であったので、本実施の形態のDMOSFETでは閾値電圧を低減できる。このため、本実施の形態の半導体装置100によれば、カレントミラー回路のバラツキを低減できる。
【0071】
次に、本実施の形態における半導体装置100が耐圧の低下を抑制できる作用効果について説明する。半導体装置100において、p型バックゲート領域BGとn型ドレイン領域DRとに逆バイアスが印加されると、p型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとのpn接合、および、p型バックゲート領域BGとn型高濃度領域HRとのpn接合から、n-エピタキシャル層EPへ空乏層が広がる。本実施の形態では、n型高濃度領域HRのピーク濃度は、p型バックゲート領域BGとn-エピタキシャル層EPとのpn接合よりも浅い。n-エピタキシャル層EPよりも不純物濃度が高いn型高濃度領域HRによって、空乏層の広がりが抑制される領域が少ない。このため、耐圧の低下を抑制することができる。つまり、耐圧を確保するためには、n+ソース領域SRからn型ドレイン領域DRに至るn-エピタキシャル層EPにおいて空乏化すればよいので、半導体基板SBの主表面12にn型高濃度領域HRが形成されていても、耐圧の低下を抑制することができる。
【0072】
次に、本実施の形態における半導体装置100が小型化を図ることができる作用効果について説明する。
【0073】
本実施の形態における半導体装置100では、DMOSFETと他の半導体素子との分離にトレンチ分離が用いられている。このため、不純物の拡散によりDMOSFETと他の半導体素子とを分離する場合よりも、DMOSFETを分離するために要する平面占有面積を小さくすることができる。したがって、デバイスの小型化を図ることができる。
【0074】
また上記半導体装置100において、素子を分離するための領域は、トレンチTRとトレンチTRを埋める充填層PGとを有している。このため、半導体装置100の小型化を図りつつ、充填層PGにより、DMOSFETと他の半導体素子とをより確実に電気的に分離できる。
【0075】
(実施の形態2)
図19は、本実施の形態における半導体装置の構成を示す概略断面図である。図19に示すように、本実施の形態における半導体装置101は、たとえばDMOSFETを備えている。
【0076】
図19に示すように、本実施の形態における半導体装置101は、図1に示す実施の形態1における半導体装置100と基本的には同様の構成を備えているが、フィールド絶縁膜FIの端部(エッジ)14と間隔をあけてn型高濃度領域HRが配置されている点において異なる。
【0077】
具体的には、n型高濃度領域HRは、n-エピタキシャル層EPを挟んでフィールド絶縁膜FIと対向している。
【0078】
n型高濃度領域HRは、フィールド絶縁膜FIの端部14から、たとえば0.3μm以上0.7μm以下、好ましくは0.5μm程度離れている。ここで、フィールド絶縁膜FIの端部14とは、いわゆるバーズビークと呼ばれる部分であり、一定の広い幅を構成する部分から幅が狭くなる始点である。このフィールド絶縁膜FIの端部14には、電界が集中する。
【0079】
図20は、図19のXX−XX線に沿う不純物濃度のプロファイルを示す図である。図20において左端はフィールド絶縁膜FIの端部14を示している。この横軸の数値は、各層の位置を示す指標である。また縦軸は、それぞれの位置での不純物濃度(単位log(cm-3))を示している。図20で示す不純物は、たとえばリンである。
【0080】
図20に示すように、n型高濃度領域HRは、3.2×1015cm-3〜7.5×1016cm-3のn型不純物濃度を有している。n型高濃度領域HRは、p型バックゲート領域BGとのpn接合部近傍にピーク濃度を有し、フィールド絶縁膜FIの端部14からp型バックゲート領域BGに向けて不純物濃度が高くなる不純物濃度分布を有している。また、p型バックゲート領域BGには、7.5×1016cm-3のn型不純物が注入されている。
【0081】
図19に示す上記以外の構成は、上述した図1に示す構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0082】
続いて、本実施の形態における半導体装置101の製造方法について説明する。
図21は、本実施の形態における半導体装置101の製造方法を示す概略断面図である。本実施の形態における半導体装置101の製造方法は、基本的には実施の形態1における半導体装置100の製造方法と同様の構成を備えているが、n型高濃度領域HRを形成する領域において異なっている。
【0083】
具体的には、図21に示すように、写真製版技術により、厚いフィールド絶縁膜FIの内周側で囲まれる領域を開口したレジストパターンRPが形成される。すなわち、フィールド絶縁膜FIの端部14にイオンが注入されないように、レジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面にたとえばリンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけてn型高濃度領域HRが形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0084】
本実施の形態の製造方法は、上記以外の工程については実施の形態1の製造方法とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0085】
以上により、図19に示す本実施の形態の半導体装置101が製造される。この半導体装置101を実際に使用する際には、たとえば図22および図23に示すように用いられる。なお、図22は、本実施の形態における半導体装置101の適用例を示す概略平面図である。図22において、層間絶縁膜OX、配線INC1、INC2およびコンタクトホールCO内のプラグ導電層PLは省略している。図22におけるn型高濃度領域HRを示す点線は、上述したn型高濃度領域HRを形成する工程を示す図21において半導体基板SBの表面に形成されたレジストパターンRPの開口部である。図23は、図22のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。
【0086】
続いて、本実施の形態の半導体装置101の作用効果について説明する。
まず、本実施の形態における半導体装置101が耐圧の低下を抑制できる作用効果について説明する。
【0087】
半導体装置101は、n型高濃度領域HRがフィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけて配置されている。フィールド絶縁膜FIの端部14を含むバーズビークと呼ばれる領域には、電界が集中するため、耐圧が低下する。この端部14にn型高濃度領域HRよりも不純物濃度が低いn-エピタキシャル層EPが配置されているので、耐圧の低下を抑制することができる。
【0088】
次に、本実施の形態における半導体装置101がオン抵抗を低減できる作用効果について説明する。
【0089】
本実施の形態におけるオン抵抗低減の効果を調べるために、図19の半導体装置101の構成について、電子の移動度のシュミレーションを行なった。その結果を図24に示す。図24は、図19に示す本実施の形態における半導体装置101に順バイアスの電圧が印加されたときの電子の移動度を示す図である。図24において記載されている数値は、電子の移動度(単位:cm2V-1s-1)である。
【0090】
図24に示す本実施の形態における半導体装置102において、ゲート電極GEに相対的に正の電圧が印加されると、ゲート電極GE下のp型バックゲート領域BGの表面に反転層であるn型チャネルが形成される。これにより、n型のキャリアとしての電子は、n+ソース領域SRから、この反転層、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPを通じてn型ドレイン領域DRに注入される。
【0091】
実施の形態1で示した図16、図17と、図24とを比較すると、たとえば4.50×10-7cm2V-1s-1の電子の移動度を示す線は図16および図17よりも図24において半導体基板SBの主表面12から深いところに延びている。つまり、図24の半導体装置において電流が流れる領域が、図16および図17の半導体装置において電流が流れる領域よりも大きい。このことから、図2に示す本実施の形態における半導体装置102は、図12および図13に示す構成よりもオン抵抗を十分に低減できることがわかる。
【0092】
さらに、上述したように、n型高濃度領域HRがフィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけて配置されることによって、耐圧の低下を抑制することができる。このため、不純物濃度が高いn型不純物をn型高濃度領域HRに注入することができる。したがって、n型高濃度領域HRの抵抗をさらに低減することができる。
【0093】
(実施の形態3)
図25は、本実施の形態における半導体装置の構成を示す概略断面図である。図25に示すように、本実施の形態における半導体装置102は、たとえばDMOSFETを備えている。
【0094】
図25に示すように、本実施の形態における半導体装置102は、図1に示す実施の形態1における半導体装置100と基本的には同様の構成を備えているが、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型の不純物が注入されたp型不純物領域IM4(第4の領域)をさらに備えている点において異なる。
【0095】
具体的には、p型不純物領域IM4は、フィールド絶縁膜FIの下面15から端部14を通じて半導体基板SBの主表面12との接合部に渡る領域まで接するように設けられている。つまり、p型不純物領域IM4は、バーズビークと呼ばれる領域に接するように設けられている。このp型不純物領域IM4は、フィールド絶縁膜FIの端部14の電界集中を緩和するために設けられている。
【0096】
p型不純物領域IM4は、本実施の形態ではn+ソース領域SR、n型高濃度領域HRおよびn型ドレイン領域DRとは逆導電型の領域である。ただし、p型不純物領域IM4は、n+ソース領域SR、n型高濃度領域HRおよびn型ドレイン領域DRとは同じ導電型であってもよい。この場合、p型不純物領域IM4にはp型の不純物が注入されているので、n-エピタキシャル層よりもn型を示す不純物濃度は低い。
【0097】
また、n型高濃度領域HRは、実施の形態2と同様に、フィールド絶縁膜FIの端部14から間隔をあけて配置されている。なお、実施の形態1と同様に、n型高濃度領域HRは、フィールド絶縁膜FIの端部14に接するように設けられていてもよい。n型高濃度領域HRとp型不純物領域IM4とは接触していてもよく、または接触していなくてもよい。接触していない場合には、p型不純物領域IM4とn型高濃度領域HRとの間には、たとえばn-エピタキシャル層EPが配置される。
【0098】
続いて、図26を参照して、本実施の形態における半導体装置102を構成するp型不純物領域の濃度について説明する。図26は、図25のXXVI−XXVI線に沿う不純物濃度のプロファイルを示す図である。図26において左端はフィールド絶縁膜FIの下面15を示している。また縦軸は、それぞれの位置での不純物濃度(単位log(cm-3))を示している。図26で示す不純物は、たとえばボロンである。
【0099】
図26に示すように、p型不純物領域IM4は、3.1×1015cm-3以下のp型不純物濃度を有している。p型不純物領域IM4におけるp型不純物濃度分布は、フィールド絶縁膜FIの下面15との接合部と、n-エピタキシャル層EPとの接合部との間にピーク濃度を有し、フィールド絶縁膜FIの下面15との接合部からピーク濃度に向けて高くなり、ピーク濃度からn-エピタキシャル層EPとの接合部に向けて低くなる不純物濃度分布を有している。
【0100】
図25に示す上記以外の構成は、上述した図1に示す構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0101】
続いて、本実施の形態における半導体装置102の製造方法について説明する。
図27は、本実施の形態における半導体装置102の製造方法を示す概略断面図である。本実施の形態における半導体装置102の製造方法は、基本的には実施の形態1における半導体装置100の製造方法と同様の構成を備えているが、n型高濃度領域HRを形成する領域およびp型不純物領域IM4をさらに形成する点において異なっている。
【0102】
具体的には、図21を示して実施の形態2で説明したように、半導体基板SBの主表面に、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけてn型高濃度領域HRが形成される。
【0103】
次に、図27に示すように、写真製版技術により、フィールド絶縁膜FIの下面15においてn型高濃度領域HRと近い側の領域上を開口したレジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面にたとえばボロンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型不純物領域IM4が形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0104】
本実施の形態の製造方法は、上記以外の工程については実施の形態1の製造方法とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0105】
以上により、図25に示す本実施の形態の半導体装置102が製造される。この半導体装置102を実際に使用する際には、たとえば図28および図29に示すように用いることができる。なお、図28は、本実施の形態における半導体装置102の適用例を示す概略平面図である。図28において、層間絶縁膜OX、配線INC1、INC2およびコンタクトホールCO内のプラグ導電層PLは省略している。図28におけるn型高濃度領域HRを示す点線は、上述したn型高濃度領域HRを形成する工程を示す図27において半導体基板SBの表面に形成されたレジストパターンRPの開口部である。図29は、図28のXXIX−XXIX線に沿う断面図である。
【0106】
続いて、本実施の形態の半導体装置102の作用効果について説明する。
まず、本実施の形態における半導体装置102が耐圧の低下を抑制できる作用効果について説明する。
【0107】
本実施の形態では、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型不純物領域IM4が形成されている。このp型不純物領域IM4は、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPとpn接合を構成しており、このpn接合からn型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EP内に空乏層がすでに生じている。またp型不純物領域IM4は、フローティングな電位で低濃度であるため、擬似的な空乏層として機能し得る。このため、上記の逆バイアスの印加時には、p型不純物領域IM4と、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPとのpn接合による空乏層と、p型不純物領域IM4による擬似的な空乏層とがすでに存在した状態で、p型バックゲート領域BGと、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPとのpn接合からn-エピタキシャル層EP内への空乏層が延びることになる。よって、空乏層全体の広がりが大きくなるため、半導体装置102の耐圧を向上させることができる。
【0108】
なお、p型不純物領域IM4がn型を示す場合であっても、フローティングな電位で低濃度であるため、擬似的な空乏層として機能し得る。このため、半導体装置102の耐圧を向上する効果を有している。
【0109】
次に、本実施の形態における半導体装置102がオン抵抗を低減できる作用効果について説明する。
【0110】
半導体装置101において、ゲート電極GEに相対的に正の電圧が印加されると、n型のキャリアとしての電子は、n+ソース領域SRから、p型バックゲート領域BGおよびn型高濃度領域HRを通じてn型ドレイン領域DRに注入される。この電流経路において、フィールド絶縁膜FIの下面15に接するp型不純物領域IM4を通るキャリアが少なく、n型高濃度領域HRを通るキャリアが多い。このため、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にn型高濃度領域HRを形成しない場合であっても、図12のn型高濃度領域HRが形成されていない半導体装置、図13に示すn型高濃度領域HRが浅い位置に形成されている半導体装置に比べて、本実施の形態における半導体装置102はオン抵抗を十分に低減できる。
【0111】
ここで、本発明者は、上述した本実施の形態1〜3の半導体装置100〜102と、図12のn型高濃度領域HRが形成されていない半導体装置とのオン抵抗および耐圧を調べた。その内容について以下に説明する。
【0112】
具体的には、図1に示す実施の形態1の半導体装置100および図19に示す実施の形態2の半導体装置101のn型高濃度領域HRは、1×1012/cm2および3×1012/cm2の2種類のn型不純物濃度を有している。図25に示す実施の形態3の半導体装置102のn型高濃度領域HRは、3×1012/cm2の1種類のn型不純物濃度を有している。なお、n型高濃度領域HRに注入するn型不純物は、リンである。また図12に示す半導体装置はn型高濃度領域を備えていない。それぞれの半導体装置のオン抵抗および耐圧を下記の表4に示す。
【0113】
【表4】
【0114】
表4に示すように、リンの注入量が3×1012/cm2の場合、ピーク濃度がp型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとのpn接合部よりも深い位置に形成されたn型高濃度領域HRが形成されている実施の形態1〜3は、n型高濃度領域HRが形成されていない比較例の半導体装置よりもオン抵抗を低減することができる。また、n型高濃度領域HRが半導体基板SBの主表面12におけるp型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとの間の全面に位置していた実施の形態1の半導体装置100では、0.720mΩcm2という低いオン抵抗を実現できる。
【0115】
また、リンの注入量が3×1012/cm2と1×1012/cm2とを比較して、n型高濃度領域HRの不純物濃度を高くすることによって、オン抵抗をより低減できる。
【0116】
なお、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけてn型高濃度領域HRを配置した実施の形態2の半導体装置101およびフィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型不純物領域IM4を配置した実施の形態3における半導体装置102は、n型高濃度領域HRが形成されていない比較例の半導体装置よりもオン抵抗が低く、実施の形態1よりも耐圧を向上することができる。
【0117】
電流経路を構成する抵抗は、p型バックゲート領域BGの抵抗(図25において領域P1の抵抗)、p型バックゲート領域BGとn型ドレイン領域DRとの間に位置する領域の抵抗(図25において領域P2の抵抗)、およびフィールド絶縁膜FI下に位置するn-エピタキシャル層EPの抵抗(図25において領域P3の抵抗)の主に3つである。上述した内容から、この3つの抵抗のうち、p型バックゲート領域BGとn型ドレイン領域DRとの間に位置する領域の抵抗が、オン抵抗の低減に大きく寄与することがわかった。つまり、この領域を高濃度にすれば、図25に示すように、フィールド絶縁膜FIの下部に擬似的な空乏層となるp型不純物領域IM4を設けても、オン抵抗を十分に抵抗できることがわかった。
【0118】
(実施の形態4)
図30は、本実施の形態における半導体装置の構成を示す概略断面図である。図30に示すように、本実施の形態における半導体装置103は、たとえばHVMOSFETを備えている。
【0119】
図30に示すように、本実施の形態における半導体装置103は、図1に示す実施の形態1における半導体装置100と基本的には同様の構成を備えているが、p型バックゲート領域BGの形状およびn型高濃度領域HRの配置において異なる。
【0120】
具体的には、n型高濃度領域HRは、p型バックゲート領域BGと間隔をあけて配置されている。すなわち、n型高濃度領域HRは、n-エピタキシャル層EPを挟んでp型バックゲート領域BGと対向している。
【0121】
また、p型バックゲート領域BGのピーク濃度の位置は、図1に示す実施の形態1の半導体装置100のp型バックゲート領域BGのピーク濃度の位置よりも半導体基板SBの主表面12から深い。より具体的には、本実施の形態におけるHVMOSとしての半導体装置103のp型バックゲート領域BGのピーク濃度は、主表面12からたとえば1μm以上3μmに位置している。一方、実施の形態1〜3のDMOSFETを備えた半導体装置100〜102のp型バックゲート領域BGのピーク濃度は、主表面12からたとえば1μm未満(図2では約0.16μm)に位置している。
【0122】
図30に示す上記以外の構成は、上述した図1に示す構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0123】
続いて、本実施の形態における半導体装置103の製造方法について説明する。
図31〜34は、本実施の形態における半導体装置103の製造方法を工程順に示す概略断面図である。本実施の形態における半導体装置103の製造方法は、基本的には実施の形態1における半導体装置100の製造方法と同様の構成を備えているが、p型バックゲート領域BGおよびn型高濃度領域HRを形成する工程において異なっている。
【0124】
具体的には、まず、図5〜7に示して実施の形態1で説明したように、半導体基板SBの主表面上にフィールド絶縁膜FIが形成されるとともに、半導体基板SBの主表面にn型ドレイン領域DRが形成される。
【0125】
次に、図31に示すように、写真製版技術により、厚いフィールド絶縁膜FIで覆われていない領域を開口したレジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面のn-エピタキシャル層EPにたとえばボロンがイオン注入される。この後、たとえば800℃の温度で熱処理を行なうことにより、半導体基板SBの主表面にp型バックゲート領域BGとなるべきp型不純物領域が形成される。この後、p型バックゲート領域BGの閾値電圧VTHを決めるために、半導体基板SBの主表面にたとえばボロンがさらにイオン注入される。これにより、p型不純物領域からp型バックゲート領域BGが形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0126】
次に、図32に示すように、p型バックゲート領域BGと間隔をあけた位置から、フィールド絶縁膜FIにおいてn型ドレイン領域DRの外周側と接触している位置までの領域を開口したレジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面にたとえばリンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、n型高濃度領域HRが形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0127】
次に、実施の形態1と同様に、半導体基板SBの主表面に、図33に示すゲート絶縁膜GIおよび図34に示すゲート電極GEが形成される。次に、実施の形態1と同様に、図30に示すように、半導体基板SBの主表面に、n+ソース領域SRが形成される。
【0128】
本実施の形態の製造方法は、上記以外の工程については実施の形態1の製造方法とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0129】
以上により、図30に示す本実施の形態の半導体装置103が製造される。この半導体装置103は、たとえば図35および図36に示すように用いられる。なお、図35は、本実施の形態における半導体装置103の適用例を示す概略平面図である。図35において、層間絶縁膜OX、配線INC1、INC2およびコンタクトホールCO内のプラグ導電層PLは省略している。図35におけるn型高濃度領域HRを示す点線は、上述したn型高濃度領域HRを形成する工程を示す図32において半導体基板SBの表面に形成されたレジストパターンRPの開口部である。図36は、図35のXXXVI−XXXVI線に沿う断面図である。
【0130】
以上より、本実施の形態における半導体装置103によれば、順方向の電圧が印加されると、実施の形態1〜3と同様に、n型高濃度領域HRを通るキャリアが多い。このため、オン抵抗を十分に低減するHVMOSFETを備えた半導体装置103を実現できる。
【0131】
(実施の形態5)
図37は、本実施の形態における半導体装置の構成を示す概略断面図である。図37に示すように、本実施の形態における半導体装置104は、たとえばHVMOSFETを備えている。
【0132】
図37に示すように、本実施の形態における半導体装置104は、図4に示す実施の形態4における半導体装置103と基本的には同様の構成を備えているが、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけてn型高濃度領域HRが配置されている点において異なる。
【0133】
具体的には、実施の形態2と同様に、n型高濃度領域HRは、n-エピタキシャル層EPを挟んでフィールド絶縁膜FIと対向している。n型高濃度領域HRとフィールド絶縁膜FIとの間隔などは、実施の形態2と同様である。
【0134】
本実施の形態の製造方法は、上記以外の工程については実施の形態1または4の製造方法とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0135】
続いて、本実施の形態における半導体装置104の製造方法について説明する。図38は、本実施の形態における半導体装置104の製造方法を示す概略断面図である。図38を参照して、本実施の形態における半導体装置104の製造方法は、基本的には実施の形態4における半導体装置103の製造方法と同様の構成を備えているが、n型高濃度領域HRを形成する工程において異なっている。
【0136】
具体的には、図38に示すように、p型バックゲート領域BGと外周側に間隔をあけた位置から、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけた位置までの領域を開口したレジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面にたとえばリンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけて、n型高濃度領域HRが形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0137】
本実施の形態の製造方法は、上記以外の工程については図5〜7に示す実施の形態1または図31、33〜35に示す実施の形態4の製造方法とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0138】
以上により、図37に示す本実施の形態の半導体装置104が製造される。この半導体装置104を実際に使用する際には、たとえば図39および図40に示すように用いられる。なお、図39は、本実施の形態における半導体装置104の適用例を示す概略平面図である。図39において、層間絶縁膜OX、配線INC1、INC2およびコンタクトホールCO内のプラグ導電層PLは省略している。図39におけるn型高濃度領域HRを示す点線は、上述したn型高濃度領域HRを形成する工程で用いられるレジストパターンRPの開口部である。図40は、図39のXL−XL線に沿う断面図である。
【0139】
以上より、本実施の形態における半導体装置104によれば、順方向の電圧が印加されると、実施の形態1〜3と同様に、n型高濃度領域HRを通るキャリアが多い。このため、オン抵抗を低減することができる。また、実施の形態2と同様に、半導体装置104は、n型高濃度領域HRがフィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけて配置されている。このため、電界が集中するフィールド絶縁膜FIの端部14にn型高濃度領域HRよりも不純物濃度が低いn-エピタキシャル層EPが配置されるので、耐圧の低下を抑制することができる。したがって、オン抵抗を十分に低減し、かつ耐圧を向上するHVMOSFETを備えた半導体装置104が実現できる。
【0140】
(実施の形態6)
図41は、本実施の形態における半導体装置の構成を示す概略断面図である。図41に示すように、本実施の形態における半導体装置105は、たとえばHVMOSFETを備えている。
【0141】
図41に示すように、本実施の形態における半導体装置105は、図4に示す実施の形態4における半導体装置103と基本的には同様の構成を備えているが、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型の不純物が注入されたp型不純物領域IM4(第3の領域)をさらに備えている点において異なる。
【0142】
具体的には、実施の形態3と同様に、p型不純物領域IM4は、フィールド絶縁膜FIの下面15から端部14を通じて半導体基板SBの主表面12との接合部まで渡る領域に接するように設けられている。また、n型高濃度領域HRは、実施の形態2と同様に、フィールド絶縁膜FIの端部14から間隔をあけて配置されている。
【0143】
続いて、本実施の形態における半導体装置105の製造方法について説明する。図42は、本実施の形態における半導体装置105の製造方法を示す概略断面図である。図42を参照して、本実施の形態における半導体装置105の製造方法は、基本的には実施の形態4における半導体装置103の製造方法と同様の構成を備えているが、n型高濃度領域HRを形成する領域およびp型不純物領域IM4をさらに形成する点において異なっている。
【0144】
具体的には、図38に示して実施の形態4で説明したように、半導体基板SBの主表面に、フィールド絶縁膜FIの端部14と間隔をあけてn型高濃度領域HRが形成される。
【0145】
次に、図42に示すように、写真製版技術により、フィールド絶縁膜FIの下面15においてn型高濃度領域HRと近い側の領域上を開口したレジストパターンRPが形成される。このレジストパターンRPをマスクとして、半導体基板SBの主表面にたとえばボロンがイオン注入される。これにより、半導体基板SBの主表面に、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型不純物領域IM4が形成される。この後、レジストパターンRPは除去される。
【0146】
本実施の形態の製造方法は、上記以外の工程については図5〜7に示す実施の形態1、図31、33〜35に示す実施の形態4または図38に示す実施の形態5の製造方法とほぼ同じであるため、その説明を繰り返さない。
【0147】
以上により、図41に示す本実施の形態の半導体装置105が製造される。この半導体装置105を実際に使用する際には、たとえば図43および図44に示すように用いられる。なお、図43は、本実施の形態における半導体装置105の適用例を示す概略平面図である。図43において、層間絶縁膜OX、配線INC1、INC2およびコンタクトホールCO内のプラグ導電層PLは省略している。図43におけるn型高濃度領域HRを示す点線は、上述したn型高濃度領域HRを形成する工程で用いられたレジストパターンRPの開口部である。図44は、図43のXLIV−XLIV線に沿う断面図である。
【0148】
以上より、本実施の形態における半導体装置104によれば、順方向の電圧が印加されると、実施の形態1〜3と同様に、n型高濃度領域HRを通るキャリアが多い。このため、オン抵抗を十分に低減することができる。
【0149】
また、実施の形態3と同様に、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型不純物領域IM4が形成されているので、逆バイアスの印加時には、p型不純物領域IM4と、n型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPとのpn接合による空乏層と、p型不純物領域IM4による擬似的な空乏層とがすでに存在した状態で、p型バックゲート領域BGとn型高濃度領域HRおよびn-エピタキシャル層EPとのpn接合からn-エピタキシャル層EP内への空乏層が延びることになる。よって、空乏層全体の広がりが大きくなるため、半導体装置102の耐圧を向上させることができる。したがって、オン抵抗を十分に低減し、かつ耐圧を向上するHVMOSFETを備えた半導体装置104を実現できる。
【0150】
ここで、本発明者は、上述した本実施の形態4〜6の半導体装置103〜105と、図45のn型高濃度領域HRが形成されていない半導体装置とのオン抵抗および耐圧を調べた。その内容について以下に説明する。
【0151】
なお、図45は、n型高濃度領域が形成されていない半導体装置を示す概略断面図である。図45における半導体装置は、n型高濃度領域HR以外の構成は、図30に示す実施の形態4と同様である。
【0152】
具体的には、図30に示す実施の形態4の半導体装置103、図37に示す実施の形態5の半導体装置104、図41に示す実施の形態6の半導体装置105のn型高濃度領域HRは、1×1012/cm2のn型不純物濃度を有している。なお、n型高濃度領域HRに注入するn型不純物は、リンである。それぞれの半導体装置のオン抵抗および耐圧を下記の表5に示す。
【0153】
【表5】
【0154】
表5に示すように、ピーク濃度がp型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとのpn接合部よりも深い位置に形成されたn型高濃度領域HRが形成されている実施の形態4〜6は、n型高濃度領域が形成されていない比較例の半導体装置よりもオン抵抗を低減することができる。また、n型高濃度領域HRが半導体基板SBの主表面12におけるp型バックゲート領域BGとn+ソース領域SRとの間の全面に位置していた実施の形態4の半導体装置103では、1.108mΩcm2という低いオン抵抗を実現できる。
【0155】
なお、フィールド絶縁膜FIの下面15に接する領域にp型不純物領域IM4を配置した実施の形態6における半導体装置105は、n型高濃度領域が形成されていない比較例の半導体装置よりもオン抵抗が低く、実施の形態4よりも耐圧を向上することができる。
【0156】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の実施の形態1における半導体装置を構成を示す概略断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う部分の不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う部分の不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う部分の不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図9】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図10】本発明の実施の形態1における半導体装置の適用例を示す概略平面図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】本発明の実施の形態1の構成からn型高濃度領域HRを省略した構成を示す概略断面図である。
【図13】本発明の実施の形態1の構成においてn型高濃度領域HRのピーク濃度位置がn+ソース領域SR下端位置よりも浅い場合の構成を示す概略断面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線に沿う部分の不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図15】本発明の実施の形態1における半導体装置に順バイアスの電圧が印加されたときの電子の移動度を示す図である。
【図16】図12の半導体装置に順バイアスの電圧が印加されたときの電子の移動度を示す図である。
【図17】図13の半導体装置に順バイアスの電圧が印加されたときの電子の移動度を示す図である。
【図18】(a)は過電流を検出するためのカレントミラー回路を示す模式図であり、(b)は電流制御を検出するためのカレントミラー回路を示す模式図であり、(c)はDMOSFETおよびHVMOSFETのカレントミラー比の分布を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態2における半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図20】図19のXX−XX線に沿う不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図21】本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法を示す概略断面図である。
【図22】本発明の実施の形態2における半導体装置の適用例を示す概略平面図である。
【図23】図22のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。
【図24】本発明の実施の形態2における半導体装置に順バイアスの電圧が印加されたときの電子の移動度を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態3における半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図26】図25のXXVI−XXVI線に沿う不純物濃度のプロファイルを示す図である。
【図27】本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法を示す概略断面図である。
【図28】本発明の実施の形態3における半導体装置の適用例を示す概略平面図である。
【図29】図28のXXIX−XXIX線に沿う断面図である。
【図30】本発明の実施の形態4における半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図31】本発明の実施の形態4における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図32】本発明の実施の形態4における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図33】本発明の実施の形態4における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図34】本発明の実施の形態4における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図35】本発明の実施の形態4における半導体装置の適用例を示す概略平面図である。
【図36】図35のXXXVI−XXXVI線に沿う断面図である。
【図37】本発明の実施の形態5における半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図38】本発明の実施の形態5における半導体装置の製造方法を示す概略断面図である。
【図39】本発明の実施の形態5における半導体装置の適用例を示す概略平面図である。
【図40】図39のXL−XL線に沿う断面図である。
【図41】本発明の実施の形態6における半導体装置の構成を示す概略断面図である。
【図42】本発明の実施の形態6における半導体装置の製造方法を示す概略断面図である。
【図43】本発明の実施の形態6における半導体装置の適用例を示す概略平面図である。
【図44】図43のXLIV−XLIV線に沿う断面図である。
【図45】n型高濃度領域が形成されていない半導体装置を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0158】
12 主表面、14 端部、15 下面、100〜105 半導体装置、BG p型バックゲート領域、BU n+埋込層、CO コンタクトホール、DR n型ドレイン領域、EP エピタキシャル層、FI フィールド絶縁膜、GE ゲート電極、GI ゲート絶縁膜、HR n型高濃度領域、IM1 p型領域、IM2 p型不純物領域、IM3 p+型不純物領域、IM4 p型不純物領域、INC1,INC2 配線、OX 層間絶縁膜、PG 充填層、PL プラグ導電層、RP レジストパターン、SB 半導体基板、SR n+ソース領域、TR トレンチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主表面を有する半導体基板と、
前記主表面に形成された第1導電型のエピタキシャル層と、
前記主表面に形成され、かつ前記エピタキシャル層とpn接合を構成するように形成された第2導電型のバックゲート領域と、
前記バックゲート領域内の前記主表面に形成された第1導電型の第1の領域と、
前記主表面において前記バックゲート領域を挟んで前記第1の領域と対向するように前記主表面に形成された第1導電型の第2の領域と、
前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置する前記バックゲート領域上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
前記エピタキシャル層よりも高い第1導電型の不純物濃度を有し、前記バックゲート領域と前記第2の領域との間に位置し、かつ前記バックゲート領域と前記第1の領域とのpn接合部よりも前記主表面から深い位置にピーク濃度を有する第3の領域とを備えた、半導体装置。
【請求項2】
前記第2の領域と前記第3の領域との間の前記主表面に形成されたフィールド絶縁膜をさらに備え、
前記第3の領域は、前記フィールド絶縁膜の端部と間隔をあけて配置されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の領域と前記第3の領域との間の前記主表面に形成されたフィールド絶縁膜と、
前記フィールド絶縁膜の下面に接する領域に形成され、かつ第2導電型の不純物が注入された第4の領域とをさらに備えた、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項1】
主表面を有する半導体基板と、
前記主表面に形成された第1導電型のエピタキシャル層と、
前記主表面に形成され、かつ前記エピタキシャル層とpn接合を構成するように形成された第2導電型のバックゲート領域と、
前記バックゲート領域内の前記主表面に形成された第1導電型の第1の領域と、
前記主表面において前記バックゲート領域を挟んで前記第1の領域と対向するように前記主表面に形成された第1導電型の第2の領域と、
前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置する前記バックゲート領域上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
前記エピタキシャル層よりも高い第1導電型の不純物濃度を有し、前記バックゲート領域と前記第2の領域との間に位置し、かつ前記バックゲート領域と前記第1の領域とのpn接合部よりも前記主表面から深い位置にピーク濃度を有する第3の領域とを備えた、半導体装置。
【請求項2】
前記第2の領域と前記第3の領域との間の前記主表面に形成されたフィールド絶縁膜をさらに備え、
前記第3の領域は、前記フィールド絶縁膜の端部と間隔をあけて配置されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の領域と前記第3の領域との間の前記主表面に形成されたフィールド絶縁膜と、
前記フィールド絶縁膜の下面に接する領域に形成され、かつ第2導電型の不純物が注入された第4の領域とをさらに備えた、請求項1に記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図2】
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【図4】
【図5】
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【図13】
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【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
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【図45】
【公開番号】特開2009−239096(P2009−239096A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84368(P2008−84368)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
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