説明

半導体集積回路

【課題】回路の集積度の向上を図ることが可能な半導体集積回路を提供する。
【解決手段】半導体集積回路のプログラム素子のゲート電極は、第1のMOSトランジスタの他端に一端が接続され、接地電位に他端が接続されるとともに、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含む。プログラム素子にデータを書き込むための書き込み動作モードにおいては、電圧供給端子の電位を正の書き込み電位に設定するとともに、第1の入力信号により第1のMOSトランジスタを所定期間オンすることにより、シリサイド膜をエレクトロマイグレーションさせ、プログラム素子に記憶されたデータを読み出すための読み出し動作モードにおいては、電圧供給端子の電位を書き込み電位よりも低い正の読み出し電位に設定するとともに、第2の入力信号により第2のMOSトランジスタを所定期間オンした後、第1の入力信号により第1のMOSトランジスタを所定期間オンする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒューズに使用される半導体集積回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体集積回路に設けられる電気ヒューズには、例えば、ポリ溶断型ヒューズがある(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
このポリ溶断型ヒューズは、例えば、書き込み用のMOSトランジスタを介して所定の電流が流れて溶断されることにより、プログラムされる。
【0004】
また、書き込みは、該ポリ溶断型ヒューズに接続された読み出し用MOSトランジスタを制御することにより、該ポリ溶断型ヒューズに読み出し用電流を流す。そして、該ポリ溶断型ヒューズに流れる電流の電流値、もしくは、ポリ溶断型ヒューズの状態に応じて生ずる電流を電圧変換し、データとして読み出される。
【0005】
このように、プログラムされるヒューズ(素子部)と、読み出し用MOSトランジスタとは別々に設けられている。
【0006】
したがって、回路の集積度の向上を図ることができないという問題があった。
【非特許文献1】Mohsen Alavi , Mark Bohr, Jeff Hicks, Martin Denham, Allen Cassens, Dave Douglas, Min-Chun Tsai,“A PROM Element Based on Salicide Agglomeration of Poly Fuses in a CMOS Logic Process”Technical Digest of IEDM 1997, p.855-858
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、回路の集積度の向上を図ることが可能な半導体集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る実施例に従った半導体集積回路は、
電圧供給端子と、
第1の入力信号が入力される第1の入力端子と、
出力信号を出力する出力端子と、
第2の入力信号が入力される第2の入力端子と、
前記電圧供給端子に一端が接続され、前記第1の入力端子にゲート電極が接続された第1のMOSトランジスタと、
第1の電位に一端が接続され、前記出力端子に他端が接続され、前記第2の入力端子にゲート電極が接続された第2のMOSトランジスタと、
前記第2のMOSトランジスタの他端に一端が接続されるとともに前記第1の電位よりも低い第2の電位に他端が接続されたMOSトランジスタとして機能するプログラム素子と、を備え、
前記プログラム素子のゲート電極は、前記第1のMOSトランジスタの他端に一端が接続され、接地電位に他端が接続されるとともに、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、前記ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含み、
前記プログラム素子にデータを書き込むための書き込み動作モードにおいては、
前記電圧供給端子の電位を正の書き込み電位に設定するとともに、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンすることにより、前記シリサイド膜をエレクトロマイグレーションさせ、
前記プログラム素子に記憶されたデータを読み出すための読み出し動作モードにおいては、
前記電圧供給端子の電位を前記書き込み電位よりも低い正の読み出し電位に設定するとともに、前記第2の入力信号により前記第2のMOSトランジスタを所定期間オンした後、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンすることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る実施例に従った半導体集積回路は、
電圧供給端子と、
第1の入力信号が入力される第1の入力端子と、
出力信号を出力する出力端子と、
第2の入力信号が入力される第2の入力端子と、
前記電圧供給端子に一端が接続され、前記第1の入力端子にゲート電極が接続された第1のMOSトランジスタと、
第1の電位に一端が接続され、前記出力端子に他端が接続され、前記第2の入力端子にゲート電極が接続された第2のMOSトランジスタと、
前記第2のMOSトランジスタの他端に一端が接続されるとともに前記第1の電位よりも高い第2の電位に他端が接続されたMOSトランジスタとして機能するプログラム素子と、を備え、
前記プログラム素子のゲート電極は、前記第1のMOSトランジスタの他端に一端が接続され、接地電位に他端が接続されるとともに、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、前記ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含み、
前記プログラム素子にデータを書き込むための書き込み動作モードにおいては、
前記電圧供給端子の電位を正の書き込み電位に設定するとともに、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンすることにより、前記シリサイド膜をエレクトロマイグレーションさせ、
前記プログラム素子に記憶されたデータを読み出すための読み出し動作モードにおいては、
前記電圧供給端子の電位を前記書き込み電位よりも低い正の読み出し電位に設定するとともに、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンした後、前記第2の入力信号により前記第2のMOSトランジスタを所定期間オンすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の半導体集積回路によれば、回路の集積度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係る半導体集積回路においては、MOSトランジスタのゲート電極を電気的にプログラムする。また、該ゲート電極をプログラムしたか否かをそのゲート電圧を変動させたときのソースドレイン間電圧または電流によって識別する。 以下、本発明に係る各実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の一態様である実施例1に係る半導体集積回路100の要部の構成を示す図である。また、図2Aは、図1に示すプログラム素子7のレイアウトの一例を示す図である。また、図2Bは、図2Aに示すプログラム素子7のX−X’線に沿った断面を示す断面図である。また、図2Cは、図2Aに示すプログラム素子7のY−Y’線に沿った断面を示す断面図である。また、図2Dは、図2Aに示すプログラム素子7のZ−Z’線に沿った断面を示す断面図である。
【0013】
なお、本実施例では、第1の電位を電源電位VDDとし、第1の電位よりも低い第2の電位を接地電位VSSとして説明する。
【0014】
図1に示すように、半導体集積回路100は、電圧供給端子1と、第1の入力端子2と、出力端子3と、第2の入力端子4と、第1のMOSトランジスタ5と、第2のMOSトランジスタ6と、プログラム素子7と、ラッチ回路8と、電源回路101と、を備える。なお、電源回路101は、半導体集積回路100の外部に設けられていてもよい。
【0015】
電圧供給端子1には、電源回路101から書き込み電位VPGMまたは電源電位VDDが供給されるようになっている。この書き込み電位VPGMは、例えば、電源電位VDDよりも高く設定される。
【0016】
第1の入力端子2には、外部回路(図示せず)から第1の入力信号S1であるパルス信号が入力されるようになっている。
【0017】
出力端子3は、出力信号Soutを出力するためのものであり、ラッチ回路8の入力に接続されている。
【0018】
第2の入力端子4は、外部回路(図示せず)から第2の入力信号S2であるパルス信号が入力されるようになっている。
【0019】
第1のMOSトランジスタ5は、ここでは、pMOSトランジスタである。この第1のMOSトランジスタ5は、電圧供給端子1に一端(ソース)が接続され、第1の入力端子2にゲート電極が接続されている。この第1のMOSトランジスタ5のゲート電極は、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含んでいる。
【0020】
第2のMOSトランジスタ6は、pMOSトランジスタである。この第2のMOSトランジスタ6は、第1の電位である電源電位VDDに一端(ソース)が接続され、出力端子3に他端(ドレイン)が接続され、第2の入力端子4にゲート電極が接続されている。この第2のMOSトランジスタ6のゲート電極は、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含んでいる。
【0021】
また、図2Aないし図2Dに示すように、プログラム素子7は、第2のMOSトランジスタ6の他端(ドレイン)に一端B(ドレイン7d)が接続されるとともに第2の電位である接地電位VSSに他端C(ソース7c)が接続されたMOSトランジスタ(ここでは、nMOSトランジスタ)として機能する。
【0022】
このプログラム素子(nMOSトランジスタ)7のゲート電極7aは、第1のMOSトランジスタの他端(ドレイン)に一端Aが接続され、接地電位VSSに他端Cが接続されている。
【0023】
さらに、このゲート電極7aは、ポリシリコン膜7a1と、シリサイド膜7a2と、を含む。ポリシリコン膜7a1は、半導体基板7e上のゲート絶縁膜7b上に形成されている。また、シリサイド膜7a2は、このポリシリコン膜7a1上に形成されている。
【0024】
このゲート電極7aのシリサイド膜7a2の膜厚は、第1のMOSトランジスタ5および第2のMOSトランジスタ6のゲート電極のシリサイド膜の膜厚よりも薄くなるように設計されている。
【0025】
また、図1に示すように、ラッチ回路8は、出力信号Sの電位をラッチするようになっている。そして、ラッチ回路8は、ラッチした結果を、データを判定するためのフリップフロップ回路F/Fに出力するようになっている。
【0026】
ここで、図3は、図1に示す半導体集積回路100のレイアウトを示す図である。なお、簡単のため、この図3において、ラッチ回路8等は、省略されている。
【0027】
図3に示すように、MOSトランジスタのゲート電極そのものをプログラムする素子にする。これにより、既述の従来技術と比較して、面積効率を向上し、回路の集積度の向上を図ることができる。
【0028】
ここで、以上のような構成を有する半導体集積回路100の動作について説明する。
【0029】
先ず、プログラム素子7にデータを書き込むための書き込み動作モードについて説明する。
【0030】
図4は、書き込み動作モードにおける、プログラム素子に対する書き込みが進行してはいない状態を示す図である。また、図5は、書き込み動作モードにおける、プログラム素子に対する書き込みが進行した状態を示す図である。また、図6Aは、図2Aに示すプログラム素子7が書き込みされた状態における、該プログラム素子7のX−X’線に沿った断面を示す断面図である。また、図6Bは、図2Aに示すプログラム素子7が書き込みされた状態における、該プログラム素子7のY−Y’線に沿った断面を示す断面図である。
【0031】
図4に示すように、先ず、入力信号S1を“Low”レベルにして第1のMOSトランジスタ5をオンする。
【0032】
そして、図5に示すように、電源回路101により電圧供給端子1の電位を正の書き込み電位VPGMに設定する。これにより、プログラム素子7に書き込み電流Ipが流れる。これにより、ゲート電極7aにおいて、エレクトロマイグレーション(Electro Migration)が発生する。このエレクトロマイグレーションにより、ゲート電極7aの太さが細いところから急激に幅広になったところで、高抵抗領域7fが形成される(図6A、図6B)。これは、電子が流れるときの運動エネルギーがシリサイド膜7a2を形成する金属粒子に衝突して伝わり、シリサイドが移動することによる。
【0033】
すなわち、電圧供給端子1の電位を正の書き込み電位VPGMに設定するとともに、第1の入力信号S1により第1のMOSトランジスタ5を所定期間オンする。これにより、シリサイド膜7a2をエレクトロマイグレーションさせる。したがって、ゲート電極7aに高抵抗領域7fが形成される。
【0034】
なお、この書き込み動作モードにおいては、第1のMOSトランジスタ5をオンした場合に、プログラム素子7のゲート電極7aと拡散層(ソース、ドレイン)7c、7dとの間の電位差が、ゲート絶縁膜7bの絶縁耐圧を越えないように、書き込み電位VPGMが設定される。
【0035】
例えば、入力信号S2を“Low”レベルにして第2のMOSトランジスタ6をオンさせて、ソース7dの電位を上昇させておく。これにより、該電位差を小さくすることができる。
【0036】
次に、プログラム素子7に記憶されたデータを読み出すための読み出し動作モードについて説明する。
【0037】
図7は、読み出し動作モードにおいて、データの書き込みがされていないプログラム素子に対して読み出し電圧を印加した状態を示す図である。また、図8は、書き込みがされていないプログラム素子に対して読み出しする場合における、読み出し動作モードの信号波形を示すタイミングチャートである。
【0038】
図7に示すように、該読み出し動作モードにおいては、電源回路101により、電圧供給端子1の電位を書き込み電位VPGMよりも低い正の読み出し電位(ここでは、電源電位VDD)に設定する。また、図7に示すように、ゲート電極7aには、高抵抗領域7fは形成されていない。
【0039】
上記状態で、図8に示すように、先ず、第2の入力信号S2を所定期間“Low”レベルにすることにより、第2のMOSトランジスタ6を所定期間オンする(時間t1)。このとき、第1の入力信号S1は、“High”レベルに維持され、プログラム素子7からなるnMOSトランジスタは、オフ状態である。これにより、出力信号Soutの電位が、“Low”レベルから“High”レベルになる。すなわち、端子Bが“High”レベルにプリチャージされる。
【0040】
その後、第1の入力信号S1を所定期間“Low”レベルにすることにより、第1のMOSトランジスタ5を所定期間オンする(時間t2)。これにより、端子Aは、電源電位VDDを第1のMOSトランジスタ5とゲート電極7aとで分圧した電位(例えば、VDD/2)にチャージされる。
【0041】
しかし、第1の入力信号S1が“High”レベルに戻ると、端子Aにチャージされた電荷は、ゲート電極7aを介して放電される。すなわち、端子Aの電位は、急速に“Low”レベルに戻る。これにより、プログラム素子7であるnMOSトランジスタは、オフ状態を維持する。
【0042】
したがって、出力信号Soutの電位は、“High”レベルを維持する。
【0043】
一方、図9は、読み出し動作モードにおいて、データの書き込みがされたプログラム素子に対して読み出し電圧を印加した状態を示す図である。また、図10は、書き込みがされたプログラム素子に対して読み出しする場合における、読み出し動作モードの信号波形を示すタイミングチャートである。
【0044】
図9に示すように、該読み出し動作モードにおいては、既述のように、電源回路101により、電圧供給端子1の電位を書き込み電位VPGMよりも低い正の読み出し電位(ここでは、電源電位VDD)に設定する。また、図9に示すように、プログラム素子7は書き込みされており、ゲート電極7aには高抵抗領域7fが形成されている。
【0045】
上記状態で、図10に示すように、先ず、第2の入力信号S2を所定期間“Low”レベルにすることにより、第2のMOSトランジスタ6を所定期間オンする(時間t1)。このとき、第1の入力信号S1は、“High”レベルに維持され、プログラム素子7からなるnMOSトランジスタは、オフ状態である。これにより、出力信号Soutの電位が、“Low”レベルから“High”レベルになる。すなわち、端子Bが“High”レベルにプリチャージされる。
【0046】
その後、第1の入力信号S1を所定期間“Low”レベルにすることにより、第1のMOSトランジスタ5を所定期間オンする(時間t2)。上述のように、ゲート電極7aには、高抵抗領域7fが形成されている。これにより、端子Aは、電源電位VDDを第1のMOSトランジスタ5と高抵抗なゲート電極7aとで分圧した電位(例えば、電源電位VDD近く)までチャージされることなる。
【0047】
そして、第1の入力信号S1が“High”レベルに戻っても、端子Aにチャージされた電荷は、ゲート電極7aが高抵抗であるため、すぐには放電されない。すなわち、端子Aの電位は、“High”レベルを維持する。これにより、プログラム素子7であるnMOSトランジスタは、オン状態になる。これにより、端子Bが“Low”レベルまで放電される。
【0048】
したがって、出力信号Soutの電位は、“High”レベルから“Low”レベルに変化する。
【0049】
以上のように、該読み出し動作モードにおいては、電圧供給端子1の電位を書き込み電位よりも低い正の読み出し電位に設定するとともに、第2の入力信号S2により第2のMOSトランジスタ6を所定期間オンした後、第1の入力信号S1により第1のMOSトランジスタ5を所定期間オンする。
【0050】
そして、例えば、出力端子3から出力された出力信号Soutの電位をラッチ回路8によりラッチした結果を、フリップフロップ回路等を用いて認識することにより、プログラム素子7が書き込まれているか否かを判断することができる。
【0051】
また、既述のように、本実施例においては、MOSトランジスタのゲート電極そのものをプログラムする素子にしている。これにより、既述の従来技術と比較して、面積効率を向上し、回路の集積度の向上を図ることができる。
【0052】
以上のように、本実施例に係る半導体集積回路によれば、回路の集積度の向上を図ることができる。
【実施例2】
【0053】
実施例1では、nMOSトランジスタのゲート電極そのものをプログラムする素子にする構成の一例について述べた。
【0054】
本実施例2では、pMOSトランジスタのゲート電極そのものをプログラムする素子にする構成の一例について述べる。
【0055】
図11は、本発明の一態様である実施例2に係る半導体集積回路200の要部の構成を示す図である。また、図12Aは、図11に示すプログラム素子207のレイアウトの一例を示す図である。また、図12Bは、図12Aに示すプログラム素子207のX−X’線に沿った断面を示す断面図である。また、図12Cは、図12Aに示すプログラム素子207のY−Y’線に沿った断面を示す断面図である。また、図12Dは、図2Aに示すプログラム素子207のZ−Z’線に沿った断面を示す断面図である。
【0056】
なお、本実施例では、第1の電位を接地電位VSSとし、第1の電位よりも高い第2の電位を電源電位VDDとして説明する。
【0057】
図11に示すように、半導体集積回路200は、電圧供給端子1と、第1の入力端子2と、出力端子3と、第2の入力端子4と、第1のMOSトランジスタ5と、第2のMOSトランジスタ206と、プログラム素子207と、ラッチ回路8と、電源回路101と、を備える。なお、電源回路101は、半導体集積回路200の外部に設けられていてもよい。すなわち、半導体集積回路200は、第2のMOSトランジスタ206とプログラム素子207以外は、実施例1の半導体集積回路100と同様の構成である。
【0058】
電圧供給端子1には、電源回路101から書き込み電位VPGMまたは電源電位VDDが供給されるようになっている。この書き込み電位VPGMは、例えば、電源電位VDDよりも高く設定される。
【0059】
第1の入力端子2には、外部回路(図示せず)から第1の入力信号S1であるパルス信号が入力されるようになっている。
【0060】
出力端子3は、出力信号Soutを出力するためのものであり、ラッチ回路8の入力に接続されている。
【0061】
第2の入力端子4は、外部回路(図示せず)から第2の入力信号S2であるパルス信号が入力されるようになっている。
【0062】
第1のMOSトランジスタ5は、ここでは、pMOSトランジスタである。この第1のMOSトランジスタ5は、電圧供給端子1に一端(ソース)が接続され、第1の入力端子2にゲート電極が接続されている。この第1のMOSトランジスタ5のゲート電極は、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含んでいる。
【0063】
第2のMOSトランジスタ206は、ここでは、nMOSトランジスタである。この第2のMOSトランジスタ206は、第1の電位である接地電位VSSに一端(ソース)が接続され、出力端子3に他端(ドレイン)が接続され、第2の入力端子4にゲート電極が接続されている。この第2のMOSトランジスタ206のゲート電極は、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含んでいる。
【0064】
また、図12Aないし図12Dに示すように、プログラム素子207は、第2のMOSトランジスタ206の他端(ドレイン)に一端B(ドレイン7d)が接続されるとともに第2の電位である電源電位VDDに他端C2(ソース7c)が接続されたMOSトランジスタ(ここでは、pMOSトランジスタ)として機能する。
【0065】
このプログラム素子(pMOSトランジスタ)207のゲート電極7aは、第1のMOSトランジスタの他端(ドレイン)に一端Aが接続され、接地電位VSSに他端C1が接続されている。
【0066】
さらに、実施例1と同様に、このゲート電極7aは、ポリシリコン膜7a1と、シリサイド膜7a2と、を含む。ポリシリコン膜7a1は、半導体基板7e上のゲート絶縁膜7b上に形成されている。また、シリサイド膜7a2は、このポリシリコン膜7a1上に形成されている。
【0067】
このゲート電極7aのシリサイド膜7a2の膜厚は、実施例1と同様に、第1のMOSトランジスタ5および第2のMOSトランジスタ206のゲート電極のシリサイド膜の膜厚よりも薄くなるように設計されている。
【0068】
また、図11に示すように、ラッチ回路8は、実施例1と同様に、出力信号Sの電位をラッチするようになっている。そして、ラッチ回路8は、ラッチした結果を、データを判定するためのフリップフロップ回路F/Fに出力するようになっている。
【0069】
本実施例においても、MOSトランジスタのゲート電極そのものをプログラムする素子にする。これにより、既述の従来技術と比較して、面積効率を向上し、回路の集積度の向上を図ることができる。
【0070】
ここで、以上のような構成を有する半導体集積回路200の動作について説明する。
【0071】
先ず、プログラム素子207にデータを書き込むための書き込み動作モードについて説明する。
【0072】
図13は、書き込み動作モードにおける、プログラム素子に対する書き込みが進行してはいない状態を示す図である。また、図14は、書き込み動作モードにおける、プログラム素子に対する書き込みが進行した状態を示す図である。
【0073】
図13に示すように、先ず、入力信号S1を“Low”レベルにして第1のMOSトランジスタ5をオンする。
【0074】
そして、図14に示すように、電源回路101により電圧供給端子1の電位を正の書き込み電位VPGMに設定する。これにより、プログラム素子207に書き込み電流Ipが流れる。これにより、ゲート電極7aにおいて、エレクトロマイグレーションが発生する。実施例1と同様に、このエレクトロマイグレーションにより、ゲート電極7aの太さが細いところから急激に幅広になったところで、高抵抗領域7fが形成される。
【0075】
すなわち、電圧供給端子1の電位を正の書き込み電位VPGMに設定するとともに、第1の入力信号S1により第1のMOSトランジスタ5を所定期間オンする。これにより、シリサイド膜7a2をエレクトロマイグレーションさせる。したがって、ゲート電極7aに高抵抗領域7fが形成される。
【0076】
なお、この書き込み動作モードにおいては、第1のMOSトランジスタ5をオンした場合に、プログラム素子207のゲート電極7aと拡散層(ソース、ドレイン)7c、7dとの間の電位差が、ゲート絶縁膜7bの絶縁耐圧を越えないように、書き込み電位VPGMが設定される。
【0077】
例えば、入力信号S2を“High”レベルにして第2のMOSトランジスタ206をオンさせて、ソース7dの電位を上昇させておく。これにより、該電位差を小さくすることができる。
【0078】
次に、プログラム素子207に記憶されたデータを読み出すための読み出し動作モードについて説明する。
【0079】
図15は、書き込みがされていないプログラム素子および書き込みされたプログラム素子に対して読み出しする場合における、読み出し動作モードの信号波形を示すタイミングチャートである。
【0080】
図15に示すように、先ず、第1の入力信号S1を所定期間“Low”レベルにする。これにより、第1のMOSトランジスタ5を所定期間オンする(時間t1)。このとき、第2の入力信号S2は、“Low”レベルに維持される。これにより、第2のMOSトランジスタ206は、オフ状態を維持する。
【0081】
したがって、プログラム素子207が書き込み未の場合、端子Aは、電源電位VDDを第1のMOSトランジスタ5とゲート電極7aとで分圧した電位(例えば、VDD/2)にチャージされる。しかし、第1の出力信号S1の電位が“High”レベルに戻ると、ゲート電極7aから電荷が放電される。これにより、端子Aの電位は、“Low”レベルに戻る。したがって、プログラム素子206からなるpMOSトランジスタがオン状態になる。
【0082】
一方、プログラム素子207が書き込み済みの場合、ゲート電極7aには、高抵抗領域7fが形成されている。これにより、端子Aは、電源電位VDDを第1のMOSトランジスタ5と高抵抗なゲート電極7aとで分圧した電位(例えば、電源電位VDD近く)までチャージされることなる。また、第1の出力信号S1の電位が“High”レベルに戻っても、ゲート電極7aの電荷の放電が遅いため、プログラム素子206からなるpMOSトランジスタがオフ状態を維持する。
【0083】
その後、上記状態で、第2の入力信号S2を所定期間“High”レベルにすることにより、第2のMOSトランジスタ206を所定期間オンする(時間t2)。
【0084】
これにより、プログラム素子207が書き込み未の場合、プログラム素子206からなるpMOSトランジスタがオンしているので、出力信号Soutの電位が、“High”レベルに維持される。
【0085】
一方、プログラム素子207が書き込み済みの場合、プログラム素子206からなるpMOSトランジスタがオフしているので、出力信号Soutの電位が、“High”レベルから“Low”レベルになる。すなわち、端子Bが“Low”レベルに放電される。
【0086】
以上のように、該読み出し動作モードにおいては、電圧供給端子1の電位を書き込み電位よりも低い正の読み出し電位に設定するとともに、第1の入力信号S1により第1のMOSトランジスタ5を所定期間オンした後、第2の入力信号S2により第2のMOSトランジスタ206を所定期間オンする。
【0087】
そして、例えば、出力端子3から出力された出力信号Soutの電位をラッチ回路8によりラッチした結果を、フリップフロップ回路等を用いて認識することにより、プログラム素子207が書き込まれているか否かを判断することができる。
【0088】
また、既述のように、本実施例においては、MOSトランジスタのゲート電極そのものをプログラムする素子にしている。これにより、既述の従来技術と比較して、面積効率を向上し、回路の集積度の向上を図ることができる。
【0089】
以上のように、本実施例に係る半導体集積回路によれば、回路の集積度の向上を図ることができる。
【実施例3】
【0090】
本実施例3では、実施例1の半導体集積回路の構成に対して、プログラム素子と第1のMOSトランジスタとの接続点と、接地と、の間に容量をさらに接続する。これにより、出力信号の読み出しマージンをより向上する構成の一例について述べる。なお、実施例2の半導体集積回路の構成に対して、プログラム素子と第1のMOSトランジスタとの接続点と、接地と、の間に容量をさらに接続しても同様の作用・効果を奏することができる。
【0091】
図16は、本発明の一態様である実施例3に係る半導体集積回路300の要部の構成を示す図である。なお、図16においては、簡単のため、電源回路、ラッチ回路等は省略されている。また、図16では、半導体集積回路300が読み出し動作モードである場合を示している。
【0092】
図16に示すように、半導体集積回路300は、実施例1の半導体集積回路100と比較して、プログラム素子7のゲート電極7aと第1のMOSトランジスタ5との接続点301(端子A)と、接地VSSと、の間に容量302が接続されている。この半導体集積回路300の他の構成は、既述のように、実施例1の半導体集積回路100と同様の構成を有する。
【0093】
また、既述のように、図16は、読み出し動作モードにおいて、データの書き込みがされていないプログラム素子に対して読み出し電圧を印加した状態を示す。
【0094】
図16に示すように、該読み出し動作モードにおいては、電源回路により、電圧供給端子1の電位を書き込み電位VPGMよりも低い正の読み出し電位(ここでは、電源電位VDD)に設定する。また、図16に示すように、ゲート電極7aには、高抵抗領域7fは形成されていない。
【0095】
次に、プログラム素子7に記憶されたデータを読み出すための読み出し動作モードについて説明する。
【0096】
また、図17は、書き込みがされていないプログラム素子に対して読み出しする場合における、読み出し動作モードの信号波形を示すタイミングチャートである。なお、図17においては、比較として、接点301に容量比較例の波形を点線で記載している。
【0097】
図16に示す状態で、図17に示すように、実施例1と同様に、先ず、第2の入力信号S2を所定期間“Low”レベルにすることにより、第2のMOSトランジスタ6を所定期間オンする(時間t1)。このとき、第1の入力信号S1は、“High”レベルに維持され、プログラム素子7からなるnMOSトランジスタは、オフ状態である。これにより、出力信号Soutの電位が、“Low”レベルから“High”レベルになる。すなわち、端子Bが“High”レベルにプリチャージされる。
【0098】
その後、第1の入力信号S1を所定期間“Low”レベルにすることにより、第1のMOSトランジスタ5を所定期間オンする(時間t2)。これにより、端子Aは、電源電位VDDを第1のMOSトランジスタ5とゲート電極7aとで分圧した電位(例えば、VDD/2)にチャージされる。
【0099】
しかし、第1の入力信号S1が“High”レベルに戻ると、端子Aにチャージされた電荷は、ゲート電極7aを介して放電される。すなわち、端子Aの電位は、急速に“Low”レベルに戻る。これにより、プログラム素子7であるnMOSトランジスタは、オフ状態を維持する。
【0100】
したがって、出力信号Soutの電位は、“High”レベルを維持する。
【0101】
ここで、プログラム素子7は書き込みされていないので、接点301に容量が接続されていない比較例は、時間t2以降、端子Aの放電速度が速い。結果として、比較例の方が実施例3よも、高電位を保持すると考えられる。しかし、実施例3の半導体集積回路300においては、プログラム素子7が書き込みされてない場合、ゲート電極7aは、低抵抗なので、これによる“0”(書き込み未)読出しマージン劣化は少ないと考えられる。
【0102】
一方、図18は、読み出し動作モードにおいて、データの書き込みがされたプログラム素子に対して読み出し電圧を印加した状態を示す図である。また、図19は、書き込みがされたプログラム素子に対して読み出しする場合における、読み出し動作モードの信号波形を示すタイミングチャートである。
【0103】
図18に示すように、該読み出し動作モードにおいては、既述のように、電源回路により、電圧供給端子1の電位を書き込み電位VPGMよりも低い正の読み出し電位(ここでは、電源電位VDD)に設定する。また、図19に示すように、プログラム素子7は書き込みされており、ゲート電極7aには高抵抗領域7fが形成されている。
【0104】
上記状態で、図18に示すように、実施例1と同様に、先ず、第2の入力信号S2を所定期間“Low”レベルにすることにより、第2のMOSトランジスタ6を所定期間オンする(時間t1)。このとき、第1の入力信号S1は、“High”レベルに維持され、プログラム素子7からなるnMOSトランジスタは、オフ状態である。これにより、出力信号Soutの電位が、“Low”レベルから“High”レベルになる。すなわち、端子Bが“High”レベルにプリチャージされる。
【0105】
その後、第1の入力信号S1を所定期間“Low”レベルにすることにより、第1のMOSトランジスタ5を所定期間オンする(時間t2)。上述のように、ゲート電極7aには、高抵抗領域7fが形成されている。これにより、端子Aは、電源電位VDDを第1のMOSトランジスタ5と高抵抗なゲート電極7aとで分圧した電位(例えば、電源電位VDD近く)までチャージされることなる。
【0106】
そして、第1の入力信号S1が“High”レベルに戻っても、端子Aにチャージされた電荷は、ゲート電極7aが高抵抗であるため、すぐには放電されない。すなわち、端子Aの電位は、“High”レベルを維持する。これにより、プログラム素子7であるnMOSトランジスタは、オン状態になる。これにより、端子Bが“Low”レベルまで放電される。
【0107】
ここで、書き込み(エレクトロマイグレーション)後のゲート電極7aの抵抗値が期待通りに大きくならないときに、容量が付加されていない比較例では、時間t2以降で、放電速度が早くなる。結果として、出力信号Sout(端子B)の電位を“Low”レベルにすることが困難になることが考えられる。
【0108】
一方、実施例3の半導体集積回路300では、接続点301(端子A)に容量302が接続されているので端子Aの放電速度が比較例よりも遅くなる。結果として、出力信号Sout(端子B)の電位の“Low”レベルへ低下を促進することができる。結果として、“1”(書き込み済)読出しマージンを保持することができる。
【0109】
したがって、本実施例3の半導体集積回路300では、出力信号Soutの電位を、より確実に、“High”レベルから“Low”レベルに変化させることができる。
【0110】
実施例1と同様に、該読み出し動作モードにおいては、電圧供給端子1の電位を書き込み電位よりも低い正の読み出し電位に設定するとともに、第2の入力信号S2により第2のMOSトランジスタ6を所定期間オンした後、第1の入力信号S1により第1のMOSトランジスタ5を所定期間オンする。
【0111】
そして、例えば、出力端子3から出力された出力信号Soutの電位をラッチ回路8によりラッチした結果を、フリップフロップ回路等を用いて認識することにより、プログラム素子7が書き込まれているか否かを判断することができる。
【0112】
また、既述のように、本実施例においては、MOSトランジスタのゲート電極そのものをプログラムする素子にしている。これにより、既述の従来技術と比較して、面積効率を向上し、回路の集積度の向上を図ることができる。
【0113】
以上のようにして、書き込み(エレクトロマイグレーション)後ゲート電極7aの抵抗値が期待通りに高いものが得られないときに、“1”読出しマージンを保持することができる。
【0114】
また、実施例1と同様に、本実施例3に係る半導体集積回路によれば、回路の集積度の向上を図ることができる。
【0115】
本発明は、以下の付記に記載されるような構成が考えられる。
【0116】
(付記1)
電圧供給端子と、第1の入力信号が入力される第1の入力端子と、出力信号を出力する出力端子と、第2の入力信号が入力される第2の入力端子と、前記電圧供給端子に一端が接続され、前記第1の入力端子にゲート電極が接続された第1のMOSトランジスタと、第1の電位に一端が接続され、前記出力端子に他端が接続され、前記第2の入力端子にゲート電極が接続された第2のMOSトランジスタと、前記第2のMOSトランジスタの他端に一端が接続されるとともに前記第1の電位よりも低い第2の電位に他端が接続されたMOSトランジスタとして機能するプログラム素子と、を備え、前記プログラム素子のゲート電極は、前記第1のMOSトランジスタの他端に一端が接続され、接地電位に他端が接続されるとともに、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、前記ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含み、前記プログラム素子にデータを書き込むための書き込み動作モードにおいては、前記電圧供給端子の電位を正の書き込み電位に設定するとともに、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンすることにより、前記シリサイド膜をエレクトロマイグレーションさせ、前記プログラム素子に記憶されたデータを読み出すための読み出し動作モードにおいては、前記電圧供給端子の電位を前記書き込み電位よりも低い正の読み出し電位に設定するとともに、前記第2の入力信号により前記第2のMOSトランジスタを所定期間オンした後、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンし、前記第1の電位は、電源電位であり、前記第2の電位は、接地電位であり、前記第1のMOSトランジスタおよび前記第2のMOSトランジスタは、pMOSトランジスタであり、前記プログラム素子は、nMOSトランジスタであることを特徴とする半導体集積回路。
【0117】
(付記2)
電圧供給端子と、第1の入力信号が入力される第1の入力端子と、出力信号を出力する出力端子と、第2の入力信号が入力される第2の入力端子と、前記電圧供給端子に一端が接続され、前記第1の入力端子にゲート電極が接続された第1のMOSトランジスタと、第1の電位に一端が接続され、前記出力端子に他端が接続され、前記第2の入力端子にゲート電極が接続された第2のMOSトランジスタと、前記第2のMOSトランジスタの他端に一端が接続されるとともに前記第1の電位よりも高い第2の電位に他端が接続されたMOSトランジスタとして機能するプログラム素子と、を備え、前記プログラム素子のゲート電極は、前記第1のMOSトランジスタの他端に一端が接続され、接地電位に他端が接続されるとともに、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、前記ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含み、前記プログラム素子にデータを書き込むための書き込み動作モードにおいては、前記電圧供給端子の電位を正の書き込み電位に設定するとともに、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンすることにより、前記シリサイド膜をエレクトロマイグレーションさせ、前記プログラム素子に記憶されたデータを読み出すための読み出し動作モードにおいては、前記電圧供給端子の電位を前記書き込み電位よりも低い正の読み出し電位に設定するとともに、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンした後、前記第2の入力信号により前記第2のMOSトランジスタを所定期間オンし、前記第1の電位は、接地電位であり、前記第2の電位は、電源電位であり、前記第1のMOSトランジスタは、pMOSトランジスタであり、前記第2のMOSトランジスタは、nMOSトランジスタであり、前記プログラム素子は、pMOSトランジスタであることを特徴とする半導体集積回路。
【0118】
(付記3)
電圧供給端子と、第1の入力信号が入力される第1の入力端子と、出力信号を出力する出力端子と、第2の入力信号が入力される第2の入力端子と、前記電圧供給端子に一端が接続され、前記第1の入力端子にゲート電極が接続された第1のMOSトランジスタと、第1の電位に一端が接続され、前記出力端子に他端が接続され、前記第2の入力端子にゲート電極が接続された第2のMOSトランジスタと、前記第2のMOSトランジスタの他端に一端が接続されるとともに前記第1の電位よりも高い第2の電位に他端が接続されたMOSトランジスタとして機能するプログラム素子と、を備え、前記プログラム素子のゲート電極は、前記第1のMOSトランジスタの他端に一端が接続され、接地電位に他端が接続されるとともに、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、前記ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含み、前記プログラム素子にデータを書き込むための書き込み動作モードにおいては、前記電圧供給端子の電位を正の書き込み電位に設定するとともに、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンすることにより、前記シリサイド膜をエレクトロマイグレーションさせ、前記プログラム素子に記憶されたデータを読み出すための読み出し動作モードにおいては、前記電圧供給端子の電位を前記書き込み電位よりも低い正の読み出し電位に設定するとともに、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンした後、前記第2の入力信号により前記第2のMOSトランジスタを所定期間オンし、前記書き込み電位は、前記電源電位よりも高いことを特徴とする半導体集積回路。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の一態様である実施例1に係る半導体集積回路100の要部の構成を示す図である。
【図2A】図1に示すプログラム素子7のレイアウトの一例を示す図である。
【図2B】図2Aに示すプログラム素子7のX−X’線に沿った断面を示す断面図である。
【図2C】図2Aに示すプログラム素子7のY−Y’線に沿った断面を示す断面図である。
【図2D】図2Aに示すプログラム素子7のZ−Z’線に沿った断面を示す断面図である。
【図3】図1に示す半導体集積回路100のレイアウトを示す図である。
【図4】書き込み動作モードにおける、プログラム素子に対する書き込みが進行してはいない状態を示す図である。
【図5】書き込み動作モードにおける、プログラム素子に対する書き込みが進行した状態を示す図である。
【図6A】図2Aに示すプログラム素子7が書き込みされた状態における、該プログラム素子7のX−X’線に沿った断面を示す断面図である。
【図6B】図2Aに示すプログラム素子7が書き込みされた状態における、該プログラム素子7のY−Y’線に沿った断面を示す断面図である。
【図7】読み出し動作モードにおいて、データの書き込みがされていないプログラム素子に対して読み出し電圧を印加した状態を示す図である。
【図8】書き込みがされていないプログラム素子に対して読み出しする場合における、読み出し動作モードの信号波形を示すタイミングチャートである。
【図9】読み出し動作モードにおいて、データの書き込みがされたプログラム素子に対して読み出し電圧を印加した状態を示す図である。
【図10】書き込みがされたプログラム素子に対して読み出しする場合における、読み出し動作モードの信号波形を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の一態様である実施例2に係る半導体集積回路200の要部の構成を示す図である。
【図12A】図11に示すプログラム素子207のレイアウトの一例を示す図である。
【図12B】図12Aに示すプログラム素子207のX−X’線に沿った断面を示す断面図である。
【図12C】図12Aに示すプログラム素子207のY−Y’線に沿った断面を示す断面図である。
【図12D】図12Aに示すプログラム素子207のZ−Z’線に沿った断面を示す断面図である。
【図13】書き込み動作モードにおける、プログラム素子に対する書き込みが進行してはいない状態を示す図である。
【図14】書き込み動作モードにおける、プログラム素子に対する書き込みが進行した状態を示す図である。
【図15】書き込みがされていないプログラム素子および書き込みされたプログラム素子に対して読み出しする場合における、読み出し動作モードの信号波形を示すタイミングチャートである。
【図16】本発明の一態様である実施例3に係る半導体集積回路300の要部の構成を示す図である。
【図17】書き込みがされていないプログラム素子に対して読み出しする場合における、読み出し動作モードの信号波形を示すタイミングチャートである。
【図18】読み出し動作モードにおいて、データの書き込みがされたプログラム素子に対して読み出し電圧を印加した状態を示す図である。
【図19】書き込みがされたプログラム素子に対して読み出しする場合における、読み出し動作モードの信号波形を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0120】
1 電圧供給端子
2 第1の入力端子
3 出力端子
4 第2の入力端子
5 第1のMOSトランジスタ
6、206 第2のMOSトランジスタ
7、207 プログラム素子
7a ゲート電極
7a1 ポリシリコン膜
7a2 シリサイド膜
7b ゲート絶縁膜
7c ドレイン
7d ソース
7e 半導体基板
7f 高抵抗領域
8 ラッチ回路
100、200、300 半導体集積回路
101 電源回路
301 接続点
302 容量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧供給端子と、
第1の入力信号が入力される第1の入力端子と、
出力信号を出力する出力端子と、
第2の入力信号が入力される第2の入力端子と、
前記電圧供給端子に一端が接続され、前記第1の入力端子にゲート電極が接続された第1のMOSトランジスタと、
第1の電位に一端が接続され、前記出力端子に他端が接続され、前記第2の入力端子にゲート電極が接続された第2のMOSトランジスタと、
前記第2のMOSトランジスタの他端に一端が接続されるとともに前記第1の電位よりも低い第2の電位に他端が接続されたMOSトランジスタとして機能するプログラム素子と、を備え、
前記プログラム素子のゲート電極は、前記第1のMOSトランジスタの他端に一端が接続され、接地電位に他端が接続されるとともに、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、前記ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含み、
前記プログラム素子にデータを書き込むための書き込み動作モードにおいては、
前記電圧供給端子の電位を正の書き込み電位に設定するとともに、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンすることにより、前記シリサイド膜をエレクトロマイグレーションさせ、
前記プログラム素子に記憶されたデータを読み出すための読み出し動作モードにおいては、
前記電圧供給端子の電位を前記書き込み電位よりも低い正の読み出し電位に設定するとともに、前記第2の入力信号により前記第2のMOSトランジスタを所定期間オンした後、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンする
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
電圧供給端子と、
第1の入力信号が入力される第1の入力端子と、
出力信号を出力する出力端子と、
第2の入力信号が入力される第2の入力端子と、
前記電圧供給端子に一端が接続され、前記第1の入力端子にゲート電極が接続された第1のMOSトランジスタと、
第1の電位に一端が接続され、前記出力端子に他端が接続され、前記第2の入力端子にゲート電極が接続された第2のMOSトランジスタと、
前記第2のMOSトランジスタの他端に一端が接続されるとともに前記第1の電位よりも高い第2の電位に他端が接続されたMOSトランジスタとして機能するプログラム素子と、を備え、
前記プログラム素子のゲート電極は、前記第1のMOSトランジスタの他端に一端が接続され、接地電位に他端が接続されるとともに、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、前記ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含み、
前記プログラム素子にデータを書き込むための書き込み動作モードにおいては、
前記電圧供給端子の電位を正の書き込み電位に設定するとともに、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンすることにより、前記シリサイド膜をエレクトロマイグレーションさせ、
前記プログラム素子に記憶されたデータを読み出すための読み出し動作モードにおいては、
前記電圧供給端子の電位を前記書き込み電位よりも低い正の読み出し電位に設定するとともに、前記第1の入力信号により前記第1のMOSトランジスタを所定期間オンした後、前記第2の入力信号により前記第2のMOSトランジスタを所定期間オンする
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項3】
前記第1のMOSトランジスタおよび前記第2のMOSトランジスタの前記ゲート電極は、ゲート絶縁膜上に形成されたポリシリコン膜と、前記ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、を含み、
前記プログラム素子の前記ゲート電極のシリサイド膜の膜厚は、前記第1のMOSトランジスタおよび前記第2のMOSトランジスタの前記ゲート電極の前記シリサイド膜の膜厚よりも薄い
ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記書き込み動作モードにおいて前記第1のMOSトランジスタをオンした場合に、前記プログラム素子の前記ゲート電極と前記プログラム素子の拡散層との間の電位差が前記プログラム素子の前記ゲート絶縁膜の絶縁耐圧を越えないように、前記書き込み電位が設定される
ことを特徴とすることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記プログラム素子の前記ゲート電極と前記第1のMOSトランジスタとの接続点と、前記接地と、の間に容量が接続されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の半導体集積回路。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−266950(P2009−266950A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112692(P2008−112692)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】