説明

単一SOIウェハ加速度計の製造方法

【課題】単一のシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハからMEMS装置を製造する方法の提供。
【解決手段】SOIウェハ20は、シリコン(Si)ハンドル層28、Si機構層24、およびSiハンドル層とSi機構層との間に位置する絶縁層26を含む。Si機構層から活動部品をエッチングする工程を含む。その後、露出されたSi機構層の表面にボロンがドープされる。次に、Si機構層のエッチングされた活動部品の近くの絶縁層の一部が取り除かれ、エッチングされた活動部品の近くのSiハンドル層が、エッチングされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一SOIウェハ加速度計の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのタイプの微小電気機械素子(MEMS)加速度計またはジャイロの製造プロセスが存在する。小さな寄生容量を持つMEMS装置を製造するために、複数のウェハは、効果的なMEMS装置を製造するために、複数のマスク工程、エッチング工程、および取り付け工程を通らなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
より多くの製造工程は、製造コストを増大させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、単一のシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハからMEMS装置を製造する方法を含む。SOIウェハは、シリコン(Si)ハンドル層、Si機構層、およびSiハンドル層とSi機構層との間に配置された絶縁層を含む。一例としての方法は、Si機構層から活動部品をエッチングすることを含む。その後、Si機構層の露出された表面はボロンがドープされる。次に、Si機構層のエッチングされた活動部品に近接する絶縁層の部分が取り除かれ、エッチングされた活動部品に近接するSiハンドル層が、エッチングされる。
【0005】
ハンドル層のエッチングは、不等方性のエッチングである。
本発明の好ましい実施形態または代替実施形態が以下に図面とともに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】加速度計装置を製造する工程の例を示す図である。
【図2】加速度計装置を製造する工程の例を示す図である。
【図3】加速度計装置を製造する工程の例を示す図である。
【図4】加速度計装置を製造する工程の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1−4は、本発明の実施形態により実施される製造プロセス工程の例を示している。この例示プロセスは、単一のシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハ20からの、微小電気機械素子(MEMS)加速度計の製造を説明する。この加速度計は、校正おもりまたは機構層24内の望ましくない容量に敏感な他の部品と、シリコン(Si)ハンドル層28との間の低い寄生容量を備える。
【0008】
図1に示すように、SOIウェハ20は、埋め込まれたシリコン酸化(SiO)層26を含み、シリコン酸化層は、機構層24とSiハンドル層28との間に位置する。機構層24内の機能素子(活動部品)を露出させるために、機構層24は、所定のマスクに従ってエッチングされる。
【0009】
一実施形態において、SOIウェハ20はP型SOIウェハである。機構層24上で行われるエッチングは、シリコン深堀反応性イオンエッチング(DRIE)であり、これは、機構層24をSiO層26までエッチングする。ここでSiO層26はエッチストップとして機能する。こうして、画定された穴/空洞のアレイ/パターンが、機構層24に形成される。
【0010】
図2に示すように、機構層24は、多量のボロンがドープされる。一実施形態において、機構層24は、5×1018/Cmより大きいレベルの濃度でボロンがドープされる。
【0011】
ボロンドーピングは、エッチングされた機構層24の露出された水平面および垂直面の両方に浸透する。シリコン酸化層26は、ボロンドーピングに抵抗力があり、これがハンドル層28がドーピングされることを防止する。
【0012】
図3に示されているように、機構層24の活動部品内およびその周りにおいて、SiO層26の一部は取り除かれる。標準的なシリコン酸化(ウェット)エッチング(たとえばHF)が、機構層24にエッチングされた空洞および穴を介して、シリコン酸化層26に適用される。シリコンは、通常、HFエッチングに対して抵抗力があるか、または非常にゆっくりエッチングされる(ドープされていても、されていなくても)。
【0013】
図4に示すように、一実施形態において、機構層24を通して形成された溝、およびシリコン酸化層26が取り除かれた場所の溝を通って、エチレン−ジアミン−ピロカテロール(EDP)シリコン不等方性エッチングがSiハンドル層に28に適用される。ボロンがドープされた機構層24は、このEDPエッチングに対して抵抗力がある。EDPエッチングの時間の長さは、所望のSiエッチング深さに依存する。たとえば、エッチング時間は、50−100μmとするために1−2時間とすることができる。結果として、Siハンドル層28に溝ができ、これが、Siハンドル層28内のシリコンと機構層24内の活動部品との間の分離を提供する。その結果、機構層24とSiハンドル層28との間に生じ得る寄生容量が低減される。また、潜在的な、活動部品の機構層24とハンドル層28との間の静止摩擦は除かれる。他の、類似の不等方性のエッチング剤を用いてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハからMEMS装置を製造する方法であって、前記SOIウェハ(20)は、シリコン(Si)ハンドル層(28)、Si機構層(24)、および前記Siハンドル層とSi機構層との間に位置する絶縁層(26)を含み、
前記方法は、前記Si機構層から活動部品をエッチングする工程と、
前記Si機構層の露出された表面に少なくともボロンをドーピングする工程と、
前記機構層のエッチングされた前記活動部品の近くの前記絶縁層を取り除く工程と、
エッチングされた前記活動部品の近くの前記Siハンドル層をエッチングする工程と、
を有する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記ハンドル層をエッチングする工程は不等方性のエッチングを含み、前記絶縁層はSiOを含む、方法。
【請求項3】
シリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハであって、
シリコン(Si)ハンドル層(28)と、
Si機構層(24)と、
前記ハンドル層と前記機構層との間に位置する絶縁層(26)とを有し、
前記機構層が、ボロンがドープされた、エッチングされた活動部品を有し、前記絶縁層が、前記機構層の前記エッチングされた活動部品の近くの取り除かれた部分を含み、前記Siハンドル層が、前記エッチングされた活動部品の近くの不等方性にエッチングされた容積を有する、SOIウェハ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−200474(P2009−200474A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−332367(P2008−332367)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】