説明

圧力タンク及び圧力タンクにおける内部欠陥検出方法

【課題】継続的に車を使用しながら、メンテナンスのための工数及びコストを低減してメンテナンス効率を向上させた上で、ライナーにおけるクラック等の内部欠陥を確実、かつ速やかに検出することができる圧力タンク及び圧力タンクにおける内部欠陥検出方法を提供する。
【解決手段】ライナー23の外面を繊維強化プラスチックの補強層24で補強した燃料ガスタンク9であって、ライナー23に接続され、ライナー23を伝播する音波を検出する超音波センサ37と、超音波センサ37に接続され、超音波センサ37の検出結果に基づいてライナー23におけるクラックCの有無を判断する診断回路38と、を備え、診断回路38は、ライナー23内に水素ガスを充填する際に超音波センサ37が検出する音波によってライナー23のクラックCの発生を判断し、ライナー23のクラックCが発生した場合に、異常信号を出力することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力タンク及び圧力タンクにおける内部欠陥検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、気体を高圧で充填するための圧力タンクとしては、アルミや樹脂等からなるライナー(タンク壁)と呼ばれる容器の外面を、プラスチックとガラスやカーボン等の繊維との複合材料である繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)により補強したものが用いられる場合がある。このような圧力タンクにあっては、軽量で、かつ耐圧特性に優れているというメリットがある。
【0003】
一方、上述した圧力タンクは、FRPが何らかの外力によりダメージを受けることで、FRPが損傷したり、ライナー外面から剥離したりすると、FRPの耐力が急激に低下する。これに伴い、FRPにより補強されたライナーにもクラックが生じる虞がある。
ライナーにクラックが生じると、クラックの発生箇所に応力が集中し、クラックが変形、進展する。その結果、ライナーの耐圧性が低下してライナー内部に充填された気体がリークする虞がある。ライナーは、上述したようにFRPにより覆われているため、ライナーに生じたクラックを目視では発見することができず、実際に気体がリークするまで気付かない可能性がある。
【0004】
そこで、圧力タンクのクラックを目視によらず検出する方法としては、以下に示すような構成が知られている。
例えば特許文献1に示されるように、超音波探触子により容器外面から超音波を入射して走査し、反射エコーに基づく欠陥信号と位置検出器からの位置信号とにより、走査線に沿う断面画像や走行面の欠陥画像を得る構成が知られている。
さらに、特許文献2に示されるように、ライナーの外周に設けるFRP補強層に信号線で形成される検査回路を含ませ、この検査回路の信号線がFRP補強層の損傷に伴って断線することで、検査回路による信号伝送の有無によって補強層が健全であるか否かを検出する構成が知られている。
【特許文献1】特開平2−102450号公報
【特許文献2】特開平10−30797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年では、上述した圧力タンクを燃料電池車両等の燃料タンクとして車両に搭載する場合がある。この場合、事故等によって圧力タンクがダメージを受けることで、ライナーにクラックが生じ、ライナー内部から気体がリークする虞がある。
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、超音波探触子を走査しつつ反射エコーを検出する構成であるため、継続的に車を使用しながら異常を検知することができない。したがって、圧力タンクのクラック検出を行うためには、圧力タンクを車両から取り外してから行わなければならず、メンテナンスのための工数及びコストが高く、効率が悪いという問題がある。
また、特許文献2の構成では、補強層に含まれた検査回路により、補強層が正常であるか否かを検出するものであるため、補強層の内部に設けられたライナーの探傷まで検知することはできない。また、より小さなクラックを検出するには、信号線の密度を増加させなければならず、コスト増を招くという問題がある。そして、信号線の断線により補強層のクラックを検出することはできるが、ライナーと補強層とが剥離した場合等、信号線が断線しない状態で補強層に異常が生じた場合を検出することができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、継続的に車を使用しながら、メンテナンスのための工数及びコストを低減してメンテナンス効率を向上させた上で、タンク壁におけるクラック等の内部欠陥を確実、かつ速やかに検出することができる圧力タンク及び圧力タンクにおける内部欠陥検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、タンク壁(例えば、実施形態におけるライナー23)の外面を繊維強化プラスチックの補強層(例えば、実施形態における補強層24)で補強した圧力タンク(例えば、実施形態における燃料ガスタンク9)であって、前記タンク壁に接続され、前記タンク壁を伝播する音波を検出する超音波センサ(例えば、実施形態における超音波センサ37)と、前記超音波センサに接続され、前記超音波センサの検出結果に基づいて前記タンク壁における内部欠陥の有無を判断する内部欠陥判断装置(例えば、実施形態における診断回路38)と、を備え、前記内部欠陥判断装置は、前記タンク壁内に気体を充填する際に前記超音波センサが検出する音波によって前記タンク壁の内部欠陥の発生を判断し、前記タンク壁の内部欠陥が発生した場合に、異常信号を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載した発明は、前記超音波センサは、前記タンク壁の鏡板部(例えば、実施形態における鏡板部22b)の中央に配設され、前記圧力タンク内の圧力を検出する圧力センサ(例えば、実施形態における圧力センサ35)と、前記タンク壁に内部欠陥が存在しない場合における前記タンク壁内の圧力と前記タンク壁を伝播する音波との関係が記憶された記憶部とを備え、前記内部欠陥判断装置は、前記圧力センサが検出した圧力に対応して前記記憶部に記憶された音波と、前記超音波センサが検出した音波とを比較することによってノイズキャンセルを行い、ノイズキャンセル後の音波の状態により内部欠陥の有無を判断することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載した発明は、前記圧力タンクは、燃料電池車(例えば、実施形態における燃料電池車両1)に気体燃料を供給するために車体内に搭載される高圧水素タンクであることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載した発明は、前記異常信号は、充填ステーションに向けて出力される充填動作停止指令信号であることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載した発明は、前記内部欠陥判断装置により前記タンク壁の内部欠陥が発生したと判断された場合に、前記内部欠陥の発生を運転手に報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載した発明は、タンク壁の外面を繊維強化プラスチックの補強層で補強した圧力タンクであって、前記タンク壁に配設され、前記タンク壁に音波を入射するとともに、前記音波の反射波を受信する超音波探触子と、前記超音波探触子で受信した反射波に基づいて前記タンク壁における内部欠陥の状態を判断する内部欠陥判断装置と、を備え、前記内部欠陥判断装置は、前記超音波探触子で受信した反射波と、前記タンク壁に内部欠陥が存在しない場合の反射波とを比較することによってノイズキャンセルを行い、ノイズキャンセル後の音波の状態により内部欠陥の状態を判断することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載した発明は、タンク壁の外面を繊維強化プラスチックの補強層で補強した圧力タンクにおける前記タンク壁の内部欠陥検出方法であって、前記タンク壁内の圧力上昇によって前記タンク壁を伝播する音波を検出する音波検出ステップと、前記タンク壁の内部欠陥の有無を判断する内部欠陥判断ステップと、前記内部欠陥判断ステップにより前記タンク壁に内部欠陥が発生していると判断された場合に、異常信号を出力する異常信号出力ステップとを有し、前記内部欠陥判断ステップは、前記音波検出ステップで検出された音波の状態と、前記タンク壁に内部欠陥が存在しない場合における前記タンク壁を伝播される音波の状態とを比較することによってノイズキャンセルを行うノイズキャンセルステップを有し、前記ノイズキャンセルステップにおけるノイズキャンセル後の音波の状態により前記タンク壁の内部欠陥の有無を判断することを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載した発明は、タンク壁の外面を繊維強化プラスチックの補強層で補強した圧力タンクにおける前記タンク壁の内部欠陥検出方法であって、前記タンク壁に音波を入射する音波入射ステップと、前記音波入射ステップにより入射された音波の反射波を受信する反射波受信ステップと、前記タンク壁の内部欠陥の状態を判断する内部欠陥判断ステップと、前記内部欠陥判断ステップにより前記タンク壁に内部欠陥が発生していると判断された場合に、異常信号を出力する異常信号出力ステップとを有し、前記内部欠陥判断ステップは、前記反射波受信ステップで受信した反射波と、前記タンク壁に内部欠陥が存在しない場合の反射波とを比較することによってノイズキャンセルを行うノイズキャンセルステップを有し、ノイズキャンセル後の音波の状態により前記タンク壁の内部欠陥の状態を判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1,7に記載した発明によれば、タンク壁内に気体を充填すると内部気体の圧力が上昇し、この圧力上昇によってタンク壁の内面には外方へ向けて(タンク壁を押し広げる方に向けて)応力が作用する。
この時、タンク壁にクラック等の内部欠陥が存在している場合には、タンク壁内の圧力上昇により内部欠陥の発生部位には応力が集中し、この応力によって内部欠陥の変形や進展が生じる。そして、内部欠陥の変形や進展に伴って、内部欠陥の発生部位からは大きな弾性波(いわゆる、クラック音)が発生する。このクラック音を超音波センサにより検出した場合に、タンク壁における内部欠陥の有無を、確実かつ速やかに判断することができる。これにより、補強層で覆われたタンク壁の内部欠陥を、目視によらずに判断することができる。そして、タンク壁に内部欠陥が存在した場合に、異常信号を出力することで、タンク壁から気体がリークするような大きな内部欠陥に進展する前に、充填動作を制限することができる。
【0017】
請求項2に記載した発明によれば、タンク壁に内部欠陥が存在しない場合のタンク壁内の圧力と、タンク壁を伝播する音波との関係が記憶された記憶部を備えているため、この記憶部に記憶された音波と、超音波センサにより検出された音波の実測値とを比較することで、実測値のノイズキャンセルを行うことができる。つまり、ノイズキャンセルを行ってもなお音波が発生している場合に内部欠陥が発生していると判断することができる。したがって、微小なクラック音も検出することができるため、タンク壁の内部欠陥を正確、かつ速やかに検出することができる。
【0018】
請求項3に記載した発明によれば、上記本発明の圧力タンクを燃料電池車の車体内に搭載される高圧水素タンクに採用することで、圧力タンクを車体内に搭載した状態でタンク壁の内部欠陥を検出することができる。そのため、従来のようにタンク壁の内部欠陥の検出を行うために、圧力タンクを車両から取り外してから行う必要がなく、メンテナンスのための工数及びコストを低減することができる。また、車体内に搭載した状態でタンク壁の内部欠陥の検出を行うことができるため、タンク壁の内部欠陥が大きな変形や進展をする前に速やかに検出することができ、安全性をより向上させることができる。
【0019】
請求項4に記載した発明によれば、タンク壁に内部欠陥が生じた場合に、充填ステーションに向けて充填動作停止指令信号を出力することで、タンク壁内への気体の充填を停止することができるため、安全な充填作業を行うことができる。
【0020】
請求項5に記載した発明によれば、タンク壁に内部欠陥が生じた場合に、内部欠陥の発生を運転手に報知することで、運転手は内部欠陥の発生を速やかに知ることができる。そのため、タンク壁から気体がリークすることを未然に防ぐための適切な修理を行うことができる。
【0021】
請求項6,8に記載した発明によれば、超音波探触子からタンク壁に入射された音波は、タンク壁中で反射して戻ってくる。そして、戻ってきた反射波の音波の状態と正常時における反射波の音波の状態とを比較することで、反射波の音波の状態に異常があった場合に、タンク壁に内部欠陥の虞があると判断することができる。さらに、正常時における音波の状態により、反射波の音波の状態に対してノイズキャンセルを行うことで、内部欠陥の発生を確実に判断することができる。つまり、ノイズキャンセルを行ってもなお反射波が発生している場合に内部欠陥が発生していると判断することができる。したがって、微小なクラック音も検出することができるため、タンク壁の内部欠陥を正確、かつ速やかに検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では圧力タンクを燃料電池車両に搭載した場合について説明する。また、以下の説明における前後左右などの向きは、特に特記が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
【0023】
(第1実施形態)
(燃料電池車両)
図1は本実施形態における燃料電池車両の概略構成図(側面図)である。
図1に示すように、燃料電池車両1は、水素と酸素との電気化学反応によって発電を行う燃料電池スタック(以下、燃料電池という)2を車体のフロア下に搭載し、この燃料電池2で生じた電力によりモータ3を駆動して走行する。燃料電池2は、単位電池(単位セル)を例えば車両前後方向に沿って多数積層してなる。そして、そのアノード側に燃料ガスとして水素ガスを供給し、カソード側に酸化剤ガスとして酸素を含む空気を供給することで、電気化学反応により電力および水を生成する。
【0024】
モータ3は、燃料電池2のカソード側へ供給する空気を圧縮するコンプレッサ4とともに、フロントサブフレーム5に搭載された状態で、車体前部のモータルーム内に配置される。また、燃料電池2および燃料電池2のための補機6は、サブフレーム7に搭載された状態で、車体前後方向中間部のフロアパネル8の車室外側に配置される。さらに、燃料電池2のアノード側へ供給する水素ガスを蓄える燃料ガスタンク(圧力タンク)9は、モータ3からの回生電力を蓄電するバッテリ11とともに、リアサブフレーム12に搭載された状態で、車体後部のリアフロア13の車室外側に配置されている。
【0025】
なお、燃料電池2のための補機6とは、レギュレータやエゼクタなどの水素供給補機および加湿器や希釈ボックスなどの空気排出補機である。また、図1中符号14,15は燃料電池車両1の前後輪を、符号16,17は車室内の前後シートをそれぞれ示す。
【0026】
(燃料ガスタンク)
次に、本実施形態の燃料ガスタンクについて説明する。図2は、燃料電池車両の概略構成図(背面図)であり、図3は燃料ガスタンクの断面図である。
図2,3に示すように、燃料ガスタンク9は、充填圧力が例えば35MPaの高圧水素タンクであって、両端が半球状に形成された円筒ボンベ形状のタンク本体20を備えている。タンク本体20は、その長手方向(軸方向)と車幅方向とを一致させた状態で、車体前後方向中間部のフロアパネル8の車室外側に配置されている。タンク本体20は、軸方向中央部に形成された円筒部21と、軸方向両端部において円筒部21を閉塞するように形成された鏡板部22a,22bとで構成されている。
【0027】
また、タンク本体20は、ライナー23と、ライナー23を覆うように設けられた補強層24とを備えている。
ライナー23は、アルミニウムや樹脂材料等からなる円筒ボンベ状のものであり、このライナー23で囲まれた内側が水素ガスを貯蔵するためのガス貯蔵室25となっている。補強層24は、プラスチックとガラスやカーボン等との複合材料である繊維強化プラスチックからなるものであり、ライナー23の外面に密着して形成されている。このように、タンク本体20がライナー23と補強層24とから構成されることで、補強層24によりライナー23を補強することができるため、金属のみからなるタンク本体に比べ、軽量で、かつ耐圧特性に優れているという効果がある。
【0028】
タンク本体20における軸方向一端側(図3における左側)の鏡板部22aの中央(ヘソ部)には、ライナー23及び補強層24を貫通する貫通孔26が形成されており、ここに筒状の口金27が固定されている。口金27は、口金27の内側はねじ孔28となっており、ねじ孔28の一端はタンク本体20の外部に開口し、他端はガス貯蔵室25内に開口している。そして、口金27の一端の外周面には、径方向外側に張り出すフランジ部29が形成されており、このフランジ部29と補強層24の外面とが当接するようにして口金27が固定されている。
【0029】
口金27のねじ孔28には、ガス遮蔽性を有するプラグ30が螺着されている。プラグ30は、その外周面にねじ溝が形成され、口金27のねじ孔28に螺合されるねじ部31と、ねじ部31の一端側においてねじ部31の外径より大きく形成された頭部32とで構成されている。つまり、プラグ30は、タンク本体20のメンテナンス等、必要に応じて口金27から取り外し、再び装着することができるようになっており、口金27に対して着脱可能に構成されている。なお、プラグ30の頭部32と、口金27のフランジ部29との間には、Oリング等のシール部材33が設けられており、口金27とプラグ30との間がシールされている。
【0030】
ここで、プラグ30には、ガス貯蔵室25内への水素ガスの供給または、ガス貯蔵室25内から水素ガスを排気して燃料電池車両1の燃料ガスライン40(図2参照)に供給するための給排管34が接続されている。給排管34は、ガス貯蔵室25内に突出しており、その先端は他端側の鏡板部22bに向けて指向している。一方、給配管34の基端側は、燃料ガスライン40(図2参照)に接続されている。また、プラグ30には、ガス貯蔵室25内の圧力を検出するための圧力センサ35も接続されている。
【0031】
一方、他端側の鏡板部22bの中央(ヘソ部)には、超音波センサ37が取り付けられている。この超音波センサ37は、ライナー23中を伝播される音波を検出するためのものであり、ライナー23の外周面に直接取り付けられている。
そして、超音波センサ37には、診断回路(内部欠陥判断装置)38が接続されている。この診断回路38は、圧力センサ35により検出されたガス貯蔵室25内の圧力を圧力信号として受信するとともに、超音波センサ37により検出された音波の状態を検出信号として受信し、これら信号に基づいてライナー23にクラック等の内部欠陥が存在するか否かを判断するものである。診断回路38は、正常時(内部欠陥が存在しない場合)のガス貯蔵室25内の圧力と、その圧力時にライナー23中や補強層24中を伝播する音波との関係が予め記憶された記憶部を備えている。また、診断回路38には、圧力センサ35により検出されたガス貯蔵室25内の圧力と、その圧力時に超音波センサ37により検出された音波との実測値が随時記憶されるようになっている。
【0032】
診断回路38には、ECU(内部欠陥判断装置)39が接続されている。このECU39は、燃料電池車両1における電気的な制御を総合的に行うためのものであり、診断回路38の判断に基づいてライナー23に内部欠陥が存在する場合には、図示しない充填ステーションに向けて充填動作停止指令信号を出力する。また、ECU39には、図示しない報知手段が接続されており、診断回路38の判断に基づいてライナー23に内部欠陥が存在する場合には、報知手段に向けて警告信号を出力する。そして、警告信号を受信した報知手段は、運転手に向けて警告を発するように構成されている。
【0033】
(燃料ガスタンクにおける内部欠陥の検出方法)
次に、燃料ガスタンク9の内部欠陥検出方法について説明する。本実施形態の内部欠陥の検出は、いわゆるアコースティックエミッション法(AE法)によるものである。なお、以下の説明では、水素ガスの充填時において、ライナー23の一部にクラック(図3中符号C参照)が存在している場合の検出方法について説明する。
まず、図3に示すように、給配管34を通して、タンク本体20のガス貯蔵室25内に水素ガスを充填すると、ガス貯蔵室25内の圧力(最大35MPa程度)が上昇する。そして、圧力センサ35はガス貯蔵室25内の圧力変化を常時検出し、その検出結果を圧力信号として診断回路38に向けて出力する(圧力検出ステップ)。
【0034】
ガス貯蔵室25内の圧力が増加すると、ライナー23の内周面に作用する応力が増加し、この応力によってライナー23に音波が発生する。この音波はライナー23中や補強層24中を伝播して超音波センサ37により検出される(図3中矢印A参照)。超音波センサ37により検出された音波の検出結果は、検出信号として診断回路38に向けて出力される(音波検出ステップ)。
【0035】
ここで、ガス貯蔵室25内の圧力が増加すると、ライナー23におけるクラックCの発生部位には応力が集中し、この応力によってクラックCの変形や進展が生じる。そして、クラックCの変形や進展に伴って、クラックCの発生部位からは大きな弾性波(いわゆる、クラック音)が発生する。クラックCの発生部位から発生したクラック音は、ライナー23中や補強層24中を伝播して超音波センサ37により検出される。超音波センサ37は、検出したクラック音をクラック音検出信号として診断回路38に出力する。
そして、診断回路38は、圧力センサ35により出力された圧力信号と、超音波センサ37により出力された音波検出信号及びクラック音検出信号とを受信し、記憶部に記憶する。
【0036】
次に、診断回路38においてノイズキャンセルを行い、クラック音検出信号により得られたクラック音がノイズによるものか、それともクラックによるものかの判断を行う(ノイズキャンセルステップ)。具体的には、まず診断回路38は、クラック音発生時において圧力センサ35が検出した圧力レベルに対応した、ライナー23が正常時の音波を記憶部から算出する。そして、診断回路38は、クラック音発生時の音波の実測値と、予め記憶部に記憶された音波との差分を計算する。これにより、クラックCの発生部位における音波の増加量を算出することができる。
そして、算出結果がある閾値(以下、クラック判定値という)よりも低い場合、診断回路38により得られたクラック音がノイズによるものと判断する。一方、算出結果がクラック判定値以上である場合、ライナー23にクラックCが発生していると判断する。そして、診断回路38は、ライナー23にクラックが発生していると判断すると、ECU39に向けてクラック発生信号を出力する。
【0037】
ECU39は、クラック発生信号を受信すると、充填ステーションに向けて充填動作停止指令信号を出力するとともに、報知手段に向けて運転手にクラックCの発生を知らせる警告信号を出力する(制御信号出力ステップ)。充填動作停止指令信号を受信した充填ステーションは、タンク本体20への燃料ガスの充填を停止する。同時に、警告信号を受信した報知手段は、運転手に向けて警告を発する。これにより運転手は、クラックCの発生を速やかに知ることができる。
【0038】
このように、本実施形態では、ライナー23内に水素ガスを充填する際に超音波センサ37が検出する音波によってライナー23のクラックCの発生を判断し、ライナー23のクラックCが発生した場合に、異常信号を出力する構成とした。
この構成によれば、ライナー23内に水素ガスを充填するとガス貯蔵室25内の圧力が上昇し、この圧力上昇によってライナー23の内面には外方へ向けて(ライナーを押し広げる方に向けて)応力が作用する。
この時、ライナー23にクラック等の内部欠陥が存在している場合には、ガス貯蔵室25内の圧力上昇によりクラックCの発生部位には応力が集中し、この応力によってクラックCの変形や進展が生じる。そして、クラックCの変形や進展に伴って、クラックCの発生部位からはクラック音が発生する。このクラック音を超音波センサ37により検出した場合に、超音波センサ37により検出された音波の実測値と、予め診断回路38に記憶された正常時の音波とに基づいてクラックCの発生を、確実かつ速やかに判断することができる。これにより、補強層24で覆われたライナー23のクラックCを、目視によらずに判断することができる。そして、クラックCの発生を判断した後、充填ステーションと報知手段とに対して制御信号を出力することで、ライナー23から水素ガスがリークするような大きなクラックCに進展する前に、充填動作を制限することができる。
【0039】
また、診断回路38は、ライナー23にクラックCが存在しない場合のガス貯蔵室25内の圧力と、その圧力時にライナー23中を伝播する音波との関係が記憶された記憶部を備えているため、この記憶部に記憶された音波と、超音波センサ37により検出された音波の実測値とを比較することで、実測値のノイズキャンセルを行うことができる。つまり、ノイズキャンセルを行ってもなお音波が発生している場合にクラックCが発生していると判断することができる。したがって、微小なクラック音も検出することができるため、ライナー23のクラックCを正確、かつ速やかに検出することができる。
【0040】
さらに、ライナー23にクラックCが発生した場合に、充填ステーションに向けて充填動作停止指令信号を出力することで、ガス貯蔵室25内への水素ガスの充填を停止することができるため、安全な充填作業を行うことができる。
同時に、ライナー23にクラックCが生じた場合に、クラックCの発生を運転手に報知することで、運転手はクラックCの発生を速やかに知ることができる。そのため、ライナー23から水素ガスがリークすることを未然に防ぐための適切な修理を行うことができる。
【0041】
このように、本実施形態の燃料ガスタンク9を燃料電池車両1の車体内に搭載される高圧水素タンクに採用することで、燃料ガスタンク9を継続的に車体内に搭載した状態でライナー23のクラックCを検出することができる。そのため、従来のようにライナー23のクラックCの検出を行うために、燃料ガスタンク9を車両から取り外してから行う必要がなく、メンテナンスのための工数及びコストを低減することができる。
また、車体内に搭載した状態でライナー23のクラックCの検出を行うことができるため、ライナー23のクラックCが大きな変形や進展をする前に速やかに検出することができる。そのため、ライナー23内から水素ガスがリークすることなく、安全な状態でメンテナンス等を行うことができるため、安全性をより向上させることができる。
【0042】
(第2実施形態)
(燃料ガスタンク)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図4は第2実施形態における燃料ガスタンクの断面図である。なお、以下の説明では上述した第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態の燃料ガスタンク120は、タンク本体20における他端側の鏡板部22bの中央部に、超音波探触子137を備えている。この超音波探触子137は、ピエゾ素子等からなりライナー23中に音波を入射するとともに(図4中矢印B1)、その反射波(エコー)を受信するものである(図4中矢印B2)。つまり、超音波探触子137は、音波の発振機と音波を受信するセンサとの双方を兼ね備えている。超音波探触子137から発信される音波の周波数は、燃料電池車両1の振動等からのノイズによって干渉されず、かつタンク本体20内のクラックCを検出できる程度に設定することが好ましく、具体的には数十kHz以上数MHz程度に設定することが好ましい。
【0043】
なお、本実施形態の診断回路38の記憶部には、ライナー23が正常時の場合における超音波探触子137の入射波に対するエコーの関係が予め記憶されている。
【0044】
(燃料ガスタンクにおける内部欠陥の検出方法)
次に、図5のフローチャートに基づいて、第2実施形態における内部欠陥の検出方法を説明する。本実施形態の内部欠陥の検出は、いわゆるソナー法によるものである。なお、以下の説明では、燃料電池車両1のイグニッションon(IG on)から発進までの間に、内部欠陥を検出する場合について説明する。
図5に示すように、まずステップS10において、燃料電池車両1のイグニッションをonにした後、ステップS11に進む。
【0045】
次に、ステップS11において、自己システムチェックを行う。自己システムチェックは、比較的大きなクラックCを検出するためのものであって、クラックCの進展等によりタンク本体20からリーク等の異常が発生しているか否かを判断する。
ステップS11における判断結果が「正常」である場合、自己システムチェックによりリーク等は発見されないと判断してステップS12に進む。一方、ステップS11における判断結果が「異常」である場合、自己システムチェックによりリーク等の発生ありと判断してステップS16に進む。
【0046】
次に、ステップS12において、超音波探触子137によりライナー23に向けて音波を入射する(音波入射ステップ)。すると、音波はライナー23中や補強層24中を伝播した後、超音波探触子137に向けてエコーとして戻ってくる。
そして、ステップS13において、超音波探触子137によりエコーの状態(例えば、振幅)を検出し、その検出結果をエコー検出信号として診断回路38に向けて出力する(反射波受信ステップ)。
【0047】
ここで、ステップS14において、診断回路38によりエコー検出信号を受信し、この検出信号に基づいてエコーが異常であるか否かを判断する(ノイズキャンセルステップ)。
図6は時間(T)に対するエコーの振幅を示すグラフであり、(a)は正常時、(b)はクラック発生時、(c)はクラックのみの振幅を示している。
図6(a)に示すように、エコーの状態が正常である場合(ライナー23にクラックCが存在しない場合)には、時間T1からT2までの領域以外では、ライナー23から反射されたエコーが検出されており、エコーの振幅はほぼ一定の領域に収まっている。つまり、ライナー23中(円筒部21及び鏡板部22a,22b)で反射するエコー(時間T1からT2以外の領域)については、ライナー23の板厚等はほぼ均一であるため、ライナー23中を伝播する音波はほぼ一定の振幅で伝播される。これに対して、時間T1からT2までの領域では、エコーの振幅が増加している。時間T1からT2では、上述した口金27から反射したエコーが検出されている。つまり、口金27はライナー23と材質も異なり、ライナー23に比べて構造が複雑であるため、口金27中を伝播するエコーの振幅はライナー23中を伝播するエコーの振幅に比べて大きくなる。
【0048】
一方、図6(b)に示すように、例えば時間T3からT4においてライナー23にクラックCが発生すると、クラックCの発生部位を伝播する音波の振幅が、正常時にライナー23中を伝播する音波の振幅よりも大きくなる(図6(b)破線参照)。
そこで、本実施形態では、診断回路38において、クラック発生時における音波の振幅(実測値)と予め記憶部に記憶された正常時における音波の振幅との差分を算出する。この算出結果より、図6(c)に示すように、クラック発生時における音波の振幅と正常時における音波の振幅との差分、すなわちクラックCの発生部位のみの振幅の増加量が求められる。そして、その算出結果がクラック判定値よりも低い場合、エコーが正常(「NO」)であると判断してステップS15に進む。一方、算出結果がクラック判定値以上であれば、エコーが異常(「YES」)、すなわちクラックCの発生ありと判断してステップS16に進む。
【0049】
次に、ステップS14における判断結果が「NO」であった場合、ステップS15において、ライナー23にクラックC等の内部欠陥はないと判断し、燃料電池車両1が始動する。
これに対して、ステップS14における判断結果が(「YES」)であった場合、ステップS16において、診断回路38からECU39に向けてクラック発生信号を出力する。そして、上述した第1実施形態と同様に、充填ステーションに向けて充填動作停止指令信号を出力するとともに、報知手段に向けて運転手にクラックCの発生を知らせる警告信号を出力する(制御信号出力ステップ)。
以上により、本実施形態の内部欠陥検出方法のフローを終了する。
【0050】
このように、上述した実施形態では、超音波探触子137からライナー23に入射された音波は、ライナー23中で反射して戻ってくる。そして、戻ってきたエコーの音波の状態と正常時においてライナー23に伝播する音波の状態とを比較することで、エコーの音波の状態に異常があった場合に、ライナー23にクラックCの虞があると判断することができる。さらに、正常時における音波の状態により、エコーの状態に対してノイズキャンセルを行うことで、クラックCの発生を確実に検出することができる。
したがって、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0051】
ところで、本実施形態では、超音波探触子137と口金27とをそれぞれ鏡板部22a,22bの中央部に配置しているため、入射波とエコーとの音波は、口金27と超音波探触子137とを対称にしてほぼ同一形状の波形が得られる。つまり、口金27から検出されるエコーの領域(図6中時間T1からT2)を特定することで、一端側の鏡板部22aから他端側の鏡板部22bまでエコーが伝播されるまでの時間が時間T1からT2ということになる。これにより、エコーの伝播位置をおおよそ特定することができるため、クラックCの発生部位までを目視によらず特定することができ、よりメンテナンス効率を向上させることができる。
【0052】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、第1実施形態においては水素ガスの充填時、第2実施形態においては燃料電池車両のイグニッションon時に内部欠陥の検出を行う場合について説明したが、検出のタイミングは任意に設定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態における燃料電池車両を示す概略構成図(側面図)である。
【図2】本発明の実施形態における燃料電池車両を示す概略構成図(後面図)である。
【図3】第1実施形態における燃料ガスタンクの断面図である。
【図4】第2実施形態における燃料ガスタンクの断面図である。
【図5】第2実施形態における燃料ガスタンクの内部欠陥の検出方法を示すフローチャートである。
【図6】(a)〜(c)は、時間(T)に対する音波の振幅を示すグラフであり、(a)は正常時、(b)はクラック発生時、(c)はクラックのみの振幅を示している。
【符号の説明】
【0054】
1…燃料電池車両(燃料電池車) 9…燃料ガスタンク(圧力タンク) 23…ライナー(タンク壁) 24…補強層 37…超音波センサ 38…診断回路(内部欠陥判断装置) 39…ECU(内部欠陥判断装置) 137…超音波探触子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク壁の外面を繊維強化プラスチックの補強層で補強した圧力タンクであって、
前記タンク壁に接続され、前記タンク壁を伝播する音波を検出する超音波センサと、
前記超音波センサに接続され、前記超音波センサの検出結果に基づいて前記タンク壁における内部欠陥の有無を判断する内部欠陥判断装置と、を備え、
前記内部欠陥判断装置は、前記タンク壁内に気体を充填する際に前記超音波センサが検出する音波によって前記タンク壁の内部欠陥の発生を判断し、前記タンク壁の内部欠陥が発生した場合に、異常信号を出力することを特徴とする圧力タンク。
【請求項2】
前記超音波センサは、前記タンク壁の鏡板部の中央に配設され、
前記圧力タンク内の圧力を検出する圧力センサと、
前記タンク壁に内部欠陥が存在しない場合における前記タンク壁内の圧力と前記タンク壁を伝播する音波との関係が記憶された記憶部とを備え、
前記内部欠陥判断装置は、前記圧力センサが検出した圧力に対応して前記記憶部に記憶された音波と、前記超音波センサが検出した音波とを比較することによってノイズキャンセルを行い、ノイズキャンセル後の音波の状態により内部欠陥の有無を判断することを特徴とする請求項1記載の圧力タンク。
【請求項3】
前記圧力タンクは、燃料電池車に気体燃料を供給するために車体内に搭載される高圧水素タンクであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の圧力タンク。
【請求項4】
前記異常信号は、充填ステーションに向けて出力される充填動作停止指令信号であることを特徴とする請求項3記載の圧力タンク。
【請求項5】
前記内部欠陥判断装置により前記タンク壁の内部欠陥が発生したと判断された場合に、前記内部欠陥の発生を運転手に報知する報知手段を有することを特徴とする請求項3または請求項4記載の圧力タンク。
【請求項6】
タンク壁の外面を繊維強化プラスチックの補強層で補強した圧力タンクであって、
前記タンク壁に配設され、前記タンク壁に音波を入射するとともに、前記音波の反射波を受信する超音波探触子と、
前記超音波探触子で受信した反射波に基づいて前記タンク壁における内部欠陥の状態を判断する内部欠陥判断装置と、を備え、
前記内部欠陥判断装置は、前記超音波探触子で受信した反射波と、前記タンク壁に内部欠陥が存在しない場合の反射波とを比較することによってノイズキャンセルを行い、ノイズキャンセル後の音波の状態により内部欠陥の状態を判断することを特徴とする圧力タンク。
【請求項7】
タンク壁の外面を繊維強化プラスチックの補強層で補強した圧力タンクにおける前記タンク壁の内部欠陥検出方法であって、
前記タンク壁内の圧力上昇によって前記タンク壁を伝播する音波を検出する音波検出ステップと、
前記タンク壁の内部欠陥の有無を判断する内部欠陥判断ステップと、
前記内部欠陥判断ステップにより前記タンク壁に内部欠陥が発生していると判断された場合に、異常信号を出力する異常信号出力ステップとを有し、
前記内部欠陥判断ステップは、前記音波検出ステップで検出された音波の状態と、前記タンク壁に内部欠陥が存在しない場合における前記タンク壁を伝播される音波の状態とを比較することによってノイズキャンセルを行うノイズキャンセルステップを有し、前記ノイズキャンセルステップにおけるノイズキャンセル後の音波の状態により前記タンク壁の内部欠陥の有無を判断することを特徴とする内部欠陥検出方法。
【請求項8】
タンク壁の外面を繊維強化プラスチックの補強層で補強した圧力タンクにおける前記タンク壁の内部欠陥検出方法であって、
前記タンク壁に音波を入射する音波入射ステップと、
前記音波入射ステップにより入射された音波の反射波を受信する反射波受信ステップと、
前記タンク壁の内部欠陥の状態を判断する内部欠陥判断ステップと、
前記内部欠陥判断ステップにより前記タンク壁に内部欠陥が発生していると判断された場合に、異常信号を出力する異常信号出力ステップとを有し、
前記内部欠陥判断ステップは、前記反射波受信ステップで受信した反射波と、前記タンク壁に内部欠陥が存在しない場合の反射波とを比較することによってノイズキャンセルを行うノイズキャンセルステップを有し、ノイズキャンセル後の音波の状態により前記タンク壁の内部欠陥の状態を判断することを特徴とする内部欠陥検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−14624(P2010−14624A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176252(P2008−176252)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】