説明

圧電振動片、圧電振動子および圧電発振器

【課題】小型な振動片であっても静電容量を大きくし、負荷容量の変化に対して発振周波数感度の低い圧電振動片、圧電振動子、および圧電発振器を提供する。
【解決手段】基部10と、前記基部10より延伸して形成され屈曲振動する振動腕20、30とを備え、圧電材料からなる振動片であって、前記振動腕の表裏面と側面とに形成された駆動電極と、前記振動腕の先端方向に前記駆動電極から離間して前記振動腕の表裏面に形成された非駆動電極と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片、圧電振動子および圧電発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピューター、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器や圧電ジャイロセンサー等において、圧電振動子や圧電発振器等の圧電デバイスが広く使用されている。これら圧電デバイスは、近年、機器の小型化に合わせて、より小型・薄型の圧電デバイスの要求が大きくなってきている。
【0003】
従来、圧電デバイスには音叉型振動片が多く用いられ、小型・薄型の振動片を実現してきた。また、より小型化・薄型化の要望に対して、振動片の基部形状を改良することで圧電デバイスの性能、特にCI(クリスタルインピーダンス)値の素子間のばらつき低減を図り小型化する技術が開示されている(特許文献1)。
【0004】
また、特許文献1に開示された振動片をさらに小型化するために、振動片が持つ静電容量を大きくすることで、負荷容量に対する発振周波数感度を小さくすることに効果があることが分かった。その手段として基部電極間の隙間を小さくすることが有効であり、基部電極間の隙間を小さくすることで生じる、パッケージへの振動片のマウント時に起こり易い電気的な短絡を防止するため、基部に連結して設けた支持アームにマウント部を設けた振動片が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−261575号公報
【特許文献2】特開2006−203763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述の特許文献1では、振動片の小型化が目的であっても、支持アームを備えなければならず、小型化を阻害するものであった。そこで、小型な振動片であっても静電容量を大きくし、負荷容量の変化に対して発振周波数感度の低い圧電振動片、圧電振動子、および圧電発振器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現され得る。
【0008】
〔適用例1〕本適用例の圧電振動片は、基部と、前記基部より延伸して形成され屈曲振動する振動腕とを備え、圧電材料からなる振動片であって、前記振動腕の表裏面と側面とに形成された駆動電極と、前記振動腕の先端方向に前記駆動電極から離間して前記振動腕の表裏面に形成された非駆動電極と、を備えることを特徴とする圧電振動片。
【0009】
上述の適用例によれば、小型の振動片であっても、振動腕の先端方向に非駆動電極を備えることにより、振動片の静電容量を大きくすることができる。従って、負荷容量のばらつきによる周波数変化の変動を抑えることができる。
【0010】
〔適用例2〕上述の適用例において、前記振動腕の表裏面に、少なくとも1本の溝部が形成され、前記溝部に前記駆動電極または前記非駆動電極を形成することを特徴とする。
【0011】
〔適用例3〕上述の適用例において、前記振動腕の表裏面に、少なくとも1本の溝部が形成され、前記溝部に前記駆動電極と前記非駆動電極とを形成することを特徴とする。
【0012】
上述の適用例によれば、溝部に駆動電極を形成した場合には振動損失が少なく、またCI値も低く抑えることができる。
【0013】
〔適用例4〕上述の適用例において、前記振動腕の表裏面に、少なくとも1本の第1溝部が形成され、前記振動腕の前記第1溝部の形成面の先端方向に、前記第1溝部から離間して形成された第2溝部を備え、前記第1溝部に前記駆動電極を形成し、前記第2溝部に前記非駆動電極を形成することを特徴とする。
【0014】
上述の適用例によれば、上述の効果に加え第1溝部と第2溝部によりタイバー部が形成され、このタイバー部が振動腕の捻り強度を高め、屈曲振動以外の振動モードの発生を抑制することができ、更に薄型の振動片を得ることができる。
【0015】
〔適用例5〕上述の適用例において、前記圧電振動片が水晶であることを特徴とする。
【0016】
上述の適用例によれば、安定して低いCI値を有する振動片を得ることができる。
【0017】
〔適用例6〕上述の適用例において、前記圧電振動片が音叉型振動片であることを特徴とする。
【0018】
上述の適用例によれば、小型且つ薄型の振動片を得ることができる。
【0019】
〔適用例7〕上述の適用例のいずれかに記載の圧電振動片と、前記圧電振動片を収納するパッケージと、を有することを特徴とする圧電振動子。
【0020】
〔適用例8〕上述の適用例のいずれかに記載の圧電振動子と、前記圧電振動片を駆動させる機能を有する回路部と、を有することを特徴とする圧電発振器。
【0021】
上述の適用例によれば、負荷容量のばらつきによる周波数変動の小さい振動子、および発振器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態の圧電振動片を示し、(a)は表平面図、(b)は裏平面図、(c)は(a)におけるA−A’部の拡大断面図、(d)は(a)におけるB−B’部の拡大断面図、(e)は(a)におけるC−C’部の拡大断面図。
【図2】圧電振動片の実装状態を示す回路図。
【図3】第1実施形態の圧電振動片のその他の形態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるD−D’部の拡大断面図、(c)は(a)におけるE−E’部の拡大断面図、(d)は(a)におけるF−F’部の拡大断面図。
【図4】第1実施形態の圧電振動片のその他の形態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるG−G’部の拡大断面図、(c)は(b)に示すH方向の矢視図。
【図5】第1実施形態の圧電振動片のその他の形態を示す平面図。
【図6】第2実施形態の圧電振動子を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるJ−J’部の断面図。
【図7】第2実施形態において、その他の実施形態の圧電振動片を用いた形態を示す平面図。
【図8】第3実施形態の圧電発振器を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
【0024】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係る振動片を示し、図1(a)は表平面図、図1(b)は裏平面図、図1(c)は図1(a)におけるA−A’部の断面図、図1(d)は図1(a)におけるB−B’部の断面図、図1(e)は図1(a)におけるC−C’部の断面図であり、図1(c)、(d)、(e)はそれぞれ、拡大断面図である。圧電振動片100は、圧電材料から形成され、基部より2本の振動腕が延出した、いわゆる音叉型圧電振動片である。本実施形態では水晶を用いて形成された水晶振動片100により説明するが、その他の圧電材料として、例えばタンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体、または、シリコンなどの半導体であっても適用できる。
【0025】
図1(a)、(b)に示すように水晶振動片100は、基部10と、基部10から延出する2本の振動腕20、30と、水晶振動片基板100aの表面に形成された電極40、50とを備えている。振動腕20の表裏には第1溝部20a、20cと第2溝部20b、20dが形成されている。また、振動腕30にも同様に第1溝部30a、30cと第2溝部30b、30dが形成されている。
【0026】
図1(e)の断面図で示すように、第1溝部20a、20cおよび30a、30cによって、振動腕20、30は第1溝部形成領域では略H型の断面形状となっている。また、振動腕20、30の先端側には第2溝部20b、20d、30b、30dが表裏に形成されている。第2溝部形成領域も図1(d)に示すように、略H型の断面形状となっている。
【0027】
また、例えば振動腕20の場合、第1溝部20aと第2溝部20bとの間、第1溝部20cと第2溝部20dとの間にはタイバー20e、20fが形成されている。同様に振動腕30にもタイバー30e、30fが形成されている。タイバー20e、20f、30e、30fは、後述する第1溝部に形成される励振電極と第2溝部に形成される非励振電極とを確実に離間する作用だけでなく、振動腕20、30の屈曲振動における捩れ剛性を高め、不要な振動モードの発生を抑制する効果を持ち、薄型の振動片を安定して振動させることができる。
【0028】
次に電極40、50の形態について説明する。図1(a)に示すように、基部10に、後述する振動子あるいは発振器へ実装する際の、パッケージ接続電極と導電性接着剤を介して電気的な接続がされる、基部電極40a、50aが形成されている。この基部電極40a、50aから振動腕20、30の励振電極、非励振電極へ延伸されている。
【0029】
電極40の場合、基部電極40aから振動腕20の両側面の側面励振電極40bへ延伸される配線と、振動腕30の第1溝部30a、30cの溝励振電極40cへ延伸される配線へ繋がる。なお、振動腕20の両側面の側面励振電極40bは、図1(b)に示すように振動腕20の裏面で裏面配線40dにより接続されている。また、振動腕30の裏面の第1溝部30cの溝部励振電極40へは裏面配線40eにより接続されている。
【0030】
振動腕30の第2溝部30bへは、電極40が第1溝部30aに形成された溝励振電極40cよりタイバー30eを跨ぐ配線40fによって接続される、非励振電極40gが形成されている。また振動腕20の裏面の第2溝部20dには、両側の側面励振電極40bを繋ぐ裏面配線40dと接続された裏面の非励振電極40gに接続されている。
【0031】
電極50も、電極40同様に振動腕30の裏面配線50dにより接続されている振動腕30の側面励振電極50bと、側面励振電極50bから裏面の配線50eにより振動腕20の第1溝部20a、20cに形成した溝励振電極50cに接続される。さらに、表面の溝励振電極50cからタイバー20eを跨ぐ配線50gによって、第2溝部20bに形成した非励振電極50hに接続されている。また、裏面では裏面配線50dに接続して第2溝部30dの非励振電極50iに接続している。
【0032】
このように配線された水晶振動片100に、基部10の配線40aと50aとの間に、図示しない発信回路から交番電流が入力されると、振動腕20に設けた溝励振電極50cと側面励振電極40bとの間と、振動腕30に設けた溝励振電極40cと側面励振電極50bとの間とに電界が生じ、振動腕20、30を屈曲振動させる屈曲振動部を構成する。
【0033】
しかし、第2溝部20b、20d、30b、30dに設けた非励振電極40g、40h、50h、50iでは、図1(d)にも示すように振動腕20、30の側面部には電極は配置されず、振動腕20、30の表裏方向だけの電界が生じているため、屈曲振動には寄与しない電極となる。
【0034】
以上、説明した実施形態の水晶振動片100では、屈曲振動のための励振電極に加えて、屈曲振動には寄与しない電極を付加した。これにより、周波数変動の小さい水晶振動片を得ることができる。
【0035】
水晶振動片100を実装する場合、図2に示すように負荷容量CLを決めて使用され、負荷容量CLの値(大きさ)は、多少の変動を持って決定され、使用することが実務的である。この負荷容量CLと、水晶振動片100の電極によって圧電体を挟んだことによる誘電体としての容量である静電容量C0とによって、次式(式1)に表されるように周波数変動の度合い(周波数変動率)が求められる。
Δf/f=C1/{2(C0+CL)}…式1
ここで、Δfは周波数変化量、fは周波数、C1は水晶振動片固有の容量である。
【0036】
本発明の上述の実施形態において、C0は励振電極により構成されるC01と、非励振電極により構成される静電容量C02を含むものである。すなわち、従来の特許文献1に開示されている水晶振動片の静電容量C0に対応するものが、本実施形態の静電容量C01であり、実質的に静電容量C02分の容量が大きい静電容量を作り出すことができる。すなわち、式1に本願発明の静電容量を代入すると、
Δf/f=C1/{2(C01+C02+CL)}…式2
と表すことができ、負荷容量CLの変動に対しても周波数変動率の小さい水晶振動片を得ることができる。
【0037】
上述の圧電(水晶)振動片100は、屈曲振動の振動モードを前提に説明したが、屈曲振動以外の振動モードを含んでいても、屈曲振動を主体とする振動片であれば、上述の効果を得ることができる。
【0038】
本実施形態の水晶振動片100では、励振電極と非励振電極とは1対の主面に設けた溝に形成したが、以下の形態においても上述の実施形態同様の効果を得ることができる。図3、4に、本発明の水晶振動片のその他の形態を示す。
【0039】
図3に励振電極の形成領域だけに溝部を形成する形態を示す。図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)に示すD−D’断面を示す断面図、図3(c)は図3(a)に示すE−E’断面の断面図、図3(d)は図3(a)に示すF−F’断面の断面図である。
【0040】
図3(a)および図3(b)に示すように、水晶振動片101の振動腕21、31の表裏面には溝部21a、21bおよび31a、31bが形成されている。振動腕21の溝部21aには電極51から引き回された励振電極51bが形成されている。同様に振動腕31の溝部31aには励振電極41bが形成されている。
【0041】
これに対して、非励振電極41c、51cの形成領域には振動腕21、31に溝を設けず、振動腕21、31の表裏面に非励振電極41c、51cを形成する。このように構成しても、静電容量C0を実質的に大きくすることができ、負荷容量CLの変動に対して周波数変動率の小さい水晶振動片を得ることができる。
【0042】
上述の形態では、励振電極41b、51bを溝部21a、21b、31a、31bに形成したが、非励振電極41c、51cの形成領域に溝部を形成し、励振電極41b、51bの形成領域には溝部を設けない構成としても良い。このように構成しても、静電容量C0を実質的に大きくすることができ、負荷容量CLの変動に対して周波数変動率の小さい水晶振動片を得ることができる。
【0043】
図4に励振電極と非励振電極を一つの溝部に形成する形態を示す。図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)に示すG−G’断面を示す断面図、図4(c)は図4(b)のH方向の矢視図、すなわち図4(a)の裏面平面図である。
【0044】
図4(a)の水晶振動片102は、振動腕22、32の表裏面に溝部22a、32aと溝部22b、32b(図4(c))を備える。この溝部22a、32aには励振電極と非励振電極とをかねる溝電極42d、52dが形成されている。また裏面の溝部22b、32bには図4(c)に示すように、励振電極42b、52bと非励振電極42c、52cとが形成されている。
【0045】
表面の溝電極42d、52dは、側面励振電極42a、52aの形成領域までは励振電極42b、52bとしての機能領域であり、側面励振電極42a、52aが形成されない領域では非励振電極42c、52cとしての機能領域である。上述の様に、励振電極と非励振電極を1本の溝部に形成することでも、静電容量C0を実質的に大きくすることができ、負荷容量CLの変動に対して周波数変動率の小さい水晶振動片を得ることができる。
【0046】
上述の第1実施形態において、水晶振動片の表裏面に溝部を形成し、励振電極あるいは励振電極と非励振電極とを溝部に形成する構成を説明したが、溝部を設けずに励振電極および非励振電極を振動腕表面に設ける構成としても良い。
【0047】
振動片のその他の実施形態を図5に示す。図5に示す水晶振動片103は、上述の実施形態における水晶振動片100、101、102に対して、基部10より支持アーム60a、60bが延出している点が異なる。水晶振動片103は、後述するパッケージへ実装する際、基部10から延出した支持アーム60a,60bを導電性接着剤によってパッケージに接着固定し、振動子に形成される。従って、電極43、53の基部10に形成される基部電極43a、53aは支持アーム60a、60bまで延伸されている。
【0048】
支持アーム60a、60bを備える水晶振動片103は、基部10においてパッケージ固定されないため、基部10での基部電極43aと基部電極53aとの距離δを最小値で形成することで、更に水晶振動片103の静電容量C0を大きくすることができる。従って、負荷容量CLの変動に対して、更に周波数変動率の小さい水晶振動片を得ることができる。
【0049】
(第2実施形態)
上述の第1実施形態による水晶振動片100を用いた振動子について説明する。図6(a)は、蓋体を除いて内部を露出させた状態での振動子1000の平面図、図6(b)は図6(a)におけるJ−J’部の断面を示す断面図である。
【0050】
水晶振動片100は、第1基板201、第2基板202、第3基板203を積層し形成したパッケージ200の内部に、第2基板202上に備えた電極部500に、水晶振動片100の基部10の電極40a、50aを対向させて導電性接着剤600により電気的に接続し、パッケージ200に固定される。電極部500は図示しないパッケージ200内の経路を経て、パッケージ外部に形成された実装端子501と繋がっている。
【0051】
水晶振動片100が固定されたパッケージ200の開口の端部に蓋体300を封止材400によって、減圧チャンバー内でパッケージ200に固定され、水晶振動片100の内部が減圧状態に保たれる。こうして得られた振動子1000は、実装端子501を介して図示しない発振回路からの交番電流により水晶振動片100を屈曲振動させる。
【0052】
第1実施形態の水晶振動片100を振動子1000に用いたことにより、Q値の低下防止と、負荷容量CLのばらつきに対しても周波数変動率の小さい振動子を得ることができる。
【0053】
図7は、第1実施形態におけるその他の形態である図5に示す水晶振動片103を用いた水晶振動子1001を説明する図である。水晶振動片103は、支持アーム60a、60bをパッケージ201の水晶振動片103を載置固定する電極部500に導電性接着剤600によって固着し、図示しない蓋体により密封され水晶振動子1001となる。こうして得られる水晶振動子1001は、支持アーム60a、60b部分においてパッケージ201に固定されるので、Q値の低下防止と、負荷容量CLのばらつきに対しても周波数変動率の小さい水晶振動子を得ることができる。
【0054】
(第3実施形態)
第3実施形態として、上述の第1実施形態による水晶振動片100を用いた発振器について説明する。図8は、第3実施形態の発振器2000を示す断面図である。本実施形態は、第2実施形態の振動子1000に対して、水晶振動片100を駆動させる駆動回路を含むICチップを備えた点で、第2実施形態と異なるため、第2実施形態と同様の構成の説明は省略し、同じ構成には同一の符号を付与する。
【0055】
図8に示すように、発振器2000はパッケージ200の内部に水晶振動片100が第2基板202上の電極部500に固定されている。さらに、第1基板201にはICチップ700が接着剤などにより固定され、ICチップ700の上面に形成されたIC接続パッド701と第1基板201上に形成された内部接続端子502とを金属ワイヤー800で電気的に接続している。
【0056】
第1実施形態の水晶振動片100を発振器2000に用いたことにより、Q値の低下防止と、負荷容量CLのばらつきに対しても周波数変動率の小さい発振器を得ることができる。
【符号の説明】
【0057】
10…基部、20,30…振動腕、40,50…電極、100…水晶振動片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、前記基部より延伸して形成され屈曲振動する振動腕とを備え、圧電材料からなる振動片であって、
前記振動腕の表裏面と側面とに形成された駆動電極と、
前記振動腕の先端方向に前記駆動電極から離間して前記振動腕の表裏面に形成された非駆動電極と、を備える、
ことを特徴とする圧電振動片。
【請求項2】
前記振動腕の表裏面に、少なくとも1本の溝部が形成され、
前記溝部に前記駆動電極または前記非駆動電極を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
【請求項3】
前記振動腕の表裏面に、少なくとも1本の溝部が形成され、
前記溝部に前記駆動電極と前記非駆動電極と、を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
【請求項4】
前記振動腕の表裏面に、少なくとも1本の第1溝部が形成され、
前記振動腕の前記第1溝部の形成面の先端方向に、前記第1溝部から離間して形成された第2溝部を備え、
前記第1溝部に前記駆動電極を形成し、前記第2溝部に前記非駆動電極を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
【請求項5】
前記圧電振動片が水晶であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の圧電振動片。
【請求項6】
前記圧電振動片が音叉型振動片であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の圧電振動片。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の圧電振動片と、
前記圧電振動片を収納するパッケージと、を有する、
ことを特徴とする圧電振動子。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の圧電振動片と、
前記圧電振動片を駆動させる機能を有する回路部と、を有する
ことを特徴とする圧電発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−188402(P2011−188402A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54085(P2010−54085)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】