説明

圧電振動素子、圧電振動子、圧電発振器及び電子機器

【課題】周波数温度特性、周波数再現性、エージング特性の優れた高周波圧電振動素子を
得る。
【解決手段】圧電振動素子1は、薄肉の振動領域7、及び振動領域の三辺に沿って一体化
されたコ字状の厚肉支持部8を有する圧電基板5と、振動領域に設けた励振電極20a、
20bと、リード電極22a、22bと、を備えている。厚肉支持部8は、第1領域10
と、第2領域12と、第3領域14と、第3領域に貫通形成されたスリットと、を備えて
いる。スリットは、第3領域14の基端縁から第1領域10と平行に延びて第3領域の面
内で終端する第1のスリット部17と、第1のスリット部17の終端部から第1領域と直
交する方向へ延びて第3領域第3領域14の面内で終端する第2のスリット部18と、を
備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電基板と、それを収容するパッケージとの夫々の膨張係数に起因する応力
を低減した圧電振動素子、圧電振動子、圧電発振器及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装型圧電振動子は、小型であること、高精度、高安定な周波数が得られ、経年変
化が少ない等の優れた電気的諸特性を有することから、通信用機器から民生用機器の基準
周波数源として広く用いられている。近年、機器の小型化、軽量化と共に、表面実装型圧
電振動子の更なる小型化、低背化が進められている。特に、周波数−温度特性が広温度範
囲で滑らかな3次曲線を呈し、経年変化の少ない圧電振動子の小型化は、各方面から求め
られている。
【0003】
特許文献1には、水晶片の保持構造に起因する歪を抑止し、振動特性及び耐衝撃性を改
善したATカット水晶振動子が開示されている。水晶片は、高周波化を図るため平板状圧
電基板の一部に凹部を形成し、該凹部内の平坦部を振動部としている。水晶片は、振動領
域と保持用端部との間に幅方向の両側から切り欠き部が設けられている。振動部に形成さ
れた励振電極から延出した引出電極は、切り欠き部を経由して水晶片の保持用端部まで延
在している。水晶振動子は、容器本体の段差部に設けられた端子電極に導電性接着剤を塗
布し、この上に保持用端部を載置し、接続・固定するよう構成される。
容器本体と水晶片との熱膨張差に起因する応力は、導電性接着剤の塗布された部分に集
中して歪みが生じる。しかし、生じた応力は、切り欠き部によって遮断され振動領域には
伝達しない。その結果、周波数温度特性等の電気的特性を良好に維持することができると
開示されている。
【0004】
特許文献2には、水晶振動部と、これを保持する保持部材と、両者間を連結する柱状の
サポート部材と、から成り、サポート部材の一端を水晶振動部に、他端を保持部材に夫々
連結して構成したATカット水晶振動子が開示されている。
また、特許文献3には、円形状の振動部と、この振動部と同心のリング状の支持部と、
振動部と支持部とを連結する橋梁部と、からなる水晶振動子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−88138公報
【特許文献2】特開昭59−218019号公報
【特許文献3】特開2007−36969公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には概略の形状しか開示されておらず、これによって小型圧
電振動素子の振動部の形状、切欠き部の形状、水晶片の保持用端部の形状寸法を正確に決
定することは極めて難しい。
また、特許文献2に開示された構成を用い、圧電振動素子の小型化を図る場合、圧電基
板に振動部を囲むコ字状のスリットを形成する必要がある。スリットを形成するには、お
およそ基板の板厚以上のスリット幅が必要となるため、振動部が小さくなり、そのため水
晶振動素子のCI値(クリスタルインピーダンス)が大きくなるという問題があった。
また、特許文献3に開示された構成を矩形状の圧電基板に適用すると、上述した振動部
が小さくなり、そのため水晶振動素子のCI値が大きくなるという問題が生じる。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、圧電振動子の小型化を図ると共に
、圧電基板とパッケージとの線膨張係数の差に起因して生じる応力を抑圧し、良好な温度
特性と、エージング特性を有する圧電振動素子、圧電振動子、圧電発振器、及びこれらを
用いた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本発明に係る圧電振動素子は、略四角形の振動領域と、該振動領域の先端
の一辺を除いた三辺に沿って一体化されたコ字状の厚肉部と、前記振動領域の表面及び裏
面に夫々配置された励振電極と、を備えた圧電振動素子であって、前記厚肉部は前記振動
領域よりも厚肉な第1領域と第2領域と第3領域から構成され、前記振動領域と前記厚肉
部とは互いに一体の圧電基板として構成され、前記第1領域と前記第2領域とは前記振動
領域を挟んで対向配置され、前記第3領域は前記第1領域及び第2領域の基端部間を連設
し、該第3領域は貫通形成されたスリットを有し、前記スリットは、前記第3領域の基端
縁から前記第1領域及び前記第2領域と平行な第1の方向に直線状に延びて該第3領域内
で終端する第1のスリット部と、該第1のスリット部の終端部から前記第1領域及び前記
第2領域と直交する第2の方向へ直線状に延びて該第3領域内で終端する第2のスリット
部と、を備えていることを特徴とする圧電振動素子である。
【0009】
圧電基板の振動領域を薄肉化して高周波化を図ると、圧電基板を固定するパッケージ側
の支持部からの応力(∝歪)をより受け易い。そこで、振動領域を支持する1つの領域上
であって、被支持部と振動領域との間に、L字状に圧電基板を貫通する第1及び第2のス
リット部を設けることにより、被支持部に起因し振動領域まで伝達される応力を大幅に低
減することができるという効果がある。この結果、圧電振動素子の高周波化が実現でき、
周波数温度特性、周波数再現性、エージング特性が改善されるという効果がある。
【0010】
[適用例2]また、圧電振動素子は、前記第1のスリット部は、前記第3領域の側端縁
に沿って、前記第1領域側、又は前記第2領域側に偏位しており、前記第2のスリット部
は該第1のスリット部の終端部から前記第2領域、又は第1領域に向けて延びていること
を特徴とする適用例1に記載の振動圧電振動素子である。
【0011】
第1領域、又は第2領域側の第3領域の側端縁に沿った位置に第1のスリット部を偏位
させることにより、圧電基板の被支持部から発生する応力が、第1のスリット部によって
遮断されるため、振動領域に生じる応力を低減することができるという効果がある。
【0012】
[適用例3]また、圧電振動素子は、前記第1のスリット部はその少なくとも一部が、
前記第1領域、又は第2領域の長手方向延長上に位置していることを特徴とする適用例1
に記載の圧電振動素子である。
【0013】
第1のスリット部を第1領域、又は第2領域の長手方向延長上に位置させることにより
、圧電基板の被支持部から発生する応力が第1のスリット部によって遮断され、第1領域
、又は第2領域へは伝達されず、振動領域に生じる応力を低減することができるという効
果がある。
【0014】
[適用例4]また、圧電振動素子は、リード電極が前記励振電極から前記振動領域の先
端の一辺と対向する対向辺側の厚肉部上、及び前記圧電基板裏面に夫々延長形成され、前
記各リード電極の終端部は、前記第2の方向の両端部に沿って前記第3領域の位置に離間
配置されていることを特徴とする適用例1乃至3の何れか一項に記載の圧電振動素子であ
る。
【0015】
各リード電極の終端部を第3領域の第2の方向(幅方向)の両端部に沿った位置に離間
配置させることにより、圧電基板の被支持部から発生する応力が第1及び第2のスリット
部に遮られ、第3領域の周縁を経由して振動領域まで伝達されるので、振動領域の応力が
大幅に低減できるという効果がある。
【0016】
[適用例5]また、圧電振動素子は、前記第1のスリット部の前記第2の方向外側には
細幅帯状の細片が位置しており、該細片と前記第1のスリット部を間に挟んで対向する前
記第3領域上とに跨った領域と、該領域から前記第2の方向へ離間した前記第3領域を、
圧電振動素子を絶縁基板上に接続固定する際の被支持部としたことを特徴とする適用例2
乃至4何れか一項に記載の圧電振動素子である。
【0017】
第1のスリット部の外側の細片に生じる応力は極めて小さいので、この細片と、第1の
スリット部を間に挟んで対向する第3領域上と、に跨った領域を一方の被支持部とし、こ
の被支持部と離間した第3領域上を他方の被支持部とすることにより、振動領域に生じる
応力レベルを最小レベルに保持したまま、耐衝撃性を改善することができるという効果が
ある。
【0018】
[適用例6]また、圧電振動素子は、前記圧電基板は、ATカット水晶基板であること
を特徴とする適用例1乃至5の何れか一項に記載の圧電振動素子である。
【0019】
ATカット水晶基板を用いて上記のような圧電基板を形成し、この圧電基板に励振電極
を成膜して圧電振動素子を構成することにより、周波数温度特性が良好であり、周波数再
現性、エージング特性の優れた高周波の圧電振動素子が得られるという効果がある。
【0020】
[適用例7]本発明に係る圧電振動子は、適用例1乃至6の何れか一項に記載の圧電振
動素子と、該圧電振動素子を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする圧電振動
子である。
【0021】
上記の圧電振動素子をパッケージに収容することにより、周波数温度特性、周波数再現性
、エージング特性に優れ、小型で且つ高周波の基本波圧電振動子が得られるという効果が
ある。
【0022】
[適用例8]本発明に係る圧電発振器は、適用例1乃至6の何れか一項に記載の圧電振
動素子と、該圧電振動素子を励振する発振回路を搭載したIC部品と、前記圧電振動素子
を気密封止すると共に前記IC部品を収容するパッケージと、を備えたことを特徴とする
圧電発振器である。
【0023】
上記の圧電振動素子と、IC部品と、パッケージと、を備えた圧電発振器を構成するこ
とにより、周波数温度特性、周波数再現性、エージング特性が優れ、小型で且つ高周波の
圧電発振器が得られるという効果がある。また、電圧制御型圧電発振器(VCXO)を構
成すると、圧電振動素子が基本波で形成されているため周波数可変幅が広く、周波数温度
特性、エージング特性が優れ、小型で且つ高周波のVCXOが得られるという効果がある

【0024】
[適用例9]本発明に係る電子機器は、適用例7に記載の圧電振動子を備えたことを特
徴とする電子機器である。
【0025】
上記の圧電振動子を備えた電極機器を構成することにより、高周波で且つ周波数安定度
の優れた基準周波数源を備えた電子機器が構成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る圧電振動素子の構造を示した概略平面図。
【図2】(a)は圧電振動基板の平面図であり、(b)は(a)のP−P断面図、(c)は(a)のQ−Q断面図。
【図3】応力分布シミュレーションに用いたセラミックパッケージ、水晶基板、導電性接着剤の諸定数表で示した図。
【図4】圧電基板の平面図と発生する応力分布図。
【図5】圧電基板の平面図と発生する応力分布図。
【図6】圧電基板の平面図と発生する応力分布図。
【図7】圧電基板の斜視図と発生する応力分布図。
【図8】圧電基板の平面図と発生する応力分布図。
【図9】圧電振動子の断面図。
【図10】圧電発振器の断面図。
【図11】電子機器の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施
形態に係る圧電振動素子1の構成を示す概略平面図である。
圧電振動素子1は、薄肉且つ略矩形の振動領域7、及びコ字状の厚肉支持部8を有する
厚み振動圧電基板(以下、圧電基板という)5と、振動領域7の対向する表面及び裏面の
両面に夫々形成された励振電極20a、20bと、各励振電極20a、20bから圧電基
板5の端部まで延在するリード電極22a、22bと、を概略備えている。
図2(a)は圧電基板5の平面図であり、(b)は(a)のP−P断面図、(c)は(a
)のQ−Q断面図である。
【0028】
圧電基板5は、所定の角度(水晶ATカット基板の場合は、約35°15′)で切り出
された平板状の圧電材料から成る基板を、ラッピング、ポリッシング加工し、基板の表面
粗さ、平行度、平面度を所定の精度に仕上げる。圧電基板の高周波化(例えば、基本波で
150MHz)を図るため、フォトリソグラフィ技術とエッチング手法を用いて、振動領
域7と厚肉支持部8とを有する圧電基板に加工する。振動領域7の振動面のカット角精度
を維持するため、圧電基板の一方の面のみを凹部状に加工し、他方の面は元のカット面を
保持する場合が多い。
圧電基板5は、図2に示す実施の形態例のように、圧電基板5の一方の面に形成された
略四角形であり且つ薄肉の振動領域7と、振動領域7の先端の一辺7aを除いた三辺7b
、7c、7dに沿って一体化されたコ字状の厚肉支持部8と、を有している。圧電基板5
の他方の面は、切断角度を維持した平坦面である。厚肉支持部8は、振動領域7を挟んで
対向配置された第1領域10、及び第2領域12と、第1及び第2領域10、12の基端
部間を連設する第3領域14と、第3領域14に貫通形成された応力緩和用のスリット1
6と、を備えている。
【0029】
圧電基板5として、水晶ATカットの水晶材料を用いた例を示したが、他のカット角、
SCカット等を用いてもよい。また、他の圧電結晶、例えばタンタル酸リチウム酸、ニオ
ブ酸リチウム、ランガサイト等の圧電基板を用いてもよい。図1の実施の形態例では、結
晶軸方向を示していないが、水晶ATカットの場合は、圧電基板5面に直交する方向はY
’軸である。第1領域10(第2領域12)の長手方向は、X軸、あるいはZ’軸である
。水晶の場合にはX軸方向に変位し、X軸方向の変位分布がZ’軸のそれより広いので、
Z’軸の長さよりX軸方向を長くする場合がある。
【0030】
応力緩和用のスリット16は、図1、図2の実施の形態例に示すように、第3領域14
の基端縁14Aから、第1及び第2領域10、12と平行な第1の方向に直線状に延びて
、第3領域14の面内で終端する第1のスリット部17と、第1のスリット部17の終端
部から、第1及び第2領域10、12と直交する第2の方向(幅方向)へ直線状に延びて
、第3領域14の面積内面内で終端する第2のスリット部18と、を備えたL字型である

面内にスリット16を有した第3領域14は、振動領域7の基端縁に連接し且つ第2の
方向(幅方向)に延びる支持片本体14aと、第2のスリット部18の基端縁14A側に
位置する矩形状の支持片基部14cと、支持片本体14aの一方の端部と支持片基部14
cの一方の端部間とを連接する連結片14bと、支持片本体14aの他方の端部に連接し
且つ第1の方向に延びる細幅帯状の細片14dと、を備えている。
図1、図2(a)に示す実施の形態例では、振動領域7の支持片本体14aに連接する
2つの角隅部が面取りされた例を示したが、面取りした構造も略四角形の概念の中に含ま
れるものとする。
【0031】
スリット16の構造について詳しく説明する。図1、図2の実施の形態に示すように、
本例に係る第1のスリット部17は、第1領域10の長手方向(第1の方向)延長上に位
置し、第1領域10側である第3領域14の側端縁に沿った位置に偏位している。そして
、第2のスリット部18は、第1のスリット部17の終端部から第2領域に向け、振動領
域7寄りを第2の方向(幅方向)に延び、第3領域14の面内にて終端している。つまり
、第3領域14は、振動領域7の辺7cに連接する支持片本体14aと、第2領域12側
に偏位し支持片本体14aと支持片基部14cとを連接する連結片14bと、厚肉支持部
8の端部に位置する支持片基部14cと、第2領域12側に偏位して設けられた細幅帯状
の細片14dと、を有している。
なお、第1のスリット部17が、第2領域12の長手方向の延長上に位置し、且つ第2
領域12側であり、第3領域14の側端縁に沿った位置に偏位した構成としてもよく、上
記と同様な機能を有する。
【0032】
励振電極20a、20bは、図1の実施の形態例に示すように、薄肉の振動領域7の対
向する表面及び裏面に夫々配置されている。励振電極20aから第3領域14へ向けて延
びるリード電極22aは、振動領域7の先端縁の一辺7aと対向する対向辺側の厚肉支持
部8上を経て支持片基部14cの基端縁14Aまで延長形成されている。他方の平坦面側
に形成された励振電極20bから第3領域14へ向けて延びるリード電極22bは、圧電
基板5の裏面の平坦面を経て、支持片本体14aの裏面、支持片基部14cの裏面を経由
して支持片基部14cの基端縁14Aまで延長形成されている。
図1の実施の形態例では、円形の励振電極20a、20bの例を示したが、必ずしも円
形である必要はなく、他の形状、例えば矩形であってもよい。また、電極材質の一例を示
すと、下地にクロムCr、その上に金Auの電極膜である。
【0033】
圧電振動素子1の各リード電極22a、22bの終端部は、図1の実施の形態例に示す
ように、第3領域14の幅方向(第2の方向)両端部に沿った位置に離間配置され、圧電
振動子のパッケージを構成する絶縁基板(図示せず)上に形成された素子搭載パッド(図
示せず)に導電性接着剤25a、25b等を介して接着・固定される。
また、圧電振動素子1の第1のスリット部17の幅方向外側(図1の上方)には、細幅
帯状の細片14dが形成されている。細片14dと、第1のスリット部17を間に挟んで
対向する第3領域の基部14cの端縁14A面上とに跨って導電性接着剤25bを塗布し
、一方のリード電極(図1の実施例では22b)の終端部22Bとの間の導通を図るよう
に構成してもよい。このように、支持片基部14cと細片14dとの両方で圧電基板5を
支持するので、耐衝撃の強い圧電振動素子1が得られる。
【0034】
図1の実施の形態に示すように、圧電振動素子1の支持片基部14cの2カ所の被支持
部25a、25bを、絶縁基板上に導電性接着剤等を用いて接着・固定する。接着剤を硬
化させるには高温、例えば180℃以上に所定の時間保持する必要がある。高温状態では
圧電基板5も絶縁基板も共に膨張し、接着剤も一時的に軟化するので、圧電基板5には応
力は生じていない。接着剤が硬化した後、圧電基板5と絶縁基板との温度が、常温(25
℃)に戻ると、絶縁基板の線膨張係数と、圧電基板5の線膨張係数との差により、接着・
固定から発生する応力が、圧電基板5の振動領域7に広がる。
この圧電基板に生じる応力(∝歪)分布を求めるために、有限要素法を用いてシミュレ
ーションを行った。振動領域における応力が少ない程、周波数温度特性、周波数再現性、
エージング特性の優れた圧電振動素子が得られる。
圧電振動素子を表面実装用のパッケージ(絶縁基板と蓋体から成る)内に気密的に収容
することによって圧電振動子が構成される。圧電振動子をマザーボード等に搭載し、リフ
ロー炉を通す際に、圧電振動子は290℃程度の温度に曝されるので、シミュレーション
では温度を290℃から25℃に下げた際に圧電基板に生じる応力分布を、解析すること
にした。解析に用いたセラミックPKG、水晶、接着剤(エポキシ系)の諸定数は、図3
に示した数値を用いた。エポキシ系接着剤を用いた理由は後述するように、歪は大きくな
く、脱ガスが比較的少ないからである。
【0035】
圧電基板5に生じる応力の大きさ(応力レベル)は、図の複雑化を避けるため、最大応
力レベルIから最小応力レベルVの五段階(I、II、III、IV、V)で表示するこ
とにする。
初めに、図4の平面図に示すように、圧電基板5は、振動領域7と、振動領域7の先端
の一辺7aを除いた三辺7b、7c、7dに沿って連接されたコ字状の厚肉支持部(第1
領域10、第2領域12、第3領域14)8と、を有している。更に、支持片本体14a
の中央部に連接した細幅帯状の連結片14bと、連結片14bの他方の端縁に連接した矩
形状領域基部14cと、を有し一体的に形成された圧電基板について応力分布のシミュレ
ーションを行った。
図4の実線、破線、一点鎖線で示すように、支持片基部14cはほぼ全領域が最大応力
レベルIとなる。細幅帯状の連結片14bは、支持片基部14c寄りの略1/3の領域が
応力レベルIIであり、振動領域7寄りの略2/3の領域と、支持片本体14aの中央部
分の領域とが応力レベルIIIとなる。支持片本体14aの中央部と連接する振動領域7
の一部は応力レベルIVであり、振動領域7の大半は応力レベルVであることがシミュレ
ーションの結果判明した。図4に示した形状の圧電基板では、振動領域7の支持片本体1
4aの中央部寄りの一部に、応力レベルIVの領域が生じることが、シミュレーションの
結果、分かった。
【0036】
次に、図5に示すように、圧電基板5は、振動領域7と、振動領域7の先端の一辺7a
を除いた三辺7b、7c、7dに沿って連接されたコ字状の厚肉支持部(第1領域10、
第2領域12、支持片本体14a)8と、を有している。更に、支持片本体14aの中央
部に連接した細幅帯状の連結片14bと、連結片14bの他方の端縁に連接した矩形状の
支持片基部14cと、第1領域10と支持片本体14aとの連結部、及び第2領域12と
支持片本体14aとの連結部に、夫々第1領域10及び第2領域12の長手方向に夫々延
びる細片14dと、を有し一体的に形成された圧電基板5について、応力分布のシミュレ
ーションを行った。
図5の実線、破線、一点鎖線で示すように、支持片基部14cは、ほぼ全領域が最大応
力レベルIとなる。細幅帯状の連結片14bは、支持片基部14c寄りの略2/3の領域
が応力レベルIIであり、残りの略1/3の領域と、支持片本体14aの中央部分の領域
とが応力レベルIIIである。支持片本体14aの中央部と連接する振動領域7の一部は
応力レベルIVであり、振動領域7の大半は応力レベルVであることが、シミュレーショ
ンの結果判明した。図5に示した形状の圧電基板5では、振動領域7の支持片本体14a
の中央部寄りの一部に、応力レベルIVの領域が生じることがシミュレーションの結果分
かった。
【0037】
次に、図1、2の実施の形態例で説明した形状の圧電基板について、応力分布のシミュ
レーションを行った。図6に示すように、支持片基部14cは全領域が最大応力レベルI
となる。応力分布は細幅帯状の連結片14bに集中しており、最大応力レベルIから最大
応力レベルIVまでが、この連結片14bの小さい領域に連続して集中している。つまり
、支持片基部14c寄りの略1/5の領域が応力レベルIであり、続く連結片14bの略
1/5の領域が応力レベルIIである。連結片14bの残りの略3/5の領域は、応力レ
ベルIIIと応力レベルIVの領域となる。支持片本体14a、第1領域、第2領域、及
び振動領域7は応力レベルVとなることが、シミュレーションの結果判明した。
図4から図6では、圧電基板5上の応力分布を平面図で示したが、応力分布は三次元で
計算されており、図7は応力分布を斜視図で示した図である。細幅帯状の連結片14bの
厚さ方向でも、応力レベルII、III、IVは、ほぼ連結片14b内の小さな領域に連
続して集中しており、支持片本体14a、第1領域、第2領域、及び振動領域7は応力レ
ベルVである。つまり、連結片14b内で応力が急激に減少していることが分かる。
【0038】
図8に示す圧電基板5は、振動領域7と、振動領域7の三辺に沿って連接されたコ字状
の第1領域10、第2領域12、及び支持片本体14aと、を有している。更に、他の一
辺の中央部に連接した細幅帯状の連結片14bと、連結片14bの他方の端縁に連接した
枠状(フレーム状)の支持片15と、を有し一体的に形成された圧電基板である。枠状の
支持片15は、4個の支持片15a、15b、15c及び15dの端部同志が互いに連接
して枠状を呈している。枠状の支持片15の幅広の支持片15a上の二カ所で固定する構
造になっている。
図8の実線、破線、一点鎖線で示すように、幅広の支持片15aの大半は最大応力レベ
ルIである。幅広の支持片15aの両端部寄りに夫々応力レベルII、と応力レベルII
Iとが連続し、幅広の支持片15aの両端部に連接する支持片15c、15dでは応力レ
ベルIIIとIVとが混在する。幅広の支持片15aと対向する支持片15bの両端部と
接続する支持片15c、15d上では、応力が応力レベルVとなる領域が存在する。連結
片14bに連接する薄肉の支持片15b上では、連結片14bに連接する領域の応力は応
力レベルVであるが、この領域を挟んで両側には夫々応力レベルIVとなる領域があるこ
とが判明した。
【0039】
他の形状の圧電基板についても応力分布のシミュレーションを行ったが、その中で、図
6、図8の形状の圧電基板が、振動領域7の全てで応力分布が応力レベルVとなることが
分かった。つまり、圧電基板に温度負荷(290℃から25℃へ)をかけた場合に、振動
領域7に生じる応力が小さくなるように圧電振動素子を構成する場合に、周波数温度特性
、ヒートサイクル特性、エージング特性等が優れている。ただ、図8に示す圧電基板は振
動、衝撃等に対し、図6の圧電基板比べてよりも弱いという欠点がある。
【0040】
図1の実施の形態例に示すように、圧電基板5の振動領域7を薄肉化して高周波化を図
ると、圧電基板5の被支持部25(25a、25b)からの応力(∝歪)をより受けて破
損し易い。そこで、振動領域7を支持する1つ領域(第3領域14)上であって、被支持
部25(25a、25b)と振動領域7との間に、L字状に圧電基板5を貫通する第1及
び第2のスリット部17、18を設けることにより、被支持部25(25a、25b)に
起因し振動領域7まで伝達される応力を大幅に低減することができるという効果がある。
この結果、周波数温度特性、周波数再現性、エージング特性が改善された高周波化の圧電
振動素子1が、実現できるという効果がある。
また、第1領域10、又は第2領域12側の第3領域14の側端縁に沿った位置に、第
1のスリット部17を偏位させることにより、圧電基板の被支持部25(25a、25b
)から発生する応力が、第1のスリット部17によって遮断されるため、振動領域7に生
じる応力を低減することができるという効果がある。
また、第1のスリット部17を第1領域10、又は第2領域12の長手方向延長上に位置
させることにより、圧電基板5の被支持部25(25a、25b)から発生する応力が、
第1のスリット部17によって遮断され、第1領域10、又は第2領域12へ伝達されず
、振動領域7に生じる応力を低減することができるという効果がある。
【0041】
図1の実施の形態例に示すように、リード電極22a、22bの終端部を第3領域14
の第2の方向(幅方向)の両端部に沿った位置に離間配置させることにより、圧電基板5
の被支持部25(25a、25b)から発生する応力が、第1及び第2のスリット部17
、18に遮られ、第3領域14の周縁を経由して振動領域7まで伝達されるので、振動領
域7の応力が大幅に低減できるという効果がある。
また、図6の実施の形態例に示すように、第1のスリット部17の外側の細片14dに
生じる応力は極めて小さいので、この細片14dと、第1のスリット17を間に挟んで対
向する第3領域上と、に跨った領域を一方の被支持部とし、この被支持部と離間した第3
領域上を他方の被支持部とすることにより、振動領域の応力レベルを最小レベルに保持し
たまま、耐衝撃性を改善することができるという効果がある。
また、ATカット水晶基板を用いて図2の実施の形態例に示す圧電基板5を形成し、こ
の圧電基板5に励振電極20a、20bを成膜して厚み振動圧電振動素子1を構成するこ
とにより、周波数温度特性が良好であり、周波数再現性、エージング特性の優れた高周波
の圧電振動素子が得られるという効果がある。
【0042】
図9は、本発明に係る第2の実施の形態の圧電振動子2の構成を示す断面図である。圧
電振動子2は、上記の圧電振動素子1と、圧電振動素子1を収容するパッケージとを備え
ている。パッケージは、矩形の箱状に形成されているパッケージ本体40と、金属、セラ
ミック、ガラス等から成る蓋部材52とから成る。
パッケージ本体40は、図9に示すように、第1の基板41と、第2の基板42と、第
3の基板43とを積層して形成されており、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラ
ミック・グリーンシートを成形し箱状とした後で、焼結して形成されている。実装端子4
5は、第1の基板41の外部底面に複数形成されている。第3の基板43は中央部が除去
されており、第3の基板43の上部周縁に例えばコバール等の金属シールリング44が形
成されている。
第3の基板43と第2の基板42とにより、圧電振動素子1を収容する凹部が形成され
ている。第2の基板42の上面の所定の位置には、導体46により実装端子45と電気的
に導通する複数の素子搭載パッド47が設けられている。
素子搭載パッド47の位置は、圧電振動素子1を載置した際に支持片基部14c形成し
たリード電極端部に対応するように配置されている。
【0043】
圧電振動子2の構成は、パッケージ本体40の素子搭載パッド47に導電性接着剤50
、例えばシリコン系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリイミド系接着剤、ビスマレイミド系
接着剤等の何れかを適量塗布し、その上に圧電振動素子1を載置して荷重をかける。導電
性接着剤の特性として、接着剤に起因する応力(∝歪)の大きさは、シリコン系接着剤、
エポキシ系接着剤、ポリイミド系接着剤の順で大きくなる。また、脱ガスは、ポリイミド
系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコン系接着剤の順で大きくなる。エポキシ系接着剤は
、歪は大きくなく、脱ガスが比較的少ないという特徴がある。また、図1の実施の形態例
において、連結片14bから遠い被支持部25である導電性接着剤25aには、硬度の固
い接着剤を、連結片14bに近い被支持部25である導電性接着剤25bには、硬度の柔
らかい接着剤を用いて、振動領域7に生じる応力を少なくするようにしてもとよい。
【0044】
パッケージ本体40に搭載された圧電振動子1の導電性接着剤25a、25bを硬化さ
せるために所定の温度の高温炉に所定の時間入れる。アニール処理を施した後、励振電極
20a、20bに質量を付加するか、又は質量を減じて周波数調整を行う。蓋部材52を
、パッケージ本体40の上面に形成したシールリング44に、シーム溶接する。または、
パッケージ本体40の上面に塗布した低融点ガラスに蓋部材52を載置し、溶融して密着
する方法もある。パッケージのキャビティ内は真空にするか、窒素N2等の不活性ガスを
充填して、圧電振動子2を完成する。
以上の圧電振動子2の実施の形態例では、パッケージ本体40に積層板を用いた例を説
明したが、パッケージ本体40に単層セラミック板を用い、蓋体に絞り加工を施したキャ
ップを用いて圧電振動子を構成してもよい。
図1に示す実施の形態例の圧電振動素子1を、図9に示す実施の形態例のパッケージに
収容することにより、周波数温度特性、周波数再現性、エージング特性に優れ、小型で且
つ高周波の基本波圧電振動子が得られるという効果がある。
【0045】
図10は、本発明に係る第3の実施の形態の圧電発振器3の構成を示す断面図である。
圧電発振器3は、上記の圧電振動素子1と、圧電振動素子1を励振する発振回路を搭載し
たIC部品78と、圧電振動素子1を真空、又は窒素N2ガス封止すると共にIC部品7
8を収容するパッケージ本体60、蓋部材75と、を備えている。
なお、図11に示した圧電発振器3では、IC部品78が気密封止されていない例を示
したが、IC部品78をパッケージ内部に配置し、気密封止してもよい。
図10の実施形態例に示すように、上記の圧電振動素子1と、IC部品と、パッケージ
と、を備えた圧電発振器3を構成することにより、周波数温度特性、周波数再現性、エー
ジング特性が優れ、小型で且つ高周波の圧電発振器3が得られるという効果がある。また
、電圧制御型圧電発振器(VCXO)を構成すると、圧電振動素子1が基本波で形成され
ているため周波数可変幅が広く、周波数温度特性、エージング特性が優れ、小型で且つ高
周波のVCXOが得られるという効果がある。
【0046】
図11は本発明に係る電子機器の構成を示す概略構成図である。電子機器4は上記の第
2の実施形態で説明した圧電振動子2を備えている。圧電振動子2を用いた電子機器4と
して、携帯電話や伝送機器等が挙げられる。これらの電子機器4において圧電振動子2は
、基準信号源、あるいは電圧可変型圧電発振器(VCXO)等として用いられ、小型で、
特性の良好な電子機器を提供できる。
図9に示す実施形態例の圧電振動子2を備えた電極機器4を構成することにより、高周
波で周波数安定度の優れた基準周波数源を備えた電子機器が構成できるという効果がある

【符号の説明】
【0047】
1…圧電振動素子、2…圧電振動子、3…圧電発振器、4…電子機器、5…圧電基板(圧
電基板)、7…振動領域、8…厚肉支持部、10…第1領域、12…第2領域、14…第
3領域、14a…支持片本体、14b…連結片、14c…支持片基部、14d…細片、1
6…スリット、17…第1のスリット部、18…第2のスリット部、20a、20b…励
振電極、22a、22b…リード電極、25…被支持部、25a、25b…導電性接着剤
、40、60…パッケージ本体、41…第1の基板、42…第2の基板、43…第3の基
板、44…金属シールリング、45、65…実装端子、46、66…導体、47…素子搭
載パッド、52、75…蓋部材、54、部品搭載パッド…69、76…金属バンプ76、
78…IC部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略四角形の振動領域と、該振動領域の先端の一辺を除いた三辺に沿って一体化されたコ
字状の厚肉部と、前記振動領域の表面及び裏面に夫々配置された励振電極と、を備えた圧
電振動素子であって、
前記厚肉部は前記振動領域よりも厚肉な第1領域と第2領域と第3領域から構成され、
前記振動領域と前記厚肉部とは互いに一体の圧電基板として構成され、
前記第1領域と前記第2領域とは前記振動領域を挟んで対向配置され、
前記第3領域は前記第1領域及び第2領域の基端部間を連設し、
該第3領域は貫通形成されたスリットを有し、
前記スリットは、前記第3領域の基端縁から前記第1領域及び前記第2領域と平行な第
1の方向に直線状に延びて該第3領域内で終端する第1のスリット部と、該第1のスリッ
ト部の終端部から前記第1領域及び前記第2領域と直交する第2の方向へ直線状に延びて
該第3領域内で終端する第2のスリット部と、を備えていることを特徴とする圧電振動素
子。
【請求項2】
前記第1のスリット部は、前記第3領域の側端縁に沿って、前記第1領域側、又は前記
第2領域側に偏位しており、前記第2のスリット部は該第1のスリット部の終端部から前
記第2領域、又は第1領域に向けて延びていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振
動素子。
【請求項3】
前記第1のスリット部はその少なくとも一部が、前記第1領域、又は第2領域の長手方
向延長上に位置していることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動素子。
【請求項4】
リード電極が前記励振電極から前記振動領域の先端の一辺と対向する対向辺側の厚肉部
上、及び前記圧電基板裏面に夫々延長形成され、前記各リード電極の終端部は、前記第2
の方向の両端部に沿って前記第3領域の位置に離間配置されていることを特徴とする請求
項1乃至3の何れか一項に記載の圧電振動素子。
【請求項5】
前記第1のスリット部の前記第2の方向外側には細幅帯状の細片が位置しており、該細
片と前記第1のスリット部を間に挟んで対向する前記第3領域上とに跨った領域と、該領
域から前記第2の方向へ離間した前記第3領域を、圧電振動素子を絶縁基板上に接続固定
する際の被支持部としたことを特徴とする請求項2乃至4何れか一項に記載の圧電振動素
子。
【請求項6】
前記圧電基板は、ATカット水晶基板であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか
一項に記載の圧電振動素子。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の圧電振動素子と、該圧電振動素子を収容するパッ
ケージと、を備えたことを特徴とする圧電振動子。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の圧電振動素子と、該圧電振動素子を励振する発振
回路を搭載したIC部品と、前記圧電振動素子を気密封止すると共に前記IC部品を収容
するパッケージと、を備えたことを特徴とする圧電発振器。
【請求項9】
請求項7に記載の圧電振動子を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−175405(P2012−175405A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35493(P2011−35493)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】