説明

圧電発振器

【課題】
本発明は、2つの出力端子から出力される発振周波数の相互の配線間容量による周波数変化量を小さくすることができる圧電発振器を提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明の圧電発振器は、基板部の内層に設けられた第1の配線パターンが第2の凹部空間内に露出した基板部の他方の主面に設けられた第2の出力端子と対向するように重ならず形成されており、
基板部の内層に設けられた第2の配線パターンが第2の凹部空間内に露出した基板部の他方の主面に設けられた第1の出力端子と対向するように重ならず形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等に用いられる圧電発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電発振器は、携帯電話などの通信端末に用いられる。このような圧電発振器は、2つの出力ができる構造のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような 従来の圧電発振器200は、図7に示すように、その例として素子搭載部材210、圧電振動素子222、集積回路素子232、蓋体250とから主に構成されている。
【0003】
図7に示すように、素子搭載部材210は、基板部211、第一の枠部212、第二の枠部213で主に構成されている。
この素子搭載部材210は、基板部211の一方の主面に第1の第一の枠部212が設けられて第1の凹部空間K1が形成され、基板部211の他方主面に第二の枠部213が設けられて第2の凹部空間K2が形成される。
その第1の凹部空間K1内に露出する基板部211の一方の主面には、図8に示すように、一対の圧電振動素子搭載パッド217が設けられている。
この一対の圧電振動素子搭載パッド217上には、導電性接着剤221を介して電気的に接続される一対の励振用電極を表裏主面に有した圧電振動素子222が搭載されている。この圧電振動素子222を囲繞する素子搭載部材210の第1の枠部212の頂面には金属製の蓋体250を被せられ、接合されている。これにより第1の凹部空間K1が気密封止されている。
【0004】
また、第2の凹部空間K2内に露出する基板部211の他方の主面には、複数の集積回路素子搭載パッド218と2個一対の圧電振動素子測定用パッド220(図9参照)が設けられている。図9に示すように複数の集積回路素子搭載パッド218の一部は、圧電発振器200の発振周波数を出力する第1の出力端子214と第2の出力端子215に接続されている。
また、図10に示すように複数の集積回路素子搭載パッド218上には、半田231等の導電性接合材を介して接続される集積回路素子232が搭載されている。また、基板部211の内層には、図8、図9に示すように、第1の配線パターン268、第2の配線パターン270、グランドパターン265が形成されている。また、基板部211の内部には、第一のビアホール導体261、第二のビアホール導体262、第三のビアホール導体263、第四のビアホール導体264が形成されている。基板部211の内層に設けられた第1の配線パターン268は、一方が第一のビアホール導体261を介して2個一対の圧電振動素子搭載パッド217の一つと接続され、他方が第三のビアホール導体263を介して一方の圧電振動素子測定用パッド220と接続されている。
また、基板部211の内層に設けられた第2の配線パターン270は、一方が第二のビアホール導体262を介して残りの圧電振動素子搭載パッド217と接続され、他方が第四のビアホール導体264を介して残りの圧電振動素子測定用パッド220と接続されている。また、一対の圧電振動素子測定用パッド220は、それぞれ複数の集積回路素子搭載パッド218の一つと接続されている。また、複数の集積回路素子搭載パッド218の一つに接続された第1の出力端子214と第2の出力端子215は、図10に示すように基板部211の他方の主面の第二の枠部213の内部に設けられたビアホール導体(図示せず)を介して外部電極端子216と接続されている。
【0005】
図10に示すように外部電極端子216(216a、216b、216c、216d、216e、216f)は、第二の枠部213の四隅部に、例えば、電源端子216a、第1の外部出力端子216b、GND端子216c、第2の制御端子216dが設けられ、GND端子216cと第2の制御端子216dの間に第2の外部出力端子216eが設けられ、電源端子216aと第1の外部出力端子216bの間に第1の制御端子216fが設けられている。ここで、第1の外部出力端子216bは、第二の枠部213のビアホール導体(図示せず)を介して第1の出力端子214と接続されている。また、第2の外部出力端子216eは、第二の枠部213のビアホール導体(図示せず)を介して第2の出力端子215と接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】登録3721901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の2出力が可能な圧電発振器200は、図9に示すように第1の配線パターン268と第2の出力端子215とが対向するように重なって形成されているため、第1の配線パターン268と第2の出力端子215間に生じる配線間容量が大きくなっていた。また、同様に、第2の配線パターン270と第1の出力端子214とが対向するように重なって形成されていることため、第2の配線パターン270と第1の出力端子214間に生じる配線間容量が大きくなっていた。
これにより、従来の2出力が可能な圧電発振器200は、第1の配線パターン268と第2の出力端子215間に生じる配線間容量と第2の配線パターン270と第1の出力端子214間に生じる配線間容量が大きいために、第1の出力端子214から出力される発振周波数と第2の出力端子215から出力される発振周波数が相互の配線間容量により変動するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、2つの出力端子から出力される発振周波数の相互の配線間容量による周波数変化量を小さくすることができる圧電発振器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の圧電発振器は、基板部と前記基板部の一方の主面に設けられて第1の凹部空間を形成する第一の枠部と、前記基板部の他方の主面に形成された第2の凹部空間を形成する第二の枠部を備える素子搭載部材と、前記第1の凹部空間内に露出した前記基板部の一方の主面に設けられた2個一対の圧電振動素子搭載パッドに搭載され、励振用電極が設けられている圧電振動素子と、前記第2の凹部空間内に露出した前記基板部の他方の主面に設けられた複数の集積回路素子搭載パッドに搭載されている集積回路素子と、前記第2の凹部空間内に露出した前記基板部の他方の主面に設けられた2個一対の圧電振動素子測定用パッドと、前記一方の圧電振動素子搭載パッドと前記基板部の内層に設けられた第1の配線パターンを接続している前記基板部の内部に設けられた第一のビアホール導体と、前記残りの圧電振動素子搭載パッドと前記基板部の内層に設けられた第2の配線パターンを接続している前記基板部の内部に設けられた第二のビアホール導体と、前記基板部の内層に設けられた前記第1の配線パターンと前記基板部の他方の主面に設けられた一方の圧電振動素子測定用パッドを接続している前記基板部の内部に設けられた第三のビアホール導体と、前記基板部の内層に設けられた第2の配線パターンと前記基板部の他方の主面に設けられた残りの圧電振動素子測定用パッドを接続している前記基板部の内部に設けられた第四のビアホール導体と、前記複数の集積回路素子搭載パッドの一つに接続されている前記第2の凹部空間内に露出した前記基板部の他方の主面に設けられた第1の出力端子と、前記複数の他の集積回路素子搭載パッドの一つに接続されている前記第2の凹部空間内に露出した前記基板部の他方の主面に設けられた第2の出力端子と、前記第1の凹部空間を気密封止する蓋体とを備え、前記基板部の内層に設けられた前記第1の配線パターンが前記第2の凹部空間内に露出した前記基板部の他方の主面に設けられた前記第2の出力端子と対向するように重ならず形成されており、前記基板部の内層に設けられた前記第2の配線パターンが前記第2の凹部空間内に露出した前記基板部の他方の主面に設けられた前記第1の出力端子と対向するように重ならず形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
このように、本発明の圧電発振器は、第1の配線パターンが第2の出力端子と対向するように重ならずに形成されているので、第1の配線パターンと第2の出力端子間に生じる配線間容量を小さくすることができる。
また、本発明の圧電発振器は、第2の配線パターンが第1の出力端子と対向するように重ならずに形成されているので、第2の配線パターンと第1の出力端子間に生じる配線間容量を小さくすることができる。
よって、本発明の圧電発振器は、第1の配線パターンと第2の出力端子間に生じる配線間容量と第2の配線パターンと第1の出力端子間に生じる配線間容量を小さくできるので、第1の出力端子から出力される圧電発振器の発振周波数と第2の出力端子から出力される圧電発振器の発振周波数の相互の配線間容量による周波数変化量を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る圧電発振器の一例を示した断面図である。
【図2】本発明の圧電発振器を構成する素子搭載部材の基板部の一方の主面と基板部の内層を示す透視平面図である。
【図3】本発明の圧電発振器を構成する素子搭載部材の基板部の他方の主面と基板部の内層を示す透視平面図である。
【図4】本発明の圧電発振器の素子搭載部材の他方の主面側を示す平面図である。
【図5】本発明と従来の第1の配線パターンと第2の出力端子間の配線間容量と周波数変化量の関係を示したグラフである。
【図6】本発明と従来の第2の配線パターンと第1の出力端子間の配線間容量と周波数変化量の関係を示したグラフである。
【図7】従来の圧電発振器の一例を示した断面図である。
【図8】従来の圧電発振器を構成する素子搭載部材の基板部の一方の主面と基板部の内層を示す透視平面図である。
【図9】従来の圧電発振器を構成する素子搭載部材の基板部の他方の主面と基板部の内層を示す透視平面図である。
【図10】従来の圧電発振器の素子搭載部材の他方の主面側を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る圧電発振器を、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1に示すように、圧電発振器100は、素子搭載部材110、圧電振動素子122、集積回路素子132、蓋体150とで主に構成されている。
【0013】
素子搭載部材110は、基板部111、第一の枠部112、第二の枠部113とから主に構成される。
素子搭載部材110を構成する基板部111と、第一の枠部112と、第二の枠部113とは、例えば、ガラス−セラミックス、アルミナセラミックス等のセラミック材料からなる。
【0014】
基板部111の一方の主面には、図2に示すように、圧電振動素子122を搭載するための2個一対の圧電振動素子搭載パッド117が設けられている。
また、基板部111の他方の主面には、図3に示すように、集積回路素子132を搭載するための複数の集積回路素子搭載パッド118と一対の圧電振動素子用測定パッド120が設けられている。
【0015】
また、基板部111の内層には、図2、図3に示すように、第1の配線パターン168、第2の配線パターン170、グランドパターン165が形成されている。また、基板部111の内部には、第一のビアホール導体161、第二のビアホール導体162、第三のビアホール導体163、第四のビアホール導体164が形成されている。基板部111の内層に設けられた第1の配線パターン168は、一方が第一のビアホール導体161を介して2個一対の圧電振動素子搭載パッド117の一つと接続され、他方が第三のビアホール導体163を介して一方の圧電振動素子測定用パッド120と接続されている。
また、基板部111の内層に設けられた第2の配線パターン170は、一方が第二のビアホール導体162を介して残りの圧電振動素子搭載パッド117と接続され、他方が第四のビアホール導体164を介して残りの圧電振動素子測定用パッド120と接続されている。
【0016】
また、基板部111の他方の主面の複数の集積回路素子搭載パッド118は、例えば2行4列に8個設けられている。
図1に示すように、基板部111の他方の主面に設けられた複数の集積回路素子搭載パッド118は、集積回路素子132の電極パッド(図示せず)が金バンプ130と半田131を介して接合されている。
【0017】
また、複数の集積回路素子搭載パッド118の一部は、第二の枠部113の内部に設けられたビアホール導体(図示せず)を介して第二の枠部113の四隅に形成された外部電極端子116と接続されている。また、第二の枠部113の四隅に形成された外部電極端子116(116a、116b、116c、116d、116e、116f)は、図4に示すように、例えば、電源端子116a、第1の外部出力端子116b、GND端子116c、第2の制御端子116dが設けられている。また、第二の枠部113の長辺側には、GND端子116cと第2の制御端子116dの間に第2の外部出力端子116eが設けられ、電源端子116aと第1の外部出力端子116bの間に第1の制御端子116fが設けられている。ここで、第1の制御端子116fと第2の制御端子116dは、それぞれ、第1の外部出力端子116bと第2の外部出力端子116eの出力を制御する機能を有する。
また、GND端子116cは、第二の枠部113と基板部111の内部に設けられたビアホール導体(図示せず)を介して基板部111の内層に設けられたグランドパターン165に接続されている。
【0018】
また、基板部111の一方の主面には、第一の枠部112が形成され、基板部111と第一の枠部112とで第一の凹部K1が形成される。また、第一の凹部K1には、圧電振動素子122が収容される。圧電振動素子122が収容される第一の凹部K1は、第一の枠部112と蓋体150とで気密封止されている。
【0019】
また、基板部111の他方の主面には、第二の枠部113が形成され、基板部111と第二の枠部113とで第二の凹部K2が形成される。また、第二の凹部K2には、集積回路素子132が収容される。
【0020】
蓋体150は、基板部111と第一の枠部112で形成された第一の凹部K1を気密封止している。また、蓋体150の材質は、42アロイやコバール、リン青銅等からなる。
【0021】
圧電振動素子122は、圧電素板の両主面に励振用電極(図示せず)と接続用電極(図示せず)を備える構造となっている。また、圧電振動素子122の接続用電極(図示せず)は、導電性接着剤121を介して基板部111の一方の主面に設けられた2個一対の圧電振動素子搭載パッド117に接続されている。また、圧電振動素子122は、所定の結晶軸でカットした圧電素板に外部からの変動電圧が一対の接続用電極と励振用電極を介して圧電素板に印加されると、所定の周波数で厚みすべり振動を起こすようになっている。また、圧電素板としては、例えば水晶が用いられる。
【0022】
集積回路素子132は、少なくとも発振回路を備える構成となっている。
また、図1に示すように集積回路素子132と基板部111の他方の主面に設けられた複数の集積回路素子搭載パッド118の間には、樹脂140が充填されている。
【0023】
ここで本発明の圧電発振器100は、基板部111の一方の主面に設けられた2個一対の圧電振動素子搭載パッド117の一つが、第一のビアホール導体161と第1の配線パターン168と第三のビアホール導体163を介して、基板部111の他方の主面に設けられた2個一対の圧電振動素子測定用パッド120の一つに接続されている。
また、本発明の圧電発振器100は、基板部111の一方の主面に設けられた残りの圧電振動素子搭載パッド117が第二のビアホール導体162と第2の配線パターン170と第四のビアホール導体164を介して基板部111の他方の主面に設けられた圧電振動素子測定用パッド120の残りに接続されている。
【0024】
本発明の圧電発振器100は、図2、図3に示すように、基板部111の内層に形成された第1の配線パターン168と基板部111の他方の主面に形成された第2の出力端子115とが対向するように重ならずに形成されている。
また、同様に本発明の圧電発振器100は、図2、図3に示すように、基板部111の内層に形成された第2の配線パターン170と基板部111の他方の主面に形成された第1の出力端子114とが対向するように重ならずに形成されている。
これにより、本発明の圧電発振器100は、第1の配線パターン168と第2の出力端子115間に生じる配線間容量と、第2の配線パターン170と第1の出力端子114間に生じる配線間容量を小さくすることができる。
【0025】
次に、図2、図3に示す本発明の圧電発振器100と図8、図9に示す従来の圧電発振器200の配線間容量をシミュレーションにより確認した。このシミュレーションで用いた本発明と従来の圧電発振器の概略構造は、外形サイズが縦1.6mm、横2.0mm、高さが1.0mm、2層構造の基板部111(211)の1層当りの厚みが0.1mmである。また、本発明と従来の圧電発振器は、発振周波数が26MHzの2出力が可能な圧電発振器である。
【0026】
図5、図6に示す配線間容量のシミュレーション結果によれば、図8、図9に示す従来の配線パターンと出力端子の配置においては、第1の配線パターン268と第2の出力端子215間の配線間容量が40.6fF(図5の●印)、第2の配線パターン270と第1の出力端子214間の配線間容量が91.5fF(図6の●印)であった。
これに対し、本発明の図2、図3に示す配線パターンと出力端子の配置においては、第1の配線パターン168と第2の出力端子115間の配線間容量が3.6fF(図5の○印)、第2の配線パターン170と第1の出力端子114間の配線間容量が53.7fF(図6の○印)であった。
以上より、本発明の圧電発振器100は、第1の配線パターン168と第2の出力端子115間の配線間容量を従来に対し90%以上小さくすることができる。また、同様に、本発明の圧電発振器100は、第2の配線パターン170と第1の出力端子114間の配線間容量を従来に対し40%程度小さくすることができる。
【0027】
また、上述の配線間容量に対する圧電発振器100の周波数変化量は、図5、図6に示す関係にある。図5、図6のグラフは、縦軸が周波数変化量(ppm)、横軸が配線間容量(fF)である。
尚、配線間容量による周波数変化量は、第1の出力端子114と第2の出力端子115の両方から発振周波数が出力される場合を基準周波数とし、第1の出力端子114と第2の出力端子115のどちらか一方から出力したときの基準周波数からの周波数変化量を測定している。つまり、第1の出力端子114と第2の出力端子115の両方から発振周波数が出力されている場合は、相互の配線間容量の影響を受けることがないが、どちらか一方から出力される場合に、出力されない出力端子と出力されている配線パターン間に配線間容量が生じ、この配線間容量により出力されている方の発振周波数が変化することになる。
【0028】
この関係から、従来例においては、図5に●印で示すように、第1の配線パターン268と第2の出力端子215間の配線間容量による周波数変化量が−0.19ppmである。これに対し本発明では、図5に○印で示すように、第1の配線パターン168と第2の出力端子115間の配線間容量による周波数変化量が−0.016ppmまで改善することができる。
【0029】
同様に従来例においては、図6に●印で示すように、第2の配線パターン270と第1の出力端子214間の配線間容量による周波数変化量が−0.23ppmである。
これに対し本発明では、図6に○印で示すように、第2の配線パターン170と第1の出力端子114間の配線間容量による周波数変化量を−0.13ppmまで改善することができる。
【0030】
以上の結果から、本発明の圧電発振器100は、第1の配線パターン168と第2の出力端子115間に生じる配線間容量と、第2の配線パターン170と第1の出力端子114間に生じる配線間容量を小さくできる。
これにより、本発明の圧電発振器100は、第1の出力端子114と第2の出力端子115のどちらか一方から出力される場合に、相互の配線間容量による発振周波数の変動を小さくすることができる。
【0031】
また、前記した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。例えば、前記実施形態に示した圧電発振器100の第一の凹部K1に搭載される素子として、圧電振動素子122を示したが、これに限定することなく、例えば、音叉振動素子や弾性表面波素子を用いても構わない。
【符号の説明】
【0032】
100・・・圧電発振器
110・・・素子搭載部材
111・・・基板部
112・・・第一の枠部
113・・・第二の枠部
114・・・第1の出力端子
115・・・第2の出力端子
116・・・外部電極端子
116a・・・電源端子
116b・・・第1の外部出力端子
116c・・・GND端子
116d・・・第2の制御端子
116e・・・第2の外部出力端子
116f・・・第1の制御端子
117・・・圧電振動素子搭載パッド
118・・・集積回路素子搭載パッド
120・・・圧電振動素子測定用パッド
121・・・導電性接着剤
122・・・圧電振動素子
130・・・金バンプ
131・・・半田
132・・・集積回路素子
140・・・樹脂
150・・・蓋体
161・・・第一のビアホール導体
162・・・第二のビアホール導体
163・・・第三のビアホール導体
164・・・第四のビアホール導体
165・・・グランドパターン
168・・・第1の配線パターン
170・・・第2の配線パターン
K1・・・第一の凹部
K2・・・第二の凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板部と前記基板部の一方の主面に設けられて第1の凹部空間を形成する第一の枠部と、前記基板部の他方の主面に形成された第2の凹部空間を形成する第二の枠部を備える素子搭載部材と、
前記第1の凹部空間内に露出した前記基板部の一方の主面に設けられた2個一対の圧電振動素子搭載パッドに搭載され、励振用電極が設けられている圧電振動素子と、
前記第2の凹部空間内に露出した前記基板部の他方の主面に設けられた複数の集積回路素子搭載パッドに搭載されている集積回路素子と、
前記第2の凹部空間内に露出した前記基板部の他方の主面に設けられた2個一対の圧電振動素子測定用パッドと、
前記一方の圧電振動素子搭載パッドと前記基板部の内層に設けられた第1の配線パターンを接続している前記基板部の内部に設けられた第一のビアホール導体と、
前記残りの圧電振動素子搭載パッドと前記基板部の内層に設けられた第2の配線パターンを接続している前記基板部の内部に設けられた第二のビアホール導体と、
前記基板部の内層に設けられた前記第1の配線パターンと前記基板部の他方の主面に設けられた一方の圧電振動素子測定用パッドを接続している前記基板部の内部に設けられた第三のビアホール導体と、
前記基板部の内層に設けられた第2の配線パターンと前記基板部の他方の主面に設けられた残りの圧電振動素子測定用パッドを接続している前記基板部の内部に設けられた第四のビアホール導体と、
前記複数の集積回路素子搭載パッドの一つに接続されている前記第2の凹部空間内に露出した前記基板部の他方の主面に設けられた第1の出力端子と、
前記複数の他の集積回路素子搭載パッドの一つに接続されている前記第2の凹部空間内に露出した前記基板部の他方の主面に設けられた第2の出力端子と、
前記第1の凹部空間を気密封止する蓋体とを備え、
前記基板部の内層に設けられた前記第1の配線パターンが前記第2の凹部空間内に露出した前記基板部の他方の主面に設けられた前記第2の出力端子と対向するように重ならず形成されており、
前記基板部の内層に設けられた前記第2の配線パターンが前記第2の凹部空間内に露出した前記基板部の他方の主面に設けられた前記第1の出力端子と対向するように重ならず形成されていることを特徴とする圧電発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−142700(P2012−142700A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292605(P2010−292605)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000104722)京セラクリスタルデバイス株式会社 (870)
【Fターム(参考)】