説明

地図表示システム、地図表示装置および地図表示方法

【課題】 地図画像に対する回転、スクロールなどの処理を高速に行えるようにする。
【解決手段】 地図表示装置20は、入力手段205により表示手段204に表示された地図画像に対する移動操作を移動方向とともに入力されると、表示制御手段208の制御により、表示データ記憶手段209に保持されているラスタ画像の地図描画データを用いて入力された移動方向に地図画像の移動処理を行い、入力手段205による入力操作が停止したときは、配信データ記憶手段207に記憶されているベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を再描画して表示手段204に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路探索サービスなどにおいて地図を表示する地図表示システムに関するものであり、特に、表示手段に表示された地図に対して回転やスクロールなどの操作を行うことが可能な地図表示システム、地図表示装置および地図表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、地図データを用いて所望の出発地から目的地までの経路を探索してユーザの有する端末装置に所定の案内情報を文字や音声などで表示する経路探索サービスが知られている。このような経路探索サービスとしては、端末装置を自動車に搭載してユーザである運転者に経路を案内するカーナビゲーションシステムや、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果として経路探索サーバから経路案内あるいは地図の配信を受ける通信型の歩行者用ナビゲーションシステムも実用化されている。
【0003】
また、ユーザによって入力された所望の施設名やその住所などの検索条件や携帯端末装置に具備されているGPS受信機能がGPS信号から取得した現在位置に従って地図検索を行い、地図検索によって求められた地図情報を検索地点や現在位置とともに携帯端末装置の表示画面に表示したりする地図表示サービスも知られている。
【0004】
そして、このようなサービスにおいて利用される地図を表示画面に短時間で描画する技術が、例えば、下記の特許文献1(特開平9−204140号公報)に「地図描画装置」として開示されている。この特許文献1には、ベクタ情報で形成されている市販の地図データ(一次データ)をラスタ情報で形成された地図データ(二次データ)に加工して描画することが開示されている。
【0005】
また、地図表示画面において現在位置や検索した地点を中心として所定範囲の地図が表示されている場合に、ユーザが表示中心点以外の周辺の情報を知りたい場合には、操作キーなどの操作入力手段を用いて表示画面の回転操作やスクロール操作などを行うことにより周辺施設や道路状況などを確認している。
【0006】
このように、ユーザの好みに合わせて地図画像を操作する技術が、例えば、下記の特許文献2(特開2002−310677号公報)に「地図表示装置」として開示されている。この特許文献2には、タッチペンのドラッグ操作により変化するスライダの変化量に応じた回転操作角を求め、この回転操作角分だけ回転させた地図画像を描画することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−204140号公報(段落[0012]、図1)
【特許文献2】特開2002−310677号公報(段落[0008]、図5、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記特許文献2に開示されている技術のように、ベクタ地図を回転、スクロールする場合に、操作入力に連動して地図を回転あるいはスクロールさせながら連続して表示しようとすると毎回ベクタデータから地図の描画を繰り返すことになり、処理が遅くなってしまうという問題点があった。また、上記特許文献1に開示されている技術のように、全ての地図画像をラスタ情報で形成された地図データで描画することは、保存しておくラスタ画像のファイルサイズが大きくなるばかりか、画像を拡大・縮小処理した際に画像の輪郭が不明瞭になって地図が見難くなるため、ナビゲーションシステムに適用するには実用的ではないという問題点があった。
【0009】
本願の発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、ベクタ地図を回転またはスクロールなどする場合に、回転またはスクロールの入力操作を開始した時点に表示している地図画像をラスタ画像としてキャッシュし、このラスタ画像を用いて回転またはスクロール処理を行い、入力操作が停止した後にベクタ地図から再描画を行うことにより、上記問題点を解消し得ることを想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、ベクタ地図に対する回転やスクロール操作の過程における地図描画を簡略化して処理負担を軽減させた地図表示システム、地図表示装置および地図表示方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明は、
地図画像を表示する表示手段と、前記表示手段に地図画像を表示するための地図データをベクタ画像形式として記憶する記憶手段と、前記表示手段に表示された地図画像に対する操作を入力する入力手段と、を備えた地図表示システムであって、
前記記憶手段に記憶されたベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を描画して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記入力手段による入力操作の開始時点で前記ベクタ画像形式の地図データを用いて描画されている地図描画データをラスタ画像として保持する保持手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記入力手段により前記表示手段に表示された地図画像に対する移動操作を移動方向とともに入力されると、前記保持手段に保持されているラスタ画像の地図描画データを用いて入力された移動方向に地図画像の移動処理を行い、前記入力手段による入力操作が停止したときは、前記記憶手段に記憶されているベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を再描画して前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0012】
本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る地図表示システムにおいて、前記入力手段により入力される移動操作は、前記表示手段に表示された地図画像に対する回転操作であることを特徴とする。
【0013】
本願の請求項3に係る発明は、請求項1に係る地図表示システムにおいて、前記入力手段により入力される移動操作は、前記表示手段に表示された地図画像に対するスクロール操作であることを特徴とする。
【0014】
本願の請求項4に係る発明は、請求項1に係る地図表示システムにおいて、前記入力手段により入力される移動操作は、前記表示手段に表示された地図画像が鳥瞰図である場合には鳥瞰方向の変更操作であることを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項5に係る発明は、
地図画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された地図画像に対する操作を入力する入力手段と、を備えた地図表示装置であって、
前記表示手段に地図画像を表示するための地図データをベクタ画像形式として記憶する記憶手段に記憶されたベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を描画して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記入力手段による入力操作の開始時点で前記ベクタ画像形式の地図データを用いて描画されている地図描画データをラスタ画像として保持する保持手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記入力手段により前記表示手段に表示された地図画像に対する移動操作を移動方向とともに入力されると、前記保持手段に保持されているラスタ画像の地図描画データを用いて入力された移動方向に地図画像の移動処理を行い、前記入力手段による入力操作が停止したときは、前記記憶手段に記憶されているベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を再描画して前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0016】
さらに、本願の請求項6に係る発明は、
地図画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された地図画像に対する操作を入力する入力手段と、を備えた地図表示装置における地図表示方法であって、
前記地図表示装置は、
前記表示手段に地図画像を表示するための地図データをベクタ画像形式として記憶する記憶手段に記憶されたベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を描画して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記入力手段による入力操作の開始時点で前記ベクタ画像形式の地図データを用いて描画されている地図描画データをラスタ画像として保持する保持手段と、
を備え、
前記入力手段により前記表示手段に表示された地図画像に対する移動操作を移動方向とともに入力されると、前記保持手段によって、前記ベクタ画像形式の地図データを用いて描画されている地図描画データをラスタ画像として保持させる第1のステップと、
前記表示制御手段によって、前記第1のステップにより保持されたラスタ画像の地図描画データを用いて入力された移動方向に地図画像の移動処理を行う第2のステップと、
前記入力手段による入力操作が停止したときは、前記表示制御手段によって、前記記憶手段に記憶されたベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を再描画して前記表示手段に表示させる第3のステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明においては、表示制御手段が、入力手段により表示手段に表示された地図画像に対する移動操作を移動方向とともに入力されると、入力操作の開始時点で保持手段に保持されているラスタ画像の地図描画データを用いて入力された移動方向に地図画像の移動処理を行い、入力手段による入力操作が停止したときは、予め記憶手段に記憶されたベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を再描画して前記表示手段に表示させるように構成した。
【0018】
このような構成によれば、表示されている地図を変更移動する際に、変更操作直前に表示されている地図画像(ラスタ画像)をキャッシュして変更過程の描画に用いることにより、ベクタ地図の描画処理を行わないので、変更操作中の処理を軽減させて高速化することが可能となる。また、変更操作が止まるとベクタ地図で再描画することにより変更操作中に描画が省かれた画像も表示されることになり、必要な地図情報を確実に伝えることが可能になる。
【0019】
請求項2に係る発明においては、請求項1に係る地図表示システムにおいて、前記入力手段により入力される移動操作は、前記表示手段に表示された地図画像に対する回転操作とする構成にした。
【0020】
このような構成によれば、表示されている地図を回転させる際に、回転操作直前に表示されている地図画像(ラスタ画像)をキャッシュして回転過程の描画に用いることにより、ベクタ地図の描画処理を行わないので、回転操作中の処理を軽減させて高速化することが可能となる。また、回転操作が止まるとベクタ地図で再描画することにより回転操作中に描画が省かれた画像も表示されることになり、必要な地図情報を確実に伝えることが可能になる。
【0021】
請求項3に係る発明においては、請求項1に係る地図表示システムにおいて、前記入力手段により入力される移動操作は、前記表示手段に表示された地図画像に対するスクロール操作とする構成にした。
【0022】
このような構成によれば、表示されている地図をスクロールさせる際に、スクロール操作直前に表示されている地図画像(ラスタ画像)をキャッシュしてスクロール過程の描画に用いることにより、ベクタ地図の描画処理を行わないので、スクロール操作中の処理を軽減させて高速化することが可能となる。また、スクロール操作が止まるとベクタ地図で再描画することによりスクロール操作中に描画が省かれた画像も表示されることになり、必要な地図情報を確実に伝えることが可能になる。
【0023】
請求項4に係る発明においては、請求項1に係る地図表示システムにおいて、前記入力手段により入力される移動操作は、前記表示手段に表示された地図画像が鳥瞰図である場合には鳥瞰方向の変更操作とする構成にした。
【0024】
このような構成によれば、表示されている鳥瞰図の鳥瞰方向を変更させる際に、鳥瞰方向の変更操作直前に表示されている地図画像(ラスタ画像)をキャッシュして鳥瞰方向の変更過程の描画に用いることにより、ベクタ地図の描画処理を行わないので、鳥瞰方向の変更操作中の処理を軽減させて高速化することが可能となる。また、鳥瞰方向の変更操作が止まるとベクタ地図で再描画することにより鳥瞰方向の変更操作中に描画が省かれた画像も表示されることになり、必要な地図情報を確実に伝えることが可能になる。
【0025】
また、請求項5に係る発明においては、請求項1に係る地図表示システムを構成する地図表示装置を提供することができ、また、請求項6に係る発明においては、請求項5に係る地図表示装置を実現するための地図表示方法を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例に係る地図表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る地図表示装置における地図の回転表示の動作手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る地図表示装置の表示画面の一例を示す図であり、経路案内動作中に表示された地図画面の一例を示している。
【図4】本発明の実施例に係る地図表示装置の表示画面の一例を示す図であり、図3に示す地図画面に対する回転操作が行われているときに表示された地図画面の一例を示している。
【図5】本発明の実施例に係る地図表示装置の表示画面の一例を示す図であり、図4に示す地図画面において回転操作が停止された後に表示された地図画面の一例を示している。
【図6】本発明の実施例に係る地図表示装置の表示画面のその他の例を示す図であり、図3に示す地図画面に対するスクロール操作が行われているときに表示された地図画面の一例を示している。
【図7】本発明の実施例に係る地図表示装置の表示画面のその他の例を示す図であり、図6に示す地図画面においてスクロール操作が停止された後に表示された地図画面の一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例においては本発明の技術思想を具体化するための地図表示システムを例示するものであって、本発明をこの地図表示システム、地図表示装置および地図表示方法に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の地図表示システム、地図表示装置および地図表示方法にも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の実施例に係る地図表示装置20を含む地図表示システム10の構成を示すブロック図である。本発明の実施例に係る地図表示装置20は、携帯電話などを用いることができ、図1に示すように、ネットワーク12を介して地図配信サーバ30に接続され、通信型のナビゲーションシステムを構成している。
【0029】
図1に示す地図配信サーバ30は、地図データベース31、経路探索用ネットワークデータベース32を備え、地図表示装置20から地図検索要求があると、地図データベース31を参照して現在位置などを含む所定場所の地図を配信する地図配信サービス機能と、地図表示装置20から経路探索要求があると、経路探索用ネットワークデータベース32を参照して経路探索を行い、推奨経路とその案内情報を地図表示装置20に送信するナビゲーション機能を有している。
【0030】
地図データベース31は、ベクタデータからなるベクタ画像形式の地図データを蓄積しており、所定の緯度範囲、経度範囲で区分されたメッシュ状の単位地図データから構成されている。この地図データは、広域図、中域図、詳細図、市街地図といった各階層の地図データに分かれている。また、この地図データには、種々のPOI情報として、例えば、レストラン、コンビニ、ガソリンスタンドなどを対象とする興味対象場所を示すアイコン画像などが、その所在位置と関連付けられて記憶されている。
【0031】
地図配信サーバ30は、地図表示装置20から要求された地図データを地図データベース31から読み出して要求元の地図表示装置20に配信する。一般的には、地図表示装置20の現在位置を中心に、上下、左右、斜め方向のメッシュに相当する単位地図9枚分の地図データを配信する。
【0032】
地図表示装置20は、地図配信サーバ30から配信された地図データをダウンロードするが、地図配信サーバ30は、地図データを読み出して要求元の地図表示装置20に配信する際に、この地図データに含まれるPOI情報も併せて地図データベース31から読み出して配信する。このため、地図表示装置20によって地図データと同時にPOI情報としてアイコン画像の他、名称や住所、所在位置、電話番号、案内地図、営業時間、営業内容などの詳細な案内情報がダウンロードされることになる。
【0033】
また、地図表示装置20において表示されている地図をスクロールさせて地図データが不足する場合、あるいは地図表示装置20が移動して地図データが不足する場合は、地図のスクロール方向や地図表示装置20の移動方向を判別して地図配信サーバ30は不足分の単位地図データを配信する。
【0034】
経路探索用ネットワークデータベース32は、徒歩や自動車による移動経路を探索するための道路ネットワークデータと公共交通機関を利用した移動経路を探索するための交通ネットワークデータを蓄積したデータベースである。具体的には、道路ネットワークデータは、道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、ノードデータ、リンクデータ、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)であるリンクコストデータから構成され、データベース化されたものである。交通ネットワークデータも駅をノードとし、駅と駅を結ぶリンクと、リンクとなる電車などの各交通機関の時刻表データ(発車時刻、到着時刻、所要時間)をリンクコストデータとして蓄積したものである。
【0035】
地図表示装置20から出発地、目的地、時刻情報を含む経路探索条件を設定した経路探索要求があると、地図配信サーバ30は経路探索用ネットワークデータベース32を参照して出発地から目的地までの最適経路を含む推奨経路を探索する。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。地図配信サーバ30は探索した推奨経路の概要を地図表示装置20に送り、地図表示装置20から指定された推奨経路についての詳細データの配信要求があると、地図データベース31を参照して指定された推奨経路を含む地図情報及びその案内情報からなる経路案内データを地図表示装置20に配信する。
【0036】
経路案内データには、地図配信サーバ30で探索された推奨経路上の出発地、経路の屈曲点、交差点、乗換駅、目的地などのガイダンスポイントが設定され、それらのガイダンスポイントの位置座標(緯度・経度)、各ガイダンスポイントに関連する案内情報(直進や右左折のガイダンス情報)が含まれる。
【0037】
地図表示装置20は、地図配信サーバ30から経路案内データを受信すると、ユーザの案内開始指示に従って所定の経路案内動作を開始し、経路探索サーバ30から受信した地図及び推奨経路を表示し、ユーザの移動する位置情報に従ってガイダンスポイントに到着するタイミングで推奨経路に基づいた案内情報を表示または音声で出力する。
【0038】
ここで、地図配信サーバ30は、推奨経路を含む地図情報を地図表示装置20に配信する際に、地図表示装置20の現在位置に基づき、地図データベース31に蓄積されている地図データを所定の単位毎に配信する。
【0039】
一方、地図表示装置20は、図1に示すように、制御手段201、送受信手段202、位置取得手段203、表示手段204、操作入力手段205、配信要求手段206、配信データ記憶手段207、表示制御手段208、表示データ記憶手段209などを備えて構成されている。
【0040】
なお、本発明の実施例に係る地図表示装置20は携帯電話である他に、PDAや音楽プレイヤーや携帯ゲーム機などの携帯機器、あるいは、パーソナルコンピュータ(PC)などの地図を表示する機能を有する地図表示装置であってもよい。また、本発明にかかる地図表示システム10は、上記の構成に限られるものではなく、地図配信サーバ30はナビゲーションサービス機能を持たないサーバであってもよく、この場合、地図表示装置20もナビゲーションサービス対応でない機器であってもよい。
【0041】
地図表示装置20において、制御手段201は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。送受信手段202は、ネットワーク12を介して地図配信サーバ30などと通信データを送受信するためのインターフェースである。
【0042】
位置取得手段203は、GPS衛星からの信号を受信して地図表示装置20の現在位置を緯度,経度で測位する衛星航法手段により位置情報を取得するものである。なお、このようなGPS機能を備えていない地図表示装置(例えば、据え置き型PCなど)においては、地図表示装置が設置されている住所情報から位置情報(緯度,経度)を取得してもよい。取得された位置情報は、地図配信サーバ30に送信されて、地図データを検索する際や、地図データを表示するとともに現在位置を特定する際に利用することができる。
【0043】
表示手段204は、液晶表示ユニットなどから構成され、地図配信サーバ30から配信された地図やアイコン画像などの表示を行う。また、表示手段204には地図表示装置20の操作のためのメニュー画面が表示され、プルダウンメニューなどの操作により経路探索条件などを選定することができる。したがって、表示手段204は操作入力手段205の一部としても機能する。
【0044】
操作入力手段205は、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキー(上下左右の矢印キー)などからなる操作、入力のためのものであり、出力手段である表示手段204に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択して所望の地点情報(住所や施設名など)の文字入力や経路探索条件の設定を行ったり、表示手段204に表示されるアイコン画像を操作して地図を回転させたり、キーを操作して指示カーソルを移動させて地図をスクロールさせたりなど種々の入力操作を行うものである。なお、操作入力手段205は、特許請求の範囲に記載されている入力手段に相当するものである。
【0045】
配信要求手段206は、スクロールによる指示カーソルの移動あるいは地図表示装置20自体が移動して表示手段204に表示するための地図データが不足する場合に、地図データの配信要求を地図配信サーバ30に送受信手段202を介して送信する。また、操作入力手段205や表示手段204に表示されたメニュー画面の操作によって設定された経路探索条件に基づいて編集された配信要求も地図配信サーバ30に送信される。
【0046】
配信データ記憶手段207は、地図配信サーバ30から配信されたベクタ画像形式の地図データや経路案内データなどを一時保存するメモリであり、この配信データ記憶手段207に記憶されたデータは必要に応じて読み出され、表示手段204に表示される。
【0047】
表示制御手段208は、経路案内動作中に配信データ記憶手段207に記憶されている地図データや経路案内データに基づいて地図画像や経路案内画像を表示する制御を行うとともに、本発明では、操作入力手段205からユーザによる地図画像の回転動作、スクロール動作などを受け付けると、配信データ記憶手段207に記憶されている地図データ(ベクタデータ)を用いずに、地図画像の回転動作、スクロール動作などを受け付ける直前に表示されている地図画像(ラスタ画像)を用いて回転、スクロールなどの移動処理過程の地図画像を表示する制御を行う。
【0048】
このため、表示制御手段208は、表示手段204に表示する地図画像が描画される画像メモリ208a(例えば、V−RAM)と、配信データ記憶手段207に記憶された地図データ(ベクタデータ)を用いて描画メモリ208aに地図画像(ベクタ画像)を描画する処理を行う描画処理部208b、描画メモリ208aに描画された画像を読み出して表示手段204へ出力する画像出力部208cと、を備えている。画像メモリ部208aは、表示手段204の表示領域とほぼ同じサイズ、あるいはそれよりも大きいサイズのメモリであることが好ましい。
【0049】
また、画像出力部208cは、操作入力手段205からユーザによる地図画像の回転動作、スクロール動作などの開始を受け付けると、描画メモリ208aに描画さている画像を読み出して後述する表示データ記憶手段209へ一旦出力する。そして、描画処理部208bが、表示データ記憶手段209に記憶された地図画像(ラスタ画像)を用いて回転、スクロール量に応じて移動させた地図画像(ラスタ画像)を描画メモリ208aに描画すると、画像出力部208cは、描画メモリ208aに描画された画像を読み出して表示手段204へ出力する。
【0050】
さらに、描画処理部208bは、操作入力手段205からユーザによる地図画像の回転動作、スクロール動作などの停止を受け付けると、配信データ記憶手段207に記憶された地図データ(ベクタデータ)を用いて描画メモリ208aに地図画像(ベクタ画像)を再描画し、画像出力部208cは、描画メモリ208aに描画された画像を読み出して表示手段204へ出力する。
【0051】
表示データ記憶手段209は、操作入力手段205からユーザによる地図画像の回転動作、スクロール動作などの開始を受け付けた際に描画メモリ208aに描画さている画像を一時的にキャッシュするためのメモリであり、地図画像の回転、スクロール処理時に必要に応じて描画処理部208bによって読み出される。なお、表示データ記憶手段209は、特許請求の範囲に記載されている保持手段に相当するものである。
【0052】
図3ないし図5は、本発明の実施例に係る地図表示装置の表示画面の一例を示す図である。図3は経路案内動作中に表示された地図画面の一例を示しており、図4は図3に示す地図画面に対する回転操作が行われているときに表示された地図画面の一例を示しており、図5は図4に示す地図画面において回転操作が停止された後に表示された地図画面の一例を示している。
【0053】
図3に示すように、地図表示装置20の表示手段204に設けられた表示画面51には、位置取得手段203によってGPS信号から取得した地図表示装置20の現在位置52を含む地図画像53aが表示されている。この地図画像53a上には、地図配信サーバ30から受信したPOI(Point of Interest:興味対象場所)の情報を示すアイコン54aやPOIの名称55aが表示されている。この地図画像53aは、配信データ記憶手段207に記憶された地図データ(ベクタデータ)を用いて描画処理部208bが描画メモリ208aに描画した地図画像(ベクタ画像)である。
【0054】
また、この地図画像53a上には、表示されている地図の方角を表す方位表示機能と地図の回転表示を行うための操作機能とを兼ね備えたアイコン画像(方位磁石マーク)56、表示されている地図の倍率を示す倍率表示機能と地図の拡大・縮小表示を行うための操作機能とを兼ね備えたアイコン画像(地図縮尺変更バー)57が表示されている。
【0055】
そして、ユーザが操作入力手段205を操作して図3に示す地図画像53a上に表示されたアイコン画像(方位磁石マーク)56をドラッグして回転させると、表示制御手段208の制御により、図4に示すように、表示画面51には、画面中央(現在位置52)を中心としてアイコン画像(方位磁石マーク)56の回転方向と回転量(図4の場合、時計回り方向、約45度の向き)に応じて移動(回転)された地図画像53bが表示される。
【0056】
この地図画像53bは、回転操作を行う直前の図3に示す地図画像53aを表示する際に描画メモリ208aに描画された画像を表示データ記憶手段209へ一時的に保持したキャッシュ画像(ラスタ画像)である。このため、地図画像53b上のアイコン54bやPOIの名称55bも回転操作方向に応じて回転した向きに表示される。また、地図画像53aの回転に伴って今まで表示画面51の表示領域外にあった地図画像53aの周辺部分が表示画面51内の表示対象領域として現れることになるが、表示データ記憶手段209に一時的に保持されるキャッシュ画像には地図画像53aの周辺部分は含まれていないため、その部分は画像メモリ208aに描画されず、表示画面51上においては、図4に示すように、画像が描画されない背景部分58(例えば、図4のように格子縞模様)が表示される。
【0057】
そして、ユーザが操作入力手段205を操作して地図画像53a上に表示されたアイコン画像(方位磁石マーク)56のドラッグをリリースさせると、表示制御手段208の制御により、図5に示すように、表示画面51には画像53cが表示される。この地図画像53cは、アイコン画像(方位磁石マーク)56のドラッグをリリースした瞬間に回転変化量が確定するので、配信データ記憶手段207に記憶された地図データ(ベクタデータ)を用いて描画処理部208bが描画メモリ208aに再描画した地図画像(ベクタ画像)である。
【0058】
このため、地図画像53c上のアイコン54cやPOIの名称55cは図3と同じように正しい向きに表示される。また、図4に示す画像が描画されない背景部分58も含めて表示画面51の全領域について新たにベクタ画像が画像メモリ208aに再描画されるので、背景部分58も埋まったかたちのきれいな地図画像53cが表示される。
【0059】
このように、回転指示中はキャッシュ画像(ラスタ画像)だけが回転されて描画されるため、描画できない背景部分があるもののベクタ地図からの描画処理を行わないので処理を高速化することができる。また、回転指示が止まるとベクタ地図で再描画することにより描画できなかった背景部分も埋まることになり、必要な地図情報を確実に伝えることが可能になる。
【0060】
次に、本発明の地図表示システムにおける地図表示の動作について説明する。
図2は、本発明の実施例に係る地図表示装置における地図の回転表示の動作手順を示すフローチャートである。図2に示す動作手順は、地図表示装置20の制御手段201がROMに記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0061】
先ず、操作入力手段205からユーザが地図表示の開始を指示すると、ステップS201の処理において、制御手段201の制御によって位置取得手段203が取得する現在位置または操作入力手段205が入力を受け付けた所望の地点情報(住所や施設名など)の地点に基づいて地図表示開始地点を設定し、ステップS202の処理において、表示制御手段208は表示手段204の表示画面51に設定された地図表示開始地点を中心に含むベクタ地図を表示する。
【0062】
地図表示後は、ステップS203の処理において、制御手段201は操作入力手段205から地図表示の終了を指示する操作入力があったか否か判定し、ユーザから表示終了の入力指示があると判断した場合には、制御手段201の制御によって表示制御手段210は表示手段204への地図表示の処理を終了する。一方、ユーザから表示終了の入力指示がないと判断した場合には、ステップS204の処理に進む。
【0063】
ステップS204の処理では、制御手段201は操作入力手段205からユーザが表示されている地図を回転させるための回転動作の操作があったか否か判定し、ユーザから回転動作の操作があると判断した場合には、ステップS205の処理に進み、一方、ユーザから回転動作の操作がないと判断した場合には、ステップS203の処理に戻る。
【0064】
ステップS205の処理では、制御手段201の制御によって表示制御手段208の画像出力部208cが描画メモリ208aに描画さている表示画像を読み出して表示データ記憶手段209へ出力するので、表示データ記憶手段209がこの地図画像(ラスタ画像)を記憶(キャッシュ)し、ステップS206の処理において、描画処理部208bが、表示データ記憶手段209に記憶された地図画像(ラスタ画像)を用いて回転量に応じて回転させた地図画像(ラスタ画像)を描画メモリ208aに描画する。画像出力部208cは、この描画メモリ208aに描画された画像を読み出して表示手段204へ出力する。
【0065】
そして、ステップS207の処理において、制御手段201は操作入力手段205から地図画像の回転動作を停止するための操作入力があったか否か判定し、ユーザから回転動作停止の操作入力があると判断した場合には、ステップS209の処理に進む。一方、ユーザから回転動作停止の操作入力がないと判断した場合には、そのままステップS206の処理に戻る。
【0066】
ステップS208の処理では、制御手段201の制御によって表示制御手段210の描画処理部208bが配信データ記憶手段207に記憶された地図データ(ベクタデータ)を用いて描画メモリ208aに地図画像(ベクタ画像)を再描画して表示手段204の表示画面51に地図表示開始地点を中心として回転した地図を再び表示させて、ステップS203の処理に戻る。
【0067】
以上詳細に説明したように、本発明に係る地図表示システムによれば、表示されている地図を回転させる際に、回転操作直前に表示されている地図画像(ラスタ画像)をキャッシュして回転過程の描画に用いることにより、ベクタ地図の描画処理を行わないので、回転操作中の画処理を高速化することが可能となる。また、回転操作が止まるとベクタ地図で再描画することにより回転操作中に描画が省かれた画像も表示されることになり、必要な地図情報を確実に伝えることが可能になる。
【0068】
なお、上記実施例では、地図画像を回転させる場合について説明したが、これに限られることはなく、地図画像をスクロールする場合や鳥瞰図からなる地図画像の鳥瞰方向を変更する場合であっても本発明を適用することができる。
【0069】
図6および図7は、本発明の実施例に係る地図表示装置の表示画面のその他の例を示す図である。図6は図3に示す地図画面に対するスクロール操作が行われているときに表示された地図画面の一例を示しており、図7は図6に示す地図画面においてスクロール操作が停止された後に表示された地図画面の一例を示している。
【0070】
例えば、ユーザが操作入力手段205を操作して図3に示す地図画像53aをドラッグして所望の方向へ移動させると、表示制御手段208の制御により、図6に示すように、表示画面51には、スクロール方向とスクロール量に応じてスクロールされた地図画像53dが表示される。
【0071】
この地図画像53dは、スクロール操作を行う直前の図3に示す地図画像53aを表示する際に描画メモリ208aに描画された画像を表示データ記憶手段209へ一時的に保持したキャッシュ画像(ラスタ画像)である。このため、地図画像53aのスクロールに伴って今まで表示画面51の表示領域外にあった地図画像53aの周辺部分が表示画面51内の表示対象領域として現れることになるが、表示データ記憶手段209に一時的に保持されるキャッシュ画像には地図画像53aの周辺部分は含まれていないため、その部分は画像メモリ208aに描画されず、表示画面51上においては、図6に示すように、画像が描画されない背景部分59(例えば、図6のように格子縞模様)が表示される。
【0072】
そして、ユーザが操作入力手段205を操作して地図画像53aのドラッグをリリースさせると、表示制御手段208の制御により、図7に示すように、表示画面51には画像53eが表示される。この地図画像53eは、ドラッグをリリースした瞬間にスクロール変化量が確定するので、配信データ記憶手段207に記憶された地図データ(ベクタデータ)を用いて描画処理部208bが描画メモリ208aに再描画した地図画像(ベクタ画像)である。
【0073】
このため、図6に示す画像が描画されない背景部分59も含めて表示画面51の全領域について新たにベクタ画像が画像メモリ208aに再描画されるので、背景部分59も埋まったかたちのきれいな地図画像53eが表示される。
【0074】
また、上記実施例では、地図表示装置と地図配信サーバとからなる通信型のナビゲーションシステムとして説明したが、これに限られることはなく、地図情報の更新が管理可能であれば、地図表示装置と地図配信サーバが一体となったスタンドアロンで動作する携帯情報装置に地図情報をダウンロードして、携帯情報端末単独で地図情報の表示を行う際に本発明を適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明によれば、表示されている地図を変更する際に、変更操作直前に表示されている地図画像(ラスタ画像)をキャッシュして変更過程の描画に用いることにより、ベクタ地図の描画処理を行わないので、変更操作中の処理を軽減させて高速化することが可能となる。また、変更操作が止まるとベクタ地図で再描画することにより変更操作中に描画が省かれた画像も表示されることになり、必要な地図情報を確実に伝えることが可能になる。このため、携帯型あるいは汎用型の端末装置を用いたナビゲーションシステムにおいても実用性の高い地図表示サービスを提供することができる。
【符号の説明】
【0076】
10・・・・・地図表示システム
12・・・・・ネットワーク
20・・・・・地図表示装置
201・・・・制御手段
202・・・・送受信手段
203・・・・位置取得手段
204・・・・表示手段
205・・・・操作入力手段
206・・・・配信要求手段
207・・・・配信データ記憶手段
208・・・・表示制御手段
208a・・・画像メモリ
208b・・・描画処理部
208c・・・画像出力部
209・・・・表示データ記憶手段
30・・・・地図配信サーバ
31・・・・地図データベース
32・・・・経路探索用ネットワークデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図画像を表示する表示手段と、前記表示手段に地図画像を表示するための地図データをベクタ画像形式として記憶する記憶手段と、前記表示手段に表示された地図画像に対する操作を入力する入力手段と、を備えた地図表示システムであって、
前記記憶手段に記憶されたベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を描画して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記入力手段による入力操作の開始時点で前記ベクタ画像形式の地図データを用いて描画されている地図描画データをラスタ画像として保持する保持手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記入力手段により前記表示手段に表示された地図画像に対する移動操作を移動方向とともに入力されると、前記保持手段に保持されているラスタ画像の地図描画データを用いて入力された移動方向に地図画像の移動処理を行い、前記入力手段による入力操作が停止したときは、前記記憶手段に記憶されているベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を再描画して前記表示手段に表示させることを特徴とする地図表示システム。
【請求項2】
前記入力手段により入力される移動操作は、前記表示手段に表示された地図画像に対する回転操作であることを特徴とする請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項3】
前記入力手段により入力される移動操作は、前記表示手段に表示された地図画像に対するスクロール操作であることを特徴とする請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項4】
前記入力手段により入力される移動操作は、前記表示手段に表示された地図画像が鳥瞰図である場合には鳥瞰方向の変更操作であることを特徴とする請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項5】
地図画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された地図画像に対する操作を入力する入力手段と、を備えた地図表示装置であって、
前記表示手段に地図画像を表示するための地図データをベクタ画像形式として記憶する記憶手段に記憶されたベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を描画して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記入力手段による入力操作の開始時点で前記ベクタ画像形式の地図データを用いて描画されている地図描画データをラスタ画像として保持する保持手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記入力手段により前記表示手段に表示された地図画像に対する移動操作を移動方向とともに入力されると、前記保持手段に保持されているラスタ画像の地図描画データを用いて入力された移動方向に地図画像の移動処理を行い、前記入力手段による入力操作が停止したときは、前記記憶手段に記憶されているベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を再描画して前記表示手段に表示させることを特徴とする地図表示装置。
【請求項6】
地図画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された地図画像に対する操作を入力する入力手段と、を備えた地図表示装置における地図表示方法であって、
前記地図表示装置は、
前記表示手段に地図画像を表示するための地図データをベクタ画像形式として記憶する記憶手段に記憶されたベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を描画して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記入力手段による入力操作の開始時点で前記ベクタ画像形式の地図データを用いて描画されている地図描画データをラスタ画像として保持する保持手段と、
を備え、
前記入力手段により前記表示手段に表示された地図画像に対する移動操作を移動方向とともに入力されると、前記保持手段によって、前記ベクタ画像形式の地図データを用いて描画されている地図描画データをラスタ画像として保持させる第1のステップと、
前記表示制御手段によって、前記第1のステップにより保持されたラスタ画像の地図描画データを用いて入力された移動方向に地図画像の移動処理を行う第2のステップと、
前記入力手段による入力操作が停止したときは、前記表示制御手段によって、前記記憶手段に記憶されているベクタ画像形式の地図データを用いて地図画像を再描画して前記表示手段に表示させる第3のステップと、
を有することを特徴とする地図表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−175815(P2010−175815A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18100(P2009−18100)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】