説明

地図表示方法、地図表示装置及びカーナビゲーション装置

【課題】俯瞰地図のリアルさを保ち、かつ使用者にとって視認性の良い表示が可能な地図表示技術を提供する。
【解決手段】俯瞰地図を、表示画面の高さ方向に3分割し、一番上の画面では標高情報をそのまま用いて遠景の山並みの俯瞰地図を描画し表示する。中央の画面では標高情報を50%として山並みの俯瞰地図を描画し表示する。また、一番下の画面では標高情報を使用せずに近景の道路などの俯瞰地図を描画し表示する。このように、すると、画面全体にリアルな俯瞰地図を表示し、かつ近景の道路などは凹凸が目立たない、使用者にとって見やすい俯瞰地図画像を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーション装置における俯瞰地図の表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムにおいて重要とされる要素のひとつに地図表示の見栄えのよさがあり、これを向上する地図表示方法として鳥瞰図表示がある。鳥瞰図とは、地図を一定の高さから斜めに俯瞰したときの見た目を表現することで、運転者に対してよりリアルな情報を提供することができる。
【0003】
実用化されている鳥瞰図表示技術の多くは地図を平面的に表示している。例えば、遠景部に山並み画像を表示したり、画面を2分割して下部に二次元地図、上部に鳥瞰図を表示したりすることで見やすさの向上を図っているものもあるが、これらもまた平面地図を俯瞰表示したのみである。
【0004】
一方で、さらにリアルな表現を行うため、陸地部分の山並みや建物高さを表現する技術がある。この技術は、地図データをメッシュ状に分割し、各メッシュに標高情報を定義し、これを使ってメッシュごとにポリゴン描画を行うことで、立体的な地図表示を実現することができる。この方法では、立体地図をよりリアルに表現するためには、メッシュをできるだけ細かくし大量のポリゴンを描画する必要があるが、それに比例して描画負荷が上がりパフォーマンス(描画速度など)の低下につながる問題がある。
【0005】
これを改善する方法のひとつとして、地図スケールごとにメッシュを定義し、広域表示ではメッシュサイズを大きく、詳細表示ではメッシュサイズを小さくすることで描画負荷の低減を図る方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−39014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記方法では、描画負荷の低減は可能であるが、詳細表示でメッシュサイズを小さくした場合、視点近傍の道路及びその周辺地図に凹凸が現れ、かえって視認性の面で平面地図に比べて劣化することが考えられる。
【0007】
特に、カーナビゲーション装置など車載用の地図表示装置においては、視点近傍の範囲は一般に自車位置の近傍であることから、運転者にとってまさに走行しようとしている道路及びその周辺状況が視認しづらくなってしまう。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、俯瞰地図のリアルさを保ち、かつ使用者にとって視認性の良い表示が可能な地図表示技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる問題を解決するためになされた請求項1に記載の地図表示方法は、地図データの各メッシュに定義された標高情報を用いて作成したポリゴンにより俯瞰地図を描画し、描画した俯瞰地図を表示手段(30:この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)に表示する地図表示方法であって、標高情報取得ステップと描画ステップとを有している。
【0010】
標高情報取得ステップは、各メッシュに定義された標高情報を取得し、描画ステップは、俯瞰地図の表示手段(30)の表示画面上の高さ位置によって、標高情報取得ステップで取得した標高情報の使い方を変化させ、変化させた標高情報を用いてポリゴンを作成することにより俯瞰地図を描画する。
【0011】
このような地図表示方法によれば、俯瞰地図のリアルさを保ち、かつ使用者にとって視認性の良い表示が可能となる。以下説明する。
通常、地図データでは、地図をメッシュ状に分割し、各メッシュに標高情報を定義している。
【0012】
各メッシュに定義された標高情報を用いて俯瞰地図を描画する際、画面全体にわたって細かい均一なメッシュの標高情報を用いて俯瞰地図を描画すると、例えば、山並みのような遠景画はリアルに描画されるが、視点近傍の道路その周辺地図に凹凸が現れ、かえって視認性の面で平面地図に比べて劣化することが考えられる。
【0013】
つまり、使用者にとって視点近傍の範囲が見にくくなり、例えば、道路及びその周辺状況が視認しづらくなってしまう。
そこで、請求項1に記載の地図表示方法のように、俯瞰地図の表示手段(30)の表示画面上の高さ位置によって、標高情報の使い方を変化させ、変化させた標高情報を用いてポリゴンを作成することにより俯瞰地図を描画するようにすると、表示手段(30)の画面上で上部に表示される俯瞰地図と下部に表示される俯瞰地図とで標高情報を変化させることができる。
【0014】
例えば、通常、表示手段(30)の画面上部には遠景が描かれるので、標高情報をそのまま用い、画像下部には近景が描かれるので、標高情報をそのまま用いず、標高情報を低減させて用いる(例えば、高度が100mであるのを100分の1である1mとして用いる。)と近景の凹凸は目立たなくなる。
【0015】
このように、表示手段(30)の画面上部と下部とで標高情報を変化させてポリゴンを作成することによって俯瞰地図を描画すれば、遠景はリアルに表示され、近景は平面地図に近い凹凸のない表示がなされるので、表示される俯瞰画像全体としては、見やすい画像となる。
【0016】
つまり、俯瞰地図の表示手段(30)の表示画面上の高さ位置によって、標高情報の使い方を変化させ、変化させた標高情報を用いてポリゴンを作成することにより俯瞰地図を描画するようにすると、俯瞰地図のリアルさを保ち、かつ使用者にとって視認性の良い表示が可能となるのである。
【0017】
表示手段(30)の表示画面上の高さ位置によって、標高情報の使い方を変化させる具体的な方法として、請求項2に記載のように、描画ステップにおいて、俯瞰地図を、表示手段(30)の表示画面の高さ方向に複数の画面に分割し、分割した各画面において、各画面上の高さに対応させた標高情報を用いるようにするとよい。
【0018】
このようにすると、分割された画像のうち最も上に位置する画面と最も下に位置する画面あるいはその間にある画面において異なる標高情報を用いることができるため、俯瞰地図の内容に応じた画面表示とすることができる。
【0019】
例えば、遠景をリアルに表現し、近景となるに従って、画面上の凹凸を目立たなくしたい場合には、最も上に位置する画面においては、標高情報をそのまま用いた俯瞰地図を描画し、最も下に位置する画面においては標高情報を10%とした値を用い、中間の画面では標高情報を50%とした値を用いて俯瞰地図を描画すれば、遠景がリアルで近景の凹凸が目立たず、画面全体として上から下へ滑らかに変化する見やすい俯瞰地図を描画することができる。
【0020】
特に、請求項3に記載のように、俯瞰地図を、表示手段(30)の表示画面の高さ方向に分割した複数の画面は2画面であり、描画ステップでは、2画面に分割した画面のうち上部の画面においては、標高情報をそのまま用い、下部の画面においては、標高情報を用いないようにすると、遠景はリアルで、かつ、近景の凹凸がない俯瞰地図を描画することができる。
【0021】
また、請求項4に記載のように、描画ステップでは、複数の画面に分割した画面のうち、下の画面の方がその上の画面よりも標高情報の値を低減させて用いるようにする、つまり、上部の画面から下部の画面に行くに従って標高情報の値を低減させて用いるようにすると、上部の画面に表示される俯瞰地図はリアルに描画され、下部の画面に表示される俯瞰地図の凹凸が目立たず、しかも、全体として見やすい俯瞰地図を描画することができる。
【0022】
ところで、高地などで周辺の俯瞰地図を表示手段(30)の画面に表示する場合、標高情報をそのまま用いて俯瞰地図を表示すると、画面手前と画面奥とで極端に高さの異なる表示がされてしまう場合がある。
【0023】
そこで、請求項5に記載のように、所定範囲の各メッシュに定義された標高情報に基づいて表示手段(30)の表示画面上の高さの基準となる基準高さを算出する基準高さ算出ステップを有し、描画ステップでは、基準高さ算出ステップで算出した基準高さよりも高い部分の俯瞰地図を描画する場合には、標高情報から基準高さを減じた値を用いるようにするとよい。
【0024】
このようにすると、標高情報から基準高さが引かれた値を用いて俯瞰画像が表示される。例えば、画面手前領域の各メッシュの標高情報の平均値を算出し、これを基準高さとする。画面奥のメッシュのポリゴンを描画するときは、そのメッシュの標高情報から基準高さを引いた値を実際に描画するポリゴンの高さとして使用して俯瞰画像が表示される。したがって、表示地点の高度によらず、より自然な高さ表現ができる。
【0025】
ところで、標高情報は、各メッシュに定義されているので、メッシュが細かいほどリアルな俯瞰地図を描画することができる。通常、地図では、遠景よりも近景が細かなメッシュで描かれている方が、細部が細かく表現されることになるので、地図を見る者にとって有用である。
【0026】
そこで、請求項6に記載のように、描画ステップでは、複数の画面に分割した画面のうち、下の画面の方がその上の画面よりもメッシュの細かい地図データを用いる、つまり、上部の画面から下部の画面に行くに従って、メッシュの細かい地図データを用いるようにすると、下部の画面に描かれる近景を細かいメッシュで作成することができるので、地図を見る者にとってより有用な俯瞰地図を描画することができる。さらに、遠景部分のメッシュが粗くなるので描画の際の処理負担を軽くすることができる。
【0027】
また、地図データとして細かさが一様なメッシュを有する地図データを用いた場合には、請求項7に記載のように、描画ステップでは、複数の画面に分割した画面のうち、上の画面の方がその下の画面よりも描画に用いる地図データのメッシュを粗くするようにする、つまり、下部の画面から上部の画面に行くに従って、描画に用いる地図データのメッシュを粗くするようにしても、上部の画面に描かれる遠景よりも下部画面に描かれる近景の方が細かく描かれる。また、遠景の描画の処理負担を軽減することもできる。
【0028】
請求項8に記載の地図表示装置(5)は、地図データ格納手段(10)、描画手段(20)及び表示手段(30)を備えている。
地図データ格納手段(10)は、各メッシュに定義された標高情報を含む地図データを格納し、描画手段(20)は、地図データ格納手段(10)に格納された地図データの各メッシュに定義された標高情報を取得し、取得した標高情報を用いて作成したポリゴンにより俯瞰地図を描画するものであり、俯瞰地図の表示手段(30)の表示画面上の高さ位置によって、標高情報の使い方を変化させ、変化させた標高情報を用いてポリゴンを作成することにより俯瞰地図を描画する。また、表示手段(30)は、描画手段(20)で描画した俯瞰地図を表示する。
【0029】
このような地図表示装置(5)は、請求項1に記載の描画方法と同じ特徴を有する地図表示装置(5)となる。つまり、俯瞰地図の表示手段(30)の表示画面上の高さ位置によって、標高情報の使い方を変化させ、変化させた標高情報を用いてポリゴンを作成することにより俯瞰地図を描画するようにすると、俯瞰地図のリアルさを保ち、かつ使用者にとって視認性の良い表示が可能な地図表示装置(5)となるのである。
【0030】
また、請求項9に記載のように、描画手段(20)は、俯瞰地図を、表示手段(30)の表示画面の高さ方向に複数の画面に分割し、分割した各画面において、各画面上の高さに対応させた標高情報を用いるようにすると、請求項2に記載の描画方法と同じ特徴を有する地図表示装置(5)となる。
【0031】
つまり、分割された画像のうち最も上に位置する画面と最も下に位置する画面あるいはその間にある画面において異なる標高情報を用いることができるため、俯瞰地図の内容に応じた画面表示とすることができる。
【0032】
また、請求項10に記載のように、描画手段(20)は、俯瞰地図を、表示画面の高さ方向に2画面に分割し、2画面に分割した画面のうち上部の画面においては、標高情報をそのまま用い、下部の画面においては、標高情報を用いないようにすると、請求項3に記載の描画方法と同じ特徴を有する地図表示装置(5)となる。つまり、遠景はリアルで、かつ、近景の凹凸がない俯瞰地図を描画することができる。
【0033】
また、請求項11に記載のように、描画手段(20)は、複数の画面に分割した画面のうち、下の画面の方がその上の画面よりも標高情報の値を低減させて用いる、つまり、上部の画面から下部の画面に行くに従って標高情報の値を低減させて用いるようにすると、請求項4に記載の描画方法と同じ特徴を有する地図表示装置(5)となる。つまり、上部の画面に表示される俯瞰地図はリアルに描画され、下部の画面に表示される俯瞰地図の凹凸が目立たず、しかも、全体として見やすい俯瞰地図を描画することができる。
【0034】
また、請求項12に記載のように、描画手段(20)は、地図データ格納手段(10)から取得した、所定範囲の各メッシュに定義された標高情報に基づいて、表示手段(30)の表示画面上の高さの基準となる基準高さを算出し、算出した基準高さよりも高い部分の俯瞰地図を描画する場合には、標高情報から基準高さを減じた値を用いるようにすると請求項5に記載の描画方法と同じ特徴を有する地図表示装置(5)となる。つまり、表示地点の高度によらず、より自然な高さ表現ができる。
【0035】
さらに、請求項13に記載のように、描画手段(20)は、複数の画面に分割した画面のうち、下の画面の方がその上の画面よりもメッシュの細かい地図データを用いる、つまり、上部の画面から下部の画面に行くに従ってメッシュの細かい地図データを用いるようにすると、請求項6に記載の描画方法と同じ特徴を有する地図表示装置(5)となる。
【0036】
つまり、下部の画面に描かれる近景を細かいメッシュで作成することができるので、地図を見る者にとってより有用な俯瞰地図を描画することができる。さらに、遠景部分のメッシュが粗くなるので描画の際の処理負担を軽くすることができる。
【0037】
また、請求項14に記載のように、描画手段(20)は、複数の画面に分割した画面のうち、上の画面の方がその下の画面よりも描画に用いる地図データのメッシュを粗くする、つまり、下部の画面から上部の画面に行くに従って描画に用いる地図データのメッシュを粗くする、と請求項7に記載の描画方法と同じ特徴を有する地図表示装置(5)となる。
【0038】
つまり、上部の画面に描かれる遠景よりも下部画面に描かれる近景の方が細かく描かれる。また、遠景の描画の処理負担を軽減することもできる。
このようなカーナビゲーション装置(1)では、自車の位置から所定の範囲の俯瞰地図を表示する際、請求項8〜請求項15の何れかに記載の地図表示装置(5)の特徴を有するカーナビゲーション装置(1)とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0040】
[第1実施形態]
図1は、カーナビゲーション装置1の概略の構成を示すブロック図である。カーナビゲーション装置1は、図1に示すように、地図表示装置5、自車位置検出部40、スイッチ情報入力部50、メモリ60、音声出力部70、データ通信部80を備えている。
【0041】
地図表示装置5は、地図データ格納部10、制御部20及び表示装置30を備えている。
地図データ格納部10は、各メッシュに定義された標高情報を含む地図データを格納するものであり、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードあるいはHDDなどから構成され、地図データの他にも位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、目印データを含む各種データを格納する。
【0042】
表示装置30は、制御部20で描画した俯瞰地図を表示するものであり、俯瞰地図以外にもナビゲーションとして地図や目的地選択画面などを表示できる。表示装置30は、フルカラー表示が可能なものであり、液晶、有機ELなどを用いて構成されている。
【0043】
自車位置検出部40は、自車の現在位置を検出するためのものであり、自車の周辺の地磁気を検出する図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサ及び衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning Systemの略)のためのGPS受信機を有している。
【0044】
これらのセンサは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、更にステアリングの回転センサ、各転動輪の車両センサなどを用いてもよい。
【0045】
スイッチ情報入力部50は、表示装置30と一体になったタッチスイッチ若しくはメカニカルなスイッチなどが用いられており。操作者のスイッチ操作により制御部20へ各種機能(例えば、地図縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、表示画面変更、音量調整など)の操作指示を行うためのものである。
【0046】
なお、スイッチ情報入力部50をリモートコントロール端末(以下リモコンと称する)によって構成し、制御部20との間を無線通信により情報の送受信を行うようにしてもよい。
【0047】
メモリ60は、ROMやRAMなどから構成されており、ROMにはナビゲーションのプログラムが格納され、RAMにはプログラムのワークメモリや地図データ格納部10から取得した地図データなどが一時格納されるようになっている。
【0048】
音声出力部70はスピーカーからなり、案内のための音声や画面操作の説明を発声する。
データ通信部80は、相互通信機能を有しており、例えば携帯電話や自動車電話などの携帯端末から構成され、制御部20に容易に着脱可能なように接続されている。もちろん、データ通信部80を制御部20に容易に着脱できないように組み込んでもよい。
【0049】
制御部20は、図示しない1つのCPU及びI/Oで構成されており、ナビゲーションのために必要な処理を実行する。制御部20で実行される処理のうちナビゲーションのための処理を以下の(ア)〜(ク)に示す。
【0050】
(ア)入力処理
スイッチ情報入力部50により設定される目的地や経由地、視点位置、俯角、表示尺度などの情報を入力する。
【0051】
(イ)地図データ取得処理
他の処理で必要となる地図データを地図データ格納部10より取得する。
(ウ)マップマッチング処理
自車位置検出部40で検出した位置情報と地図データ格納部10から取得された地図データの道路形状データなどを使って、現在位置がどの道路上に存在するかを特定する。道路を特定した後、現在位置情報としてメモリ60に格納する。
【0052】
(エ)経路計算処理
マップマッチング処理で算出された現在位置の情報や利用者が指定した出発地及び目的地から指定した目的地までの最適経路を計算し、計算した経路をスイッチ情報入力部50によって設定された所望の地図上に表示させる。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法などの手法によって行われる。
【0053】
(オ)経路案内処理
経路計算処理の結果と地図データ内に格納されている道路の形状データや、交差点の位置情報や踏切の位置情報などから案内に必要なポイントを算出したり、どのような案内(右に曲がるのか左に曲がるのかなど)が必要なのかを算出したりする。
【0054】
(カ)表示処理
現在位置の地図や高速道路の略図、交差点付近では交差点付近の拡大図などを画面制御管理処理の指示に従い描画し、表示装置30に表示する。また、自車位置検出部40により検出された自車位置を表示地図上に現在位置マークとして重畳表示する。さらに、表示地図には、現在位置、経路のほかに、現在時刻、渋滞情報など他の情報表示も付加表示することもできる。
【0055】
表示される地図としては、俯瞰地図が用いられ、その俯瞰地図の描画を行う俯瞰地図処理の詳細については後述する。
(キ)画面制御管理処理
表示処理に表示装置30に表示すべき表示情報の描画指示を行う。このとき、例えば、画面高さに応じた標高情報の使用方法やメッシュの統合数を画面制御管理処理にて算出し、表示処理に対して描画指示を与える。
【0056】
(ク)通信制御処理
スイッチ情報入力部50を使ったユーザ指示や、定期時間ごとにデータ通信部80に指示して相互通信が可能な状態にする。
【0057】
(俯瞰地図描画処理)
俯瞰地図描画処理では、表示装置30の表示画面上の高さ位置によって、標高情報の使い方を変化させ、変化させた標高情報を用いてポリゴンを作成することにより俯瞰地図を描画し、表示装置30に表示させる。
【0058】
俯瞰地図を表示させる際には、俯瞰地図を、表示装置30の表示画面の高さ方向に複数の画面に分割し、分割した各画面において、各画面上の高さに対応させた標高情報を用いる。
【0059】
複数の画面に分割した画面のうち、下の画面の方がその上の画面よりも標高情報の値を低減させて用いる、つまり、上部の画面から下部の画面に行くに従って、標高情報の値を低減させて用いる。具体的には、画面を高さ方向に3分割し、画面上部の遠景は地図データの標高情報をそのまま利用して山並みの高さを表現する。画面中央部では地図データの標高情報の50%で山並みの高さを表現する。画面下部の視点近傍では山並み表現を行わない。
【0060】
また、複数の画面に分割した画面のうち、下の画面の方がその上の画面よりも描画に用いる地図データのメッシュを粗く用いる、つまり、下部の画面から上部の画面に行くに従って、描画に用いる地図データのメッシュを粗く用いる。
【0061】
俯瞰地図描画処理の具体的な処理内容を図2、図3及び図4に基づき説明する。図2は、俯瞰地図描画処理の流れを示すフローチャートであり、図3は、表示される画面の例であり、図4は、メッシュを統合する方法を示す図である。
【0062】
俯瞰地図描画処理では、S100において、地図データ格納部10から地図データが取得され、続くS105では、S100において取得された地図データからメッシュごとの標高情報が取得される。
【0063】
S110では、視点位置、俯角、表示尺度の情報がスイッチ情報入力部50から取得され、続くS115では、S110において取得された情報から俯瞰地図の表示範囲が取得された後、処理がS120へ移行される。
【0064】
S120では、俯瞰地図の表示範囲が画面高さで分類される。つまり、S115において取得された俯瞰地図の範囲を標高に基づいて3分割され、3分割された俯瞰地図の範囲の標高の高い部分が3分割された画面のうち上部の画面で表示され、標高の低い部分が下部の画面で表示され、標高が中度の部分が中央部の画面に表示されるように分類される。
【0065】
続くS125では、S120において分類された表示範囲ごとに標高情報から表示高さが算出される。具体的には、図3に示すように、3分割された画像のうち上部の画像で表示される部分(図3中(a)で示される部分)では標高情報が100%、つまり、標高情報がそのまま用いられ、中央部の画像で表示される部分(図3中(b)で示される部分)では標高情報が50%、つまり、標高情報が半分にして用いられ、下部の画面で表示される部分(図3中(c)で示される部分)では、標高情報が用いられない、つまり、標高は0とされる。
【0066】
続く、S130では、S120において分類された表示範囲ごとにメッシュが統合される。具体的には、図4に示すように、地図データのメッシュのうち、下部の画面で表示される部分(図4中(c)で示される部分)ではメッシュがそのまま用いられ、上部の画面で表示される部分(図4中(a)で示される部分)では、隣接する4個のメッシュが1つのメッシュとして統合されて用いられる。また、中央部の画面(図4中(b)で示される部分)では、その下部ではメッシュがそのまま用いられ、上部では隣接4個のメッシュが1つのメッシュに統合されて用いられる。
【0067】
続くS135では、道路、経路、背景、名称及びマークなどの情報が含まれるメッシュが抽出され、続くS140では、S135において抽出された道路、経路、背景、名称及びマークなどの表示高さがS125と同様にして算出され、処理がS145へ移行される。
【0068】
S145では、S125において算出された表示高さでメッシュごとにポリゴンが作成されて俯瞰地図が描画され、続くS150では、S140において算出された表示高さで、道路、経路、背景、名称及びマークなどが描画される。
【0069】
S150において描画した後、処理がS100へ移行され、俯瞰地図描画処理が繰り返される。
(カーナビゲーション装置1の特徴)
以上のようなカーナビゲーション装置1によれば、俯瞰地図のリアルさを保ち、かつ使用者にとって視認性の良い表示が可能となる。以下説明する。
【0070】
地図データの各メッシュに定義された標高情報を用いて俯瞰地図を描画する際、画面全体にわたって細かい均一なメッシュの標高情報を用いて俯瞰地図を描画すると、例えば、山並みのような遠景画はリアルに描画されるが、視点近傍の道路その周辺地図に凹凸が現れ、かえって視認性の面で平面地図に比べて劣化することが考えられる。
【0071】
つまり、視点近傍の範囲は一般に自車位置の近傍であることから、運転者にとってまさに走行しようとしている道路及びその周辺状況が視認しづらくなってしまう。
ところが、カーナビゲーション装置1のように、表示装置30の表示画面上の高さ位置によって、標高情報の使い方を変化させ、変化させた標高情報を用いてポリゴンを作成することにより俯瞰地図を描画するようにすると、表示装置30の画面上で上部に表示される俯瞰地図と下部に表示される俯瞰地図とで標高情報を変化させることができる。
【0072】
このように、表示装置30の画面上部と下部とで標高情報を変化させてポリゴンを作成することによって俯瞰地図を描画すれば、遠景はリアルに表示され、近景は平面地図に近い凹凸のない表示がなされるので、表示される俯瞰画像全体としては、見やすい画像となる。
【0073】
つまり、俯瞰地図の表示装置30の表示画面上の高さ位置によって、標高情報の使い方を変化させ、変化させた標高情報を用いてポリゴンを作成することにより俯瞰地図を描画するようにすると、俯瞰地図のリアルさを保ち、かつ使用者にとって視認性の良い表示が可能となるのである。
【0074】
本実施形態では、表示装置30の表示画面上の高さ位置によって、俯瞰地図を、表示画面の高さ方向に3つに分割し、分割した各画面において、各画面上の高さに対応させた標高情報を用いるようにしている。
【0075】
つまり、一番上の画面では標高情報をそのまま使用し、中央の画面では標高情報を50%として使用し、一番下の画面では標高情報を使用しないというように、複数の画面に分割した画面のうち、下の画面の方がその上の画面よりも標高情報の値を低減させて用いている(図3参照)。
【0076】
したがって、分割された画像のうち最も上に位置する画面と最も下に位置する画面及び中央の画面において、異なる標高情報を用いることができるため、遠景をリアルに表現し、近景となるに従って、画面上の凹凸を目立たなくし、しかも、全体として見やすい俯瞰地図とするというように、俯瞰地図の内容に応じた画面表示とすることができる。
【0077】
また、地図データとして細かさが一様なメッシュを有する地図データを用いており、複数の画面に分割した画面のうち、上の画面の方がその下の画面よりも描画に用いる地図データのメッシュを粗くしている。したがって、上部の画面に描かれる遠景よりも下部画面に描かれる近景の方が細かく描かれるので見やすい俯瞰地図を得ることができる。
【0078】
また、遠景については、メッシュが粗いので、描画のための計算ポイントが減少する。したがって、描画の処理負担を軽減することもできる。
[第2実施形態]
次に、地図データ格納部10から取得した、所定範囲の各メッシュに定義された標高情報に基づいて算出した基準高さを用いる第2実施形態について図5に基づき説明する。図5は、俯瞰地図を描画する際の視点位置と標高との関係を示す図である。
【0079】
第2実施形態では、カーナビゲーション装置の構成は、第1実施形態のカーナビゲーション装置1と同じであるため構成の説明は省略する。また、制御部20で実行される処理についても第1実施形態のカーナビゲーション装置1とほぼ同じであるため、同じ処理については説明を省略し、差異のある部分についてのみ説明を行う。
【0080】
第2実施形態のカーナビゲーション装置では、俯瞰地図描画処理において、S120とS125の間にS123を挿入し、S115において算出された地図表示範囲の標高情報を平均し、地図表示範囲の基準高さとする。
【0081】
続く、S125において、分類された表示範囲ごとに標高情報から表示高さを算出するが、その際、S123において算出された基準高さよりも高い部分については、標高情報から基準高さを減じ、表示高さを算出する。
【0082】
具体的には、図5(a)に示すように表示範囲の標高情報(図5(a)中のα、βの値)をそのまま用いる代わりに、図5(b)に示すように標高情報(図5(b)中のα、βの値)から基準高さ(図5(b)中のγの値)を減じる。
【0083】
このようにすると、標高が基準高さよりも高い部分については、標高情報から基準高さが引かれた値を用いて俯瞰画像が表示される。つまり、図5(b)の点線で示すように、視点の位置(図5(b)中においてA点で示される位置)が基準高さ(γ)だけオフセットした状態(図5(b)中B点で示される位置)になる。したがって、表示地点の高度によらず、より自然な高さ表現ができる。
【0084】
[その他の実施形態]
(1)上記実施形態では、俯瞰地図を表示画面の高さ方向に3分割していたが、2分割し、上部の画面においては標高情報をそのまま用い、下部の画面においては標高情報を用いないようにしてもよい。このようにすると、画面全体の不自然さが多少ますが、俯瞰地図描画処理の処理負担が軽減される。
【0085】
(2)上記実施形態では、複数の画面に分割した画面のうち上の画面の方がその下の画面よりも描画に用いる地図データのメッシュを粗く用いていたが、分割した画面のうち、下の画面の方がその上の画面よりもメッシュの細かい地図データを用いるようにしてもよい。
【0086】
つまり、地図データのメッシュ自体を複数有し、複数の画面のうち下の画面では細かいメッシュを用い、上の画面となるにしたがって粗いメッシュを用いるようにすると、遠景よりも近景が細かなメッシュで描かれることになるので、俯瞰地図を見る者にとってより有用な俯瞰地図を描画することができる。さらに、遠景部分のメッシュが粗くなるので描画の際の処理負担を軽くすることができる。
【0087】
(3)上記実施形態では、制御部20で実行される各処理を1つのCPUで実行していたが、図6に示すようにバスラインで接続された複数のCPUあるいはDSPなどで実行されるものとしてもよい。図6は、制御部20における処理を分散処理する場合のブロック図である。
【0088】
つまり、制御部20の地図データ取得部21で地図データ取得処理、マップマッチング部22でマップマッチング処理、経路計算部23で経路計算処理、経路案内24で経路案内処理、表示処理部25で表示処理、画面制御管理部26で画面制御管理処理及び通信制御部27で通信制御処理を実行するようにし、スイッチ情報入力部50で入力処理を実行すると各処理が分散処理されるので処理速度が速くなる。したがって俯瞰地図の表示速度が速くなるのでスムーズに地図表示が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】カーナビゲーション装置1の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】俯瞰地図描画処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】表示される画面の例である。
【図4】メッシュを統合する方法を示す図である。
【図5】俯瞰地図を描画する際の視点位置と標高との関係を示す図である。
【図6】制御部20における処理を分散処理する場合のブロック図である。
【符号の説明】
【0090】
1…カーナビゲーション装置、5…地図表示装置、10…地図データ格納部、20…制御部、21…地図データ取得部、22…マップマッチング部、23…経路計算部、24…経路案内、25…表示処理部、26…画面制御管理部、27…通信制御部、30…表示装置、40…自車位置検出部、50…スイッチ情報入力部、60…メモリ、70…音声出力部、80…データ通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データの各メッシュに定義された標高情報を用いて作成したポリゴンにより俯瞰地図を描画し、前記描画した俯瞰地図を表示手段に表示する地図表示方法であって、
前記各メッシュに定義された標高情報を取得する標高情報取得ステップと、
前記俯瞰地図の前記表示手段の表示画面上の高さ位置によって、前記標高情報取得ステップで取得した前記標高情報の使い方を変化させ、前記変化させた標高情報を用いて前記ポリゴンを作成することにより前記俯瞰地図を描画する描画ステップと、
を有することを特徴とする地図表示方法。
【請求項2】
請求項1に記載地図表示方法において、
前記描画ステップでは、
前記俯瞰地図を、前記表示手段の表示画面の高さ方向に複数の画面に分割し、前記分割した各画面において、前記各画面上の高さに対応させた標高情報を用いることを特徴とする地図表示方法。
【請求項3】
請求項2に記載の地図表示方法において、
前記俯瞰地図を、前記表示手段の表示画面の高さ方向に分割した複数の画面は2画面であり、
前記描画ステップでは、
前記2画面に分割した画面のうち上部の画面においては、前記標高情報をそのまま用い、
前記下部の画面においては、前記標高情報を用いないことを特徴とする地図表示方法。
【請求項4】
請求項2に記載の地図表示法において、
前記描画ステップでは、
前記複数の画面に分割した画面のうち、下の画面の方がその上の画面よりも前記標高情報の値を低減させて用いることを特徴とする地図表示方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載の地図表示方法において、
所定範囲の前記各メッシュに定義された標高情報に基づいて、前記表示手段の表示画面上の高さの基準となる基準高さを算出する基準高さ算出ステップを有し、
前記描画ステップでは、
前記基準高さ算出ステップで算出した基準高さよりも高い部分の前記俯瞰地図を描画する場合には、前記標高情報から前記基準高さを減じた値を用いることを特徴とする地図表示方法。
【請求項6】
請求項2〜請求項5の何れかに記載の地図表示方法において、
前記描画ステップでは、
前記複数の画面に分割した画面のうち、下の画面の方がその上の画面よりも前記メッシュの細かい地図データを用いることを特徴とする地図表示方法。
【請求項7】
請求項2〜請求項5の何れかに記載の地図表示方法において、
前記描画ステップでは、
前記複数の画面に分割した画面のうち、上の画面の方がその下の画面よりも描画に用いる地図データのメッシュを粗く用いることを特徴とする地図表示方法。
【請求項8】
各メッシュに定義された標高情報を含む地図データを格納する地図データ格納手段と、
前記地図データ格納手段に格納された地図データの各メッシュに定義された標高情報を取得し、取得した前記標高情報を用いて作成したポリゴンにより俯瞰地図を描画する描画手段と、
前記描画手段で描画した前記俯瞰地図を表示する表示手段と、
を備え、
前記描画手段は、
前記俯瞰地図の前記表示手段の表示画面上の高さ位置によって、前記標高情報の使い方を変化させ、前記変化させた標高情報を用いて前記ポリゴンを作成することにより前記俯瞰地図を描画することを特徴とする地図表示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の地図表示装置において、
前記描画手段は、
前記俯瞰地図を、前記表示手段の表示画面の高さ方向に複数の画面に分割し、前記分割した各画面において、前記各画面上の高さに対応させた標高情報を用いることを特徴とする地図表示装置。
【請求項10】
請求項9に記載の地図表示装置において、
前記描画手段は、
前記俯瞰地図を、表示画面の高さ方向に2画面に分割し、前記2画面に分割した画面のうち上部の画面においては、前記標高情報をそのまま用い、前記下部の画面においては、前記標高情報を用いないことを特徴とする地図表示装置。
【請求項11】
請求項9に記載の地図表示装置において、
前記描画手段は、
前記複数の画面に分割した画面のうち、下の画面の方がその上の画面よりも前記標高情報の値を低減させて用いることを特徴とする地図表示装置。
【請求項12】
請求項8〜請求項11の何れかに記載の地図表示装置において、
前記描画手段は、
前記地図データ格納手段から取得した、所定範囲の前記各メッシュに定義された標高情報に基づいて、前記表示手段の表示画面上の高さの基準となる基準高さを算出し、算出した前記基準高さよりも高い部分の前記俯瞰地図を描画する場合には、前記標高情報から前記基準高さを減じた値を用いることを特徴とする地図表示装置。
【請求項13】
請求項9〜請求項12の何れかに記載の地図表示装置において、
前記描画手段は、
前記複数の画面に分割した画面のうち、下の画面の方がその上の画面よりも前記メッシュの細かい地図データを用いることを特徴とする地図表示装置。
【請求項14】
請求項9〜請求項12の何れかに記載の地図表示装置において、
前記描画手段は、
前記複数の画面に分割した画面のうち、上の画面の方がその下の画面よりも描画に用いる地図データのメッシュを粗く用いることを特徴とする地図表示装置。
【請求項15】
自車の現在位置を検出する自車位置検出手段と、
請求項8〜請求項14の何れかに記載の地図表示装置と、
を備え、
前記地図表示装置における描画手段は、前記自車位置検出手段で取得した現在位置から所定の範囲の地図データを用いて前記俯瞰地図を描画することを特徴とするカーナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−109642(P2009−109642A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280454(P2007−280454)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】