地図表示端末装置および地図表示システム
【課題】端末装置の道路地図を更新せずに、最新の道路地図で探索した最適経路を端末装置に表示する。
【解決手段】道路地図を記憶する記憶手段224と、外部装置210へ現在地、目的地および道路地図に関する情報を送信し、外部装置210により探索された現在地から目的地までの最適経路に関する情報を受信する通信手段222と、道路地図を表示する表示手段225と、記憶手段224に記憶されている道路地図上に最適経路に関する情報を描画して表示手段225に表示する制御手段223とを備え、最適経路に関する情報は、現在地から目的地までの最適経路と、その最適経路上の道路の内、記憶手段224に記憶されていない道路を描画するための位置および図形情報であり、制御手段223は、記憶手段224に記憶されている道路地図上に最適経路を描画するとともに、位置および図形情報に基づいて記憶手段224に記憶されていない道路を描画する。
【解決手段】道路地図を記憶する記憶手段224と、外部装置210へ現在地、目的地および道路地図に関する情報を送信し、外部装置210により探索された現在地から目的地までの最適経路に関する情報を受信する通信手段222と、道路地図を表示する表示手段225と、記憶手段224に記憶されている道路地図上に最適経路に関する情報を描画して表示手段225に表示する制御手段223とを備え、最適経路に関する情報は、現在地から目的地までの最適経路と、その最適経路上の道路の内、記憶手段224に記憶されていない道路を描画するための位置および図形情報であり、制御手段223は、記憶手段224に記憶されている道路地図上に最適経路を描画するとともに、位置および図形情報に基づいて記憶手段224に記憶されていない道路を描画する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路地図を表示する地図表示端末装置および地図表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレマティックスサービス提供センターから最新バージョンの道路地図データを地図表示端末装置へ配信して更新するようにした地図表示端末装置および地図表示システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この端末装置およびシステムでは、端末装置の道路地図データが旧バージョンのデータであると判明した場合に、センターから予め最新バージョンの道路地図データの一部を端末装置へ配信し、端末装置から更新要求があると改めて最新バージョンの道路地図データのすべてを端末装置へ配信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−125510号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の地図表示端末装置および地図表示システムでは、センターから配信される道路地図データが端末装置の道路地図データと同一フォーマットでないと更新できず、同一フォーマットであっても道路地図データをダウンロードして更新するのに通信時間とコストがかかるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明は、道路地図を記憶する記憶手段と、外部装置へ現在地、目的地および道路地図に関する情報を送信し、外部装置により探索された現在地から目的地までの最適経路に関する情報を受信する通信手段と、道路地図を表示する表示手段と、記憶手段に記憶されている道路地図上に最適経路に関する情報を描画して表示手段に表示する制御手段とを備え、最適経路に関する情報は、現在地から目的地までの最適経路と、最適経路上の道路の内、記憶手段に記憶されていない道路を描画するための位置および図形情報であり、制御手段は、記憶手段に記憶されている道路地図上に最適経路を描画するとともに、位置および図形情報に基づいて記憶手段に記憶されていない道路を描画する。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の地図表示端末装置において、図形情報は、記憶手段に記憶されていない道路を点列で描画するための情報であり、制御手段は、位置および図形情報に基づいて記憶手段に記憶されていない道路を点列で描画する。
(3) 請求項3の発明は、請求項1に記載の地図表示端末装置において、記憶手段は、道路を図形で描画するための複数種類の図形を記憶しており、図形情報は、記憶手段に記憶されていない道路を図形で描画するために図形の種類を指定する情報であり、制御手段は、表示手段に道路地図を拡大表示する場合には、位置および図形情報に基づいて記憶手段に記憶されていない道路を図形で描画する。
(4) 請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の地図表示端末装置において、道路地図に関する情報は、道路地図のベンダーとバージョンであり、最適経路に関する情報は、現在地から目的地までの最適経路と、最適経路上の道路の内、道路地図のベンダーとバージョンに基づいて抽出された記憶手段に記憶されていない道路の位置および図形情報である。
(5) 請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の地図表示端末装置と、道路地図を記憶する外部記憶手段、現在地から目的地までの最適経路を探索する外部探索手段、および、地図表示端末装置から現在地、目的地および道路地図に関する情報を受信し、地図表示端末装置へ現在地から目的地までの最適経路に関する情報を送信する外部通信手段を備えた外部装置とからなる地図表示システムであって、外部記憶手段は、複数のベンダーの最新バージョンから旧バージョンまでの複数の道路地図を記憶し、外部探索手段は、外部記憶手段に記憶されている複数ベンダーの最新バージョンの道路地図の中から、現在地から目的地までの最適経路を探索するための最適な道路地図を選択し、最適な道路地図に基づいて現在地から目的地までの最適経路を探索するとともに、最適経路上の道路の内、地図表示端末装置に記憶されていない道路を抽出して最適経路に関する情報を作成し、外部通信手段は、外部探索手段により作成された最適経路に関する情報を地図表示端末装置へ送信する。
(6) 請求項6の発明は、請求項5に記載の地図表示システムにおいて、外部記憶手段は、複数のベンダーの最新バージョン地図どうしの差分、および、地図表示端末装置の道路地図と、地図表示端末装置と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図との差分を記憶し、外部探索手段は、記憶手段に記憶されている二つの差分と、探索結果の最適経路とに基づいて、最適経路上の道路の内、地図表示端末装置に記憶されていない道路を抽出する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、地図表示端末装置に記憶されている道路地図を更新することなく、センターにおいて最新の道路地図で探索した最適経路を地図表示端末装置に表示することができ、地図更新のためのセンターとの通信時間およびコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】地図表示端末装置および地図表示システムの一実施の形態の構成を示すブロック図
【図2】地図表示端末装置および地図表示システムの一実施の形態の動作を示すフローチャート
【図3】端末装置221が最適ルートの探索をセンター210へ要求するときに端末装置221からセンター210へ送られる端末送信情報3を示す図
【図4】図1に示すセンター210のマルチ地図データ格納機能216の詳細な構成を示すブロック図
【図5】図1に示すセンター210の差分認識機能215の詳細な構成を示すブロック図
【図6】端末装置221に記憶されていない道路を描画するためのグラフィックパーツ集情報6を示す図
【図7】端末装置221に記憶されていない道路区間をセンター210から送られた点列情報に基づいて描画した例を示す図
【図8】端末装置221に記憶されていない道路区間をセンター210から送られたグラフィックパーツ集情報6に基づいて描画した例を示す図
【図9】端末装置221の記憶装置224に記憶されているグラフィックパーツ集の中のグラフィックパーツ例を示す図
【図10】図2のステップ14における最適ルートの探索動作の詳細を示すフローチャート
【図11】図2のステップ17における新しい道路の点列情報とグラフィックパーツ集情報を作成する処理の詳細を示すフローチャート
【図12】一般的な道路ネットワーク情報の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
テレマティックスサービス提供センター(以下、単にセンターと呼ぶ)から道路地図情報の提供を受ける地図表示端末装置(以下、単に端末装置と呼ぶ)として、自動車に登載したモバイル地図表示端末装置を例に挙げて本発明の一実施の形態を説明する。なお、本発明の地図表示端末装置は、一実施の形態の自動車に登載するモバイル地図表示端末装置に限定されず、歩行携帯型あるいは自転車に登載されるような地図表示端末装置であってもよいし、一般に普及しているナビゲーション装置に組み込まれる地図表示端末装置であってもよい。また、センターとしては端末装置へ道路地図情報を提供するあらゆる形態のセンターを含み、道路地図情報の他に渋滞や事故、通行止めなどの道路交通情報を含むあらゆる情報を提供するものであってもよい。
【0009】
図1は地図表示端末装置および地図表示システムの一実施の形態の構成を示すブロック図であり、図2は地図表示端末装置および地図表示システムの一実施の形態の動作を示すフローチャートである。一実施の形態の地図表示システムは、センター210と、モバイル地図表示端末装置(以下、単に端末装置と呼ぶ)221を登載した自動車220と、センター210と自動車220との間の無線通信を媒介する移動体通信網230とから構成される。なお、図1では1台の自動車220を示すが、1基のセンター210は多くの自動車220に対して各種のサービスを提供する。
【0010】
この一実施の形態の地図表示システムは、端末装置221を登載した自動車220から現在地、目的地、記憶している道路地図のベンダーとそのバージョンなどをセンター210へ送信し、センター210で最新バージョンの道路地図データを用いて目的地までの最適なルートを探索して自動車220の端末装置へ提供する際に、端末装置の地図ベンダーとバージョンにより最適ルート上の一部の道路のリンク情報が端末装置の道路地図データにない場合に、リンク情報がない道路を端末装置221に表示するためのグラフィックデータを端末装置221へ提供する。これにより、地図ベンダーやバージョンが異なっていても、最小の通信時間とコストで最新の道路地図による最適ルートを端末装置221で表示することができる。
【0011】
図1において、センター210は、移動体通信網230を介して自動車220の端末装置221と無線通信を行う通信装置212の他に、コンピューターやメモリを含む各種のハードウエアとコンピューターのソフトウエアにより構成される各種機能を備えており、それらは互いにデータバス211を介して各種情報の授受を行う。最適ルート探索機能213は、自動車220の現在地から目的地までの最適なルートを探索する。交通情報生成機能214は、通信装置212を介して取得した現在の道路交通情報と記憶装置224に記憶されている過去の道路交通情報の統計データに基づいて交通情報を生成する。差分認識機能215は、自動車220に登載される地図と同一ベンダーの最新バージョンの地図との差分、あるいは異なるベンダー間の最新バージョンの地図の差分を抽出する。マルチ地図データ格納機能216は、あらゆるベンダーのあらゆるバージョンの地図データを格納している。
【0012】
一方、自動車220は、移動体通信網230を介してセンター210と無線通信を行う通信装置222の他に、マイクロコンピューターやメモリを含む各種のハードウエアとマイクロコンピューターのソフトウエアにより構成されるモバイル地図表示端末装置(端末装置)221を備えている。端末装置221は、地図表示制御を実行する制御装置223、道路地図を記憶する記憶装置224、道路地図を表示する表示装置225を備えている。制御装置223は、記憶装置224から現在地周辺の道路地図を読み出して表示装置225に表示するとともに、通信装置222を介してセンター210から入手した目的地までの最適ルートを表示装置225の道路地図上に重畳して表示する。なお、センター210から入手した最適ルートの地図データには、最適ルート上の道路の内、端末装置221の記憶装置224に記憶されていない道路に関するグラフィックデータが含まれており、そのグラフィックデータに含まれる位置データおよび図形データに基づいて新しい道路を描画して重畳表示する。詳細を後述するが、グラフィックデータは、記憶装置224に記憶されていない道路を表示装置225に描画するための図形情報(点列とグラフィックパーツ)およびそれらの位置(緯度・経度)情報である。
【0013】
一実施の形態の動作を説明する前に、センター210の各種機能の詳細を説明する。図3は、端末装置221が最適ルートの探索をセンター210へ要求するときに端末装置221からセンター210へ送られる端末送信情報3を示す。端末送信情報3は、ベンダー番号31、バージョン番号32、現在地33、目的地34、グラフィックパーツ集バージョン35などから構成される。ベンダー番号31とバージョン番号32は、端末装置221の記憶装置224に記憶されている道路地図のベンダーを識別する番号(例えば、MAP−001)と、その道路地図のバージョンを表す番号(例えば、1.0)である。
【0014】
現在地33は、自動車220の現在位置を示す緯度・経度を含む位置情報である。この現在地33は、端末装置221の操作部材(不図示)を用いて自動車220の乗員が直接、入力した位置情報であってもよいし、通信装置222を介して路車間通信を行い、路側のビーコン装置から入手した位置情報であってもよい。もちろん、GPS受信機を登載する場合にはGPS受信機により検出した現在位置を現在地33とする。目的地は、自動車220の乗員が端末装置221の操作部材を用いて入力した緯度・経度を含む位置情報である。グラフィックパーツ集バージョン番号35は、端末装置221の記憶装置224に記憶されているグラフィックパーツ集のバージョン番号(例えば、1.0)である。詳細を後述するが、このグラフィックパーツ集は、端末装置221の記憶装置224に記憶されていない道路を表示装置225に描画するための図形データ集である。
【0015】
図4は、図1に示すセンター210のマルチ地図データ格納機能216の詳細な構成を示すブロック図である。センター210は、市場で流通している主要ベンダーのすべてのバージョンの道路地図データをマルチ地図データ格納機能216に格納している。例えば、道路地図ベンダーA社の地図情報411として、バージョン1の道路ネットワークデータ412、バージョン2の道路ネットワークデータ413、・・など、A社のすべての新旧バージョンの道路地図データを記憶し、また道路地図ベンダーB社の地図情報421として、バージョン1の道路ネットワークデータ422、バージョン2の道路ネットワークデータ423、・・など、B社のすべての新旧バージョンの道路地図データを記憶している。マルチ地図データ格納機能216は、道路地図ベンダー各社から最新バージョンの道路地図が出版されるたびに道路地図データを更新する。
【0016】
図5は、図1に示すセンター210の差分認識機能215の詳細な構成を示すブロック図である。差分認識機能215は、自動車210の端末装置221に登載される地図と同一ベンダーの最新バージョンの地図との差分、あるいは異なるベンダー間の最新バージョンの地図どうしの差分を抽出する機能の他に、端末装置221の道路地図データにない道路を描画する機能、最適ルートを探索するのに最適な地図を選択する機能などを備えている。各社最新地図差分抽出機能501は、地図ベンダー各社の最新バージョンの地図データどうしの差分を抽出し、データベースに格納する。例えば、データベース502にはA社とB社の最新バージョン地図の差分データが記憶され、データベース503にはA社とC社の最新バージョン地図の差分データが記憶され、データベース504にはB社とC社の最新バージョン地図の差分データが記憶される。ここで、道路地図どうしの差分データには、一方の道路地図にあって他方の道路地図にない新しい道路に関するネットワークデータの他に、廃止された道路に関するネットワークデータも含まれる。
【0017】
また、A社地図差分抽出機能511は、地図ベンダーA社の最新バージョン地図に対するすべての旧バージョンの地図との差分データを抽出し、データベースに格納する。例えば、データベース512にはA社の最新バージョン地図とバージョン1の地図との差分データが記憶され、データベース513にはA社の最新バージョン地図とバージョン2の地図との差分データが記憶される。同様に、B社地図差分抽出機能521は、地図ベンダーB社の最新バージョン地図に対するすべての旧バージョンの地図との差分データを抽出し、データベースに格納する。例えば、データベース522にはB社の最新バージョン地図とバージョン1の地図との差分データが記憶され、データベース523にはB社の最新バージョン地図とバージョン2の地図との差分データが記憶される。各社最新地図差分抽出機能501および各社地図差分抽出機能511、521、・・は、道路地図ベンダー各社から新しいバージョンの道路地図が出版されるたびに差分データを抽出し、該当するデータベースに記憶されている差分データを更新する。
【0018】
差分点列作成機能531は、上述した各社最新地図差分抽出機能501と各社別の地図差分抽出機能511、521、・・により抽出された差分データに基づいて、端末装置221の記憶装置224に記憶されていない新しい道路を点列により描画するための点列情報と、拡大表示した道路地図上に新しい道路を描画するためのグラフィックパーツ集情報とを作成する。グラフィックパーツ集認識機能541は、端末装置221の記憶装置224に記憶されているグラフィックパーツ集のバージョン番号35(図3参照)を認識する機能である。送信データ作成機能551は、端末装置221へ送信する各種データを作成する。送信データには、上述した新しい道路を描画するための図形情報として点列情報およびグラフィックパーツ集情報とそれらの位置情報が含まれる。経路を加味した最適地図選択機能561は、端末装置221が要求する目的地への最適なルートを探索するのに最適な道路地図を選択する。選択された道路地図を用いて、上述した最適ルート探索機能213(図1参照)が自動車220の現在地から目的地までの最適ルートを探索する。
【0019】
図6は、端末装置221に記憶されていない道路を描画するためのグラフィックパーツ集情報6を示す。グラフィックパーツ集情報6には、グラフィックパーツ集のバージョン番号61、パーツ番号62、直線道路や交差点などのグラフィックパーツの形状63の情報の他に、各グラフィックパーツが持つべき距離64、各グラフィックパーツの向くべき方向65、各グラフィックパーツの始点66の緯度・経度、各グラフィックパーツの終点67の緯度・経度などが含まれる。このグラフィックパーツ集情報6は、センター210の上述した送信データ作成機能551(図5参照)により設定され、端末装置221へ送られる。
【0020】
図7は、端末装置221に記憶されていない新しい道路区間をセンター210から送られた図形情報の内の点列情報とその位置情報に基づいて描画した例を示す。図において、実線で示す道路区間701と702は端末装置221の記憶装置224に記憶されている道路地図データにより描画した道路である。破線で示す道路区間703は、端末装置221の記憶装置224に道路地図データが記憶されておらず、センター210から送られた新しい道路区間の点列情報とその位置情報に基づいて、表示中の道路地図に重畳して描画した道路である。
【0021】
図8は、端末装置221に記憶されていない新しい道路区間をセンター210から送られた図形情報の内のグラフィックパーツ集情報6(図6参照)に基づいて描画した例を示す。図7に示す例では、センター210から取得した点列情報とその位置情報にしたがって新しい道路を描画したが、端末装置221の表示装置225に道路地図が拡大表示される場合には、道路の形状を詳細に描画する必要があるため、センター210から取得したグラフィックパーツ集情報6、すなわちグラフィックパーツ情報とその位置情報にしたがって新しい道路を描画する。図8において、道路区間801と802は端末装置221の記憶装置224に記憶されている道路地図データにしたがってグラフィックパーツ集を用いて描画した道路である。一方、道路区間803は、端末装置221の記憶装置224に道路地図データが記憶されておらず、センター210から送られた新しい道路のグラフィックパーツ情報とその位置情報に基づいて、表示中の道路地図に重畳して描画した道路である。
【0022】
図9は、端末装置221の記憶装置224に記憶されているグラフィックパーツ集の中のグラフィックパーツ例を示す。(a)は交差点のグラフィックパーツ901を示し、(b)はT字路のグラフィックパーツ902を示す。また、(c)は曲線路のグラフィックパーツ903を示し、(d)は施設“コンビニ”のグラフィックパーツ904を示す。端末装置221の表示装置225に道路地図を拡大表示する場合に、端末装置221の記憶装置224に道路地図データが記憶されている道路区間は、上述したようなグラフィックパーツを用いて道路地図データにしたがって道路を描画する。しかし、端末装置に道路地図データが記憶されていない道路区間については、センター210から送られたグラフィックパーツ集情報6、すなわちグラフィックパーツとその位置データにしたがって道路地図上に新しい道路を描画する。なお、表示される道路地図の拡大倍率に応じてそれぞれのグラフィックパーツを拡大または縮小して用いる。
【0023】
次に、図2に示すフローチャートにより一実施の形態の動作を説明する。図2おいて、(a)は端末装置221の動作を示すフローチャートであり、(b)はセンター210の動作を示すフローチャートである。自動車220の乗員が操作部材(不図示)により目的地を入力して最適ルートの探索を要求すると、端末装置221は図2(a)に示す動作を開始する。ステップ11において、記憶装置224に記憶されている道路地図のベンダーとバージョン番号およびグラフィックパーツ集のバージョン番号、乗員により入力された現在地または路車間通信やGPS受信機から取得した現在地、乗員により入力された目的地などにより端末送信情報3(図3参照)を設定する。続くステップ12では端末送信情報3を通信装置222を介してセンター210へ送信する。
【0024】
センター210は、ステップ13において端末装置221から端末送信情報3を受信し、続くステップ14で、マルチ地図格納機能216(図4参照)に記憶されている地図ベンダー各社の最新バージョンの道路地図の中からルート探索に最適な地図を選択し、自動車220の現在地から目的地までの最適なルートを探索する。
【0025】
図10は、図2のステップ14における最適ルートの探索動作の詳細を示すフローチャートである。ステップ101において、端末装置221から送られた端末送信情報3の中から自動車220の現在地と目的地を読み出し、続くステップ102で、端末送信情報3の中から端末装置221が持つ道路地図のベンダーとバージョン番号を読み出す。ステップ103では、端末装置221が持つ道路地図が最新バージョンのものでない場合に、マルチ地図格納機能216から端末装置221と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図を読み出す。ステップ104において、差分認識機能215(図5参照)の最適地図選択機能561によって、端末装置221と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図と他のベンダーの最新バージョンの道路地図との差分に基づいて、各ベンダーの最新バージョンの道路地図の中から、自動車220の現在地から目的地までの間の地図メッシュにおいて、道路ネットワークが最新で、かつ最も多くのネットワーク情報を持つルート探索に最適な道路地図を選択する。
【0026】
ステップ105において、選択した最新バージョンの道路地図のネットワーク情報を用いて、最適ルート探索機能213により周知のルート探索方法で自動車220の現在地から目的地までの最適なルートを探索する。ステップ106では、探索結果の最適ルートと端末装置221が持つ道路地図との差分を抽出する。具体的には、差分認識機能215(図5参照)により、まず、ルート探索に用いた最新バージョンの道路地図と、端末装置221と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図との差分を抽出する。なお、ルート探索に用いた最新バージョンの道路地図が端末装置221と同一ベンダーにより製作された道路地図である場合には、この差分抽出処理は不要である。次に、端末装置221と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図と端末装置221が持つ道路地図との差分を抽出する。そして、これらの二つの差分データに基づいて、探索結果の最適ルート上の道路の内、端末装置221の記憶装置224に道路ネットワーク情報が記録されていない道路区間を検索し、当該道路区間の道路ネットワーク情報を抽出する。すなわち、端末装置221に最適ルートを表示する場合に、端末装置221が持つ道路情報が欠落していて表示できない道路区間の道路ネットワーク情報を抽出する。ステップ106における新しい道路区間の道路ネットワーク情報の上述した抽出方法によれば、端末装置221においてどの道路区間のネットワーク情報が欠落しているのかを簡単に速く検索することができる。
【0027】
図2のステップ15において、探索結果の最適ルート上の道路が、端末装置221が持つ地図バージョンのネットワーク情報と差異があるか否か、つまり、端末装置221が持つ道路地図が探索結果の最適ルートの道路ネットワーク情報をすべて持っているか否かを判定する。続くステップ16で、端末装置221が持つ道路地図に最適ルートの道路ネットワーク情報の一部が欠落している場合はステップ17へ進み、欠落がない場合はステップ18へ進む。ステップ17では、端末装置221が持っていない新しい道路の緯度・経路の点列情報とグラフィックパーツ集情報を作成する。
【0028】
図11は、図2のステップ17における新しい道路の点列情報とグラフィックパーツ集情報を作成する処理の詳細を示すフローチャートである。ステップ111において、探索結果の最適ルート上の道路の内、端末装置221の道路地図に道路ネットワーク情報が記憶されている道路区間を抽出する。続くステップ112では、探索結果の最適ルート上の道路の内、端末装置221の道路地図に道路ネットワーク情報が記憶されていない道路区間を抽出する。ステップ113において、ステップ111とステップ112で抽出した道路の相互の接続位置に緯度、経度の差異がある場合には、ステップ112で抽出した道路側の接続部分の位置を補正してステップ111で抽出した道路の接続部分と一致するように補正する。この位置補正は接続部分のみでなく、その周辺から道路ネットワークデータの緯度と経度を少しずつずらし、急激に道路形状が変わらないようにする。
【0029】
ステップ114で、端末装置221の道路地図に道路ネットワーク情報が記憶されていない道路区間のネットワーク情報を最適ルートにしたがって緯度、経度の点列およびグラフィックパーツで作成する。このとき上述したような補正があった場合には、補正後の最適ルートにしたがって最適ルート上の新しい道路区間のネットワーク情報を作成する。続くステップ115で、探索結果の最適ルートに接続している道路の中で、端末装置221の道路地図には記載があるが実際にはなくなっている道路があるか否かを調べる。端末装置221の道路地図上で最適ルートに接続している道路の内、実際にはなくなっているものがあればステップ116へ進む。ステップ116では、すでになくなっている道路のネットワークデータから削除点列を作成する。削除点列は端末側で×印などで表示することができるような道路削除情報である。
【0030】
図2のステップ18において、センター210は、最適ルート情報や、端末装置221がネットワーク情報を持っていない道路区間の位置および図形情報、すなわち緯度・経度の点列情報とグラフィックパーツ集情報などの経路情報を端末装置221へ送信する。端末装置221は、ステップ19で、センター210から送信された経路情報を受信する。ステップ20で、最適ルート上の道路が端末装置221の記憶装置224に記憶されている道路地図にあるか否かを判定し、最適ルート上の道路の内、一部の道路区間が端末装置221の道路地図にない場合はステップ21へ進み、最適ルート上のすべての道路が端末装置221の道路地図にある場合はステップ23へ進む。ステップ21において、センター210から送られた端末装置221の道路地図にない道路区間の点列情報に基づいて地図形式のグラフィックを作成し、続くステップ22で端末装置221の記憶装置224から現在地周辺の道路地図を読み出し、その道路地図上に新しい道路のグラフィック(点列)を重畳描画する。なお、端末装置221の表示装置225に道路地図を拡大表示する場合には、センター210から送られたグラフィックパーツ集情報6にしたがって拡大道路地図上に新しい道路の詳細な図形を重畳描画する。ステップ23では、現在地周辺の道路地図上に重畳描画した新しい道路を含む最適ルートを表示装置225に表示する。
【0031】
センター210から送られた最適ルート上の道路に端末装置221の道路地図にない道路区間がある場合に、センター210から送られた点列情報に基づいてグラフィックを作成し、道路地図上に新たしい道路のグラフィックを重畳描画する。その結果、図7に示すように、端末装置221の道路701と702の間に、センター210の点列情報に基づいて作成された新しい道路703が点列で表示される。このとき、端末装置221の表示装置225に道路地図が拡大表示される場合は、図8に示すように、端末装置221の道路801と802の間に、センター210から送られた新しい道路のグラフィックパーツ集情報6(図6参照)に基づいて作成された新しい道路803のグラフィックパーツ(図形)が表示される。
【0032】
図12は一般的な道路ネットワーク情報の構成を示す図である。従来の地図表示システムでは、地図表示端末装置が持つ道路地図が旧いバージョンである場合に、センターから新しい道路地図データが配信されて道路地図が更新される。そのとき、センターから地図表示端末装置へ送られる道路地図データは、すべての道路をノードとリンクに区切り、図12に示すようなすべてのノードおよびリンクに関する大量のネットワーク情報を含む大容量のデータとなる。そのため、道路地図を更新するための通信コストと通信時間が大きな負担になる。しかし、上述した一実施の形態の地図表示システムによれば、端末装置221にない道路の点列情報とグラフィックパーツ集情報をセンター210から端末装置221へ送るだけであり、その情報量は格段に少なくなる。
【0033】
このように、上述した一実施の形態の地図表示システムによれば、端末装置221に記憶されている道路地図のバージョンが古くて、最適ルート上の一部の道路区間の道路ネットワーク情報がない場合でも、最新の道路地図に基づいて探索した最適ルートを端末装置に表示することができる。また、地図を更新することなく、最適ルートを点列情報で表示することができ、地図を更新するためのコストおよび時間を削減することができる。
【0034】
今日では、カーナビゲーションや携帯電話などでルート探索の結果を表示し、ユーザーを最適ルートに沿って誘導するのに大いに役立っているが、道路ネットワークは日々変化しており、地図のバージョンが旧いと有効なルートすら選択できないことが多い。また、地図のバージョンを最新に保つために、ユーザーにとって多大なコストと時間を要する。本発明は、地図のバージョンアップや差分更新をすることなく、旧い地図のままでも最新の道路ネットワークを利用した最適ルートを表示して利用者を目的地へ誘導することができ、カーナビゲーション端末やカーナビセンターにて利用される可能性が大きいと考えられる。
【0035】
なお、上述した一実施の形態の地図表示システムでは、端末装置に記憶されていない道路区間の点列情報とグラフィックパーツ集情報の両方をセンターで作成して端末装置へ送る例を示したが、最初に点列情報だけを作成して端末装置へ送り、端末装置で道路地図を拡大表示する場合には、センターへグラフィックパーツ集情報の作成と送信を改めて要求する手順としてもよい。
【0036】
また、上述した一実施の形態の地図表示システムでは、各ベンダーの最新バージョンの道路地図の中で、現在地から目的地までの地図メッシュにおける道路ネットワークが最新で、かつ最多のネットワーク情報を持つ道路地図をルート探索に用いる例を示したが、単に端末装置と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図をルート探索に用いるようにしてもよい。この場合、端末装置と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図と端末装置が持つ旧バージョンの道路地図との差分を抽出し、その差分と探索結果の最適ルートとの照合により端末装置の道路地図にない道路区間を抽出すればよい。この変形例では、上述した一実施の形態のような最適ルートを探索できない場合もあるが、実用的には十分であり、各ベンダーの最新バージョン地図の中からルート探索用地図を選択する処理が不要となり、また、端末装置の道路地図にない道路区間を抽出するのに要する計算時間を短縮することができる。
【0037】
上述した実施の形態とその変形例によれば以下のような作用効果を奏することができる。まず、端末装置221からセンター210へ現在地、目的地および道路地図に関する情報を送信するとともに、センター210により探索された現在地から目的地までの最適経路に関する情報、すなわち現在地から目的地までの最適経路と、最適経路上の道路の内、端末装置221に記憶されていない道路を描画するための位置および図形情報を受信し、端末装置221に記憶されている道路地図上に最適経路を描画するとともに、位置および図形情報に基づいて端末装置221に記憶されていない道路を描画し、端末装置221の表示装置225に表示するようにしたので、端末装置221に記憶されている道路地図を更新することなく、センター210において最新の道路地図で探索した最適経路を端末装置221に表示することができ、地図更新のためのセンター210との通信時間およびコストを低減することができる。
【0038】
次に、一実施の形態によれば、センター210から端末装置221に記憶されていない道路を点列で描画するための図形情報を送り、端末装置221で位置および図形情報に基づいて端末装置221に記憶されていない道路を点列で描画するようにしたので、センター210から端末装置221へ送信する情報量が最少になり、端末装置221に記憶されている道路地図を更新することなく、センター210において最新の道路地図で探索した最適経路を端末装置221に表示することができ、地図更新のためのセンター210との通信時間およびコストを大幅に低減することができる。
【0039】
また、一実施の形態によれば、端末装置221に道路をグラフィックパーツ(道路の各部を表す図形)で描画するための複数種類のグラフィックパーツを記憶しておき、センター210から端末装置221に記憶されていない道路をグラフィックパーツで描画するためにグラフィックパーツの種類を指定するグラフィックパーツ集情報を送り、端末装置221で道路地図を拡大表示する場合に、位置およびグラフィックパーツ集情報に基づいて端末装置221に記憶されていない道路をグラフィックーパーツで描画するようにしたので、道路地図を拡大表示する場合でも、センター210から端末装置221へ送信する情報量が最少になり、端末装置221に記憶されている道路地図を更新することなく、センター210において最新の道路地図で探索した最適経路を端末装置221に表示することができ、地図更新のためのセンター210との通信時間およびコストを大幅に低減することができる。
【0040】
一実施の形態によれば、端末装置221からセンター210へ道路地図のベンダーとバージョンを含む道路地図に関する情報を送り、センター210において、現在地から目的地までの最適経路を探索するとともに、最適経路上の道路の内、道路地図のベンダーとバージョンに基づいて端末装置221に記憶されていない道路を抽出し、その道路の位置および図形情報と最適経路を端末装置221へ送るようにしたので、端末装置221に記憶されていない道路を正確に抽出することができ、端末装置221に記憶されている道路地図を更新することなく、センター210において最新の道路地図で探索した最適経路を端末装置221に表示することができる。
【0041】
さらに、一実施の形態によれば、センター210に複数のベンダーの最新バージョンから旧バージョンまでの複数の道路地図を記憶しておき、複数ベンダーの最新バージョンの道路地図の中から、現在地から目的地までの最適経路を探索するための最適な道路地図を選択し、最適な道路地図に基づいて現在地から目的地までの最適経路を探索するとともに、探索結果の最適経路上の道路の内、端末装置221に記憶されていない道路を抽出して最適経路に関する情報を作成し、端末装置221へ送信するようにしたので、端末装置221の道路地図を更新することなく、最新で最多の道路ネットワーク情報を持つ道路地図を用いて最適経路を探索することができ、端末装置221に記憶されている道路地図を用いて経路探索を行った場合よりも最適な経路を表示することができる。
【0042】
さらにまた、一実施の形態によれば、センター210において、複数のベンダーの最新バージョン地図どうしの差分、および、端末装置211の道路地図と、端末装置211と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図との差分を記憶しておき、これら二つの差分と探索結果の最適経路とに基づいて、最適経路上の道路の内、端末装置221に記憶されていない道路を抽出するようにしたので、経路探索に用いた最適地図上の最適経路の道路の内、端末装置221の道路地図にはない道路を正確に速く抽出することができる。
【符号の説明】
【0043】
210;テレマティックスサービス提供センター(センター)、212;通信装置、213;最適ルート探索機能、215;差分認識機能、216;マルチ地図データ格納機能、221;地図表示端末装置(端末装置)、222;通信装置、223;制御装置、224;記憶装置、225;表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路地図を表示する地図表示端末装置および地図表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレマティックスサービス提供センターから最新バージョンの道路地図データを地図表示端末装置へ配信して更新するようにした地図表示端末装置および地図表示システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この端末装置およびシステムでは、端末装置の道路地図データが旧バージョンのデータであると判明した場合に、センターから予め最新バージョンの道路地図データの一部を端末装置へ配信し、端末装置から更新要求があると改めて最新バージョンの道路地図データのすべてを端末装置へ配信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−125510号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の地図表示端末装置および地図表示システムでは、センターから配信される道路地図データが端末装置の道路地図データと同一フォーマットでないと更新できず、同一フォーマットであっても道路地図データをダウンロードして更新するのに通信時間とコストがかかるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明は、道路地図を記憶する記憶手段と、外部装置へ現在地、目的地および道路地図に関する情報を送信し、外部装置により探索された現在地から目的地までの最適経路に関する情報を受信する通信手段と、道路地図を表示する表示手段と、記憶手段に記憶されている道路地図上に最適経路に関する情報を描画して表示手段に表示する制御手段とを備え、最適経路に関する情報は、現在地から目的地までの最適経路と、最適経路上の道路の内、記憶手段に記憶されていない道路を描画するための位置および図形情報であり、制御手段は、記憶手段に記憶されている道路地図上に最適経路を描画するとともに、位置および図形情報に基づいて記憶手段に記憶されていない道路を描画する。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の地図表示端末装置において、図形情報は、記憶手段に記憶されていない道路を点列で描画するための情報であり、制御手段は、位置および図形情報に基づいて記憶手段に記憶されていない道路を点列で描画する。
(3) 請求項3の発明は、請求項1に記載の地図表示端末装置において、記憶手段は、道路を図形で描画するための複数種類の図形を記憶しており、図形情報は、記憶手段に記憶されていない道路を図形で描画するために図形の種類を指定する情報であり、制御手段は、表示手段に道路地図を拡大表示する場合には、位置および図形情報に基づいて記憶手段に記憶されていない道路を図形で描画する。
(4) 請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の地図表示端末装置において、道路地図に関する情報は、道路地図のベンダーとバージョンであり、最適経路に関する情報は、現在地から目的地までの最適経路と、最適経路上の道路の内、道路地図のベンダーとバージョンに基づいて抽出された記憶手段に記憶されていない道路の位置および図形情報である。
(5) 請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の地図表示端末装置と、道路地図を記憶する外部記憶手段、現在地から目的地までの最適経路を探索する外部探索手段、および、地図表示端末装置から現在地、目的地および道路地図に関する情報を受信し、地図表示端末装置へ現在地から目的地までの最適経路に関する情報を送信する外部通信手段を備えた外部装置とからなる地図表示システムであって、外部記憶手段は、複数のベンダーの最新バージョンから旧バージョンまでの複数の道路地図を記憶し、外部探索手段は、外部記憶手段に記憶されている複数ベンダーの最新バージョンの道路地図の中から、現在地から目的地までの最適経路を探索するための最適な道路地図を選択し、最適な道路地図に基づいて現在地から目的地までの最適経路を探索するとともに、最適経路上の道路の内、地図表示端末装置に記憶されていない道路を抽出して最適経路に関する情報を作成し、外部通信手段は、外部探索手段により作成された最適経路に関する情報を地図表示端末装置へ送信する。
(6) 請求項6の発明は、請求項5に記載の地図表示システムにおいて、外部記憶手段は、複数のベンダーの最新バージョン地図どうしの差分、および、地図表示端末装置の道路地図と、地図表示端末装置と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図との差分を記憶し、外部探索手段は、記憶手段に記憶されている二つの差分と、探索結果の最適経路とに基づいて、最適経路上の道路の内、地図表示端末装置に記憶されていない道路を抽出する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、地図表示端末装置に記憶されている道路地図を更新することなく、センターにおいて最新の道路地図で探索した最適経路を地図表示端末装置に表示することができ、地図更新のためのセンターとの通信時間およびコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】地図表示端末装置および地図表示システムの一実施の形態の構成を示すブロック図
【図2】地図表示端末装置および地図表示システムの一実施の形態の動作を示すフローチャート
【図3】端末装置221が最適ルートの探索をセンター210へ要求するときに端末装置221からセンター210へ送られる端末送信情報3を示す図
【図4】図1に示すセンター210のマルチ地図データ格納機能216の詳細な構成を示すブロック図
【図5】図1に示すセンター210の差分認識機能215の詳細な構成を示すブロック図
【図6】端末装置221に記憶されていない道路を描画するためのグラフィックパーツ集情報6を示す図
【図7】端末装置221に記憶されていない道路区間をセンター210から送られた点列情報に基づいて描画した例を示す図
【図8】端末装置221に記憶されていない道路区間をセンター210から送られたグラフィックパーツ集情報6に基づいて描画した例を示す図
【図9】端末装置221の記憶装置224に記憶されているグラフィックパーツ集の中のグラフィックパーツ例を示す図
【図10】図2のステップ14における最適ルートの探索動作の詳細を示すフローチャート
【図11】図2のステップ17における新しい道路の点列情報とグラフィックパーツ集情報を作成する処理の詳細を示すフローチャート
【図12】一般的な道路ネットワーク情報の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
テレマティックスサービス提供センター(以下、単にセンターと呼ぶ)から道路地図情報の提供を受ける地図表示端末装置(以下、単に端末装置と呼ぶ)として、自動車に登載したモバイル地図表示端末装置を例に挙げて本発明の一実施の形態を説明する。なお、本発明の地図表示端末装置は、一実施の形態の自動車に登載するモバイル地図表示端末装置に限定されず、歩行携帯型あるいは自転車に登載されるような地図表示端末装置であってもよいし、一般に普及しているナビゲーション装置に組み込まれる地図表示端末装置であってもよい。また、センターとしては端末装置へ道路地図情報を提供するあらゆる形態のセンターを含み、道路地図情報の他に渋滞や事故、通行止めなどの道路交通情報を含むあらゆる情報を提供するものであってもよい。
【0009】
図1は地図表示端末装置および地図表示システムの一実施の形態の構成を示すブロック図であり、図2は地図表示端末装置および地図表示システムの一実施の形態の動作を示すフローチャートである。一実施の形態の地図表示システムは、センター210と、モバイル地図表示端末装置(以下、単に端末装置と呼ぶ)221を登載した自動車220と、センター210と自動車220との間の無線通信を媒介する移動体通信網230とから構成される。なお、図1では1台の自動車220を示すが、1基のセンター210は多くの自動車220に対して各種のサービスを提供する。
【0010】
この一実施の形態の地図表示システムは、端末装置221を登載した自動車220から現在地、目的地、記憶している道路地図のベンダーとそのバージョンなどをセンター210へ送信し、センター210で最新バージョンの道路地図データを用いて目的地までの最適なルートを探索して自動車220の端末装置へ提供する際に、端末装置の地図ベンダーとバージョンにより最適ルート上の一部の道路のリンク情報が端末装置の道路地図データにない場合に、リンク情報がない道路を端末装置221に表示するためのグラフィックデータを端末装置221へ提供する。これにより、地図ベンダーやバージョンが異なっていても、最小の通信時間とコストで最新の道路地図による最適ルートを端末装置221で表示することができる。
【0011】
図1において、センター210は、移動体通信網230を介して自動車220の端末装置221と無線通信を行う通信装置212の他に、コンピューターやメモリを含む各種のハードウエアとコンピューターのソフトウエアにより構成される各種機能を備えており、それらは互いにデータバス211を介して各種情報の授受を行う。最適ルート探索機能213は、自動車220の現在地から目的地までの最適なルートを探索する。交通情報生成機能214は、通信装置212を介して取得した現在の道路交通情報と記憶装置224に記憶されている過去の道路交通情報の統計データに基づいて交通情報を生成する。差分認識機能215は、自動車220に登載される地図と同一ベンダーの最新バージョンの地図との差分、あるいは異なるベンダー間の最新バージョンの地図の差分を抽出する。マルチ地図データ格納機能216は、あらゆるベンダーのあらゆるバージョンの地図データを格納している。
【0012】
一方、自動車220は、移動体通信網230を介してセンター210と無線通信を行う通信装置222の他に、マイクロコンピューターやメモリを含む各種のハードウエアとマイクロコンピューターのソフトウエアにより構成されるモバイル地図表示端末装置(端末装置)221を備えている。端末装置221は、地図表示制御を実行する制御装置223、道路地図を記憶する記憶装置224、道路地図を表示する表示装置225を備えている。制御装置223は、記憶装置224から現在地周辺の道路地図を読み出して表示装置225に表示するとともに、通信装置222を介してセンター210から入手した目的地までの最適ルートを表示装置225の道路地図上に重畳して表示する。なお、センター210から入手した最適ルートの地図データには、最適ルート上の道路の内、端末装置221の記憶装置224に記憶されていない道路に関するグラフィックデータが含まれており、そのグラフィックデータに含まれる位置データおよび図形データに基づいて新しい道路を描画して重畳表示する。詳細を後述するが、グラフィックデータは、記憶装置224に記憶されていない道路を表示装置225に描画するための図形情報(点列とグラフィックパーツ)およびそれらの位置(緯度・経度)情報である。
【0013】
一実施の形態の動作を説明する前に、センター210の各種機能の詳細を説明する。図3は、端末装置221が最適ルートの探索をセンター210へ要求するときに端末装置221からセンター210へ送られる端末送信情報3を示す。端末送信情報3は、ベンダー番号31、バージョン番号32、現在地33、目的地34、グラフィックパーツ集バージョン35などから構成される。ベンダー番号31とバージョン番号32は、端末装置221の記憶装置224に記憶されている道路地図のベンダーを識別する番号(例えば、MAP−001)と、その道路地図のバージョンを表す番号(例えば、1.0)である。
【0014】
現在地33は、自動車220の現在位置を示す緯度・経度を含む位置情報である。この現在地33は、端末装置221の操作部材(不図示)を用いて自動車220の乗員が直接、入力した位置情報であってもよいし、通信装置222を介して路車間通信を行い、路側のビーコン装置から入手した位置情報であってもよい。もちろん、GPS受信機を登載する場合にはGPS受信機により検出した現在位置を現在地33とする。目的地は、自動車220の乗員が端末装置221の操作部材を用いて入力した緯度・経度を含む位置情報である。グラフィックパーツ集バージョン番号35は、端末装置221の記憶装置224に記憶されているグラフィックパーツ集のバージョン番号(例えば、1.0)である。詳細を後述するが、このグラフィックパーツ集は、端末装置221の記憶装置224に記憶されていない道路を表示装置225に描画するための図形データ集である。
【0015】
図4は、図1に示すセンター210のマルチ地図データ格納機能216の詳細な構成を示すブロック図である。センター210は、市場で流通している主要ベンダーのすべてのバージョンの道路地図データをマルチ地図データ格納機能216に格納している。例えば、道路地図ベンダーA社の地図情報411として、バージョン1の道路ネットワークデータ412、バージョン2の道路ネットワークデータ413、・・など、A社のすべての新旧バージョンの道路地図データを記憶し、また道路地図ベンダーB社の地図情報421として、バージョン1の道路ネットワークデータ422、バージョン2の道路ネットワークデータ423、・・など、B社のすべての新旧バージョンの道路地図データを記憶している。マルチ地図データ格納機能216は、道路地図ベンダー各社から最新バージョンの道路地図が出版されるたびに道路地図データを更新する。
【0016】
図5は、図1に示すセンター210の差分認識機能215の詳細な構成を示すブロック図である。差分認識機能215は、自動車210の端末装置221に登載される地図と同一ベンダーの最新バージョンの地図との差分、あるいは異なるベンダー間の最新バージョンの地図どうしの差分を抽出する機能の他に、端末装置221の道路地図データにない道路を描画する機能、最適ルートを探索するのに最適な地図を選択する機能などを備えている。各社最新地図差分抽出機能501は、地図ベンダー各社の最新バージョンの地図データどうしの差分を抽出し、データベースに格納する。例えば、データベース502にはA社とB社の最新バージョン地図の差分データが記憶され、データベース503にはA社とC社の最新バージョン地図の差分データが記憶され、データベース504にはB社とC社の最新バージョン地図の差分データが記憶される。ここで、道路地図どうしの差分データには、一方の道路地図にあって他方の道路地図にない新しい道路に関するネットワークデータの他に、廃止された道路に関するネットワークデータも含まれる。
【0017】
また、A社地図差分抽出機能511は、地図ベンダーA社の最新バージョン地図に対するすべての旧バージョンの地図との差分データを抽出し、データベースに格納する。例えば、データベース512にはA社の最新バージョン地図とバージョン1の地図との差分データが記憶され、データベース513にはA社の最新バージョン地図とバージョン2の地図との差分データが記憶される。同様に、B社地図差分抽出機能521は、地図ベンダーB社の最新バージョン地図に対するすべての旧バージョンの地図との差分データを抽出し、データベースに格納する。例えば、データベース522にはB社の最新バージョン地図とバージョン1の地図との差分データが記憶され、データベース523にはB社の最新バージョン地図とバージョン2の地図との差分データが記憶される。各社最新地図差分抽出機能501および各社地図差分抽出機能511、521、・・は、道路地図ベンダー各社から新しいバージョンの道路地図が出版されるたびに差分データを抽出し、該当するデータベースに記憶されている差分データを更新する。
【0018】
差分点列作成機能531は、上述した各社最新地図差分抽出機能501と各社別の地図差分抽出機能511、521、・・により抽出された差分データに基づいて、端末装置221の記憶装置224に記憶されていない新しい道路を点列により描画するための点列情報と、拡大表示した道路地図上に新しい道路を描画するためのグラフィックパーツ集情報とを作成する。グラフィックパーツ集認識機能541は、端末装置221の記憶装置224に記憶されているグラフィックパーツ集のバージョン番号35(図3参照)を認識する機能である。送信データ作成機能551は、端末装置221へ送信する各種データを作成する。送信データには、上述した新しい道路を描画するための図形情報として点列情報およびグラフィックパーツ集情報とそれらの位置情報が含まれる。経路を加味した最適地図選択機能561は、端末装置221が要求する目的地への最適なルートを探索するのに最適な道路地図を選択する。選択された道路地図を用いて、上述した最適ルート探索機能213(図1参照)が自動車220の現在地から目的地までの最適ルートを探索する。
【0019】
図6は、端末装置221に記憶されていない道路を描画するためのグラフィックパーツ集情報6を示す。グラフィックパーツ集情報6には、グラフィックパーツ集のバージョン番号61、パーツ番号62、直線道路や交差点などのグラフィックパーツの形状63の情報の他に、各グラフィックパーツが持つべき距離64、各グラフィックパーツの向くべき方向65、各グラフィックパーツの始点66の緯度・経度、各グラフィックパーツの終点67の緯度・経度などが含まれる。このグラフィックパーツ集情報6は、センター210の上述した送信データ作成機能551(図5参照)により設定され、端末装置221へ送られる。
【0020】
図7は、端末装置221に記憶されていない新しい道路区間をセンター210から送られた図形情報の内の点列情報とその位置情報に基づいて描画した例を示す。図において、実線で示す道路区間701と702は端末装置221の記憶装置224に記憶されている道路地図データにより描画した道路である。破線で示す道路区間703は、端末装置221の記憶装置224に道路地図データが記憶されておらず、センター210から送られた新しい道路区間の点列情報とその位置情報に基づいて、表示中の道路地図に重畳して描画した道路である。
【0021】
図8は、端末装置221に記憶されていない新しい道路区間をセンター210から送られた図形情報の内のグラフィックパーツ集情報6(図6参照)に基づいて描画した例を示す。図7に示す例では、センター210から取得した点列情報とその位置情報にしたがって新しい道路を描画したが、端末装置221の表示装置225に道路地図が拡大表示される場合には、道路の形状を詳細に描画する必要があるため、センター210から取得したグラフィックパーツ集情報6、すなわちグラフィックパーツ情報とその位置情報にしたがって新しい道路を描画する。図8において、道路区間801と802は端末装置221の記憶装置224に記憶されている道路地図データにしたがってグラフィックパーツ集を用いて描画した道路である。一方、道路区間803は、端末装置221の記憶装置224に道路地図データが記憶されておらず、センター210から送られた新しい道路のグラフィックパーツ情報とその位置情報に基づいて、表示中の道路地図に重畳して描画した道路である。
【0022】
図9は、端末装置221の記憶装置224に記憶されているグラフィックパーツ集の中のグラフィックパーツ例を示す。(a)は交差点のグラフィックパーツ901を示し、(b)はT字路のグラフィックパーツ902を示す。また、(c)は曲線路のグラフィックパーツ903を示し、(d)は施設“コンビニ”のグラフィックパーツ904を示す。端末装置221の表示装置225に道路地図を拡大表示する場合に、端末装置221の記憶装置224に道路地図データが記憶されている道路区間は、上述したようなグラフィックパーツを用いて道路地図データにしたがって道路を描画する。しかし、端末装置に道路地図データが記憶されていない道路区間については、センター210から送られたグラフィックパーツ集情報6、すなわちグラフィックパーツとその位置データにしたがって道路地図上に新しい道路を描画する。なお、表示される道路地図の拡大倍率に応じてそれぞれのグラフィックパーツを拡大または縮小して用いる。
【0023】
次に、図2に示すフローチャートにより一実施の形態の動作を説明する。図2おいて、(a)は端末装置221の動作を示すフローチャートであり、(b)はセンター210の動作を示すフローチャートである。自動車220の乗員が操作部材(不図示)により目的地を入力して最適ルートの探索を要求すると、端末装置221は図2(a)に示す動作を開始する。ステップ11において、記憶装置224に記憶されている道路地図のベンダーとバージョン番号およびグラフィックパーツ集のバージョン番号、乗員により入力された現在地または路車間通信やGPS受信機から取得した現在地、乗員により入力された目的地などにより端末送信情報3(図3参照)を設定する。続くステップ12では端末送信情報3を通信装置222を介してセンター210へ送信する。
【0024】
センター210は、ステップ13において端末装置221から端末送信情報3を受信し、続くステップ14で、マルチ地図格納機能216(図4参照)に記憶されている地図ベンダー各社の最新バージョンの道路地図の中からルート探索に最適な地図を選択し、自動車220の現在地から目的地までの最適なルートを探索する。
【0025】
図10は、図2のステップ14における最適ルートの探索動作の詳細を示すフローチャートである。ステップ101において、端末装置221から送られた端末送信情報3の中から自動車220の現在地と目的地を読み出し、続くステップ102で、端末送信情報3の中から端末装置221が持つ道路地図のベンダーとバージョン番号を読み出す。ステップ103では、端末装置221が持つ道路地図が最新バージョンのものでない場合に、マルチ地図格納機能216から端末装置221と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図を読み出す。ステップ104において、差分認識機能215(図5参照)の最適地図選択機能561によって、端末装置221と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図と他のベンダーの最新バージョンの道路地図との差分に基づいて、各ベンダーの最新バージョンの道路地図の中から、自動車220の現在地から目的地までの間の地図メッシュにおいて、道路ネットワークが最新で、かつ最も多くのネットワーク情報を持つルート探索に最適な道路地図を選択する。
【0026】
ステップ105において、選択した最新バージョンの道路地図のネットワーク情報を用いて、最適ルート探索機能213により周知のルート探索方法で自動車220の現在地から目的地までの最適なルートを探索する。ステップ106では、探索結果の最適ルートと端末装置221が持つ道路地図との差分を抽出する。具体的には、差分認識機能215(図5参照)により、まず、ルート探索に用いた最新バージョンの道路地図と、端末装置221と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図との差分を抽出する。なお、ルート探索に用いた最新バージョンの道路地図が端末装置221と同一ベンダーにより製作された道路地図である場合には、この差分抽出処理は不要である。次に、端末装置221と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図と端末装置221が持つ道路地図との差分を抽出する。そして、これらの二つの差分データに基づいて、探索結果の最適ルート上の道路の内、端末装置221の記憶装置224に道路ネットワーク情報が記録されていない道路区間を検索し、当該道路区間の道路ネットワーク情報を抽出する。すなわち、端末装置221に最適ルートを表示する場合に、端末装置221が持つ道路情報が欠落していて表示できない道路区間の道路ネットワーク情報を抽出する。ステップ106における新しい道路区間の道路ネットワーク情報の上述した抽出方法によれば、端末装置221においてどの道路区間のネットワーク情報が欠落しているのかを簡単に速く検索することができる。
【0027】
図2のステップ15において、探索結果の最適ルート上の道路が、端末装置221が持つ地図バージョンのネットワーク情報と差異があるか否か、つまり、端末装置221が持つ道路地図が探索結果の最適ルートの道路ネットワーク情報をすべて持っているか否かを判定する。続くステップ16で、端末装置221が持つ道路地図に最適ルートの道路ネットワーク情報の一部が欠落している場合はステップ17へ進み、欠落がない場合はステップ18へ進む。ステップ17では、端末装置221が持っていない新しい道路の緯度・経路の点列情報とグラフィックパーツ集情報を作成する。
【0028】
図11は、図2のステップ17における新しい道路の点列情報とグラフィックパーツ集情報を作成する処理の詳細を示すフローチャートである。ステップ111において、探索結果の最適ルート上の道路の内、端末装置221の道路地図に道路ネットワーク情報が記憶されている道路区間を抽出する。続くステップ112では、探索結果の最適ルート上の道路の内、端末装置221の道路地図に道路ネットワーク情報が記憶されていない道路区間を抽出する。ステップ113において、ステップ111とステップ112で抽出した道路の相互の接続位置に緯度、経度の差異がある場合には、ステップ112で抽出した道路側の接続部分の位置を補正してステップ111で抽出した道路の接続部分と一致するように補正する。この位置補正は接続部分のみでなく、その周辺から道路ネットワークデータの緯度と経度を少しずつずらし、急激に道路形状が変わらないようにする。
【0029】
ステップ114で、端末装置221の道路地図に道路ネットワーク情報が記憶されていない道路区間のネットワーク情報を最適ルートにしたがって緯度、経度の点列およびグラフィックパーツで作成する。このとき上述したような補正があった場合には、補正後の最適ルートにしたがって最適ルート上の新しい道路区間のネットワーク情報を作成する。続くステップ115で、探索結果の最適ルートに接続している道路の中で、端末装置221の道路地図には記載があるが実際にはなくなっている道路があるか否かを調べる。端末装置221の道路地図上で最適ルートに接続している道路の内、実際にはなくなっているものがあればステップ116へ進む。ステップ116では、すでになくなっている道路のネットワークデータから削除点列を作成する。削除点列は端末側で×印などで表示することができるような道路削除情報である。
【0030】
図2のステップ18において、センター210は、最適ルート情報や、端末装置221がネットワーク情報を持っていない道路区間の位置および図形情報、すなわち緯度・経度の点列情報とグラフィックパーツ集情報などの経路情報を端末装置221へ送信する。端末装置221は、ステップ19で、センター210から送信された経路情報を受信する。ステップ20で、最適ルート上の道路が端末装置221の記憶装置224に記憶されている道路地図にあるか否かを判定し、最適ルート上の道路の内、一部の道路区間が端末装置221の道路地図にない場合はステップ21へ進み、最適ルート上のすべての道路が端末装置221の道路地図にある場合はステップ23へ進む。ステップ21において、センター210から送られた端末装置221の道路地図にない道路区間の点列情報に基づいて地図形式のグラフィックを作成し、続くステップ22で端末装置221の記憶装置224から現在地周辺の道路地図を読み出し、その道路地図上に新しい道路のグラフィック(点列)を重畳描画する。なお、端末装置221の表示装置225に道路地図を拡大表示する場合には、センター210から送られたグラフィックパーツ集情報6にしたがって拡大道路地図上に新しい道路の詳細な図形を重畳描画する。ステップ23では、現在地周辺の道路地図上に重畳描画した新しい道路を含む最適ルートを表示装置225に表示する。
【0031】
センター210から送られた最適ルート上の道路に端末装置221の道路地図にない道路区間がある場合に、センター210から送られた点列情報に基づいてグラフィックを作成し、道路地図上に新たしい道路のグラフィックを重畳描画する。その結果、図7に示すように、端末装置221の道路701と702の間に、センター210の点列情報に基づいて作成された新しい道路703が点列で表示される。このとき、端末装置221の表示装置225に道路地図が拡大表示される場合は、図8に示すように、端末装置221の道路801と802の間に、センター210から送られた新しい道路のグラフィックパーツ集情報6(図6参照)に基づいて作成された新しい道路803のグラフィックパーツ(図形)が表示される。
【0032】
図12は一般的な道路ネットワーク情報の構成を示す図である。従来の地図表示システムでは、地図表示端末装置が持つ道路地図が旧いバージョンである場合に、センターから新しい道路地図データが配信されて道路地図が更新される。そのとき、センターから地図表示端末装置へ送られる道路地図データは、すべての道路をノードとリンクに区切り、図12に示すようなすべてのノードおよびリンクに関する大量のネットワーク情報を含む大容量のデータとなる。そのため、道路地図を更新するための通信コストと通信時間が大きな負担になる。しかし、上述した一実施の形態の地図表示システムによれば、端末装置221にない道路の点列情報とグラフィックパーツ集情報をセンター210から端末装置221へ送るだけであり、その情報量は格段に少なくなる。
【0033】
このように、上述した一実施の形態の地図表示システムによれば、端末装置221に記憶されている道路地図のバージョンが古くて、最適ルート上の一部の道路区間の道路ネットワーク情報がない場合でも、最新の道路地図に基づいて探索した最適ルートを端末装置に表示することができる。また、地図を更新することなく、最適ルートを点列情報で表示することができ、地図を更新するためのコストおよび時間を削減することができる。
【0034】
今日では、カーナビゲーションや携帯電話などでルート探索の結果を表示し、ユーザーを最適ルートに沿って誘導するのに大いに役立っているが、道路ネットワークは日々変化しており、地図のバージョンが旧いと有効なルートすら選択できないことが多い。また、地図のバージョンを最新に保つために、ユーザーにとって多大なコストと時間を要する。本発明は、地図のバージョンアップや差分更新をすることなく、旧い地図のままでも最新の道路ネットワークを利用した最適ルートを表示して利用者を目的地へ誘導することができ、カーナビゲーション端末やカーナビセンターにて利用される可能性が大きいと考えられる。
【0035】
なお、上述した一実施の形態の地図表示システムでは、端末装置に記憶されていない道路区間の点列情報とグラフィックパーツ集情報の両方をセンターで作成して端末装置へ送る例を示したが、最初に点列情報だけを作成して端末装置へ送り、端末装置で道路地図を拡大表示する場合には、センターへグラフィックパーツ集情報の作成と送信を改めて要求する手順としてもよい。
【0036】
また、上述した一実施の形態の地図表示システムでは、各ベンダーの最新バージョンの道路地図の中で、現在地から目的地までの地図メッシュにおける道路ネットワークが最新で、かつ最多のネットワーク情報を持つ道路地図をルート探索に用いる例を示したが、単に端末装置と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図をルート探索に用いるようにしてもよい。この場合、端末装置と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図と端末装置が持つ旧バージョンの道路地図との差分を抽出し、その差分と探索結果の最適ルートとの照合により端末装置の道路地図にない道路区間を抽出すればよい。この変形例では、上述した一実施の形態のような最適ルートを探索できない場合もあるが、実用的には十分であり、各ベンダーの最新バージョン地図の中からルート探索用地図を選択する処理が不要となり、また、端末装置の道路地図にない道路区間を抽出するのに要する計算時間を短縮することができる。
【0037】
上述した実施の形態とその変形例によれば以下のような作用効果を奏することができる。まず、端末装置221からセンター210へ現在地、目的地および道路地図に関する情報を送信するとともに、センター210により探索された現在地から目的地までの最適経路に関する情報、すなわち現在地から目的地までの最適経路と、最適経路上の道路の内、端末装置221に記憶されていない道路を描画するための位置および図形情報を受信し、端末装置221に記憶されている道路地図上に最適経路を描画するとともに、位置および図形情報に基づいて端末装置221に記憶されていない道路を描画し、端末装置221の表示装置225に表示するようにしたので、端末装置221に記憶されている道路地図を更新することなく、センター210において最新の道路地図で探索した最適経路を端末装置221に表示することができ、地図更新のためのセンター210との通信時間およびコストを低減することができる。
【0038】
次に、一実施の形態によれば、センター210から端末装置221に記憶されていない道路を点列で描画するための図形情報を送り、端末装置221で位置および図形情報に基づいて端末装置221に記憶されていない道路を点列で描画するようにしたので、センター210から端末装置221へ送信する情報量が最少になり、端末装置221に記憶されている道路地図を更新することなく、センター210において最新の道路地図で探索した最適経路を端末装置221に表示することができ、地図更新のためのセンター210との通信時間およびコストを大幅に低減することができる。
【0039】
また、一実施の形態によれば、端末装置221に道路をグラフィックパーツ(道路の各部を表す図形)で描画するための複数種類のグラフィックパーツを記憶しておき、センター210から端末装置221に記憶されていない道路をグラフィックパーツで描画するためにグラフィックパーツの種類を指定するグラフィックパーツ集情報を送り、端末装置221で道路地図を拡大表示する場合に、位置およびグラフィックパーツ集情報に基づいて端末装置221に記憶されていない道路をグラフィックーパーツで描画するようにしたので、道路地図を拡大表示する場合でも、センター210から端末装置221へ送信する情報量が最少になり、端末装置221に記憶されている道路地図を更新することなく、センター210において最新の道路地図で探索した最適経路を端末装置221に表示することができ、地図更新のためのセンター210との通信時間およびコストを大幅に低減することができる。
【0040】
一実施の形態によれば、端末装置221からセンター210へ道路地図のベンダーとバージョンを含む道路地図に関する情報を送り、センター210において、現在地から目的地までの最適経路を探索するとともに、最適経路上の道路の内、道路地図のベンダーとバージョンに基づいて端末装置221に記憶されていない道路を抽出し、その道路の位置および図形情報と最適経路を端末装置221へ送るようにしたので、端末装置221に記憶されていない道路を正確に抽出することができ、端末装置221に記憶されている道路地図を更新することなく、センター210において最新の道路地図で探索した最適経路を端末装置221に表示することができる。
【0041】
さらに、一実施の形態によれば、センター210に複数のベンダーの最新バージョンから旧バージョンまでの複数の道路地図を記憶しておき、複数ベンダーの最新バージョンの道路地図の中から、現在地から目的地までの最適経路を探索するための最適な道路地図を選択し、最適な道路地図に基づいて現在地から目的地までの最適経路を探索するとともに、探索結果の最適経路上の道路の内、端末装置221に記憶されていない道路を抽出して最適経路に関する情報を作成し、端末装置221へ送信するようにしたので、端末装置221の道路地図を更新することなく、最新で最多の道路ネットワーク情報を持つ道路地図を用いて最適経路を探索することができ、端末装置221に記憶されている道路地図を用いて経路探索を行った場合よりも最適な経路を表示することができる。
【0042】
さらにまた、一実施の形態によれば、センター210において、複数のベンダーの最新バージョン地図どうしの差分、および、端末装置211の道路地図と、端末装置211と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図との差分を記憶しておき、これら二つの差分と探索結果の最適経路とに基づいて、最適経路上の道路の内、端末装置221に記憶されていない道路を抽出するようにしたので、経路探索に用いた最適地図上の最適経路の道路の内、端末装置221の道路地図にはない道路を正確に速く抽出することができる。
【符号の説明】
【0043】
210;テレマティックスサービス提供センター(センター)、212;通信装置、213;最適ルート探索機能、215;差分認識機能、216;マルチ地図データ格納機能、221;地図表示端末装置(端末装置)、222;通信装置、223;制御装置、224;記憶装置、225;表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図を記憶する記憶手段と、
外部装置へ現在地、目的地および前記道路地図に関する情報を送信し、前記外部装置により探索された前記現在地から前記目的地までの最適経路に関する情報を受信する通信手段と、
道路地図を表示する表示手段と、
前記記憶手段に記憶されている道路地図上に前記最適経路に関する情報を描画して前記表示手段に表示する制御手段とを備え、
前記最適経路に関する情報は、前記現在地から前記目的地までの最適経路と、前記最適経路上の道路の内、前記記憶手段に記憶されていない道路を描画するための位置および図形情報であり、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている道路地図上に前記最適経路を描画するとともに、前記位置および図形情報に基づいて前記記憶手段に記憶されていない道路を描画することを特徴とする地図表示端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図表示端末装置において、
前記図形情報は、前記記憶手段に記憶されていない道路を点列で描画するための情報であり、
前記制御手段は、前記位置および図形情報に基づいて前記記憶手段に記憶されていない道路を点列で描画することを特徴とする地図表示端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の地図表示端末装置において、
前記記憶手段は、道路を図形で描画するための複数種類の図形を記憶しており、
前記図形情報は、前記記憶手段に記憶されていない道路を図形で描画するために図形の種類を指定する情報であり、
前記制御手段は、前記表示手段に道路地図を拡大表示する場合には、前記位置および図形情報に基づいて前記記憶手段に記憶されていない道路を図形で描画することを特徴とする地図表示端末装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の地図表示端末装置において、
前記道路地図に関する情報は、前記道路地図のベンダーとバージョンであり、
前記最適経路に関する情報は、前記現在地から前記目的地までの最適経路と、前記最適経路上の道路の内、前記道路地図のベンダーとバージョンに基づいて抽出された前記記憶手段に記憶されていない道路の位置および図形情報であることを特徴とする地図表示端末装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の地図表示端末装置と、
道路地図を記憶する外部記憶手段、前記現在地から前記目的地までの最適経路を探索する外部探索手段、および、前記地図表示端末装置から前記現在地、前記目的地および前記道路地図に関する情報を受信し、前記地図表示端末装置へ前記現在地から前記目的地までの最適経路に関する情報を送信する外部通信手段を備えた外部装置とからなる地図表示システムであって、
前記外部記憶手段は、複数のベンダーの最新バージョンから旧バージョンまでの複数の道路地図を記憶し、
前記外部探索手段は、前記外部記憶手段に記憶されている前記複数ベンダーの最新バージョンの道路地図の中から、前記現在地から前記目的地までの最適経路を探索するための最適な道路地図を選択し、前記最適な道路地図に基づいて前記現在地から前記目的地までの最適経路を探索するとともに、前記最適経路上の道路の内、前記地図表示端末装置に記憶されていない道路を抽出して前記最適経路に関する情報を作成し、
前記外部通信手段は、前記外部探索手段により作成された前記最適経路に関する情報を前記地図表示端末装置へ送信することを特徴とする地図表示システム。
【請求項6】
請求項5に記載の地図表示システムにおいて、
前記外部記憶手段は、前記複数のベンダーの最新バージョン地図どうしの差分、および、前記地図表示端末装置の道路地図と、前記地図表示端末装置と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図との差分を記憶し、
前記外部探索手段は、前記記憶手段に記憶されている前記二つの差分と、探索結果の前記最適経路とに基づいて、前記最適経路上の道路の内、前記地図表示端末装置に記憶されていない道路を抽出することを特徴とする地図表示システム。
【請求項1】
道路地図を記憶する記憶手段と、
外部装置へ現在地、目的地および前記道路地図に関する情報を送信し、前記外部装置により探索された前記現在地から前記目的地までの最適経路に関する情報を受信する通信手段と、
道路地図を表示する表示手段と、
前記記憶手段に記憶されている道路地図上に前記最適経路に関する情報を描画して前記表示手段に表示する制御手段とを備え、
前記最適経路に関する情報は、前記現在地から前記目的地までの最適経路と、前記最適経路上の道路の内、前記記憶手段に記憶されていない道路を描画するための位置および図形情報であり、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている道路地図上に前記最適経路を描画するとともに、前記位置および図形情報に基づいて前記記憶手段に記憶されていない道路を描画することを特徴とする地図表示端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図表示端末装置において、
前記図形情報は、前記記憶手段に記憶されていない道路を点列で描画するための情報であり、
前記制御手段は、前記位置および図形情報に基づいて前記記憶手段に記憶されていない道路を点列で描画することを特徴とする地図表示端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の地図表示端末装置において、
前記記憶手段は、道路を図形で描画するための複数種類の図形を記憶しており、
前記図形情報は、前記記憶手段に記憶されていない道路を図形で描画するために図形の種類を指定する情報であり、
前記制御手段は、前記表示手段に道路地図を拡大表示する場合には、前記位置および図形情報に基づいて前記記憶手段に記憶されていない道路を図形で描画することを特徴とする地図表示端末装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の地図表示端末装置において、
前記道路地図に関する情報は、前記道路地図のベンダーとバージョンであり、
前記最適経路に関する情報は、前記現在地から前記目的地までの最適経路と、前記最適経路上の道路の内、前記道路地図のベンダーとバージョンに基づいて抽出された前記記憶手段に記憶されていない道路の位置および図形情報であることを特徴とする地図表示端末装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の地図表示端末装置と、
道路地図を記憶する外部記憶手段、前記現在地から前記目的地までの最適経路を探索する外部探索手段、および、前記地図表示端末装置から前記現在地、前記目的地および前記道路地図に関する情報を受信し、前記地図表示端末装置へ前記現在地から前記目的地までの最適経路に関する情報を送信する外部通信手段を備えた外部装置とからなる地図表示システムであって、
前記外部記憶手段は、複数のベンダーの最新バージョンから旧バージョンまでの複数の道路地図を記憶し、
前記外部探索手段は、前記外部記憶手段に記憶されている前記複数ベンダーの最新バージョンの道路地図の中から、前記現在地から前記目的地までの最適経路を探索するための最適な道路地図を選択し、前記最適な道路地図に基づいて前記現在地から前記目的地までの最適経路を探索するとともに、前記最適経路上の道路の内、前記地図表示端末装置に記憶されていない道路を抽出して前記最適経路に関する情報を作成し、
前記外部通信手段は、前記外部探索手段により作成された前記最適経路に関する情報を前記地図表示端末装置へ送信することを特徴とする地図表示システム。
【請求項6】
請求項5に記載の地図表示システムにおいて、
前記外部記憶手段は、前記複数のベンダーの最新バージョン地図どうしの差分、および、前記地図表示端末装置の道路地図と、前記地図表示端末装置と同一ベンダーの最新バージョンの道路地図との差分を記憶し、
前記外部探索手段は、前記記憶手段に記憶されている前記二つの差分と、探索結果の前記最適経路とに基づいて、前記最適経路上の道路の内、前記地図表示端末装置に記憶されていない道路を抽出することを特徴とする地図表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−59255(P2011−59255A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207057(P2009−207057)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
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