説明

地図表示装置

【課題】押圧を止めた位置に基づいてボタンに定義された処理が実行される場合に、誤ってボタンやメニューの表示領域から外れた位置で押圧を止めても、ほかの感応領域における処理は実行されない地図表示装置を提供する。
【解決手段】メニューボタン21の表示領域に感応領域21aを設けるとともに、メニューボタン21の外周部に不感応領域71aを設ける。感応領域21aとは、この領域でタッチパネル19から指を離して押圧を止めるとメニューボタン21に定義された処理が実行される領域である。不感応領域71aとは、この領域でタッチパネル19から指を離して押圧を止めても、何も処理が実行されない領域である。したがって、不感応領域71aでタッチパネル19から指を離して押圧を止めても、地図20はスクロールされない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを使用して操作することができる地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地図画面を押圧すると、地図画面中央と押圧位置との間の線分の方向に地図がスクロールされる車両用ナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−108475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のような従来のナビゲーション装置では、ユーザが地図画面に重畳されて表示されているボタンを押圧操作したと思っていても、実際は地図画面が押圧され、地図がスクロールされてしまう場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明の地図表示装置は、タッチパネルを設けた表示モニタと、表示モニタにボタンを表示するボタン表示手段と、タッチパネル上において、ボタンに対応する領域に感応領域を設定するとともに、その周囲に不感応領域を設定するタッチパネル制御手段と、感応領域の押圧が終了されたときに、ボタンに定義された処理を実行する処理制御手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の地図表示装置において、タッチパネル制御手段は、不感応領域の周囲に、ボタンに定義された処理と異なる処理が定義された他の感応領域を設定することを特徴とする。
(3)請求項3の発明の地図表示装置は、タッチパネルを設けた表示モニタと、表示モニタにボタンを表示するボタン表示手段と、タッチパネル上において、ボタンに対応する領域に感応領域を設定するタッチパネル制御手段と、感応領域の押圧が開始されたときに、感応領域を拡大し、拡大された感応領域で押圧が終了する場合および拡大前の感応領域で押圧が終了する場合、ボタンに定義された処理を実行する処理制御手段とを備えることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載の地図表示装置において、タッチパネル制御手段は、拡大された感応領域の周囲に、ボタンに定義された処理と異なる処理が定義された他の感応領域を設定することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項2または4に記載の地図表示装置において、他の感応領域は表示モニタの略全域に広がって設定され、他の処理は、表示モニタ上に表示されている地図をスクロールする処理であることを特徴とする。
(6)請求項6の発明の地図表示装置は、タッチパネルを設けた表示モニタと、表示モニタにメニューをリスト表示するメニュー表示手段と、タッチパネル上において、メニューに対応する領域に感応領域を設定するタッチパネル制御手段と、感応領域の押圧が終了されたときに、メニューに定義された処理を実行する処理制御手段とを備え、タッチパネル制御手段は、メニューの感応領域が押圧されると、メニューに対応する領域の周囲に不感応領域を設定し、処理制御手段は、不感応領域で押圧が終了すると、他のメニューの感応領域であっても他のメニューに定義された処理を実行しないことを特徴とする。
(7)請求項7の発明の地図表示装置は、タッチパネルを設けた表示モニタと、表示モニタにメニューをリスト表示するメニュー表示手段と、タッチパネル上において、メニューに対応する領域に感応領域を設定するタッチパネル制御手段と、感応領域の押圧が終了されたときに、メニューに定義された処理を実行する処理制御手段とを備え、タッチパネル制御手段は、メニューの感応領域が押圧されると、メニューの感応領域を拡大することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ボタンやメニューの外周に押圧操作しても何ら処理が実行されない不感応領域を設けた。したがって、タッチパネルの押圧を止めた位置に基づいてボタンやメニューに定義された処理が実行される場合における以下の誤動作を防止できる。すなわち、誤ってボタンやメニューの表示領域から外れた位置で押圧を止めても、隣接する感応領域における処理は実行されない。そうすると、地図に重畳されて表示されたボタンを押圧操作する場合、誤って地図がスクロールされるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。このナビゲーション装置1では、表示モニタ16に表示されたボタンやメニューを押圧操作することによってナビゲーション装置1を操作することができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19およびディスクドライブ111を有している。ディスクドライブ111には、地図データが記憶されたDVD−ROM112が装填されている。
【0007】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは、車両の進行方向を検出する。車速センサ14bは、車速を検出する。GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0009】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示など行うことができる。
【0010】
ディスクドライブ111は、DVD−ROM112から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM112以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。また、上述したように検索結果をリストとして表示する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドを設定するための入力スイッチを有し、操作パネルやリモコンなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示に従って入力装置18を手動で操作することにより、目的地を選択して目的地を設定する。
【0012】
タッチパネル19は、表示モニタ16の表面に積層される透明のタッチスイッチであり、表示モニタ16に表示される画像はタッチパネル19を通して表示される。タッチパネル19は、タッチパネル19上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出する。タッチパネルコントロール部110はその信号に基づいてタッチパネル19の押圧位置を算出する。
【0013】
表示モニタ16の表示画面を押圧するとタッチパネル19が押圧される。そして、地図画面や各種ボタン、表示メニューなどの表示位置でタッチパネル19から指を離して押圧を止めると、以下の処理が行われる。すなわち、押圧を止めた位置が目的地として設定されたり、押圧を止めた位置に表示されている各種ボタンや表示メニューに定義された処理が実行されたりする。ここで、押圧した位置ではなく、押圧を止めた位置に表示されているボタンなどに定義された処理が実行されるのは、以下の理由による。つまり、押圧したボタンを間違えても、押圧した状態で指を移動し正しいボタンの位置で押圧を止めれば、所望のボタンの処理が実行されるからである。
【0014】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1はGPSセンサ14cにより検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路に従って車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0015】
次に、本発明の実施形態における表示画面の押圧操作について図2〜8を参照して説明する。図2(a),(b)に示すように、地図20にメニューボタン21、広域ボタン22および詳細ボタン23が重畳して表示されている表示画面を例にして説明する。
【0016】
地図20を押圧操作することによって、地図20をスクロールすることができる。図2は、地図20のスクロール操作を説明するための図である。図2(a)に示すように、表示画面を押圧し、押圧終了点24でタッチパネル19から指を離して押圧を止める。そうすると、図2(b)に示すように、押圧終了点24が表示画面の中央に表示されるように地図20はスクロールされる。
【0017】
メニューボタン21は、メインメニュー画面表示処理が定義されたボタンである。したがって、メニューボタン21を押圧操作することによって、メインメニュー画面30を表示することができる。図3は、メインメニュー画面表示処理を説明するための図である。図3(a)に示すように、メニューボタン21の表示位置で、タッチパネル19から指を離して押圧を止める。そうすると、図3(b)に示すように、表示画面にメインメニュー画面30が表示される。メインメニュー画面30には、目的地となる施設などを検索する検索ボタン31a、各種設定を行う設定ボタン31b、推奨経路の探索を行う探索ボタン31cおよび交通情報を表示する交通情報ボタン31dが表示される。
【0018】
広域ボタン22は、広域地図表示処理が定義されたボタンである。したがって、広域ボタン22を押圧操作することによって、地図20を広域地図に切り替えることができる。また、詳細ボタン23は、詳細地図表示処理が定義されたボタンである。したがって、詳細ボタン23を押圧操作することによって、地図20を詳細地図に切り替えることができる。
【0019】
ところで、タッチパネル19を指で押圧操作するとき、以下に説明する指ローリング現象が発生する。指ローリング現象について、メニューボタン21の押圧操作を例に説明する。指ローリング現象には、縦ローリング現象と、横ローリング現象とがある。縦ローリング現象について図4を参照して説明する。図4(a)に示すように、最初、指の先端がメニューボタン21の表示範囲内の点41aを押圧する。さらにタッチパネル19を指で押圧すると、図4(b)に示すように、指先は矢印42の方向に曲がる(縦ローリング現象)。そうすると、押圧位置はメニューボタン21の表示範囲から外れ、地図20の表示範囲内の点41bに移動する。そのまま、指をタッチパネル19から離すと、地図20の表示領域で押圧を止めることになる。その結果、図6(a)に示すように、メニューボタン21を押圧したにもかかわらずメニューボタン21に定義された処理は実行されない。そして、図6(b)に示すように、地図20がスクロールされる。
【0020】
図5を参照して、横ローリング現象について説明する。図5(a)に示すように、最初、指の右腹がメニューボタン21の表示範囲内の点51aを押圧する。さらにタッチパネル19を指で押圧すると、図5(b)に示すように、指先は矢印52の方向に回転する(横ローリング現象)。そうすると、押圧位置はメニューボタン21の表示範囲から外れ、地図20の表示範囲内の点51bに移動する。そのまま、指をタッチパネル19から離すと、地図20の表示領域で押圧を止めることになる。その結果、上述した縦ローリング現象の場合と同様に、メニューボタン21を押圧したにもかかわらずメニューボタン21に定義された処理は実行されない。そして、地図20がスクロールされる。
【0021】
そこで、本発明の実施形態では、図7に示すように、メニューボタン21の表示領域である感応領域21aの外周に不感応領域71aを設ける。感応領域21aとは、この領域でタッチパネル19から指を離して押圧を止めるとメニューボタン21に定義された処理が実行される領域である。不感応領域71aとは、この領域でタッチパネル19から指を離して押圧を止めても、何も処理が実行されない領域である。したがって、不感応領域71aでタッチパネル19から指を離して押圧を止めても、地図20はスクロールされない。すなわち、図8(a)のように、メニューボタン21を押圧した後、指ローリング現象が発生して、地図20の表示領域でタッチパネル19から指を離しても、図8(b)のように、地図20はスクロールされない。同様に、広域ボタン22の表示領域および詳細ボタン23の表示領域である感応領域22a,23aの外周に不感応領域71bを設ける。
【0022】
本発明の実施形態によるナビゲーション装置1の不感応領域設定処理について図9のフローチャートを参照して説明する。図9の処理は、ボタンが表示モニタ16に表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0023】
ステップS901では、表示モニタ16に表示されるボタンの表示画面における表示範囲のデータを取得する。ステップS902では、ボタンの表示範囲は、タッチパネル19に設定されている感応領域と重畳するか判定する。重畳する場合はステップS902が肯定判定され、ステップS903へ進む。重畳しない場合はステップS902が否定判定され、ステップS906へ進む。
【0024】
ステップS903では、タッチパネル19のボタンの表示範囲の領域に感応領域を設定する。この感応領域でタッチパネル19の押圧が終了すると、ボタンに定義された処理が実行される。ステップS904では、ボタンの表示範囲の領域の外周に不感応領域を設定する。この不感応領域でタッチパネル19の押圧が終了しても、ボタンの表示範囲に重畳して設定されていた感応領域の処理は実行されない。ステップS905では、ボタンが表示されているか判定する。表示されている場合はステップS905を繰り返す。ボタンが表示されていない場合はステップS905が否定判定され、そのボタンについての不感応領域設定処理を終了する。
【0025】
ステップS906では、ボタンの表示範囲の領域に感応領域を設定する。そして、ステップS905へ進む。
【0026】
以上の本発明の実施の形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)ボタン21〜23の外周に押圧操作しても何ら処理が実行されない不感応領域71a,71bを設けた。したがって、タッチパネル19から指を離して押圧を止めた位置に基づいてボタン21〜23に定義された処理が実行される場合における以下の誤操作を防止することができる。つまり、誤ってボタン21〜23の表示領域から外れた位置で押圧を止めても、隣接する感応領域である地図の表示領域で押圧を止めた場合に実行される処理(地図スクロール)は実行されない。
【0027】
(2)不感応領域71a,71bの周囲にボタン21〜23に定義された処理と異なる処理が定義されたほかの感応領域、つまり地図20をスクロールする感応領域を設けた。したがって、ボタン21〜23の誤操作による地図スクロールを防止することができるので、ボタン21〜23を地図20に重畳して表示することができる。
【0028】
(3)タッチパネル19を押圧した位置に表示されているボタンではなく、タッチパネル19から指を離して押圧を止めた位置に表示されているボタン21〜23に定義された処理が実行されるようにした。したがって、押圧したボタン21〜23を間違えても、押圧した状態で指を移動し正しいボタン21〜23の位置で押圧を止めれば、所望のボタン21〜23の処理を実行することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0029】
以上の実施の形態を次のように変形することができる。
(1)ボタンの表示範囲の外周に不感応領域を設定する代りに、ボタンが押圧されるとそのボタンの感応領域が拡大するようにしてもよい。図10を参照して、メニューボタン21が押圧された場合について説明する。メニューボタン21が押圧される前は、図10(a)に示すように、メニューボタン21の表示範囲に感応領域21a〜23aが設定される。そして、メニューボタン21が押圧されると、図10(b)に示すように、メニューボタン21の感応領域21aが拡大する。
【0030】
このような変形実施の形態によれば、図11(a)に示すように、メニューボタン21を押圧した後、指ローリング現象が発生して、地図20の表示領域でタッチパネル19から指を離しても、地図20はスクロールされない。さらに、図11(b)に示すように、所望の処理が実行、つまりメインメニュー画面30が表示される。したがって、指ローリング現象により誤操作を防止できる。
【0031】
この実施例では、拡大された感応領域21aの周囲にボタン21に定義された処理と異なる処理が定義されたほかの感応領域、つまり地図20をスクロールする感応領域を設けた。したがって、ボタン21の誤操作による地図スクロールを防止できるので、ボタン21を地図20に重畳して表示することができる。
【0032】
本発明の実施形態の変形例の感応領域拡大設定処理について図12のフローチャートを参照して説明する。図12の処理は、ボタンが表示モニタ16に表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。実施形態と同じステップは同じ符号を付し、実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0033】
ステップS903で、ボタンの表示範囲の領域に感応領域を設定した後、ステップS1201へ進む。ステップS1201では、ボタンの表示範囲は押圧されているか判定する。押圧されている場合はステップS1201が肯定判定され、ステップS1202へ進む。押圧されていない場合はステップS1201が否定判定され、ステップS1204へ進む。
【0034】
ステップS1202では、感応領域を拡大する。ステップS1203では、ボタンの表示範囲が押圧されているか判定する。押圧されている場合はステップS1203を繰り返す。押圧されていない場合はステップS1203が否定判定され、ステップS902へ戻る。
【0035】
ステップS1204では、ボタンは表示されているか判定する。表示されている場合はステップS1204が肯定判定され、ステップS902へ戻る。表示されていない場合はステップS1204が否定判定され、処理は終了する。
【0036】
(2)本発明の一実施形態では、表示モニタ16に表示されるボタン21〜23について説明したが、図13に示すようなリスト表示されたメニュー81〜84でもよい。この場合、図13に示すように、メニュー82が押圧されると、図14(a)に示すように、押圧されたメニュー82の外周に不感応領域91が設定される。そうすると、図13に示すように、メニュー82の表示範囲を押圧した後、指ローリング現象によってほかのメニュー83の表示範囲でタッチパネル19から指を離して押圧を止めても、メニュー83に定義された処理、つまり隣接した感応領域における処理は実行されない。したがって、指ローリング現象により誤操作を防止できる。
【0037】
図13に示すように、メニュー82が押圧されると、図14(b)に示すように、押圧されたメニュー82の感応領域82aが拡大されるようにしてもよい。そうすると、図13に示すように、メニュー82の表示範囲を押圧した後、指ローリング現象によってほかのメニュー83の表示範囲でタッチパネル19から指を離して押圧を止めても、メニュー83に定義された処理は実行されず、メニュー82に定義された処理が実行される。したがって、指ローリング現象により誤操作を防止できる。
【0038】
以上の実施形態では、ナビゲーション装置1を例にあげて説明したが、地図表示装置であれば、ナビゲーション装置1に限定されない。
【0039】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0040】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明のボタン表示手段は制御回路11に対応し、タッチパネル制御手段は制御回路11とタッチパネルコントロール部110に対応する。処理制御手段は制御回路11に対応し、メニュー表示手段は制御回路11に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】地図のスクロール操作を説明するための図である。
【図3】メニューボタンに定義された処理を説明するための図である。
【図4】指ローリング現象のうちの縦ローリング現象を説明するための図である。
【図5】指ローリング現象のうちの横ローリング現象を説明するための図である。
【図6】指ローリング現象によるメニューボタンの誤操作を説明するための図である。
【図7】タッチパネルに設定された感応領域および不感応領域を説明するための図である。
【図8】タッチパネルに不感応領域を設定したときに指ローリング現象により実行される処理を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態のナビゲーション装置における不感応領域設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の変形例の感応領域拡大を説明するための図である。
【図11】本発明の変形例の感応領域拡大処理を実行したときに指ローリング現象により実行される処理を説明するための図である。
【図12】本発明の変形例の感応領域拡大処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】メニューが表示された表示画面を説明するための図である。
【図14】メニューに設定された感応領域および不感応領域を説明するための図である。
【符号の説明】
【0042】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
16 表示モニタ
18 入力装置
19 タッチパネル
110 タッチパネルコントロール部
111 ディスクドライブ
112 DVD−ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを設けた表示モニタと、
前記表示モニタにボタンを表示するボタン表示手段と、
前記タッチパネル上において、前記ボタンに対応する領域に感応領域を設定するとともに、その周囲に不感応領域を設定するタッチパネル制御手段と、
前記感応領域の押圧が終了されたときに、前記ボタンに定義された処理を実行する処理制御手段とを備えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図表示装置において、
前記タッチパネル制御手段は、前記不感応領域の周囲に、前記ボタンに定義された処理と異なる処理が定義された他の感応領域を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
タッチパネルを設けた表示モニタと、
前記表示モニタにボタンを表示するボタン表示手段と、
前記タッチパネル上において、前記ボタンに対応する領域に感応領域を設定するタッチパネル制御手段と、
前記感応領域の押圧が開始されたときに、前記感応領域を拡大し、前記拡大された感応領域で前記押圧が終了する場合および拡大前の感応領域で前記押圧が終了する場合、前記ボタンに定義された処理を実行する処理制御手段とを備えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の地図表示装置において、
前記タッチパネル制御手段は、前記拡大された感応領域の周囲に、前記ボタンに定義された処理と異なる処理が定義された他の感応領域を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項5】
請求項2または4に記載の地図表示装置において、
前記他の感応領域は表示モニタの略全域に広がって設定され、前記他の処理は、前記表示モニタ上に表示されている地図をスクロールする処理であることを特徴とする地図表示装置。
【請求項6】
タッチパネルを設けた表示モニタと、
前記表示モニタにメニューをリスト表示するメニュー表示手段と、
前記タッチパネル上において、前記メニューに対応する領域に感応領域を設定するタッチパネル制御手段と、
前記感応領域の押圧が終了されたときに、前記メニューに定義された処理を実行する処理制御手段とを備え、
前記タッチパネル制御手段は、前記メニューの感応領域が押圧されると、前記メニューに対応する領域の周囲に不感応領域を設定し、
前記処理制御手段は、前記不感応領域で押圧が終了すると、他のメニューの感応領域であっても前記他のメニューに定義された処理を実行しないことを特徴とする地図表示装置。
【請求項7】
タッチパネルを設けた表示モニタと、
前記表示モニタにメニューをリスト表示するメニュー表示手段と、
前記タッチパネル上において、前記メニューに対応する領域に感応領域を設定するタッチパネル制御手段と、
前記感応領域の押圧が終了されたときに、前記メニューに定義された処理を実行する処理制御手段とを備え、
前記タッチパネル制御手段は、前記メニューの感応領域が押圧されると、前記メニューの感応領域を拡大することを特徴とする地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−33120(P2008−33120A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−208254(P2006−208254)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】