地図表示装置
【課題】施設アイコン同士が重なって施設アイコンが表示モニタ表示されている場合でも、施設アイコンとして表示されている施設の中から所望の施設を容易に選択することができる地図表示装置を提供する。
【解決手段】施設アイコン41a〜41eが相互に重なって部分42を押圧する押圧位置42を中心とした円43a(以下、範囲設定円と呼ぶ)が表示される。押圧を続けると、押圧位置42を中心として範囲設定円43bが大きくなる。押圧を止めると、範囲設定円43b内に表示されている施設アイコンに対応する施設が検索され、検索された施設がリストとして表示される。ユーザは、リストの中から所望の施設を押圧することにより、所望の施設の情報をポップアップ画面として表示することができる。
【解決手段】施設アイコン41a〜41eが相互に重なって部分42を押圧する押圧位置42を中心とした円43a(以下、範囲設定円と呼ぶ)が表示される。押圧を続けると、押圧位置42を中心として範囲設定円43bが大きくなる。押圧を止めると、範囲設定円43b内に表示されている施設アイコンに対応する施設が検索され、検索された施設がリストとして表示される。ユーザは、リストの中から所望の施設を押圧することにより、所望の施設の情報をポップアップ画面として表示することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上に施設アイコンを表示する地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示モニタに表示された施設アイコンが触れられると、その触れられた施設アイコンに対応する施設を目的地として設定したり、その施設の施設情報を表示したりするナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−284342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
施設の数が多い地域では、施設アイコン同士が重なって、施設アイコンが地図上に表示される場合がある。そのような場合、所望の施設を選択することが困難になるという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明の地図表示装置は、地図に重ねて施設アイコンを表示モニタに表示する地図表示制御手段と、表示モニタに表示された施設アイコンの中から選択された施設アイコンを入力する施設入力手段と、地図上に指定された位置を入力する位置入力手段と、位置入力手段によって入力された位置周辺の施設アイコンに対応する施設の情報を表示モニタにリスト表示するリスト表示手段とを備え、施設入力手段は、リスト表示手段により表示されたリストから選択された施設を入力することを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の地図表示装置において、地図表示制御手段は、位置入力手段により入力された位置を基準とした範囲を表示モニタに表示し、位置入力手段によって位置が入力されている間、範囲を大きくするようにし、リスト表示手段は、地図表示制御手段により表示された範囲で規定された地域内に表示されている施設アイコンに対応する施設をリスト表示することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載の地図表示装置において、地図表示制御手段は、範囲を大きくすると範囲が地図からはみ出る場合、範囲を一定にし、位置入力手段によって位置が入力されている間、地図の縮尺を広域側に変更することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項2または3に記載の地図表示装置において、地図表示制御手段は、範囲の表示態様を範囲の外部の表示態様と異ならせることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の地図表示装置において、地図表示制御手段は、位置入力手段により入力された位置を中心とした円を範囲として表示し、位置入力手段によって位置が入力されている間、円の半径を大きくすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ユーザが表示モニタに表示された地図上で位置を指定すると、指定された位置の周辺に存在する施設アイコンに対応する施設をリストとして表示するようにした。そして、そのリストから所望の施設を選択することができるようにした。したがって、施設アイコン同士が重なって表示モニタ表示されている場合でも、所望の施設を容易に選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。このナビゲーション装置1は、施設アイコンを使用して地図上に施設を表示することができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19、タッチパネルコントロール部110およびディスクドライブ111を有している。ディスクドライブ111には、地図データが記憶されたDVD−ROM112が装填されている。
【0007】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11は、データ記憶装置112に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行う。そして、その処理結果を推奨経路として表示モニタ16に表示する。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定する。また、現在地検出装置14により検出された車両の現在地が自車位置マークとして地図上に表示される。
【0009】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0010】
ディスクドライブ111は、DVD−ROM112から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データ、施設データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM112以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0011】
図2を参照して、地図データに含まれる施設データ20について説明する。この施設データを用いて、指などで地図が押圧された位置周辺の施設検索を行うことができる。施設データ20は、図2に示すように、所定の地理上の地域を所定の面積の複数の区画に区切った単位(以下、メッシュと呼ぶ)で作成される。それぞれのメッシュには、識別符号であるメッシュID21が付される。以下、1つのメッシュに係る施設データをメッシュデータと呼ぶ。メッシュデータは、図2に示すように、施設種別22に区分けされ、区分けされた施設種別22ごとにそれぞれの施設23に関する情報24a〜24hが格納されている。施設データには、施設23に関する情報として、施設を識別するための施設ID24a、施設の経度・緯度座標24b、住所24c、名称24d、フランチャイズチェーン名などのグループ名24e、営業時間24f、施設の詳細情報を記載したテキストデータ24g、情報更新日時24hが格納されている。
【0012】
施設アイコンを表示モニタ16に表示するとき、制御回路11は、施設データ20から表示モニタ16に表示されている施設アイコンに対応する施設の施設IDを抽出し、抽出された施設IDのリストをRAM13に作成する。このリストを参照することにより、表示モニタ16に施設アイコンとして表示されている施設を検出することができる。
【0013】
次に、図3を参照して、施設アイコンとして表示されている、押圧位置周辺の施設の検索方法を説明する。押圧位置周辺の施設の検索を行う場合、まず押圧位置に基づいて検索するメッシュを特定する。そして、特定したメッシュに対応するメッシュデータの中から施設アイコンとして表示モニタ16に表示されている施設を検索する。検索するメッシュは以下のようにして特定する。地図上の押圧位置31の緯度・経度を算出する。そして、押圧位置31の緯度・経度を中心に、検索位置32を中心から外方へ移動しながら矢印33の方向に回転する。検索位置33は、たとえば、中心を1周回転する間に中心から1km外周へ移動する。このように検索位置32を回転すると、検索位置32の軌跡34は、図3に示すように渦巻状になる。検索位置32が通過するメッシュ35を順次特定し、その特定したメッシュ35に対応するメッシュデータから、施設アイコンとして表示されている施設を検索する。
【0014】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などのために操作される操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18を操作することにより、目的地を設定する。
【0015】
目的地がユーザによって設定されると、目的地に経路探索終了点が設定される。そして、経路探索用データを用いて経路探索開始点から経路探索終了点までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは道路地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0016】
タッチパネル19は、表示モニタ16の表面に積層される透明のタッチスイッチであり、表示モニタ16に表示される画像はタッチパネル19を通して表示される。したがって、表示モニタ16の表示画面を押圧しようとするとタッチパネル19が押圧される。タッチパネル19は、タッチパネル19上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出し、タッチパネルコントロール部110はタッチパネル19の押圧位置を算出する。表示モニタ16に表示された各種ボタンや表示メニューなどを指などで押圧しようとするとタッチパネル19は押圧され、各種ボタンや表示メニューに定義された処理が実行される。
【0017】
次に、図4〜図6を参照して本発明の実施形態における施設アイコンのリスト表示操作について説明する。図4は、地図40上に施設アイコン41a〜41zを表示した表示モニタ16の表示画面を説明するための図である。ユーザは、施設アイコン41a〜41zのいずれかを指で押圧し、そのあと表示画面から指を離すことにより、押圧された施設アイコンに対応する施設の情報をポップアップ画面で表示することができる。施設アイコン41a〜41eは、相互に重なって表示されている。したがって、施設アイコン41a〜41eの中から所望の施設アイコンを選択することは困難である。このような場合、以下の操作を行う。
【0018】
図5(a)に示すように、施設アイコン41a〜41eが相互に重なって部分42を押圧する。最初、押圧された施設アイコン41bが選択されるが、押圧を続けると選択が解除される。そして、図5(b)に示すように、押圧位置42を中心とした円43a(以下、範囲設定円と呼ぶ)が表示される。押圧を続けると、図5(c)に示すように、押圧位置42を中心として範囲設定円43bの半径が大きくなる。押圧を止めて、指を表示モニタ16から離すと、範囲設定円43b内に表示されている施設アイコンに対応する施設が検索される。検索が終了すると、図6に示すように、リスト50として、検索された施設が表示モニタ16に表示される。ユーザは、リスト50の中から所望の施設を押圧することにより、所望の施設の情報をポップアップ画面として表示することができる。
【0019】
次に、本発明の実施形態における施設アイコンに対応する施設の情報表示処理について、図7および図8のフローチャートを参照して説明する。図7および図8の処理は、施設アイコンが表示された地図が表示モニタ16に表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0020】
ステップS701では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、タッチパネル19が押圧されたか否かを判定する。タッチパネル19が押圧された場合はステップS701が肯定判定され、ステップS702へ進む。タッチパネル19が押圧されていない場合はステップS701を繰り返す。ステップS702では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、表示モニタ16に表示された施設アイコンが押圧されたか否かを判定する。施設アイコンが押圧された場合はステップS702が肯定判定され、図8のステップS801へ進む。施設アイコンが押圧されていない場合はステップS702が否定判定され、ステップS703へ進む。
【0021】
ステップS703では、タッチパネル19の押圧位置を中心として、所定半径の範囲設定円を表示モニタ16に表示する。ステップS704では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、タッチパネル19が押圧されているか否かを判定する。タッチパネル19が押圧されている場合はステップS704が肯定判定され、ステップS712へ進む。ステップS712では、範囲設定円の半径を所定の長さ大きくして表示する。そして、ステップS704に戻る。タッチパネル19が押圧されていない場合はステップS704が否定判定され、ステップS705へ進む。
【0022】
ステップS705では、範囲設定円の地図上の半径(以下、設定半径と呼ぶ)を算出する。ステップS706では、施設アイコンとして表示されている施設の中から範囲設定円内の施設を検索する。施設の検索では、図3に示すような渦巻状の検索を行い、押圧位置と検索位置との間の距離が設定半径になるまで検索を行う。検索位置が通過するメッシュのメッシュデータの中から、施設アイコンとして表示され、範囲設定円内に存在する施設を検索する。
【0023】
ステップS707では、検索された施設をリスト表示する。ステップS708では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、リストの中で押圧された施設を選択する。ステップS709では、選択された施設の情報をポップアップ画面で表示モニタ16に表示する。施設の情報を、施設データ20に基づいて表示する。たとえば、施設の情報として、施設の名称、営業時間、施設の詳細情報などを表示する。
【0024】
ステップS710では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、タッチパネル19が押圧されたか否かを判定する。タッチパネル19が押圧された場合はステップS710が肯定判定され、ステップS711へ進む。タッチパネル19が押圧されていない場合はステップS710を繰り返す。ステップS711では、施設の情報の表示を終了する。そして、スタートへリターンする。
【0025】
図8のステップS801では、施設アイコンが押圧されてから所定時間経過しているか否かを判定する。所定時間経過している場合はステップS801が肯定判定され、図7の703へ進む。所定時間経過していない場合はステップS801が否定判定され、ステップS802へ進む。ステップS802では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、タッチパネル19が押圧されているか否かを判定する。タッチパネル19が押圧されている場合はステップS802が肯定判定され、ステップS801に戻る。タッチパネル19が押圧されていない場合はステップS802が否定判定され、ステップS803へ進む。ステップS803では、押圧されていた施設アイコンに対応する施設を、情報を表示する施設として選択する。そして、図7のステップS709へ進む。
【0026】
以上の実施形態におけるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)ユーザが表示モニタ16に表示された地図を押圧すると、押圧された位置の周辺に存在する施設アイコンに対応する施設がリストとして表示されるようにした。そして、ユーザがそのリストに表示された施設の中から所望の施設を押圧することによって、施設アイコンとして表示されている施設の中から所望の施設を選択できるようにした。したがって、ユーザは、施設アイコン同士が重なって施設アイコンが表示されている場合であっても、施設アイコンとして表示されている施設の中から所望の施設を容易に選択することができる。
【0027】
(2)ユーザが表示モニタ16に表示された地図を押圧すると、押圧された位置を中心とした範囲設定円が表示されるようにした。そして、範囲設定円内に表示されている施設アイコンの施設がリストとして表示されるようにした。また、ユーザが押圧を続けると、範囲設定円の半径が大きくなるようにした。したがって、ユーザはリストとして表示する施設の範囲を自由に設定でき、ナビゲーション装置1の利便性が向上する。たとえば、施設アイコン同士が重なっている範囲が広い場合は、範囲設定円の半径を大きくし、範囲が狭い場合は、範囲設定円の半径を小さくすることによって、適切な範囲で施設の検索を行うことができる。
【0028】
以上の実施形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)範囲設定円の内部の表示態様を、範囲設定円の外部の表示態様と異なるようにしてもよい。たとえば、図9に示すように範囲設定円43cの内部の表示色を、範囲設定円43cの外部の表示色と変更するようにしてもよい。これにより、範囲設定円内の施設アイコンを、より明確に認識することができ、便利である。
【0029】
(2)施設検索を行う範囲の円内に限定されない。たとえば、図10に示すように、矩形43d内の施設を検索するようにしてもよい。範囲設定円と同様に、ユーザが地図を押圧している間、矩形43dは、同じ形状を保ったまま大きくなる。この場合、矩形43dの4つの角の中で押圧位置42から最も離れている角の頂点と、押圧位置との間の地図上の距離を算出する。そして、施設の検索では、図3に示すような渦巻状の検索を行い。押圧位置と検索位置との間の距離が算出された距離になるまで行う。検索位置が通過するメッシュのメッシュデータの中から、施設アイコンとして表示され、矩形内に存在する施設を検索する。
【0030】
(3)表示モニタ16に表示された施設アイコンの中から所望の施設アイコンを選択できれば、表示モニタ16に表示された施設アイコンを選択する方法は、施設アイコンを押圧する方法に限定されない。たとえば、カーソルを施設アイコンに重ねることによって、施設アイコンを選択するようにしてもよい。また、この場合、図11に示すように、カーソル44の位置によって、範囲設定円43eの中心を設定するようにしてもよい。タッチパネル19が設けられていない場合も、施設アイコンとして表示されている施設の中から所望の施設を容易に選択することができ、便利である。
【0031】
(4)地図の押圧を続けると、範囲設定円が大きくなり、範囲設定円が表示モニタ16に表示されている地図からはみ出てしまう場合がある。この場合、地図から範囲設定円がはみ出ないようにするため、表示モニタ16に表示されている地図の縮尺を変更するようにしてもよい。たとえば、範囲設定円が地図からはみ出そうになると、範囲設定円の大きさを一定にし、縮尺率を一段階小さくした広域地図を表示するようにしてもよい。これにより、範囲設定円が表示モニタ16に表示されなくなり、検索範囲が不明確になるのを防止することができる。
【0032】
地図の縮尺率を変更する場合の施設アイコンに対応する施設の情報表示処理について、図8、図12および図13のフローチャートを参照して説明する。図8、図12および図13の処理は、施設アイコンが表示された地図が表示モニタ16に表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。図7および図8の処理と同じ処理には同じ符号を付し、図7および図8の処理と異なる部分を主に説明する。
【0033】
図12のステップS704が肯定判定されると、ステップS1201へ進む。ステップS1201では、範囲設定円の半径を所定長さ大きくすると、範囲設定円が表示モニタ16に表示されている地図からはみ出るか否かを判定する。範囲設定円が表示モニタ16に表示されている地図からはみ出る場合はステップS1201が肯定判定され、図13のステップS1301へ進む。範囲設定円が表示モニタ16に表示されている地図からはみ出ない場合はステップS1201が否定判定され、ステップS712へ進む。
【0034】
図13のステップS1301では、範囲設定円の半径を変更せずに、一段階広域に地図の縮尺を変更して地図を表示する。ステップS1302では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、タッチパネル19が押圧されているか否かを判定する。タッチパネル19が押圧されている場合はステップS1302が肯定判定され、ステップS1301に戻る。タッチパネル19が押圧されていない場合はステップS1302が否定判定され、図12のステップS705へ進む。
【0035】
また、範囲設定円が地図からはみ出さないようにするため、範囲設定円が地図からはみ出そうなると、範囲設定円がそれ以上大きくならないようにしてもよい。
【0036】
(5)表示画面の中央を押圧すると、範囲設定円が表示されて大きくなり、表示画面の中央以外を押圧すると、押圧された位置が表示画面の中央に移動するように表示モニタ16に表示された地図がスクロールされるようにしてもよい。表示画面を押圧する操作によって、範囲設定円の表示と、地図のスクロールとを行うことができ、便利である。また、押圧位置を表示画面の中央にすることによって、範囲設定円の大きさを最も大きくすることができる。この場合、押圧操作が地図のスクロールであるか、施設アイコンの選択であるかを判断しづらくなるので、施設アイコンにカーソルを合わせることによって施設アイコンを選択できるようにしてもよい。
【0037】
本発明は、地図表示装置であれば、ナビゲーション装置1に限定されない。たとえば、地図を表示することができる携帯電話端末でもよい。
【0038】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0039】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0040】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の地図表示制御手段は制御回路11に対応し、施設入力手段および位置入力手段は制御回路11、タッチパネル19およびタッチパネルコントロール部110に対応する。リスト表示手段は制御回路11に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】施設データを説明するための図である。
【図3】押圧位置周辺の施設を検索する検索方法を説明するための図である。
【図4】施設アイコンが表示されている地図を説明するための図である。
【図5】施設検索を行う範囲を設定する操作を説明するための図である。
【図6】検索された施設を表示するリストを説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態における施設アイコンに対応する施設の情報表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態における施設アイコンに対応する施設の情報表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】範囲設定円の変形例を説明するための図である。
【図10】施設検索の検索範囲における設定の変形例を説明するための図である。
【図11】カーソルによる範囲設定円の中心の設定を説明するための図である。
【図12】地図の縮尺率を変更する場合の施設アイコンに対応する施設の情報表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】地図の縮尺率を変更する場合の施設アイコンに対応する施設の情報表示処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
16 表示モニタ
19 タッチパネル
20 施設データ
41a〜41z 施設アイコン
43a〜43c,43e 範囲設定円
110 タッチパネルコントロール部
111 ディスクドライブ
112 DVD−ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上に施設アイコンを表示する地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示モニタに表示された施設アイコンが触れられると、その触れられた施設アイコンに対応する施設を目的地として設定したり、その施設の施設情報を表示したりするナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−284342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
施設の数が多い地域では、施設アイコン同士が重なって、施設アイコンが地図上に表示される場合がある。そのような場合、所望の施設を選択することが困難になるという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明の地図表示装置は、地図に重ねて施設アイコンを表示モニタに表示する地図表示制御手段と、表示モニタに表示された施設アイコンの中から選択された施設アイコンを入力する施設入力手段と、地図上に指定された位置を入力する位置入力手段と、位置入力手段によって入力された位置周辺の施設アイコンに対応する施設の情報を表示モニタにリスト表示するリスト表示手段とを備え、施設入力手段は、リスト表示手段により表示されたリストから選択された施設を入力することを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の地図表示装置において、地図表示制御手段は、位置入力手段により入力された位置を基準とした範囲を表示モニタに表示し、位置入力手段によって位置が入力されている間、範囲を大きくするようにし、リスト表示手段は、地図表示制御手段により表示された範囲で規定された地域内に表示されている施設アイコンに対応する施設をリスト表示することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載の地図表示装置において、地図表示制御手段は、範囲を大きくすると範囲が地図からはみ出る場合、範囲を一定にし、位置入力手段によって位置が入力されている間、地図の縮尺を広域側に変更することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項2または3に記載の地図表示装置において、地図表示制御手段は、範囲の表示態様を範囲の外部の表示態様と異ならせることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の地図表示装置において、地図表示制御手段は、位置入力手段により入力された位置を中心とした円を範囲として表示し、位置入力手段によって位置が入力されている間、円の半径を大きくすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ユーザが表示モニタに表示された地図上で位置を指定すると、指定された位置の周辺に存在する施設アイコンに対応する施設をリストとして表示するようにした。そして、そのリストから所望の施設を選択することができるようにした。したがって、施設アイコン同士が重なって表示モニタ表示されている場合でも、所望の施設を容易に選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。このナビゲーション装置1は、施設アイコンを使用して地図上に施設を表示することができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19、タッチパネルコントロール部110およびディスクドライブ111を有している。ディスクドライブ111には、地図データが記憶されたDVD−ROM112が装填されている。
【0007】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11は、データ記憶装置112に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行う。そして、その処理結果を推奨経路として表示モニタ16に表示する。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定する。また、現在地検出装置14により検出された車両の現在地が自車位置マークとして地図上に表示される。
【0009】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0010】
ディスクドライブ111は、DVD−ROM112から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データ、施設データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM112以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0011】
図2を参照して、地図データに含まれる施設データ20について説明する。この施設データを用いて、指などで地図が押圧された位置周辺の施設検索を行うことができる。施設データ20は、図2に示すように、所定の地理上の地域を所定の面積の複数の区画に区切った単位(以下、メッシュと呼ぶ)で作成される。それぞれのメッシュには、識別符号であるメッシュID21が付される。以下、1つのメッシュに係る施設データをメッシュデータと呼ぶ。メッシュデータは、図2に示すように、施設種別22に区分けされ、区分けされた施設種別22ごとにそれぞれの施設23に関する情報24a〜24hが格納されている。施設データには、施設23に関する情報として、施設を識別するための施設ID24a、施設の経度・緯度座標24b、住所24c、名称24d、フランチャイズチェーン名などのグループ名24e、営業時間24f、施設の詳細情報を記載したテキストデータ24g、情報更新日時24hが格納されている。
【0012】
施設アイコンを表示モニタ16に表示するとき、制御回路11は、施設データ20から表示モニタ16に表示されている施設アイコンに対応する施設の施設IDを抽出し、抽出された施設IDのリストをRAM13に作成する。このリストを参照することにより、表示モニタ16に施設アイコンとして表示されている施設を検出することができる。
【0013】
次に、図3を参照して、施設アイコンとして表示されている、押圧位置周辺の施設の検索方法を説明する。押圧位置周辺の施設の検索を行う場合、まず押圧位置に基づいて検索するメッシュを特定する。そして、特定したメッシュに対応するメッシュデータの中から施設アイコンとして表示モニタ16に表示されている施設を検索する。検索するメッシュは以下のようにして特定する。地図上の押圧位置31の緯度・経度を算出する。そして、押圧位置31の緯度・経度を中心に、検索位置32を中心から外方へ移動しながら矢印33の方向に回転する。検索位置33は、たとえば、中心を1周回転する間に中心から1km外周へ移動する。このように検索位置32を回転すると、検索位置32の軌跡34は、図3に示すように渦巻状になる。検索位置32が通過するメッシュ35を順次特定し、その特定したメッシュ35に対応するメッシュデータから、施設アイコンとして表示されている施設を検索する。
【0014】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などのために操作される操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18を操作することにより、目的地を設定する。
【0015】
目的地がユーザによって設定されると、目的地に経路探索終了点が設定される。そして、経路探索用データを用いて経路探索開始点から経路探索終了点までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは道路地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0016】
タッチパネル19は、表示モニタ16の表面に積層される透明のタッチスイッチであり、表示モニタ16に表示される画像はタッチパネル19を通して表示される。したがって、表示モニタ16の表示画面を押圧しようとするとタッチパネル19が押圧される。タッチパネル19は、タッチパネル19上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出し、タッチパネルコントロール部110はタッチパネル19の押圧位置を算出する。表示モニタ16に表示された各種ボタンや表示メニューなどを指などで押圧しようとするとタッチパネル19は押圧され、各種ボタンや表示メニューに定義された処理が実行される。
【0017】
次に、図4〜図6を参照して本発明の実施形態における施設アイコンのリスト表示操作について説明する。図4は、地図40上に施設アイコン41a〜41zを表示した表示モニタ16の表示画面を説明するための図である。ユーザは、施設アイコン41a〜41zのいずれかを指で押圧し、そのあと表示画面から指を離すことにより、押圧された施設アイコンに対応する施設の情報をポップアップ画面で表示することができる。施設アイコン41a〜41eは、相互に重なって表示されている。したがって、施設アイコン41a〜41eの中から所望の施設アイコンを選択することは困難である。このような場合、以下の操作を行う。
【0018】
図5(a)に示すように、施設アイコン41a〜41eが相互に重なって部分42を押圧する。最初、押圧された施設アイコン41bが選択されるが、押圧を続けると選択が解除される。そして、図5(b)に示すように、押圧位置42を中心とした円43a(以下、範囲設定円と呼ぶ)が表示される。押圧を続けると、図5(c)に示すように、押圧位置42を中心として範囲設定円43bの半径が大きくなる。押圧を止めて、指を表示モニタ16から離すと、範囲設定円43b内に表示されている施設アイコンに対応する施設が検索される。検索が終了すると、図6に示すように、リスト50として、検索された施設が表示モニタ16に表示される。ユーザは、リスト50の中から所望の施設を押圧することにより、所望の施設の情報をポップアップ画面として表示することができる。
【0019】
次に、本発明の実施形態における施設アイコンに対応する施設の情報表示処理について、図7および図8のフローチャートを参照して説明する。図7および図8の処理は、施設アイコンが表示された地図が表示モニタ16に表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0020】
ステップS701では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、タッチパネル19が押圧されたか否かを判定する。タッチパネル19が押圧された場合はステップS701が肯定判定され、ステップS702へ進む。タッチパネル19が押圧されていない場合はステップS701を繰り返す。ステップS702では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、表示モニタ16に表示された施設アイコンが押圧されたか否かを判定する。施設アイコンが押圧された場合はステップS702が肯定判定され、図8のステップS801へ進む。施設アイコンが押圧されていない場合はステップS702が否定判定され、ステップS703へ進む。
【0021】
ステップS703では、タッチパネル19の押圧位置を中心として、所定半径の範囲設定円を表示モニタ16に表示する。ステップS704では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、タッチパネル19が押圧されているか否かを判定する。タッチパネル19が押圧されている場合はステップS704が肯定判定され、ステップS712へ進む。ステップS712では、範囲設定円の半径を所定の長さ大きくして表示する。そして、ステップS704に戻る。タッチパネル19が押圧されていない場合はステップS704が否定判定され、ステップS705へ進む。
【0022】
ステップS705では、範囲設定円の地図上の半径(以下、設定半径と呼ぶ)を算出する。ステップS706では、施設アイコンとして表示されている施設の中から範囲設定円内の施設を検索する。施設の検索では、図3に示すような渦巻状の検索を行い、押圧位置と検索位置との間の距離が設定半径になるまで検索を行う。検索位置が通過するメッシュのメッシュデータの中から、施設アイコンとして表示され、範囲設定円内に存在する施設を検索する。
【0023】
ステップS707では、検索された施設をリスト表示する。ステップS708では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、リストの中で押圧された施設を選択する。ステップS709では、選択された施設の情報をポップアップ画面で表示モニタ16に表示する。施設の情報を、施設データ20に基づいて表示する。たとえば、施設の情報として、施設の名称、営業時間、施設の詳細情報などを表示する。
【0024】
ステップS710では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、タッチパネル19が押圧されたか否かを判定する。タッチパネル19が押圧された場合はステップS710が肯定判定され、ステップS711へ進む。タッチパネル19が押圧されていない場合はステップS710を繰り返す。ステップS711では、施設の情報の表示を終了する。そして、スタートへリターンする。
【0025】
図8のステップS801では、施設アイコンが押圧されてから所定時間経過しているか否かを判定する。所定時間経過している場合はステップS801が肯定判定され、図7の703へ進む。所定時間経過していない場合はステップS801が否定判定され、ステップS802へ進む。ステップS802では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、タッチパネル19が押圧されているか否かを判定する。タッチパネル19が押圧されている場合はステップS802が肯定判定され、ステップS801に戻る。タッチパネル19が押圧されていない場合はステップS802が否定判定され、ステップS803へ進む。ステップS803では、押圧されていた施設アイコンに対応する施設を、情報を表示する施設として選択する。そして、図7のステップS709へ進む。
【0026】
以上の実施形態におけるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)ユーザが表示モニタ16に表示された地図を押圧すると、押圧された位置の周辺に存在する施設アイコンに対応する施設がリストとして表示されるようにした。そして、ユーザがそのリストに表示された施設の中から所望の施設を押圧することによって、施設アイコンとして表示されている施設の中から所望の施設を選択できるようにした。したがって、ユーザは、施設アイコン同士が重なって施設アイコンが表示されている場合であっても、施設アイコンとして表示されている施設の中から所望の施設を容易に選択することができる。
【0027】
(2)ユーザが表示モニタ16に表示された地図を押圧すると、押圧された位置を中心とした範囲設定円が表示されるようにした。そして、範囲設定円内に表示されている施設アイコンの施設がリストとして表示されるようにした。また、ユーザが押圧を続けると、範囲設定円の半径が大きくなるようにした。したがって、ユーザはリストとして表示する施設の範囲を自由に設定でき、ナビゲーション装置1の利便性が向上する。たとえば、施設アイコン同士が重なっている範囲が広い場合は、範囲設定円の半径を大きくし、範囲が狭い場合は、範囲設定円の半径を小さくすることによって、適切な範囲で施設の検索を行うことができる。
【0028】
以上の実施形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)範囲設定円の内部の表示態様を、範囲設定円の外部の表示態様と異なるようにしてもよい。たとえば、図9に示すように範囲設定円43cの内部の表示色を、範囲設定円43cの外部の表示色と変更するようにしてもよい。これにより、範囲設定円内の施設アイコンを、より明確に認識することができ、便利である。
【0029】
(2)施設検索を行う範囲の円内に限定されない。たとえば、図10に示すように、矩形43d内の施設を検索するようにしてもよい。範囲設定円と同様に、ユーザが地図を押圧している間、矩形43dは、同じ形状を保ったまま大きくなる。この場合、矩形43dの4つの角の中で押圧位置42から最も離れている角の頂点と、押圧位置との間の地図上の距離を算出する。そして、施設の検索では、図3に示すような渦巻状の検索を行い。押圧位置と検索位置との間の距離が算出された距離になるまで行う。検索位置が通過するメッシュのメッシュデータの中から、施設アイコンとして表示され、矩形内に存在する施設を検索する。
【0030】
(3)表示モニタ16に表示された施設アイコンの中から所望の施設アイコンを選択できれば、表示モニタ16に表示された施設アイコンを選択する方法は、施設アイコンを押圧する方法に限定されない。たとえば、カーソルを施設アイコンに重ねることによって、施設アイコンを選択するようにしてもよい。また、この場合、図11に示すように、カーソル44の位置によって、範囲設定円43eの中心を設定するようにしてもよい。タッチパネル19が設けられていない場合も、施設アイコンとして表示されている施設の中から所望の施設を容易に選択することができ、便利である。
【0031】
(4)地図の押圧を続けると、範囲設定円が大きくなり、範囲設定円が表示モニタ16に表示されている地図からはみ出てしまう場合がある。この場合、地図から範囲設定円がはみ出ないようにするため、表示モニタ16に表示されている地図の縮尺を変更するようにしてもよい。たとえば、範囲設定円が地図からはみ出そうになると、範囲設定円の大きさを一定にし、縮尺率を一段階小さくした広域地図を表示するようにしてもよい。これにより、範囲設定円が表示モニタ16に表示されなくなり、検索範囲が不明確になるのを防止することができる。
【0032】
地図の縮尺率を変更する場合の施設アイコンに対応する施設の情報表示処理について、図8、図12および図13のフローチャートを参照して説明する。図8、図12および図13の処理は、施設アイコンが表示された地図が表示モニタ16に表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。図7および図8の処理と同じ処理には同じ符号を付し、図7および図8の処理と異なる部分を主に説明する。
【0033】
図12のステップS704が肯定判定されると、ステップS1201へ進む。ステップS1201では、範囲設定円の半径を所定長さ大きくすると、範囲設定円が表示モニタ16に表示されている地図からはみ出るか否かを判定する。範囲設定円が表示モニタ16に表示されている地図からはみ出る場合はステップS1201が肯定判定され、図13のステップS1301へ進む。範囲設定円が表示モニタ16に表示されている地図からはみ出ない場合はステップS1201が否定判定され、ステップS712へ進む。
【0034】
図13のステップS1301では、範囲設定円の半径を変更せずに、一段階広域に地図の縮尺を変更して地図を表示する。ステップS1302では、タッチパネルコントロール部110により算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、タッチパネル19が押圧されているか否かを判定する。タッチパネル19が押圧されている場合はステップS1302が肯定判定され、ステップS1301に戻る。タッチパネル19が押圧されていない場合はステップS1302が否定判定され、図12のステップS705へ進む。
【0035】
また、範囲設定円が地図からはみ出さないようにするため、範囲設定円が地図からはみ出そうなると、範囲設定円がそれ以上大きくならないようにしてもよい。
【0036】
(5)表示画面の中央を押圧すると、範囲設定円が表示されて大きくなり、表示画面の中央以外を押圧すると、押圧された位置が表示画面の中央に移動するように表示モニタ16に表示された地図がスクロールされるようにしてもよい。表示画面を押圧する操作によって、範囲設定円の表示と、地図のスクロールとを行うことができ、便利である。また、押圧位置を表示画面の中央にすることによって、範囲設定円の大きさを最も大きくすることができる。この場合、押圧操作が地図のスクロールであるか、施設アイコンの選択であるかを判断しづらくなるので、施設アイコンにカーソルを合わせることによって施設アイコンを選択できるようにしてもよい。
【0037】
本発明は、地図表示装置であれば、ナビゲーション装置1に限定されない。たとえば、地図を表示することができる携帯電話端末でもよい。
【0038】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0039】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0040】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の地図表示制御手段は制御回路11に対応し、施設入力手段および位置入力手段は制御回路11、タッチパネル19およびタッチパネルコントロール部110に対応する。リスト表示手段は制御回路11に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】施設データを説明するための図である。
【図3】押圧位置周辺の施設を検索する検索方法を説明するための図である。
【図4】施設アイコンが表示されている地図を説明するための図である。
【図5】施設検索を行う範囲を設定する操作を説明するための図である。
【図6】検索された施設を表示するリストを説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態における施設アイコンに対応する施設の情報表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態における施設アイコンに対応する施設の情報表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】範囲設定円の変形例を説明するための図である。
【図10】施設検索の検索範囲における設定の変形例を説明するための図である。
【図11】カーソルによる範囲設定円の中心の設定を説明するための図である。
【図12】地図の縮尺率を変更する場合の施設アイコンに対応する施設の情報表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】地図の縮尺率を変更する場合の施設アイコンに対応する施設の情報表示処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
16 表示モニタ
19 タッチパネル
20 施設データ
41a〜41z 施設アイコン
43a〜43c,43e 範囲設定円
110 タッチパネルコントロール部
111 ディスクドライブ
112 DVD−ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図に重ねて施設アイコンを表示モニタに表示する地図表示制御手段と、
前記表示モニタに表示された施設アイコンの中から選択された施設アイコンを入力する施設入力手段と、
前記地図上に指定された位置を入力する位置入力手段と、
前記位置入力手段によって入力された位置周辺の施設アイコンに対応する施設の情報を前記表示モニタにリスト表示するリスト表示手段とを備え、
前記施設入力手段は、前記リスト表示手段により表示されたリストから選択された施設を入力することを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図表示装置において、
前記地図表示制御手段は、前記位置入力手段により入力された位置を基準とした範囲を前記表示モニタに表示し、前記位置入力手段によって位置が入力されている間、前記範囲を大きくするようにし、
前記リスト表示手段は、前記地図表示制御手段により表示された範囲で規定された地域内に表示されている施設アイコンに対応する施設をリスト表示することを特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の地図表示装置において、
前記地図表示制御手段は、前記範囲を大きくすると前記範囲が前記地図からはみ出る場合、前記範囲を一定にし、
前記位置入力手段によって位置が入力されている間、前記地図の縮尺を広域側に変更することを特徴とする地図表示装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の地図表示装置において、
前記地図表示制御手段は、前記範囲の表示態様を前記範囲の外部の表示態様と異ならせることを特徴とする地図表示装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の地図表示装置において、
前記地図表示制御手段は、前記位置入力手段により入力された位置を中心とした円を前記範囲として表示し、前記位置入力手段によって位置が入力されている間、前記円の半径を大きくすることを特徴とする地図表示装置。
【請求項1】
地図に重ねて施設アイコンを表示モニタに表示する地図表示制御手段と、
前記表示モニタに表示された施設アイコンの中から選択された施設アイコンを入力する施設入力手段と、
前記地図上に指定された位置を入力する位置入力手段と、
前記位置入力手段によって入力された位置周辺の施設アイコンに対応する施設の情報を前記表示モニタにリスト表示するリスト表示手段とを備え、
前記施設入力手段は、前記リスト表示手段により表示されたリストから選択された施設を入力することを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図表示装置において、
前記地図表示制御手段は、前記位置入力手段により入力された位置を基準とした範囲を前記表示モニタに表示し、前記位置入力手段によって位置が入力されている間、前記範囲を大きくするようにし、
前記リスト表示手段は、前記地図表示制御手段により表示された範囲で規定された地域内に表示されている施設アイコンに対応する施設をリスト表示することを特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の地図表示装置において、
前記地図表示制御手段は、前記範囲を大きくすると前記範囲が前記地図からはみ出る場合、前記範囲を一定にし、
前記位置入力手段によって位置が入力されている間、前記地図の縮尺を広域側に変更することを特徴とする地図表示装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の地図表示装置において、
前記地図表示制御手段は、前記範囲の表示態様を前記範囲の外部の表示態様と異ならせることを特徴とする地図表示装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の地図表示装置において、
前記地図表示制御手段は、前記位置入力手段により入力された位置を中心とした円を前記範囲として表示し、前記位置入力手段によって位置が入力されている間、前記円の半径を大きくすることを特徴とする地図表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−230640(P2009−230640A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−77580(P2008−77580)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
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