地理的データベースの更新部分の影響を報告するためのナビゲーションシステムの作動方法
【課題】ナビゲーションシステムを作動させる方法及びシステムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション関連機能を提供するためにナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムを実行するナビゲーションシステムを作動させる方法。本方法は、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムが、上述のナビゲーションシステムに付随する地理的データベースからの更新済地理的データと未更新地理的データの両方を使用すると特定する段階を含む。未更新地理的データは、更新済地理的データとは異なる関連する日付又はバージョンを有する。本方法は、更新済地理的データと未更新地理的データの間に矛盾が存在する場合があることを表示する報告を提供する段階を更に含む。本方法は、更新済地理的データと未更新地理的データの間の矛盾を特定する段階を更に含むことができる。
【解決手段】ナビゲーション関連機能を提供するためにナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムを実行するナビゲーションシステムを作動させる方法。本方法は、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムが、上述のナビゲーションシステムに付随する地理的データベースからの更新済地理的データと未更新地理的データの両方を使用すると特定する段階を含む。未更新地理的データは、更新済地理的データとは異なる関連する日付又はバージョンを有する。本方法は、更新済地理的データと未更新地理的データの間に矛盾が存在する場合があることを表示する報告を提供する段階を更に含む。本方法は、更新済地理的データと未更新地理的データの間の矛盾を特定する段階を更に含むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムを作動させる方法及びシステムに関し、より詳細には、地理的データベースの更新された部分の影響を報告するためのナビゲーションシステムを作動させる方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
エンドユーザに様々なナビゲーション関連機能及び特徴を提供するナビゲーションシステムが利用可能である。例えば、いくつかのナビゲーションシステムは、地理的領域内で出発地から目的地まで道路網に沿って移動するための最適なルートを判断することができる。エンドユーザから、及び任意的にエンドユーザの位置を判断することができる機器(GPSシステムなど)からの入力を使用して、ナビゲーションシステムは、最適なルートを判断するために出発地と目的地の間で様々な可能性のあるルートを検査することができる。次に、ナビゲーションシステムは、出発地から目的地まで移動するためにエンドユーザによって取る必要がある運転操作を特定する案内の形態で最適なルートに関する情報をエンドユーザに提供することができる。案内は、エンドユーザが移動するルートの進路に沿って提供される視覚的及び/又は聴覚的指示の形態を取ることができる。一部のナビゲーションシステムは、詳細の地図をディスプレイ上に表示し、ルート、ルートに沿った様々な位置で取るべき操作の種類、及びいくつかの種類の特徴の位置などを概説することができる。
【0003】
これら及び他のナビゲーション関連機能及び特徴を提供するために、ナビゲーションシステムは地理的データを使用する。地理的データは、地理的領域内の物理的特徴を表すデータを含む1つ又はそれ以上の地理的データベースの形態にすることができる。地理的データベースは、一方通行の道路、道路の位置、道路の各部分に沿った速度制限、道路の各部分に沿った住所範囲、道路の交差点での進路変更制限、及び一方通行道路のような進路の制限のような表示された地理的特徴に関する情報を含む。更に、地理的データは、会社、施設、レストラン、ホテル、空港、ガソリンスタンド、スタジアム、及び警察署のような要所を含むことができる。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,974,419号
【特許文献2】米国特許第6,782,319号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ナビゲーションシステムは、多くの重要な機能を提供することができるが、引き続き新しい機能と改善のための余地がある。総合的で詳細で信頼できる最新の地理的領域に関するデータを集めて編成する必要性が存在する。また、地理的データを更新する必要性も存在する。従来の印刷された地図と同じように、コンピュータベースのナビゲーションシステムで使用される地理的データも時代遅れになる可能性がある。例えば、新しい道路が建設され、会社は場所を変え、道路建設のために道路が閉鎖され、回り道が作られ、美術館やレストランの営業時間が変更されるなどである。それに加えて、データ収集技術の改善によって地理的データの精度が改善されることがある。
【0006】
1つの公知のシステムでは、地理的情報の更新されたバージョンが定期的に公開される。この公知のシステムでは、自分の地理的データベースを更新したいユーザは、以前の地理的データベースをそっくり新しいバージョンと入れ替えるように要求される。これは、大量のデータが関わり、その大部分がユーザの地理的データベースの以前のバージョンと同一であるために、負担になって時間を浪費する可能性がある。更に、そのようなシステムでは、地理的データの新しい公開は、一定の定期的なスケジュール(例えば、3ヶ月毎のように数ヶ月毎)で行われる場合がある。従って、ユーザの地理的データベースは、時代遅れになる可能性があり、それによってその有用性が低下する。
【0007】
別のシステムでは、以前の地理的データベースを新しいバージョンにそっくり入れ替えるのではなく、更新された地理的データを反映させるために以前の地理的データベースの一部分が入れ替えられるか又は修正される。地理的データの部分的な更新の欠点の1つは、部分的に更新された地理的データがナビゲーション関連機能及び特徴に対して有することがある影響である。従って、以前に公開された地理的データと更新された地理的データの組合せをナビゲーション関連機能が使用するか否かを特定する方法及びシステムが望ましい。更に、部分的に更新された地理的データによるナビゲーション関連機能及び特徴に対する影響をナビゲーションシステムのユーザに報告する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これら及び他の目的に対処するために、本発明は、ナビゲーション関連機能を提供するためにナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムを実行するナビゲーションシステムを作動させる方法を含む。本方法は、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムが、上述のナビゲーションシステムに付随する地理的データベースからの更新済地理的データと未更新地理的データの両方を使用すると特定する段階を含む。未更新地理的データは、更新済地理的データとは異なる関連する日付又はバージョンを有する。本方法は、更新済地理的データと未更新地理的データの間に矛盾が存在する場合があることを表示する報告を提供する段階を更に含む。本方法は、更新済地理的データと未更新地理的データの間の矛盾を特定する段階を更に含むことができる。
【0009】
別の態様によれば、本発明は、ナビゲーションシステムを含む。ナビゲーションシステムは、地理的領域内の機能を表す地理的データを収容する地理的データベースを含む。地理的データベースは、増進的更新を受け取ることができる。増進的更新は、地理的データベースの以前に公開された地理的データセットを変更し、更新データセットと未更新データセットを提供する。更新データセットは、以前に公開された地理的データセットに対する変更を含み、未更新データセットは、以前に公開された地理的データセットの一部分を含む。ナビゲーションシステムはまた、ナビゲーション関連機能を提供するために更新データセットと未更新データセットの両方が使用されるか否かを判断するナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムを含む。
ここで、以下の図面を参照して本発明の例示的な実施形態を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
I.ナビゲーションシステム
図1は、演算プラットフォーム12に関連するナビゲーションシステム10のブロック図である。演算プラットフォーム12は、自動車と関連付けることができる。更に、演算プラットフォーム12は、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は他の任意のコンピュータとすることができる。ナビゲーションシステム10は、ハードウエア及びソフトウエア構成要素の組合せである。一実施形態では、ナビゲーションシステムは、プロセッサ14、プロセッサ14に接続したドライブ16、及びナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムと場合によっては他の情報を保存するための不揮発性メモリ記憶装置18を含む。
【0011】
ナビゲーションシステム10はまた、測位システム22を含む。測位システム22は、全て当業技術で公知であるGPS型技術、推測航法型システム、又は、これら又は他のシステムの組合せを利用することができる。測位システム22は、移動距離、速度、方角、及び方位などを測定する適切な感知装置を含むことができる。測位システムはまた、GPSシステムを含むことができる。測位システム22は、プロセッサ14に信号を出力する。プロセッサ14上で作動するナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20は、測位システム22からの信号を使用して演算プラットフォーム12の位置、方角、方位、その他を判断する。
【0012】
ナビゲーションシステム10はまた、ユーザがナビゲーションシステム10に情報を入力し、ナビゲーションシステム10から情報を取得することを可能にするユーザインタフェースを含む。入力情報は、ナビゲーションシステム10のナビゲーションの特徴及び機能に関する要求を含むことができる。ナビゲーションの特徴及び機能を提供するために、ナビゲーションシステム10は、地理的データベース26を使用する。一実施形態では、地理的データベース26は、CD−ROM又はDVDのような記憶メディアに保存され、このメディアはドライブ16に組み込まれ、地理的データベース26は、読み取られてナビゲーションシステム10によって使用される。一実施形態では、ナビゲーションシステム10はまた、地理的データベース26の部分が保存されるハードディスク又はメモリカードのような記憶装置28を含む。別の実施形態では、地理的データベース26は、ハードディスクに保存される。一実施形態では、地理的データベース116は、米国イリノイ州シカゴ所在の「NAVTEQ North America,LLC」によって出版される地理的データベースとすることができる。地理的データベース26は、ナビゲーションシステム10の場所で物理的に提供される必要があるというわけではない。代替の実施形態では、地理的データベース26の一部分又は全体をナビゲーションシステム10の残りから遠隔に配置して、必要に応じて通信システム30を通じて地理的データの一部分を提供することができる。
【0013】
システムの例示的な1つの型式では、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20は、不揮発性メモリ記憶装置18からプロセッサ14に関連するランダムアクセスメモリ(RAM)32にロードされる。プロセッサ14はまた、ユーザインタフェース24から入力を受け取る。ナビゲーションシステム10は、場合によっては測位システム22と通信システム30からの出力と共に、記憶メディア及び/又は記憶装置28に保存された地理的データベース26を使用して、様々なナビゲーションの特徴及び機能を提供する。ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20は、様々なナビゲーション関連の特徴及び機能を提供する別のアプリケーション(又は、サブプログラム)を含むことができる。ナビゲーションの機能と特徴は、ルート計算34(出発地から目的地までのルートが判断される)、ルート案内36(望ましい目的地に到着するための詳細な方角が提供される)、地図の表示38、及び測位40(例えば、地図対照)を含むことができる。
【0014】
他の機能とプログラム42がナビゲーションシステム10に含まれる場合がある。ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20は、C++又はJava(登録商標)も同様に適切ではあるが、C言語のような適切なコンピュータプログラム言語を使用して書き込むことができる。上述の全ての構成要素は従来的であり(又は、従来的以外であり)、これらの構成要素の製造と使用は、当業者には公知である。
【0015】
II.地理的データベース
図2は、地理的領域52の地図50を示すものである。地理的領域52は、都市又は地方の領域、国、州、又はその組合せ、又は同等サイズの任意の他の領域に相当する場合がある。地理的領域52に配置されるのは、道路、要所(会社、施設などを含む)、湖、川、鉄道、自治体のような物理的かつ地理的特徴である。
図2はまた、地理的領域52の一部分56の拡大された地図54を含んでいる。拡大された地図54は、地理的領域52内の道路網58の一部を示すものである。道路網58は、特に地理的領域52に配置された道路と交差点を含んでいる。部分56に示すように、地理的領域52内の各道路は、1つ又はそれ以上の道路セグメント60から成る。道路セグメント60は道路の一部分を表すものである。各道路セグメントは、それに関連して2つのノードを有するように示され、1つのノードは、道路セグメントの一端における点を表し、別のノードは、道路セグメントの別の一端における点を表している。道路セグメントのいずれかの一端におけるノードは、道路が別の道路に出会う位置、すなわち交差点、又は道路が行き止まる場所に対応するであろう。
【0016】
図3を参照すると、地理的データベース70は、地理的領域内で(図2の52)いくつかの物理的かつ地理的特徴を表すデータ72を包含する。地理的データベース70内に包含されるデータ72は、道路網58を表すデータを含んでいる。図3の実施形態では、地理的領域52を表す地理的データベース70は、図2の地理的領域52内の各道路セグメントのための少なくとも1つのデータベース記録74(「エンティティ」又は「エントリ」とも呼ばれる)を包含する。道路セグメント記録74は、地理的データベース内でデータ記録を特定することができるセグメントIDを含むことができる。各道路セグメントデータ記録74は、それに関連して、表示された道路セグメントの特徴を説明する情報(「属性」、「フィールド」、その他など)を有する。道路セグメントデータ記録74は、図示の道路セグメント上で許可された自動車走行方角に対して、もしあるとすれば制限を表示するデータ、図示の道路セグメント上での速度制限又は速度区分を表示するデータ(すなわち、最大許容車両走行速度)、図示の道路セグメントがアクセス管理された道路(高速道路など)の一部、アクセス管理された道路へのランプ、橋梁、トンネル、有料道路、フェリーなどであるか否かを表示するデータを含むことができる。道路セグメントデータ記録74はまた、図示の道路セグメントの終点の地理的座標(例えば、緯度と経度)を提供するデータ、及び道路セグメントの形状を提供するデータを含んでいる。一実施形態では、終点のデータは、図示の道路セグメントの終点に対応するノードを示すノードデータ記録76に対する基準である。道路セグメントデータ記録74はまた、図示の道路セグメントの他の様々な属性を参照する他のデータを含むことができ、又はそれらに関連付けることができる。道路セグメントに関連する様々な属性は、1つの道路セグメント記録に含まれる場合があり、又は互いに相互参照される2種類以上の記録に含まれる場合がある。例えば、道路セグメントデータ記録74は、道路セグメントによって示された道路部分の終点における交差点に対応するそれぞれのノードでどのような進路変更制限が存在するか、示された道路セグメントが知られている1つ又は複数の名前、図示の道路セグメントに沿った所在地の住所の範囲などを特定するデータを含むことができる。
【0017】
地理的領域52を示す地理的データベース70はまた、地理的領域52内の各ノード62に対するデータベース記録76(又は「エンティティ」、又は「エントリ」)を含んでいる。(用語「ノード」及び「セグメント」は、これらの物理的かつ地理的特徴を説明するための唯一の述語を表し、これらの特徴を説明するための他の述語は、これらの概念の範囲内に包含されるように意図される。)ノードのデータ記録76は、それ及び/又はその地理的位置(例えば、その緯度及び経度座標)に接続する道路セグメントの特定を可能にする関連情報(「属性」、「フィールド」、その他など)をそれぞれ有することができる。
【0018】
地理的データベース70はまた、他の種類のデータ78を含むことができる。他の種類のデータ78は、他の種類の地理的特徴又は他のものを表現することができる。他の種類のデータは、要所のデータを含むことができる。例えば、要所のデータは、要所の種類(例えば、レストラン、ホテル、市民ホール、警察署、歴史的な標識、ATM、ゴルフ場などのような要所の種類)、要所の位置、電話番号、営業時間などを含めた要所の記録を含むことができる。それぞれの要所は、固有の物理的位置を有し、それぞれの位置は、二次元(又は三次元)の地理的座標(すなわち、緯度、経度、及び場合によっては高度)によって特定することができる。更に、位置は、ノードの1つに対応することがあり、道路セグメントに沿った点に対応することもある。地理的データベース70はまた、インデックス80を含んでいる。インデックス80は、互いに異なる種類のデータに関連するか、又は地理的データベース70に包含されたデータの別の態様に関連する様々な種類のインデックスを含むことができる。
【0019】
様々なナビゲーション関連機能及び特徴を達成するために地理的データ72のアクセスを改善することができる1つの方法は、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20において、それぞれ別々の機能と特徴によって使用するために地理的データの別々の集まり又はサブセットを提供することである。これら別々のサブセットは、それぞれ、1つの機能によって使用されるように特別に適応される。例えば、ルート計算機能は、通常は道路のセグメントに関連する地理的データベースの全ての情報の一部分だけを使用する。例えば、ルート計算機能が実行されている時には、それは、道路セグメントに沿った走行速度、1つの道路セグメントから別の道路セグメントへの進路変更制限、道路セグメントの交差点におけるストップライトなどのような情報を要求することができる。しかし、ルート計算機能は、最適なルートを計算するために通常は道路の名前を要求しない。同様に、地図表示機能を使用する時には、速度制限又は進路変更制限のような道路セグメントに関連するいくつかの情報は要求されない。その代わりに、地図表示機能が実行されている時は、それは、道路の形状及び位置、及び場合によっては道路の名前のような道路セグメントに関連する情報の一部分だけを使用する。更に、操作機能が実行されている時は、速度制限などのような道路のセグメントに関連するいくつかの情報は要求されない。代替的に、操作機能が実行されている時は、それは、道路セグメントデータエンティティによって示された道路の名前、道路セグメントに沿った住所の範囲、道路セグメントに沿った全ての標識などを含む情報を使用する。様々なナビゲーション関連機能及び特徴によって使用される情報の種類に関して、ある程度重なっている部分がある場合があるが、これらのナビゲーション関連機能及び特徴のいずれか1つによって使用されるいくつかのデータは、別の機能によって使用されることはない。各道路セグメントに関連する全ての情報が単一データベースの単一データエントリとしてそれに関連付けられているとすれば、各データエンティティ記録は、相対的に大きなものになるであろう。従って、いずれか1つのナビゲーション関連機能がエンティティ記録にアクセスした時はいつでも、それは、膨大な量の情報をメモリに読み込まなければならないことになり、この情報の大部分は、ナビゲーション関連機能によって必要とされないものであろう。更に、記憶メディア及び/又は記憶装置からデータエンティティを読み取る時は、それぞれのデータエンティティが比較的大きいために、一度に読み取ることができるデータエンティティは比較的少ないことになる。
【0020】
地理的データベース70内の情報をナビゲーション関連機能のそれぞれによってより効率的に使用するためのフォーマットで提供するために、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20内で提供される異なる種類のナビゲーション関連機能に対して、所定の地理的領域の全体の地理的データベースの別々のサブセットが提供される。図4は、別々のルーティングデータ84、地図作製用データ86(地図の表示のため)、操作データ88、及び要所データ90から成る地理的データベース82を示している。地理的データベースは、これらよりも少ないか又は多いサブセットで形成することができ、又は別の種類のデータを形成して含むこともできる。
【0021】
データのそれぞれのサブセットは、特定のナビゲーション関連機能によって使用するために必要なデータだけを含んでいる。これらのサブセットのそれぞれの間には、データのある程度のオーバーラップがあり、結果的に情報のある程度の部分が1つよりも多いサブセットに含まれる場合がある。例えば、ルーティングデータサブセットの道路セグメントエンティティと、同じく地図作製用データサブセットの道路セグメントエンティティの両方は、セグメントの終点に配置されたノードを特定する属性を含むことができる。この重複がより大きな全データ記憶要求をもたらす場合もあるが、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20は、それぞれ、より少量のデータを処理するという結果的に得られる効率性から利便を得ることになる。
【0022】
地理的データのサブセットへの分割は、異なるナビゲーション関連機能のそれぞれによるデータの効率的な使用を提供するが、データベースのこれらの異なるサブセットを使用する異なるナビゲーション関連機能を協働するようにすることが必要になる。例えば、計算されたルートをユーザが取得した後で、強調表示された計算ルートを使用してコンピュータディスプレイ上に地図を表示することを要求する場合がある。これを実現するために、地理的データのルーティングサブセットが最初にアクセスされ、最適なルートのルーティング道路セグメントデータエンティティを取得し、次に地図作製用サブセットがアクセスされ、ルーティングデータエンティティに対応する地図作製用道路セグメントデータエンティティを取得する。これらのデータサブセットを協働させるために、相互参照インデックス92が提供されることがあり、又は検索技術が提供されることもある。
【0023】
地理的データの使用を強化するように編成することができる別の方法は、層状にデータを提供することである。ナビゲーション関連機能のいくつかは、異なる詳細レベルでデータを使用する。地図表示機能はこの種の機能の例である。地図表示機能を使用する時に、パンニングとズーミングの提供を要求されることがある。より低い層でより詳細に、及びより高い層でそれほど詳細でなくなるようにデータが層に編成されている場合には、ズーミングをより効率的に行うことができる。また、ルーティング計算機能を使用する時に、異なるレベルの詳細でデータを使用するのが有利である。例えば、2つの位置の間のルートを計算する時に、二次的な道路と路地を含む、ルートに沿って各交差点から分岐する可能な全ての道路セグメントを検査するのは非効率的であろう。代替として、ルートが一度主要道路又は高速道路に「オン」した時に、目的地が近づいて二次的な道路に出る必要があるまで主要道路又は高速道路に留まるのが一般的に望ましい。ルーティングデータが階層化された場合、ルートを計算する時に検査される可能性がある道路セグメントの最小化が実現可能な場合は、二次的な道路を省略するより高い層を使用することができる。従って、データのいくつかのサブセットの範囲内で、別々の集合形態又は別々の層に対応するグループで地理的データが提供される。
【0024】
階層化を実行するために道路セグメントデータエンティティのようなデータエンティティが「ランク」と共に提供される。道路セグメントの「ランク」は、最も遅く最も狭い「0」のランクを有する道路セグメント、より大きくより速いランク「1」を有する道路セグメント、主要道路であるランク「2」を有する道路セグメントなどを使用して、その機能的なクラスと関連付けることができる。セグメントデータエンティティはまた、道路セグメントエンティティが存在する最も高いデータ層を特定するものである。例えば、図5を参照すると、地理的データ84のルート計算サブセットは、5つの別々のデータR0、R1、R2、R3、及びR4の集まりを含むことができ、それぞれ異なるレベルの詳細を有し、ルート計算機能に使用することができる。同様に、地理的データ86の地図製作用(すなわち、地図表示)サブセットは、5つの別々のデータC0、C1、C2、C3、及びC4の集まりを含むことができ、それぞれ異なるレベルの詳細を有し、地図表示に使用することができる。
【0025】
地理的データベースのルーティングサブセットでは、層0(R0)は、地理的領域内の全ての道路の全ての部分に対応するセグメントデータエンティティを有する。ルーティングデータのレベル1は、ルーティングデータの別々のサブセット(又は、集まり)を含み、レベル1又はそれよりも高いランクのルーティングセグメントデータエンティティ(及び、それらの対応するルーティングデータ属性)だけを含んでいる。ルーティングデータのレベル2は、ルーティングデータの別々のサブセットを含み、レベル2又はそれよりも高いランクのルーティングセグメントデータエンティティ(及び、それらの対応するルーティングデータ属性)だけを含んでおり、以下同様である。
【0026】
同様に、地理的データの地図作製サブセットは、地図表示機能に使用されるデータの別々の集まり(層)を含むことができ、それぞれが異なるレベルの詳細を有する。地理的データベースの地図作製サブセットでは、層0は、地理的領域内の全ての道路の全ての部分に対応するセグメントデータエンティティ(及び、対応するデータ属性)を含んでいる。地図作製データのレベル1は、地図作製データの別々のサブセットを含み、レベル1又はそれよりも高いランクの地図作製セグメントデータエンティティ(及び、対応するデータ属性)だけを含んでおり、以下同様である。地図作製データのこれらの異なる層を使用して、地図表示機能は、迅速なパンニングとズーミングを提供することができる。
【0027】
いくつかのデータの層への編成は、いくつかのデータの重複をもたらすが、いくつかのデータの階層化によってもたらされた効率の改善は、あらゆる不利益を相殺するものである。上述の別々の型式のデータの使用により、これらの層を協働させる必要性が発生する。相互参照インデックス92を提供することができ、又は他の検索技術を提供することもできる。
データのサブセット又はタイプへの編成といくつかのタイプのデータの階層化は、個々のデータのサイズによる集まりをもたらし、それぞれのナビゲーション関連機能によってより管理しやすいものである。データの各サブセットと各層に関連してデータを更に編成することができ、空間的なアクセスを容易にする。
【0028】
一般的に、空間的にそれらが示す地理的特徴の物理的近接に基づいて、道路のような地理的特徴を示すデータを保存することが必要である。地図データベース内で物理的(又は理論的)にすぐ近くにある(及び、場合によっては同じくデータが記憶された記憶メディア上ですぐ近くにある)データ記録は、地理的領域内で物理的にすぐ近くにある地理的特徴を示している。地理的特徴を示すデータを空間的に編成するために、地理的特徴を示すデータは、パーセルに編成される。データのそれぞれのパーセルは、地理的領域内に互いに物理的に隣接して配置された特徴を示すデータを含んでいる。それぞれのパーセルは、パーセル化技術によって判断されたサイズ、形状、及び位置の物理的領域の範囲内に包含された物理的特徴を表すデータを含んでいる。(データをパーセルに形成する目的のために、上述のようにデータは、最初に、ルーティング、地図表示、及び操作発生のようなそれらにアクセスする機能に基づいて異なる種類に別々に編成される。更に、同じく上述のように、ランクに基づいてデータは層に編成される。)
【0029】
データを空間的にパーセル化するために、各パーセルを形成するデータを包含する地理的領域のサイズ、形状、及び位置を判断すべきである。地図データを空間的に編成するためのパーセル化の技術は、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれる米国特許第5,974,419号及び第6,782,319号に説明されている。図6は、複数のパーセル96に編成された地理的領域94の実施例を示すものである。パーセル96は、パーセル境界98によって分離されて形成される。
【0030】
III.地理的データベースの更新
図1を参照すると、ナビゲーションシステム10が信頼性があって正確なナビゲーション関連機能と特徴を提供するために、ナビゲーションシステム10によって使用される地理的データベース26は最新である必要がある。従来の印刷された地図と同じように、コンピュータベースのナビゲーションシステムで使用される地理的データは、時代遅れになる可能性がある。例えば、新しい道路が建設され、会社が住所を変更し、道路建設が道路を閉鎖し、回り道が作られ、美術館やレストランが営業時間を変更するなどである。更に、データ収集技術を改善することにより、地理的データの精度を改善することができる。
【0031】
一実施形態では、ナビゲーションシステム10に関連する地理的データベース26には更新がもたらされる。地理的データベースの更新は、以前に公開された地理的データの変更の説明である。変更は、地理的データベースを含む既存の既知の地理的データのセットによって説明される。この変更が処理される時に、地理的データベースに対して場合によっては新しいセットの地理的データがもたらされる。図7を参照すると、既知の地理的データセット100は、更新102を受けて地理的データベースの新しい地理的データセット104になる。既知のデータセットに対して変更を説明する作用は、データベース要素を明白に特定して、それらの要素に対して既知のデータセットの観点から変更を説明することから構成される。既存のデータセットに対して実行することができる変更の基本的な型式は、(1)新しい以前は未知のデータをデータベースに導入し、(2)既存の既知データをデータセットから除去し、(3)新しいデータの値を有するように既知の値の状態を変更することである。
【0032】
図8は、エンドユーザの地理的データベースに更新を提供するためのシステムの例示的な実施形態を示している。地理的データベースのプロバイダ110は、マスター地理的データベース112を維持する。マスター地理的データベース112は、地理的研究者によって提供された最新のデータセットを包含する。マスター地理的データベース112は、1つ又はそれ以上のハードドライブ又は他の記憶メディア上に保存することができる。一実施形態では、マスター地理的データベースは、様々なエンドユーザ演算プラットフォームの異なるフォーマットを維持するために、データベースのいくつかのバージョンを維持することができる。更に、マスター地理的データベース112は、マスター地理的データベース112に対して行われた変更を特定するために改訂の履歴を含むことができる。
【0033】
サーバ114は、1つ又はそれ以上のハードドライブか又はサーバ114によって作動して実行のためにサーバのメモリにロードされる他のメディア上に保存することができるサーバアプリケーション116を含んでいる。サーバアプリケーション116の1つは、更新アプリケーション118であり、サーバアプリケーションの別のものは、通信アプリケーション120である。通信アプリケーション120は、複数のエンドユーザとメッセージを送受信するためにデータネットワーク122とインタフェースで接続している。
【0034】
図8を参照すると、エンドユーザによって作動されるいくつかの種類の演算プラットフォームは、通信アプリケーション120からメッセージを要求して受け取るものである。エンドユーザ演算プラットフォームは、自動車126と関連付けられたナビゲーションシステム124、パーソナルコンピュータ128、整理記録ツール(例えば、PDA、「PalmPilot(登録商標)」型装置)130、無線電話132、又はデータネットワーク122上で地理的データベースプロバイダ110にアクセスするための適切なハードウエアとソフトウエアを備えた他の型式の演算装置を含むことができる。
【0035】
データネットワーク122は、現在入手可能な任意の適切な技術及び/又はプロトコルと、同じく将来入手可能になる技術及び/又はプロトコルとを使用することができる。例えば、データネットワークは、WAP、TCP/IPなどを使用することができる。データネットワーク122では、適切な変換により1つよりも多いプロトコルを使用することができる。データネットワーク122は、インターネットの一部にするか又はそれに接続することができる。ネットワーク122の一部分は、無線部分134を含むことができる。データネットワーク122の無線部分134は、移動式のエンドユーザ演算プラットフォームと地理的データベースプロバイダ110の間で双方向通信が可能である。無線部分134は、セルラー、PCS、衛星、FM、ラジオ、又は将来開発されるであろう技術を含む任意の適切な形態の無線通信によって実施することができる。無線部分134は、トランスポンダタワー、アンテナタワー、FMタワー、衛星、又は他の適切な手段のような1台又はそれ以上のトランスミッタ136を含むことができる。トランスミッタ136は、ネットワーク122及び/又はデータベースプロバイダ110に対する適切な通信リンク138を含んでいる。このリンク138は、地上式又は無線式にすることができる。トランスミッタ136は、データベースプロバイダ110と移動式エンドユーザ演算プラットフォームの間で双方向通信が可能な適切な技術を含んでいる。
【0036】
サーバアプリケーション116に含まれるのは、更新アプリケーション118と通信アプリケーション120である。更新アプリケーション118は、エンドユーザ演算プラットフォームに様々な異なる型式の更新を提供するために、サーバ114に関連付けられたマスター地理的データベース112を使用する。一実施形態では、通信アプリケーション120は、エンドユーザ演算プラットフォームから更新を要求するメッセージを受け取り、要求の更新を含むメッセージをエンドユーザ演算プラットフォームに送るために、データネットワーク122とインタフェースで接続している。
【0037】
簡潔には、一実施形態では、エンドユーザ演算プラットフォームの1台は、地理的データベースプロバイダ110に対して、演算プラットフォームに関連する地理的データベースに対する更新を要求するメッセージを送る。一般的に、メッセージは、エンドユーザとエンドユーザの地理的データベースのバージョンとを特定する。メッセージはまた、以前の更新トランザクションの日付を含めた以前の更新の履歴を含むことができる。更に、メッセージは、要求された更新の形式を表示する。更新の型式は、以下により詳細に説明されている。サーバ116上の通信アプリケーション120と更新アプリケーション118は、更新を要求するメッセージを受け取って処理する。更新アプリケーション118は、マスター地理的データベース112から必要な情報を受け取り、要求された更新のデータを包含するデータパッケージを処理する。通信アプリケーション120は、エンドユーザ演算プラットフォームにデータパッケージと共にメッセージを送る。一実施形態では、データパッケージは暗号化されることがある。エンドユーザ演算プラットフォームは、データパッケージと共にメッセージを受け取り、必要に応じてデータパッケージを処理して更新を入手する。次に、エンドユーザ演算プラットフォームは、更新のデータセットを関連メモリに保存する。例えば、エンドユーザ演算プラットフォームが図1のナビゲーションシステム10のようなナビゲーションシステムを含む時は、更新のデータセットは、ハードディスクのような記憶装置28に保存される。次に、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20は、ナビゲーション関連の特徴及び機能を提供する時に、CD−ROM又はDVDのような記憶メディア上のデータセット及び記憶装置上の更新のデータセットを含む地理的データベース26を使用することができる。
【0038】
更新の型式は、3つの使用可能な変数を有するものとして見ることができる。更新の第1の変数は、大陸的更新又は地域的更新のいずれかということである。大陸的更新は、北米のような大陸全体の地理的領域の地理的データセットの全ての変更を含んでいる。一方、地域的更新は、いくつかの州又は国、個々の州又は国、都市の領域や地方などを含めて確立された領域のような大陸の地理的領域の一部分の地理的データセットに対する変更を含んでいる。例えば、北米の大陸的な地理的領域は、それぞれの領域を境界によっていくつかの領域に分割することができる。例えば、境界は、インディアナ州を包含する領域をイリノイ州を包含する領域から分離することができる。
【0039】
更新の別の変数は、完全なパーセル交換又はパーセルデルタのいずれかということである。完全なパーセル交換更新は、パーセルに含まれたあらゆる以前のデータセットの全ての内容を完全に新しいデータセットと交換する。一方、パーセルデルタ更新は、デルタすなわちデータ値の変動と、データ値の変動をどのように適用するかの指示のリストを作成して、パーセルに含まれる以前のデータセットを新しいデータセットに変換する。更新の更なる変数は、完全な更新又は選択的な更新のいずれかということである。完全な更新は、ルーティングデータサブセット、地図作製データサブセット、操作データサブセット、及び要所データサブセットを交換するようにして、各サブセットと各層における全てのデータを交換する。一方、選択的交換は、指定されたサブセットと層で選択されたデータだけを交換する。例えば、選択的更新は、要所データサブセットだけを交換することができる。
【0040】
一実施形態では、地理的データベースプロバイダ110は、(1)大陸的又は地域的、(2)完全パーセル又はパーセルデルタ、及び(3)完全又は選択的のそれぞれ3つの変数を有する更新を提供する。大陸的−完全パーセル−完全更新から成る更新は、以前に公開されたエンドユーザの地理的データベース26を完全に交換するのと同等である。地域的−完全パーセル−完全更新、地域的−パーセルデルタ−完全更新、地域的−完全パーセル−選択的更新のような他の全ての更新は、全体の以前に公開された地理的データセットが更新によって提供されるデータによって完全に交換されないので、増進的更新と見なされる。増進的更新では、エンドユーザの地理的データベースは、以前に公開された地理的データセットと更新トランザクションによるデータの両方のデータを有する。便宜上、用語「更新データ」は、更新トランザクションによって提供されたエンドユーザの地理的データベースの地理的データセットの部分を意味し、用語「未更新データ」は、更新の日付よりも早い日の以前の更新トランザクションを含む以前に公開された地理的データによって提供されたエンドユーザの地理的データベースの地理的データセットの部分を意味する。
【0041】
図8に示すシステムに加えて、エンドユーザの地理的データベースに更新を提供するためのシステムの他の代替的実施形態が存在する。別の実施形態では、地理的データベースプロバイダ110は、メモリカード、携帯用ハードディスク、CD−ROM、DVDのような記憶メディアを使用してエンドユーザの地理的データベースに更新を提供することができる。データネットワーク122を通じて更新を通信する以外に、更新は、記憶メディアに保存され、エンドユーザ演算プラットフォームに物理的に搬送されて、演算プラットフォームの関連メモリにロードされる。別の実施形態では、エンドユーザに更新を提供する別の方法を使用することができる。
【0042】
IV.更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾の特定と報告
図1のナビゲーションシステム10のような増進的更新がエンドユーザ演算プラットフォームに提供される時はいつでも、更新データと未更新データの間に矛盾が存在することがある。すなわち、更新データは、マスター地理的データベースから地理的領域のより最新の表示を提供するのに対して、未更新データは、地理的領域のそれほど最新ではない表示を提供することになる。地理的領域のより最新の表示とそれほど最新でない表示の間には差異が存在する。例えば、新しい道路が建設された場合、地理的領域のより最新の表示は、新しい道路を適切に反映させることができるが、あまり新しくない表示は、新しい道路を含まない場合がある。
【0043】
そのために、一実施形態では、ナビゲーションシステム10は、データ矛盾検査アプリケーション44を含んでいる。データ矛盾検査アプリケーション44は、更新データと未更新データの間の矛盾又は起こりうる矛盾の存在を検査し、矛盾又は起こりうる矛盾についてエンドユーザに報告する。一実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、ルート計算34や地図表示38のようなナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20の他のものと平行して実行される。別の実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20に組み込まれる。例えば、この実施形態では、ルート計算アプリケーション34は、データ矛盾検査を実行し、地図表示アプリケーション38もデータ矛盾検査を実行するであろう。
【0044】
図9は、データ矛盾検査アプリケーション44によって実行される段階の流れ図を示している。段階140で、データ矛盾検査アプリケーション44は、現在実行されているナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20が、更新データと未更新データの両方を使用しているか否かを判断する。一実施形態では、アプリケーション44は、地理的データベース26に関連する更新履歴ファイルにアクセスする。更新履歴ファイルは、関連する地理的データベース26に対して、対応する日付とバージョン情報とを備えた更新トランザクションの履歴を列挙する。例えば、更新履歴ファイルは、領域、パーセル、サブセット及び/又は変更されていた地理的データのレベル、及び地理的データベース26に対する関連日付及び/又は更新トランザクションからのバージョン番号を列挙する。更新履歴ファイルを検査することにより、アプリケーション44は、現在のナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20が、ナビゲーションアプリケーションによって使用される部分の更新日付が2004年7月1日であり、一方、別の部分が2003年7月1日であるなどの異なる更新履歴情報を有する地理的データベース26からのデータを使用するか否かを判断する。
【0045】
別の実施形態では、アプリケーション44は、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20に対してアクセスされた、パーセルの各パーセルヘッダからのデータ及び/又はバージョン情報にアクセスする。この実施形態では、各パーセルは、パーセルのデータセットが作られたか又は更新トランザクションによって変更された日付に関する情報を有するパーセルヘッダを含んでいる。現在のナビゲーションのソフトウエアプログラム20によってアクセスされた、各パーセルのパーセルヘッダからの日付及び/又はバージョン情報を検査することにより、アプリケーション44は、現在のナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20が、ナビゲーションアプリケーションによって使用されたデータのパーセルヘッダの1つの更新日付が2004年7月1日であり、一方、別のものが2003年7月1日であるなどの異なる関連日付を有する地理的データベース26からのデータを使用するか否かを判断する。
【0046】
更に別の実施形態では、アプリケーション44は、現在のナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20に対してアクセスされた、データ記録に関連する日付及び/又はバージョン情報を検査することができる。現在のナビゲーションソフトウエアプログラム20によって使用された、各データ記録からの日付及び/又はバージョン情報を検査することにより、アプリケーション44は、現在のナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20が、ナビゲーションアプリケーションによって使用されたデータ記録の1つの更新日付が2004年7月1日であり、一方、データ記録の別のものが2003年7月1日であるなどの異なる関連日付を有する地理的データベース26からのデータを使用するか否かを判断する。
【0047】
段階140に対する答えが否定の場合、現在実行されているナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20によって使用された全ての地理的データベース記録が同じデータ及び/又はバージョン情報を有し、更新データと未更新データの間で矛盾が起きないために、データ矛盾検査アプリケーション44は終了する。段階140に対する答えが肯定の場合、データ矛盾検査アプリケーション44は、段階142で更新データと未更新データの間の起こりうる矛盾又は実際の矛盾を特定する。一実施形態では、アプリケーション44は、地図表示アプリケーション38のような現在実行されているナビゲーションソフトウエアプログラムが、更新データと未更新データの両方を使用するとアプリケーションが判断する時に、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾を自動的に特定する。別の実施形態では、アプリケーション44は、現在実行されているアプリケーションソフトウエアプログラム20を特定し、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾が、現在実行されているアプリケーションソフトウエアプログラム20の出力にどのように影響するかを特定する。更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾を特定する実施形態の詳細例は、以下に詳細に説明される。例えば、アプリケーション44は、現在実行されているアプリケーションソフトウエアプログラム20をルート計算アプリケーション34として特定し、ルート計算アプリケーションが指定された出発地から指定された目的地までのルートを特定できない場合、アプリケーション44は、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾がルート計算アプリケーションのエラーの原因であった場合があると特定する。更に、例えば、アプリケーション44は、現在実行されているアプリケーションソフトウエアプログラム20を地図表示アプリケーション38として特定し、アプリケーション44は、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾がディスプレイ上に呈示された地図に領域の境界を横切る可視的な接続を無くさせた場合があると特定する。
【0048】
図9の段階144で、データ矛盾検査アプリケーション44は、演算プラットフォーム12のエンドユーザに起こりうる矛盾又は特定された矛盾を報告する。一実施形態では、アプリケーション44は、ユーザインタフェース24を通じて報告を提供する。報告は、ディスプレイスクリーンに表示することができ、及び/又はユーザインタフェース24のオーディオスピーカを通して提供することができる。一実施形態では、報告は、更新データと未更新データの間の特定の矛盾を説明する。別の実施形態では、報告は、更新データと未更新データの間の起こりうる矛盾を表示する。更に、報告は、更新データと未更新データのそれぞれの日付を表示することができる。更新済地理的データと未更新地理的データの間の起こりうる矛盾を特定して報告する実施形態の詳細な実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0049】
A.実施例1
実施例1は、更新された領域と更新されない領域の間の境界に亘って道路セグメント及び/又はノードのような特徴が追加又は除去されたケースを示している。図10aは、2003年7月1日にマスター地理的データベース112に表された地理的領域152の地図150を示している。地理的領域152は、イリノイ部分154とインディアナ部分156を含んでいる。領域152は、インディアナ部分156からイリノイ部分154まで延び、次に曲がってインディアナ部分156まで戻る道路158を含んでいる。図10bは、2004年7月1日のマスター地理的データベース112に表された地理的領域152の地図160を示している。2003年7月1日と2004年7月1日の間に「Aldine Street」と呼ばれる新しい道路162が建設され、「Wells Street」と呼ばれる道路164が取り壊されており、マスター地理的データベース112が修正されて、地理的領域152の新しい特徴を呈示している。
【0050】
本実施例では、エンドユーザは、図1に示されたナビゲーションシステム10を有する。ナビゲーションシステム10は、地理的領域152を表すデータを包含する地理的データベース26を含んでいる。地理的データベース26は、本来2003年7月1日に対応するマスター地理的データベース112からの地理的データセットを含んでいる。2004年7月1日に、ナビゲーションシステム10のエンドユーザは、インディアナ部分156を含むがイリノイ部分154を含まない、地域的で完全パーセルで完全な更新を取得している。エンドユーザがインディアナ部分156だけの更新を取得したので、地理的データベース26は、図11aに示された地理的領域152の地図166を表す地理的データセットを包含している。換言すれば、イリノイ部分154は、更新されずに2003年7月1日付けのデータを含むのに対して、インディアナ部分156は、更新されて2004年7月1日付けのデータを含んでいる。
【0051】
本実施例の場合、エンドユーザは、現在位置168から「451 Aldine Street」170までのルートを要求する。一実施形態では、ルート計算アプリケーション34は、一連の相互接続道路セグメントを含む位置168から位置170までのルートを構築しようとする。しかし、更新されていないイリノイ部分154が接続道路セグメント162(図10b参照)を含まないので、ルート計算アプリケーションは、位置168から位置170までのルートを構築することができない。一実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、ルート計算アプリケーション34がイリノイ部分154に対応する未更新データとインディアナ部分156に対応する更新データの両方、すなわち、道路セグメント158及び164を表すデータを使用すると特定する。一実施形態では、アプリケーション44は、イリノイ部分154に対応するパーセルヘッダが2003年7月1日の関連日付を有し、一方でインディアナ部分156に対応するパーセルヘッダが2004年7月1日の関連日付を有すると特定する。
【0052】
本実施例では、データ矛盾検査アプリケーション44は、ルート計算アプリケーション34がルートを提供できないと判断することにより、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾を特定する。更に、データ矛盾検査アプリケーション44は、ユーザインタフェース24を通じて、ディスプレイスクリーン上のテキスト又は音声のいずれかにより、地理的データベースが更なる更新すなわちイリノイ部分154の更新を必要とするためにルート計算機能が機能しなかった場合があるというメッセージを提供することにより、更新データと未更新データの間の矛盾を報告する。別の実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、図11bに示されたような地図表示を提供することによって矛盾を報告する。図11bでは、更新されないイリノイ部分154は、更新されたインディアナ部分156の背景色及び/又はパターンとは異なる背景色及び/又はパターンを使用して表示される。更に、イリノイ部分を表すデータセットに関連する日付とインディアナ部分を表すデータセットに関連する日付とを地図166上に表示することができる。
【実施例2】
【0053】
B.実施例2
実施例2は、更新された領域と更新されない領域の間の境界を横切る形状ポイントが再配置され、形状ポイントが道路セグメント、川、湖のような特徴の形状と位置を表すケースを示している。図12は、2003年7月1日付けのマスター地理的データベース112に表された地理的領域182の地図180を示している。地理的領域182は、イリノイ部分184とインディアナ部分186を含んでいる。領域182は、イリノイ部分184からインディアナ部分186まで延びる道路188、190、192、及び194を含んでいる。図12はまた、2004年7月1日付けのマスター地理的データベース112に表された地理的領域182の地図196を示している。その年の間に地理的データベースプロバイダは、道路188、190、192、及び194を再配置し、それらの実際の物理的位置をより正確に表している。
【0054】
本実施例では、エンドユーザは、図1に示されたナビゲーションシステム10を有する。ナビゲーションシステム10は、地理的領域182を表すデータを包含する地理的データベース26を含んでいる。地理的データベース26は、本来2003年7月1日に対応するマスター地理的データベース112からの地理的データセットを含んでいる。2004年7月1日に、ナビゲーションシステム10のエンドユーザは、インディアナ部分186を含むがイリノイ部分184を含まない、地域的で完全パーセルで完全な更新を取得している。エンドユーザがインディアナ部分186だけの更新を取得したので、地理的データベース26は、図13aに示された地理的領域182の地図198を表す地理的データセットを包含している。換言すれば、イリノイ部分184は、更新されずに2003年7月1日付けのデータを含むのに対して、インディアナ部分186は、更新されて2004年7月1日付けのデータを含んでいる。
【0055】
本実施例の場合、エンドユーザは、道路190上を移動している。一実施形態では、地図表示アプリケーション38は、ユーザインタフェース24上の表示に対するエンドユーザの現在位置周辺領域の地図を作製する。地図を表示するために、地図表示アプリケーション38は、道路188、190、192、及び194を表すデータを地理的データベース26から取得する。地図を作製するために、地図表示アプリケーション38は、更新されないイリノイ部分184と更新されたインディアナ部分186の両方からデータを取得する。図13aは、地図表示アプリケーション38によって作成された地図198を示している。地図198には、更新されたインディアナ部分186の道路が更新されないイリノイ部分184とは異なって配置されているので、更新されないイリノイ部分184と更新されたインディアナ部分186の間の境界200で、道路188、190、192、及び194に不連続点がある。
【0056】
一実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、地図表示アプリケーション38が、イリノイ部分184に対応する未更新データとインディアナ部分186に対応する更新データの両方、すなわち、道路188、190、192、及び194を表すデータを使用すると特定する。一実施形態では、アプリケーション44は、イリノイ部分184に対応するパーセルヘッダが2003年7月1日の関連日付を有し、一方、インディアナ部分186に対応するパーセルヘッダが2004年7月1日の関連日付を有すると特定する。
【0057】
本実施例では、データ矛盾検査アプリケーション44は、地図198を作成するために地図表示アプリケーション38が未更新データと更新データの両方を使用すると判断し、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾が存在する場合があることを自動的に特定する。インディアナ部分186を表すデータセットに対するいかなる変化もイリノイ部分184との境界200で目に見えるので、本実施形態は、矛盾の可能性を自動的に特定するものである。代替的実施形態では、地図表示アプリケーションによって表示された時に、道路セグメントが境界で接続するか否かを判断するために、アプリケーション44は、更新された領域と更新されない領域の間の境界を横切る道路セグメントのような特徴の形状ポイントの位置を比較することができる。
【0058】
更に、データ矛盾検査アプリケーション44は、図13bに示される地図表示を提供することにより、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾を報告する。図13bでは、更新されないイリノイ部分154は、更新されたインディアナ部分156の背景色及び/又はパターンとは異なる背景色及び/又はパターンを使用して表示される。更に、更新されないイリノイ部分154と更新されたインディアナ部分156は、地図198を作成するために使用されるデータに関連する日付を表示するラベルを含んでいる。
【実施例3】
【0059】
C.実施例3
実施例3は、地理的データベースの地理的データのより高い層に道路セグメントのような特徴が追加されるか又は除去されるケースを示している。地理的データベース26の一実施形態では、例えば、州間ハイウエイのようなより高いレベルの道路は、地図表示アプリケーション38がズームアウト作動を実行する時に記憶メディアから読み込む必要があるデータの量を制限するために、複数のパーセルに保存される。より高い層のパーセルは、より低いパーセルの層よりも混み合いの程度が少なく、かつより広い領域を含んでいる。図14aは、2003年7月1日付けのマスター地理的データベース112に表された米国大陸の地理的領域の地図200を示している。米国大陸は、層1、層2、及び層3の3つのレベルのパーセルに編成される。層1は、州間ハイウエイに関連するデータだけを包含するパーセル202を含み、層2は、州間ハイウエイと道路に関連するパーセル204を含み、層3は、州間ハイウエイ、道路、及び地域の道路に関連するパーセル206を含んでいる。従って、層1のパーセルは、最も広い領域を覆い、層3のパーセルは、最も狭い領域を含んでいる。図14bは、2004年7月1日付けのマスター地理的データベース112に表された米国大陸の地図208を示している。その年の間に新しい州間ハイウエイ210がテキサス州ダラスとイリノイ州シカゴの間に建設されている。
【0060】
本実施例では、エンドユーザは、図1に示されたナビゲーションシステム10を有する。ナビゲーションシステム10は、層1、層2、及び層3で米国大陸を表すデータを包含する地理的データベース26を含んでいる。地理的データベース26は、本来2003年7月1日に対応するマスター地理的データベース112からのデータを含んでいる。2004年7月1日に、ナビゲーションシステム10のエンドユーザは、テキサス州の地域的で完全パーセルで完全な更新を取得している。テキサスの更新は、レベル1に対する境界212内のパーセル、レベル2に対する境界214内のパーセル、及びレベル3に対する境界216内のパーセルを含んでいる。エンドユーザがテキサスの領域だけの更新を取得したので、地理的データベース26は、層1に対して境界212内で更新データと境界212外で未更新データ、層2に対して境界214内で更新データと境界214外で未更新データ、及び層3に対して境界216内で更新データと境界216外で未更新データを有する地理的データセットを包含している。
【0061】
本実施例の場合、エンドユーザは、オクラホマに位置しながらナビゲーションシステム10で地図表示アプリケーション38のズーミング機能を使用している。一実施形態では、地図表示アプリケーション38は、ユーザインタフェース24に表示するためにエンドユーザの現在位置周辺領域の地図を作製する。地図表示が層3でズームインされる時に、地図表示アプリケーションが層3のテキサスの境界212外の更新されないパーセルからのデータを使用するので、エンドユーザの現在位置周辺領域の地図は、州間ハイウエイ210を表示しないことになる。地図表示が層2にズームインされると、地図表示アプリケーションが、層2のテキサスの境界214内の更新されたパーセルでテキサスの境界214外の更新されないパーセルからのデータを使用するので、州間ハイウエイ210は、地図上でオクラホマの南の部分に表示されるであろうが、オクラホマの北の部分には表示されないであろう。地図表示が層1に更にズームインされると、地図表示アプリケーションが、層1のテキサス境界216内の更新されたパーセルのデータを使用するので、州間ハイウエイ210は、地図上に表示されることになる。
【0062】
一実施形態では、データ矛盾検査44は、地図表示アプリケーション38が、層間にズームインした時にテキサスの境界212、214、及び216内の部分に対応する更新データとテキサスの境界212、214、及び216外の部分に対応する未更新データの両方を使用すると特定する。一実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、テキサスの境界212、214、及び216内の部分に対応するパーセルヘッダが2004年7月1日の関連データを有し、一方、テキサスの境界212、214、及び216外の部分に対応するパーセルヘッダが2003年7月1日の関連データを有すると特定する。
【0063】
本実施例では、データ矛盾検査アプリケーション44は、地図表示アプリケーション38が地図を作成するために未更新データと更新データの両方を使用すると判断し、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾が存在する場合があると自動的に特定する。代替的実施形態では、アプリケーション44は、実際の矛盾を特定するために、州間ハイウエイのようなより高いレベルの道路が異なるズームレベルで地図のどこに含まれるかを判断することができる。
【0064】
更に、データ矛盾検査アプリケーション44は、ズーミング作動が更新データと未更新データの間の矛盾を含む可能性があると表示するメッセージをエンドユーザに提供することにより、更新データと未更新データの間の起こりうる矛盾及び/又は実際の矛盾を報告する。例えば、地図間の形態の移行のズーミングが起こりうる矛盾を地図で見ることができることを示す時に、報告は、音声メッセージにすることができる。更に、報告は、更新された部分の背景色及び/又はパターンとは異なる背景色及び/又はパターンを使用して地図の更新されない部分を表示することができる。更に、更新されない部分と更新された部分は、地図を作製するために使用されたデータに関連する日付を表示するラベルを含むことができる。
【実施例4】
【0065】
D.実施例4
実施例4は、パーセルが、更新された領域とは異なる集合レベルで形成されたデータを包含するケースを示している。例えば、一実施形態では、地理的データベースは、米国の全ての都市のリストを含んでいる。2003年7月1日付けのマスター地理的データベース112が、そのような全都市のリストを包含すると考える。米国内で2003年7月1日と2004年7月1日の間にいくつかの都市が開発されており、2004年7月1日付けのマスター地理的データベース112はそれらの都市を含んでいる。
【0066】
本実施例では、エンドユーザは、図1に示されたナビゲーションシステム10を有する。ナビゲーションシステム10は、地理的領域152を表すデータを包含する地理的データベース26を含んでいる。地理的データベース26は、本来2003年7月1日に対応するマスター地理的データベース112からの地理的データセットを含んでいる。2004年7月1日に、ナビゲーションシステム10のエンドユーザは、イリノイ州と米国内の全ての都市のリストを含む地域的でパーセルデルタで完全な更新を取得しているが、その更新は、カリフォルニア州を除外している。エンドユーザは、米国内の全ての都市のリストを包含する更新を取得しているので、エンドユーザの地理的データベースは、カリフォルニア州の新しい都市を含んでいる。しかし、エンドユーザはカリフォルニアの更新を取得しなかったので、エンドユーザの地理的データベースは、カリフォルニア州のそれらの新しい都市の特徴を含んでいない。
【0067】
本実施例の場合、エンドユーザは、ロサンゼルスからロサンゼルス遠方の郊外に新しく建設された都市であるカウフマンビルまでのルートを要求する。一実施形態では、ルート計算アプリケーション34は、現在位置から新しい都市であるカウフマンビルまでの一連の相互接続した道路セグメントを含むルートを構築しようとする。カウフマンビルは、米国の全都市のリストから認識されているが、カリフォルニアを表す未更新データが新しい都市の接続道路セグメントを含まないので、ルート計算アプリケーション34は、現在位置からカウフマンビルまでのルートを構築することができない。一実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、ルート計算アプリケーション34が、カリフォルニアの領域に対応する未更新データと米国内の全都市のリストに対応する更新データの両方を使用すると特定する。一実施形態では、アプリケーション44は、ロサンゼルスとカリフォルニアの周辺郊外の地理的領域に対応するパーセルヘッダの関連日付が2003年7月1日であり、一方、米国内の全都市のリストに対応するパーセルヘッダの関連日付が2004年7月1日付であると特定する。
【0068】
本実施例では、データ矛盾検査アプリケーション44は、ルート計算アプリケーション34がルートを提供できないと判断することにより、更新データと未更新データの間の起こりうる矛盾を特定する。更に、データ矛盾検査アプリケーション44は、ユーザインタフェース24を通じて、ディスプレイスクリーン上でテキストによるか又は音声により、地理的データベースが更なる更新を必要するというメッセージを提供することにより、更新データと未更新データの間の起こりうる矛盾を報告する。例えば、報告は、カウフマンビルを表すデータを取得するためにエンドユーザが地理的データベースを更新する必要があると表示することができる。
上述の詳細説明は、制限的ではなく例示的であると考えられ、全ての均等物を含む特許請求の範囲が本発明の範囲を規定することは理解されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】例示的な実施形態によるナビゲーションシステムのブロック図である。
【図2】地理的領域の地図を示す図である。
【図3】図2の地理的領域を表す地理的データベースのブロック図である。
【図4】ナビゲーションアプリケーションプログラムと共に使用するためのデータの別々のサブセットを有する地理的データベースを示す図である。
【図5】データタイプの別々のサブセットといくつかのタイプのデータの別々の層の両方を示す図4と同等の図である。
【図6】パーセル化を示す地理的領域の地図である。
【図7】地理的データベースの更新トランザクションを示すブロック図である。
【図8】エンドユーザに地理的データベースの更新を提供するためのシステムのブロック図である。
【図9】例示的な実施形態により、更新済地理的データと未更新地理的データの間で起こりうる矛盾を特定して報告するための処理の流れ図である。
【図10a】2003年7月1日のマスター地理的データベースによって表わされた地理的領域の地図を示す図である。
【図10b】2004年7月1日のマスター地理的データベースによって表わされた地理的領域の地図を示す図である。
【図11a】更新及び未更新地理的データを含むエンドユーザの地理的データベースによって表わされた地理的領域の地図を示す図である。
【図11b】更新済地理的データと未更新地理的データの間で起こりうる矛盾を報告するナビゲーションシステムの地図の表示を示す図である。
【図12】2003年7月1日と2004年7月1日のマスター地理的データベースによって表わされた地理的領域の地図を示す図である。
【図13a】更新済及び未更新地理的データを含む地理的データベースによって表わされた地理的領域の地図を示す図である。
【図13b】更新済地理的データと未更新地理的データの間で起こりうる矛盾を報告するナビゲーションシステムの地図の表示を示す図である。
【図14a】3つの異なるレベルでパーセル化された地理的領域の地図を示す図である。
【図14b】3つの異なるレベルでパーセル化された地理的領域の地図を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
10 ナビゲーションシステム
12 演算プラットフォーム
14 プロセッサ
16 ドライブ
18 不揮発性メモリ
28 記憶装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムを作動させる方法及びシステムに関し、より詳細には、地理的データベースの更新された部分の影響を報告するためのナビゲーションシステムを作動させる方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
エンドユーザに様々なナビゲーション関連機能及び特徴を提供するナビゲーションシステムが利用可能である。例えば、いくつかのナビゲーションシステムは、地理的領域内で出発地から目的地まで道路網に沿って移動するための最適なルートを判断することができる。エンドユーザから、及び任意的にエンドユーザの位置を判断することができる機器(GPSシステムなど)からの入力を使用して、ナビゲーションシステムは、最適なルートを判断するために出発地と目的地の間で様々な可能性のあるルートを検査することができる。次に、ナビゲーションシステムは、出発地から目的地まで移動するためにエンドユーザによって取る必要がある運転操作を特定する案内の形態で最適なルートに関する情報をエンドユーザに提供することができる。案内は、エンドユーザが移動するルートの進路に沿って提供される視覚的及び/又は聴覚的指示の形態を取ることができる。一部のナビゲーションシステムは、詳細の地図をディスプレイ上に表示し、ルート、ルートに沿った様々な位置で取るべき操作の種類、及びいくつかの種類の特徴の位置などを概説することができる。
【0003】
これら及び他のナビゲーション関連機能及び特徴を提供するために、ナビゲーションシステムは地理的データを使用する。地理的データは、地理的領域内の物理的特徴を表すデータを含む1つ又はそれ以上の地理的データベースの形態にすることができる。地理的データベースは、一方通行の道路、道路の位置、道路の各部分に沿った速度制限、道路の各部分に沿った住所範囲、道路の交差点での進路変更制限、及び一方通行道路のような進路の制限のような表示された地理的特徴に関する情報を含む。更に、地理的データは、会社、施設、レストラン、ホテル、空港、ガソリンスタンド、スタジアム、及び警察署のような要所を含むことができる。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,974,419号
【特許文献2】米国特許第6,782,319号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ナビゲーションシステムは、多くの重要な機能を提供することができるが、引き続き新しい機能と改善のための余地がある。総合的で詳細で信頼できる最新の地理的領域に関するデータを集めて編成する必要性が存在する。また、地理的データを更新する必要性も存在する。従来の印刷された地図と同じように、コンピュータベースのナビゲーションシステムで使用される地理的データも時代遅れになる可能性がある。例えば、新しい道路が建設され、会社は場所を変え、道路建設のために道路が閉鎖され、回り道が作られ、美術館やレストランの営業時間が変更されるなどである。それに加えて、データ収集技術の改善によって地理的データの精度が改善されることがある。
【0006】
1つの公知のシステムでは、地理的情報の更新されたバージョンが定期的に公開される。この公知のシステムでは、自分の地理的データベースを更新したいユーザは、以前の地理的データベースをそっくり新しいバージョンと入れ替えるように要求される。これは、大量のデータが関わり、その大部分がユーザの地理的データベースの以前のバージョンと同一であるために、負担になって時間を浪費する可能性がある。更に、そのようなシステムでは、地理的データの新しい公開は、一定の定期的なスケジュール(例えば、3ヶ月毎のように数ヶ月毎)で行われる場合がある。従って、ユーザの地理的データベースは、時代遅れになる可能性があり、それによってその有用性が低下する。
【0007】
別のシステムでは、以前の地理的データベースを新しいバージョンにそっくり入れ替えるのではなく、更新された地理的データを反映させるために以前の地理的データベースの一部分が入れ替えられるか又は修正される。地理的データの部分的な更新の欠点の1つは、部分的に更新された地理的データがナビゲーション関連機能及び特徴に対して有することがある影響である。従って、以前に公開された地理的データと更新された地理的データの組合せをナビゲーション関連機能が使用するか否かを特定する方法及びシステムが望ましい。更に、部分的に更新された地理的データによるナビゲーション関連機能及び特徴に対する影響をナビゲーションシステムのユーザに報告する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これら及び他の目的に対処するために、本発明は、ナビゲーション関連機能を提供するためにナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムを実行するナビゲーションシステムを作動させる方法を含む。本方法は、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムが、上述のナビゲーションシステムに付随する地理的データベースからの更新済地理的データと未更新地理的データの両方を使用すると特定する段階を含む。未更新地理的データは、更新済地理的データとは異なる関連する日付又はバージョンを有する。本方法は、更新済地理的データと未更新地理的データの間に矛盾が存在する場合があることを表示する報告を提供する段階を更に含む。本方法は、更新済地理的データと未更新地理的データの間の矛盾を特定する段階を更に含むことができる。
【0009】
別の態様によれば、本発明は、ナビゲーションシステムを含む。ナビゲーションシステムは、地理的領域内の機能を表す地理的データを収容する地理的データベースを含む。地理的データベースは、増進的更新を受け取ることができる。増進的更新は、地理的データベースの以前に公開された地理的データセットを変更し、更新データセットと未更新データセットを提供する。更新データセットは、以前に公開された地理的データセットに対する変更を含み、未更新データセットは、以前に公開された地理的データセットの一部分を含む。ナビゲーションシステムはまた、ナビゲーション関連機能を提供するために更新データセットと未更新データセットの両方が使用されるか否かを判断するナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムを含む。
ここで、以下の図面を参照して本発明の例示的な実施形態を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
I.ナビゲーションシステム
図1は、演算プラットフォーム12に関連するナビゲーションシステム10のブロック図である。演算プラットフォーム12は、自動車と関連付けることができる。更に、演算プラットフォーム12は、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、パーソナルコンピュータ、又は他の任意のコンピュータとすることができる。ナビゲーションシステム10は、ハードウエア及びソフトウエア構成要素の組合せである。一実施形態では、ナビゲーションシステムは、プロセッサ14、プロセッサ14に接続したドライブ16、及びナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムと場合によっては他の情報を保存するための不揮発性メモリ記憶装置18を含む。
【0011】
ナビゲーションシステム10はまた、測位システム22を含む。測位システム22は、全て当業技術で公知であるGPS型技術、推測航法型システム、又は、これら又は他のシステムの組合せを利用することができる。測位システム22は、移動距離、速度、方角、及び方位などを測定する適切な感知装置を含むことができる。測位システムはまた、GPSシステムを含むことができる。測位システム22は、プロセッサ14に信号を出力する。プロセッサ14上で作動するナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20は、測位システム22からの信号を使用して演算プラットフォーム12の位置、方角、方位、その他を判断する。
【0012】
ナビゲーションシステム10はまた、ユーザがナビゲーションシステム10に情報を入力し、ナビゲーションシステム10から情報を取得することを可能にするユーザインタフェースを含む。入力情報は、ナビゲーションシステム10のナビゲーションの特徴及び機能に関する要求を含むことができる。ナビゲーションの特徴及び機能を提供するために、ナビゲーションシステム10は、地理的データベース26を使用する。一実施形態では、地理的データベース26は、CD−ROM又はDVDのような記憶メディアに保存され、このメディアはドライブ16に組み込まれ、地理的データベース26は、読み取られてナビゲーションシステム10によって使用される。一実施形態では、ナビゲーションシステム10はまた、地理的データベース26の部分が保存されるハードディスク又はメモリカードのような記憶装置28を含む。別の実施形態では、地理的データベース26は、ハードディスクに保存される。一実施形態では、地理的データベース116は、米国イリノイ州シカゴ所在の「NAVTEQ North America,LLC」によって出版される地理的データベースとすることができる。地理的データベース26は、ナビゲーションシステム10の場所で物理的に提供される必要があるというわけではない。代替の実施形態では、地理的データベース26の一部分又は全体をナビゲーションシステム10の残りから遠隔に配置して、必要に応じて通信システム30を通じて地理的データの一部分を提供することができる。
【0013】
システムの例示的な1つの型式では、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20は、不揮発性メモリ記憶装置18からプロセッサ14に関連するランダムアクセスメモリ(RAM)32にロードされる。プロセッサ14はまた、ユーザインタフェース24から入力を受け取る。ナビゲーションシステム10は、場合によっては測位システム22と通信システム30からの出力と共に、記憶メディア及び/又は記憶装置28に保存された地理的データベース26を使用して、様々なナビゲーションの特徴及び機能を提供する。ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20は、様々なナビゲーション関連の特徴及び機能を提供する別のアプリケーション(又は、サブプログラム)を含むことができる。ナビゲーションの機能と特徴は、ルート計算34(出発地から目的地までのルートが判断される)、ルート案内36(望ましい目的地に到着するための詳細な方角が提供される)、地図の表示38、及び測位40(例えば、地図対照)を含むことができる。
【0014】
他の機能とプログラム42がナビゲーションシステム10に含まれる場合がある。ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20は、C++又はJava(登録商標)も同様に適切ではあるが、C言語のような適切なコンピュータプログラム言語を使用して書き込むことができる。上述の全ての構成要素は従来的であり(又は、従来的以外であり)、これらの構成要素の製造と使用は、当業者には公知である。
【0015】
II.地理的データベース
図2は、地理的領域52の地図50を示すものである。地理的領域52は、都市又は地方の領域、国、州、又はその組合せ、又は同等サイズの任意の他の領域に相当する場合がある。地理的領域52に配置されるのは、道路、要所(会社、施設などを含む)、湖、川、鉄道、自治体のような物理的かつ地理的特徴である。
図2はまた、地理的領域52の一部分56の拡大された地図54を含んでいる。拡大された地図54は、地理的領域52内の道路網58の一部を示すものである。道路網58は、特に地理的領域52に配置された道路と交差点を含んでいる。部分56に示すように、地理的領域52内の各道路は、1つ又はそれ以上の道路セグメント60から成る。道路セグメント60は道路の一部分を表すものである。各道路セグメントは、それに関連して2つのノードを有するように示され、1つのノードは、道路セグメントの一端における点を表し、別のノードは、道路セグメントの別の一端における点を表している。道路セグメントのいずれかの一端におけるノードは、道路が別の道路に出会う位置、すなわち交差点、又は道路が行き止まる場所に対応するであろう。
【0016】
図3を参照すると、地理的データベース70は、地理的領域内で(図2の52)いくつかの物理的かつ地理的特徴を表すデータ72を包含する。地理的データベース70内に包含されるデータ72は、道路網58を表すデータを含んでいる。図3の実施形態では、地理的領域52を表す地理的データベース70は、図2の地理的領域52内の各道路セグメントのための少なくとも1つのデータベース記録74(「エンティティ」又は「エントリ」とも呼ばれる)を包含する。道路セグメント記録74は、地理的データベース内でデータ記録を特定することができるセグメントIDを含むことができる。各道路セグメントデータ記録74は、それに関連して、表示された道路セグメントの特徴を説明する情報(「属性」、「フィールド」、その他など)を有する。道路セグメントデータ記録74は、図示の道路セグメント上で許可された自動車走行方角に対して、もしあるとすれば制限を表示するデータ、図示の道路セグメント上での速度制限又は速度区分を表示するデータ(すなわち、最大許容車両走行速度)、図示の道路セグメントがアクセス管理された道路(高速道路など)の一部、アクセス管理された道路へのランプ、橋梁、トンネル、有料道路、フェリーなどであるか否かを表示するデータを含むことができる。道路セグメントデータ記録74はまた、図示の道路セグメントの終点の地理的座標(例えば、緯度と経度)を提供するデータ、及び道路セグメントの形状を提供するデータを含んでいる。一実施形態では、終点のデータは、図示の道路セグメントの終点に対応するノードを示すノードデータ記録76に対する基準である。道路セグメントデータ記録74はまた、図示の道路セグメントの他の様々な属性を参照する他のデータを含むことができ、又はそれらに関連付けることができる。道路セグメントに関連する様々な属性は、1つの道路セグメント記録に含まれる場合があり、又は互いに相互参照される2種類以上の記録に含まれる場合がある。例えば、道路セグメントデータ記録74は、道路セグメントによって示された道路部分の終点における交差点に対応するそれぞれのノードでどのような進路変更制限が存在するか、示された道路セグメントが知られている1つ又は複数の名前、図示の道路セグメントに沿った所在地の住所の範囲などを特定するデータを含むことができる。
【0017】
地理的領域52を示す地理的データベース70はまた、地理的領域52内の各ノード62に対するデータベース記録76(又は「エンティティ」、又は「エントリ」)を含んでいる。(用語「ノード」及び「セグメント」は、これらの物理的かつ地理的特徴を説明するための唯一の述語を表し、これらの特徴を説明するための他の述語は、これらの概念の範囲内に包含されるように意図される。)ノードのデータ記録76は、それ及び/又はその地理的位置(例えば、その緯度及び経度座標)に接続する道路セグメントの特定を可能にする関連情報(「属性」、「フィールド」、その他など)をそれぞれ有することができる。
【0018】
地理的データベース70はまた、他の種類のデータ78を含むことができる。他の種類のデータ78は、他の種類の地理的特徴又は他のものを表現することができる。他の種類のデータは、要所のデータを含むことができる。例えば、要所のデータは、要所の種類(例えば、レストラン、ホテル、市民ホール、警察署、歴史的な標識、ATM、ゴルフ場などのような要所の種類)、要所の位置、電話番号、営業時間などを含めた要所の記録を含むことができる。それぞれの要所は、固有の物理的位置を有し、それぞれの位置は、二次元(又は三次元)の地理的座標(すなわち、緯度、経度、及び場合によっては高度)によって特定することができる。更に、位置は、ノードの1つに対応することがあり、道路セグメントに沿った点に対応することもある。地理的データベース70はまた、インデックス80を含んでいる。インデックス80は、互いに異なる種類のデータに関連するか、又は地理的データベース70に包含されたデータの別の態様に関連する様々な種類のインデックスを含むことができる。
【0019】
様々なナビゲーション関連機能及び特徴を達成するために地理的データ72のアクセスを改善することができる1つの方法は、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20において、それぞれ別々の機能と特徴によって使用するために地理的データの別々の集まり又はサブセットを提供することである。これら別々のサブセットは、それぞれ、1つの機能によって使用されるように特別に適応される。例えば、ルート計算機能は、通常は道路のセグメントに関連する地理的データベースの全ての情報の一部分だけを使用する。例えば、ルート計算機能が実行されている時には、それは、道路セグメントに沿った走行速度、1つの道路セグメントから別の道路セグメントへの進路変更制限、道路セグメントの交差点におけるストップライトなどのような情報を要求することができる。しかし、ルート計算機能は、最適なルートを計算するために通常は道路の名前を要求しない。同様に、地図表示機能を使用する時には、速度制限又は進路変更制限のような道路セグメントに関連するいくつかの情報は要求されない。その代わりに、地図表示機能が実行されている時は、それは、道路の形状及び位置、及び場合によっては道路の名前のような道路セグメントに関連する情報の一部分だけを使用する。更に、操作機能が実行されている時は、速度制限などのような道路のセグメントに関連するいくつかの情報は要求されない。代替的に、操作機能が実行されている時は、それは、道路セグメントデータエンティティによって示された道路の名前、道路セグメントに沿った住所の範囲、道路セグメントに沿った全ての標識などを含む情報を使用する。様々なナビゲーション関連機能及び特徴によって使用される情報の種類に関して、ある程度重なっている部分がある場合があるが、これらのナビゲーション関連機能及び特徴のいずれか1つによって使用されるいくつかのデータは、別の機能によって使用されることはない。各道路セグメントに関連する全ての情報が単一データベースの単一データエントリとしてそれに関連付けられているとすれば、各データエンティティ記録は、相対的に大きなものになるであろう。従って、いずれか1つのナビゲーション関連機能がエンティティ記録にアクセスした時はいつでも、それは、膨大な量の情報をメモリに読み込まなければならないことになり、この情報の大部分は、ナビゲーション関連機能によって必要とされないものであろう。更に、記憶メディア及び/又は記憶装置からデータエンティティを読み取る時は、それぞれのデータエンティティが比較的大きいために、一度に読み取ることができるデータエンティティは比較的少ないことになる。
【0020】
地理的データベース70内の情報をナビゲーション関連機能のそれぞれによってより効率的に使用するためのフォーマットで提供するために、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20内で提供される異なる種類のナビゲーション関連機能に対して、所定の地理的領域の全体の地理的データベースの別々のサブセットが提供される。図4は、別々のルーティングデータ84、地図作製用データ86(地図の表示のため)、操作データ88、及び要所データ90から成る地理的データベース82を示している。地理的データベースは、これらよりも少ないか又は多いサブセットで形成することができ、又は別の種類のデータを形成して含むこともできる。
【0021】
データのそれぞれのサブセットは、特定のナビゲーション関連機能によって使用するために必要なデータだけを含んでいる。これらのサブセットのそれぞれの間には、データのある程度のオーバーラップがあり、結果的に情報のある程度の部分が1つよりも多いサブセットに含まれる場合がある。例えば、ルーティングデータサブセットの道路セグメントエンティティと、同じく地図作製用データサブセットの道路セグメントエンティティの両方は、セグメントの終点に配置されたノードを特定する属性を含むことができる。この重複がより大きな全データ記憶要求をもたらす場合もあるが、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20は、それぞれ、より少量のデータを処理するという結果的に得られる効率性から利便を得ることになる。
【0022】
地理的データのサブセットへの分割は、異なるナビゲーション関連機能のそれぞれによるデータの効率的な使用を提供するが、データベースのこれらの異なるサブセットを使用する異なるナビゲーション関連機能を協働するようにすることが必要になる。例えば、計算されたルートをユーザが取得した後で、強調表示された計算ルートを使用してコンピュータディスプレイ上に地図を表示することを要求する場合がある。これを実現するために、地理的データのルーティングサブセットが最初にアクセスされ、最適なルートのルーティング道路セグメントデータエンティティを取得し、次に地図作製用サブセットがアクセスされ、ルーティングデータエンティティに対応する地図作製用道路セグメントデータエンティティを取得する。これらのデータサブセットを協働させるために、相互参照インデックス92が提供されることがあり、又は検索技術が提供されることもある。
【0023】
地理的データの使用を強化するように編成することができる別の方法は、層状にデータを提供することである。ナビゲーション関連機能のいくつかは、異なる詳細レベルでデータを使用する。地図表示機能はこの種の機能の例である。地図表示機能を使用する時に、パンニングとズーミングの提供を要求されることがある。より低い層でより詳細に、及びより高い層でそれほど詳細でなくなるようにデータが層に編成されている場合には、ズーミングをより効率的に行うことができる。また、ルーティング計算機能を使用する時に、異なるレベルの詳細でデータを使用するのが有利である。例えば、2つの位置の間のルートを計算する時に、二次的な道路と路地を含む、ルートに沿って各交差点から分岐する可能な全ての道路セグメントを検査するのは非効率的であろう。代替として、ルートが一度主要道路又は高速道路に「オン」した時に、目的地が近づいて二次的な道路に出る必要があるまで主要道路又は高速道路に留まるのが一般的に望ましい。ルーティングデータが階層化された場合、ルートを計算する時に検査される可能性がある道路セグメントの最小化が実現可能な場合は、二次的な道路を省略するより高い層を使用することができる。従って、データのいくつかのサブセットの範囲内で、別々の集合形態又は別々の層に対応するグループで地理的データが提供される。
【0024】
階層化を実行するために道路セグメントデータエンティティのようなデータエンティティが「ランク」と共に提供される。道路セグメントの「ランク」は、最も遅く最も狭い「0」のランクを有する道路セグメント、より大きくより速いランク「1」を有する道路セグメント、主要道路であるランク「2」を有する道路セグメントなどを使用して、その機能的なクラスと関連付けることができる。セグメントデータエンティティはまた、道路セグメントエンティティが存在する最も高いデータ層を特定するものである。例えば、図5を参照すると、地理的データ84のルート計算サブセットは、5つの別々のデータR0、R1、R2、R3、及びR4の集まりを含むことができ、それぞれ異なるレベルの詳細を有し、ルート計算機能に使用することができる。同様に、地理的データ86の地図製作用(すなわち、地図表示)サブセットは、5つの別々のデータC0、C1、C2、C3、及びC4の集まりを含むことができ、それぞれ異なるレベルの詳細を有し、地図表示に使用することができる。
【0025】
地理的データベースのルーティングサブセットでは、層0(R0)は、地理的領域内の全ての道路の全ての部分に対応するセグメントデータエンティティを有する。ルーティングデータのレベル1は、ルーティングデータの別々のサブセット(又は、集まり)を含み、レベル1又はそれよりも高いランクのルーティングセグメントデータエンティティ(及び、それらの対応するルーティングデータ属性)だけを含んでいる。ルーティングデータのレベル2は、ルーティングデータの別々のサブセットを含み、レベル2又はそれよりも高いランクのルーティングセグメントデータエンティティ(及び、それらの対応するルーティングデータ属性)だけを含んでおり、以下同様である。
【0026】
同様に、地理的データの地図作製サブセットは、地図表示機能に使用されるデータの別々の集まり(層)を含むことができ、それぞれが異なるレベルの詳細を有する。地理的データベースの地図作製サブセットでは、層0は、地理的領域内の全ての道路の全ての部分に対応するセグメントデータエンティティ(及び、対応するデータ属性)を含んでいる。地図作製データのレベル1は、地図作製データの別々のサブセットを含み、レベル1又はそれよりも高いランクの地図作製セグメントデータエンティティ(及び、対応するデータ属性)だけを含んでおり、以下同様である。地図作製データのこれらの異なる層を使用して、地図表示機能は、迅速なパンニングとズーミングを提供することができる。
【0027】
いくつかのデータの層への編成は、いくつかのデータの重複をもたらすが、いくつかのデータの階層化によってもたらされた効率の改善は、あらゆる不利益を相殺するものである。上述の別々の型式のデータの使用により、これらの層を協働させる必要性が発生する。相互参照インデックス92を提供することができ、又は他の検索技術を提供することもできる。
データのサブセット又はタイプへの編成といくつかのタイプのデータの階層化は、個々のデータのサイズによる集まりをもたらし、それぞれのナビゲーション関連機能によってより管理しやすいものである。データの各サブセットと各層に関連してデータを更に編成することができ、空間的なアクセスを容易にする。
【0028】
一般的に、空間的にそれらが示す地理的特徴の物理的近接に基づいて、道路のような地理的特徴を示すデータを保存することが必要である。地図データベース内で物理的(又は理論的)にすぐ近くにある(及び、場合によっては同じくデータが記憶された記憶メディア上ですぐ近くにある)データ記録は、地理的領域内で物理的にすぐ近くにある地理的特徴を示している。地理的特徴を示すデータを空間的に編成するために、地理的特徴を示すデータは、パーセルに編成される。データのそれぞれのパーセルは、地理的領域内に互いに物理的に隣接して配置された特徴を示すデータを含んでいる。それぞれのパーセルは、パーセル化技術によって判断されたサイズ、形状、及び位置の物理的領域の範囲内に包含された物理的特徴を表すデータを含んでいる。(データをパーセルに形成する目的のために、上述のようにデータは、最初に、ルーティング、地図表示、及び操作発生のようなそれらにアクセスする機能に基づいて異なる種類に別々に編成される。更に、同じく上述のように、ランクに基づいてデータは層に編成される。)
【0029】
データを空間的にパーセル化するために、各パーセルを形成するデータを包含する地理的領域のサイズ、形状、及び位置を判断すべきである。地図データを空間的に編成するためのパーセル化の技術は、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれる米国特許第5,974,419号及び第6,782,319号に説明されている。図6は、複数のパーセル96に編成された地理的領域94の実施例を示すものである。パーセル96は、パーセル境界98によって分離されて形成される。
【0030】
III.地理的データベースの更新
図1を参照すると、ナビゲーションシステム10が信頼性があって正確なナビゲーション関連機能と特徴を提供するために、ナビゲーションシステム10によって使用される地理的データベース26は最新である必要がある。従来の印刷された地図と同じように、コンピュータベースのナビゲーションシステムで使用される地理的データは、時代遅れになる可能性がある。例えば、新しい道路が建設され、会社が住所を変更し、道路建設が道路を閉鎖し、回り道が作られ、美術館やレストランが営業時間を変更するなどである。更に、データ収集技術を改善することにより、地理的データの精度を改善することができる。
【0031】
一実施形態では、ナビゲーションシステム10に関連する地理的データベース26には更新がもたらされる。地理的データベースの更新は、以前に公開された地理的データの変更の説明である。変更は、地理的データベースを含む既存の既知の地理的データのセットによって説明される。この変更が処理される時に、地理的データベースに対して場合によっては新しいセットの地理的データがもたらされる。図7を参照すると、既知の地理的データセット100は、更新102を受けて地理的データベースの新しい地理的データセット104になる。既知のデータセットに対して変更を説明する作用は、データベース要素を明白に特定して、それらの要素に対して既知のデータセットの観点から変更を説明することから構成される。既存のデータセットに対して実行することができる変更の基本的な型式は、(1)新しい以前は未知のデータをデータベースに導入し、(2)既存の既知データをデータセットから除去し、(3)新しいデータの値を有するように既知の値の状態を変更することである。
【0032】
図8は、エンドユーザの地理的データベースに更新を提供するためのシステムの例示的な実施形態を示している。地理的データベースのプロバイダ110は、マスター地理的データベース112を維持する。マスター地理的データベース112は、地理的研究者によって提供された最新のデータセットを包含する。マスター地理的データベース112は、1つ又はそれ以上のハードドライブ又は他の記憶メディア上に保存することができる。一実施形態では、マスター地理的データベースは、様々なエンドユーザ演算プラットフォームの異なるフォーマットを維持するために、データベースのいくつかのバージョンを維持することができる。更に、マスター地理的データベース112は、マスター地理的データベース112に対して行われた変更を特定するために改訂の履歴を含むことができる。
【0033】
サーバ114は、1つ又はそれ以上のハードドライブか又はサーバ114によって作動して実行のためにサーバのメモリにロードされる他のメディア上に保存することができるサーバアプリケーション116を含んでいる。サーバアプリケーション116の1つは、更新アプリケーション118であり、サーバアプリケーションの別のものは、通信アプリケーション120である。通信アプリケーション120は、複数のエンドユーザとメッセージを送受信するためにデータネットワーク122とインタフェースで接続している。
【0034】
図8を参照すると、エンドユーザによって作動されるいくつかの種類の演算プラットフォームは、通信アプリケーション120からメッセージを要求して受け取るものである。エンドユーザ演算プラットフォームは、自動車126と関連付けられたナビゲーションシステム124、パーソナルコンピュータ128、整理記録ツール(例えば、PDA、「PalmPilot(登録商標)」型装置)130、無線電話132、又はデータネットワーク122上で地理的データベースプロバイダ110にアクセスするための適切なハードウエアとソフトウエアを備えた他の型式の演算装置を含むことができる。
【0035】
データネットワーク122は、現在入手可能な任意の適切な技術及び/又はプロトコルと、同じく将来入手可能になる技術及び/又はプロトコルとを使用することができる。例えば、データネットワークは、WAP、TCP/IPなどを使用することができる。データネットワーク122では、適切な変換により1つよりも多いプロトコルを使用することができる。データネットワーク122は、インターネットの一部にするか又はそれに接続することができる。ネットワーク122の一部分は、無線部分134を含むことができる。データネットワーク122の無線部分134は、移動式のエンドユーザ演算プラットフォームと地理的データベースプロバイダ110の間で双方向通信が可能である。無線部分134は、セルラー、PCS、衛星、FM、ラジオ、又は将来開発されるであろう技術を含む任意の適切な形態の無線通信によって実施することができる。無線部分134は、トランスポンダタワー、アンテナタワー、FMタワー、衛星、又は他の適切な手段のような1台又はそれ以上のトランスミッタ136を含むことができる。トランスミッタ136は、ネットワーク122及び/又はデータベースプロバイダ110に対する適切な通信リンク138を含んでいる。このリンク138は、地上式又は無線式にすることができる。トランスミッタ136は、データベースプロバイダ110と移動式エンドユーザ演算プラットフォームの間で双方向通信が可能な適切な技術を含んでいる。
【0036】
サーバアプリケーション116に含まれるのは、更新アプリケーション118と通信アプリケーション120である。更新アプリケーション118は、エンドユーザ演算プラットフォームに様々な異なる型式の更新を提供するために、サーバ114に関連付けられたマスター地理的データベース112を使用する。一実施形態では、通信アプリケーション120は、エンドユーザ演算プラットフォームから更新を要求するメッセージを受け取り、要求の更新を含むメッセージをエンドユーザ演算プラットフォームに送るために、データネットワーク122とインタフェースで接続している。
【0037】
簡潔には、一実施形態では、エンドユーザ演算プラットフォームの1台は、地理的データベースプロバイダ110に対して、演算プラットフォームに関連する地理的データベースに対する更新を要求するメッセージを送る。一般的に、メッセージは、エンドユーザとエンドユーザの地理的データベースのバージョンとを特定する。メッセージはまた、以前の更新トランザクションの日付を含めた以前の更新の履歴を含むことができる。更に、メッセージは、要求された更新の形式を表示する。更新の型式は、以下により詳細に説明されている。サーバ116上の通信アプリケーション120と更新アプリケーション118は、更新を要求するメッセージを受け取って処理する。更新アプリケーション118は、マスター地理的データベース112から必要な情報を受け取り、要求された更新のデータを包含するデータパッケージを処理する。通信アプリケーション120は、エンドユーザ演算プラットフォームにデータパッケージと共にメッセージを送る。一実施形態では、データパッケージは暗号化されることがある。エンドユーザ演算プラットフォームは、データパッケージと共にメッセージを受け取り、必要に応じてデータパッケージを処理して更新を入手する。次に、エンドユーザ演算プラットフォームは、更新のデータセットを関連メモリに保存する。例えば、エンドユーザ演算プラットフォームが図1のナビゲーションシステム10のようなナビゲーションシステムを含む時は、更新のデータセットは、ハードディスクのような記憶装置28に保存される。次に、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20は、ナビゲーション関連の特徴及び機能を提供する時に、CD−ROM又はDVDのような記憶メディア上のデータセット及び記憶装置上の更新のデータセットを含む地理的データベース26を使用することができる。
【0038】
更新の型式は、3つの使用可能な変数を有するものとして見ることができる。更新の第1の変数は、大陸的更新又は地域的更新のいずれかということである。大陸的更新は、北米のような大陸全体の地理的領域の地理的データセットの全ての変更を含んでいる。一方、地域的更新は、いくつかの州又は国、個々の州又は国、都市の領域や地方などを含めて確立された領域のような大陸の地理的領域の一部分の地理的データセットに対する変更を含んでいる。例えば、北米の大陸的な地理的領域は、それぞれの領域を境界によっていくつかの領域に分割することができる。例えば、境界は、インディアナ州を包含する領域をイリノイ州を包含する領域から分離することができる。
【0039】
更新の別の変数は、完全なパーセル交換又はパーセルデルタのいずれかということである。完全なパーセル交換更新は、パーセルに含まれたあらゆる以前のデータセットの全ての内容を完全に新しいデータセットと交換する。一方、パーセルデルタ更新は、デルタすなわちデータ値の変動と、データ値の変動をどのように適用するかの指示のリストを作成して、パーセルに含まれる以前のデータセットを新しいデータセットに変換する。更新の更なる変数は、完全な更新又は選択的な更新のいずれかということである。完全な更新は、ルーティングデータサブセット、地図作製データサブセット、操作データサブセット、及び要所データサブセットを交換するようにして、各サブセットと各層における全てのデータを交換する。一方、選択的交換は、指定されたサブセットと層で選択されたデータだけを交換する。例えば、選択的更新は、要所データサブセットだけを交換することができる。
【0040】
一実施形態では、地理的データベースプロバイダ110は、(1)大陸的又は地域的、(2)完全パーセル又はパーセルデルタ、及び(3)完全又は選択的のそれぞれ3つの変数を有する更新を提供する。大陸的−完全パーセル−完全更新から成る更新は、以前に公開されたエンドユーザの地理的データベース26を完全に交換するのと同等である。地域的−完全パーセル−完全更新、地域的−パーセルデルタ−完全更新、地域的−完全パーセル−選択的更新のような他の全ての更新は、全体の以前に公開された地理的データセットが更新によって提供されるデータによって完全に交換されないので、増進的更新と見なされる。増進的更新では、エンドユーザの地理的データベースは、以前に公開された地理的データセットと更新トランザクションによるデータの両方のデータを有する。便宜上、用語「更新データ」は、更新トランザクションによって提供されたエンドユーザの地理的データベースの地理的データセットの部分を意味し、用語「未更新データ」は、更新の日付よりも早い日の以前の更新トランザクションを含む以前に公開された地理的データによって提供されたエンドユーザの地理的データベースの地理的データセットの部分を意味する。
【0041】
図8に示すシステムに加えて、エンドユーザの地理的データベースに更新を提供するためのシステムの他の代替的実施形態が存在する。別の実施形態では、地理的データベースプロバイダ110は、メモリカード、携帯用ハードディスク、CD−ROM、DVDのような記憶メディアを使用してエンドユーザの地理的データベースに更新を提供することができる。データネットワーク122を通じて更新を通信する以外に、更新は、記憶メディアに保存され、エンドユーザ演算プラットフォームに物理的に搬送されて、演算プラットフォームの関連メモリにロードされる。別の実施形態では、エンドユーザに更新を提供する別の方法を使用することができる。
【0042】
IV.更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾の特定と報告
図1のナビゲーションシステム10のような増進的更新がエンドユーザ演算プラットフォームに提供される時はいつでも、更新データと未更新データの間に矛盾が存在することがある。すなわち、更新データは、マスター地理的データベースから地理的領域のより最新の表示を提供するのに対して、未更新データは、地理的領域のそれほど最新ではない表示を提供することになる。地理的領域のより最新の表示とそれほど最新でない表示の間には差異が存在する。例えば、新しい道路が建設された場合、地理的領域のより最新の表示は、新しい道路を適切に反映させることができるが、あまり新しくない表示は、新しい道路を含まない場合がある。
【0043】
そのために、一実施形態では、ナビゲーションシステム10は、データ矛盾検査アプリケーション44を含んでいる。データ矛盾検査アプリケーション44は、更新データと未更新データの間の矛盾又は起こりうる矛盾の存在を検査し、矛盾又は起こりうる矛盾についてエンドユーザに報告する。一実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、ルート計算34や地図表示38のようなナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20の他のものと平行して実行される。別の実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20に組み込まれる。例えば、この実施形態では、ルート計算アプリケーション34は、データ矛盾検査を実行し、地図表示アプリケーション38もデータ矛盾検査を実行するであろう。
【0044】
図9は、データ矛盾検査アプリケーション44によって実行される段階の流れ図を示している。段階140で、データ矛盾検査アプリケーション44は、現在実行されているナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20が、更新データと未更新データの両方を使用しているか否かを判断する。一実施形態では、アプリケーション44は、地理的データベース26に関連する更新履歴ファイルにアクセスする。更新履歴ファイルは、関連する地理的データベース26に対して、対応する日付とバージョン情報とを備えた更新トランザクションの履歴を列挙する。例えば、更新履歴ファイルは、領域、パーセル、サブセット及び/又は変更されていた地理的データのレベル、及び地理的データベース26に対する関連日付及び/又は更新トランザクションからのバージョン番号を列挙する。更新履歴ファイルを検査することにより、アプリケーション44は、現在のナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20が、ナビゲーションアプリケーションによって使用される部分の更新日付が2004年7月1日であり、一方、別の部分が2003年7月1日であるなどの異なる更新履歴情報を有する地理的データベース26からのデータを使用するか否かを判断する。
【0045】
別の実施形態では、アプリケーション44は、ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20に対してアクセスされた、パーセルの各パーセルヘッダからのデータ及び/又はバージョン情報にアクセスする。この実施形態では、各パーセルは、パーセルのデータセットが作られたか又は更新トランザクションによって変更された日付に関する情報を有するパーセルヘッダを含んでいる。現在のナビゲーションのソフトウエアプログラム20によってアクセスされた、各パーセルのパーセルヘッダからの日付及び/又はバージョン情報を検査することにより、アプリケーション44は、現在のナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20が、ナビゲーションアプリケーションによって使用されたデータのパーセルヘッダの1つの更新日付が2004年7月1日であり、一方、別のものが2003年7月1日であるなどの異なる関連日付を有する地理的データベース26からのデータを使用するか否かを判断する。
【0046】
更に別の実施形態では、アプリケーション44は、現在のナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20に対してアクセスされた、データ記録に関連する日付及び/又はバージョン情報を検査することができる。現在のナビゲーションソフトウエアプログラム20によって使用された、各データ記録からの日付及び/又はバージョン情報を検査することにより、アプリケーション44は、現在のナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20が、ナビゲーションアプリケーションによって使用されたデータ記録の1つの更新日付が2004年7月1日であり、一方、データ記録の別のものが2003年7月1日であるなどの異なる関連日付を有する地理的データベース26からのデータを使用するか否かを判断する。
【0047】
段階140に対する答えが否定の場合、現在実行されているナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム20によって使用された全ての地理的データベース記録が同じデータ及び/又はバージョン情報を有し、更新データと未更新データの間で矛盾が起きないために、データ矛盾検査アプリケーション44は終了する。段階140に対する答えが肯定の場合、データ矛盾検査アプリケーション44は、段階142で更新データと未更新データの間の起こりうる矛盾又は実際の矛盾を特定する。一実施形態では、アプリケーション44は、地図表示アプリケーション38のような現在実行されているナビゲーションソフトウエアプログラムが、更新データと未更新データの両方を使用するとアプリケーションが判断する時に、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾を自動的に特定する。別の実施形態では、アプリケーション44は、現在実行されているアプリケーションソフトウエアプログラム20を特定し、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾が、現在実行されているアプリケーションソフトウエアプログラム20の出力にどのように影響するかを特定する。更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾を特定する実施形態の詳細例は、以下に詳細に説明される。例えば、アプリケーション44は、現在実行されているアプリケーションソフトウエアプログラム20をルート計算アプリケーション34として特定し、ルート計算アプリケーションが指定された出発地から指定された目的地までのルートを特定できない場合、アプリケーション44は、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾がルート計算アプリケーションのエラーの原因であった場合があると特定する。更に、例えば、アプリケーション44は、現在実行されているアプリケーションソフトウエアプログラム20を地図表示アプリケーション38として特定し、アプリケーション44は、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾がディスプレイ上に呈示された地図に領域の境界を横切る可視的な接続を無くさせた場合があると特定する。
【0048】
図9の段階144で、データ矛盾検査アプリケーション44は、演算プラットフォーム12のエンドユーザに起こりうる矛盾又は特定された矛盾を報告する。一実施形態では、アプリケーション44は、ユーザインタフェース24を通じて報告を提供する。報告は、ディスプレイスクリーンに表示することができ、及び/又はユーザインタフェース24のオーディオスピーカを通して提供することができる。一実施形態では、報告は、更新データと未更新データの間の特定の矛盾を説明する。別の実施形態では、報告は、更新データと未更新データの間の起こりうる矛盾を表示する。更に、報告は、更新データと未更新データのそれぞれの日付を表示することができる。更新済地理的データと未更新地理的データの間の起こりうる矛盾を特定して報告する実施形態の詳細な実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0049】
A.実施例1
実施例1は、更新された領域と更新されない領域の間の境界に亘って道路セグメント及び/又はノードのような特徴が追加又は除去されたケースを示している。図10aは、2003年7月1日にマスター地理的データベース112に表された地理的領域152の地図150を示している。地理的領域152は、イリノイ部分154とインディアナ部分156を含んでいる。領域152は、インディアナ部分156からイリノイ部分154まで延び、次に曲がってインディアナ部分156まで戻る道路158を含んでいる。図10bは、2004年7月1日のマスター地理的データベース112に表された地理的領域152の地図160を示している。2003年7月1日と2004年7月1日の間に「Aldine Street」と呼ばれる新しい道路162が建設され、「Wells Street」と呼ばれる道路164が取り壊されており、マスター地理的データベース112が修正されて、地理的領域152の新しい特徴を呈示している。
【0050】
本実施例では、エンドユーザは、図1に示されたナビゲーションシステム10を有する。ナビゲーションシステム10は、地理的領域152を表すデータを包含する地理的データベース26を含んでいる。地理的データベース26は、本来2003年7月1日に対応するマスター地理的データベース112からの地理的データセットを含んでいる。2004年7月1日に、ナビゲーションシステム10のエンドユーザは、インディアナ部分156を含むがイリノイ部分154を含まない、地域的で完全パーセルで完全な更新を取得している。エンドユーザがインディアナ部分156だけの更新を取得したので、地理的データベース26は、図11aに示された地理的領域152の地図166を表す地理的データセットを包含している。換言すれば、イリノイ部分154は、更新されずに2003年7月1日付けのデータを含むのに対して、インディアナ部分156は、更新されて2004年7月1日付けのデータを含んでいる。
【0051】
本実施例の場合、エンドユーザは、現在位置168から「451 Aldine Street」170までのルートを要求する。一実施形態では、ルート計算アプリケーション34は、一連の相互接続道路セグメントを含む位置168から位置170までのルートを構築しようとする。しかし、更新されていないイリノイ部分154が接続道路セグメント162(図10b参照)を含まないので、ルート計算アプリケーションは、位置168から位置170までのルートを構築することができない。一実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、ルート計算アプリケーション34がイリノイ部分154に対応する未更新データとインディアナ部分156に対応する更新データの両方、すなわち、道路セグメント158及び164を表すデータを使用すると特定する。一実施形態では、アプリケーション44は、イリノイ部分154に対応するパーセルヘッダが2003年7月1日の関連日付を有し、一方でインディアナ部分156に対応するパーセルヘッダが2004年7月1日の関連日付を有すると特定する。
【0052】
本実施例では、データ矛盾検査アプリケーション44は、ルート計算アプリケーション34がルートを提供できないと判断することにより、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾を特定する。更に、データ矛盾検査アプリケーション44は、ユーザインタフェース24を通じて、ディスプレイスクリーン上のテキスト又は音声のいずれかにより、地理的データベースが更なる更新すなわちイリノイ部分154の更新を必要とするためにルート計算機能が機能しなかった場合があるというメッセージを提供することにより、更新データと未更新データの間の矛盾を報告する。別の実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、図11bに示されたような地図表示を提供することによって矛盾を報告する。図11bでは、更新されないイリノイ部分154は、更新されたインディアナ部分156の背景色及び/又はパターンとは異なる背景色及び/又はパターンを使用して表示される。更に、イリノイ部分を表すデータセットに関連する日付とインディアナ部分を表すデータセットに関連する日付とを地図166上に表示することができる。
【実施例2】
【0053】
B.実施例2
実施例2は、更新された領域と更新されない領域の間の境界を横切る形状ポイントが再配置され、形状ポイントが道路セグメント、川、湖のような特徴の形状と位置を表すケースを示している。図12は、2003年7月1日付けのマスター地理的データベース112に表された地理的領域182の地図180を示している。地理的領域182は、イリノイ部分184とインディアナ部分186を含んでいる。領域182は、イリノイ部分184からインディアナ部分186まで延びる道路188、190、192、及び194を含んでいる。図12はまた、2004年7月1日付けのマスター地理的データベース112に表された地理的領域182の地図196を示している。その年の間に地理的データベースプロバイダは、道路188、190、192、及び194を再配置し、それらの実際の物理的位置をより正確に表している。
【0054】
本実施例では、エンドユーザは、図1に示されたナビゲーションシステム10を有する。ナビゲーションシステム10は、地理的領域182を表すデータを包含する地理的データベース26を含んでいる。地理的データベース26は、本来2003年7月1日に対応するマスター地理的データベース112からの地理的データセットを含んでいる。2004年7月1日に、ナビゲーションシステム10のエンドユーザは、インディアナ部分186を含むがイリノイ部分184を含まない、地域的で完全パーセルで完全な更新を取得している。エンドユーザがインディアナ部分186だけの更新を取得したので、地理的データベース26は、図13aに示された地理的領域182の地図198を表す地理的データセットを包含している。換言すれば、イリノイ部分184は、更新されずに2003年7月1日付けのデータを含むのに対して、インディアナ部分186は、更新されて2004年7月1日付けのデータを含んでいる。
【0055】
本実施例の場合、エンドユーザは、道路190上を移動している。一実施形態では、地図表示アプリケーション38は、ユーザインタフェース24上の表示に対するエンドユーザの現在位置周辺領域の地図を作製する。地図を表示するために、地図表示アプリケーション38は、道路188、190、192、及び194を表すデータを地理的データベース26から取得する。地図を作製するために、地図表示アプリケーション38は、更新されないイリノイ部分184と更新されたインディアナ部分186の両方からデータを取得する。図13aは、地図表示アプリケーション38によって作成された地図198を示している。地図198には、更新されたインディアナ部分186の道路が更新されないイリノイ部分184とは異なって配置されているので、更新されないイリノイ部分184と更新されたインディアナ部分186の間の境界200で、道路188、190、192、及び194に不連続点がある。
【0056】
一実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、地図表示アプリケーション38が、イリノイ部分184に対応する未更新データとインディアナ部分186に対応する更新データの両方、すなわち、道路188、190、192、及び194を表すデータを使用すると特定する。一実施形態では、アプリケーション44は、イリノイ部分184に対応するパーセルヘッダが2003年7月1日の関連日付を有し、一方、インディアナ部分186に対応するパーセルヘッダが2004年7月1日の関連日付を有すると特定する。
【0057】
本実施例では、データ矛盾検査アプリケーション44は、地図198を作成するために地図表示アプリケーション38が未更新データと更新データの両方を使用すると判断し、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾が存在する場合があることを自動的に特定する。インディアナ部分186を表すデータセットに対するいかなる変化もイリノイ部分184との境界200で目に見えるので、本実施形態は、矛盾の可能性を自動的に特定するものである。代替的実施形態では、地図表示アプリケーションによって表示された時に、道路セグメントが境界で接続するか否かを判断するために、アプリケーション44は、更新された領域と更新されない領域の間の境界を横切る道路セグメントのような特徴の形状ポイントの位置を比較することができる。
【0058】
更に、データ矛盾検査アプリケーション44は、図13bに示される地図表示を提供することにより、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾を報告する。図13bでは、更新されないイリノイ部分154は、更新されたインディアナ部分156の背景色及び/又はパターンとは異なる背景色及び/又はパターンを使用して表示される。更に、更新されないイリノイ部分154と更新されたインディアナ部分156は、地図198を作成するために使用されるデータに関連する日付を表示するラベルを含んでいる。
【実施例3】
【0059】
C.実施例3
実施例3は、地理的データベースの地理的データのより高い層に道路セグメントのような特徴が追加されるか又は除去されるケースを示している。地理的データベース26の一実施形態では、例えば、州間ハイウエイのようなより高いレベルの道路は、地図表示アプリケーション38がズームアウト作動を実行する時に記憶メディアから読み込む必要があるデータの量を制限するために、複数のパーセルに保存される。より高い層のパーセルは、より低いパーセルの層よりも混み合いの程度が少なく、かつより広い領域を含んでいる。図14aは、2003年7月1日付けのマスター地理的データベース112に表された米国大陸の地理的領域の地図200を示している。米国大陸は、層1、層2、及び層3の3つのレベルのパーセルに編成される。層1は、州間ハイウエイに関連するデータだけを包含するパーセル202を含み、層2は、州間ハイウエイと道路に関連するパーセル204を含み、層3は、州間ハイウエイ、道路、及び地域の道路に関連するパーセル206を含んでいる。従って、層1のパーセルは、最も広い領域を覆い、層3のパーセルは、最も狭い領域を含んでいる。図14bは、2004年7月1日付けのマスター地理的データベース112に表された米国大陸の地図208を示している。その年の間に新しい州間ハイウエイ210がテキサス州ダラスとイリノイ州シカゴの間に建設されている。
【0060】
本実施例では、エンドユーザは、図1に示されたナビゲーションシステム10を有する。ナビゲーションシステム10は、層1、層2、及び層3で米国大陸を表すデータを包含する地理的データベース26を含んでいる。地理的データベース26は、本来2003年7月1日に対応するマスター地理的データベース112からのデータを含んでいる。2004年7月1日に、ナビゲーションシステム10のエンドユーザは、テキサス州の地域的で完全パーセルで完全な更新を取得している。テキサスの更新は、レベル1に対する境界212内のパーセル、レベル2に対する境界214内のパーセル、及びレベル3に対する境界216内のパーセルを含んでいる。エンドユーザがテキサスの領域だけの更新を取得したので、地理的データベース26は、層1に対して境界212内で更新データと境界212外で未更新データ、層2に対して境界214内で更新データと境界214外で未更新データ、及び層3に対して境界216内で更新データと境界216外で未更新データを有する地理的データセットを包含している。
【0061】
本実施例の場合、エンドユーザは、オクラホマに位置しながらナビゲーションシステム10で地図表示アプリケーション38のズーミング機能を使用している。一実施形態では、地図表示アプリケーション38は、ユーザインタフェース24に表示するためにエンドユーザの現在位置周辺領域の地図を作製する。地図表示が層3でズームインされる時に、地図表示アプリケーションが層3のテキサスの境界212外の更新されないパーセルからのデータを使用するので、エンドユーザの現在位置周辺領域の地図は、州間ハイウエイ210を表示しないことになる。地図表示が層2にズームインされると、地図表示アプリケーションが、層2のテキサスの境界214内の更新されたパーセルでテキサスの境界214外の更新されないパーセルからのデータを使用するので、州間ハイウエイ210は、地図上でオクラホマの南の部分に表示されるであろうが、オクラホマの北の部分には表示されないであろう。地図表示が層1に更にズームインされると、地図表示アプリケーションが、層1のテキサス境界216内の更新されたパーセルのデータを使用するので、州間ハイウエイ210は、地図上に表示されることになる。
【0062】
一実施形態では、データ矛盾検査44は、地図表示アプリケーション38が、層間にズームインした時にテキサスの境界212、214、及び216内の部分に対応する更新データとテキサスの境界212、214、及び216外の部分に対応する未更新データの両方を使用すると特定する。一実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、テキサスの境界212、214、及び216内の部分に対応するパーセルヘッダが2004年7月1日の関連データを有し、一方、テキサスの境界212、214、及び216外の部分に対応するパーセルヘッダが2003年7月1日の関連データを有すると特定する。
【0063】
本実施例では、データ矛盾検査アプリケーション44は、地図表示アプリケーション38が地図を作成するために未更新データと更新データの両方を使用すると判断し、更新データと未更新データの間で起こりうる矛盾が存在する場合があると自動的に特定する。代替的実施形態では、アプリケーション44は、実際の矛盾を特定するために、州間ハイウエイのようなより高いレベルの道路が異なるズームレベルで地図のどこに含まれるかを判断することができる。
【0064】
更に、データ矛盾検査アプリケーション44は、ズーミング作動が更新データと未更新データの間の矛盾を含む可能性があると表示するメッセージをエンドユーザに提供することにより、更新データと未更新データの間の起こりうる矛盾及び/又は実際の矛盾を報告する。例えば、地図間の形態の移行のズーミングが起こりうる矛盾を地図で見ることができることを示す時に、報告は、音声メッセージにすることができる。更に、報告は、更新された部分の背景色及び/又はパターンとは異なる背景色及び/又はパターンを使用して地図の更新されない部分を表示することができる。更に、更新されない部分と更新された部分は、地図を作製するために使用されたデータに関連する日付を表示するラベルを含むことができる。
【実施例4】
【0065】
D.実施例4
実施例4は、パーセルが、更新された領域とは異なる集合レベルで形成されたデータを包含するケースを示している。例えば、一実施形態では、地理的データベースは、米国の全ての都市のリストを含んでいる。2003年7月1日付けのマスター地理的データベース112が、そのような全都市のリストを包含すると考える。米国内で2003年7月1日と2004年7月1日の間にいくつかの都市が開発されており、2004年7月1日付けのマスター地理的データベース112はそれらの都市を含んでいる。
【0066】
本実施例では、エンドユーザは、図1に示されたナビゲーションシステム10を有する。ナビゲーションシステム10は、地理的領域152を表すデータを包含する地理的データベース26を含んでいる。地理的データベース26は、本来2003年7月1日に対応するマスター地理的データベース112からの地理的データセットを含んでいる。2004年7月1日に、ナビゲーションシステム10のエンドユーザは、イリノイ州と米国内の全ての都市のリストを含む地域的でパーセルデルタで完全な更新を取得しているが、その更新は、カリフォルニア州を除外している。エンドユーザは、米国内の全ての都市のリストを包含する更新を取得しているので、エンドユーザの地理的データベースは、カリフォルニア州の新しい都市を含んでいる。しかし、エンドユーザはカリフォルニアの更新を取得しなかったので、エンドユーザの地理的データベースは、カリフォルニア州のそれらの新しい都市の特徴を含んでいない。
【0067】
本実施例の場合、エンドユーザは、ロサンゼルスからロサンゼルス遠方の郊外に新しく建設された都市であるカウフマンビルまでのルートを要求する。一実施形態では、ルート計算アプリケーション34は、現在位置から新しい都市であるカウフマンビルまでの一連の相互接続した道路セグメントを含むルートを構築しようとする。カウフマンビルは、米国の全都市のリストから認識されているが、カリフォルニアを表す未更新データが新しい都市の接続道路セグメントを含まないので、ルート計算アプリケーション34は、現在位置からカウフマンビルまでのルートを構築することができない。一実施形態では、データ矛盾検査アプリケーション44は、ルート計算アプリケーション34が、カリフォルニアの領域に対応する未更新データと米国内の全都市のリストに対応する更新データの両方を使用すると特定する。一実施形態では、アプリケーション44は、ロサンゼルスとカリフォルニアの周辺郊外の地理的領域に対応するパーセルヘッダの関連日付が2003年7月1日であり、一方、米国内の全都市のリストに対応するパーセルヘッダの関連日付が2004年7月1日付であると特定する。
【0068】
本実施例では、データ矛盾検査アプリケーション44は、ルート計算アプリケーション34がルートを提供できないと判断することにより、更新データと未更新データの間の起こりうる矛盾を特定する。更に、データ矛盾検査アプリケーション44は、ユーザインタフェース24を通じて、ディスプレイスクリーン上でテキストによるか又は音声により、地理的データベースが更なる更新を必要するというメッセージを提供することにより、更新データと未更新データの間の起こりうる矛盾を報告する。例えば、報告は、カウフマンビルを表すデータを取得するためにエンドユーザが地理的データベースを更新する必要があると表示することができる。
上述の詳細説明は、制限的ではなく例示的であると考えられ、全ての均等物を含む特許請求の範囲が本発明の範囲を規定することは理解されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】例示的な実施形態によるナビゲーションシステムのブロック図である。
【図2】地理的領域の地図を示す図である。
【図3】図2の地理的領域を表す地理的データベースのブロック図である。
【図4】ナビゲーションアプリケーションプログラムと共に使用するためのデータの別々のサブセットを有する地理的データベースを示す図である。
【図5】データタイプの別々のサブセットといくつかのタイプのデータの別々の層の両方を示す図4と同等の図である。
【図6】パーセル化を示す地理的領域の地図である。
【図7】地理的データベースの更新トランザクションを示すブロック図である。
【図8】エンドユーザに地理的データベースの更新を提供するためのシステムのブロック図である。
【図9】例示的な実施形態により、更新済地理的データと未更新地理的データの間で起こりうる矛盾を特定して報告するための処理の流れ図である。
【図10a】2003年7月1日のマスター地理的データベースによって表わされた地理的領域の地図を示す図である。
【図10b】2004年7月1日のマスター地理的データベースによって表わされた地理的領域の地図を示す図である。
【図11a】更新及び未更新地理的データを含むエンドユーザの地理的データベースによって表わされた地理的領域の地図を示す図である。
【図11b】更新済地理的データと未更新地理的データの間で起こりうる矛盾を報告するナビゲーションシステムの地図の表示を示す図である。
【図12】2003年7月1日と2004年7月1日のマスター地理的データベースによって表わされた地理的領域の地図を示す図である。
【図13a】更新済及び未更新地理的データを含む地理的データベースによって表わされた地理的領域の地図を示す図である。
【図13b】更新済地理的データと未更新地理的データの間で起こりうる矛盾を報告するナビゲーションシステムの地図の表示を示す図である。
【図14a】3つの異なるレベルでパーセル化された地理的領域の地図を示す図である。
【図14b】3つの異なるレベルでパーセル化された地理的領域の地図を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
10 ナビゲーションシステム
12 演算プラットフォーム
14 プロセッサ
16 ドライブ
18 不揮発性メモリ
28 記憶装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション関連機能を提供するためのナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムを実行するナビゲーションシステムを作動させる方法であって、
ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムが、ナビゲーションシステムに付随する地理的データベースからの更新された地理的データと、該更新済地理的データとは異なる関連日付又はバージョンを有する未更新の地理的データの両方を使用すると特定する段階、及び
前記更新済地理的データと前記未更新地理的データの間に矛盾が存在する場合があることを示す報告を提供する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記報告は、前記ナビゲーションシステムに関連するユーザインタフェースを通じた音声メッセージを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記報告は、前記ナビゲーションシステムに関連するユーザインタフェースを通じたテキストメッセージを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記報告は、前記ナビゲーションシステムに関連した地図表示を含み、
前記地図表示は、前記未更新地理的データによって表された地理的領域の一部分を表示する、前記ナビゲーション関連機能に関連する該地理的領域の地図を示す、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記のナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムは、ルート計算アプリケーションであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記のナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムは、地図表示アプリケーションであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記矛盾は、地理的領域の第1の部分と該地理的領域の第2の部分の間の境界を横切る地理的特徴が、該第2の部分とは異なって該第1の部分に表されていることであり、
前記地理的領域の前記第1の部分は、前記更新済地理的データによって表され、該地理的領域の前記第2の部分は、前記未更新地理的データによって表される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記矛盾は、前記地理的データベースのデータの別々のサブセットに異なって形成された地理的特徴であり、
前記サブセットの1つは、前記更新済地理的データであり、該サブセットの別のものは、前記未更新地理的データである、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムによって使用される前記更新済地理的データと前記未更新地理的データの間の前記矛盾を特定する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記特定する段階は、前記ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムによってアクセスされた複数のパーセルの各パーセルヘッダからの日付又はバージョン情報にアクセスすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記特定する段階は、前記地理的データベースに付随する更新履歴ファイルにアクセスすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
地理的領域内の特徴を表す地理的データを包含する地理的データベース、
を含み、
前記地理的データベースは、増進的更新を受け取ることができ、
前記増進的更新は、前記地理的データベースの以前に公開された地理的データセットを変更して更新データセットと未更新データセットを提供し、
前記更新データセットは、前記以前に公開された地理的データセットに対する変更を含み、前記未更新データセットは、該以前に公開された地理的データセットの一部分を含み、
ナビゲーション関連機能を提供するために前記更新済地理的データセットと前記未更新データセットの両方が使用されるか否かを判断するナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム、
を更に含むことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項13】
前記判断する段階が前記更新済地理的データセット及び未更新地理的データセットの両方が使用されると判断した時に、該更新済地理的データセットと該未更新地理的データセットの間に矛盾が存在する場合があることを示す報告を提供するユーザインタフェースを更に含むことを特徴とする請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項14】
前記ユーザインタフェースは、前記更新済地理的データセットによって表された地理的領域の一部分を表示する、前記ナビゲーション関連機能に関連する該地理的領域の地図を示す地図表示を含むことを特徴とする請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項15】
前記ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムは、ルート計算アプリケーションであることを特徴とする請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項16】
前記ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムは、地図表示アプリケーションであることを特徴とする請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項17】
前記増進的更新は、地域的な更新であることを特徴とする請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項18】
ナビゲーション関連機能を提供するためのナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムを実行する演算プラットフォームを作動させる方法であって、
演算プラットフォームに付随する地理的データベースが増進的更新を受けたか否かを特定する段階、
を含み、
前記増進的更新は、前記地理的データベースの以前に公開された地理的データセットを変更して更新データセットと未更新データセットを提供し、
前記更新データセットは、前記以前に公開された地理的データセットに対する変更を含み、前記未更新データセットは、該以前に公開された地理的データセットの一部分を含み、
前記ナビゲーション関連機能が前記更新データセットと前記未更新データセットの両方を使用することを示す報告を提供する段階、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記更新データセットと前記未更新データセットの間の矛盾が存在するか否かを判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記演算プラットフォームのユーザインタフェースを通じて前記矛盾を報告する段階を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項1】
ナビゲーション関連機能を提供するためのナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムを実行するナビゲーションシステムを作動させる方法であって、
ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムが、ナビゲーションシステムに付随する地理的データベースからの更新された地理的データと、該更新済地理的データとは異なる関連日付又はバージョンを有する未更新の地理的データの両方を使用すると特定する段階、及び
前記更新済地理的データと前記未更新地理的データの間に矛盾が存在する場合があることを示す報告を提供する段階、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記報告は、前記ナビゲーションシステムに関連するユーザインタフェースを通じた音声メッセージを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記報告は、前記ナビゲーションシステムに関連するユーザインタフェースを通じたテキストメッセージを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記報告は、前記ナビゲーションシステムに関連した地図表示を含み、
前記地図表示は、前記未更新地理的データによって表された地理的領域の一部分を表示する、前記ナビゲーション関連機能に関連する該地理的領域の地図を示す、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記のナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムは、ルート計算アプリケーションであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記のナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムは、地図表示アプリケーションであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記矛盾は、地理的領域の第1の部分と該地理的領域の第2の部分の間の境界を横切る地理的特徴が、該第2の部分とは異なって該第1の部分に表されていることであり、
前記地理的領域の前記第1の部分は、前記更新済地理的データによって表され、該地理的領域の前記第2の部分は、前記未更新地理的データによって表される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記矛盾は、前記地理的データベースのデータの別々のサブセットに異なって形成された地理的特徴であり、
前記サブセットの1つは、前記更新済地理的データであり、該サブセットの別のものは、前記未更新地理的データである、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムによって使用される前記更新済地理的データと前記未更新地理的データの間の前記矛盾を特定する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記特定する段階は、前記ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムによってアクセスされた複数のパーセルの各パーセルヘッダからの日付又はバージョン情報にアクセスすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記特定する段階は、前記地理的データベースに付随する更新履歴ファイルにアクセスすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
地理的領域内の特徴を表す地理的データを包含する地理的データベース、
を含み、
前記地理的データベースは、増進的更新を受け取ることができ、
前記増進的更新は、前記地理的データベースの以前に公開された地理的データセットを変更して更新データセットと未更新データセットを提供し、
前記更新データセットは、前記以前に公開された地理的データセットに対する変更を含み、前記未更新データセットは、該以前に公開された地理的データセットの一部分を含み、
ナビゲーション関連機能を提供するために前記更新済地理的データセットと前記未更新データセットの両方が使用されるか否かを判断するナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラム、
を更に含むことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項13】
前記判断する段階が前記更新済地理的データセット及び未更新地理的データセットの両方が使用されると判断した時に、該更新済地理的データセットと該未更新地理的データセットの間に矛盾が存在する場合があることを示す報告を提供するユーザインタフェースを更に含むことを特徴とする請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項14】
前記ユーザインタフェースは、前記更新済地理的データセットによって表された地理的領域の一部分を表示する、前記ナビゲーション関連機能に関連する該地理的領域の地図を示す地図表示を含むことを特徴とする請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項15】
前記ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムは、ルート計算アプリケーションであることを特徴とする請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項16】
前記ナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムは、地図表示アプリケーションであることを特徴とする請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項17】
前記増進的更新は、地域的な更新であることを特徴とする請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項18】
ナビゲーション関連機能を提供するためのナビゲーションアプリケーションソフトウエアプログラムを実行する演算プラットフォームを作動させる方法であって、
演算プラットフォームに付随する地理的データベースが増進的更新を受けたか否かを特定する段階、
を含み、
前記増進的更新は、前記地理的データベースの以前に公開された地理的データセットを変更して更新データセットと未更新データセットを提供し、
前記更新データセットは、前記以前に公開された地理的データセットに対する変更を含み、前記未更新データセットは、該以前に公開された地理的データセットの一部分を含み、
前記ナビゲーション関連機能が前記更新データセットと前記未更新データセットの両方を使用することを示す報告を提供する段階、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記更新データセットと前記未更新データセットの間の矛盾が存在するか否かを判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記演算プラットフォームのユーザインタフェースを通じて前記矛盾を報告する段階を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【公開番号】特開2006−105989(P2006−105989A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286121(P2005−286121)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(504390584)ナヴテック ノース アメリカ リミテッド ライアビリティ カンパニー (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(504390584)ナヴテック ノース アメリカ リミテッド ライアビリティ カンパニー (12)
【Fターム(参考)】
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