説明

基板保持具および基板保持方法

【課題】基板を容易に離脱させることができる基板保持具および基板保持方法を提供する。
【解決手段】本発明の基板保持具は、W基板を真空吸引により保持する。この基板保持具は、基板Wの吸着面を有する基板保持ステージ1と、真空源および流体供給源に選択的に連結される流体通路14,23とを備える。基板保持具の吸着面は、凸部6a,6b,6cによって囲まれた複数の閉区画12を有し、流体通路14,23は、これらの閉区画12にそれぞれ独立して連通する複数の連通路14,23bを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハなどの薄板状の基板を真空吸引により保持する基板保持具および基板保持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハなどの薄板状の基板を処理する際の基板の保持手段として、基板の面を真空吸引により保持する基板保持具が一般に用いられている。従来の真空吸引式の基板保持具は、1つの真空形成孔を有し、吸着部材と基板との間に形成された空間を真空状態にすることで基板を保持する。また、従来の基板保持具は、一旦吸着した基板を基板保持具から離脱させるために、真空形成孔から高圧の流体を噴出するようになっている。
【0003】
基板保持具に求められる機能として、基板を十分に吸着できることと同様に、基板にストレスを与えることなく基板を離脱できることが挙げられる。このような要請を満たすため、基板保持具の吸着部材や吸着面の形状には各種の工夫がなされてきた。特に、半導体ウエハは厚さが1mm以下と薄く、且つ材料が脆性材であるため、離脱時に半導体ウエハを破損しないよう細心の配慮が必要とされる。
【0004】
図1は従来の基板保持具を示す断面図であり、図2は図1における基板を保持していない状態の基板保持具を示す上面図である。この基板保持具は、上面が平坦且つ円形の吸着ステージ200と、この吸着ステージ200の上面に貼り付けられた吸着パッド201とを有している。吸着ステージ200は、回転可能な軸202に取り付けられており、吸着ステージ200は軸202と一体に回転するようになっている。軸202は中空になっており、軸202の内部にはチューブ203が通されている。チューブ203は吸着ステージ200にOリング204で気密に接続されている。吸着ステージ200は4つのねじ205によって軸202に取り付けられている。
【0005】
吸着パッド201は、複数の同心円(仮想円)に沿って配列された複数のパッドピースから構成される。最も外側のパッドピース201aは閉じたリング形状を有し、吸着ステージ200の上面の最外周部に沿って配置されている。吸着ステージ200の中心には1つの真空形成孔206が設けられている。この真空形成孔206は、吸着パッド201のパッドピースの間に形成される凹部に連通するとともに、チューブ203に連通している。吸着パッド201上に基板Wを載置して真空形成孔206を真空にすると、吸着パッド201の最外周のパッドピース201aがシール部材として機能し、基板Wと吸着ステージ200との間が負圧になることで基板Wが吸着される。
【0006】
基板Wを離脱させるときは、チューブ203を介して真空形成孔206に流体供給源を連通させる。そして、この真空形成孔206から窒素ガスなどの流体を噴出することで、基板Wを離脱させる。しかしながら、流体の供給中に、真空形成孔206から基板保持具の外周部へ向かう1本の流体の流路ができると、供給された流体のほとんどはその流路を通って外部に排出されてしまう。このため、その流路以外の吸着パッド201の箇所から基板Wが剥がれにくいという課題があった。特に、吸着パッド201に発泡性の材質を用いた場合、基板Wと接触している部分が微視的に吸盤のように作用するため、基板Wが吸着パッド201から剥がれにくくなる。
【0007】
図3は従来の基板保持具の他の例を示す断面図で、図4は図3における基板を保持していない状態の基板保持具の上面図である。図4で示すように、吸着ステージ200の上面には図4の破線で示すように放射状に延びる溝208が形成されており、この溝208は吸着ステージ200の中央部に設けられた真空形成孔206に連通している。吸着パッド201は、溝208を覆うように吸着ステージ200の上面に貼り付けられている。吸着パッド201には、溝208に沿って並んだ複数の貫通孔209が設けられ、溝208と貫通孔209とは互いに連通している。
【0008】
図4で示したように複数の貫通孔209を設けた場合でも、基板Wの離脱に際して基板Wと吸着パッド201の間に1つの流体の流路ができると、すべての貫通孔209からの流体がその流路に集まり、同様の問題が起きてしまう。また、流体の流路が1つできると、流体供給源の圧力が低下し、流路以外の箇所から基板を剥がす作用が小さくなるという問題があった。
【0009】
【特許文献1】特開2006−303112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上述した従来の課題を解決するためになされたもので、基板を容易に離脱させることができる基板保持具および基板保持方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、基板を真空吸引により保持する基板保持具において、基板の吸着面を有する基板保持ステージと、真空源および流体供給源に選択的に連結される流体通路とを備え、前記吸着面は、凸部によって囲まれた複数の閉区画を有し、前記流体通路は、前記複数の閉区画にそれぞれ独立して連通する複数の連通路を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の好ましい態様は、前記基板保持ステージは、前記凸部と同じ高さを有する複数の支持部を有し、該複数の支持部は前記複数の閉区画内に配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記複数の連通路は、1つの主通路から分岐しており、前記複数の連通路内には、流体の流れに抵抗を与える絞りが設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明の好ましい態様は、前記基板保持ステージは、基板に接触する吸着パッドを有し、前記凸部は、前記吸着パッドから構成されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記基板保持ステージは、基板に接触するシート状の吸着パッドを有し、前記凸部および前記閉区画は、前記吸着パッドの表面上に形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記凸部は、Oリングであることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記吸着面は、基板よりも小さいことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の態様は、基板を真空吸引により基板保持具で保持し、前記基板を保持しながら、該基板に第1の処理を行ない、前記第1の処理の後、前記真空吸引の真空度を下げ、前記下げた真空度で前記基板を保持しながら、該基板に第2の処理を行ない、前記第2の処理の後、前記基板に向けて流体を噴射することにより前記基板を前記基板保持具から離脱させることを特徴とする基板保持方法である。
【0015】
本発明の好ましい態様は、前記第2の処理の間に前記基板に作用する外力は、前記第1の処理の間に前記基板に作用する外力よりも小さいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記流体は、空気、窒素、および水のうちのいずれかであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、互いに隔離された閉区画にそれぞれ流体を独立に供給することにより、各閉区画で剥離作用を得ることができる。したがって、基板を吸着面から確実に剥離することができる。また、本発明によれば、基板を離脱させる前に真空吸引の真空度を下げることにより、基板を吸着面から確実に剥離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る基板保持具を示す断面図であり、図6は基板保持具の上面図である。この基板保持具は、基板の吸着面を有する基板保持ステージ1を備えている。基板保持ステージ1は、平坦な上面を有する皿状の吸着ステージ2と、この吸着ステージ2の上面に配置された、平坦な上面を有する円形の保持板5と、この保持板5の上面に貼り付けられた吸着パッド6とを有している。吸着ステージ2は、回転軸10に取り付けられており、吸着ステージ2は回転軸10と一体に回転できるようになっている。吸着ステージ2は4つのねじ8によって回転軸10に取り付けられている。
【0018】
保持板5は硬質の樹脂、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)から構成されている。吸着パッド6は発砲ポリウレタンやシリコーンゴムからなり、真空で吸着したときに半導体ウエハなどの基板に傷を付けないように柔軟な材料が選定されている。吸着パッド6は、シール性を備えており、基板の裏面に接触するシール部材としても機能する。吸着パッド6は数百マイクロメートルの厚さの薄いシート状であり、保持板5に貼り付けるために吸着パッド6の下面には粘着層(後述する)が形成されている。
【0019】
図7は吸着パッドおよび保持板を示す斜視図である。図6および図7に示すように、吸着パッド6は、保持板5の最外周部に沿って延びる円周部6aと、保持板5の中心に位置する中心円部6bと、円周部6aと中心円部6bを連結する4本の連結部6cとを有している。円周部6aは閉じたリング形状を有しており、連結部6cは放射状に延びている。これらの円周部6aと中心円部6bと連結部6cとにより4つの扇形の閉じた区画12が形成されている。これらの閉区画12は、基板が吸着パッド6上に載置されたときに、互いに独立した閉空間を形成する。
【0020】
吸着パッド6は、それぞれの閉区画12内に配置される複数のパッドピース(支持部)6dをさらに有している。これらのパッドピース6dは、互いに切り離されており、複数の同心円(仮想円)に沿って配列されている。パッドピース6dは、円周部6aと中心円部6bと連結部6cと同じ高さを有している。本実施形態では、各パッドピース6dは円弧状に形成されている。このように、保持板5の上面に吸着パッド6を貼り付けることによって、吸着面に凹凸が形成される。すなわち、吸着パッド6が凸部となり、吸着パッド6が貼り付けられていない箇所が凹部となる。
【0021】
保持板5には、4つの閉区画12内に位置する4つの真空形成孔(貫通孔)14と4つのねじ孔(図示せず)が形成されている。これらの真空形成孔14およびねじ孔は、吸着パッド6の中心円部6bの近傍に位置している。吸着ステージ2には、ねじ孔に対応する位置にねじ孔(図示せず)が形成されている。回転軸10は、吸着ステージ2のねじ孔に対応する位置に雌ねじ(図示せず)が形成されている。上述したねじ8は、これらのねじ孔および雌ねじに挿入され、これにより吸着ステージ2が回転軸10に固定される。
【0022】
回転軸10は中空構造を有しており、その内部にはチューブ20が通されている。チューブ20と吸着ステージ2とはOリングなどのシール部材22で気密に接続されている。吸着ステージ2には、真空形成孔14とチューブ20とを連結する連結通路23が設けられている。この連結通路23は、1つの主通路23aと、この主通路23aから分岐する4つの分岐通路23bとから構成されており、これら4つの分岐通路23bは真空形成孔14にそれぞれ連通している。4つの真空形成孔14は、上述したように、4つの閉区画12にそれぞれ独立に連通している。4つの分岐通路23bには、流体の流れに抵抗を与える絞り(流体抵抗)24がそれぞれ設けられている。本実施形態では、真空形成孔14と連結通路23とにより流体通路が構成され、真空形成孔14と分岐通路23bとにより連通路が構成される。
【0023】
チューブ20には、基板吸着のための真空を形成する真空源と、基板離脱のためにNガスなどの流体を供給する流体供給源とが選択的に連結されるようになっている。すなわち、基板を吸着するときには、真空源がチューブ20に接続され、基板を基板保持具から離脱させるときには、流体供給源がチューブ20に接続される。
【0024】
図8は本実施形態に係る基板保持具の上面に半導体ウエハなどの基板を載置した状態を示す断面図である。基板Wを基板保持具の吸着面に載置した状態で4つの真空形成孔14に真空を形成すると、吸着パッド6の円周部6aと中心円部6bと連結部6cで形成される凸部がシール部材となり、吸着パッド6が貼り付けられていない凹部に真空が形成される。このようにして、基板Wは、基板保持具の吸着面に真空吸引により保持される。吸着面は全体として円形であり、基板Wよりも小さく形成されている。これにより、吸着面に保持された基板Wの周縁部(ベベル部およびニアエッジ部)の研磨がやり易くなる。
【0025】
吸着パッド6のパッドピース6dは基板Wが保持されたときに、基板W自体の平坦を保つための支持部として機能する。パッドピース6dがないと、薄板状の基板Wがへこみ、全体として基板Wの表面にうねりが生じてしまう。複数のパッドピース6dを設けることで、基板保持具は、基板Wの表面を平坦に保ちつつ基板Wを保持することができる。
【0026】
基板Wを基板保持具から離脱させる場合、吸着ステージ2の連結通路23に流体供給源から流体(例えば、窒素ガス、空気、水)を供給し、保持板5の真空形成孔14から流体を噴出させる。本実施形態の基板保持具によれば、吸着面が複数の閉区画12に分割され、互いに独立して設けられた連通路を通じてそれぞれの閉区画12に流体が供給されるので、基板Wの複数の箇所をそれぞれ独立して離脱させることができる。基板Wの離脱をさらに確実に行なうために、1本の主通路23aから分割された4つの分岐通路23bに絞り24が配置されている。絞り24を設けることで、絞り24の上流側の圧力降下を小さくすることができるので、例えば、1つの閉区画から流体が外部へ逃げても、他の閉区画へ供給される流体の圧力を維持できる。したがって、全ての閉区画で確実に基板Wを離脱させることができる。
【0027】
なお、本実施形態では、4つの閉区画12が形成されるが、本発明はこれに限定されず、2つ以上の閉区画が形成されていればよい。いずれの場合においても、連結部6c、真空形成孔14、分岐通路23b、絞り24などは、閉区画12の数に応じて設けられる。
【0028】
図9は図6のA−A線断面図であり、吸着パッド6の厚さ方向に沿った断面を示している。吸着パッド6は、基板と接触する柔軟層31と、保持板5と接触する粘着層33と、柔軟層31と粘着層33との間に挟まれた基材層32とを有している。吸着パッド6は、粘着層33の下面に破線で示された剥離紙34が付いた状態で用意される。そして、吸着パッド6を保持板5に貼り付ける直前に、剥離紙34を粘着層33の下面から取り去って、粘着層33を露出させる。この状態で、吸着パッド6を保持板5の上面に貼り付ける。吸着パッド6は、図6に示すような模様に粘着層33を完全に切断し、剥離紙34を途中まで切断するように製造されており、剥離紙34によって円周部6a、中心円部6b、連結部6c、およびパッドピース6dが互いにつながった状態で市場に供給される。吸着パッド6は、一般的にトムソン型と呼ばれる型を用いて図6に示すような形状に加工される。
【0029】
吸着パッド6は、前述の通り発砲ポリウレタンやシリコーンゴムなどの弾性材料からなる。必要に応じて、吸着パッド6の上面(基板Wとの接触面)にテフロン(登録商標)コーティングを施してもよい。これは基板Wの裏面を吸着パッド6の上面からより剥がれやすくするためである。ここで、吸着パッド6にテフロンコーティングを施すと、真空吸引の際のシール性を損なう場合がある。したがって、吸着パッド6のパッドピース6dだけをコーティングして、シール部材として機能する円周部6aと中心円部6bと連結部6cにはコーティングしないようにすることが好ましい。
【0030】
図10は本発明の他の実施形態に係る基板保持具の吸着パッドを示す断面図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態では、吸着パッド6の柔軟層31の上面に凹部が形成されている。この凹部は、上述の実施形態における凹部(閉区画12を含む)に相当し、凹部が形成されていない箇所は、上述の実施形態における凸部、すなわち吸着パッドに相当する。このように柔軟層31の表面に凹凸を形成しても、同様の効果が得られる。また、本実施形態によれば、吸着パッド6の取り付け作業は、一枚のシート状の吸着パッド6を保持板5に貼り付けるだけで済み、吸着パッド6を取り外す作業も一枚のシート状の吸着パッド6を剥がすだけでよい。したがって、吸着パッド6の交換作業が短時間で完了する。なお、柔軟層31の表面の凹部は切削によって形成してもよいし、より簡単には熱プレスなどで凹部を加圧成型してもよい。
【0031】
図11は本発明の基板保持具のさらに別の実施形態を示す上面図である。図12は図11のB−B線断面図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
図11に示すように、吸着ステージ2の上面には4つのOリング40が設けられており、これらのOリング40によって吸着面が4つの閉区画12に分割されている。このOリング40は、上述した実施形態における吸着パッド6の円周部6aと中心円部6bと連結部6cで形成される凸部に相当する。図12に示すように、Oリング40は、吸着ステージ2に形成された溝2aにはめ込まれている。
【0032】
4つの閉区画12の内部には、少なくとも1枚のシート状の吸着パッド6がそれぞれ配置されている。この吸着パッド6は、発泡ポリウレタンやシリコーンゴムなどから構成されている。吸着パッド6は、その表面に形成された凸部(支持部)6dを有しており、凸部6dとOリング40との高さはほぼ同じである。この凸部6dは、上述の実施形態におけるパッドピースに相当する。なお、本実施形態では、吸着パッド6と吸着ステージ2との間に保持板は設けられていない。また、本実施形態では、連結通路23により流体通路が構成され、分岐通路23bにより連通路が構成される。
【0033】
本実施形態によれば、Oリング40で閉区画12を形成することによって、シール性を向上させることができる。また、Oリング40の交換が容易なので、基板保持具の消耗部品としてのOリング40や吸着パッド6の交換作業時間が短くすることができる。なお、Oリング40の内側に貼り付けた吸着パッド6に代えて、Oリング40と同じように吸着ステージ2に溝を形成してゴムひもを取り付けても良い。
【0034】
次に、本発明の実施形態に係る基板保持具を使用した基板保持方法について説明する。図13は、上述した実施形態に係る基板保持具を備えた研磨装置を示す平面図であり、図14は図13に示す研磨装置の縦断面図である。この研磨装置は、基板のベベル部を研磨するベベル研磨装置として好適に使用される。
【0035】
図13および図14に示すように、この研磨装置は、その中央部に、研磨対象物である基板Wを水平に保持する回転保持機構53を有している。この回転保持機構53は、上述した実施形態のうちのいずれかの基板保持具を有している。すなわち、回転保持機構53は、本発明の実施形態に係る基板保持具45と、基板保持具45の中央部に連結された回転軸10と、この回転軸10を回転させるモータM1とを備えている。基板Wは、搬送機構の搬送アーム(後述する)により、基板Wの中心が回転軸10の軸心と一致するように基板保持具45の上に載置される。
【0036】
回転軸10は、ボールスプライン軸受(直動軸受)56によって上下動自在に支持されている。回転軸10の内部を延びるチューブ(連通ライン)20は、回転軸10の下端に取り付けられたロータリジョイント58を介して真空源としての真空ライン59に接続されている。チューブ20は、処理後の基板Wを基板保持具45から離脱させる流体供給源としての窒素ガス供給ライン60にも接続されている。真空ライン59には真空レギュレータ66が設けられており、図示しない制御部からの信号に応じて真空度が真空レギュレータ66により調整されるようになっている。これらの真空ライン59と窒素ガス供給ライン60をチューブ20に選択的に接続することによって、基板Wを基板保持具45の上面に真空吸着し、離脱させる。
【0037】
回転軸10は、この回転軸10に連結されたプーリーp1と、モータM1の回転軸に取り付けられたプーリーp2と、これらプーリーp1,p2に掛けられたベルトb1を介してモータM1によって回転される。モータM1の回転軸は回転軸10と平行に延びている。このような構成により、基板保持具45の上面に保持された基板Wは、モータM1によって回転される。
【0038】
ボールスプライン軸受56は、回転軸10がその長手方向へ自由に移動することを許容する軸受である。ボールスプライン軸受56はケーシング62に固定されている。したがって、回転軸10は、ケーシング62に対して上下に直線動作が可能であり、回転軸10とケーシング62は一体に回転する。回転軸10は、エアシリンダ(昇降機構)65に連結されており、エアシリンダ65によって回転軸10および基板保持具45が上昇および下降できるようになっている。
【0039】
ケーシング62と、その外側に同心上に配置されたケーシング64との間にはラジアル軸受68が介装されており、ケーシング62は軸受68によって回転自在に支持されている。このような構成により、回転保持機構53は、基板Wを中心軸Crまわりに回転させ、かつ基板Wを中心軸Crに沿って上昇下降させることができる。
【0040】
図13に示すように、回転保持機構53に保持された基板Wの周囲には4つの研磨ヘッド組立体(研磨部)51A,51B,51C,51Dが配置されている。研磨ヘッド組立体51A,51B,51C,51Dの径方向外側にはテープ供給回収機構52A,52B,52C,52Dが設けられている。研磨ヘッド組立体51A,51B,51C,51Dとテープ供給回収機構52A,52B,52C,52Dとは隔壁70によって隔離されている。隔壁70の内部空間は研磨室71を構成し、4つの研磨ヘッド組立体51A,51B,51C,51Dおよび基板保持具45は研磨室71内に配置されている。一方、テープ供給回収機構52A,52B,52C,52Dは隔壁70の外側(すなわち、研磨室71の外)に配置されている。それぞれの研磨ヘッド組立体51A,51B,51C,51Dおよびテープ供給回収機構52A,52B,52C,52Dは同一の構成を有している。以下、研磨ヘッド組立体51Aおよびテープ供給回収機構52Aについて説明する。
【0041】
テープ供給回収機構52Aは、研磨具である研磨テープ73を研磨ヘッド組立体51Aに供給する供給リール74と、基板Wの研磨に使用された研磨テープ73を回収する供給リール74とを備えている。供給リール74と回収リール75は上下に配列されている。供給リール74および回収リール75にはカップリング77を介してモータM2がそれぞれ連結されている(図13には供給リール74に連結されるカップリング77とモータM2のみを示す)。それぞれのモータM2は、所定の回転方向に一定のトルクをかけ、研磨テープ73に所定のテンションをかけることができるようになっている。
【0042】
研磨テープ73は長尺のテープ状の研磨具であり、その片面は研磨面を構成している。研磨テープ73は供給リール74に巻かれた状態でテープ供給回収機構52Aにセットされる。研磨テープ73の側面は巻き崩れが生じないように図示しないリール板で保持されている。研磨テープ73の一端は回収リール75に取り付けられ、研磨ヘッド組立体51Aに供給された研磨テープ73を回収リール75が巻き取ることで研磨テープ73を回収するようになっている。研磨ヘッド組立体51Aはテープ供給回収機構52Aから供給された研磨テープ73を基板Wの周縁部に当接させるための研磨ヘッド80を備えている。研磨テープ73は、研磨テープ73の研磨面が基板Wを向くように研磨ヘッド80に供給される。
【0043】
テープ供給回収機構52Aは複数のガイドローラ81,82,83,84を有しており、研磨ヘッド組立体51Aに供給され、研磨ヘッド組立体51Aから回収される研磨テープ73がこれらのガイドローラ81,82,83,84によってガイドされる。研磨テープ73は、隔壁70に設けられた開口部70aを通してテープ供給回収機構52Aの供給リール74から研磨ヘッド80へ供給され、使用された研磨テープ73は開口部70aを通って回収リール75に回収される。
【0044】
図14に示すように、基板Wの上方には上供給ノズル86が配置されている。基板Wの研磨中は、上供給ノズル86から回転保持機構53に保持された基板Wの上面中心に向けて研磨液が供給される。また、基板Wの裏面と回転保持機構53の基板保持具45との境界部(基板保持具45の外周部)に向けて研磨液を供給する下供給ノズル87が設けられている。研磨液には通常純水が使用されるが、研磨テープ73の砥粒としてシリカを使用する場合などはアンモニアを用いることもできる。
【0045】
さらに、研磨装置は、研磨処理後に研磨ヘッド80を洗浄する洗浄ノズル88を備えており、研磨処理後に基板Wが回転保持機構53により上昇した後、研磨ヘッド80に向けて洗浄水を噴射し、研磨処理後の研磨ヘッド80を洗浄できるようになっている。
【0046】
回転軸10がケーシング62に対して昇降した時にボールスプライン軸受56やラジアル軸受68などの機構を研磨室71から隔離するために、図14に示すように、回転軸10とケーシング62の上端とは上下に伸縮可能なベローズ69で接続されている。図14は回転軸10が下降している状態を示し、基板保持具45が研磨位置にあることを示している。研磨処理後には、エアシリンダ65により基板Wを基板保持具45および回転軸10とともに搬送位置まで上昇させ、この搬送位置で基板Wを基板保持具45から離脱させる。
【0047】
隔壁70は、基板Wを研磨室71に搬入および搬出するための搬送口70bを備えている。搬送口70bは、水平に延びる切り欠き状の開口として形成されている。したがって、搬送機構の搬送アームに把持された基板Wは、水平な状態を保ちながら、搬送口70bを通って研磨室71内を横切ることが可能となっている。隔壁70の上面には開口70cおよびルーバー90が設けられ、下面には排気口(図示せず)が設けられている。研磨処理時は、搬送口70bは図示しないシャッターで閉じられるようになっている。排気口から図示しないファン機構により排気をすることで研磨室71の内部には清浄空気のダウンフローが形成されている。この状態において研磨処理がされるので、研磨液が上方へ飛散することが防止され、研磨室71の上部空間を清浄に保ちながら研磨処理をすることができる。
【0048】
図15は研磨ヘッド80の拡大図である。図15に示すように、研磨ヘッド80は、研磨テープ73の裏面を加圧して基板Wに対して研磨テープ73を所定の力で押圧する加圧機構91を備えている。また、研磨ヘッド80は、研磨テープ73を供給リール74から回収リール75へ送るテープ送り機構92を備えている。研磨ヘッド80は複数のガイドローラ93,94,95,96,97,98,99を有しており、これらのガイドローラは基板Wの接線方向と直行する方向に研磨テープ73が進行するように研磨テープ73をガイドする。
【0049】
研磨ヘッド80に設けられたテープ送り機構92は、テープ送りローラ92aと、テープ把持ローラ92bと、テープ送りローラ92aを回転させるモータM3とを備えている。モータM3は研磨ヘッド80の側面に設けられ、モータM3の回転軸にテープ送りローラ92aが接続されている。テープ送りローラ92aには、その約半周だけ研磨テープ73が巻きつけられている。テープ送りローラ92aの隣にはテープ把持ローラ92bが設けられており、テープ把持ローラ92bは、図15のNFで示す方向(テープ送りローラ92aに向かう方向)に力を発生するように図示しない機構で支持されており、テープ送りローラ92aを押圧するように構成されている。
【0050】
モータM3を図15に示す矢印方向に回転すると、テープ送りローラ92aが回転して研磨テープ73を供給リール74から研磨ヘッド80を経由して回収リール75へ送ることができる。テープ把持ローラ92bはそれ自身の軸まわりに回転することができるように構成され、研磨テープ73が送られることによって回転する。
【0051】
加圧機構91は、研磨テープ73の裏面側に配置された加圧パッド100と、この加圧パッド100を基板Wに向かって移動させるエアシリンダ(駆動機構)102とを備えている。エアシリンダ102はいわゆる片ロッドシリンダである。エアシリンダ102へ供給する空気圧を制御することによって、研磨テープ73を基板Wに対して押圧する圧力が調整される。
【0052】
図13に示すように、研磨ヘッド80はアーム110の一端に固定され、アーム110は、基板Wの接線に平行な軸Ctまわりに回転自在に構成されている。アーム110の他端はプーリーp3,p4およびベルトb2を介してモータM4に連結されている。モータM4が時計回りおよび反時計回りに所定の角度だけ回転することで、アーム110が軸Ctまわりに所定の角度だけ回転する。本実施形態では、モータM4、アーム110、プーリーp3,p4、およびベルトb2によって、研磨ヘッド80を傾斜させるチルト機構が構成されている。研磨ヘッド80のチルト動作は、研磨前または研磨中に行われる。このチルト動作により、研磨テープ73は、基板Wのベベル部のみならず、ニアエッジ部も研磨することができる。
【0053】
図14に示すように、チルト機構は、移動台111に搭載されている。移動台111は、ガイド112およびレール113を介してベースプレート115に移動自在に連結されている。レール113は、回転保持機構53に保持された基板Wの半径方向に沿って直線的に延びており、移動台111は基板Wの半径方向に沿って直線的に移動可能になっている。移動台111にはベースプレート115を貫通する連結板116が取り付けられ、連結板116にはリニアアクチュエータ117がジョイント118を介して取り付けられている。リニアアクチュエータ117はベースプレート115に直接または間接的に固定されている。
【0054】
リニアアクチュエータ117としては、エアシリンダや位置決め用モータとボールネジとの組み合わせなどを採用することができる。このリニアアクチュエータ117、レール113、ガイド112によって、研磨ヘッド80を基板Wの半径方向に沿って直線的に移動させる移動機構が構成されている。すなわち、移動機構はレール113に沿って研磨ヘッド80を基板Wへ近接および離間させるように動作する。一方、テープ供給回収機構52Aはベースプレート115に固定されている。基板Wの周囲に配置された4つの研磨ヘッド組立体51A,51B,51C,51Dのチルト機構、加圧機構91、およびテープ送り機構92、各研磨ヘッド組立体を移動させる移動機構は、それぞれ独立に動作が可能となっている。
【0055】
研磨テープ73は、PETシートなどからなる基材テープと、基材テープの上に形成されている研磨層とを有している。研磨層は、基材テープの一方の表面を被覆するバインダ(例えば樹脂)と、バインダに保持された砥粒とから構成されており、研磨層の表面が研磨面を構成している。
【0056】
図16および図17に示すように、基板Wは搬送装置の2本の搬送アーム120によって研磨室71内に搬入される。搬送アーム120にはそれぞれ2個の爪120aが取り付けられており、これら4個の爪120aにより基板Wが把持される。基板Wが基板保持具45の真上に搬送されると、基板保持具45は、その吸着面が基板の裏面に接触するまで上昇し、吸着面上の基板を真空吸引により保持する。基板を吸着するときに比較的高い真空を発生するように、真空レギュレータ66が設定されている。基板Wが吸着された後、搬送アーム120が左右に開いて基板保持具45が下降する。そして、搬送アーム120は研磨室71の外部へ移動する。このようにして、基板Wは搬送アーム120から基板保持具45に受け渡される。
【0057】
基板Wを吸着するときの真空度を高くするのは、吸着後に基板Wの研磨処理をするように研磨装置の動作が設定されているためである。例えば研磨処理前に基板Wの表面に薬液を供給するステップを行う場合は、吸着時および薬液供給時は低い真空度にして、研磨処理前に真空レギュレータ66により高い真空度にすることもできる。
【0058】
図18(a)は基板を保持しつつ基板保持具が下降した状態を示す図であり、図18(b)は研磨ヘッドが基板側へ移動して基板を研磨している状態を示す図である。研磨ヘッド80は、図18(a)に示す退避位置から図18(b)に示す研磨位置に移動して、基板Wの周縁部に研磨テープ73を押し当てて基板Wの周縁部を研磨する。研磨中は、基板Wの周縁部には研磨ヘッド80からの力が作用する。したがって、そのような外力に対しても基板Wの保持が維持できる程度にまで、真空度を高くしなければならない。
【0059】
本研磨装置は、基板Wに対して研磨ヘッド80の角度を変えることができるチルト機構を備えている。図19(a)および図19(b)に示すように、基板Wの表面(水平面)に対して研磨ヘッド80を上下に傾斜させ、基板Wの周縁部に研磨テープ73を斜めに押し当てることにより、面取りのように基板Wの周縁部の形状を成形することができる。このとき、基板Wには、図19(a)のように、斜め上方から外力が作用し、図19(b)のように斜め下方からの外力が作用する。特に、斜め下方向からの外力は基板Wを基板保持具45から剥離させようとする力として作用する。したがって、そのような外力に対しても基板Wの保持が維持できる程度にまで、真空度を高くしなければならない。
【0060】
研磨ヘッド80を基板Wから離間させることにより研磨動作を終了させる。その後、真空レギュレータ66によって真空度を下げ(大気圧に近い圧力にし)、基板Wを回転させながら、基板Wの上方および下方に設けたノズル86,88から基板Wに水(好ましくは純水)を供給して、基板Wの表裏面が乾燥しないように基板Wをリンスする。すべての処理が終了すると、基板保持具45が上昇し、搬送アーム120によって基板Wの周縁部が把持される。そして、チューブ20は窒素ガス供給ライン60に接続され、真空形成孔14から窒素ガスを基板Wの裏面に向けて噴出することで、基板Wを基板保持具45から離脱させる。
【0061】
図20は基板処理中の基板保持具の真空度[Pa]を示すグラフである。図20に示すように、吸着時および研磨時には、高い真空度−80KPaに設定されている。一方、研磨処理が終了した後は真空度は−30kPaに下げられ、この状態で基板Wの表面に水を供給することで基板Wをリンスする。そして、基板Wを研磨装置外へ搬出する前に真空を解除し、窒素ガスを噴出させて基板Wを離脱させる。
【0062】
このように、研磨処理などの基板Wに外力が作用するときには真空度が上げられ、一方で、基板Wに外力がほどんど作用しない処理、例えばリンス処理のときには、真空度を低下させる。このように真空吸引力を変化させることにより、基板Wが離脱しやすくなる。これは次のような理由による。吸着パッドと基板Wが接触している箇所においては、真空を大気圧に戻した後も、吸着パッドの微視的な発泡層が吸盤として作用している。すなわち、凹部は大気圧になるが、基板Wに接触している吸着パッドの凸部が吸盤として作用し、依然として基板Wを吸着する。そこで、離脱前に真空度を低くすることでこの吸盤作用による吸着力を弱めることができる。その結果、ストレスなく基板Wを離脱させることができる。このように、基板Wの真空吸引力の制御と、基板保持具とを組み合わせることによって、基板Wに負荷を与えない離脱を実現することができる。
【0063】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】従来の基板保持具を示す断面図である。
【図2】図1における基板を保持していない状態の基板保持具を示す上面図である。
【図3】従来の基板保持具の他の例を示す断面図である。
【図4】図3における基板を保持していない状態の基板保持具を示す上面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る基板保持具を示す断面図である。
【図6】図5に示す基板保持具の上面図である。
【図7】基板保持ステージを示す斜視図である。
【図8】本実施形態に係る基板保持具の上面に半導体ウエハなどの基板を載置した状態を示す断面図である。
【図9】図6のA−A線断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る基板保持具の吸着パッドを示す断面図である。
【図11】本発明のさらに別の実施形態に係る基板保持具を示す上面図である。
【図12】図11のB−B線断面図である。
【図13】上述した実施形態に係る基板保持具を備えた研磨装置を示す平面図である。
【図14】図13に示す研磨装置の縦断面図である。
【図15】図13に示す研磨ヘッドの拡大図である。
【図16】基板が搬送アームによって搬送される様子を示す平面図である。
【図17】基板が搬送アームによって搬送される様子を示す断面図である。
【図18】図18(a)は基板を保持しつつ基板保持具45が下降した状態を示す図であり、図18(b)は研磨ヘッドが基板側へ移動して基板を研磨している状態を示す図である。
【図19】図19(a)は研磨ヘッドを傾けて基板の周縁部の上側の領域を研磨している様子を示す図であり、図19(b)は研磨ヘッドを傾けて基板の周縁部の下側の領域を研磨している様子を示す図である。
【図20】基板処理中の基板保持具の真空度を示すグラフである。
【符号の説明】
【0065】
1 基板保持ステージ
2 吸着ステージ
5 保持板
6 吸着パッド
8 ねじ
10 回転軸
12 閉区画
14 真空形成孔
20 チューブ
22 シール部材
23 連結通路
24 絞り
31 柔軟層
32 基材層
33 粘着層
34 剥離紙
40 Oリング
45 基板保持具
51A〜51D 研磨ヘッド組立体
52A〜52D テープ供給回収機構
53 回転保持機構
56 ボールスプライン軸受
58 ロータリジョイント
59 真空ライン
60 窒素ガス供給ライン
66 真空レギュレータ
70 隔壁
71 研磨室
73 研磨テープ
74 供給リール
75 回収リール
80 研磨ヘッド
86 上供給ノズル
87 下供給ノズル
88 洗浄ノズル
110 アーム
111 移動台
117 リニアアクチュエータ
120 搬送アーム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を真空吸引により保持する基板保持具において、
基板の吸着面を有する基板保持ステージと、
真空源および流体供給源に選択的に連結される流体通路とを備え、
前記吸着面は、凸部によって囲まれた複数の閉区画を有し、
前記流体通路は、前記複数の閉区画にそれぞれ独立して連通する複数の連通路を有することを特徴とする基板保持具。
【請求項2】
前記基板保持ステージは、前記凸部と同じ高さを有する複数の支持部を有し、該複数の支持部は前記複数の閉区画内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板保持具。
【請求項3】
前記複数の連通路は、1つの主通路から分岐しており、
前記複数の連通路内には、流体の流れに抵抗を与える絞りが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板保持具。
【請求項4】
前記基板保持ステージは、基板に接触する吸着パッドを有し、
前記凸部は、前記吸着パッドから構成されることを特徴とする請求項1に記載の基板保持具。
【請求項5】
前記基板保持ステージは、基板に接触するシート状の吸着パッドを有し、
前記凸部および前記閉区画は、前記吸着パッドの表面上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板保持具。
【請求項6】
前記凸部は、Oリングであることを特徴とする請求項1に記載の基板保持具。
【請求項7】
前記吸着面は、基板よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の基板保持具。
【請求項8】
基板を真空吸引により基板保持具で保持し、
前記基板を保持しながら、該基板に第1の処理を行ない、
前記第1の処理の後、前記真空吸引の真空度を下げ、
前記下げた真空度で前記基板を保持しながら、該基板に第2の処理を行ない、
前記第2の処理の後、前記基板に向けて流体を噴射することにより前記基板を前記基板保持具から離脱させることを特徴とする基板保持方法。
【請求項9】
前記第2の処理の間に前記基板に作用する外力は、前記第1の処理の間に前記基板に作用する外力よりも小さいことを特徴とする請求項8に記載の基板保持方法。
【請求項10】
前記流体は、空気、窒素、および水のうちのいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の基板保持方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2010−153585(P2010−153585A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330053(P2008−330053)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】