説明

基板処理装置及び基板処理方法

【課題】本発明は、基板処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明の基板処理装置は、処理液が供給されて保存される処理槽と、前記処理液を前記処理槽に供給する処理液供給手段とを含む処理部と、流体が供給されて噴射される乾燥槽と、前記流体を前記乾燥槽に供給する流体供給手段とを含む乾燥部とで構成され、前記流体供給手段は、前記流体が前記乾燥槽に提供される前にフィルタリングするフィルタと、前記フィルタを加熱する第1ヒーターとを備える。本発明によれば、乾燥用流体が凝固された状態で乾燥槽に提供されることによって引き起こされるパーティクルの発生が抑制されるから、安定的かつ不良のない基板処理が可能になって、生産量又は歩留まりが向上するという効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関し、さらに詳細には、処理槽と乾燥槽が上下に配置された基板処理装置及びこれを利用した基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造において、半導体ウエハやLCD有機基板のような被処理体(以下、基板)の表面についた有機汚染物、金属不純物などのパーティクルを除去するために洗浄装置が用いられている。その中で、ウェット洗浄装置は、パーティクルを比較的効果的に除去することができ、処理能力が良好であるから、幅広く普及している。従来のウェット洗浄装置は、薬液処理、水洗処理及び乾燥処理が行なわれるように構成されるのが一般的である。ところが、処理槽及び乾燥槽を各々別に設置することは、装置の大型化を引き起こし、ウエハを搬送するときにウエハが大気に露出してパーティクルが付着する可能性が高い。
【0003】
これにより、装置の大型化を避け、基板に対する処理を效率的に行うことができる基板処理装置に対する改善の必要性が従来から求められている。基板処理装置の改善された例としては、下記の特許文献1に開示されたように、処理槽と乾燥槽を上下に一体化して、下部の処理槽で薬液処理された後、ウエハを上部の乾燥槽に移動させて乾燥処理が行なわれるようにしたものがある。
【0004】
前記改善した基板処理装置では、イソプロピルアルコール(IPA)を乾燥用流体として採択して使用するのが通常である。ところが、IPAが乾燥槽に投入される前にフィルタで凝固され、IPAが凝固された状態で噴射される場合があり得る。この場合、凝固された状態で乾燥槽に噴射されたIPAが基板に吸着されて、パーティクルとして作用するという問題点があった。
【特許文献1】韓国公開特許第1998−25068号の明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の従来の技術の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、乾燥用流体の凝固によるパーティクルの発生を抑制して、安定した基板処理が可能な基板処理装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成すべく、本発明に係る基板処理装置及び基板処理方法は、乾燥用流体を乾燥槽に供給する噴射ノズルの前端にヒーターを配置して、乾燥用流体の凝固を防止することを特徴とする。
【0007】
前記特徴を具現することができる本発明の実施の形態に係る基板処理装置は、処理液が供給されて保存される処理槽と、前記処理液を前記処理槽に供給する処理液供給手段とを含む処理部と、流体が供給されて噴射される乾燥槽と、前記流体を前記乾燥槽に供給する流体供給手段とを含む乾燥部とを含み、前記流体供給手段は、前記流体が前記乾燥槽に供給される前にフィルタリングするフィルタと、前記フィルタを加熱する第1ヒーターとを含むことを特徴とする。
【0008】
本実施の形態の装置において、前記第1ヒーターは、前記フィルタを取り囲むジャケット型ヒーターを含む。前記ジャケット型ヒーターは、前記フィルタの表面と接触され、熱線が含まれたヒーターマットと、前記ヒーターマットを取り囲み、伸縮性断熱材で構成されたジャケットとを含む。
【0009】
本実施の形態の装置において、前記流体が前記フィルタに提供される前に前記流体を気化させる気化器と、前記気化させた流体を加熱する第2ヒーターとをさらに含む。前記流体は、前記基板を1次に乾燥させる有機溶剤と不活性ガスとの混合ガスと、前記基板を2次に乾燥させる不活性ガスとを含む。
【0010】
本実施の形態の装置において、前記処理液は、前記基板を対象に薬液処理する第1処理液と、前記薬液処理された基板を対象にリンスする第2処理液とを含む。
【0011】
前記特徴を具現することができる本発明の変更実施形態に係る基板処理装置は、処理液が供給され、前記処理液で基板をウェット処理する処理槽と、前記処理槽の内側に配置され、前記処理液を前記処理槽に噴射する処理液噴射ノズルと、前記処理槽の外側の上部に配置され、開口された上下部を有し、前記開口された下部には、前記処理槽との間で前記基板を移送するために開閉されるスライドドアが配置され、前記開口された上部には、前記基板を外部から提供されるために開閉される蓋が配置された乾燥槽と、前記基板を支持し、前記処理槽と前記乾燥槽との間で前記基板を移送させる基板支持台と、前記乾燥槽の内側に配置され、前記基板を乾燥させるガスを前記乾燥槽に噴射するガス噴射ノズルと、前記乾燥槽の外側に配置され、前記ガスをフィルタリングするフィルタと、前記フィルタを取り囲むように配置されて前記フィルタを加熱するヒータージャケットとを含むことを特徴とする。
【0012】
本変更実施形態に係る装置において、前記ガスは、前記基板を1次に乾燥させる有機溶剤及び不活性ガスとの混合ガスと、前記基板を2次に乾燥させる不活性ガスとを含む。前記処理液は、前記処理槽に順次提供される薬液と脱イオン水とを含む。
【0013】
本変更実施形態の装置は、前記処理槽の外側に配置されて、前記処理槽に提供されてあふれる処理液を回収する回収槽と、前記回収槽で回収された処理液を前記処理槽に再供給する処理液回収手段とをさらに含む。
【0014】
前記特徴を具現することができる本発明の実施の形態に係る基板処理方法は、乾燥槽に基板を投入させる基板投入ステップと、前記乾燥槽に投入された基板を処理槽に移送させる第1基板移送ステップと、前記処理槽に処理液を提供して前記基板を処理するウェット処理ステップと、前記ウェット処理された基板を前記乾燥槽に移送させる第2基板移送ステップと、前記乾燥槽に流体を提供して前記基板を乾燥させるものの、前記流体が前記乾燥槽に提供される前に前記流体に熱を伝達して、前記流体の凝固を防止する乾燥処理ステップと、前記乾燥処理された基板を排出させる基板排出ステップとからなることを特徴とする。
【0015】
本実施の形態の方法において、前記ウェット処理ステップは、前記処理槽に薬液を供給して前記基板を薬液処理する第1ウェット処理ステップと、前記処理槽に脱イオン水を供給して、前記薬液処理された基板を水洗処理する第2ウェット処理ステップとを含む。
【0016】
本実施の形態の方法において、前記乾燥槽に前記流体を供給して前記乾燥槽の雰囲気を前記流体の雰囲気に形成する雰囲気組成ステップをさらに含む。
【0017】
本実施の形態の方法において、前記乾燥処理ステップは、前記乾燥槽に有機溶剤と不活性ガスとの混合ガスを供給して、前記基板を乾燥させる第1乾燥処理ステップと、前記乾燥槽に不活性ガスを供給して、前記基板を乾燥させる第2乾燥処理ステップとを含む。
【0018】
本実施の形態の方法において、前記乾燥処理ステップは、前記流体が前記乾燥槽に供給される前に前記流体を気化器に提供して気化させ、前記気化させた流体をフィルタでフィルタリングし、前記フィルタを加熱して前記気化された流体の凝固を防止するステップを含む。
【0019】
前記特徴を具現することができる本発明の変更実施形態に係る基板処理方法は、乾燥槽に基板を提供する基板提供ステップと、第1流体をフィルタでフィルタリングした後に前記乾燥槽に供給して、前記基板を乾燥処理する1次乾燥処理ステップと、第2流体を前記フィルタでフィルタリングした後に前記乾燥槽に供給して、前記基板を乾燥処理する2次乾燥処理ステップと、前記フィルタを加熱して、前記フィルタでの前記第1流体と前記第2流体の中で少なくとも何れか一つの凝固を防止するフィルタ加熱ステップとを含むことを特徴とする。
【0020】
本変形実施の形態の方法において、前記フィルタ加熱ステップは、前記1次乾燥処理ステップの前に行われるか、前記1次乾燥処理ステップの後に行われるか、又は前記2次乾燥処理の前に行われるか、又は前記1次及び2次乾燥処理の間に行われる。
【0021】
本発明によれば、乾燥用流体を乾燥槽に供給する噴射ノズルの前端に設置されたフィルタにヒーターを配置することによって、乾燥用流体のフィルタによる凝固を防止し、残存する微量の水分が消えるようにする。これにより、乾燥用流体が凝固された状態で乾燥槽に供給されることによって引き起こされるパーティクルの発生が抑制される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、乾燥用流体を乾燥槽に供給する噴射ノズルの前端に設置されたフィルタにヒーターを配置することによって、乾燥用流体のフィルタによる凝固を防止し、残存する微量の水分が消えるようにする。これにより、乾燥用流体が凝固された状態で乾燥槽に提供されることによって引き起こされるパーティクルの発生が抑制されるから、安定的かつ不良のない基板処理が可能になって、生産量又は歩留まりが向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る基板処理装置及び方法を、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
従来の技術と比較した本発明の利点は、添付した図面を参照した詳細な説明と特許請求の範囲を通して明らかになるはずである。特に、本発明は、特許請求の範囲でよく記載され明白に請求される。しかしながら、本発明は、添付された図面と関連して以下の詳細な説明を参照することによって、最もよく理解することができる。図面において、同じ参照符号は、複数の図面において同じ構成要素を示す。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る基板処理装置を示す断面図である。図1に示すように、本発明の実施の形態の基板処理装置100は、処理液で基板131をウェット処理する処理部140と、処理部140の上部に配置され、ウェット処理された基板131を乾燥用流体で乾燥処理する乾燥部110とを備える。基板131は、半導体ウエハ、LCD基板、ガラス基板などがあり、その種類は限定されない。
【0025】
処理部140は、基板支持部130に起立状態で配列支持された複数枚の基板131を収容する処理槽141を有する。処理槽141の下部の両側には、処理槽141の内部に処理液を提供するノズル144が配置される。ノズル144には、複数のバルブ146、147の選択により、薬液、例えばHF、HCl又はNHなどを含む混合液が提供されるか、又は脱イオン水(DIW)が提供される。
【0026】
処理槽141の外側には、処理槽141から流れ溢れる処理液を回収するための回収槽142が配置される。回収槽142に回収される処理液は、バルブ145、147、ポンプ148、フィルタ149を介して循環されてノズル144に再供給される。バルブ145により回収槽142に回収された処理液は、選択的に上記のように循環されるか、又は循環されずに排出される。処理槽141の最下部には、排出口143が配置されていて、処理槽141に提供された処理液がバルブ143Aの開放作動により処理槽141の外部に排出される。薬液によっては、処理槽141が有毒ガスや蒸気で充填されるか、又は乾燥槽111から乾燥用流体が処理槽141に充填され得る。したがって、バルブ151とダンパー152とを媒介として、処理槽141内の有毒ガスや蒸気又は乾燥用流体を排気させることができる。
【0027】
乾燥部110は、基板支持台130に支持された複数枚の基板131を収容する乾燥槽111を有する。基板支持台130は、処理槽141と乾燥槽111との間で昇降して、基板131を乾燥槽111又は処理槽141に運搬する。
【0028】
乾燥槽111の上部には蓋113が配置され、乾燥槽111の下部にはスライドドア119が配置される。蓋113が開放されることによって、乾燥槽111の内部に基板131が投入され、スライドドア119が開放されることによって、基板131が乾燥槽111から処理槽141に又はその逆に移送される。乾燥槽111内のガスは、バルブ153、154の開放によりスライドドア119を介して外部に排出される。
【0029】
乾燥槽111には、乾燥用流体、例えばイソプロピルアルコール(IPA)と窒素(N)を乾燥槽111の内部にダウンフロー方式により供給するノズル112が配置される。乾燥用流体は、水溶性であり、かつ基板131についた脱イオン水の表面張力を低下させる作用を有する有機溶剤、たとえば上述のIPAの他にアルコール類、ジエチルケトンのようなケトン類、メチルエーテルやエチルエーテルのようなエーテル類を採択して使用することができる。ヘリウムやアルゴンのような不活性ガスで窒素を代替することができる。
【0030】
液相のIPAは、気相の窒素とともに気化器114に提供されて気化された後、ヒーター116を経て加熱された状態でノズル112に提供される。窒素は、加熱された状態で気化器114に提供されることができる。バルブ117は、乾燥用流体(IPA+Nの混合流体)のノズル112への供給可否を制御する。乾燥用流体は、ノズル112に提供される前にフィルタ118を経ながら不純物がろ過される。
【0031】
乾燥用流体がノズル112に提供される前にフィルタ118で凝固される現象があり得る。IPAの気化器114への供給を増大させる場合、例えばIPAを40ml/分以上に供給量を拡大させる場合に、IPAが完全に気化されない状態でノズル112に提供されることができるが、このような場合、フィルタ112でIPAが凝固される現象があり得る。乾燥槽111の内部に凝固された状態で提供されるIPAは、基板131についてパーティクルとして作用する。これにより、本実施の形態では、フィルタ118でのIPAの凝固現象を抑制するために、フィルタ118に熱を伝達するヒーター120が配置される。ヒーター120は、後述のように、フィルタ118を取り囲むいわゆるジャケット型ヒーターであって、電気的パワーが印加されて熱を発生させ、その熱をフィルタ118に伝達する。
【0032】
図2は、本発明の実施の形態に係る基板処理装置において、一部を拡大して示した斜視図であり、図3は、本発明の実施の形態に係る基板処理装置において、フィルタを取り囲むヒーターを示す斜視図である。
【0033】
図2及び図3に示すように、ヒーター120は、フィルタ118を取り囲むいわゆるジャケット型ヒーター又はヒータージャケットが採択されることができる。ヒーター120は、ジャケット123とヒーターマット121を含んで構成される。ヒーターマット121は、フィルタ118の外部表面118Aと接触する。ヒーターマット121には、ニッケル又はニッケルクロムのような伝導体で構成された熱線122が備えられ、熱線122に電気的パワーが印加されると、熱が発生する。熱線122により発生した熱は、主に伝導によりフィルタ118に直接伝達される。ジャケット123は、ヒーターマット121から放射状に外側に延びており、ヒーターマット121を取り囲んでいる。ジャケット123は、ヒーターマット121から発生した熱がフィルタ118に向かって放射状に内側に主に流れるように、比較的低い熱伝導率を有する伸縮性断熱材(例;シリカ繊維)で構成される。このような構造により、ヒーターマット121からフィルタ118への熱伝逹効率が向上し、熱が外周表面128で遮断されるので、熱が損失しない。
【0034】
ヒーター120は、ヒーター120の長さ方向に延びているスリット124を有する。スリット124を形成するエッジ面125、126は、ヒーター120の装着又は脱着のために、フィルタ118の表面118Aの上で互いに接触したり離される。ヒーター120をフィルタ118に締結するために、ヒーター120の外周表面128には、伸縮性のあるストラップ127が配置される。ストラップ127は、ヒーター120の外周表面128に形成されたファスナー129に固着され、これにより、エッジ面125、126が広げられるのが防止され、ヒーター120がフィルタ118から分離されない。ストラップ127とファスナー129との固着は、接着剤方式、ベルクロ(VELCRO)方式及びその他の周知の方法により具現されることができる。
【0035】
上記のように構成された基板処理装置は、次のとおりに動作する。
【0036】
スライドドア119が閉められた状態で蓋113を開いて乾燥槽111の上部を開放させて、乾燥槽111に基板131を投入させる(S100)。基板131が乾燥槽111に投入されると、蓋113を閉じ、スライドドア119を開いて基板131を処理槽141に下降させる(S110)。基板131の下降は、基板支持台130の下降により具現される。基板131が処理槽141に下降すると、スライドドア119を閉じる。
【0037】
基板131が処理槽141に投入されると、ノズル144を介して薬液を処理槽141に提供し、基板131を薬液処理する(S120)。薬液は、基板131が処理槽141に投入される前に処理槽141に予め供給しても良い。薬液処理後に薬液を排出させ、脱イオン水をノズル144を介して処理槽141に供給して、基板131を水洗処理する(S130)。これとは異なり、薬液処理後に薬液を排出させない状態で脱イオン水を処理槽141に供給し、薬液の濃度を次第に薄くして水洗処理を行うこともできる。処理槽141において薬液と脱イオン水を使用して基板131を処理する間、乾燥槽111に乾燥用流体、たとえばIPAを提供するか、又はIPAとN混合ガスとを提供して、乾燥槽111内の雰囲気を乾燥用流体雰囲気とすることができる(S140)。
【0038】
処理液処理が完了すると、スライドドア119を開いて基板131を乾燥槽111に上昇させる(S150)。このとき、基板131が移送される間、乾燥槽111にIPA又はIPAとN混合ガスとを供給することができる。基板131が乾燥槽111に移送されると、スライドドア119を閉じて乾燥槽111を密閉させる。このとき、バルブ151を開いて処理槽141に提供されたIPA又はIPAとN混合ガス、薬液により発生した有毒ガスや蒸気などを排気させることができる(S160)。
【0039】
ノズル112を介して乾燥用流体であるIPAとN混合ガスとを乾燥槽111にダウンフローさせて、基板131を1次に乾燥処理する(S170)。1次乾燥処理後に加熱されたNガスをノズル112を介して乾燥槽111にダウンフローさせて、基板131を2次乾燥処理する(S190)。
【0040】
乾燥処理において、1次乾燥処理としてIPAとN混合ガスとを乾燥槽111に供給する場合、IPAとN混合ガスとがフィルタ118を通過するとき、IPAがフィルタ118で凝固され得る。このような場合、2次乾燥処理として加熱されたNガスを乾燥槽111に提供する場合、フィルタ118で凝固されたIPAが加熱されたNとともに乾燥槽111に供給され、凝固された状態で供給されたIPAが基板131についてパーティクルとして作用することがある。しかしながら、フィルタ118を取り囲んでいるヒーター120を作動させてフィルタ118を加熱(S180)することによって、フィルタ118でのIPA凝固が防止される。その上、ヒーター120によりフィルタ118が加熱されるので、フィルタ118に残存する微量の水分も共に除去される。ヒーター120によるフィルタ118の加熱は、1次乾燥処理の前又は後、2次乾燥処理の前、1次及び2次乾燥処理の間等、任意的に行われることができる。
【0041】
乾燥処理が完了すると、バルブ153、154を開いて乾燥槽111内に提供されたIPAとNガスとを排気させる(S200)。以後、蓋113を開いて、基板131を外部に搬出する(S210)。
【0042】
上述した本発明の好ましい実施の形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形、及び変更が可能であり、このような置換、変更などは、特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態に係る基板処理装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る基板処理装置の一部を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る基板処理装置の一部を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
100 基板処理装置
110 乾燥部
111 乾燥槽
112 乾燥用流体噴射ノズル
113 蓋
114 気化器
116 ヒーター
118 乾燥用流体フィルタ
119 スライドドア
120 ジャケット型ヒーター
121 ヒーターマット
122 熱線
123 ジャケット
124 スリット
125、126 エッジ面
127 ストラップ
128 外周表面
129 ファスナー
130 基板支持台
131 基板
140 処理部
141 処理槽
142 回収槽
143 排出口
144 処理液噴射ノズル
148 ポンプ
149 処理液フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液が提供されて保存される処理槽と、前記処理液を前記処理槽に供給する処理液供給手段とを含む処理部と、
流体が提供されて噴射される乾燥槽と、前記流体を前記乾燥槽に供給する流体供給手段とを含む乾燥部とで構成され、
前記流体供給手段は、前記流体が前記乾燥槽に提供される前にフィルタリングするフィルタと、前記フィルタを加熱する第1ヒーターとを備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記第1ヒーターは、前記フィルタを取り囲むジャケット型ヒーターで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記ジャケット型ヒーターは、前記フィルタの表面と接触され、熱線が含まれたヒーターマットと、前記ヒーターマットを取り囲み、伸縮性断熱材で構成されたジャケットとで構成されたことを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記流体が前記フィルタへ供給される前に前記流体を気化させる気化器と、前記気化させた流体を加熱する第2ヒーターとをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
処理液が供給されて前記処理液で基板をウェット処理する処理槽と、
前記処理槽の内側に配置され、前記処理液を前記処理槽に噴射する処理液噴射ノズルと、
前記処理槽の外側の上部に配置され、開口された上下部を有し、前記開口された下部には、前記処理槽との間で前記基板を移送するために開閉されるスライドドアが配置され、前記開口された上部には、前記基板を外部から提供されるために開閉される蓋が配置された乾燥槽と、
前記基板を支持し、前記処理槽と前記乾燥槽との間で前記基板を移送させる基板支持台と、
前記乾燥槽の内側に配置され、前記基板を乾燥させるガスを前記乾燥槽に噴射するガス噴射ノズルと、
前記乾燥槽の外側に配置され、前記ガスをフィルタリングするフィルタと前記フィルタを取り囲むように配置されて前記フィルタを加熱するヒータージャケットとで構成されたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
前記ガスは、前記基板を1次に乾燥させる有機溶剤及び不活性ガスとの混合ガスと、前記基板を2次に乾燥させる不活性ガスとを含むことを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記処理液は、前記基板を対象に薬液処理する第1処理液と、前記薬液処理された基板を対象にリンスする第2処理液とを含むことを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記処理槽の外側に配置されて、前記処理槽に供給されて溢れる処理液を回収する回収槽と、前記回収槽で回収された処理液を前記処理槽に再供給する処理液回収手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項9】
乾燥槽に基板を投入させる基板投入ステップと、
前記乾燥槽に投入された基板を処理槽に移送させる第1基板移送ステップと、
前記処理槽に処理液を供給して前記基板を処理するウェット処理ステップと、
前記ウェット処理された基板を前記乾燥槽に移送させる第2基板移送ステップと、
前記乾燥槽に流体を供給して前記基板を乾燥させるものの、前記流体が前記乾燥槽に提供される前に前記流体に熱を伝達して、前記流体の凝固を防止する乾燥処理ステップと、
前記乾燥処理された基板を排出させる基板排出ステップとからなることを特徴とする基板処理方法。
【請求項10】
前記ウェット処理ステップは、前記処理槽に薬液を供給して前記基板を薬液処理する第1ウェット処理ステップと、
前記処理槽に脱イオン水を提供して、前記薬液処理された基板を水洗処理する第2ウェット処理ステップとからなることを特徴とする請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記乾燥槽に前記流体を供給する時に、前記乾燥槽へ前記流体を供給して前記乾燥槽に前記流体の雰囲気を形成する雰囲気組成ステップをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記乾燥処理ステップは、前記乾燥槽に有機溶剤と不活性ガスとの混合ガスを供給して、前記基板を乾燥させる第1乾燥処理ステップと、
前記乾燥槽に不活性ガスを供給して、前記基板を乾燥させる第2乾燥処理ステップと、を含むことを特徴とする請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記乾燥処理ステップは、前記流体が前記乾燥槽に供給される前に前記流体を気化器に供給して気化させ、前記気化させた流体をフィルタでフィルタリングし、前記フィルタを加熱して前記気化された流体の凝固を防止するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項14】
乾燥槽に基板を提供する基板提供ステップと、
第1流体をフィルタでフィルタリングした後に前記乾燥槽に供給して、前記基板を乾燥処理する1次乾燥処理ステップと、
第2流体を前記フィルタでフィルタリングした後に前記乾燥槽に供給して、前記基板を乾燥処理する2次乾燥処理ステップと、
前記フィルタを加熱して、前記フィルタでの前記第1流体と前記第2流体の中で少なくとも何れか一つの凝固を防止するフィルタ加熱ステップとを含むことを特徴とする基板処理方法。
【請求項15】
前記第1流体は、有機溶剤と不活性ガスとの混合ガスであり、前記第2流体は、不活性ガスであることを特徴とする請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記フィルタ加熱ステップは、前記1次乾燥処理ステップの前に行われるか、前記1次乾燥処理ステップの後に行われるか、又は前記2次乾燥処理の前に行われるか、又は前記1次及び2次乾燥処理の間に行われることを特徴とする請求項14に記載の基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−72116(P2008−72116A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235339(P2007−235339)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(500376449)セメス株式会社 (61)
【Fターム(参考)】