説明

基板収納容器及びその製造方法

【課題】 基板と支持片が擦れて基板が損傷したり、塵埃が発生するのを防ぎ、基板の周縁部や裏面が汚れたり、傷付くのを抑制できる基板収納容器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 複数枚の基板Wを整列収納する容器本体1と、容器本体1を形成する一対の側壁内面にそれぞれ配設されて容器本体1の正面側に位置し、基板Wの側部周縁を支持する第一の支持片20と、容器本体1を形成する一対の側壁内面にそれぞれ配設されて容器本体1の背面壁側に位置し、基板Wの側部周縁を支持する第二の支持片24とを備える。そして、基板Wの側部周縁と接触する各側壁4の接触部5、第一の支持片20、及び第二の支持片24を容器本体1よりも低摩擦性の樹脂層30で被覆する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の半導体ウェーハ、フォトマスクガラス、あるいはアルミディスク等からなる基板を収納する基板収納容器及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の基板収納容器は、図示しないが、半導体ウェーハからなる複数枚の基板を整列収納する容器本体と、この容器本体の開口部である正面を開閉する着脱自在の蓋体と、容器本体の正面を覆う蓋体を固定する係止機構とを備えて構成され、精密基板収納容器として利用される。容器本体の両側壁の内面には、基板の側部周縁を水平に支持する平面略く字形の支持片がそれぞれ複数配設され、蓋体の内面には、基板の前部周縁を保持するフロントリテーナが装着されている。
【0003】
このような基板収納容器は、基板の生産工場から加工工場まで基板を安全に輸送するために使用され、加工工場で基板に各種の処理が施されることにより、半導体部品の加工用部材や半導体部品が生産される(特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2004‐111830号公報
【特許文献2】特開平10‐10177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の基板収納容器は、以上のように構成され、自動車、航空機、船舶等による輸送時や積み替え作業時に衝撃を受けやすく、衝撃を受けると、基板と支持片とが擦れて基板が損傷したり、パーティクル(particulate)が発生して基板の表面に付着し、製品の機能や歩留まりの低下を招くという大きな問題がある。特に、近年の半導体部品の電子回路は益々狭ピッチ化されてきているので、パーティクル等による汚染は深刻な問題となる。
【0005】
また、基板の周縁部から半径内方向に3mmの領域は、従来、半導体部品の加工に使用しない排他領域とされてきたが、近年、電子回路の狭ピッチ化や製品の小型化の観点から、排他領域を狭くして歩留まりを向上させたいという要望がある。このような要望を満たすためには、基板の周縁部や裏面が汚れたり、傷付くのを防止する必要がある。
【0006】
本発明は上記に鑑みなされたもので、基板と支持片とが擦れて基板が損傷したり、塵埃が発生するのを防ぎ、基板の周縁部や裏面が汚れたり、傷付くのを抑制することのできる基板収納容器及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明においては上記課題を解決するため、容器本体に基板を収納するものであって、容器本体を形成する一対の側壁にそれぞれ設けられて容器本体の開口部側に位置し、基板の周縁部を支持する第一の支持片と、容器本体を形成する一対の側壁にそれぞれ設けられて容器本体の奥の壁側に位置し、基板の周縁部を支持する第二の支持片とを含み、
基板の周縁部と接触する各側壁の接触部、第一の支持片、及び第二の支持片のうち、少なくとも第一、第二の支持片を容器本体よりも低摩擦性の樹脂層で被覆したことを特徴としている。
【0008】
なお、容器本体の奥の壁に、基板の周縁部を支持する弾性のリテーナを設けることができる。
また、容器本体を形成する一対の側壁から第一、第二の支持片をそれぞれ個別に突出させ、これら第一、第二の支持片の間に空隙を形成することができる。
【0009】
また、基板の周縁部と接触する各側壁の接触部を、一対の側壁における第一、第二の支持片に基板を支持させた場合に、基板を通る中心線のうち、基板の出し入れ方向と直交する交差線の延長線上に位置する部分とすることもできる。
さらに、容器本体をポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、あるいはポリエーテルイミドを用いて形成し、
低摩擦性の樹脂層を、ポリブチレンテレフタレート又はポリエーテルエーテルケトンとすることが好ましい。
【0010】
また、本発明においては上記課題を解決するため、請求項1ないし5いずれかに記載のものの製造方法であって、
一対の側壁に第一、第二の支持片をそれぞれ形成し、基板の周縁部と接触する各側壁の接触部、及び第一、第二の支持片のうち、少なくとも第一、第二の支持片を低摩擦性の樹脂層で被覆し、一対の側壁を容器本体用の成形金型にインサートして容器本体を成形することを特徴としている。
【0011】
また、基板を収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する蓋体とを備えたものであって、
容器本体を形成する一対の側壁にそれぞれ設けられて容器本体の開口部側に位置し、基板の周縁部を支持する第一の支持片と、容器本体を形成する一対の側壁にそれぞれ設けられて容器本体の奥の壁側に位置し、基板の周縁部を支持する第二の支持片とを含み、
基板の周縁部と接触する各側壁の接触部、第一の支持片、及び第二の支持片のうち、少なくとも第一、第二の支持片を容器本体よりも低摩擦性の樹脂層で被覆し、
蓋体には、基板の周縁部を支持する弾性のリテーナを設けたことを特徴としても良い。
【0012】
ここで、特許請求の範囲における基板には、少なくとも単数複数の各種半導体ウェーハ(例えば、200mm、300mm、450mmタイプ)、液晶ガラス、フォトマスクガラス、あるいはアルミディスク等の精密基板が含まれる。容器本体は、フロントオープンボックスタイプ、トップオープンボックスタイプ、FOSBタイプ、FOUBタイプ、透明、不透明、半透明、導電性、絶縁性等を特に問うものではない。
【0013】
容器本体の奥の壁には、基板の周縁部を支持する弾性のリテーナを備え、このリテーナの少なくとも基板支持部を容器本体よりも低摩擦性の樹脂層で形成することができる。容器本体の天井や周壁には、基板把握用の透視窓を選択的に形成することができる。また、第一、第二の支持片を一体形成し、これら第一、第二の支持片の間を薄肉に形成して基板に接触しないようにすることもできる。さらに、低摩擦性の樹脂層は、ASTM D1894に従って鋼に対する摩擦係数を測定した場合の測定値が0.33未満、好ましくは0.20以下であるのが良い。
【0014】
本発明によれば、容器本体の基板と接触する可能性のある部分のうち、少なくとも第一、第二の支持片に、容器本体の材料よりも低摩擦性の樹脂層を嵌合や成形等によりそれぞれ設けて覆うので、例え基板収納容器に衝撃等が作用しても、基板と第一、第二の支持片とが擦れて基板が傷付いたり、塵埃が発生して基板に付着するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、基板と支持片とが擦れて基板が損傷したり、塵埃が発生するのを防ぐことができるという効果がある。また、基板の周縁部や裏面が汚れたり、傷付くのを抑制することができるという効果がある。
また、容器本体の奥の壁に、基板の周縁部を支持する弾性のリテーナを設ければ、例え移動時に基板収納容器が衝撃を受けても、基板のがたつきを抑えることができる。
【0016】
さらに、容器本体の両側壁から第一、第二の支持片をそれぞれ個別に突出させ、これら第一、第二の支持片の間に空隙を形成すれば、第一、第二の支持片の材料使用量を減らしたり、基板との接触領域を減少させ、接触に伴う汚染を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における基板収納容器は、図1ないし図9に示すように、複数枚の基板Wを収納する容器本体1と、この容器本体1の開口部である正面を開閉する蓋体10と、容器本体1を形成する左右一対の側壁4にそれぞれ配設されて容器本体1の正面側に位置する複数の第一の支持片20と、容器本体1を形成する左右一対の側壁4にそれぞれ配設されて容器本体1のリヤ側に位置する複数の第二の支持片24とを備えた輸送用の精密基板収納容器であり、基板Wと接触する各側壁4の接触部5、及び第一、第二の支持片20・24を低摩擦性の樹脂層30で被覆するようにしている。
【0018】
基板Wは、図3に示すように、口径300mmの薄く丸い半導体ウェーハ、具体的にはシリコンウェーハからなり、表裏両面のうち少なくとも表面が鏡面加工され、周縁部には、位置合わせ用のオリフラや平面略半楕円形のノッチが選択的に形成されており、専用のロボットにより出し入れされる。
【0019】
容器本体1の両側壁前部と蓋体10の両側部には、容器本体1の正面を嵌合閉鎖する蓋体10を固定する係止機構が配設され、この係止機構は、容器本体1の両側壁前部にそれぞれ突出形成される係止ブロックと、蓋体10の両側部にそれぞれ回転可能に軸支されて係止ブロックに着脱自在に嵌合する一部中空の係止片とから構成される。
【0020】
容器本体1は、図1ないし図3に示すように、専用の成形金型に一対の側壁4をインサートして所定の材料を充填するインサート成形により正面の開口した透明のフロントオープンボックスタイプに形成され、複数枚(25枚あるいは26枚)の基板Wを所定のピッチで上下方向に並べて整列収納するよう機能する。
【0021】
この容器本体1の材料としては、特に限定されるものではないが、例えばポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン等の樹脂、あるいはこれらの樹脂やアロイ樹脂に、カーボン、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属繊維、金属酸化物、導電性高分子等を添加した導電性の樹脂が選択的に使用される。これらの材料の中でも、透明性に優れるポリカーボネートが特に好ましい。
【0022】
容器本体1は、図1ないし図3に示すように、その正面の周縁部が断面略L字形に外方向に屈曲形成されてリム部2を形成し、底面の前部両側と後部中央とには、位置決め用の位置決め具が配設されており、天井の中央部には、自動搬送機に保持されるロボティックフランジ3が着脱自在に装着される。
【0023】
容器本体1の両側壁4は、図3や図5等に示すように、基板Wの形状に対応するようそれぞれ屈曲形成され、容器本体1の製造前に複数の第一、第二の支持片20・24がそれぞれ成形されており、基板Wの周縁部と接触する接触部5、及び第一、第二の支持片20・24が樹脂層30で被覆された後、容器本体1用の成形金型にインサートされることにより容器本体1の一部を形成する。
【0024】
蓋体10は、図3に示すように、容器本体1の正面のリム部2に着脱自在に嵌合される断面略皿形の筐体11と、この筐体11の表面に装着されるカバー12とを備え、容器本体1の背面壁内面と対向する筐体11の対向面には、基板Wの前部周縁を保持する弾性のフロントリテーナ13が装着され、筐体11の周壁には、エンドレスのシールガスケット14が嵌合されており、このシールガスケット14が圧縮変形して容器本体1を密封するよう機能する。
【0025】
蓋体10は、例えばフッ素を含有したポリカーボネート、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン等の樹脂を用いて成形される。
【0026】
複数の第一、第二の支持片20・24は、図2ないし図5に示すように、容器本体1の両側壁内面から内方向にそれぞれ別々に突出する。これら第一、第二の支持片20・24の間には、クリアランス25が形成される。
【0027】
複数の第一の支持片20は、図3ないし図7に示すように、容器本体1を形成する各側壁4の内面上下方向に所定のピッチで並設され、容器本体1の正面寄りに位置して基板Wの側部周縁を樹脂層30を介し水平に支持する。各第一の支持片20は、各側壁4の内面から容器本体1の内方向に突出して基板Wの側部周縁を樹脂層30を介し水平に支持する薄肉領域21と、この薄肉領域21の外側(側壁4側)に形成されて基板Wの飛び出しや移動を規制する厚肉領域22とを備えた平面略半円形に形成され、これら薄肉領域21と厚肉領域22との間には、基板Wの厚さ相当の段差23が平面視で円弧状に形成される。
【0028】
複数の第二の支持片24は、図3ないし図5、図8、図9に示すように、容器本体1を形成する各側壁4の内面上下方向に所定のピッチで並設され、容器本体1の背面壁寄りに位置して基板Wの側部周縁を樹脂層30を介し水平に支持する。各第二の支持片24は、各側壁4の内面から容器本体1の内方向に突出して基板Wの側部周縁を樹脂層30を介し水平に支持する薄肉領域21Aを略フラットに備え、平面略台形に形成される。
【0029】
樹脂層30は、容器本体1の材料よりも低摩擦性・低磨耗性の樹脂、具体的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を用いた二色成形法により形成される。この樹脂層30は、ASTM D1894に従って鋼に対する摩擦係数を測定した場合の測定値が0.33未満、好ましくは0.20以下とされる。
【0030】
このような樹脂層30は、滑りの悪い基板Wと接触する各側壁4の接触部5、第一の支持片20の表裏面、及び第二の支持片24の表裏面を被覆するよう機能する。基板Wと接触する各側壁4の接触部5としては、図3等に示すように、一対の側壁4における第一、第二の支持片20・24に基板Wが支持された場合に、基板Wを通る中心線CLのうち、基板Wの出し入れ方向と直交する交差線の延長線EL上に位置する複数の内面部分6、及び各側壁4の屈曲した後部内面7があげられる。
【0031】
上記において、容器本体1を製造する場合には、先ず、側壁4用の金型にポリカーボネート等の材料を充填して各側壁4と複数の第一、第二の支持片20・24を一体成形するとともに、金型に低摩擦性・低磨耗性の樹脂を充填して基板Wの周縁部と接触する各側壁4の接触部5、及び第一、第二の支持片20・24を樹脂層30で被覆・一体化する。
【0032】
この際、低摩擦性・低磨耗性の樹脂は各側壁4の外面側から充填されるが、各側壁4のゲートの外面側に、被覆部分が抜けないよう、内面側よりも寸法の大きいフランジ8が予め形成されるのが好ましい。これは、寸法の大きいフランジ8を予め形成しておけば、側壁4の樹脂と樹脂層30の樹脂との界面の接着力が小さく、十分な接着強度が期待できない場合でも、被覆層が剥離したり、位置ずれするのを抑制防止することができるからである。
【0033】
こうして各側壁4の接触部5、及び第一、第二の支持片20・24を樹脂層30で被覆したら、一対の側壁4を容器本体1用の成形金型にインサートし、その後、成形金型にポリカーボネート等の樹脂を射出し、冷却硬化させれば、両側側壁4を一体に備えた容器本体1を製造することができる。
【0034】
上記構成によれば、容器本体1の基板Wと接触する大部分を容器本体1とは別体の樹脂層30で覆い、滑り性を向上させるので、例え基板収納容器が衝撃を受けても、基板Wの周縁部や裏面と第一、第二の支持片20・24とが擦れて基板Wが損傷したり、パーティクルが発生して基板Wの表面に付着し、製品の機能や歩留まりの低下を招くのを著しく抑制防止することができる。
【0035】
また、基板Wの周縁部から半径内方向に3mmの排他領域を狭くして歩留まりを向上させることができる。また、従来の平面略く字形の支持片を、第一、第二の支持片20・24に分割して個別に突出させ、この第一、第二の支持片20・24の間にクリアランス25を形成するので、基板Wとの接触面積を減少させ、有機物による汚染を大幅に低減することができる。
【0036】
次に、図10は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、容器本体1の奥の壁である背面壁の内面に、基板Wの後部周縁を支持する左右一対の弾性のリヤリテーナ9を装着し、第一、第二の支持片20・24を個別に形成するのではなく、連続的に一体形成し、これら第一、第二の支持片20・24の平面半円弧形を呈した中間部分を第一、第二の支持片20・24よりも薄肉に形成して基板Wの裏面周縁部と非接触とするようにしている。
【0037】
一対の弾性のリヤリテーナ9を上下方向に複数並設される。各リヤリテーナ9は、弾力性、耐磨耗性、低摩擦性に優れ、基板Wに対する汚染のおそれの少ない材料、例えばポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー等を用いて断面略U字形やV字形に成形される。
【0038】
各第一の支持片20は、各側壁4の内面から容器本体1の内方向に突出して基板Wの側部周縁を樹脂層30を介し水平に支持する薄肉領域21と、この薄肉領域21の外側に形成されて基板Wの飛び出しや移動を規制する厚肉領域22とを備え、これら薄肉領域21と厚肉領域22との間には、基板Wの厚さ相当の段差23が形成される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0039】
本実施形態においても上記実施形態と略同様の作用効果が期待でき、しかも、各基板Wを緩衝機能を有するフロントリテーナ13とリヤリテーナ9とで前後方向から挟んで保護するので、例え輸送時に基板収納容器が衝撃を受けても、基板Wのがたつくことがなく、基板Wを安全に保持することができるのは明らかである。
【0040】
なお、上記実施形態では容器本体1と蓋体10に、蓋体10固定用の係止機構を配設したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、外部からの操作により、容器本体1を嵌合閉鎖する蓋体10を施錠・解錠する施錠機構を蓋体10に設置しても良い。また、基板Wと接触する各側壁4の接触部5は、一対の側壁4における第一、第二の支持片20・24に基板Wが支持された場合に、基板Wを通る中心線CLのうち、基板Wの出し入れ方向と直交する交差線の延長線EL上に位置する内面部分6、及び各側壁4の屈曲した複数の後部内面7以外の部分でも良い。
【0041】
また、各側壁4の屈曲した後部内面7と第二の支持片24とは、連続した樹脂層30に被覆されても良いし、そうでなくても良い。また、第一の支持片20を覆う樹脂層30に、薄肉領域21、厚肉領域22、及び段差23を形成しても良い。さらに、第一、第二の支持片20・24を備えた側壁4を容器本体1用の成形金型にインサートして一体成形しても良いが、レーザ溶接、熱溶着、超音波溶着により側壁4と容器本体1とを一体形成することもできる。
【0042】
この場合、各側壁4と容器本体1の残部との間にパッキン等のシール部材を介在させて一体化しても良く、このとき、シール部材を側壁4や容器本体1の残部に予め一体化しても良く、別部材とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る基板収納容器の実施形態を示す全体斜視説明図である。
【図2】図1の基板収納容器の容器本体から蓋体を取り外した状態を示す斜視説明図である。
【図3】本発明に係る基板収納容器の実施形態を示す断面平面図である。
【図4】本発明に係る基板収納容器の実施形態における側壁を示す説明図である。
【図5】本発明に係る基板収納容器の実施形態における側壁を示す平面説明図である。
【図6】本発明に係る基板収納容器及びその製造方法の実施形態における図5のVI‐VI線断面図である。
【図7】本発明に係る基板収納容器及びその製造方法の実施形態における図5のVII‐VII線断面図である。
【図8】本発明に係る基板収納容器及びその製造方法の実施形態における図5のVIII‐VIII線断面図である。
【図9】本発明に係る基板収納容器及びその製造方法の実施形態における図5のIX‐IX線断面図である。
【図10】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態を示す断面平面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 容器本体
2 リム部(開口部)
4 側壁
5 接触部
6 内面部分
7 後部内面
9 リヤリテーナ(リテーナ)
10 蓋体
13 フロントリテーナ
20 第一の支持片
21 薄肉領域
21A 薄肉領域
22 厚肉領域
23 段差
24 第二の支持片
25 クリアランス(空隙)
30 樹脂層
CL 中心線
EL 延長線
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体に基板を収納する基板収納容器であって、容器本体を形成する一対の側壁にそれぞれ設けられて容器本体の開口部側に位置し、基板の周縁部を支持する第一の支持片と、容器本体を形成する一対の側壁にそれぞれ設けられて容器本体の奥の壁側に位置し、基板の周縁部を支持する第二の支持片とを含み、
基板の周縁部と接触する各側壁の接触部、第一の支持片、及び第二の支持片のうち、少なくとも第一、第二の支持片を容器本体よりも低摩擦性の樹脂層で被覆したことを特徴とする基板収納容器。
【請求項2】
容器本体の奥の壁に、基板の周縁部を支持する弾性のリテーナを設けた請求項1記載の基板収納容器。
【請求項3】
容器本体を形成する一対の側壁から第一、第二の支持片をそれぞれ個別に突出させ、これら第一、第二の支持片の間に空隙を形成した請求項1又は2記載の基板収納容器。
【請求項4】
基板の周縁部と接触する各側壁の接触部を、一対の側壁における第一、第二の支持片に基板を支持させた場合に、基板を通る中心線のうち、基板の出し入れ方向と直交する交差線の延長線上に位置する部分とした請求項1、2、又は3記載の基板収納容器。
【請求項5】
容器本体をポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、あるいはポリエーテルイミドを用いて形成し、
低摩擦性の樹脂層を、ポリブチレンテレフタレート又はポリエーテルエーテルケトンとした請求項1ないし4いずれかに記載の基板収納容器。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれかに記載の基板収納容器の製造方法であって、一対の側壁に第一、第二の支持片をそれぞれ形成し、基板の周縁部と接触する各側壁の接触部、及び第一、第二の支持片のうち、少なくとも第一、第二の支持片を低摩擦性の樹脂層で被覆し、一対の側壁を容器本体用の成形金型にインサートして容器本体を成形することを特徴とする基板収納容器の製造方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−324327(P2006−324327A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−144137(P2005−144137)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】