説明

基板外観検査装置および基板外観検査方法

【課題】基板の反りに起因する検査対象部の位置ずれを簡易に測定して補正することができる基板外観検査装置および基板外観検査方法を提供する。
【解決手段】本発明の基板外観検査装置1は、基板に反りが生じていない場合に撮影手段(カメラ11)の視野内の基準となる位置に基準パターンが位置するように設定された相対位置において、撮影手段により、基板の反りに起因する基準パターンの位置ずれ量を測定するための基準位置ずれ量測定用画像を取得し、当該画像内における基準パターンの位置と基準となる位置との距離を基準位置ずれ量として測定する基準位置ずれ量測定手段(基準位置ずれ量測定部26)と、基準位置ずれ量および基準パターンの基板上の位置に基づいて基板の反り起因する検査対象部の位置ずれ量を推定し、相対位置を当該位置ずれ量分補正する相対位置補正手段(補正座標算出手段27)と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板外観検査装置および基板外観検査方法に関する。さらに詳しくは、基板の反りに起因する検査対象部の位置ずれを簡易に測定して補正することができる基板外観検査装置および基板外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の外観検査として、基板面に対して光軸が傾斜するように配設された斜視カメラによる基板の外観検査が行われている。この斜視カメラにより取得した画像では、三次元的に検査対象部を捉えることができるため、基板面に対して光軸が略垂直となるように配設された直視カメラにより取得した画像と比較して、検査対象部の状態をより詳細に把握することができる。
【0003】
しかし、検査される基板には、搭載された実装部品の重さや、検査時の基板固定手段による固定の際に働く力、基板自体の重さ等により反りが発生している場合がある。この場合、予め設定されている位置へ基板を移動させたとしても、斜視カメラの視野内の検査対象部の位置がずれていたり、斜視カメラの視野から外れてしまっていたりすることがある、といった問題があった。そして、このように反りによる位置ずれが発生していると、目視やパターンマッチング等の画像処理により画像内の検査対象部を検出しようとした場合、位置ずれ量を考慮したより広い範囲を検出範囲とする必要があり、検査対象部の検出に時間がかかってしまう。また、検出範囲が広くなると、その範囲に他の部品やパターンが含まれるようになり、誤検出してしまう恐れもある。
【0004】
一方、基板の反りによる位置ずれを補正する方法としては、例えば、特許文献1のように、基板面に対して傾斜する方向から照射されたレーザ光の位置を、基板面に対して光軸が略垂直に設定されたカメラで観測することにより基板の位置ずれ量を測定し、その位置ずれ量分だけ、基板とカメラとの相対高さ関係を補正することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−198129号公報
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の場合、基板の反りを測定するためのレーザ光を照射する装置を別途設ける必要があり、設備のコストアップに繋がってしまう、といった問題があった。また、レーザ光照射装置等の位置ずれ量を測定する装置を配置するためのスペースを別途必要とするため、カメラや照明等の配置に制約が生じる場合がある、といった問題があった。また、特許文献1のように、比較的細い直線状のレーザ光を照射する場合、撮影されるレーザ光の光点は情報量が少なく、また、基板面の凹凸の影響を受けやすいので、安定した測定ができない恐れがある、といった問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題を解決せんとするもので、基板の反りに起因する検査対象部の位置ずれを簡易に測定して補正することができる基板外観検査装置および基板外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の通りである。
1.基板の基板面に対して光軸が所定の傾斜角度となるように配設され、かつ当該基板上に配設された検査対象部を撮影する撮影手段と、
前記基板と前記撮影手段との相対位置を前記基板の基板面に対して略平行な平面内で変更する相対位置変更手段と、を備え、
複数の前記検査対象部毎に予め設定され、かつ前記基板に反りが生じていない場合に前記撮影手段の視野内の基準となる位置に各前記検査対象部がそれぞれ位置するように設定された前記相対位置において、前記撮影手段により検査用画像となる各前記検査対象部の画像を取得し、当該検査用画像に基づいて基板の外観を検査する基板外観検査装置であって、
前記基板上の基準パターンに対して予め設定され、かつ前記基板に反りが生じていない場合に前記撮影手段の視野内の基準となる位置に前記基準パターンが位置するように設定された前記相対位置において、前記撮影手段により、基板の反りに起因する前記基準パターンの位置ずれ量を測定するための画像を基準位置ずれ量測定用画像として取得し、当該基準位置ずれ量測定用画像内における前記基準パターンの位置と前記基準となる位置との距離を基準位置ずれ量として測定する基準位置ずれ量測定手段と、
前記基準位置ずれ量および前記基準パターンの前記基板上の位置に基づいて基板の反りに起因する前記検査対象部の位置ずれ量を推定し、前記相対位置を当該位置ずれ量分補正する相対位置補正手段と、を備えることを特徴とする基板外観検査装置。
2.上記1.において、前記相対位置補正手段は、前記基準位置ずれ量および前記基準パターンの前記基板上の位置に基づいて、前記基板上の任意の位置における推定位置ずれ量を算出するための推定位置ずれ量算出式を算出することを特徴とする。
3.上記2.において、前記推定位置ずれ量算出式は1次式であることを特徴とする。
4.上記1.乃至上記3.のいずれかにおいて、前記基準パターンは複数設定されており、前記基準位置ずれ量測定手段は各前記基準パターンについての前記基準位置ずれ量を測定することを特徴とする。
5.上記1.乃至上記4.のいずれかにおいて、前記撮影手段は複数設けられており、前記基準位置ずれ量測定手段は各前記撮影手段により前記基準位置ずれ量測定用画像を撮影することを特徴とする。
6.基板の基板面に対して光軸が所定の傾斜角度となるように配設され、かつ当該基板上に配設された検査対象部を撮影する撮影手段と、
前記基板と前記撮影手段との相対位置を前記基板の基板面に対して略平行な平面内で変更する相対位置変更手段と、を備え、
複数の前記検査対象部毎に予め設定され、かつ前記基板に反りが生じていない場合に前記撮影手段の視野内の基準となる位置に各前記検査対象部がそれぞれ位置するように設定された前記相対位置において、前記撮影手段により検査用画像となる各前記検査対象部の画像を取得し、当該検査用画像に基づいて基板の外観を検査する基板外観検査装置を用いた基板外観検査方法であって、
前記基板上の基準パターンに対して予め設定され、かつ前記基板に反りが生じていない場合に前記撮影手段の視野内の基準となる位置に前記基準パターンが位置するように設定された前記相対位置において、前記撮影手段により、基板の反りに起因する前記基準パターンの位置ずれ量を測定するための画像を基準位置ずれ量測定用画像として取得し、当該基準位置ずれ量測定用画像内における前記基準パターンの位置と前記基準となる位置との距離を基準位置ずれ量として測定する基準位置ずれ量測定工程と、
前記基準位置ずれ量および前記基準パターンの前記基板上の位置に基づいて基板の反りに起因する前記検査対象部の位置ずれ量を推定し、前記相対位置を当該位置ずれ量分補正する相対位置補正工程と、を備えることを特徴とする基板外観検査方法。
7.上記6.において、前記相対位置補正工程は、前記基準位置ずれ量および前記基準パターンの前記基板上の位置に基づいて、前記基板上の任意の位置における推定位置ずれ量を算出するための推定位置ずれ量算出式を算出することを特徴とする。
8.上記7.において、前記推定位置ずれ量算出式は1次式であることを特徴とする。
9.上記6.乃至上記8.のいずれかにおいて、前記基準パターンは複数設定されており、前記基準位置ずれ量測定工程は各前記基準パターンについての前記基準位置ずれ量を測定することを特徴とする。
10.上記6.乃至上記9.のいずれかにおいて、前記撮影手段は複数設けられており、前記基準位置ずれ量測定工程は各前記撮影手段により前記基準位置ずれ量測定用画像を撮影することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の基板外観検査装置によると、基板上の基準パターンに対して予め設定され、かつ基板に反りが生じていない場合に撮影手段の視野内の基準となる位置に基準パターンが位置するように設定された相対位置において、撮影手段により、基板の反りに起因する基準パターンの位置ずれ量を測定するための画像を基準位置ずれ量測定用画像として取得し、当該基準位置ずれ量測定用画像内における基準パターンの位置と基準となる位置との距離を基準位置ずれ量として測定する基準位置ずれ量測定手段と、基準位置ずれ量および基準パターンの基板上の位置に基づいて基板の反りに起因する検査対象部の位置ずれ量を推定し、相対位置を当該位置ずれ量分補正する相対位置補正手段と、を備えている。これにより、基板に反りが発生している場合に、基板と撮影手段との相対位置を補正せずに検査用画像を取得し、当該画像に基づいて外観検査を実施する場合と比較して、検査対象部を検出する際の検出範囲をより狭くすることができる。その結果、検査に要する時間の短縮を図ることができるとともに、誤検出の可能性を低減できる。また、位置ずれ量の測定に際して、予め設定された基板上の基準パターンを用いるので、レーザ光照射手段等の測定用の機器を追加することなく位置ずれ量を測定することができ、設備のコストダウンを図ることができる。さらに、基準パターンを用いた位置ずれ量測定では、レーザ光を用いた位置ずれ量測定と比較して得られる情報量が多く、安定した測定を実施することができる。
【0010】
また、前記相対位置補正手段が、前記基準位置ずれ量および前記基準パターンの前記基板上の位置に基づいて、前記基板上の任意の位置における推定位置ずれ量を算出するための推定位置ずれ量算出式を算出する場合は、推定位置ずれ量を容易に求めることができる。
さらに、前記推定位置ずれ量算出式が1次式である場合は、位置ずれ量をより簡易な式で近似的に求めることができ、その結果、位置ずれ量の補正をより簡易に実現することができる。
【0011】
また、前記基準パターンが複数設定されており、前記基準位置ずれ量測定手段が各前記基準パターンについての前記基準位置ずれ量を測定する場合は、その結果、1つの基準パターンについての基準位置ずれ量に基づいて推定位置ずれ量を求める場合と比較して、より精度の高い推定位置ずれ量を求めることができるので、検査対象部を検出する際の検出範囲をより一層狭くすることができる。その結果、検査に要する時間をより一層短縮することができるとともに、誤検出の可能性をより一層低減できる。
さらに、前記撮影手段が複数設けられており、前記基準位置ずれ量測定手段が各前記撮影手段により前記基準位置ずれ量測定用画像を撮影する場合は、複数の撮影手段により撮影した基準位置ずれ量測定用画像によって基準位置ずれ量を測定することができるので、より精度の高い基準位置ずれ量を測定することができる。
【0012】
本発明の基板外観検査方法によると、上記の基板外観検査装置の効果を発揮させるに好適な基板外観検査方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態にかかる基板外観検査装置を示す概略ブロック図である。
【図2】本実施形態にかかる撮像部の概略を説明するための説明図である。
【図3】基板の反りに起因する位置ずれを説明するための説明図である。
【図4】基準位置ずれ量の測定の例を説明するための説明図である。
【図5】推定位置ずれ量算出式の例を説明するための説明図である。
【図6】推定位置ずれ量算出式の例を説明するための説明図である。
【図7】本実施形態にかかる基板外観検査処理のフローチャートを示す図である。
【図8】推定位置ずれ量の算出を説明するための説明図である。
【図9】他の実施形態にかかる撮像部の概略を説明するための説明図である。
【図10】他の実施形態にかかる基板外観検査処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)基板外観検査装置の構成:
(2)基板外観検査処理(基板外観検査方法):
(3)他の実施形態:
【0015】
(1)基板外観検査装置の構成:
図1は、本実施形態にかかる基板外観検査装置の概略構成を示している。同図において、基板外観検査装置1は、撮像部10と、制御部20と、表示部30と、を備えている。撮像部10は、検査対象となる図2に示す基板50の画像を撮影し、同画像を制御部20に出力する。制御部20は撮影画像を入力し、同撮影画像を解析することにより、検査対象部となる基板50上のチップ部品等の実装部品や、それらの半田付け部等の外観を検査する。また、制御部20は、撮像部10により取得した画像に基づいて、基板50の反りに起因する検査対象部の画像上の位置ずれを補正する。表示部30は、取得した画像や、基板外観検査処理の過程で生成される各種データを表示可能である。
【0016】
撮像部10は、図1および2に示すように、撮影手段としてのカメラ11と、基板50を固定する固定手段としてのガイドレール12と、ガイドレール12に固定された基板50を平面移動させる相対位置変更手段としてのX−Yステージ13と、を備えている。そして、上記構成の撮像部10は、制御部20により制御される。
【0017】
カメラ11は、その光軸が基板面に対して所定の角度θ°傾斜するように配設されている。これにより、カメラ11は基板50の斜視画像を撮影する。この傾斜角度θは特に限定されないが、45°前後で取り付けることが望ましく、さらに、基準パターンの撮影時に隣接する部品の影響を受けないために、45°≦θ≦55°にすることが好ましい。
【0018】
ガイドレール12は、X−Yステージ13に固定されており、図示しない搬送装置から搬送される基板50をX−Yステージ13に対して位置決めするとともに、基板50の対向する2つの端部をクランプして固定する。このように固定された基板50の両端部は、後述する位置ずれ量の算出の際の基準となる。
【0019】
X−Yステージ13は、ガイドレール12により固定された状態の基板50を基板面に略平行な平面内で移動させる。すなわち、本実施形態では、X−Yステージ13をX−Y(水平)方向に平面移動させることにより基板50とカメラ11との相対位置を変更するようにしている。なお、相対位置変更手段としては、例えば、基板50の位置を固定するようにしてカメラ11を基板面に対して略平行な平面内で移動させる手段や、基板50およびカメラ11をそれぞれ平面移動させる手段であってもよい。
【0020】
ここで、本実施形態では、図2に示すように、基板50の基板面に対して、基板50のガイドレール12に固定される2つの端部のうちの一方の端部から他方の端部へ向かう方向をY方向、このY方向に直交する方向をX方向というものとする。
【0021】
制御部20は、図1に示すように、インターフェース(I/F)21と、ガイドレール制御部22と、ステージ制御部23と、CPU24と、メモリ25と、出力部29と、を備えている。また、制御部20は、本発明にかかる基準位置ずれ量測定手段としての基準位置ずれ量測定部26と、相対位置補正手段としての補正座標算出部27と、外観検査部28と、を備えている。このような構成において、CPU24は、メモリ25に記憶された基板外観検査プログラム25aを実行して各部を制御したり、所定の演算処理を実施したり、また、撮影した画像や画像処理データ等を表示部30に表示させたりすることができる。
【0022】
メモリ25はデータを蓄積可能な記憶媒体であり、基板外観検査プログラム25aと、基板データ25bとが予め記憶されている。また、メモリ25は、基板外観検査処理の過程で生成される各種データを記憶可能で、撮影画像データ25cと、補正座標データ25dと、が記憶される。なお、メモリ25はデータを記憶可能であればよく、RAM,HDD等の種々の記憶媒体を採用可能であるとともに、これら種々の記憶媒体を組み合わせたメモリとしてもよい。
【0023】
基板データ25bには、基板50の外形情報や、検査対象部の基板上の位置情報(位置座標)、外形情報といった情報が格納されている。また、これらの情報には、基準位置ずれ量を測定する際の基準となる基準パターンPの位置情報や外形情報も含まれている。基準パターンPは、基板50上の基板の種類毎に予め設定されたパターンで、例えば、基板表面に設けられた基板や部品の位置合わせ用のマークである。この基準パターンPの平面形状等は特に限定されない。また、この基準パターンPは、検査対象となる基板のY方向の中心近傍に位置するパターンであることが好ましい。基準パターンPの位置としては、例えば、基板のY方向の長さをW、一方の固定端からの基準パターンPの位置をAとしたときに、(1/3×W)≦A≦(2/3×W)で、好ましくは、(2/5×W)≦A≦(3/5×W)、より好ましくは(3/7×W)≦A≦(4/7×W)である。さらに、この基準パターンPは、その周囲に誤検出されるようなパターンがないパターンに設定しておくことが好ましい。
【0024】
撮影画像データ25cはカメラ11により撮影された画像のデータである。撮影された画像のうち、基準パターンPを撮影した画像は基準位置ずれ量測定用画像、検査対象部となる実装部品や半田付け部等を撮影した画像は検査用画像というものとする。
補正座標データ25dは、X−Yステージ13を各検査対象部に対応する相対位置となるように平面移動させる際の位置座標を補正した座標データであって、各検査対象部の基板の反りに起因する位置ずれ量を考慮して補正した座標データである。この補正座標データ25dは、後述する補正座標算出部により検査対象部毎に算出される。
【0025】
I/F21にはカメラ11が接続されており、カメラ11で撮影された画像を制御部20に取り込む。取り込まれた画像は、撮影画像データ25cとしてメモリ25に記憶される。
ガイドレール制御部22は、図示しないガイドレール制御機構を介してガイドレール12に接続されており、ガイドレール12による基板50の固定と固定解除とを制御する。
ステージ制御部23は、X−Yステージ13と接続されており、上記基板データ25bや補正座標データ25dに基づいて同X−Yステージ13の駆動制御を実行する。
出力部29は、取得した画像や、基板外観検査処理の過程で生成される各種データを表示部30に出力する。
【0026】
基準位置ずれ量測定部26は、基準位置ずれ量測定用画像を取得し、この画像に基づいて基準位置ずれ量を測定する。すなわち、基準位置ずれ量測定部26は、基板データ25bを参照してX−Yステージ13を平面移動させ、基準パターンPに対応する相対位置での画像を取得するとともに、この画像に基づいて基準位置ずれ量を測定する。図3に示すように、基板50に反りが生じていると、基板50上の基準パターンPは、反りが生じていない基板上の基準パターンPの位置よりも上方にhずれた位置となっており、カメラ11の光軸からY方向にdずれた位置となっている。そして、このように反りが生じている基板50において、予め設定された基準パターンPに対応する相対位置で基準パターンPの画像を取得すると、画像内の基準パターンPを示す画素領域の位置が、反りが生じていない場合の基準パターンPの画素領域の位置よりもSずれた位置となっている。基準位置ずれ量測定部26はこの位置ずれ量を基準位置ずれ量として測定する。なお、基板の反りは、図3のように上方に位置ずれが生じる方向に発生する場合だけでなく、下方に位置ずれが生じる方向に発生する場合もある。
【0027】
本実施形態においては、以下のようにして基準位置ずれ量Sを測定する。基準位置ずれ量測定用画像F(画素数M×N個)内の基準パターンPを示す画素領域(例えば、画素数m×n個)の位置を特定する場合、最初に、図4(A)に示すように、画像Fの幅M方向の全体の画素について、画像Fの高さN方向に画素幅n分の輝度値を加算し、N方向における加算輝度値が最大となる位置を求める。そして、図4(B)に示すように、加算輝度値が最大となった位置の画素幅nについて、今度は幅M方向に画素幅m分の輝度値を加算し、M方向における加算輝度値が最大となる位置を求め、この位置を基準パターンPを示す画素数m×n個の画素領域であると特定する。最後に、図4(C)に示すように、この特定した位置と、反りが生じていない場合の基準パターンPの画素領域の位置と、の距離を基準位置ずれ量として測定する。このような基準パターンPの簡易な検出を実施することにより、パターンマッチング等により基準パターンPを検出する場合と比較して、処理時間を短くすることができる。なお、位置ずれ量の測定については、上記の方法に限らず如何様な方法を採用してもよく、例えば、パターンマッチングや相関率の算出により画像内の基準パターンPの位置を特定し、その位置の基準位置からの位置ずれ量を求める方法等が挙げられる。また、本実施形態においては、図4に示すように、基準パターンPは、基板50上の座標Aの位置にある平面形状が四角形状のパターンで、部品を実装する際の位置決めに用いられるパッドとしている。
【0028】
補正座標算出部27は、基準位置ずれ量測定部26により測定した基準位置ずれ量と、基準パターンPの基板50上の位置と、に基づいて、基板の反りに起因する検査対象部の位置ずれ量を推定し、当該位置ずれ量分補正した相対位置となるX−Yステージ13の補正座標を算出する。位置ずれ量を推定する方法としては、例えば、位置ずれ量を算出するための推定位置ずれ量算出式を算出する方法が挙げられる。
【0029】
推定位置ずれ量算出式の例としては、基板50のY方向の任意の点Yにおける推定位置ずれ量をSとすると、以下の式(1)および(2)が挙げられる。
S=(S/A)×Y・・・(1)
S=(S/A)×(W−Y)・・・(2)
ただし、式(1)はY≦(W/2)のとき、式(2)はY>(W/2)のときである。
【0030】
ここで、上記式(1)および(2)では、図5に示すように、基板50の両固定端の位置ずれ量を0としている。また、基板50の一方の固定端をY方向の原点とするとともに、他方の固定端のY方向の位置座標を基板の幅Wとしている。上記式(1)および(2)では、基板の幅Wの中間W/2の位置における位置ずれ量が最大の位置ずれ量であることから、このW/2の位置を境界として、位置ずれ量を2つの直線的な近似式により推定するようにしている。これにより、簡易に位置ずれ量を求めることができる。
【0031】
また、上記式(1)および(2)では、基準パターンPが原点となる固定端側(A≦(W/2))に設定されている例を示しているが、基準パターンPが他方の固定端側(A>(W/2))に設定されている場合の推定位置ずれ量Sは以下の式(3)および(4)で表される。
S={S/(W−A)}×Y・・・(3)
S={S/(W−A)}×(W−Y)・・・(4)
ただし、式(3)はY≦(W/2)のとき、式(4)はY>(W/2)のときである。
【0032】
なお、位置ずれ量を推定する推定位置ずれ量算出式としては、上記式(1)〜(4)のような1次式に限られず、曲線的に近似する多項式であってもよい。曲線的に近似する式としては、例えば、図6に示すように、基板の両固定端の座標(0,0)、(W,0)および基準パターンPの座標(A,S)の3点を通る2次関数として、以下の式(5)が挙げられる。
S=S×{Y×(Y−W)}/{A×(A―W)}・・・(5)
このように、推定位置ずれ量Sを曲線的に表す式によって、実際の位置ずれ量に近い位置ずれ量を推定することができる。
【0033】
いずれにしても、推定位置ずれ量算出式は、基板上の任意の点のおける位置ずれ量を近似的に推定することができる式であればよく、上述の各式に限定されない。また、基準パターンPは、1箇所に限られず、複数箇所設定するようにしてもよい。これにより、各基準パターンPの位置ずれ量およびY方向の座標に基づいて、例えば、推定位置ずれ量算出式のY方向の区間を細分化した複数の1次近似式で表すようにしてもよい。
また、例えば、複数点を通る曲線を表す近似式で表すようにしてもよい。これにより、実際の位置ずれ量により近い位置ずれ量を推定することができる。
【0034】
本実施形態において、補正座標算出部27は、上述のようにして推定された各検査対象部の推定位置ずれ量Sに基づいて、当該推定位置ずれ量Sを考慮した補正相対位置となるようにX−Yステージ13を駆動する際の補正座標を算出する。補正座標の算出に際しては、推定位置ずれ量SをY方向のずれに換算した位置ずれ量d=S/tanθ分補正した座標を算出する。算出した各補正座標は、補正座標データ25dとして、メモリ25に記憶される。
【0035】
外観検査部28は、補正座標算出部27により算出された補正座標データ25dを参照してX−Yステージ13を平面移動させ、検査用画像を取得する。そして、この検査用画像に基づいて外観検査を実施する。外観検査の手法は特に限定されず、取得した検査用画像の画素の輝度分布から検査対象の特徴量を判定する方法や、パターンマッチングを用いて検査対象を特定する方法など、画像処理を用いた公知の手法や、表示部30に表示した検査用画像に基づいて目視により検査する方法を採用可能である。
【0036】
(2)基板外観検査処理:
本実施形態においては、上述の構成において図7に示すフローチャートに従って基板外観検査処理を実行する。同図において、最初に、基板50をX−Yステージ13上のガイドレール12に搬入し、その両端部を固定する(ステップS100)。次に、基準位置ずれ量測定部26は、基板データ25bを参照し、基準パターンPを撮影する際の相対位置となるように、X−Yステージ13を基準パターンPに対応する座標へ平面移動させる。
【0037】
図2および3において、基準パターンPは、固定端間の幅Wの基板50の中央部付近に設定されている。また、この基準パターンPに対応する相対位置は、反りが生じていない場合の基準パターンPの位置であるA点がカメラ11の光軸を通るように設定された相対位置である。
【0038】
ステップS120では、この状態で、カメラ11によって基準パターンPの画像を取得する。この画像のデータは基準位置ずれ量測定用画像データとしてメモリ25の撮影画像データ25cに格納される。
【0039】
続いて、ステップS130において、基準位置ずれ量測定部26は、基準位置ずれ量測定用画像内の基準パターンPを示す画素領域の位置ずれ量を基準位置ずれ量として測定する。上述のように、本実施形態における基準位置ずれ量の測定は、画像の幅方向全体の画素について、高さ方向に基準パターンPの画素幅分の輝度値を加算した際の最大となる位置を求め、加算輝度値が最大となった位置の画素幅について、今度は幅方向に基準パターンPの画素幅分の輝度値を加算した際の最大となる位置を求め、この位置を基準パターンPを示す画素領域であると特定し、この特定した位置と、反りが生じていない場合の基準パターンの画素領域の位置と、の距離を基準位置ずれ量Sとして測定する。
【0040】
ステップS140では、ステップS130において算出した基準位置ずれ量Sと、基準パターンPの基板上の位置座標Aと、に基づいて、基板50の反り起因する検査対象部の位置ずれ量を推定し、当該位置ずれ量分補正した相対位置を算出する。すなわち、基準パターンPの位置ずれ量に基づいて各検査対象部の位置ずれ量を推定し、これら推定した位置ずれ量を考慮した補正相対位置となるようなX−Yステージ13の補正座標を算出する。算出した補正座標は、補正座標データ25dとしてメモリ25に記憶される。
【0041】
ステップS150では、外観検査部28により、補正座標データ25dを参照し、検査対象部に対応する補正座標へX−Yステージ13を平面移動させる。ステップS160では、この状態で、カメラ11によって検査対象部の画像を取得する。この画像のデータは検査用画像データとしてメモリ25の撮影画像データ25cに格納される。ステップS170では、ステップS160にて撮影された検査用画像に基づいて、検査対象部の外観検査を実施する。外観検査の手法としては、上述のように、検査用画像の画素の輝度分布から特徴量を判定する方法やパターンマッチングにより検査対象を特定する方法などの画像処理を用いた公知の手法や、表示部30に表示した検査用画像に基づいて目視により検査する方法等が挙げられる。
【0042】
図8に示すように、基板50上の位置座標Bの検査対象部を検査する場合、位置座標Bにおける実際の位置ずれ量はSBmaxであるにも拘わらず、補正座標算出部27によりS補正されることで、画像上の位置ずれ量はΔSのみとなっていることがわかる。このように、簡易な測定とそれに基づいて算出される基板の反りに起因する位置ずれを補正することにより、位置座標の補正をしない場合と比較して、外観検査の際の検査対象部の検出範囲を小さくすることができることがわかる。
【0043】
上述のようにして1つの検査対象部の外観検査が完了すると、ステップS180では、基板50上のすべての検査対象部の外観検査が終了したか否かを判別する。全検査対象部の検査が終了したと判別されない場合は、ステップS150以降の処理を繰り返し、他の検査対象部についての外観検査を実行する。全検査対象部の検査が終了したと判別された場合は、ステップS190にて、基板50の固定を解除して搬出し、この基板50の外観検査処理を終了する。
【0044】
このように、本実施形態の基板外観検査装置1によると、基板50上の基準パターンPに対して予め設定され、かつ基板50に反りが生じていない場合にカメラ11の視野内の基準となる位置に基準パターンPが位置するように設定された相対位置において、カメラ11により、基板50の反りに起因する基準パターンPの位置ずれ量を測定するための画像を基準位置ずれ量測定用画像として取得し、当該基準位置ずれ量測定用画像内における基準パターンPの位置と基準となる位置との距離を基準位置ずれ量Sとして測定する基準位置ずれ量測定部26と、基準位置ずれ量Sおよび基準パターンPの基板上の位置に基づいて基板50の反り起因する検査対象部の位置ずれ量を推定し、相対位置を当該位置ずれ量分補正するようにX−Yステージ13の補正座標を算出する補正座標算出部27と、を備えている。これにより、基板50に反りが発生している場合に、基板50とカメラ11との相対位置を補正せずに検査用画像を取得し、当該画像に基づいて外観検査を実施する場合と比較して、検査対象部を検出する際の検出範囲をより狭くすることができる。その結果、検査に要する時間の短縮を図ることができるとともに、誤検出の可能性を低減できる。また、位置ずれ量の測定に際して、予め設定された基準パターンPを用いるので、レーザ光照射手段等の測定用の機器を追加することなく位置ずれ量を測定することができ、設備のコストダウンを図ることができる。さらに、基準パターンPを用いた位置ずれ量測定では、レーザ光を用いた位置ずれ量測定と比較して得られる情報量が多く、安定した測定を実施することができる。
【0045】
また、補正座標算出部27が、基準位置ずれ量Sおよび基準パターンPの基板50上の位置に基づいて、基板50上の任意の位置における推定位置ずれ量Sを算出するための推定位置ずれ量算出式を算出するので、推定位置ずれ量Sを容易に求めることができる。
【0046】
(3)他の実施形態:
上記実施形態に示した構成に加えて、基板面に対して光軸が略垂直となるように配設され、当該基板上の検査対象部の画像を撮影する撮影手段をさらに備えるようにしてもよい。このような基板外観検査装置の撮像部10Aを図9に示す。カメラ14は、基板50の基板面に対して光軸が略垂直となるように配設された直視カメラである。その他の構成は上記実施形態と同様であるので詳説を省略する。
【0047】
この基板外観検査装置による基板外観検査処理の例を図10に示す。同図において、ステップS200にて基板50をX−Yステージ13上のガイドレール12に搬入し、その両端部を固定すると、ステップS205では、検査対象部に対応する座標、すなわち、基板データ25bに予め格納された座標にX−Yステージ13を平面移動させる。そして、ステップS210では、カメラ14により検査用画像を取得し、ステップS215では、この画像に基づいて外観検査を実施する。このようにして、基板50上のすべての検査対象部について、直視画像による外観検査を実施する。
【0048】
ステップS225においては、直視画像による外観検査の結果に基づいて、基板50上の検査対象部のうち、斜視画像による詳細な外観検査(リトライ検査)を要する検査対象部があるか否かを判別する。リトライ検査を要する検査対象部があると判別されなければ、ステップS270において基板50の固定を解除して搬出し、この基板50についての基板外観検査処理を終了する。ステップS225にてリトライ検査を要する検査対象部があると判別されれば、ステップS230以降の処理を実行する。なお、ステップS230以降の処理は、図7のステップS110以降の処理と同様であるので、その詳説を省略する。
【0049】
このように、カメラ14により検査用画像(直視画像)を取得し、これに基づいて基板50の外観検査を実施し、直視画像による外観検査において否判定または否判定であることが疑わしいと判定された箇所についてのみ、斜視画像を撮影するカメラ11による外観検査(リトライ検査)を実施するようにする。カメラ14により撮影された直視画像では、基板の反りに起因する検査対象部の位置ずれが発生していたとしても、その影響は画像上にはほとんど現れない。すなわち、直視カメラにより取得した直視画像に基づいた外観検査では、基板の反りに起因する検査対象部の位置ずれの影響を受けることなく検査を実施することができる。そして、斜視画像による検査と比較して簡易な検査である直視画像による外観検査にて否判定、または否判定であることが疑わしい、と判定された箇所についてのみ、斜視画像によるより詳細な外観検査を実施する。これにより、すべての検査対象部に対して斜視画像による外観検査を実施する場合と比較して、より詳細な斜視画像による外観検査を実施する。
【0050】
また、上述の実施形態においては、撮像部10に1つのカメラ11を設けるようにしているが、2以上の複数のカメラを設けるようにしてもよい。これにより、異なる方向からの画像を複数取得することができ、これらを位置ずれ量測定の際に用いることにより測定精度を向上させることができる。
また、上述の実施形態においては、X−Yステージ13により基板50側を平面移動する方法を説明したが、基板に代えてカメラ11側を平面移動させるようにしてもよい。
【0051】
さらに、上述の実施形態では、測定した基準位置ずれ量に基づいて補正座標を算出するようにしたが、これに限定されず、例えば、測定した基準位置ずれ量が所定値以下である場合、すなわち、基準位置ずれ量の測定により基板の反りが比較的小さいことが判明した場合には、補正座標を算出することなく、基板データ25bを参照してX−Yステージ13を平面移動させ、検査用画像を取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1;基板外観検査装置、10,10A;撮像部、11;カメラ(斜視カメラ)、12;ガイドレール、13;X−Yステージ、14;カメラ(直視カメラ)20;制御部、21;インターフェース(I/F)、22;ガイドレール制御部、23;ステージ制御部、24;CPU、25;メモリ、25a;基板外観検査プログラム、25b;基板データ、25c;撮影画像データ、25d;補正座標データ、26;基準位置ずれ量測定部、27;補正座標算出部、28;外観検査部、29;出力部、30;表示部、50;基板、P;基準パターン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の基板面に対して光軸が所定の傾斜角度となるように配設され、かつ当該基板上に配設された検査対象部を撮影する撮影手段と、
前記基板と前記撮影手段との相対位置を前記基板の基板面に対して略平行な平面内で変更する相対位置変更手段と、を備え、
複数の前記検査対象部毎に予め設定され、かつ前記基板に反りが生じていない場合に前記撮影手段の視野内の基準となる位置に各前記検査対象部がそれぞれ位置するように設定された前記相対位置において、前記撮影手段により検査用画像となる各前記検査対象部の画像を取得し、当該検査用画像に基づいて基板の外観を検査する基板外観検査装置であって、
前記基板上の基準パターンに対して予め設定され、かつ前記基板に反りが生じていない場合に前記撮影手段の視野内の基準となる位置に前記基準パターンが位置するように設定された前記相対位置において、前記撮影手段により、基板の反りに起因する前記基準パターンの位置ずれ量を測定するための画像を基準位置ずれ量測定用画像として取得し、当該基準位置ずれ量測定用画像内における前記基準パターンの位置と前記基準となる位置との距離を基準位置ずれ量として測定する基準位置ずれ量測定手段と、
前記基準位置ずれ量および前記基準パターンの前記基板上の位置に基づいて基板の反りに起因する前記検査対象部の位置ずれ量を推定し、前記相対位置を当該位置ずれ量分補正する相対位置補正手段と、を備えることを特徴とする基板外観検査装置。
【請求項2】
前記相対位置補正手段は、前記基準位置ずれ量および前記基準パターンの前記基板上の位置に基づいて、前記基板上の任意の位置における推定位置ずれ量を算出するための推定位置ずれ量算出式を算出する請求項1記載の基板外観検査装置。
【請求項3】
前記推定位置ずれ量算出式は1次式である請求項2記載の基板外観検査装置。
【請求項4】
前記基準パターンは複数設定されており、前記基準位置ずれ量測定手段は各前記基準パターンについての前記基準位置ずれ量を測定する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板外観検査装置。
【請求項5】
前記撮影手段は複数設けられており、前記基準位置ずれ量測定手段は各前記撮影手段により前記基準位置ずれ量測定用画像を撮影する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板外観検査装置。
【請求項6】
基板の基板面に対して光軸が所定の傾斜角度となるように配設され、かつ当該基板上に配設された検査対象部を撮影する撮影手段と、
前記基板と前記撮影手段との相対位置を前記基板の基板面に対して略平行な平面内で変更する相対位置変更手段と、を備え、
複数の前記検査対象部毎に予め設定され、かつ前記基板に反りが生じていない場合に前記撮影手段の視野内の基準となる位置に各前記検査対象部がそれぞれ位置するように設定された前記相対位置において、前記撮影手段により検査用画像となる各前記検査対象部の画像を取得し、当該検査用画像に基づいて基板の外観を検査する基板外観検査装置を用いた基板外観検査方法であって、
前記基板上の基準パターンに対して予め設定され、かつ前記基板に反りが生じていない場合に前記撮影手段の視野内の基準となる位置に前記基準パターンが位置するように設定された前記相対位置において、前記撮影手段により、基板の反りに起因する前記基準パターンの位置ずれ量を測定するための画像を基準位置ずれ量測定用画像として取得し、当該基準位置ずれ量測定用画像内における前記基準パターンの位置と前記基準となる位置との距離を基準位置ずれ量として測定する基準位置ずれ量測定工程と、
前記基準位置ずれ量および前記基準パターンの前記基板上の位置に基づいて基板の反りに起因する前記検査対象部の位置ずれ量を推定し、前記相対位置を当該位置ずれ量分補正する相対位置補正工程と、を備えることを特徴とする基板外観検査方法。
【請求項7】
前記相対位置補正工程は、前記基準位置ずれ量および前記基準パターンの前記基板上の位置に基づいて、前記基板上の任意の位置における推定位置ずれ量を算出するための推定位置ずれ量算出式を算出する請求項6記載の基板外観検査方法。
【請求項8】
前記推定位置ずれ量算出式は1次式である請求項7記載の基板外観検査方法。
【請求項9】
前記基準パターンは複数設定されており、前記基準位置ずれ量測定工程は各前記基準パターンについての前記基準位置ずれ量を測定する請求項6乃至8のいずれか一項に記載の基板外観検査方法。
【請求項10】
前記撮影手段は複数設けられており、前記基準位置ずれ量測定工程は各前記撮影手段により前記基準位置ずれ量測定用画像を撮影する請求項6乃至9のいずれか一項に記載の基板外観検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−215013(P2011−215013A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83845(P2010−83845)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000243881)名古屋電機工業株式会社 (107)
【Fターム(参考)】