説明

基板搬送装置および露光装置

【課題】 本発明は、露光装置においてレチクル,ウエハ,マスク等の基板を搬送する基板搬送装置に関し、基板をステージ装置に吊り下げて保持する場合において、基板をチャックに確実にロードまたはアンロードすることを目的とする。
【解決手段】 ステージに配置され基板を吸着する吸着面を下向きに有するチャックと、前記チャックの下側から前記基板の搬入または搬出を行う搬送アームと、前記搬送アーム側に配置され前記基板の前記チャックへの吸着または離脱時に前記基板を前記吸着面に弾性的に押圧する付勢手段とを有することを特徴とする。また、前記チャックに配置され前記基板の前記チャックからの離脱時に前記基板を前記搬送アーム側に押し出す押出機構を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置においてレチクル,ウエハ,マスク等の基板を搬送する基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスのリソグラフィ等に使用される露光装置内には、レチクル,ウエハ,マスク等の基板を配置するためのステージ装置が備えられている。
このレチクル,ウエハ,マスク等の基板はステージ装置上に載置され、静電チャック等で基板が保持される構成が一般的である。この場合、基板の搬送には基板をすくい上げて搬送する方式の基板搬送装置が使用される。この基板搬送装置では、基板のアンロード時に残留吸着力によって静電チャックに基板が吸着した状態でも、基板を持ち上げることで確実に基板をアンロードすることができる。
【0003】
一方、特許文献1には、レチクルステージ下面に固定された静電チャックにレチクルを保持させる基板搬送装置の構成が開示されている。
【特許文献1】特開平11−74182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の基板搬送装置のように静電チャックを鉛直方向下向きに配置してステージ装置に基板を吊り下げ保持する場合には以下のような問題があった。
すなわち、基板が静電チャックの下面に吸着されるため、静電チャックへの基板のロード時に、基板の自重により基板が落下するおそれがある。
また、基板のアンロード時に、静電チャックの残留吸着力が基板の自重を上回ると静電チャックに基板が吸着したままとなるおそれがある。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、基板をステージ装置に吊り下げて保持する場合において、基板をチャックに確実にロードまたはアンロードすることができる基板搬送装置を提供することを目的とする。また、この基板搬送装置を用いた露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の基板搬送装置は、ステージに配置され基板を吸着する吸着面を下向きに有するチャックと、前記チャックの下側から前記基板の搬入または搬出を行う搬送アームと、前記搬送アーム側に配置され前記基板の前記チャックへの吸着または離脱時に前記基板を前記吸着面に弾性的に押圧する付勢手段とを有することを特徴とする。
請求項2の基板搬送装置は、請求項1記載の基板搬送装置において、前記チャックまたはステージに配置され前記チャックに吸着された前記基板の誤落下を防止する落下防止部材を有することを特徴とする。
【0007】
請求項3の基板搬送装置は、請求項1または請求項2記載の基板搬送装置において、前記搬送アーム側に、前記基板を支持する支持部材と、前記基板の水平方向への位置ずれを防止する位置ずれ防止部材とを有することを特徴とする。
請求項4の基板搬送装置は、請求項3記載の基板搬送装置において、前記落下防止部材は、前記チャックの前記吸着面の下方に突出する受け部を有し、前記位置ずれ防止部材は、前記吸着面と前記受け部との間を水平方向に通過可能とされていることを特徴とする。
【0008】
請求項5の基板搬送装置は、ステージに配置され基板を吸着する吸着面を下向きに有するチャックと、前記チャックの下側から前記基板の搬入または搬出を行う搬送アームと、前記チャックに配置され前記基板の前記チャックからの離脱時に前記基板を前記搬送アーム側に押し出す押出機構とを有することを特徴とする。
請求項6の基板搬送装置は、請求項5記載の基板搬送装置において、前記搬送アーム側に配置され前記基板の前記チャックへの吸着または離脱時に前記基板を前記吸着面に弾性的に押圧する付勢手段を有し、前記押出機構は、前記基板の前記チャックからの離脱時に前記付勢手段により前記基板が前記吸着面に押圧された状態で前記基板を押し出すことを特徴とする。
【0009】
請求項7の基板搬送装置は、請求項5または請求項6記載の基板搬送装置において、前記押出機構は、密閉ケースの開口部を可撓性部材により覆い、前記密閉ケース内に前記可撓性部材を押圧するアクチュエータを配置してなることを特徴とする。
請求項8の基板搬送装置は、請求項7記載の基板搬送装置において、前記密閉ケースに、前記密閉ケース内との気体の流通を行うフィルタ部材を配置してなることを特徴とする。
【0010】
請求項9の基板搬送装置は、請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の基板搬送装置において、前記基板の前記吸着面への吸着または離脱を検出する検出手段を有することを特徴とする。
請求項10の基板搬送装置は、請求項9記載の基板搬送装置において、前記検出手段は、前記チャックに配置されるプッシュ式スイッチからなることを特徴とする。
【0011】
請求項11の基板搬送装置は、請求項9記載の基板搬送装置において、前記検出手段は、光センサを有し、発光部と受光部との間に形成される光路を、前記チャックの前記吸着面近傍に前記吸着面に略平行に形成してなることを特徴とする。
請求項12の基板搬送装置は、請求項11記載の基板搬送装置において、前記光路にミラーを配置してなることを特徴とする。
【0012】
請求項13の基板搬送装置は、請求項1ないし請求項12のいずれか1項記載の基板搬送装置において、前記基板はパレット上に載置され、前記搬送アームは前記パレットを搬送することを特徴とする。
請求項14の露光装置は、請求項1ないし請求項13のいずれか1項記載の基板搬送装置を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の基板搬送装置では、基板を吸着する吸着面を下向きに有するチャックへの基板の吸着または離脱時に、付勢手段により基板を吸着面に弾性的に押圧するようにしたので、基板をチャックに確実にロードまたはアンロードすることができる。
本発明の基板搬送装置では、基板を吸着する吸着面を下向きに有するチャックからの基板の離脱時に、押出機構により基板を搬送アーム側に押し出すようにしたので、基板をチャックから確実にアンロードすることができる。
【0014】
本発明の露光装置では、基板を吸着する吸着面を下向きに有するチャックへの基板の吸着または離脱時に、基板をチャックに確実にロードまたはアンロードすることができるため、信頼性の高い露光装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
(基板搬送装置の第1の実施形態)
図1は、本発明の基板搬送装置の第1の実施形態を示している。
この実施形態の基板搬送装置は、静電チャック部11、パレット部13および搬送アーム部15を有している。
【0016】
静電チャック部11は、露光装置のステージ17の下面に配置される静電チャック19を有している。静電チャック19の下面は、レチクル等の基板21を吸着する吸着面19aとされている。そして、静電チャック19の吸着面19aに基板21を当接させた状態で静電チャック19の電極に所定電圧を印加すると、静電チャック19と基板21との間にクーロン力が発生し、基板21は静電チャック19の吸着面19aに吸着され吊り下げ状態で保持される。
【0017】
静電チャック19には、落下防止部材23、押出機構である押出アクチュエータ25および検出手段であるプッシュ式スイッチ27が配置されている。
落下防止部材23は、図2に示すように、矩形状の静電チャック19の両側に2個ずつ、静電チャック19の奥側に1個の計5個配置されている。落下防止部材23は、静電チャック19に固定される固定部23aと、この固定部23aの先端に形成される受け部23bを有している。固定部23aは、静電チャック19から垂下されている。受け部23bは、固定部23aの先端から静電チャック19の吸着面19aの下方に直角に突出されている。この落下防止部材23は、搬送中ならびに不慮の電源ダウン等により基板21が落下、破損するのを防止する。
【0018】
押出アクチュエータ25は、図2に示すように、矩形状の静電チャック19の角部の内側に4個、中央に1個の計5個埋設されている。この押出アクチュエータ25は、静電チャック19から基板21をアンロ一ドする時に、基板21を搬送アーム部15側へ押し付ける力を発生する。従って、静電チャック19への電圧印加を停止した後の残留吸着力があっても、基板21を吸着面19aから確実に引き剥がすことができる。
【0019】
プッシュ式スイッチ27は、図2に示すように、矩形状の静電チャック19の中央を中心にして三角状に3個埋設されている。このプッシュ式スイッチ27により、基板21が吸着面19aに対して斜めになることなく完全に密着しているか、あるいは、吸着面19aから完全に離脱しているかを確認することができる。そのためにプッシュ式スイッチ27は、三角状に3個埋設されている。
【0020】
パレット部13は、図1に示すように、パレット本体29を有している。パレット本体29の四隅の内側には、基板21を支持する支持部材31が配置されている。そして、この支持部材31の上面に形成される支持部33に、基板21が自重で載置されている。支持部材31の上部には、基板21の水平方向への位置ずれを防止する位置ずれ防止部材35が配置されている。
【0021】
位置ずれ防止部材35は、図3および図4に示すように、上下方向の幅Wが薄型のL字形状をしている。この位置ずれ防止部材35は、基板21の搬送時に落下防止部材23との干渉を防ぐために、静電チャック19の吸着面19aと落下防止部材23の受け部23bとの間のクリアランスaに収まるように薄型設計されている。これにより、落下防止部材23が固定されていても待避させることなく、基板21の搬送が可能になる。位置ずれ防止部材35には、基板21の水平方向への脱落防止用として、L字形状の辺部の内側に、ストッパ部37が形成されている。
【0022】
この実施形態では、基板21は、パレット部13に載った状態で搬送され、静電チャック19への吸着後、パレット部13は搬送アーム部15に残ったままとなる。
搬送アーム部15は、アーム本体39と支持台41とを有している。
アーム本体39の上には、付勢手段である板ばね機構43を介して支持台41が載置されている。板ばね機構43により、Z方向ならびにθx、θy(上下とチルト)への自由度があり、静電チャック19ヘの基板21の受け渡しの時に確実に押し付けができる構造となっている。そして、板ばね機構43の剛性ならびにアーム本体39の上下ストロークを調整すれば、押し付け力を調整することができる。
【0023】
アーム本体39は、図5に概略的に示すように、搬送ロボット45に配置されている。
搬送ロボット45は、架台47に固定されたベース49と、ベース49に対して水平回転可能に取り付けられた第1アーム51と、第1アーム51の先端に水平回転可能に連結された第2アーム53と、第2アーム53の先端に水平回転可能に連結されたアーム本体39とから構成されている。ベース49には図示しない昇降機構が設けられ、この昇降機構によって第1アーム51が上下方向に移動可能となっている。この搬送ロボット45は、ベース49に対して90°の角度に位置するステーションS1およびステージ17の間で基板21を搬送する。
【0024】
図6は、押出機構である押出アクチュエータ25の詳細を示している。
この押出アクチュエータ25は、下端が開口される円筒状の密閉ケース55を有している。密閉ケース55の開口部は、ゴム等の可撓性部材からなるベローズ57により覆われている。密閉ケース55の内部には、マグネット59とコイル61とで構成されるボイスコイルモータが内蔵されている。コイル61のリード線63に通電するとマグネット59に押し出し力が発生する。リード線63は通線穴55aより外へ出され、通線穴55aには接着剤65を充填して空気の出入りがないようになっている。密閉ケース55には、フィルタ部材67が取り付けられている。内部と外部との通気はこのフィルタ部材67だけによるものとなり、内部で発生した微細なゴミが外に出ない。特に、装置全体が真空中で使用される場合には、真空引きと大気リークの時に大きく空気またはパージ気体が密閉ケース55内に出入りするため、ゴミが外に出やすく、このフィルタ部材67は重要である。
【0025】
以下、上述した基板搬送装置の動作を説明する。
先ず、静電チャック部11への基板21のローディング動作について説明する。
(1)図5に示した搬送ロボット45によりアーム本体39が移動され、基板21が静電チャック部11の近傍まで移動される。この状態では、搬送アーム部15にパレット部13が載り、さらにパレット部13に基板21が載っている。
【0026】
(2)アーム本体39は、図1に示したように、静電チャック19の吸着面19aと落下防止部材23の受け部23bとの間に形成されるクリアランスaの間に、基板21と位置ずれ防止部材35が差し込まれる高さで進入し、基板21が静電チャック部11の下に位置決めされる。
(3)次に、搬送アーム部15が上昇し、図7に示すように、基板21が、板ばね機構43により静電チャック19の吸着面19aに適切な押しつけ力で密着される。この時、押出アクチュエータ25は待避状態となっている。そして、静電チャック19に電圧を印加し基板21を吸着面19aに吸着する。
【0027】
(4)次に、搬送アーム部15を下降させ、プッシュ式スイッチ27により基板21と静電チャック19の吸着面19aとの間に隙間がなく、確実に基板21が吸着面19aに吸着されているのを確認して、搬送アーム部15を待避させる。この時、搬送アーム部15には、パレット部13が残った状態となる。
次に、静電チャック部11からの基板21のアンローディング動作について説明する。
【0028】
(1)図5に示した搬送ロボット45によりアーム本体39が待避位置から移動され、パレット部13が静電チャック部11の近傍まで移動される。この状態では、搬送アーム部15にパレット部13のみが載っている。
(2)アーム本体39は、図8に示すように、静電チャック19の吸着面19aと落下防止部材23の受け部23bとの間に形成されるクリアランスaの間に、基板21と干渉せずに位置ずれ防止部材35が差し込まれる高さで進入し、パレット部13が静電チャック部11の下に位置決めされる。
【0029】
(3)次に、搬送アーム部15が上昇し、パレット部13の支持部材31に形成される支持部33が、板ばね機構43により基板21に適切な押しつけ力で密着される。そして、静電チャック19への電圧の印加を停止する。
(4)次に、図9に示すように、押出アクチュエータ25のコイル61に電圧を印加し、マグネット59に下方向への力を発生させ、ベローズ57を介して基板21の引き剥がしのアシスト力Fを与える。
【0030】
(5)次に、搬送アーム部15を下降させ、プッシュ式スイッチ27により基板21と静電チャック19の吸着面19aとの間に所定の隙間が発生したのを確認して、搬送アーム部15を待避させる。この時、搬送アーム部15には、基板21およびパレット部13が残った状態となる。また、押出アクチュエータ25は待避状態となっている。
上述した実施形態の基板搬送装置では、基板21を吸着する吸着面19aを下向きに有する静電チャック19への基板21の吸着または離脱時に、板ばね機構43により基板21を吸着面19aに弾性的に押圧した状態で、静電チャック19に電圧を印加または解除するようにしたので、基板21を静電チャック19に確実にロードまたはアンロードすることができる。
【0031】
また、基板21を吸着する吸着面19aを下向きに有する静電チャック19からの基板21の離脱時に、押出アクチュエータ25により基板21を搬送アーム部15側に押し出し、静電チャック19の残留吸着力に対して基板21の引き剥がしをアシストするようにしたので、基板21を静電チャック19から確実にアンロードすることができる。
(基板搬送装置の第2の実施形態)
図1,7および8に示したクリアランスaは静電チャック19の吸着面19aと落下防止部材23の受け部23b上面との間の距離であるが、この値は基板21の厚さ(高さ)と位置ずれ防止部材35の厚さ(高さ)とを足し合わせたものに、部品の精度、搬送に伴う誤差等を加えて決定される。このクリアランスaの値は余り大きくないことが好ましい。なぜなら、クリアランスaが大きいと、基板21が何らかの原因により静電チャック19より落下し、落下防止部材23に受け止められても、その際に受ける基板21への衝撃が大きくなり、基板21に何らかの破損を引き起こす恐れがあるからである。また、後述するように、本基板搬送装置を露光装置に用いた場合、基板21の下方向には反射ミラー等が配置されるため、基板21を搬送するのに利用できる静電チャック19下方の空間は大きくない。従って、クリアランスaは小さい方が望ましい。通常、基板21の厚さ(高さ)は他の諸条件から既に決定されており、クリアランスaを小さくするには位置ずれ防止部材35の厚さ(高さ)をできるだけ薄く(小さく)なるように設計したり、搬送の精度を向上させる必要があるが、それにも限界がある。
【0032】
クリアランスaは既に述べたように、ローディング時には基板21を静電チャック19の吸着面19aに平行に搬送し、静電チャック19に吸着させた後、移動させ、また、アンローディング時には、搬送アーム部15をローディング時と同様の経路を辿って動かせる際に必要になってくる。しかし、搬送経路を若干変えるだけでクリアランスaの値を小さくすることができる。以下に、図5,6,14および15を参照しながらクリアランスaをより小さくできるローディング、アンローディング動作について説明する。
【0033】
図14,15は、本発明による基板搬送装置の第2の実施形態である。図14は、アーム本体39が基板21を押圧している状態を示し、図15はアーム本体39が待機状態にある状態を示している。装置構成は図1に示した装置構成とほぼ同じとなっている。異なる点は、クリアランスa’の値がクリアランスaの値より小さくなっていることだけである。クリアランスa’の値は、クリアランスaの場合に最小限必要であった基板21の厚さ(高さ)と位置ずれ防止部材35の厚さ(高さ)とを足し合わせたものよりも小さくなっている。
【0034】
先ず、静電チャック部11への基板21のローディング動作について説明する。
(1)搬送ロボット45によりアーム本体39が駆動され、基板21は静電チャック部11の近傍に移動される。この状態では搬送アーム部15にパレット部13が載り、さらにパレット部13上に基板21が載っている。
(2)アーム本体39は、基板21と位置ずれ防止部材35が静電チヤツク19の吸着面19aと落下防止部材23の受け部23b上面との間に形成されるクリアランスa’(a’はaよりも小さい値)の間に挿入できる高さに保持される。その後、基板21と位置ずれ防止部材35はその高さを保持したままクリアランスa’内に進入し、基板21は静電チャック部11の下方向の所定の位置に位置決めされる。
【0035】
(3)搬送アーム部15を上昇させると、基板21の上面は静電チヤツク19の吸着面19aに接触する。その後も所定の位置まで搬送アーム本体39は上昇を続けるため、板ばね機構43により、基板21は所定の押圧力で静電チャック19の吸着面19aに押圧される。この時、押出アクチュエータ25は退避状態となっている。その後、静電チャック19に電圧を印加し、基板21を吸着面19aに吸着する。
【0036】
(4)搬送アーム部15の下降を開始させる。所定の位置まで下がった段階で、プッシュ式スイッチ27により基板21と静電チャック19の吸着面19aとの間に間隙がなくなり、基板21が吸着面19aに吸着されているかを確認する動作を行ない、確認されると、搬送アーム部15は図15に示す位置まで下降し、待機位置に達する。その後、搬送アーム部15は所定の位置まで移動する。この際、図2および図3に示したように、落下防止部材23および位置ずれ防止部材35は全面にわたって配置されているわけではなく、また、位置ずれ防止部材35と落下防止部材23は、図2に示す平面上で異なる位置に配置されているため、位置ずれ防止部材35と落下防止部材23とは干渉することはない。また、この時、搬送アーム部15にはパレット部13が残った状態となっている。
【0037】
次に、静電チャック部11からの基板21のアンローディング動作について説明する。
(1)搬送ロボット45によりアーム本体39は駆動され、パレット部13は静電チャック部11の近傍まで移動される。この時、搬送アーム部15にはパレット部13のみが載っている。
(2)アーム本体39は、静電チャック19の吸着面19aの下方向の所定位置に位置決めされる。この位置は、落下防止部材23の受け部23bの更に下方向の位置である。図15はその時の基板21と静電チャック19と落下防止部材23との位置関係を示している。
【0038】
(3)搬送アーム部15が上昇し、支持部材31に形成されている支持部33が基板21に接触する。その後も所定の位置まで搬送アーム本体39は上昇を続けるため、板ばね機構43により、支持部33は所定の押圧力で基板21に押圧される。その後、静電チャック19への電圧の印加を停止する。
(4)押出アクチュエータ25のコイル61に電圧を印加し、マグネット59に下方向の力を発生させ、ベローズ57を介して基板21を引き剥がすための力を加える。
【0039】
(5)搬送アーム部15を所定の距離だけ下降させ、プッシュ式スイッチ27により、基板21と静電チャック19の吸着面19aとの間に所定の間隙が発生したことを確認する。この時、基板21および位置ずれ防止部材35はクリアランスa’の中に収まった状態になっている。所定の間隙が発生したことが確認されると、搬送アーム部15は静電チャック19の吸着面19aに平行に移動し、基板21を所定の場所へ搬送する。この時、搬送アーム部15には、パレット部13が載り、その上に基板21が載っている状態となっている。
【0040】
上述した装置では、図8に示したように、基板21が静電チャック19に吸着されている時に、基板21下面と落下防止部材23の受け部23b上面との間に位置ずれ防止部材35を通過させることがないため、クリアランスa’を小さくすることが可能となっている。そのため、基板21が何らかの原因により落下し、基板21が落下防止部材23に受け止められても、その際に受ける基板21への衝撃は大きくなく、基板21自体が破損する恐れは少ない。また、基板21を搬送するのに必要とする空間は大きくない。
【0041】
また、上述した実施形態の基板搬送装置では、基板21を吸着する吸着面19aを下向きに有する静電チャック19への基板21の吸着または離脱時に、板ばね機構43により基板21を吸着面19aに弾性的に押圧した状態で、静電チャック19に電圧を印加または解除するようにしたので、基板21を静電チャック19に確実にロードまたはアンロードすることができる。
【0042】
更に、基板21を吸着する吸着面19aを下向きに有する静電チャック19からの基板21の離脱時に押出アクチュェータ25により基板21を搬送アーム部15側に押出し、静電チャック19の残留吸着力に対して基板21の引き剥がしをアシストするようにしたので、基板21を静電チャック19から確実にアンロードすることができる。
(検出手段の変形例)
上述した実施形態では、基板21の吸着面19aへの吸着または離脱状態を検出する検出手段を、静電チャック19にプッシュ式スイッチ27を埋設して構成した例について説明したが、例えば、図10、図11、図12に示すように光センサを用いて検出手段を構成しても良い。
【0043】
図10では、静電チャック19の側面にL字状の支持片71が対向して固定されている。支持片71の下端部は、静電チャック19の吸着面19aから下方に突出されている。そして、この下端部の内側に光センサの発光部73と受光部75とが対向して配置されている。発光部73と受光部75との間に形成される光路L1は、静電チャック19の吸着面19a近傍に吸着面19aに略平行に形成されている。
【0044】
この検出手段では、図10に示したように、静電チャック19の吸着面19aと基板21との間に間隙が存在する時には、発光部73からの光が受光部75に受光され、基板21の吸着面19aからの離脱状態が検出される。一方、静電チャック19の吸着面19aに基板21が吸着されている時には、発光部73からの光が基板21に遮られて受光部75に受光されず、基板21の吸着面19aへの吸着状態が検出される。なお、図10の紙面の奥行き方向にもう1チャンネルの光センサを追加すれば、基板21が静電チャック19に対して斜めに片当たりしている状態を監視できる。
【0045】
図11では、光センサの発光部73と受光部75とが静電チャック19の片側に配置され、反対側に反射ミラー77が配置されている。そして、発光部73からの光は、反射ミラー77で反射した後、受光部75に達する。この検出手段では、1チャンネルの光センサにより基板21の全面が当接または離脱したか否かを確認することができる。
図12では、光センサの発光部73と受光部75とが静電チャック19の片側に配置され、反対側および両側に反射ミラー79,81,83が配置されている。そして、発光部73からの光は、反射ミラー79,81,83で反射した後、受光部75に達する。この検出手段では、1チャンネルの光センサにより基板21の全面が当接または離脱したか否かをより確実に確認することができる。
(露光装置の実施形態)
図13に本発明の露光装置の一実施形態に係るEUV光リソグラフィシステム100を模式化して示す。この実施形態は露光の照明光としてUV範囲の光を用いた投影露光装置である。EUV光は0.1〜400nmの間の波長を持つもので、この実施形態では特に1〜50nm程度の波長が好ましい。投影像は像光学系システム101を用いたもので、ウエハ103上にマスク102によるパターンの縮小像を形成するものである。なお、図13において像光学系システム101の光軸はZ方向に伸びている。Y方向は紙面に垂直な方向である。
【0046】
ウエハ103上に映されるパターンは、マスクステージ104の下側に静電チャック19を介して配置されている反射型マスク102により決められる。この反射型マスク102は、上述した実施形態の基板搬送装置によって搬入および搬出される(基板搬送装置の図示は省略する)。また、ウエハ103はウエハステージ105の上に載せられている。典型的には、露光はステップ・スキャンによりなされる。ここで、マスクパターンは連続的な部分(露光領域)に投影され、露光の間、マスクステージ104とウエハステージ105はそれぞれ相対的に位相を合わせて移動する。マスク102とウエハ103とのスキャンは、像光学システム101に対して1自由度方向に行なわれる。マスク102の全ての領域をウエハ103のそれぞれの領域に露光すると、ウエハ103のダイ上へのパターンの露光は完了する。次に、露光はウエハ103の次のダイへとステップして進む。
【0047】
露光時の照明光として使用するEUV光は大気に対する透過性が低いので、EUV光が通過する光経路は、適当な真空ポンプ107を用いて真空に保たれた真空チャンバ106に囲まれている。またEUV光はレーザプラズマX線源によって生成される。レーザプラズマX線源はレーザ源108(励起光源として作用)とキセノンガス供給装置109からなっている。レーザプラズマX線源は真空チャンバ110によって取り囲まれている。レーザプラズマX線源によって生成されたEUV光は真空チャンバ110の窓111を通過する。窓111はレーザプラズマX線源が妨害を受けずに通過できるような開口としても構わない。なお、キセノンガスを放出するノズル112によりゴミが生成される傾向があるので、真空チャンバ110は真空チャンバ106から分離されていることが望ましい。
【0048】
レーザ源108は紫外線以下の波長を持つレーザ光を発生させるものであって、例えば、YAGレーザ、エキシマレーザが使用される。レーザ源108からのレーザ光は集光され、ノズル112から放出されたキセノンガス(キセノンガス供給装置109から供給されている)の流れに照射される。キセノンガスの流れにレーザ光を照射するとレーザ光がキセノンガスを十分に暖め、プラズマを生じさせる。レーザで励起されたキセノンガスの分子が低いエネルギ状態に落ちる時、EUV光の光子が放出される。
【0049】
放物面ミラー113は、キセノンガス放出部の近傍に配置されている。放物面ミラー113はプラズマによって生成されたEUV光を集光する。放物面ミラー113は集光光学系を構成し、ノズル112からのキセノンガスが放出される位置の近傍に焦点位置がくるように配置されている。放物面ミラー113はEUV光を反射するのに適当な多層膜からなっている。多層膜は、典型的には、放物面ミラー113の凹面の表面に備えられている。EUV光は多層膜で反射し、真空チャンバ110の窓111を通じて集光ミラー114へと達する。集光ミラー114は反射型マスク102へとEUV光を集光、反射させる。集光ミラー114はEUV光を反射する多層膜からなっている。EUV光は集光ミラー114で反射され、反射型マスク102の所定の部分を照明する。すなわち、放物面ミラー113と集光ミラー114はこの装置の照明システムを構成する。
【0050】
反射型マスク102は、多層膜のEUVを反射する表面を持っている。マスク102でEUV光が反射されると、EUV光はマスク102からのパターンデータにより「パターン化」される。パターン化されたEUV光は投影システム101を通じてウエハ103に達する。
この実施形態の像光学システム101は、凹面第1ミラー115a、凸面第2ミラー115b、凸面第3ミラー115c、凹面第4ミラー115dの4つの反射ミラーからなっている。各ミラー115a〜115dはEUV光を反射する多層膜が備えられている。本実施例のミラー115a〜115dは、それぞれの光軸が互いに一致するように配置されている。
【0051】
各ミラー115a〜115dによって決定される光路が妨げられるのを防ぐために、第1ミラー115a、第2ミラー115b、第4ミラー115dには、適当な切り欠きが設けられている(図13において、ミラーの破線部分はそれぞれの切り欠き部分を示している)。反射型マスク102により反射されたEUV光は第1ミラー115aから第4ミラー115dまで順次反射されて、マスクパターンの縮小された像を形成する。この場合、ウエハ103の露光域内で所定の縮小率β(例えば、1/4、1/5、1/6)で像が形成される。像光学系システム101は、像の側(ウエハ103の側)でテレセントリックになるようになっている。
【0052】
反射型マスク102は可動のマスクステージ104によって少なくともX−Y平面内で支持されている。ウエハ103は、好ましくはX,Y,Z方向に可動なウエハステージ105によって支持されている。ウエハ103上のダイを露光するときには、EUV光が照明システムによりマスク102の所定の領域に照射され、マスク102とウエハ103は像光学系システム101に対して像光学システム101の縮小率に従った所定の速度で動く。このようにして、マスクパターンはウエハ103上の所定の露光範囲(ダイに対して)に露光される。
【0053】
露光の際には、ウエハ103上のレジストから生じるガスが像光学システム101のミラー115a〜115dに影響を与えないように、ウエハ103はパーティション116の後ろに配置されることが望ましい。パーティション116は開口116aを持っており、それを通じてEUV光がミラー115dからウエハ103へと照射される。パーティション116内の空間は真空ポンプ117により真空排気されている。このように、レジストに照射することにより生じるガス状のゴミがミラー115a〜115dあるいはマスク102に付着するのを防ぐ。それゆえ、これらの光学性能の悪化を防いでいる。
【0054】
この実施形態の露光装置では、マスクステージ104の下側に配置される静電チャック19へのマスク102の吸着または離脱時に、マスク102を静電チャック19に確実にロードまたはアンロードすることができるため、信頼性の高い露光装置を得ることができる。
(実施形態の補足事項)
以上、本発明を上記の実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、以下のような形態でも良い。
【0055】
(1)上述した実施形態では、落下防止部材23を静電チャック19に取り付けた例について説明したが、例えば、ステージ17側に取り付けても良い。
(2)上述した実施形態では、アーム本体39と支持台41との間に付勢手段である板ばね機構43を配置した例について説明したが、例えば、支持部材31の支持部33をゴム等の弾性部材により形成し付勢手段としても良い。
【0056】
(3)上述した実施形態では、パレット部13に基板21を載置して搬送した例について説明したが、例えば、パレット部13を配置することなく、基板21を搬送アーム部15に直接載置して搬送しても良い。
(4)上述した実施形態では、アーム本体39を上下に移動して基板21の上下動を行った例について説明したが、例えば、静電チャック19側を上下に移動して基板21を相対的に上下動するようにしても良い。
【0057】
(5)上述した実施形態では、EUV光を用いた投影露光装置の例を説明したが、その他、荷電粒子線、i線、g線、KrF、ArF、F2等を用いた露光装置にも勿論適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、例えばEUV、荷電粒子線、i線、g線、KrF、ArF、F2等を用いた露光装置においてレチクル,ウエハ,マスク等を搬送する基板搬送装置に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の基板搬送装置の一実施形態を示す説明図である。
【図2】図1の静電チャックおよび落下防止部材の詳細を示す下面図である。
【図3】図1の支持部材および位置ずれ防止部材の詳細を示す上面図である。
【図4】図3の支持部材および位置ずれ防止部材を示す側面図である。
【図5】図1のアーム本体を有する搬送ロボットを示す説明図である。
【図6】図1のプッシュ式スイッチの詳細を示す断面図である。
【図7】図1の基板搬送装置におけるローディング時の動作を示す説明図である。
【図8】図1の基板搬送装置におけるアンローディング時の動作を示す説明図である。
【図9】図1の基板搬送装置におけるアンローディング時の動作を示す説明図である。
【図10】光センサを用いた検出手段を示す説明図である。
【図11】光センサを用いた検出手段を示す説明図である。
【図12】光センサを用いた検出手段を示す説明図である。
【図13】本発明の露光装置の一実施形態を示す説明図である。
【図14】アーム本体が基板を押圧している状態を示す説明図である。
【図15】アーム本体が待機状態にある状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0060】
11 静電チャック部
13 パレット部
15 搬送アーム部
17 ステージ
19 静電チャック
19a 吸着面
21 基板
23 落下防止部材
25 押出アクチュエータ
27 プッシュ式スイッチ
29 パレット本体
31 支持部材
35 位置ずれ防止部材
39 アーム本体
41 支持台
43 板ばね機構
55 密閉ケース
67 フィルタ部材
73 発光部
75 受光部
77 反射ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステージに配置され基板を吸着する吸着面を下向きに有するチャックと、
前記チャックの下側から前記基板の搬入または搬出を行う搬送アームと、
前記搬送アーム側に配置され前記基板の前記チャックへの吸着または離脱時に前記基板を前記吸着面に弾性的に押圧する付勢手段と、
を有することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載の基板搬送装置において、
前記チャックまたはステージに配置され前記チャックに吸着された前記基板の誤落下を防止する落下防止部材を有することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の基板搬送装置において、
前記搬送アーム側に、前記基板を支持する支持部材と、前記基板の水平方向への位置ずれを防止する位置ずれ防止部材とを有することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項4】
請求項3記載の基板搬送装置において、
前記落下防止部材は、前記チャックの前記吸着面の下方に突出する受け部を有し、
前記位置ずれ防止部材は、前記吸着面と前記受け部との間を水平方向に通過可能とされていることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項5】
ステージに配置され基板を吸着する吸着面を下向きに有するチャックと、
前記チャックの下側から前記基板の搬入または搬出を行う搬送アームと、
前記チャックに配置され前記基板の前記チャックからの離脱時に前記基板を前記搬送アーム側に押し出す押出機構と、
を有することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項6】
請求項5記載の基板搬送装置において、
前記搬送アーム側に配置され前記基板の前記チャックへの吸着または離脱時に前記基板を前記吸着面に弾性的に押圧する付勢手段を有し、
前記押出機構は、前記基板の前記チャックからの離脱時に前記付勢手段により前記基板が前記吸着面に押圧された状態で前記基板を押し出すことを特徴とする基板搬送装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6記載の基板搬送装置において、
前記押出機構は、密閉ケースの開口部を可撓性部材により覆い、前記密閉ケース内に前記可撓性部材を押圧するアクチュエータを配置してなることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項8】
請求項7記載の基板搬送装置において、
前記密閉ケースに、前記密閉ケース内との気体の流通を行うフィルタ部材を配置してなることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の基板搬送装置において、
前記基板の前記吸着面への吸着または離脱を検出する検出手段を有することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項10】
請求項9記載の基板搬送装置において、
前記検出手段は、前記チャックに配置されるプッシュ式スイッチからなることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項11】
請求項9記載の基板搬送装置において、
前記検出手段は、光センサを有し、発光部と受光部との間に形成される光路を、前記チャックの前記吸着面近傍に前記吸着面に略平行に形成してなることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項12】
請求項11記載の基板搬送装置において、
前記光路にミラーを配置してなることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のいずれか1項記載の基板搬送装置において、
前記基板はパレット上に載置され、前記搬送アームは前記パレットを搬送することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項14】
請求項1ないし請求項13のいずれか1項記載の基板搬送装置を有することを特徴とする露光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−5318(P2006−5318A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183014(P2004−183014)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】