説明

基板洗浄ノズル及び基板洗浄装置並びに基板洗浄方法

【課題】基板の表面にダメージを与えることなく良好に洗浄することができる基板洗浄ノズル及び基板洗浄装置並びに基板洗浄方法を提供すること。
【解決手段】本発明では、基板洗浄ノズル(37)に設けた液層保持手段(38)の液層保持口(47)で洗浄液の液層(53)を保持するとともに、前記基板洗浄ノズル(37)に設けた基板加熱手段(39)で基板(2)の表面を前記洗浄液の沸点以上に加熱し、前記基板洗浄ノズル(37)を前記基板(2)の表面に近づけて、前記基板(2)の表面の熱で前記洗浄液の液層(53)を沸騰させて前記基板(2)の表面と前記洗浄液の液層(53)との間に前記洗浄液の蒸気の層を形成し、前記洗浄液の蒸気で前記基板(2)の表面を洗浄することにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を洗浄液で洗浄するための基板洗浄ノズル及び基板洗浄装置並びに基板洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体部品やフラットディスプレイなどを製造する場合には、半導体ウエハや液晶基板などの基板に対して基板洗浄装置を用いて洗浄液で洗浄処理した後に、リンス液でリンス処理し、その後、基板を乾燥させる乾燥処理を行っている。
【0003】
そして、従来の基板洗浄装置では、基板の表面を良好に洗浄するために、基板の表面に物理力を作用させて洗浄するようにしたものが知られている。たとえば、2流体ノズルを用いて基板の表面を洗浄する基板洗浄装置では、2流体ノズルによって洗浄液とガスとを霧状に混合させた混合流体を基板の表面に噴射し、噴射した混合流体によって基板の表面を洗浄するようにしている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−288390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来の2流体ノズル等を用いて基板の表面に物理力を作用させて洗浄する基板洗浄装置では、洗浄液の噴射圧力等の物理力の作用で基板の表面に形成した回路パターンやエッチングパターンなどが倒壊等のダメージを受けてしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明では、基板の表面を洗浄液で洗浄する基板洗浄ノズルにおいて、前記洗浄液の液層を液層保持口で保持する液層保持手段と、前記基板の表面を前記洗浄液の沸点以上に加熱する基板加熱手段とを有することにした。
【0007】
また、前記基板加熱手段を前記液層保持口に設けることにした。
【0008】
また、前記基板加熱手段を前記液層保持口の基板洗浄ノズルが前記基板に対して相対的に移動する方向側に設けることにした。
【0009】
また、前記液層の周囲に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を有することにした。
【0010】
また、前記液層の周囲から吸気する吸引手段を有することにした。
【0011】
また、前記液層保持手段は、前記液層保持口を基板に沿って伸延させた形状とすることにした。
【0012】
また、前記液層保持手段は、基板洗浄ノズルに洗浄液を供給するとともに基板洗浄ノズルに形成した液層を排出するための洗浄液供給排出機構を有することにした。
【0013】
また、前記液層保持手段は、基板洗浄ノズルに形成した液層を排出用のガスで排出させるための液層排出機構を有することにした。
【0014】
また、本発明では、基板洗浄ノズルを用いて基板を洗浄液で洗浄する基板洗浄装置において、前記基板洗浄ノズルは、前記洗浄液の液層を液層保持口で保持する液層保持手段と、前記基板の表面を前記洗浄液の沸点以上に加熱する基板加熱手段とを有することにした。
【0015】
また、前記基板加熱手段を前記液層保持口に設けることにした。
【0016】
また、前記基板加熱手段を前記液層保持口の基板洗浄ノズルが前記基板に対して相対的に移動する方向側に設けることにした。
【0017】
また、前記液層の周囲に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を有することにした。
【0018】
また、前記液層の周囲から吸気する吸引手段を有することにした。
【0019】
また、前記液層保持手段は、前記液層保持口を基板に沿って伸延させた形状とすることにした。
【0020】
また、前記液層保持手段は、基板洗浄ノズルに洗浄液を供給するとともに基板洗浄ノズルに形成した液層を排出するための洗浄液供給排出機構を有することにした。
【0021】
また、前記液層保持手段は、基板洗浄ノズルに形成した液層を排出用のガスで排出させるための液層排出機構を有することにした。
【0022】
また、基板洗浄ノズルを用いて基板を洗浄液で洗浄する基板洗浄方法において、前記基板洗浄ノズルに設けた液層保持手段の液層保持口で前記洗浄液の液層を保持するとともに、前記基板洗浄ノズルに設けた基板加熱手段で前記基板の表面を前記洗浄液の沸点以上に加熱し、前記基板洗浄ノズルを前記基板の表面に近づけて、前記基板の表面の熱で前記洗浄液の液層を沸騰させて前記基板の表面と前記洗浄液の液層との間に前記洗浄液の蒸気の層を形成し、前記洗浄液の蒸気で前記基板の表面を洗浄することにした。
【0023】
また、前記基板加熱手段を液層保持口に設け、前記基板加熱手段で前記液層保持口で保持する液層を加熱しながら前記基板の表面を洗浄することにした。
【0024】
また、前記基板洗浄ノズルを前記基板に対して相対的に移動させ、前記液層保持口の前記基板洗浄ノズルが前記基板に対して相対的に移動する方向側に設けた前記基板加熱手段で前記基板を加熱しながら前記基板の表面を洗浄することにした。
【0025】
また、前記液層の周囲に不活性ガスを供給して前記液層保持口で保持した前記液層が飛散するのを抑制しながら前記基板の表面を洗浄することにした。
【0026】
また、前記液層の周囲から吸気して前記基板の表面からパーティクルを吸引しながら前記基板の表面を洗浄することにした。
【0027】
また、前記液層保持口を基板に沿って伸延させた形状として、前記液層保持口に基板に沿って伸延させた形状に形成した液層で前記基板の表面を洗浄することにした。
【0028】
また、洗浄後に前記基板洗浄ノズルに洗浄液を供給することで洗浄後の液層を排出するとともに新たに洗浄液の液層を形成することにした。
【0029】
また、洗浄後に前記基板洗浄ノズルに排出用のガスを供給することで洗浄後の液層を排出することにした。
【発明の効果】
【0030】
本発明では、基板の表面にダメージを与えることなく良好に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】基板洗浄装置を示す平面図。
【図2】基板処理室を示す側面模式図。
【図3】基板洗浄ノズルを示す側面断面図。
【図4】他の基板洗浄ノズルを示す側面断面図。
【図5】他の基板洗浄ノズルを示す側面断面図。
【図6】他の基板洗浄ノズルを示す側面断面図。
【図7】他の基板洗浄ノズルを示す側面断面図。
【図8】基板洗浄方法(基板洗浄プログラム)を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明に係る基板洗浄装置及び基板洗浄方法並びに基板洗浄プログラムの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0033】
図1に示すように、基板洗浄装置1は、前端部に被処理体としての基板2(ここでは、半導体ウエハ。)を複数枚(たとえば、25枚。)まとめてキャリア3で搬入及び搬出するための基板搬入出部4を形成するとともに、基板搬入出部4の後部にキャリア3に収容された基板2を搬送するための基板搬送部5を形成し、基板搬送部5の後部に基板2の洗浄や乾燥などの各種の処理を施すための基板処理部6を形成している。
【0034】
基板搬入出部4は、4個のキャリア3を基板搬送部5の前壁7に密着させた状態で左右に間隔をあけて載置できるように構成している。
【0035】
基板搬送部5は、内部に基板搬送装置8と基板受渡台9とを収容しており、基板搬送装置8を用いて基板搬入出部4に載置されたいずれか1個のキャリア3と基板受渡台9との間で基板2を搬送するように構成している。
【0036】
基板処理部6は、中央部に基板搬送装置10を収容するとともに、基板搬送装置10の左右両側に基板処理室11〜22を前後に並べて収容している。
【0037】
そして、基板処理部6は、基板搬送装置10を用いて基板搬送部5の基板受渡台9と各基板処理室11〜22との間で基板2を1枚ずつ搬送するとともに、各基板処理室11〜22を用いて基板2を1枚ずつ処理するようにしている。
【0038】
各基板処理室11〜22は、同様の構成となっており、代表して基板処理室11の構成について説明する。基板処理室11は、図2に示すように、基板2を水平に保持しながら回転させるための基板保持手段23と、洗浄液を供給するための洗浄液供給手段24と、基板2を洗浄液で洗浄処理するための洗浄処理手段25と、基板2をリンス液でリンス処理するリンス処理手段26とを有しており、これらの基板保持手段23と洗浄液供給手段24と洗浄処理手段25とリンス処理手段26を制御手段27で制御するように構成している。なお、制御手段27は、基板搬送装置8,10など基板洗浄装置1の全体を制御するようにしている。
【0039】
基板保持手段23は、回転軸28の上端部に円板状のテーブル29を水平に取付けるとともに、テーブル29の周縁部に基板2の周縁部と接触して基板2を水平に保持する複数個の基板保持体30を円周方向に間隔をあけて取付けている。回転軸28には、回転駆動機構31を接続しており、回転駆動機構31によって回転軸28及びテーブル29を回転させ、テーブル29に基板保持体30で保持した基板2を回転させるようにしている。この回転駆動機構31は、制御手段27に接続しており、制御手段27で回転制御するようにしている。
【0040】
また、基板保持手段23は、テーブル29の周囲に上方を開口させたカップ32を昇降自在に設け、テーブル29に載置した基板2をカップ32で囲んでリンス液の飛散を防止するとともに、洗浄液やリンス液を回収するようにしている。カップ32には、昇降機構33を接続しており、昇降機構33によってカップ32を基板2に対して相対的に上下に昇降させるようにしている。この昇降機構33は、制御手段27に接続しており、制御手段27で昇降制御するようにしている。
【0041】
洗浄液供給手段24は、テーブル29の外方に洗浄液を貯留する洗浄液貯留カップ34を配置し、洗浄液貯留カップ34に洗浄液を供給する洗浄液供給源35を流量調整器36を介して接続しており、流量調整器36によって洗浄液供給源35から洗浄液貯留カップ34に貯留しておく洗浄液の量を調整するようにしている。この流量調整器36は、制御手段27に接続しており、制御手段27で開閉制御及び流量制御するようにしている。
【0042】
洗浄処理手段25は、基板洗浄ノズル37に、洗浄液の液層を保持するための液層保持手段38と、基板2を加熱するための基板加熱手段39と、液層の周囲に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段40と、液層の周囲から吸気する吸引手段41を設けた構成となっている。
【0043】
基板洗浄ノズル37は、テーブル29よりも上方にノズルアーム42を水平移動及び昇降自在に配置し、ノズルアーム42の先端部にノズル本体43を取付けている。ノズルアーム42には、移動機構44と昇降機構45とを接続しており、移動機構44及び昇降機構45によって基板洗浄ノズル37を上下に昇降させるとともに基板2の中央部上方の開始位置と基板2の外方の退避位置との間で水平に移動させるようにしている。移動機構44及び昇降機構45は、制御手段27に接続しており、制御手段27で水平移動制御及び昇降制御するようにしている。
【0044】
液層保持手段38は、図3に示すように、ノズル本体43の内部に中空状の洗浄液貯留部46を形成し、洗浄液貯留部46の下端部に円形開口状の液層保持口47を形成するとともに、洗浄液貯留部46の上端部に管状の連通孔48を形成している。この連通孔48には、連通路49を接続し、連通路49に開閉弁50を介して吸引機構51(たとえば、アスピレータ)を接続するとともに、連通路49の中途部を分岐させて大気開放弁52を介して大気に開放させることができるようにしている。開閉弁50、吸引機構51、大気開放弁52は、制御手段27に接続しており、制御手段27で開閉制御や駆動制御するようにしている。
【0045】
そして、液層保持手段38は、移動機構44及び昇降機構45によって基板洗浄ノズル37を移動させることで洗浄液貯留カップ34の上部開口からノズル本体43の下端部を洗浄液に浸漬させ、吸引機構51によって吸引することでノズル本体43の液層保持口47から洗浄液を吸引して洗浄液貯留部46に貯留し、開閉弁50を閉塞することでノズル本体43の液層保持口47に洗浄液の表面張力の作用で滴状に形成された洗浄液の液層53を保持するようにしている。
【0046】
また、液層保持手段38は、大気開放弁52を開放状態にすることで基板洗浄ノズル37の洗浄液貯留部46に貯留した洗浄液を外部に排出するようにしている。
【0047】
基板加熱手段39は、ノズル本体43の下端部において液層保持口47よりも基板洗浄ノズル37が基板2に対して相対的に移動する方向側にずらした位置に加熱源となる発光素子54を取付けるとともに、発光素子54の下方にレンズ55を取付けている。発光素子54には、駆動機構56を接続しており、駆動機構56によって発光素子54のON−OFFや発光強度などの駆動を行うようにしている。この駆動機構56は、制御手段27に接続しており、制御手段27で駆動制御するようにしている。
【0048】
ここで、発光素子54は、基板2に良好に吸収される波長の光を基板2に照射して基板2の表面を加熱するものであり、発光ダイオードや半導体レーザなどを用いることができ、たとえば、400nm〜1000nmの波長領域(近赤外線領域)にピーク波長を有するAlGaAs、GaN、GaInN、AlGaInP、ZnO等の発光ダイオードを用いることができる。なお、基板加熱手段39は、基板2の上面を加熱することができればよく、光照射による場合に限られずヒータ等で基板2を加熱するものでもよい。
【0049】
そして、基板加熱手段39は、駆動機構56によって発光素子54を駆動することで、発光素子54から放射した光をレンズ55で集光させて基板2の表面に照射し、その光が基板2の表面で吸収されることで基板2の表面を加熱するようにしている。
【0050】
不活性ガス供給手段40は、液層保持口47の外周部に供給口57を形成するとともに、供給口57に供給孔58を接続している。この供給孔58には、供給路59を接続し、供給路59に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給源60を流量調整器61を介して接続しており、流量調整器61によって供給口57から基板2に供給する不活性ガスの流量を調整するようにしている。流量調整器61は、制御手段27に接続しており、制御手段27で開閉制御及び流量制御するようにしている。
【0051】
そして、不活性ガス供給手段40は、供給口57から不活性ガスを液層保持口47の周囲に供給することで、液層保持口47で保持した液層53が外側に飛散してしまうのを防止するとともに、基板2に不活性ガスを供給することで、基板2の酸化を防止している。
【0052】
吸引手段41は、液層保持手段38の液層保持口47及び不活性ガス供給手段40の供給口57の外周部に吸引口62を形成するとともに、吸引口62に吸引孔63を接続している。この吸引孔63には、吸引路64を接続し、吸引路64に開閉弁65を介して吸引機構66を接続している。開閉弁65及び吸引機構66は、制御手段27に接続しており、制御手段27で開閉制御及び駆動制御するようにしている。
【0053】
そして、吸引手段41は、吸引機構66によって吸引口62から吸引を行うことで、基板2の表面からパーティクル等を吸引することができる。なお、吸引手段41による吸引量と不活性ガス供給手段40による不活性ガスの供給量とを制御手段27で適宜調整することで基板2の反りを矯正することもできる。
【0054】
リンス処理手段26は、図2に示すように、テーブル29よりも上方にノズルアーム67を水平移動自在に配置し、ノズルアーム67の先端部にノズル本体68を取付けている。ノズルアーム67には、移動機構69を接続しており、移動機構69によってノズル本体68を基板2の中央部上方の開始位置と基板2の外方の退避位置との間で移動させるようにしている。この移動機構69は、制御手段27に接続しており、制御手段27で移動制御するようにしている。
【0055】
また、リンス処理手段26は、リンス液を供給するためのリンス液供給源70にノズル本体68を流量調整器71とリンス液供給流路72を介して接続しており、流量調整器71によってノズル本体68から基板2に供給するリンス液の流量を調整するようにしている。この流量調整器71は、制御手段27に接続しており、制御手段27で開閉制御及び流量制御するようにしている。
【0056】
上記基板洗浄ノズル37では、基板加熱手段39をノズル本体43に取付けているが、これに限られず、基板加熱手段39をノズルアーム42に取付けてもよい。また、上記基板洗浄ノズル37では、液層保持口47の基板洗浄ノズル37が基板2に対して相対的に移動する方向側に取付けているが、図4に示すように、基板洗浄ノズル37'は、ノズル本体43'の下端に形成した液層保持口47'に円筒状の発光素子54'及びレンズ55'からなる基板加熱手段39'を取付けた構成とすることもできる。この場合には、発光素子54'から放射した光がレンズ55'だけでなく液層53'によっても集光されて基板2の表面に照射することができる。
【0057】
また、基板洗浄ノズル37は、液層保持手段38の下端部に液層52を形成できればよく、基板洗浄ノズル37(洗浄液貯留部46)を円筒形状にした場合に限られず、図5に示すように、基板洗浄ノズル37”(洗浄液貯留部46”)を基板2の中央部から端縁部に向けて基板2の表面に沿って水平に伸延する横棒形状にしてもよい。このように、基板洗浄ノズル37"の洗浄液貯留部46"を基板2の表面に沿って伸延させて形成することで、洗浄液の液層も基板2の表面に沿って直線状に伸延する形状となり、基板2の広い範囲を同時に洗浄することができ、洗浄処理に要する時間を短縮することができる。
【0058】
また、基板洗浄ノズル37は、液層保持手段38の吸引機構51で洗浄液を吸引する場合に限られず、大気開放弁52を開放させた状態で基板洗浄ノズル37の下端部を洗浄液貯留カップ34に貯留した洗浄液に浸漬させ、その後、大気開放弁52を閉塞させることで基板洗浄ノズル37の液層保持口47に洗浄液の液層53を形成するようにしてもよい。
【0059】
また、基板洗浄ノズル37は、洗浄液貯留カップ34に貯留した洗浄液を吸引機構51で吸引する構成に限られず、図6に示すように、基板洗浄ノズル37に接続した連通路49に洗浄液を供給する洗浄液供給源76を開閉弁77を介して接続した構成として、洗浄液供給源76から基板洗浄ノズル37の洗浄液貯留部46に洗浄液を直接供給するようにしてもよい。この場合には、制御手段27で開閉弁77を一定時間開放状態とした後に開閉弁77を閉塞状態とすることで、基板洗浄ノズル37の洗浄液貯留部46に洗浄液を供給して、基板洗浄ノズル37の液層保持口47に液層53を形成することができる。また、洗浄処理後には、再び制御手段27で開閉弁77を一定時間開放状態とした後に開閉弁77を閉塞状態とすることで、処理後の洗浄液を基板洗浄ノズル37の液層保持口47から排出するとともに基板洗浄ノズル37の液層保持口47に液層53を形成することができる。このように、基板洗浄ノズル37に洗浄液を供給するとともに基板洗浄ノズル37に形成した液層53を排出するための洗浄液供給排出機構を液層保持手段38に設けて、洗浄後に基板洗浄ノズル37に洗浄液を供給することで洗浄後の液層53を排出するとともに新たに洗浄液の液層53を形成するようにしてもよい。
【0060】
さらに、基板洗浄ノズル37は、大気開放弁52を開放状態にすることで基板洗浄ノズル37の洗浄液貯留部46に貯留した洗浄液を外部に排出する構成に限られず、図7に示すように、基板洗浄ノズル37に接続した連通路49に排出用のガスとして不活性ガスを供給する排出ガス供給源78を開閉弁79を介して接続した構成として、基板洗浄ノズル37の洗浄液貯留部46に貯留した洗浄液を不活性ガスの圧力で外部に排出するようにしてもよい。この場合には、制御手段27で開閉弁79を一定時間開放状態とした後に開閉弁79を閉塞状態とすることで、処理後の洗浄液を基板洗浄ノズル37の液層保持口47から排出することができる。このように、基板洗浄ノズル37に形成した液層53を排出用のガスで排出させるための液層排出機構を液層保持手段38に設けて、洗浄後に基板洗浄ノズル37に排出用のガスを供給することで洗浄後の液層53を排出するようにしてもよい。
【0061】
基板洗浄装置1は、以上に説明したように構成しており、制御手段27(コンピュータ)で読み取り可能な記録媒体73に記録した基板洗浄プログラムにしたがって各基板処理室11〜22で基板2を処理するようにしている。なお、記録媒体73は、基板洗浄プログラム等の各種プログラムを記録できる媒体であればよく、ROMやRAMなどの半導体メモリ型の記録媒体であってもハードディスクやCD−ROMなどのディスク型の記録媒体であってもよい。
【0062】
上記基板洗浄装置1では、基板洗浄プログラムによって図8に示す工程に従って以下に説明するようにして各基板処理室11〜22において基板2の処理を行うようにしている。なお、以下の説明では、代表して基板処理室11での基板2の処理について説明するが、他の基板処理室12〜22でも同様の処理を行う。
【0063】
まず、基板洗浄プログラムは、図8に示すように、基板搬送装置10から基板2を基板処理室11の基板保持手段23で受取る基板受取工程を実行する。
【0064】
この基板受取工程において基板洗浄プログラムは、制御手段27によって洗浄処理手段25のノズル本体43とリンス処理手段26のノズル本体68を退避位置に退避させるとともに、基板保持手段23の昇降機構33を制御してカップ32を所定位置まで降下させ、その後、基板搬送装置10から基板2を受け取り、基板2を基板保持体30で支持し、その後、制御手段27によって昇降機構33を制御してカップ32を所定位置まで上昇させる。
【0065】
次に、基板洗浄プログラムは、図8に示すように、基板受取工程で受取った基板2に対して洗浄液で洗浄処理する洗浄処理工程を実行する。
【0066】
この洗浄処理工程では、図8に示すように、まず、液層保持手段38でノズル本体43の下端部で液層53を保持する液層保持工程を実行する。
【0067】
この液層保持工程において基板洗浄プログラムは、制御手段27によって洗浄処理手段25の移動機構44及び昇降機構45を制御してノズル本体43を洗浄液貯留カップ34の開口部上方まで移動させるとともにノズル本体43の下端部が洗浄液貯留カップ34に貯留した洗浄液に浸漬するまで降下させる。
【0068】
また、基板洗浄プログラムは、制御手段27によって液層保持手段38の大気開放弁52を閉塞させるとともに開閉弁50を開放させた状態で吸引機構51を制御して洗浄液貯留カップ34に貯留した洗浄液をノズル本体43で洗浄液貯留部46が液密になるまで所定時間吸引し、その後、開閉弁50を閉塞させるとともに吸引機構51を停止させて、ノズル本体43の下端部の液層保持口47において洗浄液の表面張力によって下方に膨出した状態の液層53を保持し、その後、移動機構44及び昇降機構45を制御してノズル本体43を基板2の中央部上方の開始位置まで移動させる。これにより、液層保持手段38は、ノズル本体43の下端部の液層保持口47において洗浄液の表面張力によって下方に膨出した状態の液層53を保持するようにしている。液層53の形成は、吸引機構51で洗浄液を吸引する場合に限られず、大気開放弁52を開放させた状態でノズル本体43の下端部を洗浄液貯留カップ34に貯留した洗浄液に浸漬させ、その後、大気開放弁52を閉塞させることでノズル本体43の液層保持口47に洗浄液の液層53を形成するようにしてもよい。なお、基板洗浄プログラムは、制御手段27によって流量調整器36を制御して洗浄液供給源35から洗浄液を洗浄液貯留カップ34の内部に供給させて洗浄液貯留カップ34で所定量の洗浄液を貯留させておくようにしている。
【0069】
その後、洗浄処理工程では、図8に示すように、基板加熱手段39で加熱した基板2の表面に液層保持手段38で保持した液層53を近づけて基板2の表面と液層53との間に洗浄液の蒸気層74(図3参照。)を形成する蒸気層形成工程を実行する。
【0070】
この蒸気層形成工程において基板洗浄プログラムは、制御手段27によって基板加熱手段39の駆動機構56を制御して発光素子54から基板2の表面に向けて光を照射するとともに、液層保持手段38の移動機構44及び昇降機構45を制御してノズル本体43を基板2の中央部において基板2の表面とノズル本体43の下端との間に一定の間隙を形成するように基板2の表面から所定の距離まで降下させる。
【0071】
これにより、基板加熱手段39は、発光素子54から照射した光を基板2が吸収することで基板2を加熱するようにしている。ここで、基板加熱手段39は、基板2の表面が少なくとも洗浄液の沸点よりも高い温度となるように加熱し、洗浄液の液層53を基板2の表面に近づけることで洗浄液が沸騰(好ましくは膜沸騰)して洗浄液の蒸気が生成される温度にまで基板2の表面を加熱する。なお、基板処理室11の内部を減圧することで洗浄液の沸点を下げた状態で基板2の表面を基板加熱手段39で加熱するようにしてもよい。
【0072】
また、液層保持手段38は、基板2の表面とノズル本体43の下端との間に一定の間隙を形成し、ノズル本体43の下端で保持した液層53を基板加熱手段39で加熱された基板2の表面の熱によって加熱し、液層53の表面で洗浄液を沸騰させて洗浄液の蒸気を生成し、その蒸気によって基板2の表面と液層53との間に蒸気層74を形成するようにしている(図3参照。)。ここで、洗浄液の沸騰の状態は、基板2の表面の温度や基板2の表面の性質や基板周囲の気圧などの条件で変わるが、定常的な膜沸騰状態とするのが好ましい。基板加熱手段39によって洗浄液の液層53を基板2の表面の熱で膜沸騰させた場合には、洗浄液の沸騰の状態が定常化されて安定して基板2の洗浄を行うことができる。
【0073】
このように、加熱した基板2の表面に洗浄液の液層53を近づけると、図3(図4)に示すように、基板2の表面の熱で液層53が蒸発して基板2の表面と液層53との間に蒸気層74が形成される。すると、基板2の上面のパーティクル75は、洗浄液の蒸気の物理力で基板2の表面から除去され、蒸気層74の内部で対流及び熱拡散によって液層53の内部に取り込まれ、さらに、液層53の内部でも対流及び熱拡散によってノズル本体43の洗浄液貯留部46の内部に取り込まれる。これにより、基板2の表面のパーティクル75を除去することができる。なお、洗浄液は、蒸気となって蒸発するが、その後、パーティクル75とともに液層53の内部に戻ってくるために、ほとんど消費されない。
【0074】
また、蒸気層形成工程において基板洗浄プログラムは、制御手段27によって不活性ガス供給手段40の流量調整器61を制御して供給口57から不活性ガスを液層保持口47の周囲に供給させる。これにより、不活性ガス供給手段40は、液層保持口47で保持した液層53が外側に飛散してしまうの不活性ガスの吐出圧力で防止するとともに、不活性ガスで基板2の酸化を防止するようにしている。
【0075】
さらに、蒸気層形成工程において基板洗浄プログラムは、制御手段27によって吸引手段41の吸引機構66を制御して吸引口62から吸気させる。これにより、吸引手段41は、基板2の表面からパーティクル等を吸引するようにしている。
【0076】
その後、洗浄処理工程では、図8に示すように、液層保持手段38で保持した液層53を基板2の表面に沿って相対的に移動させる液層移動工程を実行する。
【0077】
この液層移動工程において基板洗浄プログラムは、制御手段27によって基板保持手段23の回転駆動機構31を制御してテーブル29及びテーブル29の基板保持体30で保持した基板2を所定回転速度で回転させたまま、かつ、洗浄処理手段25のノズル本体43の下端で液層53を保持させたまま、移動機構44及び昇降機構45を制御してノズルアーム42を水平に移動させることでノズル本体43を基板2の中央部から基板2の外周端縁部に移動させる。このように、液層保持手段38のノズル本体43の下端で保持した液層53を蒸気層74とともに基板2の表面に沿って相対的に移動させることで、基板2の表面全体を洗浄することができる。なお、基板2の表面のパーティクルは、液層53の内部に連続して取り込まれていく。
【0078】
その際に、基板洗浄装置1では、基板加熱手段39で基板2を部分的に加熱しながら基板洗浄ノズル37を基板2に沿って移動させている。そのため、基板2の洗浄に必要な最小限の範囲を基板加熱手段39で加熱すればよく、基板加熱手段39の小型化や省電力化を図ることができる。
【0079】
この液層移動工程において基板洗浄プログラムは、蒸気層形成工程に引き続き制御手段27によって不活性ガス供給手段40の流量調整器61を制御して供給口57から不活性ガスを液層保持口47の周囲に供給させ、液層保持口47で保持した液層53が外側に飛散してしまうのを不活性ガスの吐出圧力で防止するとともに、不活性ガスで基板2の酸化を防止しながら、基板2の表面を洗浄するようにしている。
【0080】
また、液層移動工程において基板洗浄プログラムは、蒸気層形成工程に引き続き制御手段27によって吸引手段41の吸引機構66を制御して吸引口62から吸気させ、基板2の表面からパーティクル等を吸引しながら基板2の表面を洗浄するようにしている。
【0081】
その後、洗浄処理工程では、図8に示すように、液層保持手段38で保持した液層53を排出する液層排出工程を実行する。
【0082】
この液層排出工程において基板洗浄プログラムは、制御手段27によって液層保持手段38の移動機構44及び昇降機構45を制御してノズルアーム42を水平に移動させることでノズル本体43を基板2の外周端縁部よりも外方まで移動させ、液層保持手段38の大気開放弁52を開放させる。これにより、液層保持手段38は、ノズル本体43の洗浄液貯留部46に貯留した洗浄液とともに液層53をノズル本体43から排出し、パーティクルを含む洗浄液をカップ32で回収するようにしている。このように、液層保持手段38で保持した洗浄液の液層53を基板2の外周端よりも外方で排出させることで、使用済みの液層53とともに基板2の表面から除去したパーティクルを同時に廃棄することができる。
【0083】
次に、基板洗浄プログラムは、図8に示すように、洗浄処理した基板2に対してリンス液でリンス処理するリンス処理工程を実行する。
【0084】
このリンス処理工程において基板洗浄プログラムは、制御手段27によって洗浄処理手段25の移動機構44及び昇降機構45を制御してノズル本体43を基板2の外周外方の退避位置に移動させるとともに、基板保持手段23の回転駆動機構31を制御してテーブル29及びテーブル29の基板保持体30で保持した基板2を所定回転速度で回転させたまま、リンス処理手段26の移動機構69を制御してノズル本体68を基板2の中央部上方の開始位置に移動させ、流量調整器71を開放及び流量制御してリンス液供給源70から供給されるリンス液をノズル本体68から基板2の上面に向けて一定時間吐出させ、その後、流量調整器71を閉塞制御してノズル本体68からのリンス液の吐出を停止し、移動機構69を制御してノズル本体68を基板2の外周外方の退避位置に移動させる。
【0085】
次に、基板洗浄プログラムは、図8に示すように、リンス処理した基板2を乾燥処理する乾燥処理工程を実行する。
【0086】
この乾燥処理工程において基板洗浄プログラムは、制御手段27によって基板保持手段23の回転駆動機構31を制御してテーブル29及びテーブル29の基板保持体30で保持した基板2をこれまでの液処理(洗浄処理、リンス処理)時よりも高速な回転速度で回転させることによって、遠心力の作用で基板2の上面からリンス液を振り切って基板2を乾燥させるようにしている。
【0087】
基板洗浄プログラムは、最後に、図8に示すように、基板2を基板処理室11の基板保持手段23から基板搬送装置10に受渡す基板受渡工程を実行する。
【0088】
この基板受渡工程において基板洗浄プログラムは、制御手段27によって基板保持手段23の昇降機構33を制御してカップ32を所定位置まで降下させ、その後、基板保持体30で支持した基板2を基板搬送装置10に受け渡し、その後、昇降機構33を制御してカップ32を所定位置まで上昇させる。なお、この基板受渡工程は、先の基板受取工程と同時に行うようにすることもできる。
【0089】
以上に説明したように、上記基板洗浄装置1では、加熱した基板2の表面に洗浄液の液層53を近づけることによって基板2の表面の熱で洗浄液の液層53を沸騰させて基板2の表面と洗浄液の液層53との間に洗浄液の蒸気層74を形成し、洗浄液の蒸気で基板2の表面を洗浄するようにしている。
【0090】
このように、上記基板洗浄装置1では、洗浄液の蒸気で基板2の表面を洗浄しているために、基板2の表面にダメージを与えることなく基板2の表面を良好に洗浄することができる。
【0091】
また、上記基板洗浄装置1では、蒸気となって一旦蒸発した洗浄液がパーティクルとともに液層53の内部に戻ってくるために、従来の2流体洗浄方式と比較して、洗浄液の消費量を低減することができ、洗浄処理に要するランニングコストを低減することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 基板洗浄装置 2 基板
3 キャリア 4 基板搬入出部
5 基板搬送部 6 基板処理部
7 前壁 8 基板搬送装置
9 基板受渡台 10 基板搬送装置
11〜22 基板処理室 23 基板保持手段
24 洗浄液供給手段 25 洗浄処理手段
26 リンス処理手段 27 制御手段
28 回転軸 29 テーブル
30 基板保持体 31 回転駆動機構
32 カップ 33 昇降機構
34 洗浄液貯留カップ 35 洗浄液供給源
36 流量調整器 37,37' 基板洗浄ノズル
38 液層保持手段 39,39' 基板加熱手段
40 不活性ガス供給手段 41 吸引手段
42 ノズルアーム 43,43' ノズル本体
44 移動機構 45 昇降機構
46 洗浄液貯留部 47,47' 液層保持口
48 連通孔 49 連通路
50 開閉弁 51 吸引機構
52 大気開放弁 53,53' 液層
54,54' 発光素子 55,55' レンズ
56 駆動機構 57 供給口
58 供給孔 59 供給路
60 不活性ガス供給源 61 流量調整器
62 吸引口 63 吸引孔
64 吸引路 65 開閉弁
66 吸引機構 67 ノズルアーム
68 ノズル本体 69 移動機構
70 リンス液供給源 71 流量調整器
72 リンス液供給流路 73 記録媒体
74 蒸気層 75 パーティクル
76 洗浄液供給源 77 開閉弁
78 排出ガス供給源 79 開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面を洗浄液で洗浄する基板洗浄ノズルにおいて、
前記洗浄液の液層を液層保持口で保持する液層保持手段と、
前記基板の表面を前記洗浄液の沸点以上に加熱する基板加熱手段と、
を有することを特徴とする基板洗浄ノズル。
【請求項2】
前記基板加熱手段を前記液層保持口に設けたことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄ノズル。
【請求項3】
前記基板加熱手段を前記液層保持口の基板洗浄ノズルが前記基板に対して相対的に移動する方向側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄ノズル。
【請求項4】
前記液層の周囲に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の基板洗浄ノズル。
【請求項5】
前記液層の周囲から吸気する吸引手段を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の基板洗浄ノズル。
【請求項6】
前記液層保持手段は、前記液層保持口を基板に沿って伸延させた形状としたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の基板洗浄ノズル。
【請求項7】
前記液層保持手段は、基板洗浄ノズルに洗浄液を供給するとともに基板洗浄ノズルに形成した液層を排出するための洗浄液供給排出機構を有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の基板洗浄ノズル。
【請求項8】
前記液層保持手段は、基板洗浄ノズルに形成した液層を排出用のガスで排出させるための液層排出機構を有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の基板洗浄ノズル。
【請求項9】
基板洗浄ノズルを用いて基板を洗浄液で洗浄する基板洗浄装置において、
前記基板洗浄ノズルは、
前記洗浄液の液層を液層保持口で保持する液層保持手段と、
前記基板の表面を前記洗浄液の沸点以上に加熱する基板加熱手段と、
を有することを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項10】
前記基板加熱手段を前記液層保持口に設けたことを特徴とする請求項9に記載の基板洗浄装置。
【請求項11】
前記基板加熱手段を前記液層保持口の基板洗浄ノズルが前記基板に対して相対的に移動する方向側に設けたことを特徴とする請求項9に記載の基板洗浄装置。
【請求項12】
前記液層の周囲に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を有することを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【請求項13】
前記液層の周囲から吸気する吸引手段を有することを特徴とする請求項9〜請求項12のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【請求項14】
前記液層保持手段は、前記液層保持口を基板に沿って伸延させた形状としたことを特徴とする請求項9〜請求項13のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【請求項15】
前記液層保持手段は、基板洗浄ノズルに洗浄液を供給するとともに基板洗浄ノズルに形成した液層を排出するための洗浄液供給排出機構を有することを特徴とする請求項9〜請求項14のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【請求項16】
前記液層保持手段は、基板洗浄ノズルに形成した液層を排出用のガスで排出させるための液層排出機構を有することを特徴とする請求項9〜請求項14のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【請求項17】
基板洗浄ノズルを用いて基板を洗浄液で洗浄する基板洗浄方法において、
前記基板洗浄ノズルに設けた液層保持手段の液層保持口で前記洗浄液の液層を保持するとともに、前記基板洗浄ノズルに設けた基板加熱手段で前記基板の表面を前記洗浄液の沸点以上に加熱し、
前記基板洗浄ノズルを前記基板の表面に近づけて、前記基板の表面の熱で前記洗浄液の液層を沸騰させて前記基板の表面と前記洗浄液の液層との間に前記洗浄液の蒸気の層を形成し、前記洗浄液の蒸気で前記基板の表面を洗浄することを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項18】
前記基板加熱手段を液層保持口に設け、前記基板加熱手段で前記液層保持口で保持する液層を加熱しながら前記基板の表面を洗浄することを特徴とする請求項17に記載の基板洗浄方法。
【請求項19】
前記基板洗浄ノズルを前記基板に対して相対的に移動させ、前記液層保持口の前記基板洗浄ノズルが前記基板に対して相対的に移動する方向側に設けた前記基板加熱手段で前記基板を加熱しながら前記基板の表面を洗浄することを特徴とする請求項17に記載の基板洗浄方法。
【請求項20】
前記液層の周囲に不活性ガスを供給して前記液層保持口で保持した前記液層が飛散するのを抑制しながら前記基板の表面を洗浄することを特徴とする請求項17〜請求項19のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項21】
前記液層の周囲から吸気して前記基板の表面からパーティクルを吸引しながら前記基板の表面を洗浄することを特徴とする請求項17〜請求項20のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項22】
前記液層保持口を基板に沿って伸延させた形状として、前記液層保持口に基板に沿って伸延させた形状に形成した液層で前記基板の表面を洗浄することを特徴とする請求項17〜請求項21のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項23】
洗浄後に前記基板洗浄ノズルに洗浄液を供給することで洗浄後の液層を排出するとともに新たに洗浄液の液層を形成することを特徴とする請求項17〜請求項22のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項24】
洗浄後に前記基板洗浄ノズルに排出用のガスを供給することで洗浄後の液層を排出することを特徴とする請求項17〜請求項23のいずれかに記載の基板洗浄方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−222254(P2012−222254A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88665(P2011−88665)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】