説明

多層発泡体の製造方法

【課題】空気だまりが発生し難く、且つ、発泡倍率を向上させることが可能な多層発泡体の製造方法を提供する。
【解決手段】発泡層(102)の外面に非発泡層(101)を有する多層樹脂(200)を押し出し、その多層樹脂(200)の最内面同士を接着し、多層樹脂積層体(201)を形成する。そして、多層樹脂積層体(201)の最外面とキャビティ面(12a,12b)との間に隙間が空くように多層樹脂積層体(201)を金型(11a,11b)で挟み込み型締めし、多層樹脂積層体(201)をキャビティ面(12a,12b)に沿った形状に成形し、多層発泡体を成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層発泡体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明より先に出願された技術文献として、多層パリソンを分割金型でコンプレッションし、多層パリソンの最内面同士を接着させ、多層発泡体を成形する方法について開示された文献がある(例えば、特許文献1:特開2004−82332号公報参照)。
【0003】
具体的には、図24に示すように、発泡層2、樹脂層3から構成される多層パリソン5をダイ21から押し出し、減圧用配管23が設けられた分割金型22a,22b間に多層パリソン5を配置する。そして、分割金型22a,22bで多層パリソン5を挟み込みながら分割金型22a,22bを閉鎖する。分割金型22a,22bを閉鎖して行くと、多層パリソン5は、キャビティ24内で圧縮されて扁平状に変形しながら分割金型22a,22bの内面に密着する。そして、図25に示すように、分割金型22a,22bの閉鎖が完了すると、多層パリソン5の内面側を構成する発泡層2同士の少なくとも一部が接着して一体化し、表皮層13付き発泡成形品発泡層12が成形される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−82332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1の方法のように、多層パリソン5を分割金型22a,22bでコンプレッションし、多層パリソン5の最内面同士の一部を接着させた場合には、多層パリソン5を構成する発泡層2の気泡を押し潰すことになるため、最終成形品である多層発泡体の発泡倍率を低下させてしまうことになる。
【0006】
また、多層パリソン5を分割金型22a,22bでコンプレッションし、多層パリソン5の最内面同士の一部を接着させた場合には、多層パリソン5の内部に空気が残存し、最終成形品である多層発泡体の内部に空気だまりが発生してしまうことになる。多層発泡体の内部に空気だまりが発生してしまうと、最終成形品である多層発泡体にヒケやソリが発生することになる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、空気だまりが発生し難く、且つ、発泡倍率を向上させることが可能な多層発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0009】
<多層発泡体の製造方法>
本発明にかかる多層発泡体の製造方法は、
発泡層の外面に非発泡層を有する多層樹脂を押し出す押出工程と、
前記多層樹脂の最内面同士を接着し、多層樹脂積層体を形成する接着工程と、
前記多層樹脂積層体の最外面とキャビティ面との間に隙間が空くように前記多層樹脂積層体を前記金型で挟み込み型締めする型締工程と、
前記多層樹脂積層体を前記キャビティ面に沿った形状に成形し、多層発泡体を成形する成形工程と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、多層樹脂を金型で型締めする前に、多層樹脂の最内面同士を接着し、多層樹脂積層体を形成するため、空気だまりが発生し難く、且つ、発泡倍率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態の多層発泡体100の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第1の図である。
【図3】第1の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第2の図である。
【図4】第1の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第3の図である。
【図5】第1の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第4の図である。
【図6】第1の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第5の図である。
【図7】第2の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第1の図である。
【図8】第2の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第2の図である。
【図9】第2の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第3の図である。
【図10】第2の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第4の図である。
【図11】第2の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第5の図である。
【図12】第3の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための図である。
【図13】第4の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための図である。
【図14】第5の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第1の図である。
【図15】第5の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第2の図である。
【図16】第5の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第3の図である。
【図17】第5の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第4の図である。
【図18】第6の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第1の図である。
【図19】第6の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第2の図である。
【図20】第6の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第3の図である。
【図21】第7の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第1の図である。
【図22】第7の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第2の図である。
【図23】第7の実施形態の多層発泡体100の製造方法例を説明するための第3の図である。
【図24】従来の多層発泡体の製造方法例を説明するための第1の図である。
【図25】従来の多層発泡体の製造方法例を説明するための第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<本実施形態の多層発泡体100の概要>
まず、図1〜図6、図13を参照しながら、本実施形態の多層発泡体100の概要について説明する。図1は、多層発泡体100の構成例を示し、図2〜図6、図13は、多層発泡体100の製造方法例を示す。
【0013】
本実施形態の多層発泡体100は、図1に示すように、非発泡層101と、発泡層102と、を有して構成する。
【0014】
本実施形態の多層発泡体100を製造する際は、まず、図2に示すように、発泡層102の外面に非発泡層101を有する多層樹脂(多層パリソン)200を押し出す。次に、図3に示すように、多層樹脂200の最内面同士を接着し、多層樹脂積層体201を形成する。次に、図4に示すように、多層樹脂積層体201の最外面とキャビティ面12a,12bとの間に隙間が空くように多層樹脂積層体201を分割金型11a,11bで挟み込み型締めする。そして、図5に示すように、多層樹脂積層体201をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形し、図6に示す多層発泡体100を成形する。
【0015】
本実施形態の多層発泡体100は、多層樹脂200を分割金型11a,11bで型締めする前に、多層樹脂200の最内面同士を接着し、多層樹脂積層体201を形成するため、空気だまりが発生し難く、且つ、発泡倍率を向上させることができる。なお、本実施形態において多層樹脂200は、図2〜図6に示す円筒状の多層パリソン200だけでなく、図13に示すシート状の多層シート200なども含まれる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の多層発泡体100について詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
<多層発泡体100の構成例>
まず、図1を参照しながら、本実施形態の多層発泡体100の構成例について説明する。
【0017】
本実施形態の多層発泡体100は、非発泡層101と、発泡層102と、を有して構成する。
【0018】
非発泡層101は、多層発泡体100の外側を構成し、発泡層102は、多層発泡体100の内側を構成する。
【0019】
本実施形態の多層発泡体100は、外側を非発泡層101で構成しているため、多層発泡体100の剛性を高めることができる。また、外側の非発泡層101が内側の発泡層102の破泡を抑制するため、高発泡倍率の発泡層102を構成することができる。
【0020】
非発泡層101は、公知の非発泡樹脂を用いて構成する。
【0021】
発泡層102は、発泡倍率が2.0倍以上であり、複数の気泡セルを有する独立気泡構造(独立気泡率が70%以上)の発泡樹脂で構成する。発泡層102の厚み方向における気泡セルの平均気泡径は、1000μm未満、好ましくは、300μm未満で構成する。
【0022】
発泡層102は、ポリプロピレン系樹脂で構成し、好ましくは、ポリプロピレン系樹脂に対し、1〜20wt%のポリエチレン及び/または5〜40wt%の水素添加スチレン系エラストマーを混合させたブレンド樹脂で構成する。
【0023】
なお、本実施形態において発泡倍率は、後述する本実施形態の成形方法で用いた熱可塑性樹脂の密度を、本実施形態の成形方法により得られた多層発泡体100の非発泡層101,発泡層102の壁面の見かけ密度で割った値を発泡倍率とした。
また、引張破壊伸びは、後述する本実施形態の成形方法により得られた多層発泡体100の非発泡層101,発泡層102の壁面を切り出し、−10℃で保管後に、JIS K-7113に準じて2号形試験片として引張速度を50mm/分で測定を行った値を引張破壊伸びとした。
また、引張弾性率は、後述する本実施形態の成形方法により得られた多層発泡体100の非発泡層101,発泡層102の壁面を切り出し、常温(23℃)で、JIS K-7113に準じて2号形試験片として引張速度を50mm/分で測定を行った値を引張弾性率とした。
【0024】
<多層発泡体100の製造方法例>
次に、図2〜図6を参照しながら、本実施形態の多層発泡体100の製造方法例について説明する。図2〜図6は、多層発泡体100の製造方法例を示す図である。
【0025】
本実施形態の多層発泡体100は、非発泡層101,発泡層102で構成する多層パリソン200を後述する分割金型11a,11bで挟み込んで成形する。
【0026】
多層パリソン200を形成する際は、非発泡層101,発泡層102を構成する各基材樹脂をそれぞれ個別の押出機(図示せず)内で溶融混練し、アキュムレータ(図示せず)のアキュム室に一時的に貯留し、一定間隔毎にダイ(図示せず)に供給し、非発泡層101,発泡層102を構成する各基材樹脂をダイ内で合流し、多層パリソン200を形成する。
【0027】
次に、図2に示すように、押出ヘッド10から多層パリソン200を押し出し、多層パリソン200を分割金型11a,11b間に配置する。押出ヘッド10から多層パリソン200を押し出すと、その押し出しと同時に多層パリソン200を構成する発泡層102が発泡する。
【0028】
非発泡層101,発泡層102を構成するための熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂などが適用可能である。但し、発泡層102を構成する熱可塑性樹脂としては、プロピレン単体を有するものが好ましく、具体的には、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体であることが好ましい。これにより、溶融張力が高くなるため、発泡層102を発泡し易くしたり、気泡セルも均一化し易くしたりすることができる。
【0029】
また、長鎖分岐構造を有するプロピレン単独重合体は、0.9以下の重量平均分岐指数を有するプロピレン単独重合体であることが好ましい。また、重量平均分岐指数は、v1/v2で表され、v1が分岐ポリオレフィンの極限粘度数、v2が分岐ポリオレフィンと同じ重量平均分子量を有する線状ポリオレフィンの極限粘度数である。
【0030】
また、非発泡層101,発泡層102を構成するための熱可塑性樹脂は、230℃におけるメルトテンション(MT)が30〜350mNの範囲内のポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。ここで、MTとは、溶融張力を意味する。発泡層102を構成するための熱可塑性樹脂のMTが30〜350mNの範囲内であると、ポリプロピレン系樹脂は歪み硬化性を示し、高い発泡倍率を得ることができる。なお、MTは、メルトテンションテスター(株式会社東洋精機製作所製)を用い、余熱温度230℃、押出速度5.7mm/分で、直径2.095mm、長さ8mmのオリフィスからストランドを押し出し、このストランドを直径50mmのローラに巻き取り速度100rpmで巻き取ったときの張力を示すものである。
【0031】
また、非発泡層101,発泡層102を構成するための熱可塑性樹脂は、230℃におけるメルトフローレイト(MFR)が1〜10であることが好ましい。ここで、MFRとは、JIS K-7210に順じて測定した値である。MFRが1未満であると、MFRが1〜10の範囲内にある場合と比較し、押出速度を上げることが困難になる傾向があり、MFRが10を超えると、MFRが1〜10の範囲内にある場合と比較し、ドローダウン等の発生によりブロー成形が困難になる傾向がある。
【0032】
発泡層102を構成するためのスチレン系エラストマーとしては、分子内に水素が添加されたスチレン単位を有するエラストマーが適用可能である。例えば、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体等の水素添加エラストマーが適用可能である。スチレン系エラストマーの配合割合は、熱可塑性樹脂に対して、成形性の観点から40wt%未満の範囲であることが好ましい。また、スチレン系エラストマー中のスチレンの含有量は、低温時の衝撃強度の観点から、30wt%未満であることが好ましく、20wt%未満であることがより好ましい。
【0033】
また、発泡層102を構成するためのポリエチレンとしては、低温時の衝撃強度の観点から、密度0.91g/cm3以下のものが適用可能である。特に、メタロセン系触媒により重合された直鎖状超低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。低密度ポリエチレンの配合割合は、上述した熱可塑性樹脂に対して、剛性及び耐熱性の観点から40wt%未満の範囲であることが好ましい。
【0034】
また、発泡層102を構成する基材樹脂には、スチレン系エラストマー、低密度のポリエチレン及び発泡剤以外に、核剤、着色剤等を添加することも可能である。
【0035】
発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水等の無機系発泡剤、または、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系発泡剤が挙げられる。これらの中でも、発泡剤は、空気、炭酸ガスまたは窒素ガスを用いることが好ましい。この場合、有機物の混入がなく、耐久性等の低下がない。
【0036】
発泡方法としては、超臨界流体を用いることが好ましい。特に、炭酸ガス、または、窒素ガスを超臨界状態とし、発泡層102を構成する基材樹脂を発泡させることが好ましい。この場合、均一かつ確実に発泡することができる。なお、窒素の超臨界流体は、窒素を臨界温度−149.1℃、臨界圧力3.4MPa以上とすることにより得られ、二酸化炭素の超臨界流体は、二酸化炭素を臨界温度31℃、臨界圧力7.4MPa以上とすることにより得られる。
【0037】
次に、図2に示すように、押出ヘッド10から押し出した多層パリソン200の下部側を下ピンチ13で塞ぎ、プリブローにより多層パリソン200を所定の大きさまで拡張する。これにより、多層パリソン200のしわを伸ばすことができる。また、多層パリソン200を構成する発泡層102の発泡倍率を大きくすることができる。
【0038】
なお、プリブローの方法は特に限定せず、例えば、押出ヘッド10側からプリブロー用のエアーを多層パリソン200の内部に吹き込むようにすることも可能である。また、下ピンチ13側から吹き込みノズルを多層パリソン200内に挿入し、下ピンチ13側からプリブロー用のエアーを多層パリソン200の内部に吹き込むようにすることも可能である。
【0039】
次に、図3に示すように、分割金型11a,11bを移動させ、分割金型11a,11b同士が締まる直前で分割金型11a,11bのキャビティ面12a,12bに配置された孔14,15から加圧エアーによる吹き込みを行い、多層パリソン200に圧力を加え、多層パリソン200の最内面同士を接着させ、多層パリソン積層体201を形成する。この時、押出ヘッド10側と、下ピンチ13側と、の少なくとも一方から多層パリソン200内の空気を吸引することが好ましい。これにより、多層パリソン積層体201を形成する際に、多層パリソン200内の空気を吸引し、多層パリソン積層体201の内部に空気だまりが発生するのを抑制することができる。
【0040】
多層パリソン積層体201を形成した後は、図4に示すように、多層パリソン積層体201の最外面とキャビティ面12a,12bとの間に隙間が空くように多層パリソン積層体201を分割金型11a,11bで挟み込み型締めする。そして、図5に示すように、分割金型11a,11bのキャビティ面12a,12bに配置された孔14,15から所定の圧力で真空吸引を行い、多層パリソン積層体201を構成する非発泡層101をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形すると共に、多層パリソン積層体201を構成する発泡層102を二次発泡させ、発泡層102の発泡倍率を更に大きくする。これにより、多層パリソン積層体201をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形し、高発泡倍率の多層発泡体100を成形することができる。
【0041】
次に、図6に示すように、分割金型11a,11bを後退させ、分割金型11a,11bを多層発泡体100から離型し、多層発泡体100を分割金型11a,11bから取り出す。
【0042】
<本実施形態の多層発泡体100の製造方法の作用・効果>
このように、本実施形態では、図2に示すように、発泡層102の外面に非発泡層101を有する多層パリソン200を分割金型11a,11b間に押し出し、図3に示すように、多層パリソン200の最外面に流体を吹き付け、多層パリソン200の最内面同士を接着し、多層パリソン積層体201を形成する。そして、図4に示すように、多層パリソン積層体201の最外面とキャビティ面12a,12bとの間に隙間が空くように多層パリソン積層体201を分割金型11a,11bで挟み込み型締めし、図5に示すように、多層パリソン積層体201をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形し、高発泡倍率の多層発泡体100を成形する。
【0043】
本実施形態では、多層パリソン200を分割金型11a,11bで型締めする前に、多層パリソン200の最外面に流体を吹き付け、多層パリソン200の最内面同士を接着し、多層パリソン積層体201を形成するため、多層パリソン200内に存在する空気の逃げ場を確保することができる。このため、多層パリソン積層体201を形成する際に、多層パリソン積層体201の内部に空気だまりを発生し難くすることができる。その結果、空気だまりが発生し難い多層発泡体100を製造することができる。
【0044】
また、本実施形態では、多層パリソン200の最外面に流体を吹き付け、多層パリソン200の最内面同士を接着し、多層パリソン積層体201を形成するため、多層パリソン200を構成する発泡層102の気泡を潰さずに、多層パリソン積層体201を形成することができる。その結果、最終成形品である多層発泡体100の発泡倍率を向上させることができる。
【0045】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0046】
第1の実施形態では、多層パリソン200の最外面に流体を吹き付け、多層パリソン200の最内面同士を接着し、多層パリソン積層体201を形成することにした。
【0047】
この場合は、図7に示すように、キャビティ面12a,12bに配置された孔14,15から加圧エアーによる吹き込みを行い、多層パリソン200に圧力を加え、多層パリソン200の最内面同士を接着させ、多層パリソン積層体201を形成することになる。図7は、分割金型11a,11bを上面から見た場合の断面を示している。図7では、各孔14-1〜14-5,15-1〜15-5から同じ圧力の加圧エアーを多層パリソン200に加えた場合を示している。しかし、図7に示すキャビティ面12bの形状を、図8に示すキャビティ面12bの形状のようにすることも可能である。図8に示すキャビティ面12bの形状は、分割金型11a,11bを型締めした際に、一対のキャビティ面12a,12bの中央部(孔14-3,15-3に相当する部分)での間隔が、一対のキャビティ面12a,12bの端部(例えば、孔14-1,15-1や、孔14-5,15-5に相当する部分)での間隔よりも小さい形状に形成し、各孔14-1〜14-5,15-1〜15-5から同じ圧力の加圧エアーを多層パリソン200に加えた際に、多層パリソン200の内部の空気が多層パリソン200の端部(例えば、孔14-1,15-1や、孔14-5,15-5に相当する部分)側に流れ易くするようにしている。これにより、多層パリソン200の中央部(孔14-3,15-3に相当する部分)に空気だまりが発生し難くすることができる。図8は、図7と同様に、分割金型11a,11bを上面から見た断面を示している。
【0048】
また、第1の実施形態では、図3に示すように、キャビティ面12a,12bに配置された孔14,15から加圧エアーによる吹き込みを行い、多層パリソン200に圧力を加え、多層パリソン200の最内面同士を接着させ、多層パリソン積層体201を形成することにした。
【0049】
しかし、図9(a)に示すように、キャビティ面12aに配置された各孔14a,14b,14cから異なる圧力の加圧エアーを多層パリソン200に加えるように構成し、各孔14a〜14c,15a〜15cから異なる圧力の加圧エアーを多層パリソン200に加えた際に、図9(b)に示すように、多層パリソン200の中央部(孔14b,15bに相当する部分)で受け付ける加圧エアーの圧力が、多層パリソン200の上下部(孔14a,15aや、孔14c,15cに相当する部分)で受け付ける加圧エアーの圧力よりも大きくなるようにすることも可能である。これにより、多層パリソン200の内部の空気が多層パリソン200の上下方向に流れ易くすることができるため、多層パリソン200の中央部に空気だまりが発生し難くすることができる。図9(a)の構成の場合は、キャビティ面12aに配置された孔14bから多層パリソン200に加える加圧エアーの圧力を強くし、孔14a,14cから多層パリソン200に加える加圧エアーの圧力を弱くするようにしている。
【0050】
なお、図9(a)では、キャビティ面12bに配置された孔15bから多層パリソン200に吹き込む加圧エアーの方向と、孔15a,15cから多層パリソン200に吹き込む加圧エアーの方向と、を異ならせ、多層パリソン200の内部の空気を多層パリソン200の上下方向に流れ易くするようにしている。しかし、図10に示すように、キャビティ面12bの形状を、分割金型11a,11bを型締めした際に、一対のキャビティ面12a,12bの中央部(孔15cに相当する部分)での間隔が、一対のキャビティ面12a,12bの端部(孔15a,孔15eに相当する部分)での間隔よりも小さい形状にすると共に、各孔15a〜15eから多層パリソン200に吹き込む加圧エアーの方向が同じになるように形成し、各孔15a〜15eから同じ圧力の加圧エアーを多層パリソン200に加えた際に、多層パリソン200の内部の空気が多層パリソン200の上下(例えば、孔15a,孔15eに相当する部分)方向に流れ易くするようにすることも可能である。これにより、多層パリソン200の内部の空気が多層パリソン200の上下方向に流れ易くすることができるため、多層パリソン200の中央部に空気だまりが発生し難くすることができる。
【0051】
また、図11に示すように、キャビティ面12bの中央部に孔15を多く形成し、中央部の孔15の形成密度を大きくし、キャビティ面12bの端部に孔15を少なく形成し、端部の孔15の形成密度を小さくし、図11に示す各孔15から同じ圧力の加圧エアーを多層パリソン200に加えた際に、図9(b)に示すように、多層パリソン200の中央部で受け付ける加圧エアーの圧力が、多層パリソン200の端部で受け付ける加圧エアーの圧力よりも大きくなるようにすることも可能である。即ち、図9(b)に示すように、多層パリソン200の中央部で受け付ける加圧エアーの圧力が、多層パリソン200の端部で受け付ける加圧エアーの圧力よりも大きくなるようにすることが可能であれば、その手法は、特に限定せず、例えば、図9(a)に示すように機械的な方法を用いたり、図11に示すように構造的な方法を用いたりすることが可能である。
【0052】
<本実施形態の多層発泡体100の製造方法の作用・効果>
このように、本実施形態では、図8に示すように、キャビティ面12bの形状を、分割金型11a,11bを型締めした際に、一対のキャビティ面12a,12bの中央部(孔14-3,15-3に相当する部分)での間隔が、一対のキャビティ面12a,12bの端部(例えば、孔14-1,15-1や、孔14-5,15-5に相当する部分)での間隔よりも小さい形状で構成し、各孔14-1〜14-5,15-1〜15-5から同じ圧力の加圧エアーを多層パリソン200に加えた際に、多層パリソン200の内部の空気が多層パリソン200の端部(例えば、孔14-1,15-1や、孔14-5,15-5に相当する部分)側に流れ易くするように構成する。
【0053】
また、図9(b)に示すように、多層パリソン200の中央部で受け付ける加圧エアーの圧力が、多層パリソン200の端部で受け付ける加圧エアーの圧力よりも大きくなるように構成する。
【0054】
これにより、多層パリソン200の内部の空気が多層パリソン200の端部側に流れ、多層パリソン200の中央部に空気だまりが発生し難くすることができる。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
【0056】
第1、第2の実施形態では、多層パリソン200の最外面に流体を吹き付け、多層パリソン200の最内面同士を接着し、多層パリソン積層体201を形成することにした。
【0057】
第3の実施形態は、図12に示すように、圧着ローラ24を用いて多層パリソン200の最内面同士を接着し、多層パリソン積層体201を形成する。これにより、第1、第2の実施形態と同様に空気だまりのない多層パリソン積層体201を形成することができる。以下、図12を参照しながら、第3の実施形態について説明する。
【0058】
<多層発泡体100の製造方法例>
まず、図12を参照しながら、本実施形態の多層発泡体100の製造方法例について説明する。図12は、多層発泡体100の製造方法例を示す図である。
【0059】
本実施形態では、押出ヘッド10から押し出された多層パリソン200を一対の圧着ローラ24間で挟み込んで、多層パリソン200の最内面同士を接着させ、多層パリソン積層体201を形成する。
【0060】
本実施形態では、一対の圧着ローラ24間で多層パリソン200を挟み込んでいるため、多層パリソン200の最内面同士を広い面積で連続的に密着させることができ、且つ、多層パリソン積層体201の厚みも一定にすることができる。
【0061】
但し、多層パリソン200を圧着ローラ24で挟み込む時の圧着ローラ24の圧力は、最終成形品となる多層発泡体100の発泡倍率を低下させないようにするため、多層パリソン200の発泡層102の気泡を極力潰さない程度の圧力であることが好ましく、具体的には、1kg/cm2以下であることが好ましい。これにより、多層パリソン200を圧着ローラ24で挟み込んでも、発泡層102の気泡が潰れにくいので、最終成形品となる多層発泡体100の成形性を向上させることができる。また、圧着ローラ24で多層パリソン積層体201を形成する際は、多層パリソン積層体201の表面にしわが発生しないようにするために、圧着ローラ24で多層パリソン積層体201を形成する前に、多層パリソン200に対してプリブローを行うことが好ましい。この場合は、押出ヘッド10側からプリブロー用のエアーを多層パリソン200の内部に吹き込むことになる。
【0062】
また、圧着ローラ24で多層パリソン積層体201を形成する際は、押出ヘッド10側から多層パリソン200内の空気を吸引することが好ましい。これにより、多層パリソン200の最内面同士が接着する部分に空気だまりが発生するのを防止することができる。但し、押出ヘッド10側からプリブロー用のエアーを多層パリソン200の内部に吹き込み、且つ、多層パリソン200の内部の空気を吸引する場合は、吹き込み処理と、吸引処理と、を動的に変更する必要がある。
【0063】
圧着ローラ24で多層パリソン積層体201を形成した後は、その多層パリソン積層体201を分割金型11a,11b間に搬送し、第1の実施形態と同様に、多層パリソン積層体201の最外面とキャビティ面12a,12bとの間に隙間が空くように多層パリソン積層体201を分割金型11a,11bで挟み込み型締めする。そして、分割金型11a,11bのキャビティ面12a,12bに配置された孔14,15から所定の圧力で真空吸引を行い、多層パリソン積層体201を構成する非発泡層101をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形すると共に、多層パリソン積層体201を構成する発泡層102を二次発泡させ、発泡層102の発泡倍率を大きくする。これにより、多層パリソン積層体201をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形し、高発泡倍率の多層発泡体100を成形することができる。
【0064】
次に、分割金型11a,11bを後退させ、分割金型11a,11bを多層発泡体100から離型し、多層発泡体100を分割金型11a,11bから取り出す。
【0065】
<本実施形態の多層発泡体100の製造方法の作用・効果>
このように、本実施形態では、図12に示すように、発泡層102の外面に非発泡層101を有する多層パリソン200を一対の圧着ローラ24間で挟み込んで、多層パリソン200の最内面同士を接着させ、多層パリソン積層体201を形成する。
【0066】
これにより、多層パリソン200を分割金型11a,11bで型締めする前に、一対の圧着ローラ24を用いて多層パリソン200の内面同士を接着し、多層パリソン積層体201を形成することができるため、多層パリソン積層体201を形成する際に、多層パリソン積層体201の内部に空気だまりを発生し難くすることができる。その結果、空気だまりが発生し難い多層発泡体100を製造することができる。
【0067】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
【0068】
上述した第1〜第3の実施形態では、円筒状の多層パリソン200を用いて多層発泡体100を成形することにした。しかし、第1〜第3の実施形態においても溶融状態の複数のシート状の多層シート200を用いて多層発泡体100を成形することも可能である。以下、図13を参照しながら、本実施形態の多層発泡体100について説明する。
【0069】
<多層発泡体100の製造方法例>
まず、図13を参照しながら、本実施形態の多層発泡体100の製造方法例について説明する。図13は、本実施形態の多層発泡体100を成形する成形装置の構成例を示す図である。
【0070】
本実施形態の多層発泡体100を成形するための成形装置は、押出装置1と、型締装置2と、を有して構成し、押出装置1から溶融状態の熱可塑性樹脂シート18,19を型締装置2に押し出し、型締装置2で熱可塑性樹脂シート18,19を型締めし、図1に示す多層発泡体100を成形する。第1の熱可塑性樹脂シート18は、外側を非発泡層101で構成し、内側を発泡層102で構成している。また、第2の熱可塑性樹脂シート19は、外側を非発泡層101で構成し、内側を発泡層102で構成している。
【0071】
押出装置1は、第1のアキュムレータ31と、第2のアキュムレータ32と、第1のプランジャー33と、第2のプランジャー34と、第1のTダイ35と、第2のTダイ36と、第1の押出機37と、第2の押出機38と、第1の熱可塑性樹脂供給ホッパ39と、第2の熱可塑性樹脂供給ホッパ40と、第1の一対のローラ41と、第2の一対のローラ42と、を有して構成する。
【0072】
型締装置2は、分割金型11a,11bを有して構成する。分割金型11a,11bは、キャビティ12a,12bを有して構成する。
【0073】
まず、図13に示すように、一方の非発泡層101,発泡層102を構成するための熱可塑性樹脂シート18を第1のTダイ35から押し出し、第1の熱可塑性樹脂シート18を一対の分割金型11a,11bの間に垂下させる。第1の熱可塑性樹脂シート18は、外側を非発泡層101で構成し、内側を発泡層102で構成する。
【0074】
また、図13に示すように、他方の非発泡層101,発泡層102を構成するための熱可塑性樹脂シート19を第2のTダイ36から押し出し、第2の熱可塑性樹脂シート19を一対の分割金型11a,11bの間に垂下させる。第2の熱可塑性樹脂シート19は、外側を非発泡層101で構成し、内側を発泡層102で構成する。これにより、第1の熱可塑性樹脂シート18及び第2の熱可塑性樹脂シート19で構成する多層シート200を形成する。
【0075】
なお、一対の分割金型11a,11bの間に垂下された熱可塑性樹脂シート18,19は、ドローダウン、ネックインなどにより肉厚のバラツキが発生するのを防止するため、樹脂シートの厚み、押出速度、押出方向の肉厚分布などを個別に調整することが必要になる。
【0076】
第1の熱可塑性樹脂シート18は、非発泡層101,発泡層102を構成する各基材樹脂をそれぞれ個別の第1の押出機37内で溶融混練し、第1のアキュムレータ31のアキュム室に一時的に貯留し、一定間隔毎に第1のプランジャー33によって第1のTダイ35に供給し、非発泡層101,発泡層102を構成する各基材樹脂を第1のTダイ35内で合流し、外側を非発泡層101で構成し、内側を発泡層102で構成する第1の熱可塑性樹脂シート18を形成する。
【0077】
また、第2の熱可塑性樹脂シート19も、第1の熱可塑性樹脂シート18と同様に、非発泡層101,発泡層102を構成する各基材樹脂をそれぞれ個別の第2の押出機38内で溶融混練し、第2のアキュムレータ32のアキュム室に一時的に貯留し、一定間隔毎に第2のプランジャー34によって第2のTダイ36に供給し、非発泡層101,発泡層102を構成する各基材樹脂を第2のTダイ36内で合流し、外側を非発泡層101で構成し、内側を発泡層102で構成する第2の熱可塑性樹脂シート19を形成する。
【0078】
第1のTダイ35により押し出された第1の熱可塑性樹脂シート18は、第1の一対のローラ41,41によって挟圧されて一対の分割金型11a,11b間に配置される。また、第2のTダイ36により押し出された第2の熱可塑性樹脂シート19は、第2の一対のローラ42,42によって挟圧されて一対の分割金型11a,11b間に配置される。この時、第1の熱可塑性樹脂シート18及び第2の熱可塑性樹脂シート19の厚み、肉厚分布などを個別に調整することになる。
【0079】
第1のTダイ35及び第2のTダイ36にそれぞれ供給された熱可塑性樹脂は、図示しない各Tダイ本体のマニホールドから樹脂流路を通ってスリットから樹脂シートとして押し出される。各Tダイ本体は、一方のダイ及び他方のダイを重ね合わせて構成し、各Tダイ本体の先端部分において一方のダイリップ及び他方のダイリップがスリット隙間をもって対向しており、スリット隙間の間隔は、スリット隙間調整装置43により設定される。
【0080】
第1のTダイ35及び第2のTダイ36から押し出される樹脂シートの厚みは、スリット隙間により決定されるが、そのスリット隙間は、公知のスリット隙間調整装置43によって樹脂シートの幅方向における均一性が調整されることになる。更に、図示しないスリット隙間駆動装置により、間欠的に押し出される樹脂シートの押出開始から樹脂シートの押出終了までの間で他方のダイリップを変動させて、樹脂シートの押出方向の厚みが調整されることになる。
【0081】
スリット隙間調整装置43としては、熱膨張式または機械式があり、その両方の機能を併せ持つ装置を用いることが好ましい。スリット隙間調整装置43は、スリットの幅方向に沿って等間隔に複数配置され、各スリット隙間調整装置43によってスリット隙間をそれぞれ狭くしたり、広くしたりすることで幅方向における樹脂シートの厚みを均一なものにすることができる。
【0082】
第1のTダイ35及び第2のTダイ36から押し出された樹脂シートは、一対の分割金型11a,11b間に垂下された状態で、つまり、型締めされる時点において押出方向の厚みが均一となるように調整することが好ましい。この場合、スリット隙間を、樹脂シートの押出開始から徐々に広げ、樹脂シートの押出終了時に最大となるように変動させる。
【0083】
これにより、第1のTダイ35及び第2のTダイ36から押し出される樹脂シートの厚みは、樹脂シートの押出開始から徐々に厚くなるが、溶融状態で押し出された樹脂シートは、自重により引き伸ばされて樹脂シートの下方から上方へ徐々に薄くなるため、スリット隙間を広げて厚く押し出した分とドローダウン現象により引き伸ばされて薄くなった分とが相殺されて、樹脂シート上方から下方にわたって均一な厚みに調整することができる。
【0084】
一対の分割金型11a,11bの間に熱可塑性樹脂シート18,19を垂下し、多層シート200を形成した後は、第1の実施形態と同様に、図3に示すように、分割金型11a,11bを移動させ、分割金型11a,11b同士が締まる直前で分割金型11a,11bのキャビティ面12a,12bに配置された孔14,15から加圧エアーによる吹き込みを行い、第1の熱可塑性樹脂シート18と第2の熱可塑性樹脂シート19とで構成する多層シート200に圧力を加え、多層シート200の最内面同士を接着させ、多層シート積層体201を形成する。
【0085】
多層シート積層体201を形成した後は、図4に示すように、多層シート積層体201の最外面とキャビティ面12a,12bとの間に隙間が空くように多層シート積層体201を分割金型11a,11bで挟み込み型締めする。そして、図5に示すように、分割金型11a,11bのキャビティ面12a,12bに配置された孔14,15から所定の圧力で真空吸引を行い、多層シート積層体201を構成する非発泡層101をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形すると共に、多層シート積層体201を構成する発泡層102を二次発泡させ、発泡層102の発泡倍率を更に大きくする。これにより、多層シート積層体201をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形し、高発泡倍率の多層発泡体100を成形することができる。
【0086】
次に、図6に示すように、分割金型11a,11bを後退させ、分割金型11a,11bを多層発泡体100から離型し、多層発泡体100を分割金型11a,11bから取り出す。
【0087】
<本実施形態の多層発泡体100の製造方法の作用・効果>
このように、本実施形態では、図13に示すように、発泡層102の外面に非発泡層101を有する多層シート200を分割金型11a,11b間に押し出し、後は、第1の実施形態と同様に、図3に示すように、多層シート200の最外面に流体を吹き付け、多層シート200の最内面同士を接着し、多層シート積層体201を形成する。そして、図4に示すように、多層シート積層体201の最外面とキャビティ面12a,12bとの間に隙間が空くように多層シート積層体201を分割金型11a,11bで挟み込み型締めし、図5に示すように、多層シート積層体201をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形し、高発泡倍率の多層発泡体100を成形する。
【0088】
本実施形態では、多層シート200を分割金型11a,11bで型締めする前に、多層シート200の最外面に流体を吹き付け、多層シート200の最内面同士を接着し、多層シート積層体201を形成するため、多層シート200内に存在する空気の逃げ場を確保することができる。このため、多層シート積層体201を形成する際に、多層シート積層体201の内部に空気だまりを発生し難くすることができる。その結果、空気だまりが発生し難い多層発泡体100を製造することができる。
【0089】
また、本実施形態では、多層シート200の最外面に流体を吹き付け、多層シート200の最内面同士を接着し、多層シート積層体201を形成するため、多層シート200を構成する発泡層102の気泡を潰さずに、多層シート積層体201を形成することができる。その結果、最終成形品である多層発泡体100の発泡倍率を向上させることができる。
【0090】
なお、上述した実施形態では、溶融状態の熱可塑性樹脂シートを用いて型締めし、多層発泡体100を成形する好適な成形方法を用いた場合について説明した。しかし、上記実施形態で説明した成形方法に限定せず、例えば、特開2009−233960号公報等に開示されている成形方法(固形化した板状のシートを、再加熱し、その再加熱したシートをブロー成形して多層発泡体100を成形する方法)等を適用して成形することも可能である。
【0091】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
【0092】
第1〜第4の実施形態は、非発泡層101、発泡層102で構成する多層発泡体100を成形することにした。
【0093】
第5の実施形態は、分割金型11a,11bに表皮材103を配置し、表皮材103を有する多層発泡体100を成形する。以下、図14〜図17を参照しながら、本実施形態の多層発泡体100について詳細に説明する。
【0094】
本実施形態では、図14に示すように、分割金型11a,11bと多層パリソン200との間に表皮材103を配置し、表皮材103を有する多層発泡体100を成形する。
【0095】
表皮材103は、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨンなどの再生繊維、アセテート、レーヨンなどの半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどの合成繊維、およびこれらのブレンド繊維を加工して得られる編物、織物、不織布等の繊維シートである。表皮材103は、布の広がり方向に対して垂直な外方に向けて起毛状態の毛羽を有する起毛した布地や剪毛した布地とすることが意匠的に好適であるが、表皮材103は、毛羽を有しないものでも適用可能である。また、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂製の樹脂シートとすることも可能である。樹脂シートは、クッション性、表皮材103と多層パリソン200等との間のエア溜り防止、表皮材103と多層パリソン200等との貼着強度の向上のため不織布などの繊維シート、発泡シートまたは公知の裏打ち材などを積層することができる。このうち、ポリエステル、ポリプロピレンまたはポリアミドからなる合成繊維よりなる目付重量が100g/m2以上の不織布であることが成形性の観点から特に好ましい。
【0096】
表皮材103は、多層発泡体100の表面側および裏面側のうち主に表面側に貼着されるものであるが、表面側および裏面側の双方に表皮材103を設けることで、多層発泡体100が露出することがないように全面にわたって表皮材103で覆うこともできる。
【0097】
ここで、表面側および裏面側の双方に貼着される表皮材103のうち少なくとも一方、特に、裏面側に貼着される表皮材103を曲げ弾性率が21000kg/cm2以上、かつ、厚さ1.0mm以下の補強シートまたは破断強度が90kg/m2以上の不織布とすることができる。
【0098】
補強シートとしては、ガラス繊維、タルク等の無機強化材を添加した強化樹脂シートまたはガラス繊維、炭素繊維等のからなる繊維補強シートなどが好適である。
【0099】
ブロー成形時に表皮材103を多層パリソン200に貼着するのに充分な温度は、分割金型11a,11b間に配置された表皮材103に溶融状態の多層パリソン200が接触し、不織布等の繊維の目に入り込みアンカー効果により一体に固着するために必要な温度である。多層パリソン200の温度が低いと、多層パリソン200の流動性は低下し、表皮材103との固着強度が低下し、剥がれ等の問題が生じることになる。なお、ブロー成形時に表皮材103を一体に貼着するのに充分な温度として、ポリオレフィン系樹脂においては一般に溶融状態として押し出す際の温度または予備成形した樹脂シートを過熱溶融させる際の温度を185℃以上、好ましくは、190℃以上とする必要がある。
【0100】
<多層発泡体100の製造方法例>
次に、図14〜図17を参照しながら、本実施形態の多層発泡体100の製造方法例について説明する。図14〜図17は、多層発泡体100の製造方法例を示す図である。
【0101】
まず、図14に示すように、分割金型11a,11bと多層パリソン200との間に表皮材103を配置する。なお、表皮材103が通気性のない材料で構成している場合は、図14に示すように、表皮材103の上部側だけ分割金型11a,11bに取り付ける。
【0102】
次に、図14に示すように、押出ヘッド10から多層パリソン200を押し出し、多層パリソン200を分割金型11a,11b間に配置する。そして、押出ヘッド10から押し出した多層パリソン200の下部側を下ピンチ13で塞ぎ、プリブローにより多層パリソン200を所定の大きさまで拡張する。
【0103】
次に、図15に示すように、分割金型11a,11bを移動させ、分割金型11a,11b同士が締まる直前で分割金型11a,11bのキャビティ面12a,12bに配置された孔14,15から加圧エアーによる吹き込みを行い、表皮材103と共に多層パリソン200に圧力を加え、表皮材103と多層パリソン200の最外面とを接着させると共に、多層パリソン200の最内面同士を接着させ、表皮材103を有する多層パリソン積層体201を形成する。本実施形態の表皮材103は、通気性のない材料で構成しているため、孔14,15から加圧エアーによる吹き込みを行った場合に、表皮材103が加圧エアーの圧力を受け付けることになる。このため、加圧エアーの圧力により表皮材103を多層パリソン200の最外面に接着させると共に、多層パリソン200の最内面同士を接着させることになる。
【0104】
表皮材103を有する多層パリソン積層体201を形成した後は、図16に示すように、表皮材103とキャビティ面12a,12bとの間に隙間が空くように多層パリソン積層体201を分割金型11a,11bで挟み込み型締めする。そして、図17に示すように、分割金型11a,11bのキャビティ面12a,12bに配置された孔14,15から所定の圧力で真空吸引を行い、表皮材103をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形すると共に、多層パリソン積層体201を構成する発泡層102を二次発泡させ、発泡層102の発泡倍率を更に大きくする。これにより、表皮材103を有する多層パリソン積層体201をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形し、表皮材103を有する高発泡倍率の多層発泡体100を成形することができる。
【0105】
<本実施形態の多層発泡体100の製造方法の作用・効果>
このように、本実施形態では、図14に示すように、分割金型11a,11bと多層パリソン200との間に表皮材103を配置する。そして、多層パリソン200を分割金型11a,11b間に押し出し、図15に示すように、表皮材103に流体を吹き付け、表皮材103を多層パリソン200の最外面に接着させると共に、多層パリソン200の最内面同士を接着させ、表皮材103を有する多層パリソン積層体201を形成する。そして、図16に示すように、表皮材103とキャビティ面12a,12bとの間に隙間が空くように多層パリソン積層体201を分割金型11a,11bで挟み込み型締めし、図17に示すように、表皮材103を有する多層パリソン積層体201をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形し、表皮材103を有する高発泡倍率の多層発泡体100を成形する。これにより、表皮材103を有する多層発泡体100を成形することができる。
【0106】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。
【0107】
第5の実施形態では、通気性のない表皮材103を用いて多層発泡体100を成形することにした。
【0108】
本実施形態では、通気性のある表皮材103を用いて多層発泡体100を成形する。以下、図18〜図20を参照しながら、本実施形態の多層発泡体100について詳細に説明する。
<多層発泡体100の製造方法例>
まず、図18〜図20を参照しながら、本実施形態の多層発泡体100の製造方法例について説明する。図18〜図20は、多層発泡体100の製造方法例を示す図である。
【0109】
まず、図18に示すように、分割金型11a,11bと多層パリソン200との間に表皮材103を配置する。なお、本実施形態では、表皮材103が通気性のある材料で構成しているため、図18に示すように、表皮材103の上部側及び下部側を分割金型11a,11bに取り付ける。これにより、表皮材103を固定することができる。
【0110】
次に、図19に示すように、分割金型11a,11bを移動させ、分割金型11a,11b同士が締まる直前で分割金型11a,11bのキャビティ面12a,12bに配置された孔14,15から加圧エアーによる吹き込みを行い、表皮材103を介して多層パリソン200に圧力を加え、多層パリソン200の最内面同士を接着させ、多層パリソン積層体201を形成する。本実施形態の表皮材103は、通気性のある材料で構成しているため、孔14,15から加圧エアーによる吹き込みを行った場合に、表皮材103を通過した加圧エアーの圧力を多層パリソン200が受け付けることになる。このため、多層パリソン200の最内面同士が接着することになる。
【0111】
多層パリソン積層体201を形成した後は、図20に示すように、多層パリソン積層体201を分割金型11a,11bで挟み込み型締めし、表皮材103を多層パリソン積層体201の最外面に接着する。この場合、表皮材103の上部側または下部側を分割金型11a,11bから取り外した方が好ましい。これにより、表皮材103を多層パリソン積層体201の最外面に容易に接着することができる。
【0112】
次に、図17に示すように、分割金型11a,11bのキャビティ面12a,12bに配置された孔14,15から所定の圧力で真空吸引を行い、表皮材103をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形すると共に、多層パリソン積層体201を構成する発泡層102を二次発泡させ、発泡層102の発泡倍率を更に大きくする。これにより、表皮材103を有する多層パリソン積層体201をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形し、表皮材103を有する高発泡倍率の多層発泡体100を成形することができる。
【0113】
<本実施形態の多層発泡体100の製造方法の作用・効果>
このように、本実施形態では、図18に示すように、分割金型11a,11bと多層パリソン200との間に表皮材103を配置する。そして、多層パリソン200を分割金型11a,11b間に押し出し、図19に示すように、表皮材103を介して多層パリソン200に流体を吹き付け、多層パリソン200の最内面同士を接着させ、多層パリソン積層体201を形成する。そして、図20に示すように、多層パリソン積層体201を分割金型11a,11bで挟み込み型締めし、表皮材103を多層パリソン積層体201の最外面に接着し、表皮材103を有する多層パリソン積層体201をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形し、表皮材103を有する高発泡倍率の多層発泡体100を成形する。これにより、表皮材103を有する多層発泡体100を成形することができる。
【0114】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。
【0115】
第5、第6の実施形態では、表皮材103、または、表皮材103を介して多層パリソン200に流体を吹き付け、多層パリソン200の最内面同士を接着し、多層パリソン積層体201を形成し、表皮材103を有する多層発泡体100を成形することにした。
【0116】
第7の実施形態は、図21に示すように、圧着ローラ24を用いて多層パリソン200の最内面同士を接着し、多層パリソン積層体201を形成した後に、多層パリソン積層体201の最外面に表皮材103を接着し、表皮材103を有する多層発泡体100を成形する。これにより、第4、第5の実施形態と同様に、表皮材103を有する多層発泡体100を成形することができる。以下、図21〜図23を参照しながら、第6の実施形態について説明する。
【0117】
まず、図21に示すように、分割金型11a,11bと多層パリソン200との間に表皮材103を配置する。なお、本実施形態では、図21に示すように、表皮材103の上部側及び下部側を分割金型11a,11bに取り付ける。これにより、表皮材103を固定することができる。
【0118】
次に、押出ヘッド10から多層パリソン200を押し出し、押出ヘッド10から押し出された多層パリソン200を一対の圧着ローラ24間で挟み込んで、多層パリソン200の最内面同士を接着させ、多層パリソン積層体201を形成する。
【0119】
多層パリソン積層体201を形成した後は、図22に示すように、分割金型11a,11bを移動させ、多層パリソン積層体201を分割金型11a,11bで挟み込み型締めし、表皮材103を多層パリソン積層体201の最外面に接着する。この場合、表皮材103の上部側または下部側を分割金型11a,11bから取り外した方が好ましい。これにより、表皮材103を多層パリソン積層体201の最外面に容易に接着することができる。
【0120】
次に、図23に示すように、分割金型11a,11bのキャビティ面12a,12bに配置された孔14,15から所定の圧力で真空吸引を行い、表皮材103をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形すると共に、多層パリソン積層体201を構成する発泡層102を二次発泡させ、発泡層102の発泡倍率を更に大きくする。これにより、表皮材103を有する多層パリソン積層体201をキャビティ面12a,12bに沿った形状に成形し、表皮材103を有する高発泡倍率の多層発泡体100を成形することができる。
【0121】
<本実施形態の多層発泡体100の製造方法の作用・効果>
このように、本実施形態では、図21に示すように、圧着ローラ24を用いて多層パリソン200の最内面同士を接着し、多層パリソン積層体201を形成した後に、多層パリソン積層体201の最外面に表皮材103を接着し、表皮材103を有する高発泡倍率の多層発泡体100を成形する。これにより、表皮材103を有する多層発泡体100を成形することができる。
【0122】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0123】
例えば、上述した第5〜第7の実施形態では、多層パリソン200を用いた場合について説明した。しかし、第5〜第7の実施形態でも、第4の実施形態と同様に多層シート200を用いて行うことも可能である。
【0124】
また、上述した実施形態では、リブのない分割金型11a,11bを用いて多層発泡体100を成形することにした。しかし、リブのある分割金型11a,11bを用いて多層発泡体100を成形することも可能である。分割金型11a,11bにリブを設けることで、分割金型11a,11b同士を型締めした際に、リブが多層パリソン200に接触し、多層パリソン200の最内面同士を接着することになるため、多層パリソン200内部に空気だまりを更に発生し難くすることができる。また、リブにより、多層発泡体100の表面に凹部が形成されることになるため、多層発泡体100の容積を軽減し、多層発泡体100の軽量化を図ることも可能となる。このため、多層発泡体100の使用用途に応じてリブのある分割金型11a,11bを用いて、多層発泡体100を成形することも可能である。
【0125】
また、上述した実施形態では、多層発泡体100は、非発泡層101、発泡層102を各々1層有して構成することにした。しかし、多層発泡体100は、発泡層102、非発泡層101を各々少なくとも1層有して構成していれば、あらゆる層構成で構成することも可能である。
【0126】
また、上記実施形態では、2つの分割金型11a,11bを用いた場合について説明した。しかし、分割金型11a,11bは、2つに限定するものではなく、任意の数の分割金型を用いることも可能である。
【0127】
また、上述した実施形態では、自動車に好適な多層発泡体100について説明した。しかし、本実施形態の多層発泡体100は、自動車に限定するものではなく、多層発泡体100の形状を適宜設計変更し、列車、船舶、航空機等の輸送機にも適用することができる。なお、本実施形態の多層発泡体100は、軽量化及び低コスト化を図ることができるため、輸送機のコストを低減することができると共に、輸送機の燃費も向上させることができる。また、本実施形態の多層発泡体100は、建材用、各種電気機器のハウジング用、スポーツ・レジャー用部材などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0128】
100 多層発泡体
101 非発泡層
102 発泡層
103 表皮材
200 多層パリソン、多層シート(多層樹脂)
201 多層パリソン積層体、多層シート積層体(多層樹脂積層体)
10 押出ヘッド
11a、11b 分割金型
12a、12b キャビティ面
13 下ピンチ
14、15 孔
24 圧着ローラ
1 押出装置
2 型締装置
31 第1のアキュムレータ
32 第2のアキュムレータ
33 第1のプランジャー
34 第2のプランジャー
35 第1のTダイ
36 第2のTダイ
37 第1の押出機
38 第2の押出機
39 第1の熱可塑性樹脂供給ホッパ
40 第2の熱可塑性樹脂供給ホッパ
41 第1の一対のローラ
42 第2の一対のローラ
43 スリット隙間調整装置
18 第1の熱可塑性樹脂シート
19 第2の熱可塑性樹脂シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡層の外面に非発泡層を有する多層樹脂を押し出す押出工程と、
前記多層樹脂の最内面同士を接着し、多層樹脂積層体を形成する接着工程と、
前記多層樹脂積層体の最外面とキャビティ面との間に隙間が空くように前記多層樹脂積層体を前記金型で挟み込み型締めする型締工程と、
前記多層樹脂積層体を前記キャビティ面に沿った形状に成形し、多層発泡体を成形する成形工程と、
を有することを特徴とする多層発泡体の製造方法。
【請求項2】
前記接着工程は、
前記多層樹脂の最外面に流体を吹き付け、前記多層樹脂の最内面同士を接着することを特徴とする請求項1記載の多層発泡体の製造方法。
【請求項3】
前記金型は、前記キャビティ面に複数の孔を有し、
前記接着工程は、
前記複数の孔を介して、前記多層樹脂の最外面に流体を吹き付け、前記多層樹脂の最内面同士を接着し、
前記成形工程は、
前記複数の孔を介して、前記金型内の気体を吸引し、前記多層樹脂積層体を前記キャビティ面に沿った形状に成形することを特徴とする請求項2記載の多層発泡体の製造方法。
【請求項4】
前記接着工程は、
前記多層樹脂の最外面に流体を吹き付けた際に、前記多層樹脂の中央部で受け付ける前記流体の圧力が、前記多層樹脂の端部で受け付ける前記流体の圧力よりも大きいことを特徴とする請求項3記載の多層発泡体の製造方法。
【請求項5】
前記キャビティ面の形状は、前記金型を型締めした際に、一対のキャビティ面の中央部での間隔が、前記一対のキャビティ面の端部での間隔よりも小さい形状であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の多層発泡体の製造方法。
【請求項6】
前記金型と前記多層樹脂との間に表皮材を配置し、表皮材を有する多層発泡体を成形することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の多層発泡体の製造方法。
【請求項7】
前記多層樹脂は、円筒状の多層パリソンであることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の多層発泡体の製造方法。
【請求項8】
前記多層樹脂は、シート状の多層シートであることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の多層発泡体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−25114(P2012−25114A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168387(P2010−168387)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(000104674)キョーラク株式会社 (292)
【Fターム(参考)】