多層配線構造又は電極取り出し構造、電気回路装置、及びこれらの製造方法
【課題】 Al層上にCu層を接続性よく形成することができる、多層配線構造又は電極取り出し構造、電気回路装置、及びこれらの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 アルミニウムの電極パッド56、57及び電極層77上に絶縁層79を形成する工程と、電極パッド56、57及び電極層77上において絶縁層79にビアホール70’を形成する工程と、ビアホール70’内に無電解Niメッキ層81を形成する工程と、無電解Niメッキ層81上にCu配線86を形成する工程とを有する、多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【解決手段】 アルミニウムの電極パッド56、57及び電極層77上に絶縁層79を形成する工程と、電極パッド56、57及び電極層77上において絶縁層79にビアホール70’を形成する工程と、ビアホール70’内に無電解Niメッキ層81を形成する工程と、無電解Niメッキ層81上にCu配線86を形成する工程とを有する、多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層配線構造又は電極取り出し構造、電気回路装置、及びこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気回路装置の製造方法としては、ウエーハからダイシングして回路素子(例えば半導体チップ)を分離し、分離した回路素子をダイシングシートからチップトレイに移送し、更には、チップトレイから回路素子を真空吸着でピックアップして、基板にマウント若しくは接続した後に配線するという方法が知られている。
【0003】この方法は、例えば、半導体パッケージの製造工程等において一般的に行われている。
【0004】
【発明に至る経過】本出願人は、効果的で好ましい多層配線構造及び電極取り出し構造を有する画像表示装置及びこれらの製造方法等を特願2001−144592等において既に提起した。
【0005】この先願発明による多層配線構造、電極取り出し構造、画像表示装置及びこれらの製造方法等は下記に例示するようなものである。
【0006】この回路素子は、例えば、先細り形状とされた先端部を有する回路素子であって、図18に示すような構造を有する発光素子を挙げることができる。図18の(a)が発光素子の断面図であり、図18の(b)がその平面図である。
【0007】この発光素子はGaN系の発光ダイオードであり、例えば、サファイア基板(図示せず)上に結晶成長される発光素子である。このようなGaN系の発光ダイオード素子は、基板を透過するレーザ照射によってレーザアブレーションを生じさせ、GaNの分解に伴なってサファイア基板とGaN系の結晶成長層との間の界面で膜剥れが生じ、素子の分離が容易になるという特徴を有している。
【0008】この構造によれば、GaN系半導体層からなる下地成長層21上に選択成長された六角錐形状のn型のGaN:Si層22が形成されている。下地成長層21上には図示しない絶縁膜が存在し、六角錐形状のGaN:Si層22は、この絶縁膜を開口した部分にMOCVD(有機金属気相成長)法等によって形成される。
【0009】このGaN:Si層22は、成長時に使用されるサファイア基板の主面をC面とした場合に、S面(1−101面)で覆われたピラミッド型の成長層であり、シリコンをドープさせた領域である。そして、このGaN:Si層22の傾斜したS面の部分はダブルへテロ構造のクラッドとして機能する。
【0010】次に、GaN:Si層22の傾斜したS面を覆うように、活性層であるInGaN層23が形成されており、その外側に、マグネシウムドープのp型のGaN:Mg層24が形成される。なお、このマグネシウムドープのGaN:Mg層24もクラッドとして機能する。
【0011】更に、このような発光ダイオード素子52には、p電極25とn電極26とが形成されている。p電極25は、マグネシウムドープのGaN層24上に形成されるが、Ni/Pt/Au又はNi(Pd)/Pt/Au等の金属材料を蒸着して形成される。
【0012】又、n電極26は、前述の図示しない絶縁膜を開口した部分に、Ti/Al/Pt/Au等の金属材料材料蒸着して形成される。なお、下地成長層21の裏面側からn電極26の取り出しを行う場合には、n電極26は下地成長層21の表面側に形成する必要はない。
【0013】このような構造のGaN系の発光ダイオード素子52は、青色発光も可能な素子であって、特に、レーザアブレーションによって比較的簡単にサファイア基板から剥離することができ、レーザビームを選択的に照射することによって選択的な剥離を実現する。
【0014】なお、このGaN系の発光ダイオード素子52としては、平板状や帯状に活性層が形成される構造であってもよく、上端部にC面が形成された角錐構造のものであってもよい。又、他の窒化物系や化合物半導体等であってもよい。
【0015】次に、表示用素子として用いられる樹脂チップ54について説明する。
【0016】この樹脂チップ54は、図19及び図20に示すように、ほぼ平板状でありその主たる面がほぼ正方形状となっている。この樹脂チップ54の形状は樹脂53を固めて形成された形状であり、具体的には、未硬化の樹脂によって各発光ダイオード素子52をほぼ包み込むように全面的に塗布して樹脂層53を形成し、これを硬化した後で、縁の部分をダイシング等で切断することによって得られる。
【0017】ほぼ平板状の発光ダイオード素子52が埋設された樹脂層53の表面側には、電極パッド56及び57が形成される。電極パッド56及び57の形成方法としては、例えば、全面に電極パッド56及び57の材料となる金属層や多結晶シリコン層等の導電層を形成し、フォトリソグラフィー技術等により、所要の電極の形状にパターニングすることで形成される。この電極パッド56及び57は、発光ダイオード素子である素子52のp電極25とn電極26とにそれぞれ接続されるように形成されており、このためには樹脂層53にビアホール等が形成される。
【0018】なお、電極パッド56及び57の位置が平面的にみてずれているのは、最終的な配線形成時に上側からコンタクトをとる際に重ならないようにするためである。電極パッド56及び57の形状は正方形に限定されず、他の形状としてもよい。
【0019】このような樹脂チップ54を構成することによって、発光ダイオード素子52の周りが樹脂53で被覆されて平坦化され、精度良く電極パッド56及び57を形成できると共に、発光ダイオード素子52に比べて広い領域に電極パッド56及び57を延在でき、次の転写工程における転写を吸着装置等で行う場合に取り扱いが容易になる。
【0020】又、後述するように、最終的な配線が、転写工程の後に行われるために、比較的大きいサイズの電極パッド56及び57を利用した配線を行うことによって、配線不良が未然に防止される。
【0021】次に、図6から図17までを参照しながら、図18に示した発光ダイオード素子52からの電極取り出し構造、多層配線構造、画像表示装置及びこれらの製造方法等について説明する。
【0022】図6に示すように、第1の一時保持用部材51の上面に、第1の剥離層64と樹脂層53とが2層になって密着形成されている。
【0023】第1の剥離層64を介して樹脂層53と密着する第1の一時保持用部材51の材質としては、高分子シート等を挙げることができ、第1の一時保持用部材51上の第1の剥離層64の材質としては、フッ素コート、シリコーン樹脂、水溶性接着剤(例えば、ポリビニルアルコール:PVA)及びポリイミド等を用いることができる。
【0024】又、この第1の一時保持用部材51上の樹脂層53としては、紫外線(UV)硬化型樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂のいずれかからなる層を用いることができる。一例として、第1の一時保持用部材51として高分子シート等を用い、第1の剥離層64としてポリイミド膜を形成後、樹脂層53としてUV硬化型樹脂を塗布することができる。
【0025】そして、樹脂層53上の、発光ダイオード素子52を埋設(転写)する部分以外を、レーザ光を照射することによって硬化させる。そして、これ以外のレーザ光を照射しない部分は、後の工程で発光ダイオード素子52を埋め込む軟質部82とする。
【0026】図7に示すように、サファイア等の第1基板50の主面上には、上記した結晶成長によって複数の発光ダイオード素子52がマトリクス状に形成されている。
【0027】第1基板50の構成材料としては、サファイア基板等のように、発光ダイオード素子52に照射するレーザ光の波長の透過率の高い材料が用いられる。又、発光ダイオード素子52にはp電極及びn電極までは既に形成されているが、最終的な配線は未だなされておらず、発光ダイオード素子52間を分離する分離溝62gが形成されていて、個々の発光ダイオード素子52は分離できる状態にある。
【0028】この溝62gの形成は、例えば、反応性イオンエッチング等で行う。そして、このような第1基板50を第1の一時保持用部材51に対峙させて、図7に示すように、樹脂層52への発光ダイオード素子52の転写を行う。
【0029】この転写に際しては、図7に示すように、転写する所定の発光ダイオード素子52に対してレーザ光を第1基板50の裏面から照射し、この転写する所定の発光ダイオード素子52を第1基板50からレーザアブレーションを利用して剥離する。なお、このGaN系の発光ダイオード素子52は、サファイア基板である第1基板50との界面でレーザアブレーションによって金属のGaと窒素とに分解することから、比較的簡単に剥離できる。
【0030】照射するレーザ光としては、エキシマレーザ及び高調波YAGレーザ等が用いられる。そして、このレーザアブレーションを利用した剥離作用によって、転写する所定の発光ダイオード素子52は下地層であるGaN層と第1基板50との界面で分離し、図8に示すように、反対側の樹脂層53の軟質部82にp電極の一部分を突き刺すようにして転写する。
【0031】なお、樹脂層53の軟質部82に転写される所定の発光ダイオード素子52以外の発光ダイオード素子52については、前工程において、この発光ダイオード素子52が接触する樹脂層53の部分が、既にレーザ光によって硬化しているために、接触するだけでは樹脂層53に転写されることはなく、第1基板50上に付着したままとなる。
【0032】そして、転写後の状態は、図8に示すように、転写された発光ダイオード素子52の間隔が、第1基板50上に配列されていた時よりも離間して第1の一時保持用部材51上に配列されたものとなる。
【0033】即ち、X方向にそれぞれの発光ダイオード素子52の間隔が広げられ、同時に、X方向に垂直なY方向にもそれぞれの発光ダイオード素子52の間隔が広げられた状態になる。
【0034】次に、図9に示すように、樹脂層53の軟質部82上にp電極を一部突き刺すようにして保持された発光ダイオード素子52を、加圧手段84によって加圧し、樹脂層53の軟質部82に更に押し付けて埋設する。
【0035】こうして、発光ダイオード素子52は、図10に示すように、第1の一時保持用部材51の樹脂層53にほぼ埋設保持された状態になる。そして、この発光ダイオード素子52の裏面は、第1基板50との間にあった樹脂53等が残らないように確実に除去、洗浄される。
【0036】次に、図11に示すように、発光ダイオード素子52の埋設された樹脂層53から第1の一時保持用部材51を第1の剥離層64のレーザ光照射によって剥離し、しかる後に、発光ダイオード素子52を埋設した樹脂層53の裏面側を第2の剥離層60を介して第2の一時保持用部材67に密着させて転写する。
【0037】図12は、第1の一時保持用部材51から発光ダイオード素子52を、第2の剥離層60を介して第2の一時保持用部材67に転写した後、レーザ光照射でアノード電極(p電極)側及びカソード電極(n電極)側にビアホール70をそれぞれ形成し、アノード側の電極パッド56及びカソード側の電極パッド57を形成した後、更に樹脂層53の一部をダイシングして個々の樹脂チップ54とした状態を示している。
【0038】このダイシングプロセスにより、発光ダイオード素子52毎に硬化した樹脂層53を分断し、各発光ダイオード素子52に対応した樹脂チップ54とする。ここで、ダイシングプロセスは、機械的手段を用いたダイシング、或いは、レーザビームを用いたレーザダイシングにより行う。
【0039】なお、ダイシングによる切り込み幅は、画像表示装置の画素内の樹脂層53で覆われた発光ダイオード素子52(樹脂チップ54)の大きさに依存するが、例えば、20μm以下の幅の狭い切り込みが必要な時には、上記のレーザビームを用いたレーザによる加工を行うことが必要である。この時、レーザビームとしては、エキシマレーザ、高調波YAGレーザ、炭酸ガスレーザ等を用いることができる。
【0040】このダイシングの結果、素子分離溝71が形成され、発光ダイオード素子52は、素子毎に区分けされて樹脂チップ54になる。この素子分離溝71はマトリクス状の各発光ダイオード素子52を分離するため、平面的に見たパターンとしては、縦横に延長された複数の平行線からなる。なお、この素子分離溝71の底部では、第2の一時保持用部材67の表面が臨んでいる。この第2の一時保持用部材67は、一例として、プラスチック基板にUV粘着材が塗布してあるダイシングシートであり、紫外線(UV)が照射されると粘着力が低下する材質のものを利用できる。
【0041】なお、上記の転写の際には、図11に示すように、第1の剥離層64を形成した第1の一時保持用部材51の裏面から例えばエキシマレーザ光を照射する。これにより、例えば、第1の剥離層64としてポリイミドを形成した場合では、ポリイミドのアブレーションにより剥離する。その後、各発光ダイオード素子52を埋設した樹脂層53を第2の一時保持用部材67側に転写する。
【0042】更に、上記のアノード及びカソード側の電極パッド56及び57の形成プロセスの例としては、樹脂層53の表面を酸素プラズマで発光ダイオード素子52のp電極及びn電極が露出してくるまでエッチングして形成する。又、ビアホール70の形成には、エキシマレーザ、高調波YAGレーザ及び炭酸ガスレーザ等を用いることができる。又、アノード及びカソード側の電極パッド56及び57はCuで形成する。
【0043】次に、図13に示すように、機械的手段としての吸着装置73を用いて、発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54を第2の一時保持用部材67から剥離する。この時、第2の一時保持用部材67上には、例えば、フッ素コート、シリコーン樹脂及び水溶性接着剤(例えば、PVA)及びポリイミド等からなる第2の剥離層60が形成されているが、このような剥離層60を形成した第2の一時保持用部材67の裏面から、例えばYAG第3高調波レーザ光を照射する。これにより、例えば、第2の剥離層60をポリイミドで形成した場合では、ポリイミドの層と第2の一時保持用部材67の界面とでポリイミドのアブレーションにより剥離が発生して、各発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54は、第2の一時保持用部材67から上記の吸着装置73のような機械的手段により容易に剥離可能となる。
【0044】図13は、第2の一時保持用部材67上に配列している発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54を、上記の機械的手段としての吸着装置73でピックアップする状態を示した図である。
【0045】この時の吸着装置73の吸着孔75は、画像表示装置の画素ピッチにマトリクス状に開口していて、発光ダイオード素子52埋設した樹脂チップ54を多数個、一括して吸着できるようになっている。
【0046】そして、吸着孔75の部材には、例えば、Ni電鋳により作製したもの、若しくは、ステンレス(SUS)等の金属板72をエッチングで穴加工したもの等が使用される。そして、金属板72の吸着孔75の奥には吸着チャンバ74が形成され、この吸着チャンバ74を負圧に制御することで発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54の吸着が可能になる。
【0047】なお、発光ダイオード素子52は、この段階では樹脂53で覆われており、その上面はほぼ平坦化されている。この為に、吸着装置73による選択的な吸着を容易に進めることができる。
【0048】次に、図14は、発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54を、第2基板55に固定(ボンディング)する工程を示すものである。
【0049】この第2基板55に樹脂チップ54を固定する際に、第2基板55上には予め接着剤層76が塗布されているために、発光ダイオード素子52の下面のこの接着剤層76を選択的に硬化させることによって、発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54を第2基板55上に固定して配列させることができる。この固定後には、吸着装置73の吸着チャンバ74部分が圧力の高い状態となり、吸着装置73と発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54との吸着による結合状態は解放される。
【0050】この時、接着剤層76の樹脂を硬化させるエネルギーを与えるビーム93は第2基板55の裏面から照射される。例えばUV硬化型接着剤を使用する場合は、UV照射装置によって行い、又、熱硬化性接着剤を使用する場合は、レーザによって、発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54の下面のみを硬化させ、又、熱可塑性接着剤を使用する場合は、レーザ照射にて接着剤76を溶融させて接着を行う。
【0051】又、第2基板55上にシャドウマスクとしても機能する配線基板である電極層77を配設し、特に電極層77の画面側の面に黒クロム層78を形成する。これによって、画像のコントラストが向上し、更に黒クロム層78でのエネルギー吸収率を高くして、選択的に照射されるビーム93によって接着剤層76を早く硬化させることができる。
【0052】次に、図15は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のそれぞれの発光ダイオード素子52R、52G、52Bを第2基板55上に配列し、絶縁層79で被覆した状態を示す。
【0053】吸着装置73を使用して、第2基板55のそれぞれの色に対応する位置にマウントすると、画素としてのピッチを一定のままに3色からなる画素を形成できる。なお、絶縁層79の材質としては、透明エポキシ接着剤、UV硬化型接着剤及びポリイミド等を用いることができる。
【0054】なお、図15では、赤色の発光ダイオード素子52Rが六角錐のGaN層を有しない構造とされ、他の発光ダイオード素子52G及び52Bとその形状が異なっているが、この段階では、各発光ダイオード素子52R、52G、52Bは既に樹脂チップ54として樹脂53で覆われており、素子としての構造が違うにもかかわらず形状が同様のために同一の取り扱いを実現できる。
【0055】次に、図16に示すように、R、G、Bの3色の発光ダイオード素子52R、52G、52Bのそれぞれの電極パッド57及びアノード側の電極パッド56や、第2基板55上の電極層77等に対応して、これらを電気的に接続するための開口部であるビアホール70’をそれぞれ形成し、更に図17に示すように、配線86を形成する。ビアホール70’の形成は、例えば、レーザビーム等を用いて行う。
【0056】なお、この時に形成するビアホール70’は、R、G、Bの3色の発光ダイオード素子52R、52G、52Bのそれぞれの電極パッド57及びアノード側の電極パッド56の面積を大きくしているために、電極パッド56に対応したビアホール70’の形状を大きくでき、且つ、ビアホール70’の位置精度も、各発光ダイオード素子52に直接形成するビアホールに比べて粗い精度で形成できる。
【0057】そして、配線86の形成後、保護層(図示せず)を配線上に形成し、画像表示装置のパネルを完成する。
【0058】この保護層は、図15の絶縁層79と同様に、透明エポキシ接着剤等の材料を使用できる。この保護層は加熱硬化して配線を完全に覆う。この後、パネル端部の配線にドライバーICを接続して駆動パネルを作製する。
【0059】次に、図21は、発光の色の異なる複数種類の発光(ダイオード)素子を、配線が形成されたガラス基板11(上記の55に相当)上に一括転写した例を示すものである。
【0060】このガラス基板11上には、上記の電極層77に接続された第1配線層12と第2配線層13とが互いに直交して形成されており、各配線層12及び13がそれぞれ接続された赤色発光ダイオード素子52R、緑色発光ダイオード素子52G及び青色発光ダイオード素子52Bがそれぞれマトリクス状に配列されている。各発光ダイオード素子は、上述のようなプロセスを経て第2基板上に交互にマトリクス状に配列される。
【0061】なお、ここでは、画像表示装置の基板としてガラス基板11を使用し、この上に発光ダイオード素子を転写するようにしたが、高分子シート等を被転写基板として使用することも可能である。又、第2の一時保持用部材67をそのまま基板として活用することも可能である。そして、例えば、高分子シートを画像表示装置の基板として使用した場合には、屈曲性を有し、軽量で、且つ割れにくい画像表示装置を実現することが可能となる。
【0062】
【発明が解決しようとする課題】従来、絶縁層が形成されたプリント基板(配線基板)等にレーザビア(レーザ光によって形成された接続孔のことを指し、以下においては単に接続孔とする。)を加工形成する工程、及びこの接続孔周辺に配線等を形成する工程においては、絶縁層下の電極パッド又は配線等はCu層からなり、且つこのCu層の厚さは一般的に10μm以上であるため、加工用のレーザ光によるダメージを受けにくく、電極パッド又は配線等の上に、CO2レーザ及び高調波YAGレーザ等の短波長で高出力のレーザ光を用いて接続孔を加工形成することができる。
【0063】そして、接続孔の形成後、電解メッキ法等によって接続孔を電解Cuメッキ層等で埋め込んでから、配線を形成している。
【0064】ところが、昨今、配線基板上の配線としてCu層を形成する場合、その厚さを薄くしたいという要望がある。なぜなら、配線基板上に形成されたCu配線をフォトエッチング技術でパターニングする際に、この配線が加工し易くなるからである。
【0065】特に、絶縁層が形成された配線基板上の電極パッド又は配線等のCu層の厚さを1μmにまで薄くするときはその効果が大となり、フォトエッチング加工の精度が向上する。
【0066】しかし、図6〜図17に示した画像表示装置の製造の場合、配線基板のガラス基板上に形成されたCu層からなる電極77や配線、樹脂チップ54等に形成されるCu層からなる電極パッド56、57等の厚さを約1μmとしたとき、これらの上の絶縁層79に接続孔70’を形成するためのレーザ光をオーバーショット(過照射)すると、Cu層からなる電極パッドや配線等に穴が開き、断線等の故障の原因となってしまうことがある。
【0067】これは、Cu層からなる電極パッド及び配線等が熱の吸収率が大きいという特性ゆえに、レーザ光の照射によって生じる熱を吸収して加工され易くなるためである。
【0068】そこで、絶縁層79に対してエキシマレーザや高調波YAGレーザ等によるレーザビア(接続孔)の形成を行う場合に、絶縁層中の電極パッド及び電極層等の材質をCuではなく、アルミニウム(Al)にすると、レーザ光の照射時の熱吸収率が低いアルミニウム(Al)の特性によって、電極パッドや配線等がレーザ加工され難くなるために、高出力で短波長のレーザによる接続孔の加工が容易になる。
【0069】ところが、これまで、形成されたレーザビア(接続孔)の埋め込みのために接続孔内にCuメッキ層を形成する際、このCuメッキ前に、Cuメッキ層とAl層との接続性の向上のために前処理(酸処理)をAl層の表面に施す必要があるが、この前処理(酸処理)のためにAl層が侵されてしまい、この上にCuメッキ層を形成することは難しくなる。
【0070】本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、Al層上にCu層を形成する場合でも、これらを良好に接続することができる多層配線構造又は電極取り出し構造、電気回路装置、及びこれらの製造方法を提供することにある。
【0071】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、Al等のアルミニウム系の第1導電層上に絶縁層が形成され、前記第1導電層上において前記絶縁層に接続孔が形成され、前記接続孔内にNi等のニッケル系の第2導電層が形成され、前記第2導電層上にCu等の第3の導電層が形成されている、多層配線構造又は電極取り出し構造、及びこれらの製造方法に係るものである。
【0072】本発明は又、回路素子に接続されるか、或いは/並びに、下層の配線を形成しているAl等のアルミニウム系の第1導電層上に絶縁層が形成され、前記第1導電層上において前記絶縁層に接続孔が形成され、前記接続孔内にNi等のニッケル系の第2導電層が形成され、前記第2導電層上にCu等の第3の導電層が形成され、前記回路素子が前記第3導電層によって前記配線基板に接続されている、電気回路装置及びその製造方法に係るものである。
【0073】本発明によれば、第1導電層がアルミニウム系によって形成されているので、この第1導電層は接続孔の形成時に生じるダメージに対する耐久性を有するために、第1導電層のダメージを軽減し、第1導電層を薄膜化しても耐久性を保持することができる。
【0074】又、第1導電層と第3導電層との間にニッケル系の第2導電層が形成されることにより、第1導電層と第3導電層との間の接続が可能となり、この接続に際して第1導電層の酸処理が不要となり、第1導電層が第2導電層で保護された状態で第3導電層との接続が良好となる。
【0075】更に、接続孔内にニッケル系の第2導電層が形成されることにより、接続孔の深さが減少するため、その上に設ける第3導電層の段切れがなくなり、信頼性が増す。
【0076】
【発明の実施の形態】本発明においては、前記第1導電層を下層の配線、電極パッド又は電極とするのが望ましい。
【0077】又、絶縁層表面の平坦化のために、回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込むのが望ましい。
【0078】又、回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込むのが望ましい。
【0079】又、絶縁層表面に平坦化のために、前記回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込むのが望ましい。
【0080】又、回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込み、更にこの第2導電層上にて第4の導電層を前記絶縁層の表面の高さまで埋め込むのが望ましい。
【0081】又、前記回路素子を前記第3導電層によって前記配線基板に接続するのが望ましい。
【0082】又、前記絶縁層に対してレーザ光照射によって前記接続孔を形成するのが望ましい。
【0083】又、前記第2導電層の形成を無電解メッキ法によって行うのが望ましい。
【0084】又、前記第3導電層又は/及び前記第4導電層を導電材料の物理的成膜法又はメッキ法によって形成するのが望ましい。
【0085】又、前記回路素子を発光素子とするのが望ましい。
【0086】又、画像表示装置又は光源装置を構成するのが望ましい。
【0087】次に、本発明の好ましい実施の形態を図面の参照下に具体的に説明する。
【0088】第1の実施の形態図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態を示すものである。
【0089】本実施の形態においては、発光ダイオード素子52に接続する電極パッド56、電極パッド57及び電極層77の材質にアルミニウム(Al)を使用する以外は前述した工程と同様とする。先ず、前述の図6から図16までの工程は同様に行う。
【0090】その後、図1に示すように、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77の一部が露出するように、レーザ光によって絶縁層79にビアホール70’を形成する。更に、このビアホール70’内に、Niを析出及び付着させる無電解Niメッキ処理を行って、ビアホール70’内に無電解Niメッキ層81を形成する。このNiメッキ層81は、発光ダイオード素子52を埋め込んだ樹脂チップ54上のビアホール70’は完全に埋めるように形成され、配線基板の電極層77上のビアホール70’では途中深さまで形成される。
【0091】ここで、電極パッド56、電極パッド57及び電極層77の材料としてAlを使用するのは、このAlがレーザ光に対してレーザ吸収能の低い材料であるため、電極パッド56、電極パッド57及び電極層77上に接続孔であるビアホール70’を形成する際にレーザ光が照射されても、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77等は、レーザ光の照射による加熱によって変形等が生じ難いからである。
【0092】又、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77上に無電解Niメッキ層81の形成を行う理由は次の通りである。例えば、これらの上に直接電気メッキ等によってCu層である配線86を施す際には、Cu層とAl層との接続性を高めるために、Al層上に酸を用いた前処理を行わなければないが、この酸による前処理を行うとAl層が腐食されてしまう。そのために、この酸による前処理をしなくても、Al層とCu層とを直接接触させないように、Al層とCu層との間に、CuとAlとの両方の金属と接続性のよい無電解Niメッキ層81を形成することによって、Al層とその上のCu層との間の接続性及び導電性を確保できるからである。
【0093】この無電解Niメッキ層81の形成は、下記のメカニズムで進行する。
【0094】例えば、無電解メッキ液に次亜リン酸塩を還元剤として添加すると、Niの析出時に次のような反応が生じる。
Ni2++H2PO2-+H2O → Ni+H2PO3-+2H+H2PO2-+H2O → H2PO3-+H2
【0095】この場合、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77上への無電解Niメッキ処理は、前処理としてのジンケート処理を施した後に行う。
【0096】このジンケート処理は、Znイオンを含むアルカリ溶液中で、AlとZnとの置換反応によって、Al表面に先ずZn粒子が析出し、しかる後に、上記した還元反応時にZnとNiとが置換反応することによりNiが析出する。その後は、この析出したNiが触媒的な起点(シード)となり、次亜リン酸イオンによる還元析出反応が進行する。
【0097】このような工程を経て、図1のように、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77がビアホール70’に露出する露出部にのみ、無電解Niメッキ層81が析出形成されて成長する。
【0098】ここで、電極パッド56及び電極パッド57上のビアホール70’内では、無電解Niメッキ層81を成長形成させる高さを、絶縁層79の表面と同じ高さにすることにより、絶縁層79の表面が比較的平坦化され、次の配線工程において、ビアホール70’の埋め込み面と絶縁層79との表面の段差がなくなり(電極パッド56、57上)、或いは減少して(電極層77上)、図2に示す配線86の形成が比較的容易になる。
【0099】即ち、図1に示すように、樹脂チップ54の電極パッド56及び電極パッド57上のビアホール70’の深さと、配線基板上の電極層77上のビアホール70’の深さとが異なるので、電極パッド56及び電極パッド57上のビアホール70’の深さに合わせて、配線基板上の電極層77上のビアホール70’に無電解Niメッキ層81を形成する。
【0100】次に、図2に示すように、絶縁層79の上部、電極パッド56及び電極パッド57上に設けられたビアホール70’に埋め込まれた無電解Niメッキ層81、及び電極層77上のビアホール70’に被着された無電解Niメッキ層81上等に、スパッタ等の物理的成膜法によりCuを被着し、これをフォトリソグラフィーでパターニングしてCu配線86を形成する。
【0101】このように、本実施の形態においては、第1導電層としての電極パッド54及び56、電極層77をアルミニウムによって形成するので、これらの上の絶縁層79にビアホール70’をレーザ光照射で形成する時にレーザ光に対する耐久性(低熱吸収率)を有するために、レーザビアの形成に伴うダメージをなくし、かつアルミニウム層は1μmと薄膜化しても耐久性を保持することができる。
【0102】又、これらのアルミニウム層上に無電解ニッケルメッキ層81が形成されることにより、アルミニウム層54、56、77とCu層86との接続が十分となり、この接続に際して第1導電層の酸処理が不要となる。
【0103】更に、ビアホール70’内に無電解ニッケルメッキ層81が形成されることにより、ビアホールの深さがなくなるか或いは減少するため、その上にCu層86を段切れなしに信頼性良く形成することができる。
【0104】即ち、無電解Niメッキ層81の存在によって、絶縁層79の表面が平坦化され、或いはビアホール70’の深さが浅くなって段差が少なくなるので、配線86の加工性及び被着性が良好となり、断線が生じない。
【0105】又、無電解Niメッキ層81の存在によって、金属の熱膨張で配線86等に生じるストレスを緩和できるために、断線が生じず、しかも配線の抵抗を下げることもできる。仮に、無電解Niメッキ層81を設けずに、Cu層86を直接スパッタ等で形成する場合には、その厚みによって熱膨張でストレスが増大し、断線し易くなる。
【0106】又、ビアホール70’の埋め込みに電解メッキを行わないので、電解メッキ層の形成用に必要な配線等を形成しなくてもよい。なお、無電解Niメッキ層81の形成により、ビアホールの深さをコントロールし易い。
【0107】レーザ光の照射により接続孔(ビア)を形成する場合、そのサイズを微細化するために高出力で短波長のUV−YAG、更にはエキシマレーザ等のレーザ光で加工するときには、レーザ光によって形成されるビアホールとその底面の電極等のサイズも、微細パターン化が求められるようになり、更に電極の厚さもより薄くなるが、いずれの場合も、本実施の形態は効果的に適応できるものとなる。
【0108】本実施の形態は、表示素子用の回路装置のみならず、一般の電気回路基板にも適用できる。
【0109】即ち、ディスプレイ等の表示装置だけでなく、プリント基板又はフレキシブル基板等にも本実施の形態を適用できる。
【0110】第2の実施の形態図3〜図5は、本発明の第2の実施の形態を示すものである。
【0111】本実施の形態においては、発光ダイオード素子52に形成された電極パッド56、電極パッド57及び電極層77の材質にアルミニウム(Al)を使用する以外は前述の工程(図6から図16までの工程)と同様に行った後、図3に示すように、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77の接続用のビアホール70’をレーザ光によって形成し、ここに無電解Niメッキを行って無電解Niメッキ層81を成長形成する。
【0112】このような工程を経て、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77上のビアホール70’に、無電解Niメッキ層81が形成されて成長する。電極パッド56及び電極パッド57の接続用に形成されたビアホール70’内の無電解Niメッキ層81は、絶縁層79の表面と同じ高さまで形成して成長させることにより、絶縁層79の表面が平坦化されると、次の配線工程においては、絶縁層79の表面の段差がほとんどなくなるので、配線形成が容易になる。
【0113】この場合、上述の第1の実施の形態と同様に、樹脂チップ54の電極パッド56及び電極パッド57上のビアホール70’の深さと、配線基板の電極層77上のビアホール70’の深さとが異なるが、図3に示すように、電極パッド56及び電極パッド57の深さ(高さ)に合わせて、配線基板上の電極層77への無電解Niメッキ層81の形成を行う。
【0114】次に、図4に示すように、樹脂チップ54(電極パッド56、57)上を図示省略したマスク材で覆い、無電解Niメッキ層81がある程度埋め込まれた電極層77上の凹部にパラジウム等による表面処理をした後に、再度無電解Niメッキを行うことにより、第4導電層80を絶縁層79の表面まで形成してビアホール70’を完全に埋める。なお、このNiメッキに代えて、無電解Niメッキ層81を電極とした電解メッキ法によりCu電気メッキ層80を形成してもよい。
【0115】しかる後に、上記マスク材を除去すれば、電極パッド56及び電極パッド57上のメッキ層81の高さと電極層77上のメッキ層80の高さとを絶縁層79の表面高さに揃えることができるため、配線層86をフォトリソグラフィー技術により高精度に所定パターンに形成することができる。この場合、絶縁層79の表面を例えば化学的機械研磨法(CMP:Chemical mechanical polishing)によって研磨することが望ましいことがあるが、これは、そのような研磨によって、下地をより平坦化できるために、配線層86を一層形成し易いからである。
【0116】即ち、上記のように、樹脂チップ54の電極パッド56及び電極パッド57上にて無電解Niメッキ層81を埋め込み、更に、この埋め込み面をフォトレジストで選択的にマスクした後に、電極層77上のビアホール70’内の無電解Niメッキ層81上に導電層80を形成し、更に図5に示すように、スパッタ法等によりCu層を被着し、パターニングしてCu配線86を形成する。
【0117】本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態と同様、第1導電層としての電極パッド56及び57、電極層77がアルミニウムによって形成されているので、ビアホール70’の形成時に生じるダメージに対する耐久性を薄膜化の場合であっても保持することができる。
【0118】その他、第2導電層としての無電解ニッケルメッキ層81、80の存在によって、アルミニウム層56、57、77とその上の第3導電層としてのCu配線86との間の十分な接続が酸処理なしでも可能となり、しかも配線形成時の熱ストレスを一層抑え、断線の発生を更に防止することができる。
【0119】更に、ビアホール70’内に無電解ニッケルメッキ層81を形成し、更にこの上に導電層80を埋め込んでいるので、上記マスク材を除去した後の絶縁層79の表面が、樹脂チップ54上だけでなく導電層77上も平坦化されるため、その上に配線層86を段切れなしに一層信頼性良く形成できる。
【0120】又、Cu層80を電解Cuメッキで形成する場合、電気メッキに必要である電極の役割を、ビアホール70’内に既に形成された無電解Niメッキ層81が担うことができるので、別個に電解Cuメッキ専用の電極を形成しなくてよい。
【0121】その他、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で述べたと同様の作用及び効果が生じる。
【0122】以上に述べた本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可能である。
【0123】例えば、上記の実施の形態においては、レーザビア及びそこへの無電解Niメッキは、発光ダイオード素子52からなる画素部に適用したが、本発明はこれ以外にも、周辺駆動回路にも同様に適用できる。
【0124】又、上記の実施の形態の電極取り出し構造は、多層配線構造における上下の配線の接続に適用してもよい。
【0125】又、上記の実施の形態は、発光ダイオード素子に関するものであるが、他の任意の素子にも適用することができ、例示するならば、半導体レーザ素子、液晶制御素子、光電変換素子、圧電素子、薄膜トランジスタ素子、薄膜ダイオード素子、抵抗素子、スイッチング素子、微小磁気素子、微小光学素子等、及びこれらを有する発光表示装置等の電気回路装置に適用することができる。
【0126】又、各電極パッド56、57及び電極層77等の材質は、Al単体としたが、例えばAl−Si等のAl合金を使用してもよく、また無電解Niメッキ層81の材質もNi単体だけでなくNi合金を使用してもよく、更に配線86の材質もCu単体だけでなくCu合金、更には他の導電材料を使用してもよい。
【0127】又、樹脂チップの構造、特に電極取り出し構造をはじめ、各工程時におけるレーザ光の種類、照射量、照射時間及び照射位置等は、所定の効果が有れば、任意に変えてよい。
【0128】
【発明の作用効果】本発明は、上述したように、第1導電層がアルミニウム系によって形成されているので、この導電層は接続孔の形成時に生じるダメージに対する耐久性を有するために、第1導電層のダメージを軽減し、第1導電層を薄膜化しても耐久性を保持することができる。
【0129】又、第1導電層と第3導電層との間にニッケル系の第2導電層が形成されることにより、第1導電層と第3導電層との間の接続が可能となり、この接続に際して第1導電層の酸処理が不要となり、第1導電層が第2導電層で保護された状態で第3導電層との接続が良好となる。
【0130】更に、接続孔内にニッケル系の第2導電層が形成されることにより、接続孔の深さが減少するため、その上に設ける第3導電層の段切れがなくなり、信頼性が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態において、ビアホールに無電解Niメッキ層を埋め込む工程の断面図である。
【図2】同、配線を形成する工程の断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態において、ビアホールに無電解Niメッキ層を埋め込む工程の断面図である。
【図4】同、ビアホールに更にメッキ層を埋め込む工程の断面図である。
【図5】同、配線を形成する工程の断面図である。
【図6】先願発明において、樹脂層にレーザ光を照射する工程の断面図である。
【図7】同、発光ダイオード素子を樹脂層に転写する工程の断面図である。
【図8】同、発光ダイオード素子を樹脂層に転写した状態の断面図である。
【図9】同、発光ダイオード素子を樹脂層に埋設する工程の断面図である。
【図10】同、発光ダイオード素子を樹脂層に埋設した状態の断面図である。
【図11】同、発光ダイオード素子を埋設した樹脂層にレーザ光を照射して更に転写する工程の断面図である。
【図12】同、転写後の樹脂層を電極パッド形成後に分離する工程の断面図である。
【図13】同、樹脂チップをピックアップする工程の断面図である。
【図14】同、樹脂チップを配線回路基板にボンディングする工程の断面図である。
【図15】同、絶縁層で被覆した画像表示装置の断面図である。
【図16】同、ビアホールを形成した状態の断面図である。
【図17】同、配線を形成した状態の断面図である。
【図18】同、発光ダイオード素子の断面図及び平面図である。
【図19】同、樹脂チップの斜視図である。
【図20】同、樹脂チップの平面図である。
【図21】同、3色の発光ダイオード素子を用いた画像表示装置の一部分の平面図である。
【符号の説明】
11…ガラス基板、12…第1配線層、13…第2配線、21…下地成長層、22…GaN:Si層、23…InGaN層、24…GaN:Mg層、25…p電極、26…n電極、50…第1基板、51…第1の一時保持用部材、52…発光ダイオード素子、52R…赤色発光ダイオード素子、52G…緑色発光ダイオード素子、52B…青色発光ダイオード素子、53…樹脂層、54…樹脂チップ、55…第2基板、56、57…電極パッド、60…第2の剥離層、62g…溝、64…第1の剥離層、67…第2の一時保持用部材、70、70’…ビアホール、71…素子分離溝、72…金属板、73…吸着装置、74…吸着チャンバ、75…吸着孔、76…接着剤層、77…電極層、78…黒クロム層、79…絶縁層、80…メッキ層、81…無電解Niメッキ層、82…軟質部、84…加圧手段、86…配線、93…ビーム
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層配線構造又は電極取り出し構造、電気回路装置、及びこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気回路装置の製造方法としては、ウエーハからダイシングして回路素子(例えば半導体チップ)を分離し、分離した回路素子をダイシングシートからチップトレイに移送し、更には、チップトレイから回路素子を真空吸着でピックアップして、基板にマウント若しくは接続した後に配線するという方法が知られている。
【0003】この方法は、例えば、半導体パッケージの製造工程等において一般的に行われている。
【0004】
【発明に至る経過】本出願人は、効果的で好ましい多層配線構造及び電極取り出し構造を有する画像表示装置及びこれらの製造方法等を特願2001−144592等において既に提起した。
【0005】この先願発明による多層配線構造、電極取り出し構造、画像表示装置及びこれらの製造方法等は下記に例示するようなものである。
【0006】この回路素子は、例えば、先細り形状とされた先端部を有する回路素子であって、図18に示すような構造を有する発光素子を挙げることができる。図18の(a)が発光素子の断面図であり、図18の(b)がその平面図である。
【0007】この発光素子はGaN系の発光ダイオードであり、例えば、サファイア基板(図示せず)上に結晶成長される発光素子である。このようなGaN系の発光ダイオード素子は、基板を透過するレーザ照射によってレーザアブレーションを生じさせ、GaNの分解に伴なってサファイア基板とGaN系の結晶成長層との間の界面で膜剥れが生じ、素子の分離が容易になるという特徴を有している。
【0008】この構造によれば、GaN系半導体層からなる下地成長層21上に選択成長された六角錐形状のn型のGaN:Si層22が形成されている。下地成長層21上には図示しない絶縁膜が存在し、六角錐形状のGaN:Si層22は、この絶縁膜を開口した部分にMOCVD(有機金属気相成長)法等によって形成される。
【0009】このGaN:Si層22は、成長時に使用されるサファイア基板の主面をC面とした場合に、S面(1−101面)で覆われたピラミッド型の成長層であり、シリコンをドープさせた領域である。そして、このGaN:Si層22の傾斜したS面の部分はダブルへテロ構造のクラッドとして機能する。
【0010】次に、GaN:Si層22の傾斜したS面を覆うように、活性層であるInGaN層23が形成されており、その外側に、マグネシウムドープのp型のGaN:Mg層24が形成される。なお、このマグネシウムドープのGaN:Mg層24もクラッドとして機能する。
【0011】更に、このような発光ダイオード素子52には、p電極25とn電極26とが形成されている。p電極25は、マグネシウムドープのGaN層24上に形成されるが、Ni/Pt/Au又はNi(Pd)/Pt/Au等の金属材料を蒸着して形成される。
【0012】又、n電極26は、前述の図示しない絶縁膜を開口した部分に、Ti/Al/Pt/Au等の金属材料材料蒸着して形成される。なお、下地成長層21の裏面側からn電極26の取り出しを行う場合には、n電極26は下地成長層21の表面側に形成する必要はない。
【0013】このような構造のGaN系の発光ダイオード素子52は、青色発光も可能な素子であって、特に、レーザアブレーションによって比較的簡単にサファイア基板から剥離することができ、レーザビームを選択的に照射することによって選択的な剥離を実現する。
【0014】なお、このGaN系の発光ダイオード素子52としては、平板状や帯状に活性層が形成される構造であってもよく、上端部にC面が形成された角錐構造のものであってもよい。又、他の窒化物系や化合物半導体等であってもよい。
【0015】次に、表示用素子として用いられる樹脂チップ54について説明する。
【0016】この樹脂チップ54は、図19及び図20に示すように、ほぼ平板状でありその主たる面がほぼ正方形状となっている。この樹脂チップ54の形状は樹脂53を固めて形成された形状であり、具体的には、未硬化の樹脂によって各発光ダイオード素子52をほぼ包み込むように全面的に塗布して樹脂層53を形成し、これを硬化した後で、縁の部分をダイシング等で切断することによって得られる。
【0017】ほぼ平板状の発光ダイオード素子52が埋設された樹脂層53の表面側には、電極パッド56及び57が形成される。電極パッド56及び57の形成方法としては、例えば、全面に電極パッド56及び57の材料となる金属層や多結晶シリコン層等の導電層を形成し、フォトリソグラフィー技術等により、所要の電極の形状にパターニングすることで形成される。この電極パッド56及び57は、発光ダイオード素子である素子52のp電極25とn電極26とにそれぞれ接続されるように形成されており、このためには樹脂層53にビアホール等が形成される。
【0018】なお、電極パッド56及び57の位置が平面的にみてずれているのは、最終的な配線形成時に上側からコンタクトをとる際に重ならないようにするためである。電極パッド56及び57の形状は正方形に限定されず、他の形状としてもよい。
【0019】このような樹脂チップ54を構成することによって、発光ダイオード素子52の周りが樹脂53で被覆されて平坦化され、精度良く電極パッド56及び57を形成できると共に、発光ダイオード素子52に比べて広い領域に電極パッド56及び57を延在でき、次の転写工程における転写を吸着装置等で行う場合に取り扱いが容易になる。
【0020】又、後述するように、最終的な配線が、転写工程の後に行われるために、比較的大きいサイズの電極パッド56及び57を利用した配線を行うことによって、配線不良が未然に防止される。
【0021】次に、図6から図17までを参照しながら、図18に示した発光ダイオード素子52からの電極取り出し構造、多層配線構造、画像表示装置及びこれらの製造方法等について説明する。
【0022】図6に示すように、第1の一時保持用部材51の上面に、第1の剥離層64と樹脂層53とが2層になって密着形成されている。
【0023】第1の剥離層64を介して樹脂層53と密着する第1の一時保持用部材51の材質としては、高分子シート等を挙げることができ、第1の一時保持用部材51上の第1の剥離層64の材質としては、フッ素コート、シリコーン樹脂、水溶性接着剤(例えば、ポリビニルアルコール:PVA)及びポリイミド等を用いることができる。
【0024】又、この第1の一時保持用部材51上の樹脂層53としては、紫外線(UV)硬化型樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂のいずれかからなる層を用いることができる。一例として、第1の一時保持用部材51として高分子シート等を用い、第1の剥離層64としてポリイミド膜を形成後、樹脂層53としてUV硬化型樹脂を塗布することができる。
【0025】そして、樹脂層53上の、発光ダイオード素子52を埋設(転写)する部分以外を、レーザ光を照射することによって硬化させる。そして、これ以外のレーザ光を照射しない部分は、後の工程で発光ダイオード素子52を埋め込む軟質部82とする。
【0026】図7に示すように、サファイア等の第1基板50の主面上には、上記した結晶成長によって複数の発光ダイオード素子52がマトリクス状に形成されている。
【0027】第1基板50の構成材料としては、サファイア基板等のように、発光ダイオード素子52に照射するレーザ光の波長の透過率の高い材料が用いられる。又、発光ダイオード素子52にはp電極及びn電極までは既に形成されているが、最終的な配線は未だなされておらず、発光ダイオード素子52間を分離する分離溝62gが形成されていて、個々の発光ダイオード素子52は分離できる状態にある。
【0028】この溝62gの形成は、例えば、反応性イオンエッチング等で行う。そして、このような第1基板50を第1の一時保持用部材51に対峙させて、図7に示すように、樹脂層52への発光ダイオード素子52の転写を行う。
【0029】この転写に際しては、図7に示すように、転写する所定の発光ダイオード素子52に対してレーザ光を第1基板50の裏面から照射し、この転写する所定の発光ダイオード素子52を第1基板50からレーザアブレーションを利用して剥離する。なお、このGaN系の発光ダイオード素子52は、サファイア基板である第1基板50との界面でレーザアブレーションによって金属のGaと窒素とに分解することから、比較的簡単に剥離できる。
【0030】照射するレーザ光としては、エキシマレーザ及び高調波YAGレーザ等が用いられる。そして、このレーザアブレーションを利用した剥離作用によって、転写する所定の発光ダイオード素子52は下地層であるGaN層と第1基板50との界面で分離し、図8に示すように、反対側の樹脂層53の軟質部82にp電極の一部分を突き刺すようにして転写する。
【0031】なお、樹脂層53の軟質部82に転写される所定の発光ダイオード素子52以外の発光ダイオード素子52については、前工程において、この発光ダイオード素子52が接触する樹脂層53の部分が、既にレーザ光によって硬化しているために、接触するだけでは樹脂層53に転写されることはなく、第1基板50上に付着したままとなる。
【0032】そして、転写後の状態は、図8に示すように、転写された発光ダイオード素子52の間隔が、第1基板50上に配列されていた時よりも離間して第1の一時保持用部材51上に配列されたものとなる。
【0033】即ち、X方向にそれぞれの発光ダイオード素子52の間隔が広げられ、同時に、X方向に垂直なY方向にもそれぞれの発光ダイオード素子52の間隔が広げられた状態になる。
【0034】次に、図9に示すように、樹脂層53の軟質部82上にp電極を一部突き刺すようにして保持された発光ダイオード素子52を、加圧手段84によって加圧し、樹脂層53の軟質部82に更に押し付けて埋設する。
【0035】こうして、発光ダイオード素子52は、図10に示すように、第1の一時保持用部材51の樹脂層53にほぼ埋設保持された状態になる。そして、この発光ダイオード素子52の裏面は、第1基板50との間にあった樹脂53等が残らないように確実に除去、洗浄される。
【0036】次に、図11に示すように、発光ダイオード素子52の埋設された樹脂層53から第1の一時保持用部材51を第1の剥離層64のレーザ光照射によって剥離し、しかる後に、発光ダイオード素子52を埋設した樹脂層53の裏面側を第2の剥離層60を介して第2の一時保持用部材67に密着させて転写する。
【0037】図12は、第1の一時保持用部材51から発光ダイオード素子52を、第2の剥離層60を介して第2の一時保持用部材67に転写した後、レーザ光照射でアノード電極(p電極)側及びカソード電極(n電極)側にビアホール70をそれぞれ形成し、アノード側の電極パッド56及びカソード側の電極パッド57を形成した後、更に樹脂層53の一部をダイシングして個々の樹脂チップ54とした状態を示している。
【0038】このダイシングプロセスにより、発光ダイオード素子52毎に硬化した樹脂層53を分断し、各発光ダイオード素子52に対応した樹脂チップ54とする。ここで、ダイシングプロセスは、機械的手段を用いたダイシング、或いは、レーザビームを用いたレーザダイシングにより行う。
【0039】なお、ダイシングによる切り込み幅は、画像表示装置の画素内の樹脂層53で覆われた発光ダイオード素子52(樹脂チップ54)の大きさに依存するが、例えば、20μm以下の幅の狭い切り込みが必要な時には、上記のレーザビームを用いたレーザによる加工を行うことが必要である。この時、レーザビームとしては、エキシマレーザ、高調波YAGレーザ、炭酸ガスレーザ等を用いることができる。
【0040】このダイシングの結果、素子分離溝71が形成され、発光ダイオード素子52は、素子毎に区分けされて樹脂チップ54になる。この素子分離溝71はマトリクス状の各発光ダイオード素子52を分離するため、平面的に見たパターンとしては、縦横に延長された複数の平行線からなる。なお、この素子分離溝71の底部では、第2の一時保持用部材67の表面が臨んでいる。この第2の一時保持用部材67は、一例として、プラスチック基板にUV粘着材が塗布してあるダイシングシートであり、紫外線(UV)が照射されると粘着力が低下する材質のものを利用できる。
【0041】なお、上記の転写の際には、図11に示すように、第1の剥離層64を形成した第1の一時保持用部材51の裏面から例えばエキシマレーザ光を照射する。これにより、例えば、第1の剥離層64としてポリイミドを形成した場合では、ポリイミドのアブレーションにより剥離する。その後、各発光ダイオード素子52を埋設した樹脂層53を第2の一時保持用部材67側に転写する。
【0042】更に、上記のアノード及びカソード側の電極パッド56及び57の形成プロセスの例としては、樹脂層53の表面を酸素プラズマで発光ダイオード素子52のp電極及びn電極が露出してくるまでエッチングして形成する。又、ビアホール70の形成には、エキシマレーザ、高調波YAGレーザ及び炭酸ガスレーザ等を用いることができる。又、アノード及びカソード側の電極パッド56及び57はCuで形成する。
【0043】次に、図13に示すように、機械的手段としての吸着装置73を用いて、発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54を第2の一時保持用部材67から剥離する。この時、第2の一時保持用部材67上には、例えば、フッ素コート、シリコーン樹脂及び水溶性接着剤(例えば、PVA)及びポリイミド等からなる第2の剥離層60が形成されているが、このような剥離層60を形成した第2の一時保持用部材67の裏面から、例えばYAG第3高調波レーザ光を照射する。これにより、例えば、第2の剥離層60をポリイミドで形成した場合では、ポリイミドの層と第2の一時保持用部材67の界面とでポリイミドのアブレーションにより剥離が発生して、各発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54は、第2の一時保持用部材67から上記の吸着装置73のような機械的手段により容易に剥離可能となる。
【0044】図13は、第2の一時保持用部材67上に配列している発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54を、上記の機械的手段としての吸着装置73でピックアップする状態を示した図である。
【0045】この時の吸着装置73の吸着孔75は、画像表示装置の画素ピッチにマトリクス状に開口していて、発光ダイオード素子52埋設した樹脂チップ54を多数個、一括して吸着できるようになっている。
【0046】そして、吸着孔75の部材には、例えば、Ni電鋳により作製したもの、若しくは、ステンレス(SUS)等の金属板72をエッチングで穴加工したもの等が使用される。そして、金属板72の吸着孔75の奥には吸着チャンバ74が形成され、この吸着チャンバ74を負圧に制御することで発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54の吸着が可能になる。
【0047】なお、発光ダイオード素子52は、この段階では樹脂53で覆われており、その上面はほぼ平坦化されている。この為に、吸着装置73による選択的な吸着を容易に進めることができる。
【0048】次に、図14は、発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54を、第2基板55に固定(ボンディング)する工程を示すものである。
【0049】この第2基板55に樹脂チップ54を固定する際に、第2基板55上には予め接着剤層76が塗布されているために、発光ダイオード素子52の下面のこの接着剤層76を選択的に硬化させることによって、発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54を第2基板55上に固定して配列させることができる。この固定後には、吸着装置73の吸着チャンバ74部分が圧力の高い状態となり、吸着装置73と発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54との吸着による結合状態は解放される。
【0050】この時、接着剤層76の樹脂を硬化させるエネルギーを与えるビーム93は第2基板55の裏面から照射される。例えばUV硬化型接着剤を使用する場合は、UV照射装置によって行い、又、熱硬化性接着剤を使用する場合は、レーザによって、発光ダイオード素子52を埋設した樹脂チップ54の下面のみを硬化させ、又、熱可塑性接着剤を使用する場合は、レーザ照射にて接着剤76を溶融させて接着を行う。
【0051】又、第2基板55上にシャドウマスクとしても機能する配線基板である電極層77を配設し、特に電極層77の画面側の面に黒クロム層78を形成する。これによって、画像のコントラストが向上し、更に黒クロム層78でのエネルギー吸収率を高くして、選択的に照射されるビーム93によって接着剤層76を早く硬化させることができる。
【0052】次に、図15は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のそれぞれの発光ダイオード素子52R、52G、52Bを第2基板55上に配列し、絶縁層79で被覆した状態を示す。
【0053】吸着装置73を使用して、第2基板55のそれぞれの色に対応する位置にマウントすると、画素としてのピッチを一定のままに3色からなる画素を形成できる。なお、絶縁層79の材質としては、透明エポキシ接着剤、UV硬化型接着剤及びポリイミド等を用いることができる。
【0054】なお、図15では、赤色の発光ダイオード素子52Rが六角錐のGaN層を有しない構造とされ、他の発光ダイオード素子52G及び52Bとその形状が異なっているが、この段階では、各発光ダイオード素子52R、52G、52Bは既に樹脂チップ54として樹脂53で覆われており、素子としての構造が違うにもかかわらず形状が同様のために同一の取り扱いを実現できる。
【0055】次に、図16に示すように、R、G、Bの3色の発光ダイオード素子52R、52G、52Bのそれぞれの電極パッド57及びアノード側の電極パッド56や、第2基板55上の電極層77等に対応して、これらを電気的に接続するための開口部であるビアホール70’をそれぞれ形成し、更に図17に示すように、配線86を形成する。ビアホール70’の形成は、例えば、レーザビーム等を用いて行う。
【0056】なお、この時に形成するビアホール70’は、R、G、Bの3色の発光ダイオード素子52R、52G、52Bのそれぞれの電極パッド57及びアノード側の電極パッド56の面積を大きくしているために、電極パッド56に対応したビアホール70’の形状を大きくでき、且つ、ビアホール70’の位置精度も、各発光ダイオード素子52に直接形成するビアホールに比べて粗い精度で形成できる。
【0057】そして、配線86の形成後、保護層(図示せず)を配線上に形成し、画像表示装置のパネルを完成する。
【0058】この保護層は、図15の絶縁層79と同様に、透明エポキシ接着剤等の材料を使用できる。この保護層は加熱硬化して配線を完全に覆う。この後、パネル端部の配線にドライバーICを接続して駆動パネルを作製する。
【0059】次に、図21は、発光の色の異なる複数種類の発光(ダイオード)素子を、配線が形成されたガラス基板11(上記の55に相当)上に一括転写した例を示すものである。
【0060】このガラス基板11上には、上記の電極層77に接続された第1配線層12と第2配線層13とが互いに直交して形成されており、各配線層12及び13がそれぞれ接続された赤色発光ダイオード素子52R、緑色発光ダイオード素子52G及び青色発光ダイオード素子52Bがそれぞれマトリクス状に配列されている。各発光ダイオード素子は、上述のようなプロセスを経て第2基板上に交互にマトリクス状に配列される。
【0061】なお、ここでは、画像表示装置の基板としてガラス基板11を使用し、この上に発光ダイオード素子を転写するようにしたが、高分子シート等を被転写基板として使用することも可能である。又、第2の一時保持用部材67をそのまま基板として活用することも可能である。そして、例えば、高分子シートを画像表示装置の基板として使用した場合には、屈曲性を有し、軽量で、且つ割れにくい画像表示装置を実現することが可能となる。
【0062】
【発明が解決しようとする課題】従来、絶縁層が形成されたプリント基板(配線基板)等にレーザビア(レーザ光によって形成された接続孔のことを指し、以下においては単に接続孔とする。)を加工形成する工程、及びこの接続孔周辺に配線等を形成する工程においては、絶縁層下の電極パッド又は配線等はCu層からなり、且つこのCu層の厚さは一般的に10μm以上であるため、加工用のレーザ光によるダメージを受けにくく、電極パッド又は配線等の上に、CO2レーザ及び高調波YAGレーザ等の短波長で高出力のレーザ光を用いて接続孔を加工形成することができる。
【0063】そして、接続孔の形成後、電解メッキ法等によって接続孔を電解Cuメッキ層等で埋め込んでから、配線を形成している。
【0064】ところが、昨今、配線基板上の配線としてCu層を形成する場合、その厚さを薄くしたいという要望がある。なぜなら、配線基板上に形成されたCu配線をフォトエッチング技術でパターニングする際に、この配線が加工し易くなるからである。
【0065】特に、絶縁層が形成された配線基板上の電極パッド又は配線等のCu層の厚さを1μmにまで薄くするときはその効果が大となり、フォトエッチング加工の精度が向上する。
【0066】しかし、図6〜図17に示した画像表示装置の製造の場合、配線基板のガラス基板上に形成されたCu層からなる電極77や配線、樹脂チップ54等に形成されるCu層からなる電極パッド56、57等の厚さを約1μmとしたとき、これらの上の絶縁層79に接続孔70’を形成するためのレーザ光をオーバーショット(過照射)すると、Cu層からなる電極パッドや配線等に穴が開き、断線等の故障の原因となってしまうことがある。
【0067】これは、Cu層からなる電極パッド及び配線等が熱の吸収率が大きいという特性ゆえに、レーザ光の照射によって生じる熱を吸収して加工され易くなるためである。
【0068】そこで、絶縁層79に対してエキシマレーザや高調波YAGレーザ等によるレーザビア(接続孔)の形成を行う場合に、絶縁層中の電極パッド及び電極層等の材質をCuではなく、アルミニウム(Al)にすると、レーザ光の照射時の熱吸収率が低いアルミニウム(Al)の特性によって、電極パッドや配線等がレーザ加工され難くなるために、高出力で短波長のレーザによる接続孔の加工が容易になる。
【0069】ところが、これまで、形成されたレーザビア(接続孔)の埋め込みのために接続孔内にCuメッキ層を形成する際、このCuメッキ前に、Cuメッキ層とAl層との接続性の向上のために前処理(酸処理)をAl層の表面に施す必要があるが、この前処理(酸処理)のためにAl層が侵されてしまい、この上にCuメッキ層を形成することは難しくなる。
【0070】本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、Al層上にCu層を形成する場合でも、これらを良好に接続することができる多層配線構造又は電極取り出し構造、電気回路装置、及びこれらの製造方法を提供することにある。
【0071】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、Al等のアルミニウム系の第1導電層上に絶縁層が形成され、前記第1導電層上において前記絶縁層に接続孔が形成され、前記接続孔内にNi等のニッケル系の第2導電層が形成され、前記第2導電層上にCu等の第3の導電層が形成されている、多層配線構造又は電極取り出し構造、及びこれらの製造方法に係るものである。
【0072】本発明は又、回路素子に接続されるか、或いは/並びに、下層の配線を形成しているAl等のアルミニウム系の第1導電層上に絶縁層が形成され、前記第1導電層上において前記絶縁層に接続孔が形成され、前記接続孔内にNi等のニッケル系の第2導電層が形成され、前記第2導電層上にCu等の第3の導電層が形成され、前記回路素子が前記第3導電層によって前記配線基板に接続されている、電気回路装置及びその製造方法に係るものである。
【0073】本発明によれば、第1導電層がアルミニウム系によって形成されているので、この第1導電層は接続孔の形成時に生じるダメージに対する耐久性を有するために、第1導電層のダメージを軽減し、第1導電層を薄膜化しても耐久性を保持することができる。
【0074】又、第1導電層と第3導電層との間にニッケル系の第2導電層が形成されることにより、第1導電層と第3導電層との間の接続が可能となり、この接続に際して第1導電層の酸処理が不要となり、第1導電層が第2導電層で保護された状態で第3導電層との接続が良好となる。
【0075】更に、接続孔内にニッケル系の第2導電層が形成されることにより、接続孔の深さが減少するため、その上に設ける第3導電層の段切れがなくなり、信頼性が増す。
【0076】
【発明の実施の形態】本発明においては、前記第1導電層を下層の配線、電極パッド又は電極とするのが望ましい。
【0077】又、絶縁層表面の平坦化のために、回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込むのが望ましい。
【0078】又、回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込むのが望ましい。
【0079】又、絶縁層表面に平坦化のために、前記回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込むのが望ましい。
【0080】又、回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込み、更にこの第2導電層上にて第4の導電層を前記絶縁層の表面の高さまで埋め込むのが望ましい。
【0081】又、前記回路素子を前記第3導電層によって前記配線基板に接続するのが望ましい。
【0082】又、前記絶縁層に対してレーザ光照射によって前記接続孔を形成するのが望ましい。
【0083】又、前記第2導電層の形成を無電解メッキ法によって行うのが望ましい。
【0084】又、前記第3導電層又は/及び前記第4導電層を導電材料の物理的成膜法又はメッキ法によって形成するのが望ましい。
【0085】又、前記回路素子を発光素子とするのが望ましい。
【0086】又、画像表示装置又は光源装置を構成するのが望ましい。
【0087】次に、本発明の好ましい実施の形態を図面の参照下に具体的に説明する。
【0088】第1の実施の形態図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態を示すものである。
【0089】本実施の形態においては、発光ダイオード素子52に接続する電極パッド56、電極パッド57及び電極層77の材質にアルミニウム(Al)を使用する以外は前述した工程と同様とする。先ず、前述の図6から図16までの工程は同様に行う。
【0090】その後、図1に示すように、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77の一部が露出するように、レーザ光によって絶縁層79にビアホール70’を形成する。更に、このビアホール70’内に、Niを析出及び付着させる無電解Niメッキ処理を行って、ビアホール70’内に無電解Niメッキ層81を形成する。このNiメッキ層81は、発光ダイオード素子52を埋め込んだ樹脂チップ54上のビアホール70’は完全に埋めるように形成され、配線基板の電極層77上のビアホール70’では途中深さまで形成される。
【0091】ここで、電極パッド56、電極パッド57及び電極層77の材料としてAlを使用するのは、このAlがレーザ光に対してレーザ吸収能の低い材料であるため、電極パッド56、電極パッド57及び電極層77上に接続孔であるビアホール70’を形成する際にレーザ光が照射されても、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77等は、レーザ光の照射による加熱によって変形等が生じ難いからである。
【0092】又、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77上に無電解Niメッキ層81の形成を行う理由は次の通りである。例えば、これらの上に直接電気メッキ等によってCu層である配線86を施す際には、Cu層とAl層との接続性を高めるために、Al層上に酸を用いた前処理を行わなければないが、この酸による前処理を行うとAl層が腐食されてしまう。そのために、この酸による前処理をしなくても、Al層とCu層とを直接接触させないように、Al層とCu層との間に、CuとAlとの両方の金属と接続性のよい無電解Niメッキ層81を形成することによって、Al層とその上のCu層との間の接続性及び導電性を確保できるからである。
【0093】この無電解Niメッキ層81の形成は、下記のメカニズムで進行する。
【0094】例えば、無電解メッキ液に次亜リン酸塩を還元剤として添加すると、Niの析出時に次のような反応が生じる。
Ni2++H2PO2-+H2O → Ni+H2PO3-+2H+H2PO2-+H2O → H2PO3-+H2
【0095】この場合、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77上への無電解Niメッキ処理は、前処理としてのジンケート処理を施した後に行う。
【0096】このジンケート処理は、Znイオンを含むアルカリ溶液中で、AlとZnとの置換反応によって、Al表面に先ずZn粒子が析出し、しかる後に、上記した還元反応時にZnとNiとが置換反応することによりNiが析出する。その後は、この析出したNiが触媒的な起点(シード)となり、次亜リン酸イオンによる還元析出反応が進行する。
【0097】このような工程を経て、図1のように、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77がビアホール70’に露出する露出部にのみ、無電解Niメッキ層81が析出形成されて成長する。
【0098】ここで、電極パッド56及び電極パッド57上のビアホール70’内では、無電解Niメッキ層81を成長形成させる高さを、絶縁層79の表面と同じ高さにすることにより、絶縁層79の表面が比較的平坦化され、次の配線工程において、ビアホール70’の埋め込み面と絶縁層79との表面の段差がなくなり(電極パッド56、57上)、或いは減少して(電極層77上)、図2に示す配線86の形成が比較的容易になる。
【0099】即ち、図1に示すように、樹脂チップ54の電極パッド56及び電極パッド57上のビアホール70’の深さと、配線基板上の電極層77上のビアホール70’の深さとが異なるので、電極パッド56及び電極パッド57上のビアホール70’の深さに合わせて、配線基板上の電極層77上のビアホール70’に無電解Niメッキ層81を形成する。
【0100】次に、図2に示すように、絶縁層79の上部、電極パッド56及び電極パッド57上に設けられたビアホール70’に埋め込まれた無電解Niメッキ層81、及び電極層77上のビアホール70’に被着された無電解Niメッキ層81上等に、スパッタ等の物理的成膜法によりCuを被着し、これをフォトリソグラフィーでパターニングしてCu配線86を形成する。
【0101】このように、本実施の形態においては、第1導電層としての電極パッド54及び56、電極層77をアルミニウムによって形成するので、これらの上の絶縁層79にビアホール70’をレーザ光照射で形成する時にレーザ光に対する耐久性(低熱吸収率)を有するために、レーザビアの形成に伴うダメージをなくし、かつアルミニウム層は1μmと薄膜化しても耐久性を保持することができる。
【0102】又、これらのアルミニウム層上に無電解ニッケルメッキ層81が形成されることにより、アルミニウム層54、56、77とCu層86との接続が十分となり、この接続に際して第1導電層の酸処理が不要となる。
【0103】更に、ビアホール70’内に無電解ニッケルメッキ層81が形成されることにより、ビアホールの深さがなくなるか或いは減少するため、その上にCu層86を段切れなしに信頼性良く形成することができる。
【0104】即ち、無電解Niメッキ層81の存在によって、絶縁層79の表面が平坦化され、或いはビアホール70’の深さが浅くなって段差が少なくなるので、配線86の加工性及び被着性が良好となり、断線が生じない。
【0105】又、無電解Niメッキ層81の存在によって、金属の熱膨張で配線86等に生じるストレスを緩和できるために、断線が生じず、しかも配線の抵抗を下げることもできる。仮に、無電解Niメッキ層81を設けずに、Cu層86を直接スパッタ等で形成する場合には、その厚みによって熱膨張でストレスが増大し、断線し易くなる。
【0106】又、ビアホール70’の埋め込みに電解メッキを行わないので、電解メッキ層の形成用に必要な配線等を形成しなくてもよい。なお、無電解Niメッキ層81の形成により、ビアホールの深さをコントロールし易い。
【0107】レーザ光の照射により接続孔(ビア)を形成する場合、そのサイズを微細化するために高出力で短波長のUV−YAG、更にはエキシマレーザ等のレーザ光で加工するときには、レーザ光によって形成されるビアホールとその底面の電極等のサイズも、微細パターン化が求められるようになり、更に電極の厚さもより薄くなるが、いずれの場合も、本実施の形態は効果的に適応できるものとなる。
【0108】本実施の形態は、表示素子用の回路装置のみならず、一般の電気回路基板にも適用できる。
【0109】即ち、ディスプレイ等の表示装置だけでなく、プリント基板又はフレキシブル基板等にも本実施の形態を適用できる。
【0110】第2の実施の形態図3〜図5は、本発明の第2の実施の形態を示すものである。
【0111】本実施の形態においては、発光ダイオード素子52に形成された電極パッド56、電極パッド57及び電極層77の材質にアルミニウム(Al)を使用する以外は前述の工程(図6から図16までの工程)と同様に行った後、図3に示すように、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77の接続用のビアホール70’をレーザ光によって形成し、ここに無電解Niメッキを行って無電解Niメッキ層81を成長形成する。
【0112】このような工程を経て、Alからなる電極パッド56、電極パッド57及び電極層77上のビアホール70’に、無電解Niメッキ層81が形成されて成長する。電極パッド56及び電極パッド57の接続用に形成されたビアホール70’内の無電解Niメッキ層81は、絶縁層79の表面と同じ高さまで形成して成長させることにより、絶縁層79の表面が平坦化されると、次の配線工程においては、絶縁層79の表面の段差がほとんどなくなるので、配線形成が容易になる。
【0113】この場合、上述の第1の実施の形態と同様に、樹脂チップ54の電極パッド56及び電極パッド57上のビアホール70’の深さと、配線基板の電極層77上のビアホール70’の深さとが異なるが、図3に示すように、電極パッド56及び電極パッド57の深さ(高さ)に合わせて、配線基板上の電極層77への無電解Niメッキ層81の形成を行う。
【0114】次に、図4に示すように、樹脂チップ54(電極パッド56、57)上を図示省略したマスク材で覆い、無電解Niメッキ層81がある程度埋め込まれた電極層77上の凹部にパラジウム等による表面処理をした後に、再度無電解Niメッキを行うことにより、第4導電層80を絶縁層79の表面まで形成してビアホール70’を完全に埋める。なお、このNiメッキに代えて、無電解Niメッキ層81を電極とした電解メッキ法によりCu電気メッキ層80を形成してもよい。
【0115】しかる後に、上記マスク材を除去すれば、電極パッド56及び電極パッド57上のメッキ層81の高さと電極層77上のメッキ層80の高さとを絶縁層79の表面高さに揃えることができるため、配線層86をフォトリソグラフィー技術により高精度に所定パターンに形成することができる。この場合、絶縁層79の表面を例えば化学的機械研磨法(CMP:Chemical mechanical polishing)によって研磨することが望ましいことがあるが、これは、そのような研磨によって、下地をより平坦化できるために、配線層86を一層形成し易いからである。
【0116】即ち、上記のように、樹脂チップ54の電極パッド56及び電極パッド57上にて無電解Niメッキ層81を埋め込み、更に、この埋め込み面をフォトレジストで選択的にマスクした後に、電極層77上のビアホール70’内の無電解Niメッキ層81上に導電層80を形成し、更に図5に示すように、スパッタ法等によりCu層を被着し、パターニングしてCu配線86を形成する。
【0117】本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態と同様、第1導電層としての電極パッド56及び57、電極層77がアルミニウムによって形成されているので、ビアホール70’の形成時に生じるダメージに対する耐久性を薄膜化の場合であっても保持することができる。
【0118】その他、第2導電層としての無電解ニッケルメッキ層81、80の存在によって、アルミニウム層56、57、77とその上の第3導電層としてのCu配線86との間の十分な接続が酸処理なしでも可能となり、しかも配線形成時の熱ストレスを一層抑え、断線の発生を更に防止することができる。
【0119】更に、ビアホール70’内に無電解ニッケルメッキ層81を形成し、更にこの上に導電層80を埋め込んでいるので、上記マスク材を除去した後の絶縁層79の表面が、樹脂チップ54上だけでなく導電層77上も平坦化されるため、その上に配線層86を段切れなしに一層信頼性良く形成できる。
【0120】又、Cu層80を電解Cuメッキで形成する場合、電気メッキに必要である電極の役割を、ビアホール70’内に既に形成された無電解Niメッキ層81が担うことができるので、別個に電解Cuメッキ専用の電極を形成しなくてよい。
【0121】その他、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で述べたと同様の作用及び効果が生じる。
【0122】以上に述べた本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可能である。
【0123】例えば、上記の実施の形態においては、レーザビア及びそこへの無電解Niメッキは、発光ダイオード素子52からなる画素部に適用したが、本発明はこれ以外にも、周辺駆動回路にも同様に適用できる。
【0124】又、上記の実施の形態の電極取り出し構造は、多層配線構造における上下の配線の接続に適用してもよい。
【0125】又、上記の実施の形態は、発光ダイオード素子に関するものであるが、他の任意の素子にも適用することができ、例示するならば、半導体レーザ素子、液晶制御素子、光電変換素子、圧電素子、薄膜トランジスタ素子、薄膜ダイオード素子、抵抗素子、スイッチング素子、微小磁気素子、微小光学素子等、及びこれらを有する発光表示装置等の電気回路装置に適用することができる。
【0126】又、各電極パッド56、57及び電極層77等の材質は、Al単体としたが、例えばAl−Si等のAl合金を使用してもよく、また無電解Niメッキ層81の材質もNi単体だけでなくNi合金を使用してもよく、更に配線86の材質もCu単体だけでなくCu合金、更には他の導電材料を使用してもよい。
【0127】又、樹脂チップの構造、特に電極取り出し構造をはじめ、各工程時におけるレーザ光の種類、照射量、照射時間及び照射位置等は、所定の効果が有れば、任意に変えてよい。
【0128】
【発明の作用効果】本発明は、上述したように、第1導電層がアルミニウム系によって形成されているので、この導電層は接続孔の形成時に生じるダメージに対する耐久性を有するために、第1導電層のダメージを軽減し、第1導電層を薄膜化しても耐久性を保持することができる。
【0129】又、第1導電層と第3導電層との間にニッケル系の第2導電層が形成されることにより、第1導電層と第3導電層との間の接続が可能となり、この接続に際して第1導電層の酸処理が不要となり、第1導電層が第2導電層で保護された状態で第3導電層との接続が良好となる。
【0130】更に、接続孔内にニッケル系の第2導電層が形成されることにより、接続孔の深さが減少するため、その上に設ける第3導電層の段切れがなくなり、信頼性が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態において、ビアホールに無電解Niメッキ層を埋め込む工程の断面図である。
【図2】同、配線を形成する工程の断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態において、ビアホールに無電解Niメッキ層を埋め込む工程の断面図である。
【図4】同、ビアホールに更にメッキ層を埋め込む工程の断面図である。
【図5】同、配線を形成する工程の断面図である。
【図6】先願発明において、樹脂層にレーザ光を照射する工程の断面図である。
【図7】同、発光ダイオード素子を樹脂層に転写する工程の断面図である。
【図8】同、発光ダイオード素子を樹脂層に転写した状態の断面図である。
【図9】同、発光ダイオード素子を樹脂層に埋設する工程の断面図である。
【図10】同、発光ダイオード素子を樹脂層に埋設した状態の断面図である。
【図11】同、発光ダイオード素子を埋設した樹脂層にレーザ光を照射して更に転写する工程の断面図である。
【図12】同、転写後の樹脂層を電極パッド形成後に分離する工程の断面図である。
【図13】同、樹脂チップをピックアップする工程の断面図である。
【図14】同、樹脂チップを配線回路基板にボンディングする工程の断面図である。
【図15】同、絶縁層で被覆した画像表示装置の断面図である。
【図16】同、ビアホールを形成した状態の断面図である。
【図17】同、配線を形成した状態の断面図である。
【図18】同、発光ダイオード素子の断面図及び平面図である。
【図19】同、樹脂チップの斜視図である。
【図20】同、樹脂チップの平面図である。
【図21】同、3色の発光ダイオード素子を用いた画像表示装置の一部分の平面図である。
【符号の説明】
11…ガラス基板、12…第1配線層、13…第2配線、21…下地成長層、22…GaN:Si層、23…InGaN層、24…GaN:Mg層、25…p電極、26…n電極、50…第1基板、51…第1の一時保持用部材、52…発光ダイオード素子、52R…赤色発光ダイオード素子、52G…緑色発光ダイオード素子、52B…青色発光ダイオード素子、53…樹脂層、54…樹脂チップ、55…第2基板、56、57…電極パッド、60…第2の剥離層、62g…溝、64…第1の剥離層、67…第2の一時保持用部材、70、70’…ビアホール、71…素子分離溝、72…金属板、73…吸着装置、74…吸着チャンバ、75…吸着孔、76…接着剤層、77…電極層、78…黒クロム層、79…絶縁層、80…メッキ層、81…無電解Niメッキ層、82…軟質部、84…加圧手段、86…配線、93…ビーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルミニウム系の第1導電層上に絶縁層を形成する工程と、前記第1導電層上において前記絶縁層に接続孔を形成する工程と、前記接続孔内にニッケル系の第2導電層を形成する工程と、前記第2導電層上に第3の導電層を形成する工程とを有する、多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項2】 前記第1導電層を下層の配線、電極パッド又は電極とする、請求項1に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項3】 回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込む、請求項1に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項4】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込む、請求項1に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項5】 前記回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込む、請求項4に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項6】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込み、更にこの第2導電層上にて第4の導電層を前記絶縁層の表面の高さまで埋め込む、請求項1に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項7】 前記回路素子を前記第3導電層によって前記配線基板に接続する、請求項4〜6のいずれかに記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項8】 前記絶縁層に対してレーザ光照射によって前記接続孔を形成する、請求項1に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項9】 前記第2導電層の形成を無電解メッキ法によって行う、請求項1に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項10】 前記第3導電層又は/及び前記第4導電層を導電材料の物理的成膜法又はメッキ法によって形成する、請求項1又は6に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項11】 前記回路素子を発光素子とする、請求項3に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項12】 回路素子に接続されるか、或いは/並びに、下層の配線を形成しているアルミニウム系の第1導電層上に絶縁層を形成する工程と、前記第1導電層上において前記絶縁層に接続孔を形成する工程と、前記接続孔内にニッケル系の第2導電層を形成する工程と、前記第2導電層上に第3の導電層を形成する工程と、前記回路素子を前記第3導電層によって配線基板に接続する工程とを有する、電気回路装置の製造方法。
【請求項13】 前記第1導電層を下層の配線、電極パッド又は電極とする、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項14】 前記回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込む、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項15】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込む、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項16】 前記回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込む、請求項15に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項17】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込み、更にこの第2導電層上にて第4の導電層を前記絶縁層の表面の高さまで埋め込む、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項18】 前記絶縁層に対してレーザ光照射によって前記接続孔を形成する、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項19】 前記第2導電層の形成を無電解メッキ法によって行う、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項20】 前記第3導電層又は/及び前記第4導電層を導電材料の物理的成膜法又はメッキ法によって形成する、請求項12又は17に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項21】 前記回路素子を発光素子とする、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項22】 画像表示装置又は光源装置を製造する、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項23】 アルミニウム系の第1導電層上に絶縁層が形成され、前記第1導電層上において前記絶縁層に接続孔が形成され、前記接続孔内にニッケル系の第2導電層が形成され、前記第2導電層上に第3の導電層が形成されている多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項24】 前記第1導電層が下層の配線、電極パッド又は電極である、請求項23に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項25】 回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込まれている、請求項23に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項26】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込まれている、請求項23に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項27】 前記回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込まれている、請求項26に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項28】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込まれ、更にこの第2導電層上にて第4の導電層が前記絶縁層の表面の高さまで埋め込まれている、請求項23に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項29】 前記回路素子が前記第3導電層によって前記配線基板に接続される、請求項26〜28のいずれかに記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項30】 前記回路素子が発光素子である、請求項25に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項31】 回路素子に接続されるか、或いは/並びに、下層の配線を形成しているアルミニウム系の第1導電層上に絶縁層が形成され、前記第1導電層上において前記絶縁層に接続孔が形成され、前記接続孔内にニッケル系の第2導電層が形成され、前記第2導電層上に第3の導電層が形成され、前記回路素子が前記第3導電層によって配線基板に接続されている電気回路装置。
【請求項32】 前記第1導電層が下層の配線、電極パッド又は電極である、請求項31に記載の電気回路装置。
【請求項33】 回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込まれている、請求項31に記載の電気回路装置。
【請求項34】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込まれている、請求項31に記載の電気回路装置。
【請求項35】 前記回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込まれている、請求項34に記載の電気回路装置。
【請求項36】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込まれ、更にこの第2導電層上にて第4の導電層が前記絶縁層の表面の高さまで埋め込まれている、請求項31に記載の電気回路装置。
【請求項37】 前記回路素子が発光素子である、請求項31に記載の電気回路装置。
【請求項38】 画像表示装置又は光源装置を構成する、請求項31に記載の電気回路装置。
【請求項1】 アルミニウム系の第1導電層上に絶縁層を形成する工程と、前記第1導電層上において前記絶縁層に接続孔を形成する工程と、前記接続孔内にニッケル系の第2導電層を形成する工程と、前記第2導電層上に第3の導電層を形成する工程とを有する、多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項2】 前記第1導電層を下層の配線、電極パッド又は電極とする、請求項1に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項3】 回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込む、請求項1に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項4】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込む、請求項1に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項5】 前記回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込む、請求項4に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項6】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込み、更にこの第2導電層上にて第4の導電層を前記絶縁層の表面の高さまで埋め込む、請求項1に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項7】 前記回路素子を前記第3導電層によって前記配線基板に接続する、請求項4〜6のいずれかに記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項8】 前記絶縁層に対してレーザ光照射によって前記接続孔を形成する、請求項1に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項9】 前記第2導電層の形成を無電解メッキ法によって行う、請求項1に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項10】 前記第3導電層又は/及び前記第4導電層を導電材料の物理的成膜法又はメッキ法によって形成する、請求項1又は6に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項11】 前記回路素子を発光素子とする、請求項3に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造の製造方法。
【請求項12】 回路素子に接続されるか、或いは/並びに、下層の配線を形成しているアルミニウム系の第1導電層上に絶縁層を形成する工程と、前記第1導電層上において前記絶縁層に接続孔を形成する工程と、前記接続孔内にニッケル系の第2導電層を形成する工程と、前記第2導電層上に第3の導電層を形成する工程と、前記回路素子を前記第3導電層によって配線基板に接続する工程とを有する、電気回路装置の製造方法。
【請求項13】 前記第1導電層を下層の配線、電極パッド又は電極とする、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項14】 前記回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込む、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項15】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込む、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項16】 前記回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込む、請求項15に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項17】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔を、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込み、更にこの第2導電層上にて第4の導電層を前記絶縁層の表面の高さまで埋め込む、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項18】 前記絶縁層に対してレーザ光照射によって前記接続孔を形成する、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項19】 前記第2導電層の形成を無電解メッキ法によって行う、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項20】 前記第3導電層又は/及び前記第4導電層を導電材料の物理的成膜法又はメッキ法によって形成する、請求項12又は17に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項21】 前記回路素子を発光素子とする、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項22】 画像表示装置又は光源装置を製造する、請求項12に記載の電気回路装置の製造方法。
【請求項23】 アルミニウム系の第1導電層上に絶縁層が形成され、前記第1導電層上において前記絶縁層に接続孔が形成され、前記接続孔内にニッケル系の第2導電層が形成され、前記第2導電層上に第3の導電層が形成されている多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項24】 前記第1導電層が下層の配線、電極パッド又は電極である、請求項23に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項25】 回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込まれている、請求項23に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項26】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込まれている、請求項23に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項27】 前記回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込まれている、請求項26に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項28】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込まれ、更にこの第2導電層上にて第4の導電層が前記絶縁層の表面の高さまで埋め込まれている、請求項23に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項29】 前記回路素子が前記第3導電層によって前記配線基板に接続される、請求項26〜28のいずれかに記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項30】 前記回路素子が発光素子である、請求項25に記載の多層配線構造又は電極取り出し構造。
【請求項31】 回路素子に接続されるか、或いは/並びに、下層の配線を形成しているアルミニウム系の第1導電層上に絶縁層が形成され、前記第1導電層上において前記絶縁層に接続孔が形成され、前記接続孔内にニッケル系の第2導電層が形成され、前記第2導電層上に第3の導電層が形成され、前記回路素子が前記第3導電層によって配線基板に接続されている電気回路装置。
【請求項32】 前記第1導電層が下層の配線、電極パッド又は電極である、請求項31に記載の電気回路装置。
【請求項33】 回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込まれている、請求項31に記載の電気回路装置。
【請求項34】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込まれている、請求項31に記載の電気回路装置。
【請求項35】 前記回路素子に接続された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面の高さまで埋め込まれている、請求項34に記載の電気回路装置。
【請求項36】 回路素子を接続固定した配線基板に形成された前記第1導電層上の前記接続孔が、前記第2導電層によって前記絶縁層の表面高さよりも浅く埋め込まれ、更にこの第2導電層上にて第4の導電層が前記絶縁層の表面の高さまで埋め込まれている、請求項31に記載の電気回路装置。
【請求項37】 前記回路素子が発光素子である、請求項31に記載の電気回路装置。
【請求項38】 画像表示装置又は光源装置を構成する、請求項31に記載の電気回路装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19】
【図20】
【図18】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図19】
【図20】
【図18】
【図21】
【公開番号】特開2003−69085(P2003−69085A)
【公開日】平成15年3月7日(2003.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−255674(P2001−255674)
【出願日】平成13年8月27日(2001.8.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成15年3月7日(2003.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成13年8月27日(2001.8.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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