説明

多段式真空ポンプ装置

【課題】真空度が比較的高い状態下での消費電力を大幅に低減する多段式真空ポンプ装置を提供すること。
【解決手段】直列に配設された複数のポンプによって主吸入口と主排出口とが空間的に連通された多段式の真空ポンプ装置を、上記複数のポンプを上流側ポンプ群と下流側ポンプ群とに分けて、下流側ポンプ群のみを駆動できるように構成するとともに、低負荷時(高真空時)には、下流側ポンプ群のみを駆動して、流体が下流側ポンプ群のみによってポンピングされるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、多段式の真空ポンプ装置に係り、特に、真空度が比較的高い状態下での消費電力を大幅に低減する多段式真空ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多段式の真空ポンプ装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
特許文献1には、「一端が最も下流側のポンプ室以外のポンプ室の排出口に連通し、他端が外部に開放された中間排出通路と、該中間排出通路の途中に介装され、該中間排出通路の一端に連通したポンプ室の排気口側の圧力が外部の圧力よりも小さい場合には前記中間排出通路を閉鎖し、大きい場合には前記中間排出通路を開放する流量制御手段と、を備えた・・・多段ドライ真空ポンプ」が開示されている(段落番号0008参照)。
【0004】
特許文献2には、「回転軸の軸方向に間隔を置いて配置された多段のロータを備えたポンプロータ・・・と、該ポンプロータを収容するケーシングとを一体に成形した」「多段容積式真空ポンプ」が開示されている(段落番号0009参照)。
【特許文献1】特開2005−155540号公報
【特許文献2】特開2005−291135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多段式の真空ポンプ装置において、各段のロータを回転駆動させるモータの負荷は、低真空時には高く、高真空時には低いことが知られている。
【0006】
上記特許文献1及び2に記載されたような従来装置によれば、ポンプ作動により真空度が高まり、モータの負荷が比較的低くなった状態下であっても、すべてのポンプのロータがモータにより回転駆動されるため、高真空時に消費される電力が比較的大きくなってしまう。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、真空度が比較的高い状態下での消費電力を大幅に低減する多段式真空ポンプ装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、直列に配設された複数のポンプによって主吸入口と主排出口とが空間的に連通された多段式の真空ポンプ装置であって、上記複数のポンプを上流側ポンプ群と下流側ポンプ群とに分けて、下流側ポンプ群のみを駆動できるように構成されるとともに、低負荷時(高真空時)には、下流側ポンプ群のみを駆動して、流体が下流側ポンプ群のみによってポンピングされるように構成される、多段式真空ポンプ装置である。
【0009】
上記一態様によれば、真空度が比較的高くなり、ポンピング負荷が比較的低くなったときには、直列に配設された複数のポンプのうち下流側の一部のポンプのみを用いて真空引きを行うとともに、流体が通過しない上流側のポンプについては駆動が停止されるため、ポンプ作動中は常にすべてのポンプを回転駆動させる場合と比べて真空度が比較的高い状態下での消費電力を大幅に低減することができる。
【0010】
上記目的を達成するための本発明のより具体的な別の一態様は、直列に配設された複数のポンプによって主吸入口と主排出口とが空間的に連通された多段式の真空ポンプ装置であって、a)上記複数のポンプのうち、上流側の1以上の連続した上流側ポンプ群の各々の内部に回転可能に配設されたロータと一体となって回転するように構成された上流側回転軸と、b)上記複数のポンプのうち、下流側の1以上の連続した下流側ポンプ群の各々の内部に回転可能に配設されたロータと一体となって回転するように構成され、下流側端に接続された電動機により回転駆動される下流側回転軸と、c)上記上流側回転軸の下流側端と該下流側回転軸の上流側端とを脱着可能に接続し、所定の条件が成立していないときには上記上流側回転軸が上記下流側回転軸と一体となって上記電動機により回転駆動されるように動力を伝達させるとともに、上記所定の条件が成立しているときには上記下流側回転軸のみが上記電動機により回転駆動されるように上記上流側回転軸と上記下流側回転軸との間の動力伝達を遮断するように構成された動力伝達手段と、d)上記主吸入口と、上記下流側ポンプ群の中で最も上流側に位置するポンプの吸入口とを上記上流側ポンプ群を通過せずに連通する第一の低負荷時用流路と、e)上記所定の条件が成立していないときには上記主吸入口から取り込まれた流体が上記上流側ポンプ群へ流れ、上記所定の条件が成立しているときには上記主吸入口から取り込まれた流体が上記第一の低負荷時用流路へ流れるように、流体経路を切り換える第一の切替手段と、f)上記下流側ポンプ群の中で最も下流側に位置するポンプの排出口と、上記主排出口とを主流路よりも細い径の配管で連通する第二の低負荷時用流路と、g)この第二の低負荷時用流路の途中に設けられ、上記下流側ポンプ群の中で最も下流側に位置するポンプの排出口から上記主排出口へ向かう方向を順方向とする逆止弁と、h)上記所定の条件が成立していないときには上記下流側ポンプ群の中で最も下流側に位置するポンプの排出口から主流路を通って上記主排出口へ流れ、上記所定の条件が成立しているときには上記下流側ポンプ群の中で最も下流側に位置するポンプの排出口から上記第二の低負荷時用流路を通って上記主排出口へ流れるように、流体経路を切り換える第二の切替手段と、を有する多段式真空ポンプ装置である。
【0011】
上記別の一態様において、上記所定の条件は、上記電動機の負荷が所定の閾値以下になったとき、又は、上記主吸入口における流体の真空度が所定の閾値以上になったとき、に成立する。
【0012】
上記別の一態様によれば、真空度が比較的高くなり、モータ(ポンプ)負荷が比較的低くなったときには、直列に配設された複数のポンプのうち動力源である電動機に近い下流側の一部のポンプのみを用いて真空引きを行うとともに、流体が通過しないポンプについては電動機による回転駆動が停止されるため、ポンプ作動中は常にすべてのポンプを回転駆動させる場合と比べて真空度が比較的高い状態下での消費電力を大幅に低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、真空度が比較的高い状態下での消費電力を大幅に低減する多段式真空ポンプ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。なお、多段式真空ポンプ装置の基本概念、主要なハードウェア構成、作動原理、及び基本的な制御手法等については当業者には既知であるため、詳しい説明を省略する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の一実施例に係る多段式真空ポンプ装置100の概略構成図である。
【0016】
ポンプ装置100は、直列に配設された複数のポンプPを有する。本実施例では、一例として、ポンプ装置100が6つのポンプP1〜P6を備えているものとする。
【0017】
図中、ポンプの横幅の長短は、便宜上、ポンプ容量の大小を表しており、最も上流に位置するポンプP1から最も下流に位置するポンプP6へ向かうにつれて、徐々にポンプ容量が小さくなるように設計されている。これは、下流へ行くほど流体の真空度が上がり、ポンピング負荷が小さくなるため、大容量のポンプが不要となるからである。
【0018】
また、本実施例では、一例として、6つのポンプP1〜P6のうち、上流側の3つの連続するポンプP1〜P3を総称して上流側ポンプ群Pと呼び、下流側の3つの連続するポンプP4〜P6を総称して下流側ポンプ群Pと呼ぶ。
【0019】
上流側ポンプ群Pに属するポンプP1〜P3の各々の内部に配設されるロータ(図示せず)は、上流側回転軸101Uと一体となって回転するように構成される。また、下流側ポンプ群Pに属するポンプP4〜P6の各々の内部に配設されるロータ(図示せず)は、下流側回転軸101Lと一体となって回転するように構成される。下流側回転軸101Lの下流側端(図1の場合、右端)には、下流側回転軸101Lを回転駆動させる動力源である電動機(モータ)102が接続される。
【0020】
上流側回転軸101Uと下流側回転軸101Lは同心となるように配設される。また、上流側回転軸101Uの下流側端(図1の場合、右端)と下流側回転軸101Lの上流側端(図1の場合、左端)とには、一対のカップリング103が取り付けられる。カップリング103は、電磁制御により脱着可能な動力伝達継手(例えば、メカニカルクラッチなど)である。
【0021】
カップリング103が接続されていないときには、下流側回転軸101Lの回転が上流側回転軸101Uに伝達されないため、下流側回転軸101Lのみがモータ102により回転駆動され、上流側回転軸101Uは静止している。他方、カップリング103が接続されているときには、下流側回転軸101Lの回転がカップリング103を介して上流側回転軸101Uに伝達されるため、上流側回転軸101Uは下流側回転軸101Lと一体となってモータ102により回転駆動される。
【0022】
また、ポンプ装置100は、吸気元の装置に接続され、当該装置から流体をポンプ装置100内に取り込む主吸入口104と、ポンピングされた排気を装置外へ(通常は大気中へ)放出する主排出口105と、を有する。
【0023】
ポンプ装置100は、更に、従来の多段式真空ポンプ装置と同様に、主吸入口104とポンプP1の吸入口とを連通する流路C1と、ポンプP1の排気口とポンプP2の吸入口とを連通する流路C2と、ポンプP2の排気口とポンプP3の吸入口とを連通する流路C3と、ポンプP3の排気口とポンプP4の吸入口とを連通する流路C4と、ポンプP4の排気口とポンプP5の吸入口とを連通する流路C5と、ポンプP5の排気口とポンプP6の吸入口とを連通する流路C6と、ポンプP6の排気口と主排気口105とを連通する流路C7と、を有する。
【0024】
本実施例に係るポンプ装置100は、更に、主吸入口104と、下流側ポンプ群Pの中で最も上流側に位置するポンプP4の吸入口とを上流側ポンプ群Pを通過せずに連通する第一の低負荷時用流路106を有する。
【0025】
主吸入口104には、主吸入口104から取り込まれた流体を流路C1又は第一の低負荷時用流路106のいずれか一方へ流す第一の電磁制御式切替弁107が設けられる。
【0026】
本実施例に係るポンプ装置100は、更に、下流側ポンプ群Pの中で最も下流側に位置するポンプP6の排出口と、主排出口105とを流路C7よりも細い径の配管で連通する第二の低負荷時用流路108と、この第二の低負荷時用流路108の途中に設けられ、下流側ポンプ群Pの中で最も下流側に位置するポンプP6の排出口から主排出口105へ向かう方向を順方向とする逆止弁109と、を有する。
【0027】
下流側ポンプ群Pの中で最も下流側に位置するポンプP6の排出口には、ポンプP6から排出された流体を流路C7又は第二の低負荷時用流路108のいずれか一方へ流す第二の電磁制御式切替弁110が設けられる。最下流に位置するポンプP6の排出口から第二の電磁制御式切替弁110までの流路は、高負荷時/低負荷時共通であるから、第二の電磁制御式切替弁110はできる限りポンプP6の排出口に近い位置に配設されることが望ましい。
【0028】
低負荷時(高真空度時)には、真空引き開始当初と比べて排気される流体流量が大幅に減少しているため、低負荷時に流路管径を細くすることは許容される。また、一方で、主排出口105は常に大気圧にさらされているため、低負荷時(高真空度時)には主排出口105からの大気の逆流が生じ得る。このような逆流は、ポンピング負荷を増加させる要因となる。したがって、低負荷時に流路管径を細くするとともに逆止弁109を設けることは、負荷低減のために必要でもある。
【0029】
ポンプ装置100は、更に、ポンプ作動中にモータ102の負荷を監視し、モータ102の負荷の大きさに応じて、カップリング103の脱着と、第一及び第二の切替弁107、110の切り替えとを制御する制御部111を有する。
【0030】
制御部111は、より具体的には、モータ102の負荷について閾値を設定して、当該閾値を基準としてその時点でのモータ102の負荷が比較的高いか低いかを判断する。
【0031】
そして、制御部111は、モータ102の負荷が比較的高いと判断したときには、下流側回転軸101Lの回転が上流側回転軸101Uへ伝達されるようにカップリング103を接続制御し、主吸入口104から取り込まれた流体が流路C1へ流れるように第一の切替弁107を切替制御し、更に、下流側ポンプ群Pの中で最も下流側に位置するポンプP6から排出された流体が流路C7へ流れるように第二の切替弁110を切替制御する。
【0032】
すると、ポンプ装置100内に取り込まれた流体は、図2に太線で示すように流れるため、大容量での急速排気が可能となる。
【0033】
また、制御部111は、モータ102の負荷が比較的低いと判断したときには、下流側回転軸101Lの回転が上流側回転軸101Uへ伝達されないようにカップリング103を接続解除し、主吸入口104から取り込まれた流体が第一の低負荷時用流路106へ流れるように第一の切替弁107を切替制御し、更に、下流側ポンプ群Pの中で最も下流側に位置するポンプP6から排出された流体が第二の低負荷時用流路108へ流れるように第二の切替弁110を切替制御する。
【0034】
すると、ポンプ装置100内に取り込まれた流体は、図3に太線で示すように流れるとともに、上流側ポンプ群Pに属するポンプP1〜P3は回転駆動されなくなるため、すべてのポンプP1〜P6を回転駆動させるときと比べてモータ102の負荷を大幅に低減させることができ、よってモータ102による消費電力を大幅に削減することができる。
【0035】
このように、本実施例によれば、真空度が比較的高くなり、モータ102の負荷が比較的低くなったときには、直列に配設された複数のポンプP1〜P6のうちモータ102に近い下流側の一部のポンプ(P4〜P6)のみを用いて真空引きを行うとともに、流体が通過しないポンプ(P1〜P3)についてはモータ102による回転駆動が停止されるため、ポンプ作動中は常にすべてのポンプを回転駆動させる場合と比べて真空度が比較的高い状態下での消費電力を大幅に低減することができる。
【0036】
なお、上記一実施例においては、一例として、制御部111がモータ102の負荷の大小に応じて、カップリング103の接続並びに切替弁107及び110の切替を制御するものとしたが、当業者には明らかなように、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、制御部111はポンピング負荷の大きさを推定するのに用いることができるパラメータであれば任意のものを参照することができる。
【0037】
例えば、制御部111が、モータ102の負荷の代わりに、主吸入口104における圧力を監視し、当該圧力が所定の閾値以下になったときに、ポンプ装置100の負荷が所定レベル以下になったものと判断して、図2に示した流体経路が実現される状態から図3に示した流体経路が実現される状態へと移行されるように、カップリング103の接続並びに切替弁107及び110の切替を制御して消費電力の低減を図るように構成されてもよい。
【0038】
また、上記一実施例においては、一例として、多段式ポンプ装置100が6つのポンプP1〜P6を含む場合について説明したが、当業者には明らかなように、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、多段式ポンプ装置100に含まれるポンプの総数は任意でよい。
【0039】
また、上記一実施例においては、一例として、多段式ポンプ装置100に含まれる6つのポンプP1〜P6のうち、上流側の3つを上流側ポンプ群P、下流側の3つを下流側ポンプ群Pとした(換言すれば、ポンプP3とP4の間にカップリング103を配設した)場合について説明したが、当業者には明らかなように、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、上流側ポンプ群P及び下流側ポンプ群Pにそれぞれ含まれるポンプの数は1以上の任意の数でよい。
【0040】
さらに、上記一実施例においては、一例として、ポンプ装置100が、モータ102からの動力伝達を遮断する機能を持つカップリング103を1つのみ備える場合(換言すれば、複数のポンプを2つのグループに分けて制御する場合)について説明したが、当業者には明らかなように、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、2以上のカップリング103を異なるポンプ間に配設し、多段式ポンプ装置100に含まれる複数のポンプを3つ以上のグループに分けて、ポンピング負荷に応じて、駆動するポンプ数を上記一実施例の場合よりも細かく制御するようにしてもよい。但し、この場合、少なくとも、第一の低負荷時用流路106が複数個必要になる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、多段式の真空ポンプ装置に利用できる。真空引きの対象となる吸気元装置の種類、用途、サイズ、性能等はいずれも不問である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施例に係る多段式真空ポンプ装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例に係る多段式真空ポンプ装置において、高負荷時の流体経路を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係る多段式真空ポンプ装置において、低負荷時の流体経路を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
100 多段式真空ポンプ装置
101U 上流側回転軸
101L 下流側回転軸
102 モータ
103 カップリング(動力伝達継手)
104 主吸入口
105 主排出口
106、108 低負荷時用流路
107、110 電磁制御式切替弁
109 逆止弁
111 制御部
P1〜P6 ポンプ
上流側ポンプ群
下流側ポンプ群
C1〜C7 流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に配設された複数のポンプによって主吸入口と主排出口とが空間的に連通された多段式の真空ポンプ装置であって、
前記複数のポンプを上流側ポンプ群と下流側ポンプ群とに分けて、下流側ポンプ群のみを駆動できるように構成されるとともに、
低負荷時には、下流側ポンプ群のみを駆動して、流体が下流側ポンプ群のみによってポンピングされるように構成される、ことを特徴とする多段式真空ポンプ装置。
【請求項2】
直列に配設された複数のポンプによって主吸入口と主排出口とが空間的に連通された多段式の真空ポンプ装置であって、
前記複数のポンプのうち、上流側の1以上の連続した上流側ポンプ群の各々の内部に回転可能に配設されたロータと一体となって回転するように構成された上流側回転軸と、
前記複数のポンプのうち、下流側の1以上の連続した下流側ポンプ群の各々の内部に回転可能に配設されたロータと一体となって回転するように構成され、下流側端に接続された電動機により回転駆動される下流側回転軸と、
前記上流側回転軸の下流側端と前記下流側回転軸の上流側端とを脱着可能に接続し、所定の条件が成立していないときには前記上流側回転軸が前記下流側回転軸と一体となって前記電動機により回転駆動されるように動力を伝達させるとともに、前記所定の条件が成立しているときには前記下流側回転軸のみが前記電動機により回転駆動されるように前記上流側回転軸と前記下流側回転軸との間の動力伝達を遮断するように構成された動力伝達手段と、
前記主吸入口と、前記下流側ポンプ群の中で最も上流側に位置するポンプの吸入口とを前記上流側ポンプ群を通過せずに連通する第一の低負荷時用流路と、
前記所定の条件が成立していないときには前記主吸入口から取り込まれた流体が前記上流側ポンプ群へ流れ、前記所定の条件が成立しているときには前記主吸入口から取り込まれた流体が前記第一の低負荷時用流路へ流れるように、流体経路を切り換える第一の切替手段と、
前記下流側ポンプ群の中で最も下流側に位置するポンプの排出口と、前記主排出口とを主流路よりも細い径の配管で連通する第二の低負荷時用流路と、
前記第二の低負荷時用流路の途中に設けられ、前記下流側ポンプ群の中で最も下流側に位置するポンプの排出口から前記主排出口へ向かう方向を順方向とする逆止弁と、
前記所定の条件が成立していないときには前記下流側ポンプ群の中で最も下流側に位置するポンプの排出口から主流路を通って前記主排出口へ流れ、前記所定の条件が成立しているときには前記下流側ポンプ群の中で最も下流側に位置するポンプの排出口から前記第二の低負荷時用流路を通って前記主排出口へ流れるように、流体経路を切り換える第二の切替手段と、を有することを特徴とする多段式真空ポンプ装置。
【請求項3】
請求項2記載の多段式真空ポンプ装置であって、
前記所定の条件は、前記電動機の負荷が所定の閾値以下になったとき、又は、前記主吸入口における流体の真空度が所定の閾値以上になったとき、に成立する、ことを特徴とする多段式真空ポンプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−91919(P2009−91919A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261197(P2007−261197)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】