説明

定量化規格化(位相差)顕微鏡装置

【課題】定量化規格化(位相差)顕微鏡装置において、顕微鏡画像の定量化を行うことを課題のひとつとする。また白血球、生体組織や微生物の定量計測により歯周病やう蝕などの疾病に対する診断に役立てる。
【解決手段】微生物、組織、赤血球、白血球などの被観察物における、2次元定量化手段と、試料の厚み計測手段を備えた3次元定量化手段と、電子格子補正手段と、規格化撮像手段などからなる定量化規格化(位相差)顕微鏡装置を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡計測における定量化などに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
従来の定量化技術は、血球計算盤のようにスライドグラスやカバーグラスに格子が印記されており、この格子の範囲と、深さにより定量化がなされていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の定量化技術は、スライドグラスやカバーグラスに格子を印記する必要があった。そのため格子間隔を変更するには、別の格子を印記したスライドグラスやカバーグラスを用意しないといけなく、同一試料にて種々の格子を使用できなかった。またスライドグラスやカバーグラスに格子を印記するために製造に手間がかかったり、それゆえに非常に高価であった。さらに格子以外の定量化技術はなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1〔請求項1の手段〕
請求項1の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

微生物、組織、赤血球、白血球などの被観察物にける2次元(定量)計測を行う定量計測手段を備える事を特徴とする。


2〔請求項2の手段〕
請求項2の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

深さが既知のカバーグラスまたはスライドグラスのいずれかを備えた3次元(定量)計測手段を備える事を特徴とする。


3〔請求項3の手段〕
請求項3の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

試料の厚みを計測できる厚み計測手段を備えた3次元定量計測手段を備える事を特徴とする。



4〔請求項4の手段〕
請求項4の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

電子格子補正手段を備えることを特徴とする。



5〔請求項5の手段〕

請求項5の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

採取定量手段を備えることを特徴とする。



6〔請求項6の手段〕

請求項6の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

蛍光手段または分光手段などによる電磁波分析あるいは、運動分析手段による運動分析などによる性状手段を備えることを特徴とする。




【発明の効果】
【0005】
1〔請求項1の作用および効果〕
請求項1の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

微生物、組織、赤血球、白血球などの被観察物にける2次元(定量)計測を行う定量計測手段を備える事を特徴とするので、2次元(定量)計測ができる。



2〔請求項2の作用および効果〕
請求項2の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は

深さが既知のカバーグラスまたはスライドグラスのいずれかを備えた3次元定量計測手段を備えるので、密度などの3次元定量計測ができる。



3〔請求項3の作用および効果〕
請求項3の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は

試料の厚みを計測できる厚み計測手段を備えた3次元定量計測手段を備える事を特徴とするので、密度などの3次元定量計測ができる。



4〔請求項4の作用および効果〕

請求項4の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は

定量的なサンプリングができる。

これにより母集団の絶対値などを計測できるので、さらに精度が上がる。



5〔請求項5の作用および効果〕

請求項5の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

採取定量手段を備えることを特徴とするので、採取物が定量化されているので、さらに精度が上がる。また採取定量手段の採取形状により歯周ポケットの液相(流動、半流動も含む)とプラーク相(層)を選択し採取できる。また歯周ポケットの任意の位置からの試料採取もできる。



6〔請求項6の作用および効果〕

請求項6の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

少なくとも蛍光手段または分光手段などによる電磁波分析あるいは、運動分析手段による運動分析などによる性状手段を備えることを特徴とするので、微生物などの観察物の性状(分光特性、蛍光特性、運動特性など)にて、試料画像中の微生物などの観察物を特定する事ができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置を、図1〜図8に示す実施例または変形例に基づき説明する。
【0007】
〔実施例の構成〕
図1において定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、
電子格子手段を少なくとも備える。
【0008】
[動作]
電源をONにすると
試料映像に電子格子が表示される。図4下図、図8など
【0009】
[効果]
電子格子により、試料の大きさなどがわかる。
【0010】
[変形例]
電子格子以外に、定規状のスケール、分度器状のスケール、円形スケール、三角スケール、円弧スケール、多角スケールなどの電子スケールを表示しても良い。
また後述の電子格子補正手段を備えて格子の精度、動きなどを改善しても良い。

【実施例1】
【0011】
第1実施例の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、少なくとも定量計測手段をを備える。
【0012】
[第1実施例の形態]
第1実施例は、定量化規格化(位相差)顕微鏡装置による定量化計測を実施の形態とする。
【0013】
[構成]

図1における定量化規格化位相差顕微鏡装置は、

定量計測手段を備える事を特徴とする。
【0014】

ここで定量計測手段は、少なくとも
【0015】

試料画像に対する電子格子情報を得るための指標となる指標手段を試料ステージ手段に備え、さらに被計測物である試料を保持する試料保持手段を有する事を特徴とする前記試料ステージ手段(望ましくは、X一方向、X−Yにおける2方向、またはX−Y−Zの3方向などに位置を可変できるステージが望ましい。)と、



前記試料ステージ(手段)に備えられている指標(手段)を検出し、その指標に基づき試料映像に電子格子を描画(生成)するための電子格子情報などを検出する指標検出手段



前記電子格子情報(主に試料映像に対する電子格子の絶対的位置情報または相対的位置情報)に従い、試料映像に対して特定の大きさ、形の電子格子を発生させる電子格子手段



前記試料ステージ(手段)に保持された前記試料を撮影する試料撮像手段



前記試料映像を撮影し画像表示する(画素)ブロック画像手段



前記電子格子と前記試料画像を重ね合わせるための重ね合わせ手段(オーバーラップ手段)

とを備える事を特徴とする。


【0016】

実施例1においては、

試料ステージの指標を検出する指標検出手段は、少なくとも、

試料ステージに描かれた(印記された)指標手段と、

指標を撮影する指標撮像手段(ここではCCDカメラ)と、

指標撮像手段からの映像を(画素)ブロック画像にする(画素)ブロック画像手段

(キャプチャー手段(A/D変換手段)を使用)と、

前記(画素)ブロック画像に映っている指標の座標(指標が写っている画素またはブロック画像における特定の画素または特定のブロック画像)を検出する既知の座標検出手段(この情報は、電子格子の相対位置情報や絶対位置情報となる。)と、

を備える。
【0017】

指標手段は、光点、描画点、穴、線、面、格子(必要に応じて補正格子を含む。)などからなり、それら指標は、指標撮像素子が撮像した映像において、背景画と指標を分離できる指標であればどのような物でも良い。そして指標は、カラーであってもモノクロであってもよい。カラーの場合は、複数の指標を容易に分離して使用できる利点がある。またモノクロの場合は、高分解能を得られやすい。

そして指標は、光点の様に電磁波を輻射する能動的な指標であっても良いし、また描画点のような自身からは何も輻射しない受動的な指標であっても良い。受動的な指標は、普遍的にて保守が簡単である。また能動的指標は、外乱に強い場合が多く、さらに特殊な信号、一例として、信号を搬送することができるので、一例としてステージがある閾値以上動いた場合、格子映像が定まった場合、大きな移動範囲を連続的に計測する中継として使用したり、など毎に信号を送り、動作を制御するのに使用しても良い。

ここでは、試料ステージに印記した点を使用した。
【0018】

指標撮像手段は、CCDカメラを使用した。CMOSでもビジコン、サチコンなど撮像手段ならどのような物でも良い。そしてその映像を(画素)ブロック画像手段が、(画素)ブロック画像にする。具体的な一例としては、キャプチャー手段(A/D変換手段)を使用し、後述の一例として720×480ドットの(画素)ブロック画像とする。
【0019】

前記(画素)ブロック画像の映像に映っている指標の座標を検出する既知の座標検出手段は、前記カメラ映像に存在する指標(光点)を検出する既知の(指標)光点追跡手段(装置)などで指標の座標値を検出する。

この時、既知の光点追跡手段(装置)の1ブロックは、指標撮像手段における映像画素(A/D変換後の最終データとしての画像)3画素以上を1ブロックとして設定し、少なくとも最終収束ブロックにおいては、分解能と視野の関係において、のぞましくは4ブロックまたは、9ブロック程度の構成を採用し、このブロックに対する特定の位置座標、ここでは一例としてブロック中の重心位置の座標を位置座標として使用する。その座標を後述電子格子の計測範囲格子の格子座標に対応させた。
【0020】

この時、この(指標)座標は、既知のキャプチャー手段(A/D変換手段)により変換された画素(A/D変換後の最終データとしての画像)またはドットの集合画像の位置座標を採用した。一例として720×480ドットのキャプチャーなら、(x、y)による2次元直交座標を使用し、原点(0,0)から(720,480)の最高点までの画素の座標である。この時、前記ブロックの重心位置を、この座標値に対応させた。もちろん重心でなくてもよく、一例としてブロックを構成するいづれかの画素の座標値にしてもよい。
【0021】

ここで、試料映像を画像表示する(画素)ブロック画像手段は、

一例として顕微鏡対物レンズ(ここでは、DIN規格40倍、10倍、20倍、100倍、80倍、60倍のいづれかの対物レンズ)とCCDカメラ(ここでは、1/3インチCCD)などの規格化された試料撮像手段からの試料映像を表示手段にて表示できる映像とする。

規格化されていない試料撮像手段を使用しても良いが、互換性のある前記規格化された試料撮像手段がお薦めで効果的である。なおここでは、特に断りのない場合は、40倍の対物レンズ+1/3インチCCDを使用する。
【0022】

そして試料撮像手段からの映像を(画素)ブロック画像手段が、同一のキャプチャー手段(A/D変換手段)を使用し、キャプチャー(A/D変換)した画像も同様に720×480ドットの画像とした。そして、

試料映像の視野は、125μm×92μmにて、約0.174μm×約0.192μmの画素ピッチを採用した。(DIN40倍の対物レンズ+1/3インチCCDを使用時)
【0023】

そして指標映像の視野は、ズームレンズにて調整し、12500μm×9200μmに設定した。(一つの指標における移動許容範囲)

この12.5mm×9.2mmは、電子格子の範囲となる。(指標映像の視野範囲でもある。)汎用カバーグラスの18mm×18mmの半分強の面積をカバーしている。

ここで、この範囲を広げるために3カ所程度に指標をおくと良い。一例として、赤、青、緑の指標を間隔25mm程度で印記するなどである。
【0024】

ここでは試料撮像手段と指標撮像手段との両者の違いは、レンズなど光学系の違いのみとした。またここでは、試料撮像手段と指標撮像手段は、同一平面にたいしてその撮像素子面が平行に設置されている。もちろん2つの撮像手段の位置関係が既知であれば、どのような位置関係でも良い。
【0025】

そして電子格子を電子格子手段が発生させる。

具体的には、まず格子間隔すなわち格子の1辺を、ここでは50μmとした。もちろん任意の大きさの格子を発生させても良い。
【0026】

そして、一例としてx方向には、原点からXn= n・{G/(F/Hr)}として、原点から順次、格子線を描画してゆく。Gは、格子の一辺の大きさ、Fは視野長、Hrは、水平方向解像度。Ynの場合は、Hrは、Vr(垂直方向解像度)である。nは、正の整数で、n本目の格子線を表す。

一例としXn=50/(125/720)=288(ドット)など間隔に線を記憶手段などに既知の線分描画手段などにて描画する。

同様に、y方向には、一例としてYn= n・{G/(F/Vr)}とし、一例としてYn=50/(92/480)=261(ドット)間隔に線を記憶手段などに既知の線分描画手段などにて描画する。

ここで使用する記憶手段は、試料画像と同じ解像度を有する同じ配列の画素またはブロック画像を有する記憶手段を使用した。もちろん重ね合わせ手段(オーバーラップ手段)を兼用するということで、試料画像と同じ記憶手段に描画してもよい。さらに違う解像度の場合は、両者を整合する画像整合手段や解像度整合手段(解像度調整手段)を使用してもよい。

ここで、あらかじめ試料の基準位置と指標の基準位置を整合させて試料映像と指標映像の原点あわせを行っておく。具体的な一例としては、図2のごとく原点(0,0)を定めてその原点時に指標が位置するときに、スライドグラスの左端に視野中央が位置するように指標または指標撮像手段をX−Y方向に移動させて調整する。これは設計時に定め、製造時に前記一例のごとく決められた原点に製造されていればよい。
【0027】

この場合、記憶手段は、主記憶でも良いが、画像ボードなどの描画様記憶手段であってもよいし、オーバーレイ用の記憶手段でも良い。

そしてその前記電子格子を重ね合わせ手段(オーバーラップ手段)が前記試料画像に重ね合わせて表示手段に表示する。

重ね合わせ手段(オーバーラップ手段)は、

前記(画素)ブロック画像手段からの試料映像と前記電子格子手段からの電子格子を重ね合わせる。そして重ね合わせた映像を記憶手段に記憶したり、表示手段に表示したりする。
【0028】

ここで、表示手段も同様な解像度の表示手段を使用してもよいが、より高解像度の表示手段を使用してもよい。その時は、表示手段の解像度と試料画像の解像度、および電子格子画像の解像度を整合する画像整合手段を使用する。これらは、既知のGUI(グラフィックユーザーインターフェイス)にて実現してもよい。さらに試料画像と指標画像は、前記倍率が違う場合においても、また同じ場合においても、その比率は一定に設定できるが、表示画像と、前記2画像(試料画像と指標画像)は、比率が変動する場合がある。これらを調整する(解像度)調整手段を重ね合わせ手段(オーバーラップ手段)が備えても良い。
【0029】

この時、試料ステージを移動させ指標映像の指標の座標を1ドットx方向に移動させると、試料映像の格子は、x方向に100ドット移動する。(試料ステージがx方向に17μm程度移動する。)

同様に指標映像の指標が1ドットy方向にずれると、試料映像の格子は、y方向に100ドット移動する。(y方向に20μm程度移動する。)
【0030】

[変形例]

もちろん指標映像の総画素数を増やせば、増やすほどスムーズに格子は移動する。この一例においては、試料撮像手段の10000倍程度の画素を有すると最大限スムーズに格子は、移動する。一方指標映像の倍率を上げてもスムーズに移動するが、同一画素数の撮像素子を採用すれば、視野(格子範囲)が狭くなる。
【0031】

ここでこの断続的な動きを、画素を増加せずにでも対応できるように

電子格子補正手段を使用しても良い。
【0032】

電子格子補正手段は、一例として指標映像を構成する(画素)ブロック画像のブロックまたは画素のピッチとやや違うピッチを有する(補正)格子または(補正)線群を試料ステージの指標に近接または指標と重ねて備える。(カラー撮像手段であれば、色を変えて指標と補正格子を分離しても良い。)

これは、一例として(画素)ブロック画像において10画素または10ブロックの長さに対して、映像にして9画素または9ブロック分(に対する実)の長さの補正格子または補正線群9本(一例として黒5本、白4本、両端は、背景色)を試料ステージに補正格子として印記しておく。すると、1画素または1ブロック指標が移動する間に、(画素)ブロック画像の10画素または10ブロックの個々の画素または個々のブロックに順次、補正格子からの映像値が移り変わってゆく。
【0033】

この条件においては、指標が1画素(1ブロック)動くうちに、すなわち約1/10画素づつまたは約1/10ブロックづつ指標が動く毎に、補正格子の映像の振幅値において、1画素または1ブロック毎にピーク値が(画素の振幅値の中央を0とすると、−ピークとプラスピークが交互に1画素または1ブロックづつ移動していく。)動いてゆく。このピーク値の移動量をもって電子格子の移動量とすれば、1/10毎程度のなめらかな移動量を得ることができる。すなわち、補正格子と画素(ブロック画像)との間に生じるピーク値の1移動量は、この条件にて指標画素の1/10程度の移動量に相当し、この移動量を補正格子手段が移動情報として電子格子手段に伝達し、電子格子を動かすのである。具体的には、指標画素の1移動量は、ここでは、17.5μmで、補正格子手段を使用した時の1移動量は、1.75μmである。かなり電子格子の移動がスムーズとなるのが判る。

前記例では10画素程度であるが、もちろん補正格子は、連続に視野いっぱいに印記してもよいなど、その描画本数に制限はない。またS/N比が許される限度まで補正格子の分解能を上げても良いのはいうまでもない。
【0034】

この電子格子補正手段を使用して、電子格子手段(電子格子の形や大きさを決める事が出来る。)が上記ピーク値を記憶手段上にてつなぎ大きな格子を描画しても良い。これは、電子格子補正手段が相対的な指標検出手段となり、相対的な座標検出(位置検出)を行う事例である。すなわち試料映像に対する電子格子の相対的位置情報を生成する事である。

一例として前記条件の場合、指標画像にて10画素で1本の線が出現し、この時前記指標撮像手段と試料撮像手段の倍率の違いが100対1であるので、175μm格子が試料映像に描かれることになるので、もし50μmの格子を電子格子手段に指示がだされていれば、50/175=0.286の倍率(縮小倍率)をかけて50μmの格子を試料画像に描画する。(この場合は、相対位置情報の提供となる場合が多い。)

この場合、格子の番号や格子の座標などの(絶対)位置情報が不要なら(絶対)位置を検出する指標は不要であるので、試料ステージに(絶対)位置検出用の指標を印記しなくても良い。
【0035】

ここで位置情報が必要なら、前記指標により同様に決定してもよいし、また補正格子に空間周波数の変化する補正格子を使用し(絶対)位置情報を得ても良い。この場合、電子格子補正手段が(絶対)位置を検出するタイプの指標検出手段となる。
【0036】

なおy方向も同様に設定すればよいが、正方画素で等間隔サンプリングなら同じとなる。また正方画素(等間隔サンプリング)でない場合は、縦横比を修正する縦横比修正手段にて縦横比を修正し表示手段では、正方格子としても良い。
【0037】

ここで、指標座標は、指標座標補正手段によりレンズの歪みを補正した座標を使用するのが望ましい。これは既知のレンズ補正手段を少なくとも備える。


【0038】

[動作]

図2のごとく、

一例として歯周ポケットから試料を定量採取可能な定量採取手段である縦溝探針(図6)、連円探針(図7)、あるいは定性採取のNo9の探針などを使用し、歯垢(プラーク相またはプラーク層)や液状成分(液相)などの試料をスライドグラスに採取して、必要なら水にて希釈し(常に一定量にて希釈するのが望ましい。)、そして必要ならカバーグラスにて試料を圧接し、試料ステージに載せる。そして試料撮像手段にて試料を撮影する。

そして電源をONにすると、

図4上図のごとく表示手段に試料映像が映し出される。
【0039】

さらに電子格子をONにすると、図4下図や図8のごとく試料画像と同じ尺度の大きさの電子格子が電子的に映像に描画される。試料の長ささが50μmなら格子の一辺と同じ長さに写る。
【0040】

そして試料ステージを動かすと、それに伴い試料の観察位置が動く。それとともに指標位置も同様に動き、それに従い電子格子も前記条件に従い動く。 一例としてはXμm、X軸に動くと、電子格子は、Xμm(条件によっては断続的にである。)、X軸に動く。Y軸も同様である。これは術者には、カバーグラスやスライドグラスに格子が描画されているのと同じ様に格子と試料中の微生物などが観察される。
【0041】

そして、格子の中の白血球を手動にて個数を数えメモしたり、または計測範囲設定手段が前記指標座標値に指定された格子内にて、既知の自動個数計測手段を使用し自動的に個数を数えてもよい。またただ眺めるだけでも良い。 必要なら大きさ、長さ、体積などを電子格子を使用して計測しても良い。
【0042】
[効果]

白血球などの構造物の大きさ、長さ、形などが計測(2次元計測または2次元定量計測)できる。
【0043】

すなわち2次元定量計測や2次元定性計測ができる。
【0044】

ここで、前記のDIN40倍対物レンズ+1/3インチCCDなどによる規格化試料撮像手段を使用すれば、映像が規格化されているので、どこで、だれが計測しても互換性がある。これにより医師間における診断誤差が極めて少なくなる。
【0045】

また従来は、スライドグラスやカバーグラスに格子がインキされていた。この場合、スライドグラスやカバーグラスにいちいちインキしないといけないので大変(手間)である。また非常に高価であったが、本発明により従来の安価なスライドグラスやカバーグラスを使用できる。 さらにまた格子の形、大きさは、どのような形、大きさにも設定できる。一例としては、3角形以上の多角形格子などである。


【0046】
[変形例]
上記実施例では、試料の調整を特に行っていないが、

歯垢をスライドグラスに採取して、一定量の希釈液、一例として生食、リン酸緩衝液、(人工)唾液、(人工)組織液または水3μl〜6μl程度、一例として水3μlにて希釈し(常に一定量にて希釈するのが望ましい。)、そしてカバーグラスにて試料を圧接するとさらに良い。
【0047】

また、試料が歯肉溝内の液相(流動、半流動成分を含む)を連円探針(図7)などにて採取した場合は、希釈する必要がない場合がある。その場合は、希釈液を気にすることはない。
【0048】

さらに上記実施例では、一般的なスライドグラス、カバーグラスを使用したが、特殊なスライドグラス、カバーグラスを使用しても良い。
【0049】

具体的な一例としては、図5などの深さ一定スライドグラスである。これを使用し、前記格子の単位格子あたりの白血球など指標の数と、この深さによって単位体積あたりの指標物の数(白血球数)などが計算してもよい。 (圧接条件が同一になりやすい利点もある。)
【0050】

また上記実施例では、電子格子を使用したが、図8のごとく格子に前記座標位置を表示する座標提示手段を備えて、表示画像に座標を表示しても良い。この例では、x座標値の最大値は、720/2.88=250であり、y座標値の最大値は、480/2.61=183である。座標位置の表示は、格子のどこでもよいし、また表示文字は透過色を使用してもよいし、また非透過色を使用してもよい。また画面の隅など画面のどこに表示してもよいし、またセカンドモニターに表示してもい。
【0051】

この場合、座標提示手段をONにすると現在の格子の座標が示される。(一例として図8や図4下図)
【0052】

そして座標提示手段をOFFにすると座標値が消え、そして電子格子をOFFにすると電子格子が消え、試料映像のみとなる。(図4上図)




【実施例2】
【0053】
第2実施例の定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、少なくとも3次元定量計測手段をを備える。
【0054】
[第2実施例の形態]
第3実施例は、定量化規格化(位相差)顕微鏡装置による3次元定量計測を実施の形態とする。
【0055】
[構成]

実施例1の構成に加え

3次元(定量)計測手段は、少なくとも深さ手段を備える。
【0056】

さらに試料が希釈されている場合は、

希釈率手段を備える。

希釈されていない場合は、不要である。


【0057】

ここで深さ手段は、

1 深さ一定スライドグラス、深さ一定カバーグラス、深さが既知のスライドグラス、深さが既知のカバーグラスによる既知の深さを記憶または入力記憶する手段を使用する深さ手段の場合。ここで深さ既知のスライドグラスには、格子位置に対して深さが既知となっているものを含む、すなわち場所により深さが異なっても、その位置が特定できるものである。

2 深さ、すなわち試料の厚さを計測する厚さ計を少なくとも備える深さ手段の場合。



以上1,2の各手段におけるいづれかまたはその組み合わせなどにより実現される。
【0058】

具体的な一例において、前記深さ手段の1の場合の一例として前記深さ一定カバーグラスなどを使用し深さが既知となっている場合などは、深さ手段に、この深さ値をキーボードなどにて入力しておく。具体的な一例としては、15μmなどである。
【0059】

そして、この格子の辺は、前記電子格子手段から既知となっている。ここでは、一例として50μmである。ここで、いくつの格子中の指標物を計測するかは、統計的な母集団推定にしたがうのが良い。

よって、単位体積あたりの白血球の数がわかる。
【0060】

[動作]

実施例1の装置と同じく電源をONにして、実施例1と同じ動作を行い、さらに次の動作を追加する。 すなわち具体的な追加動作一例として

図8において、

1格子(50μ×50μm)における白血球数は、8個である。

次に深さ手段にキーボードなどにて深さ入力する。ここでは15μmを入力する。
【0061】

ここで、試料が希釈されている場合は、希釈率手段が希釈率を計算するが、ここでは希釈しておらず、1を入力するか、もしくは希釈率手段を使用しない。
【0062】

以上の結果、単位体積あたりの数、すなわち密度が算出され、表示手段などにて表示される。すなわち

深さ手段からの深さ値と電子格子手段からの格子寸法にて前記の例においては、密度は

密度手段が 2.13×10−4(個/μm)と計算し、それを表示手段が

2.13×10個/ mm

と表示するなどである。

さらに血液中の白血球を計測すると、正常値は4,000〜8,000個/ mmなので、50μm辺の格子で深さ15μmの6面体中においては、1.5〜3×10−1個見える事になる。これは、10視野見ると1.5〜3個の白血球が観察される事である。この程度の数であると統計学的サンプルを行う必要があるのはいうまでもない。(後述の母集団推定手段の採用が望ましい。)このように血液中の白血球密度を計測することもできる。
【0063】

試料が希釈されていない場合は、希釈率手段を使用しなくても定量ができるのは言うまでもない。特にプラーク相(層)は、希釈が必要である場合がほとんどであり、液相は、採取料が少ないとき、特に希釈が必要な場合が多い。


【0064】

[効果]

これらは、3次元定量計測や3次元定性計測などができる事を意味している。

すなわち具体的な一例として単位体積あたりの白血球の数がわかる。微生物や構造物、組織なども同様に単位体積あたりの数がわかる。

また定性採取のNo9の探針の採取量を計測でき、結果として定量計測とできる。


【0065】

[変形例]

前記深さ手段は、深さ一定カバーグラスによるものであったが、各種厚さ計(レーザー、静電容量、差動トランスなど)を使用して試料の厚さを計測し自動入力や手動入力する深さ手段を使用してもよい。

この前記深さ手段の2の場合の一例として、カバーグラスもスライドグラスも最も安価で汎用的な極々一般的なカバーグラスや汎用的な極々一般的なスライドグラスを使用できる。
【0066】

具体的な一例としては、

カバーグラスをスライドグラスに載せて厚み計測手段にて厚みを計測し、試料を挟んで厚みを計測し、その差分を厚みにするなどである。この場合、前記厚み計測手段がUSBなどにてコンピュータに接続されている場合は、自動に深さ手段に深さが記憶されている。またこの場合、試料ひとつひとつに厚さが計測される。
【0067】

さらに厚み計測手段が試料ステージ上などに設置されている場合、電子格子上にて厚さ計測ができるので、電子格子と厚さとの計測データ(行列)が使用できる。この場合、カバーグラスの「」しなり」「たわみ」などにてカバーグラスの面内に厚さ変動があっても精度良く深さが計測される。これは深さ一定スライドグラスのみでも定量化は可能だが深さ一定スライドグラスを使用した場合に使用しても有効で、さらに精度が上昇する。

これらも3次元定量計測手段の一例である。
【0068】

[総合変形例]
上記実施例にいづれかまたはその組み合わせを、加えあるいは、変形し、
【0069】

電子格子に番号を表示する番号表示手段を備えても良い。前記ブロックに番号(ここでは、座標値)を対応させておき、その番号を記憶手段に記憶し、番号表示手段のスイッチにて表示、非表示する。

番号表示手段をONにすると、格子毎に番号が表示される。(図8)
【0070】

電子格子に長さ値を表示する長さ表示手段を採用しても良い。格子毎や、前記スケールに長さ値を対応させた数値が記憶手段に記憶されており、長さ表示手段のスイッチにて長さ値が表示される。

長さ表示手段をONにすると、長さ値(長さスケール)が表示され、試料の長さを計測できる。
【0071】
ここで前記電子格子に番号を表示する番号表示手段からの番号をランダムに表示し、その番号毎にサンプリング(計測)をしてゆく、無作為抽出手段を備えても良い。(図8)この時、計測する格子番号に対応する計測範囲設定手段に伝達され計測値が記憶される。
【0072】

さらにまた、前記無作為抽出を行う毎に、ヒストグラムや平均、偏差、サンプリング数、信頼度のいづれかひとつ、またはその組み合わせを表示する母集団推定手段を備えても良い。これは、最低限必要なサンプリングを認知でき、サンプリング(計測)を最低限にて中止する事ができ合理的である。(図8)
【0073】

試料ステージの位置は、マグネスケールや作動トランスや位置検出が行えるステッピングモーターなど既存の位置検出手段を使用して電子格子の位置情報としても良い。その場合は、本発明よりほとんどが高価で、機構が複雑になりやすくまた大がかりとなりやすいが代用はできる。

また試料にレーザーを照射し、そのスペックルの速度を積分し、位置を検出するレーザースペックルによる位置検出手段を使用し電子格子の位置情報としても良い。この場合は、指標や指標撮像手段そして指標検出手段は不要となる。

本発明の実施例1は、これらの位置検出(手段)による電子格子位置あわせのための手段をのぞく一例である。
【0074】

前記実施例に採取定量手段を使用してもよい。

具体的には、

1 連円探針(連ドーナッツ状探針)(図7)

2 縦溝探針(図6)

3 歯周ポケット用スポイト

のいづれかまたは、その組み合わせを使用する。
【0075】

1を使用すれば、歯周ポケット内の液状成分(流動、半流動成分)すなわち液相、内縁上皮のバイオゾーン(組織相または組織層)、歯根面の縁下プラーク(プラーク層またはプラーク相)のいづれかまたはその組み合わせにて試料を定量採取できるので、それらの前述診断が定量的にできる。またポケット底からポケット開口部までの深部の試料と浅部の試料を、円内の試料のみを断続的に採取し断続的サンプリングしたり、または、円内と連続した円の表面に連続する試料を採取し連続的にサンプリングできる。
【0076】

2を使用すれば、歯周ポケット内の液状成分(流動成分、半流動成分を含む)すなわち液相、内縁上皮のバイオゾーン(組織相または組織層)、歯根面の縁下プラーク(プラーク層またはプラーク相)のいづれかまたはその組み合わせにて試料を定量採取できるので、それらの前述診断が定量的にできる。またポケット底からポケット開口部までの深部の試料と浅部の試料を連続的にサンプリングできる。
【0077】

3を使用すれば、歯周ポケット内の液状成分(流動成分、半流動成分を含む)すなわち液相を定量採取できるので、それらの前述診断が定量的にできる。またポケット底からポケット開口部までの特定の部位の液相をスポット的に採取できる。また連続吸引においては、連続した試料が、断続吸引においては断続した試料が採取できる。
【0078】

また規格化試料撮像手段一例として、

映像伝達手段がデジタルの場合、すなわちCCD1画素毎を直接A/D変換して得られた信号を使用する場合は、DIN規格対物レンズ40倍に約7μmドットCCD画素(ピッチ)を使用したCCDの画素(ピッチ)で規格化しても良い。また、

少なくとも映像伝達手段が既存のアナログビデオ信号を使用する場合においては、DIN規格対物レンズ40倍に後述の最終的なサンプリング画素で規格化した規格化試料撮像手段を使用しても良いし、前記1/3インチCCDとDIN規格対物レンズ40倍とでの規格でもよい。この2つは、幅を持たせて同じ規格としても良い。さらにCCDの画素とキャプチャーのサンプリング条件、ビデオ信号の処理タイミングなどを全て考慮したサンプリング画素で規格化した場合は、以下のごとくである。
【0079】

ここで、キャプチャーした画像における1画素の条件として0.175μm画素ピッチ(前記CCD画素では7μm程度で40倍DIN規格レンズ使用時)の画像とした場合、この画素条件にて480iDV規格を採用すると、40倍DIN規格の対物レンズの場合、視野が126μm×84μm程度である。さらにPAL規格の720×512でゆくと、126μm×90μm程度である。ちなみに本顕微鏡視野(40倍DIN規格の対物レンズ)は、125μm×92μmにて、0.174μm×0.19μmの画素ピッチを採用した。垂直画素がやや大きいのは、CCDの画素の大きさとCCDの画素数と480iDV規格の480ライン(キャプチャーボードのサンプリング条件)あるいは、NTSC規格などに制限されているからである。また少なくとも水平(x方向)にての規格としても良い。もちろん前記条件を満たすCCDの画素ピッチ、伝送系の帯域などが必要なのは言うまでもない。
【0080】

ここでこの規格にさらに詳細な規格として、CCDカメラからの出力信号をS−Video(以上)出力やデジタル出力によりハイビジョンやDVD規格である480iと同等とした規格化試料撮像手段として使用しても良い。この場合全世界規模で医師間の診断誤差が減少する。
【0081】

一般的なアナログ版の位相差顕微鏡の規格は、DIN規格40倍の有限焦点対物レンズにS−Video出力の1/3インチCCDカメラが最適と思われる。水平解像度は、480以上で、さらに512本以上で、525本が最ものぞましい。(720×480以上の分解能をカメラが有する事が好ましい。 さらに可能なら720×512以上、そして525本が最も望ましい。)

ここでキャプチャーボードは、720×480から720×525画素でのサンプリングが最適と思われる。もちろん、さらに高分解能、広い視野が確保できる条件は、多々存在するが、最も広く普及しているビデオ規格に対応できる規格が上記の40倍DIN対物レンズ+1/3CCD+S−Video+720×480キャプチャー規格である。ゆえにもっとも多くの人々が、同一の画像にて診断、意見交換ができるので価値がある。
【0082】

将来的にはさらに高分解能、高視野の規格の策定が望まれる事は言うまでもない。
【0083】

前記電子格子手段の描画画像は、4角形を採用したが、多角形や不定形の格子でも良い。

被計測物に形状を合わせた特定形状の格子でもよい。一例として歯肉溝に浸潤した白血球なら多くは丸いので、丸の格子でも良い。

この場合は、指標物の形状に設定できるので、誤差の少ないサンプリングなどができる。


【0084】

この定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、どのような試料、指標に適用してもよい。
【0085】

本発明の実施例または変形例は、全てハードウェアにて製作しても良いし、またソフトウェアで置き換え可能な部分は、置き換えても良い。
【0086】

本発明の実施例または変形例は単独で実施しても良いし、また組み合わせて実施しても良い。また他の用途に使用しても良い。また上記手段に関しても、術者や製造者が取捨選択し使用、製造するなど単独あるいはどのような組み合わせの構成をなしてもよい。



一例として、本発明である定量化規格化(位相差)顕微鏡装置において定量計測手段の変形一例の一つである画像認識手段(画像認識手段は、少なくとも画像の大きさ、形による相関を求める相関手段を備える。)を選択し、さらに蛍光手段または分光手段を組み込むなどして、組み合わせるなどである。

ここでの画像認識手段は、一種の定量計測手段である。すなわち、本発明である定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、少なくとも画像認識手段(定量計測手段の一つ)を備え、さらに蛍光手段、分光手段、運動分析手段などの性状手段を組み込む事を特徴とするので、微生物などの観察物の大きさ、形、性状(分光特性、蛍光特性、運動特性など)にて、試料画像中の微生物などの観察物を特定する事ができる。
【0087】

この組み合わせの具体的一例では、

プレボテラ インターメディアの大きさを計測すると短桿菌形状にて、

成熟した株にて

長さ 1.7μm前後から2.3μm前後 (未熟な時1μ前後)

幅 3.5μm前後から4.6μm前後 (未熟な時1μ前後)

にて前記大きさの短桿菌形状の空間フィルターなどにて相関などを計算する相関手段と

紫外線波長300nmから400nm未満程度にて試料を励起し、試料画像においては、可視光線のみを表示する蛍光手段とを備える。ここでプレボテラ インターメディアは、赤色の発光(蛍光)をする。

そして前記採取定量手段などにて口腔内から採取された試料を前記定量化規格化(位相差)顕微鏡装置により試料画像Aとする、ここで、さらに前記波長にて試料を照射励起し、その画像を試料画像Bとする。そしてその画像Aを画像認識手段が前記大きさの短桿菌(領域または形)による相関係数にて相関性ありとした短桿菌領域を、つぎに画像Bに重ね、かさなった画像Bの領域を画像認識手段が赤色フィルター処理手段にて前記画像Aの短桿菌領域を選択表示してゆく。(選択表示とは、一例として条件に一致した画像を特定の形状にて囲み線で囲んだり、色をつけたりすることなどである。ここでは、特定の形状は、前記サイズでの短桿菌形状である。) ここで、使用する画像は、Bのみでも選択可能だが、背景画像などとの分離などで画像Aを使用するほうが見やすいので、ここでは画像Aと画像Bを使用した。

すると、かなりの確率にてプレボテラ インターメディアのみの画像を見ることができる。

この時、この画像が確認されている短桿菌赤色部分を、画像認識手段が、位相差顕微像に切り替えたり、位相差顕微像に蛍光像を重ねたり、背景画像から抽出して、観察しても良い。さらにまたこの赤色の発光強度の強弱を計測して、プレボテラ インターメディアの活動指数としてもよい。
【0088】

また他例として、本発明である定量化規格化(位相差)顕微鏡装置に画像認識手段と分光手段とを組み込み組み合わせてもよい。画像認識手段は、一種の定量計測手段である。(画像認識手段は、少なくとも画像の大きさ、形などによる相関を求める相関手段を備える。)

ここで分光手段の使用波長を約1038cmー1または、約1033cmー1などとし、この波長のみ吸収される吸収画像B(前記プレボテラ インターメディアと処理は同様)とストレプトコッカスミュータンスと大きさ(1μmの球状)、形(約1μm球状で約0.5μm程度間隔の連鎖形状もしくは数珠状による連鎖球菌形状)における画像Aの相関とで、前記プレボテラインターメディアの時と同じく画像認識手段が、試料画像A(位相差顕微鏡画像)をマーキングや選択するなどする。するとこのマーキングまたは選択表示された部分が、かなりの確率にてストレプトコッカス ミュータンスである。画像の使用は、プレボテラ インターメディア同様、画像Bのみでもよいが、画像Aを併用するのが望ましい。

また他のストレプトコッカス属の波長である約1018cmー1を使用して、他のストレプトコッカス属を選択表示しても良い。すなわち、

ストレプトコッカス サリバリウスの場合は、約1048cm−1、

ストレプトコッカス サングイスの場合は、約1018cmー1

をそれぞれ使用し特定しても良い。また、

ストレプトコッカス ミィテスのように2峰性のピークの場合は、約1038cmー1と約1024cmー1を同等に抽出することにより分離しても良い。また1024cmー1ピークが1038cmー1ピークに対して同等ならストレプトコッカス ミィテスとしたり、1038cmー1ピークを赤、約1024cmー1ピークを青で識別して、黄色をストレプトコッカス ミィテス、赤をストレプトコッカスミュータンスとして識別しても良い。

また試料の保持条件からくる水分量により変動する場合があるので、既知の検量手段による水分補正手段にて水分による変動を補正しても良い。
【0089】

ここで、運動性微生物は、運動分析手段にて特定の運動にて抽出しても良い。

一例として、移動速度を既知の速度分析手段にて分析し、前述画像認識手段が、運動性微生物の形と大きさを分析し、運動性微生物をマーキングまたは選択表示するなどである。
【0090】

もちろん前記プレボテラ属やストレプトコッカス属の定量計測において、さらに第2の定量計測として前記計測範囲格子や深さ一定カバーグラス手段などとともに使用し、密度を計測しても良い。
【0091】

他の用途に使用に使用する例としては、指標検出手段により試料ステージの位置を検出できるので、これをオブジェクトマーカーとして利用してもよいなどである。また他の例としては、計測対象を微生物ではなく金属組織、有機化合物、無機化合物などどのような物質に使用しても良いなどである。



【産業上の利用可能性】
【0092】
試料の定量化、そして規格化ができるので、顕微鏡検査における的確な検査、観察、診査などができる。そしてそれに基づく診断、処置ができる。

【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】定量化規格化(位相差)顕微鏡装置のブロック図一例。
【図2】定量化規格化(位相差)顕微鏡装置の動作一例。
【図3】深さ手段などを採用した定量化規格化(位相差)顕微鏡装置のブロック図一例。
【図4】定量化規格化(位相差)顕微鏡装置による映像の一例。
【図5】深さ一定スライドグラスの一例。
【図6】採取定量手段の縦溝探針の一例。
【図7】採取定量手段の連円探針(連ドーナッツ状探針)の一例。
【図8】定量化規格化位相差顕微鏡装置の映像一例。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

微生物、組織、赤血球、白血球などの被観察物にける2次元(定量)計測を行う定量計測手段を備える事を特徴とする

定量化規格化(位相差)顕微鏡装置。
【請求項2】

請求項1における定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

深さが既知のカバーグラスまたはスライドグラスのいずれかを備えた3次元(定量)計測手段を備える事を特徴とする定量化規格化(位相差)顕微鏡装置。
【請求項3】

請求項1における定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

試料の厚みを計測できる厚み計測手段を備えた3次元定量計測手段を備える事を特徴とする定量化規格化(位相差)顕微鏡装置。
【請求項4】

請求項1から請求項3のいづれか一項における定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

電子格子補正手段を備えることを特徴とする定量化規格化(位相差)顕微鏡装置。
【請求項5】

請求項1から請求項4のいづれか一項における定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

採取定量手段を備えることを特徴とする定量化規格化(位相差)顕微鏡装置。
【請求項6】

請求項1から請求項5のいづれか一項における定量化規格化(位相差)顕微鏡装置は、

蛍光手段または分光手段などによる電磁波分析あるいは、運動分析手段による運動分析などによる性状手段を備えることを特徴とする定量化規格化(位相差)顕微鏡装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−216086(P2008−216086A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54950(P2007−54950)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(302008858)有限会社 ミクロデント (28)
【Fターム(参考)】