説明

射出成形設備における射出成形機の運転方法

【課題】後工程のトラブル発生時に、射出成形機の待機によるホットランナーないの樹脂の劣化をなくして成形品の取出し不良を防止し、待機時間を延長して成形品の打ち捨て量を削減して材料歩留りを向上させる。
【解決手段】射出成形工程の後工程の装置トラブルにより射出成形機を待機させる待機モードで、待機工程と打ち捨て工程とを交互に単数回または複数回行い、待機工程の初期にホットランナーの温度を成形温度から劣化しない待機温度に下げる降温動作を行い、待機工程の後期にホットランナーの温度を前記待機温度から成形温度に上げる昇温動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットランナーを有する金型を使用して射出成形機によりたとえば光ディスク基板などの成形品を連続成形する射出成形設備において、射出成形工程の後工程にスパッタ装置や張合せ装置などにより搬送・加工工程などを具備し、前記後工程で発生した装置トラブル時に、射出成形機を連続運転可能な状態で待機させる射出成形機の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば特許文献1には、トラブル発生時に、射出成形機を停止させずに、・1ショット成形後に、成形機の待機時間を設けてサイクルを長くすること(図2)、・複数ショット成形後に、成形機の待機時間を設けてサイクルを長くすること(図3)、・1または複数ショット成形後に、成形機の待機時間を設けてサイクルを長くすること(図4)により、それぞれ打ち捨て量を減少させ材料歩留りを向上させる方法が記載されている。
【特許文献1】特開2002−331560(図2〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記方法には、一次停止と打ち捨て用のショットを繰り返す方法が提案されているが、この待機時に発生するトラブルに対応する技術は開示されていない。
射出成形機のシリンダからノズルを介して供給される樹脂は、金型に設けられたランナーからキャビティに導入される。この金型のランナーには、樹脂を加熱しつつキャビティに送り出すホットランナーと、加熱しないでキャビティに送り出すコールドランナーとがある。そしてキャビティに供給された樹脂は冷却、凝固された後、金型が型開きされて成形品が取出される。
【0004】
ところで、前記ホットランナーにおいて滞留時間が長い場合、ホットランナー内の樹脂が加熱されて劣化し、内面に貼り付いて成形品の取出し時にトラブルを招くことになる。このため、たとえばポリカーボネート樹脂によりディスク基板を成形する場合、従来では、ホットランナー内の樹脂が約60秒を越えると劣化し、成形品の取出し不良が発生する。このため、60秒以内の待機工程と、複数回打ち捨て用ショットを行う打ち捨て工程とを交互に行い、待機モード中はこれを繰り返すことになる。ディスク基板の射出成形設備において、図3に示すように、たとえば30分の待機モードがある場合、従来では450枚弱の成形品が打ち捨てられることになり、材料の歩留りが悪いという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決して、射出成形設備において、ホットランナー内の樹脂の劣化による貼り付きに起因した成形品の取出し不良を防止して射出成形をスムーズに行え、かつ射出成形機に十分な待機時間を確保できるホットランナーを有する金型を用いた射出成形機の運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、射出成形機のノズルからホットランナーを有する金型のキャビティに樹脂を射出して成形するに際し、前記射出成形機の待機モードで、待機工程と打ち捨て工程とを交互に単数回または複数回行い、前記待機工程の開始時に前記ホットランナーの温度を成形温度から前記樹脂が劣化しない待機温度に下げる降温動作を行い、前記待機工程の降温動作の後に前記ホットランナーの温度を前記待機温度から成形温度に上げる昇温動作を行うものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、ホットランナーの外周部に配置されて先端部分を加熱する先端加熱部と、前記ホットランナーの外周部に配置されて基端部分を加熱する基端加熱部とにより、昇温動作時に、まず前記基端加熱部によりホットランナーの基端側を加熱して成形温度に達した後、次いで前記先端加熱部によりホットランナーの先端側を加熱し成形温度にするものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記先端加熱部および基端加熱部は、それぞれ誘導加熱コイルにより各別に温度が制御されるものである。
【発明の効果】
【0009】
上記請求項1記載の発明によれば、後工程の装置トラブルにより、射出成形機を待機モードとし、その待機工程で、降温動作により、ホットランナーの温度を内部の樹脂が劣化しない待機温度まで下げることで、待機工程に十分な待機時間を確保することができ、打ち捨て工程前の昇温動作によりホットランナーの内部の樹脂を成形温度に戻すことで、打ち捨て工程をトラブル無くスムーズに行うことができる。なお、この待機工程の待機時間は、射出成形機内で樹脂が劣化する時間以内の範囲で設定することができ、待機時間を十分に長く確保することができる。したがって、待機モード中の待機工程と打ち捨て工程の繰返し回数を低減できて樹脂の打ち捨て量を大幅に削減することができ、通常成形モードへの運転再開をスムーズに行うことができる。これにより材料歩留りを向上させることができ、ランニングコストの抑制を図り生産性を向上させることができる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、昇温動作時に、まず基端加熱部を作動させて昇温が遅いホットランナーの基端側を成形温度に復帰させ、その後、先端加熱部を動作させて昇温が早いホットランナーの先端側を成形温度に復帰させるので、ホットランナー全体を確実に成形温度に復帰させることができ、打ち捨て工程をトラブルなく確実に行うことができる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、先端側加熱部および基端側加熱部の加熱動作を誘導加熱コイルにより行うことで、容易かつ精度良く温度制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
この射出成形設備は、たとえばポリカーボネート樹脂等を用いたディスク基板を製造するためのもので、図4に示すように、表側ディスク基板と裏側ディスク基板とをそれぞれ成形する射出成形機1,1、これら射出成形機1,1から成形品をそれぞれ取出す成形品取出し機2,2、成形品を搬送する搬送装置3、ディスク基板を加工するためのスパッタ装置4、各ディスク基板を受け渡すための成形品受渡し装置5,表側ディスク基板と裏側ディスク基板とを張り合わせる成形品貼り合わせ装置6、および成形ディスク基板を検査する検査装置7により製造ラインが構成されている。ここで後工程とは、各射出成形機1による2つの射出成形工程と各成形品取出し機2による2つの成形品取出し工程の下流側の工程をいい、搬送装置3による2つの成形品の各搬送工程、スパッタ装置4による2つの成形品の各スパッタ工程、成形品貼り合わせ装置6による貼り合わせ工程、検査装置7による検査工程、を含むものとする。
【0013】
前記射出成形機1は竪型のスクリュープリプラ式で、図5に示すように、射出機11と、この射出機11に材料を溶融混練して供給する可塑化送給装置12と、射出機11から樹脂が射出される金型装置30とを具備している。
【0014】
前記射出機11は、加熱装置(図示せず)を有する加熱シリンダ13の空間13aに、射出駆動装置14により軸心方向(上下方向)に出退されるプランジャ15を有し、加熱シリンダ13の下端出口部に樹脂供給用のノズル16が取付けられている。前記射出駆動装置14は、射出用モータ14aと加熱シリンダ13と間にガイド部材14bが前記軸心方向に連結され、前記ガイド部材14bにスライダ14cがスライド自在に案内されている。そして射出用モータ14aにより回転駆動されるねじ軸14dに、スライダ14cに設けられた雌ねじ部材14eが螺合されて支持されている。前記スライダ14cの下部にはプランジャ15の基端部が連結され、スライダ14cとプランジャ15の間に先端部の空間13a内の樹脂圧を検出するロードセル(圧力検出器)14fが介在されている。
【0015】
前記可塑化送給装置12は、先端部が加熱シリンダ13に接続された加熱装置(図示せず)付きのバレル21を有し、このバレル21内に送給用のスクリュー軸22が設けられている、そして送給用モータ23により前記スクリュー軸22を回転駆動して、基端側に設けられた材料供給用のホッパ24から所定量の樹脂を加熱シリンダ13に供給する。
【0016】
前記金型装置30は、図4に示すように、上部に配置された固定金型31と、下部に配置された可動金型32と、前記固定金型31に対して可動金型32を型締め・離間可能な型締め装置(図示せず)を具備し、金型31,32間のキャビティ33内に成形された成形品を、成形品離型装置35より離型した後、成形品取出し機2により排出する。前記固定金型31および可動金型32には成形品を冷却する冷却装置(図示せず)が設けられている。また固定金型31には、ノズル16から供給された樹脂を、加熱しつつキャビティ33に導入するホットランナー34が設けられている。
【0017】
前記ホットランナー34は、上部の基端側で口径の大きいマニホールド部(基端部分)41と、下部の先端側で口径が小さいノズル部(先端部分)51とを有し、マニホールド部41には、外周部に配置された誘導加熱コイル42aからなる基端加熱部42と、温度検出用の基端熱電対(温度検出器)43とが設けられ、ノズル部51には、外周部に配置された誘導加熱コイル52aからなる先端加熱部52と、温度検出用の先端熱電対(温度検出器)53とが設けられており、射出制御装置17により、基端熱電対43と先端熱電対53により検出された温度測定値に基いて、基端加熱部42の誘導加熱コイルと先端加熱部52の誘導加熱コイルにそれぞれ供給される電力値がPID制御される。
【0018】
たとえば成形開始時に、図8に示すように、先端加熱部52および基端加熱部42によりノズル部51とマニホールド部41とを成形温度TNまで加熱するが、ノズル部51は固定金型31への放熱作用により樹脂の未流動温度まで冷却されているため、ノズル部51を成形温度TNよりも所定温度ΔTだけ高い予加熱温度まで加熱することで、樹脂がノズル部51からキャビティ33にスムーズに流れるようにしている。そして、先端熱電対53により先端加熱部52が予加熱温度に達したのを検出して、射出動作が開始されるが、この射出動作の開始と同時に、ノズル部51が予加熱温度から成形温度TNまで下げられる。
【0019】
次に図1〜図3を参照して、後工程で装置トラブルが発生した場合の射出成形機1の運転方法について説明する。通常成形モードで運転中に、後工程に装置トラブルが発生すると、射出成形機1では通常成形モードから待機モードに切換えられる。この待機モードでは、待機工程と打ち捨て工程とが交互に繰り返され、最後に打ち捨て工程に替えて打ち捨て復帰工程を行い、通常成形モードが再開される。
1.[待機工程]
(降温動作)
待機工程の初期に、射出制御装置17により、基端加熱部42および先端加熱部52の誘導加熱コイル52aへの供給電力が、成形用から待機用にそれぞれ切換えられて、ホットランナー34内の温度が、成形温度から、樹脂が劣化しないたとえば溶融温度に低下される。ここでポリカーボネート樹脂によるディスク基板の射出成形の場合、成形温度は、加熱シリンダ13の温度が370〜380℃、ホットランナー34のマニホールド部41の温度が350〜370℃、ノズル部51の温度が約260℃前後である。また待機温度は、樹脂の融点の180℃前後の温度に設定される。ここで自然放熱によるホットランナー34の冷却は、その部位の樹脂容量により決り、口径が小さく樹脂容量の少ないノズル部51では、40秒程度で待機温度に達するが、口径が大きく樹脂容量の多いマニホールド部41では、待機温度に達するのに約300秒程度が必要である。
【0020】
この待機工程の待機時間は、これは加熱シリンダ13の空間13a内の樹脂が劣化を開始する時間に拘束され、ポリカーボネート樹脂によるディスク基板の射出成形の場合は、たとえば300〜320秒に設定されている。(後述の打ち捨て工程を含んで360秒としている)
(昇温動作)
待機時間の後期で、打ち捨て工程が近づくと、射出制御装置17により基端加熱部42の誘導加熱コイル42aへの供給電力を待機用から成形用に戻し、ホットランナー34のマニホールド部41の温度を成形温度に回復させる。そして基端熱電対43の検出値でマニホールド部41の温度が成形温度に達したのを確認した後、先端加熱部52の誘導加熱コイル52aへの電力を成形用に戻し、ホットランナー34のノズル部51を成形温度に回復させる。このように加熱時間を要するマニホールド部41を先に加熱して成形温度に戻した後、加熱時間のかからないノズル部51を加熱して成形温度にもどすので、ホットランナー34全体を確実に成形温度に戻すことができる。
【0021】
ノズル部51の温度が成形温度TNに達したことが先端熱電対53の検出値により確認された後、先端加熱部52の温度設定を予加熱温度:成形温度TN+ΔTにするために、供給電力が切換えられてノズル部51が更に加熱される(ノズル部予加熱動作)と同時に、型締動作が開始される。
【0022】
2.[打ち捨て工程]
ノズル部51の温度が前記予加熱温度に達した後、先端加熱部52の温度設定が成形温度TNに戻されると同時に、射出駆動装置17によりプランジャ15が先端側に移動されて先端側の空間13a内の樹脂がノズル16から金型装置30のホットランナー34を介してキャビティ33内に射出される。この打ち捨て工程のショット回数は、射出機11および可塑化送給装置12内で劣化を生じる樹脂の量により決定され、ポリカーボネート樹脂によるディスク基板の射出成形の場合ではたとえば7回のショットが行われる。この7回の打ち捨てショットに要する時間は、たとえば30〜40秒である。これらの成形品は、成形品取出し機2により通常の搬送装置3の受渡し位置とは異なる廃棄位置に排出される。
【0023】
上記待機モードでは、待機工程と打ち捨て工程とが交互に行われ、打ち捨て工程毎にたとえば7枚の廃棄ディスク基板が生じる。
3.[打ち捨て復帰工程(打ち捨て工程)]
後工程の装置トラブルが解消し、通常成形モードに入る前に行われる工程で、打ち捨て工程に替えて打ち捨て工程と同様に実施されるが、打ち捨てショット回数は、成形品の精度が確保できるように、打ち捨て工程より少し多いショット回数で、この場合では10回程度に設定されている。この打ち捨て復帰工程は、打ち捨てショット回数だけの差異であるので、前記打ち捨て工程とほぼ同様に考えてもよい。
【0024】
上記実施の形態によれば、後工程の装置トラブルにより、射出成形機1を通常運転モードから待機モードとし、その待機工程で、降温動作により、ホットランナー34の温度を成形温度から内部の樹脂が劣化しない待機温度に下げて待機させ、打ち捨て工程前に昇温動作によりホットランナー34の内部の樹脂を成形温度に戻すことで、待機工程で十分な待機時間を確保することができる。ポリカーボネート樹脂によるディスク基板成形の場合では、約300秒の待機時間を確保することができた。またこの後の打ち捨て工程や打ち捨て復帰工程に成形品の取出し不良が発生することなく、スムーズに行うことができる。
【0025】
ここで、待機工程における待機時間は、射出機11の加熱シリンダ13内および可塑化送給装置12のバレル21の樹脂の劣化時間にもとづいてそれ以内に決定されることから、射出成形機1の待機工程の待機時間を十分に長く確保することができる。ポリカーボネート樹脂によるディスク基板成形の場合、図3に示すように、待機モードを30分とした場合の樹脂の打ち捨て枚数を、従来の413枚[樹脂重量約3300g]から、約1/10以下の38枚[樹脂重量約300g](待機時間工程を含む)にまで大幅に削減することができ、生産効率を向上させることができた。
【0026】
また打ち捨て工程時および打ち捨て復帰工程前の昇温動作時には、まず基端加熱部42の誘導加熱コイル42aに給電して昇温が遅いマニホールド部41を先に成形温度に復帰させ、その後、先端加熱部52の誘導加熱コイル52aに給電して昇温が早いノズル部51を成形温度に復帰させるので、ホットランナー34全体を確実に成形温度に復帰させることができ、打ち捨て工程時や打ち捨て復帰工程時に成形品取出し不良などのトラブルが発生することなく、スムーズに射出成形を行うことができる。
【0027】
さらに打ち捨て工程および打ち捨て復帰工程時に、待機工程で未溶融温度まで冷却されたホットランナー34のノズル部51を、射出動作前に成形温度TNよりΔTだけ高い予加熱温度まで加熱することにより、射出された樹脂をホットランナー34内にスムーズに流送させて、打ち捨て工程をトラブル無くスムーズに行うことができる。
【0028】
さらにまた先端加熱部52および基端加熱部42に射出制御装置17により個別に制御される誘導加熱コイル52a,42aをそれぞれ設けるとともに、ノズル部51およびマニホールド部41にそれぞれ温度を計測する先端熱電対53および基端熱電対43を設けることで、基端熱電対43の検出温度が基端加熱部42の目標温度に近づくように射出制御装置17が誘導加熱コイル42aへの電力制御を実行する。また射出制御装置17は、先端熱電対53の検出温度が先端加熱部52の目標温度に近づくように誘導加熱コイル52aへの電力制御を実行し、ホットランナー34内の温度を容易かつ精度良く制御することができる。
【0029】
なお、上記実施の形態では、竪型の射出成形機1について説明したが、図7に示す横型の射出成形機61であっても同様の作用効果を奏することができる。すなわち、射出成形機61は、射出機と可塑化送給装置とが一体に設けられており、水平方向に配置された加熱シリンダ62の空間62aに、計量用駆動装置63により回転自在で、射出用駆動装置64により出退自在なスクリュー軸65とプランジャ66とが設けられ、材料ホッパ67の樹脂材料を加熱溶融し混練しつつシリンダ空間62aからノズル68を介して金型装置71に射出する。金型装置71には、固定金型72と型締め装置76により型開き可能な可動金型73とが配置され、固定金型72には、キャビティ74に樹脂を導入する本発明のホットランナー75が設けられている。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、射出成形設備において、後工程で発生した装置トラブル時に、射出成形機を連続運転可能な状態で待機させる時に、材料ロスを大幅に少なくできる運転方法で、連続運転するあらゆる射出成形設備に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る射出成形装置の実施の形態を示し、待機モード時の動作を示すタイムチャートである。
【図2】同射出成形装置の待機モードにおける動作とホットランナーの温度のタイムチャートである。
【図3】同射出成形装置の30分間の待機モードにおけるディスク基板の打ち捨て枚数の変化を示すグラフである。
【図4】同射出成形機の金型装置を示す正面断面図である。
【図5】同射出成形機を示す切欠き正面図である。
【図6】同射出成形機を具備した射出成形設備を示す全体平面図である。
【図7】本発明に係る射出成形機の他の実施の形態(横型)を示す正面断面図である。
【図8】射出成形機の起動時からの先端加熱部の温度変化と、プランジャ位置と、金型の型締位置とを示すグラフである。
【符号の説明】
【0032】
1 射出成形機
2 成形品取出し機
3 搬送装置(後工程)
4 スパッタ装置(後工程)
5 成形品受渡し装置(後工程)
6 成形品貼り合わせ装置(後工程)
7 検査装置(後工程)
11 射出機
12 可塑化送給装置
13 加熱シリンダ
14 出射駆動装置
15 プランジャ
16 ノズル
17 射出制御装置
21 バレル
22 スクリュー軸
23 送給装置
24 ホッパ
30 金型装置
31 固定金型
32 可動金型
33 キャビティ
34 ホットランナー
41 マニホールド部
42 基端加熱部
43 基端熱電対
51 ノズル部
52 先端加熱部
53 先端熱電対

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形機のノズルからホットランナーを有する金型のキャビティに樹脂を射出して成形するに際し、
前記射出成形機の待機モードで、待機工程と打ち捨て工程とを交互に単数回または複数回行い、
前記待機工程の開始時に前記ホットランナーの温度を成形温度から前記樹脂が劣化しない待機温度に下げる降温動作を行い、
前記待機工程の降温動作の後に前記ホットランナーの温度を前記待機温度から成形温度に上げる昇温動作を行う
ことを特徴とする射出成形設備における射出成形機の運転方法。
【請求項2】
ホットランナーの外周部に配置されて先端部分を加熱する先端加熱部と、前記ホットランナーの外周部に配置されて基端部分を加熱する基端加熱部とにより、
昇温動作時に、まず前記基端加熱部によりホットランナーの基端側を加熱して成形温度に達した後、次いで前記先端加熱部によりホットランナーの先端側を加熱し成形温度にする
ことを特徴とする請求項1記載の射出成形設備における射出成形機の運転方法。
【請求項3】
前記先端加熱部および基端加熱部は、それぞれ誘導加熱コイルにより各別に温度が制御される
ことを特徴とする請求項2記載の射出成形設備における射出成形機の運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−90666(P2007−90666A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−283151(P2005−283151)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】