説明

導電性粒子、異方性導電性接着剤、導電性粒子の製造方法

【課題】導電性粒子を含む異方性導電材料を使ったフリップチップ実装において、接続抵抗を低減し、安定で信頼性の高い接続を実現する。
【解決手段】導電性粒子は、導電性の心材と、前記心材を覆う導電層と、を有し、前記導電層は前記心材の表面において、凹凸部を構成する網目状構造を形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に半導体装置に係り、特に導電性粒子を使った半導体装置およびその製造方法、さらにかかる導電性粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電子装置は配線基板上に半導体チップやその他の部品が実装される構成を有しているが、近年では、電子機器の小型化、薄型化および高機能化に伴い、例えば半導体チップに形成される接続端子の個数が増大し、これに伴い接続端子の間隔が狭くなっている。その結果、対応する配線基板でも、配線ピッチが減少している。
【0003】
従来、実装される半導体チップと配線基板上の配線パターンとの接続は、主としてワイヤボンディングによりなされていたが、上記のような事情により、また配線基板上の配線パターンと接続端子を相互に対向させて直接接続する方が、インピーダンスや抵抗の低減により有利であることから、今日の高機能半導体チップを使った半導体装置などでは、配線基板上に半導体チップを、接続端子が形成された半導体チップの端子面が配線基板に対向する向きで実装し、接続端子を対応する配線パターンに直接に接続させる、いわゆるフリップチップ実装技術が一般的に使われている。
【0004】
このようなフリップチップ実装技術では、前記半導体チップの端子面と配線基板との間のスペースが、接続端子と配線パターンの接続部を外部環境から保護し、また接続信頼性を向上させるため、一般に樹脂により封止されている。その際、このような樹脂封止は、前記スペースに液状樹脂を注入(アンダーフィル)することによりなされている。一方接続端子と配線パターンの接続は、例えばはんだ接続や、金−金圧着、導電性ペースト接続等によって実施される。
【0005】
しかしながら、このようなフリップチップ実装を採用した半導体装置においても、装置全体の小型化、薄型化について厳しい要求が課せられており、その結果、端子面と配線基板との間のスペースは減少し、このようなスペースへの液状樹脂の注入が困難になりつつある。一般的にはこのようなアンダーフィルを行う場合、低粘度エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される。
【0006】
一方、アンダーフィルに伴う課題を解決するため、接続する半導体チップと基板を接続する際に、配線基板のうち半導体チップを搭載する領域に予め液状樹脂を塗布しておき、接続端子と配線パターンを位置あわせした後熱圧着し、電気接続とともに機械接合することで、アンダーフィルを不要とする技術が提案されている。この技術では、半導体チップと配線基板は、熱硬化型樹脂の硬化時の収縮力によって相互に引き寄せられ、接続端子と配線パターンが直接接触し、電気接続がなされる。
【0007】
しかし、一般に電子装置を高温下で使用したり、パワーモジュール等の高温発熱の半導体素子を使用したりする際には、半導体チップ周辺の樹脂は加熱されて膨張し、使用終了後は冷却されて収縮するため、この繰り返しにより樹脂に劣化が生じやすい。上記方法では、半導体チップと配線基板の間の電気接続は、前記接続端子周辺の樹脂の硬化収縮力のみで保持されているため、膨張収縮の繰り返しにより前記樹脂が劣化すると収縮力が減少してしまう。そして硬化時の樹脂収縮量よりも、加熱時の樹脂膨張量が大きくなった場合、電気接続不良が発生する。そこで上記アンダーフィルを不要とする技術では、従来、樹脂の熱膨張係数を低下させ熱膨張を抑制するため、熱膨張係数の小さいシリカ粒子、アルミナ粒子等の無機粒子を配合した樹脂が使用されている。
【0008】
一方、樹脂中に導電粒子を均一分散させ、接続端子とこれに対向する配線パターンとの間に該粒子を介在させ熱圧着することにより、電気接続を行い、同時に隣接する接続端子間には絶縁性を確保させる、いわゆる異方性導電性接着剤および接続方法が提案されている。
【0009】
例えば、異方性導電性接着剤に分散された導電粒子を、ポリスチレン等の樹脂よりなる心材と、前記心材を覆う金属膜とよりなる構成とすることにより、例えば、圧縮荷重が1〜3gfまでは硬い弾性球としての特性を有し、それ以上の荷重では潰れて塑性変形する導電性粒子が提案されている。このような導電性粒子は圧縮変形特性を有するため、接続端子を含む接続面あるいは配線パターンを含む配線基板に変形や損傷を与えたりすることがなく、導電性粒子と接続端子あるいは配線パターン間において良好な導電性の確保を可能とする(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
また、特に近年、電子機器の急激な進歩により、接続抵抗の更なる低減が要求されている。そこで、接続抵抗を低減する目的で、このような異方性導電性接着剤に使われる導電性粒子において、表面に突起を形成することが提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。このように導電性粒子の表面に棘状の突起を形成することにより、かかる棘状の突起により接続電極や配線パターン表面の酸化膜を突き破りやすくなり、また半導体チップの接続面と配線基板との間に介在する樹脂層を突き破りやすくなり、接続抵抗の低減が可能となる。
【特許文献1】特開平11−73818号公報
【特許文献2】特開2000−243232号公報
【特許文献3】特開2002−324427号公報
【特許文献4】特開2005−166438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献1記載の異方性導電性接着剤では、導電性粒子が樹脂よりなる心材を有しているため変形回復力を有している。このため電気接続を実現しようと導電性粒子に一定以上の荷重を印加した場合、導電性粒子自体が変形するため、接続電極あるいは配線パターン表面の表面酸化膜を破ることができず、接続抵抗が低減できない、あるいは電気接続が不確実となり、半導体装置の信頼性が低減してしまうという問題があった。
【0012】
一方、特許文献2〜4記載の異方性導電性接着剤では、導電性粒子の表面に微小な突起形状の金属が形成されているため、接続端子あるいは配線パターンに対する接点面積が小さくなり、接続抵抗あるいは電気接続自体が不安定となるおそれがある。そこで、このような構成の導電性粒子を使う場合には、接続抵抗を安定化させるため、導電性粒子の量を増やし接点面積をかせぐ必要がある。しかし、このような微小突起を有する構成の導電性粒子を使った場合には、接続端子のピッチあるいは配線ピッチが狭くなると、導電性粒子間の接触が起こり、隣接する接続端子間において短絡が発生しやすいという問題があった。
【0013】
このように、異方性導電性接着剤を使った実装技術においては、導電性粒子の量を増やすことなく接点面積を増加させ、接続抵抗を低減することにより、半導体チップと配線基板上の配線パターン間に安定した低抵抗の電気接続を実現し、同時に隣接する電極間の絶縁性に優れ、接続信頼性にも優れた実装構造の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一の側面によれば導電性粒子は、導電性の心材と、前記心材を覆う導電層と、を有し、前記導電層は前記心材の表面において、凹凸部を構成する網目状構造を形成することを特徴とする。
【0015】
他の側面によれば異方性導電性接着剤は、樹脂と、前記樹脂中に分散されている前記導電性粒子よりなることを特徴とする。
【0016】
他の側面によれば半導体装置は、表面に配線パターンを担持した配線基板と、端子面に接続端子を有する半導体チップと、を含み、前記半導体チップは前記配線基板上に、前記端子面が前記配線基板の表面に対向する向きで、前記接続端子を前記配線パターンに電気接続して実装されており、前記接続面と前記配線基板の表面との間には、樹脂中に導電性粒子を分散した異方性導電性接着剤が介在しており、前記接続端子と前記配線パターンの間には、前記導電性粒子が挟持されており、前記導電性粒子は、導電性の心材と、前記心材を覆う導電層と、を有し、前記導電層は前記心材の表面において、凹凸部を構成する網目状構造が形成することを特徴とする。
【0017】
他の側面によれば導電性粒子の製造方法は、導電性の心材の表面に無機粒子あるいは有機粒子を付着する工程と、前記無機粒子あるいは有機粒子をマスクに、前記心材の表面に導電材料を被着し、前記心材の表面に導電層を形成する工程と、前記無機粒子あるいは有機粒子を除去し、前記導電層の表面に凹凸を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0018】
さらに他の側面によれば半導体装置は、表面に配線パターンを担持した配線基板と、端子面に接続端子を有する半導体チップと、を含み、前記半導体チップは前記配線基板上に、前記端子面が前記配線基板の表面に対向する向きで、前記接続端子を前記配線パターンに電気接続して実装されており、前記接続面と前記配線基板との間には、樹脂中に導電性粒子を分散した異方性導電性接着剤が介在しており、前記接続端子と前記配線パターンの間には、前記導電性粒子が挟持されており、前記導電性粒子は、導電性の心材と、前記心材を覆う導電層と、を有し、前記導電層は前記心材の表面において、凹凸部を形成する網目状構造を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、導電粒子がその表面に、前記導電層により網目状構造の凹凸部を有するため、前記導電粒子と接続端子や配線パターンなどの導電部材との接触面積が、棘状の突起を有する導電粒子を使った場合に比べて増大する。そこで、このような表面に網目状構造の凹凸部を有する導電粒子を使った異方性導電性接着剤では、導電粒子の密度を増やさずとも、低く、かつ安定な接続抵抗を実現できる。その際、接着剤中の導電粒子の密度を増やす必要がないため、このような異方性導電性接着剤を使って製造した半導体装置では、さらに導電粒子が隣接する導電粒子と接触して短絡を生じる問題も抑制できる。このような導電粒子は、導電性の心材の表面に無機粒子あるいは有機粒子を付着させ、かかる無機粒子あるいは有機粒子をマスクとして導電層を被着させ、その後、前記無機粒子あるいは有機粒子を除去することにより、容易に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
[第1の実施形態]
図1A,図1Bは、第1の実施形態による異方性導電性接着剤を使ったフリップチップ法による半導体装置の製造方法を示す。
【0021】
図1Aを参照するに、樹脂基板よりなる配線基板11上にはAl(アルミニウム),Cu(銅),Ag(銀)などよりなる配線パターン11A〜11Cが形成されており、前記配線基板11上にはフリップチップ法により、端子面12a上に例えばAu(金)よりなる接続端子12A〜12Cを有する半導体チップ12が、前記端子面12aが前記配線基板11に対向し、前記接続端子12A〜12Cがそれぞれ配線パターン11A〜11Cに対応するような位置で保持される。以下の説明では、前記配線パターン11A〜11CはAlよりなるものとするが、本実施形態では、これをCuやAg,あるいはその他の金属材料により構成することも可能である。
【0022】
前記図1Aの状態では、前記配線基板11の、前記配線パターン11A〜11Cを担持する表面に、粒径が100μm以下、好ましくは20μm以下で、できるだけ粒径が揃った好ましくは真球状の導電性粒子13Aを多数含む未硬化の接着剤樹脂層13mが、異方性導電材料として形成されている。
【0023】
そこで、この状態で前記半導体チップ12を矢印の方向に押し下げると、前記接続端子12A〜12Cは前記未硬化接着剤樹脂層13m中に侵入し、図1Bに示すように、前記接続端子12A〜12Cは、それぞれ対応する配線パターン11A〜11Cと、実質的に1層の導電性粒子13Aを介して対向し、電気的に接続される。その際、前記導電性粒子13Aの前記未硬化接着剤樹脂層13m中における密度を適切に設定しておけば、隣接する接続端子12A〜12Cあるいは隣接する配線パターン11A〜11Cが短絡してしまう問題を回避することができる。
【0024】
さらに図1Cに示すように前記未硬化接着剤樹脂層13mを硬化させて樹脂層13に変換すると、硬化に伴う樹脂層13の収縮により、前記接続端子12A〜12Cが、それぞれ対向する配線パターン11A〜11Cに強く押圧され、前記接続端子12A〜12Cと配線パターン11A〜11Cとの間に、接続抵抗の低い安定で信頼性の高い電気接続が実現される。
【0025】
一例として、前記半導体チップ12として、8.5mm×8.5mmのサイズで周辺に約120個の金バンプを前記接続端子12A〜12Cとして設置した素子を準備し、配線基板11として、半導体部品の金バンプと同じ配置のAl電極を前記配線パター11A〜11Cとして有する40mm×40mmのサイズのBT樹脂基板を準備した。
【0026】
次いで、前記基板11の電極が設置されている部位に、前記異方性導電材料をディスペンサーにて塗布し、フェイスダウン状態で前記半導体チップの金バンプと基板の電極との位置合わせを行い、半導体部品を基板に圧接し、ボンダ装置のチップ加熱ツールに半導体部品を保持し、150℃の温度で約10秒間の熱処理で前記異方導電性接着剤を硬化させ、フリップチップ型半導体装置を作製した。
【0027】
上記半導体装置の基板側の引き出し配線を用いて接合部の導通を試験した結果、前記導電性粒子の網目状構造の凹凸部がAl電極の酸化膜および、導電粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破り、低抵抗で導通していることが確認できた。さらに、−25℃〜125℃の温度サイクル試験を−25℃、30分〜+125℃、30分を1サイクルとし、これを1000サイクル繰り返す熱サイクル試験を行った結果、本発明基板では接続抵抗変化率が+5%以下であることが確認された。
【0028】
以下、前記導電性粒子13Aについて説明する。
【0029】
図2は、前記導電性粒子13Aの一例を示す図である。
【0030】
図2を参照するに、導電性粒子13Aは、後で説明する導電性の心材13C上に無電解メッキ、スパッタリング、蒸着などの手段により形成された導電層13Bを形成した構成を有し、100μm以下、好ましくは20μm以下の粒径の、好ましくは真球状の形状を有する。
【0031】
前記導電層13Bは例えば0.1μm〜20μmの厚さに形成されており、その表面に、径が10μm以下、好ましくは1μm以下の多数の凹部が形成されている。前記凹部13bの径が前記導電層13Bの厚さを超える場合には、前記凹部13Bの底部には前記心材13Cが露出されている。このような凹部13bの形成の結果、前記導電層13Bは前記導電性粒子13Aの表面において枝分かれしながら1次元的に連続し、模式的には、図3に示すような網目状の凸構造を形成する。
【0032】
このような網目状の凸構造は、前記図1Bの工程において前記導電性粒子13Aが接続端子12A〜12Cあるいは配線パターン11A〜11Cに押圧される際、前記接続端子12A〜12C中に食い込み、あるいは配線パターン11A〜11C表面の酸化膜を破砕して配線パターン11A〜11Cに食い込み、また自身も押圧により変形して横方向に拡がり、前記接続端子12A〜12Cと配線パターン11A〜11Cの間に、接触面積が大きく、従って接続抵抗が低く、また安定で信頼性の高い電気接続を実現する。
【0033】
以下、前記導電性粒子13Aの製造工程を、図4A〜4Eを参照しながら説明する。
【0034】
図4Aを参照するに、まず、シラン系化合物14の一方の末端に、第1の有機官能基14Bとして、例えばチオール基、フェニル基、アミン基、アミノ基などの官能基の少なくとも一つが形成されており、もう一方の末端に第2の有機官能基(図示せず)として、例えば水酸基が形成されたシラン系化合物14を準備し、これと無機あるいは有機の微粒子14Aとを溶媒(図示せず)中にて混合し、分散する。
【0035】
その結果、前記無機あるいは有機の微粒子14Aと前記シラン系化合物14の水酸基が反応し、また前記第1の有機官能基14Bとコア材13Cの表面とが反応し、図4Bおよび図4Cに示すように、前記心材13Cの表面に多数の無機あるいは有機の微粒子14Aが付着する。
【0036】
ここで前記微粒子14Aとして無機微粒子を使う場合には、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)等の非導電性無機粒子を用いるのが好ましい。ガラス粒子その他種々のセラミックス粒子やFRP(繊維強化プラスチック)粒子も使用できる。無機微粒子の粒径は、前記コア材13Cの粒径よりも小さい必要があり、また前記導電層13Bによる網目構造を高密度に形成するために、10μm以下、特に1μm以下であるのが好ましく、また先に述べたように電極表面の酸化膜を破砕するのに有効な前記網目構造が十分な高さで明りょうに形成されるためには0.1μm以上であることが好ましい。
【0037】
また前記微粒子14Aとして有機微粒子を使う場合には、ポリメタクリル酸メチル、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン、ポリエチレン、ポリスチレン等の非導電性有機粒子を用いることができる。有機微粒子においても、粒径は、先と同じ理由で、10μm以下、特に1μm以下で0.1μm以上であることが好ましい。
【0038】
また本実施形態では、前記シラン系化合物14の代わりに、チタン系、アルミ系等のカップリング剤を用いても良い。さらに前記第2の有機官能基としては、水酸基の他に、例えばビニル基、エポキシ基、ニトロ基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基、イソシアナト基、カルボキシル基のうち少なくとも一つを含む化合物を用いてよい。
【0039】
前記導電性心材13Cとしては、Ag、Au、Ni、Cu、Pt、Pd、Sn、ITO、はんだなどの導電性微粒子が挙げられる。前記導電性心材13Cの形状は特に制限されず、真球状、粒状、塊状、破砕状、多孔質状、凝集状、フレーク状、スパイク状、フィラメント状、ファイバー状、ウイスカー状など、用途に応じて各種形状の粒子が使用できる。しかし一般的には、実際に使用された場合の際異方性導電性接着剤の電気伝導度のバラツキを小さくする上で、できるだけ粒径の揃った真球状の粉末を使用するのが好ましい。導電性粒子のサイズは、100μm以下、特に20μm以下であることが好ましい。
【0040】
次に、図4Dに示すように、前記無機あるいは有機の微粒子14Aをマスクとして、例えば無電解めっきを行うことにより、前記心材13Cの表面に前記導電層13Bを、前記微粒子14Aの粒径を超えない厚さに形成する。前記導電層13Bは、他にもスパッタリングや蒸着など、公知の方法により前記心材13Cを表面コートすることにより形成できる。なお前記導電層13Bとしては、Ag、Au、Ni、Cu、Pt、Pd、Sn、はんだなどの金属の他、ITO(In23・SnO2)などの導電性酸化物を使うことも可能である。
【0041】
さらに図4Eに示すように、無機微粒子14Aをフッ酸等の無機酸で、また有機微粒子を使う場合にはアセトン等の有機溶剤によるエッチングなどで除去することにより、前記導電層13Bが網目状構造の凹凸部を形成する導電性粒子13Aが得られる。かかる導電性粒子13Aに形成される凹凸部の高さは、導電性粒子の直径の50%以下、特に30%以下であることが好ましい。
【0042】
なお本実施形態において、前記図1A,1Bに示した絶縁性樹脂接着剤13mとしては、例えば、ビスフェノールF型エポキシ(大日本インキ化学工業社製の“EXA830CRP”)100重量部、アミノメチルフェノールのトリグリシジルエーテル15重量部、アジンアダクトされたイミダゾール系硬化剤(四国化成社製の“キュアゾールC11Z−A”)7.5重量部、マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤(旭化成社製の“ノバキュアHX372”)7.5重量部、アルミナ粉末(アドマテックス製)65重量部を混合、撹拌して得られる。この絶縁性樹脂接着剤95重量部と、前記で得られた導電性粒子5重量部を混合、攪拌して異方性導電材料が得られる。
【0043】
なお、前記図4A〜図4Eのプロセスによれば、図4Bおよび図4Cの工程において前記コア材13Cに付着する微粒子14Aの量を、図4Aの工程において溶媒中に分散される微粒子14Aの量を、前記微粒子14Aの表面積にもよるが、例えば1000個/cc以上に増加させることにより、図5に示すように前記導電性粒子の表面において前記導電層により、孤立した突起パターン13Pを形成させることも可能である。
【実施例1】
【0044】
粒径0.5μmの真球状シリカ微粒子(アドマテックス社製)に対して1wt%のチオール系シランカップリング剤(KBM-803、信越化学工業社製)を50wt%エタノール水溶液に溶解し、この溶液にシリカ微粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、前記シリカ微粒子表面にシランカップリング剤のシラノール基がシリカ微粒子表面と反応し、表面処理済みシリカ微粒子が得られた。その後、脱イオン水30質量部を撹拌しながら、前記表面処理済みシリカ微粒子70質量部を徐々に加えた。その後、5μmギャップの3本ロール処理を行って分散させた。
【0045】
次に、前記表面処理済みシリカ微粒子の溶液に粒径2μmのCu粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、前記シリカ微粒子に付与したシランカップリング剤の末端のチオール基がCu粒子表面と反応し、多数のシリカ微粒子で表面被覆されたCu粒子の溶液を得た。これを吸引ろ過した後、120℃のオーブン中で3時間乾燥処理することで、前記シリカ微粒子で表面被覆されたCu粒子を得た。ここで前記シリカ微粒子は前記微粒子14Aに相当し、Cu粒子はコア材13Cに相当する。
【0046】
さらに前記Cu粒子表面の有機物・脂分を除去するため、10vol%硫酸にて50℃、5分間処理した後、流水中で1分間水洗した。表面の形状を均一化するため、5vol%の過硫酸アンモニウム水溶液で30秒間処理した後、流水洗で1分間処理した。表面の余分なアンモニウム塩を除去するために10vol%の硫酸水溶液で1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、10vol%塩化パラジウム触媒液で5分間処理し、Cu粒子表面にパラジウム触媒を付与した後、流水洗で1分間処理した。次に、シリカ微粒子表面に付着したパラジウム触媒を除去するために、5vol%の硫酸水素ナトリウム水溶液で30℃、1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、無電解ニッケルめっき液を85℃に加温し、10分間処理して、Cu粒子表面にのみ0.4μmのニッケル被膜を形成した後、流水洗で1分間処理した。シリカ微粒子を除去するため、フッ酸で1分間処理後、流水洗で1分間処理することにより、Ni層により、高さが0.4μmの網目状構造の凹凸部が形成されたCu粒子が得られた。ここで前記Cu粒子が前記心材11Cに相当し、前記ニッケル被膜が、前記導電層14Bに相当する。
【0047】
さらに図1A〜図1Bで説明したように、絶縁性樹脂接着剤に前記Niの網目状構造の凹凸部を有するCu粒子を導電性粒子13Aとして添加した異方性導電材料を作製し、フリップチップ型半導体装置を作製した結果、前記網目状構造の凹凸部をなす導電性粒子がAl電極の酸化膜および、導電粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破り、低抵抗で導通していることが確認された。さらに、熱サイクル試験を行った結果、接続抵抗変化率が+5%以下であることが確認された。
【実施例2】
【0048】
粒径0.8μmの真球状シリカ微粒子(アドマテックス社製)に対して1wt%のエポキシ系シランカップリング剤(KBM−403、信越化学工業社製)を50wt%エタノール水溶液に溶解し、この溶液にシリカ微粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、シリカ微粒子表面にシランカップリング剤のシラノール基がシリカ微粒子表面と反応し、表面処理済みシリカ微粒子が得られた。その後、脱イオン水30質量部を撹拌しながら、前記表面処理済みシリカ微粒子70質量部を徐々に加えた。その後、5μmギャップの3本ロール処理を行って分散させた。
【0049】
次に、前記表面処理済みシリカ微粒子の溶液に粒径5μmのCu粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、前記シリカ微粒子に付与したシランカップリング剤の末端のチオール基がCu粒子表面と反応し、多数のシリカ微粒子で表面被覆されたCu粒子の溶液を得た。これを吸引ろ過した後、120℃のオーブン中で3時間乾燥処理することで、前記シリカ微粒子で表面被覆されたCu粒子を得た。ここで前記シリカ微粒子は前記微粒子14Aに相当し、Cu粒子はコア材13Cに相当する。
【0050】
次に前記Cu粒子表面の有機物・脂分を除去するため、10vol%の硫酸にて50℃、5分間処理した後、流水中で1分間水洗した。さらに表面の形状を均一化するため、10vol%の硫酸水素ナトリウム水溶液で90秒間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、10vol%の塩化パラジウム触媒液で55℃、3分間処理し、前記Cu粒子表面にパラジウム触媒を付与した後、流水洗で1分間処理した。次に、前記シリカ微粒子表面に付着したパラジウム触媒を除去するために5vol%の硫酸水素ナトリウム水溶液で30℃、1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。さらに活性化するため、20vol%のほうフッ化水素酸で6分間処理した。次に、無電解Cuめっき液を65℃に加温し、20分間処理して、Cu粒子表面にのみ0.6μmの厚さのCu被膜を形成した後、流水洗で1分間処理した。さらにシリカ微粒子を除去するため、フッ酸で1分間処理後、流水洗で1分間処理することにより、Cu層により高さが0.6μmの網目状構造の凹凸部が形成されたCu粒子が得られた。ここで最初のCu粒子が前記心材13Cに相当し、前記Cu層が、前記導電層14Bに相当する。
【0051】
さらに図1A〜図1Bで説明したように、絶縁性樹脂接着剤に前記Cuの網目状構造の凹凸部を有するCu粒子を導電性粒子13Aとして添加した異方性導電材料を作製し、フリップチップ型半導体装置を作製した結果、前記網目状構造の凹凸部をなす導電性粒子がAl電極の酸化膜および、導電粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破り、低抵抗で導通していることが確認された。さらに、熱サイクル試験を行った結果、接続抵抗変化率が+5%以下であることが確認された。
【実施例3】
【0052】
粒径2μmの真球状シリカ微粒子(アドマテックス社製)に対して1wt%のアミン系シランカップリング剤(KBM−903、信越化学工業社製)を50wt%のエタノール水溶液に溶解し、この溶液にシリカ微粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、前記シリカ微粒子表面にシランカップリング剤のシラノール基がシリカ微粒子表面と反応し、表面処理済みシリカ微粒子が得られた。その後、脱イオン水30質量部を撹拌しながら、前記表面処理済みシリカ微粒子70質量部を徐々に加えた。その後、5μmギャップの3本ロール処理を行って分散させた。
【0053】
次に、前記表面処理済みシリカ微粒子の溶液に粒径10μmのCu粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、前記シリカ微粒子に付与したシランカップリング剤の末端のチオール基が前記Cu粒子表面と反応し、多数のシリカ微粒子で表面被覆されたCu粒子の溶液を得た。これを吸引ろ過した後、120℃のオーブン中で3時間乾燥処理することで、前記シリカ微粒子で表面被覆されたCu粒子を得た。ここで前記シリカ微粒子は前記微粒子14Aに相当し、Cu粒子はコア材13Cに相当する。
【0054】
次に前記Cu粒子表面の有機物・脂分を除去するため、10vol%の硫酸にて50℃、5分間処理した後、流水中で1分間水洗した。表面の形状を均一化するため、5vol%の過硫酸アンモニウム水溶液で30秒間処理した後、流水洗で1分間処理した。表面の余分なアンモニウム塩を除去するために10vol%の硫酸水溶液で1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、10vol%の塩化パラジウム触媒液で5分間処理し、Cu粒子表面にパラジウム触媒を付与した後、流水洗で1分間処理した。次に、シリカ微粒子表面に付着したパラジウム触媒を除去するために、5vol%の硫酸水素ナトリウム水溶液で30℃、1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、無電解ニッケルめっき液を85℃に加温し、40分間処理して、前記Cu粒子表面にのみ1.5μmのニッケル被膜を形成した後、流水洗で1分間処理した。さらに前記シリカ微粒子を除去するため、フッ酸で1分間処理後、流水洗で1分間処理することによりNi層により高さが1.5μmの網目状構造の凹凸部が形成されたCu粒子が得られた。ここでCu粒子が前記心材13Cに相当し、前記Ni層が、前記導電層14Bに相当する。
【0055】
さらに図1A〜図1Bで説明したように、絶縁性樹脂接着剤に前記Niの網目状構造の凹凸部を有するCu粒子を導電性粒子13Aとして添加した異方性導電材料を作製し、フリップチップ型半導体装置を作製した結果、前記網目状構造の凹凸部をなす導電性粒子がAl電極の酸化膜および、導電粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破り、低抵抗で導通していることが確認された。さらに、熱サイクル試験を行った結果、接続抵抗変化率が+5%以下であることが確認された。
【実施例4】
【0056】
粒径0.5μmの真球状アルミナ微粒子(アドマテックス社製)に対して1wt%のチオール系シランカップリング剤(KBM−803、信越化学工業社製)を50wt%のエタノール水溶液に溶解し、この溶液にアルミナ微粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、前記アルミナ微粒子表面にシランカップリング剤のシラノール基がアルミナ微粒子表面と反応し、表面処理済みアルミナ微粒子が得られた。その後、脱イオン水30質量部を撹拌しながら、前記表面処理済みアルミナ微粒子70質量部を徐々に加えた。その後、5μmギャップの3本ロール処理を行って分散させた。
【0057】
次に、前記表面処理済みアルミナ微粒子の溶液に粒径2μmのCu粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、前記アルミナ微粒子に付与したシランカップリング剤の末端のチオール基が前記Cu粒子表面と反応し、多数のシリカ微粒子で表面被覆されたCu粒子の溶液を得た。これを吸引ろ過した後、120℃のオーブン中で3時間乾燥処理することで、アルミナ微粒子で表面被覆されたCu粒子を得た。ここで前記アルミナ微粒子は前記微粒子14Aに相当し、Cu粒子はコア材13Cに相当する。
【0058】
さらに前記Cu粒子表面の有機物・脂分を除去するため、10vol%の硫酸にて50℃、5分間処理した後、流水中で1分間水洗した。さらに表面の形状を均一化するため、5vol%の過硫酸アンモニウム水溶液で30秒間処理した後、流水洗で1分間処理した。表面の余分なアンモニウム塩を除去するために10vol%の硫酸水溶液で1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、10vol%の塩化パラジウム触媒液で5分間処理し、前記Cu粒子表面にパラジウム触媒を付与した後、流水洗で1分間処理した。次に、前記シリカ微粒子表面に付着したパラジウム触媒を除去するために、5vol%の硫酸水素ナトリウム水溶液で30℃、1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、無電解ニッケルめっき液を85℃に加温し、10分間処理して、前記Cu粒子表面にのみ0.4μmのニッケル被膜を形成した後、流水洗で1分間処理した。さらに前記シリカ微粒子を除去するため、フッ酸で1分間処理後、流水洗で1分間処理することにより、Ni層により高さが0.4μmの網状構造の凹凸部が形成されたCu粒子が得られた。ここでCu粒子が前記心材13Cに相当し、前記Ni層が、前記導電層14Bに相当する。
【0059】
さらに図1A〜図1Bで説明したように、絶縁性樹脂接着剤に前記Ni層の網目状構造の凹凸部を有するCu粒子を導電性粒子13Aとして添加した異方性導電材料を作製し、フリップチップ型半導体装置を作製した結果、前記網目状構造の凹凸部をなす導電性粒子がAl電極の酸化膜および、導電粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破り、低抵抗で導通していることが確認された。さらに、熱サイクル試験を行った結果、接続抵抗変化率が+5%以下であることが確認された。
【実施例5】
【0060】
粒径0.8μmの真球状アルミナ微粒子(アドマテックス社製)に対して1wt%のエポキシ系シランカップリング剤(KBM−403、信越化学工業社製)を50wt%のエタノール水溶液に溶解し、この溶液に前記アルミナ微粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、アルミナ微粒子表面にシランカップリング剤のシラノール基が反応し、表面処理済みアルミナ微粒子が得られた。その後、脱イオン水30質量部を撹拌しながら、前記表面処理済みアルミナ微粒子70質量部を徐々に加えた。その後、5μmギャップの3本ロール処理を行って分散させた。
【0061】
次に、前記表面処理済みアルミナ微粒子の溶液に粒径5μmのCu粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、アルミナ微粒子に付与したシランカップリング剤の末端のチオール基が前記Cu粒子表面と反応し、多数のシリカ微粒子で表面被覆されたCu粒子の溶液を得た。さらにこれを吸引ろ過した後、120℃のオーブン中で3時間乾燥処理することで、アルミナ微粒子で表面被覆されたCu粒子を得た。ここで前記シリカ微粒子は前記微粒子14Aに相当し、Cu粒子はコア材13Cに相当する。
【0062】
さらに前記Cu粒子表面の有機物・脂分を除去するため、10vol%の硫酸にて50℃、5分間処理した後、流水中で1分間水洗した。さらに表面の形状を均一化するため、10vol%の硫酸水素ナトリウム水溶液で90秒間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、10vol%の塩化パラジウム触媒液で55℃、3分間処理し、前記Cu粒子表面にパラジウム触媒を付与した後、流水洗で1分間処理した。次に、前記シリカ微粒子表面に付着したパラジウム触媒を除去するために5vol%の硫酸水素ナトリウム水溶液で30℃、1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。さらに活性化するため、20vol%のほうフッ化水素酸で6分間処理した。次に、無電解Cuめっき液を65℃に加温し、20分間処理して、前記Cu粒子表面にのみ厚さが0.6μmのCu被膜を形成した後、流水洗で1分間処理した。さらに前記シリカ微粒子を除去するため、フッ酸で1分間処理後、流水洗で1分間処理することにより、Cu層により高さが0.6μmの網目状凹凸構造の凹凸部を有するCu粒子が得られた。ここでCu粒子が前記心材13Cに相当し、前記Cu層が、前記導電層14Bに相当する。
【0063】
さらに図1A〜図1Bで説明したように、絶縁性樹脂接着剤に前記Cu層の網目状構造の凹凸部を有するCu粒子を導電性粒子13Aとして添加した異方性導電材料を作製し、フリップチップ型半導体装置を作製した結果、前記網目状構造の凹凸部をなす導電性粒子がAl電極の酸化膜および、導電粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破り、低抵抗で導通していることが確認された。さらに、熱サイクル試験を行った結果、接続抵抗変化率が+5%以下であることが確認された
【実施例6】
【0064】
粒径2μmの真球状アルミナ微粒子(アドマテックス社製)に対して1wt%のアミン系シランカップリング剤(KBM−903、信越化学工業社製)を50wt%のエタノール水溶液に溶解し、この溶液にアルミナ微粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、前記アルミナ微粒子表面にシランカップリング剤のシラノール基が反応し、表面処理済みアルミナ微粒子が得られた。その後、脱イオン水30質量部を撹拌しながら、前記表面処理済みアルミナ微粒子70質量部を徐々に加えた。その後、5μmギャップの3本ロール処理を行って分散させた。
【0065】
次に、前記表面処理済みアルミナ微粒子の溶液に粒径5μmのCu粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、アルミナ微粒子に付与したシランカップリング剤の末端のチオール基が前記Cu粒子表面と反応し、多数のシリカ微粒子で表面被覆されたCu粒子の溶液を得た。これを吸引ろ過した後、120℃のオーブン中で3時間乾燥処理することで、アルミナ微粒子で表面被覆されたCu粒子を得た。ここで前記アルミナ微粒子は前記微粒子14Aに相当し、Cu粒子はコア材13Cに相当する。
【0066】
次に前記Cu粒子表面の有機物・脂分を除去するため、10vol%の硫酸にて50℃、5分間処理した後、流水中で1分間水洗した。さらに表面の形状を均一化するため、5vol%の過硫酸アンモニウム水溶液で30秒間処理した後、流水洗で1分間処理した。さらに表面の余分なアンモニウム塩を除去するために10vol%の硫酸水溶液で1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、10vol%の塩化パラジウム触媒液で5分間処理し、前記Cu粒子表面にパラジウム触媒を付与した後、流水洗で1分間処理した。次に、前記シリカ微粒子表面に付着したパラジウム触媒を除去するために、5vol%の硫酸水素ナトリウム水溶液で30℃、1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、無電解ニッケルめっき液を85℃に加温し、40分間処理して、前記Cu粒子表面にのみ厚さが1.5μmのニッケル被膜を形成した後、流水洗で1分間処理した。さらに前記シリカ微粒子を除去するため、フッ酸で1分間処理後、流水洗で1分間処理することによりNi層により高さが1.5μmの網目状構造の凹凸部が形成されたCu粒子が得られた。ここで前記Cu粒子が前記心材13Cに相当し、前記Ni層が、前記導電層14Bに相当する。
【0067】
さらに図1A〜図1Bで説明したように、絶縁性樹脂接着剤に前記Ni層の網目状構造の凹凸部を有するCu粒子を導電性粒子13Aとして添加した異方性導電材料を作製し、フリップチップ型半導体装置を作製した結果、前記網目状構造の凹凸部をなす導電性粒子がAl電極の酸化膜および、導電粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破り、低抵抗で導通していることが確認された。さらに、熱サイクル試験を行った結果、接続抵抗変化率が+5%以下であることが確認された。
【実施例7】
【0068】
粒径0.5μmの真球状ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒社製)に対して1wt%のエポキシ系シランカップリング剤(KBM−403、信越化学工業社製)を50wt%のエタノール水溶液に溶解し、この溶液にポリメタクリル酸メチル微粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、ポリメタクリル酸メチル微粒子表面にシランカップリング剤のシラノール基が反応し、表面処理済みポリメタクリル酸メチル微粒子が得られた。その後、脱イオン水30質量部を撹拌しながら、前記表面処理済みポリメタクリル酸メチル微粒子70質量部を徐々に加えた。その後、5μmギャップの3本ロール処理を行って分散させた。
【0069】
次に、前記表面処理済みポリメタクリル酸メチル微粒子の溶液に粒径2μmのCu粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、シリカ微粒子に付与したシランカップリング剤の末端のチオール基が前記Cu粒子表面と反応し、多数のポリメタクリル酸メチル微粒子で表面被覆されたCu粒子の溶液を得た。さらにこれを吸引ろ過した後、温度が120℃のオーブン中で3時間乾燥処理することで、ポリメタクリル酸メチル微粒子で表面被覆されたCu粒子を得た。ここで前記ポリメタクリル酸メチル微粒子は、前記微粒子14Aに相当し、Cu粒子はコア材13Cに相当する。
【0070】
次に前記Cu粒子表面の有機物・脂分を除去するため、10vol%の硫酸にて50℃、5分間処理した後、流水中で1分間水洗した。さらに表面の形状を均一化するため、5vol%の過硫酸アンモニウム水溶液で30秒間処理した後、流水洗で1分間処理した。表面の余分なアンモニウム塩を除去するために10vol%硫酸水溶液で1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、10vol%の塩化パラジウム触媒液で5分間処理し、前記Cu粒子表面にパラジウム触媒を付与した後、流水洗で1分間処理した。次に、前記ポリメタクリル酸メチル微粒子表面に付着したパラジウム触媒を除去するために、5vol%の硫酸水素ナトリウム水溶液で30℃、1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、無電解ニッケルめっき液を85℃に加温し、10分間処理して、前記Cu粒子表面にのみ厚さが0.4μmのニッケル被膜を形成した後、流水洗で1分間処理した。さらに前記ポリメタクリル酸メチル微粒子を除去するため、アセトンで1分間処理後、流水洗で1分間処理することにより、Ni層により高さが0.4μmの網目状構造の凹凸部を形成されたCu粒子が得られた。ここで前記Cu粒子が前記心材13Cに相当し、前記Ni層が、前記導電層14Bに相当する。
【0071】
さらに図1A〜図1Bで説明したように、絶縁性樹脂接着剤に前記Ni層の網目状構造の凹凸部を有するCu粒子を導電性粒子13Aとして添加した異方性導電材料を作製し、フリップチップ型半導体装置を作製した結果、前記網目状構造の凹凸部をなす導電性粒子がAl電極の酸化膜および、導電粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破り、低抵抗で導通していることが確認された。さらに、熱サイクル試験を行った結果、接続抵抗変化率が+5%以下であることが確認された。
【実施例8】
【0072】
粒径2μmの真球状ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒社製)に対して1wt%のエポキシ系シランカップリング剤(KBM−403、信越化学工業社製)を50wt%のエタノール水溶液に溶解し、この溶液に前記ポリメタクリル酸メチル微粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、前記ポリメタクリル酸メチル微粒子表面にシランカップリング剤のシラノール基が反応し、表面処理済みポリメタクリル酸メチル微粒子が得られた。その後、脱イオン水30質量部を撹拌しながら、前記表面処理済みポリメタクリル酸メチル微粒子70質量部を徐々に加えた。その後、5μmギャップの3本ロール処理を行って分散させた。
【0073】
次に、前記表面処理済みポリメタクリル酸メチル微粒子溶液に粒径10μmのCu粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、前記ポリメタクリル酸メチル微粒子に付与したシランカップリング剤の末端のチオール基がCu粒子表面と反応し、多数のポリメタクリル酸メチル微粒子で表面被覆されたCu粒子の溶液を得た。これを吸引ろ過した後、温度が120℃のオーブン中で3時間乾燥処理することで、ポリメタクリル酸メチル微粒子で表面被覆されたCu粒子を得た。ここで前記ポリメタクリル酸メチル微粒子は前記微粒子14Aに相当し、Cu粒子はコア材13Cに相当する。
【0074】
次に前記Cu粒子表面の有機物・脂分を除去するため、10vol%の硫酸にて50℃、5分間処理した後、流水中で1分間水洗した。さらに表面の形状を均一化するため、5vol%の過硫酸アンモニウム水溶液で30秒間処理した後、流水洗で1分間処理した。さらに表面の余分なアンモニウム塩を除去するために10vol%の硫酸水溶液で1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、10vol%の塩化パラジウム触媒液で5分間処理し、前記Cu粒子表面にパラジウム触媒を付与した後、流水洗で1分間処理した。次に、前記ポリメタクリル酸メチル微粒子表面に付着したパラジウム触媒を除去するために、5vol%の硫酸水素ナトリウム水溶液で30℃、1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、無電解ニッケルめっき液を85℃に加温し、40分間処理して、前記Cu粒子表面にのみ厚さが1.5μmのニッケル被膜を形成した後、流水洗で1分間処理した。さらに前記ポリメタクリル酸メチル微粒子を除去するため、アセトンで1分間処理後、流水洗で1分間処理することにより、Ni層により高さが1.5μmの網目状構造の凹凸部が形成されたCu粒子が得られた。ここで前記Cu粒子が前記心材13Cに相当し、前記Ni層が、前記導電層14Bに相当する。
【0075】
さらに図1A〜図1Bで説明したように、絶縁性樹脂接着剤に前記Ni層の網目状構造の凹凸部を有するCu粒子を導電性粒子13Aとして添加した異方性導電材料を作製し、フリップチップ型半導体装置を作製した結果、前記網目状構造の凹凸部をなす導電性粒子がAl電極の酸化膜および、導電粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破り、低抵抗で導通していることが確認された。さらに、熱サイクル試験を行った結果、接続抵抗変化率が+5%以下であることが確認された。
【実施例9】
【0076】
粒径0.5μmの真球状ベンゾグアナミン微粒子(日本触媒社製)に対して1wt%のチオール系シランカップリング剤(KBM−803、信越化学工業社製)を50wt%のエタノール水溶液に溶解し、この溶液に前記ベンゾグアナミン微粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、前記ベンゾグアナミン微粒子表面にシランカップリング剤のシラノール基が反応し、表面処理済みベンゾグアナミン微粒子が得られた。その後、脱イオン水30質量部を撹拌しながら、前記表面処理済みベンゾグアナミン微粒子70質量部を徐々に加えた。その後、5μmギャップの3本ロール処理を行って分散させた。
【0077】
次に、前記表面処理済みベンゾグアナミン微粒子の溶液に粒径2μmのCu粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、ベンゾグアナミン微粒子に付与したシランカップリング剤の末端のチオール基が前記Cu粒子表面と反応し、多数のベンゾグアナミン微粒子で表面被覆されたCu粒子の溶液を得た。これを吸引ろ過した後、温度が120℃のオーブン中で3時間乾燥処理することで、ベンゾグアナミン微粒子で表面被覆されたCu粒子を得た。ここで前記ベンゾグアナミン微粒子は前記微粒子14Aに相当し、Cu粒子はコア材13Cに相当する。
【0078】
前記Cu粒子表面の有機物・脂分を除去するため、10vol%硫酸にて50℃、5分間処理した後、流水中で1分間水洗した。さらに表面の形状を均一化するため、5vol%の過硫酸アンモニウム水溶液で30秒間処理した後、流水洗で1分間処理した。さらに表面の余分なアンモニウム塩を除去するために10vol%の硫酸水溶液で1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、10vol%の塩化パラジウム触媒液で5分間処理し、Cu粒子表面にパラジウム触媒を付与した後、流水洗で1分間処理した。次に、前記ベンゾグアナミン微粒子表面に付着したパラジウム触媒を除去するために、5vol%の硫酸水素ナトリウム水溶液で30℃、1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、無電解ニッケルめっき液を85℃に加温し、40分間処理して、前記Cu粒子表面にのみ厚さが0.4μmのニッケル被膜を形成した後、流水洗で1分間処理した。さらに前記ベンゾグアナミン微粒子を除去するため、アセトンで1分間処理後、流水洗で1分間処理することにより、Ni層により高さが0.4μmの網目状構造の凹凸部を形成されたCu粒子が得られた。ここで前記Cu粒子が前記心材13Cに相当し、前記Ni層が、前記導電層14Bに相当する。
【0079】
さらに図1A〜図1Bで説明したように、絶縁性樹脂接着剤に前記Ni層の網目状構造の凹凸部を有するCu粒子を導電性粒子13Aとして添加した異方性導電材料を作製し、フリップチップ型半導体装置を作製した結果、前記網目状構造の凹凸部をなす導電性粒子がAl電極の酸化膜および、導電粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破り、低抵抗で導通していることが確認された。さらに、熱サイクル試験を行った結果、接続抵抗変化率が+5%以下であることが確認された。
【実施例10】
【0080】
粒径2μmの真球状ベンゾグアナミン微粒子(日本触媒社製)に対して1wt%のエポキシ系シランカップリング剤(KBM−403、信越化学工業社製)を50wt%のエタノール水溶液に溶解し、この溶液にベンゾグアナミン微粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、ベンゾグアナミン微粒子表面にシランカップリング剤のシラノール基が反応し、表面処理済みベンゾグアナミン微粒子が得られた。その後、脱イオン水30質量部を撹拌しながら、前記表面処理済みベンゾグアナミン微粒子70質量部を徐々に加えた。その後、5μmギャップの3本ロール処理を行って分散させた。
【0081】
次に、前記表面処理済みベンゾグアナミン微粒子の溶液に粒径10μmのCu粒子を入れて30分間攪拌したのち、室温で1時間放置することにより、ベンゾグアナミン微粒子に付与したシランカップリング剤の末端のチオール基がCu粒子表面と反応し、多数のベンゾグアナミン微粒子で表面被覆されたCu粒子の溶液を得た。これを吸引ろ過した後、温度が120℃のオーブン中で3時間乾燥処理することで、ベンゾグアナミン微粒子で表面被覆されたCu粒子を得た。ここで前記ベンゾグアナミン微粒子は前記微粒子14Aに相当し、Cu粒子はコア材13Cに相当する。
【0082】
次に前記Cu粒子表面の有機物・脂分を除去するため、10vol%の硫酸にて50℃、5分間処理した後、流水中で1分間水洗した。さらに表面の形状を均一化するため、5vol%の過硫酸アンモニウム水溶液で30秒間処理した後、流水洗で1分間処理した。さらに表面の余分なアンモニウム塩を除去するために10vol%の硫酸水溶液で1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、10vol%の塩化パラジウム触媒液で5分間処理し、Cu粒子表面にパラジウム触媒を付与した後、流水洗で1分間処理した。次に、前記ベンゾグアナミン微粒子表面に付着したパラジウム触媒を除去するために、5vol%の硫酸水素ナトリウム水溶液で30℃、1分間処理した後、流水洗で1分間処理した。次に、無電解ニッケルめっき液を85℃に加温し、40分間処理して、前記Cu粒子表面にのみ厚さが1.5μmのニッケル被膜を形成した後、流水洗で1分間処理した。さらに前記ベンゾグアナミン微粒子を除去するため、アセトンで1分間処理後、流水洗で1分間処理することにより、Ni層により高さが1.5μmの網目状構造の凹凸部が形成されたCu粒子が得られた。
【0083】
さらに図1A〜図1Bで説明したように、絶縁性樹脂接着剤に前記Ni層の網目状構造の凹凸部を有するCu粒子を導電性粒子13Aとして添加した異方性導電材料を作製し、フリップチップ型半導体装置を作製した結果、前記網目状構造の凹凸部をなす導電性粒子がAl電極の酸化膜および、導電粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破り、低抵抗で導通していることが確認された。さらに、熱サイクル試験を行った結果、接続抵抗変化率が+5%以下であることが確認された。
【0084】
(比較例1)
前記実施例1のプロセスにより、図5に示す、前記コア材13C状に直接に互いに孤立したNiよりなる突起パターン13Pを有する形成導電性粒子を用いて、前記図1A〜1Cと同様のフリップチップ実装プロセスを行い、比較例1となる半導体装置を作製し、実施例と同様にして、導通を測定した。その結果、この比較例1では、接続抵抗値が実施例1の5倍に増加しているのが確認されたが、これは、導電性粒子の孤立した突起パターン13Pが、前記Al電極の酸化膜あるいは前記導電性粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破ることができない箇所が実施例1の場合に比べてより多数あることを示唆している。さらに、−25℃〜+125℃の温度サイクル試験を同様にして行ったところ、接続抵抗変化率が+10%であり、接続抵抗が温度サイクルの繰り返しにより、より大きな割合で増加することが示された。
【0085】
(比較例2)
前記実施例2のプロセスにより、図5に示す、前記コア材13C状に直接に互いに孤立したCuよりなる突起パターン13Pを有する形成導電性粒子を用いて、前記図1A〜1Cと同様のフリップチップ実装プロセスを行い、比較例2となる半導体装置を作製し、実施例と同様にして、導通を測定した。その結果、この比較例2では、接続抵抗値が実施例1の10倍に増加しているのが確認されたが、これは、導電性粒子の孤立した突起パターン13Pが、前記Al電極の酸化膜あるいは前記導電性粒子と電極間に挟まる樹脂を突き破ることができない箇所が多数あることを示唆している。さらに、−25℃〜+125℃の温度サイクル試験を同様にして行ったところ、接続抵抗変化率が+20%であり、接続抵抗が温度サイクルの繰り返しにより、より大きな割合で増加することが示された。
【0086】
なお、以上の説明では配線基板上にフリップチップ実装される部品が半導体チップ12であるとして説明したが、本発明はこのような特定の構成に限定されるものではなく、キャパシタやコイル、抵抗など、その他の部材をフリップチップ実装するものであってもよい。
【0087】
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1A】第1の実施形態による半導体装置の製造方法を示す図(その1)である。
【図1B】第1の実施形態による半導体装置の製造方法を示す図(その2)である。
【図1C】第1の実施形態による半導体装置の製造方法を示す図(その3)である。
【図2】第1の実施形態による導電性粒子の構成を示す図である。
【図3】図2の導電性粒子の概略的な特徴を示す図である。
【図4A】図2の導電性粒子の製造工程を示す図(その1)である。
【図4B】図2の導電性粒子の製造工程を示す図(その2)である。
【図4C】図2の導電性粒子の製造工程を示す図(その3)である。
【図4D】図2の導電性粒子の製造工程を示す図(その4)である。
【図4E】図2の導電性粒子の製造工程を示す図(その5)である。
【図5】比較例による導電性粒子の概略を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
11 配線基板
11A〜11C 配線パターン
12 半導体チップ
13 樹脂層
13A 導電性粒子
13B 導電層
13C 心材
13P 突起
13b 凹部
13m 未硬化接着剤樹脂層
14 シランカップリング材
14A 無機あるいは有機微粒子
14B 官能基

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の心材と、
前記心材を覆う導電層と、を有し、
前記導電層は前記心材の表面において、凹凸部を構成する網目状構造を形成することを特徴とする導電性粒子。
【請求項2】
前記心材は1μm以上、100μm以下の径を有することを特徴とする請求項1または2記載の導電性粒子。
【請求項3】
前記凹凸部は、前記心材の径よりも小さく、0.01μm以上、10μm以下の径を有することを特徴とする請求項または2記載の導電性粒子。
【請求項4】
樹脂と、前記樹脂中に分散されている導電性粒子とよりなり、前記導電性粒子は、
導電性の心材と、
前記心材を覆う導電層と、を有し、
前記導電層は前記心材の表面において、凹凸部を構成する網目状構造を形成することを特徴とする異方性導電性接着剤。
【請求項5】
導電性の心材の表面に無機粒子あるいは有機粒子を付着する工程と、
前記無機粒子あるいは有機粒子をマスクに、前記心材の表面に導電材料を被着し、前記心材の表面に導電層を形成する工程と、前記無機粒子あるいは有機粒子を除去し、前記導電層により、前記心材の表面に凹凸部を形成する工程と、
を含むことを特徴とする導電性粒子の製造方法。
【請求項6】
前記無機粒子あるいは有機粒子は、チオール基、フェニル基、アミン基およびアミノ基よりなる群から選ばれる官能基を少なくとも一つ含む化合物を末端に有する分子を介して、前記心材の表面に付着されることを特徴とする請求項5記載の導電性粒子の製造方法。
【請求項7】
前記導電性の心材の表面に前記無機粒子あるいは有機粒子を付着する工程は、前記無機粒子あるいは有機粒子の表面に前記分子を付与する工程と、前記分子を付与された前記無機粒子あるいは有機粒子と前記心材とを溶媒中で分散させ、前記心材と前記分子中の前記官能基とを反応させ、前記心材の表面に前記無機粒子あるいは有機粒子を付着させる工程を含むことを特徴とする請求項6記載の導電性粒子の製造方法。
【請求項8】
表面に配線パターンを担持した配線基板と、
端子面に接続端子を有する半導体チップと、
を含み、
前記半導体チップは前記配線基板上に、前記端子面が前記配線基板の表面に対向する向きで、前記接続端子を前記配線パターンに電気接続して実装されており、
前記接続面と前記配線基板との間には、樹脂中に導電性粒子を分散した異方性導電性接着剤が介在しており、
前記接続端子と前記配線パターンの間には、前記導電性粒子が挟持されており、
前記導電性粒子は、導電性の心材と、前記心材を覆う導電層と、を有し、前記導電層は前記心材の表面において、凹凸部を形成する網目状構造を形成することを特徴とする半導体装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−129472(P2010−129472A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305230(P2008−305230)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】