説明

導電性組成物及びその被覆物

【課題】導電材料において、5.0×10−2〜1.0×10−3Ω/cmの導電性を得る場合に導電性組成物中の銀粉添加量は全固形分中の70%〜80%が必要となる。このため、銀粉添加量を削減しコスト低下を図ることが課題となっている。
【解決手段】(1)(a)石油系溶剤、(b)リン酸水溶液および(c)スルホン酸基を含有する界面活性剤の存在下で、(d)アニリンを酸化重合することにより合成したポリアニリン、(2)導電性微粒子、ならびに(3)フェノール性ヒドロキシ基を有する化合物を含有させてなる導電性組成物において、
リン酸水溶液が、pH2〜5であり、かつポリアニリンが、重量平均分子量30000〜60000であることを特徴とする導電性組成物を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な、導電性有機重合体と導電性微粒子の製造方法、組成物およびその被覆物に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、(a)石油系溶剤(b)リン酸水溶液および(c)スルホン酸基を含有する界面活性剤の存在下で、(d)アニリンを酸化重合することにより合成したポリアニリン、(2)導電性微粒子ならびに(3)ヒドロキシ基を有する化合物を含有させてなることを特徴とする導電性組成物及びその被覆物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品あるいは電磁波シールド用の薄膜形成あるいは導電回路のパターニングは、一般的に、熱硬化型、熱可塑型の導電性インキなどによる回路を印刷し、熱処理による乾燥する方法、または銅張り基材からのエッチング法が知られている。
【0003】
このうち導電性インキは、電子部品の小型軽量化あるいは生産性の向上、低コスト化が期待でき、また基材に印刷あるいは塗工し、乾燥、硬化させることによって容易に導電性を付与できる。この乾燥、硬化工程では基材や電子部品に高温を加えることなく低温にて行うことが出来ることから、近年急速に需要が高まっている。
【0004】
導電性インキの導電物質には、安定性、抵抗値の観点から一般的に金、銀、銅といった導電性の高い金属粉末を樹脂ペーストに混錬したものが使用されている。価格の面では銅粉末が最も安価ではあるが、酸化されやすいという欠点を持つ。このことから導電性インキには銀粉末が使用されることが非常に多い。然しながら、銀は高価格であるため、これを用いた導電性インキについては、更なるコスト低下への努力が続けられている。
【0005】
導電性組成物において、導電性として比抵抗を考えた場合、10−5Ω/cm以下の比抵抗を得るためには、導電組成物中の銀粉の使用量として全固形分比率で80%以上望ましくは85%以上の添加量が必要となる。しかし、これより高い比抵抗である5.0×10−2〜1.0×10−3Ω/cmの導電性を得る場合においても大幅に銀粉添加量を減量できるわけではなく、70%〜80%の銀粉添加量が必要となる。特定の電磁波シールド材料等の分野においては、このような比抵抗範囲での導電材料に対する需要があり、導電組成物中の銀粉添加量を削減することでコスト低下を図るかが重要な課題となっている。
【0006】
ポリアニリンは、ポリチオフェン、ポリピロール等と共に導電性高分子として電解コンデンサ、リチウム電池電極等に応用されているが、ポリアニリン単独での導電性は比抵抗で見ると最良の状態でも10-3オーダー後半であり導電性材料として単独で使用した場合、電子回路、電磁波シールド等、低い比抵抗を要求される電子部品分野への使用には十分な値ではない。特許文献1にはポリアニリンを溶媒に分散したポリアニリンペーストを用いて固体電解コンデンサの電解質の一部を形成する方法が記述されているが、ここで必要とされる導電性は0.1〜0.3S/cmであり、比抵抗に変換すると3.3×10Ω・cm〜1.0×10Ω・cmと大きい比抵抗の範囲であることからポリアニリン単独のペーストでも要求性能を維持できている。
【0007】
また、導電性インキの低コスト化にはこれまでにも、提案があり、特許文献2にはフレーク状の銀粉とハロゲン元素含有有機物を組み合わせることにより、導電性フィラーの充填量を削減するという方法が記載されている。この特許において要求されている比抵抗は低く、実施例からみるとこの方法により十分に低い比抵抗を得ているが、銀粉使用量としてみると実施例で見る限り、全固形分の74%までの銀粉量低減が最少となっている。これ以上に銀粉量を低減すると、比抵抗は大きく上昇すると考えられる。更に、銀粉が高アスペクト比であり、厚みも薄いことから、銀粉の製造工程において、工程時間の増加から加工費増加等により銀粉自体のコストアップが懸念される。
【0008】
特許文献3には略球状銅粉を3〜30%の銀で被覆しさらにその表面を平滑処理した後に脂肪酸で被覆された略球状銀被覆銅粉を60〜85重量%と銀粉35〜15%を混合し、バインダーと混合した導電ペーストに関する記述がある。この方法では、発明の実施形態及び実施例によると銀使用量として、全固形分中で13.2%まで減じることが可能である。しかしながら、このような銀被覆銅粉を作成した場合、工程が複雑となり、製作コストが上乗せになることから銀粉よりは価格低下をなしうるものの、大きなコストダウンは望めない。また、当該特許においては、導電性に関して、シート抵抗のみで表現されているが、シート抵抗は印刷されたパターンの膜厚に大きく依存するため、比抵抗として低い値かどうかの判断ができない。
【0009】
また、特許文献4には銀を含む導電性フィラーとバインダーとしてポリアニリンを含む導電性高分子を混合した導電ペーストについて記述されている。この方法に於いても比抵抗は十分に低いものを得ている。然しながらポリアニリンに関しては、この方法によると導電ペーストを塗工、印刷する基材への密着性、加工性等の機械特性に乏しい。特にPET、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム基材に対する密着性が著しく低下してしまう。当該特許においても、実施例において比抵抗の測定は行われているが、機械的特性の測定をされていないため、当該特許に記述されている機械的特性が得られているとは言いがたい。また、使用されるポリアニリンの性状によって導電性も異なるため単にポリアニリンを銀粉と混合するだけでは一定の低い比抵抗は得られない。
【0010】
特許文献5には、はんだづけ後の回路の機械的変形による接触不良がなく、耐久性、信頼性に優れた導電性ペーストとして、導電性粒子と結合剤、溶剤、導電性高分子を含有する導電性ペーストが記載されている。ここに記載されている導電性ペーストでは、比抵抗として10−5Ω/cmオーダーの導電性が必要となるため、銀粉の使用量を固形分比率として82〜85%使用している。当該特許では銀粉の使用量を特に限定してはいないが、銀粉使用量を固形分比として70%以下にした場合、大きく比抵抗が増大する。当該特許では、この点について触れていないが、どのような導電性高分子でも、導電性粒子の少ない範囲で低い比抵抗を維持できるものではなく、特にポリアニリンについては難しいといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−191906号公報
【特許文献2】特開2005−56778号公報
【特許文献3】特開2005−32471号公報
【特許文献4】特開平5−105828号公報
【特許文献5】特開平10−261318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述したように、導電性インキも低抵抗値が必要ではあるものの低価格化を求められている。こういった状況の中、銀インキ中でコストを支配する銀粉の使用量を抑えながら低抵抗を維持することが求められる。しかし、コスト低下のためにインキ固形分中の銀粉末含有量を70重量%以下に落とすと、そのインキを用いた印刷物の比抵抗は極端に大きくなってしまう。これは、インキ中の銀と樹脂との体積での構成比において銀の割合が大きく減少するために銀どうしの接触確率が小さくなることに起因すると考えられる。本発明が解決しようとする課題は、銀粉末を70重量%以下にした場合でも低抵抗値を得る導電性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために誠意研究を行った結果、(1)(a)石油系溶剤(b)リン酸水溶液および(c)スルホン酸基を含有する界面活性剤の存在下で、(d)アニリンを酸化重合することにより合成したポリアニリン(2)導電性微粒子ならびに(3)ヒドロキシ基を有する化合物を含有させてなることを特徴とする導電性組成物であり、更には導電性微粒子として銀微粒子を使用することにより、高い導電性を維持したまま高価格な導電性微粒子の使用量を低下せしめるに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、
(1)(a)石油系溶剤、(b)リン酸水溶液および(c)スルホン酸基を含有する界 面活性剤の存在下で、(d)アニリンを酸化重合することにより合成したポリア ニリン、
(2)導電性微粒子、
ならびに
(3)ヒドロキシ基を有する化合物
を含有させてなる導電性組成物において、
リン酸水溶液が、pH2〜5
であり、かつ
ポリアニリンが、重量平均分子量30000〜60000
であることを特徴とする導電性組成物に関するものである。
【0015】
さらに、本発明は、
(2)導電性微粒子が、
銀微粒子のフレーク状、
平均粒子径2〜10μm、
タップ密度2.5〜4.0g/cm
および
比表面積0.5〜1.3cm/g
であることを特徴とする上記の導電性組成物に関するものである。
【0016】
また、本発明は、(3)ヒドロキシ基を有する化合物が、フェノール性ヒドロキシ基を有する化合物であることを特徴とする上記の導電性組成物に関するものである。
【0017】
さらに、本発明は、(3)ヒドロキシ基を有する化合物が、m−クレゾールであることを特徴とする上記の導電性組成物に関するものである。
【0018】
また、本発明は、(a)石油系溶剤が、
芳香族溶剤
であり、かつ
沸点80〜140℃
であることを特徴とする上記の導電性組成物に関するものである。
【0019】
さらに、本発明は、上記の導電性組成物を含有してなることを特徴とする導電性インキに関するものである。
【0020】
また、本発明は、上記の導電性組成物を基材に塗工後、乾燥、硬化してなることを特徴とする被覆物に関するものである。
【0021】
さらに、本発明は、上記の導電性インキを基材に印刷後、乾燥、硬化してなることを特徴とする印刷物に関するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明の導電性組成物は、導電性フィラーの安定性に優れ、プラスチック、紙等の基材に対する密着性に優れ、加工性、耐スクラッチ性の良好な被膜を形成する。また、全固形分中の導電性フィラーの添加量を60〜70%の範囲において低い比抵抗を得ることが可能であり、銀フィラーの添加量削減による低コスト化が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、(a)石油系溶剤(b)リン酸水溶液および(c)スルホン酸基を含有する界面活性剤の存在下で、(d)アニリンを酸化重合することにより合成したポリアニリン(2)導電性微粒子ならびに(3)ヒドロキシ基を有する化合物を含有させてなることを特徴とする導電性組成物及びその被覆物である。
【0024】
本発明における(a)石油系溶剤とは一般に入手可能なJIS K 2201に示される溶剤を表すが、中でも沸点が80℃〜140℃の芳香族系溶剤が好ましい。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等である。ポリアニリンを合成するにあたり水との分離の点から、石油系であることが好ましい。また、石油系溶剤で沸点が140℃以上のものでは、本発明における導電性組成物を塗工又は、印刷後に乾燥させる際に200℃以上の高温が必要となってしまう。ポリアニリンの導電性失活を防ぐためには乾燥は80℃〜150℃程度の温度で行う必要があるため沸点は、塗工、印刷に支障をきたさない範囲で低いものが好ましい。
【0025】
(b)リン酸水溶液は、本発明の目的に適う、すなわち(a)石油系溶剤、(b)リン酸水溶液物、および(c)スルホン酸基を含有する界面活性剤の存在下でアニリンを酸化重合することができる範囲の濃度をもつ水溶液であり、特に限定するものではないが、好ましくは1〜20規定の範囲の水溶液である。この範囲以外では、アニリンまたはアニリン組成物の酸化重合後、水の分離が困難になり易く好ましくない。また、pH2〜5の範囲のリン酸水であることが重要であり、2以下では前述のように水分離が困難であるばかりでなく合成されたポリアニリンの加水分解も起こりやすくなる。また、pH5より大きくなるとポリアニリンが正常に合成されなくなる。
【0026】
(c)スルホン酸基を含有する界面活性剤としては、アニリンの窒素原子をイオン化できるものであれば特に限定されるものではなく、スルホン酸基含有化合物の例としては、メタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、カンファースルホン酸、ジオクチルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく2種類以上を併用してもよい。
【0027】
(d)アニリンは、一般的に入手可能なアニリンであり、試薬、工業化品のいずれかに限定するものではない。
【0028】
導電性微粒子とは、導電性を有する微粒子であれば特に限定するものではなく、金、銀、銅、導電性カーボン、カーボンナノチューブ等使用することが可能であるが、特にその中でも銀微粒子が有効である。更には、フレーク状の銀微粒子であり、平均粒子径2〜10μm、タップ密度2.5〜4.0g/cm、および比表面積0.5〜1.3cm/gの範囲のものが最良である。
【0029】
ヒドロキシ基を有する化合物とは、特に、フェノール性ヒドロキシ基を有する化合物が良く、石炭酸、クレゾール、カテコール、アルキルフェノール、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、クロロフェノール、ポリフェノール等、フェノール性水酸基をその構造内に有するものであれば、特に限定するものではないが、本発明においてはm−クレゾールが最良であった。
【実施例】
【0030】
以下、実施例により本発明を説明する。なお、本発明において「部」は「重量部」を表し。「%」は「重量%」を表す。
【0031】
<ポリアニリントルエン分散液の調整>
(合成例1)
撹拌器、温度計及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、3規定リン酸水溶液を100部、アニリン3部、ジオクチルスルホコハク酸6部、トルエン100部を仕込み、室温で30分攪拌後、0℃に冷却し、さらに2時間攪拌した。過硫酸アンモニウム6gを3規定リン酸24gに溶解させた水溶液を滴下ロートから、系を0℃に保持しながら1時間で滴下した。さらに0℃で24時間攪拌し、反応をおこなった。反応終了後、反応溶液を静置した後、水層を分離除去し、濃度5%のポリアニリントルエン分散液を得た。この分散液を減圧濃縮により濃度30%の分散液とした。更にこのポリアニリントルエン分散液90部に対して添加し、m−クレゾールを10部添加し、得られたm−クレゾール添加ポリアニリントルエン分散液を(A−1)とする。
【0032】
(合成例2)
3規定リン酸水溶液を1規定塩酸水溶液に変えた以外は合成例1と同様の所作を行い、濃度30%のmクレゾール添加ポリアニリントルエン分散液(A−2)を得た。
【0033】
<ワニスの調整>
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の樹脂であるVMCA(ダウケミカル社製)100部をイソホロン/γブチロラクトン=1/1 150部に溶解したもの(B−1)を作成した。同様にポリエステル樹脂であるバイロン300(東洋紡績株式会社製)100部をジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート150部に溶解したもの(B−2)を作成した。更に、フェノキシ樹脂であるYP50S(東都化成株式会社製)100部をイソホロン 150部に溶解したもの(B−3)を作成した。これらの樹脂溶解液を固形分比率で〔表1〕に示す割合でm−クレゾール添加ポリアニリントルエン分散液(A−1)(A−2)と混合しワニス(C−1)〜(C−6)を得た。
【0034】
【表1】

【0035】
<導電性微粒子>
導電性微粒子として、平均粒子径が7μm、タップ密度2.85g/cm、比表面積が1.0m/gのフレーク状銀粉(福田金属箔粉工業製)を使用した。
【0036】
<導電性インキの調整>
表1で得られたワニス(C−1〜C−6)を用いて表2に示した配合比率で導電性インキを調整した。但し、配合比率は固形分比率としている。また、銀粉とワニスの混合については、プラネタリーミキサーを用いて行った。
【0037】
【表2】

【0038】
実施例及び比較例で得られた組成物について、下記の方法で導電性として比抵抗及び機械特性として基材密着性を評価した。
【0039】
(比抵抗評価)
厚さ100μmのPETフィルム上にスクリーン印刷にて、80mm×50mmのパターン印刷を行い、150℃ボックス型オーブンにて10分間乾燥後JISK7194に準じた測定方法にて比抵抗を測定した。
【0040】
(セロハンテープ剥離試験)
厚さ100μmのPETフィルム上にスクリーン印刷にて、80mm×50mmのパターン印刷を行い、150℃ボックス型オーブンにて10分間乾燥後、JISK5600−5−6に準拠した測定方法にてセロハンテープ剥離による密着性試験を行い、印刷物の残存率%により密着性の良否を評価した。
【0041】
測定結果を表3に示す。

【0042】
【表3】

【0043】
表3に示すように、実施例1〜3では10−3Ω・cmオーダーの比抵抗が得られ、実施例4では5×10−2Ω・cm以下の比抵抗が得られたのに対して、比較例4、5のようにポリアニリンを使用しないワニスでは、10〜10Ω・cmオーダーという高い比抵抗しか得られなかった。また、比較例1では銀粉配合量が80部と大きいので非常に低い比抵抗となるが、この範囲ではコスト低下に繋がらないため、銀粉配合量としては、60%〜70%の範囲が良い。比較例2では、塩酸使用の下で合成したポリアニリンを使用しているが、十分な比抵抗は得られなかった。また、比較例3はポリアニリンのみをワニスに使用しているが、十分な密着性を得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明をスクリーン印刷等の印刷方法や、その他の塗工方法によって、フィルム、紙等へぱターニング或いは全面塗工することにより、電磁波シールド用材料、回路用途に使用可能となる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)(a)石油系溶剤、(b)リン酸水溶液および(c)スルホン酸基を含有する界 面活性剤の存在下で、(d)アニリンを酸化重合することにより合成したポリア ニリン、
(2)導電性微粒子、
ならびに
(3)ヒドロキシ基を有する化合物
を含有させてなる導電性組成物において、
リン酸水溶液が、pH2〜5
であり、かつ
ポリアニリンが、重量平均分子量30000〜60000
であることを特徴とする導電性組成物。
【請求項2】
(2)導電性微粒子が、
銀微粒子のフレーク状、
平均粒子径2〜10μm、
タップ密度2.5〜4.0g/cm
および
比表面積0.5〜1.3cm/g
であることを特徴とする請求項1記載の導電性組成物。
【請求項3】
(3)ヒドロキシ基を有する化合物が、フェノール性ヒドロキシ基を有する化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の導電性組成物。
【請求項4】
(3)ヒドロキシ基を有する化合物が、m−クレゾールであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の導電性組成物。
【請求項5】
(a)石油系溶剤が、
芳香族溶剤
であり、かつ
沸点80〜140℃
であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の導電性組成物。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか記載の導電性組成物を含有してなることを特徴とする導電性インキ。
【請求項7】
請求項1〜5いずれか記載の導電性組成物を基材に塗工後、乾燥、硬化してなることを特徴とする被覆物。
【請求項8】
請求項6記載の導電性インキを基材に印刷後、乾燥、硬化してなることを特徴とする印刷物。

【公開番号】特開2011−195695(P2011−195695A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63458(P2010−63458)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】