説明

平板の厚みムラ測定方法および装置

【課題】被測定対象であるウエハなどの平板の表面と背面との形状差である厚みムラの凹凸判定を干渉縞を用いて測定することは複雑であった。
【解決手段】ウエハ5を光源1の照明光によりコリメータレンズ4を通して照明し、ウエハ5から反射した該照明光の反射光を干渉縞として撮像手段3により撮像し、該干渉縞からウエハの厚みムラ測定する際、撮像手段3により撮像して得られた画像に対し、所定サイズに区分けした複数の検査領域を対応させ、該検査領域内に存在する干渉縞の間隔が所定数を越えていると、当該被測定体の厚みムラが予め設定した許容値を越えていると判定し、また光源1と撮像手段3とが光軸中心線Lに対する角度を等しく変化させると干渉縞の生成に変化が生じ、この変化によりウエハの凹凸を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石英ガラス板などの透明な平板の厚みムラを干渉縞を利用して測定する平板の厚みムラ測定方法および装置に係り、特に精密研磨された石英ガラス板の厚みムラを例えばTTV(Total Thickness Variation)、LTV(Local Thickness Variation)により評価するのに適した平板の厚みムラ測定方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
石英ウエハなどの石英ガラス板は、例えば液晶プロジェクタに用いられる液晶モジュールの基板に用いられる場合、一枚の石英ウエハから多数枚の基板を切り出して使用される。その際、前記基板には一定値以下の厚みムラが要求されている。
【0003】
ところで、厚みムラを測定する方法として、干渉縞を利用した方法が提案されている。
【0004】
干渉縞を利用した厚みムラの測定方法の一つとして、光の単一波長を測定の基準とし、参照基準平面からの反射光と、該参照基準平面に近い形状を有する試料台に被測定体を吸着させ、該被測定体の試料表面からの反射光との光路差により干渉縞を発生させる。なお、干渉縞を平面的に観察した場合、例えば隣接する暗部(明部)間の広狭にかかわりなく、この隣接する暗部(明部)間における厚みムラは同一であり、これをフリンジ間隔と称している。
【0005】
また、干渉縞を単に観察しているだけでは試料の全領域における厚みムラの凹凸の判定ができないため、照明光源であるレーザ光の光束の入射角を入射角調整プリズムで変えることで凹凸の判定を可能としている(特許文献1)。
【特許文献1】特許2557650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
干渉縞を利用したこのような従来の厚みムラ測定方法において、試料の背面側を試料吸着板に吸着保持しているため、背面と表面との形状差を示す厚みムラを計測しているのではなく、実質的に試料の表面形状から厚みムラを測定しているに過ぎない。
【0007】
さらに、厚みムラの凹凸判定の際に、照明光束の入射角を変化させているため、この入射角の変化に応じて得られる干渉縞の画像は全体的にシフトした画像となり、凹凸の判定がわかり難いという問題がある。
【0008】
また、石英ガラス板を試料吸着板に吸着保持した場合、この石英ガラス板に傷が入ることがあるため、石英ガラス板を吸着保持することができない。
【0009】
さらに、異物の付着を招き易いといった問題がある。
【0010】
本発明の目的は、このような従来の問題に鑑みなされたもので、被測定体であるウエハなどの平板の表面と背面の形状差である厚みムラを当該被測定体に傷を発生させることなく測定でき、また干渉縞から凹凸の判定を簡単に行なえる平板の厚みムラ測定方法を提供しようとするものである。
【0011】
本発明の他の目的は、このような従来の問題に鑑みなされたもので、被測定体であるウエハなどの平板の表面と背面の形状差である厚みムラの測定を当該被測定体に傷を発生さ
せることなく行なえ、しかも簡単でコンパクトに構成でき、また干渉縞から凹凸の判定を簡単に行なえる平板の厚みムラ測定装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明は、請求項1に記載のように、平板形状に形成された被測定体を照明光源から照明光によりコリメータレンズを介して照明し、該被測定体の表面および背面からそれぞれ反射した反射光を該コリメータレンズを介し干渉縞として撮像手段により撮像し、該干渉縞から該被測定体の厚みムラを測定する平板の厚みムラ測定方法であって、前記撮像手段で得られた画像に対し、所定サイズに区分けした複数の検査領域を対応させ、該検査領域内に存在する干渉縞の間隔が所定数を越えていると、当該被測定体の厚みムラが予め設定した許容値を越えていると判定することを特徴とする。
【0013】
第2の発明は、請求項2に記載のように、平板形状に形成された被測定体を照明光源から照明光によりコリメータレンズを介して照明し、該被測定体の表面および背面からそれぞれ反射した反射光を該コリメータレンズを介し干渉縞として撮像手段により撮像し、該干渉縞から該被測定体の厚みムラを測定する平板の厚みムラ測定方法であって、前記被測定体の主面に対して直交する光軸中心線に対し、前記照明光の光軸中心と、前記撮像手段に入射する反射光の入射光軸中心とを角度を有して軸対称に配置し、前記照明光の光軸中心と前記入射光軸中心とが前記光軸中心線に対してなす角度を共に等しく変化させ、該角度変化の前後における前記干渉縞の変化に基づいて前記被測定体の厚みムラの凹凸を判定することを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、請求項3に記載のように、上記いずれかの発明で、前記照明光の光軸中心線と、前記撮像手段に入射する入射光の光軸中心と、前記被測定体の主面に対して直交する光軸中心線が該主面上で互いに交差することを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、請求項4に記載のように、上記いずれかの発明で、前記被測定体を鉛直線に対して傾け、該被測定体の背面側を試料台に対して微少面積接触で担持させたことを特徴とする。
【0016】
第5の発明は、請求項5に記載のように、筒形状に形成され長手方向に光軸中心線を有する筺体と、前記筺体の長手方向一端部に設けられ、該光軸中心線と直交する平面内に被測定体配置すると共に、該被測定体を鉛直線に対して傾斜状態でその背面側を微少面積接触状態で担持する試料台と、前記筺体内で前記試料台の被測定体に対して対向配置され、前記光軸中心線上に光軸中心を有するコリメータレンズと、前記筺体の他端側に配置され、前記コリメータレンズを介して前記試料台の被測定体を照明光源により照明する照明手段と、前記筺体の他端側に前記照明手段とは前記光軸中心線を挟んで反対側に配置され、前記コリメータレンズを通して前記試料台の前記被測定体から反射した前記照明光の反射光を干渉縞として撮像する撮像手段と、前記照明光の光軸中心と前記撮像手段に入射する反射像の入射光軸中心とが共に前記試料台の被測定体の主面上で交差するように角度を有して軸対称に配置し、前記照明光の光軸中心と前記入射光軸中心とが前記光軸中心線に対してなす角度を共に等しく変化させる角度可変手段と、を有することを特徴とする平板の厚みムラ測定装置とする。
【0017】
第6の発明は、請求項6に記載のように、上記した第5の発明において、前記筺体は横向きに前記試料台が傾斜下端側となるように傾斜姿勢に設置されることを特徴とする。
【0018】
第7の発明は、請求項7に記載のように、上記第6の発明において、前記試料台は、前記被測定体をその背面側の複数箇所で微少面積接触により立てかけたように担持することを特徴とする。
【0019】
第8の発明は、請求項8に記載のように、上記第5から第7の発明において、前記光軸中心線上において、前記コリメータレンズを通して前記被測定体からの反射光をハーフミラーにより該中心軸線に対して直交方向に折り曲げ、該折り曲げられた反射光の位置から前記被測定体が前記試料台に対して正確に担持されているか否かを判定するアライメントチェック手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明による平板の厚みムラ測定方法によれば、石英ガラスなどからなるウエハの表面と背面との形状差である厚みムラが検査領域内で予め設定した許容値を越えているか否かを判定することができる。
【0021】
また、照明光の光軸中心と撮像手段に対する入射光軸中心とが光軸中心線に対してなす角度を共に等しく変化させるだけで被測定体の厚みムラの凹凸を容易に判定することができ、厚みムラの凹凸判定のために得られた干渉縞の画像は全体的にシフトすることがないので判定も容易となる。
【0022】
さらに、被測定体である石英ガラスのウエハをその背面側の複数箇所で微少面積接触により立てかけたように担持することができるので、測定時に被測定体に無理な外力が加わって変形することがなく、傷の発生もない。
【0023】
本発明による平板の厚みムラ測定装置によれば、石英ガラスのウエハの表面と背面との形状差である厚みムラを簡単で且つ高精度に測定でき、しかも厚みムラの凹凸の判定は、厚みムラの測定のために試料台に被測定体を担持させた姿勢のままで判定できるため、装置の取り扱いが容易となる。
【0024】
また厚みムラの凹凸判定のために得られた干渉縞の画像は全体的にシフトすることがないので、判定も容易となる。
【0025】
さらに、装置の外形状を筒形状とすることができ、装置のコンパクト化が図れ、また廉価に提供できる。
【0026】
また、被測定体である石英ガラスのウエハをその背面側の複数箇所で微少面積接触により立てかけたように担持することができるので、測定時に被測定体に無理な外力が加わって変形することがなく、傷の発生もなく、また光軸中心線に対して直交平面内への位置決めも容易に行なえる。
【0027】
さらに、被測定体が光軸中心線に対して直交する平面内に正確に担持されているか否かを簡単な構成のアライメントチェック手段により判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は本発明の平板の厚みムラ測定方法を説明するための概略図である。
【0029】
照明系を構成する照明用光源1からの光が結像レンズ2を通してコリメータレンズ4に向けて照射される。このコリメータレンズ4を透過して平行光束化された照明光は、表面形状を測定する透明板である例えば石英ガラス板からなる被測定体5に向けて投射される。被測定体5は透明板であることから、投射光は表面で反射すると共に、この被測定体5内を通り被測定体5の背面で反射し、この被測定体5の表面および背面側でそれぞれ反射した反射光がコリメータレンズ4を通ってCCDカメラ3等からなる検出系に読み取られる。なお、照明光の光軸と反射光の光軸とが被測定体5の主面上で交差するようにしてい
る。
【0030】
被測定体5の表面および背面からの反射光は光路差を有しているため、前記検出系で読み取られる光像には干渉縞が現れる。
【0031】
前記検出系で読み取られた反射光は、不図示のモニタ、プリンタなどによる表示が可能で、表示された干渉縞から被測定体5の厚みムラの判定が行なえる。この被測定体5から例えば液晶プロジェクタのモジュールの基板(例えばSmm×Smm)を複数枚得る場合、このSmm×Smm角が厚みムラの判定基準となる。
【0032】
なお、この良否判定方法については後述する。また、干渉縞を不図示の画像処理装置により処理することでも被測定体5の厚みムラの良否判定が可能である。
【0033】
照明光軸線Lを有する前記照明系と、入射光軸線Lを有する前記検出系とは、コリメータレンズ4の光軸中心線(被測定体5の主面と直交する)Lを挟んでその両側に傾斜角α(α>0°、本実施の形態では1.0°)の最低傾斜角度位置に静止した状態から、傾斜角β(β>α、本実施の形態では1.6°)の最大傾斜角度位置へと同時に同じ角度変化を保持して移動すると、その角度変化の途中で、前記検出系で観察される干渉縞が厚みムラの状態によって例えば図4に示すように特異な動きをするので、その動きを把握することにより、凹凸の判定が可能となる。
【0034】
なお、被測定体5の主面に直交する光軸中心線Lは、水平線に対して前記照明系および検出系を傾斜上方側として傾斜させ、これにより被測定体5を不図示の試料台に対して自重にて立てかけるように担持させ、その際、被測定体5の背面側を微少面積接触で担持させることにより、被測定体5に傷などを発生させることがない。
【0035】
本実施の形態のように、照明光軸線Lと入射光軸線Lを同時に同じ角度変化を保持してαからβへ移動させることにより、CCDカメラ3で得られた画像は上記した角度αからβへの角度変化の際に、画像が全体的に移動することがなく、画像上において例えば厚みムラの凹部、凸部の中心となる部分の位置はずれない。
【0036】
図2(a)は厚みムラと干渉縞との関係を理解容易に示すもので、厚みムラ線の上方に示す基準線から該厚みムラ線までの長さを厚みムラとしている。なお、図2(a)は説明容易のために、干渉縞は中心から同心円に記載しているが、実際には厚みムラに存在する凹凸により、凹部の底および凸部のピークを中心に干渉縞が形成されており、この厚みムラ線の凹部の底を薄い部分と称し、この厚みムラ線の凸部のピークを厚い部分と称す。
【0037】
厚みムラといっても、被測定体5の全領域における最も高い凸部のピークから最も低い凹部の底との差を評価する場合と、被測定体5の全領域に対して上述のようにSmm×Smm角の網の目で評価する場合があり、後者のSmm×Smm角の網の目で評価する場合には、このSmm×Smm角内における厚みムラが許容できる値であれば良いことになる。
【0038】
図2において、隣接する暗部(明部)間の間隔の広狭に係らず、その間における厚みムラであるフリンジ間隔(d)は一定である。
【0039】
その際、図2(b)に示すように、得られた干渉縞の画像を一定の検査領域(smm×smm角)に分割し、各分割領域内における明部又は暗部を基準にフリンジ間隔の数をカウントし、このカウント数Nが所定数以上存在する場合には規定する厚みムラをオーバーしていると判定することができる。
【0040】
すなわち、N×dから求まる厚みムラが、1モジュールの基板に対して許容できる厚みムラD未満であれば、この領域での厚みムラが良と判定され、N×dから求まる厚みムラがD以上であれば不良と判定される。
【0041】
本実施の形態では、フリンジ間隔(d)が0.125μmとし、前記モジュールの基板サイ
ズを25mm×25mm、1モジュールの基板に対して許容できる厚みムラを0.3μm以下と
した場合、図4を例にすると、Smm×Smm角の領域内に、m次の明部から(m+3)次の明部が存在する場合、その区画のLTVは、m、(m+1)、(m+2)、(m+3)の3フリンジ間隔(3×0.125=0.375)となるから「良」となる。また、(m+4)次の明部が存在すると、4フリンジ間隔(4×0.125=0.5)となるから、「不良」と判定される。なお、フリンジ間隔(d)は、照明光源1を水銀灯とすると、その波長(λ)が365nmであり、照明光軸線Lの角度αが1°(θ)、被測定体5である石英ガラスの屈折率
(n)は1.4602なので、
d=λ/(2ncosθ)=0.125μmとなり、角度が小さいため、dが小さくなり、高精度化し、その変化率も小さい。
【0042】
具体的には、θ=1.6°でd=0.12503μmであり、変化率は0.025%であり、誤差を無
視できる。
このように厚みムラが不良と判定された被測定体5は研磨が不十分であると判定し、再研磨を行なうことになる。
【0043】
次に、図2の(b)に示す干渉縞からは厚みムラの凹凸におけるピークや底は判別できないが、前記照明系と検出系とを角度αからβへ回動する際に、図4に示すように、厚い部分での干渉縞はそのピークに向かって吸い込まれるように移動し、薄い部分での干渉縞はその底から湧き出すように新たに発生するという特異な現象が生じる。勿論、この現象は角度βからαへ回動する場合には逆の状態を呈する。そして、前述のように本実施の形態で得られた干渉縞は全体的にシフトすることがないので、この干渉縞の湧き出しと吸い込みの現象が明確に把握できることになる。
【0044】
図3は、傾斜角度α(1°)における干渉縞と厚みムラとの関係を示している。この場合、光源1は水銀灯(波長365nm)を用いており、前述のようにフリンジ間隔は0.125μmの厚みムラを示している。なお、図3の右側に示す厚みムラ線は、同図左側の干渉
縞の破線で示す中心での厚みムラを示している。なお、上述したフリンジ間隔(d)の式より、光源1の波長を短くするほどフリンジ間隔が小さくなるので測定精度を向上させることができる。
【0045】
図3において、干渉縞を示す図の中で、符号V1で示す「薄」部分に着目すると、この部分は明部として現され、符号P1、P2で示す「厚」部分に着目すると、この部分は暗部として現される。
【0046】
図3に示す干渉縞を現わす被測定体5の厚みムラから、薄い部分V1は厚みムラ線の底に位置し、厚い部分P1、P2は厚みムラ線のピークに位置する。
【0047】
図4は、図3に示す静止状態における角度α(角度1.0°)から、さらに0.1°ずつ角度を増加した時の干渉縞の変化を示している。角度1.0°の時における薄い部分V1を取り
囲むフリンジをm次とし、順にm+1次、m+2次、m+4次、m+5次、m+6次、m+7次とする。ここで、m+7次フリンジは、厚い部分P1となる。
【0048】
変更角度が1.1°の場合には干渉縞の生成状態に殆ど変化は生じないが、変更角度が1.2°になると、薄い部分V1として示した明部中に暗部の発生が見られる。これをm−1次
フリンジとする。すなわち明部V1の中に暗部が湧き出したようになる。
【0049】
さらに、変更角度を1.3°にすると、m−1次フリンジが濃くなり、逆にm+7次フリ
ンジが消え始め、変更角度を1.4°にすると、m+7次フリンジが吸い込まれるように消
失し、m+7次の存在していた部分が明部となり、その周りにはm+6次フリンジが移動する一方、m−1次フリンジが広がり、その中に明部が湧き出すように生成される。
【0050】
変更角度をさらに大きくし、変更角度を1.5°にすると、リング状のm+6次フリンジ
が吸い込まれるように小さくなり始まる一方、一塊の暗部として現れていたm−1次フリンジがリング状に広がり始める。さらに変更角度を1.6°にすると、リング状のm−1次
フリンジの中にm−2次フリンジが湧き出すように生成される一方、m+6次フリンジが吸い込まれるように小さくなり一塊の暗部として現される。
【0051】
このようにフリンジが湧き出るようにして新たに生成される現象は厚みムラ線の底の部分を中心として発生し、フリンジが吸い込まれるようにして消滅する現象は厚みムラ線のピークの部分を中心として発生することが理解される。
【0052】
したがって、角度αからβへ回動する際の干渉縞の様子を観察することで、被計測体5の厚みムラの凹凸状態が判断でき、例えば図3の右側に示す厚みムラ線において、厚い部分P1を中心にその周囲に引かれている上下それぞれ2本の破線で示される部分をSmm
×Smm角の領域として観察する場合、単純にフリンジ間隔をカウントすると3フリンジ
間隔となるが、厚い部分P1の底に近い上下2本の破線は実は同次数のフリンジであるから、実際には2フリンジ間隔とカウントとしなければならない。そうすると、このSmm
×Smm角の領域内では実際は2本のフリンジしか存在しないとし、2(本)×0.125=0.25μmの厚みムラしかないことが判る。もしもこの厚みムラの凹凸判定ができなければ、実際には許容範囲内の厚みムラにも係らず、誤って厚みムラが不良と判定することにもなるが、この厚みムラの凹凸判定ができることにより、このような誤判定が避けられる。
【0053】
なお、角度αからβへの角度変化に対する画像変化を記録し、これを解析者の目視によらず、解析ソフトを用いて自動的に判定することも可能である。本実施の形態のように、角度αからβへの角度変化に対する画像変化は干渉縞が全体的に移動することがなく、フリンジ間隔(d)の角度依存性が無視できるため、干渉縞解析ソフト(オリンパス株式会社製:FS2000、フジノン社製:A1)を用いて得られた干渉縞の画像を処理することにより、より精度良く解析を行なうこともできる。
【0054】
また、被計測体5の表裏面における研磨状態が例えば中央部が膨らんだ凸形状、あるいは中央部が窪んだ凹形状であるかの認識ができ、再度の研磨作業の指針とすることもできる。
【0055】
図5および図6は本発明による平板の厚みムラ測定装置の実施の形態を示す。
【0056】
図5は本実施の形態による平板の厚みムラ測定装置の外観を示し、(a)は上面図、(b)は正面図である。図6は図5に示す平板の厚みムラ測定装置の内部構成を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は試料台の詳細図である。
【0057】
本実施の形態による平板の厚みムラ測定装置は、角筒形状の筺体10を横向きに傾斜姿勢で固定台11に固定している。
【0058】
筺体10の傾斜下端側の開口端には、試料台12が開閉可能に取り付けられている。また、筺体10内の傾斜上端部には、水銀灯(波長365nm)13aと結像レンズ13bとか
ら構成される照明系13と、CCDカメラ14aにより構成される検出系14とが配置されている。さらに、筺体10の傾斜下端側には、試料台12の前方にコリメータレンズ15が取り付けられている。このコリメータレンズ15の光軸中心は筺体10の軸方向に延びる光軸中心線Lに一致する。また例えばウエハである円板状の被測定体5が試料台12に保持された状態でこの被測定体5の光軸中心も光軸中心線Lに一致する。
【0059】
コリメータレンズ15の光軸中心を通過する光軸中心線Lに対して直交する、試料台12に担持されている被測定体5の主面に対する垂線Lと同心上に配置された支点ピン16を回動支点とする帯状の第1の回動板17と第2の回動板18とが筺体10の傾斜下端部から傾斜上端部まで延びている。この支点ピン16は、前記垂線L上に配置され、第1の回動板17と第2の回動板18とは光軸中心線Lと平行に延びている。この第1の回動板17と第2の回動板18とは、光軸中心線Lを挟んで左右に配置されている。なお、第1の回動板17と第2の回動板18とは上下に重なるように配置されている。
【0060】
第1の回動板17の傾斜上端部である先端部には、照明系13が配置され、第2の回動板18の傾斜上端部である先端部には検出系14が配置されている。そして、照明系13の照明光軸線Lは、その中心軸線が上下方向において光軸中心線Lと一致し、前記垂線Lに交差する。また、検出系14の入射光軸線Lは、その中心軸線が上下方向において光軸中心線Lと一致し、前記垂線Lに交差する。
【0061】
第1の回動板17と第2の回動板18とは、連動回動機構19に連結されて図1に示すように、光軸中心線Lを挟んで角度αの第1の位置と角度β(α<β)の第2の位置との間を滑らかに同じ角度で移動できるようになっている。
【0062】
この連動回動機構19は、筺体10の傾斜上端部側に配置され、以下のように構成されている。なお、光軸中心線LをX軸、この光軸中心線Lと直交する水平方向の軸をY軸、この光軸中心線Lと直交する上下方向の軸をZ軸とする。
【0063】
筺体10の底部には、X軸上に沿って延びる第1のガイドバー20が両端部に取り付けられたストッパーを兼ねる支持部材21を介して支持固定されており、この第1のガイドバー20には第1のスリーブ22がX軸方向に沿って滑動自在に装着されている。
【0064】
また、筺体10の底部にY軸方向に延びるブラケット23には、X軸を挟んでY軸方向に沿って延びる第2のガイドバー24が両端部に取り付けられた支持部材25を介して支持固定されており、この第2のガイドバー24には、第2のスリーブ26と第3のスリーブ27がY軸方向に沿って滑動自在に装着されている。
【0065】
さらに、第1の回動板17の背面側には、照明光軸線Lと平行に延びる第3のガイドバー28が両端部に取り付けられた支持部材29を介して支持固定されており、この第3のガイドバー28には第4のスリーブ30が照明光軸線Lに沿って滑動自在に装着されている。この第4のスリーブ30は第2のスリーブ26とZ軸方向で重なり、Z軸方向に延びる連結ピン31を介して互いに回動自在に連結されている。
【0066】
同様に、第2の回動板18の背面側には、入射光軸線Lと平行に延びる第4のガイドバー32が両端部に取り付けられた支持部材33を介して支持固定されており、この第4のガイドバー32には第5のスリーブ34が入射光軸線Lに沿って滑動自在に装着されている。この第5のスリーブ34は第3のスリーブ27とZ軸方向で重なり、Z軸方向に延びる連結ピン35を介して互いに回動自在に連結されている。
【0067】
また、第1のスリーブ22には、X軸上に取り付けたZ軸方向に延びる連結ピン36に
第1のリンク37と第2のリンク38とが回動自在に連結され、第1のリンク37の先端部は連結ピン31に第2のスリーブ26と第4のスリーブ30との間で回動自在に連結され、第2のリンク38の先端部は連結ピン35に第3のスリーブ27と第5のスリーブ34との間で回動自在に連結されている。
【0068】
なお、第2のガイドバー28と第3のガイドバー30とはX軸に対して対称に設けられ、第1のリンク37を連結する連結ピン36と連結ピン31との距離と、第2のリンク38を連結する連結ピン36と連結ピン35との距離を等距離としている。また、第1の回動板17と第2の回動板18とが共に角度αの第1の位置に位置している状態で、第1のリンク37と第2のリンク38とを連結している連結ピン35は、第2のガイドバー24よりも傾斜下端側に位置し、この状態で第2のスリーブ26と第3のスリーブ27とがY軸方向において最も接近している。
【0069】
したがって、第1のスリーブ22を傾斜下端側から傾斜上端側に向けて第1のガイドバー20に沿って移動させると、第1のリンク37と第2のリンク38とはX軸に対して対称に角度が大きくなるように回動し、第2のガイドバー24上を第2のスリーブ26と第3のスリーブ27とがY軸方向に沿ってX軸から離れる方向に移動する。
【0070】
第2のスリーブ26には連結ピン31を介して第4のスリーブ30が連結され、この第4のスリーブ30は第1の回動板17に固定されている第3のガイドバー28上を移動するので、第2のスリーブ26がY軸方向に沿ってX軸から離れる方向に移動するのに従って、第1の回動板17を支軸16を支点として角度αから角度βに向けて回動させることができる。
【0071】
また、第3のスリーブ27には連結ピン35を介して第5のスリーブ34が連結され、この第5のスリーブ34は第2の回動板18に固定されている第4のガイドバー32上を移動するので、第3のスリーブ27がY軸方向に沿ってX軸から離れる方向に移動するのに従って、第2の回動板18を支軸16を支点として角度αから角度βに向けて第1の回動板17と同じ開き角度で開きながら回動させることができる。
【0072】
第1の回動板17と第2の回動板18とが角度βの第2の位置に達すると、例えば第1のガイドバー20を支持する傾斜上端側の支持部材21に第1のスリーブ22が当接することで第2の位置の位置決めがなされる。また、例えば第1のガイドバー20を支持する傾斜下端側の支持部材21に第1のスリーブ22が当接することで第1の位置の位置決めがなされる。
【0073】
第1のスリーブ22をX軸方向に沿って移動させることにより、X軸に対して照明光軸L1および入射光軸L2がなす角度(開角と称す)をαとβとの間で同じ角度を保持して変化させることができるが、この第1のスリーブ22をX軸方向に沿って移動させる操作は、操作機構39の操作レバー40により手動操作により行なわれる。
【0074】
この操作機構39は、X軸上を傾斜下端側に向けて延びる直進移動板41の一端部が第1のスリーブ22に取り付けられた連結ピン36に連結され、直進移動板41の他端部にはZ軸方向に延びる連結ピン42が連結されている。筺体10の底板10aには、X軸線上に沿って連結ピン42を案内するガイド孔(不図示)が形成され、連結ピン42はこのガイド孔にガタなく挿入されている。
【0075】
一方、底板10aの外面側には、X軸線を横切るように回動レバー43が配置されており、この回動レバー43は一端部側に連結された支軸44を支点として回動可能とすると共に、連結ピン43がこの回動レバー43の長手方向に沿って形成された不図示の長孔内
に連結されている。また、回動レバー43の回動先端部にZ軸方向に延びる操作レバー40が取り付けられている。
【0076】
このように構成された操作機構39は、操作レバー40を筺体10の傾斜上端側に向けて移動させると、回動レバー43が支軸44を支点として時計周り方向に回動する。その際、連結ピン43は底板10aにX軸方向に沿って形成されたガイド孔と、回動レバー43に形成された前記長孔に嵌合しているので、連結ピン43は前記ガイド孔内を傾斜上端側に向かって移動し、直進移動板41が傾斜上端側に向けて直進移動し、第1のスリーブ22をX軸方向に沿って傾斜上端側に向けて移動させることができ、X軸線に対する照明系13と検出系14のそれぞれの開角がαからβに向けて広がるように変更される。また、操作レバー40を筺体10の傾斜下端側に向けて移動させると、上述の場合とは逆の動作が行なわれ、第1のスリーブ22が傾斜下端側に向けて移動し、X軸線に対する照明系13と検出系14のそれぞれの開角がβからαに向けて狭まるように変更される。
【0077】
操作機構39の操作により第1の回動板17と第2の回動板18とが回動しても、照明光軸Lと入射光軸Lとが交差する位置は変化しない。コリメータレンズ15を通して照明光により被測定体5を照明し、被測定体5の表面および背面からの反射光がコリメータレンズ15を通してCCDカメラ14aに入射する。
【0078】
本実施の形態において筺体10を傾斜(角度γ)させているのは、筺体10の傾斜下端側の先端に被測定体5を保持する試料台12を設け、傾斜している試料台12に被測定体5をその重量のみで支持できるようにしたものである。
【0079】
また、被測定体5は光軸中心線Lに対して直交平面内に保持するために、試料台12は、台板12aを支持アーム45により筺体10に固定しており、台板12aには光軸中心線Lに一致して第1の位置調整ねじ12bが背面側からねじ込まれ、第1の位置調整ねじ12bの先端は台板12aの表面から突出し、台板12aに立てかけられように支持されている被測定体5の背面に当接する。この台板12aの上部に、第1の位置調整ねじ12bと同様に第2の位置調整ねじ12cがねじ込まれている。
【0080】
台板12aには、Z軸の軸線上で、第1の位置調整ねじ12bの上方と下方、及びY軸線上の中心軸線を挟んだ一方の計3箇所に図6(c)に示す担持部46が設けられている。この担持部46は、台板12aの外周端部の表面側に設けられた先端が細くなった(被測定体5の背面を傷つけないように先端は細いが丸みを帯びている)支持突起46aと、この支持突起46aに支持される被測定体5の外周部を係合するための係合部46bとにより構成されている。
【0081】
試料台12に円板状のウエハなどの光透過性を有する被測定体5をたてかけるように担持させ、第1の位置調整ねじ12bを調整することにより、Y軸とZ軸に対して被測定体5を位置合わせすることができ、第2の位置調整ねじ12cを調整することによりY軸周りに対して被測定体5を位置調整することができる。これにより、被測定体5をZ軸と直交する平面内に微少面積で担持した状態で位置させることができる。その際、被測定体5を押し付けたりせずに、被測定体5が台板12aに立てかけられるように自重のみで担持されているので、被測定体5に無理な荷重が加わらず高精度でしかも簡単な構成により被測定体5を保持できる。
【0082】
また、本実施の形態において、被測定体5が試料台12に正確に載置されているか否かのチェックを試料アライメントチェック機構47により行なえるようにしている。
【0083】
試料アライメントチェック機構47は、光軸中心線L上にハーフミラー47aを位置
させ(この位置をアライメントチェック位置と称す)、照明光をこのハーフミラー47aをコリメータレンズ15に向けて通過させるが、コリメータレンズ15を通過した被測定体5からの反射光をY軸方向に反射させる。被測定体5がX軸に直交する平面と同一平面内となるように試料台12に担持されていると、ハーフミラー47aで反射した反射光が筺体10の側板10bに取り付けた覗き窓47bの中心位置を照射するが、被測定体5がX軸に直交する平面と同一平面内とずれを有して試料台12に担持されていると、ハーフミラー47aで反射した反射光は覗き窓47bの中心位置からずれて照射されるか、全く照射されない。これにより被測定体5がX軸に直交する平面と同一平面内となるように試料台12に担持されているか否かのアライメントをチェックを行なうことができる。
【0084】
このアライメントのチェックの際にのみハーフミラー47aを光軸中心線L上に移動させるが、それ以外では照明光束および反射光束の領域外の退避位置にハーフミラー47aを退避させるために、ハンドル47cを回動すると、ハンドル47cに固定された回転軸47eがY軸回りに回転し、この回転軸47eに固定された回動レバー47dが回動する。この回動レバー47dにはハーフミラー47aが取り付けられているので、ハンドル47cを大きく回動することにより、ハーフミラー47aを前記退避位置と前記アライメントチェック位置との間で移動できる。
【0085】
このようなアライメントチェックにより被測定体5が正確に試料台12に担持されていることが確認されたら、操作レバー40を傾斜下端側で停止する位置に移動させると、上記開角がαとなる。この位置で照明系13をオンすると、検出系14のCCDカメラ14aでは図3に示すような干渉縞が観察できる。この検出画像を例えばプリンタにより出力させ、図2(b)に示す方形の検査領域により検査員が目視検査する。
【0086】
その後、操作レバー40を傾斜上端側に向けてゆっくりと回動させて、開度を角度αからβへ大きくする。開度を連続的に大きくすると、CCDカメラ14aで撮像した図4に示す1°から1.6°の画像が動画として得られるので、図4の説明で述べた湧き出しと吸い込みが生じている箇所が明瞭に把握でき、凹凸の判定が可能となる。なお、図4に示すように、各開角とCCDカメラ14aで撮像した画像との関係を明瞭にする場合には、例えば第1の回動板17又は第2の回動板18に角度センサを設け、光軸中心線Lに対する角度を検出し、この検出した角度データを画像処理装置に入力すれば良い。
【0087】
本実施の形態の平板の厚みムラ測定装置は、全体の構成を筒形状に形成することができ、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0088】
また、平板の厚みムラ測定装置は、筺体10と、第1の回動板17および第2の回動板18と、リンクで構成される連動回動機構19と、操作レバー40および回動レバー43などで構成される操作機構39と、試料台12と、試料アライメントチェック機構47を主要な要素として構成されており、これらの要素はいずれも簡単な構成であるため、装置を廉価に提供することができる。
【0089】
ウエハなどの被測定体5の厚みムラの良否判定後、操作レバー40を回動させるだけでこの被測定体5の凹凸の判定ができるので、被測定体5の凹凸判定のために被測定体5を試料台12から取り外したりする必要もなく、迅速に被測定体5の凹凸判定が可能となる。
【0090】
また、筺体10を傾斜配置することで被測定体5を試料台12に立てかけるようにして自重で担持できるようにしているので、試料台12に担持されている被測定体5には外力が加わらず、被測定体5が変形する虞がない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明による平板の厚みムラ測定方法を説明するための概略図。
【図2】(a)は図1の方法により得られた干渉縞と厚みムラとの関係を示す図、(b)は図1の方法により得られた干渉縞より厚みムラの判定を行なう方法を示す図。
【図3】実際に得られた干渉縞と厚みムラとの関係を示す図。
【図4】照明系の照明光軸線と検出系の入射光軸線がそれぞれ中心光軸線に対してなす角度を1.0°から1.6°まで0.1°ずつ拡げた時の干渉縞の画像を示す図。
【図5】本発明により平板の厚みムラ測定装置の実施の形態を示す外観図で、(a)は上面図、(b)は正面図。
【図6】図5に示す平板の厚みムラ測定装置の内部構成を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は試料台の詳細図である。
【符号の説明】
【0092】
光軸中心線
照明光軸線
入射光軸線
1 照明用光源
2 結像レンズ
3 CCDカメラ
4 コリメータレンズ
5 被測定体
10 筺体
11 固定台
12 試料台
12a 台板
12b 第1の位置調整ねじ
12c 第2の位置調整ねじ
13 照明系
13a 水銀灯
13b 結像レンズ
14 検出系
14a CCDカメラ
15 コリメータレンズ
16 支点ピン
17 第1の回動板
18 第2の回動板
19 連動回動機構(角度可変手段)
20 第1のガイドバー
21 支持部材
22 第1のスリーブ
23 ブラケット
24 第2のガイドバー
25 支持部材
26 第2のスリーブ
27 第3のスリーブ
28 第3のガイドバー
29 支持部材
30 第4のスリーブ
31 連結ピン
32 第4のガイドバー
33 支持部材
34 第5のスリーブ
35 連結ピン
36 連結ピン
37 第1のリンク
38 第2のリンク
39 操作機構
40 操作レバー
41 直進移動板
42 連結ピン
43 回動レバー
44 支軸
45 支持アーム
46 担持部
46a 支持突起
46b 係合部
47 試料アライメントチェック機構
47a ハーフミラー
47b 覗き窓
47c ハンドル
47d 回動レバー
47e 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板形状に形成された被測定体を照明光源から照明光によりコリメータレンズを介して照明し、該被測定体の表面および背面からそれぞれ反射した反射光を該コリメータレンズを介し干渉縞として撮像手段により撮像し、該干渉縞から該被測定体の厚みムラを測定する平板の厚みムラ測定方法であって、
前記撮像手段で得られた画像に対し、所定サイズに区分けした複数の検査領域を対応させ、該検査領域内に存在する干渉縞の間隔が所定数を越えていると、当該被測定体の厚みムラが予め設定した許容値を越えていると判定することを特徴とする平板の厚みムラ測定方法。
【請求項2】
平板形状に形成された被測定体を照明光源から照明光によりコリメータレンズを介して照明し、該被測定体の表面および背面からそれぞれ反射した反射光を該コリメータレンズを介し干渉縞として撮像手段により撮像し、該干渉縞から該被測定体の厚みムラを測定する平板の厚みムラ測定方法であって、
前記被測定体の主面に対して直交する光軸中心線に対し、前記照明光の光軸中心と、前記撮像手段に入射する反射光の入射光軸中心とを角度を有して軸対称に配置し、前記照明光の光軸中心と前記入射光軸中心とが前記光軸中心線に対してなす角度を共に等しく変化させ、該角度変化の前後における前記干渉縞の変化に基づいて前記被測定体の厚みムラの凹凸を判定することを特徴とする平板の厚みムラ測定方法。
【請求項3】
前記照明光の光軸中心線と、前記撮像手段に入射する入射光の光軸中心と、前記被測定体の主面に対して直交する光軸中心線が該主面上で互いに交差することを特徴とする請求項1または2に記載の平板の厚みムラ測定方法。
【請求項4】
前記被測定体を鉛直線に対して傾け、該被測定体の背面側を試料台に対して微少面積接触で担持させたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の平板の厚みムラ測定方法。
【請求項5】
筒形状に形成され長手方向に光軸中心線を有する筺体と、
前記筺体の長手方向一端部に設けられ、該光軸中心線と直交する平面内に被測定体配置すると共に、該被測定体を鉛直線に対して傾斜状態でその背面側を微少面積接触状態で担持する試料台と、
前記筺体内で前記試料台の被測定体に対して対向配置され、前記光軸中心線上に光軸中心を有するコリメータレンズと、
前記筺体の他端側に配置され、前記コリメータレンズを介して前記試料台の被測定体を照明光源により照明する照明手段と、
前記筺体の他端側に前記照明手段とは前記光軸中心線を挟んで反対側に配置され、前記コリメータレンズを通して前記試料台の前記被測定体から反射した前記照明光の反射光を干渉縞として撮像する撮像手段と、
前記照明光の光軸中心と前記撮像手段に入射する反射像の入射光軸中心とが共に前記試料台の被測定体の主面上で交差するように角度を有して軸対称に配置し、前記照明光の光軸中心と前記入射光軸中心とが前記光軸中心線に対してなす角度を共に等しく変化させる角度可変手段と、
を有することを特徴とする平板の厚みムラ測定装置。
【請求項6】
前記筺体は横向きに前記試料台が傾斜下端側となるように傾斜姿勢に設置されることを特徴とする請求項5に記載の平板の厚みムラ測定装置。
【請求項7】
前記試料台は、前記被測定体をその背面側の複数箇所で微少面積接触により立てかけた
ように担持することを特徴とする請求項6に記載の平板の厚みムラ測定装置。
【請求項8】
前記光軸中心線上において、前記コリメータレンズを通して前記被測定体からの反射光をハーフミラーにより該中心軸線に対して直交方向に折り曲げ、該折り曲げられた反射光の位置から前記被測定体が前記試料台に対して正確に担持されているか否かを判定するアライメントチェック手段を有することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の平板の厚みムラ測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−266958(P2006−266958A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−87495(P2005−87495)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【出願人】(390005072)東ソー・クォーツ株式会社 (46)
【Fターム(参考)】