説明

広域災害時情報発信システム及び広域災害時情報発信方法

【課題】広域災害発生時に、個人が必要とする情報を、大きな処理量の制御装置を必要とすることや、トラヒックを増大させることがなく、車両内外の人間に通知する。
【解決手段】車両1が、避難情報を記憶する避難情報記憶部101と、車両1の位置情報を管理する位置情報管理部102と、災害情報を受信する災害情報受信部108と、災害詳細情報を記憶し管理する災害情報管理部104と、位置情報及び避難情報から避難場所経路情報を作成し、災害詳細情報に基づき避難場所経路情報を更新する避難場所経路情報作成部103と、位置情報、災害詳細情報、及び避難情報とから、被災影響程度情報を作成し、災害詳細情報に基づき被災影響程度情報を更新する被災影響程度情報作成部105と、避難場所経路情報及び被災影響程度情報を制御し発生する情報制御部106及び情報発生部107とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広域の災害発生時に避難情報及び災害情報等の情報を提供する、広域災害時情報発信システム及び広域災害時情報発信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の広域災害発生時の情報発信技術としては、宅内に避難警報装置を置き、本避難警報装置が、災害の発生時に放送局から送信される緊急警報放送信号を受信し、続いて送信されてくる災害関係情報を記憶し、また緊急警報放送信号を受信したことにより宅内に設置されている電話装置にアクセスし、本電話装置をとおして各部屋に置かれた電話機を順番に呼び出すように制御し、部屋にいる人が応答すると、先に記憶した災害関係情報を再生し伝えるものがある。これにより、災害発生時に、ラジオやテレビのスイッチを入れていなくても、放送局から送信される災害関係情報を聴くことが可能になる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、利用できる場所が宅内に限定され、得られる情報は広域な情報であり、個人がいる場所(位置)に応じた情報、例えば最寄りの避難場所はどこか等、個人が必要とする情報を得ることができないものである。
【0004】
また、他の広域災害発生時に情報を発信する技術としては、利用できる場所を限定しないようにするために、携帯電話を利用するものがある。携帯電話を利用するものとしては、公衆ネットワーク側に避難情報提供サーバ装置を設置し、本非難情報提供サーバ装置が、サービスの利用を申し込んだ利用者の位置情報や電子メールアドレスを含む個人情報を管理する個人情報データベース、道路の亀裂や建物の倒壊等の地物情報を蓄積/更新する防災地図情報データベース等のデータベースを保有し、これらのデータベースに基づいて、サービス利用者の携帯電話毎に、位置情報に基づいた避難情報(避難場所と避難経路)や災害情報を編集し、編集した情報をサービス利用者の携帯電話にメール送信するものがある。これにより、サービス利用者はどこにいても、サービス利用者の携帯電話毎に位置情報に基づいて編集された避難情報や災害情報を受信することができるようになる(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、サービス利用者の携帯電話毎に、避難情報や災害情報を編集するには大きな処理量を有する制御装置を備える必要があり、また多くのメールを送信することは災害発生時に増大するトラヒックをさらに増やすことになり、輻輳が起きやすく作用するものである。また、利用者は移動に応じて位置情報をサーバ装置に通知する必要があり、電子メールアドレスを変更した場合は変更を通知する必要があるなど、手数がかかるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3092680号公報
【特許文献2】特開2006−215942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記に述べたとおり、従来の広域災害発生時の情報発信技術は、災害発生時に、ラジオやテレビのスイッチが入っていなくても、放送局から送信される災害関係情報を伝えることが可能であるが、個人が必要とする情報を伝えることができないという問題があった。
【0008】
また、サーバ装置を設置し、サービスの利用を申し込んだ利用者に、個人が必要とする情報をサービス利用者の携帯電話毎に編集し伝えることが可能であるが、避難情報や災害情報を編集するために大きな処理量の制御装置が必要となる、多くのメールの送信はトラヒックを増やし、輻輳が起きやすく作用し、輻輳が起これば情報が伝えられなくなる、利用者にとっては、個人情報の登録/更新に手数がかかる、といった問題があった。
【0009】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、災害発生時に、個人が必要とする情報を、大きな処理量の制御装置を必要とすることや、トラヒックを増大させることがなく、車両内や車両の周辺にいる多くの人達に知らせることができる広域災害時情報発信システム及び広域災害時情報発信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る広域災害時情報発信システムは、広域災害発生時に、災害情報配信センタから車両に配信される情報に基づき、該車両によって、避難情報及び災害情報を当該車両内外の人間に通知する広域災害時情報発信システムであって、前記車両が、避難場所及び前記避難場所に至る複数の経路を含む避難情報を記憶する避難情報記憶手段と、前記車両の進行方向を含む位置情報を管理する位置情報管理手段と、災害発生時に災害の発生情報を取得する災害簡易情報取得手段と、災害発生時に災害の詳細情報を取得する災害詳細情報取得手段と、前記災害詳細情報取得手段によって取得した災害詳細情報を記憶し管理する災害情報管理手段と、前記位置情報管理手段が管理する位置情報及び前記避難情報記憶手段が記憶する避難情報から、避難場所及び経路を説明する避難場所経路情報を作成し、前記災害情報管理手段が管理する災害詳細情報に基づき前記避難場所経路情報を更新する避難場所経路情報作成手段と、前記位置情報管理手段が管理する位置情報、前記災害情報管理手段が管理する災害詳細情報、及び前記避難情報記憶手段が記憶する避難情報から、被災影響程度を説明する被災影響程度情報を作成し、前記災害情報管理手段が管理する災害詳細情報に基づき前記被災影響程度情報を更新する被災影響程度情報作成手段と、前記避難場所経路情報及び前記被災影響程度情報を制御し発生する情報制御発生手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る広域災害時情報発信システムにおいて、前記災害詳細情報を共有するために、前記車両間でネットワークを組み立てるネットワーク組み立て手段を更に備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る広域災害時情報発信システムにおいて、前記ネットワーク組み立て手段は、前記車両のうち、前記災害情報配信センタから送信される前記災害詳細情報を受信した車両をマスタ車両とし、該災害詳細情報を受信していない車両をスレーブ車両とし、前記マスタ車両は前記スレーブ車両に前記災害詳細情報を送信し、該災害詳細情報を受信した前記スレーブ車両は、他のスレーブ車両に当該災害詳細情報を送信する手段を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る広域災害時情報発信システムにおいて、前記災害情報管理手段は、前記スレーブ車両が複数の前記車両から前記災害詳細情報を受信した場合は、該取得した災害詳細情報に付与された送信時刻情報を確認し、最新の送信時刻情報が付与された災害詳細情報を有効情報とする手段を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る広域災害時情報発信システムにおいて、前記位置情報管理手段は、GPS又は、通過した停留場若しくは駅、及び未通過の停留場若しくは駅により位置を管理する手段を有することを特徴とする。
【0015】
さらに、上記課題を解決するため、本発明に係る広域災害時情報発信方法は、広域災害発生時に、災害情報配信センタから車両に配信される情報に基づき、該車両によって、避難情報及び災害情報を当該車両内外の人間に通知する広域災害時情報発信方法であって、前記車両が、前記車両が、(a)避難場所及び前記避難場所に至る複数の経路を含む避難情報を記憶するステップと、(b)前記車両の進行方向を含む位置情報を管理するステップと、(c)災害発生時に災害の発生情報を取得するステップと、(d)災害発生時に災害の詳細情報を取得するステップと、(e)前記ステップ(d)によって取得した災害詳細情報を記憶し管理するステップと、(f)前記ステップ(b)によって管理される位置情報及び前記ステップ(a)によって記憶される避難情報から、避難場所及び経路を説明する避難場所経路情報を作成し、前記ステップ(e)によって管理される災害詳細情報に基づき前記避難場所経路情報を更新するステップと、(g)前記ステップ(b)によって管理される位置情報、前記ステップ(e)によって管理される災害詳細情報、及び前記ステップ(a)によって記憶される避難情報から、被災影響程度を説明する被災影響程度情報を作成し、前記ステップ(e)によって管理される災害詳細情報に基づき前記被災影響程度情報を更新するステップと、(h)前記避難場所経路情報及び前記被災影響程度情報を制御し発生するステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る広域災害時情報発信方法において、前記災害情報を共有するために、前記ステップ(c)の後に、前記車両間でネットワークを組み立てるステップ(i)を更に含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る広域災害時情報発信方法において、前記ステップ(i)は、前記車両のうち、前記災害情報配信センタから送信される前記災害詳細情報を受信した車両をマスタ車両とし、該災害詳細情報を受信していない車両をスレーブ車両とし、前記マスタ車両は前記スレーブ車両に前記災害詳細情報を送信し、該災害詳細情報を受信した前記スレーブ車両は、他のスレーブ車両に当該災害詳細情報を送信するステップを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る広域災害時情報発信方法において、前記ステップ(e)は、前記スレーブ車両が複数の前記車両から前記災害詳細情報を受信した場合は、該取得した災害詳細情報に付与された送信時刻情報を確認し、最新の送信時刻情報が付与された災害詳細情報を有効情報とするステップを含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る広域災害時情報発信方法において、前記ステップ(b)は、GPS又は、通過した停留場若しくは駅、及び未通過停留場若しくは駅により位置を管理するステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、災害発生時には、車両が、位置情報に基づき最寄りの避難場所及び経路について詳細かつ具体的に分かり易く説明した避難経路情報を作成し、作成した避難経路情報を表示し、また近隣の車両同士をネットワーク化することにより、更新した避難経路情報や最新の災害情報を表示することができるようになる。
【0021】
また、本発明によれば、さらに下記に述べる効果ないし利点がある。
(1)ラジオ、テレビとは違い、狭い範囲での情報提供が可能になる。
(2)バスや電車を利用するため、車両内や車両の近くにいる多くの人達に、情報を知らせることができる。
(3)道路が通行できなくなっても、車両の機能に問題がなければ、情報発信基地とすることができる。
(4)バス、電車の行き先案内表示盤は、高い位置にあるため、遠くからでも見やすく沢山の人に情報を提供することができる。
(5)広域災害の自治体等の情報伝達手段として活用可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるシステムの構成例を示す図である。
【図2】本発明によるシステムにおける車両の構成例を示す図である。
【図3】本発明によるネットワークの組み立て処理を説明する図である。
【図4】本発明による災害情報の有効情報選択処理を説明する図である。
【図5】本発明による車両の動作例を示すフローチャートである。
【図6】本発明によるシステムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。まず、本発明に係るシステムの構成について説明する。
【0024】
[システムの構成]
図1は、本発明に係るシステムの構成例を示す図である。同図は本システムが、車両1aと、車両1bと、車両1c(どの車両であるかを特定しない場合は車両1とする)と、災害情報配信センタ2と、GPS(Global Positioning System)3とを有して構成されることを示しており、車両1は無線で相互に接続されるものであるとともに、災害配信センタ2及びGPS3と無線で接続されるものであることを示している。
【0025】
車両1は、本発明の特徴となる交通機関の車両であり、具体的にはバス又は電車である。詳細についてはこの後説明する。
【0026】
災害情報配信センタ2は、災害時に被災状況を含む災害情報を配信する機能を有する。
【0027】
以下の説明では、災害情報配信センタ2が配信する災害情報のうち、災害が発生したことを知らせる情報を「災害簡易情報」と、その他災害による被害状況に関する情報を「災害詳細情報」と定義する。
【0028】
GPS3は、人工衛星が発信する電波を利用し、受信機の位置を割り出すことができるシステムである。
【0029】
次に、本発明に係るシステムの機能について、図1を用いて説明する。
【0030】
[システムの機能]
本システムは、車両1a、車両1b及び車両1cが同一系統の路線バス又は電車であるとしたときに、広域災害が発生した場合には、車両1a、車両1b及び車両1cが、それぞれが管理する位置情報に基づき、最寄りの避難場所及び経路について、詳細かつ具体的で分かり易い情報を発生する。それとともに、電波の受信状況により、災害情報配信センタ2が配信する災害情報を受信できる車両1が限定されていた場合、例えば車両1aのみ受信でき、車両1b及び車両1cは受信できない場合には、車両1aが災害情報を受信し(図1(a))、車両1aは受信した災害情報を車両1bに送信し(図1(b))、車両1bは受信した災害情報を車両1cに送信し(図1(c))、災害情報を受信した車両1a、車両1b及び車両1cは、それぞれが管理する位置情報に基づき、被災状況について詳細かつ具体的で分かり易い情報を発生する。
【0031】
次に、上記に述べたシステムの機能を実現するために係わる構成装置のうち、本発明の特徴となる車両1について、図2を用いて説明する。
【0032】
[車両の構成]
図2は、図1のシステムにおける車両1の構成例を示す図である。同図は車両1の機能のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示しており、避難情報記憶部101、位置情報管理部102、避難場所経路情報作成部103、災害情報管理部104、被災影響程度情報作成部105、情報制御部106、情報発生部107、災害情報受信部108、災害情報をネットワーク組み立部109、車車間信号受信部110、及び車車間信号送信部111を備える。
【0033】
避難情報記憶部101は、路線周辺の避難場所及び避難場所に至る複数の経路を含む避難情報を記憶する。
【0034】
位置情報管理部102は、車両1の進行方向を含む位置情報を取得し、管理する。位置情報は、車両1にGPS受信機を搭載し、GPS測位により取得することができる。また、車両管理システムが車両位置を管理している場合には、車両管理システムから位置情報を取得することもできる。
【0035】
さらに、バス(特に路線バス)や電車は、通過する経路が定まっているため、通過した停留場/駅と、未通過である次の停留所/駅から位置情報を取得することもできる。すなわち、路線バスや電車では、到着する停留所/駅のアナウンスをするので、当該アナウンスと連動してアナウンスした停留所/駅を位置情報管理部102に通知する停留所/駅通知部を設けることにより、車両1は位置情報を取得することができる。さらに、位置情報管理部102に路線の経路情報も記憶させておくことにより、車両1は、現在の位置が通知のあった停留所/駅と次の停留所/駅との間であるということを知ることができる。なお、GPSの電波が届きにくい路線を通過する車両1については、本手段により位置情報を取得することが有効である。
【0036】
避難場所経路情報作成部103は、災害情報受信部108が災害簡易情報(災害が発生したことを知らせる情報)を取得した場合又は運転手から災害発生の通知があった場合には、位置情報管理部102が管理する車両1の位置情報、及び避難情報記憶部101が記憶する避難情報から、最寄りの避難場所及び経路を検索し、検索した最寄りの避難場所及び経路を説明する避難場所経路情報を作成する。災害簡易情報は、例えば、緊急警報放送システム(EWS:Emergency Warning System)が配信するEWS信号を受信することで取得することができる。また、車両1の運転手が災害の発生を知ったときに、運転手が車両1に所定の通知装置(例えば警報装置等)によって通知することで、取得することもできる。
【0037】
また、避難場所経路情報作成部103は、避難場所経路情報を作成した後は、災害情報管理部104が管理する災害詳細情報を監視し、災害詳細情報に基づき避難場所経路情報を更新する。これは、刻々と変化する車両1の位置情報と被災状況から、最適な避難場所経路情報を得るためである。
【0038】
避難場所経路情報は、従来のように「最寄りの避難場所は○○市1丁目2番3号です」とするのではなく、車両1の進行方向をみて、例えば「最寄りの避難場所は前方80メートル右側の○○小学校です」とする。即ち、表示を見た及び/又は音声を聞いた人達が知らない場所を訪れていたときであっても、速やかに行動を起こせるものとする。
【0039】
災害情報管理部104は、ネットワーク組み立て部109が組み立てたネットワークにより送受信される災害詳細情報(災害による被害状況に関する情報)を蓄積し管理する。車両1が後述するマスタとして動作する場合には、災害情報管理部104は、災害情報配信センタ2が配信する災害詳細情報を、災害情報受信部108及びネットワーク組み立て部109を通じて取得し、車両1が後述するスレーブとして動作する場合には、近隣の車両1が送信する災害詳細情報を、車車間信号受信部110及びネットワーク組み立て部109を通じて取得する。
【0040】
被災影響程度情報作成部105は、災害情報受信部108が災害簡易情報(災害が発生したことを知らせる情報)を受信した場合、又は運転手から災害発生の通知があった場合には、位置情報管理部102が管理する車両1の位置情報、災害情報管理部104が管理する災害詳細情報、及び避難情報記憶部101が記憶する避難情報から被災影響程度情報を作成する。
【0041】
また、被災影響程度情報作成部105は、被災影響程度情報を作成した後は、災害情報管理部104が管理する災害詳細情報を監視し、災害詳細情報に基づき被災影響程度情報を更新する。これは、刻々と変化する車両1の位置情報と被災状況から、最適な被災影響程度情報を得るためである。
【0042】
被災影響程度情報は、前述の避難場所経路情報と同様に、車両1の進行方向をみて、例えば「前方150メートル左側、5階建ての白い建物は被害大につき、絶対近づかないように」とする。作成に必要な建物の「階層数」「色」等は避難情報記憶部101に記憶している。
【0043】
情報制御部106は、避難場所経路情報作成部103が作成した避難場所経路情報及び被災影響程度情報作成部105が作成した被災影響程度情報を制御する。情報発生部107は、電車やバスの行き先案内表示盤及び/又は音声出力器(スピーカ)である。情報制御部106は、情報発生部107が行き先案内表示盤である場合には、避難場所経路情報及び被災影響程度情報を、文字データに変換する。そして、行き先案内表示盤の行き先案内表示を、避難場所経路情報及び被災影響程度情報に切り替える。当然、行き先案内表示とともに、避難場所経路情報及び被災影響程度情報を表示させることもできる。一方、情報発生部107が音声出力器である場合には、避難場所経路情報及び被災影響程度情報を、音声データに変換し、音声出力器から音声を出力させる。
【0044】
災害情報受信部108は、災害情報配信センタ2から配信される災害情報を受信し、災害情報をネットワーク組み立部109に出力する。
【0045】
ネットワーク組み立て部109は、災害簡易情報を取得した場合に、近隣の車両1とネットワークを組み立てる。ネットワーク組み立て処理については後述する。
【0046】
車車間信号受信部110は、近隣の車両1の車車間信号送信部111と対向し、災害詳細情報を受信する機能を有する。車車間信号送信部111は、近隣の車両1の車車間信号受信部110と対向し、災害詳細情報を送信する機能を有する。
【0047】
次に、ネットワーク組み立て部109のネットワーク組み立て処理について、図3を用いて説明する。
【0048】
[ネットワーク組み立て処理]
災害簡易情報を取得した時点では、車両1は同一の系統にいる他の車両1の情報を何も持ち合わせていないので、互いの位置関係、及び災害詳細情報を取得しているか否かの情報を把握するために、各車両1は車両情報を発信する。図3(a)(b)は、車両1が発信する車両情報の一例である。
【0049】
ネットワーク組み立て直後であって、災害情報配信センタ2の配信する災害詳細情報の送信がまだ行われていない、又は送信中でまだ完了していない場合には、すべての車両1の車両情報は、図3(b)に示すように位置情報301と車両識別情報302のみ有する。その後、災害詳細情報を受信できる車両1が、災害情報配信センタ2の配信する災害詳細情報の受信を完了した場合には、災害詳細情報取得情報303を付加して発信する。図3(a)は、災害情報配信センタ2が配信する災害詳細情報を受信した車両1が発信する情報例であり、災害詳細情報取得情報303を有するため、車両1はマスタとして動作し、スレーブに対して災害詳細情報を送信する。図3(b)は、災害情報配信センタ2が配信する災害詳細情報を取得していない車両1が発信する情報例であり、災害詳細情報取得情報303を有さないため、車両1はスレーブとして動作し、災害詳細情報を中継する。
【0050】
災害情報配信センタ2の配信する災害詳細情報が更新され、車両1が更新された災害詳細情報を受信した場合には、該車両1は、更新災害詳細情報取得情報を付加して発信する(図示しない)。すなわち、車両情報は定期的に更新される。
【0051】
図3(c)は、車両1bのネットワーク組み立て部109が管理するネットワーク構成管理表の一例である。ここでは、車両1bのネットワーク組み立て部109が、車両1a及び車両1cからの車両情報を受信し、車両情報に含まれる位置情報301から、前方に車両1aが、後方に車両1cがいることが分った場合を示している。この場合、車両1aの車両情報には災害詳細情報取得情報303が含まれているため、車両1aはマスタとして動作し、車両1b及び車両1cの車両情報には災害詳細情報取得情報303が含まれていないため、車両1b及び車両1cはスレーブとして動作する。
【0052】
図3(d)は、車両1cの車両情報にも災害詳細情報取得情報303が含まれている場合の例である。この場合は、車両1a及び車両1cはマスタとして動作し、車両1bはスレーブとして動作する。
【0053】
なお、自車両1及び前後の車両1がともにスレーブとなる場合も起こり得るが、同一系統内の車両1のうち1台でもマスタとなる車両1があれば、スレーブとなる車両1が災害詳細情報を中継していくため、いずれ近隣のスレーブ車両1から災害詳細情報を取得することができる。
【0054】
次に、災害情報管理部104が管理する災害情報の有効情報の選択処理について、図4を用いて説明する。
【0055】
[災害情報の有効情報の選択処理]
図4では、車両1a及び車両1cがマスタとなる車両であり、車両1bがスレーブとなる車両である。マスタとなる車両1a及び車両1cが災害詳細情報を送信する場合にあっては、更新時刻情報を付加して送信する。そして、スレーブとなる車両1bは更新時刻を比較し、最新の情報を災害詳細情報の有効情報とする処理を行う。なお、マスタとなる車両1a及び車両1cが発信する車両情報に更新時刻情報を付加するようにし、スレーブとなる車両1bは更新時刻を比較し、更新時刻が最新である車両1のみから災害詳細情報を受信するようにしてもよい。
【0056】
次に、本発明に係る車両1の動作について、図5を用いて説明する。
【0057】
[車両の動作]
図5は、図2の車両1の動作例を示すフローチャートである。まず、ステップS501では、避難情報記憶部101によって、避難情報を記憶する。
【0058】
ステップS502では、位置情報管理部102によって車両1の位置情報を管理する。
【0059】
ステップS503では、災害情報受信部108によって、又は運転手からの災害発生の通知を監視することによって、災害が発生したか否かを判断する。災害が発生していない場合(ステップS503−No)は、ステップS502に戻り、位置情報の管理を継続する。災害が発生した場合(ステップS503−Yes)は、ステップS504及びステップS510に処理を進める。
【0060】
ステップS504では、避難場所経路情報作成部103が、位置情報管理部102が管理する車両1の位置情報、及び避難情報記憶部101が記憶する避難情報から、最寄りの避難場所及び経路を検索する。
【0061】
ステップS505では、避難場所経路情報作成部103が、検索した最寄りの避難場所及び経路を説明する避難場所経路情報を作成する。
【0062】
ステップS506では、避難場所経路情報作成部103が作成した避難場所経路情報を情報制御部106に伝え、情報制御部106が情報発生部107を制御し、避難場所経路情報を文字で表示及び/又は音声で出力する。
【0063】
ステップS507では、避難場所経路情報作成部103が、災害情報管理部104が管理する災害詳細情報を参照し、避難場所経路情報の更新があるか否かを判断する。避難場所経路情報の更新がある場合(ステップS507−Yes)は、ステップS508に処理を進め、避難場所経路情報の更新がない場合(ステップS507−No)は、ステップS509に処理を進める。
【0064】
ステップS508では、避難場所経路情報作成部103が最新の避難場所経路情報に更新し、ステップS506に処理を戻す。
【0065】
ステップS509では、ステップS507において更新がない場合は、避難場所経路情報作成部103が、運転手からの情報発生終了の通知を監視することによって、避難場所経路情報の発生を停止するか否かを判断する。情報発生終了の通知は、所定の通知装置(例えば終了ボタン等)によって行う。情報の発生を停止しない場合(ステップS509−No)は、ステップS506に戻し、情報の発生を継続する。情報の発生を停止する場合(ステップS509−Yes)は、避難場所経路情報の発生を終了する。例えば、大地震のような大きな災害が発生した場合には、長期間情報の発生を継続させる(ステップS509−No)。これにより、運転手が避難した後も、車両1の機能に問題がなければ、当該車両1を情報発信基地とすることができる。
【0066】
一方、S510では、災害が発生した場合には、ネットワーク組み立て部109によって、近隣の車両1とのネットワークを組み立てる。
【0067】
S511では、ネットワーク組み立て部109がネットワーク構成管理表により、車両1がマスタかスレーブかを判断する。車両1がマスタである場合(S511−Yes)は、ステップS512に処理を進め、車両1がスレーブである場合(S511−No)は、ステップS513に処理を進める。
【0068】
ステップS512では、車両1はマスタとして動作し、災害情報配信センタ2から受信した災害詳細情報を、車車間信号送信部111によって近隣のスレーブ車両1に送信する。
【0069】
ステップS513では、車両1はスレーブとして動作し、災害詳細情報を中継する。すなわち、近隣のマスタ車両1又はスレーブ車両1から、車車間信号受信部110によって災害詳細情報を受信し、近隣のスレーブ車両1に対し、車車間信号送信部111によって災害詳細情報を送信する。
【0070】
ステップS514では、災害情報管理部104によって、受信した災害詳細情報を蓄積し管理する。災害詳細情報は、車両1がマスタの場合には、車両1が受信した情報であり、車両1がスレーブの場合には、近隣のマスタの車両1又はスレーブ車両1から受信した情報である。
【0071】
ステップS515では、被災影響程度情報作成部105が、位置情報管理部102が管理する車両1の位置情報、災害情報管理部104が管理する災害詳細情報、及び避難情報記憶部101が記憶する避難情報から、被災の影響の度合いを説明する被災影響程度情報を作成する。
【0072】
ステップS516では、作成した被災影響程度情報を情報制御部106に伝え、情報制御部106が情報発生部107を制御し、避難場所経路情報を文字で表示及び/又は音声で出力する。
【0073】
ステップS517では、被災影響程度情報作成部105が、災害情報管理部104が管理する災害詳細情報を参照し、被災影響程度情報の更新があるか否かを判断する。被災影響程度情報の更新がある場合(ステップS517−Yes)は、ステップS518に処理を進め、被災影響程度情報の更新がない場合(ステップS517−No)は、ステップS519に処理を進める。
【0074】
ステップS518では、被災影響程度情報作成部105が最新の被災影響程度情報に更新し、ステップS516に処理を戻す。
【0075】
ステップS519では、ステップS517において更新がない場合は、被災影響程度情報作成部105が、運転手からの情報発生終了の通知を監視することによって、被災影響程度情報の発生を停止するか否かを判断する。情報発生終了の通知は、所定の通知装置(例えば終了ボタン等)によって行う。情報の発生を停止しない場合(ステップS519−No)は、ステップS516に戻し、情報の発生を継続する。情報の発生を停止する場合(ステップS519−Yes)は、被災影響程度情報の発生を終了する。例えば、大地震のような大きな災害が発生した場合には、長期間情報の発生を継続させる(ステップS519−No)。これにより、運転手が避難した後も、車両1の機能に問題がなければ、当該車両1を情報発信基地とすることができる。
【0076】
次に、本発明に係るシステムの動作について、図6を用いて説明する。
【0077】
[システムの動作]
図6は、図1におけるシステムの動作例を示すシーケンスチャートである。同図は災害情報配信センタ2、車両1a、車両1b及び車両1cとの間のシーケンスを示している。ここでは、車両1aはマスタ、車両1b及び車両1cはスレーブとしている。
【0078】
車両1aは、避難情報記憶部101によって避難情報を記憶し(ステップS601)、位置情報管理部102によって位置情報を管理する(ステップS602)。同様に、車両1bは、避難情報を記憶し(ステップS603)、位置情報を管理し(ステップS604)、車両1cは、避難情報を記憶し(ステップS605)、位置情報を管理する(ステップS606)。
【0079】
車両1a、車両1b及び車両1cが、災害情報受信部108又は運転手からの通知によって災害簡易情報を取得すると(ステップS607)、車両1aは避難場所経路情報作成部103によって避難場所経路情報を作成し(ステップS608)、避難場所経路情報を表示及び/又は出力する(ステップS609)。同様に、車両1bは、避難場所経路情報を作成し(ステップS610)、情報発生部107によって避難場所経路情報を表示及び/又は出力し(ステップS611)、車両1cは、避難場所経路情報を作成し(ステップS612)、避難場所経路情報を表示及び/又は出力する(ステップS613)。
【0080】
また、車両1a、車両1b及び車両1cが災害簡易情報を取得すると(ステップS607)、車両1aがネットワーク組み立部109によってネットワークを組み立て(ステップS614)、同様に車両1bもネットワークを組み立て(ステップS615)、車両1cもネットワークを組み立てる(ステップS616)。なお、ネットワークの組み立て(ステップS614、ステップS615、ステップS616)は、災害簡易情報の取得(ステップS607)の後、災害詳細情報の取得(ステップS617)までの間に行えばよい。
【0081】
車両1aは、災害情報受信部108によって災害詳細情報を取得すると(ステップS617)、災害詳細情報を車車間信号送信部111によって車両1bに送信する(ステップS618)。車両1bは、車車間信号受信部110によって災害詳細情報を受信し(ステップS619)、受信した該災害詳細情報を車車間信号送信部111によって車両1cに送信(ステップS620)する。車両1cは、該災害詳細情報を車車間信号受信部110によって受信する(ステップS621)。
【0082】
車両1aは、災害情報配信センタ2が配信した災害詳細情報を災害情報管理部104によって蓄積し管理し(ステップS622)、被災影響程度情報作成部105によって被災影響程度情報を作成し(ステップS623)、情報発生部107によって被災影響程度情報を表示及び/又は出力する(ステップS624)。車両1bは、車両1aから受信した災害詳細情報を蓄積し管理し(ステップS625)、被災影響程度情報を作成し(ステップS626)、被災影響程度情報を表示及び/又は出力し(ステップS627)する。車両1cは、車両1bから受信した災害詳細情報を蓄積し管理し(ステップS628)、被災影響程度情報を作成し(ステップS629)、被災影響程度情報を表示及び/又は出力する(ステップS630)。
【0083】
なお、本発明は、図1から図6を用いて説明した形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば当初は災害情報配信センタ2から送信される災害詳細情報を受信できていなかったが、途中から受信できるようになった場合は、受信できるようになったことを近隣の車両1に通知することにより、マスタになることができる。
【0084】
また、災害情報配信センタ2は1つである例について説明したが、自治体等が送信する情報についても受信することにし複数のセンタを扱うことができるものである。この場合はそれぞれの情報ごとにマスタ、スレーブを決めることになる。
【0085】
さらに、災害情報配信センタ2からの災害詳細情報を受信するには専用の受信回路が必要となるため、一部の車両1のみが災害情報受信部108を有し、災害情報受信部108を有する車両1のみが災害情報配信センタ2からの災害詳細情報を受信し、マスタとして動作するようにすることも可能である。また、各車両1は災害詳細情報を共有することができればよいので、最初に災害情報配信センタ2から災害詳細情報を受信した車両1が、同一経路内にある他のすべての車両1に該災害詳細情報を送信するようにすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0086】
上記に説明したとおり、本発明が産業上の利用が可能であることは明らかである。即ち、本発明が、バスや電車の車両内や車両の周辺にいる人達に、分かり易い避難情報及び災害情報を、通常時に使用している行き先案内表示盤に文字で表示及び/又は音声で出力するものである。よって、携帯電話機を保有していなくてもこれらの情報を得ることができることから利用が進み、システム及び関連装置の需要が一層高まることが期待できる。
【符号の説明】
【0087】
1(1a、1b、1c) 車両
2 災害情報配信センタ
3 GPS
101 避難情報記憶部
102 位置情報管理部
103 避難場所経路情報作成部
104 災害情報管理部
105 被災影響程度情報作成部
106 情報制御部
107 情報発生部
108 災害情報受信部
109 ネットワーク組み立て部
110 車車間信号受信部
111 車車間信号送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広域災害発生時に、災害情報配信センタから車両に配信される情報に基づき、該車両によって、避難情報及び災害情報を当該車両内外の人間に通知する広域災害時情報発信システムであって、
前記車両が、
避難場所及び前記避難場所に至る複数の経路を含む避難情報を記憶する避難情報記憶手段と、
前記車両の進行方向を含む位置情報を管理する位置情報管理手段と、
災害発生時に災害の発生情報を取得する災害簡易情報取得手段と、
災害発生時に災害の詳細情報を取得する災害詳細情報取得手段と、
前記災害詳細情報取得手段によって取得した災害詳細情報を記憶し管理する災害情報管理手段と、
前記位置情報管理手段が管理する位置情報及び前記避難情報記憶手段が記憶する避難情報から、避難場所及び経路を説明する避難場所経路情報を作成し、前記災害情報管理手段が管理する災害詳細情報に基づき前記避難場所経路情報を更新する避難場所経路情報作成手段と、
前記位置情報管理手段が管理する位置情報、前記災害情報管理手段が管理する災害詳細情報、及び前記避難情報記憶手段が記憶する避難情報から、被災影響程度を説明する被災影響程度情報を作成し、前記災害情報管理手段が管理する災害詳細情報に基づき前記被災影響程度情報を更新する被災影響程度情報作成手段と、
前記避難場所経路情報及び前記被災影響程度情報を制御し発生する情報制御発生手段とを備えることを特徴とする広域災害時情報発信システム。
【請求項2】
前記災害詳細情報を共有するために、前記車両間でネットワークを組み立てるネットワーク組み立て手段を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の広域災害時情報発信システム。
【請求項3】
前記ネットワーク組み立て手段は、前記車両のうち、前記災害情報配信センタから送信される前記災害詳細情報を受信した車両をマスタ車両とし、該災害詳細情報を受信していない車両をスレーブ車両とし、前記マスタ車両は前記スレーブ車両に前記災害詳細情報を送信し、該災害詳細情報を受信した前記スレーブ車両は、他のスレーブ車両に当該災害詳細情報を送信する手段を有することを特徴とする、請求項2に記載の広域災害時情報発信システム。
【請求項4】
前記災害情報管理手段は、前記スレーブ車両が複数の前記車両から前記災害詳細情報を受信した場合は、該取得した災害詳細情報に付与された送信時刻情報を確認し、最新の送信時刻情報が付与された災害詳細情報を有効情報とする手段を有することを特徴とする、請求項3に記載の広域災害時情報発信システム。
【請求項5】
前記位置情報管理手段は、GPS又は、通過した停留場若しくは駅、及び未通過の停留場若しくは駅により位置を管理する手段を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の広域災害時情報発信システム。
【請求項6】
広域災害発生時に、災害情報配信センタから車両に配信される情報に基づき、該車両によって、避難情報及び災害情報を当該車両内外の人間に通知する広域災害時情報発信方法であって、
前記車両が、
(a)避難場所及び前記避難場所に至る複数の経路を含む避難情報を記憶するステップと、
(b)前記車両の進行方向を含む位置情報を管理するステップと、
(c)災害発生時に災害の発生情報を取得するステップと、
(d)災害発生時に災害の詳細情報を取得するステップと、
(e)前記ステップ(d)によって取得した災害詳細情報を記憶し管理するステップと、
(f)前記ステップ(b)によって管理される位置情報及び前記ステップ(a)によって記憶される避難情報から、避難場所及び経路を説明する避難場所経路情報を作成し、前記ステップ(e)によって管理される災害詳細情報に基づき前記避難場所経路情報を更新するステップと、
(g)前記ステップ(b)によって管理される位置情報、前記ステップ(e)によって管理される災害詳細情報、及び前記ステップ(a)によって記憶される避難情報から、被災影響程度を説明する被災影響程度情報を作成し、前記ステップ(e)によって管理される災害詳細情報に基づき前記被災影響程度情報を更新すると、
(h)前記避難場所経路情報及び前記被災影響程度情報を制御し発生するステップとを含むことを特徴とする広域災害時情報発信方法。
【請求項7】
前記災害情報を共有するために、前記ステップ(c)の後に、前記車両間でネットワークを組み立てるステップ(i)を更に含むことを特徴とする、請求項6に記載の広域災害時情報発信方法。
【請求項8】
前記ステップ(i)は、前記車両のうち、前記災害情報配信センタから送信される前記災害詳細情報を受信した車両をマスタ車両とし、該災害詳細情報を受信していない車両をスレーブ車両とし、前記マスタ車両は前記スレーブ車両に前記災害詳細情報を送信し、該災害詳細情報を受信した前記スレーブ車両は、他のスレーブ車両に当該災害詳細情報を送信するステップを含むことを特徴とする、請求項7に記載の広域災害時情報発信方法。
【請求項9】
前記ステップ(e)は、前記スレーブ車両が複数の前記車両から前記災害詳細情報を受信した場合は、該取得した災害詳細情報に付与された送信時刻情報を確認し、最新の送信時刻情報が付与された災害詳細情報を有効情報とするステップを含むことを特徴とする、請求項8に記載の広域災害時情報発信方法。
【請求項10】
前記ステップ(b)は、GPS又は、通過した停留場若しくは駅、及び未通過停留場若しくは駅により位置を管理するステップを含むことを特徴とする、請求項6から9のいずれか一項に記載の広域災害時情報発信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−205118(P2010−205118A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51758(P2009−51758)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】