説明

微小導電性金属酸化物の除去方法及び装置

【課題】基材に残留する微小導電性金属酸化物を除去する。
【解決手段】それぞれの対向面に絶縁膜13aa,13baを形成した正負電極13a,13bを、基材12との相対移動方向に順に配置した平板状電極体13の外周部を絶縁体13cで覆う。正負電極13a,13bと、両絶縁膜13aa,13baの、それぞれの基材12と対向する端面の面積S1、S2、S3の比を、S1/S2=0.8〜100、S2/S3=0.01〜1.15とする。前記平板状電極体13の端面を、基材12に対向すべく,複数個隣接配置する。この平板状電極体13と基材12間に電解液14を介在させた状態で、正負電極13a,13bに電圧を印加しつつ、平板状電極体13と基材12とを相対移動させ、基材12の表面に残留する微小な導電性金属酸化物12aを還元反応により除去する。
【効果】微小導電性金属酸化物を、基材の全面に亘って効果的に除去できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスパッタ蒸着などにより基材に形成された導電性金属酸化物薄膜を、再利用が可能なように除去する際に、基材に残留した微小な導電性金属酸化物を、効率良く除去する方法、及びその方法を実施する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばITO(インジウムとスズの酸化物で、透明導電性を有する膜)を形成した高機能ガラス基板は、光学的性能(透過率等)や機械的性能(平坦度等)に優れており、例えばフラットパネルディスプレイに用いられる。しかしながら、この高機能ガラス基板は高価であるため、その表面に形成するITOが品質管理基準を満足しない場合には、そのITOを除去して再利用することで、コストの低減を図っている。
【0003】
このITOなどの導電性金属酸化物薄膜を除去する方法として、機械的擦過により除去する方法や、化学エッチングにより除去する方法がある。このうち前者の方法は、図5に示すように、被加工物1の表面に形成した導電性金属酸化物薄膜1aを研摩ブラシ2により擦過することで除去するものである。
【0004】
また、後者の方法は、図6に示すように、導電性金属酸化物薄膜を化学反応的に溶解させる化学液3に被加工物1を浸漬することで、その表面に形成した導電性金属酸化物薄膜1aを除去するものである(例えば特許文献1,2)。
【特許文献1】特開平6−321581号公報
【特許文献2】特開平9−86968号公報
【0005】
しかしながら、機械的擦過によって除去する方法は、研摩ブラシを擦りつけることから、被加工物の表面に擦過痕(疵)や応力変形を生じる場合がある。擦過痕が生じた場合、再利用ができなくなる。また、対象とする被加工物がフラットパネルディスプレイの場合、ガラス基板のガラス厚みが0.5mm程度であるため、接触方式の機械的擦過では破損する可能性がある。従って、微妙なブラシの圧力調整が必要で、完全剥離するために長時間を要する。
【0006】
一方、化学エッチングによって除去する方法は、強酸や強アルカリの化学液を使用するので、基板の表面に化学的応力が発生し、基板表面に変質層を生じさせる場合がある。また、取扱いに十分な注意を払う必要があり、作業性が悪くなるばかりでなく、使用後の電解液を廃液処理する必要がある。また、希少金属の回収には、別途抽出作業を要するために非常に不経済である。
【0007】
上記の問題に対して、出願人は、円筒形状の絶縁体の内外周面両側に電極を設けた円筒状電極体を、基材の導電性金属酸化物薄膜の上方に配置し、内部に導入した電解液を介して、導電性金属酸化物薄膜を還元反応により除去する技術を提案した(特許文献3参照)。
【特許文献3】特開2007−107025号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献3の技術は、非接触による電解溶出で付着力を弱めた後に、基材に形成された導電性金属を除去するので、基材に疵や応力変形などを残すことなく、また強酸や強アルカリの化学液を用いることなく、導電性金属酸化物薄膜を効率良く除去できる。
【0009】
しかしながら、特許文献3の技術も、基材の全面に亘って完全に導電性金属酸化物薄膜を除去することはできず、例えば10μm2程度の微小な導電性金属酸化物薄膜が残留する。従って、例えば高機能ガラス基板表面などでは、導電性金属酸化物薄膜が完全に除去することができず、再利用ができないという問題があった。
【0010】
本発明が解決しようとする問題点は、従来の方法で、基材に残留する導電性金属酸化物を除去する場合、基材の全面に亘って効率良く除去することができない場合があるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の微小導電性金属酸化物の除去方法は、
基材の全面に亘って、微小な導電性金属酸化物を効率良く除去するために、
それぞれの対向面に絶縁膜を形成した平板の正電極と負電極を、基材との相対移動方向に順に配置した平板状電極体の端面を、基材に対向すべく設け、
この平板状電極体と基材間に電解液を介在させた状態で、
前記正電極と負電極に電圧を印加しつつ、前記平板状電極体と基材とを相対移動させることで、前記基材の表面に残留する微小な導電性金属酸化物を還元反応により除去するに際し、
前記平板状電極体の外周部を絶縁体で覆い、かつ、前記平板状電極体を構成する正電極及び負電極と、これら正電極及び負電極の対向面に形成した前記両絶縁膜の、それぞれの基材と対向する端面の面積をS1、S2、S3とした場合、S1/S2=0.8〜100、S2/S3=0.01〜1.15の範囲とした前記平板状電極体を、複数個、隣接配置して行うことを最も主要な特徴としている。
【0012】
この本発明の微小導電性金属酸化物の除去方法においては、抵抗率が102Ω・cmから106Ω・cmの電解液を使用することで、基材表面に形成された微小導電性金属酸化物を効率良く除去することが可能になる。
【0013】
本発明の微小導電性金属酸化物の除去方法は、
基材との相対移動方向に、複数個、隣接配置された、
端面が基材に対向するように、それぞれの対向面に絶縁膜を形成した平板の正電極及び負電極を順に配置し、これら正電極及び負電極の外周部を絶縁体で覆った平板状電極体と、
これら平板状電極体と基材の間に電解液を介在させるべく、電解液を供給する電解液供給手段と、
前記正電極と負電極に電圧を印加する電源と、
前記正電極及び負電極と基材との相対移動手段を備え、
前記平板状電極体の、正電極及び負電極と、これら正電極及び負電極の対向面に形成した前記両絶縁膜の、それぞれの基材と対向する端面の面積をS1、S2、S3とした場合、S1/S2=0.8〜100、S2/S3=0.01〜1.15の範囲とした本発明装置によって実施できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、正電極及び負電極の外周を絶縁体で覆い、かつこれら両電極の対向面に形成した両絶縁膜の、基材と対向する端面の面積比を所定の比率にした平板状電極体を使用するので、微小導電性金属酸化物を、基材の全面に亘って効率良く除去できる。また、加工速度を速くすることもできる。
【0015】
また、強酸や強アルカリの化学液を使用しないので、環境負荷も低減でき、基材を始めとする希少金属などの資源サイクルも可能になって、経済的にも有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図4を用いて詳細に説明する。
本発明は、できるだけ基材への疵や応力変形などを残さないで、かつ、強酸や強アルカリを使用しないで、基材に残留する微小な導電性金属酸化物を除去する技術である。
【0017】
つまり、本発明では、例えば駆動ローラ11群に載せられた絶縁物や導電物などの基材12に対向して、複数の平板状電極体13を、前記基材12との相対移動方向に隣接配置する。
【0018】
この平板状電極体13は、その端面が基材12に対向するように、それぞれの対向面に絶縁膜13aa,13baを形成した平板の正電極13a及び負電極13bを順に配置した構成である。
【0019】
このような平板状電極体13を用いて、基材12の表面に残留した微小導電性金属酸化物12aを除去するには、微小導電性金属酸化物12aにある程度の電流を流す必要がある。
【0020】
しかしながら、平板状電極体13の場合、図2からも分かるように、正電極13aと負電極13bの間だけでなく、正負電極13a,13bの外側にも電流が流れ、除去すべき基板12上に残留した微小導電性金属酸化物12aに電流が効率良く流れない。
【0021】
微小導電性金属酸化物12aにある程度の電流を流すには、正負電極13a,13bの間に印加する電圧を高くすれば良いが、電圧を高くしすぎると、電極が溶出してしまう。従って、印加する電圧は、ある程度以上高くすることができないので、平板状電極体13を使用した場合、微小導電性金属酸化物12aの除去に長時間を要することになる。
【0022】
そこで、本発明では、前記平板状電極体13の正電極13a及び負電極13bの外周部を、例えばスポンジ等の多孔体の絶縁体13cで接触した状態で覆うようにしている。このような構成とすれば、正負電極13a,13bの間にのみ電流が流れるようになって、除去すべき基板12上に残留した微小導電性金属酸化物12aに電流が効率良く流れるようになる(図3参照)。
【0023】
図1の例では、この多孔体で形成された絶縁体13cの、基材12と対向する端面を、基材12と接触させ、後述するように、電解により基材12との付着力が弱くなった微小導電性金属酸化物12aを積極的に除去するものを示している。
【0024】
これら複数の平板状電極体13の例えば上方から正負電極13a,13bの間に電解液14を供給し、平板状電極体13と基材12の間に電解液14を介在させた状態で、電源15から前記正負電極13a,13bに電圧を印加しつつ、基材12を移動させる。
【0025】
このようにすると、電源15(+)−正電極13a−電解液14−基材12に残留する微小導電性金属酸化物12a−電解液14−負電極13b−電源15(−)の閉回路が形成され、正電極13a近傍の微小導電性金属酸化物12aの表面からH2の微細気泡が発生する。
【0026】
このとき、正電極13a近傍の微小導電性金属酸化物12aの表面に発生するH2が還元剤となり、微小導電性金属酸化物12a中のO2を取り除く作用が生じる。さらに、このH2の発生は微小導電性金属酸化物12aの界面で生じることから効率の良い還元反応が生じる。
【0027】
2による結合が無くなった微小導電性金属酸化物12aは金属元素だけとなり、基材12の表面に結合力が弱まった状態で存在するようになる。基材12との結合が弱まった微小導電性金属は、容易に除去することができるようになる。
【0028】
この際、前記絶縁体13cの側面に電解液14の排出孔13caを設け、この排出孔13caから除去した微小な導電性金属酸化物12aを、すみやかに排出することが望ましい。
【0029】
基材12から除去された微小導電性金属は、これを含む加工後の電解液14と共に、図示省略した加工液捕集パンで捕集し、加工液槽に導く途中において、適宜のフィルターで回収して除去する。
【0030】
また、本発明では、微小導電性金属酸化物12aの除去を効率良く行うために、前記正負電極13a,13bと、これらの対向面に形成した絶縁膜13aa,13baの、それぞれの基材12と対向する端面の面積S1、S2、S3(=S3a+S3b)の比、S1/S2、S2/S3を以下の範囲としている。
【0031】
正電極13aと負電極13bの前記面積比(S1/S2)=0.8〜100:
この面積比S1/S2が0.8未満の場合は、正電極13aの面積が狭くなることで、基板上に点在する微小導電性金属酸化物12aの除去範囲が小さくなるため、すべての導電性金属酸化物を完全に除去できないからである。
【0032】
一方、この面積比S1/S2が100を超えると、正電極13aの近傍(特に負電極13bと反対側付近)の微小導電性金属酸化物12aは、場合によっては、負電極13bとの距離が長くなり、電流効率が悪化、もしくは前記閉回路が途切れることで、導電性金属酸化物を完全に除去できないからである。
【0033】
負電極13bと絶縁膜13aa,13baの前記面積比(S2/S3)=0.01〜1.15:
この面積比S2/S3が0.01未満の場合は、正電極13aとの十分な絶縁効果が得られない。一方、この面積比S2/S3が1.15を超えると、正電極13aとの距離が長くなり、微小導電性金属酸化物12aに流れる電流量が減少して電流効率が悪くなり、微小導電性金属酸化物12aを完全に除去することができないからである。
【0034】
本発明の微小導電性金属酸化物の除去方法、及びこの方法を実施する装置は、前記の図1に示した構成に限るものではない。
【0035】
例えば図1に示した平板状電極体13は、図4に示すように、平板状電極体13の負電極13bの基材12と対向する面が、正電極13aの基材12と対向する面よりも基材12側に0.1mm〜2mm突出させた構成でも良い。
【0036】
このように、平板状電極体13の負電極13bを突出させた場合は、基材12の移動に伴い、発生したHが未加工の基材12上に流され、これから還元される微小導電性金属酸化物12aを還元して導電性を阻害することを効果的に防止できる。
【0037】
従って、上記の作用・効果を奏するためには、0.1mm以上突出させることが必要である。一方、2mmを超えて突出させた場合は、基材12上と負電極13b、正電極13a間の電流効率が低下するため好ましくない。従って、平板状電極体13の負電極13bを突出させる場合は、上記の範囲とすることが望ましい。
【0038】
以上の説明のように、本発明は、一般に行われている、被加工物に正電圧を印加する電解溶出除去反応ではなく、被加工物に負の電圧を印加する特徴的な加工法である。
なお、ここでの電解反応は導電性金属酸化物薄膜界面のごく微量な領域にH2の発生を生じさせるもので良いため、電流はほとんど必要としない。
【0039】
従って、使用する電解液14は、一般に用いられる中性塩溶液でも利用可能であるが、好ましくは、前述のように抵抗率が102Ω・cmから106Ω・cm、より好ましくは104Ω・cmから105Ω・cmのものが良い。
【0040】
本発明では、基本的には正電極13a、負電極13bともに基材12とは非接触であるため、電解液14の抵抗率が102Ω・cm未満の場合は、両電極13a,13b間に印加された電圧が、微小導電性金属酸化物12aを通さず、両電極13a,13b間で電解液13を通して導通状態となり、微小導電性金属酸化物12aの除去効率が低下するからである。また、抵抗率が106Ω・cmを超えると高電圧を印加する必要があり、経済上好ましくないからである。
【0041】
このように、本発明では、抵抗率の比較的高い電解液14が適していることから、従来、電解液14としては好ましくなかった、水道水や河川水等を用いることができ、経済性及び安全性の面においても優れている。
【実施例】
【0042】
厚さが0.7mm、大きさが370mm×470mmのガラス基板上に形成した、直径が数μm〜数百μmの微小な導電性金属酸化物の除去を、図1に示した本発明装置を使用して行った。電解液は、水道水に中性塩溶液を混合したもの(抵抗率は0.1〜103Ω・cm)を使用した。
【0043】
使用した平板状電極体は、両電極の間隔を0.5mmとした、厚さが0.2mm、幅が600mmのタングステン製の正負電極の外周を、厚みが8mmのスポンジで覆ったもので、正電極、負電極、両絶縁膜の面積S1、S2、S3の比は、S1/S2=3.0、S2/S3=0.5とした。この平板状電極体を3mmの間隔を隔てて3列、近接配置し、これら平板状電極体を基板から0.2〜0.5mm浮かせて配置した。
【0044】
両電極に100Vの直流電圧を印加し(電流:1A)、2m/minでガラス基板を移動させたところ、ガラス基板の全域に存在した微小な導電性金属酸化物を完全に除去することができた。
【0045】
本発明は、前述の例に限るものではなく、各請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良い。
【0046】
例えば正電極13a及び負電極13bの外周部を覆う絶縁体13cは、前記例のような多孔体でなくても良い。また、絶縁体13cは正負電極13a,13bの間にのみ電流が流れるようになればよいので、正負電極13a,13b全体の外周を覆ったものでも良い。
【0047】
また、絶縁体13cを基材12に接触させることに代えて、負電極13bをブラシ体で形成し、基材12と接触させるようにしたり、正負電極13a,13bの間や、平板状電極体13の外側に、基材11と接触するようにしてスポンジを設けたものでも良い。
【0048】
また、図1に示した例の正負電極13a,13bの極性を入れ替えれば、ITO等の微小導電性金属酸化物の還元除去も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明について説明する図で、(a)は斜め上方から見た斜視図、(b)は側面から見た断面図、(c)は正電極側から見た正面図である。
【図2】通常の平板状電極体における正負電極間の電気力線を示した図である。
【図3】本発明の平板状電極体における正負電極間の電気力線を示した図である。
【図4】本発明の平板状電極体の負電極の突出長さについて説明する側面から見た断面図である。
【図5】機械的擦過により金属薄膜を除去する方法について説明する図である。
【図6】化学エッチングにより金属薄膜を除去する方法について説明する図である。
【符号の説明】
【0050】
11 駆動ローラ
12 基材
12a 微小導電性金属酸化物
13 平板状電極体
13a 正電極
13aa 絶縁膜
13b 負電極
13ba 絶縁膜
13c 絶縁体
13ca 排出孔
14 電解液
15 電源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの対向面に絶縁膜を形成した平板の正電極と負電極を、基材との相対移動方向に順に配置した平板状電極体の端面を、基材に対向すべく設け、
この平板状電極体と基材間に電解液を介在させた状態で、
前記正電極と負電極に電圧を印加しつつ、前記平板状電極体と基材とを相対移動させることで、前記基材の表面に残留する微小な導電性金属酸化物を還元反応により除去するに際し、
前記平板状電極体の外周部を絶縁体で覆い、かつ、前記平板状電極体を構成する正電極及び負電極と、これら正電極及び負電極の対向面に形成した前記両絶縁膜の、それぞれの基材と対向する端面の面積をS1、S2、S3とした場合、S1/S2=0.8〜100、S2/S3=0.01〜1.15の範囲とした前記平板状電極体を、複数個、隣接配置して行うことを特徴とする微小導電性金属酸化物の除去方法。
【請求項2】
前記平板状電極体の外周部を覆う絶縁体に設けた排出孔から、除去した前記基材の表面に残留する微小な導電性金属酸化物を排出することを特徴とする請求項1に記載の微小導電性金属酸化物の除去方法。
【請求項3】
前記負電極の基材と対向する端面が、前記正電極の基材と対向する端面よりも基材側に0.1mm〜2mm突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の微小導電性金属酸化物の除去方法。
【請求項4】
抵抗率が102Ω・cmから106Ω・cmの前記電解液を使用することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の微小導電性金属酸化物の除去方法。
【請求項5】
請求項1に記載の微小導電性金属酸化物の除去方法を実施する装置であって、
基材との相対移動方向に、複数個、隣接配置された、
端面が基材に対向するように、それぞれの対向面に絶縁膜を形成した平板の正電極及び負電極を順に配置し、これら正電極及び負電極の外周部を絶縁体で覆った平板状電極体と、
これら平板状電極体と基材の間に電解液を介在させるべく、電解液を供給する電解液供給手段と、
前記正電極と負電極に電圧を印加する電源と、
前記正電極及び負電極と基材との相対移動手段を備え、
前記平板状電極体の、正電極及び負電極と、これら正電極及び負電極の対向面に形成した前記両絶縁膜の、それぞれの基材と対向する端面の面積をS1、S2、S3とした場合、S1/S2=0.8〜100、S2/S3=0.01〜1.15の範囲としたことを特徴とする微小導電性金属酸化物の除去装置。
【請求項6】
前記正電極及び負電極の外周部を覆う絶縁体が、多孔体で形成されていることを特徴とする請求項5に記載の微小導電性金属酸化物の除去装置。
【請求項7】
前記多孔体で形成された絶縁体の、前記基材と対向する端面が、基材と接触していることを特徴とする請求項5に記載の微小導電性金属酸化物の除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−104923(P2010−104923A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280350(P2008−280350)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】