説明

情報処理装置、システム及びプログラム

【課題】 動作設定を行うときに、ユーザに対して開示または使用が許可された他ユーザの動作設定情報を参照し、動作設定を簡易に行うことができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】 ユーザを認証する手段と、認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報を読み出し、認証されたユーザの動作設定情報として登録する手段と、認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報に認証されたユーザに対して開示または使用が禁止されている動作設定情報が含まれている場合に、動作設定情報の開示または登録を禁止するよう制御する手段とを具備する制御部10を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置には、ファックス、コピー、プリンタなど複数の機能が搭載され、さらに搭載された各機能が高機能化されるようになってきた。このため操作パネルの画面を複数回切り換えてはじめて希望する条件設定を完了できる場合もある。従って、ユーザが自分の好みを画像形成装置に設定するのは非常に手間がかかる作業となる。
【0003】
特許文献1では、クライアント機のオペレータが共用するカタログをサーバに登録する手段と、オペレータがカタログを個人用に修正したときに、修正したカタログをオペレータ固有のカタログとして登録する手段とを有し、オペレータは、固有のカタログがサーバに登録されている場合に、このカタログをクライアント機に呼び出して、データエントリを行うとしている。
【0004】
また、特許文献2は、パラメータの表示方法をカスタマイスする技術に関するものであり、パラメータの表示方法を規定する規定手段と、規定された表示方法に従って、フィールド機器のパラメータを表示する表示手段と、規定された表示方法の、ユーザによる作成又は変更を受け付ける受付手段とを備えている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−76073号公報
【特許文献2】特開2006−252145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、動作設定を行うときに、ユーザに対して開示または使用が許可された他ユーザの動作設定情報を参照し、動作設定を簡易に行うことができる情報処理装置、システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために請求項1記載の情報処理装置は、ユーザを認証する認証手段と、前記認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報を読み出し、前記認証されたユーザの動作設定情報として登録する登録手段と、前記認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報に前記認証されたユーザに対して開示または使用が禁止されている動作設定情報が含まれている場合に、該動作設定情報の開示または登録を禁止するよう制御する制御手段と、を備える構成を有している。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記認証されたユーザに対して使用が禁止されている動作設定情報が、情報処理装置の機能の設定情報であるとよい。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記認証されたユーザに対して開示が禁止されている動作設定情報が、ファクシミリまたは電子メールの宛先情報であるとよい。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記認証されたユーザに対して開示または使用が禁止されている動作設定情報が、ユーザごとに関連付けられた親展ボックス名、または前記親展ボックスを使用するためのパスワードであるとよい。
【0011】
請求項5記載の発明は、ユーザが登録した情報処理装置の動作設定情報を格納した記憶装置と、ユーザを認証する認証手段と、前記認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報を前記記憶装置から読み出し、前記認証されたユーザの動作設定情報として登録する登録手段と、前記認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報に前記認証されたユーザに対して開示または使用が禁止されている動作設定情報が含まれている場合に、該動作設定情報の開示または登録を禁止するよう制御する制御手段とを備える情報処理装置と、を有する構成としている。
【0012】
請求項6記載の発明は、ユーザを認証する認証手段と、前記認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報を読み出し、前記認証されたユーザの動作設定情報として登録する登録手段と、前記認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報に前記認証されたユーザに対して開示または使用が禁止されている動作設定情報が含まれている場合に、該動作設定情報の開示または登録を禁止するよう制御する制御手段としてコンピュータを動作させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、ユーザが他のユーザの登録した動作設定情報を参照して情報処理装置の動作設定を行うときに、ユーザに対して開示または使用が許可された動作設定情報を参照して設定を行うことができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、ユーザが使用を許可されている情報処理装置の機能の設定項目だけを参照させることができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、登録されたファクシミリ又は電子メールの宛先情報を他のユーザが参照するときに開示又は使用を禁止にすることができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、登録された親展ボックス名、親展ボックスを使用するためのパスワードを他のユーザが参照するときに開示または使用を禁止にすることができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、ユーザが他のユーザの登録した動作設定情報を参照して情報処理装置の動作設定を行うときに、ユーザに対して開示または使用が許可された動作設定情報を参照して設定を行うことができる。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、ユーザが他のユーザの登録した動作設定情報を参照して情報処理装置の動作設定を行うときに、ユーザに対して開示または使用が許可された動作設定情報を参照して設定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例】
【0020】
図1に、本実施例の画像形成装置1の全体構成を示す。図1に示す画像形成装置1はいわゆる複合機であり、後述するようにプリント機能、複写機能、ファクシミリ送受信機能などを有している。もちろん、本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの各種のデバイスにも適用可能である。
【0021】
画像形成装置1は、画像入力部2、画像出力部3、画像処理部4、操作パネル5、記憶部6、ファクシミリ送受信部7、ネットワーク通信部8、制御部10を備えている。
【0022】
制御部10は、各機能部の動作を制御するものであり、図2に示すように、CPU11、ROM12、RAM13、NVRAM(Non Volatile RAM)14、入出力部15などで構成される。CPU11は、ROM12に格納したプログラムを読み込んで、このプログラムに従った演算を行うことにより、後述するフローチャートに示す手順で制御を実行する。また、RAM13には、演算結果のデータが書き込まれ、NVRAM14は、RAM13に書き込まれていたデータで、電源オフ時に保存の必要なデータが書き込まれる。
なお、CPU11の制御に使用するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に格納されたものを読み込んでNVRAM14に格納してもよいし、通信網を介して送信されたプログラムを入出力部15で受信してNVRAM14に格納してもよい。ちなみに、図1に示される他の構成の全部または一部もその機能がソフトウェアによって実現される。
【0023】
制御部10には、操作パネル5が接続されている。この操作パネル5はユーザーインターフェイス(UI)を構成するものであり、本実施形態においては、いわゆるタッチセンサを具備した表示入力デバイスが利用されている。具体的には、操作パネル5は、表示部5A及び入力部5Bで構成され、表示部5Aには操作画面が表示され、入力部5Bは操作画面上に入力されるユーザ操作を感知し、それを受け付けている。
【0024】
また、制御部10には、画像入力部2が接続されている。この画像入力部2は原稿の画像をデジタル情報として読み取る。また、制御部10には、画像出力部3が接続されている。この画像出力部3は、画像処理部4による処理後の画像を用紙上に形成する。
【0025】
画像処理部4は、デジタル画像に対する各種の画像処理を実行するユニットであり、画像の縮小拡大やローテーション、ページ記述言語からイメージへの変換、画像補間機能などの各種の機能を有している。
【0026】
記憶部6には、図3に示すように登録ユーザの情報が登録されている。登録ユーザの情報にはユーザを識別するID、ユーザ名、パスワード、ユーザが使用を許可された画像形成装置1の機能を示す権限情報、認証時に使用される認証情報、画像入力部2などから読み込んだデータ又はその所在を示すURI(Uniform Resource Identifiers)、各ユーザが設定した画像形成装置1の設定データなどが登録されている。
【0027】
ファクシミリ送受信部7は、画像データを電話回線を利用して送受信するためのユニットである。
ネットワーク通信部8は、サーバ装置(図4参照)31や他の画像形成装置1から設定データを取得するための手段である。機能設定のカスタマイズが操作パネル5等から行われるが、もちろん、そのような初期設定条件に対して変更を行いたい場合には、ユーザにより操作パネル5を利用して所望の設定がなされる。そのような新しい設定データは、画像形成装置1内に登録しておいてもよいし、ネットワーク通信部8を介してサーバ装置31に送信し、サーバ装置31に格納しておくこともできる。
【0028】
図4に、システム構成を示す。ネットワーク30には、複数の画像形成装置1が接続されている。また、そのネットワーク30にはサーバ装置(本発明の管理装置に該当する)31及びパーソナルコンピュータ(PC)32が接続されている。
【0029】
サーバ装置31は、ユーザ毎に設定された設定データと、各ユーザが共有することができる共有データとを格納しており、サーバ装置31は画像形成装置1からの転送要求に応じて、対応する要求されたデータの提供を行っている。PC32は、サーバ装置31上に格納された設定データに対して、設定された内容を変更(更新)することができる。設定データの更新は、画像形成装置1からも可能である。
【0030】
本実施例は、画像形成装置1の動作設定を行う際に、他のユーザの設定した設定データの参照を可能とすることで、他のユーザが使用している設定が自身の設定に簡単に反映できるようにした。
【0031】
このため、画像形成装置1や、図4に示すサーバ装置31や他の画像形成装置1には、各ユーザの設定した設定データが登録されている。
設定データには、複写、FAX、スキャンなどの画像形成装置の動作設定(図5参照)、FAX番号、電子メールアドレスなどの電話帳情報(図6参照)、画像形成装置1に連続して処理させる一連の動作を記述したジョブテンプレート(図7参照)などが含まれる。ジョブテンプレートとは、例えば、原稿の画像をスキャンして、決められた送信先(例えば、親展ボックス)に送信して登録するなど、登録された一連の処理を示す。
【0032】
また、設定データには、図6(A)に示す全てのユーザで共有する共有データと、図6(B)に示すユーザ個人で使用する個人設定データとがある。個人設定データには、公開、非公開などの付加情報が設定可能となっている。個人設定データの公開、非公開の設定は、設定データの取得を要求したユーザの権限等に応じて設定することもできる。
【0033】
サーバ装置31や画像形成装置1は、設定データの参照要求を受け付けると、アクセスのあった画像形成装置1とユーザ認証を行い、正当なユーザであるか否かを判定する。図3に示す認証情報を使用して認証を行う。正当なユーザであった場合には、サーバ装置31や画像形成装置1に登録された設定データを表示する。このとき表示される設定データは、図6(C)に示すように共有データと、個人設定データのうちの公開に設定されたデータである。
【0034】
また、サーバ装置31や画像形成装置1は、公開した設定データの取得要求を受け付けると、設定データのうち、取得要求のあったユーザに必要なデータだけを画像形成装置1に送信する。
図7(A)に、サーバ装置31や画像形成装置1に登録された設定データを示し、図7(B)に、設定データの取得を要求した画像形成装置1に送信される設定データを示す。例えば、図7に示す例では、設定データを作成したユーザのパスワードや、スキャンしたデータの送信先などの情報は、作成者にだけ有効なデータであるので、このデータ部分を削除又はデータ部分にヌルデータを挿入して画像形成装置1に送信する。
【0035】
画像形成装置1の制御部10は、設定データをサーバ装置31や他の画像形成装置1から取得すると、上述したヌルデータの挿入された部分に、新たなデータの設定を要求する。また、制御部10は、取得した設定データに、データを要求したユーザが許可されていない機能の設定が含まれているか否かを判定する。例えば、該当ユーザがスキャナの使用が許可されていないユーザであった場合のスキャナの設定データや、ユーザがカラー印刷が許可されていないユーザであった場合のカラー印刷設定などである。制御部10は取得した設定データにこれらの設定が含まれていた場合には、この設定をユーザが使用可能な設定に置き換えたり、設定データの更新を中止にしたり、操作パネル5に警告を表示させたりする。使用可能な設定への置き換えとは、例えば、カラー印刷が許可されていないユーザが、カラー印刷に設定された設定データを取得した場合には、この設定を白黒に変更するなどの処理を行う。
【0036】
なお、設定データは、サーバ装置31や他の画像形成装置に登録されたものだけではなく、同じ画像形成装置1に登録されたユーザの設定データであっても、公開に設定されていればこれを参照して自身の設定データに反映させることができる。
また、設定データには、上述したもの以外に、操作パネル5に表示する項目の設定、操作パネル5のトップ画面に表示する設定項目、所望の機能を選択するためのショートカットの設定など操作パネル5の表示設定にも適用することができる。
【0037】
次に、図8、9に示すフローチャートを参照しながら制御部10の処理手順を説明する。まず、図8に示すフローチャートを参照しながら、参照する設定データが自装置内に格納されている場合の制御部の処理手順を説明する。
制御部10は、まず、操作パネル5の表示部5AにパスワードやIDの入力要求を表示し、入力された情報によりユーザ認証を行う(ステップS1)。認証を正常終了すると、制御部10は、動作設定の変更要求を操作パネル5より受け付けたか否かを判定する(ステップS2)。動作設定の変更要求を受け付けていない場合には(ステップS2/NO)、制御部10は、この処理を終了する。
また、動作設定の変更要求を受け付けた場合には(ステップS2/YES)、制御部10は、他のユーザの設定データの参照要求があるか否かを判定する。設定データの参照要求を受け付けていない場合には(ステップS3/NO)、制御部10は、記憶部6に登録済みの該当ユーザの設定データを操作パネル5の表示部5Aに表示して、ユーザからの編集操作を受け付ける(ステップS24)。また、編集された設定データの登録要求を受け付けると(ステップS25)、制御部10は、編集された設定データを記憶部6に登録する(ステップS26)。
【0038】
また、他のユーザの作成した設定データの参照要求を受け付けた場合には(ステップS3/YES)、制御部10は設定データの参照先が自装置であるか否かを判定する(ステップS4)。設定データの参照先が自装置ではなかった場合については、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
設定データの参照先が自装置であった場合(ステップS4/YES)、制御部10は要求された設定データが共有に設定された共有情報であるか否かを判定する(ステップS5)。参照を要求された設定データが共有情報であった場合には(ステップS5/YES)、制御部10は、設定データに個人向け情報が含まれているか否かを判定する(ステップS10)。設定データに個人向けデータが含まれている場合には(ステップS10/YES)、制御部10は、個人向け情報を表示しないように設定する(ステップS11)。また、制御部10は、要求された設定データにパスワードやIDなどの秘匿情報が含まれているか否かを判定する(ステップS12)。設定データに秘匿情報が含まれている場合には(ステップS12/YES)、制御部10は秘匿情報を表示しないように設定する(ステップS13)。
【0039】
また、参照を要求された設定データが共有情報ではなかった場合(ステップS5/NO)、制御部10は参照を要求された設定データが公開情報であるか否かを判定する(ステップS6)。要求された設定データが公開情報ではなかった場合には(ステップS6/NO)、制御部10は、要求された設定データがユーザ自身の作成した設定データであるか否かを判定する(ステップS7)。設定データがユーザ自身の作成したデータであった場合には(ステップS7/YES)、制御部10は表示部5Aに要求のあった設定データを表示し(ステップS8)、ステップS14に移行する。また、設定データがユーザ自身の作成したデータではなかった場合には(ステップS7/NO)、設定データの表示不可を表示部5Aに表示する(ステップS9)。また、要求された設定データが公開情報であった場合には(ステップS6/YES)、制御部10は、公開データであるので、設定データに秘匿情報や個人向け情報が含まれているか否かのチェックは行わず、ステップS14に移行する。
【0040】
制御部10は、設定に基づいて要求された設定データを操作パネル5に表示させる(ステップS14)。設定データの操作パネル5への表示が完了すると(ステップS15/YES)、設定データの複写要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS16)。設定データの複写要求を受け付けていない場合には(ステップS16/NO)、制御部10は、この処理を終了させる。また、設定データの複写要求を受け付けた場合(ステップS16/YES)、制御部10は、要求された設定データに使用が許可されない機能の設定が含まれているか否かを判定する(ステップS17)。制御部10は、図3に示す権限情報を参照して、認証を行ったユーザが使用を許可されていない機能の設定が含まれているか否かを判定する(ステップS17)。ユーザが使用を許可されていない機能の設定が含まれている場合には(ステップS17/YES)、制御部10は、許可されていない機能の設定を、他の許可されている機能の設定に置き換える(ステップS18)。例えば、カラー印刷を許可されていないユーザに対しては、白黒印刷の設定データに変更する。
【0041】
また、制御部10は、要求された設定データに個人向け情報が含まれているか否かを判定する(ステップS19)。設定データに個人向け情報が含まれている場合には(ステップS19/YES)、制御部10は個人向け情報の置き換えを行う(ステップS20)。
【0042】
また、制御部10は、複写の要求を受け付けた設定データに秘匿情報が含まれているか否かを判定する(ステップS21)。設定データに秘匿情報が含まれている場合には(ステップS21/YES)、制御部10は、秘匿情報を他のデータに置き換える(ステップS22)。すなわち、制御部10は、IDやパスワードにヌルデータを入力する。
【0043】
次に、制御部10は、参照している設定データを、記憶部6の複写を要求したユーザ(ID)に関連付けて登録する(ステップS23)。設定データの記憶部6への登録が終了すると、制御部10は、登録した設定データのユーザからの編集操作を受け付ける(ステップS24)。ユーザの編集が終了し、登録要求を受け付けると(ステップS25)、編集された設定データを記憶部6に保存する(ステップS26)。
【0044】
次に、図9に示すフローチャートを参照しながら参照する設定データが、サーバ装置31や他の画像形成装置1などの他の装置に保存されている場合の処理手順を説明する。
制御部10は、操作パネル5より、設定データの参照先としてサーバ装置31や他の画像形成装置1が設定されると、設定された装置に接続し(ステップS27)、接続した装置との認証を実行する(ステップS28)。画像形成装置1が、システムに登録されており、登録された資源を利用可能な装置であるか否かが判定される。認証に成功し、接続が許可されると、制御部10は、設定データの取得を、接続した装置に要求する(ステップS29)。接続した装置側では、画像形成装置1に認証要求を出力し、画像形成装置1のユーザが設定データを取得可能なユーザであるか否を判定する(ステップS30)。ステップS1にて使用したIDやパスワードを使用して接続した装置(サーバ装置31や他の画像形成装置1)と認証を行う。認証に成功し、要求を出力した設定データの取得を完了すると(ステップS31/YES)、取得した設定データを該当ユーザのIDに関連付けて記憶部6に保存する。
制御部10は、設定データの取得を完了すると(ステップS31/YES)、取得した設定データにユーザが使用を許可されていない機能の設定が含まれているか否かを判定する(ステップS32)。設定データに使用を許可されない機能の設定が含まれている場合には(ステップS32/YES)、この機能の設定を、ユーザが使用を許可された機能の設定に置き換える(ステップS33)。制御部10は、編集した設定データを表示部5Aに表示し、ユーザからの編集操作を受け付ける(ステップS34)。ユーザの編集が終了し、登録要求を受け付けると(ステップS35)、編集された設定データを記憶部6に保存する(ステップS36)。
【0045】
次に、図10に示すフローチャートを参照しながら、設定データの取得要求を受け付けたサーバ装置31又は他の画像形成装置1(以下、これらの装置を総称して他の装置と呼ぶ)の処理手順を説明する。
画像形成装置1からの接続要求を受け付けると(ステップS41)、他の装置は、接続要求のあった画像形成装置との認証を行い(ステップS42)、接続要求のあった画像形成装置1が接続を許可された装置であるか否かを判定する。認証が正常終了すると、他の装置は設定データの取得要求を画像形成装置1から受け付けたか否かを判定する。画像形成装置1から設定データの取得要求を受け付けなかった場合には(ステップS43/NO)、この処理を終了する。
また、画像形成装置1から設定データの取得要求を受け付けると(ステップS43/YES)、他の装置は、要求のあった画像形成装置1にユーザ情報の取得要求を出力し、画像形成装置1のユーザが、設定データを参照可能な正規のユーザであるか否かを判定する(ステップS44)。画像形成装置1はステップS1で取得したIDやパスワードを他の装置に送信する。他の装置は、取得したユーザ情報から認証を行い、正規のユーザであると判定すると、要求のあった設定データは、該当ユーザ自身の作成したデータであるか否かを判定する(ステップS45)。該当ユーザの作成した設定データであった場合には(ステップS45/YES)、設定データを取得要求のあった画像形成装置1にそのまま送信する(ステップS46)。また、要求された設定データがユーザ自身の作成したものではなかった場合には(ステップS45/NO)、他の装置は要求された設定データが共有情報であるか否かを判定する(ステップS47)。
【0046】
取得要求のあった設定データが共有情報であった場合には(ステップS47/YES)、他の装置は、要求された設定データに個人向け情報が含まれているか否かを判定する(ステップS48)。設定データに個人向け情報が含まれている場合には(ステップS48/YES)、他の装置は、個人向け情報の置き換えを行う(ステップS49)。
【0047】
また、他の装置は、複写の要求を受け付けた設定データに秘匿情報が含まれているか否かを判定する(ステップS50)。設定データに秘匿情報が含まれている場合には(ステップS50/YES)、他の装置は、秘匿情報を他のデータに置き換える(ステップS51)。すなわち、他の装置は、IDやパスワードにヌルデータを入力する。
他の装置は、このような編集を行った後に、設定データを取得要求のあった画像形成装置1に送信する(ステップS52)。
【0048】
また、他の装置は、要求された設定データが共有情報ではなかった場合には(ステップS47/NO)、設定データが公開情報であるか否かを判定する(ステップS53)。他の装置は、設定データが公開情報であった場合には(ステップS53/YES)、設定データをそのまま要求のあった画像形成装置1に送信する(ステップS54)。また、他の装置は、設定データが公開情報ではなかった場合には(ステップS53/NO)、設定データの取得は不可である旨を画像形成装置1に通知する(ステップS55)。
【0049】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】記憶部に格納されるデータ構成を示す図である。
【図4】システム構成を示す図である。
【図5】設定データの一例を示す図である。
【図6】設定データの一例を示す図である。
【図7】設定データの一例を示す図である。
【図8】設定データが自装置内に格納されていた場合の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】設定データが他の装置に格納されていた場合の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】設定データの取得要求を受けた装置の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1 画像形成装置
2 画像入力部
3 画像出力部
4 画像処理部
5 操作パネル
6 記憶部
7 ファクシミリ送受信部
8 ネットワーク通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを認証する認証手段と、
前記認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報を読み出し、前記認証されたユーザの動作設定情報として登録する登録手段と、
前記認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報に前記認証されたユーザに対して開示または使用が禁止されている動作設定情報が含まれている場合に、該動作設定情報の開示または登録を禁止するよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記認証されたユーザに対して使用が禁止されている動作設定情報が、情報処理装置の機能の設定情報であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記認証されたユーザに対して開示が禁止されている動作設定情報が、ファクシミリまたは電子メールの宛先情報であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記認証されたユーザに対して開示または使用が禁止されている動作設定情報が、ユーザごとに関連付けられた親展ボックス名、または前記親展ボックスを使用するためのパスワードであることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザが登録した情報処理装置の動作設定情報を格納した記憶装置と、
ユーザを認証する認証手段と、前記認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報を前記記憶装置から読み出し、前記認証されたユーザの動作設定情報として登録する登録手段と、前記認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報に前記認証されたユーザに対して開示または使用が禁止されている動作設定情報が含まれている場合に、該動作設定情報の開示または登録を禁止するよう制御する制御手段とを備える情報処理装置と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
ユーザを認証する認証手段と、
前記認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報を読み出し、前記認証されたユーザの動作設定情報として登録する登録手段と、
前記認証されたユーザ以外のユーザが登録した動作設定情報に前記認証されたユーザに対して開示または使用が禁止されている動作設定情報が含まれている場合に、該動作設定情報の開示または登録を禁止するよう制御する制御手段としてコンピュータを動作させることを特徴とする情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−288956(P2008−288956A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132839(P2007−132839)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】