説明

情報処理装置、付加情報提供方法及び付加情報提供プログラム

【課題】本発明は、現在位置に対して付加価値の高いユーザ所望の付加情報を効率良く提供できるようにする。
【解決手段】本発明は、地図データに基づいて表示した地図画像のうち特定の領域に相当する範囲の面F11〜F24に対応付けられた付加情報をそれぞれ格納しておき、地図画像上におけるユーザの現在位置である現在位置マークP2を特定し、その現在位置マークP2が面F18の内側である場合に当該面F18に対応付けられた付加情報のレストラン紹介画像G7をデータ格納部13から読み出して表示することにより、現在位置マークP2が面F20の内側に入ったとき、すなわち現在位置マークP2が示す現在位置と面F18との関係に基づいて、その面F18に対応付けられたユーザにとって付加価値の高い付加情報を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、付加情報提供方法及び付加情報提供プログラムに関し、例えばポータブルナビゲーションデバイス(以下、これをPNDと呼ぶ。)に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機やディジタルカメラ等の電子機器においては近年急速に高性能化が進んでおり、カメラによる写真撮影機能やビデオ撮影機能が標準装備されているものが多い。しかしながら、これらの電子機器では、撮影した写真の画像データに対して、それを何処で撮影したのかをユーザが直感的に判別できる情報として日時程度しかなく、またビデオの動画データに対してはファイル名に日時等を含む通し番号が割り振られている程度である。
【0003】
そのような状況の中で、ユーザはその画像データや動画データがどのような内容なのかを具体的に知ろうとする場合、その日時を基に記憶を遡るか、或いはパーソナルコンピュータ等により直接参照、閲覧して確認するしかないというのが実情である。
【0004】
特に携帯電話機では、既にGPS(Global Positioning System)モジュールを搭載したモデルが商品化されており、ユーザ自身が居る現在位置の割り出しが可能になっているが、それを利用した機能としては、案内用途のためにサーバ側にある地図データにアクセスするための位置情報(現在位置をサーバに渡すためのデータ)として用いる程度しかなく、まだまだ位置情報に対する付加価値を向上させる余地は大いに残っている。
【0005】
またカーナビゲーションシステムにおいては、位置情報とその位置に関連した付加情報とを対応付けるという点では他の電子機器より技術的に先行しているが、例えば、自車が存在する場所等の住所を表示するために、地図データと関連付けられた住所単位の情報を格納しており、GPS衛星等から取得した位置情報を用いて住所を表示する住所表示機能が備わっているものの、地図データが非常に大きなサイズのデータであり、莫大な格納ストレージ容量を必要とすること、及び住所しか表示できないという使い勝手の悪さがある。
【0006】
一方、目的の観光地である×印を包含するように複数の点を順に結ぶことにより生成した閉じた図形(ポリゴン)が表示部の画面上に表示され、自車位置がポリゴン内に進入したときに×印の観光地に対する紹介映像や紹介音声を適切なタイミングで再生する観光案内装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11-337354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところでかかる構成の観光案内装置においては、自車位置がポリゴン内に進入したときに、そのエリアの観光地に対する紹介映像や紹介音声を再生出力するだけであり、それ以外のユーザ所望のコンテンツを提供することが出来ず、ユーザの立場に立った付加価値の高い情報を必ずしも提供出来ていないという問題があった。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、現在位置に対して付加価値の高いユーザ所望の付加情報を効率良く提供し得る情報処理装置、付加情報提供方法及び付加情報提供プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明においては、地図データに基づいて地図画像を表示する表示手段と、地図画像のうち特定の領域に相当する範囲を地図画像上の面として複数格納する面データ格納手段と、面に対応付けられた任意の付加情報をそれぞれ格納する付加情報格納手段と、地図画像上の現在位置を特定する現在位置特定手段と、現在位置が面の内側であるか否かを判定し、当該内側である場合に面に対応付けられた付加情報を読み出して出力する付加情報出力手段とを設けることにより、現在位置が面の内側に入ったとき、すなわち現在位置と面との関係に基づいて、その面に対応付けられたユーザにとって付加価値の高い付加情報を提供することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現在位置が地図画像上の面の内側に入ったときに、その面に対応付けられたユーザにとって付加価値の高い付加情報を提供することができ、かくして現在位置において付加価値の高いユーザ所望の付加情報を効率良く提供し得る情報処理装置、付加情報提供方法及び付加情報提供プログラムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)本発明の原理
図1は、PNDにおいてナビゲーション時に用いられる一般的なベクター形式のベクター地図画像G1に対する画面イメージであり、地図を構成するデータ要素として、道路を表す線データ、文字を表すテキストデータ、公園(緑色)、学校(橙色)等といった地図画像上における特定の領域に相当する範囲の敷地を面として区切った面データ等によって構成されている。
【0013】
このベクター地図画像G1における面データは、その面の内側に存在する複数の緯度経度情報の集合でなり、PNDでは、現在位置の緯度経度を特定できれば、その緯度経度によって特定される場所が、何れの面に属するのかを判別し得るようになされている。
【0014】
PNDでは、このベクター地図画像G1(図1)において、例えば、芝浦、三田、白金台、港南、東五反田等の住所体系における「大字」を単位として複数の面に分けた場合、図2に示すように、地図上の全ての場所が何れかの大字に対応した面(太線で区切られた範囲)に属することになり、その面毎に色分けし、可視化した状態のベクター地図画像G2に変換することができる。
【0015】
この面毎に色分けして可視化したベクター地図画像G2(図2)において、PNDでは地図構成要素である道路や文字等を除去した場合、図3に示すように、複数の面(面データ)の集まりだけからなるベクター地図画像G3になる。
【0016】
ここでPNDでは、ベクター地図画像G3(図3)における複数の面に対して、住所体系における大字名称(例えば、芝浦、三田、白金台、港南、東五反田等)を付加情報として対応付け、それをハードディスクドライブ等でなるデータ格納部(図示せず)に登録しておくと、図4に示すように、複数の面それぞれに対して大字名称が紐付けられた状態のベクター地図画像G4を可視的に表示することができるようになる。
【0017】
この場合、ベクター地図画像G4における例えば面F0に対応付けられた大字名称が「高輪」であったとすると、この面F0によって特定される領域は、「高輪」が住所表示として付された高輪A丁目〜高輪B丁目までを全て包含し、大字名称として「高輪」が付される範囲の面F0に対しては、その「高輪」の文字が付加情報として対応付けられた状態でデータ格納部に格納されることになる。
【0018】
因みにPNDでは、このベクター地図画像G4に対して所定の縮尺で区切られたメッシュ線ML1〜ML4を表示している関係上、「高輪」の面F0では、メッシュ線ML2により、あたかも上下に2分割されたように表示しているが、当該メッシュ線ML2の上側及び下側の双方に「高輪」の大字名称が対応付けられた状態で表示し、ユーザに対して誤解を生じることがないようになされている。
【0019】
従ってPNDでは、地図上の目的地を探し出す際、緯度経度データに従っていきなり特定するのではなく、このメッシュ線ML1〜ML4によって区切られた領域によって大まかに目的地を絞込んだ後、その領域内に存在する複数の面に対応付けられた大字名称に基づいて最終的に目的地を特定するようになされており、これによりメッシュ線ML1〜ML4を用いない場合に比べて目的地を探し出すまでの時間を大幅に短縮し得るようになされている。
【0020】
実際上、図5に示すようにPNDでは、GPSモジュールを介して取得した自車の現在位置を示すポジションマークP1が、ある面データに対応した面F0の内側に位置している場合、その面データに対応付けられた付加情報(この場合、大字名称である「港南」)をデータ格納部から読み出し、その面F0に対して付加情報である大字名称「港南」を付して表示するようになされている。
【0021】
このように本発明の原理では、現在位置を示す地点(緯度経度情報)に対して付加情報を関連付けて記憶するのではなく、現在位置を示すポジションマークP1が含まれる面F0(面データ)に対して付加情報を関連付けてデータ格納部に記憶するため、当該データ格納部において付加情報を効率良く管理し得、かつ面F0に対応付けられた付加情報をデータ格納部から効率的に読み出して提供し得るようになされている。
【0022】
また本発明のPNDでは、図6に示すように、複数の面(面F0を含む)それぞれに大字名称が紐付けられた状態のベクター地図画像G4に対し、同じ地図上において異なるカテゴリの領域に区分けされた面F1〜F3が重ねられて混在した状態のベクター地図画像G5を生成することも可能である。
【0023】
この場合、図7に示すように、PNDでは複数の面(面F0を含む)それぞれに対して大字名称が紐付けられた状態の面プレーンPLN1(ベクター地図画像G4)に対して、当該面プレーンPLN1のジャンルとは異なり、遊園地、公園、商店街等の特定場所名称の領域に相当する面F1〜F3に区分けされた面プレーンPLN2を重ねることにより、ベクター地図画像G5を生成し得るようになされている。
【0024】
従ってPNDでは、現在位置を示すポジションマークP1(図6)が例えば大字名称「高輪」の面F0の内側に位置し、かつ特定場所名称「○○遊園地」の面F1の内側に位置する場合、大字名称「高輪」及び特定場所名称「○○遊園地」の双方を付加情報としてデータ格納部から読み出して提示し得るようになされている。
【0025】
(2)PNDの回路構成
次に、上述した発明の原理を実現するPNDの基本的回路構成について、図8を用いて説明する。
【0026】
図8において、1は全体としてPNDを示し、本体部2に対してユーザ入力部3、測位デバイス部4及び出力部5が接続された構成を有し、本体部2のCPU(Central Processing Unit)10がROM(Read Only Memory)11に格納されているブートプログラムに従ってハードディスクドライブでなるデータ格納部13から基本プログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)12上に立ち上げることにより動作し、当該CPU10が全体を統括制御するようになされている。
【0027】
またPND1のCPU10は、キーボード21、マウス22、リモートコントローラ(以下、これをリモコンと呼ぶ。)23、タッチパネル24及びカメラボタン25等でなるユーザ入力部3を介して供給されたユーザからの命令に従って、データ格納部13からRAM12上に所定のアプリケーションプログラムである付加情報提供プログラムを立ち上げ、GPS(Global Positioning System)モジュール31、車両の走行速度を検出するための車速パルス受信回路32及び車体の傾き等を検出するためのジャイロセンサー33等でなる測位デバイス部4からの情報を基に、付加情報提供プログラムに基づく付加情報提供処理(後述する)を実行し、その処理結果を、モニタ41及びスピーカ42からなる出力部5を介して出力し得るようになされている。
【0028】
なおPND1では、CCD(Charge Coupled Device)カメラ14を搭載しており、ユーザ入力部3のカメラボタン25に対する押下操作をトリガとして、静止画撮影又は動画撮影を実行し得るようになされている。
【0029】
(3)付加情報提供処理
次に、PND1における付加情報提供処理について、当該PND1が車両に搭載された状態で付加情報提供処理を実行する場合と、当該PND1が車両から取り外され、ユーザにより持ち運ばれた状態で付加情報提供処理を実行する場合の2通りについて具体的に説明する。
【0030】
(3−1)車両搭載状態における付加情報提供処理
図9に示すように、PND1では、所定の縮尺でなるベクター地図画像G6において、例えば住所表示のA丁目B番地等の番地表示によって特定される地図上の領域を面F11〜F24として特定し、その面F11〜F24に対して所定の付加情報を対応付けた状態でデータ格納部13に登録しておくと、車両の走行中に現在位置マークP2の位置が住所表示の番地単位で変化する度に、その番地表示の面F11〜F24に予め対応付けられている付加情報をデータ格納部13から読み出して提示し得るようになされている。
【0031】
この場合、道路に接する地図上の面F11〜F22は、当該道路の中央を境界として区切られており、車両が例えば「北品川3丁目6番地」の面F21と、「北品川3丁目3番地」の面F11との間の道路を通過する場合、日本では左側通行であるため現在位置マークP2は「北品川3丁目6番地」の面F21の内側に位置することになり、「北品川3丁目3番地」の面F11の内側に位置することにはならない。
【0032】
ここで図10に示すようにPND1は、複数の面(面F0を含む)それぞれに対して大字名称が紐付けられた状態の面プレーンPLN1(ベクター地図画像G4)に対して、当該面プレーンPLN1のジャンルとは異なる番地表示に区分けされた面F11〜F22が含まれる面プレーンPLN2を重ねることにより、ベクター地図画像G6を生成し得るようになされている。
【0033】
従ってPND1では、ユーザの現在位置を示す現在位置マークP2(図9)が面プレーンPLN1(図10)における例えば大字名称「高輪」の面F0の内側に位置し、面プレーンPLN2における番地表示に対応した「高輪1丁目1番地」の面F18の内側に位置する場合、面F0に対応付けられた大字名称「高輪」の付加情報及び面F18に対応付けられた「○○レストラン」に関する付加情報をデータ格納部13からそれぞれ読み出して提供し得るようになされている。
【0034】
実際上、図11に示すようにPND1のCPU10はルーチンRT1の開始ステップから入って次のステップSP1へ移り、車両停止中又は車両走行中の現在位置マークP2(図9)によって示される現在位置の緯度経度情報を測位デバイス部4によって取得し、次のステップSP2へ移る。
【0035】
ステップSP2においてPND1のCPU10は、その現在位置マークP2が属するベクター地図画像G6で示された何丁目何番地に該当する面データであるのか認識し、次のステップSP3へ移る。
【0036】
ステップSP3においてPND1のCPU10は、その現在位置マークP2がステップSP2で認識した面データの面F18(例えば「高輪1丁目1番地」)の内側にあるか否かを判定する。
【0037】
ここで否定結果が得られると、このことは現在位置P2が「高輪1丁目1番地」の面F18の内側にないこと、例えば車両が高速移動中であって、既に次の面F17へ移ってしまったことを表しており、このときPND1のCPU20はステップSP1へ戻って上述の処理を繰り返す。
【0038】
これに対してステップSP3で肯定結果が得られると、このことは現在位置マークP2がステップSP2で認識した面データの面F18の内側にあることを表しており、このときPND1のCPU10は次のステップSP4へ移る。
【0039】
ステップSP4においてPND1のCPU10は、「高輪1丁目1番地」の面F18に予め対応付けられている付加情報として、例えば図12に示すような「○○レストラン」に関するレストラン紹介画像G7をデータ格納部13から読み出し、これをベクター地図画像G6(図9)の右上方に重ねて表示することにより、「○○レストラン」の近傍を車両により通過中のユーザに対して、その「○○レストラン」の「おすすめメニュー!」を案内し、次のステップSP5へ移って処理を終了する。
【0040】
すなわちPND1のCPU10は、車両の走行中に現在位置マークP2がベクター地図画像G6における面F11〜F22のうち例えば面F18の内側に位置することを認識したとき、その面F18に予め対応付けられているレストラン紹介画像G7をデータ格納部13から読み出して提示することにより、現在位置マークP2の近傍でユーザにとって最も価値ある有意義な情報を最適なタイミングで提供し得るようになされている。
【0041】
特にPND1のCPU10は、車両の走行中に現在位置マークP2が面F18の内側に入ったことを認識した時点で、その面F18に予め対応付けられている付加情報としてレストラン紹介画像G7を直ちに読み出して提供することができるので、そのレストラン紹介画像G7の提供を受けた時点で、そのレストラン紹介画像G7の発信元である「○○レストラン」の前を既に車両が通り過ぎてしまっているような事態を回避し得、かくして付加情報をユーザに対して有効活用させ得るようになされている。
【0042】
(3−2)車両非搭載状態における付加情報提供処理
また図13に示すように、PND1では、所定の縮尺でなるベクター地図画像G8において、例えば遊園地内のアトラクション毎に特定される地図上の各領域をそれぞれ面F31〜F37として区分けし、その面F31〜F37に所定の付加情報を対応付けた状態でデータ格納部13に登録しておくと、ユーザがPND1を所持しながら持ち歩き、遊園地内のアトラクションによって特定される例えば「ジェットコースター」の面F31の内側に当該PND1のポジションマークP1が位置することを認識したとき、その面F31に予め対応付けられている付加情報を読み出してユーザに提示し得るようになされている。
【0043】
ここで図14に示すようにPND1は、複数の面(面F0を含む)それぞれに対して大字名称が紐付けられた状態の面プレーンPLN1(ベクター地図画像G4)に対して、面プレーンPLN1のジャンルとは異なる遊園地、公園、商店街等の特定場所名称に対応した面F1〜F3の面プレーンPLN2を重ね、更にその上に遊園地内のアトラクション毎に特定される各領域に対応した面F31〜F37の最上位プレーンPLN3を重ねることにより、ベクター地図画像G8を生成し得るようになされている。
【0044】
従ってPND1では、ユーザの現在位置を示すポジションマークP1(図13)が例えば大字名称「高輪」の面F0(図14)の内側に位置し、特定場所名称「○○遊園地」の面F1(図14)の内側に位置し、かつ「○○遊園地」内の「ジェットコースター」の面F31(図14)の内側に位置する場合、面F0に対応付けられた付加情報の大字名称「高輪」及び面F1に対応付けられた付加情報の特定場所名称「○○遊園地」に加えて、「ジェットコースター」の面F31に対応付けられた付加情報として例えばキャラクターフレーム(後述する)をデータ格納部13から読み出して提供し得るようになされている。
【0045】
実際上、図15に示すようにPND1のCPU10はルーチンRT2の開始ステップから入って次のステップSP11へ移り、PND1を所持しているユーザによって当該PND1のカメラボタン25が押下操作されたか否かを判定し、否定結果が得られると再度ステップSP11に戻って、カメラボタン25が押下操作されるまで待ち受けるのに対し、肯定結果が得られると次のステップSP12へ移る。
【0046】
ステップSP12においてPND1のCPU10は、カメラボタン25が押下操作されたことをトリガとしてCCDカメラ14によって撮影した写真データをRAM12に一時的に保存し、次のステップSP13へ移る。
【0047】
ステップSP13においてPND1のCPU10は、CCDカメラ14によって写真撮影を行った時点におけるユーザの現在位置を示すポジションマークP1の緯度経度情報を測位デバイス部4によって取得し、次のステップSP14へ移る。
【0048】
ステップSP14においてPND1のCPU10は、ベクター地図画像G8(図13)における最上位プレーンPLN3において現在位置を示すポジションマークP1が所属する面F31(この場合「ジェットコースター」)の面データを認識し、次のステップSP15へ移る。
【0049】
ステップSP15においてPND1のCPU10は、最上位プレーンPLN3における「ジェットコースター」の面F31に予め対応付けられた例えば図16に示すようなキャラクターフレームCFを付加情報としてデータ格納部13から読み出し、次のステップSP16へ移る。
【0050】
このキャラクターフレームCF(図16)は、写真に写し出された被写体の周囲を飾り付けるための各種キャラクターや花の絵が予め周囲に配置されたテンプレート画像 であって、写真データと合成するためのものである。
【0051】
ステップSP16においてPND1のCPU10は、ステップSP12でRAM12に一時保存しておいた写真データに対して、付加情報であるキャラクターフレームCF(図16)を合成することにより、例えば図17に示すような合成写真FPを生成し、次のステップSP17へ移って処理を終了する。
【0052】
このようにPND1のCPU10は、CCDカメラ14の写真撮影機能を用いて撮影を行ったときのユーザの現在位置を示すポジションマークP1が所属する面F31の面データを認識し、その面F31に対応付けられた付加情報として読み出したキャラクターフレームCFと写真データとを合成することにより、その場所(この場合「ジェットコースター」)と関連付けられたキャラクターフレームCFを含む合成写真FPを生成し得るようになされている。
【0053】
(4)動作及び効果
以上の構成において、PND1は車両搭載状態で使用されている場合、車両走行中の現在位置を示す現在位置マークP2がベクター地図画像G6(図9)における面F18の内側に入った時点で、その面F18に予め対応付けられている付加情報(この場合、レストラン紹介画像G7)をデータ格納部13から読み出して表示することにより、その面F18の「○○レストラン」の近傍に居るユーザにとって最も価値ある有意義な情報を最適なタイミングで提供することができる。
【0054】
このときPND1のCPU10は、付加情報であるレストラン紹介画像G7が「○○レストラン」の場所である緯度経度情報に対応付けられているのではなく、その「○○レストラン」の場所を含む面F18に対応付けられているため、車両走行中に現在位置マークP2が「○○レストラン」の真横に位置しなくても、現在位置マークP2が面F18の内側に入ったことを認識した時点で、レストラン紹介画像G7を直ちに読み出して表示することができる。
【0055】
従ってPND1では、ユーザに対してレストラン紹介画像G7を目視確認させた後、当該レストラン紹介画像G7の発信元である「○○レストラン」に車両が近付いていくことになるので、ユーザにレストラン紹介画像G7の内容を認識させた上で「○○レストラン」に立ち寄らせるか否かの決断をさせることができ、付加情報に商業的効果を持たせることができる。
【0056】
またPND1では、車両から取り外された車両非搭載状態でユーザに持ち運ばれながら使用されている場合、当該PND1のカメラ機能を用いて写真データを撮影したとき、ユーザの現在位置を示すポジションマークP1がベクター地図画像G8の面F31の内側に位置すれば、その面F31に対応付けられている付加情報のキャラクターフレームCF(図16)をデータ格納部13から読み出して写真データと合成することにより合成写真FP(図17)を生成することができる。
【0057】
この場合も、PND1のCPU10は、付加情報であるキャラクターフレームCFが「ジェットコースター」の存在する場所の緯度経度情報に対応付けられているのではなく、その「ジェットコースター」の場所を含む面F31に対応付けられているため、ユーザの現在位置を示すポジションマークP1が「ジェットコースター」の極めて近傍に位置していないとしても、ポジションマークP1が面F31の内側にさえ入っていれば、キャラクターフレームCFをデータ格納部13から読み出して提供し、合成写真FPを生成することができる。
【0058】
すなわちPND1では、緯度経度情報に付加情報を対応付け、その緯度経度情報に現在位置が該当したときに付加情報を提供するような従来に比べ、ベクター地図画像G8の面F31に付加情報を対応付けるようにしたことにより、付加情報を提供する際におけるユーザの現在位置の範囲を広げることができる。
【0059】
このようにPND1では、ユーザがベクター地図画像G8の面F31の内側にポジションマークP1が入っているときに撮影した写真データに対して、付加価値の高い付加情報であるキャラクターフレームCFを自動的に合成することにより合成写真FPを生成することができるので、ユーザに対して特別な操作意識をさせることなく、ジェットコースターの近傍でカメラボタン25に対する押下操作を行わせるだけで合成写真FPを生成し得、ユーザに対する使い勝手を大幅に向上することができる。
【0060】
さらにPND1では、互いにジャンルの異なる面プレーンPLN1及び面プレーンPLN2を重ねることにより生成したベクター地図画像G6(図9)や、互いにジャンルの異なる面プレーンPLN1、面プレーンPLN2及び最上位プレーンPLN3を重ねることにより生成したベクター地図画像G8(図13)を用いているため、ポジションマークP1又は現在位置マークP2の位置に基づいて面プレーンPLN1、PLN2、PLN3の各レイヤーにそれぞれ対応付けられた付加情報についても同時に提供することができる。
【0061】
すなわちPND1のCPU10は、ポジションマークP1や現在位置マークP2によって特定される現在位置が複数の面プレーンPLN1〜PLN3に属する場合、各レイヤーのジャンルに対応した付加情報を効率的かつ効果的に提供することができる。
【0062】
以上の構成によれば、PND1は車両搭載状態であれ、車両非搭載状態であれ、ベクター地図画像G6やベクター地図画像G8の中で、現在位置を示すポジションマークP1や現在位置マークP2の属する面が何処であるかを認識するだけで、通信環境に依存することなく、現在位置が属する面に予め対応付けられている付加情報を直ちに読み出して提供することが出来るので、一点を示す緯度経度情報に付加情報が対応付けている場合に比べて、付加情報を最適タイミングで提供することが出来ると共に、付加情報を提供し得る現在位置の範囲を広げて使い勝手を大幅に向上することができる。
【0063】
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、ユーザの現在位置を示す現在位置マークP2がベクター地図画像G6における例えば大字名称「高輪」の面F0の内側に位置し、番地表示に対応した「高輪1丁目1番地」の面F18の内側に位置する場合、面F0に対応付けられた付加情報の大字名称「高輪」及び面F18に対応付けられた付加情報のレストラン紹介画像G7をデータ格納部13から読み出して提供するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ベクター地図画像G6のように所定の縮尺による面プレーンPLN2の地図を表示しているときには、面プレーンPLN1の面F0に対応付けられた付加情報の大字名称「高輪」については提供することなく、最上位の面プレーンPLN2の面F18に対応付けられた付加情報のレストラン紹介画像G7だけをデータ格納部13から読み出して提供するようにしても良い。
【0064】
また上述の実施の形態においては、付加情報としてレストラン紹介画像G7をデータ格納部13から読み出して表示したり、付加情報としてキャラクターフレームCFをデータ格納部13から読み出して提供するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、付加情報としては、テキストデータ、音声データ、音楽データ、動画データ、ゲームプログラム等のその他種々のコンテンツをデータ格納部13から読み出して提供するようにしても良い。
【0065】
さらに上述の実施の形態においては、大字名称で区分けした面F0、特定場所名称に対応した面F1〜F3、番地表示に対応した面F11〜F22、更には遊園地のアトラクション毎に区分けした面F31〜F37に付加情報を対応付けて登録するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ユーザが任意に区分けした領域の面に付加情報を対応付けて登録するようにしても良い。この場合、PND1ではユーザにとって最も欲する付加情報を最適タイミングで提供することができる。
【0066】
さらに上述の実施の形態においては、PND1のCPU10が付加情報提供プログラムに従い、上述したルーチンRT1及びルーチンRT2の付加情報提供処理手順を実行するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、記録媒体からインストールした付加情報提供プログラムや、インターネットからダウンロードした付加情報提供プログラム、その他種々のルートによってインストールした付加情報提供プログラムに従って上述した付加情報提供処理手順を実行するようにしても良い。
【0067】
さらに上述の実施の形態においては、表示手段としてのモニタ41、面データ格納手段及び付加情報格納手段としてのデータ格納部13、現在位置特定手段としての測位デバイス部4、付加情報出力手段としてのCPU10によって本発明の情報処理装置を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる表示手段、面データ格納手段、付加情報格納手段、現在位置特定手段及び付加情報出力手段によって本発明の情報処理装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の情報処理装置、付加情報提供方法及び付加情報提供プログラムは、PND以外にも、GPSモジュールを搭載した携帯電話機や、GPSモジュールを搭載したPDA、或いはGPSモジュールを搭載したノートブック型パーソナルコンピュータ等のその他種々の情報処理装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】ベクター地図画像を示す略線図である。
【図2】面毎に色分けされたベクター地図画像を示す略線図である。
【図3】道路、文字を除去したベクター地図画像を示す略線図である。
【図4】付加情報(大字名所)と対応付けられた状態のベクター地図画像を示す略線図である。
【図5】ベクター地図画像の面データに対応付けられた付加情報の取得結果を示す略線図である。
【図6】面プレーンの重ねられたベクター地図画像を示す略線図である。
【図7】面プレーンの重ねられた状態の説明に供する略線図である。
【図8】PNDの回路構成を示す略線的ブロック図である。
【図9】車両搭載状態におけるナビゲーション動作の説明に供する略線図である。
【図10】面プレーンが2枚重ねられた状態を示す略線図である。
【図11】車両搭載状態における付加情報提供処理手順を示すフローチャートである。
【図12】付加情報としてのレストラン紹介画像を示す略線図である。
【図13】車両非搭載状態におけるナビゲーション動作の説明に供する略線図である。
【図14】面プレーンが3枚重ねられた状態を示す略線図である。
【図15】車両非搭載状態における付加情報提供処理手順を示すフローチャートである。
【図16】キャラクターフレームを示す略線図である。
【図17】キャラクターフレームの合成された合成写真を示す略線図である。
【符号の説明】
【0070】
1……PND、2……本体部、3……ユーザ入力部、4……測位デバイス部、5……出力部、10……CPU、11……ROM、12……RAM、13……データ格納部、14……CCDカメラ、21……キーボード、22……マウス、23……リモコン、24……タッチパネル、25……カメラボタン、31……GPSモジュール、32……車速パルス受信回路、33……ジャイロセンサー、41……モニタ、42……スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データに基づいて地図画像を表示する表示手段と、
上記地図画像のうち特定の領域に相当する範囲を上記地図画像上の面として複数格納する面データ格納手段と、
上記面に対応付けられた任意の付加情報をそれぞれ格納する付加情報格納手段と、
上記地図画像上の現在位置を特定する現在位置特定手段と、
上記現在位置が上記面の内側であるか否かを判定し、当該内側である場合に上記面に対応付けられた上記付加情報を読み出して出力する付加情報出力手段と
を具えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記情報処理装置は、
上記面により表される上記範囲を上記地図画像上に区別可能な状態で表示する面表示制御手段と
を具えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記面データ格納手段は、上記面とは異なるカテゴリに対応した新たな領域に相当する範囲を第2の面として複数格納し、
上記面表示制御手段は、上記面によって示される上記範囲を上記地図画像上で区別可能な状態に表示すると共に、上記第2の面を上記面の上に重ねて表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記付加情報は、文字列、画像又は音声である
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記付加情報は、静止画像の撮影時に用いられる所定絵柄のテンプレートである
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
地図データに基づいて地図画像を所定の表示手段に表示する表示ステップと、
上記地図画像上の現在位置を現在位置特定手段によって特定する現在位置特定ステップと、
上記地図画像のうち特定の領域に相当する範囲を上記地図画像上の面として複数格納している面データ格納手段から当該面を読み出し、その面の内側に上記現在位置があるか否かを判定手段によって判定する判定ステップと、
上記現在位置が上記面の内側にあると判定した場合、当該面に対応付けられた任意の付加情報を予め格納している付加情報格納手段から、付加情報読出手段により当該付加情報を読み出して出力する付加情報出力ステップと
を具えることを特徴とする付加情報提供方法。
【請求項7】
情報処理装置に対して、
地図データに基づいて地図画像を所定の表示手段に表示する表示ステップと、
上記地図画像上の現在位置を現在位置特定手段によって特定する現在位置特定ステップと、
上記地図画像のうち特定の領域に相当する範囲を上記地図画像上の面として複数格納している面データ格納手段から当該面を読み出し、その面の内側に上記現在位置があるか否かを判定手段によって判定する判定ステップと、
上記現在位置が上記面の内側にあると判定した場合、当該面に対応付けられた任意の付加情報を予め格納している付加情報格納手段から、付加情報読出手段により当該付加情報を読み出して出力する付加情報出力ステップと
を実行させることを特徴とする付加情報提供プログラム。

【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−36676(P2009−36676A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−202145(P2007−202145)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】