説明

情報処理装置、電動移動体、及び放電管理方法

【課題】電動移動体間で電力を移動する際に適切な放電量をユーザが容易に決められるようにするための情報提供を行う情報処理装置を提供すること。
【解決手段】バッテリの電力を利用して駆動する放電元又は放電先の電動移動体に接続され、放電元の前記電動移動体から電力の供給を受ける放電先の前記電動移動体に向けて前記バッテリから放電される電力量に関する情報を入力するためのユーザ入力部と、前記ユーザ入力部を用いて入力された情報に基づく電力量が前記バッテリから放電された場合を想定して、放電後に残った前記バッテリの電力で前記放電元の電動移動体が移動可能な場所に関する情報を放電前に表示する走行可能情報表示部と、を備える、情報処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、電動移動体、及び放電管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートグリッドと呼ばれる技術に注目が集まっている。このスマートグリッドとは、送電網に通信路を併せ持つ新たな送電網を構築し、このインテリジェントな送電網を利用して効率的な電力利用を実現するための技術的な枠組みのことを言う。スマートグリッド構想の背景には、電力使用量の効率的な管理、事故発生時の迅速対応、使用電力量の遠隔制御、電力会社の管理外にある発電設備を用いた分散発電、電動移動体の充電管理等を実現したいという要望がある。特に、一般家庭や電力会社以外の事業者による再生可能エネルギーを用いた自家発電設備の有効利用、及び電気自動車に代表される種々の電動移動体の充電管理には大きな注目が集まっている。なお、再生可能エネルギーとは、化石燃料を用いずに生成されるエネルギーのことである。
【0003】
一般家庭や電力以外の事業者により発電された電力は、発電者自身が利用する。また、発電者自身が利用した後で余った電力は、現在、電力会社が買電している。しかし、電力会社にとって、管理外の発電設備から供給される電力を買電することは大きな負担となっている。例えば、太陽光発電設備から供給される電力量は天候に左右される。また、一般家庭の自家発電設備から供給される電力量は日毎に大きく変化する一般家庭の電力使用量に左右される。そのため、電力会社が管理外の発電設備から安定した電力供給を受けることは難しい。こうした理由から、将来、電力会社による買電が難しくなる可能性がある。
【0004】
そこで、最近では、電力会社の管理外にある発電設備で発電された電力を一旦バッテリに蓄電して利用するホームバッテリ構想に注目が集まっている。例えば、太陽光発電設備で発電した電力をバッテリに蓄電しておき、夜間や天候不良の際に不足分をバッテリから補うといった利用方法が考案されている。さらに、電力会社から給電を受ける電力量をバッテリの蓄電量に応じて制限したり、価格の安い夜間に電力会社から電力供給を受けてバッテリに蓄電し、価格の高い昼間にバッテリに蓄電した電力を利用する方法等が考案されている。また、バッテリは直流のまま電力を蓄えることができるため、送電の際に行われるDC/AC変換、AC/DC変換が不要になり、変換時のロスを削減できる。
【0005】
このように、スマートグリッド構想の中で電力管理に関する様々な思惑が交錯している。こうした電力管理を実現するため、スマートグリッド構想の中では送電網に通信路を併せ持つことが前提とされている。つまり、このインテリジェントな送電網を利用して電力管理に関する情報をやり取りすることが想定されているのである。但し、通信インフラが既に整備されている地域においては、送電網を通信路として用いず、既に敷設されている通信インフラで構築されたネットワークを利用して電力管理に関する情報のやり取りが行われてもよい。つまり、スマートグリッド構想において重要なのは、一元管理されていない発電設備及び蓄電設備を如何にして効率よく管理するかということである。
【0006】
スマートグリッド構想における電力管理には、電気自動車やプラグインハイブリッド式車両等の電動移動体に関する電力管理も含まれている。電動移動体のバッテリを対象とした電力管理に関し、例えば、下記の特許文献1には、バッテリの余力を特定し、その余力に基づいてバッテリの出力が持続する時間を検出する技術が開示されている。さらに、同文献1には、検出した出力可能時間の情報を表示する技術が開示されている。また、下記の特許文献2には、バッテリの残量に基づいて電動移動体の駆動を継続可能な時間や距離を表示する技術が開示されている。さらに、下記の特許文献3には、ハイブリッド式車両において、走行時の消費電力パターン、供給電力パターンに基づく走行可能時間の予測情報、及び走行可能距離の予測情報を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−027772号公報
【特許文献2】特開2004−254483号公報
【特許文献3】特開2001−231103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の各文献に記載の技術は、電動移動体の移動により消費したバッテリの残量に基づいて走行可能な時間や距離を算出したり、その算出結果を表示したりする技術に関する。しかし、この技術は現行のハイブリッド式車両を想定して考案されたものであり、電動移動体間で電力をやり取りするという発想については何ら考慮されていない。現行のハイブリッド式車両は、内燃機関を搭載している。さらに、現行のハイブリッド式車両は、化石燃料を利用して駆動する際にバッテリへと電力を回生する機構を搭載している。そのため、現行のハイブリッド式車両は、バッテリの残量が0になってもガソリン等の化石燃料を利用して駆動することができる。
【0009】
ところが、バッテリの電力のみで駆動する電動移動体の場合、バッテリの残量が0になると、全く自走できなくなってしまう。このような状況になると、自走不能になった電動移動体をレッカー移動するか、或いは、自走不能になった電動移動体をその場で何らかの方法を用いて充電しなければならない。このような場合、利便性やコストを考慮すると、レッカー移動よりも他の電動移動体から自走不能になった電動移動体へと給電する方が好ましい。但し、充電ステーションのように供給可能な電力が潤沢にある充電設備とは異なり、自身の駆動に利用する電力を他の電動移動体に供給するのであるから、自身が自走不能な状態にならないよう、慎重に給電制御することが求められる。
【0010】
しかしながら、電動移動体間で電力をやり取りすべき適切な電力量をユーザが正しく決めるのは非常に難しい。そのため、どの程度の電力量を移動すれば、放電側、充電側の双方が必要十分な走行可能距離を得られるのか、を容易に認識できるようにする仕組みが求められている。そこで、本発明は、このような要求に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、電動移動体間で移動すべき好適な電力量をユーザが容易に判断できるようにすることが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、電動移動体、及び放電管理方法を提供することにある。
【0011】
ところで、上記の各文献に記載の技術は電動移動体として車両だけを想定しているが、本発明において想定している電動移動体は車両に限定されない。例えば、電動移動体としては、電気自動車の他にも、電動二輪車、電気バス、電動貨車、電動船舶、電動飛行機等が考えられる。また、上記のバッテリとは、エネルギーを何らかの形で蓄え、再度放出することが可能な任意のものを意味する。その代表的な例が蓄電池やコンデンサである。
【0012】
現在利用可能な蓄電池としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池、NAS電池等が知られている。一方、現在利用可能なコンデンサとしては、例えば、電界コンデンサ、セラミックコンデンサ、電気二重層コンデンサ等が知られている。また、揚力発電システムもバッテリの一種とみなせる。揚力発電システムは、電気エネルギーを位置エネルギーに変換して蓄える蓄電システムの一例である。例えば、電力エネルギーを利用して高いところへと水をくみ上げ、その水の落下エネルギーを利用して水力発電を行う水力発電システムは、揚力発電システムの代表例である。
【0013】
さらに、水の電気分解を利用した蓄電システムもバッテリの一種とみなせる。この蓄電システムは、電気エネルギーを利用して水の電気分解を行い、発生した水素を貯蔵しておくことにより蓄電する。そして、この蓄電システムは、貯蔵したおいた水素を燃焼して発電したり、燃料電池を利用して貯蔵しておいた水素から発電したりすることで、電気エネルギーを再生する。このように、電気エネルギーを何らかの方法で一時的に蓄え、再度電気エネルギーとして利用できる仕組みは、全てバッテリの一種とみなせる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、バッテリの電力を利用して駆動する放電元及び放電先の電動移動体に関し、前記放電元の電動移動体から電力の供給を受ける前記放電先の電動移動体に向けて前記放電元の電動移動体のバッテリから放電される放電量に関する情報が入力されたとき、当該放電量が前記バッテリから放電された場合を想定し、放電後に残った前記バッテリの電力を利用して前記放電元の電動移動体が移動可能な場所に関する情報を、放電前に表示する走行可能情報表示部を備える、情報処理装置が提供される。
【0015】
また、前記移動可能な場所に関する情報は、移動可能な距離、当該移動可能な距離を所定速度で移動した場合に移動可能な時間、移動可能なエリア、到達可能な充電場所のいずれか1つ又は複数の組み合わせであってもよい。また、前記充電場所は、給電設備が設置された場所、或いは、目的地であってもよい。
【0016】
また、前記放電量に関する情報は、放電後に、放電元の前記電動移動体が到達可能な第1の充電場所、前記放電先の電動移動体が到達可能な第2の充電場所、或いは、前記第1及び第2の充電場所の組であってもよい。
【0017】
また、上記の情報処理装置は、前記放電量に関する情報として前記第1の充電場所が入力された場合に、現在の場所から前記第1の充電場所までの距離と、単位電力当たりに前記放電元の電動移動体が移動可能な距離と、に基づいて前記放電量を算出する演算処理部をさらに備えていてもよい。この場合、前記演算処理部は、前記放電元の電動移動体が少なくとも前記第1の充電場所まで到達できるだけの電力を前記バッテリに残すように前記放電量を算出する。
【0018】
また、前記演算処理部は、前記放電元の電動移動体が少なくとも前記第1の充電場所まで到達できるだけの電力を前記バッテリに残し、かつ、前記放電先の電動移動体が少なくとも最寄りの充電場所まで到達できるように前記放電量を算出してもよい。
【0019】
また、前記走行可能情報表示部は、前記演算処理部により算出された放電量に基づき、前記放電元の電動移動体が移動可能なエリア、及び前記放電先の電動移動体が移動可能なエリアを区別可能な形式で地図上に表示するように構成されていてもよい。
【0020】
また、前記走行可能情報表示部は、前記演算処理部により算出された放電量に基づき、前記放電元の電動移動体が移動可能なエリアに含まれる充電場所、及び前記放電先の電動移動体が移動可能なエリアに含まれる充電場所を区別可能な形式で地図上に表示するように構成されていてもよい。
【0021】
また、上記の情報処理装置は、前記放電量に関する情報を入力するためのユーザ入力部をさらに備えていてもよい。この場合、前記ユーザ入力部は、放電前に前記放電元の電動移動体が到達不可能な第3の充電場所、又は、放電前に前記放電先の電動移動体が到達可能な第4の充電場所が選択されないようにユーザの入力を制限する。
【0022】
また、上記の情報処理装置は、前記放電量に関する情報として前記第2の充電場所が入力された場合に、現在の場所から前記第2の充電場所までの距離と、単位電力当たりに前記放電先の電動移動体が移動可能な距離と、に基づいて前記放電量を算出する演算処理部をさらに備えていてもよい。この場合、前記演算処理部は、前記放電先の電動移動体が少なくとも前記第2の充電場所まで到達できるように前記放電量を算出する。
【0023】
また、上記の情報処理装置は、放電後に前記放電元の電動移動体が移動可能なエリアに充電場所が少なくとも1つ含まれ、かつ、放電後に前記放電先の電動移動体が移動可能なエリアに充電場所が少なくとも1つ含まれるような前記放電量の範囲をユーザに提示する範囲提示部をさらに備えていてもよい。
【0024】
また、前記範囲提示部は、放電後に前記放電元の電動移動体が最寄りの充電場所に到達可能になり、かつ、放電後に前記放電先の電動移動体が少なくとも最寄りの充電場所に到達可能になる前記充電量の範囲、或いは、放電後に前記放電元の電動移動体が少なくとも最寄りの充電場所に到達可能になり、かつ、放電後に前記放電先の電動移動体が最寄りの充電場所に到達可能になる前記充電量の範囲をユーザに提示するように構成されていてもよい。
【0025】
また、上記の情報処理装置は、放電に関する操作の許諾を受けたユーザを確認するための本人確認部をさらに備えていてもよい。この場合、前記本人確認部は、パスワード認証、指紋認証、静脈認証、虹彩認証のいずれか1つ又は複数の組み合わせにより前記ユーザを確認する。
【0026】
また、上記の情報処理装置は、接続された2台の電動移動体のうち、どちらの電動移動体が充電元又は充電先になるかを指定するための属性指定部をさらに備えていてもよい。
【0027】
また、前記属性指定部は、前記2台の電動移動体に搭載されたバッテリの残り電力量を比較し、当該残り電力量の多い電動移動体を前記充電元の電動移動体に指定し、当該残り電力量の少ない電動移動体を前記充電先の電動移動体に指定するように構成されていてもよい。
【0028】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、駆動するための電力を蓄えるバッテリと、放電先の電動移動体に向けて前記バッテリから放電される電力量に関する情報が入力されたとき、入力された当該電力量に関する情報に基づく電力量が前記バッテリから放電された場合を想定して、放電後に残った前記バッテリの電力を利用して自身が移動可能な場所に関する情報を放電前に表示する走行可能情報表示部を有する情報処理装置と、を備える、電動移動体が提供される。
【0029】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、駆動するための電力を蓄えるバッテリと、放電元の電動移動体から前記バッテリに供給される電力量に関する情報が入力されたとき、入力された当該電力量に関する情報に基づく電力量が前記バッテリから供給された場合を想定し、供給後の前記バッテリに蓄えられた電力を利用して自身が移動可能な場所に関する情報、及び、供給後に前記放電元の電動移動体が移動可能な場所に関する情報を放電前に表示する走行可能情報表示部を有する情報処理装置と、を備える、電動移動体が提供される。
【0030】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、バッテリを有する第1の電動移動体に接続された情報処理装置の入力手段により、前記第1の電動移動体と電力線を介して接続された第2の電動移動体に向けて前記バッテリから放電される電力量に関する情報が入力される入力ステップと、前記入力ステップにて入力された情報に基づき、放電後に残った前記バッテリの電力を利用して前記第1の電動移動体が移動可能な場所に関する情報が前記情報処理装置の表示手段に表示される表示ステップと、を含む、放電管理方法が提供される。
【0031】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第2のバッテリを有する第2の電動移動体に接続された情報処理装置の入力手段により、前記第2の電動移動体と電力線を介して接続された第1の電動移動体から前記第2のバッテリへと供給される電力量に関する情報が入力される入力ステップと、前記入力ステップにて入力された情報に基づき、前記第2のバッテリへと電力が供給された後に、前記第1の電動移動体が有する第1のバッテリに残った電力を利用して当該第1の電動移動体が移動可能な場所に関する情報が、前記第1の電動移動体に接続された情報処理装置の表示手段に表示される表示ステップと、を含む、放電管理方法が提供される。
【0032】
また、前記表示ステップでは、前記第1の電動移動体が移動可能な場所に関する情報が、前記第2の電動移動体に接続された情報処理装置の表示手段にさらに表示されるように構成されていてもよい。
【0033】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の情報処理装置が備える各構成要素の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、当該プログラムが記録された、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように本発明によれば、電動移動体間で移動すべき好適な電力量をユーザが容易に判断できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動移動体の機能構成を説明するための説明図である。
【図2】同実施形態に係る電動移動体の機能構成を説明するための説明図である。
【図3】同実施形態に係る情報処理装置の機能構成を説明するための説明図である。
【図4】同実施形態に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)を説明するための説明図である。
【図5】同実施形態に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)を説明するための説明図である。
【図6】同実施形態に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図7】同実施形態に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図8】同実施形態に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図9】同実施形態に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図10】同実施形態に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図11】同実施形態に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図12】同実施形態の一変形例(変形例1)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)を説明するための説明図である。
【図13】同実施形態の一変形例(変形例1)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)を説明するための説明図である。
【図14】同実施形態の一変形例(変形例1)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)を説明するための説明図である。
【図15】同実施形態の一変形例(変形例1)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)を説明するための説明図である。
【図16】同実施形態の一変形例(変形例1)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図17】同実施形態の一変形例(変形例1)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図18】同実施形態の一変形例(変形例1)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図19】同実施形態の一変形例(変形例1)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図20】同実施形態の一変形例(変形例1)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図21】同実施形態の一変形例(変形例1)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時)の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図22】同実施形態の一変形例(変形例2)に係る情報処理装置の動作フロー(充放電側の自動決定)を説明するための説明図である。
【図23】同実施形態の一変形例(変形例3)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時(放電量の推薦))の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図24】同実施形態の一変形例(変形例3)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時(放電量の推薦))の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図25】同実施形態の一変形例(変形例3)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時(放電量の推薦))の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図26】同実施形態の一変形例(変形例3)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時(放電量の推薦))の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図27】同実施形態の一変形例(変形例3)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時(放電量の推薦))の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図28】同実施形態の一変形例(変形例3)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時(放電量の推薦))の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図29】同実施形態の一変形例(変形例3)に係る情報処理装置の動作フロー(放電時(放電量の推薦))の中で表示される画面の構成を説明するための説明図である。
【図30】同実施形態に係る電動移動体により実行される相互認証時の処理フローを説明するための説明図である。
【図31】同実施形態に係る情報処理装置の機能を実現することが可能なハードウェア構成を説明するための説明図である。
【図32】同実施形態に係る情報処理装置の動作フローの中で表示される画面構成の一変形例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0037】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、図1、図2を参照しながら、本実施形態に係る電動移動体1、3の構成について説明する。次いで、図3を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置16の構成について説明する。次いで、図4、図5を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置16の放電時における動作フローについて説明する。また、この動作フローの中で表示される画面構成について、図6〜図11を参照しながら具体的に説明する。
【0038】
次いで、図12〜図15を参照しながら、本実施形態の一変形例(変形例1)に係る情報処理装置16の放電時における動作フローについて説明する。また、この動作フローの中で表示される画面構成について、図16〜図21を参照しながら具体的に説明する。次いで、図22を参照しながら、本実施形態の一変形例(変形例2)に係る充放電制御部34の充放電側決定時における動作フローについて説明する。
【0039】
次いで、図23〜図27を参照しながら、本実施形態の一変形例(変形例3)に係る情報処理装置16の放電時における動作フローについて説明する。また、この動作フローの中で表示される画面構成について、図28、図29を参照しながら具体的に説明する。次いで、図30を参照しながら、本実施形態に係る電動移動体1、3により実行される相互認証の処理フローについて説明する。次いで、図31を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置16、36の機能を実現することが可能なハードウェア構成について説明する。最後に、同実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について簡単に説明する。
(説明項目)
1:はじめに
2:実施形態
2−1:電動移動体1、3の構成
2−2:情報処理装置16の構成
2−2−1:機能構成
2−2−2:放電時の動作フロー
2−4:変形例1(双方の情報表示)
2−4−1:放電時の動作フロー
2−5:変形例2(充放電側の自動決定)
2−5−1:充放電側決定時の動作フロー
2−6:変形例3(放電量の推薦)
2−6−1:放電時の動作フロー
2−7:相互認証時の処理フロー
2−8:ハードウェア構成例
3:まとめ
【0040】
<1:はじめに>
後述する実施形態に係る技術は、電動移動体間の充放電に関する。上記の通り、電動移動体の種類は様々である。また、後述する実施形態に係る技術を適用可能な電動移動体の種類には特別な制限がない。しかし、以下では技術内容の理解を容易にするため、具体的なイメージを持ちやすい電気自動車やプラグインハイブリッド式自動車を想定して説明する。電気自動車やプラグインハイブリッド式自動車は、実際に走行可能な状態で現存しており、近い将来においてガソリン自動車の代替品になることが期待されている。
【0041】
電動移動体は、バッテリに蓄えられた電力を利用して駆動する。また、このバッテリは、充電スタンド、住宅、小売店舗等に設けられた充電設備により充電される。従って、電動移動体は、充電設備のある場所(以下、充電場所)まで自走しなければならない。ガソリン自動車の場合、市街地に多数のガソリンスタンドが存在する。また、液体燃料であるガソリンをタンクに入れて持ち運んだりすることができるだけでなく、燃料タンクそのものも大きく、数百キロ走行出来るだけの余力がある。そのため、ガソリン自動車の場合には、ガソリン切れで自走不能になることは稀であった。一方、電動移動体の場合、市街地に充電場所が少ない上、液体燃料であるガソリンとは異なり、電動移動体を駆動できるだけの電力を手軽に持ち運ぶことは難しい。また、電動移動体のバッテリの容量は限られており、走行可能距離が比較的短いという特徴がある。
【0042】
こうした理由から、電動移動体が電力不足で自動不能になる危険性は、ガソリン自動車に比べて格段に高いと考えられる。また、このような危険性が電動移動体の普及を遅らせる原因になることも考えられる。そこで、本件発明者は、自走不能になった電動移動体を救済する手段として、電動移動体間で電力のやり取りをできるようにする方法を考案した。電動移動体間で電力のやり取りを行う場合、少なくとも最寄りの充電場所まで双方が自走できるような充放電量を決める必要がある。しかしながら、現実問題として、このような充放電量をユーザが適切に決めることは非常に困難である。こうした困難に鑑み、本件発明者は、ユーザが容易に適切な充放電量を決められるようにする仕組みを考案した。
【0043】
<2:実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明するが、本実施形態は、上記の困難を解決するために考案されたものであり、電動移動体間で電力のやり取りを行う際に、適切な充放電量をユーザが容易に決められるようにする仕組みを提供するものである。
【0044】
[2−1:電動移動体1、3の構成]
まず、図1、図2を参照しながら、本実施形態に係る電動移動体1、3の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る電動移動体1、3の構成について説明するための説明図である。一方、図2は、図1に示した電動移動体1、3の一変形例である。なお、図1、図2は、電動移動体1、3間で電力のやり取りを行う際の様子を模式的に示したものである。また、以下では説明の都合上、電動移動体1を放電側、電動移動体3を充電側とする。但し、放電側、充電側の指定は、自動又は手動により行われる。
【0045】
まず、図1を参照する。図1に示すように、電動移動体1は、バッテリ11と、駆動制御部12と、駆動部13と、充放電制御部14と、接続端子15と、情報処理装置16と、により構成される。同様に、電動移動体3は、バッテリ31と、駆動制御部32と、駆動部33と、充放電制御部34と、接続端子35と、情報処理装置36と、により構成される。なお、電動移動体1、3は、電力線2により接続される。但し、電力線2は、電源線としての機能の他に通信路としての機能を有していてもよい。
【0046】
(駆動に関する構成要素の機能)
電動移動体1は、バッテリ11に蓄えられた電力を利用して駆動する。また、電動移動体1の駆動は、駆動制御部12により制御される。駆動制御部12は、バッテリ11に蓄えられた電力を駆動部13に供給することで電動移動体1を駆動させる。そして、駆動制御部12は、バッテリ11から駆動部13への電力供給を停止することにより電動移動体1の駆動を停止させる。駆動部13は、モータ等により構成される。バッテリ11から電力の供給を受けた駆動部13は、受給した電力によりモータを動作させて駆動系統に動力を伝達する。駆動系統に動力が伝達すると、電動移動体1は移動を開始する。なお、図1の説明図において、電動移動体1の操舵手段等に関する記載は省略されている。
【0047】
同様に、電動移動体3は、バッテリ31に蓄えられた電力を利用して駆動する。また、電動移動体3の駆動は、駆動制御部32により制御される。駆動制御部32は、バッテリ31に蓄えられた電力を駆動部33に供給することで電動移動体3を駆動させる。そして、駆動制御部32は、バッテリ31から駆動部33への電力供給を停止することにより電動移動体3の駆動を停止させる。駆動部33は、モータ等により構成される。バッテリ31から電力の供給を受けた駆動部33は、受給した電力によりモータを動作させて駆動系統に動力を伝達する。駆動系統に動力が伝達すると、電動移動体3は移動を開始する。なお、図1の説明図において、電動移動体3の操舵手段等に関する記載は省略されている。
【0048】
(充放電に関する構成要素の機能)
電動移動体1を駆動させるにはバッテリ11を充電する必要がある。バッテリ11への充電は、充放電制御部14により制御される。充放電制御部14は、接続端子15に接続された電力線2を通じて供給される電力をバッテリ11に充電したり、バッテリ11に蓄えられた電力を放電して接続端子15に接続された電力線2に電力を供給したりする。
【0049】
例えば、充電場所において充電設備の電力線2が接続端子15に接続された場合、充放電制御部14は、電力線2を通じて供給される電力をバッテリ11に充電する。また、電動移動体3の接続端子35に接続された電力線2が接続端子15に接続された場合、充放電制御部14は、バッテリ11に蓄えられた電力を放電して接続端子15に接続された電力線2に電力を供給する。
【0050】
また、充放電制御部14は、情報処理装置16との間で情報をやり取りする。例えば、充放電制御部14は、バッテリ11に蓄えられた電力の残量(以下、バッテリ残量)を情報処理装置16に入力する。一方、情報処理装置16は、バッテリ11の放電量を制御するための制御信号を充放電制御部14に入力する。この制御信号が入力された充放電制御部14は、入力された制御信号に示された放電量の電力をバッテリ11から放電して接続端子15に接続された電力線2に電力を供給する。
【0051】
なお、上記の放電量は、ユーザにより手入力されるか、或いは、情報処理装置16により自動算出される。但し、先に述べた通り、放電量をユーザが適切に決めることは難しい。そのため、情報処理装置16は、適切な放電量を決めるための補助情報をユーザに提示する。このとき、情報処理装置16は、バッテリ11のバッテリ残量、及び電動移動体3が搭載するバッテリ31のバッテリ残量に基づいて上記の補助情報を算出する。この補助情報の内容、補助情報の算出方法、及び補助情報の表示方法については後述する。
【0052】
電動移動体1と同様に、電動移動体3を駆動させるにはバッテリ31を充電する必要がある。バッテリ31への充電は、充放電制御部34により制御される。充放電制御部34は、接続端子35に接続された電力線2を通じて供給される電力をバッテリ31に充電する。例えば、充電場所において充電設備の電力線2が接続端子15に接続された場合、充放電制御部34は、電力線2を通じて供給される電力をバッテリ31に充電する。また、電動移動体1の接続端子15に接続された電力線2が接続端子35に接続された場合、充放電制御部34は、接続端子35に接続された電力線2を通じて電動移動体1から供給される電力をバッテリ31に充電する。
【0053】
また、充放電制御部34は、情報処理装置36に情報を入力する。例えば、充放電制御部34は、バッテリ31に蓄えられたバッテリ残量を情報処理装置36に入力する。また、情報処理装置36は、情報処理装置16に表示される補助情報と同じ情報又はこの補助情報の一部をユーザに提示する。このとき、情報処理装置36は、上記の補助情報と同じ情報又はこの補助情報の一部を情報処理装置16から取得する。この補助情報の内容、及び補助情報の表示方法については後述する。
【0054】
(情報処理装置16、36間の通信方法)
電力線2が通信路としての機能を有する場合、情報処理装置16、36は、電力線2を通じて相互に情報をやり取りすることができる。また、情報処理装置16、36が無線通信機能を有する場合、情報処理装置16、36は、この無線通信機能を利用して相互に情報をやり取りすることができる。さらに、情報処理装置16、36が、電力線2と異なる図1の破線で示された通信ケーブルで接続されている場合、情報処理装置16、36は、この通信ケーブルを利用して相互に情報をやり取りすることができる。
【0055】
但し、情報処理装置16、36が相互に情報をやり取りするための通信機能を有しない場合、図2に示すように、外部の無線端末4、5を利用して情報のやり取りを実現することができる。図2の例では、情報処理装置16が無線端末4に接続され、情報処理装置36が無線端末5に接続され、無線端末4、5を介して情報処理装置16、36間における情報のやり取りが実現されている。
【0056】
このような無線端末4、5としては、例えば、携帯電話、携帯情報端末、ノート型PC、携帯型ゲーム機等を例示することができる。また、無線端末4、5に代えて、通信ケーブルを利用して相互に情報をやり取りする有線端末や通信用アダプタ等が利用されてもよい。なお、以下の説明では、電動移動体1、3を接続する電力線2を通じて相互に情報がやり取りされるものとする。この場合、情報は、充放電制御部14、34、接続端子15、35、電力線2を介して伝達される。
【0057】
以上、電動移動体1、3の構成について簡単に説明した。
【0058】
[2−2:情報処理装置16の構成]
次に、電動移動体1、3間でやり取りする電力量をユーザが適切に決められるようにする方法について説明する。この方法に係る処理は、情報処理装置16、36により実現される。そこで、以下では情報処理装置16の機能構成及び動作フローについて説明する。
【0059】
(2−2−1:機能構成)
まず、図3を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置16の機能構成について詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理装置16の機能構成について詳細に説明するための説明図である。なお、情報処理装置36の機能構成は、情報処理装置16の機能構成と実質的に同じであるため、ここでは詳細な説明を省略する。但し、情報処理装置16、36間で異なる機能構成が存在する場合には説明を補足する。
【0060】
図3に示すように、情報処理装置16は、通信部161と、バッテリ残量算出部162と、走行可能距離算出部163と、エリア検索部164と、充電場所検索部165と、記憶部166と、表示部167と、ユーザ入力部168と、を有する。さらに、情報処理装置16は、本人確認部169と、二酸化炭素量算出部170と、料金計算部171と、を有する。また、情報処理装置16は、生体認証センサ(非図示)を搭載していてもよい。さらに、バッテリ残量算出部162、走行可能距離算出部163、エリア検索部164、充電場所検索部165、及び記憶部166は、演算部160を構成する。
【0061】
電動移動体1、3間で電力のやり取りが行われる際、図1、図2に示したように電力線2が電動移動体1の接続端子15及び電動移動体3の接続端子35に接続される。接続端子15に電力線2が接続されると、充放電制御部14は、その接続を検知し、電力線2が接続端子15に接続された旨(以下、接続通知)を情報処理装置16に通知する。同様に、接続端子35に電力線2が接続されると、充放電制御部34は、その接続を検知し、接続通知を情報処理装置36に入力する。
【0062】
その後、電動移動体1、3の間で後述する相互認証が実施される。なお、この相互認証は、充放電制御部14、34が実施してもよいし、情報処理装置16、36が実施してもよい。以下の説明では、情報処理装置16、36が相互認証を実施するものとする。この相互認証が成功すると、上記の接続通知は、バッテリ残量算出部162に入力される。接続通知が入力されたバッテリ残量算出部162は、充放電制御部14からバッテリ11のバッテリ残量(以下、放電前バッテリ残量)を取得する。放電前バッテリ残量を取得したバッテリ残量算出部162は、取得した放電前バッテリ残量を表示部167に表示する。さらに、バッテリ残量算出部162は、放電前バッテリ残量を走行可能距離算出部163に入力する。
【0063】
放電前バッテリ残量が入力された走行可能距離算出部163は、入力された放電前バッテリ残量に基づいて電動移動体1の現時点における走行可能距離(以下、放電前走行可能距離)を算出する。例えば、走行可能距離算出部163は、予め保持している電動移動体1の燃費(単位電力当たりの平均的な走行可能距離)情報に基づいて放電前走行可能距離を算出する。放電前走行可能距離を算出した走行可能距離算出部163は、算出した放電前走行可能距離を表示部167に表示する。さらに、走行可能距離算出部163は、算出した放電前走行可能距離をエリア検索部164に入力する。なお、走行可能距離算出部163は、算出した放電前走行可能距離と予め保持している電動移動体1の平均走行速度から走行可能時間を算出し、その走行可能時間を表示部167に表示してもよい。
【0064】
放電前走行可能距離が入力されたエリア検索部164は、入力された放電前走行可能距離に基づいて電動移動体1の放電前バッテリ残量で到達可能なエリアを検索する。例えば、エリア検索部164は、到達可能なエリアとして、現在地を中心、走行可能距離を半径とする円内のエリアを地図上で検索する。このとき、エリア検索部164は、記憶部166に予め記録されている地図の情報、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上の地図サーバ等から取得された地図の情報を利用する。
【0065】
但し、より詳細な地図の情報が取得できる場合、エリア検索部164は、現在地を基準に通行可能な道路に沿って放電前走行可能距離だけ進んだ場合に到達可能なエリアを検索する。このとき、地図の情報として、道路の属性(例えば、道幅、一方通行、制限速度、通行止め、通学路等)が取得できる場合、エリア検索部164は、道路の属性を考慮して電動移動体1が到達可能なエリアを検索する。なお、現在地と走行可能な距離を入力することで、到達可能なエリアを検索可能な検索エンジン(検索サーバ)が広域ネットワーク6上に存在する場合、エリア検索部164は、その検索エンジンを利用して電動移動体1が到達可能なエリアを検索してもよい。
【0066】
エリア検索部164による検索で得た電動移動体1の到達可能なエリア(以下、放電前到達可能エリア)は、エリア検索部164により表示部167に表示される。また、エリア検索部164は、電動移動体1の放電前到達可能エリアを充電場所検索部165に入力する。電動移動体1の放電前到達可能エリアを入力された充電場所検索部165は、入力された放電前到達可能エリアに含まれる充電場所を検索する。このとき、充電場所検索部165は、記憶部166に予め記録されている地図の情報、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上の地図サーバ等から取得された地図の情報を利用する。
【0067】
また、現在地と走行可能な距離を入力することで、到達可能なエリア内に存在する充電場所を検索可能な検索エンジン(検索サーバ)が広域ネットワーク6上に存在する場合、充電場所検索部165は、その検索エンジンを利用して充電場所を検索してもよい。充電場所検索部165による検索で得た充電場所(以下、放電前充電場所)は、充電場所検索部165により表示部167に表示される。
【0068】
このように、電力線2が接続され、相互認証が成功した後、表示部167には、現時点における電動移動体1のバッテリ残量、走行可能距離(時間)、到達可能エリア、到達可能エリア内の充電場所、に関する情報(以下、放電前情報)が表示される。もちろん、ここで表示される情報には、電動移動体1において期初から設定されていた目的地の情報や周辺情報(例えば、レストラン、コンビニ、駐車場等の情報)等が含まれていても一向にかまわない(以下、同様)。これらの放電前情報は、電動移動体1が電動移動体3へと電力の供給を開始する前における電動移動体1の状態を示す情報である。なお、この電動移動体1の放電前情報の一部もしくは全部、或いは放電前情報を生成するのに必要な情報は、通信部161を介して電動移動体3へ送られ、必要に応じて放電前情報の生成処理を行った後、情報処理装置36内の表示部(非図示)に表示されるようにしてもよい。
【0069】
次に、本人確認部169は、ユーザに対して本人確認を行う。例えば、本人確認部169は、ユーザに対してパスワードの入力を求める。ユーザによりパスワードが入力されると、本人確認部169は、予め登録されていたパスワードと、入力されたパスワードとを照合して本人確認を行う。また、情報処理装置16に指紋、指静脈、網膜等(以下、生体部位)の情報を読み取る生体認証センサが搭載又は接続されている場合、本人確認部169は、ユーザに対して生体部位を生体認証センサに読み取らせるように求める。ユーザの生体部位が生体認証センサにより読み取られると、本人確認部169は、読み取られた生体部位の情報と、予め登録されていた生体部位の情報とを照合して本人確認を行う。
【0070】
本人確認が失敗した場合、本人確認部169は、本人確認が失敗したことを充放電制御部14に通知すると共に表示部167に警告(又はエラー表示)を表示する。一方、本人確認が成功した場合、本人確認部169は、本人確認が成功したことを充放電制御部14に通知する。また、本人確認部169は、ユーザに対して放電量の入力を要求する。この要求を受けたユーザは、ユーザ入力部168を利用して放電量を入力する。ユーザ入力部168を利用して放電量が入力されると、その放電量は、バッテリ残量算出部162及び充放電制御部14に入力される。なお、この放電量は、通信部161を介して電動移動体3の情報処理装置36に入力されてもよい。
【0071】
放電量が入力されたバッテリ残量算出部162は、現時点のバッテリ残量(放電前バッテリ残量)から放電量を差し引いた放電後のバッテリ残量(以下、放電後バッテリ残量)を算出する。そして、バッテリ残量算出部162は、放電後バッテリ残量を表示部167に表示する。さらに、バッテリ残量算出部162は、放電後バッテリ残量を走行可能距離算出部163に入力する。
【0072】
放電後バッテリ残量が入力された走行可能距離算出部163は、入力された放電後バッテリ残量に基づいて電動移動体1の放電後における走行可能距離(以下、放電後走行可能距離)を算出する。例えば、走行可能距離算出部163は、予め保持している電動移動体1の燃費情報に基づいて放電後走行可能距離を算出する。放電後走行可能距離を算出した走行可能距離算出部163は、算出した放電後走行可能距離を表示部167に表示する。さらに、走行可能距離算出部163は、算出した放電後走行可能距離をエリア検索部164に入力する。なお、走行可能距離算出部163は、算出した放電後走行可能距離から走行可能時間を算出し、その走行可能時間を表示部167に表示してもよい。
【0073】
放電後走行可能距離が入力されたエリア検索部164は、入力された放電後走行可能距離に基づいて電動移動体1の放電後バッテリ残量で到達可能なエリアを検索する。例えば、エリア検索部164は、到達可能なエリアとして、現在地を中心、放電後走行可能距離を半径とする円内のエリアを地図上で検索する。このとき、エリア検索部164は、記憶部166に予め記録されている地図の情報、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上の地図サーバ等から取得された地図の情報を利用する。
【0074】
但し、より詳細な地図の情報が取得できる場合、エリア検索部164は、現在地を基準に通行可能な道路に沿って放電後走行可能距離だけ進んだ場合に到達可能なエリアを検索する。このとき、地図の情報として、道路の属性が取得できる場合、エリア検索部164は、道路の属性を考慮して電動移動体1が到達可能なエリアを検索する。なお、現在地と走行可能な距離を入力することで、到達可能なエリアを検索可能な検索エンジン(検索サーバ)が広域ネットワーク6上に存在する場合、エリア検索部164は、その検索エンジンを利用して電動移動体1が到達可能なエリアを検索してもよい。
【0075】
エリア検索部164による検索で得た電動移動体1の到達可能なエリア(以下、放電後到達可能エリア)は、エリア検索部164により表示部167に表示される。また、エリア検索部164は、電動移動体1の放電後到達可能エリアを充電場所検索部165に入力する。電動移動体1の放電後到達可能エリアを入力された充電場所検索部165は、入力されたエリアに含まれる充電場所を検索する。このとき、充電場所検索部165は、記憶部166に予め記録されている地図の情報、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上の地図サーバ等から取得された地図の情報を利用する。
【0076】
また、現在地と走行可能な距離を入力することで、到達可能なエリア内に存在する充電場所を検索可能な検索エンジン(検索サーバ)が広域ネットワーク6上に存在する場合、充電場所検索部165は、その検索エンジンを利用して充電場所を検索してもよい。充電場所検索部165による検索で得た充電場所(以下、放電後充電場所)は、充電場所検索部165により表示部167に表示される。
【0077】
このように、本人確認が成功した後、表示部167には、放電後における電動移動体1のバッテリ残量、走行可能距離(時間)、到達可能エリア、到達可能エリア内の充電場所、に関する情報(以下、放電後情報)が表示される。この放電後情報は、電動移動体1が電動移動体3へと電力の供給を完了した後における電動移動体1の状態を示す情報である。なお、この電動移動体1の放電後情報の一部もしくは全部、或いは放電後情報を生成するのに必要な情報は、通信部161を介して電動移動体3へ送られ、必要に応じて放電後情報の生成処理を行った後、情報処理装置36内の表示部(非図示)に表示されるようにしてもよい。
【0078】
この段階で、表示部167には、放電前情報、及び放電後情報が表示される。また、表示部167は、放電を開始するか否かをユーザに選択させるメッセージを表示する。このメッセージを受けたユーザは、ユーザ入力部168を利用して放電の開始又は中止を指示する。放電の開始が指示された場合、ユーザ入力部168は、放電の開始を通知する制御信号(以下、放電開始信号)を充放電制御部14に入力する。放電開始信号が入力された充放電制御部14は、予め入力された放電量の電力をバッテリ11から出力する。出力された電力は、接続端子15、電力線2を介して電動移動体3に供給される。
【0079】
電力の供給が完了すると、充放電制御部14は、二酸化炭素量算出部170、料金計算部171に対して放電量を入力する。放電量が入力された二酸化炭素量算出部170は、入力された放電量の電力を発生させるために要した二酸化炭素量を算出する。そして、二酸化炭素量算出部170は、算出した二酸化炭素量を表示部167に表示する。一方、放電量が入力された料金計算部171は、入力された放電量の電力に相当する電気料金を算出する。そして、料金計算部171は、算出した電気料金を表示部167に表示する。なお、料金計算部171は、入力された放電量の電力に課せられる課税額も算出し、電気料金とは別に表示部167に表示してもよい。
【0080】
なお、上記方式では本人認証を先に行ってから放電前後情報の表示を行っているが、予め放電前後情報の表示を行ってユーザに状況確認を行わせた後、ユーザがユーザ入力部168により放電開始の指示を行った場合にのみ本人認証を行うようにし、この本人確認に成功した後に放電処理を行うようにしてもよい。
【0081】
以上、本実施形態に係る情報処理装置16の機能構成について説明した。なお、上記の説明においては、電動移動体1の放電前情報及び放電後情報をユーザに提示する構成が例示された。しかし、電動移動体1の放電前情報及び放電後情報に加え、電動移動体3の放電前情報及び放電後情報をユーザに提示する構成にしてもよい。このような構成にすることで、電動移動体1、3の状態を考慮した適切な放電量の決定が可能になる。
【0082】
この場合、情報処理装置16は、電動移動体3からバッテリ31のバッテリ残量を取得する必要がある。また、電動移動体1の放電は電動移動体3の充電に相当するため、充放電後のバッテリ残量の算出方法が電動移動体1、3で異なる。しかし、これらの点に注意することで、電動移動体3の放電前情報及び放電後情報は、電動移動体1の放電前情報及び放電後情報と同様にして得られる。なお、このような変形例については後述する。
【0083】
(2−2−2:放電時の動作フロー)
次に、図4、図5を参照しながら、本実施形態に係る放電時における情報処理装置16の動作フローについて説明する。この中で、図6〜図11を参照しながら、放電時における情報処理装置16の動作フローの中で表示される画面の具体例について説明する。図4、図5は、本実施形態に係る放電時における情報処理装置16の動作フローについて説明するための説明図である。また、図6〜図11は、放電時における情報処理装置16の動作フローの中で表示される画面の具体例について説明するための説明図である。
【0084】
図4に示すように、まず、接続端子15に電力線2が接続され(S101)、充放電制御部14により接続が検知されると(S102)、情報処理装置16、36は、相互認証を実施する(S103)。この相互認証の処理フローについては後述する。相互認証が成功すると、情報処理装置16は、充放電制御部14から現在のバッテリ残量を取得し、走行可能距離算出部163の機能を利用して現在の走行可能距離(放電前走行可能距離)を算出する(S104)。このとき、情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して、放電前走行可能距離から走行可能時間を算出してもよい。
【0085】
次いで、情報処理装置16は、エリア検索部164の機能を利用して、算出した放電前走行可能距離から現在の走行可能エリア(放電前到達可能エリア)を検索する(S105)。このとき、情報処理装置16は、記憶部166に予め記録された地図の情報を利用したり、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上にある地図サーバや検索サーバ等の情報源を利用したりして放電前到達可能エリアを検索する。
【0086】
放電前到達可能エリアを検出した情報処理装置16は、充電場所検索部165の機能を利用して、検出した放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検索する(S106)。このとき、情報処理装置16は、記憶部166に予め記録された地図の情報を利用したり、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上にある地図サーバや検索サーバ等の情報源を利用したりして放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検索する。
【0087】
放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検出した情報処理装置16は、現在地を基準とする地図、現在地、放電前走行可能距離(走行可能時間)、放電前バッテリ残量、放電前到達可能エリア、その放電前到達可能エリア内に存在する充電場所等を表示部167に表示する(S107)。このとき、表示部167には、図6に例示した画面構成で地図、現在地、放電前走行可能距離、放電前バッテリ残量、放電前到達可能エリア、充電場所等が表示される。ここで、図6に例示した表示構成について簡単に説明する。なお、図6は、表示部167に表示される表示内容の一例を示す説明図である。
【0088】
図6に示すように、情報処理装置16は、現在地を含む地図を表示部167に表示する。なお、表示する地図の範囲は、現在地が中心となるように決められてもよいし、現在地と最寄りの充電場所を含む範囲に決められてもよい。また、情報処理装置16は、放電前到達可能エリアを表示部167に表示する。図6の例では、ハッチングが施された範囲が放電前到達可能エリアである。なお、実際にはハッチングに代えて色彩を利用したり、点滅表示を利用したりしてユーザに分かりやすい表示にする方が好ましい。
【0089】
また、図6の例では、道路の属性を考慮した放電前到達可能エリアが表示されている。つまり、情報処理装置16は、現在地を出発点として電動移動体1が走行可能な道路を基準に、電動移動体1が放電前走行可能距離だけ移動できる場合に到達可能な範囲を放電前到達可能エリアとして表示している。例えば、現在地を出発点とした場合に一方通行の逆走となる道路は、一方通行の順走にて到達可能とならない限り放電前到達可能エリアに含まれない。また、通学路やバス専用道路のように時間帯に応じて通行禁止となるような道路が存在する場合、その通行禁止時間帯において、情報処理装置16は、その道路を放電前到達可能エリアに含めないように表示する。
【0090】
また、図6の例では、満充電時を100パーセントとするパーセント表記で放電前バッテリ残量が表示されている。しかし、放電前バッテリ残量の表示方法は、これに限定されない。例えば、放電前バッテリ残量をワット(W)、ワット時(Wh)、ジュール(J)、カロリー(cal)等の単位で表記してもよい。また、放電前バッテリ残量を数値で表記せず、バーの長さで残量の多少を表現するバー表示、円グラフに占める面積で残量の多少を表現する円グラフ表示、指針の位置で残量の多少を表現する指針表示等を利用して放電前バッテリ残量を表現してもよい。また、ここで表示される放電前バッテリ残量は、厳密な残量を示すものでなくてもよい。例えば、「多い」「少ない」の2段階、或いは、3〜10段階程度の段階表示で残量の多少を表現するものであってもよい。
【0091】
また、図6の例では、放電前走行可能距離が表示部167に表示されている。さらに、図6の例では、放電前走行可能距離に対応する走行可能時間が表示されている。なお、ここで表示される放電前走行可能距離及びこれに対応する走行可能時間は、例えば、所定の走行パターン(例えば、10・15モード燃費やJC08モード燃費の算出基準となる走行パターン等)で電動移動体1が走行した場合に得られる数値である。但し、ここで表示される放電前走行可能距離及びこれに対応する走行可能時間の算出方法は、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。この場合、ユーザは、走行パターンを一定速度の平地走行とし、その一定速度を時速30kmとした場合の放電前走行可能距離及びこれに対応する走行可能時間が表示されるように設定できるようになる。
【0092】
また、図6の例では、地図上にある充電場所(#1〜#4)の情報がテキスト情報として表示されている。このテキスト情報の中では、放電前到達可能エリア内にある充電場所をユーザが判別できるように、放電前到達可能エリア外にある充電場所の情報に取消線が付されている。なお、放電前到達可能エリア内にある充電場所のテキスト情報と放電前到達可能エリア外にある充電場所のテキスト情報を異なる色彩で表現してもよい。さらに、放電前到達可能エリア外にある充電場所のテキスト情報を現在地からの距離に応じて異なる色彩になるように表現してもよい。また、放電前到達可能エリア外にある充電場所のテキスト情報は表示しなくてもよい。
【0093】
また、図6の例では、充電場所(#1〜#4)を示すオブジェクトが地図上に表示されている。この例では全てのオブジェクトが同じ形状であるが、例えば、放電前到達可能エリア内にある充電場所のオブジェクトと放電前到達可能エリア外にある充電場所のオブジェクトを異なる色彩や形状で表現してもよい。さらに、放電前到達可能エリア内にある充電場所のオブジェクトを点滅させたり、放電前到達可能エリア外にある充電場所のオブジェクトを半透明に表示させたりしてもよい。このような表現を用いることにより、ユーザが放電前到達可能エリア内にある充電場所を容易に認識することができるようになる。
【0094】
以上、ステップS107における表示方法について具体的に説明した。なお、図6の例では、放電前バッテリ残量、放電前走行可能距離、走行可能時間、到達可能エリア内の充電場所を示すテキスト情報が表示されているが、これらのテキスト情報の表示は、一部又は全部が適宜省略されてもよい。一方、地図上に表示された現在地、放電前到達可能エリア、及び充電場所のオブジェクト等は、常に表示される方が好ましい。
【0095】
ここで再び図4を参照する。ステップS107の表示処理が完了し、ステップS108へと処理を進めた情報処理装置16は、本人確認部169の機能を利用して、ユーザに対する本人確認を実施する(S108)。このとき、情報処理装置16は、図6に示すように、ユーザに対してパスワードの入力を促したり、生体認証センサに生体部位を読み取らせるように促す。パスワード又は生体情報が入力された情報処理装置16は、予め登録されたパスワード又は生体情報と、入力されたパスワード又は生体情報を照合し、パスワード又は生体情報を入力したユーザが正しいユーザ(以下、登録ユーザ)であることを確認する。
【0096】
ステップS108の本人認証により登録ユーザ本人であることが確認された場合、情報処理装置16は、処理をステップS111(図5)へと進める(S109)。一方、ステップS108の本人認証により登録ユーザ本人であることが確認されなかった場合、情報処理装置16は、処理をステップS110に進める(S109)。ステップS110へと処理を進めた情報処理装置16は、本人確認が失敗したことを示すエラー(又は警告)を表示部167に表示し(S110)、放電時の処理に係る一連の動作を終了する。
【0097】
一方、ステップS111(図5を参照)へと処理を進めた情報処理装置16は、ユーザに対して放電量に関する情報の入力を促す(S111)。ここで、ユーザは、所望の放電量を入力する。但し、放電量の入力は、必ずしも数値入力(図9を参照)に限らない。例えば、情報処理装置16は、図7、図8に示すように、放電後に電動移動体1が少なくとも到達可能な充電場所を指定することで放電量が入力されるように構成されていてもよい。なお、図7、図8の例では、ユーザ入力部168がタッチパネルである場合を想定している。もちろん、タッチパネル以外の入力デバイスを利用して充電場所を指定できるようにしてもよい。
【0098】
ここで、図7、図8を参照しながら、充電場所を指定する放電量の入力方法(以下、充電場所指定入力)について説明する。先に述べた通り、ユーザが適切な放電量を入力するのは難しい。もちろん、本実施形態に係る情報処理装置16は、ステップS107において各種の放電前情報を表示しているため、これを参考にユーザが適切な放電量を決めることは可能である。しかし、所望の放電量を差し引いた後のバッテリ残量で電動移動体1がどの程度走行可能なのか、或いは、そのバッテリ残量で電動移動体1がどこまで到達可能なのかをユーザ自身が考える必要がある。そのため、現実的には、より直感的に適切な放電量を決める方法が望まれる。そこで考案したのが充電場所指定入力である。
【0099】
充電場所指定入力の場合、ユーザは、放電後に電動移動体1が到達できるようにしたい充電場所を指定するだけでよい。図7の例では、地図上に表示された充電場所のオブジェクトをタッチするだけでユーザの入力操作は完了する。但し、電動移動体1は放電側であるため、ユーザは、放電前到達可能エリア内にある充電場所のオブジェクトをタッチする必要がある。そのため、情報処理装置16は、放電前到達可能エリア外にある充電場所のオブジェクトがタッチされても、その充電場所が指定されないようにする。また、図8の例では、充電場所のテキスト情報をタッチするだけでユーザの入力操作は完了する。
【0100】
ユーザにより充電場所が指定されると、情報処理装置16は、バッテリ残量算出部162の機能を利用して、指定された充電場所まで電動移動体1が到達するために必要な電力量を算出する。次いで、情報処理装置16は、算出した電力量を放電前バッテリ残量から差し引いて最大の放電量を算出する。最大の放電量を算出した情報処理装置16は、最大の放電量から所定の電力量(以下、電力量マージン)を差し引いて放電量を算出する。
【0101】
ここで電力量マージンを差し引く理由は、現在地から指定された充電場所までの道路状況や走行パターンが想定している道路状況や走行パターンと異なることで電動移動体1が放電後に充電場所まで到達できなくなるのを防止することにある。なお、電力量マージンは、ユーザが任意に設定できるようにしてもよいし、ユーザの平均的な走行パターンや地図の情報から取得される道路状況等を考慮して情報処理装置16が自動的に設定するようにしてもよい。
【0102】
以上、ステップS111における放電量に関する情報の入力方法について説明した。なお、放電量に関する情報の入力方法は、これに限定されない。例えば、放電量に関する情報の入力方法は、図9に示すようにユーザが直接数値を入力するような方法でもよいし、図10に示すようにバー表示により放電量を指定するような方法でもよい。図10に例示したバー表示の場合、放電量のバーにカーソルを合わせて長さを伸縮させることで放電量を指定することができる。もちろん、タッチパネルを利用できる場合には、放電量のバーを指等で伸縮させることにより放電量を指定することができる。
【0103】
ここで再び図5を参照する。ステップS111においてユーザにより放電量に関する情報が入力され、放電量の指定を受けた情報処理装置16は、バッテリ残量算出部162の機能を利用して放電後のバッテリ残量(放電後バッテリ残量)を算出する(S112)。なお、放電後バッテリ残量は、放電前バッテリ残量から放電量を差し引くことで得られる。放電後バッテリ残量を算出した情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して、電動移動体1が放電後に走行可能な距離(放電後走行可能距離)を算出する(S113)。なお、情報処理装置16は、放電後走行可能距離に対応する走行可能時間を算出してもよい。
【0104】
放電後走行可能距離を算出した情報処理装置16は、エリア検索部164の機能を利用して、放電後に電動移動体1が到達可能なエリア(放電後到達可能エリア)を検索する(S114)。放電後到達可能エリアを検出した情報処理装置16は、充電場所検索部165の機能を利用して、放電後到達可能エリア内にある充電場所を検索する(S115)。なお、放電後走行可能距離の算出方法、放電後到達可能エリア及び放電後到達可能エリア内にある充電場所の検索方法は、放電前走行可能距離の算出方法、放電前到達可能エリア及び放電前到達可能エリア内にある充電場所の検索方法と同様である。
【0105】
放電後到達可能エリア内に存在する充電場所を検出した情報処理装置16は、現在地を基準とする地図、現在地、放電後走行可能距離(走行可能時間)、放電後バッテリ残量、放電後到達可能エリア、その放電後到達可能エリア内に存在する充電場所等を表示部167に表示する(S116)。このとき、表示部167には、例えば、図11に示した画面構成で地図、現在地、放電後走行可能距離、放電後バッテリ残量、放電後到達可能エリア、充電場所等が表示される。但し、表示部167には、放電前走行可能距離、放電前バッテリ残量、放電前到達可能エリア等が併せて表示される。このように、放電前情報と放電後情報が併せて表示されることにより、放電前後における電動移動体1の状況が容易に把握できるようになる。
【0106】
ここで、図11に例示した表示構成について簡単に説明する。なお、図11は、表示部167に表示される表示内容の一例を示す説明図である。なお、図11に例示した表示構成は、図6に示した放電前情報の表示構成に、放電後情報を追加したものである。従って、図6と重複する部分に関する詳細な説明は省略する。
【0107】
図11に示すように、情報処理装置16は、テキスト情報として、放電前情報と放電後情報を並べて表示する。放電前情報は、図6に例示したものと同じである。一方、放電後情報は、上記のステップS112〜S115にて得られた放電後バッテリ残量、放電後走行可能距離、放電後走行可能距離に対応する走行可能時間、放電後到達可能エリア内にある充電場所の情報である。一方、地図上には、図6に示した放電前情報に加え、放電後到達可能エリアが濃いハッチングで表示されている。なお、実際にはハッチングに代えて色彩を利用したり、点滅表示を利用したりしてユーザに分かりやすい表示にする方が好ましい。特に、放電前到達可能エリアと放電後到達可能エリアが容易に区別できるような表示が望まれる。
【0108】
また、図11の例では、充電場所(#1〜#4)を示す同じ形状のオブジェクトが地図上に表示されている。この例では全てのオブジェクトが同じ形状であるが、例えば、放電前到達可能エリア内にある充電場所のオブジェクトと放電後到達可能エリア内にある充電場所のオブジェクトを異なる色彩や形状で表現してもよい。さらに、放電後到達可能エリア内にある充電場所のオブジェクトを点滅させたり、放電前到達可能エリア外及び放電後到達可能エリア外にある充電場所のオブジェクトを半透明に表示させたりしてもよい。このような表現を用いることにより、ユーザが放電前到達可能エリアと放電後到達可能エリアの違いを容易に認識できるようになると共に、放電後に電動移動体1がどの充電場所まで到達できるかを容易に知ることができるようになる。
【0109】
以上、ステップS116における表示方法について具体的に説明した。なお、図11の例では、放電前バッテリ残量、放電前走行可能距離、走行可能時間、放電前到達可能エリア内の充電場所、放電後バッテリ残量、放電後走行可能距離、走行可能時間、放電後到達可能エリア内の充電場所を示すテキスト情報が表示されているが、これらのテキスト情報の表示は、一部又は全部が適宜省略されてもよい。一方、地図上に表示された現在地、放電前到達可能エリア、放電後到達可能エリア、及び充電場所のオブジェクト等は、常に表示される方が好ましい。
【0110】
ここで再び図5を参照する。ステップS116の表示処理が完了し、ステップS117へと処理を進めた情報処理装置16は、図11に示すように、ユーザに対して放電の実行を促す(S117)。ここでユーザにより放電の実行操作が行われた場合、情報処理装置16は、処理をステップS118へと進める。一方、ユーザにより放電の実行操作が行われなかった場合、情報処理装置16は、処理をステップS111へと戻し、ステップS111以降の処理を再び実行する。ステップS118へと処理を進めた情報処理装置16は、充放電制御部14を制御して、ステップS111で指定された放電量の電力をバッテリ11から放電する(S118)。
【0111】
このようにして放電された電力は、電力線2を通じて電動移動体3に供給され、電動移動体3のバッテリ31に充電される。
【0112】
以上、放電時における情報処理装置16の動作フローについて詳細に説明した。上記説明においては、電動移動体1を放電側、電動移動体3を充電側とし、放電側の情報処理装置16により放電量の指定や放電の実行操作が行われる構成について説明した。但し、表示部167に表示される表示内容を充電側に表示したり、放電量の指定や放電の実行操作を充電側で行うように変形することも可能である。また、情報処理装置16にて実行される演算処理や通信処理を情報処理装置36にて実行するように変形することもできる。さらに、本人確認処理ステップS108から放電時動作終了までのフローを、ステップS117の後に移動し、本人確認処理ステップS109に成功した時のみ、実際の放電処理ステップS118を実行するように変更してもよい。また、これらの演算処理や通信処理を広域ネットワーク6に接続された外部のサーバにより実行させるように変形してもよい。こうした変形例についても当然に本実施形態の技術的範囲に属する。
【0113】
[2−4:変形例1(双方の情報表示)]
こうした変形例の1つとして、放電側、充電側の双方に関する情報を表示する構成について説明する。つまり、ここで説明する変形例(以下、変形例1)は、電動移動体1が放電する前に、電動移動体1の放電前情報及び放電後情報、電動移動体3の放電前情報及び放電後情報をユーザに提示する構成に関する。なお、以下の説明において、充電側である電動移動体3の各種情報についても、放電前情報及び放電後情報等と表記する。つまり、以下の説明で用いる「放電前」「放電後」という表記は、電動移動体1が放電する前、又は放電した後の時間的なタイミングを意味する。
【0114】
(2−4−1:放電時の動作フロー)
以下、図12〜図15を参照しながら、変形例1に係る放電時における情報処理装置16の動作フローについて説明する。この中で、図16〜図21を参照しながら、放電時における情報処理装置16の動作フローの中で表示される画面の具体例について説明する。図12〜図15は、変形例1に係る放電時における情報処理装置16の動作フローについて説明するための説明図である。また、図16〜図21は、放電時における情報処理装置16の動作フローの中で表示される画面の具体例について説明するための説明図である。
【0115】
図12に示すように、まず、接続端子15に電力線2が接続され(S201)、充放電制御部14により接続が検知されると(S202)、情報処理装置16、36は、相互認証を実施する(S203)。この相互認証の処理フローについては後述する。相互認証が成功すると、情報処理装置16は、充放電制御部14から現在のバッテリ残量を取得し、走行可能距離算出部163の機能を利用して現在の走行可能距離(放電前走行可能距離)を算出する(S204)。このとき、情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して、放電前走行可能距離から走行可能時間を算出してもよい。
【0116】
次いで、情報処理装置16は、エリア検索部164の機能を利用して、算出した放電前走行可能距離から現在の走行可能エリア(放電前到達可能エリア)を検索する(S205)。このとき、情報処理装置16は、記憶部166に予め記録された地図の情報を利用したり、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上にある地図サーバや検索サーバ等の情報源を利用したりして放電前到達可能エリアを検索する。
【0117】
放電前到達可能エリアを検出した情報処理装置16は、充電場所検索部165の機能を利用して、検出した放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検索する(S206)。このとき、情報処理装置16は、記憶部166に予め記録された地図の情報を利用したり、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上にある地図サーバや検索サーバ等の情報源を利用したりして放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検索する。
【0118】
放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検出した情報処理装置16は、現在地を基準とする地図、現在地、放電前走行可能距離(走行可能時間)、放電前バッテリ残量、放電前到達可能エリア、その放電前到達可能エリア内に存在する充電場所等を表示部167に表示する(S207)。このとき、表示部167には、図16の左側に例示した画面構成で地図、現在地、放電前走行可能距離、放電前バッテリ残量、放電前到達可能エリア、充電場所等が表示される。なお、図16の左側に示した画面構成は、図6に示した画面構成と実質的に同じである。
【0119】
ステップS207の表示処理が完了し、ステップS208へと処理を進めた情報処理装置16は、本人確認部169の機能を利用して、ユーザに対する本人確認を実施する(S208)。このとき、情報処理装置16は、ユーザに対してパスワードの入力を促したり、生体認証センサに生体部位を読み取らせるように促す。パスワード又は生体情報が入力された情報処理装置16は、予め登録されたパスワード又は生体情報と、入力されたパスワード又は生体情報を照合し、パスワード又は生体情報を入力したユーザが正しいユーザ(登録ユーザ)であることを確認する。
【0120】
ステップS208の本人認証により登録ユーザ本人であることが確認された場合、情報処理装置16は、処理をステップS211(図15)へと進める(S209)。一方、ステップS208の本人認証により登録ユーザ本人であることが確認されなかった場合、情報処理装置16は、処理をステップS210に進める(S209)。ステップS210へと処理を進めた情報処理装置16は、本人確認が失敗したことを示すエラー(又は警告)を表示部167に表示し(S210)、放電時の処理に係る一連の動作を終了する。
【0121】
一方、ステップS211(図15を参照)へと処理を進めた情報処理装置16は、電動移動体3の充放電制御部34又は情報処理装置36からバッテリ31の放電前バッテリ残量を取得する(S211)。電動移動体3の放電前バッテリ残量を取得した情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して電動移動体3の放電前走行可能距離を算出する(S212)。このとき、情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して、放電前走行可能距離から走行可能時間を算出してもよい。
【0122】
なお、ここで表示される放電前走行可能距離及びこれに対応する走行可能時間は、例えば、所定の走行パターン(例えば、10・15モード燃費やJC08モード燃費の算出基準となる走行パターン等)で電動移動体3が走行した場合に得られる数値である。従って、放電前走行可能距離及びこれに対応する走行可能時間を計算するのに必要な数値を、電動移動体3からステップS211で受け取るようにしておく。また、このような計算を情報処理装置16で行うのではなく、情報処理装置36側で行わせてステップS211で受け取るようにしてもよい。一方、ここで表示される放電前走行可能距離及びこれに対応する走行可能時間の算出方法を、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。この場合、ユーザは、走行パターンを一定速度の平地走行とし、その一定速度を時速30kmとした場合の放電前走行可能距離及びこれに対応する走行可能時間が表示されるように設定できるようになる。
【0123】
次いで、情報処理装置16は、エリア検索部164の機能を利用して、算出した放電前走行可能距離から電動移動体3の放電前到達可能エリアを検索する(S213)。このとき、情報処理装置16は、記憶部166に予め記録された地図の情報を利用したり、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上にある地図サーバや検索サーバ等の情報源を利用したりして放電前到達可能エリアを検索する。
【0124】
電動移動体3の放電前到達可能エリアを検出した情報処理装置16は、充電場所検索部165の機能を利用して、検出した放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検索する(S214)。このとき、情報処理装置16は、記憶部166に予め記録された地図の情報を利用したり、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上にある地図サーバや検索サーバ等の情報源を利用したりして電動移動体3の放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検索する。
【0125】
電動移動体3の放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検出した情報処理装置16は、現在地を基準とする地図、現在地、電動移動体3の放電前走行可能距離(走行可能時間)、放電前バッテリ残量、放電前到達可能エリア、その放電前到達可能エリア内に存在する充電場所等を表示部167に表示する(S215)。このとき、表示部167には、図16の右側に例示した画面構成で地図、現在地、電動移動体3の放電前走行可能距離、放電前バッテリ残量、放電前到達可能エリア、充電場所等が表示される。なお、図16の右側に示した画面構成は、図6に示した画面構成と実質的に同じである。
【0126】
ここで、図16、図17を参照しながら、ステップS207、S215における表示方法について説明を補足する。上記の通り、ステップS207、S215の表示処理により、電動移動体1の放電前情報、及び電動移動体3の放電前情報が表示部167に表示される。上記説明においては、図16のように電動移動体1の放電前情報と電動移動体3の放電前情報を並列に表示する方法を例示したが、変形例1に係る放電前情報の表示方法はこれに限定されない。例えば、図17に示すように、地図上に電動移動体1の放電前到達可能エリアと電動移動体3の放電前到達可能エリアを重複して表示してもよい。
【0127】
この場合、電動移動体1の放電前到達可能エリアと電動移動体3の放電前到達可能エリアは、ユーザが容易に区別できるよう、異なる色彩や点滅等を用いて表現される。また、電動移動体1の放電前情報に関するテキスト情報と電動移動体3の充電前情報に関するテキスト情報も、ユーザが容易に区別できるよう、異なる色彩や点滅等を用いて表現される方が好ましい。その場合、テキスト情報自体が異なる表現で表示されてもよいし、図17に示すように、テキスト情報の背景が異なる表現で表示されてもよい。また、地図上に表示される充電場所のオブジェクトについても、電動移動体1の放電前到達可能エリア内にある充電場所と電動移動体3の放電前到達可能エリア内にある充電場所が容易に区別できるように異なる表現で表示される方が好ましい。
【0128】
以上、ステップS207、S215における表示方法について説明を補足した。
【0129】
ここで図14を参照する。ステップS215において表示処理を完了した情報処理装置16は、ユーザに対して放電量に関する情報の入力を促す(S216)。ここで、ユーザは、所望の放電量を入力する。但し、放電量の入力は、必ずしも数値入力に限らない。例えば、情報処理装置16は、図18〜図20に示すように、放電後に電動移動体1が少なくとも到達可能な充電場所、又は電動移動体3が少なくとも到達可能な充電場所を指定することで放電量が入力されるように構成されていてもよい。なお、図18〜図20の例では、ユーザ入力部168がタッチパネルである場合を想定している。もちろん、タッチパネル以外の入力デバイスを利用して充電場所を指定できるようにしてもよい。
【0130】
ここで、図18〜図20を参照しながら、充電場所を指定する放電量の入力方法(充電場所指定入力)について説明する。先に述べた通り、ユーザが適切な放電量を入力するのは難しい。もちろん、変形例1に係る情報処理装置16は、ステップS207、S215において各種の放電前情報を表示しているため、これを参考にユーザが適切な放電量を決めることは可能である。
【0131】
しかし、所望の放電量を差し引いた後のバッテリ残量で電動移動体1がどの程度走行可能なのか、或いは、そのバッテリ残量で電動移動体1がどこまで到達可能なのかをユーザ自身が考える必要がある。これと同時に、所望の放電量を加算した後のバッテリ残量で電動移動体3がどの程度走行可能なのか、或いは、そのバッテリ残量で電動移動体3がどこまで到達可能なのかをユーザ自身が考える必要がある。そのため、現実的には、より直感的に適切な放電量を決める方法が望まれる。そこで考案したのが変形例1に係る充電場所指定入力である。
【0132】
この充電場所指定入力の場合、ユーザは、放電後に電動移動体1又は電動移動体3が到達できるようにしたい充電場所を指定するだけでよい。図18の例では、地図上に表示された充電場所のオブジェクトをタッチするだけでユーザの入力操作は完了する。但し、電動移動体1は放電側であるため、電動移動体1に関する放電前情報をタッチする場合、ユーザは、放電前到達可能エリア内にある充電場所のオブジェクトをタッチする必要がある。そのため、情報処理装置16は、電動移動体1に関する放電前情報について、放電前到達可能エリア外にある充電場所のオブジェクトがタッチされても、その充電場所が指定されないようにする。
【0133】
一方、電動移動体3は充電側であるため、電動移動体3に関する放電前情報をタッチする場合、ユーザは、放電前到達可能エリア外にある充電場所のオブジェクトをタッチする必要がある。そのため、情報処理装置16は、電動移動体3に関する放電前情報について、放電前到達可能エリア内にある充電場所のオブジェクトがタッチされても、その充電場所が指定されないようにする。また、図19の例では、充電場所のテキスト情報をタッチするだけでユーザの入力操作は完了する。さらに、図20の例では、電動移動体1、電動移動体3のいずれかを選択した後(Step.1)、地図上にある充電場所のオブジェクトをタッチ(Step.2)することでユーザの入力操作が完了する。
【0134】
ユーザにより充電場所が指定されると、情報処理装置16は、バッテリ残量算出部162の機能を利用して、指定された充電場所まで電動移動体1又は電動移動体3が到達するために必要な電力量を算出する。電動移動体1の放電前情報から充電場所が指定された場合、情報処理装置16は、算出した電力量を電動移動体1の放電前バッテリ残量から差し引いて最大の放電量を算出する。最大の放電量を算出した情報処理装置16は、最大の放電量から所定の電力量(第1の電力量マージン)を差し引いて放電量を算出する。
【0135】
一方、電動移動体3の放電前情報から充電場所が指定された場合、情報処理装置16は、指定された充電場所まで電動移動体3が到達するために必要な電力量を算出し、この電力量から電動移動体3の放電前バッテリ残量を差し引いて最小の放電量を算出する。最小の放電量を算出した情報処理装置16は、最小の放電量に所定の電力量(第2の電力量マージン)を加算して放電量を算出する。なお、第1及び第2の電力量マージンは異なる値に設定されていてもよい。
【0136】
以上、ステップS216における放電量に関する情報の入力方法について説明した。なお、放電量に関する情報の入力方法は、これに限定されない。例えば、放電量に関する情報の入力方法は、ユーザが直接数値を入力するような方法でもよいし、バー表示により放電量を指定するような方法でもよい。
【0137】
ここで再び図14を参照する。ステップS216においてユーザにより放電量に関する情報が入力され、放電量の指定を受けた情報処理装置16は、バッテリ残量算出部162の機能を利用して電動移動体1の放電後バッテリ残量を算出する(S217)。なお、電動移動体1の放電後バッテリ残量は、電動移動体1の放電前バッテリ残量から放電量を差し引くことで得られる。電動移動体1の放電後バッテリ残量を算出した情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して、電動移動体1の放電後走行可能距離を算出する(S218)。なお、情報処理装置16は、放電後走行可能距離に対応する走行可能時間を算出してもよい。
【0138】
電動移動体1の放電後走行可能距離を算出した情報処理装置16は、エリア検索部164の機能を利用して、電動移動体1の放電後到達可能エリアを検索する(S219)。電動移動体1の放電後到達可能エリアを検出した情報処理装置16は、充電場所検索部165の機能を利用して、電動移動体1の放電後到達可能エリア内にある充電場所を検索する(S220)。なお、放電後走行可能距離の算出方法、放電後到達可能エリア及び放電後到達可能エリア内にある充電場所の検索方法は、放電前走行可能距離の算出方法、放電前到達可能エリア及び放電前到達可能エリア内にある充電場所の検索方法と同様である。
【0139】
電動移動体1の放電後到達可能エリア内に充電場所が存在する場合、情報処理装置16は、処理をステップS222(図15)に進める(S221)。一方、電動移動体1の放電後到達可能エリア内に充電場所が存在しない場合、情報処理装置16は、処理をステップS216に戻し、ステップS216以降の処理を再び実行する(S221)。但し、目的地が放電後到達可能エリア内にある場合には、処理をステップS222に進めるようにしてもよいし、その旨表示して処理をステップS211に進めてよいか確認するようにしてもよい。ステップS222(図15を参照)へと処理を進めた情報処理装置16は、バッテリ残量算出部162の機能を利用して電動移動体3の放電後バッテリ残量を算出する(S222)。なお、電動移動体3の放電後バッテリ残量は、電動移動体3の放電前バッテリ残量に放電量を加算することで得られる。
【0140】
電動移動体3の放電後バッテリ残量を算出した情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して、電動移動体3の放電後走行可能距離を算出する(S223)。なお、情報処理装置16は、放電後走行可能距離に対応する走行可能時間を算出してもよい。電動移動体3の放電後走行可能距離を算出した情報処理装置16は、エリア検索部164の機能を利用して、電動移動体3の放電後到達可能エリアを検索する(S224)。電動移動体3の放電後到達可能エリアを検出した情報処理装置16は、充電場所検索部165の機能を利用して、電動移動体3の放電後到達可能エリア内にある充電場所を検索する(S225)。
【0141】
なお、放電後走行可能距離の算出方法、放電後到達可能エリア及び放電後到達可能エリア内にある充電場所の検索方法は、放電前走行可能距離の算出方法、放電前到達可能エリア及び放電前到達可能エリア内にある充電場所の検索方法と同様である。電動移動体3の放電後到達可能エリア内に存在する充電場所を検出した情報処理装置16は、電動移動体1、3について、現在地を基準とする地図、現在地、放電後走行可能距離(走行可能時間)、放電後バッテリ残量、放電後到達可能エリア、その放電後到達可能エリア内に存在する充電場所等を表示部167に表示する(S226)。
【0142】
このとき、表示部167には、例えば、図21に示した画面構成で地図、現在地、放電後走行可能距離、放電後バッテリ残量、放電後到達可能エリア、充電場所等が表示される。但し、表示部167には、放電前走行可能距離、放電前バッテリ残量、放電前到達可能エリア等が併せて表示される。このように、放電前情報と放電後情報が併せて表示されることにより、放電前後における電動移動体1の状況が容易に把握できるようになる。また、電動移動体1、3の双方について、放電前情報と放電後情報が併せて表示されるため、放電前後における電動移動体1、3の状態を考慮して放電量を指定することが可能になる。
【0143】
ステップS226の表示処理が完了し、ステップS227へと処理を進めた情報処理装置16は、ユーザに対して放電の実行を促す(S227)。ここでユーザにより放電の実行操作が行われた場合、情報処理装置16は、処理をステップS228へと進める。一方、ユーザにより放電の実行操作が行われなかった場合、情報処理装置16は、処理をステップS216(図14)へと戻し、ステップS216以降の処理を再び実行する。ステップS228へと処理を進めた情報処理装置16は、充放電制御部14を制御して、ステップS216で指定された放電量の電力をバッテリ11から放電する(S228)。
【0144】
このようにして放電された電力は、電力線2を通じて電動移動体3に供給され、電動移動体3のバッテリ31に充電される。
【0145】
以上、放電時における情報処理装置16の動作フローについて詳細に説明した。上記説明においては、電動移動体1を放電側、電動移動体3を充電側とし、放電側の情報処理装置16により放電量の指定や放電の実行操作が行われる構成について説明した。但し、表示部167に表示される表示内容を充電側に表示したり、放電量の指定や放電の実行操作を充電側で行うように変形することも可能である。また、情報処理装置16にて実行される演算処理や通信処理を情報処理装置36にて実行するように変形することもできる。さらに、これらの演算処理や通信処理を広域ネットワーク6に接続された外部のサーバにより実行させるように変形してもよい。
【0146】
[2−5:変形例2(充放電側の自動決定)]
これまで、電動移動体1を放電側、電動移動体3を充電側として説明してきた。放電側、充電側の設定は、例えば、ユーザが電動移動体1、3(例えば、接続端子15、35の付近)に設けられた切り替えスイッチを操作して行うようにしてもよい。しかし、多くの場合、バッテリ残量の多い方を放電側、バッテリ残量の少ない方を充電側に設定することになるであろう。そこで、ここではバッテリ残量に応じて放電側、充電側を自動設定する構成について説明する。
【0147】
(2−5−1:充放電側決定時の動作フロー)
例えば、放電側、充電側の自動設定は、図22に示す電動移動体1、3の動作フローに従って行われる。なお、図22の例では、電動移動体1のバッテリ残量が電動移動体3のバッテリ残量よりも多いものとする。
【0148】
図22に示すように、まず、電動移動体1、3は、電力線2により接続される(S301)。次いで、電動移動体1、3は、それぞれ相手のバッテリ残量を取得する(S302)。もちろん、バッテリ残量授受の前に相互認証してもよい。次いで、電動移動体1は、自身のバッテリ残量と相手のバッテリ残量を比較する(S303)。図22の例では、電動移動体1のバッテリ残量が電動移動体3のバッテリ残量よりも多いため、電動移動体1は、自身の属性を放電側に決定する(S304)。同様に、電動移動体3は、自身のバッテリ残量と相手のバッテリ残量を比較する(S305)。図22の例では、電動移動体1のバッテリ残量が電動移動体3のバッテリ残量よりも多いため、電動移動体3は、自身の属性を充電側に決定する(S306)。そして、電動移動体1、3は、それぞれの属性に従い、放電処理を実行する(S307)。
【0149】
以上、放電側、充電側を自動決定する方法について説明した。この方法を適用することにより、ユーザが放電側、充電側を設定する手間が減り、利便性が向上する。但し、放電側、充電側を自動設定するか、手動設定するかは、ユーザにより設定できるようにしておく方が好ましい。
【0150】
[2−6:変形例3(放電量の推薦)]
次に、本実施形態の一変形例(変形例3)として、放電量の推薦値を自動算出する構成について説明する。ここで自動算出される放電量の推薦値は、ユーザが適切な放電量を決める際に参照されたり、実際に利用される放電量として利用されたりする。このように、放電量の推薦値が自動算出されることで、電動移動体1、3が駆動する仕組みや走行性能に詳しくないユーザであっても、容易に適切な放電量を決定することが可能になる。
【0151】
(2−6−1:放電時の動作フロー)
以下、図23〜図27を参照しながら、変形例3に係る放電時における情報処理装置16の動作フローについて説明する。この中で、図28、図29を参照しながら、放電時における情報処理装置16の動作フローの中で表示される画面の具体例について説明する。図23〜図27は、変形例3に係る放電時における情報処理装置16の動作フローについて説明するための説明図である。また、図28、図29は、放電時における情報処理装置16の動作フローの中で表示される画面の具体例について説明するための説明図である。
【0152】
図23に示すように、まず、接続端子15に電力線2が接続され(S301)、充放電制御部14により接続が検知されると(S302)、情報処理装置16、36は、相互認証を実施する(S303)。この相互認証の処理フローについては後述する。相互認証が成功すると、情報処理装置16は、充放電制御部14から現在のバッテリ残量を取得し、走行可能距離算出部163の機能を利用して現在の走行可能距離(放電前走行可能距離)を算出する(S304)。このとき、情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して、放電前走行可能距離から走行可能時間を算出してもよい。
【0153】
次いで、情報処理装置16は、エリア検索部164の機能を利用して、算出した放電前走行可能距離から現在の走行可能エリア(放電前到達可能エリア)を検索する(S305)。このとき、情報処理装置16は、記憶部166に予め記録された地図の情報を利用したり、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上にある地図サーバや検索サーバ等の情報源を利用したりして放電前到達可能エリアを検索する。
【0154】
放電前到達可能エリアを検出した情報処理装置16は、充電場所検索部165の機能を利用して、検出した放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検索する(S306)。このとき、情報処理装置16は、記憶部166に予め記録された地図の情報を利用したり、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上にある地図サーバや検索サーバ等の情報源を利用したりして放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検索する。
【0155】
放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検出した情報処理装置16は、現在地を基準とする地図、現在地、放電前走行可能距離(走行可能時間)、放電前バッテリ残量、放電前到達可能エリア、その放電前到達可能エリア内に存在する充電場所等を表示部167に表示する(S307)。次いで、情報処理装置16は、本人確認部169の機能を利用して、ユーザに対する本人確認を実施する(S308)。このとき、情報処理装置16は、ユーザに対してパスワードの入力を促したり、生体認証センサに生体部位を読み取らせるように促す。パスワード又は生体情報が入力された情報処理装置16は、予め登録されたパスワード又は生体情報と、入力されたパスワード又は生体情報を照合し、パスワード又は生体情報を入力したユーザが正しいユーザ(登録ユーザ)であることを確認する。
【0156】
ステップS308の本人認証により登録ユーザ本人であることが確認された場合、情報処理装置16は、処理をステップS311(図24)へと進める(S309)。一方、ステップS308の本人認証により登録ユーザ本人であることが確認されなかった場合、情報処理装置16は、処理をステップS310に進める(S309)。ステップS310へと処理を進めた情報処理装置16は、本人確認が失敗したことを示すエラー(又は警告)を表示部167に表示し(S310)、放電時の処理に係る一連の動作を終了する。
【0157】
一方、ステップS311(図24を参照)へと処理を進めた情報処理装置16は、電動移動体3の充放電制御部34又は情報処理装置36からバッテリ31の放電前バッテリ残量を取得する(S311)。電動移動体3の放電前バッテリ残量を取得した情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して電動移動体3の放電前走行可能距離を算出する(S312)。このとき、情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して、放電前走行可能距離から走行可能時間を算出してもよい。
【0158】
なお、ここで表示される放電前走行可能距離及びこれに対応する走行可能時間は、例えば、所定の走行パターン(例えば、10・15モード燃費やJC08モード燃費の算出基準となる走行パターン等)で電動移動体3が走行した場合に得られる数値である。従って、放電前走行可能距離及びこれに対応する走行可能時間を計算するのに必要な数値を、電動移動体3からステップS211で受け取るようにしておく。また、このような計算を情報処理装置16で行うのではなく、情報処理装置36側で行わせてステップS211で受け取るようにしてもよい。一方、ここで表示される放電前走行可能距離及びこれに対応する走行可能時間の算出方法を、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。この場合、ユーザは、走行パターンを一定速度の平地走行とし、その一定速度を時速30kmとした場合の放電前走行可能距離及びこれに対応する走行可能時間が表示されるように設定できるようになる。
【0159】
次いで、情報処理装置16は、エリア検索部164の機能を利用して、算出した放電前走行可能距離から電動移動体3の放電前到達可能エリアを検索する(S313)。このとき、情報処理装置16は、記憶部166に予め記録された地図の情報を利用したり、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上にある地図サーバや検索サーバ等の情報源を利用したりして放電前到達可能エリアを検索する。
【0160】
電動移動体3の放電前到達可能エリアを検出した情報処理装置16は、充電場所検索部165の機能を利用して、検出した放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検索する(S314)。このとき、情報処理装置16は、記憶部166に予め記録された地図の情報を利用したり、又は通信部161を介して広域ネットワーク6上にある地図サーバや検索サーバ等の情報源を利用したりして電動移動体3の放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検索する。
【0161】
電動移動体3の放電前到達可能エリア内に存在する充電場所を検出した情報処理装置16は、現在地を基準とする地図、現在地、電動移動体3の放電前走行可能距離(走行可能時間)、放電前バッテリ残量、放電前到達可能エリア、その放電前到達可能エリア内に存在する充電場所等を表示部167に表示する(S315)。
【0162】
次いで、情報処理装置16は、電動移動体3の放電前到達可能エリア内に充電場所が存在するか否かを判定する(S316)。電動移動体3の放電前到達可能エリア内に充電場所が存在する場合、情報処理装置16は、放電時の処理に係る一連の動作を終了する。一方、電動移動体3の放電前到達可能エリア内に充電場所が存在しない場合、情報処理装置16は、処理をステップS317に進める。ステップS317に処理を進めた情報処理装置16は、電動移動体3の放電前到達可能エリア外にある充電場所のうち、現在地から最も近い充電場所(以下、最近充電場所)を選択する(S317)。
【0163】
最近充電場所を選択した情報処理装置16は、電動移動体3が充電後に最近充電場所まで到達できるような放電量を算出する(S318)。例えば、情報処理装置16は、バッテリ残量算出部162の機能を利用して、最近充電場所まで電動移動体3が到達するために必要な電力量を算出する。次いで、情報処理装置16は、算出した電力量から電動移動体3の放電前バッテリ残量を差し引いて最小の放電量を算出する。最小の放電量を算出した情報処理装置16は、最小の放電量に所定の電力量(電力量マージン)を加算して放電量を算出する。
【0164】
放電量を算出した情報処理装置16は、バッテリ残量算出部162の機能を利用して電動移動体1の放電後バッテリ残量を算出する(S319)。なお、電動移動体1の放電後バッテリ残量は、電動移動体1の放電前バッテリ残量から放電量を差し引くことで得られる。電動移動体1の放電後バッテリ残量を算出した情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して、電動移動体1の放電後走行可能距離を算出する(S320)。なお、情報処理装置16は、放電後走行可能距離に対応する走行可能時間を算出してもよい。
【0165】
電動移動体1の放電後走行可能距離を算出した情報処理装置16は、エリア検索部164の機能を利用して、電動移動体1の放電後到達可能エリアを検索する(S321)。電動移動体1の放電後到達可能エリアを検出した情報処理装置16は、充電場所検索部165の機能を利用して、電動移動体1の放電後到達可能エリア内にある充電場所を検索する(S222)。なお、放電後走行可能距離の算出方法、放電後到達可能エリア及び放電後到達可能エリア内にある充電場所の検索方法は、放電前走行可能距離の算出方法、放電前到達可能エリア及び放電前到達可能エリア内にある充電場所の検索方法と同様である。
【0166】
電動移動体1の放電後到達可能エリア内に充電場所が存在する場合、情報処理装置16は、処理をステップS324に進める(S323)。一方、電動移動体1の放電後到達可能エリア内に充電場所が存在しない場合、情報処理装置16は、処理をステップS325(図26)に進める(S323)。なお、電動移動体1の放電後到達可能エリア内に充電場所が存在しない場合でも、電動移動体1の放電後到達可能エリア内に目的地が設定されている場合には、処理をステップS324に進めてもよいし、所定の警告メッセージを出して、ユーザの指示を受けるようにしてもよい。
【0167】
ステップS324へと処理を進めた情報処理装置16は、図28、図29に示すように、ステップS318において算出した放電量を表示部167に表示し、その放電量を適切な放電量としてユーザに推薦する(S324)。なお、図28、図29に示すように、放電量の推薦値を放電量の欄に自動入力するボタンを設け、そのボタンを押下することでユーザが放電量を容易に設定できるようにしてもよい。
【0168】
放電量を推薦した情報処理装置16は、処理をステップS325(図26を参照)へと進める。ここでユーザは、推薦された放電量を実際に利用する放電量に決定するか否かを判断し、その判断結果を情報処理装置16に入力する。ステップS325へと処理を進めた情報処理装置16は、ユーザの判断結果に応じて、放電量の推薦値を実際に利用する放電量に決定した場合には処理をステップS336(図27)へと進める(S325)。一方、ユーザが放電量の推薦値を実際に利用する放電量に決定しなかった場合、情報処理装置16は、処理をステップS326へと進める(S325)。
【0169】
ステップS326に処理を進めた情報処理装置16は、ユーザに対して放電量に関する情報の入力を促す(S326)。ここで、ユーザは、所望の放電量を入力する。但し、放電量の入力は、必ずしも数値入力に限らない。例えば、情報処理装置16は、放電後に電動移動体1が少なくとも到達可能な充電場所、又は電動移動体3が少なくとも到達可能な充電場所を指定することで放電量が入力されるように構成されていてもよい。
【0170】
放電量の指定を受けた情報処理装置16は、バッテリ残量算出部162の機能を利用して電動移動体1の放電後バッテリ残量を算出する(S327)。なお、電動移動体1の放電後バッテリ残量は、電動移動体1の放電前バッテリ残量から放電量を差し引くことで得られる。電動移動体1の放電後バッテリ残量を算出した情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して、電動移動体1の放電後走行可能距離を算出する(S328)。なお、情報処理装置16は、放電後走行可能距離に対応する走行可能時間を算出してもよい。
【0171】
電動移動体1の放電後走行可能距離を算出した情報処理装置16は、エリア検索部164の機能を利用して、電動移動体1の放電後到達可能エリアを検索する(S329)。電動移動体1の放電後到達可能エリアを検出した情報処理装置16は、充電場所検索部165の機能を利用して、電動移動体1の放電後到達可能エリア内にある充電場所を検索する(S330)。なお、放電後走行可能距離の算出方法、放電後到達可能エリア及び放電後到達可能エリア内にある充電場所の検索方法は、放電前走行可能距離の算出方法、放電前到達可能エリア及び放電前到達可能エリア内にある充電場所の検索方法と同様である。
【0172】
電動移動体1の放電後到達可能エリア内に充電場所が存在する場合、情報処理装置16は、処理をステップS332(図27)に進める(S331)。一方、電動移動体1の放電後到達可能エリア内に充電場所が存在しない場合、情報処理装置16は、処理をステップS325に戻し、ステップS325以降の処理を再び実行する(S331)。
【0173】
なお、ステップS331で充電設備が存在しないと判定された場合に、ユーザが処理終了を選択できるようにしてもよい。また、電動移動体1の放電後到達可能エリア内に充電場所が存在しない場合でも、電動移動体1の放電後到達可能エリア内に目的地が設定されている場合には、処理をステップS332に進めてもよいし、所定の警告メッセージを出して、ユーザの指示を受けるようにしてもよい。
【0174】
ステップS332(図27を参照)へと処理を進めた情報処理装置16は、バッテリ残量算出部162の機能を利用して電動移動体3の放電後バッテリ残量を算出する(S332)。なお、電動移動体3の放電後バッテリ残量は、電動移動体3の放電前バッテリ残量に放電量を加算することで得られる。
【0175】
電動移動体3の放電後バッテリ残量を算出した情報処理装置16は、走行可能距離算出部163の機能を利用して、電動移動体3の放電後走行可能距離を算出する(S333)。なお、情報処理装置16は、放電後走行可能距離に対応する走行可能時間を算出してもよい。電動移動体3の放電後走行可能距離を算出した情報処理装置16は、エリア検索部164の機能を利用して、電動移動体3の放電後到達可能エリアを検索する(S334)。電動移動体3の放電後到達可能エリアを検出した情報処理装置16は、充電場所検索部165の機能を利用して、電動移動体3の放電後到達可能エリア内にある充電場所を検索する(S335)。
【0176】
なお、放電後走行可能距離の算出方法、放電後到達可能エリア及び放電後到達可能エリア内にある充電場所の検索方法は、放電前走行可能距離の算出方法、放電前到達可能エリア及び放電前到達可能エリア内にある充電場所の検索方法と同様である。電動移動体3の放電後到達可能エリア内に存在する充電場所を検出した情報処理装置16は、電動移動体1、3について、現在地を基準とする地図、現在地、放電後走行可能距離(走行可能時間)、放電後バッテリ残量、放電後到達可能エリア、その放電後到達可能エリア内に存在する充電場所等を表示部167に表示する(S336)。
【0177】
このとき、表示部167には、地図、現在地、放電後走行可能距離、放電後バッテリ残量、放電後到達可能エリア、充電場所等が表示される。また、表示部167には、放電前走行可能距離、放電前バッテリ残量、放電前到達可能エリア等が併せて表示される。このように、放電前情報と放電後情報が併せて表示されることにより、放電前後における電動移動体1の状況が容易に把握できるようになる。また、電動移動体1、3の双方について、放電前情報と放電後情報が併せて表示されるため、放電前後における電動移動体1、3の状態を考慮して放電量を指定することが可能になる。
【0178】
なお、図27のステップS335において充電場所が検出されなかったとしても、放電処理を行うことはできる。これは、電動移動体1が供給できる上限の電力を電動移動体3に充電しても、電動移動体3が最近充電場所に行けない可能性があるものの、充電することで多少なりとも充電場所に近づくことが出来、別の電動移動体から再度電力を受け取ることで、最終的に充電場所に到達できるからである。
【0179】
ステップS336の表示処理が完了し、ステップS337へと処理を進めた情報処理装置16は、ユーザに対して放電の実行を促す(S337)。ここでユーザにより放電の実行操作が行われた場合、情報処理装置16は、処理をステップS338へと進める。一方、ユーザにより放電の実行操作が行われなかった場合、情報処理装置16は、処理をステップS325(図26)へと戻し、ステップS325以降の処理を再び実行する。但し、ユーザにより終了操作が行われた場合には一連の処理が終了する。
【0180】
ステップS338へと処理を進めた情報処理装置16は、充放電制御部14を制御して、ステップS325で決定された放電量又はステップS326で指定された放電量の電力をバッテリ11から放電する(S338)。
【0181】
このようにして放電された電力は、電力線2を通じて電動移動体3に供給され、電動移動体3のバッテリ31に充電される。
【0182】
以上、放電時における情報処理装置16の動作フローについて詳細に説明した。上記説明においては、電動移動体1を放電側、電動移動体3を充電側とし、放電側の情報処理装置16により放電量の指定や放電の実行操作が行われる構成について説明した。但し、表示部167に表示される表示内容を充電側に表示したり、放電量の指定や放電の実行操作を充電側で行うように変形することも可能である。また、情報処理装置16にて実行される演算処理や通信処理を情報処理装置36にて実行するように変形することもできる。さらに、これらの演算処理や通信処理を広域ネットワーク6に接続された外部のサーバにより実行させるように変形してもよい。
【0183】
[2−7:相互認証時の処理フロー]
ここで、図30を参照しながら、本実施形態に係る電動移動体1、3の間で行われる相互認証時の処理フローについて説明する。図30は、本実施形態に係る電動移動体1、3の間で行われる相互認証時の処理フローについて説明するための説明図である。なお、電動移動体1と電動移動体3は、認証用の共有鍵(認証鍵)を保持しているものとする。また、電動移動体1、3間の相互認証は、実際には充放電制御部14、34間で行われるか、或いは、情報処理装置16、36間で行われる。
【0184】
まず、電動移動体1は、乱数Rを生成する(S11)。次いで、電動移動体1は、乱数R、及び、自身の識別情報IDを電動移動体3に送信する(S12)。乱数R、識別情報IDを受信した電動移動体3は、乱数Rを生成する(S13)。次いで、電動移動体3は、乱数R、R、識別情報IDを用いて暗号文Eを生成する(S14)。そして、電動移動体3は、暗号文E3を電動移動体1に送信する(S15)。
【0185】
暗号文E3を受信した電動移動体1は、暗号文Eを復号する(S16)。そして、電動移動体1は、復号して得た乱数R、識別情報IDと、自身が保持する乱数R、識別情報IDと、が同じであることをチェックする(S17)。チェックが成功した場合、電動移動体1は、セッション鍵Kを生成する(S18)。一方、チェックが失敗した場合、電動移動体1は、エラーを出力して相互認証に係る一連の処理を終了する。
【0186】
チェックが成功し、セッション鍵Kを生成した電動移動体1は、乱数R、R、セッション鍵Kを暗号化して暗号文Eを生成する(S19)。そして、電動移動体1は、暗号文Eを電動移動体3に送信する(S20)。暗号文Eを受信した電動移動体3は、暗号文Eを復号する(S21)。そして、電動移動体3は、復号して得た乱数R、Rと、自身が保持する乱数R、Rとが同じであることをチェックする(S22)。
【0187】
チェックが成功すると、電動移動体1、3間の相互認証が成功する。このようにして相互認証が成功すると、電動移動体1と電動移動体3との間でセッション鍵Kが共有されることになるため、このセッション鍵Kを利用した安全な通信経路が確立される。一方、チェックが失敗した場合、電動移動体3は、エラーを出力して相互認証に係る一連の処理を終了する。以上、本実施形態に係る電動移動体1、3の間で行われる相互認証時の処理フローについて説明した。
【0188】
[2−8:ハードウェア構成例]
上記の情報処理装置16、36が有する各構成要素の機能は、例えば、図31に示す情報処理装置のハードウェア構成を用いて実現することが可能である。つまり、当該各構成要素の機能は、コンピュータプログラムを用いて図31に示すハードウェアを制御することにより実現される。なお、このハードウェアの形態は任意であり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末、ゲーム機、又は種々の情報家電がこれに含まれる。但し、上記のPHSは、Personal Handy−phone Systemの略である。また、上記のPDAは、Personal Digital Assistantの略である。
【0189】
図31に示すように、このハードウェアは、主に、CPU902と、ROM904と、RAM906と、ホストバス908と、ブリッジ910と、を有する。さらに、このハードウェアは、外部バス912と、インターフェース914と、入力部916と、出力部918と、記憶部920と、ドライブ922と、接続ポート924と、通信部926と、を有する。但し、上記のCPUは、Central Processing Unitの略である。また、上記のROMは、Read Only Memoryの略である。そして、上記のRAMは、Random Access Memoryの略である。
【0190】
CPU902は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM904、RAM906、記憶部920、又はリムーバブル記録媒体928に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM904は、CPU902に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM906には、例えば、CPU902に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。
【0191】
これらの構成要素は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス908を介して相互に接続される。一方、ホストバス908は、例えば、ブリッジ910を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス912に接続される。また、入力部916としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力部916としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラが用いられることもある。
【0192】
出力部918としては、例えば、CRT、LCD、PDP、又はELD等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、又はファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置である。但し、上記のCRTは、Cathode Ray Tubeの略である。また、上記のLCDは、Liquid Crystal Displayの略である。そして、上記のPDPは、Plasma DisplayPanelの略である。さらに、上記のELDは、Electro−Luminescence Displayの略である。
【0193】
記憶部920は、各種のデータを格納するための装置である。記憶部920としては、例えば、ハードディスクドライブ等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等が用いられる。
【0194】
ドライブ922は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体928に記録された情報を読み出し、又はリムーバブル記録媒体928に情報を書き込む装置である。リムーバブル記録媒体928は、例えば、DVDメディア、Blu−rayメディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体928は、例えば、非接触型IC(Integrated Circuit)チップを搭載したICカード、又は電子機器等であってもよい。
【0195】
接続ポート924は、例えば、USBポート、IEEE1394ポート、SCSI、RS−232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器930を接続するためのポートである。外部接続機器930は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、又はICレコーダ等である。但し、上記のUSBは、Universal Serial Busの略である。また、上記のSCSIは、Small Computer System Interfaceの略である。
【0196】
通信部926は、ネットワーク932に接続するための通信デバイスであり、例えば、有線又は無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL用のルータ、又は各種通信用のモデム等である。また、通信部926に接続されるネットワーク932は、有線又は無線により接続されたネットワークにより構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、可視光通信、放送、又は衛星通信等である。但し、上記のLANは、Local Area Networkの略である。また、上記のWUSBは、Wireless USBの略である。そして、上記のADSLは、Asymmetric Digital Subscriber Lineの略である。
【0197】
<3:まとめ>
最後に、本発明の実施形態に係る技術内容について簡単に纏める。ここで述べる技術内容は、例えば、PC、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯情報端末、情報家電、カーナビゲーションシステム等、種々の情報処理装置に対して適用することができる。
【0198】
上記の情報処理装置の機能構成は次のように表現することができる。当該情報処理装置は、バッテリの電力を利用して駆動する放電元及び放電先の電動移動体に関し、前記放電元の電動移動体から電力の供給を受ける前記放電先の電動移動体に向けて前記放電元の電動移動体のバッテリから放電される放電量に関する情報が入力されたとき、当該放電量が前記バッテリから放電された場合を想定し、放電後に残った前記バッテリの電力を利用して前記放電元の電動移動体が移動可能な場所に関する情報を、放電前に表示する走行可能情報表示部を有する。
このように、放電前を実行する前に、放電後の電動移動体が到達可能な場所に関する情報をユーザに提示することで、ユーザは、その情報を参照しながら適切な放電量を決定することが可能になる。但し、到達可能な場所としては、例えば、充電設備が設置された充電ステーションや目的地等がある。目的地には必ずしも充電設備が設置されていなくてもよい。なぜならば、他の電動移動体と待ち合わせ、その場所で他の電動移動体から電力の供給を受けられれば、目的地が充電ステーションと同じ役割を果たすためである。このように、本実施形態の構成を適用すれば、放電後に、放電側又は双方の電動移動体が自走不能になってしまうようなトラブルを避けることが可能になる。
なお、上記の演算部160、表示部167は、走行可能情報表示部、範囲提示部の一例である。また、上記の演算部160は、演算処理部、属性指定部の一例である。
【0199】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0200】
例えば、上記の実施形態に係る説明において、地図上に表示される走行可能エリアを道路上にハッチング(実際には色分けや模様分け等)で示したが、図32に示すように、現在地を中心とする円又は楕円にて表示してもよい。道路上にハッチング表示する場合、道路の属性(例えば、通行止め、一方通行、制限速度、通学路、進入禁止等)を考慮して表示できる利点があり、一方で、図32の表示方法にすると走行可能距離が分かりやすくなるという利点がある。また、図32の表示方法にすると、走行可能距離の情報だけで走行可能エリアを算出できるようになるため、表示の高速化に寄与する。もちろん、いずれの表示方法にするかをユーザが設定できるようにする方が好ましい。
【符号の説明】
【0201】
1、3 電動移動体
2 電力線
4、5 無線端末
6 広域ネットワーク
11、31 バッテリ
12、32 駆動制御部
13、33 駆動部
14、34 充放電制御部
15、35 接続端子
16、36 情報処理装置
160 演算部
161 通信部
162 バッテリ残量算出部
163 走行可能距離算出部
164 エリア検索部
165 充電場所検索部
166 記憶部
167 表示部
168 ユーザ入力部
169 本人確認部
170 二酸化炭素量算出部
171 料金計算部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの電力を利用して駆動する放電元及び放電先の電動移動体に関し、前記放電元の電動移動体から電力の供給を受ける前記放電先の電動移動体に向けて前記放電元の電動移動体のバッテリから放電される放電量に関する情報が入力されたとき、当該放電量が前記バッテリから放電された場合を想定し、放電後に残った前記バッテリの電力を利用して前記放電元の電動移動体が移動可能な場所に関する情報を、放電前に表示する走行可能情報表示部を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記移動可能な場所に関する情報は、移動可能な距離、当該移動可能な距離を所定速度で移動した場合に移動可能な時間、移動可能なエリア、到達可能な充電場所のいずれか1つ又は複数の組み合わせである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記充電場所は、給電設備が設置された場所、或いは、目的地である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記放電量に関する情報は、放電後に、放電元の前記電動移動体が到達可能な第1の充電場所、前記放電先の電動移動体が到達可能な第2の充電場所、或いは、前記第1及び第2の充電場所の組である、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記放電量に関する情報として前記第1の充電場所が入力された場合に、現在の場所から前記第1の充電場所までの距離と、単位電力当たりに前記放電元の電動移動体が移動可能な距離と、に基づいて前記放電量を算出する演算処理部をさらに備え、
前記演算処理部は、前記放電元の電動移動体が少なくとも前記第1の充電場所まで到達できるだけの電力を前記バッテリに残すように前記放電量を算出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記演算処理部は、前記放電元の電動移動体が少なくとも前記第1の充電場所まで到達できるだけの電力を前記バッテリに残し、かつ、前記放電先の電動移動体が少なくとも最寄りの充電場所まで到達できるように前記放電量を算出する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記走行可能情報表示部は、前記演算処理部により算出された放電量に基づき、前記放電元の電動移動体が移動可能なエリア、及び前記放電先の電動移動体が移動可能なエリアを区別可能な形式で地図上に表示する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記走行可能情報表示部は、前記演算処理部により算出された放電量に基づき、前記放電元の電動移動体が移動可能なエリアに含まれる充電場所、及び前記放電先の電動移動体が移動可能なエリアに含まれる充電場所を区別可能な形式で地図上に表示する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記放電量に関する情報を入力するためのユーザ入力部をさらに備え、
前記ユーザ入力部は、放電前に前記放電元の電動移動体が到達不可能な第3の充電場所、又は、放電前に前記放電先の電動移動体が到達可能な第4の充電場所が選択されないようにユーザの入力を制限する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記放電量に関する情報として前記第2の充電場所が入力された場合に、現在の場所から前記第2の充電場所までの距離と、単位電力当たりに前記放電先の電動移動体が移動可能な距離と、に基づいて前記放電量を算出する演算処理部をさらに備え、
前記演算処理部は、前記放電先の電動移動体が少なくとも前記第2の充電場所まで到達できるように前記放電量を算出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項11】
放電後に前記放電元の電動移動体が移動可能なエリアに充電場所が少なくとも1つ含まれ、かつ、放電後に前記放電先の電動移動体が移動可能なエリアに充電場所が少なくとも1つ含まれるような前記放電量の範囲をユーザに提示する範囲提示部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記範囲提示部は、放電後に前記放電元の電動移動体が最寄りの充電場所に到達可能になり、かつ、放電後に前記放電先の電動移動体が少なくとも最寄りの充電場所に到達可能になる前記充電量の範囲、或いは、放電後に前記放電元の電動移動体が少なくとも最寄りの充電場所に到達可能になり、かつ、放電後に前記放電先の電動移動体が最寄りの充電場所に到達可能になる前記充電量の範囲をユーザに提示する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
放電に関する操作の許諾を受けたユーザを確認するための本人確認部をさらに備え、
前記本人確認部は、パスワード認証、指紋認証、静脈認証、虹彩認証のいずれか1つ又は複数の組み合わせにより前記ユーザを確認する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
接続された2台の電動移動体のうち、どちらの電動移動体が充電元又は充電先になるかを指定するための属性指定部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記属性指定部は、前記2台の電動移動体に搭載されたバッテリの残り電力量を比較し、当該残り電力量の多い電動移動体を前記充電元の電動移動体に指定し、当該残り電力量の少ない電動移動体を前記充電先の電動移動体に指定する、
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
駆動するための電力を蓄えるバッテリと、
放電先の電動移動体に向けて前記バッテリから放電される電力量に関する情報が入力されたとき、入力された当該電力量に関する情報に基づく電力量が前記バッテリから放電された場合を想定して、放電後に残った前記バッテリの電力を利用して自身が移動可能な場所に関する情報を放電前に表示する走行可能情報表示部を有する情報処理装置と、
を備える、
電動移動体。
【請求項17】
駆動するための電力を蓄えるバッテリと、
放電元の電動移動体から前記バッテリに供給される電力量に関する情報が入力されたとき、入力された当該電力量に関する情報に基づく電力量が前記バッテリから供給された場合を想定し、供給後の前記バッテリに蓄えられた電力を利用して自身が移動可能な場所に関する情報、及び、供給後に前記放電元の電動移動体が移動可能な場所に関する情報を放電前に表示する走行可能情報表示部を有する情報処理装置と、
を備える、
電動移動体。
【請求項18】
バッテリを有する第1の電動移動体に接続された情報処理装置の入力手段により、前記第1の電動移動体と電力線を介して接続された第2の電動移動体に向けて前記バッテリから放電される電力量に関する情報が入力される入力ステップと、
前記入力ステップにて入力された情報に基づき、放電後に残った前記バッテリの電力を利用して前記第1の電動移動体が移動可能な場所に関する情報が前記情報処理装置の表示手段に表示される表示ステップと、
を含む、
放電管理方法。
【請求項19】
第2のバッテリを有する第2の電動移動体に接続された情報処理装置の入力手段により、前記第2の電動移動体と電力線を介して接続された第1の電動移動体から前記第2のバッテリへと供給される電力量に関する情報が入力される入力ステップと、
前記入力ステップにて入力された情報に基づき、前記第2のバッテリへと電力が供給された後に、前記第1の電動移動体が有する第1のバッテリに残った電力を利用して当該第1の電動移動体が移動可能な場所に関する情報が、前記第1の電動移動体に接続された情報処理装置の表示手段に表示される表示ステップと、
を含む、
放電管理方法。
【請求項20】
前記表示ステップでは、前記第1の電動移動体が移動可能な場所に関する情報が、前記第2の電動移動体に接続された情報処理装置の表示手段にさらに表示される、
請求項19に記載の放電管理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−170618(P2011−170618A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33726(P2010−33726)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】