感光性組成物、パターン形成材料、感光性積層体、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法
【課題】感度が高く、良好なレジストパターン形状が得られ、かつ、テント膜強度が強く、高精細で高アスペクト比のパターンを形成可能な感光性組成物、該感光性組成物により形成された感光層を有するパターン形成材料、感光性積層体、並びにパターン形成装置、及びパターン形成方法を提供する。
【解決手段】バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び下記一般式(I)で表される化合物を含む感光性組成物であって、該感光性組成物からなる感光層を露光し現像する場合に、前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが、0.1〜50mJ/cm2である感光性組成物である。該感光性組成物からなる感光層を有するパターン形成材料、及び感光性積層体、並びに該感光性積層体を備えるパターン形成装置、前記感光層に対し、露光を行うことを含むパターン形成方法である。
【解決手段】バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び下記一般式(I)で表される化合物を含む感光性組成物であって、該感光性組成物からなる感光層を露光し現像する場合に、前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが、0.1〜50mJ/cm2である感光性組成物である。該感光性組成物からなる感光層を有するパターン形成材料、及び感光性積層体、並びに該感光性積層体を備えるパターン形成装置、前記感光層に対し、露光を行うことを含むパターン形成方法である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び下記一般式(I)で表される化合物を少なくとも含む感光性組成物であって、
該感光性組成物からなる感光層を露光し現像する場合に、前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが、0.1〜50mJ/cm2であることを特徴とする感光性組成物。
【化1】
ただし、一般式(I)中、Arは、芳香族基及び複素環基のいずれかを表し、Xは、−O−、−S−、−SO2−、及び−NR3−のいずれかを表し、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、水素原子及び非金属原子からなる1価の置換基のいずれかを表し、Yは、−OR4、及び−NR5R6をいずれかを表す。R4は、非金属原子からなる1価の置換基を表し、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子及び非金属原子からなる1価の置換基のいずれかを表す。
【請求項2】
感光層の形成に用いられ、形成された前記感光層の露光及び現像後のパターンの線幅(L;μm)と、パターンの膜厚(d;μm)とのアスペクト比(d/L)が、1.0〜5.0である請求項1に記載の感光性組成物。
【請求項3】
重合性化合物が、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有するモノマーを含む請求項1から2のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項4】
重合性化合物が、エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基の少なくともいずれかを有するモノマーを含む請求項1から3のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項5】
光重合開始剤が、ハロゲン化炭化水素誘導体、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、メタロセン類、及びアシルホスフィンオキシド化合物から選択される少なくとも1種を含む請求項1から4のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項6】
増感剤を含む請求項1から5のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項7】
増感剤が、縮環系化合物、並びに、少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物から選択される少なくとも1種である請求項6に記載の感光性組成物。
【請求項8】
バインダーが、共重合体を含み、該共重合体がスチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかに由来する構造単位を有する請求項1から7のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項9】
バインダーのガラス転移温度(Tg)が、80℃以上である請求項1から8のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項10】
熱架橋剤を含み、バインダーが、エポキシアクリレート化合物の少なくとも1種、並びに、側鎖に(メタ)アクリロイル基及び酸性基を有するビニル共重合体の少なくとも1種のいずれかを含む請求項1から9のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項11】
熱架橋剤が、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、及びメラミン誘導体から選択される少なくとも1種である請求項10に記載の感光性組成物。
【請求項12】
支持体と、該支持体上に請求項1から11のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を少なくとも有することを特徴とするパターン形成材料。
【請求項13】
支持体上に、クッション層と感光層とをこの順に有する請求項12に記載のパターン形成材料。
【請求項14】
基体上に、請求項1から11のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を有することを特徴とする感光性積層体。
【請求項15】
感光層が、請求項12から13のいずれかに記載のパターン形成材料により形成された請求項11に記載の感光性積層体。
【請求項16】
請求項14から15のいずれかに記載の感光性積層体を備えており、
光を照射可能な光照射手段と、該光照射手段からの光を変調し、前記感光性積層体における感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置。
【請求項17】
請求項14から15のいずれかに記載の感光性積層体における感光層に対し、露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項18】
露光が、350〜415nmの波長のレーザ光を用いて行われる請求項17に記載のパターン形成方法。
【請求項19】
感光層に対し、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて行われる請求項17から18のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項20】
露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する請求項19に記載のパターン形成方法。
【請求項21】
露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する請求項20に記載のパターン形成方法。
【請求項22】
設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される請求項19から21のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項23】
使用描素部指定手段が、
描素部により生成されて被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
を備える請求項19から22のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項24】
パターン情報が表すパターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する請求項19から23のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項25】
露光が行われた後、感光層の現像を行う請求項17から24のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項26】
現像が行われた後、エッチング処理及びめっき処理の少なくともいずれかを行う請求項25に記載のパターン形成方法。
【請求項27】
現像が行われた後、感光層に対して硬化処理を行う請求項25に記載のパターン形成方法。
【請求項28】
保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する請求項27に記載のパターン形成方法。
【請求項1】
バインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び下記一般式(I)で表される化合物を少なくとも含む感光性組成物であって、
該感光性組成物からなる感光層を露光し現像する場合に、前記感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーが、0.1〜50mJ/cm2であることを特徴とする感光性組成物。
【化1】
ただし、一般式(I)中、Arは、芳香族基及び複素環基のいずれかを表し、Xは、−O−、−S−、−SO2−、及び−NR3−のいずれかを表し、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、水素原子及び非金属原子からなる1価の置換基のいずれかを表し、Yは、−OR4、及び−NR5R6をいずれかを表す。R4は、非金属原子からなる1価の置換基を表し、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子及び非金属原子からなる1価の置換基のいずれかを表す。
【請求項2】
感光層の形成に用いられ、形成された前記感光層の露光及び現像後のパターンの線幅(L;μm)と、パターンの膜厚(d;μm)とのアスペクト比(d/L)が、1.0〜5.0である請求項1に記載の感光性組成物。
【請求項3】
重合性化合物が、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有するモノマーを含む請求項1から2のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項4】
重合性化合物が、エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基の少なくともいずれかを有するモノマーを含む請求項1から3のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項5】
光重合開始剤が、ハロゲン化炭化水素誘導体、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、メタロセン類、及びアシルホスフィンオキシド化合物から選択される少なくとも1種を含む請求項1から4のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項6】
増感剤を含む請求項1から5のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項7】
増感剤が、縮環系化合物、並びに、少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物から選択される少なくとも1種である請求項6に記載の感光性組成物。
【請求項8】
バインダーが、共重合体を含み、該共重合体がスチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかに由来する構造単位を有する請求項1から7のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項9】
バインダーのガラス転移温度(Tg)が、80℃以上である請求項1から8のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項10】
熱架橋剤を含み、バインダーが、エポキシアクリレート化合物の少なくとも1種、並びに、側鎖に(メタ)アクリロイル基及び酸性基を有するビニル共重合体の少なくとも1種のいずれかを含む請求項1から9のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項11】
熱架橋剤が、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、及びメラミン誘導体から選択される少なくとも1種である請求項10に記載の感光性組成物。
【請求項12】
支持体と、該支持体上に請求項1から11のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を少なくとも有することを特徴とするパターン形成材料。
【請求項13】
支持体上に、クッション層と感光層とをこの順に有する請求項12に記載のパターン形成材料。
【請求項14】
基体上に、請求項1から11のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を有することを特徴とする感光性積層体。
【請求項15】
感光層が、請求項12から13のいずれかに記載のパターン形成材料により形成された請求項11に記載の感光性積層体。
【請求項16】
請求項14から15のいずれかに記載の感光性積層体を備えており、
光を照射可能な光照射手段と、該光照射手段からの光を変調し、前記感光性積層体における感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置。
【請求項17】
請求項14から15のいずれかに記載の感光性積層体における感光層に対し、露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項18】
露光が、350〜415nmの波長のレーザ光を用いて行われる請求項17に記載のパターン形成方法。
【請求項19】
感光層に対し、光照射手段、及び前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、パターン情報に応じて前記描素部を制御可能な光変調手段を備えた露光ヘッドであって、該露光ヘッドの走査方向に対し、前記描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置された露光ヘッドを用い、
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御を行い、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて行われる請求項17から18のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項20】
露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する請求項19に記載のパターン形成方法。
【請求項21】
露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する請求項20に記載のパターン形成方法。
【請求項22】
設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される請求項19から21のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項23】
使用描素部指定手段が、
描素部により生成されて被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
を備える請求項19から22のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項24】
パターン情報が表すパターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する請求項19から23のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項25】
露光が行われた後、感光層の現像を行う請求項17から24のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項26】
現像が行われた後、エッチング処理及びめっき処理の少なくともいずれかを行う請求項25に記載のパターン形成方法。
【請求項27】
現像が行われた後、感光層に対して硬化処理を行う請求項25に記載のパターン形成方法。
【請求項28】
保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する請求項27に記載のパターン形成方法。
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図32】
【図33】
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図31A】
【図31B】
【図34A】
【図34B】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図32】
【図33】
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図31A】
【図31B】
【図34A】
【図34B】
【公開番号】特開2007−79114(P2007−79114A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266717(P2005−266717)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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