説明

抗糖尿病活性を有するインドール類

アリールオキシアルカン酸置換基またはアリールアルカン酸置換基を有するインドール類は、PPARγの作働薬もしくは部分作働薬であり、II型糖尿病の症状である高血糖、ならびにII型糖尿病に関連している場合が多い異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症および肥満の治療および管理において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にII型糖尿病、そして肥満および脂質障害などのその疾患に関連する場合が多い状態の治療において治療化合物として有用なアリールオキシアルカン酸置換基を有するインドール類ならびにそれの製薬上許容される塩およびプロドラッグに関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、複数の原因因子に由来し、空腹状態でのまたは経口糖負荷試験時のグルコース投与後における高レベルの血漿グルコース(高血糖)を特徴とする疾患である。糖尿病の一般に認められている形には2種類がある。I型糖尿病すなわちインシュリン依存型糖尿病(IDDM)において患者は、グルコース利用を調節するホルモンであるインシュリンをほとんど産生しない。II型糖尿病、すなわち非インスリン依存型糖尿病(NIDDM)では、インシュリンは身体でなお産生されている。II型糖尿病患者は、高インシュリン血症(高血漿インシュリンレベル)を有する場合が多い。しかしながらそれらの患者はインシュリン耐性である。すなわちその患者は、筋肉、肝臓および脂肪組織である主要なインシュリン感受性組織でのグルコースおよび脂質の代謝を刺激するインシュリンの効果に対する耐性を有する。インシュリン耐性であるが糖尿病ではない患者は、より多くのインシュリンを分泌することでインシュリン耐性を補償することから、II型糖尿病の基準を満足するだけの血清グルコースレベル上昇はない。II型糖尿病患者では、II型糖尿病患者では、さらに高い血漿インシュリンレベルでも、顕著なインシュリン耐性を克服するには不十分である。
【0003】
高血糖が持続的であったり未管理であると、死亡率上昇ならびに早期罹病および死亡につながる。多くの場合、グルコース恒常性異常が、肥満、高血圧、ならびに直接にも間接にも、脂質、リポ蛋白およびアポリポ蛋白の代謝の変化ならびに他の代謝および血行動態の疾患に関連している。従ってII型糖尿病患者は、アテローム性動脈硬化、冠状動脈性心疾患、卒中、末梢血管疾患、高血圧、腎症、神経症および網膜症などの巨大血管性および微小血管性の合併症の危険性が特に高い。従って、糖尿病の臨床的管理および治療においては、グルコース恒常性、脂質代謝、肥満および高血圧の治療的管理が非常に重要である。
【0004】
インシュリン耐性またはII型糖尿病のある患者の多くが、まとめて症候群Xまたは代謝症候群と称されるいくつかの症状を有する場合が多い。その症候群を有する患者は、患者が糖尿病患者である場合にはII型糖尿病に特徴的な範囲であると考えられる(1)腹部肥満;(2)高トリグリセリド血症;(3)高密度リポ蛋白コレステロール(HDL)の低値;(4)高血圧;および (5)高空腹時血糖という5種類の症状群から選択される3種類以上の症状を有することを特徴とする。これらの各症状は、最近公開された報告(Third Report of the National Cholesterol Education Program Expert Panel on Detection, Evaluation and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults (Adult Treatment Panel III or ATP III), National Institutes of Health, 2001, NIH Publication No. 01-3670)で定義されている。明瞭な糖尿病を有していたり発症しているか否かを問わず、代謝症候群のある患者では、アテローム性動脈硬化および冠状動脈性心疾患などのII型糖尿病に伴って起こる上記で挙げた巨大血管性および微小血管性の合併症を生じる危険性が高い。
【0005】
インシュリン耐性は、インシュリン受容体数の減少が主因であるのではなく、未だ未解明のインシュリン後受容体結合欠陥によるものである。このインシュリンに対する応答性の欠落によって、筋肉でのグルコースの取り込み、酸化および貯蔵のインシュリン介在活性化不足;ならびに脂肪組織での脂肪分解そして肝臓でのグルコース産生および分泌のインシュリン介在抑制不足が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
II型糖尿病の治療法がいくつか利用可能であるが、それぞれに限界やリスクの可能性がある。身体運動および食事でのカロリー摂取低下によって糖尿病状態が大幅に改善する場合が多く、II型糖尿病に対する最良の一次治療である。すっかり習慣化した座ったままの生活様式および過剰な食品摂取、特に多量の飽和脂肪を含む食品の過剰摂取のため、この治療でのコンプライアンスは非常に低い。広く使用されている薬剤治療では、インシュリン分泌促進薬であるメグリチナイドまたはスルホニル尿素(例:トルブタミドまたはグリピジド)の投与を行う。それらの薬剤によって、膵臓β−細胞の刺激によるより多くのインシュリンの分泌によって、インシュリンの血漿レベルが上昇する。スルホニル尿素またはメグリチニドの投与が有効でない場合、体内のインシュリン量はインシュリン注射によって補給することができることから、インシュリン濃度は非常にインシュリン耐性の高い組織であっても刺激するのに十分高いものとなる。しかしながら、インシュリンおよび/またはインシュリン分泌促進薬投与によって、危険な程度まで血漿グルコースレベルが低下する場合があり、インシュリンレベルが非常に高くなることによって、インシュリン耐性のレベルが高くなる可能性がある。
【0007】
ビグアニド類が、II型糖尿病を治療するのに広く使用される別の種類の薬剤である。フェンホルミンおよびメトホルミンという最も知られている2種類のビグアニドによって、低血糖を生じる危険性なく、高血糖がいくらか改善される。ビグアニド類は、インシュリンまたはインシュリン分泌促進薬とともに用いることができ、低血糖を生じる危険性はない。しかしながら、フェンホルミンおよびメトホルミンは、乳酸アシドーシスおよび吐き気/下痢を誘発する可能性がある。メトホルミンは、フェンホルミンより副作用の危険性が低く、II型糖尿病の治療に広く処方されている。
【0008】
グリタゾン類(glitazone;すなわち、5−ベンジルチアゾリジン−2,4−ジオン類)は、高血糖およびII型糖尿病の他の症状を改善する比較的新しい種類の化合物である。この薬剤は、II型糖尿病のいくつかの動物モデルにおいて、筋肉、肝臓および脂肪組織におけるインシュリン感受性をかなり高めることで、低血糖を起こさずに、グルコースの血漿レベル上昇を部分的または完全に改善する。現在市販されているグリタゾン類(ロシグリタゾンおよびピオグリタゾン)は、ペルオキシゾーム増殖因子活性化受容体(PPAR)γ−サブタイプの作働薬である。PPARγ作働作用は、グリタゾン類で認められるインシュリン感作改善を起こすものであると考えられている。新たなPPAR作働薬が、II型糖尿病および/または異脂肪血症の治療に向けて開発中である。比較的新しいPPAR化合物の多くが、1以上のPPARα、γおよびδサブタイプの作働薬である。PPARαおよびPPARγサブタイプの両方の作働薬(PPARα/γ二重作働薬)化合物は、高血糖を低下させ、脂質代謝も改善することから有望である。
【0009】
PPAR作働薬、特にはグリタゾン類には欠点があり、そのために魅力が損なわれていた。その化合物の一部、特にはトログリタゾンは、肝臓毒性を示している。トログリタゾンは最終的に、肝臓毒性のために市場から撤退となっている。現在市場に出回っているPPAR作働薬における別の弱点は、II型糖尿病への単独療法は、約20%の平均血漿グルコースにおける低下およびヘモグロビンA1Cにおける約9.0%〜8.0%の低下というごくわずかな効力しか生じないという点である。現行の化合物はまた、脂質代謝をあまり改善せず、実際には脂質プロファイルに対して負の効果を有する。それらの欠点が推進力となって、同様の作用機序を介して機能するII型糖尿病用のより良好なインシュリン感作剤の開発が進められてきた。
【0010】
最近、PPARγ拮抗薬または部分作働薬である化合物についての報告があった。WO 01/30343には、肥満およびII型糖尿病の治療において有用であるPPAR部分作働薬/拮抗薬である具体的な化合物が記載されている。WO 02/08188には、インドール誘導体であって、II型糖尿病の治療において有用で、体重増および心臓重量増に関連する副作用が少ないある種のPPAR作働薬および部分作働薬が開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書に記載の種類の化合物は、1,3−チアゾリジンジオン部分を持たない新たな種類のPPAR作働薬である。その種類の化合物には、PPARγ部分作働薬である多くの化合物が含まれるが、PPARγ完全作働薬および/またはPPARγ拮抗薬も含まれ得る。一部の化合物は、PPARγ活性以外にPPARα活性も有し得る。一部の化合物は、混合完全または部分PPARα/γ作働薬である場合がある。それらの化合物は、糖尿病、高血糖およびインシュリン耐性の治療および管理において有用である。
【0012】
前記化合物は、LDL−Cおよび/または非HDL−Cの上昇、高アポBリポ蛋白血症、高トリグリセリド血症、トリグリセリド豊富リポ蛋白増加および低HDLコレステロール濃度によって現れ得る混合型または糖尿病性異脂肪血症、孤立性高コレステロール血症などの1以上の脂質障害の治療においても有用となり得る。それらは、アテローム性動脈硬化、肥満、血管再狭窄、炎症状態、乾癬、多嚢胞性卵巣症候群ならびに他のPPAR介在の疾患、障害および状態の治療または改善においても有用となり得る。
【0013】
本発明は、下記式Iの化合物ならびにその化合物の製薬上許容される塩およびプロドラッグに関するものである。
【0014】
【化4】

式Iの化合物において、
は、
(a)−X−アリール−Y−Z、および
(b)−X−ヘテロアリール−Y−Z
から選択され、
アリールおよびヘテロアリールは未置換であるか独立にAから選択される1〜3個の基で置換されており;
アリールは、フェニルまたはナフチルであり;
ヘテロアリールは、独立にN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式または縮合二環式芳香環構造(留意すべき点として、S(O)およびS(O)がS原子を介して全構造に含まれ、ヘテロアリールは、インドールで見られるように芳香族複素環に縮合したベンゼン環であることができる。)であり;
Xは、結合あるいはCH、CH(CH)、C(CHおよびC〜Cシクロアルキリデンから選択される二価の基であり;
Yは、−CH=CH−、−CH(OH)CH(OH)−、−OCR−、SCR−および−CHCR−から選択される二価の基であり;
Zは、−COHおよびテトラゾールからなる群から選択され;
Aは、C1−4アルキル、C1−4アルケニル、−OC1−4アルキルおよびハロゲンからなる群から選択され、アルキル、アルケニルおよび−Oアルキルはそれぞれ1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
、R、RおよびRはそれぞれ独立に、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、−OC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−OC〜Cアルケニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよび−COHからなる群から選択され、C〜Cアルキル、−OC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−OC〜Cアルケニル、C3−6シクロアルキルおよびフェニルは1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く、C3−6シクロアルキルおよびフェニルはさらに独立にC〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルから選択される1〜3個の基によって場合によっては置換されていても良く、前記C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルは1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良く;
あるいはRとRが一体となって、C〜Cシクロアルキル基を形成していても良く、前記C〜Cシクロアルキル基は1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良く;
あるいは、Rが−X−フェニル−Y−Zであり、Yが−OCRであり、RがH、ハロゲン、C〜Cアルキル、−OC〜Cアルキル、C2−5アルキル、−OC2−5アルキル、C3−6シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選択される場合、Rは場合によってはYに対してオルト位でフェニル環に連結された1〜2炭素架橋であっても良く、それによって前記フェニル環に縮合した5または6員複素環が形成され;
は、1〜5個のハロゲンで場合によっては置換されていても良いC〜Cアルキルであり;
は、
(a)ベンゾイソオキサゾリル、
(b)ベンゾイソチアゾリル、
(c)ベンゾピラゾリル、
(d)アリール、
(e)−C(=O)アリール、
(f)−C(=O)ヘテロアリール、
(g)−Oアリール、
(h)−Oヘテロアリール、
(i)−S(O)アリール、および
(j)−S(O)ヘテロアリール
という置換基から選択され、
は独立にハロゲン、C1−3アルキル、−OC1−3アルキルおよび−SC1−3アルキルから選択される1〜3個の置換基で場合によっては置換されていても良く、C1−3アルキル、−OC1−3アルキルおよび−SC1−3アルキルは1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
各Rは、H、ハロゲン、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルから場合によっては選択されても良く、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルは1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
nは0〜2の整数であり;
pは1〜3の整数である。
【0015】
上記の定義および後述の定義において、別段の断りがない限り、アルキル基は直鎖でも分岐であっても良い。
【0016】
本発明の化合物は、糖尿病患者および耐糖性障害および/または前糖尿病状態である非糖尿病患者でのグルコース、脂質およびインシュリンを低下させる上で有効である。その化合物は、ヒトおよび他の哺乳動物患者における非インシュリン依存型糖尿病(NIDDM)の治療において、特には高血糖の治療において、さらには高脂血症、異脂肪血症、肥満、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化、血管再狭窄、炎症状態ならびに他のPPAR介在の疾患、障害および状態などのNIDDMに関連する状態の治療において有効であることが予想される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は多くの実施形態を有する。本発明は式Iの化合物を提供するものであり、それにはその化合物製薬上許容される塩、その化合物のプロドラッグ、そしてその化合物および製薬上許容される担体を含む医薬組成物が含まれる。
【0018】
好ましい実施形態において、Rは3−ベンゾイソオキサゾリル、−O−フェニルおよび−C(=O)フェニルからなる群から選択され、Rは独立にハロゲン、−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルから選択される1〜3個の置換基で場合によっては置換されていても良く、前記−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルは1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良い。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、Rは−X−フェニル−Y−Zであり、フェニルは未置換であるか独立にAから選択される1〜3個の基で置換されている。
【0020】
式Iの化合物の1下位集合には、Xが結合である化合物が含まれる。
【0021】
式Iの化合物の1下位集合には、XがCHである化合物が含まれる。
【0022】
望ましい化合物下位集合では、Yは−OCR−であり、RはHおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され、RはC〜Cアルキルであり、RおよびRは1〜3個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良い。
【0023】
別の望ましい化合物下位集合では、Yは−OCR−であり、RはHおよびC〜Cアルキルから選択され、RはC〜Cアルキルである。
【0024】
別の有用な化合物集合では、Yは−CHCHR−であり、RはC1−3アルキルおよび−OC1−3アルキルから選択され、それらは1〜3個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良い。
【0025】
別の化合物集合では、Yは−CHCHR−であり、Rは−OC1−3アルキルであり、それは1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良い。
【0026】
好ましい実施形態では、AはC〜Cアルキル、CF、−OCH、−OCFおよびハロゲンからなる群から選択される。
【0027】
好ましい化合物下位集合には、RがC1−3アルキルまたはCFである化合物が含まれる。
【0028】
多くの好ましい化合物では、Rは−C(=O)フェニルであり、Rは独立に−OCH、−OCFおよびハロゲンから選択される1〜3個の置換基で場合によっては置換されていても良い。
【0029】
他の有用な化合物では、Rは3−ベンゾイソオキサゾリルまたはアリールであり、それは独立にハロゲン、OCH、OCF、CHおよびCFから選択される1〜3個の置換基で場合によっては置換されていても良い。
【0030】
別の化合物下位集合では、Rは3−ベンゾイソオキサゾリル、アリール、−Oフェニルまたは−Sフェニルであり、Rはハロゲン、OCH、OCFおよびCFから選択される1個の置換基で場合によっては置換されていても良い。
【0031】
別の化合物下位集合では、Rは−X−ピリジニル−YZである。
【0032】
ある化合物下位集合には、pが1である化合物が含まれる。
【0033】
好ましい化合物は、−COHである基Zを有する。
【0034】
好ましい化合物集合では、R
【0035】
【化5】

であり、
Xは、結合、CH、CH(CH)、C(CHおよびC〜Cシクロアルキリデンからなる群から選択され;
Yは、−OCR−およびCHCRからなる群から選択され;
Zは、−COHおよびテトラゾールから選択され;
Aは、C〜Cアルキル、CF、−OCH、−OCFおよびハロゲンから選択され;
、RおよびRはそれぞれ独立に、H、ハロゲン、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルからなる群から選択され、Rはハロゲン、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルからなる群から選択され、R、R、RおよびRのC〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルはそれぞれ1〜3個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
qは0〜3の整数であり;
pは1であり;
は、CFおよびC〜Cアルキルから選択され;
は、
(a)3−ベンゾイソオキサゾリル、
(b)3−ベンゾイソチアゾリル、
(c)3−ベンゾピラゾリル、
(d)アリール、
(e)−C(=O)フェニル、
(f)−C(=O)ヘテロアリール、
(g)−Oフェニル、
(h)−Oヘテロアリール、
(i)−S(O)フェニルおよび
(j)−S(O)ヘテロアリール
からなる群から選択され、ヘテロアリールはピリジルおよびキノリルからなる群から選択され、
nは0〜2の整数であり、
は、独立にハロゲン、−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルから選択される1〜3個の基で場合によっては置換されていても良く、前記−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルは1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良い。
【0036】
直前に記載の化合物の望ましい下位集合は、下記の置換基を有する。すなわち、
Xは、結合またはCHであり;
Yは、−OCR−または−CHCR−であり;
Zは、−COHであり;
Aは、CH、CF、−OCH、−OCFおよびハロゲンから選択され;
はHであり;
は、H、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルからなる群から選択され、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルは1〜3個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
は、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され;
は、C〜Cアルキルであり;
は、CHであり;
は、
(a)3−ベンゾイソオキサゾリル、
(b)アリール、
(c)−C(=O)フェニル、
(d)−C(=O)ピリジル、および
(e)−C(=O)キノリル
からなる群から選択され、
は独立にハロゲン、−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルから選択される1〜3個の基で場合によっては置換されていても良く、前記−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルは1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
qは0〜3の整数である。
【0037】
上記化合物の好ましい群では、Yは−OCR−であり、RはHであり、Rは1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良いC1−3アルキルである。
【0038】
上記化合物の他の好ましい群では、Yは−CHCR−であり、RはHであり、RはC1−3アルキルまたは−OC1−3アルキルであり、C1−3アルキルおよび−OC1−3アルキルは1〜3個のハロゲン原子によって場合によっては置換されていても良い。
【0039】
好ましい化合物では、式IAで下記示したように、上記フェニル基上のXおよび−YZ置換基は互いに対してメタまたはパラ位であり、より好ましい化合物ではXおよび−YZは互いに関してメタ位である。
【0040】
下記に示した式IAを有する化合物およびそれの製薬上許容される塩は、インシュリン耐性、II型糖尿病ならびにII型糖尿病およびインシュリン耐性に関連する異脂肪血症を治療する上で特に有用な特性を有する。
【0041】
【化6】

式IAの化合物において、
Xは、結合またはCHであり;
Yは、−OC−または−CH−であり;
Zは、−COHであり;
Aは、CH、CF、−OCH、−OCFおよびハロゲンから選択され;
qは、0または1であり;
は、C1−3アルキル、CF、−OCHまたは−OCFであり;
pは0または1であり;
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、C〜Cアルキルは1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良く;
は、C〜Cアルキルまたは−OC〜Cアルキルであり、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルは1〜3個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
は、Hおよび1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良いC〜Cアルキルからなる群から選択され;
は、C〜Cアルキルであり、それは1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良く;
は、CHであり;
は、
(a)3−ベンゾイソオキサゾリル、
(b)−O−フェニル、および
(c)−C(=O)フェニル
からなる群から選択され、Rは独立にハロゲン、−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルから選択される1〜3個の基で場合によっては置換されていても良く、前記−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルは1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良い。
【0042】
直前に記載の化合物の1下位集合では、pは1である。
【0043】
上記構造中でYが−OCH(R)−または−CHH(R)−である場合の星印(C)で示した炭素原子は、不斉炭素である。炭素CでのRおよびSの立体化学配置の両方が活性であるが、それらはPPARαおよびPPARγ活性の相対量に関していくらか異なる活性を有する。
【0044】
Xが結合である式IAの化合物の好ましい集合は下記の置換基を有する。すなわち
Yは、−OC−であり;
はCH、CF、−OCHまたは−OCFであり;
pは0または1であり;
はHであり;
は、1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良いC〜Cアルキルである。
【0045】
これらの化合物は、Yの炭素原子上で不斉中心を有する。CでRおよびSの立体化学配置を有する化合物は活性なPPAR作働薬であるが、それらはPPARαおよびPPARγ活性の相対量に関していくらか異なる活性を有する。
【0046】
式IAの化合物の別の好ましい下位集合では、XはCHであり;Yは−OC−であり;RはCH、CF、−OCHまたは−OCFであり;pは0または1であり;RはHであり;Rは1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良いC〜Cアルキルである。
【0047】
それらの化合物も、Yの炭素上で不斉中心を有する。CでRおよびSの立体化学配置を有する化合物は活性なPPAR作働薬であるが、それらはPPARαおよびPPARγ活性の相対量に関していくらか異なる活性を有する。
【0048】
式IAの化合物の他の好ましい下位集合では、XはCHまたは結合であり、Rは−C(=O)フェニルであり、それは独立にCl、CH、CF、−OCHおよび−OCFからなる群から選択される1〜2個の基で場合によっては置換されていても良い。
【0049】
上記化合物の1下位集合において、pは1である。
【0050】
具体的な化合物の構造を、表1〜4に開示している。それらの化合物については、名称を別の表1A〜4Aに示してある。各化合物には、それら2群の表で同じ番号を付してある。各化合物は、本発明の具体的な実施形態である。それら化合物の一部の合成も、実施例に示してある。
【0051】
本発明の化合物は、その化合物またはそれの製薬上許容される塩および製薬上許容される担体を含む医薬組成物で用いることができる。本発明の化合物は、式Iの化合物またはそれの製薬上許容される塩が唯一の有効成分である医薬組成物で使用することもできる。
【0052】
本発明の化合物およびそれの製薬上許容される塩は、ヒトまたは他の哺乳動物患者でのII型糖尿病の治療のための医薬品製造において用いることができる。
【0053】
本発明の化合物の一部が、本特許出願で優先権を主張している2つの米国暫定特許出願の出願日後に出願された暫定特許出願で、その出願に開示の本発明におけるそれら化合物の使用を説明することを目的として開示されている。その7種類の化合物を、それらが本明細書で開示されている箇所に従って以下に挙げている。
【0054】
1.表1および1A、化合物1;
2.表1および1A、化合物10;
3.表2および2A、化合物8;さらに実施例31;
4.表2および2A、化合物25;
5.表3および3A、化合物29;
6.表3および3A、化合物60;さらに実施例29;
7.表3および3A、化合物78。
【0055】
理解すべき点として、本明細書における発明は、記載されている包括的請求項を含み、さらには1以上の上記で挙げた7種類の化合物のうちの1以上の放棄を有する包括的請求項を含むものである。そのような放棄は、審査時に行うことができる。それらの化合物自体も特許請求される。
【0056】
上記で定義の化合物は、下記の疾患治療方法ならびに下記で挙げられていない疾患の治療方法において用いることができる。
【0057】
(1)処置を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する、ヒトその他の哺乳動物患者での非インシュリン依存型糖尿病(II型糖尿病)の治療方法;
(2)処置を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する、ヒトその他の哺乳動物患者での高血糖の治療または管理方法;
(3)処置を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する、ヒトその他の哺乳動物患者での代謝症候群の治療または管理方法;
(4)処置を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する、ヒトその他の哺乳動物患者での肥満の治療または管理方法;
(5)処置を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する、ヒトその他の哺乳動物患者での高コレステロール血症の治療または管理方法;
(6)処置を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する、ヒトその他の哺乳動物患者での高トリグリセリド血症の治療または管理方法;
(7)処置を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する、ヒトその他の哺乳動物患者での混合型もしくは糖尿病性異脂肪血症、低HDLコレステロール、高LDLコレステロール、高脂血症、高コレステロール血症および高トリグリセリド血症などの1以上の脂質障害の治療または管理方法;
(8)処置を必要とする患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する、ヒトその他の哺乳動物患者での代謝症候群に関連する有害続発症のリスク低下方法;および
(9)処置を必要とするかあるいはアテローム性動脈硬化もしくはアテローム性動脈硬化の続発症を生じるリスクがある患者に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する、ヒトその他の哺乳動物患者でのアテローム性動脈硬化の治療、アテローム性動脈硬化を生じるリスクの低下、アテローム性動脈硬化発症の遅延および/またはアテローム性動脈硬化の続発症のリスク低下方法。アテローム性動脈硬化の続発症には、例えば狭心症、跛行、心臓発作、卒中などがある。
【0058】
前記化合物は特に、処置を必要とする患者に対して治療上有効量を投与することで、
(1)II型糖尿病、特には高血糖、
(2)代謝症候群、
(3)肥満および
(4)高コレステロール血症
という疾患の治療において有用である。
【0059】
定義
「Ac」は、CHC(O)−であるアセチルである。
【0060】
「アルキル」とは、炭素鎖が別途定義されていない限り、直鎖または分岐あるいはそれらの組合せであることができる飽和炭素鎖を意味する。アルコキシおよびアルカノイルなどの接頭語「アルク」を有する他の基も、炭素鎖が別途定義されていない限り、直鎖または分岐あるいはそれらの組合せであることができる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどがある。
【0061】
「アルケニル」とは、1以上の炭素−炭素二重結合を有し、直鎖または分岐あるいはそれらの組合せであることができる炭素鎖を意味する。アルケニルの例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどがある。
【0062】
「アルキニル」とは、1以上の炭素−炭素三重結合を有し、直鎖または分岐あるいはそれらの組合せであることができる炭素鎖を意味する。アルキニルの例としては、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−へプチニルなどがある。
【0063】
「シクロアルキル」とは、別段の断りがない限り、それぞれ炭素原子数3〜10個の単環式または二環式飽和炭素環を意味する。その用語には、アリール基に縮合した単環式環も含まれる。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどがある。
【0064】
シクロアルキリデン基は、2価のシクロアルカン基であって、両方の結合箇所が同一炭素にあるものである。例えば、1,1−ジメチルシクロプロパンのシクロプロピル基は、シクロプロピリデン基である。
【0065】
ある構造における置換基または基について説明するのに使用される場合の「アリール」(および「アリーレン」)とは、全ての環が芳香族であって、炭素環原子のみを有する単環式、二環式または三環式の化合物を指す。「アリール」という用語は、シクロアルキルまたは複素環に縮合したアリール基を指すこともできる。「複素環の」、「複素環」および「複素環式」とは、各環が3〜10個の原子を有するN、SおよびOから選択される1以上のヘテロ原子を有する完全または部分的に飽和した単環式、二環式または三環式の環系を意味する。アリール置換基の例としては、フェニルおよびナフチルなどがある。シクロアルキルに縮合した環は、インダニル、インデニルおよびテトラヒドロナフチルで認められる。複素環基に縮合したアリールの例は、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾピラニル、1,4−ベンゾジオキサニルなどで認められる。複素環の例には、テトラヒドロフラン、ピペラジンおよびモルホリンなどがある。好ましいアリール基はフェニル環またはナフチルである。通常は、フェニルが最も好ましい。
【0066】
「ヘテロアリール」(およびヘテロアリーレン)とは、各環が5〜6個の原子を有するN、OおよびS(SOおよびSOを含む)から選択される1以上の環ヘテロ原子を有する単環式、二環式または三環式芳香環を意味する。ヘテロアリールの例としては、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル(S−オキサイドおよびジオキサイドを含む)、フロ(2,3−b)ピリジル、キノリル、インドリル、イソキノリル、ジベンゾフランなどがある。
【0067】
「ハロゲン」には、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などがある。
【0068】
「Me」はメチルを表す。
【0069】
医薬組成物における「組成物」という用語は、有効成分、担体を構成する不活性成分、ならびに2種類以上の前記成分の組合せ、錯体形成もしくは凝集から、あるいは1以上の前記成分の解離から、あるいは1以上の前記成分の他の種類の反応または相互作用から直接または間接に生じる生成物を含む製造品を含むものである。従って本発明の医薬組成物は、本発明の化合物および製薬上許容される担体を混合することで製造される組成物を含む。
【0070】
置換基「テトラゾール」は、2H−テトラゾール−5−イル置換基およびそれの互変異体を意味する。
【0071】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異体
式Iの化合物は1以上の不斉中心を有する場合があることから、ラセミ体、ラセミ混合物、単独のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして得られる場合がある。本発明は、式Iの化合物のそのような全ての型の異性体を含むものである。
【0072】
本明細書に記載の化合物の一部は、オレフィン性二重結合を有することができ、別段の断りがない限り、EおよびZの両方の幾何異性体を含むものである。
【0073】
本明細書に記載の化合物の一部は、互変異体と称される水素の結合位置が異なった形で存在する場合がある。1例としては、ケト−エノール互変異体として知られるケトンおよびそれのエノール型があり得る。個々の互変異体およびそれらの混合物は式Iの化合物に包含される。
【0074】
1以上の不斉中心を有する式Iの化合物は、当業界で公知の方法によって、ジアステレオマー、エナンチオマーなどに分離することができる。
【0075】
あるいは、エナンチオマーおよびキラル中心を有する他の化合物を、配置が既知の光学的に純粋な原料および/または試薬を用いる立体特異的合成によって合成することができる。
【0076】

「製薬上許容される塩」という用語は、無機もしくは有機塩基および無機もしくは有機酸などの製薬上許容される無毒性の塩基または酸から製造される塩を指す。無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩などがある。特に好ましいものは、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩である。固体の形での塩は、複数種類の結晶構造で存在する場合があり、水和物の形である場合もある。製薬上許容される有機無毒性塩基から誘導される塩には、1級、2級および3級アミン類、天然置換アミン類などの置換アミン類、環状アミン類および塩基性イオン交換樹脂の塩などがあり、例を挙げるとアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂類、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンの塩などがある。
【0077】
本発明の化合物が塩基性である場合、無機酸および有機酸などの製薬上許容される無毒性酸から塩を製造することができる。そのような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などがある。特に好ましいものは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸である。
【0078】
本明細書で使用する場合、式Iの化合物についての言及は、製薬上許容される塩をも含むものであることは明らかであろう。
【0079】
代謝物−プロドラッグ
他の化合物の治療活性を有する代謝物は、その代謝物が特許請求される発明の範囲に含まれる場合、それも本発明の化合物である。患者に投与している時に、あるいは患者に投与した後に特許請求の化合物に変換される化合物であるプロドラッグも、本発明化合物である。本発明のカルボン酸のプロドラッグの例としては、それに限定されるものではないが、例えば、直鎖または分岐であることができ、代謝されて本発明のカルボン酸となるC〜Cエステルなどのカルボン酸基のエステルがあると考えられる。患者に投与された後に、より容易に加水分解を受ける官能基を有するエステルも、プロドラッグとなり得る。
【0080】
前記種類の本発明の化合物のプロドラッグは、Zが、哺乳動物患者またはヒト患者への投与時または投与後に生理条件下で容易に代謝されて、Zがカルボン酸基である化合物またはそれの塩(溶液で)を生じる基である式Iの化合物を有する化合物と記載することができる。
【0081】
式Iのプロドラッグの例には、ZがCOであり;そのOR基が−OR、−OCHOR、−OCH(CH)OR、−OCHOC(O)R、−OCH(CH)OC(O)R、−OCHOC(O)ORおよび−OCH(CH)OC(O)ORであり;Rが、−COH、−CONH、−NH、−OH、−OAc、NHAcおよびフェニルから選択される1個または2個の基で置換されていても良いC1−6アルキルから独立に選択される化合物などがある。
【0082】
用途
本発明の化合物は、各種ペルオキシゾーム増殖因子活性化受容体サブタイプのうちの1以上、特にはPPARγに対する作働薬、部分作働薬または拮抗薬活性を有する強力なリガンドである。その化合物は、PPARαサブタイプおよびPPARγサブタイプのリガンドまたは作働薬、部分作働薬または拮抗薬であることで、混合型PPARα/γ作働作用または主としてPPARαサブタイプの作働作用を生じることもできる。一部の化合物(通常はあまり好ましくない)は、PPARδリガンドであり、その化合物の他のPPAR活性以外にPPARδ活性を有する場合もある。本発明の化合物は、個々のPPARサブタイプ(例:γまたはα)またはPPARサブタイプの組合せ(例:α/γ)の1以上のリガンドが介在する疾患、障害または状態の治療または管理において有用である。本発明の1態様は、PPAR作働薬または部分作働薬の投与を介在させることができるII型糖尿病などの疾患の治療および管理方法を提供する。本発明の1態様は、哺乳動物でのそのような疾患、障害または状態の治療および管理方法において、そのような哺乳動物に対して治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有する方法を提供する。本発明の化合物は、多くのPPAR介在の疾患および状態の治療または管理において有用であることができ、それには(1)糖尿病、特に非インシュリン依存型糖尿病(NIDDM)、(2)高血糖、(3)低耐糖能、(4)インシュリン耐性、(5)肥満、(6)脂質障害、(7)異脂肪血症、(8)高脂血症、(9)高トリグリセリド血症、(10)高コレステロール血症、(11)低HDLレベル、(12)高LDLレベル、(13)アテローム性動脈硬化およびそれの続発症、(14)血管再狭窄、(15)過敏性腸症候群、(16)クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、(17)他の炎症状態、(18)膵臓炎、(19)腹部肥満、(20)神経変性性疾患、(21)網膜症、(22)乾癬、(23)代謝障害、(24)卵巣アンドロゲン過多症(多嚢胞性卵巣症候群)、ならびにインシュリン耐性が一つの要素となっている他の障害などがあるが、これらに限定されるものではない。それらの化合物は、高血圧、腫瘍状態、脂肪細胞腫瘍、脂肪肉腫などの脂肪細胞癌、前立腺癌および他の癌(例:胃癌、乳癌、膀胱癌および結腸癌)、血管新生およびアルツハイマー病の治療においても有用となり得る。
【0083】
それらの化合物は、骨粗鬆症の治療においても有用となり得る。本発明の化合物は、骨粗鬆症患者または骨粗鬆症を生じる危険性のある患者での骨密度低下を遅延または停止させることで、骨粗鬆症を治療または骨粗鬆症の発生リスクを低下させることができる。本発明の化合物はまた、すでに骨量の喪失が開始している患者での骨量喪失の回復を行うこともできる。
【0084】
本発明の1態様は、混合型もしくは糖尿病性の異脂肪血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症および/または高トリグリセリド血症の治療および管理方法において、そのような処置を必要とする患者に対して、治療上有効量の式Iを有する化合物を投与する段階を有する方法を提供する。その化合物は単独で用いることができるか、あるいは有利には、コレステロール生合成阻害薬、特にはロバスタチン、シンバスタチン(simvastatin)、ロスバスタチン(rosuvastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、アトルバスタチン(atorvastatin)、リバスタチン、イタバスタチン(itavastatin)またはZD−4522などのHMG−CoAレダクターゼ阻害薬とともに投与することができる。その化合物は有利には、コレステロール吸収阻害薬(例えば、スタノールエステル類、チクエシド(tiqueside)などのステロールグリコシド類、およびエゼチミベ(ezetimibe)などのアゼチジノン類)、ACAT阻害薬(アバシミベ(avasimibe))、CETP阻害薬、ナイアシン、胆汁酸隔離剤、ミクロソームトリグリセリド輸送阻害薬および胆汁酸再取り込み阻害薬などの他の脂質低下剤との併用で用いることもできる。これらの併用処置は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化、高脂血症、高トリグリセリド血症、異脂肪血症、高LDLおよび低HDLからなる群から選択される1以上の関連する状態の治療または管理においても有効となり得る。
【0085】
本発明の別の態様は、治療を必要とする患者に対して有効量の本発明の化合物を投与することによる、炎症性腸疾患、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症状態の治療方法を提供する。本発明によって治療可能な別の炎症疾患には、痛風、関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、喘息、ARDS、乾癬、脈管炎、虚血/再潅流損傷、凍傷および関連疾患などがある。
【0086】
投与および用量範囲
哺乳動物、特にヒトに有効用量の本発明の化合物を与えるのに、あらゆる好適な投与経路を使用可能である。例えば経口、直腸、局所、非経口、眼球、肺、経鼻などの経路を用いることができる。製剤には、錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、液剤、カプセル、クリーム、軟膏、エアロゾルなどがある。好ましくは式Iの化合物は、経口投与される。
【0087】
使用される有効成分の有効用量は、使用される特定の化合物、投与経路、治療対象の状態および治療対象の状態の重度によって変動し得る。そのような用量は、当業者であれば容易に把握できるものである。
【0088】
糖尿病および/または高血糖または高トリグリセリド血症または式Iの化合物が適応である他の疾患の治療または予防を行う場合、本発明の化合物を動物の体重1kg当たり約0.1mg〜約100mgの1日用量で、好ましくは単一1日用量として、あるいは1日2〜6回の分割用量で、あるいは徐放製剤で投与した場合に、満足な結果が得られる。ほとんどの大型哺乳動物において、総1日用量は約1.0mg〜約1000mg、好ましくは約1mg〜約50mgである。70kgの成人の場合、総1日用量は約1mg〜約350mgとなる。特に強力な化合物の場合、成人での用量は0.1mgという低いものとすることができる。この投与法をその範囲内あるいはその範囲外で調節して、至適な治療応答を得ることができる。
【0089】
経口投与は通常、錠剤を用いて行われる。錠剤中の用量の例としては、0.5mg、1mg、2mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mgおよび250mgがある。他の経口製剤も、同じ用量を有することができる(例:カプセル)。
【0090】
医薬組成物
本発明の別の態様は、式Iの化合物と製薬上許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、有効成分としての式Iの化合物またはそれの製薬上許容される塩を含み、製薬上許容される担体および適宜に他の治療成分を含むこともできる。「製薬上許容される塩」という用語は、無機塩基もしくは酸および有機塩基もしくは酸などの製薬上許容される無毒性の塩基または酸から製造される塩を指す。医薬組成物は、プロドラッグを投与する場合には、プロドラッグまたはそれの製薬上許容される塩を含むことができる。
【0091】
その組成物には、経口、直腸、局所、非経口(皮下、筋肉および静脈など)、眼球(眼科)、肺(経鼻または口腔吸入)または経鼻投与に好適な組成物などがある。ただし、ある場合に最も適した経路は、治療対象の状態の性質および重度ならびに有効成分の性質によって決まる。それらは簡便には単位製剤で提供され、製薬業界で公知のいずれかの方法によって調製することがきる。
【0092】
実際の使用においては式Iの化合物は、従来の医薬配合法に従って、医薬担体との直接混合で有効成分として組み合わせることができる。担体は、例えば経口または非経口(静脈投与など)などの投与に望ましい剤型に応じて、多様な形態を取ることができる。経口製剤用の組成物を得る場合、通常の医薬媒体を用いることができる。例えば、懸濁液、エリキシル剤および液剤などの経口液体製剤の場合には、水、グリコール類、オイル類、アルコール類、香味剤、保存剤、着色剤などを用いることができる。あるいは粉剤、硬および軟カプセルおよび錠剤などの経口固体製剤の場合には、デンプン類、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの担体を用いることができ、液体製剤より固体経口製剤の方が好ましい。
【0093】
投与が容易であることから、錠剤およびカプセルが最も有利な経口単位製剤を代表するものであり、その場合には、固体医薬担体を用いることは明らかである。所望に応じて、錠剤を標準的な水系または非水系法によってコーティングすることができる。そのような組成物および製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含むべきである。これら組成物における活性化合物のパーセントは当然のことながら変動し得るものであり、簡便には単位重量の約2%〜約60%とすることができる。そのような治療上有用な組成物における活性化合物の量は、有効用量が得られるようなものとする。活性化合物は、例えば液滴剤または噴霧剤として経鼻的に投与することもできる。
【0094】
錠剤、丸薬、カプセルなどには、トラガカントガム、アカシアガム、コーンスターチもしくはゼラチンなどの結合剤;リン酸二カルシウムなどの賦形剤;コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;ならびにショ糖、乳糖もしくはサッカリンなどの甘味剤を含有させることもできる。単位製剤がカプセルである場合、それには上記種類の材料以外に、脂肪油などの液体担体を含有させることもできる。
【0095】
他の各種材料をコーティングとして存在させて、単位製剤の物理的形状を変えることができる。例えば、錠剤をシェラック、糖またはその両方でコーティングすることができる。シロップもしくはエリキシルには、有効成分に加えて、甘味剤としてのショ糖、保存剤としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベン、色素ならびにチェリー芳香もしくはオレンジ芳香などの芳香剤を含有させることができる。
【0096】
式Iの化合物はさらに、非経口投与することもできる。ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混和した水中で、これら活性化合物の液剤もしくは懸濁液を調製することができる。グリセリン、液体ポリエチレングリコール類およびそれらのオイル中の混合液で、分散液を調製することもできる。通常の保存および使用条件下では、これら製剤には保存剤を含有させて、微生物の成長を防止することができる。
【0097】
注射用に好適な医薬製剤には、無菌の水溶液もしくは分散液ならびに無菌注射液もしくは分散液の即時調製用の無菌粉末などがある。いずれの場合も製剤は無菌とし、容易に注射できる程度の流動性でなければならない。その製剤は、製造および保管の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物による汚染を起こさないように保存しなければならない。担体は、例えば水、エタノール、多価アルコール(例:グリセリン、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、それらの好適な混合液および植物油などを含む溶媒または分散媒とすることができる。
【0098】
併用療法
式Iの化合物は、やはり式Iの化合物が有用な疾患または状態の治療または改善において有用となり得る他薬剤と併用することができる。そのような他薬剤は、その薬剤について通常使用される経路および量で、式Iの化合物と同時または順次に投与することができる。式Iの化合物を1以上の他薬剤と同時に用いる場合、そのような他薬剤および式Iの化合物を含む単位製剤の形での医薬組成物が好ましい。しかしながら前記併用療法は、式Iの化合物と1以上の他薬剤を、重複する異なった投与計画で投与する療法も含むものである。1以上の他の有効成分と併用する場合、本発明の化合物および他の有効成分を、それぞれを単独で使用する場合より低い用量で使用可能であることも想到される。従って、本発明の医薬組成物には、式Iの化合物以外に、1以上の他の有効成分を含むものが含まれる。
【0099】
式Iの化合物と併用投与可能であって、別個にあるいは同じ医薬組成物で投与される他の有効成分の例としては、
(a)グリタゾン類(例:トログリタゾン(troglitazone)、ピオグリタゾン(pioglitazone)、エングリタゾン(englitazone)、MCC−555、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、バラグリタゾン(balaglitazone)、ネトグリタゾン(netoglitazone)など)などの他のPPARγ作働薬および部分作働薬、ならびにグリタゾン構造を持たないPPARγ作働薬および部分作働薬;
(b)メトホルミンおよびフェンホルミンなどのビグアニド類;
(c)蛋白チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害薬;
(d)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害薬;
(e)インシュリンまたはインシュリン様薬;
(f)トルブタミドおよびグリピジドなどのスルホニル尿素類または関連物;
(g)α−グルコシダーゼ阻害薬(アカルボースなど);
(h)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害薬(ロバスタチン、シンバスタチン(simvastatin)、ロスバスタチン(rosuvastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、アトルバスタチン(atorvastatin)、リバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522および他のスタチン類)、(ii)胆汁酸封鎖剤(コレスチラミン、コレスチポールおよび架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体)、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸またはそれらの塩、(iv)フェノフィブリン(fenofibric)酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート(fenofibrate)およびベンザフィブレート(benzafibrate))などのPPARα作働薬、(v)例えばエゼチミベなどのコレステロール吸収阻害薬、(vi)例えばアバシミベなどのアシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害薬ならびに(vii)プロブコールなどの抗酸化剤のような患者の脂質プロファイルを改善する薬剤;
(i)KRP−297などのPPARα/γ二重作働薬;
(j)WO 97/28149に開示のものなどのPPARδ作働薬;
(k)フェンフルラミン、デキスフェンフルラミン(dexfenfluramine)、フェンチラミン(phentiramine)、スルビトラミン(sulbitramine)、オルリスタット(orlistat)、神経ペプチドY5阻害薬、Mc4r作働薬、カンナビノイド受容体1(CB−1)拮抗薬/逆作働薬およびβ3アドレナリン受容体作働薬などの抗肥満化合物;
(l)回腸胆汁酸搬送体阻害薬;
(m)アスピリン、非ステロイド系抗炎症薬、糖コルチコイド類、アズルフィジン(azulfidine)およびシクロオキシゲナーゼ2選択的阻害薬などの炎症状態で使用される薬剤;
(n)グルカゴン受容体拮抗薬;
(o)GLP−1;
(p)GIP−1;および
(q)エキセンジン類(exendins)などのGLP−1類縁体
などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0100】
上記の併用には、1種類の他の活性化合物との併用だけでなく、2種類以上の他の活性化合物と本発明の化合物の併用が含まれる。例を挙げると、ビグアニド類、スルホニル尿素類、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、他のPPAR作働薬、PTP−1B阻害薬、DP−IV阻害薬および抗肥満化合物から選択される2種類以上の活性化合物と式Iの構造を有する化合物との併用などがあるが、それに限定されるものではない。
【0101】
生物アッセイ
A)PPAR結合アッセイ
組換えヒトPPARγ、PPARδおよびPPARαを製造するため、ヒトPPARγ、ヒトPPARδおよびヒトPPARαを、大腸菌でgst融合蛋白として発現させた。PPARγについての全長ヒトcDNAを、pGEX−2T発現ベクター(Pharmacia)にサブクローニングした。PPARδおよびPPARαについての全長ヒトcDNAは、pGEX−KT発現ベクター(Pharmacia)にサブクローニングした。個々のプラスミドを含む大腸菌を増殖させ、誘発させ、遠心によって回収した。再懸濁ペレットをフレンチプレスで破壊し、残屑を12000×gでの遠心によって除去した。グルタチオンセファロースでのアフィニティクロマトグラフィーによって、組換えヒトPPAR受容体を精製した。カラムに負荷し、1回洗浄した後、受容体をグルタチオンで溶離させた。グリセリン(10%)を加えて受容体を安定化させ、小分けしたサンプルを−80℃で保存した。PPARγへの結合については、ベルガーらの報告(Berger et al., Novel peroxisome proliferator-activated receptor (PPARγ) and PPARδ ligands produce distinct biological effects. J. Biol. Chem. (1999), 274: 6718-6725)に記載の方法に従って、受容体の小分けサンプルを、0.1%無脂肪乾燥ミルクおよび10nM[]AD5075、(21Ci/mmol)、±被験化合物を含むTEGM(10mM Tris、pH7.2、1mM EDTA、10%グリセリン、7μL/100mL β−メルカプトエタノール、10mMモリブデン酸Na、1mMジチオトレイトール、5μg/mLアプロチニン、2μg/mLロイペプチン、2μg/mLベンズアミジンおよび0.5mM PMSF)中でインキュベートした。アッセイ液を、最終容量150μLで4℃にて約16時間インキュベートした。未結合リガンドを、氷上で約10分間にわたってデキストラン/ゼラチンコーティング活性炭100μLとともにインキュベーションすることで除去した。4℃で10分間、3000rpmにて遠心した後、上清画分50μLをトップカウント(Topcount)でカウントした。
【0102】
PPARδへの結合については、ベルガーらの報告(Berger et al., Novel peroxisome proliferator-activated receptorγ (PPARγ) and PPARδ ligands produce distinct biological effects. 1999 J Biol Chem 274: 6718-6725)に記載の方法に従って、受容体の小分けサンプルを、0.1%無脂肪乾燥ミルクおよび2.5nM[]L−783483、(17Ci/mmol)、±被験化合物を含むTEGM(10mM Tris、pH7.2、1mM EDTA、10%グリセリン、7μL/100mL β−メルカプトエタノール、10mMモリブデン酸Na、1mMジチオトレイトール、5μg/mLアプロチニン、2μg/mLロイペプチン、2μg/mLベンズアミジンおよび0.5mM PMSF)中でインキュベートした(L−783483は、3−クロロ−4−(3−(7−プロピル−3−トリフルオロメチル−6−ベンゾ−[4,5]−イソオキサゾロキシ)プロピルチオ)フェニル酢酸である。WO 97/28137の実施例20)。アッセイ液を、最終容量150μLで4℃にて約16時間インキュベートした。未結合リガンドを、氷上で約10分間にわたってデキストラン/ゼラチンコーティング活性炭100μLとともにインキュベーションすることで除去した。4℃で10分間、3000rpmにて遠心した後、上清画分50μLをトップカウントでカウントした。
【0103】
PPARαへの結合については、受容体の小分けサンプルを、0.1%無脂肪乾燥ミルクおよび5.0nM[]L−797773、(34Ci/mmol)、±被験化合物を含むTEGM(10mM Tris、pH7.2、1mM EDTA、10%グリセリン、7μL/100mL β−メルカプトエタノール、10mMモリブデン酸Na、1mMジチオトレイトール、5μg/mLアプロチニン、2μg/mLロイペプチン、2μg/mLベンズアミジンおよび0.5mM PMSF)中でインキュベートした(L−797733は、(3−(4−(3−フェニル−7−プロピル−6−ベンゾ−[4,5]−イソオキサゾロキシ)ブチルオキシ))フェニル酢酸である。WO 97/28137の実施例62)。アッセイ液を、最終容量150μLで4℃にて約16時間インキュベートした。未結合リガンドを、氷上で約10分間にわたってデキストラン/ゼラチンコーティング活性炭100μLとともにインキュベーションすることで除去した。4℃で10分間、3000rpmにて遠心した後、上清画分50μLをトップカウントでカウントした。
【0104】
B)Gal−4hPPARトランスアクチベーションアッセイ
キメラ受容体発現構築物pcDNA3−hPPARγ/GAL4、pcDNA3−hPPARδ/GAL4、pcDNA3−hPPARα/GAL4を、それぞれhPPARγ、hPPARδ、hPPARαのリガンド結合領域(LBD)に隣接する酵母GAL4転写因子DBDを挿入することで得た。ヘルペスウィルス最小チミジンキナーゼプロモーターおよびルシフェラーゼレポーター遺伝子の上流にGAL4応答要素のコピー5個を挿入することで、レポーター構築物pUAS(5×)−tk−lucを形成した。pCMV−lacZには、サイトメガロウィルスプロモーターの調節下にガラクトシダーゼZ遺伝子がある。10%COの加湿雰囲気下に37℃で、96ウェル細胞培養プレートにて、10%活性炭除去ウシ胎仔血清(Gemini Bio-Products, Calabasas, CA)、非必須アミノ酸類、100単位/mLペニシリンGおよび100mg/mL硫酸ストレプトマイシンを含む高グルコースのダルベッコの調整イーグル培地(DMEM)に細胞12×10個/ウェルでCOS−1細胞を接種した。24時間後、製造者の説明に従って、リポフェクタミン(Lipofectamine, GIBCO BRL, Gaithersburg, MD)を用いてトランスフェクションを行った。すなわち、各ウェルのトランスフェクション混合物には、リポフェクタミン0.48μL、pcDNA3−PPAR/GAL4発現ベクター0.00075μg、pUAS(5×)−tk−lucレポーターベクター0.045μgおよびトランスアクチベーション効率についての内部対照としてのpCMV−lacZ 0.0002μgを含有させた。10%CO雰囲気下に37℃で、細胞をトランスフェクション混合物中にて5時間インキュベートした。次に、5%活性炭除去ウシ胎仔血清、非必須アミノ酸類、100単位/mLペニシリンGおよび100mg/mL硫酸ストレプトマイシン±濃度を上昇させていく被験化合物を含む新鮮な高グルコースDMEM中、細胞を約48時間インキュベートした。化合物をDMSO中で溶解させたことから、同等濃度のDMSOとともに対照細胞のインキュベートを行った。最終DMSO濃度は≦0.1%であり、その濃度はトランスアクチベーション活性には影響しないことが明らかになった。製造者の説明に従って、レポーター溶解緩衝液(Reporter Lysis Buffer, Promega, Madison, WI)を用いて細胞溶解物を得た。細胞抽出物におけるルシフェラーゼ活性を、ML3000光度計(Dynatech Laboratories, Chantilly, VA)でルシフェラーゼアッセイ緩衝液(Luciferase Assay Buffer, Promega, Madison, WI)を用いて測定した。β−ガラクトシダーゼ活性を、β−D−ガラクトピラノシド(Calbiochem, San Diego, CA)を用いて測定した。
【0105】
作働作用は、ロシグリタゾンなどの完全PPAR作働薬と最大トランスアクチベーション活性を比較することで確認される。トランスアクチベーションの最大刺激が完全作働薬を用いて認められる効果の50%未満である場合、その化合物は部分作働薬であると称される。トランスアクチベーションの最大刺激が完全作働薬を用いて認められる効果の50%を超える場合、その化合物は完全作働薬であると称される。本発明の化合物は、1nMから3000nMの範囲のEC50値を有する。
【0106】
C)in vivo試験
オスdb/dbマウス(10〜11週齢C57Bl/KFJ、Jackson Labs, Bar Harbor, ME)をケージ当たり5匹ずつ飼育し、粉砕プリナ(Purina)齧歯類固型飼料および飲料水を自由に摂取させた。動物およびそれの飼料の重量を2日に1回測定し、指定の用量で媒体(0.5%カルボキシメチルセルロース)±被験化合物を強制経口投与によって1日1回投与した。薬剤懸濁液は毎日調製した。試験期間中3〜5日間隔で尾放血によって得た血液から、血漿のグルコースおよびトリグリセリド濃度を測定した。グルコースおよびトリグリセリドの測定は、通常の生理食塩水で1:6(容量基準)に希釈したヘパリン添加血漿を用いて、自動分析装置(Boehringer Mannheim Hitachi 911自動分析装置;Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)で実施した。非肥満動物は、同じ方法で維持した、年齢を一致させた雑種マウスとした。
【実施例】
【0107】
下記の実施例は、本発明について説明するためのものであって、いかなる形でも本発明を限定するものと解釈すべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0108】
製造された具体的な化合物を表1〜4に示してある。それらの名称は表1A〜4Aにある。それらの表は、下記の実施例の直後に配置している。これら表中の化合物は、下記のように類似の構造的特徴に従ってグループ分けされている。それら化合物の一部についての代表的な合成を下記に示してある。それ以外の化合物は、同様の合成戦略および方法ならびに容易に入手可能な試薬および原料を用いて製造した。そのような合成は、合成有機化学の分野における当業者には容易に理解されるものである。
【0109】
表1:Rがフェノキシまたはチオフェノキシである。
【0110】
表2:Rがベンゾイソオキサゾールである。
【0111】
表3:Rがベンゾイルである。
【0112】
表4:Rがフェニルである。
【0113】
表1〜4中の全ての化合物について、タンデム高速液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)および/またはプロトンNMRによる分析を行った。LC−MSサンプルは、ウォーターズ(Waters)のマイクロマス(Micromass)ZQ質量分析装置と組み合わせたアギレント(Agilent)1100シリーズ高速液体クロマトグラフィー装置を用いて分析した。使用したカラムは、ウォーターズのXTerraであり、化合物の溶離は、流量2.5mL/分での勾配溶離プログラム(4.5分以内に10%Bから100%B)を用いて行った。溶媒A:0.06%トリフルオロ酢酸を含む水。溶媒B:0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル。保持時間は「分」単位で示してある。
【0114】
がベンゾイルである化合物(表3)の合成
【0115】
(実施例1)
【0116】
【化7】

(2R)−2−{3−[3−(4−メトキシ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}プロパン酸
段階1:1−(3−メトキシ)フェニル−2−メチル−6−トリフルオロメトキシインドール(1)
2−メチル−6−トリフルオロメトキシインドール(645mg、3.0mmol)、3−ブロモアニソール(0.456mL、3.6mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(404mg、4.2mmol)、トリスジベンジリジンジパラジウム(206mg、0.225mmol)および2−ジ−t−ブチルホスフィノビフェニル(201mg、0.675mmol)をトルエン中80℃で撹拌し、反応完結するまでTLC(3/1ヘキサン/塩化メチレン)または逆相HPLCによってモニタリングした。反応混合物を冷却し、セライトで濾過し、濾液を溶媒留去して粗単離物を得た。それをシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して標題化合物を得た。
【0117】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.53(d、Ph、1H)、7.48(t、Ph、1H)、7.05(dd、Ph、1H)、7.02(m、Ph、2H)、6.95(dd、Ph、1H)、6.89(t、Ph、1H)、6.42(s、Ph、1H)、3.88(s、OCH、3H)、2.33(s、2−CH、3H)。
【0118】
段階2:1−(3−ヒドロキシ)フェニル−2−メチル−6−トリフルオロメトキシインドール(2)
(1)の化合物460mg(1.43mmol)を、0℃で塩化メチレン7mLに溶かした。三臭化ホウ素の塩化メチレン溶液(1.0N、2.86mL)を加え、冷却浴を外し、反応液を室温で終夜撹拌した。氷で30分間反応停止し、分配した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。脱水剤を濾過した後、濾液を溶媒留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、標題化合物を得た。
【0119】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.51(d、Ph、1H)、7.42(t、Ph、1H)、7.00(d、Ph、1H)、6.98(s、Ph、1H)、6.95(dd、Ph、1H)、6.92(dd、Ph、1H)、6.82(t、Ph、1H)、6.39(s、Ph、1H)、5.03(s、OH、1H)、2.31(s、2−CH、3H)。
【0120】
段階3:1−(3−ヒドロキシ)フェニル−2−メチル−3−(4−メトキシ)ベンゾイル−6−トリフルオロメトキシインドール(3)
(2)の化合物242mg(0.788mmol)を塩化メチレン(4mL)に溶かし、冷却して−20℃とした。ジエチルアルミニウムクロライドのトルエン溶液(1.8M、1.23mL)をゆっくり加え(1〜2分かけて)、5〜15分間撹拌した。次に、4−メトキシベンゾイルクロライド(377mg、2.21mmol)の塩化メチレン(1mL)溶液を加え、終夜撹拌しながら徐々に室温とした。気体発生が止むまで、pH7.0緩衝液を滴下し、分配を行った。水層を塩化メチレンでさらに2回抽出し、合わせた有機層を飽和NaCl溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去した。粗単離物をメタノール(5mL)に溶かし、水酸化ナトリウム溶液(1.0M、1.6mL)を加えた。TLCでモニタリングしてジ−アシルインドールの消失を確認し、HCl(1.0M、1.6mL)で中和した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによってクロマトグラフィー精製して標題化合物を得た。
【0121】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.84(d、Ph、2H)、7.46(d、Ph、1H)、7.42(t、Ph、1H)、7.06(dd、Ph、1H)、6.98(m、Ph、3H)、6.95(s、Ph、1H)、6.92(dd、Ph、1H)、6.86(t、Ph、1H)、6.38(s、OH、1H)、3.91(s、OCH、3H)、2.35(s、2−CH、3H)。
【0122】
段階4:(2R)−2−{3−[3−(4−メトキシ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}プロパン酸エチルエステル(4)
(3)の化合物45.9mg(0.100mmol)をテトラヒドロフラン(0.5mL)に溶かし、冷却して0℃とした。トリフェニルホスフィン(34mg、0.130mmol)および乳酸(S)−エチル(14.7μL、0.130mmol)を加え、次にジエチルアゾジカルボキシレート(20.5μL、0.13mmol)を加えた。反応液を終夜撹拌し、シリカゲルで直接クロマトグラフィー精製して標題化合物を得た。
【0123】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.88(d、Ph、2H)、7.53(t、Ph、1H)、7.47(d、Ph、1H)、7.090(d、Ph、1H)、7.01(m、Ph、4H)、6.95(m、Ph、1H)、6.89(s、Ph、1H)、4.83(brm、OCH(CH)COEt、1H)、3.93(s、OCH、3H)、4.25(q、OCH(CH)COCHCH、2H)、2.40(s、2−CH、3H)、1.70(d、OCH(CH)COEt、3H)、1.28(q、OCH(CH)COCHCH、3H)。
【0124】
段階5:(2R)−2−{3−[3−(4−メトキシ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−イルドール−1−イル]フェノキシ}プロパン酸(5)
(4)の化合物56mgをエタノール(1mL)および水酸化ナトリウム水溶液(1.0M、0.200mL)に溶かし、加水分解が完了するまで撹拌した。反応液を水で希釈し、希HCl水溶液で酸性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去して標題化合物を得た。
【0125】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.87(d、Ph、2H)、7.54(t、Ph、1H)、7.45(brs、Ph、1H)、7.11(brs、Ph、1H)、7.02(m、Ph、4H)、6.95(m、Ph、2H)、4.88(brm、OCH(CH)COH、1H)、3.93(s、OCH、3H)、2.41(s、2−CH、3H)、1.74(d、OCH(CH)COH、3H)。
【0126】
RP LC/MS:t=3.88分、m/e514(M+1)。
【0127】
(実施例2)
【0128】
【化8】

(2S)−2−{3−[3−(4−メトキシ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}プロパン酸
この化合物は、実施例1と同様の合成方法を用い、容易に入手可能な試薬および原料を用いて製造した。そのような合成は、合成有機化学の分野における当業者は容易に行うことができる。
【0129】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.87(d、Ph、2H)、7.54(t、Ph、1H)、7.45(brs、Ph、1H)、7.11(brs、Ph、1H)、7.02(m、Ph、4H)、6.95(m、Ph、2H)、4.88(brm、OCH(CH)COH、1H)、3.93(s、OCH、3H)、2.41(s、2−CH、3H)、1.74(d、OCH(CH)COH、3H)。
【0130】
RPLC/MS:t=3.88分、m/e514(M+1)。
【0131】
(実施例3)
【0132】
(実施例3に関する図式)
【0133】
【化9】

【0134】
(実施例3)
(2R)−2−{3−[3−(4−メトキシ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}ブタン酸
段階1:1−(3−メトキシ)フェニル−2−メチル−6−トリフルオロメトキシインドール(1)
2−メチル−6−トリフルオロメトキシインドール(645mg、3.0mmol)、3−ブロモアニソール(0.456mL、3.6mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(404mg、4.2mmol)、トリスジベンジリジンジパラジウム(206mg、0.225mmol)および2−ジ−t−ブチルホスフィノビフェニル(201mg、0.675mmol)をトルエン中にて80℃で撹拌し、反応完結までTLC(3/1ヘキサン/塩化メチレン)または逆相HPLCでモニタリングした。反応混合物を冷却し、セライトで濾過し、濾液を溶媒留去して粗単離物を得た。それをシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して標題化合物を得た。
【0135】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.53(d、Ph、1H)、7.48(t、Ph、1H)、7.05(dd、Ph、1H)、7.02(m、Ph、2H)、6.95(dd、Ph、1H)、6.89(t、Ph、1H)、6.42(s、Ph、1H)、3.88(s、OCH、3H)、2.33(s、2−CH、3H)。
【0136】
段階2:1−(3−ヒドロキシ)フェニル−2−メチル−6−トリフルオロメトキシインドール(2)
(1)の化合物460mg(1.43mmol)を、0℃で塩化メチレン7mLに溶かした。三臭化ホウ素の塩化メチレン溶液(1.0N、2.86mL)を加え、冷却浴を外し、反応液を室温で終夜撹拌した。氷で30分間反応停止し、分配した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。脱水剤を濾過した後、濾液を溶媒留去し、残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、標題化合物を得た。
【0137】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.51(d、Ph、1H)、7.42(t、Ph、1H)、7.00(d、Ph、1H)、6.98(s、Ph、1H)、6.95(dd、Ph、1H)、6.92(dd、Ph、1H)、6.82(t、Ph、1H)、6.39(s、Ph、1H)、5.03(s、OH、1H)、2.31(s、2−CH、3H)。
【0138】
段階3:1−(3−ヒドロキシ)フェニル−2−メチル−3−(4−メトキシ)ベンゾイル−6−トリフルオロメトキシインドール(3)
(2)の化合物242mg(0.788mmol)を塩化メチレン(4mL)に溶かし、冷却して−20℃とした。ジエチルアルミニウムクロライドのトルエン溶液(1.8M、1.23mL)をゆっくり加え(1〜2分かけて)、5〜15分間撹拌した。次に、4−メトキシベンゾイルクロライド(377mg、2.21mmol)の塩化メチレン(1mL)溶液を加え、終夜撹拌しながら徐々に室温とした。気体発生が止むまで、pH7.0緩衝液を滴下し、分配を行った。水層を塩化メチレンでさらに2回抽出し、合わせた有機層を飽和NaCl溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去した。粗単離物をメタノール(5mL)に溶かし、水酸化ナトリウム溶液(1.0M、1.6mL)を加えた。TLCでモニタリングしてジ−アシルインドールの消失を確認し、HCl(1.0M、1.6mL)で中和した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによってクロマトグラフィー精製して標題化合物を得た。
【0139】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.84(d、Ph、2H)、7.46(d、Ph、1H)、7.42(t、Ph、1H)、7.06(dd、Ph、1H)、6.98(m、Ph、3H)、6.95(s、Ph、1H)、6.92(dd、Ph、1H)、6.86(t、Ph、1H)、6.38(s、OH、1H)、3.91(s、OCH、3H)、2.35(s、2−CH、3H)。
【0140】
段階4:(2R)−2−{3−[3−(4−メトキシ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}ブタン酸t−ブチルエステル(4)
(3)の化合物110mg(0.25mmol)をテトラヒドロフラン(1.25mL)に溶かし、冷却して0℃とした。トリフェニルホスフィン(78.5mg、0.30mmol)および(S)−2−ヒドロキシブタン酸t−ブチル(シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich)、48mg、0.30mmol)を加え、次にジエチルアゾジカルボキシレート(59μL、0.30mmol)を加えた。反応液を終夜撹拌し、シリカゲルで直接クロマトグラフィー精製して標題化合物100mgを得た。反対のエナンチオマー((S)−2−ヒドロキシブタン酸t−ブチルに代えて(R)−2−ヒドロキシブタン酸t−ブチルを用いて上記の方法に従って製造)とのキラルセル(Chiralcel)ADカラムでのクロマトグラフィー比較(溶離液としてヘプタン/イソプロパノール)によって、キラル純度を評価した。
【0141】
キラルLC:10%イソプロパノール/ヘプタン、0.5mL/分、A=220nm、キラルセルADカラム(4.6×250mm、10μ):
(4):12.68分(99.7%)、14.16(0.3%)。(S)エナンチオマー(実施例2のt−ブチルエステル)のt:12.68分(2.2%)、14.18分(97.8%)。
【0142】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.87(d、Ph、2H)、7.51(t、Ph、1H)、7.47(d、Ph、1H)、7.08(d、Ph、1H)、7.00(m、Ph、4H)、6.93(m、Ph、1H)、6.89(brt、Ph、1H)、4.52(t、OCH(CHCH)COt−Bu、1H)、3.93(s、OCH、3H)、2.39(s、2−CH、3H)、2.03(m、OCH(CHCH)COt−Bu、2H)、1.45(s、OCH(CHCH)COt−Bu、9H)、1.13(t、OCH(CHCH)COt−Bu、3H)。
【0143】
段階5:(2R)−2−{3−[3−(4−メトキシ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}ブタン酸(5)
(4)の化合物17mg(0.03mol)を塩化メチレン(1mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(0.5mL、大過剰)を加えた。反応完了するまで(TLCによってモニタリング)、反応液を撹拌した。溶媒およびトリフルオロ酢酸を留去し、塩化メチレン中で再生し、pH7.0リン酸緩衝液(フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific))および塩化ナトリウム溶液の順で洗浄した。塩化メチレン層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去した。次に、化合物をODSまたはシリカゲルカラムのいずれかによって精製することができる(シリカゲル精製では0.5%から1%酢酸/酢酸エチル/ヘキサンが必要)。
【0144】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.84(d、Ph、2H)、7.62(t、Ph、1H)、7.61(brm、Ph、1H)、7.22(dd、Ph、1H)、7.17(brm、Ph、2H)、7.11(m、Ph、1H)、7.08(m、Ph、2H)、7.04〜6.96(brd、Ph、1H)4.90(m、OCH(CHCH)COH、1H)、3.93(s、OCH、3H)、2.33(brs、2−CH、3H)、2.06(m、OCH(CHCH)COH、2H)、1.11(t、OCH(CHCH)COH、3H)。
【0145】
RP LC/MS:t=3.74分、m/e528(M+1)。
【0146】
(実施例4〜27)
同様の合成方法および戦略ならびに容易に利用可能な原料および試薬を用い、上記実施例と同様にして下記の化合物を製造した。そのような方法および原料については、合成有機化学分野の当業者には容易に理解されるものである。
【0147】
(実施例4)
【0148】
【化10】

(2S)−2−{3−[3−(4−メトキシ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}ブタン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.84(d、Ph、2H)、7.62(t、Ph、1H)、7.61(brm、Ph、1H)、7.22(dd、Ph、1H)、7.17(brm、Ph、2H)、7.11(m、Ph、1H)、7.08(m、Ph、2H)、7.04〜6.96(brd、Ph、1H)4.90(m、OCH(CHCH)COH、1H)、3.93(s、OCH、3H)、2.33(brs、2−CH、3H)、2.06(m、OCH(CHCH)COH、2H)、1.11(t、OCH(CHCH)COH、3H)。
【0149】
RP LC/MS:t=3.74分、m/e528(M+1)。
【0150】
(実施例5)
【0151】
【化11】

2−{3−[3−(4−メトキシ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}−2−メチルプロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.88(br、Ph、2H)、7.53(t、Ph、1H)、7.44(d、Ph、1H)、7.14(d、Ph、1H)、7.08(d、Ph、1H)、7.01(m、Ph、3H)、6.95(d、Ph、2H)、3.93(s、OCH、3H)、2.43(brs、2−CH、3H)、1.70(s、OC(CHCOH、6H)。
【0152】
RP LC/MS:t=3.96分、m/e528(M+1)。
【0153】
(実施例6)
【0154】
【化12】

(2R)−2−{3−[3−(4−クロロ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}プロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.79(d、Ph、2H)、7.55(t、Ph、1H)、7.49(d、Ph、2H)、7.37(brm、Ph、1H)、7.12(brm、Ph、1H)、7.03(brm、Ph、2H)、6.93(brm、Ph、2H)、4.88(brm、OCH(CH)COH、1H)、3.93(s、OCH、3H)、2.41(s、2−CH、3H)、1.74(d、OCH(CH)COH、3H)。
【0155】
RP LC/MS:t=4.18分、m/e518(M+1)。
【0156】
(実施例7)
【0157】
【化13】

(2S)−2−{3−[3−(4−クロロ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}プロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.79(d、Ph、2H)、7.55(t、Ph、1H)、7.49(d、Ph、2H)、7.37(brm、Ph、1H)、7.12(brm、Ph、1H)、7.03(brm、Ph、2H)、6.93(brm、Ph、2H)、4.88(brm、OCH(CH)COH、1H)、3.93(s、OCH、3H)、2.41(s、2−CH、3H)、1.74(d、OCH(CH)COH、3H)。
【0158】
RP LC/MS:t=4.18分、m/e518(M+1)。
【0159】
(実施例8)
【0160】
【化14】

(2R)−2−{3−(4−クロロ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}ブタン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.79(d、Ph、2H)、7.55(t、Ph、1H)、7.50(d、Ph、2H)、7.37(brm、Ph、1H)、7.13(brm、Ph、1H)、7.03(brm、Ph、2H)、6.95(brm、Ph、2H)、4.72(brm、OCH(CHCH)COH、1H)、2.42(s、2−CH、3H)、2.11(m、OCH(CHCH)COH、2H)、1.17(t、OCH(CHCH)COH、3H)。
【0161】
RP LC/MS:t=4.01分、m/e532(M+1)。
【0162】
(実施例9)
【0163】
【化15】

(2S)−2−{3−[3−(4−クロロ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}ブタン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.79(d、Ph、2H)、7.55(t、Ph、1H)、7.50(d、Ph、2H)、7.37(brm、Ph、1H)、7.13(brm、Ph、1H)、7.03(brm、Ph、2H)、6.95(brm、Ph、2H)、4.72(brm、OCH(CHCH)COH、1H)、2.42(s、2−CH、3H)、2.11(m、OCH(CHCH)COH、2H)、1.17(t、OCH(CHCH)COH、3H)。
【0164】
RP LC/MS:t=4.01分、m/e532(M+1)。
【0165】
(実施例10)
【0166】
【化16】

2−{3−[4−(4−クロロ)ベンゾイル−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}−2−メチルプロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.79(br、Ph、2H)、7.53(t、Ph、1H)、7.44(d、Ph、2H)、7.37(d、Ph、1H)、7.15(dd、Ph、1H)、7.07(dd、Ph、1H)、7.03(d、Ph、1H)、6.95(t、Ph、1H)、6.93(s、Ph、1H)、2.42(brs、2−CH、3H)、1.71(s、OC(CHCOH、6H)。
【0167】
RP LC/MS:t=4.30分、m/e532(M+1)。
【0168】
(実施例11)
【0169】
【化17】

(2R)−2−{3−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−5−フルオロフェノキシ}プロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.79(d、Ph、2H)、7.49(d、Ph、2H)、7.36(brm、Ph、1H)、7.04(d、Ph、1H)、6.97(brm、Ph、1H)、6.86(d、Ph、1H)、6.78(d、Ph、1H)、6.72(m、Ph、1H)、4.85(q、OCH(CH)COH、1H)、2.43(s、2−CH、3H)、1.75(d、OCH(CH)COH、3H)。
【0170】
RP LC/MS:t=4.21分、m/e536(M+1)。
【0171】
(実施例12)
【0172】
【化18】

(2S)−2−{3−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−5−フルオロフェノキシ}プロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.79(d、Ph、2H)、7.49(d、Ph、2H)、7.36(brm、Ph、1H)、7.04(d、Ph、1H)、6.97(brm、Ph、1H)、6.86(d、Ph、1H)、6.78(d、Ph、1H)、6.72(m、Ph、1H)、4.85(q、OCH(CH)COH、1H)、2.43(s、2−CH、3H)、1.75(d、OCH(CH)COH、3H)。
【0173】
RP LC/MS:t=4.21分、m/e536(M+1)。
【0174】
(実施例13)
【0175】
【化19】

(2R)−2−{3−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−36(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−5−フルオロフェノキシ}ブタン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.79(d、Ph、2H)、7.49(d、Ph、2H)、7.36(brm、Ph、1H)、7.04(d、Ph、1H)、6.97(brm、Ph、1H)、6.86(d、Ph、1H)、6.78(d、Ph、1H)、6.73(m、Ph、1H)、4.68(q、OCH(CHCH)COH、1H)、2.43(s、2−CH、3H)、2.11(m、OCH(CHCH)COH、2H)、1.16(t、OCH(CHOCH)COH、3H)。
【0176】
RP LC/MS:t=4.05分、m/e550(M+1)。
【0177】
(実施例14)
【0178】
【化20】

(2S)−2−{3−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−5−フルオロフェノキシ}ブタン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.79(d、Ph、2H)、7.49(d、Ph、2H)、7.36(brm、Ph、1H)、7.04(d、Ph、1H)、6.97(brm、Ph、1H)、6.86(d、Ph、1H)、6.78(d、Ph、1H)、6.73(m、Ph、1H)、4.68(q、OCH(CHCH)COH、1H)、2.43(s、2−CH、3H)、2.11(m、OCHCHCH)COH、2H)、1.16(t、OCH(CHCH)COH、3H)。
【0179】
RP LC/MS:t=4.05分、m/e550(M+1)。
【0180】
(実施例15)
【0181】
【化21】

2−{3−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−5−フルオロフェノキシ}−2−メチルプロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.79(d、Ph、2H)、7.49(d、Ph、2H)、7.35(d、Ph、1H)、7.03(d、Ph、1H)、6.94(s、Ph、1H)、6.87(dt、Ph、1H)、6.80(dt、Ph、1H)、6.71(m、Ph、1H)、2.42(s、2−CH、3H)、1.71(s、OC(CHCOH、6H)。
【0182】
RP LC/MS:t=4.41分、m/e550(M+1)。
【0183】
(実施例16)
【0184】
【化22】

(2R)−2−{3−[3−(4−メトキシベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−5−フルオロフェノキシ}プロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.86(d、Ph、2H)、7.44(brm、Ph、1H)、7.03(d、Ph、1H)、7.00(d、Ph、2H)、6.97(brm、Ph、1H)、6.85(d、Ph、1H)、6.79(d、Ph、1H)、6.73(m、Ph、1H)、4.86(q、OCH(CH)COH、1H)、3.93(s、OCH、3H)、2.42(s、2−CH、3H)、1.75(d、OCH(CH)COH、3H)。
【0185】
RP LC/MS:t=3.64分、m/e532(M+1)。
【0186】
(実施例17)
【0187】
【化23】

(2R)−2−{3−[3−(4−メトキシベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−5−フルオロフェノキシ}ブタン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.86(d、Ph、2H)、7.44(brm、Ph、1H)、7.03(d、Ph、1H)、7.00(d、Ph、2H)、6.97(brm、Ph、1H)、6.86(d、Ph、1H)、6.78(d、Ph、1H)、6.73(m、Ph、1H)、4.67(q、OCH(CHCH)COH、1H)、2.42(s、2−CH、3H)、2.11(m、OCH(CHCH)COH、2H)、1.16(t、OCH(CHCH)COH、3H)。
【0188】
RP LC/MS:t=4.13分、m/e546(M+1)。
【0189】
(実施例18)
【0190】
【化24】

(2R)−2−{3−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−4−フルオロフェノキシ}プロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.78(d、Ph、2H)、7.49(d、Ph、2H)、7.36(dd、Ph、1H)、7.31(m、Ph、1H)、7.02(brm、Ph、2H)、6.96(brd、Ph、1H)、6.89(d、Ph、1H)、4.88(m、OCH(CH)COH、1H)、2.40(s、2−CH、3H)、1.76(d、OCH(CH)COH、3H)。
【0191】
RP LC/MS:t=4.15分、m/e536(M+1)。
【0192】
(実施例19)
【0193】
【化25】

(2S)−2−{3−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−4−フルオロフェノキシ}プロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.78(d、Ph、2H)、7.49(d、Ph、2H)、7.36(dd、Ph、1H)、7.31(m、Ph、1H)、7.02(brm、Ph、2H)、6.96(brd、Ph、1H)、6.89(d、Ph、1H)、4.88(m、OCH(CH)COH、1H)、2.40(s、2−CH、3H)、1.76(d、OCH(CH)COH、3H)。
【0194】
RP LC/MS:t=4.15分、m/e536(M+1)。
【0195】
(実施例20)
【0196】
【化26】

(2S)−2−{3−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−4−フルオロフェノキシ}−2−メチルプロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.79(d、Ph、2H)、7.49(d、Ph、2H)、7.36(dd、Ph、1H)、7.34(m、Ph、1H)、7.12(m、Ph、2H)、7.03(brd、Ph、1H)、6.89(d、Ph、1H)、2.42(s、2−CH、3H)、1.70(s、OC(CHCOH、6H)。
【0197】
RP LC/MS:TR=4.33分、m/e550(M+1)。
【0198】
(実施例21)
【0199】
【化27】

2−({6−[3−(4−メトキシベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]ピリジン−2−イル}オキシ)−2−メチルプロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.67(d、Ph、2H)、7.51(m、Ph、1H)、7.11(d、Ph、1H)、7.00(s、Ph、1H)、6.82(m、Ph、5H)、3.83(s、OCH、3H)、2.42(s、2−CH、3H)、1.70(s、OC(CHCOH、6H)。
【0200】
RP LC/MS:t=3.91分、m/e529(M+1)。
【0201】
(実施例22)
【0202】
【化28】

2−({6−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]ピリジン−2−イル}オキシ)−2−メチルプロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.90(t、Ph、1H)、7.79(d、Ph、2H)、7.49(d、Ph、2H)、7.41(d、Ph、1H)、7.05(m、Ph、3H)、6.98(d、Ph、1H)、2.44(s、2−CH、3H)、1.65(s、OC(CHCOH、6H)。
【0203】
RP LC/MS:t=4.17分、m/e533(M+1)。
【0204】
(実施例23)
【0205】
【化29】

(2S)−2−{3−[3−(4−メトキシベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−4−クロロフェノキシ}プロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.85(d、Ph、2H)、7.65(d、Ph、1H)、7.31(m、Ph、1H)、7.03〜6.90(brm、Ph、6H)、4.85(m、OCH(CH)COH、1H)、3.93(s、OCH、3H)、2.41(s、2−CH、3H)、1.78(d、OCH(CH)COH、3H)。
【0206】
(実施例24)
【0207】
【化30】

(2S)−2−{3−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−4−クロロフェノキシ}プロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.78(d、Ph、2H)、7.65(d、Ph、1H)、7.49(d、Ph、2H)、7.34(m、Ph、1H)、7.02〜6.86(brm、Ph、4H)、4.86(brm、OCH(CH)COH、1H)、2.41(s、2−CH、3H)、1.79(d、OCH(CH)COH、3H)。
【0208】
RP LC/MS:t=4.37分、m/e551(M+1)。
【0209】
(実施例25)
【0210】
【化31】

(2R)−2−{3−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]−4−クロロフェノキシ}プロパン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.78(d、Ph、2H)、7.65(d、Ph、1H)、7.49(d、Ph、2H)、7.34(m、Ph、1H)、7.02〜6.86(brm、Ph、4H)、4.86(brm、OCH(CH)COH、1H)、2.41(s、2−CH、3H)、1.79(d、OCH(CH)COH、3H)。
【0211】
(実施例26)
【0212】
【化32】

2−{3−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}ブタン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.80(d、Ph、2H)、7.55(t、Ph、1H)、7.50(d、Ph、2H)、7.37(m、Ph、1H)、7.16〜6.85(brm、Ph、5H)、4.60(brs、OCH(CHCH)COH、1H)、2.41(s、2−CH、3H)、2.11(m、OCH(CHCH)COH、2H)、1.16(t、OCH(CHCH)COH、3H)。
【0213】
(実施例27)
【0214】
【化33】

2−{3−[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]フェノキシ}ペンタン酸
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.79(d、Ph、2H)、7.54(t、Ph、1H)、7.49(d、Ph、2H)、7.38〜7.34(m、Ph、1H)、7.12〜6.89(brm、Ph、5H)、4.74(brs、OCH(CHCHCH)COH、1H)、2.41(s、2−CH、3H)、2.04(m、OCH(CHCHCH)COH、2H)、1.63(m、OCH(CHCHCH)COH、2H)、1.03(t、OCH(CHCHCH)COH、3H)。
【0215】
(実施例28の合成に関する図式)
【0216】
【化34】

【0217】
(実施例28)
【0218】
【化35】

ケトン2:クロロアセトン(6.00g、65mmol、使用前にクロロアセトンを塩基性アルミナで濾過した)、フェノール1(10.00g、65mmol)および炭酸カリウム(8.96g、65mmol)の懸濁液を、窒素雰囲気下に1時間にわたり室温でDMF中にて撹拌した。その後、反応液を酢酸エチル/HOで希釈し、層を分液した。水層を1N HClで酸性とし、酢酸エチルで抽出した(3回)。有機層を水(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去してピンク固体を得た。H−NMR(CDCl、500MHz)δ8.14(t、1H)、7.53(t、1H)、7.35(d、1H)、7.27(d、1H)、3.78(s、2H)、2.35(s、3H)。
【0219】
【化36】

インドール3:ケトン2(1.84g、8.75mmol)および4−トリフルオロメトキシフェニルヒドラジン塩酸塩(2.00g、4.76mmol)を、酢酸(40mL、0.22M)中にて窒素雰囲気下に100℃で1時間撹拌して、4−および6−トリフルオロメトキシインドールの1:2混合物を得た(所望の6−置換インドールの方がTLCによってわずかに極性が低い)。反応液を冷却して室温とし、酢酸を減圧下に除去し、残留物を酢酸エチルで希釈し、水(1回)およびブライン(1回)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去して、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/1%酢酸、6:1)後に3を黄色油状物として得た。H−NMR(CDCl、500MHz)δ8.43(brs、1H)、8.16(dd、1H)、7.46(d、1H)、7.23(t、1H)、7.14(t、1H)、7.03(d、1H)、6.74(d、1H)、2.54(s、3H)。
【0220】
【化37】

インドール4:インドール3(0.29g、0.78mmol)およびチオサリチル酸(0.12g、0.78mmol)のトリフルオロ酢酸(3mL、0.26M)溶液を、窒素雰囲気下に50℃で2時間加熱した。その後、反応液を冷却して室温とし、酢酸エチルで希釈し、1N NaOH(2回)およびブライン(1回)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去して褐色固体を得た。H−NMR(CDCl、500MHz)δ8.01(brs、1H)、7.49(d、1H)、7.17(s、1H)、6.99(d、1H)、6.26(s、1H)、2.46(s、3H)。
【0221】
【化38】

3−アシルインドール5:塩化亜鉛(0.23g、1.66mmol)およびエチルマグネシウムブロミド(3Mエーテル溶液0.29mL、0.87mmol)を、インドール4(0.16g、0.74mmol)のCHCl溶液に加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下に室温で1時間撹拌した。4−クロロベンゾイルクロライド(0.21g、1.18mmol)を加え、撹拌を1時間続けた。最後に、塩化アルミニウム(0.053g、0.39mmol)を加え、反応混合物を3時間撹拌した。その後、NHCl(水溶液)で反応停止し、CHClで希釈し、1N NaOH(1回)およびブライン(3回)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去して、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、4:1)後に明黄色油状物を得た。H−NMR(CDCl、500MHz)δ8.54(brs、1H)、7.73(d、2H)、7.48(d、2H)、7.40(d、1H)、7.24(s、1H)、7.02(d、1H)、2.60(s、3H)。
【0222】
【化39】

N−ベンジルインドール6:水素化ナトリウム(14mg、0.35mmol、鉱油中60%分散品)を、インドール5(111mg、0.32mmol)のDMF(3.0mL、0.1M)溶液に加えた。得られた混合物を窒素下に10分間にわたり室温で撹拌し、臭化物10(110mg、0.35mmol)を加えた。室温で2時間撹拌を続けた。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去して、カラムクロマトグラフィー(4:1ヘキサン/酢酸エチル)後に黄色油状物を得た。H−NMR(CDCl、500MHz)δ7.76(d、2H)、7.48(d、2H)、7.37(d、1H)、7.26(dd、1H)、7.14(s、1H)、7.02(d、1H)、6.79(dd、1H)、6.65(d、1H)、6.60(s、1H)、5.34(s、2H)、4.72(q、1H)、3.89(m、2H)、2.55(s、3H)、1.88(m、1H)、1.62(d、3H)、0.85(d、6H)。
【0223】
【化40】

酸7:N−ベンジルインドール6(121mg、0.206mmol)および水酸化ナトリウム水溶液(0.50mL、5.0M)を、室温で7時間にわたり、テトラヒドロフラン、メタノールおよび水(2.5mL、3:1:1)中にて撹拌した。その後、反応液をロータリーエバポレータによる溶媒留去によって濃縮し、逆相HPLCによって精製して、白色固体として酸7を得た。
【0224】
H−NMR(CDCl、500MHz)δ7.76(d、2H)、7.48(d、2H)、7.34(d、1H)、7.26(d、1H)、7.16(s、1H)、7.02(d、1H)、6.82(dd、1H)、6.72(d、1H)、6.44(s、1H)、5.36(dd、2H)、4.64(q、1H)、2.51(s、3H)、1.62(d、3H)。
【0225】
【化41】

フェノール9:3−メトキシベンジルブロミド(3.0g、15mmol)をCHClに溶かし、冷却して0℃とした。次に、1Mの三臭化ホウ素のCHCl溶液(17.9mL、17.9mmol)を滴下した。30分後、氷浴を外し、撹拌をさらに30分間続けた。氷で反応停止し、CHCl、HOで希釈した。層を分液し、有機層をHO(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去して、フェノール9を白色固体として得た。H−NMR(CDCl、500MHz)δ7.25(t、1H)、6.99(d、1H)、6.90(s、1H)、6.80(d、1H)、4.81(brs、1H)、4.45(s、2H)。
【0226】
【化42】

ブロミド10:R−乳酸イソブチル(1.02g、6.95mmol)をCHClに溶かし、冷却して0℃とした。トリフェニルホスフィン(1.83g、6.95mmol)を加え、次にジエチルアゾジカルボキシレート(1.21g、6.95mmol)を滴下した。最後に、フェノール9を加えた。添加後、氷浴を外し、撹拌を30分間続けた。反応液をCHClで希釈し、HO(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、溶媒留去して、クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、8:1)後に無色油状物を得た(1.02g、60%)。H−NMR(CDCl、500MHz)δ7.26(dd、1H)、7.01(d、1H)、6.94(dd、1H)、6.83(dd、1H)、4.81(q、1H)、4.46(s、2H)、3.23−4.01(m、2H)、1.95(m、1H)、1.65(d、3H)、0.90(dd、6H)。
【0227】
(実施例29の合成に関する図式)
【0228】
【化43】

【0229】
(実施例29)
【0230】
【化44】

2−(3−ホルミル)フェノキシ酪酸エチル
3−ヒドロキシベンズアルデヒド(26.8g、219.6mmol)のDMF(250mL)溶液に0〜10℃で、CsCO(142g、439mmol)および2−ブロモ酪酸エチル(32.4mL、219.6mmol)を加えた。反応混合物を最初に0〜10℃で2時間、次に室温で終夜撹拌した。混合物を水(400mL)で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した(150mLで2回)。エーテル抽出液を水(100mLで2回)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して乾固させることで、生成物を透明油状物として得た。H NMR(CDCl、500MHz)δ9.97(s、1H)、7.51(m、2H)、7.36(s、1H)、7.21(dd、1H)、4.66(t、1H)、4.21(q、2H)、2.06(m、2H)、1.28(t、3H)、1.12(t、3H)。
【0231】
【化45】

2−(3−ヒドロキシメチル)フェノキシ酪酸エチル
2−(3−ホルミル)フェノキシ酪酸エチル(46g、194mmol)のエタノール(500mL)溶液に0℃で、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、7.4g、194mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を氷浴で1時間撹拌した。水をゆっくり加えて、過剰のNaBHを分解した。混合物を水300mLで希釈し、ジエチルエーテルで抽出した(200mLで2回)。エーテル抽出液を水(100mLで2回)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮して乾固させて、生成物を透明油状物として得た。H NMR(CDCl、500MHz)7.27(dd、1H)、6.97(d、1H)、6.93(s、1H)、6.81(d、1H)、4.65(s、2H)、4.58(t、1H)、4.22(q、2H)、2.01(m、2H)、1.28(t、3H)、1.11(t、3H)。
【0232】
【化46】

2−(3−ブロモメチル)フェノキシ酪酸エチル
2−(3−ヒドロキシメチル)フェノキシ酪酸エチル(41g、172.2mmol)の塩化メチレン(400mL)溶液に0℃で、四臭化炭素(CBr、86g、260mmol)およびトリフェニルホスフィン(PhP、68g、260mmol)を加えた。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム(NaHCO、200mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、減圧下に濃縮して少量とした。残留物を、溶媒系としてヘキサン/酢酸エチル(9:1)を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィー精製して、生成物を無色油状物として得た。H NMR(CDCl、500MHz)7.26(t、1H)、7.01(d、1H)、6.95(s、1H)、6.82(d、1H)、4.58(m、1H)、4.46(s、2H)、4.25(q、2H)、2.01(m、2H)、1.28(t、3H)、1.11(t、3H)。
【0233】
【化47】

光学活性2−(3−ブロモメチル)フェノキシ酪酸エチルの製造
生成物のエナンチオマー純度を分析するため、濃度約1.0mg/mLのサンプル溶液10μLを、キラルセルOD分析カラム(4.6×250mm、10ミクロン)に注入した。カラムを、流量0.5mL/分で、5%イソプロパノール/ヘプタンからなる定組成系で溶離した。UV検出器を用いて、254μmの波長でピークを記録した。その条件下で、Sエナンチオマーの保持時間は約10分であり、Rエナンチオマーの保持時間は約20分である。エナンチオマー過剰(ee%)を、Sエナンチオマーの曲線下面積−Rエナンチオマーの曲線下面積として計算し、2つの面積の合計で割る。分取を目的として、キラルセルOD半分取カラム(20×250mm、10ミクロン)を用いた。濃度約40mg/mLのサンプル溶液1.8mLを注入した。カラムを、流量9.0mL/分で、5%イソプロパノール/ヘプタンからなる定組成系で溶離した。波長254nmで0.5mVの閾値より上で検出されたピークを、ギルソン(Gilson)フラクションコレクターによって回収した。Sエナンチオマーを含む分画は注入から20〜25分後に回収され、Rエナンチオマーを含むものは約40〜45分で回収された。繰り返し注入することで、前記2種類のエナンチオマーの連続分離が行われた。分離されたエナンチオマーを含む分画を合わせ、濃縮して、光学活性生成物を透明油状物として得た。取得物のエナンチオマー純度は、96〜99%eeの範囲である。
【0234】
【化48】

(2R)−2−{3−[[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]メチル]フェノキシ}酪酸エチル
3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール(15g、50mmol)のDMF(300mL)溶液に0〜10℃で、CsCO(45g、124mmol)および(2R)−2−(3−ブロモメチル)フェノキシ酪酸エチル(18g、50mmol)を加えた。反応混合物を、最初に0〜10℃で2時間、次に室温で終夜撹拌した。混合物を水(400mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(150mLで2回)。有機抽出液を水(100mLで2回)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水MgSOで脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶媒系としてヘキサン/酢酸エチル(4:1)を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー精製して、生成物を白色固体として得た。H NMR(CDCl、500MHz)δ7.76(d、2H)、7.48(d、2H)、7.36(d、1H)、7.25(t、1H)、7.15(s、1H)、7.02(d、1H)、6.79(d、1H)、6.67(d、1H)、6.56(s、1H)、5.35(s、2H)、4.49(t、1H)、4.21(q、2H)、2.55(s、3H)、1.97(m、2H)、1.28(t、3H)、1.07(t、3H)。生成物のエナンチオマー純度は、分析用キラルHPLC分析(キラルセルOD、10%エタノール/ヘプタン)に基づいて98〜99%eeの範囲である。
【0235】
【化49】

(2R)−2−{3−[[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]メチル]フェノキシ}ブタン酸
(2R)−2−{3−[[3−(4−クロロベンゾイル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]メチル]フェノキシ}酪酸エチル(23g、40mmol)のテトラヒドロフラン(THF、200mL)溶液に、メタノール200mLおよび1N NaOH溶液160mL(160mmol)を加えた。得られた透明溶液を室温で終夜撹拌し、2N HCl溶液で中和した(pH=4まで)。混合物を減圧下に濃縮してほとんどの有機溶媒を除去し、室温で撹拌して結晶化させた。懸濁液を濾過し、固体を水で洗浄し、真空乾燥して、生成物を白色固体として得た。H NMR(CDCl、500MHz)δ7.77(d、2H)、7.48(d、2H)、7.35(d、1H)、7.27(t、1H)、7.17(s、1H)、7.02(d、1H)、6.84(d、1H)、6.73(d、1H)、6.38(s、1H)、5.36(q、2H)、4.44(t、1H)、2.49(s、3H)、1.98(m、2H)、1.07(t、3H)。MS:(M+1)=546。生成物のエナンチオマー純度は98〜99%eeの範囲である(キラルセルOD−RH、アセトニトリル/水勾配)。
【0236】
がフェノキシである化合物の合成(表1)
がフェノキシまたはチオフェノキシである化合物を、表1に示してある。表1からの代表的な化合物(実施例30)の合成を、下記の図式の示してあり、その後に合成の詳細な説明がある。表1中の他の化合物は、同様の合成戦略および容易に入手可能な材料を用いることで当業者が合成可能である。
【0237】
【化50】


【0238】
(実施例30)
【0239】
【化51】

4−クロロフェノール(15.36g)のDMF(150mL)溶液に室温で、CsCO(64.4g)を加えた。15分後、クロロアセトン(14.8mL)を注射器を用いて導入した。反応混合物を3時間撹拌し、エーテルと水との間で分配した。有機層を水、1N NaOH水溶液(2回)およびブラインの順で洗浄し、無水MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。高真空下で蒸留することで、生成物14gをわずかに黄色の油状物として得た。H NMR(CDCl、500MHz)δ7.28(d、2H)、6.83(d、2H)、4.54(s、2H)、2.29(s、3H)。
【0240】
【化52】

上記で得られたケトン(12.89g)および3−トリフルオロメトキシフェニルヒドラジン(12.22g)をベンゼン(50mL)に溶かした。反応混合物を60℃で45分間加熱し、冷却して室温とし、脱水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、フェニルヒドラゾン(23g)を得た。それをそれ以上精製せずに直ちに用いた。
【0241】
【化53】

上記で得られたヒドラゾン(23g)のCHCl(200mL)溶液に室温で、PCl(11mL)を加えた。反応液を室温で24時間撹拌してから、水(3mL)を加えて、反応液をさらに15分間高撹拌した。氷水浴によって冷却して0℃としてから、5N NaOH水溶液を加えることで、反応液を中和してpH7とした。ほとんどの溶媒を減圧下に除去した。残留物をエーテルと水との間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン25/1)による精製によって、所望の生成物(7.3g)を相当する4−トリフルオロメトキシインドール異性体(2.4g)とともに得た。H NMR(CDCl、500MHz)δ7.80(s、広い、1H)、7.24(d、J=8.7Hz、2H)、7.22(d、J=8.4Hz、1H)、7.19(s、1H)、6.95(d、J=8.4Hz、1H)、6.91(d、J=8.7Hz、2H)、2.35(s、3H)。
【0242】
【化54】

上記で得られたインドール(3.16g)およびベンジルブロミド(3.55g)のDMF(40mL)溶液に室温で、CsCO(6.03g)を加えた。反応混合物を15時間撹拌し、水に投入し、EtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製によって、所望の生成物を得た。H NMR(CDCl、500MHz)δ7.34(d、J=8.2Hz、1H)、7.28(d、J=7.6Hz、1H)、7.25(d、J=9.0Hz、2H)、7.08(s、1H)、6.96(d、J=8.0Hz、1H)、6.92(d、J=9.0Hz、2H)、6.60(dd、J=8.0、1.7Hz、1H)、6.46(d、J=1.7Hz、1H)、5.23(s、2H)、4.62(q、J=6.8Hz、1H)、3.85(dd、J=6.8、10.5Hz、1H)、3.70(dd、J=6.8、10.5Hz、1H)、2.24(s、3H)、1.81(m、1H)、1.64(d、J=6.9Hz、3H)、0.84(d、J=6.6Hz、6H)。
【0243】
【化55】

前記エステル(5.0g)のMeOH(200mL)溶液に、NaOH水溶液(1.0N、20mL)を加えた。混合物を室温で5時間撹拌し、冷却して0℃とし、1.0N HClで酸性とし、水(200mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、エーテル/ヘキサンからの結晶化によって精製して生成物を得た。H NMR(CDCl、500MHz)δ7.36(d、J=8.2Hz、1H)、7.28(d、J=7.6Hz、1H)、7.25(d、J=9.2Hz、2H)、7.09(s、1H)、6.96(d、J=8.7Hz、1H)、6.90(d、J=9.0Hz、2H)、6.65(d、J=8.0Hz、1H)、6.45(s、1H)、5.26(s、2H)、4.63(q、J=6.9Hz、1H)、2.24(s、3H)、1.64(d、J=6.9Hz、3H)。
【0244】
【化56】

フェノール(10.23g)の塩化メチレン(200mL)溶液に室温で、アルコール(14.1mL)、PPh(24.4g)およびDEAD(14.6mL)を加えた。反応混合物を終夜撹拌した。溶媒を減圧下に除去した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製によって、所望の生成物を得た。H NMR(CDCl、500MHz)δ7.25(d、J=8.0Hz、1H)、6.75(d、J=8.0Hz、1H)、6.70(s、1H)、4.79(q、J=6.7Hz、1H)、3.99(m、1H)、2.30(s、3H)、1.97(m、1H)、1.70(d、J=6.9Hz、3H)、0.90(d、J=6.8Hz、6H)。
【0245】
【化57】

原料のエステル(15.3g)のCCl溶液に、NBS(9.58g)および触媒量のAIBN(200mg)を加えた。混合物を80℃で終夜撹拌し、冷却して室温とし、濾過し、減圧下に濃縮した。クロマトグラフィー精製によって、所望のベンジルブロミドを得た。H NMR(CDCl、500MHz)δ7.35(d、J=8.0Hz、1H)、6.98(dd、J=8.0、2.0Hz、1H)、6.89(d、J=2.0Hz、1H)、4.84(q、J=6.7Hz、1H)、4.43(d、J=10.5Hz、1H)、4.41(d、J=10.5Hz、1H)、3.98(m、1H)、1.97(m、1H)、1.72(d、J=6.9Hz、3H)、0.90(d、J=6.7Hz、3H)、0.90(d、J=6.7Hz、3H)。
【0246】
がベンゾイソオキサゾールである化合物(表2)
がベンゾイソオキサゾールである化合物の合成を、下記の図式に示してあり、それに続いて実施例31でその手順を説明する。Rがベンゾイソオキサゾールである他の化合物を、表2に示してある。それらはいずれも、本明細書に開示の方法および戦略を用いて、合成有機化学における当業者が製造することができる。
【0247】
【化58】


【0248】
(実施例31)
【0249】
【化59】

(2R)−2−(4−クロロ−3{[3−(6−メトキシ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]メチル}フェノキシ)プロパン酸
段階1:2−(アリルオキシ)−4−メトキシ安息香酸メチル(2)
【0250】
【化60】

4−メトキシサリチル酸メチル(2.0g、11mmol)のDMF(20mL)溶液に室温で、CsCO(1.3当量、4.7g)および臭化アリル(1.3当量、1.23mL)を加えた。2時間後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水(3回)、ブライン(1回)で洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濃縮して、生成物を淡黄色油状物として得た。生成物をそれ以上精製せずに使用した。
【0251】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.89(d、1H)、6.53(dd、1H)、6.49(d、1H)、6.08(m、1H)、5.55(d、1H)、5.33(d、1H)、4.63(d、2H)、3.89(s、3H)、3.86(s、3H)。
【0252】
段階2:2−(アリルオキシ)−4−メトキシ安息香酸(3)
【0253】
【化61】

2(2.5g、11mmol)の含水メタノール(30mL)溶液に、KOH(1当量、630mg)を加えた。反応液を50℃で12時間加熱してから、追加のKOH(630mg)を加えた。12時間後、混合物を冷却し、EtOAcで希釈し、1M HClで洗浄した。水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をNaSOで脱水し、濃縮した。生成物をオフホワイト固体として単離し、それ以上精製せずに用いた。
【0254】
HNMR(500MHz、CDOD):δ7.85(d、1H)、6.60(m、2H)、6.08(m、1H)、5.49(d、1H)、5.30(d、1H)、4.68(d、2H)、3.84(s、3H)。
【0255】
段階3:[2−(アリルオキシ)−4−メトキシフェニル][2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−3−イル]メタノン(6)
【0256】
【化62】

4(6.34g、29mmol)およびZnCl(2.1当量、8.3g)のCHCl(220mL)中スラリーに室温で、EtMgBr(3.0Mエーテル溶液)を加えた。別のフラスコで、オキサリルクロライド(1.3当量、3.3mL)を3(1.1当量、6.8g)のCHCl(200mL)溶液に加えた。1時間後、新たに形成された酸塩化物(5)溶液を、カニューレによってそのインドールに加えた。反応液を1時間撹拌してから、飽和NHCl溶液に投入することで反応停止した。層を分液し、有機層をNHCl(2回)およびNaHCO(2回)で洗浄した。有機層をNaSOで脱水してから、2:1CHCl/EtOAcを溶離液としてシリカゲル層で濾過を行った。濾液を濃縮して赤色固体を得た。それをMeOH(50〜100mL)で磨砕した。母液を濃縮し、その工程を繰り返した。生成物を着色固体として得た。
【0257】
H NMR(500MHz、CDCl):δ8.48(bs、1H)、7.45(d、1H)、7.40(d、1H)、7.16(s、1H)、6.97(d、1H)、6.60(d、1H)、6.52(d、1H)、5.67(m、1H)、5.03(d、1H)、5.00(s、1H)、4.40(d、2H)、3.89(s、3H)、2.54(s、3H)。
【0258】
段階4:[2−(アリルオキシ)−4−メトキシフェニル][2−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−3−イル]メタノン(7)
【0259】
【化63】

6(8.0g、20mmol)のDMF(200mL)溶液に、NaH(1.5当量)を加えた。混合物を15分間撹拌してから、TsCl(1.5当量、5.6g)を加えた。1時間後、反応混合物を氷水に投入し、CHClで抽出した。有機層をNHCl(2回)、NaHCOおよびブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濃縮した。20%EtOAc/ヘキサンを溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーでの精製によって、生成物を粘稠黄色油状物として得た。
【0260】
H NMR(500MHz、CDCl):δ8.17(s、1H)、7.75(d、2H)、7.58(d、1H)、7.29(d、2H)、7.24(d、1H)、7.05(d、1H)、6.60(dd、1H)、6.42(d、1H)、5.41(m、1H)、4.91(m、2H)、4.20(d、2H)、3.89(s、3H)、2.70(s、3H)、2.41(s、3H)。
【0261】
段階5:(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)[2−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−3−イル]メタノン(8)
【0262】
【化64】

7(9.0g、16mmol)、ジメドン(1.5当量、3.4g)およびPd(PPh(5mol%、930mg)のDMF(160mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1.5当量、4.2mL)を加えた。30分後、反応混合物をDCMで希釈し、0.05M HCl(3回)、NaHCOおよびブラインで洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、シリカゲル層で濾過して、残ったパラジウムを除去した。生成物を、14%EtOAc/ヘキサンで溶離を行うフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物を約10%のアリル化ジメドンを不純物として含む非晶質黄色固体として得た。生成物をそれ以上精製せずの用いた。
【0263】
H NMR(500MHz、CDCl):δ12.66(s、1H)、8.20(s、1H)、7.77(d、2H)、7.32(d、1H)、7.30(m、3H)、7.14(d、1H)、6.52(d、1H)、6.37(dd、1H)、3.89(s、3H)、2.63(s、3H)、2.42(s、3H)。
【0264】
段階6:(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)[2−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−3−イル]メタノンオキシム(9)
【0265】
【化65】

8(16mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(10当量、11.2g)およびピリジン(270mL)の溶液を、80℃で24時間加熱した。追加のヒドロキシルアミン(3g)を加え、昇温させて90℃とした。LC分析によって原料の消費を確認した後、反応液を冷却し、ピリジンをロータリーエバポレータによる溶媒留去によって除去した。残留物をDCMに溶かし、水および1M HClで洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濃縮した。反応混合物を、20%EtOAc/ヘキサンを溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(Rf=0.4)。生成物を白色泡状物として単離した。
【0266】
H NMR(500MHz、CDCl):δ8.15(s、1H)、7.71(d、2H)、7.45(bs、1H)、7.27(d、2H)、7.09(m、2H)、6.56(m、2H)、6.23(dd、1H)、3.79(s、3H)、2.47(s、3H)、2.40(s、3H)。
【0267】
段階7:6−メトキシ−3−[2−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−3−イル]−1,2−ベンゾイソオキサゾール(10)
【0268】
【化66】

9(3.8g、7.1mmol)およびNaOAc(3当量、1.8g)のDMF(120mL)溶液に、AcO(3当量、2mL)を加えた。反応液を110℃で4時間加熱したところ、その時点でLC分析によって原料は検出されなかった。反応液を冷却し、DCMで希釈した。溶液をNHCl、ブラインおよびNaHCOで洗浄し、NaSOで脱水し、濃縮した。残留物を、20%EtOAc/ヘキサンを溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を白色泡状物として単離した。
【0269】
H NMR(500MHz、CDCl):δ8.23(s、1H)、7.77(d、2H)、7.48(d、1H)、7.36(d、1H)、7.28(d、2H)、7.15(d、1H)、7.09(d、1H)、6.94(dd、1H)、3.92(s、3H)、2.74(s、3H)、2.39(s、3H)。
【0270】
段階8:6−メトキシ−3−[2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−3−イル]−1,2−ベンゾイソオキサゾール(11)
【0271】
【化67】

CO(3当量)および10(2.5g、4.8mmol)を、メタノール水溶液中で2時間加熱還流したところ、その時点で原料は消費されていた。反応混合物を濃縮し、EtOAcで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濃縮した。残留物を、20%EtOAc/ヘキサンを溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物を淡緑色固体として得た。
【0272】
H NMR(500MHz、CDCl):δ8.45(bs、1H)、7.62(d、1H)、7.56(d、1H)、7.25(s、1H)、7.09(d、1H)、7.05(d、1H)、6.94(dd、1H)、3.93(s、3H)、2.63(s、3H)。
【0273】
段階9:(2R)−2−(4−クロロ−3−{[3−(6−メトキシ−1,2−ベンゾイソオキサゾールベンゾイソオキサゾール−3−イル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]メチル}フェノキシ)プロパン酸メチル(15)
【0274】
【化68】

11(208mg、0.57mmol)、CsCO(3当量、500mg)、14(1.1当量、202mg)およびDMF(4mL)の混合物を室温で合わせ、15時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、1M HClで洗浄した(2回)。有機層をNaSOで脱水し、濃縮した。残留物を、5%から15%EtOAc/ヘキサンを溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。単離生成物は白色泡状物であった。
【0275】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.71(d、1H)、7.60(d、1H)、7.34(d、1H)、7.11(m、3H)、6.96(dd、1H)、6.72(dd、1H)、5.94(d、1H)、5.40(s、2H)、4.41(q、1H)、3.93(s、3H)、3.49(s、3H)、2.54(s、3H)、1.44(d、3H)。
【0276】
段階10:(2R)−2−(4−クロロ−3−{[3−(6−メトキシ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)−2−メチル−6−(トリフルオロメトキシ)−1H−インドール−1−イル]メチル}フェノキシ)プロパン酸(16)
【0277】
【化69】

15(312mg、0.46mmol)の含水メタノール溶液に、1.0M NaOH溶液(1.5当量)を加えた。2時間後、TLCによって反応は完結した。溶液を濃縮し、分取LC(C18、100×20mm内径、5μm)によって精製した。性壊死物を、白色非晶質固体として単離した。
【0278】
H NMR(600MHz、CDCl):δ7.60(d、1H)、7.56(d、1H)、7.34(d、1H)、7.17(s、1H)、7.09(m、2H)、6.99(dd、1H)、6.80(dd、1H)、5.61(d、1H)、5.41(dd、2H)、4.22(q、1H)、3.94(s、3H)、2.41(s、3H)、1.46(d、3H)。t=4.34分、575.1(M+H)。
【0279】
段階11:(2R)−2−(4−クロロ−3−メチルフェノキシ)プロパン酸メチル(13)
【0280】
【化70】

3−メチル−4−クロロフェノール(10.0g、69mmol)、トリフェニルホスフィン(1.3当量、22g)、(S)−乳酸メチル(1.3当量、9.4mL)のDCM(230mL)溶液に0℃で、DEAD(1.2当量、13mL)を1分間かけて加えた。反応液を終夜で昇温させて室温とした。混合物をシリカゲル層で濾過し、濃縮した。残留物を、10%EtOAc/ヘキサンを溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物を無色油状物として得た。
【0281】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.19(d、1H)、6.76(d、1H)、6.63(dd、1H)、4.71(q、1H)、3.75(s、3H)、2.31(s、3H)、1.60(d、3H)。
【0282】
段階12:(2R)−2−[3−(ブロモメチル)−4−クロロフェノキシ]プロパン酸メチル(14)
【0283】
【化71】

乳酸エステル(15.8g、69mmol)のCCl(150mL)溶液に、NBS(1.1当量、13.5g)およびAIBN(100mg)を加えた。反応混合物を24時間加熱還流した。溶液をシリカゲル層で濾過し、濃縮した。残留物を、5%EtOAc/ヘキサンを溶離液とするフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物を白色固体として得た。
【0284】
H NMR(500MHz、CDCl):δ7.27(d、1H)、6.96(d、1H)、6.76(dd、1H)、4.74(q、1H)、4.52(s、2H)、3.77(s、3H)、1.62(d、3H)。
【0285】
がフェニルである化合物の合成
がフェニルである化合物について、合成方法を下記の実施例32に示してある。Rがフェニルであるその化合物および他の化合物を表4に示した。表4中の他の化合物は、本明細書に記載の方法および戦略ならびに容易に入手可能な材料を用いて合成した。そのような合成方法および材料は、合成化学の分野における当業者は容易に理解できるものである。
【0286】
(実施例32)
【0287】
【化72】

4−メトキシフェニルアセトン(1.12g)および3−トリフルオロメトキシフェニルヒドラジン(0.96g)をベンゼン(20mL)に溶かした。反応混合物を60℃で45分間加熱し、冷却して室温とし、無水NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮してフェニルヒドラゾンを得た。それをそれ以上精製せずに直接用いた。
【0288】
上記で得られたヒドラゾン(2.0g)のCHCl(100mL)溶液に室温で、PCl(0.76mL)を加えた。反応液を室温で24時間撹拌した。氷水浴で冷却して0℃とした後、5N NaOH水溶液を加えることで反応液を中和してpH7とした。ほとんどの溶媒を減圧下に除去した。残留物をエーテルと水との間で分配した。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン25/1)による精製によって、6−トリフルオロメトキシ生成物A(1.0g)を相当する4−トリフルオロメトキシインドール異性体B(0.5g)とともに得た。
【0289】
異性体A:H NMR(CDCl、500MHz)δ8.01(s、広い、1H)、7.56(d、J=8.7Hz、1H)、7.40(d、J=8.6Hz、2H)、7.20(s、1H)、7.02(d、J=8.7Hz、2H)、6.99(d、J=8.7Hz、1H)、3.88(s、3H)、2.49(s、3H)。
【0290】
異性体B:H NMR(CDCl、500MHz)δ8.09(s、広い、1H)、7.31(d、J=8.7Hz、2H)、7.26(d、J=8.6Hz、1H)、7.1(t、J=8.0Hz、1H)、6.96(重複シグナル、3H)、3.87(s、3H)、2.39(s、3H)。
【0291】
【化73】

インドールB(1.0g)および臭化ベンジル(1.0g)のDMF(40mL)溶液に室温で、CsCO(2.0g)を加えた。反応混合物を15時間撹拌し、水に投入し、EtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー精製によって、カップリング生成物を得た。
【0292】
上記で得られたエステルエステル(1.5g)のMeOH(100mL)溶液に、NaOH水溶液(1.0N、10mL)を加えた。混合物を室温で5時間撹拌し、冷却して0℃とし、1.0N HClで酸性とし、水(200mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(2回)。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、エーテル/ヘキサンからの結晶化によって精製して生成物を得た。
【0293】
H NMR(CDCl、500MHz)δ7.32(d、J=8.5Hz、2H)、7.23(t、J=8.0Hz、1H)、7.17(d、J=8.2Hz、1H)、7.08(t、J=8.0Hz、1H)、6.96(d+d、重複シグナル、3H)、6.78(d、J=8.2Hz、1H)、6.66(d、J=7.6Hz、1H)、6.58(s、1H)、5.34(s、2H)、4.53(t、J=6.0Hz、1H)、3.87(s、3H)、2.29(s、3H)、1.99(m、2H)、1.06(t、J=7.4Hz、3H)。
【0294】
【表2】











【0295】
【表3】







【0296】
【表4】






【0297】
【表5】




【0298】
【表6】
























【0299】
【表7】















【0300】
【表8】





【0301】
【表9】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iの化合物あるいは該化合物の製薬上許容される塩。
【化1】

[式中、
は、
(a)−X−アリール−Y−Z、および
(b)−X−ヘテロアリール−Y−Z
から選択され、
アリールおよびヘテロアリールは未置換であるか独立にAから選択される1〜3個の基で置換されており;
アリールは、フェニルまたはナフチルであり;
ヘテロアリールは、独立にN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式または縮合二環式芳香環構造であり;前記単環式の環または前記二環式環構造の各環は5〜6員環であり;
Xは、結合、CH、CH(CH)、C(CHおよびC〜Cシクロアルキリデンからなる群から選択され;
Yは、−CH=CH−、−CH(OH)CH(OH)−、−OCR−、SCR−および−CHCR−からなる群から選択され;
Zは、−COHおよびテトラゾールからなる群から選択され;
Aは、C1−4アルキル、C1−4アルケニル、−OC1−4アルキルおよびハロゲンからなる群から選択され、アルキル、アルケニルおよび−Oアルキルはそれぞれ1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
、R、RおよびRはそれぞれ独立に、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、−OC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−OC〜Cアルケニル、C3−6シクロアルキル、フェニルおよび−COHからなる群から選択され、C〜Cアルキル、−OC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、−OC〜Cアルケニル、C3−6シクロアルキルおよびフェニルは1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く、C3−6シクロアルキルおよびフェニルはさらに独立にC〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルから選択される1〜3個の基によって場合によっては置換されていても良く、前記C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルは1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良く;
あるいはRとRが一体となって、C〜Cシクロアルキル基を形成していても良く、前記C〜Cシクロアルキル基は1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良く;
あるいは、Rが−X−フェニル−Y−Zであり、Yが−OCRであり、RがH、ハロゲン、C〜Cアルキル、−OC〜Cアルキル、C2−5アルキル、−OC2−5アルキル、C3−6シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選択される場合、Rは場合によってはYに対してオルト位でフェニル環に連結された1〜2炭素架橋であっても良く、それによって前記フェニル環に縮合した5または6員複素環が形成され;
は、1〜5個のハロゲンで場合によっては置換されていても良いC〜Cアルキルであり;
は、
(a)ベンゾイソオキサゾリル、
(b)ベンゾイソチアゾリル、
(c)ベンゾピラゾリル、
(d)アリール、
(e)−C(=O)アリール、
(f)−C(=O)ヘテロアリール、
(g)−Oアリール、
(h)−Oヘテロアリール、
(i)−S(O)アリール、および
(j)−S(O)ヘテロアリール
からなる群から選択され、
は独立にハロゲン、C1−3アルキル、−OC1−3アルキルおよび−SC1−3アルキルから選択される1〜3個の置換基で場合によっては置換されていても良く、C1−3アルキル、−OC1−3アルキルおよび−SC1−3アルキルは1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
各Rは、H、ハロゲン、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルから場合によっては選択されても良く、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルは1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
nは0〜2の整数であり;
pは1〜3の整数である。]
【請求項2】
が3−ベンゾイソオキサゾリル、−O−フェニルおよび−C(=O)フェニルからなる群から選択され、Rが独立にハロゲン、−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルから選択される1〜3個の置換基で場合によっては置換されていても良く、前記−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルが1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良い請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が−X−フェニル−Y−Zであり、フェニルが未置換であるか独立にAから選択される1〜3個の基で置換されている請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Xが結合である請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
XがCHである請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Yが−OCR−であり、RがHおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され、RがC〜Cアルキルであり、RおよびRが1〜3個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良い請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Yが−OCR−であり、RがHおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され、RがC〜Cアルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Yが−CHCHR−であり、RがC1−3アルキルおよび−OC1−3アルキルからなる群から選択され、それらは1〜3個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良い請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
AがC〜Cアルキル、CF、−OCH、−OCFおよびハロゲンからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
がC1−3アルキルおよびCFから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
が−C(=O)フェニルであり、Rが独立に−OCH、−OCFおよびハロゲンからなる群から選択される1〜3個の置換基で場合によっては置換されていても良い請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
pが1である請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
Zが−COHである請求項1に記載の化合物。
【請求項14】

【化2】

であり、
Xが、結合、CH、CH(CH)、C(CHおよびC〜Cシクロアルキリデンからなる群から選択され;
Yが、−OCR−およびCHCRからなる群から選択され;
Zが、−COHおよびテトラゾールから選択され;
Aが、C〜Cアルキル、CF、−OCH、−OCFおよびハロゲンからなる群から選択され;
、RおよびRがそれぞれ独立に、H、ハロゲン、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルからなる群から選択され、Rがハロゲン、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルからなる群から選択され、R、R、RおよびRのC〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルがそれぞれ1〜3個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
qが0〜3の整数であり;
pが1であり;
が、CFおよびC〜Cアルキルから選択され;
が、
(a)3−ベンゾイソオキサゾリル、
(b)3−ベンゾイソチアゾリル、
(c)3−ベンゾピラゾリル、
(d)アリール、
(e)−C(=O)フェニル、
(f)−C(=O)ヘテロアリール、
(g)−Oフェニル、
(h)−Oヘテロアリール、
(i)−S(O)フェニルおよび
(j)−S(O)ヘテロアリール
からなる群から選択され、
ヘテロアリールがピリジルおよびキノリルからなる群から選択され、
nが0〜2の整数であり、
が、独立にハロゲン、−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルから選択される1〜3個の基で場合によっては置換されていても良く、前記−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルが1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良い請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Xが、結合およびCHから選択され;
Yが、−OCR−または−CHCR−からなる群から選択され;
Zが、−COHであり;
Aが、CH、CF、−OCH、−OCFおよびハロゲンからなる群から選択され;
がHであり;
が、H、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルからなる群から選択され、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルが1〜3個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
が、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され;
が、C〜Cアルキルであり;
が、CHであり;
が、
(a)3−ベンゾイソオキサゾリル、
(b)アリール、
(c)−C(=O)フェニル、
(d)−C(=O)ピリジル、および
(e)−C(=O)キノリル
からなる群から選択され、
が独立にハロゲン、−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルから選択される1〜3個の基で場合によっては置換されていても良く、前記−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルが1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
qが0〜3の整数である請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
qが0または1であり;XおよびYZは互いに対してメタまたはパラ位である請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
下記式IAを有する請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
【化3】

[式中、
Xは、結合およびCHから選択され;
Yは、−OCR−および−CHCR−からなる群から選択され;
Zは、−COHであり;
Aは、CH、CF、−OCH、−OCFおよびハロゲンからなる群から選択され;
qは、0または1であり;
は、C1−3アルキル、CF、−OCHおよび−OCFからなる群から選択され;
pは0または1であり;
は、HおよびC〜Cアルキルからなる群から選択され、C〜Cアルキルは1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良く;
は、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルからなる群から選択され、C〜Cアルキルおよび−OC〜Cアルキルは1〜3個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良く;
は、Hおよび1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良いC〜Cアルキルからなる群から選択され;
は、C〜Cアルキルであり、それは1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良く;
は、CHであり;
は、
(a)3−ベンゾイソオキサゾリル、
(b)−O−フェニル、および
(c)−C(=O)フェニル
からなる群から選択され、
は独立にハロゲン、−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルから選択される1〜3個の基で場合によっては置換されていても良く、前記−OC〜CアルキルおよびC1−3アルキルは1〜5個のハロゲンによって場合によっては置換されていても良い。]
【請求項18】
Xが結合であり;
Yが、−OC−であり;
がCH、CF、−OCHおよび−OCFからなる群から選択され;
がHであり;
が、1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良いC〜Cアルキルである請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
前記の基Yの炭素原子CがR立体化学配置を有する請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
前記の基Yの炭素原子CがS立体化学配置を有する請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
が−C(=O)フェニルであり、それが独立にCl、CH、CF、−OCHおよび−OCFからなる群から選択される1〜2個の置換基で場合によっては置換されていても良い請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
XがCHであり;
Yが−OC−であり;
がCH、CF、−OCHおよび−OCFからなる群から選択され;
がHであり;
が1〜3個のハロゲンで場合によっては置換されていても良いC〜Cアルキルである請求項17に記載の化合物。
【請求項23】
前記の基Yの炭素原子CがR立体化学配置を有する請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
前記の基Yの炭素原子CがS立体化学配置を有する請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
が−C(=O)フェニルであり、それが独立にCl、CH、CF、−OCHおよび−OCFからなる群から選択される1〜2個の置換基で場合によっては置換されていても良い請求項22に記載の化合物。
【請求項26】
下記の名称の請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
【表1】



























【請求項27】
請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩および製薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項28】
II型糖尿病治療用の医薬品の製造における請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩の使用。
【請求項29】
有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩を投与する段階を有する、
(1)非インシュリン依存型糖尿病(NIDDM)、(2)高血糖、(3)低耐糖能、(4)インシュリン耐性、(5)肥満、(6)脂質障害、(7)異脂肪血症、(8)高脂血症、(9)高トリグリセリド血症、(10)高コレステロール血症、(11)低HDLレベル、(12)高LDLレベル、(13)アテローム性動脈硬化およびそれの続発症、(14)血管再狭窄、(15)過敏性腸症候群、(16)炎症性腸疾患、(17)クローン病、(18)潰瘍性大腸炎、(19)腹部肥満、(20)網膜症、(21)乾癬、(22)高血圧、(23)代謝障害、(24)卵巣アンドロゲン過多症(多嚢胞性卵巣症候群)、ならびにインシュリン耐性が一つの要素となっている他の疾患、障害もしくは状態からなる群から選択される1以上の疾患、障害もしくは状態の治療方法。
【請求項30】
処置を必要とする患者に対して治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する、該患者での非インシュリン依存型(II型)糖尿病の治療方法。
【請求項31】
処置を必要とする患者に対して治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する、該患者での高血糖の治療方法。
【請求項32】
処置を必要とする患者に対して、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症および、高トリグリセリド血症および異脂肪血症からなる群から選択される1以上の疾患または状態の治療方法。
【請求項33】
処置を必要とする患者に対して治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する、該患者での肥満の治療方法。
【請求項34】
処置を必要とする患者に対して治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する、該患者でのアテローム性動脈硬化の治療または発生リスク低減方法。
【請求項35】
有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩、ならびに
(1)PPARγ作働薬および部分作働薬;
(2)ビグアニド類;
(3)蛋白チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害薬;
(4)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害薬;
(5)インシュリンまたはインシュリン様薬;
(6)スルホニル尿素類;
(7)α−グルコシダーゼ阻害薬;
(8)(a)HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、(b)胆汁酸封鎖剤、(c)ニコチニルアルコール、ニコチン酸またはそれらの塩、(d)PPARα作働薬、(e)コレステロール吸収阻害薬、(f)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害薬、(g)CETP阻害薬および(h)フェノール性抗酸化剤からなる群から選択される患者の脂質プロファイルを改善する薬剤;
(9)PPARα/γ二重作働薬;
(10)PPARδ作働薬;
(11)抗肥満化合物;
(12)回腸胆汁酸搬送体阻害薬;
(13)抗炎症剤;
(14)グルカゴン受容体拮抗薬;
(15)GLP−1;
(16)GIP−1;および
(17)GLP−1類縁体
からなる群から選択される有効量の1以上の他の化合物を投与する段階を有する、
(1)非インシュリン依存性II型糖尿病(NIDDM)、(2)高血糖、(3)低耐糖能、(4)インシュリン耐性、(5)肥満、(6)脂質障害、(7)異脂肪血症、(8)高脂血症、(9)高トリグリセリド血症、(10)高コレステロール血症、(11)低HDLレベル、(12)高LDLレベル、(13)アテローム性動脈硬化およびそれの続発症、(14)血管再狭窄、(15)過敏性腸症候群、(16)炎症性腸疾患、(17)クローン病、(18)潰瘍性大腸炎、(19)腹部肥満、(20)網膜症、(21)乾癬、(22)高血圧、(23)代謝障害、(24)卵巣アンドロゲン過多症(多嚢胞性卵巣症候群)、ならびにインシュリン耐性が一つの要素となっている他の疾患、障害もしくは状態からなる群から選択される1以上の疾患、障害もしくは状態の治療方法。
【請求項36】
処置を必要とする患者に対して、治療上有効量の請求項1に記載の化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害薬の組合せ剤を投与する段階を有する、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症および、高トリグリセリド血症および異脂肪血症からなる群から選択される1以上の疾患または状態の治療方法。
【請求項37】
前記HMG−CoAレダクターゼ阻害薬が、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522、リバスタチンおよびロスバスタチンからなる群から選択されるスタチンである請求項36に記載の方法。
【請求項38】
処置を必要とする患者に対して有効量の請求項1に記載の化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害薬の組合せ剤を投与する段階を有する、該患者でのアテローム性動脈硬化の治療または発生リスク低減方法。
【請求項39】
(1)請求項1に記載の化合物、
(2)
(a)PPARγ作働薬および部分作働薬;
(b)ビグアニド類;
(c)蛋白チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害薬;
(d)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害薬;
(e)インシュリンまたはインシュリン様薬;
(f)スルホニル尿素類;
(g)α−グルコシダーゼ阻害薬;
(h)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、(ii)胆汁酸封鎖剤、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸またはそれらの塩、(iv)PPARα作働薬、(v)コレステロール吸収阻害薬、(h)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害薬、(i)CETP阻害薬および(j)フェノール性抗酸化剤からなる群から選択される患者の脂質プロファイルを改善する薬剤;
(i)PPARα/γ二重作働薬;
(j)PPARδ作働薬;
(k)抗肥満化合物;
(l)回腸胆汁酸搬送体阻害薬;
(m)抗炎症剤;
(n)グルカゴン受容体拮抗薬;
(o)GLP−1;
(p)GIP−1;および
(q)GLP−1類縁体
からなる群から選択される1以上の他の化合物;ならびに
(3)製薬上許容される担体
を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2006−500384(P2006−500384A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−531948(P2004−531948)
【出願日】平成15年8月27日(2003.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/027156
【国際公開番号】WO2004/020409
【国際公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】