説明

排ガス処理方法

【課題】充填筒に充填したガス処理剤を有効に使用し、充填筒の交換の際にも排ガスを系外に放出することなく充填筒を安全に交換することができる排ガス処理方法を提供する。
【解決手段】ガス処理剤をそれぞれ充填した複数の充填筒10,20に排ガスを導入し、該排ガス中の有害成分を除去処理する排ガス処理方法において、前記複数の充填筒の内の一つの充填筒10に前記排ガスを導入して前記有害成分の除去処理を行い、該充填筒10から導出した処理ガスを検出手段30に導入して前記有害成分の有無を検出し、該検出手段から導出される処理ガスを他の充填筒20を経由して排出するとともに、該検出手段で有害成分を検出したときに、排ガスの導入を他の充填筒20に切り換えた後、該一つの充填筒10内の有害成分をパージし、パージガスを検出手段30を通じて他の充填筒20に導入し、検出手段30で有害成分が検出されなくなったら新たな充填筒に交換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス処理方法に関し、詳しくは、半導体装置、平板ディスプレイ、太陽電池、磁性体薄板等の製造において用いられる製造設備から排出される排ガス中の有害ガス成分を除去する排ガス処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路、液晶パネル、太陽電池及びそのパネル、磁気ディスク等の半導体製品を製造する工程では、不活性ガス雰囲気中でプラズマを発生させ、該プラズマによって半導体製品の各種処理を行う装置が広く用いられている。半導体製造設備から排出される排ガスには、前記製造のプロセスがエッチングの場合には、希釈ガスと共に、CF、C、SiF等のパーフロロカーボン系の反応生成物が含まれている。このような排ガスに含まれる反応生成物は、地球温暖化係数が高く、そのまま排出できず、無害化処理を行ってから排出する必要がある。
【0003】
また、前記製造のプロセスが成膜プロセスの場合には、希釈ガスと共に、モノシラン等の金属水素化物系の反応生成物や、その副生成物等が含まれる。これらは、反応性が高いため、安全化のために無害化処理を行ってから排出する必要がある。
【0004】
さらに、無害化処理を行う前段で前記排ガスが大気圧になることによって高分子の反応生成物も生成され、例えば、SiFは水分子との会合でゲル状高分子固体となるし、CFの前駆体は大気圧下でのガス分子同士の衝突によってポリマーを生成し、排気配管の目詰まりの原因となる。このため、真空ポンプには大量のガスを常に導入して予期せぬ反応物の堆積を防止している。
【0005】
前記製造設備から排出される排ガスを無害化処理する装置には、液体、例えば、水との接触により無害化する方法や、固体処理剤との反応あるいは固体処理剤への物理的化学的吸着により無害化する方法がある。固体処理剤との反応あるいは吸着により無害化する装置では、その連続無害化処理のために、少なくとも2筒以上の充填筒を持ち、該充填筒を切替操作することにより連続運転を行っている。
【0006】
特に、パーフロロカーボン系反応生成物や金属水素化物系ガスは、その排出規制から固体処理剤への物理的化学的吸着や反応により無害化される方法が採られており、前記反応生成物や金属水素化物系ガスの流量に応じ、適宜、最適設計された充填筒を用いた装置で無害化が図られている。すなわち、反応あるいは物理的化学的吸着を効率よく行うためにガス流速範囲を決定し、導入ガス量からその筒径や筒長さを決定している。さらに、無害化処理が適切に行われているかどうかの判断のため、充填筒の入口部や出口部に有害成分の濃度を検出する検出器を設ける場合もある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
一方、前記製造プロセスでは、処理基板を1枚毎に処理する枚葉処理、あるいは、複数枚の処理基板を一定時間処理するバッチ処理によってプロセスを進行させるため、常時反応性ガスが導入されることはなく、その結果、排ガス中の被処理成分ガス濃度(有害成分)は、処理基板の前記製造装置への搬入搬出に応じて常に変動することになる。このため、前記製造プロセスにおける最大流量を基準に装置設計がなされており、処理装置の大型化を招いていた。
【0008】
処理装置の安定運転や処理剤の破過時期の推定のため、排ガス中に含まれる無害化処理対象物質の濃度を測定すると共に排ガスの流量を測定し、測定した濃度と流量とに基づいて排ガスに導入する希釈ガスの導入量を調節して装置設計の最適化をすることが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
また、吸着式処理装置の場合、吸着が終了した時点において吸着帯の約半分の長さに相当する吸着剤が未使用(未吸着)の状態にあるため、未使用の吸着剤分を大目に充填する必要があった。このため、吸着筒の小型化が困難であった。そのため、吸気ダクトを連通自在ならしめる4方切替弁2基により構成される直列吸着装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0010】
同様に、排ガス処理装置を、その使用時には2筒を直列に接続し、何れか一方の吸着筒を交換する際は並列に接続すると共に、その使用時、交換後の吸着筒は他方の吸着筒の下流側になるように構成し、各吸着筒の下部から排ガスを導入し、その上部にインジケータを設け、インジケータが排ガスを検知したときに吸着筒を並列状態にして排ガスを処理することも提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−228583号公報
【特許文献2】特開2001−353422号公報
【特許文献3】特開昭60−818号公報
【特許文献4】特開平4−358516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献2に記載された方法によれば、従来よりは装置小型化の効果は認められるものの、新たに導入するガスの分、被処理ガス量が増えるので、装置のさらなる小型化が困難であった。また、特許文献3に記載されたものでは、吸着筒の再生(脱着)の方法については何ら記載されておらず、実用性に難点があった。さらに、特許文献4に記載されたものにおいても、並列状態にした後のパージ方法については何ら記載がなく、吸着筒交換前に、インジケータ部から下流側の切替弁及び出口部配管に存在する危険な排ガスをどのように処理するのかについては不明である。さらに、インジケータの健全性について確認する手段についても記載されていない。
【0013】
そこで本発明は、充填筒に充填したガス処理剤を有効に使用しつつ確実に排ガスを処理することができ、充填筒の交換の際にも排ガスを系外に放出することなく充填筒を安全に交換することができる排ガス処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の排ガス処理方法は、ガス処理剤をそれぞれ充填した第1及び第2の2つの充填筒で排ガス中の有害成分を除去処理する排ガス処理方法において、各充填筒は、排ガス経路から導入される排ガス中に存在する有害成分を除去する除去処理工程と、該除去処理工程後に排ガスをパージする排ガスパージ工程と、該排ガスパージ工程後に充填筒を交換する工程と、交換された充填筒内の大気をパージする大気ガス成分パージ工程と、該大気ガス成分パージ工程後に除去処理工程を行っている充填筒から導出されて検出手段を通ったガスを導入して排出する待機工程とを行い、第1の充填筒が除去処理工程を行っているときに、第2の充填筒は、第1の充填筒から導出した処理ガスを検出手段を通して導入した後排出する待機工程を行い、前記検出手段が有害成分を検出すると、第1の充填筒が除去処理工程から排ガスパージ工程に切り換わるとともに、第2の充填筒が待機工程から除去処理工程に切り換わり、第1の充填筒の排ガスパージ工程において導出されるパージガスを前記検出手段を通して除去処理工程中の第2の充填筒に導入し、第2の充填筒が除去処理工程を行っている間に、前記検出手段がパージガス中の有害成分を検出しなくなったときに排ガスパージ工程を終了し、第1の充填筒を新たな充填筒に交換し、続いて、交換した第1の充填筒の大気ガス成分パージ工程を行ってから待機工程に切り換わることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、半導体製造設備からの排ガスを、一つの充填筒を通して除去処理を行い、該充填筒から導出した処理ガスを検出手段に導入して有害成分を検出した後、他の充填筒を経由させて系外に排出することができるので、半導体製造設備の工程によって排ガス量や有害成分濃度が変動しても、一つの充填筒で確実に有害成分の除去処理を行うことができ、該一つの充填筒のガス処理剤が破過して処理ガス中に有害成分が検出されたとしても、他の充填筒で除去処理を行えるので、一つの充填筒のガス処理剤を有効に使用することができ、これによってガス処理剤の無駄を無くして充填筒を含む排ガス処理装置の小型化を図ることができる。
【0016】
また、処理ガス中に有害成分が検出された後の前記一つの充填筒の交換は、該充填筒内に残存する有害成分をパージガスでパージし、検出手段でパージガス中に有害成分が検出されなくなってから行うことにより、充填筒やその周辺の配管中に有害成分が残存するおそれがなくなり、したがって、有害成分が系外に放出されることがなく、充填筒の交換を安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の排ガス処理方法を実施する排ガス処理装置の一形態例を示す構成図である。
【図2】検出手段の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の排ガス処理方法の他の例を示す説明図である。
【図4】本発明の排ガス処理方法を実施する排ガス処理装置の他の形態例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本発明の排ガス処理方法を実施する排ガス処理装置の一形態例を示す構成図、図2は検出手段の一例を示す説明図、図3は本発明の排ガス処理方法の他の例を示す説明図である。
【0019】
この排ガス処理装置は、有害成分を物理的化学的吸着あるいは反応により無害化するガス処理剤11,21をそれぞれ充填した2つの充填筒10,20と、各充填筒10,20から導出した処理ガス中の有害成分を検出するための検出手段30とを備えている。
【0020】
各充填筒10,20のガス流入部10a,20aには、半導体装置、平面ディスプレイ、太陽電池、磁性体薄板等の製造において用いられる半導体の製造設備から排出されて排ガス経路41から排ガス処理装置に導入される排ガスを充填筒10,20に導入するための入口経路12,22が設けられるとともに、各入口経路12,22には、排ガスを導入する充填筒を切り換えるための入口弁12V,22Vがそれぞれ設けられている。
【0021】
また、各入口経路12,22における入口弁12V,22Vの下流側(充填筒側)には、図示しないパージガス供給源から供給されるパージガスを各充填筒10,20にそれぞれ導入するためのパージガス導入経路13,23と、前記検出手段30に接続する検出手段出口経路14,24とがそれぞれ分岐しており、各パージガス導入経路13,23にはパージガスの導入を制御するためのパージ弁(パージガス導入弁)13V,23Vがそれぞれ設けられ、各検出手段出口経路14,24には、検出手段出口弁14V,24Vがそれぞれ設けられている。
【0022】
一方、各充填筒10,20のガス流出部10b,20bには、出口弁15V,25Vをそれぞれ有する出口径路15,25がそれぞれ設けられており、出口径路15,25における出口弁15V,25Vの上流側(充填筒側)からは、パージガス導出弁16V,26Vをそれぞれ有するパージガス排出経路16,26と、前記検出手段30に接続する検出手段入口経路17,27とが分岐しており、該検出手段入口経路17,27には検出手段入口弁17V,27Vがそれぞれ設けられている。
【0023】
前記検出手段30は、測定対象となるガスが流通する検出部と、入力部32a,演算部32b,出力部32c等を備えた制御装置32とを有しており、検出部からの信号が入力部32aを介して演算部32bに入力され、演算部32bで入力された信号の強度に基づいて成分濃度を演算する。算出された成分濃度信号は、出力部32cから装置制御部33に出力される。
【0024】
装置制御部33は、信号の入出力部33aと、信号の記憶・比較演算部33bとを有するものであって、入出力部33aは、制御装置32からの前記成分濃度の信号の他、排ガスを排出する製造設備からの信号も受信し、また、装置制御部33に接続したアラーム発生部34にアラームを作動させる信号を発信する。記憶・比較演算部33bは、あらかじめ設定されて記憶した設定濃度と、制御装置32から受信した成分濃度とを比較し、アラーム作動信号を発生したり、製造設備から受信した信号も参照して各弁の開閉制御を行うための弁制御信号を発生したりする。
【0025】
前記検出部は、充填筒10側の前記検出手段出口経路14と前記検出手段入口経路17とが合流した第1ガス流入・流出経路35と、充填筒20側の前記検出手段出口経路24と前記検出手段入口経路27とが合流した第2ガス流入・流出経路36と、ガス排出弁37Vを備えたガス排出経路37とが設けられ、ガス排出経路37と前記出口径路15,25とはガス放出経路42に合流している。
【0026】
前記充填筒10,20は、ガス処理剤11,21を充填するための筒状容器の両端に前記ガス流入部10a,20a及びガス流出部10b,20bとなるフランジを設けた気密性容器であって、内部には、ガス処理剤11,21の流出を防止するためのフィルターが設けられている。さらに、充填筒10,20の内部には、ガスの偏流やガス処理剤の巻き上がりを防止するため、剤上部あるいは上部フランジ部に、フィルターやパンチングプレート等を設けておくこともできる。
【0027】
また、充填筒10,20には、ガス処理剤11,21との吸着又は反応を最適条件で行うため、加熱手段や冷却手段を設けておくことができる。加熱機構としては、筒外面にヒーターを巻き付ける方法が好適であるが、他の方法を採用することもできる。また、冷却手段としては、筒外面に熱伝導性の良好な金属配管を巻き付け、その内部に冷媒や水を通液させる方法が好適であるが、他の方法を採用することもできる。
【0028】
充填筒10,20におけるガスの流通方向は、筒上部から導入して筒下部から排出するように設定することが望ましい。ガスの流通方向を筒の下部から上部に向かうようにしても十分な除去処理を行うことができるが、例えば、有害成分の除去処理によって水等の液体が発生する場合、下部から排ガスを導入すると、液体の発生によって通気抵抗が経時的に変化し、処理能力が変化するという不具合が発生することがある。また、上部からガスを導入することによってガス処理剤が流通するガスによって流動することも防止できる。 ガス処理剤11,21は、処理すべき排ガス中の有害成分に応じて適宜最適な固体処理剤が選択されるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、有害成分がモノシランやアルシン等の金属水素化物系ガスの場合は、水酸化銅、あるいは、無機材料に水酸化銅を坦持させたものが好適である。また、有害成分がフッ素化合物系ガスの場合は、ナトリウム等のアルカリ金属を無機材料に坦持させたものや、カルシウム等のアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物、あるいは、これらを無機材料に坦持させたものなどを用いることができる。
【0029】
このようなガス処理剤11,21は、処理剤自身の圧力損失を低減するため、ペレット状あるいは粒状に成形されたものが好適に用いられるが、剤の大きさ及び形状は、処理筒の形状や大きさによって適宜決定することができる。また、ガス処理剤11,21の充填量は、排ガス中に含まれる有害成分濃度、ガス処理剤の除去効率、交換頻度等を勘案して決定することができ、例えば、交換頻度は充填筒の交換時間を勘案して少なくとも2週間の連続使用に耐えるように設計される。
【0030】
装置に用いる弁及び配管は、ステンレス鋼等の気密性を有する金属製のものが好適であり、その口径は、処理すべき排ガス流量やパージガス流量に応じて適宜決定することができる。また、ガス分解性を低減し、耐食性を向上させるため、弁や配管の内面には、不動態化処理、例えば、酸化クロム不動態化膜やアルミナ不動態膜、フッ化不動態膜を適宜形成しておくことができる。ここで、パージガスは、排ガス中に存在する不活性ガスを用いることが最適であるが、他の不活性ガスを用いることもできる。
【0031】
前記検出手段30は、有害成分をppmオーダーから%オーダーで検出できるものが用いられ、より望ましくは、10ppm以上、1%未満の有害成分を検出できるものが用いられる。この検出手段30には、所定の検出精度を有していれば各種検出手段を用いることが可能であり、例えば、レーザ分光分析計、フーリエ変換赤外分光分析計(FT−IR)、非分散型赤外分光光度計等の光吸収を利用したものや、質量分析計、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)等の質量の計測を利用したものを好適に用いることができる。
【0032】
なお、各種検出手段において、検出プローブの方向、例えば、レーザ分光計やFT−IRの場合の光照射方向は、各経路35,36,37のいずれに対しても直交する方向であることが望ましい。また、検出部のガス接触部は、必要に応じて不動態化膜を形成してもよく、水分等の予期せぬ不純物の吸着防止のために100〜130℃の範囲で加熱してもよい。
【0033】
前記装置制御部33の記憶・比較演算部33bからのアラーム作動信号や弁制御信号は、前記検出手段30で有害成分を検出した直後に発生させてもよいが、規定濃度以上の有害成分があらかじめタイマーに設定した時間以上、例えば、半導体の製造設備における処理基板の2回の搬入搬出時間以上にわたって検出された場合、あるいは、検出手段30での有害成分の検出回数、さらには、有害成分量が設定量を超えた場合等にガス処理剤の破過と判定してアラーム作動信号や弁制御信号を発生させることが好ましい。また、検出手段30における制御装置32と装置制御部33とが一体的に形成されていてもよく、適宜に分割形成されていてもよい。さらに、検出部にパージガスを流通させているときに、検出手段30の健全性の確認を行うように設定することもできる。
【0034】
次に、図3に基づいて、図1に示した排ガス処理装置を使用した排ガス処理方法を説明する。なお、図3において、太線はガスが流れている経路を示しており、各弁は、説明中で「開く」と表現した弁が開状態であり、他の弁は閉状態となっている。また、符号は説明に必要な構成要素にのみ付している。
【0035】
まず、図3(a)は、一方の充填筒10が排ガス中の有害成分を除去処理する工程(除去処理工程)を行い、他方の充填筒20は待機工程を行っている状態を示している。この状態では、入口弁12V,検出手段入口弁17V,検出手段出口弁24V及び出口弁25Vが開いており、製造設備から排出された排ガスは、排ガス経路41から入口経路12を通って除去処理工程を行っている充填筒10に導入される。充填筒10に導入された排ガス中に存在する有害成分は、筒内部に充填されているガス処理剤11と接触することによって除去処理され、無害化された排ガス(処理ガス)が充填筒10から出口径路15に導出される。
【0036】
出口径路15の処理ガスは、出口弁15Vが閉じていることから全量が検出手段入口経路17に流れ、第1ガス流入・流出経路35を通って検出手段30の検出部に流入し、検出手段30によって有害成分の検出が行われた後、第2ガス流入・流出経路36に流出する。第2ガス流入・流出経路36の処理ガスは、検出手段出口経路24及び入口経路22の下流側を通って待機工程を行っている他方の充填筒20に導入され、ガス処理剤21と接触しながらガス流出部20bに向かって流れ、出口径路25に導出されて処理ガス放出経路42から系外に放出される。
【0037】
充填筒10の除去処理工程は、検出手段30によって有害成分が検出されるまで継続され、有害成分の量や検出時間、検出回数等があらかじめ設定された条件となったときに終了し、図3(b)に示すように充填筒10がパージ工程に、充填筒20が除去処理工程に切り換えられる。この工程の切換操作は、入口弁12Vを閉じるとともに入口弁22V及びパージガス導入弁13Vを開くことにより行われる。
【0038】
これにより、排ガス経路41からの排ガスは、入口経路22を通って除去処理工程に切り換えられた充填筒20に導入される。充填筒20で有害成分が除去処理された処理ガスは、出口径路25に導出されて処理ガス放出経路42から系外に放出される。一方、パージ工程に切り換えられた充填筒10にパージガス導入経路13から入口経路12の下流側を通って導入されたパージガスは、ガス流出部10bから出口径路15の上流側、検出手段入口経路17及び第1ガス流入・流出経路35を経て検出手段30に導入され、充填筒10内やこれらの経路内に残存する排ガスをパージする。
【0039】
検出手段30から第2ガス流入・流出経路36に導出されたパージガスは、検出手段出口経路24から入口経路22の下流側を通って充填筒20に導入され、ガス処理剤21と接触することにより、工程切換時に充填筒10や前記経路12,15,17,35内に残存した排ガス中の有害成分が除去処理される。有害成分が除去処理されたパージガスは、出口径路25から処理ガス放出経路42を通って系外に放出される。充填筒10のパージ工程は、検出手段30でパージガス中に有害成分が検出されず、かつ、あらかじめ設定された量以上のパージガスを充填筒10に流通させた時点で終了し、充填筒10の交換が行われる。
【0040】
充填筒10の交換は、パージガス導入弁13V及び検出手段入口弁17Vを閉じて充填筒10のガス流通を遮断した状態で、適宜な位置に設けた継手を脱着することにより行われる。新たな充填筒10を取り付けた後、図3(c)に示す大気成分パージ工程が行われる。この大気成分パージ工程では、パージガス導入弁13Vとパージガス導出弁16Vとが開き、パージガス導入経路13から導入されるパージガスにより、入口経路12の下流側、充填筒10及び出口径路15の上流側等に侵入した大気成分がパージガス排出経路16から排出される。
【0041】
一方、充填筒10から検出手段30への処理ガスやパージガスの導入が終了した後、出口弁25Vが閉じるとともに、検出手段入口弁27V及びガス排出弁37Vが開き、充填筒20から出口径路25に導出された処理ガスが、検出手段入口経路27から第2ガス流入・流出経路36を通って検出手段30の検出部に流入し、検出手段30によって処理ガス中の有害成分の検出が行われる。検出手段30からガス排出経路37に導出された処理ガスは、処理ガス放出経路42を通って系外に放出される。
【0042】
充填筒10の大気成分パージ工程は、あらかじめ設定された量のパージガスを流通させることによって終了し、図3(d)に示すように、パージガス導入弁13V、パージガス導出弁16V及びガス排出弁37Vが閉じるとともに、検出手段出口弁14V及び出口弁15Vが開くことにより、充填筒10が待機工程に入る。
【0043】
この図3(d)に示す充填筒10の待機工程を行う段階は、前記図3(a)における充填筒10と充填筒20とが入れ代わった状態であり、充填筒20で除去処理された処理ガスが検出手段30を通り、第1ガス流入・流出経路35を逆流して検出手段出口経路14から入口経路12の下流側を通って充填筒10に導入され、充填筒10から導出された処理ガスは、出口径路15から処理ガス放出経路42を通って系外に放出される。
【0044】
充填筒20から導出した処理ガス中に有害成分が検出されると、図3(e)に示すように、入口弁22Vが閉じて入口弁12V及びパージガス導入弁23Vが開き、充填筒10が除去処理工程に切り換えられるとともに、充填筒20がパージ工程に切り換えられる。この段階は、前記図3(b)おける充填筒10と充填筒20とが入れ代わった状態となっている。
【0045】
検出手段30で充填筒20からのパージガス中に有害成分が検出されなくなったら、充填筒20側の各弁が閉じられ、充填筒20が新たな充填筒に交換され、次いで、パージガス導入弁23V及びパージガス導出弁26Vが開いて図3(f)に示す充填筒20の大気成分パージ工程が行われる。この段階は、前記図3(c)おける充填筒10と充填筒20とが入れ代わった状態となっている。
【0046】
充填筒20の大気成分パージ工程が終了すると、各弁が開閉して図3(a)に示す状態に戻る。以下、図3(a)〜図3(f)の各段階を繰り返し行うことにより、充填筒10及び充填筒20のいずれか一方の充填筒が必ず除去処理工程を行っている状態となり、その間に他方の充填筒を新たな充填筒に交換することができるので、両充填筒によって排ガス中の有害成分を連続して除去することができる。
【0047】
このようにして連続して有害成分の除去処理を行うにあたり、除去処理工程に切り換わった直後、すなわち、パージ工程を行っている充填筒から導出されたパージガス中の有害成分を検出している間を除いて、除去処理工程を行っている充填筒から導出した処理ガス中の有害成分が規定値以下であることを検出手段30で常に確認することになるとともに、新たな充填筒に交換されて大気成分パージ工程を終えた充填筒を除去処理工程を行っている充填筒の下流側に検出手段30を介して直列に接続しているので、除去処理工程を行っている充填筒内のガス処理剤が破過近くなって十分な除去処理が行えなくなり、有害成分が流出したとしても、待機工程を行っている下流側の充填筒で確実に除去処理することができる。
【0048】
したがって、検出手段30で検出した有害成分があらかじめ設定された条件に達するまで除去処理工程を継続できるので、充填筒に充填したガス処理剤の略全量を有害成分の除に少なくすることができ、充填筒の小型化、すなわち、排ガス処理装置の小型化及び低価格化が図れる。
【0049】
また、製造設備の工程によって排ガス量や有害成分濃度が大きく変動する場合、従来の排ガス処理装置では、排ガス流量の最大値や有害成分濃度の最大値に対応させて充填筒のする場合、充填筒におけるガス流れ方向下流側のガス処理剤には未吸着又は未反応の領域が存在する。通常、この領域を加味して充填筒の高さ、すなわち、ガス処理剤の充填量が決定され、従来の排ガス処理装置では、排ガス流量や有害成分濃度が最大値になっても十分に除去処理を行えるように、必要量に比べて大量のガス処理剤を使用しており、充填筒の交換時には、十分な除去処理能力を有するガス処理剤が有効利用されることなく交換されてしまうことになる。
【0050】
このため、従来の排ガス処理装置では、それを小型化しようとするためには、製造設備の排ガス流量や有害成分濃度に応じた仕様で個々に設計する必要があったが、前述のように、充填筒の一つを検出手段30の下流で待機工程としておくことにより、排ガス流量が一時的に最大値となったり、有害成分濃度が一時的に最大値となって除去処理工程が進んだ充填筒から有害成分が流出したとしても、流出した有害成分の除去処理を待機工程中の充填筒で確実に行うことができるので、排ガス流量の最大値や有害成分濃度の最大値に対応させて充填筒の設計を行う必要がなくなり、排ガス処理装置の小型化や汎用性の向上を図れる。特に、充填筒を3つ以上使用することにより、1つ以上の充填筒を交換したり、パージしたりしているときに、他の2つの充填筒の一方を除去処理工程、他方を待機工程としておくことができるので、より確実に有害成分の除去処理を行うことができるとともに、ガス処理剤を更に有効利用することができる。
【0051】
加えて、充填筒内で偏流等の処理性能を著しく低下させる不具合が発生した場合でも、検出手段30での有害成分の検出によって不具合の発生を直ちに検知することができ、アラーム発生部34でアラームを作動させることによって担当者に速やかに通報することができるので、不具合の解消に必要な対策を迅速に行うことができる。この場合でも、他の待機工程中の充填筒で除去処理を行っているので、有害成分が外部に排出されることはない。
【0052】
さらに、パージ工程中の充填筒から導出したパージガスを検出手段30に導入してパージガス中の有害成分を検出することにより、パージガス量の最適化が容易で、パージ時間を短縮することが可能となる。このとき、検出部に有害成分を含まないパージガスを導入することにより、検出手段30そのものの健全性、例えば、ゼロ点ドリフトがないことなどを確認することが可能である。
【0053】
また、パージ工程は、工程切換直後に開始する必要はなく、例えば、検出手段30から導出したパージガスを排ガスと合流させて除去処理工程を行っている充填筒に導入すると、ガス流量等の関係で好ましくないときには、製造設備から排ガスが発生していないとき、例えば基体の交換時にパージ工程を行うようにすればよい。この制御は、装置制御部33で製造設備からの運転状態の信号を受信し、この信号に基づいて所定の弁を開閉作動させることによってパージと排ガスの処理とを交互に行うことができる。
【0054】
すなわち、製造設備が枚葉式の半導体製造装置の場合、1枚毎の基体の交換に要する時間が必ず存在し、その間は有害成分を含む排ガスは排出されない。また、ロット毎の交換では、更に長い時間にわたって排ガスが排出されないので、これらの排ガスが排出されない時間をパージ時間に充当し、必要とするパージ時間に達するまでに、他方の充填筒で排ガスを充分に除去処理できるように設定しておけばよく、充填筒切替時においても系外に有害成分が漏洩することはない。
【0055】
また、パージ工程中の充填筒から導出したパージガスを、検出手段30を通さずにパージガス導出弁(16V,26V)を開いてパージガス排出経路(16,26)から別途設けた除害設備にパージガスを送出し、この除害設備でパージガス中の有害成分を除去処理するようにしてもよい。
【0056】
また、パージ工程は、連続してパージガスを流通させる例を挙げたが、パージガス導入弁13V,23Vとパージガス導出弁16V,26Vとを交互に開くバッチパージを採用してもよく、パージガス導入弁13V,23V又はパージガス導出弁16V,26Vを閉じた状態で開いている弁側の経路に真空排気装置を接続して真空排気を行うようにしてもよく、バッチパージと真空排気とを見合わせてもよい。特に、真空排気装置がヘリウムリークディテクターの場合は、各充填筒10,20や各経路の接合部等の洩れチェックを同時に行うことができるのでより好適である。
【0057】
さらに、充填筒の交換は、充填されているガス処理剤を交換するだけであってもよい。充填筒やガス処理剤の交換に長時間を要する場合であっても、除去処理工程の継続時間をこれらの交換に要する時間以上、例えば2週間以上に設定しておけば、排ガス中の有害成分が系外へ排出されることはない。
【0058】
図4は本発明の排ガス処理方法を実施する排ガス処理装置の他の形態例を示す構成図である。なお、以下の説明において、前記形態例で示した排ガス処理装置における構成要素と同一の構成要素には、それぞれ同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0059】
本形態例では、各充填筒10,20の出口径路15,25から分岐した検出手段入口経路17,27を検出手段流入経路38に合流させて検出手段30のガス流入部に接続するとともに、検出手段30のガス流出部に接続した検出手段流出経路39から検出手段出口経路14,24を分岐させて各充填筒10,20の各入口経路12,22に接続し、さらに、検出手段流出経路39からガス排出経路37を分岐させている。このように構成した排ガス処理装置においても、各弁を前記同様に開閉することにより、図3に示した手順と同じ手順で排ガスの処理を行うことができる。
【0060】
なお、各充填筒10,20から導出したパージガスは、出口弁15V,25Vを開いて出口径路15,25から処理ガス放出経路42を介して放出するようにしているが、前記同様にパージガス導出弁16V,26Vをそれぞれ有するパージガス排出経路16,26を出口径路15,25から分岐させて放出するようにしてもよい。
【実施例】
【0061】
実施例1
図1に示す構成の排ガス処理装置を、図3に示す手順で運転し、枚様式製造設備から排出される排ガス中のSiFガスの除去を行った。製造設備から排出されるガスのほとんどはアルゴン(Ar)であり、製造設備が基板の処理を行っているときは、約3%のSiFが排出され、製造設備内への基板の搬入搬出時には数10ppmのSiFを含むArが排出された。また、排ガスの流量は、基板処理時には約0.4L/分であり、基板の搬入搬出時には0.3L/分であった。処理時間は、基板処理時には5分であり、基板の搬入搬出時には1分であった。排ガスの圧力は10Torr程度であった。ただし、上記条件は、初期基本条件であり、製造する処理基板により、基板処理時のSiF濃度は0.1%から3%の間で変動し、処理時間も3分から15分の間で任意に変化していた。また、基板処理時の排ガス流量は、約0.4L/分から約1.5L/分の間で変化した。
【0062】
上記排ガス条件に対し、直径125mmの充填筒を用い、その中にガス処理剤として酸化カルシウム剤を20kg充填した。初期基本条件における空塔速度は3.7cm/秒であり、最大排ガス流量における空塔速度は約14cm/秒であった。検出手段で処理ガス中のSiF濃度を計測しながら処理を行ったところ、処理枚数420枚でSiFが検出された。しかし、その濃度は1ppm程度であり、排ガス流量が1.5L/分のときのものであって、排ガス流量が0.8L/分未満になるとSiF4は検出されなくなった。そこで、排ガス中のSiF濃度が100ppmを超えた時点を充填筒の破過点とし、計測を行いながら基板処理を引き続き継続し、最終的には480枚の基板処理ができた。なお、480枚処理の時点で、待機工程中の充填筒出口ではSiFは全く検出されなかった。
【0063】
比較例1
実施例1と同じ排ガス条件の元、同サイズの充填筒を用いて排ガス処理実験を実施した。ここでは、充填筒の後段に検出器を連接したのみで、第2の充填筒は連接していない。実験の結果、処理枚数420枚程度で実施例と同様にSiFが検出され、その後、SiFが検出されなくなることがあった。しかし、SiFの恕限濃度である1ppmが連続されて検出される枚数は430枚であり、実施例1と比べ、処理枚数が50枚少なかった。この結果から、安全を見込んだ処理可能枚数は420枚であった。したがって、同じ充填量のガス処理剤で約12%のロスが生じることがわかり、実施例1と同様の処理性能を持たせるためには、ガス処理剤の充填量を2.4kg増やす必要があることがわかった。
【0064】
実施例2
実施例1と同じ操作を行い、最初にSiFが検出された420枚目以降、充填筒に充填されたガス処理剤の未反応部分を算出するため、充填筒に導入されたSiF濃度と処理筒出口、すなわち、検出手段で検出されたSiF濃度が一致するまでの枚数を調査した。その結果、処理可能枚数は500枚程度であった。また、このとき、待機工程中の充填筒出口ではSiFは全く検出されなかった。
【0065】
実施例3
実施例2で完全に破過した充填筒を用いて、充填筒の交換作業を実施した。充填筒の交換のために、所定の弁を開閉して除去処理工程を他方の充填筒側に切り換えた後、破過済みの充填筒上部からArを0.5L/分で通気した。このときの圧力は10Torrとし。検出手段でSiF濃度を連続計測したところ、Ar通気開始後、約10分でSiF濃度は1ppm未満となり、Ar通気を停止して破過済み充填筒の交換を行った。新品の酸化カルシウム剤を20kg充填した新充填筒を装置に取り付け、新充填筒下部から真空排気をしながらHeリークディテクターで洩れ検査を実施し、洩れが1×10−9Pa・m/s以下であることを確認した。その後、新充填筒上部からArを3L/分で約20分通気して充填筒の大気パージ作業を終了した。その後、新充填筒に、検出手段を経由したSiF含有ガスを通気し、新充填筒出口でSiF濃度を計測したが、SiFは全く検出されなかった。
【符号の説明】
【0066】
10,20…充填筒、10a,20a…ガス流入部、10b,20b…ガス流出部、11,21…ガス処理剤、12,22…入口経路、12V,22V…入口弁、13,23…パージガス導入経路、13V,23V…パージガス導入弁、14,24…検出手段出口経路、14V,24V…検出手段出口弁、15,25…出口径路、15V,25V…出口弁、16,26…パージガス排出経路、16V,26V…パージガス導出弁、17,27…検出手段入口経路、17V,27V…検出手段入口弁、30…検出手段、32…制御装置、32a…入力部、32b…演算部、32c…出力部、33…装置制御部、33a…入出力部、33b…記憶・比較演算部、34…アラーム発生部、35…第1ガス流入・流出経路、36…第2ガス流入・流出経路、37…ガス排出経路、37V…ガス排出弁、38…検出手段流入経路、39…検出手段流出経路、41…排ガス経路、42…ガス放出経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス処理剤をそれぞれ充填した第1及び第2の2つの充填筒で排ガス中の有害成分を除去処理する排ガス処理方法において、
各充填筒は、排ガス経路から導入される排ガス中に存在する有害成分を除去する除去処理工程と、該除去処理工程後に排ガスをパージする排ガスパージ工程と、該排ガスパージ工程後に充填筒を交換する工程と、交換された充填筒内の大気をパージする大気ガス成分パージ工程と、該大気ガス成分パージ工程後に除去処理工程を行っている充填筒から導出されて検出手段を通ったガスを導入して排出する待機工程とを行い、
第1の充填筒が除去処理工程を行っているときに、第2の充填筒は、第1の充填筒から導出した処理ガスを検出手段を通して導入した後排出する待機工程を行い、前記検出手段が有害成分を検出すると、第1の充填筒が除去処理工程から排ガスパージ工程に切り換わるとともに、第2の充填筒が待機工程から除去処理工程に切り換わり、
第1の充填筒の排ガスパージ工程において導出されるパージガスを前記検出手段を通して除去処理工程中の第2の充填筒に導入し、第2の充填筒が除去処理工程を行っている間に、前記検出手段がパージガス中の有害成分を検出しなくなったときに排ガスパージ工程を終了し、第1の充填筒を新たな充填筒に交換し、続いて、交換した第1の充填筒の大気ガス成分パージ工程を行ってから待機工程に切り換わることを特徴とする排ガス処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−66892(P2013−66892A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−278971(P2012−278971)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2005−234175(P2005−234175)の分割
【原出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(000231235)大陽日酸株式会社 (642)
【Fターム(参考)】