撮影装置および方法並びにプログラム
【課題】デジタルカメラ等の撮影装置において、とくに顔等の所定の対象物を含む場合に、撮影者の意図を反映させた画質を有する画像を取得する。
【解決手段】スルー画像またはプレ画像等の事前撮影画像から、顔検出部80が例えば顔等の所定対象物を検出する。所定の対象物が検出された場合に、事前撮影時または本撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または事前撮影または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、事前撮影時または本撮影時に使用する画像取得機能を、所定の対象物に応じてCPU75が設定する。そして、設定された画像取得機能のみを使用して画像を取得する。
【解決手段】スルー画像またはプレ画像等の事前撮影画像から、顔検出部80が例えば顔等の所定対象物を検出する。所定の対象物が検出された場合に、事前撮影時または本撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または事前撮影または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、事前撮影時または本撮影時に使用する画像取得機能を、所定の対象物に応じてCPU75が設定する。そして、設定された画像取得機能のみを使用して画像を取得する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影により画像を取得するデジタルカメラ等の撮影装置および撮影方法並びに撮影方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラによる撮影において、撮影により取得した画像から例えば顔等の対象物を検出し、その対象物の検出結果に応じて画像に施す画像処理の条件を変更したり、撮影時における撮影条件を変更したりすることが行われている。例えば、画面内における単一被写体の専有面積が所定値以上である場合に、その被写体の明るさに応じてホワイトバランスの調整を行う手法が提案されている(特許文献1参照)。また、被写体の明るさ情報に基づいてカメラのフラッシュを発光させるか否かを判断するとともに、撮影者によるフラッシュ発光の指示情報を受け取り、判断結果を表す情報と指示情報とを撮影により取得した画像とともに記憶する手法も提案されている(特許文献2参照)。また、撮影時において撮影モードを種々設定可能とし、設定した撮影モード情報を画像に付与して保存するデジタルカメラにおいて、ポートレートモードが設定されている画像について、そのポートレートモードが撮影者が意図して設定したものであるか否かを判定し、その判定が肯定されると階調処理を行わないようにし、判定が否定されると階調処理を行うようにする手法も提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平10−136390号公報
【特許文献2】特開2003−143524号公報
【特許文献3】特開2005−102154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、デジタルカメラにおいては、スルー画像またはプレ画像から顔等の所定対象物を検出した場合、検出した所定対象物を用いて、本撮影時における撮影条件および画像処理時における画像処理条件が設定される。この場合、撮影条件を設定するためには、露出を設定するためのAE処理、焦点位置を検出するためのAF処理、ホワイトバランスを自動調整するAWB処理、フラッシュのオン/オフを決定するための処理等の機能が使用される。また、画像処理条件を設定するためには、階調を補正する階調処理等の機能が使用される。
【0004】
ところで、デジタルカメラにおいては、撮影モードとしてフルオートモードやマニュアルモードを設定可能であるが、マニュアルモードを設定して撮影を行った場合には、撮影者が画像に撮影時の雰囲気を残すことを所望する場合が多い。とくに、顔等の所定の被写体を含めて撮影を行った場合には、その顔に対して撮影者の意図を表すように明るさや階調が設定されている場合がある。
【0005】
しかしながら、撮影により取得される画像に所定対象物が含まれる場合において、上述した複数の機能をすべて使用して撮影条件および画像処理条件を設定すると、撮影者が意図した画質を有する画像が得られない場合がある。とくに、上記特許文献1〜3に記載の手法においては、ホワイトバランスの調整やフラッシュ発光等の機能が自動的に使用されてしまうため、撮影者の意図を反映した画質を有する画像を取得することができない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、デジタルカメラ等の撮影装置において、とくに顔等の所定の対象物を含む場合に、撮影者の意図を反映させた画質を有する画像を取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による第一の撮影装置は、撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された事前撮影画像から所定の対象物を検出する対象物検出手段と、
前記所定の対象物が検出された場合に、事前撮影時または本撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または前記事前撮影または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記事前撮影時または前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定する機能設定手段と、
該設定された画像取得機能に基づく前記撮影条件および/または前記画像処理条件を使用して前記画像を取得する処理制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明による第二の撮影装置は、撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された本撮影画像から所定の対象物を検出する対象物検出手段と、
前記所定の対象物が検出された場合に、前記本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定する機能設定手段と、
該設定された画像取得機能に基づく前記画像処理条件を使用して前記画像を取得する処理制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
「事前撮影画像」とは、シャッタボタンを全押する本撮影によりメモリカード等の記録媒体に記録される本画像ではなく、例えば、撮影前にモニタに表示されるスルー画像、シャッタボタンを半押しした際に撮影条件および画像処理条件を決定するために取得されるプレ画像等、本画像よりも画素数が少ない画像である。
【0010】
「画像取得機能を所定の対象物に応じて設定する」とは、複数の画像取得機能のうち、所定の対象物が高画質となったり、撮影者の撮影時における意図を反映させることが可能な機能を設定すること意味する。
【0011】
なお、本発明による撮影装置においては、前記機能設定手段を、さらに前記画像取得機能を設定する手段としてもよい。
【0012】
また、本発明による撮影装置においては、前記機能設定手段を、前記事前撮影画像または前記本画像のシーンに応じて前記使用する画像取得機能を設定する手段としてもよい。
【0013】
また、本発明による撮影装置においては、前記画像取得機能を所望とする内容に変更可能な変更手段をさらに備えることが好ましい。
【0014】
この場合、前記変更手段を、変更指示を受け付けることにより前記画像取得機能を所望とする内容に変更可能な手段としてもよい。
【0015】
また、本発明による撮影装置においては、前記事前撮影画像または前記本画像とともに前記設定された画像取得機能を表示する表示手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0016】
本発明による第一の撮影方法は、撮影を行う撮影手段により撮影された事前撮影画像から所定の対象物を検出し、
前記所定の対象物が検出された場合に、事前撮影時または本撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または前記事前撮影または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記事前撮影時または前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定し、
該設定された画像取得機能に基づく前記撮影条件および/または前記画像処理条件を使用して前記画像を取得することを特徴とするものである。
【0017】
本発明による第二の撮影方法は、撮影を行う撮影手段により撮影された本撮影画像から所定の対象物を検出し、
前記所定の対象物が検出された場合に、前記本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定し、
該設定された画像取得機能に基づく前記画像処理条件を使用して前記画像を取得することを特徴とするものである。
【0018】
なお、本発明による第一または第二の撮影方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、事前撮影画像から所定の対象物が検出された場合に、撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる複数の画像取得機能のうち、事前撮影時または本撮影時に使用する画像取得機能が、所定の対象物に応じて設定される。そして、設定された画像取得機能のみに基づく撮影条件および/または画像処理条件が使用されて本撮影により本画像が取得される。このため、所定の対象物が検出された場合にはその所定の対象物に応じた撮影条件および/または画像処理条件により事前撮影画像または本画像が取得されることとなる。したがって、所定の対象物に応じた画質を有する事前撮影画像または本画像を得ることができる。
【0020】
また、撮影モードに応じて画像取得機能を設定することにより、とくに撮影者が所定の対象物に対して自身の意図を反映させて撮影を行った場合には、その意図を反映させるような撮影条件および/または画像処理条件により本画像が取得されることとなる。したがって、撮影者の意図に応じた画質を有する本画像を得ることができる。
【0021】
また、事前撮影画像または本画像のシーンに応じて画像取得機能を設定することにより、とくに撮影者がシーンの特徴を反映させて撮影を行った場合には、その意図を反映させるような撮影条件および/または画像処理条件により本画像が取得されることとなる。したがって、撮影者の意図に応じた画質を有する事前撮影画像または本画像を得ることができる。
【0022】
また、画像取得機能を所望とする内容に変更可能とすることにより、撮影者が意図するように本撮影時に使用する撮影条件および/または画像処理条件を設定することができるため、確実に撮影者の意図に応じた画質を有する本画像を得ることができる。
【0023】
また、撮影予定画像または本画像の表示手段への表示時に、設定した画像取得機能を表示することにより、設定した画像取得機能を撮影者に知らせることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の撮影装置の実施形態であるデジタルカメラ1の背面を中心とする斜視図である。図1に示すように、このデジタルカメラ1の背面には、撮影者による操作のためのインターフェースとして、動作モードスイッチ11、メニュー/OKボタン12、ズーム/上下矢印レバー13、左右矢印ボタン14、Back(戻る)ボタン15、表示切替ボタン16を有している他、ファインダ17、液晶モニタ18を有している。また、上面には、レリーズボタン19を有している。図2は本実施形態によるデジタルカメラ1の前面を中心とする斜視図である。図2に示すように、デジタルカメラ1の前面には、レンズ20、レンズカバー21、電源スイッチ22、ファインダ窓23、フラッシュ24、セルフタイマーランプ25を有している。
【0025】
動作モードスイッチ11は、静止画撮影モード、動画撮影モードおよび再生モードの各動作モードを切り替えるためのスライドスイッチである。
【0026】
メニュー/OKボタン12は、押下することによって、撮影モードの種類、フラッシュ発光モード、記録画素数や感度等の設定を行うための各種メニューを液晶モニタ18に表示させたり、液晶モニタ18に表示されたメニューに基づく選択・設定を確定させたりするためのボタンである。なお、メニュー/OKボタン12により、撮影モードを露出やホワイトバランスをすべて自動で設定するためのフルオートモード、およびマニュアルで設定するためのマニュアルモードに設定可能である。なお、マニュアルモードとしては、プログラムオートモード、絞り優先モード、シャッタ優先モードおよびマニュアル露出モードを設定可能である。また、メニュー/OKボタン12により、風景、花、夕焼けおよび人物等のシーンの種類に応じた撮影を行うモードをマニュアルモードとして設定することも可能である。
【0027】
ズーム/上下矢印レバー13は、上下方向にレバーを倒すことによって、撮影時は望遠/広角の調整を行い、各種設定時は液晶モニタ18に表示されるメニュー画面中のカーソルを上下に移動させるためのレバーである。
【0028】
左右矢印ボタン14は、各種設定時に液晶モニタ18に表示されるメニュー画面中のカーソルを左右に移動させるためのボタンである。
【0029】
Back(戻る)ボタン15は、押下することによって各種設定操作を中止し、1つ前の画面に戻るためのボタンである。
【0030】
表示切替ボタン16は、押下することによって、液晶モニタ18の表示のON/OFF、各種ガイド表示、文字表示のON/OFF等を切り替えるためのボタンである。
【0031】
各ボタン、レバーの操作によって設定された内容は、液晶モニタ18中の表示や、ファインダ内のランプ、スライドレバーの位置等によって確認することができるようになっている。
【0032】
液晶モニタ18は、撮影の際に被写体確認用のスルー画像を表示することにより、電子ビューファインダとして機能する他、撮影後の静止画や動画の再生表示、各種設定メニューの表示を行う。
【0033】
図3は本発明の撮影装置の実施形態であるデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図である。図3に示すデジタルカメラ1は、撮影により取得した画像データを、Exif形式の画像ファイルに変換して、本体に着脱可能な外部記録メディア70へ記録するものである。
【0034】
このデジタルカメラの操作系としては、前述の動作モードスイッチ11、メニュー/OKボタン12、ズーム/上下矢印レバー13、左右矢印ボタン14、Back(戻る)ボタン15、表示切替ボタン16、レリーズボタン19、電源スイッチ22と、これらのスイッチ類の操作内容をCPU75に伝えるためのインターフェース部分である操作系制御部74とを有している。
【0035】
光学系としては、フォーカスレンズ20aおよびズームレンズ20bを有している。各々のレンズは、モータとモータドライバとからなるフォーカスレンズ駆動部51およびズームレンズ駆動部52によって光軸方向に移動可能である。フォーカスレンズ駆動部51はAF処理部62から出力されるフォーカス駆動量データに基づいて、ズームレンズ駆動部52はズーム/上下矢印レバー13の操作量データに基づいて、各々のレンズの移動を制御する。
【0036】
また、絞り54は、モータとモータドライバとからなる絞り駆動部55によって駆動される。この絞り駆動部55は、AE/AWB処理部63から出力される絞り値データに基づいて絞り径の調整を行う。
【0037】
シャッタ56は、メカニカルシャッタであり、モータとモータドライバとからなるシャッタ駆動部57によって駆動される。シャッタ駆動部57は、レリーズボタン19の押下により発生する信号と、AE/AWB処理部63から出力されるシャッタスピードデータとに応じて、シャッタ56の開閉の制御を行う。
【0038】
光学系の後方には、撮像素子であるCCD58を有している。CCD58は、多数の受光素子を2次元的に配列した光電面を有しており、光学系を通過した被写体光がこの光電面に結像し、光電変換される。光電面の前方には、各画素に光を集光するためのマイクロレンズアレイと、R,G,B各色のフィルタが規則的に配列されたカラーフィルタアレイとが配置されている。CCD58は、CCD制御部59から供給される垂直転送クロックおよび水平転送クロックに同期して、画素毎に蓄積された電荷を1ラインずつシリアルなアナログ撮影信号として出力する。各画素において電荷を蓄積する時間、すなわち、露出時間は、CCD制御部59から与えられる電子シャッタ駆動信号によって決定される。また、CCD58はCCD制御部59により、あらかじめ定められた大きさのアナログ撮像信号が得られるように、ゲインが調整されている。
【0039】
CCD58から取り込まれたアナログ撮影信号は、アナログ信号処理部60に入力される。アナログ信号処理部60は、アナログ信号のノイズを除去する相関2重サンプリング回路(CDS)と、アナログ信号のゲインを調節するオートゲインコントローラ(AGC)と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ(ADC)とからなる。このデジタル信号に変換された画像データは、画素毎にR,G,Bの濃度値を持つCCD−RAWデータである。
【0040】
タイミングジェネレータ72は、タイミング信号を発生させるものであり、このタイミング信号をシャッタ駆動部57、CCD制御部59、アナログ信号処理部60に供給することにより、レリーズボタン19の操作、シャッタ56の開閉、CCD58の電荷の取込み、およびアナログ信号処理部60の処理の同期を取っている。
【0041】
フラッシュ制御部73は、撮影時にフラッシュ24を発光させる。具体的には、フラッシュ発光モードがフラッシュオンとされている場合、およびフラッシュ発光モードがオートモードである場合において後述するプレ画像が所定の明るさにない場合にフラッシュ24をオンとして、撮影時にフラッシュ24を発光させる。一方、フラッシュ発光モードがフラッシュオフとされている場合、撮影時にフラッシュ24の発光を禁止する。
【0042】
なお、フラッシュ制御部73がフラッシュをオン/オフする機能は、後述するように顔検出の有無および撮影モードの種類に応じて、本撮影時に使用するか否かが設定される。
【0043】
画像入力コントローラ61は、アナログ信号処理部60から入力されたCCD−RAWデータをフレームメモリ66に書き込む。
【0044】
フレームメモリ66は、画像データに対して後述の各種デジタル画像処理(信号処理)を行う際に使用する作業用メモリであり、例えば、一定周期のバスクロック信号に同期してデータ転送を行うSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が使用される。
【0045】
表示制御部71は、フレームメモリ66に格納された画像データをスルー画像として液晶モニタ18に表示させたり、再生モード時に外部記録メディア70に保存されている画像データを液晶モニタ18に表示させたりするためのものである。なお、スルー画像は、撮影モードが選択されている間、所定時間間隔でCCD58により撮影される。
【0046】
AF処理部62およびAE/AWB処理部63は、プレ画像に基づいて撮影条件を決定する。このプレ画像とは、レリーズボタン19が半押しされることによって発生する半押し信号を検出したCPU75がCCD58にプレ撮影を実行させた結果、フレームメモリ66に格納された画像データにより表される画像である。
【0047】
AF処理部62は、プレ画像に基づいて焦点位置を検出し、フォーカス駆動量データを出力する(AF処理)。焦点位置の検出方式としては、例えば、ピントが合った状態では画像のコントラストが高くなるという特徴を利用して合焦位置を検出するパッシブ方式が考えられる。
【0048】
AE/AWB処理部63は、プレ画像に基づいて被写体輝度を測定し、測定した被写体輝度に基づいて絞り値およびシャッタスピード等を決定し、絞り値データおよびシャッタスピードデータを露出設定値として決定するとともに(AE処理)、撮影時のホワイトバランスを自動調整する(AWB処理)。なお、露出およびホワイトバランスについては、撮影モードがマニュアルモードに設定されている場合には、デジタルカメラ1の撮影者がマニュアル操作により設定可能である。また、露出およびホワイトバランスが自動で設定された場合にも、撮影者がメニュー/OKボタン12等の操作系から指示を行うことにより、露出およびホワイトバランスをマニュアル調整することが可能である。
【0049】
なお、AF処理部62のAF処理機能、AE/AWB処理部63のAE機能、AWB処理機能は、後述するように顔検出の有無および撮影モードの種類に応じて、本撮影時に使用するか否かが設定される。
【0050】
画像処理部64は、本画像の画像データに対して、階調補正、シャープネス補正、色補正等の画質補正処理、CCD−RAWデータを輝度信号であるYデータと、青色色差信号であるCbデータおよび赤色色差信号であるCrデータとからなるYCデータに変換するYC処理を行う。この本画像とは、レリーズボタン19が全押しされることによって実行される本撮影においてCCD58から取り込まれ、アナログ信号処理部60、画像入力コントローラ61経由でフレームメモリ66に格納された画像データによる画像である。本画像の画素数の上限は、CCD58の画素数によって決定されるが、例えば、ファイン、ノーマル等の設定により、記録画素数を変更することができる。一方、スルー画像およびプレ画像の画像数は、本画像よりも少なく、例えば、本画像の1/16程度の画素数で取り込まれる。
【0051】
なお、画像処理部64の階調処理機能は、後述するように顔検出の有無および撮影モードの種類に応じて、本撮影時に使用するか否かが設定される。
【0052】
圧縮/伸長処理部65は、画像処理部64によって補正・変換処理が行われた本画像の画像データに対して、例えば、JPEG等の圧縮形式で圧縮処理を行い、画像ファイルを生成する。この画像ファイルには、Exifフォーマット等に基づいて、撮影日時等の付帯情報が格納されたタグが付加される。また、圧縮/伸長処理部65は、再生モードの場合には、外部記録メディア70から圧縮された画像ファイルを読み出し、伸張処理を行う。伸長後の画像データは液晶モニタ18に出力される。
【0053】
メディア制御部67は、外部記録メディア70にアクセスして画像ファイルの書き込みと読み込みの制御を行う。
【0054】
内部メモリ68は、デジタルカメラ1において設定される各種定数、およびCPU75が実行するプログラム等を格納する。
【0055】
顔検出部80は、スルー画像から人物の顔を検出する。具体的には、顔に含まれる顔の特徴を有する領域(例えば肌色を有する、目を有する、顔の形状を有する等)を顔領域として検出する。
【0056】
例えば、特開2006−202276号(以下、参考文献1という)の手法を用いることができる。参考文献1の手法は、顔の追跡は、動きベクトル、特徴点検出等の公知の手法や学習データに対してリサンプリングの際に重みを逐次的に更新していき,できた機械を最後に学習機械に対する重みをつけて足し合わせて統合学習機械をつくる手法であるAdaboostに基づいたマシンラーニング手法を利用するものであることが考えられる。例えば、平均フレームモデルを実際の顔画像に嵌め込み、平均フレームモデル上の各ランドマークの位置を、顔から検出された相対応するランドマークの位置に合致するように移動することによって平均フレームモデルを変形させて顔のフレームモデルを構築するのに際し、マシンラーニング手法により、所定のランドマークであることが分かっている複数のサンプル画像上の点における輝度プロファイルと、該ランドマークではないことが分かっている複数のサンプル画像上の点における輝度プロファイルとに対して学習を行って得た識別器および各識別器に対する識別条件を用いて、顔画像から当該ランドマークを示す点の位置を検出する手法である。また、特開2004−334836号(以下、参考文献2という)の手法を用いることも可能である。参考文献2の手法は、画像データから一定の大きさの画像データを切り出し、各切出画像データと特徴部分画像データの照合データとを比較して前記処理対象画像中に前記特徴部分画像が存在するか否かを検出する画像データの特徴部分抽出方法を使用する手法である。なお、特開2007−11970号(以下、参考文献3という)の手法のように人物の顔領域以外に、動物の顔等を特定被写体として検出してもよい。
【0057】
なお、本実施形態においては、プレ画像から顔を検出するようにしてもよい。
【0058】
CPU75は、動作モードスイッチ11等の操作系やAF処理部62等の各種処理部からの信号に応じてデジタルカメラ1の本体各部を制御する。また、CPU75は、顔検出部80による顔検出の有無および撮影モードの種類に応じて、本撮影時に、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のいずれを撮影条件および/または画像処理条件として使用するかを設定し、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73に指示を行う。
【0059】
データバス76は、画像入力コントローラ61、各種処理部62〜65、フレームメモリ66、メディア制御部67、内部メモリ68、表示制御部71、顔検出部80、およびCPU75に接続されており、デジタル画像データ等のやり取りを行う。
【0060】
次いで、以上の構成のデジタルカメラ1において撮影時に行われる処理について説明する。図4は本実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。
【0061】
まず、CPU75がデジタルカメラ1の動作モードを判定し(ステップST1)、再生モードである場合には、外部記録メディア70に記録されている画像データを液晶モニタ18に表示する再生処理を行い(ステップST2)、処理を終了する。
【0062】
動作モードが撮影モードである場合には、スルー画像を撮影し(ステップST3)、次いで、顔検出部80がスルー画像から顔を検出し(ステップST4)、さらに、レリーズボタン19が半押しされたか否かを判断する(ステップST5)。ステップST5が否定されるとステップST3に戻り、ステップST3以降の処理を繰り返す。
【0063】
ステップST5が肯定されると、プレ撮影を行ってプレ画像を取得し、顔検出部80によるスルー画像からの顔の検出結果を取得し(ステップST6)、さらに検出結果に基づいて顔が検出されているか否かを判断する(ステップST7)。ステップST7が肯定されると、CPU75は現在設定されている撮影モードの種類を判別し(ステップST8)、撮影モードの種類に応じて、本撮影時にAF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のいずれを撮影条件および/または画像処理条件として使用するかを設定し、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73に指示を行う(撮影モードに応じた機能設定:ステップST9)。そして、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73は、CPU75の指示に応じて、AF処理、AE処理、AWB処理、フラッシュオン/オフの設定および/または階調処理を設定する(顔検出用の設定:ステップST10)。以下、この機能の設定について詳細に説明する。
【0064】
図5は撮影モードの種類と使用する機能との関係を表すテーブルを示す図である。図5に示すようにこのテーブルT1においては、撮影モードがフルオート系、マニュアル系およびシーン系の3種類に分類されている。フルオート系の撮影モードはAUTO(フルオートモード)であり、フルオートモードには、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のすべてを使用する旨の情報が対応づけられている。
【0065】
マニュアル系の撮影モードは、P(プログラムオートモード)、A(絞り優先モード)、S(シャッタ優先モード)、およびM(マニュアル露出モード)であり、いずれのモードもAF処理機能およびAWB処理機能のみを使用する旨の情報が対応づけられている。
【0066】
シーン系の撮影モードは、風景モード、花モード、夕焼けモード、および人物モードであり、風景モードおよび花モードには、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のすべてを使用しない旨の情報が対応づけられている(すべてOFF)。一方、夕焼けモードにはAF処理機能のみが、人物モードには、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のすべてを使用する旨の情報が対応づけられている。
【0067】
したがって、CPU75は現在設定されている撮影モードに基づいてテーブルT1を参照することにより、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のいずれを使用すべきかの情報を取得し、この情報に基づいて、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73に指示を行う。
【0068】
なお、テーブルT1はあらかじめ作成されて内部メモリ68に格納されているものであるが、テーブルT1は撮影者が所望とするように設定可能なものとしてもよい。例えば、液晶モニタ18に図6に示す機能設定画面を表示し、撮影者が各種ボタンを使用することにより、各モードにおけるAF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能についてのON/OFFの設定を切り替えることができるようにしてもよい。なお、このようなすべてのモードの一覧を表示するようにする必要はなく、個々のモードについて個別に機能のON/OFFを切り替えることができるようにしてもよい。また、パソコンとデジタルカメラ1とを接続し、パソコンにおいて機能のON/OFFの設定を行うことができるようにし、設定の結果をパソコンからデジタルカメラ1に送信してテーブルT1を更新するようにしてもよい。
【0069】
このように、使用する機能を撮影者が所望とするように変更可能とすることにより、撮影者が意図するように、本撮影時に使用する撮影条件および/または画像処理条件を設定することができるため、確実に撮影者の意図に応じた画質を有する本画像を得ることができる。
【0070】
一方、ステップST7が否定されると、CPU75は撮影モードに応じた通常のAF処理、AE処理、AWB処理、フラッシュオン/オフおよび階調処理を行うよう、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73に対して指示を行う(通常の機能設定、ステップST11)。そして、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73が、CPU75の指示に応じて、AF処理、AE処理、AWB処理、フラッシュオン/オフおよび/または階調処理を設定する(通常の設定:ステップST12)。
【0071】
なお、顔が検出された場合には、撮影モードの種類、顔が検出されたことを表す情報および設定した機能を、プレ画像とともに液晶モニタ18に表示することが好ましい。図7は撮影モードの種類、顔が検出されたことを表す情報および設定した機能を、プレ画像とともに液晶モニタ18に表示した状態を示す図である。図7に示すように、液晶モニタ18には、プレ画像90と、撮影モードの種類を表す情報91(ここではAUTO)と、顔検出の有無を表す情報92(ここでは検出したことを表す「顔検出」)と、設定した機能を表す情報93(ここでは「すべて」)とが表示されている。これにより、撮影者は撮影モードの種類、顔が検出されたことを表す情報および設定した機能を知ることができる。
【0072】
ステップST10またはステップST12に続いて、CPU75はレリーズボタン19の半押しが解除されたか否かを判定し(ステップST13)、ステップST13が肯定されるとステップST3に戻り、ステップST3以降の処理を繰り返す。ステップST13が否定されると、さらにレリーズボタン19が全押しされたか否かを判定し(ステップST14)、ステップST14が否定されるとステップST13に戻る。ステップST14が肯定されると、本画像の撮影(本撮影)を行い(ステップST15)、本撮影により取得された本画像に対して画像処理を施す(ステップST16)。
【0073】
この場合、本画像に顔が含まれる場合には、本画像から顔を検出し、検出した顔が所望とする画質を有するように画像処理を行うことが好ましい。
【0074】
次いで、処理済みの本画像を液晶モニタ18に表示するとともに、外部記録メディア70に記録する(ステップST17)。そして、電源がオフとされたか否かを判定し(ステップST18)、ステップST18が否定されるとステップST1に戻り、ステップST1以降の処理を繰り返す。ステップST18が肯定されると、処理を終了する。
【0075】
このように、本実施形態においては、スルー画像から顔が検出された場合に、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のいずれを本撮影時に使用するかを撮影モードに応じて設定し、設定した機能に応じて本画像を取得するようにしたものである。このため、顔が検出された場合には顔に応じた撮影条件および/または画像処理条件により本画像が取得されることとなり、その結果、顔に応じた画質を有する本画像を得ることができる。
【0076】
とくに、撮影モードに応じて機能を設定することにより、とくに撮影者が被写体である顔に対して自身の意図を反映させて撮影を行った場合には、その意図を反映させるような撮影条件および/または画像処理条件により本画像が取得されることとなる。したがって、撮影者の意図に応じた画質を有する本画像を得ることができる。
【0077】
なお、上記実施形態においては、顔が検出された場合において、本撮影時に使用した機能を表す情報を撮影モードを表す情報とともに本画像に付与して外部記録メディア70に記録するようにしてもよい。具体的には、使用した機能を本画像のタグに記述することにより機能を表す情報を本画像に付与すればよい。
【0078】
このように機能を表す情報が付与された本画像を再生モード時に液晶モニタ18に表示する場合には、図7に示す場合と同様に、撮影モードの種類、顔が検出されたことを表す情報および設定した機能を、本画像とともに液晶モニタ18に表示することが好ましい。
【0079】
また、上記実施形態においては、図8に示すようにデジタルカメラ1にスルー画像またはプレ画像に基づいて撮影するシーンを解析するシーン解析部82を設け、シーン解析結果に応じて、本画像の撮影時に、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のいずれを使用するかを設定するようにしてもよい。この場合、シーン解析結果に応じて、テーブルT1を参照することにより本画像の撮影時に使用する機能を設定すればよい。
【0080】
シーン解析部82におけるシーン解析手法の一例としては、例えば、特開2005−310123号(以下、参考文献4という)の手法を用いることができる。参考文献4の手法は、所望の特定シーンに対応する特徴的部分の対象画像内における配置の傾向を考慮し、かつ撮影枠の取り方の違い等によるそれらの位置や面積割合の変動をも考慮して、様々な特定シーンの画像を選別する、特定のシーン選別にあたり複数の識別器を用いており、特定の識別器の閾値または複数の閾値の総和により、特定のシーン餞別を示す。また、特開2005−122720号(以下、参考文献5という)の手法を用いることができる。参考文献5の手法は、特定シーンとして指定され得る複数のシーンごとに、そのシーンの識別に用いる特徴量の種類と識別条件とを規定した参照データが、メモリ内に格納されている。特定シーンとして指定され得る複数のシーンの識別に用いるすべての特徴量を、選別対象の画像データから導出し、指定された特定シーンに応じて、参照データが規定する特徴量の種類を参照し、それらの特徴量を選別対象の画像データから導出する。導出された特徴量に基づいて参照データ中の識別条件を参照し、所定の閾値であるか否か等により識別対象の画像データが特定シーンの画像のデータであるか否かを識別することを示す。
【0081】
また、シーン解析部82がシーン解析を行うように設定されており、かつシーン系の撮影モードが設定されている場合もある。
【0082】
例えば、夕焼けのシーンである図10Aのように、撮影モードが人物モードであるにもかかわらず、スルー画像又はプレ画像上には被写体(人物)がいないことがある。その場合、夕焼けとしてのシーン解析の閾値が高い(人物としてのシーン解析の閾値は低い)ことが考えられる。撮影モードが設定されていても、シーン解析部82が、特定のシーンであるとする所定の閾値が一定値以上であるとの結果(確信度が高い結果)が得られた場合は、撮影モードによる設定よりも、シーン解析部82のシーン解析結果を優先して撮影条件又は画像処理条件を設定してもよい。なお、シーン解析結果のみを利用して、撮影条件又は画像処理条件を設定してもよい。
【0083】
また、夕焼けのシーンである図10Bの場合のように、撮影モードとして人物モードが設定され、スルー画像又はプレ画像上に被写体(人物)が存在している(F1〜F4は顔検出枠)ことがある。その場合、シーン解析部82は、シーン解析で夕焼けシーンであると認定(解析)するが、一方で、人物シーンであるとも認定(解析)する。
【0084】
シーン解析部82は、夕焼けシーンであり人物シーンでもあると解析するが、結果的に両シーンである(または特定のシーンである)という確信度が所定の値より低い場合がある。そのような場合、シーン解析部82の解析結果よりも、撮影モードによる設定を優先して撮影条件又は画像処理条件を設定してもよい。
【0085】
また、撮影モードのみに応じて撮影条件又は画像処理条件を設定してもよく、その場合シーン解析部82のシーン解析処理計算を停止してもよい。
【0086】
なお、上記実施形態においては、所定の対象物を顔としているが、これに限定されるものではなく、顔以外の他の被写体でもよいものである。
【0087】
また、上記実施形態においては、設定した各種機能を本撮影時に使用しているが、さらなるスルー画像の撮影時に、設定した各種機能を使用するようにしてもよい。また、プレ画像の撮影時にも設定した各種機能を使用するようにしてもよい。
【0088】
また、上記実施形態においては、本画像に対して顔の検出を行うようにしてもよい。以下、これを本発明の他の実施形態として説明する。図9は本発明の他の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。
【0089】
まず、CPU75がデジタルカメラ1の動作モードを判定し(ステップST21)、再生モードである場合には、外部記録メディア70に記録されている画像データを液晶モニタ18に表示する再生処理を行い(ステップST22)、処理を終了する。
【0090】
動作モードが撮影モードである場合には、スルー画像を撮影し(ステップST23)、次いで、顔検出部80がスルー画像から顔を検出し(ステップST24)、さらに、レリーズボタン19が半押しされたか否かを判断する(ステップST25)。ステップST25が否定されるとステップST23に戻り、ステップST23以降の処理を繰り返す。
【0091】
ステップST25が肯定されると、プレ撮影を行ってプレ画像を取得し、顔検出部80によるスルー画像からの顔の検出結果を取得し(ステップST26)、さらに検出結果に基づいて顔が検出されているか否かを判断する(ステップST27)。ステップST27が肯定されると、CPU75は現在設定されている撮影モードの種類を判別し(ステップST28)、撮影モードの種類に応じて、本撮影時にAF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のいずれを撮影条件および/または画像処理条件として使用するかを設定し、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73に指示を行う(撮影モードに応じた機能設定:ステップST29)。そして、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73は、CPU75の指示に応じて、AF処理、AE処理、AWB処理、フラッシュオン/オフの設定および/または階調処理を設定する(顔検出用の設定:ステップST30)。
【0092】
一方、ステップST27が否定されると、CPU75は撮影モードに応じた通常のAF処理、AE処理、AWB処理、フラッシュオン/オフおよび階調処理を行うよう、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73に対して指示を行う(通常の機能設定、ステップST31)。そして、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73が、CPU75の指示に応じて、AF処理、AE処理、AWB処理、フラッシュオン/オフおよび/または階調処理を設定する(通常の設定:ステップST32)。
【0093】
ステップST30またはステップST32に続いて、CPU75はレリーズボタン19が全押しされたか否かを判定し(ステップST33)、ステップST33が否定されると、レリーズボタン19の半押しが継続されているか否かを判定する(ステップST34)。ステップST34が肯定されると、顔検出部80がスルー画像から顔を検出し(ステップST35)、ステップST33に戻る。ステップST34が否定されると、ステップST23に戻り、ステップST23以降の処理を繰り返す。
【0094】
ステップST35において顔検出を行うことにより、本撮像前に継続してスルー画像に対して、顔検出を行うことができる。
【0095】
ステップST33が肯定されると、本画像の撮影(本撮影)を行い(ステップST36)、顔検出部80が本撮影により取得された本画像から顔を検出し(ステップST37)、さらに、本撮影により取得された本画像に対して検出した顔が所望とする画質を有するものとなるように画像処理を施す(ステップST38)。
【0096】
なお、この場合、スルー画像の場合と同様に、本画像を用いて本画像に施すための画像処理の機能を設定し、設定した機能に基づいて本画像に画像処理を施すようにしてもよい。
【0097】
次いで、処理済みの本画像を液晶モニタ18に表示するとともに、外部記録メディア70に記録する(ステップST39)。そして、電源がオフとされたか否かを判定し(ステップST40)、ステップST40が否定されるとステップST21に戻り、ステップST21以降の処理を繰り返す。ステップST40が肯定されると、処理を終了する。
【0098】
以上、本発明の実施形態に係るデジタルカメラについて説明したが、コンピュータを、上記のAF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73、顔検出部80およびシーン解析部82に対応する手段として機能させ、図4に示すような処理を行わせるプログラムも、本発明の実施形態の1つである。また、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の実施形態の1つである。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の撮影装置の実施形態であるデジタルカメラの背面を中心とする斜視図
【図2】本発明の撮影装置の実施形態であるデジタルカメラの前面を中心とする斜視図
【図3】本発明の撮影装置の実施形態であるデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図
【図4】本実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図5】撮影モードの種類と使用する機能との関係を表すテーブルを示す図
【図6】機能設定画面を示す図
【図7】撮影モードの種類、顔が検出されたことを表す情報および設定した機能を、プレ画像とともに液晶モニタに表示した状態を示す図
【図8】本発明の撮影装置の他の実施形態であるデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図
【図9】他の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図10A】撮影モードとシーン解析を共に設定した場合の液晶モニタに表示した状態を示す図(その1)
【図10B】撮影モードとシーン解析を共に設定した場合の液晶モニタに表示した状態を示す図(その2)
【符号の説明】
【0100】
1 デジタルカメラ
18 液晶モニタ
24 フラッシュ
62 AF処理部
63 AE/AWB処理部
64 画像処理部
71 表示制御部
73 フラッシュ制御部
75 CPU
80 顔検出部
82 シーン解析部
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影により画像を取得するデジタルカメラ等の撮影装置および撮影方法並びに撮影方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラによる撮影において、撮影により取得した画像から例えば顔等の対象物を検出し、その対象物の検出結果に応じて画像に施す画像処理の条件を変更したり、撮影時における撮影条件を変更したりすることが行われている。例えば、画面内における単一被写体の専有面積が所定値以上である場合に、その被写体の明るさに応じてホワイトバランスの調整を行う手法が提案されている(特許文献1参照)。また、被写体の明るさ情報に基づいてカメラのフラッシュを発光させるか否かを判断するとともに、撮影者によるフラッシュ発光の指示情報を受け取り、判断結果を表す情報と指示情報とを撮影により取得した画像とともに記憶する手法も提案されている(特許文献2参照)。また、撮影時において撮影モードを種々設定可能とし、設定した撮影モード情報を画像に付与して保存するデジタルカメラにおいて、ポートレートモードが設定されている画像について、そのポートレートモードが撮影者が意図して設定したものであるか否かを判定し、その判定が肯定されると階調処理を行わないようにし、判定が否定されると階調処理を行うようにする手法も提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平10−136390号公報
【特許文献2】特開2003−143524号公報
【特許文献3】特開2005−102154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、デジタルカメラにおいては、スルー画像またはプレ画像から顔等の所定対象物を検出した場合、検出した所定対象物を用いて、本撮影時における撮影条件および画像処理時における画像処理条件が設定される。この場合、撮影条件を設定するためには、露出を設定するためのAE処理、焦点位置を検出するためのAF処理、ホワイトバランスを自動調整するAWB処理、フラッシュのオン/オフを決定するための処理等の機能が使用される。また、画像処理条件を設定するためには、階調を補正する階調処理等の機能が使用される。
【0004】
ところで、デジタルカメラにおいては、撮影モードとしてフルオートモードやマニュアルモードを設定可能であるが、マニュアルモードを設定して撮影を行った場合には、撮影者が画像に撮影時の雰囲気を残すことを所望する場合が多い。とくに、顔等の所定の被写体を含めて撮影を行った場合には、その顔に対して撮影者の意図を表すように明るさや階調が設定されている場合がある。
【0005】
しかしながら、撮影により取得される画像に所定対象物が含まれる場合において、上述した複数の機能をすべて使用して撮影条件および画像処理条件を設定すると、撮影者が意図した画質を有する画像が得られない場合がある。とくに、上記特許文献1〜3に記載の手法においては、ホワイトバランスの調整やフラッシュ発光等の機能が自動的に使用されてしまうため、撮影者の意図を反映した画質を有する画像を取得することができない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、デジタルカメラ等の撮影装置において、とくに顔等の所定の対象物を含む場合に、撮影者の意図を反映させた画質を有する画像を取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による第一の撮影装置は、撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された事前撮影画像から所定の対象物を検出する対象物検出手段と、
前記所定の対象物が検出された場合に、事前撮影時または本撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または前記事前撮影または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記事前撮影時または前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定する機能設定手段と、
該設定された画像取得機能に基づく前記撮影条件および/または前記画像処理条件を使用して前記画像を取得する処理制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明による第二の撮影装置は、撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された本撮影画像から所定の対象物を検出する対象物検出手段と、
前記所定の対象物が検出された場合に、前記本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定する機能設定手段と、
該設定された画像取得機能に基づく前記画像処理条件を使用して前記画像を取得する処理制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
「事前撮影画像」とは、シャッタボタンを全押する本撮影によりメモリカード等の記録媒体に記録される本画像ではなく、例えば、撮影前にモニタに表示されるスルー画像、シャッタボタンを半押しした際に撮影条件および画像処理条件を決定するために取得されるプレ画像等、本画像よりも画素数が少ない画像である。
【0010】
「画像取得機能を所定の対象物に応じて設定する」とは、複数の画像取得機能のうち、所定の対象物が高画質となったり、撮影者の撮影時における意図を反映させることが可能な機能を設定すること意味する。
【0011】
なお、本発明による撮影装置においては、前記機能設定手段を、さらに前記画像取得機能を設定する手段としてもよい。
【0012】
また、本発明による撮影装置においては、前記機能設定手段を、前記事前撮影画像または前記本画像のシーンに応じて前記使用する画像取得機能を設定する手段としてもよい。
【0013】
また、本発明による撮影装置においては、前記画像取得機能を所望とする内容に変更可能な変更手段をさらに備えることが好ましい。
【0014】
この場合、前記変更手段を、変更指示を受け付けることにより前記画像取得機能を所望とする内容に変更可能な手段としてもよい。
【0015】
また、本発明による撮影装置においては、前記事前撮影画像または前記本画像とともに前記設定された画像取得機能を表示する表示手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0016】
本発明による第一の撮影方法は、撮影を行う撮影手段により撮影された事前撮影画像から所定の対象物を検出し、
前記所定の対象物が検出された場合に、事前撮影時または本撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または前記事前撮影または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記事前撮影時または前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定し、
該設定された画像取得機能に基づく前記撮影条件および/または前記画像処理条件を使用して前記画像を取得することを特徴とするものである。
【0017】
本発明による第二の撮影方法は、撮影を行う撮影手段により撮影された本撮影画像から所定の対象物を検出し、
前記所定の対象物が検出された場合に、前記本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定し、
該設定された画像取得機能に基づく前記画像処理条件を使用して前記画像を取得することを特徴とするものである。
【0018】
なお、本発明による第一または第二の撮影方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、事前撮影画像から所定の対象物が検出された場合に、撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる複数の画像取得機能のうち、事前撮影時または本撮影時に使用する画像取得機能が、所定の対象物に応じて設定される。そして、設定された画像取得機能のみに基づく撮影条件および/または画像処理条件が使用されて本撮影により本画像が取得される。このため、所定の対象物が検出された場合にはその所定の対象物に応じた撮影条件および/または画像処理条件により事前撮影画像または本画像が取得されることとなる。したがって、所定の対象物に応じた画質を有する事前撮影画像または本画像を得ることができる。
【0020】
また、撮影モードに応じて画像取得機能を設定することにより、とくに撮影者が所定の対象物に対して自身の意図を反映させて撮影を行った場合には、その意図を反映させるような撮影条件および/または画像処理条件により本画像が取得されることとなる。したがって、撮影者の意図に応じた画質を有する本画像を得ることができる。
【0021】
また、事前撮影画像または本画像のシーンに応じて画像取得機能を設定することにより、とくに撮影者がシーンの特徴を反映させて撮影を行った場合には、その意図を反映させるような撮影条件および/または画像処理条件により本画像が取得されることとなる。したがって、撮影者の意図に応じた画質を有する事前撮影画像または本画像を得ることができる。
【0022】
また、画像取得機能を所望とする内容に変更可能とすることにより、撮影者が意図するように本撮影時に使用する撮影条件および/または画像処理条件を設定することができるため、確実に撮影者の意図に応じた画質を有する本画像を得ることができる。
【0023】
また、撮影予定画像または本画像の表示手段への表示時に、設定した画像取得機能を表示することにより、設定した画像取得機能を撮影者に知らせることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の撮影装置の実施形態であるデジタルカメラ1の背面を中心とする斜視図である。図1に示すように、このデジタルカメラ1の背面には、撮影者による操作のためのインターフェースとして、動作モードスイッチ11、メニュー/OKボタン12、ズーム/上下矢印レバー13、左右矢印ボタン14、Back(戻る)ボタン15、表示切替ボタン16を有している他、ファインダ17、液晶モニタ18を有している。また、上面には、レリーズボタン19を有している。図2は本実施形態によるデジタルカメラ1の前面を中心とする斜視図である。図2に示すように、デジタルカメラ1の前面には、レンズ20、レンズカバー21、電源スイッチ22、ファインダ窓23、フラッシュ24、セルフタイマーランプ25を有している。
【0025】
動作モードスイッチ11は、静止画撮影モード、動画撮影モードおよび再生モードの各動作モードを切り替えるためのスライドスイッチである。
【0026】
メニュー/OKボタン12は、押下することによって、撮影モードの種類、フラッシュ発光モード、記録画素数や感度等の設定を行うための各種メニューを液晶モニタ18に表示させたり、液晶モニタ18に表示されたメニューに基づく選択・設定を確定させたりするためのボタンである。なお、メニュー/OKボタン12により、撮影モードを露出やホワイトバランスをすべて自動で設定するためのフルオートモード、およびマニュアルで設定するためのマニュアルモードに設定可能である。なお、マニュアルモードとしては、プログラムオートモード、絞り優先モード、シャッタ優先モードおよびマニュアル露出モードを設定可能である。また、メニュー/OKボタン12により、風景、花、夕焼けおよび人物等のシーンの種類に応じた撮影を行うモードをマニュアルモードとして設定することも可能である。
【0027】
ズーム/上下矢印レバー13は、上下方向にレバーを倒すことによって、撮影時は望遠/広角の調整を行い、各種設定時は液晶モニタ18に表示されるメニュー画面中のカーソルを上下に移動させるためのレバーである。
【0028】
左右矢印ボタン14は、各種設定時に液晶モニタ18に表示されるメニュー画面中のカーソルを左右に移動させるためのボタンである。
【0029】
Back(戻る)ボタン15は、押下することによって各種設定操作を中止し、1つ前の画面に戻るためのボタンである。
【0030】
表示切替ボタン16は、押下することによって、液晶モニタ18の表示のON/OFF、各種ガイド表示、文字表示のON/OFF等を切り替えるためのボタンである。
【0031】
各ボタン、レバーの操作によって設定された内容は、液晶モニタ18中の表示や、ファインダ内のランプ、スライドレバーの位置等によって確認することができるようになっている。
【0032】
液晶モニタ18は、撮影の際に被写体確認用のスルー画像を表示することにより、電子ビューファインダとして機能する他、撮影後の静止画や動画の再生表示、各種設定メニューの表示を行う。
【0033】
図3は本発明の撮影装置の実施形態であるデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図である。図3に示すデジタルカメラ1は、撮影により取得した画像データを、Exif形式の画像ファイルに変換して、本体に着脱可能な外部記録メディア70へ記録するものである。
【0034】
このデジタルカメラの操作系としては、前述の動作モードスイッチ11、メニュー/OKボタン12、ズーム/上下矢印レバー13、左右矢印ボタン14、Back(戻る)ボタン15、表示切替ボタン16、レリーズボタン19、電源スイッチ22と、これらのスイッチ類の操作内容をCPU75に伝えるためのインターフェース部分である操作系制御部74とを有している。
【0035】
光学系としては、フォーカスレンズ20aおよびズームレンズ20bを有している。各々のレンズは、モータとモータドライバとからなるフォーカスレンズ駆動部51およびズームレンズ駆動部52によって光軸方向に移動可能である。フォーカスレンズ駆動部51はAF処理部62から出力されるフォーカス駆動量データに基づいて、ズームレンズ駆動部52はズーム/上下矢印レバー13の操作量データに基づいて、各々のレンズの移動を制御する。
【0036】
また、絞り54は、モータとモータドライバとからなる絞り駆動部55によって駆動される。この絞り駆動部55は、AE/AWB処理部63から出力される絞り値データに基づいて絞り径の調整を行う。
【0037】
シャッタ56は、メカニカルシャッタであり、モータとモータドライバとからなるシャッタ駆動部57によって駆動される。シャッタ駆動部57は、レリーズボタン19の押下により発生する信号と、AE/AWB処理部63から出力されるシャッタスピードデータとに応じて、シャッタ56の開閉の制御を行う。
【0038】
光学系の後方には、撮像素子であるCCD58を有している。CCD58は、多数の受光素子を2次元的に配列した光電面を有しており、光学系を通過した被写体光がこの光電面に結像し、光電変換される。光電面の前方には、各画素に光を集光するためのマイクロレンズアレイと、R,G,B各色のフィルタが規則的に配列されたカラーフィルタアレイとが配置されている。CCD58は、CCD制御部59から供給される垂直転送クロックおよび水平転送クロックに同期して、画素毎に蓄積された電荷を1ラインずつシリアルなアナログ撮影信号として出力する。各画素において電荷を蓄積する時間、すなわち、露出時間は、CCD制御部59から与えられる電子シャッタ駆動信号によって決定される。また、CCD58はCCD制御部59により、あらかじめ定められた大きさのアナログ撮像信号が得られるように、ゲインが調整されている。
【0039】
CCD58から取り込まれたアナログ撮影信号は、アナログ信号処理部60に入力される。アナログ信号処理部60は、アナログ信号のノイズを除去する相関2重サンプリング回路(CDS)と、アナログ信号のゲインを調節するオートゲインコントローラ(AGC)と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ(ADC)とからなる。このデジタル信号に変換された画像データは、画素毎にR,G,Bの濃度値を持つCCD−RAWデータである。
【0040】
タイミングジェネレータ72は、タイミング信号を発生させるものであり、このタイミング信号をシャッタ駆動部57、CCD制御部59、アナログ信号処理部60に供給することにより、レリーズボタン19の操作、シャッタ56の開閉、CCD58の電荷の取込み、およびアナログ信号処理部60の処理の同期を取っている。
【0041】
フラッシュ制御部73は、撮影時にフラッシュ24を発光させる。具体的には、フラッシュ発光モードがフラッシュオンとされている場合、およびフラッシュ発光モードがオートモードである場合において後述するプレ画像が所定の明るさにない場合にフラッシュ24をオンとして、撮影時にフラッシュ24を発光させる。一方、フラッシュ発光モードがフラッシュオフとされている場合、撮影時にフラッシュ24の発光を禁止する。
【0042】
なお、フラッシュ制御部73がフラッシュをオン/オフする機能は、後述するように顔検出の有無および撮影モードの種類に応じて、本撮影時に使用するか否かが設定される。
【0043】
画像入力コントローラ61は、アナログ信号処理部60から入力されたCCD−RAWデータをフレームメモリ66に書き込む。
【0044】
フレームメモリ66は、画像データに対して後述の各種デジタル画像処理(信号処理)を行う際に使用する作業用メモリであり、例えば、一定周期のバスクロック信号に同期してデータ転送を行うSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が使用される。
【0045】
表示制御部71は、フレームメモリ66に格納された画像データをスルー画像として液晶モニタ18に表示させたり、再生モード時に外部記録メディア70に保存されている画像データを液晶モニタ18に表示させたりするためのものである。なお、スルー画像は、撮影モードが選択されている間、所定時間間隔でCCD58により撮影される。
【0046】
AF処理部62およびAE/AWB処理部63は、プレ画像に基づいて撮影条件を決定する。このプレ画像とは、レリーズボタン19が半押しされることによって発生する半押し信号を検出したCPU75がCCD58にプレ撮影を実行させた結果、フレームメモリ66に格納された画像データにより表される画像である。
【0047】
AF処理部62は、プレ画像に基づいて焦点位置を検出し、フォーカス駆動量データを出力する(AF処理)。焦点位置の検出方式としては、例えば、ピントが合った状態では画像のコントラストが高くなるという特徴を利用して合焦位置を検出するパッシブ方式が考えられる。
【0048】
AE/AWB処理部63は、プレ画像に基づいて被写体輝度を測定し、測定した被写体輝度に基づいて絞り値およびシャッタスピード等を決定し、絞り値データおよびシャッタスピードデータを露出設定値として決定するとともに(AE処理)、撮影時のホワイトバランスを自動調整する(AWB処理)。なお、露出およびホワイトバランスについては、撮影モードがマニュアルモードに設定されている場合には、デジタルカメラ1の撮影者がマニュアル操作により設定可能である。また、露出およびホワイトバランスが自動で設定された場合にも、撮影者がメニュー/OKボタン12等の操作系から指示を行うことにより、露出およびホワイトバランスをマニュアル調整することが可能である。
【0049】
なお、AF処理部62のAF処理機能、AE/AWB処理部63のAE機能、AWB処理機能は、後述するように顔検出の有無および撮影モードの種類に応じて、本撮影時に使用するか否かが設定される。
【0050】
画像処理部64は、本画像の画像データに対して、階調補正、シャープネス補正、色補正等の画質補正処理、CCD−RAWデータを輝度信号であるYデータと、青色色差信号であるCbデータおよび赤色色差信号であるCrデータとからなるYCデータに変換するYC処理を行う。この本画像とは、レリーズボタン19が全押しされることによって実行される本撮影においてCCD58から取り込まれ、アナログ信号処理部60、画像入力コントローラ61経由でフレームメモリ66に格納された画像データによる画像である。本画像の画素数の上限は、CCD58の画素数によって決定されるが、例えば、ファイン、ノーマル等の設定により、記録画素数を変更することができる。一方、スルー画像およびプレ画像の画像数は、本画像よりも少なく、例えば、本画像の1/16程度の画素数で取り込まれる。
【0051】
なお、画像処理部64の階調処理機能は、後述するように顔検出の有無および撮影モードの種類に応じて、本撮影時に使用するか否かが設定される。
【0052】
圧縮/伸長処理部65は、画像処理部64によって補正・変換処理が行われた本画像の画像データに対して、例えば、JPEG等の圧縮形式で圧縮処理を行い、画像ファイルを生成する。この画像ファイルには、Exifフォーマット等に基づいて、撮影日時等の付帯情報が格納されたタグが付加される。また、圧縮/伸長処理部65は、再生モードの場合には、外部記録メディア70から圧縮された画像ファイルを読み出し、伸張処理を行う。伸長後の画像データは液晶モニタ18に出力される。
【0053】
メディア制御部67は、外部記録メディア70にアクセスして画像ファイルの書き込みと読み込みの制御を行う。
【0054】
内部メモリ68は、デジタルカメラ1において設定される各種定数、およびCPU75が実行するプログラム等を格納する。
【0055】
顔検出部80は、スルー画像から人物の顔を検出する。具体的には、顔に含まれる顔の特徴を有する領域(例えば肌色を有する、目を有する、顔の形状を有する等)を顔領域として検出する。
【0056】
例えば、特開2006−202276号(以下、参考文献1という)の手法を用いることができる。参考文献1の手法は、顔の追跡は、動きベクトル、特徴点検出等の公知の手法や学習データに対してリサンプリングの際に重みを逐次的に更新していき,できた機械を最後に学習機械に対する重みをつけて足し合わせて統合学習機械をつくる手法であるAdaboostに基づいたマシンラーニング手法を利用するものであることが考えられる。例えば、平均フレームモデルを実際の顔画像に嵌め込み、平均フレームモデル上の各ランドマークの位置を、顔から検出された相対応するランドマークの位置に合致するように移動することによって平均フレームモデルを変形させて顔のフレームモデルを構築するのに際し、マシンラーニング手法により、所定のランドマークであることが分かっている複数のサンプル画像上の点における輝度プロファイルと、該ランドマークではないことが分かっている複数のサンプル画像上の点における輝度プロファイルとに対して学習を行って得た識別器および各識別器に対する識別条件を用いて、顔画像から当該ランドマークを示す点の位置を検出する手法である。また、特開2004−334836号(以下、参考文献2という)の手法を用いることも可能である。参考文献2の手法は、画像データから一定の大きさの画像データを切り出し、各切出画像データと特徴部分画像データの照合データとを比較して前記処理対象画像中に前記特徴部分画像が存在するか否かを検出する画像データの特徴部分抽出方法を使用する手法である。なお、特開2007−11970号(以下、参考文献3という)の手法のように人物の顔領域以外に、動物の顔等を特定被写体として検出してもよい。
【0057】
なお、本実施形態においては、プレ画像から顔を検出するようにしてもよい。
【0058】
CPU75は、動作モードスイッチ11等の操作系やAF処理部62等の各種処理部からの信号に応じてデジタルカメラ1の本体各部を制御する。また、CPU75は、顔検出部80による顔検出の有無および撮影モードの種類に応じて、本撮影時に、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のいずれを撮影条件および/または画像処理条件として使用するかを設定し、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73に指示を行う。
【0059】
データバス76は、画像入力コントローラ61、各種処理部62〜65、フレームメモリ66、メディア制御部67、内部メモリ68、表示制御部71、顔検出部80、およびCPU75に接続されており、デジタル画像データ等のやり取りを行う。
【0060】
次いで、以上の構成のデジタルカメラ1において撮影時に行われる処理について説明する。図4は本実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。
【0061】
まず、CPU75がデジタルカメラ1の動作モードを判定し(ステップST1)、再生モードである場合には、外部記録メディア70に記録されている画像データを液晶モニタ18に表示する再生処理を行い(ステップST2)、処理を終了する。
【0062】
動作モードが撮影モードである場合には、スルー画像を撮影し(ステップST3)、次いで、顔検出部80がスルー画像から顔を検出し(ステップST4)、さらに、レリーズボタン19が半押しされたか否かを判断する(ステップST5)。ステップST5が否定されるとステップST3に戻り、ステップST3以降の処理を繰り返す。
【0063】
ステップST5が肯定されると、プレ撮影を行ってプレ画像を取得し、顔検出部80によるスルー画像からの顔の検出結果を取得し(ステップST6)、さらに検出結果に基づいて顔が検出されているか否かを判断する(ステップST7)。ステップST7が肯定されると、CPU75は現在設定されている撮影モードの種類を判別し(ステップST8)、撮影モードの種類に応じて、本撮影時にAF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のいずれを撮影条件および/または画像処理条件として使用するかを設定し、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73に指示を行う(撮影モードに応じた機能設定:ステップST9)。そして、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73は、CPU75の指示に応じて、AF処理、AE処理、AWB処理、フラッシュオン/オフの設定および/または階調処理を設定する(顔検出用の設定:ステップST10)。以下、この機能の設定について詳細に説明する。
【0064】
図5は撮影モードの種類と使用する機能との関係を表すテーブルを示す図である。図5に示すようにこのテーブルT1においては、撮影モードがフルオート系、マニュアル系およびシーン系の3種類に分類されている。フルオート系の撮影モードはAUTO(フルオートモード)であり、フルオートモードには、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のすべてを使用する旨の情報が対応づけられている。
【0065】
マニュアル系の撮影モードは、P(プログラムオートモード)、A(絞り優先モード)、S(シャッタ優先モード)、およびM(マニュアル露出モード)であり、いずれのモードもAF処理機能およびAWB処理機能のみを使用する旨の情報が対応づけられている。
【0066】
シーン系の撮影モードは、風景モード、花モード、夕焼けモード、および人物モードであり、風景モードおよび花モードには、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のすべてを使用しない旨の情報が対応づけられている(すべてOFF)。一方、夕焼けモードにはAF処理機能のみが、人物モードには、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のすべてを使用する旨の情報が対応づけられている。
【0067】
したがって、CPU75は現在設定されている撮影モードに基づいてテーブルT1を参照することにより、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のいずれを使用すべきかの情報を取得し、この情報に基づいて、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73に指示を行う。
【0068】
なお、テーブルT1はあらかじめ作成されて内部メモリ68に格納されているものであるが、テーブルT1は撮影者が所望とするように設定可能なものとしてもよい。例えば、液晶モニタ18に図6に示す機能設定画面を表示し、撮影者が各種ボタンを使用することにより、各モードにおけるAF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能についてのON/OFFの設定を切り替えることができるようにしてもよい。なお、このようなすべてのモードの一覧を表示するようにする必要はなく、個々のモードについて個別に機能のON/OFFを切り替えることができるようにしてもよい。また、パソコンとデジタルカメラ1とを接続し、パソコンにおいて機能のON/OFFの設定を行うことができるようにし、設定の結果をパソコンからデジタルカメラ1に送信してテーブルT1を更新するようにしてもよい。
【0069】
このように、使用する機能を撮影者が所望とするように変更可能とすることにより、撮影者が意図するように、本撮影時に使用する撮影条件および/または画像処理条件を設定することができるため、確実に撮影者の意図に応じた画質を有する本画像を得ることができる。
【0070】
一方、ステップST7が否定されると、CPU75は撮影モードに応じた通常のAF処理、AE処理、AWB処理、フラッシュオン/オフおよび階調処理を行うよう、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73に対して指示を行う(通常の機能設定、ステップST11)。そして、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73が、CPU75の指示に応じて、AF処理、AE処理、AWB処理、フラッシュオン/オフおよび/または階調処理を設定する(通常の設定:ステップST12)。
【0071】
なお、顔が検出された場合には、撮影モードの種類、顔が検出されたことを表す情報および設定した機能を、プレ画像とともに液晶モニタ18に表示することが好ましい。図7は撮影モードの種類、顔が検出されたことを表す情報および設定した機能を、プレ画像とともに液晶モニタ18に表示した状態を示す図である。図7に示すように、液晶モニタ18には、プレ画像90と、撮影モードの種類を表す情報91(ここではAUTO)と、顔検出の有無を表す情報92(ここでは検出したことを表す「顔検出」)と、設定した機能を表す情報93(ここでは「すべて」)とが表示されている。これにより、撮影者は撮影モードの種類、顔が検出されたことを表す情報および設定した機能を知ることができる。
【0072】
ステップST10またはステップST12に続いて、CPU75はレリーズボタン19の半押しが解除されたか否かを判定し(ステップST13)、ステップST13が肯定されるとステップST3に戻り、ステップST3以降の処理を繰り返す。ステップST13が否定されると、さらにレリーズボタン19が全押しされたか否かを判定し(ステップST14)、ステップST14が否定されるとステップST13に戻る。ステップST14が肯定されると、本画像の撮影(本撮影)を行い(ステップST15)、本撮影により取得された本画像に対して画像処理を施す(ステップST16)。
【0073】
この場合、本画像に顔が含まれる場合には、本画像から顔を検出し、検出した顔が所望とする画質を有するように画像処理を行うことが好ましい。
【0074】
次いで、処理済みの本画像を液晶モニタ18に表示するとともに、外部記録メディア70に記録する(ステップST17)。そして、電源がオフとされたか否かを判定し(ステップST18)、ステップST18が否定されるとステップST1に戻り、ステップST1以降の処理を繰り返す。ステップST18が肯定されると、処理を終了する。
【0075】
このように、本実施形態においては、スルー画像から顔が検出された場合に、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のいずれを本撮影時に使用するかを撮影モードに応じて設定し、設定した機能に応じて本画像を取得するようにしたものである。このため、顔が検出された場合には顔に応じた撮影条件および/または画像処理条件により本画像が取得されることとなり、その結果、顔に応じた画質を有する本画像を得ることができる。
【0076】
とくに、撮影モードに応じて機能を設定することにより、とくに撮影者が被写体である顔に対して自身の意図を反映させて撮影を行った場合には、その意図を反映させるような撮影条件および/または画像処理条件により本画像が取得されることとなる。したがって、撮影者の意図に応じた画質を有する本画像を得ることができる。
【0077】
なお、上記実施形態においては、顔が検出された場合において、本撮影時に使用した機能を表す情報を撮影モードを表す情報とともに本画像に付与して外部記録メディア70に記録するようにしてもよい。具体的には、使用した機能を本画像のタグに記述することにより機能を表す情報を本画像に付与すればよい。
【0078】
このように機能を表す情報が付与された本画像を再生モード時に液晶モニタ18に表示する場合には、図7に示す場合と同様に、撮影モードの種類、顔が検出されたことを表す情報および設定した機能を、本画像とともに液晶モニタ18に表示することが好ましい。
【0079】
また、上記実施形態においては、図8に示すようにデジタルカメラ1にスルー画像またはプレ画像に基づいて撮影するシーンを解析するシーン解析部82を設け、シーン解析結果に応じて、本画像の撮影時に、AF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のいずれを使用するかを設定するようにしてもよい。この場合、シーン解析結果に応じて、テーブルT1を参照することにより本画像の撮影時に使用する機能を設定すればよい。
【0080】
シーン解析部82におけるシーン解析手法の一例としては、例えば、特開2005−310123号(以下、参考文献4という)の手法を用いることができる。参考文献4の手法は、所望の特定シーンに対応する特徴的部分の対象画像内における配置の傾向を考慮し、かつ撮影枠の取り方の違い等によるそれらの位置や面積割合の変動をも考慮して、様々な特定シーンの画像を選別する、特定のシーン選別にあたり複数の識別器を用いており、特定の識別器の閾値または複数の閾値の総和により、特定のシーン餞別を示す。また、特開2005−122720号(以下、参考文献5という)の手法を用いることができる。参考文献5の手法は、特定シーンとして指定され得る複数のシーンごとに、そのシーンの識別に用いる特徴量の種類と識別条件とを規定した参照データが、メモリ内に格納されている。特定シーンとして指定され得る複数のシーンの識別に用いるすべての特徴量を、選別対象の画像データから導出し、指定された特定シーンに応じて、参照データが規定する特徴量の種類を参照し、それらの特徴量を選別対象の画像データから導出する。導出された特徴量に基づいて参照データ中の識別条件を参照し、所定の閾値であるか否か等により識別対象の画像データが特定シーンの画像のデータであるか否かを識別することを示す。
【0081】
また、シーン解析部82がシーン解析を行うように設定されており、かつシーン系の撮影モードが設定されている場合もある。
【0082】
例えば、夕焼けのシーンである図10Aのように、撮影モードが人物モードであるにもかかわらず、スルー画像又はプレ画像上には被写体(人物)がいないことがある。その場合、夕焼けとしてのシーン解析の閾値が高い(人物としてのシーン解析の閾値は低い)ことが考えられる。撮影モードが設定されていても、シーン解析部82が、特定のシーンであるとする所定の閾値が一定値以上であるとの結果(確信度が高い結果)が得られた場合は、撮影モードによる設定よりも、シーン解析部82のシーン解析結果を優先して撮影条件又は画像処理条件を設定してもよい。なお、シーン解析結果のみを利用して、撮影条件又は画像処理条件を設定してもよい。
【0083】
また、夕焼けのシーンである図10Bの場合のように、撮影モードとして人物モードが設定され、スルー画像又はプレ画像上に被写体(人物)が存在している(F1〜F4は顔検出枠)ことがある。その場合、シーン解析部82は、シーン解析で夕焼けシーンであると認定(解析)するが、一方で、人物シーンであるとも認定(解析)する。
【0084】
シーン解析部82は、夕焼けシーンであり人物シーンでもあると解析するが、結果的に両シーンである(または特定のシーンである)という確信度が所定の値より低い場合がある。そのような場合、シーン解析部82の解析結果よりも、撮影モードによる設定を優先して撮影条件又は画像処理条件を設定してもよい。
【0085】
また、撮影モードのみに応じて撮影条件又は画像処理条件を設定してもよく、その場合シーン解析部82のシーン解析処理計算を停止してもよい。
【0086】
なお、上記実施形態においては、所定の対象物を顔としているが、これに限定されるものではなく、顔以外の他の被写体でもよいものである。
【0087】
また、上記実施形態においては、設定した各種機能を本撮影時に使用しているが、さらなるスルー画像の撮影時に、設定した各種機能を使用するようにしてもよい。また、プレ画像の撮影時にも設定した各種機能を使用するようにしてもよい。
【0088】
また、上記実施形態においては、本画像に対して顔の検出を行うようにしてもよい。以下、これを本発明の他の実施形態として説明する。図9は本発明の他の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。
【0089】
まず、CPU75がデジタルカメラ1の動作モードを判定し(ステップST21)、再生モードである場合には、外部記録メディア70に記録されている画像データを液晶モニタ18に表示する再生処理を行い(ステップST22)、処理を終了する。
【0090】
動作モードが撮影モードである場合には、スルー画像を撮影し(ステップST23)、次いで、顔検出部80がスルー画像から顔を検出し(ステップST24)、さらに、レリーズボタン19が半押しされたか否かを判断する(ステップST25)。ステップST25が否定されるとステップST23に戻り、ステップST23以降の処理を繰り返す。
【0091】
ステップST25が肯定されると、プレ撮影を行ってプレ画像を取得し、顔検出部80によるスルー画像からの顔の検出結果を取得し(ステップST26)、さらに検出結果に基づいて顔が検出されているか否かを判断する(ステップST27)。ステップST27が肯定されると、CPU75は現在設定されている撮影モードの種類を判別し(ステップST28)、撮影モードの種類に応じて、本撮影時にAF処理機能、AE処理機能、AWB処理機能、フラッシュオン/オフ機能および階調処理機能のいずれを撮影条件および/または画像処理条件として使用するかを設定し、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73に指示を行う(撮影モードに応じた機能設定:ステップST29)。そして、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73は、CPU75の指示に応じて、AF処理、AE処理、AWB処理、フラッシュオン/オフの設定および/または階調処理を設定する(顔検出用の設定:ステップST30)。
【0092】
一方、ステップST27が否定されると、CPU75は撮影モードに応じた通常のAF処理、AE処理、AWB処理、フラッシュオン/オフおよび階調処理を行うよう、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73に対して指示を行う(通常の機能設定、ステップST31)。そして、AF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73が、CPU75の指示に応じて、AF処理、AE処理、AWB処理、フラッシュオン/オフおよび/または階調処理を設定する(通常の設定:ステップST32)。
【0093】
ステップST30またはステップST32に続いて、CPU75はレリーズボタン19が全押しされたか否かを判定し(ステップST33)、ステップST33が否定されると、レリーズボタン19の半押しが継続されているか否かを判定する(ステップST34)。ステップST34が肯定されると、顔検出部80がスルー画像から顔を検出し(ステップST35)、ステップST33に戻る。ステップST34が否定されると、ステップST23に戻り、ステップST23以降の処理を繰り返す。
【0094】
ステップST35において顔検出を行うことにより、本撮像前に継続してスルー画像に対して、顔検出を行うことができる。
【0095】
ステップST33が肯定されると、本画像の撮影(本撮影)を行い(ステップST36)、顔検出部80が本撮影により取得された本画像から顔を検出し(ステップST37)、さらに、本撮影により取得された本画像に対して検出した顔が所望とする画質を有するものとなるように画像処理を施す(ステップST38)。
【0096】
なお、この場合、スルー画像の場合と同様に、本画像を用いて本画像に施すための画像処理の機能を設定し、設定した機能に基づいて本画像に画像処理を施すようにしてもよい。
【0097】
次いで、処理済みの本画像を液晶モニタ18に表示するとともに、外部記録メディア70に記録する(ステップST39)。そして、電源がオフとされたか否かを判定し(ステップST40)、ステップST40が否定されるとステップST21に戻り、ステップST21以降の処理を繰り返す。ステップST40が肯定されると、処理を終了する。
【0098】
以上、本発明の実施形態に係るデジタルカメラについて説明したが、コンピュータを、上記のAF処理部62、AE/AWB処理部63、画像処理部64およびフラッシュ制御部73、顔検出部80およびシーン解析部82に対応する手段として機能させ、図4に示すような処理を行わせるプログラムも、本発明の実施形態の1つである。また、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の実施形態の1つである。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の撮影装置の実施形態であるデジタルカメラの背面を中心とする斜視図
【図2】本発明の撮影装置の実施形態であるデジタルカメラの前面を中心とする斜視図
【図3】本発明の撮影装置の実施形態であるデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図
【図4】本実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図5】撮影モードの種類と使用する機能との関係を表すテーブルを示す図
【図6】機能設定画面を示す図
【図7】撮影モードの種類、顔が検出されたことを表す情報および設定した機能を、プレ画像とともに液晶モニタに表示した状態を示す図
【図8】本発明の撮影装置の他の実施形態であるデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図
【図9】他の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図10A】撮影モードとシーン解析を共に設定した場合の液晶モニタに表示した状態を示す図(その1)
【図10B】撮影モードとシーン解析を共に設定した場合の液晶モニタに表示した状態を示す図(その2)
【符号の説明】
【0100】
1 デジタルカメラ
18 液晶モニタ
24 フラッシュ
62 AF処理部
63 AE/AWB処理部
64 画像処理部
71 表示制御部
73 フラッシュ制御部
75 CPU
80 顔検出部
82 シーン解析部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された事前撮影画像から所定の対象物を検出する対象物検出手段と、
前記所定の対象物が検出された場合に、事前撮影時または本撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または前記事前撮影または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記事前撮影時または前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定する機能設定手段と、
該設定された画像取得機能に基づく前記撮影条件および/または前記画像処理条件を使用して前記画像を取得する処理制御手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された本画像から所定の対象物を検出する対象物検出手段と、
前記所定の対象物が検出された場合に、前記本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定する機能設定手段と、
該設定された画像取得機能に基づく画像処理条件を使用して前記画像を取得する処理制御手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項3】
前記機能設定手段は、さらに撮影モードに応じて前記画像取得機能を設定する手段であることを特徴とする請求項1または2記載の撮影装置。
【請求項4】
前記機能設定手段は、前記事前撮影画像または前記本画像のシーンに応じて前記使用する画像取得機能を設定する手段であることを特徴とする請求項1または2記載の撮影装置。
【請求項5】
前記画像取得機能を所望とする内容に変更可能な変更手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項6】
前記変更手段は、変更指示を受け付けることにより前記画像取得機能を所望とする内容に変更可能な手段であることを特徴とする請求項5記載の撮影装置。
【請求項7】
前記事前撮影画像または前記本画像とともに前記設定された画像取得機能を表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項8】
前記機能設定手段は、
撮影モードに応じて画像取得機能を設定する手段と、
前記事前撮影画像または前記本画像のシーンに応じて前記使用する画像取得機能を設定する手段とを、更に備え、
前記機能設定手段は、前記シーンの解析における確信度が低い際、前記シーンに応じて前記使用する画像取得機能を停止するように設定することを特徴とする請求項1または2記載の撮影装置。
【請求項9】
前記機能設定手段は、
撮影モードに応じて前記画像取得機能を設定する手段と、
前記事前撮影画像または前記本画像のシーンに応じて前記使用する画像取得機能を設定する手段とを、更に備え、
前記機能設定手段は、前記シーンの解析における確信度が高い際、前記撮影モードに応じて前記画像取得機能を設定する手段よりも、前記事前撮影画像または前記本画像のシーンに応じて前記使用する画像取得機能を設定する手段を、優先して前記画像取得機能を設定することを特徴とする請求項1または2記載の撮影装置。
【請求項10】
撮影を行う撮影手段により撮影された事前撮影画像から所定の対象物を検出し、
前記所定の対象物が検出された場合に、事前撮影時または本撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または前記事前撮影または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記事前撮影時または前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定し、
該設定された画像取得機能に基づく前記撮影条件および/または前記画像処理条件を使用して前記画像を取得することを特徴とする撮影方法。
【請求項11】
撮影を行う撮影手段により撮影された本画像から所定の対象物を検出し、
前記所定の対象物が検出された場合に、前記本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定し、
該設定された画像取得機能に基づく画像処理条件を使用して前記画像を取得することを特徴とする撮影方法。
【請求項12】
撮影を行う撮影手段により撮影された事前撮影画像から所定の対象物を検出する手順と、
前記所定の対象物が検出された場合に、事前撮影時または本撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または前記事前撮影または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記事前撮影時または前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定する手順と、
該設定された画像取得機能に基づく前記撮影条件および/または前記画像処理条件を使用して前記画像を取得する手順とを有することを特徴とする撮影方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
撮影を行う撮影手段により撮影された本画像から所定の対象物を検出する手順と、
前記所定の対象物が検出された場合に、前記本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定する手順と、
該設定された画像取得機能に基づく前記画像処理条件を使用して前記画像を取得する手順とを有することを特徴とする撮影方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された事前撮影画像から所定の対象物を検出する対象物検出手段と、
前記所定の対象物が検出された場合に、事前撮影時または本撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または前記事前撮影または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記事前撮影時または前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定する機能設定手段と、
該設定された画像取得機能に基づく前記撮影条件および/または前記画像処理条件を使用して前記画像を取得する処理制御手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された本画像から所定の対象物を検出する対象物検出手段と、
前記所定の対象物が検出された場合に、前記本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定する機能設定手段と、
該設定された画像取得機能に基づく画像処理条件を使用して前記画像を取得する処理制御手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項3】
前記機能設定手段は、さらに撮影モードに応じて前記画像取得機能を設定する手段であることを特徴とする請求項1または2記載の撮影装置。
【請求項4】
前記機能設定手段は、前記事前撮影画像または前記本画像のシーンに応じて前記使用する画像取得機能を設定する手段であることを特徴とする請求項1または2記載の撮影装置。
【請求項5】
前記画像取得機能を所望とする内容に変更可能な変更手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項6】
前記変更手段は、変更指示を受け付けることにより前記画像取得機能を所望とする内容に変更可能な手段であることを特徴とする請求項5記載の撮影装置。
【請求項7】
前記事前撮影画像または前記本画像とともに前記設定された画像取得機能を表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項8】
前記機能設定手段は、
撮影モードに応じて画像取得機能を設定する手段と、
前記事前撮影画像または前記本画像のシーンに応じて前記使用する画像取得機能を設定する手段とを、更に備え、
前記機能設定手段は、前記シーンの解析における確信度が低い際、前記シーンに応じて前記使用する画像取得機能を停止するように設定することを特徴とする請求項1または2記載の撮影装置。
【請求項9】
前記機能設定手段は、
撮影モードに応じて前記画像取得機能を設定する手段と、
前記事前撮影画像または前記本画像のシーンに応じて前記使用する画像取得機能を設定する手段とを、更に備え、
前記機能設定手段は、前記シーンの解析における確信度が高い際、前記撮影モードに応じて前記画像取得機能を設定する手段よりも、前記事前撮影画像または前記本画像のシーンに応じて前記使用する画像取得機能を設定する手段を、優先して前記画像取得機能を設定することを特徴とする請求項1または2記載の撮影装置。
【請求項10】
撮影を行う撮影手段により撮影された事前撮影画像から所定の対象物を検出し、
前記所定の対象物が検出された場合に、事前撮影時または本撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または前記事前撮影または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記事前撮影時または前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定し、
該設定された画像取得機能に基づく前記撮影条件および/または前記画像処理条件を使用して前記画像を取得することを特徴とする撮影方法。
【請求項11】
撮影を行う撮影手段により撮影された本画像から所定の対象物を検出し、
前記所定の対象物が検出された場合に、前記本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定し、
該設定された画像取得機能に基づく画像処理条件を使用して前記画像を取得することを特徴とする撮影方法。
【請求項12】
撮影を行う撮影手段により撮影された事前撮影画像から所定の対象物を検出する手順と、
前記所定の対象物が検出された場合に、事前撮影時または本撮影時における少なくとも1つの撮影条件を設定するための少なくとも1つの機能、および/または前記事前撮影または本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記事前撮影時または前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定する手順と、
該設定された画像取得機能に基づく前記撮影条件および/または前記画像処理条件を使用して前記画像を取得する手順とを有することを特徴とする撮影方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
撮影を行う撮影手段により撮影された本画像から所定の対象物を検出する手順と、
前記所定の対象物が検出された場合に、前記本撮影により撮影された画像に施す少なくとも1つの画像処理条件を設定するための少なくとも1つの機能からなる画像取得機能のうち、前記本撮影時に使用する画像取得機能を前記所定の対象物に応じて設定する手順と、
該設定された画像取得機能に基づく前記画像処理条件を使用して前記画像を取得する手順とを有することを特徴とする撮影方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【公開番号】特開2008−54293(P2008−54293A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181909(P2007−181909)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]