説明

撮影装置

【課題】撮影感度の設定が自在であるとともに、設定された撮影感度に応じて適切な発光量で撮影補助光が発光される撮影装置を提供する。
【解決手段】メインCPUが、設定された撮影感度を判読し、AF処理により測定された被写体距離が、その撮影感度に応じた、遠距離側に移行するしきい値よりも遠距離であるか、近距離であるかを判定する。メインCPUが遠距離であると判定した場合には、その判定を受けた測光・測距CPUがキセノン(Xe)管を備える第1の発光部に発光を行なわせる。メインCPUが近距離であると判定した場合にはその判定を受けた測光・測距CPUがLEDを備える第2の発光部に撮影補助光の発光を行なわせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子を備え、その撮像素子上に被写体像を形成して画像信号を生成する撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より撮影装置には被写界輝度が低輝度のときに補助光を発光する発光手段が備えられているものが多い。この発光手段には発光源として太陽光に近い発光スペクトラムを持つキセノン管がよく配備されている。また最近のカメラ付き携帯電話機においては、上記キセノン管を搭載すると消費電力が増大するとともに大型化してしまうことから上記キセノン管の代わりに消費電力の小さなLEDが撮影補助光発光用の発光源として配備されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
さらに最近のデジタルカメラにおいては、相対的に大光量の撮影補助光を発光するキセノン管と相対的に小光量の撮影補助光を発光するLEDとの双方が発光源として配備されているものもある(例えば特許文献2〜4参照)。これらの特許文献のものでは、被写体距離が所定の距離よりも近距離の場合にはLEDから小光量の撮影補助光が発光され、所定の距離よりも遠距離の場合にはキセノン管から大光量の撮影補助光が発光される。
【0004】
ところで、デジタルカメラには、撮影感度を自在に設定することができる感度設定部を備えたものがある。この感度設定部により撮影感度が高感度に設定されればされるほど、低感度状態にあるときに比べて相対的に小光量の撮影補助光で撮影を行なうことができる。
【0005】
しかし、この感度設定部を備えたデジタルカメラに上記特許文献2〜4の技術を適用すると、撮影感度によっては反射光量が予想以上に多くなって撮像素子側が備える多数の受光素子のうちのいくつから出力された画像信号が信号処理中に飽和レベルを超えてしまって、いわゆる白飛びが発生してしまうことがある。撮影補助光の発光を伴う撮影時に上記白飛びが発生すると、画像の中に白い点がいくつか点在する撮影画像が得られてしまう。
【特許文献1】特開2005−179808号公報
【特許文献2】特開2005−119264号公報
【特許文献3】特開2005−21723号公報
【特許文献4】特開2005−301217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、撮影感度の設定が自在であるとともに、設定された撮影感度に応じて適切な発光量で撮影補助光が発光される撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の撮影装置は、撮影光学系により撮像素子上に被写体像を結像して画像信号を生成する撮影装置において、
相対的に大光量の撮影補助光を発光する第1の発光手段と、相対的に小光量の撮影補助光を発光する第2の発光手段とを有する発光部と、
被写界輝度を測定する測光手段と、
撮影感度を設定する感度設定手段と、
被写体距離を測定する測距手段と、
上記測光手段により測定された被写界輝度が所定輝度以下の低輝度であったときに、上記感度設定手段により設定された撮影感度に応じた、撮影感度が高感度であるほど遠距離側に移行するしきい値よりも上記被写体距離が遠距離であるか近距離であるかに応じて、それぞれ、上記第1の発光手段あるいは上記第2の発光手段を発光させる発光制御部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
上記本発明の撮影装置では、上記発光制御部が、上記感度設定手段により設定された撮影感度に応じた、撮影感度が高感度であるほど遠距離側に移行するしきい値よりも上記被写体距離が遠距離である場合には相対的に発光量の大きい第1の発光手段を発光させ、しきい値よりも近距離である場合には上記第2の発光手段を発光させる。
【0009】
これにより、被写体距離だけでなく撮影感度にも応じて第1の発光手段と第2の発光手段とが効果的に使い分けられる様になるので、どのような撮影においても撮影補助光の発光量が適切な発光量となる。
【0010】
ここで、上記発光制御部が、
上記発光部から発せられた撮影補助光の被写体からの反射光の光量を測定する調光センサと、
上記調光センサによる受光光量に基づいて上記発光部による撮影補助光の発光を停止させる調光手段とを備えていると良く、
また、上記発光制御部が、
上記発光部にプリ発光を行なわせ該プリ発光時に上記撮像素子で得られた画像信号に基づいて本発光の光量を演算する演算手段と、
上記演算手段による演算結果に基づいて上記発光部による本発光の発光時間を調節する調光手段とを備えていても良い。
【0011】
これらの構成の発光制御部を備えると、上記調光センサによる光量の測定又は上記プリ発光により演算された本発光時の発光光量に基づいて撮影補助光の発光量が正確に調整される。
【0012】
また、上記本発明の撮影装置は、上記撮像素子で得られた画像信号のホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段を備え、
上記ホワイトバランス調整手段が、撮影補助光の照射を伴う撮影により得られた画像信号のホワイトバランスを調整するにあたり、その画像信号が上記第1の発光手段からの撮影補助光の照射を伴う撮影により得られた画像信号であるか、上記第2の発光手段からの撮影補助光の照射を伴う撮影により得られた画像信号であるかに応じて異なるホワイトバランス調整を行なうものであることが好ましい。
【0013】
そうすると、第1の発光手段からの撮影補助光の照射により得られた画像信号にあっては、その第1の発光手段が備える発光源が持つ発光スペクトルに応じたホワイトバランス調整が行なわれ、第2の発光手段からの撮影補助光の照射により得られた画像信号にあっては、その第2の発光手段が備える発光源が持つ発光スペクトルに応じたホワイトバランス調整が行なわれる様になるので、どちらの発光手段から撮影補助光が照射されても好適なホワイトバランス調整が行なわれて鮮明なカラー画像が得られる。
【0014】
また上記本発明の撮影装置は、例えば上記第1の発光手段がキセノン管を備えたものであり、上記第2の発光手段がLEDを備えたものであっても良い。
【0015】
また上記本発明の撮影装置は、補助光発光撮影に用いた発光手段が上記第1の発光手段であるか上記第2の発光手段であるかをユーザに向けて通知する通知手段を備えていると良い。
【0016】
そうすると、撮影者が撮影時の撮影補助光の発光源がなんであるかを知ることができる。例えば自己撮り撮影時に撮影補助光が発光されたときに被写体にもなる撮影者がまぶしさを感じなかった場合には、今後の撮影においても自己撮り撮影時にはその発光源から発光が行なわれればまぶしさを感じることがないということを知る様になり、撮影時の表情を作り易くなるという効果が得られる。
【0017】
また、上記本発明の撮影装置は、補助光発光撮影に用いた発光手段が上記第1の発光手段であるか上記第2の発光手段であるかを補助光発光撮影により得られた画像信号に対応づけて記録する記録手段を備えていても良い。
【0018】
そうすると、撮影者は、この撮影装置により撮影され記録手段で記録された画像信号をパーソナルコンピュータ等で再生したときに表示画面上の画像を見て撮影時の撮影補助光の発光源が何であったかを知ることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上、説明したように、撮影感度の設定が自在であるとともに、設定された撮影感度に応じて適切な発光量で撮影補助光が発光される撮影装置が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の撮影装置の一実施形態であるデジタルカメラを示す図である。
【0022】
図1には本発明の一実施形態であるデジタルカメラ100の斜視図が示されている。図1(a)には正面上方から見た斜視図が示されており、図1(b)には背面上方から見た斜視図が示されている。
【0023】
図1(a)に示すデジタルカメラ100のボディ中央にはレンズ鏡胴170が備えられており、そのレンズ鏡胴170の上方には、発光窓160と発光窓180とが2つ並べて設けられている。
【0024】
また、図1(b)に示すように本実施形態のデジタルカメラ100の背面および上面にはユーザがこのデジタルカメラ100を使用するときにいろいろな操作を行うための操作子群101が備えられている。
【0025】
この操作子群101の中にはデジタルカメラ100を作動させるための電源スイッチ101aのほか、十字キー101b、メニュー/OKキー101c、キャンセルキー101d、モードレバー101eなどがある。これらの操作子群101の中のモードレバー101eによっては、再生モードと撮影モードの切替や撮影モードの中でさらに動画モード、静止画モードの切替が行なわれる。上記モードレバー101eが撮影モードに切り替えられた状態にあるときに電源スイッチ101aが投入されると表示画面150上にスルー画が表示されて、そのスルー画を見ながらシャッタチャンスにレリーズ釦102が押されると被写体の撮影が行なわれる。なお上記モードレバー101eが再生側に切り替えられた状態にあるときには既撮影画像がLCDパネル150上に再生表示される。
【0026】
また、メニュー/OK釦101cが押されると選択メニューがLCDパネル150上に表示される。そのLCDパネル150上に表示された選択メニューの中には撮影感度の項目もあり、その撮影感度の項目が十字キー101bの操作により指定されさらに十字キー101bの操作により撮影感度のいずれかが選択され指定されると指定された撮影感度がデジタルカメラ1の内部のメインCPU(後述する)に設定される。
【0027】
なお本実施形態のデジタルカメラ100が備えるレリーズ釦102は半押しと全押しの2つの操作態様を有しており、半押しされたときのタイミングで測光と測距との双方が撮影装置内で行われて測光値に応じた絞りおよびシャッタ秒時が設定され、さらに測距された被写体距離にあうピント位置にフォーカスレンズが配置された後、全押し操作に応じて設定されたシャッタ秒時でシャッタが駆動されCCD固体撮像素子で露光が行なわれる。
【0028】
さらに本実施形態のデジタルカメラ1が備えるシャッタにはメカニカルシャッタとCCD固体撮像素子が備える電子シャッタとの2つのシャッタがあり、シャッタ秒時が長いときにはメカニカルシャッタが用いられメカニカルシャッタでは駆動することができない位までシャッタ秒時が短くなってきたときには電子シャッタが用いられる。ただし静止画撮影においてはスミアなどが発生する恐れがあるので、なるべくメカニカルシャッタが用いられる。また、スルー画においてはメカニカルシャッタが用いられることもあるが主に電子シャッタが用いられる。
【0029】
ここで、図2を参照してこのデジタルカメラ100の内部の構成および動作を簡単に説明する。
【0030】
図2は、図1のデジタルカメラ100内部の電気系統の構成ブロック図である。
【0031】
本実施形態のデジタルカメラ100ではすべての処理がメインCPU110によって統括的に制御されている。ただし、測光処理や測距処理や露光処理等の撮影処理に関しては、メインCPU110と測光・測距CPU120とが連携して処理を実行する構成になっている。図1に示すレンズ鏡胴170内には、ピントの調整に用いられるフォーカスレンズ1111とその他の機能を持つレンズ1110とを含む撮影レンズと絞り1112とメカニカルシャッタ1113とを備える撮影光学系が内蔵されていて、フォーカスレンズ1111の光軸方向への駆動の制御や絞り1112の開口径の調整やメカニカルシャッタ1113の開閉制御がメインCPU110からの指示に基づいて測光・測距CPU120により行なわれている。また、本実施形態においては第1の発光手段18と第2の発光手段16との2つの発光手段が配備されていて、それらの発光手段から発光される撮影補助光の発光制御もメインCPU110からの指示に基づいて測光・測距CPU120により行なわれている。さらに本実施形態では、被写体から撮影補助光が反射されて戻ってきた光について、調光センサTSにより単位時間あたりの光量が検出されその単位時間あたりの光量が受光積算部Intで積算され所定の光量になったところで撮影補助光が停止される。この調光センサが設けられていると、撮影時の光量が正確に調整され、従来例で説明した白飛びが起こる率が低減される。詳細は後述するが、本実施形態においてはメインCPU110と測光・測距CPU120とによって本発明にいう発光制御部の一例が構成されている。
【0032】
図2を参照してデジタルカメラ1の内部構成および各部の動作を説明していく。
【0033】
まずメインCPU110周りの構成を説明する。
【0034】
メインCPU110の入力部には図1(b)に示した操作子群101からの操作信号がそれぞれ供給されていてそれらの操作信号のうちの少なくとも一つが供給されてきたら操作信号に応じた処理が適宜メインCPU110によって実行される。メインCPU110はEEPROM110aを有しており、このEEPROM110aにはデジタルカメラ100として動作するために必要なプログラムが書き込まれているので、まず操作子群101の中の電源スイッチ101a(図1参照)が投入されたらそのEEPROM110a内のプログラムの手順にしたがってメインCPU110によりこのデジタルカメラ全体の動作を制御する処理が開始される。なお、メインCPU110とEEPROM110aには常に電源130から電力が供給されている。
【0035】
ここで操作子群101の中の電源スイッチ101a(図1参照)が投入された後のデジタルカメラ100の動作を、図2を参照して説明する。
【0036】
操作子群101の中の電源スイッチ101aが投入されたら、メインCPU110により電源スイッチ101aが投入されたことが検知され、電源130から測光・測距CPU120などの各ブロックに電力が供給される。電源130が投入されたときにモードレバー101eが撮影側に切り替えられている場合には、まずCCD固体撮影素子112に結像された被写体像が画像信号として所定の間隔ごとに間引かれて出力され、その出力された画像信号に基づく被写体像が画像表示LCD15のLCDパネル150上に表示される。
【0037】
このCCD固体撮像素子112にはクロックジェネレータ(以下、CGという)1121からタイミング信号が供給されており、このタイミング信号によって所定の間隔ごとに、画像信号が間引かれて出力される。つまりCG1121によりCCD固体撮像素子112が備える電子シャッタが駆動され所定の間隔ごとにスルー画作成用の撮影が行なわれる。このCG1121からはメインCPU110からの指示に基づいてタイミング信号が出力されており、そのタイミング信号は、CCD固体撮像素子112の他、後段のホワイトバランスγ処理部113、さらにA/D部114にも供給されている。したがって、CCD固体撮像素子112、ホワイトバランスγ処理部113、A/D部114ではそのタイミング信号に同期して順序良く画像信号の処理が流れるように行なわれる。また、本実施形態のデジタルカメラが備えるホワイトバランス処理部113内には、可変利得アンプが内蔵されており、その可変利得アンプの利得を外部からの制御信号に応じて可変にすることが自在な構成となっている。このため、図1の部分で説明した様にユーザにより撮影感度が設定されたときには、メインCPU110内のレジスタにその内容が書き込まれ、さらにその内容が測光・測距CPU120に通知され測光・測距CPU120によって上記可変利得アンプに撮影感度に応じた利得が設定されて撮影感度の調整が行なわれる。
【0038】
こうしてCG1121からのタイミング信号に同期してCCD固体撮像素子112、ホワイトバランスγ処理部113、A/D部114で順序良く画像信号の処理が流れるように行なわれてA/D部114でアナログの画像信号がデジタルの画像信号に変換されたら、ホワイトバランス調整やガンマ補正さらには撮影感度の調整が施された画像信号が後段のYC処理部116に供給される。A/D部114からYC処理部116へ画像信号を供給するにあたってはA/D部114とYC処理部116との双方の処理タイミングをあわせる必要があるので、バッファメモリ115によってバッファメモリ115を境にした前段(A/D部114等)の処理タイミングと後段(YC処理部116)の処理タイミングとがあう様に調整されてYC処理部116に画像信号であるRGB信号が転送される。YC処理部116では、そのRGB信号からYC信号への変換が行なわれ、その後バス121を介してその変換されたYC信号が画像表示LCD15に供給されるとともにY信号がメインCPU110に供給される。
【0039】
YC信号が供給される画像表示LCD15の方にはまずYC信号をRGB信号に変換するYC→RGB変換部151があり、このYC→RGB変換部151でYC信号が再びRGB信号に変換され、その変換されたRGB信号がドライバ152に供給され、さらにそのドライバ152によって画像表示LCD15のLCDパネル150上にRGB信号に基づくカラー画像(被写体像)の表示が行なわれる。
【0040】
また、Y信号が供給されるメインCPU110の方では、Y信号に基づいて測光が行なわれその測光値が測光・測距CPU120に供給されてその測光・測距CPU120によって絶えず絞り径の変更設定やCCD固体撮像素子112が備える電子シャッタのシャッタ秒時の設定等が行なわれて適正な明るさを持つスルー画を得るために必要な露出が調整される。さらにメインCPU110では、Y信号からコントラストが検出されピント調整も絶えず行なわれてそのピント調整により得られた合焦位置が測光・測距CPU120に通知され測光・測距CPU120によってフォーカスレンズ1111が合焦位置に配置される。
【0041】
前述したCG1121から出力されるタイミング信号に同期してCCD固体撮像素子112、ホワイトバランスγ処理部113、A/D部114およびバッファメモリ115等が動作して、所定の間隔ごとにCCD固体撮像素子112で生成された画像信号が処理されている訳であるから、この画像表示LCD15の表示パネル150上には撮影レンズが向けられた方向の被写体が被写体像として常に表示され続ける。この表示され続けている被写体像が視認されながら、シャッタチャンスにレリーズ釦102が押されると、レリーズ釦102の押下タイミングを起点として測光・測距CPU120の制御の下にメカニカルシャッタ1113が開駆動されてCCD固体撮像素子112に被写体光が結像され、所定のシャッタ秒時が経過してメカニカルシャッタ1113が閉じ駆動された後にはCCD固体撮像素子112に結像された被写体光に基づく画像信号すべてがRGB信号となって出力される。
【0042】
ここで図2に示す様に本実施形態のデジタルカメラ1には、第1の発光手段18と第2の発光手段16との2つの発光手段が備えられており、被写界輝度が低輝度である場合には、被写体距離と撮影感度との双方に応じてレリーズ釦102の押下に同期して2つの発光手段のうちのいずれかを発光させている。第1の発光手段18には、キセノン管Xeが備えられており、第2の発光手段16にはLED160aが備えられている。
【0043】
ところで、上記CCD固体撮像素子121には多数の受光素子が並べて備えられており、それらの受光素子によって被写体光が平面的にサンプリングされて画像が生成される。また、図1で説明した様にユーザにより撮影感度が設定されたときには、図2に示すCCD固体撮像素子121の後段に配備されているホワイトバランスγ処理部113内の可変利得アンプの利得が調整されて上記受光素子それぞれで受光された被写体光を表わす画像信号が増幅されることにより撮影感度の調整が行なわれる。
【0044】
従来では、撮影感度によらず所定の被写体距離をしきい値としてそのしきい値よりも近距離にあるときには第2の発光手段16が備えるLED160aを発光させ、しきい値よりも遠距離にあるときには第2の発光手段18が備えるキセノン管Xeを発光させていたために高感度のときには上記可変利得アンプで画像信号が大きく増幅され過ぎてしまって上記多数の受光素子から出力されてくる画像信号のうちのいくつかが飽和レベルを超えてしまうことがあった。特にしきい値付近でキセノン管Xeを発光させると反射光量が多くなっていくつかの受光素子から出力された画像信号が飽和レベルに達して白飛びが発生する確率が極めて高くなる。
【0045】
そこで本実施形態ではメインCPU110が、ユーザにより設定された撮影感度に応じて遠距離側に移行するしきい値と測距機能により測定した被写体距離とを比較することにより第1の発光手段18と第2の発光手段16のうちの適切な光量となる方を選択して測光・測距CPU120に通知し通知を受けた測光・測距CPUが発光手段を発光させている。さらに本実施形態においては発光光量を正確に調整するために調光センサTSにより単位時間あたりの発光量を測定し受光量積算部Intにより単位時間あたりの発光量を積算していって所定の光量になったときに発光を停止する構成としている。
【0046】
話を元に戻してメカニカルシャッタ1113が閉じ駆動された後、CCD固体撮像素子112から出力されたRGB信号は、ホワイトバランスγ処理部113でホワイトバランス調整やγ補正が行なわれた後、A/D部114でデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された画像信号がメインCPU110の制御の下にバス121を介してYC処理部116に供給されYC処理部116でYC信号に変換される。さらにバス121を介して圧縮・伸張部117に供給され圧縮・伸張部117でYC信号の画像信号が圧縮され、その圧縮された画像信号がヘッダと共に画像ファイルとなってメモリカード119に記録される。この圧縮・伸張部117では静止画についてはJPEG規格に準拠した圧縮方法で圧縮が行なわれてメモリカード119に画像ファイルが記録される。その画像ファイルのヘッダには圧縮情報や撮影情報などが書き込まれており、このデジタルカメラ100のモードレバー101eが再生側に切り替えられたら、メモリカード119からそのファイルのヘッダがまず読み出され、そのヘッダ内の圧縮情報に基づいてファイル内の圧縮画像信号が圧縮・伸張部117で伸張されて画像信号が元に復元された後、メインCPU110の制御の下にバス121を介して画像表示LCD15側に供給されその画像信号に基づく被写体像がLCDパネル150上に表示される。
【0047】
ここで、第1の発光手段18が備えるキセノン管Xeの発光量と第2の発光手段16が備えるLED160aの発光量がどのぐらい違うものであるかを説明しておく。
【0048】
図3は、キセノン管Xeから発光が行なわれたときとLED160aから発光が行なわれたときとで撮影感度に応じてシャッタを閉じるタイミングがどの程度変わるかを説明する図である。
【0049】
図3(a)には、撮影感度が異なる場合に、キセノン管Xeから発光が行なわれて撮影が行なわれたときに発光停止タイミングがどの程度変わるかが示されており、図3(b)には、撮影感度が異なる場合に、LED160aから発光が行なわれて撮影が行なわれたときに発光停止タイミングがどの程度変わるかが示されている。図3(a)、(b)の縦軸は、発光した後に被写体にあたって反射して戻ってくる反射光の光量であり、横軸は撮影補助光の発光開始を起点とした経過時間である。なお、図3(a)には本発光と称してキセノン管Xeの発光タイミングと発光状態もあわせて点線で示されている。
【0050】
図3(a)には、例えば0.8mの距離にある被写体をISO1600の感度で撮影する場合にキセノン管Xeから撮影補助光を発光させると、CCD112で反射光が受光される前にメカニカルシャッタ1113を閉じない限りCCD112が備える多数の受光素子のうちのいくつかに飽和が起こってしまうということが示されている。
【0051】
つまり、撮影感度が高感度であるときには、被写体が近いと多量の反射光が反射してきてすぐに適正光量を超えてしまうので、キセノン管Xeを発光させて撮影を行なうことができない。
【0052】
これに対し、図3(b)に示す様にLED160aを用いると光量が少なくなる分、同じ0.8mの距離にある被写体に対し撮影補助光を伴う撮影を行なっても所定の反射光量になるまでに時間がかかるので撮影を好適に行なうことができるということが示されている。
【0053】
つまり従来どおりにLED116aとキセノン管Xeとを使い分けるしきい値を被写体距離0.8mとすると、撮影感度がISO800のときにはキセノン管Xeを発光させても撮影は問題なく行なわれるが、ISO1600のときにはキセノン管Xeを発光させると反射光量が多くなってCCDが備える受光素子から出力された画像信号が信号処理中に飽和レベルを超えてしまう。
【0054】
そこで、本実施形態においては、LED160aとキセノン管Xeとを使い分ける固定的なしきい値を、撮影感度が高感度であるほど、遠距離側に移行するしきい値に代えて、そのしきい値と被写体距離とを比較して、被写体距離がそのしきい値よりも近距離にあった場合にはLED160aに発光を行なわせ、遠距離にあった場合にはキセノン管Xeに発光を行なわせている。
【0055】
例えば撮影感度がISO800のときにはメインCPU110と測光・測距CPU120がしきい値を1mとして被写体距離がその1mよりも近距離にあるか遠距離にあるかに応じて、それぞれ、第2の発光手段16、第1の発光手段18を発光させ、撮影感度がISO1600のときにはしきい値を2mとして被写体距離がその2mよりも近距離にあるか、遠距離にあるかに応じて、それぞれ、第2の発光手段16、第1の発光手段18を発光させている。
【0056】
図4(a)は、本発明にいう発光制御部の一例を構成するメインCPU110と測光CPU120とが協働して実行する撮影処理の手順を示すフローチャートである。また図4(b)は、図4(a)中のステップS403で行なわれる露光の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0057】
シャッタボタン102が半押しされたら、メインCPU110と測光・測距CPU120とが図4(a)のフローの処理を開始する。
【0058】
ステップS401でAE処理(測光結果に応じて絞り等を調整して露出調整を行なう処理)を実行して、次のステップS402でAF処理(フォーカスレンズを合焦位置に配置する処理)を実行する。
【0059】
ここでシャッタボタン102が全押しされたことを受けてステップS403でメカニカルシャッタを開けて露光を開始し、所定のシャッタ秒時が経過したらメカニカルシャッタを閉じて露光を終了する。このステップS403の処理を実行するときにステップS402で測定された被写界輝度が所定輝度以下の低輝度であったときには撮影感度と被写体距離との双方に応じて第1の発光手段18と第2の発光手段16とのいずれかを選択し選択した方の発光手段から撮影補助光を発光させている。このステップS403の発光処理に関してはこのステップS403で行なわれるの露光の処理内容を示す図4(b)を参照して撮影処理を説明するときに詳細に説明する。
【0060】
撮影補助光の照射の有無に拠らずに適正な露出を得て撮影を終了したら、次のステップS404へ進んでステップS404でCG1121に指示して、CCD固体撮像素子112に向けて読み出し信号を供給させてCCD固体撮像素子112から画像信号を出力させる。
【0061】
次のステップS405でCG1121に指示してタイミング信号をA/D部114に供給させることによりA/D部114にタイミング信号に同期してA/D変換を行なわせる。次のステップS406でデジタル信号に変換された画像信号を、バッファメモリ115からバス121を経由してYC処理部116に供給させYC信号処理部116に信号処理を開始させる。YC処理部116での信号処理が終了したら、次のステップS407で圧縮・伸張部117に1フレーム分の画像信号を供給して圧縮伸張部117に圧縮処理を行なわせて、ステップS408で圧縮画像信号をメモリカード119に記録させてこのフローの処理を終了する。
【0062】
ここで、ステップS403で行なわれる露光の処理の詳細を説明する。
【0063】
メインCPU110と測光・測距CPU120が、図4(a)のステップS402のAE処理で被写界輝度が所定輝度以下の低輝度であるとことを検知した場合には、ステップS403へ進んでまずステップS4031で、撮影感度が操作によりいくつに設定されているかを判読する。
【0064】
次のステップS4032へ進んで、ステップS4032で図4(a)のステップS402のAF処理により測定された被写体距離が、ステップS4031で判読した撮影感度に応じた、撮影感度が高感度であるほど遠距離側に移行するしきい値よりも遠距離であるか近距離であるかを判定する。このしきい値は、上述したように、ISO800のときには1mであり、ISO1600mのときには2mというものである。また、この例では撮影感度がISO400以下の低感度である場合には、しきい値を0mとしてキセノン管から発光を行なわせている。
【0065】
このステップS4032で遠距離であると判定したときにはステップS4033へ進んでXe管を備える第1の発光部を選択し、近距離であると判定したときにはステップS4034へ進んでステップS4034でLEDを備える第2の発光部を選択する。
【0066】
次のステップS4035へ進んで、CCD固体撮像素子に電荷掃出信号を供給して撮像素子内に蓄えられている余計な電荷を掃き出させたら、メカニカルシャッタを開けて露光を開始する。次のステップへ進んでステップS4037で、ステップS4032で選択した方の発光手段に撮影補助光の発光を行なわせる。
【0067】
次のステップS4037で調光センサTSで検出された単位時間あたりの光量を受光量積算部Intで積算して、発光光量が一定光量に達したことを検知したと同時に発光を停止させ、次のステップS4038でメカニカルシャッタを閉じて図4(a)のステップS404へ移行する。
【0068】
発光制御部の一例を構成するメインCPU110と測光・測距CPU120とがこのフローの処理を実行すると、従来の様に被写体距離だけではなく、撮影感度に応じてLEDとキセノン管Xeとがうまく使い分けられる様になるので、CCD固体撮像素子が備える多数の受光素子から出力された画像信号が信号処理中に飽和レベルに達することがなくなる。
【0069】
以上説明した様に、撮影装置が撮影感度の設定が自在であるとともに、設定された撮影感度に応じて適切な発光量で撮影補助光が発光される撮影装置が実現する。
【0070】
以下、本発明の第2実施形態を説明する。
【0071】
この第2実施形態も図1に示す外観と同じ外観を持つデジタルカメラであり、図2に示す内部構成とほぼ同様の構成を持つ。
【0072】
図5は、第2実施形態のデジタルカメラにおける内部構成を示す図である。
【0073】
この図5に示す内部構成は、図2に示す調光センサTSと受光量積算部INTが省略されている以外は図2に示す構成と同じ構成である。この第2実施形態のデジタルカメラでは、発光の停止タイミングを調光センサで検出する代わりに、プリ発光を行なって本発光時の撮影補助光の反射光量を演算し本発光を行なわせた後、演算した反射光量になったときに撮影補助光の発光を停止させている。
【0074】
また本実施形態のデジタルカメラ1ではキセノン管XeとLED160aとの双方のいずれか一方から選択的に撮影補助光の発光が行なわれるので、ホワイトバランス調整がホワイトバランスγ処理部113で共通に行なわれると、カラー画像に違和感が生じることがある。そこでキセノン管Xeから撮影補助光の発光が行なわれた場合にはメインCPUからの指示を受けた測光・測距CPU120がキセノン管Xeの発光スペクトルに応じたホワイトバランスをホワイトバランスγ処理部113にセットするとともにLED160aから撮影補助光の発光が行なわれた場合にはLED160aの発光スペクトルに応じたホワイトバランスをホワイトバランスγ処理部にセットする構成に変更している。
【0075】
ここで、図6を参照してLED160aとキセノン管Xeの発光スペクトラムの違いを説明しておく。
【0076】
図6は、キセノン管Xeの発光スペクトラムとLED160aの発光スペクトラムを説明する図である。
【0077】
図6(a)には、キセノン管の発光スペクトラムが示されており、図6(b)には、LEDの発光スペクトラムが示されている。なお、図6(a)の横軸は波長であって縦軸はキセノン管の分光強度であり、また図6(a)の横軸は波長であって縦軸はキセノン管の分光強度である。さらにこの図6(b)に示す発光スペクトラムは、青色光を発光するLEDの発光スペクトラムである。
【0078】
図6(a)に示す様に、キセノン管Xeは、可視光の波長帯の青色側から赤色側にかけて山なりのカーブを持つ分光強度を持つ。
【0079】
これに対し、図6(b)に示すLEDは、青色光付近の波長帯にピークを持つ分光強度を持つ。
【0080】
したがって、キセノン管XeとLEDのうちのいずれから撮影補助光が照射されたときにホワイトバランスγ処理部113で共通にホワイトバランスを調整すると、得られた画像の色合いに違和感が生じることになる。そこで、本実施形態では、メインCPU110の指示に応じて測光・測距CPU120が、それらの発光スペクトラムにあわせたホワイトバランスをホワイトバランスγ処理部113にセットしてホワイトバランスの調整を行なうことで上記違和感を解消している。
【0081】
図7は、第2実施形態における撮影補助光を伴う撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【0082】
図7に示す処理は、ステップS40331とステップS40341とステップS40351とステップS40352の処理が追加されステップS4037の処理が省略された以外は、図4(b)の処理と同じである。
【0083】
この図7に示す処理では、ステップS4033又はステップS3034でいずれかの発光部を選択した後、ステップS40331又はステップS40341で図5に示すホワイトバランス・γ処理部113にLED用又はキセノン管Xe用のホワイトバランスをセットしてホワイトバランス処理を行っている。
【0084】
また、調光センサで停止タイミングを定める代わりに、ステップS40351でプリ発光を行なってステップS40352で本発光時の反射光量を演算し、撮影補助光の発光を行なわせ、適切な光量となったときに発光を停止させている。
【0085】
この第2実施形態の様にプリ発光により本発光時の発光量を演算して本発光時の発光時間を正確に調整しても調光センサを使って光量を制御したときと同等の効果が得られる。
【0086】
またキセノン管Xeから発光が行なわれたときとにはキセノン管Xeの発光スペクトルに応じたホワイトバランス処理が行なわれ、LED160aから発光が行なわれたときにはLED160aの発光スペクトルに応じたホワイトバランス処理が行なわれるので、被写体の色合いが忠実に再現されたカラー画像が得られる。
【0087】
ところで、上記第1実施形態、上記第2の実施形態のデジタルカメラにおいては、発光手段がキセノン管XeとLED160aとを備えていて測光・測距CPU120が、メインCPU110からの通知を受けてキセノン管XeとLED160aとのうちのいずれかを発光させて補助光発光撮影が行なわれる。このため、撮影者の中には、撮影された後の既撮影画像の出来栄えを見て、撮影補助光がどちらの発光源から発光されたものであるかを知りたいと思う人もいる。
【0088】
例えば第1実施形態および第2実施形態のデジタルカメラにおいて撮影者によって撮影感度がISO800以上の高感度にされ自己撮り撮影が行なわれたときに被写体でもある撮影者が眩しさを感じずに従来よりも表情が作り易く撮影画像の出来栄えが良いと思ったとする。
【0089】
この様な場合には、再び同じ様な自己撮り撮影が行なわれる場合に撮影者は、再び同じ発光源から撮影補助光が発光され撮影が行なわれることを望む。
【0090】
この様なことを考えると、撮影補助光の発光に用いられた発光源の種類を撮影後に撮影者に通知する構成にしておくと何かと都合が良い。
【0091】
本発明の第3実施形態は、このように通知する構成となっている以外は、第1実施形態の構成と同様の構成であるので、以下、発光源の種類の通知について説明する。
【0092】
図8は、第3実施形態における通知を説明する図である。
【0093】
図8には、発光制御部の構成の一例であるメインCPU110と測光・測距CPU120が選択した発光源の種類を撮影後に既撮影画像とともに表示画面上に表示した様子が示されている。
【0094】
図8には、図8の撮影画像が撮影されたときの撮影感度と発光源がキセノン管Xeであることとが表示画面上に表示されている。
【0095】
デジタルカメラで例えば自己撮り撮影が行なわれるときには屋内で撮影が行なわれることが多く、撮影者によって撮影感度が高感度にされ自己撮りが行なわれることが多い。
【0096】
このときに上記第1実施形態と同様に、自動的にLED160aから撮影補助光の発光が行なわれて補助光撮影が行なわれる。
【0097】
ここで、撮影者でもある被写体が自己撮り撮影時にまぶしさを感じなかった場合には、今後の自己撮り撮影時においてもLEDから発光されることを当然望む。
【0098】
そうすると次の撮影機会においても、撮影者は当然撮影感度を以前と同じ高感度に設定してから自己撮り撮影を行なう様になる。
【0099】
また、上述した各実施形態のデジタルカメラにユーザ操作により発光源を選択する選択手段を設けると、撮影者は、上記表示画面上に表示された発光源の種類に基づいて以降の撮影においてはキセノン管かLEDのうちのいずれか上記選択手段で指定してから撮影を行なうことができる様にもなる。なお、切替スイッチを設けるだけで済むので上記選択手段を構成することは容易である。
【0100】
また上記例と同じ効果を得るために補助光発光撮影に用いた発光源がキセノン管XeであるかLED160aであるかを、補助光発光撮影により得られた画像信号をメモリカード119に記録するときに画像信号に対応づけてメモリカード119に記録する構成にしても良い。
【0101】
そうすると、撮影者は、記録されていた画像信号に基づく画像をデジタルカメラやパーソナルコンピュータ等で再生したときに表示画面上で再生画像とともに撮影時の撮影補助光の発光源が何であったかを知ることができる。
【0102】
本発明の第4実施形態は、発光源をメモリカード119に記録する構成を有する以外は、上述した第1実施形態の構成と同様の構成であるため、以下ではこの発光源の記録に着目して説明する。
【0103】
図9は、第4実施形態を説明する図である。
【0104】
図9には、デジタルカメラ1が備える圧縮・伸張部117がI/F118を介して画像信号をExifファイルとしてメモリカード119に記録するときのメモリ割当が示されている。図9に示す様に、Exifファイルには上からスタートコード領域、次にタグ領域、さらにサムネイル領域が割り当てられていて、それらの下方に主画像の記録領域が割り当てられている。
【0105】
この第4実施形態では、図4(a)のステップS408の記録媒体への記録処理で、メインCPU110が、圧縮・伸張部117に画像ファイル(Exifファイル)の記録をメモリカード119に行なわせるときに、図9に示すタグ領域に、発光源の種類を補助光発光撮影により得られた画像データに対応づけて記録させておく。
【0106】
そうすると、例えばデジタルカメラが備える撮影モードダイヤルが撮影モードから再生モードに切り替えられたときにメインCPU110は画像表示部15が備える表示画面150上に既撮影画像とともに発光源の種類を表示することができる様になる(図8参照)。
【0107】
この様にすると撮影者が撮影時の撮影補助光の発光源がなんであるかを再生時に知ることができる様になり、再生後の撮影においては図8で説明した効果と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の撮影装置の一実施形態であるデジタルカメラを示す図である。
【図2】図1のデジタルカメラ100内部の電気系統の構成ブロック図である。
【図3】Xe管とLEDとで発光光量がどの程度違うかを説明する図である。
【図4(a)】発光制御部であるメインCPU110と測光・測距CPU120が行う撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【図4(b)】図4(a)のステップS403の露光の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態のデジタルカメラにおける内部構成を示す図である。
【図6】キセノン管の発光スペクトラムとLEDの発光スペクトラムを説明する図である。
【図7】第2実施形態における撮影補助光を伴う撮影処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態を説明する図である。
【図9】第4実施形態を説明する図である。
【符号の説明】
【0109】
100 デジタルカメラ
101a 電源スイッチ
101b 十字キー
101c メニューキー
101d キャンセルキー
101e モードダイヤル
102 レリーズ釦
105 ファインダ
16 第2の発光部
16a LED発光制御部
160 補助光発光窓
160a LED
170 レンズ鏡胴
18 第1の発光部
18a Xe管発光制御部
180 補助光発光窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系により撮像素子上に被写体像を結像して画像信号を生成する撮影装置において、
相対的に大光量の撮影補助光を発光する第1の発光手段と相対的に小光量の撮影補助光を発光する第2の発光手段とを有する発光部と、
被写界輝度を測定する測光手段と、
撮影感度を設定する感度設定手段と、
被写体距離を測定する測距手段と、
前記測光手段により測定された被写界輝度が所定輝度以下の低輝度であったときに、前記感度設定手段により設定された撮影感度に応じた、撮影感度が高感度であるほど遠距離側に移行するしきい値よりも前記被写体距離が遠距離であるか近距離であるかに応じて、それぞれ、前記第1の発光手段あるいは前記第2の発光手段を発光させる発光制御部とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記発光制御部が、
前記発光部から発せられた撮影補助光の被写体からの反射光の光量を測定する調光センサと、
前記調光センサによる受光光量に基づいて前記発光部による撮影補助光の発光を停止させる調光手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記発光制御部が、
前記発光部にプリ発光を行なわせ該プリ発光時に前記撮像素子で得られた画像信号に基づいて本発光の光量を演算する演算手段と、
前記演算手段による演算結果に基づいて前記発光部による本発光の発光時間を調節する調光手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項4】
前記撮像素子で得られた画像信号のホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段を備え、
前記ホワイトバランス調整手段が、撮影補助光の照射を伴う撮影により得られた画像信号のホワイトバランスを調整するにあたり、該画像信号が前記第1の発光手段からの撮影補助光の照射を伴う撮影により得られた画像信号であるか前記第2の発光手段からの撮影補助光の照射を伴う撮影により得られた画像であるかに応じて異なるホワイトバランス調整を行なうものである請求項1記載の撮影装置。
【請求項5】
前記第1の発光手段がキセノン管を備えたものであり、前記第2の発光手段がLEDを備えたものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項6】
補助光発光撮影に用いた発光手段が前記第1の発光手段であるか前記第2の発光手段であるかをユーザに向けて通知する通知手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項7】
補助光発光撮影に用いた発光手段が前記第1の発光手段であるか前記第2の発光手段であるかを該補助光発光撮影により得られた画像信号に対応づけて記録する記録手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−92071(P2008−92071A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−268019(P2006−268019)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】