説明

放送受信装置及びプログラム

【課題】緊急情報を受信検出して報知する際は、その緊急放送を受信可能な最適な放送による検出出力報知を可能にする。
【解決手段】外部電源が使用されている場合には(ステップB2でNO)、情報量が異なる複数の放送の中から情報量の多い放送をバックグランド受信用として選択する(ステップB4)。内部電源3が使用されている場合(ステップB2でYES)、電池残量が所定量以上で十分な残量であれば(ステップB5でNO)、上述のステップB4に移って、情報量の多い放送をバックグランド受信用として選択するが、電池残量が所定量未満であれば(ステップB5でYES)、消費電力が異なる複数の放送の中から消費電力の少ない放送をバックグランド受信用として選択する(ステップB6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放送を受信しながらその放送に緊急時に必要な緊急情報が含まれていることを検出した場合に緊急情報出力を行う出力制御手段を備える放送受信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、大地震、津波などの災害発生時に各放送メディア(ラジオ局、テレビ局)は、報道の一態様として、番組の途中でも緊急速報を放送するようにしている。すなわち、緊急発生時には、必要な緊急情報が含まれている緊急情報対応の放送を行うようにしている。このような緊急速報(緊急情報)対応の放送は、AM・FMラジオ放送、地上アナログ・地上デジタルテレビ放送のほか、BSアナログ・BSデジタルでも放送するようにしているが、娯楽中心の放送や教育中心の放送などでは、緊急情報対応の放送を行わないことが多い。
【0003】
ところで、従来、このような緊急速報を受信可能な装置としては、例えば、緊急情報の出力を開始してからの経過時間を計測し、その計測時間が長くなった場合に、電源供給を強制的に停止することによって電力消費を低減するようにした技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−51501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、緊急情報対応の放送の出力を開始したとしても、ユーザが不在であれば、無用な電力消費となってしまうため、省電力対策の一環として電源供給を強制的に停止するようにしたものであり、緊急情報対応の放送を待ち受けている日頃の省電力対策については一切考慮されてはいなかった。このため、電池を電源とする携帯電話などの携帯端末にあっては、放送を受信しながら緊急情報が含まれているかを検出する緊急情報の待ち受け時における省電力化が大きな問題となる。
また、例えば、娯楽番組を中心として放送するメディアなどでは、災害発生時にも緊急情報対応の放送を行わないことが多いため、ユーザにあっては緊急事態であることを現在、視聴あるいは聴取している放送内容からは知ることができず、緊急事態への対応が遅れてしまうという問題があった。
【0006】
この発明の課題は、緊急情報を受信検出して報知する際は、その緊急放送を受信可能な最適な放送による検出出力報知を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、放送を受信しながらその放送に緊急時に必要な緊急情報が含まれていることを検出した場合に緊急情報出力を行う出力制御手段を備える放送受信装置であって、当該放送受信装置の状況を検出する検出手段と、この検出手段によって検出された前記放送受信装置の状況に基づいてバックグランドで受信する放送を選択する放送選択手段と、を具備したことを特徴とする。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記検出手段は、当該放送受信装置の電源状態を検出し、前記放送選択手段は、前記バックグランドで受信する放送を前記検出手段によって検出された電源状況に基づいて選択する、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項2に従属する発明として、前記検出手段は、電源の種類として内部電源が使用されているか外部電源が使用されているかを検出し、前記放送選択手段は、前記検出手段によって内部電源が使用されていることが検出された場合に、消費電力が異なる複数の放送の中から消費電力の少ない放送を選択する、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項2に従属する発明として、前記検出手段は、電源の種類として電池が使用されているか否かを検出すると共に、電池を電源とする場合にはその電池残量を検出し、前記放送選択手段は、前記検出手段によって電池を電源として使用されていることが検出された場合に、消費電力が異なる複数の放送の中から当該電池残量に適した放送を選択する、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項2に従属する発明として、前記検出手段は、電源の種類として内部電源が使用されているか外部電源が使用されているかを検出し、前記放送選択手段は、前記検出手段によって外部電源が使用されていることが検出された場合に、情報量が異なる複数の放送の中から情報量の多い放送を選択する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項2に従属する発明として、前記検出手段は、電源が切り換えられた際に電源状態を検出する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項2に従属する発明として、前記検出手段を間欠的に動作させる第1の間欠動作制御手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項7に従属する発明として、前記検出手段は、電源の種類として電池が使用されているか否かを検出すると共に、電池を電源とする場合にはその電池残量を検出し、前記検出手段によって電池を電源として使用されていることが検出された場合に、前記第1の間欠動作制御手段によって制御される間欠動作の実行間隔を当該電池残量に応じて変更する第1の変更手段と、を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項1に従属する発明として、放送をバックグランドで受信する受信動作を間欠的に行う第2の間欠動作制御手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0016】
請求項9に従属する発明として、前記検出手段は、電源の種類として電池が使用されているか否かを検出すると共に、電池を電源とする場合にはその電池残量を検出し、前記検出手段によって電池を電源として使用されていることが検出された場合に、前記第2の間欠動作制御手段によって制御される間欠動作の実行間隔を当該電池残量に応じて変更する第2の変更手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0017】
請求項1に従属する発明として、前記出力制御手段は、放送をバックグランドで受信しその放送に緊急情報が含まれていることを検出した場合に、このバックグランドで受信していた放送内容と、この放送よりも情報量の多い放送を受信して、それらの放送内容を並列的に出力させる、ようにしたことを特徴とする請求項11記載の発明であってもよい。
【0018】
請求項1に従属する発明として、前記出力制御手段は、電源がオフされている状態でも待機電源として電力の供給を受けて、放送をバッククランドで受信しながらその放送に緊急情報が含まれているかを検出する検出動作を実行している場合に、前記緊急情報の検出に応じて前記電源をオンさせて、その放送内容を出力させる、ようにしたことを特徴とする請求項12記載の発明であってもよい。
【0019】
請求項1に従属する発明として、ユーザの所望する任意の放送を選択する第1の選択手段を更に備え、前記検出手段は、前記第1の選択手段によって選択された放送が前記緊急情報を放送する緊急情報対応の放送であるか否かを検出する対応放送検出手段であり、前記放送選択手段は、前記検出手段によって、前記第1の選択手段で選択された放送が緊急情報対応の放送ではないと検出された場合に、緊急情報対応の放送をバックグランド受信用として選択する、ようにしたことを特徴とする請求項13記載の発明であってもよい。
【0020】
請求項13に従属する発明として、放送をバックグランドで受信している状態において前記第1の選択手段によって選択された放送が緊急情報対応の放送であることが前記対応放送検出手段によって検出された場合に、前記バックグランドでの放送受信を終了させるバックグランド終了手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項14記載の発明であってもよい。
【0021】
請求項13に従属する発明として、現在受信している第1の放送の放送種別を検出する放送種別検出手段を更に備え、前記出力制御手段は、前記第1の放送に前記緊急情報が含まれていることを検出した際に、前記放送種別検出手段で検出された前記放送種別に基づいて第2の放送を選択してその放送内容を出力させる、ようにしたことを特徴とする請求項15記載の発明であってもよい。
【0022】
請求項15に従属する発明として、前記放送種別検出手段は、前記第1の放送の情報量に関連付けられた種別を検出する情報量検出手段であり、前記出力制御手段は、前記第1の放送に前記緊急情報が含まれていることを検出した際に、前記放送種別検出手段によって、前記第1の放送の情報量が少ない放送であると検出された場合に、情報量の多い第2の放送を選択して、その放送内容を出力させる、ようにしたことを特徴とする請求項16記載の発明であってもよい。
【0023】
請求項15に従属する発明として、前記出力制御手段は、前記第1の放送に前記緊急情報が含まれていることを検出した際に、この第1の放送と前記第2の放送を並列的に出力させる、ようにしたことを特徴とする請求項17記載の発明であってもよい。
【0024】
請求項15に従属する発明として、前記情報量の多い第2の放送を選択して、その放送内容を出力させるか否かを予め任意に設定する設定手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項18記載の発明であってもよい。
【0025】
請求項1に従属する発明として、放送をバックグランドで受信しながらその放送に前記緊急情報が含まれていることが検出した際に、緊急事態の発生を報知するメッセージを出力するメッセージ出力手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項19記載の発明であってもよい。
【0026】
また、上述した課題を解決するために請求項20記載の発明は、コンピュータに対して、放送を受信しながらその放送に緊急時に必要な緊急情報が含まれていることを検出した場合に緊急情報出力を行う機能と、放送受信装置の状況を検出する機能と、前記検出された放送受信装置の状況に基づいてバックグランドで受信する放送を選択する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、緊急情報を受信検出して報知する際は、その緊急放送を受信可能な最適な放送により検出出力報知を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】放送受信装置として適用した放送受信機能付き携帯電話機の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】選択条件設定記憶部Mを説明するための図。
【図3】電源投入(オン)に伴って実行開始される携帯電話機の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図4】放送をバックグランドで受信するバックグランド受信処理(図3のステップA2)を詳述するためのフローチャート。
【図5】第2実施形態における選択条件設定記憶部Mを説明するための図。
【図6】第2実施形態において電源投入(オン)に伴って実行開始される携帯電話機の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図7】第2実施形態において緊急情報検出開始処理(図6のステップC10)を詳述するためのフローチャート。
【図8】第2実施形態において緊急情報受信時処理(図6のステップC12)を詳述するためのフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(実施形態1)
以下、図1〜図4を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
この実施形態は、放送受信装置として、放送受信機能付き携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、この放送受信機能付き携帯電話機の基本的な構成要素を示したブロック図である。
この携帯電話機は、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)のほか、テレビ機能、ラジオ機能、緊急放送出力制御機能などが備えられている。このテレビ機能は、テレビ局から送信基地局を介して発信されたテレビ放送を受信する放送受信機能であり、高解像度のデジタルテレビ放送(12セグ放送)を受信するようになっている。
【0030】
また、ラジオ機能は、ラジオ局から送信基地局を介して発信されたラジオ放送を受信する放送受信機能であり、FM(超短波)ラジオ放送の受信状態と、AM(中波)ラジオ放送の受信状態との切り換えが可能となっている。なお、テレビ機能及びラジオ機能によって受信可能な放送の種類は、これらに限定されず、任意である。例えば、デジタル超短波ラジオ放送(例えば、3セグ地上デジタルラジオ放送)を受信可能としたり、インターネットテレビ(例えば、地域テレビ)などを受信可能としたりするようにしてもよい。また、緊急放送出力制御機能は、大地震、津波などの災害発生時に各放送メディア(ラジオ局、テレビ局)が報道の一態様として放送する緊急情報を監視してその緊急情報出力する緊急放送監視機能を構成するもので、放送をバックグランドで受信しながらその放送に緊急時に必要な緊急情報が含まれているか否かを検出し、緊急情報を検出した場合にその緊急情報を出力するようにしている。
【0031】
中央制御部1は、外部電源接続部2あるいは内部電源3からの電力供給によって動作し、記憶部4内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機の全体動作を制御する中央演算処理装置、メモリなどを有している。外部電源接続部2は、商用電源(AC電源)あるいは大容量電池(例えば、電池パック)に接続される接続端子を有し、携帯電話機の各部に電力供給を行う。内部電源3は、二次電池を有する構成で、携帯電話機の各部に電力供給を行う。なお、外部電源への接続時には外部電源から携帯電話機の各部に対して電力供給が行われ、外部電源の非接続時には内部電源3から携帯電話機の各部に対して電力供給が行われる。また、外部電源(商用電源)には、図示しないクレードル(充電台)あるいは電源アダプタを介して接続される。
【0032】
電源状態検出部5は、携帯電話機の現在の状況として、携帯電話機の電源状態を検出するもので、外部電源接続部2を介して外部電源から電力供給が行われているか、内部電源3から電力供給が行われているかを検出する。すなわち、電源状態検出部5は、電源オン時や電源の切り換え時に、電源状態を検出するもので、電源の種類として内部電源が使用されているか、外部電源が使用されているかを検出するほかに、内部電源3が使用されて内部電源3から電力供給が行われている場合には、この内部電源3の電池残量を検出するようにしている。ここで、電源状態検出部5によって検出された携帯電話機の電源状態に基づいて中央制御部1は、上述した緊急放送監視機能用として、バックグランドで受信する放送を選択するようにしている。
【0033】
すなわち、中央制御部1は、電源の種類として内部電源が使用されている場合には消費電力が異なる複数の放送の中から消費電力の少ない放送をバックグランド受信用として選択するようにしている。例えば、複数の放送がテレビ放送、ラジオ放送であれば、消費電力の少ない放送(ラジオ放送)をバックグランド受信用として選択するようにしている。更に、内部電源が使用されている場合には現在の電池残量に適した放送をバックグランド受信用として選択するようにしている。例えば、複数の放送がテレビ放送、ラジオ放送であれば、消費電力の少ない放送としてラジオ放送を選択するようにしている。また、中央制御部1は、外部電源が使用されている場合には、情報量が異なる複数の放送の中から情報量の多い放送を選択するようにしている。例えば、複数の放送がテレビ放送、ラジオ放送であれば、情報量の多い放送としてテレビ放送を選択するようにしている。
【0034】
記憶部4には、図3及び図4に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それらに必要な各種の情報が記憶されている。この記憶部4には、後述する選択条件設定記憶部Mが設けられている。無線通信部6は、通話機能の動作時にベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声を取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。操作部7は、電源キー、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、中央制御部1は、操作部7からの入力信号に応じた処理を実行する。
【0035】
放送受信部8は、テレビ放送及びラジオ放送を受信可能なもので、ラジオ用アンテナ9Aに接続されたラジオチューナ9B、テレビ用アンテナ10Aに接続されたテレビチューナ10B、デマルチプレクサ11、緊急情報検出部12を有する構成で、ラジオチューナ9Bやテレビチューナ10Bからの放送信号は、デマルチプレクサ11に与えられて映像、音声、データ(文字データ)に分離される。緊急情報検出部12は、デマルチプレクサ11からの放送信号に緊急時に必要な緊急情報が含まれているか否かを検出するもので、その検出結果を中央制御部1に与える。なお、放送局は、地震や台風などの災害時に緊急情報を送信するが、その際、放送中の番組に代えて緊急情報番組を送信したり、放送中の番組にテロップを合成したりして緊急情報の送信を行う。
【0036】
このデマルチプレクサ11から出力されるラジオ音声やテレビ音声は、放送出力部13を構成する音声信号処理部14で送られて復号化されたのち、サウンドスピーカ15から出力される。また、デマルチプレクサ11から出力されるテレビ映像は、放送出力部13を構成する映像信号処理部16に送られて復号化されたのち、表示部17から出力される。なお、サウンドスピーカ15は、ラジオ音声やテレビ音声を出力するほか、着信音、アラーム音などを出力する。表示部17は、高精細液晶を使用し、テレビ映像を出力するほか、文字情報、待受画像などの各種の情報を出力する。
【0037】
放送出力部13を構成するサウンドスピーカ15及び表示部17への電力供給は、操作部7の電源キーが操作された際に、遮断されるが、放送受信部8への電力供給は、電源キーが長押し操作されたのか、短押し操作されたのかに応じて制御される。すなわち、放送受信部8への電力供給は、電源キーの長押し操作で遮断されるが、短押し操作された主電源オフ状態では放送をバックグランドで受信可能となるようにするため、常時待機電力が供給されて動作可能となっている。このように主電源オフ状態でも、この実施形態では放送をバックグランドで受信しながらその放送に緊急情報が含まれているか否かを検出する検出動作を実行するようにしているが、この検出動作によって緊急情報が検出されると、電源をオン状態にして、サウンドスピーカ15や表示部17への電力供給を開始するようにしている。なお、待機電源は、外部電源に限らず、内部電源3であってもよい。
【0038】
図2は、選択条件設定記憶部Mを説明するための図である。
選択条件設定記憶部Mは、放送をバックグランドで受信しながらその放送に緊急情報が含まれているか否かを検出する検出動作を制御するための情報として「間欠受信設定」を記憶するもので、この「間欠受信設定」の“オン”は、受信動作を間欠的に実行させることを意味し、「間欠受信設定」の“オフ”は、その受信動作を常時実行させることを意味している。
【0039】
そして、「間欠受信設定」を“オン”した場合には、何秒毎に1回の割合で、上述の受信動作を実行させるかの実行間隔(**秒間隔)を設定するようにしている。この「間欠受信設定」の実行間隔は、電池を電源として使用している場合に、この電池残量に応じて変更可能となっている。つまり、中央制御部1は、バックグランド受信用として選択した放送を間欠的に受信可能としたり、常時受信可能となるように放送受信部8の動作を制御したりするようにしている。この場合、中央制御部1は、放送受信部8を構成する各部への電力供給と共に、それらを動作可能な状態にセットするようにしている。
【0040】
次に、この第1実施形態における携帯電話機の動作概念を図3及び図4に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0041】
図3は、電源投入(オン)に伴って実行開始される携帯電話機の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、中央制御部1は、操作部7の電源キーによって電源オン操作が行われると、携帯電話機の各部に外部電源接続部2あるいは内部電源3からの電力を供給して、携帯電話機の各部を動作可能状態とすると共に、所定のメモリを初期化するなどの電源オン処理を行う(図3のステップA1)。そして、放送をバックグランドで受信するバックグランド受信処理に移る(ステップA2)。
【0042】
図4は、放送をバックグランドで受信するバックグランド受信処理(図3のステップA2)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部1は、電源状態検出部5を動作させて電源状態の検出結果として、電源の種類を取得する(図4のステップB1)。すなわち、内部電源3が使用されているか、外部電源接続部2を介して外部電源が使用されているかを電源状態として取得し、この電源状態に基づいて電源の種類として内部電源3が使用されているかの判別を行う(ステップB2)。いま、外部電源が使用されている場合には(ステップB2でNO)、情報量が異なる複数の放送の中から情報量の多い放送をバックグランド受信用として選択する(ステップB4)。この場合、情報量の多い放送として、例えば、テレビ放送がバックグランド受信用として選択される。
【0043】
また、内部電源3が使用されている場合には(ステップB2でYES)、内部電源3の電池残量を電源状態検出部5から取得する(ステップB3)。そして、この電池残量は所定量未満(例えば、1/3未満)であるかを調べ(ステップB5)、所定量以上で十分な残量であれば(ステップB5でNO)、上述のステップB4に移って、情報量の多い放送をバックグランド受信用として選択するが、電池残量が所定量未満であれば(ステップB5でYES)、消費電力が異なる複数の放送の中から消費電力の少ない放送をバックグランド受信用として選択する(ステップB6)。この場合、消費電力の少ない放送として、例えば、ラジオ放送がバックグランド受信用として選択される。
【0044】
そして、選択条件設定記憶部Mの「間欠受信設定」が“オン”されているかを調べ(ステップB7)、「間欠受信設定」が“オフ”されていれば、バックグランド受信用として選択した放送を常時受信可能となるように放送受信部8を制御したのち(ステップB8)、このフローから抜ける。また、「間欠受信設定」が“オン”されていれば(ステップB7でYES)、電池の種類として内部電源3が使用されているかを調べ(ステップB9)、外部電源が使用されていれば、バックグランド受信用として選択した放送を常時受信可能となるように放送受信部8を制御したのち(ステップB13)、このフローから抜けるが、内部電源3が使用されていれば(ステップB9でYES)、その電池残量は所定量未満かを調べる(ステップB10)。ここで、電池残量が所定量以上で十分な残量であれば、上述のバックグランド常時受信に移るが(ステップB13)、電池残量が所定量未満であれば(ステップB10でYES)、この電池残量に基づいて「間欠受信設定」の実行間隔(**秒間隔)を変更する(ステップB11)。例えば、電池残量が3/4以上であれば、実行間隔を0.5秒間隔に変更し、1/4〜3/4の範囲内であれば、1秒間隔、1/4以下であれば、2秒間隔に変更する。
【0045】
そして、バックグランド受信用として選択した放送を間欠的に受信可能となるように放送受信部8を制御したのち(ステップB12)このフローから抜ける。このバックグランド受信処理は、上述した「間欠受信設定」の実行間隔毎に実行開始される。
【0046】
このようなバックグランド受信処理が終わると(図3のステップA2)、所定の待受画像を読み出して表示させたり、基地局との間で通信を行って位置登録を行ったりする待受処理を行う(ステップA3)。この待ち受け状態において、無線通信部6から電話着信を検出すると(ステップA4でYES)、着信報知を行ったのち、オフフック操作に応答して通話可能状態とする通話処理を行う(ステップA5)。また、待ち受け状態において外部電源の接続/解除で電源状態検出部5によって電源の切り替えが検出されると(ステップA6でYES)、上述のバックグランド受信処理に移る(ステップA2)。このようにバックグランド受信処理は、外部電源に接続されたこと及び外部電源との接続が解除されたことが検出される毎に実行される処理である。
【0047】
また、バックランドで受信している放送の中に緊急信号が含まれていることを検出すると(ステップA7でYES)、緊急事態が発生したことを報知する音声メッセージ及び表示メッセージを出力させたのち(ステップA8)、バックグランドで受信していた放送は情報量の多い放送であるかを調べる(ステップA9)。いま、バックランドで受信している放送が情報量の少ない放送であれば(ステップA9でNO)、この放送よりも情報量の多い放送の受信を開始して(ステップA10)、バックランドで受信している情報量の少ない放送と情報量の多い放送とを並列的に出力させる並列出力を開始させる(ステップA11)。
【0048】
例えば、“只今、緊急事態が発生しました”、あるいは“お知らせします。只今、緊急地震速報が放送されています。放送を受信します”などの固定メッセージを出力させる。このようなメッセージの出力直後には、バックグランドで受信していた放送(例えば、ラジオ放送)と、それよりも情報量の多い放送(テレビ放送)とを並列的に出力させる。この場合、テレビ音声に代わるラジオ放送とテレビ映像とを並列的に出力させる。また、バックランドで受信している放送が情報量の多い放送であれば(ステップA9でYES)、この放送内容をそのまま出力させる放送出力を開始させる(ステップA12)。
【0049】
一方、待ち受け状態において何らかの操作が行われたかを調べ(図3のステップA13)、何らかの操作が行われると、それは操作部7の電源キーによる電源オフ操作であるかを調べ(ステップA14)、その他の操作であれば(ステップA14でNO)、その操作に応じた処理として、例えば、選択条件設定記憶部Mへの設定処理、テレビ機能/ラジオ機能の起動処理、電話発信処理などを行う(ステップA15)。また、電源キーによる電源オフ操作が行われた場合には(ステップA14でYES)、電源キーが長押しされたかを調べ(ステップA16)、長押し操作が行われた場合には、サウンドスピーカ15や表示部17などをも含めて電力供給を遮断する電源オフ処理を実行したのち(ステップA17)、このフローの終了となるが、電源キーが短押しされた場合には(ステップA16でNO)、主電源オフ状態となってステップA18に移り、放送をバックグランドで受信する。
【0050】
この主電源オフ状態において、放送をバックグランドで受信しながらその放送に緊急情報が含まれているか否かを検出する検出動作を実行するようにしているが、この検出動作によって緊急情報を検出すると(ステップA19でYES)、緊急情報の検出に伴って電源オン処理を実行して、サウンドスピーカ15や表示部17への電力供給を開始させる(ステップA20)。そして、ステップA8に移り、緊急事態が発生したことを報知する音声メッセージ及び表示メッセージを出力させたのち、緊急事態の放送内容を出力させる放送出力を開始させる(ステップA9〜A12)。
【0051】
以上のように、この第1実施形態においては、放送をバックランドで受信しながらその放送に緊急情報が含まれていることを検出する場合に、その検出を効率的かつ確実に実行することができ、実用効果の高いものとなる。すなわち、バックグランドで受信する放送を携帯電話機の状況に基づいて選択するようにしたので、状況の変化に応じてバックグランド受信用の放送を変更することができ、変更された放送から緊急情報の検出を効率的かつ確実に実行することができる。
【0052】
電源状態検出部5によって検出された電源状態に基づいてバックグランドで受信する放送を選択するようにしたので、バックグランド受信による消費電力と現在の電源状態との関係から適切な放送を選択することができる。
【0053】
バックグランドで受信する放送を選択する場合に、内部電源3が使用されていれば、消費電力の少ない放送を選択するようにしたので、電源状態に不安がある場合には、より消費電力の少ない放送を選択することができ、バックグランド受信での消費電力を極力抑えることができる。
【0054】
バックグランドで受信する放送を選択する場合に、電池が電源として使用されていれば、消費電力が異なる複数の放送の中から当該電池残量に適した放送を選択するようにしたので、少ない電池残量を有効に使用してバックグランド受信を長持ちさせることができる。
【0055】
バックグランドで受信する放送を選択する場合に、外部電源が使用されていれば、情報量の多い放送を選択するようにしたので、もともと情報量の多い放送を受信しているときは、その放送を即座に出力させることもできる。
【0056】
電源が切り換えられた際に電源状態を検出するようにしたので、電源状態を常時監視する必要が無く、その監視を必要最小限に止めることができる。
【0057】
放送をバックグランドで受信しながらその放送に緊急情報が含まれているか否かを検出する検出動作を間欠的に動作させるようにしたので、電力消費を抑制することができる。
【0058】
電池を電源として使用している場合に、放送をバックグランドで受信しながらその放送に緊急情報が含まれているか否かを間欠的に検出する場合、その間欠動作の実行間隔を電池残量に応じて変更するようにしたので、電池残量が少なければ、間欠動作の実行間隔を長くすることができ、少ない電池残量を有効に使用してバックグランド受信を長持ちさせることができる。
【0059】
放送をバックグランドで受信しながらその放送に緊急情報が含まれていることを検出した場合に、このバックグランドで受信していた放送内容と、この放送よりも情報量の多い放送を受信して、それらの放送内容を並列的に出力させるようにしたので、ユーザに対して緊急事態を多角的かつ効果的に知らせることができる。
【0060】
また、外部電源接続部2を介して商用電源(AC電源)あるいは大容量電池に接続されている状態において、主電源オフ状態でも待機電源として外部電源から電力の供給を受けて放送受信部8が動作可能状態となっている場合、バックグランドで受信中の放送に緊急情報が含まれていることを検出した際に、電源をオンさせてその放送内容を出力させるようにしたので、緊急発生時に主電源オフ状態であっても緊急事態の発生を即座に知らせることができる。
【0061】
緊急情報を検出した際に、緊急事態の発生を報知するメッセージを出力するようにしたので、緊急事態が発生したことを即座に知らせることができると共に、ユーザにあっては突然の緊急放送に戸惑うことなく、対処することができる。
【0062】
なお、上述した第1実施形態においては、放送をバックグランドで受信しながらその放送に緊急情報が含まれているか否かを間欠的に検出するようにしたが、この間欠動作は緊急情報の検出に限らず、電源状態を検出する検出動作を間欠的に行うようにしてもよい。これによって電源状態の検出を常時実行する場合に比べて電力消費を抑制する点で有利なものとなる。また、電源状態を間欠的に検出する場合に、この間欠動作の実行間隔を電池残量に応じて変更するようにしてもよい。これによって、少ない電池残量を有効に使用することができる。
【0063】
(実施形態2)
以下、この発明の第2実施形態について図5〜図8を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、携帯電話機の状況として電源状態を示し、この携帯電話機の電源状態に基づいて、バックグランドで受信する放送を選択するようにしたが、この第2実施形態においては、ユーザが所望の放送を選択した場合に、この放送が緊急情報を放送する緊急情報対応の放送でなければ、緊急情報対応の放送をバックグランド受信用として選択するようにしたものである。
ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。なお、上述の第1実施形態で説明した図1は、この第2実施形態においても同様であるため、その説明は省略する。
【0064】
図5は、第2実施形態における選択条件設定記憶部Mを説明するための図である。
選択条件設定記憶部Mは、現在受信中の放送(第1の放送)に緊急情報が含まれていることを検出した際に、その放送よりも情報量の多い放送を第2の放送として選択してその放送内容を出力させるか否かを示す「第2放送設定」を記憶すると共に、第1の放送と第2の放送を並列的に出力させるか否かを「並列設定」を記憶する。ここで、「第2放送設定」の“オン”は、例えば、第1の放送がラジオ放送の場合に、緊急情報検出後には情報量の多い第2の放送としてテレビ放送を選択してその放送内容を出力させることを意味している。「並列設定」の“オン”は、例えば、第1の放送がラジオ放送の場合に、緊急情報検出後には情報量の多い第2の放送としてテレビ放送を選択してその放送内容を並列的に出力させることを意味している。
【0065】
次に、この第2実施形態における携帯電話機の動作概念を図6〜図8に示すフローチャートを参照して説明する。図6は、第2実施形態において電源投入(オン)に伴って実行開始される携帯電話機の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、中央制御部1は、電源キーオン操作が行われると、上述した第1実施形態と同様に、携帯電話機の各部に外部電源接続部2あるいは内部電源3からの電力を供給して、携帯電話機の各部を動作可能状態とすると共に、所定のメモリを初期化するなどの電源オン処理を行う(図6のステップC1)。
【0066】
そして、所定の待受画像を読み出して表示させたり、基地局との間で通信を行って位置登録を行ったりする待受処理を行う(ステップC2)。そして、この待ち受け状態において、無線通信部6から電話着信を検出すると(ステップC3でYES)、着信報知を行ったのち、オフフック操作に応答して通話可能状態とする通話処理を行う(ステップC4)。また、待ち受け状態において何らかのユーザ操作が行われると(ステップC5でYES)、それが放送の受信起動を指示する操作以外の操作であれば(ステップC6でNO)、その操作に応じた処理として、例えば、選択条件設定記憶部Mへの設定処理、電話発信処理などを行う(ステップC7)。
【0067】
また、何らかの操作が行われた場合に、それが放送の受信起動を指示する操作であれば(ステップC6でYES)、放送受信部8を動作状態にして、ラジオ放送あるいはテレビ放送の受信を開始させると共に(ステップC8)、ユーザ操作によって任意に選択されたテレビチャンネルやラジオ周波数に応じた放送をフォアグランドの放送として、その放送内容を出力させたのち(ステップC9)、緊急情報を検出する検出動作を開始させる(ステップC10)。
【0068】
図7は、緊急情報検出開始処理(図6のステップC10)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部1は、上述のようにユーザ操作によって任意に選択された放送(フォアグランド放送)は、大地震、津波などの災害発生時に緊急情報を放送する緊急情報対応の放送であるかを調べる(図7のステップD1)。ここで、緊急情報対応の放送であるか否かは、予め決められているが、例えば、公共性が薄い放送か、娯楽性の強い放送かに基づいて緊急情報対応の放送であるか否かを判別するようにしてもよい。いま、緊急情報対応の放送であれば(ステップD1でYES)、この放送をフォアグランドで受信し緊急情報が含まれているかを検出する検出動作を開始させる(ステップD2)。
【0069】
そして、バックグランドで受信中の放送が存在しているかを調べ(ステップD3)、バックグランドで受信中の放送が無ければ、この時点で図7のフローの終了となるが、バックグランドで受信中の放送が有れば(ステップD3でYES)、バックグランドでの放送受信を終了させたのち(ステップD4)、図7のフローの終了となる。また、緊急情報対応の放送でなければ(ステップD1でNO)、緊急情報対応の放送をバックグランド受信用として選択したのち(ステップD5)、この放送を受信しながら緊急情報の検出動作を開始させたのち(ステップD6)、図7のフローの終了となる。
【0070】
このように緊急情報の検出動作を開始させた状態において(図6のステップC10)、フォアグランドあるいはバックグランドで受信中の放送に緊急情報が含まれていることを検出したときには(ステップC11でYES)、この緊急情報の検出に応じて大地震、津波などの緊急事態の発生を効果的に知らせるための緊急情報受信時処理に移る(ステップC12)。
【0071】
図8は、緊急情報受信時処理(図6のステップC12)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部1は、選択条件設定記憶部Mから「第2放送設定」を読み出し(図8のステップE1)、この「第2放送設定」が“オン”されているかを調べる(ステップE2)。いま、「第2放送設定」が“オフ”されていれば(ステップE2でNO)、緊急情報を検出した放送はバックグランド受信中の放送であるかを調べ(ステップE3)、フォアグランド受信中の放送であれば(ステップE3でYES)、その放送内容の出力状態をそのまま維持させるために、図8のフローの終了となるが、バックグランド受信中の放送でなければ(ステップE3でNO)、このバックグランド受信中の放送をフォアグランドで受信中の放送に代わってその放送内容の出力を開始させたのち(ステップE4)、図8のフローの終了となる。
【0072】
また、「第2放送設定」が“オン”されていれば(ステップE2でYES)、現在、フォアグランドあるいはバックグランドで受信中の放送(第1の放送)の放送種別を検出し、情報量が少ない放送であるかを調べ(ステップE5)、情報量の多い放送であれば(ステップE5でNO)、上述のステップE3に移り、バックグランド受信中の放送でなければ、このバックグランド受信中の放送をフォアグランドで受信中の放送に代わってその放送内容の出力を開始させる(ステップE4)。
【0073】
また、情報量が少ない放送であれば(ステップE5でYES)、情報量の多い第2の放送を選択する(ステップE6)。そして、選択条件設定記憶部Mから「並列設定」を読み出し(ステップE7)、この「並列設定」が“オン”されているかを調べ(ステップE8)、「並列設定」が“オフ”されていれば、情報量の多い第2の放送内容を出力させるが(ステップE9)、「並列設定」が“オン”されていれば(ステップE8でYES)、情報量が少ない第1の放送(例えば、ラジオ放送)と情報量の多い第2の放送(テレビ放送)の放送内容を並列的に出力させる並列出力を開始させたのち(ステップE10)、図8のフローの終了となる。
【0074】
以上のように、この第2実施形態においては、ユーザによって選択された任意の放送が緊急情報対応の放送ではければ、緊急情報対応の放送をバックグランド受信用として選択するようにしたので、フォアグラウンドとして選択した放送がどのような種類であるかに関わらず、緊急情報の検出が可能となる。
【0075】
放送をバックグランドで受信している状態において、ユーザが意図して緊急情報対応の放送を視聴又は聴取している場合には、バックグランドによる放送受信を終了させるようにしたので、より省電力を図ることができる。
【0076】
現在受信中の第1の放送に緊急情報が含まれていることを検出した際に、この第1の放送が情報量の少ない放送であれば、情報量の多い第2の放送を選択して、その放送内容を出力させるようにしたので、ユーザにあっては現在受信している放送の種類によらず、より詳細な情報を確認することができる。
【0077】
第1の放送に緊急情報が含まれていることを検出した際に、この第1の放送と第2の放送を並列的に出力させることもできるようにしたので、ユーザに対して緊急事態を多角的かつ効果的に知らせることができる。
【0078】
情報量の多い第2の放送を選択して、その放送内容を出力させるか否かを予め任意に設定するようにしたので、ユーザの意向を考慮した緊急情報の出力が可能となる。
【0079】
なお、上述した第2実施形態においては、緊急情報を検出した際に、緊急事態の発生を報知するメッセージを出力するようにしてもよい。すなわち、上述した第1実施形態のように、緊急事態が発生したことを報知する音声メッセージ及び表示メッセージを出力させた直後に放送内容を出力するようにしてもよい。
【0080】
また、上述した各実施形態においては、テレビ局・ラジオ局から送信基地局を介して発信された放送信号を受信するようにしたが、例えば、無線通信網、インターネットを介してテレビ放送番組やラジオ放送番組を提供する情報サービスを行う情報配信サーバからデジタル放送をダウンロード受信するようにしてもよい。
【0081】
また、テレビ放送の種類としては、12セグ放送、1セグ放送であってもよい。この場合、消費電力の少ない放送(1セグ放送)をバックグランド受信用として選択するようにすればよい。また、緊急情報の検出時には、1セグ放送に代えて情報量の多い12セグ放送を選択して出力させるようにすればよい。また、テレビ放送の種類としては、地上アナログテレビ放送、地上デジタルテレビ放送、BSアナログテレビ放送、BSデジタルテレビ放送、CSテレビ放送などであってもよい。また、ラジオ放送の種類としては、FM(超短波)ラジオ放送、AM(中波)ラジオ、3セグ地上デジタルラジオ放送に限らず、それ以外のラジオ放送であってもよい。
【0082】
また、上述した各実施形態においては、間欠受信設定として、実行間隔という表現を用いて説明したが、オン時間/オフ時間の割合も可変できるようにするとよい。オン時間/オフ時間(オン時間のDuty)が同じでもオン時間+オフ時間が短い方が、緊急情報が放送されてから受信検出までのディレイを平均的に短くすることができるので好ましい。
【0083】
また、上述した各実施形態においては、ラジオ用アンテナ9A、ラジオチューナ9B、テレビ用アンテナ10A、テレビチューナ10Bを設けた構成としたが、アンテナやチューナは単一であってもよい。
その他、放送受信機能を備えた携帯電話機に限らず、放送受信機能を備えたパーソナルコンピュータ・PDA(個人用の携帯情報端末)などのほか、放送受信装置自体であってもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 中央制御部
2 外部電源接続部
3 内部電源3記憶部
5 電源状態検出部
6 無線通信部
7 操作部
8 放送受信部
9B ラジオチューナ
10B テレビチューナ
11 デマルチプレクサ
12 緊急情報検出部
13 放送出力部
14 音声信号処理部
15 サウンドスピーカ
16 映像信号処理部
17 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送を受信しながらその放送に緊急時に必要な緊急情報が含まれていることを検出した場合に緊急情報出力を行う出力制御手段を備える放送受信装置であって、
当該放送受信装置の状況を検出する検出手段と、
この検出手段によって検出された前記放送受信装置の状況に基づいてバックグランドで受信する放送を選択する放送選択手段と、
を具備したことを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記検出手段は、当該放送受信装置の電源状態を検出し、
前記放送選択手段は、前記バックグランドで受信する放送を前記検出手段によって検出された電源状況に基づいて選択する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記検出手段は、電源の種類として内部電源が使用されているか外部電源が使用されているかを検出し、
前記放送選択手段は、前記検出手段によって内部電源が使用されていることが検出された場合に、消費電力が異なる複数の放送の中から消費電力の少ない放送を選択する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記検出手段は、電源の種類として電池が使用されているか否かを検出すると共に、電池を電源とする場合にはその電池残量を検出し、
前記放送選択手段は、前記検出手段によって電池を電源として使用されていることが検出された場合に、消費電力が異なる複数の放送の中から当該電池残量に適した放送を選択する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記検出手段は、電源の種類として内部電源が使用されているか外部電源が使用されているかを検出し、
前記放送選択手段は、前記検出手段によって外部電源が使用されていることが検出された場合に、情報量が異なる複数の放送の中から情報量の多い放送を選択する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の放送受信装置。
【請求項6】
前記検出手段は、電源が切り換えられた際に電源状態を検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の放送受信装置。
【請求項7】
前記検出手段を間欠的に動作させる第1の間欠動作制御手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の放送受信装置。
【請求項8】
前記検出手段は、電源の種類として電池が使用されているか否かを検出すると共に、電池を電源とする場合にはその電池残量を検出し、
前記検出手段によって電池を電源として使用されていることが検出された場合に、前記第1の間欠動作制御手段によって制御される間欠動作の実行間隔を当該電池残量に応じて変更する第1の変更手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項7記載の放送受信装置。
【請求項9】
放送をバックグランドで受信する受信動作を間欠的に行う第2の間欠動作制御手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項10】
前記検出手段は、電源の種類として電池が使用されているか否かを検出すると共に、電池を電源とする場合にはその電池残量を検出し、
前記検出手段によって電池を電源として使用されていることが検出された場合に、前記第2の間欠動作制御手段によって制御される間欠動作の実行間隔を当該電池残量に応じて変更する第2の変更手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項9記載の放送受信装置。
【請求項11】
前記出力制御手段は、放送をバックグランドで受信しその放送に緊急情報が含まれていることを検出した場合に、このバックグランドで受信していた放送内容と、この放送よりも情報量の多い放送を受信して、それらの放送内容を並列的に出力させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項12】
前記出力制御手段は、電源がオフされている状態でも待機電源として電力の供給を受けて、放送をバッククランドで受信しながらその放送に緊急情報が含まれているかを検出する検出動作を実行している場合に、前記緊急情報の検出に応じて前記電源をオンさせて、その放送内容を出力させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項13】
ユーザの所望する任意の放送を選択する第1の選択手段を更に備え、
前記検出手段は、前記第1の選択手段によって選択された放送が前記緊急情報を放送する緊急情報対応の放送であるか否かを検出する対応放送検出手段であり、
前記放送選択手段は、前記検出手段によって、前記第1の選択手段で選択された放送が緊急情報対応の放送ではないと検出された場合に、緊急情報対応の放送をバックグランド受信用として選択する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項14】
放送をバックグランドで受信している状態において前記第1の選択手段によって選択された放送が緊急情報対応の放送であることが前記対応放送検出手段によって検出された場合に、前記バックグランドでの放送受信を終了させるバックグランド終了手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項13記載の放送受信装置。
【請求項15】
現在受信している第1の放送の放送種別を検出する放送種別検出手段を更に備え、
前記出力制御手段は、前記第1の放送に前記緊急情報が含まれていることを検出した際に、前記放送種別検出手段で検出された前記放送種別に基づいて第2の放送を選択してその放送内容を出力させる、
ようにしたことを特徴とする請求項13記載の放送受信装置。
【請求項16】
前記放送種別検出手段は、前記第1の放送の情報量に関連付けられた種別を検出する情報量検出手段であり、
前記出力制御手段は、前記第1の放送に前記緊急情報が含まれていることを検出した際に、前記放送種別検出手段によって、前記第1の放送の情報量が少ない放送であると検出された場合に、情報量の多い第2の放送を選択して、その放送内容を出力させる、
ようにしたことを特徴とする請求項15記載の放送受信装置。
【請求項17】
前記出力制御手段は、前記第1の放送に前記緊急情報が含まれていることを検出した際に、この第1の放送と前記第2の放送を並列的に出力させる、
ようにしたことを特徴とする請求項15記載の放送受信装置。
【請求項18】
前記情報量の多い第2の放送を選択して、その放送内容を出力させるか否かを予め任意に設定する設定手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項15の放送受信装置。
【請求項19】
前記緊急情報が含まれていることが検出した際に、緊急事態の発生を報知するメッセージを出力するメッセージ出力手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項20】
コンピュータに対して、
放送を受信しながらその放送に緊急時に必要な緊急情報が含まれていることを検出した場合に緊急情報出力を行う機能と、
放送受信装置の状況を検出する機能と、
前記検出された放送受信装置の状況に基づいてバックグランドで受信する放送を選択する機能と、
を実現させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−171477(P2010−171477A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9483(P2009−9483)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】