説明

新規道路記録装置および新規道路記録装置用のプログラム

【課題】従来にない新規な方法で、より正確に新設道路を記録する技術を提供する。
【解決手段】車両用ナビゲーション装置1は、通過した入口ETCゲートが(105)地図データに記録されていないETCゲートである場合(110)、その新設ETCゲートを通過してから出口ETCゲートを通過する(120)までの期間、または、その新設ETCゲートを通過してからマップマッチング処理により既存の(すなわち地図データ中に記録された)有料道路に初めてマッチされるまで(135)、位置検出器による自車両の存在位置を逐次蓄積する(130)。そして、出口ETCゲートを通過した後(120)または、既存の有料道路に自車位置がマッチされた後(135)、上述の通り蓄積した軌跡を、新設の有料道路であるとしてメモリに記録する(125、140)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規道路記録装置および新規道路記録装置用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、まだ地図データとして記録されていない新設道路の情報を取得して記録する車載の新設道路記録装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、自車両が走行した軌跡をユーザが新設道路として入力することにより、新設道路の追加を実現する技術が開示されている。また、特許文献2には、ユーザの入力の負担を軽減するために、マップマッチング機能を利用した新設道路の記録方法が開示されている。具体的には、マップマッチング機能を用いても、地図データ中の既存の道路のいずれにも自車両の現在位置がマッチしないとき、当該新設道路記録装置は、その走行軌跡を新設道路として記録する。
【特許文献1】特開平10−89975号公報
【特許文献2】特開2004−251790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、マップマッチング機能においては、自車両が新設道路を走行している場合であっても、自車両が既存の道路を走行していると誤って判定してしまうことが多々ある。したがって、マップマッチング機能のみを用いて新設道路を記録する場合、記録される親切道路が不正確なものになりがちである。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、従来にない新規な方法で、より正確に新設道路を記録する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明の第1の特徴は、自車両の存在位置を繰り返し特定する位置特定機能と、有料道路の料金自動収受システムの路側機(以下、システム路側機という)を個々に識別できる識別データを複数のシステム路側機分記憶する記憶媒体と、を有する新規道路記録装置についてのものである。
【0007】
この新規道路記録装置は、システム路側機と通信可能な無線通信手段が第1のシステム路側機と通信したとき、第1のシステム路側機が有料道路の入口用のものであり、かつ、第1のシステム路側機の識別データが当該記憶媒体に記憶されていないことを検出する第1検出機能と、第1検出機能による検出があった後に、無線通信手段が第2のシステム路側機と通信したとき、第2のシステム路側機が有料道路の出口用のものであることを検出する第2検出機能とを更に有する。そして、この新規道路記録装置は、第1検出機能による検出があってから第2検出機能による検出があるまでに特定した複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する。
【0008】
このように、新規道路記録装置は、有料道路の入口において記憶媒体にその識別データが記憶されていない第1のシステム路側機、すなわち新設のシステム路側機の検出を利用し、その新設のシステム路側機から第2のシステム路側機までの自車両の走行経路を新設道路として記録する。したがって、新設のシステム路側機の存在に基づいて新規な道路が特定されるので、従来よりも正確に新規道路を検出することができる。特に、当該新規道路の記録のうち、有料道路への入口、有料道路からの出口を正確に特定することができる。有料道路のデータにおいては、その入口および出口の位置が途中の位置よりも重要となる場合が多いので、この点においても本発明に係る新規道路記録装置は有利である。
【0009】
また、記憶媒体はさらに、複数の道路の位置データを記憶していてもよい。このとき、新規道路記録装置は、位置特定機能が特定した存在位置と、上記記憶媒体が記憶する複数の道路の位置データとの関係が所定の近接条件を満たす場合に、自車両が走行している道路を、前記複数の道路から1つ抽出し、また、当該関係が当該近接条件を満たさない場合に、複数の道路から1つを抽出できない旨を判定するという作動を、繰り返し実行する走行道路抽出機能を有していてもよい。この場合、新規道路記録装置は、第1検出機能の検出がある前に最後に走行道路抽出機能によって抽出された道路上の位置を、当該新規な道路に繋がる点として記録するようになっていてもよい。
【0010】
新設の有料道路がある場合、既存の道路から当該新設有料道路の入口に到るまでの導入路も新たに設けられる可能性が高い。上記のようにすることで、このような新設の導入路が、どの既存の道路に繋がっているか、すなわち、既存の道路のうち、どの道路から新規の有料道路に進入できるかが、わかりやすくなる。
【0011】
また、本発明の第2の特徴は、自車両の存在位置を繰り返し特定する位置特定機能と、システム路側機を個々に識別できる識別データを複数のシステム路側機分記憶すると共に、複数の道路の位置データを記憶する記憶媒体と、を有する新規道路記録装置についてのものである。
【0012】
この新規道路記録装置は、位置特定機能によって特定された存在位置と、上記記憶媒体が記憶する複数の道路の位置データとの関係が所定の近接条件を満たす場合に、自車両が走行している道路を、複数の道路から1つ抽出し、また、当該関係が当該近接条件を満たさない場合に、複数の道路から1つを抽出できない旨を判定するという作動を、繰り返し実行する走行道路抽出機能を有する。
【0013】
さらに新規道路記録装置は、システム路側機と通信可能な無線通信手段が第1のシステム路側機と通信したとき、第1のシステム路側機が有料道路の入口用のものであり、かつ、第1のシステム路側機の識別データが当該記憶媒体に記憶されていないことを検出する第1検出機能と、第1検出機能による検出があった後に、走行道路抽出機能において有料道路が初めて抽出されたことを検出する第2検出機能と、を有する。そして、新規道路記録装置は、第1検出機能の検出があってから第2検出機能の検出があるまでに特定された複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する。
【0014】
このように、新規道路記録装置は、有料道路の入口において記憶媒体にその識別データが記憶されていない第1のシステム路側機、すなわち新設のシステム路側機の検出を利用し、その新設のシステム路側機から既存の有料道路(すなわち、既にデータとして記録されている有料道路)への合流点までの自車両の走行経路を新設道路として記録する。したがって、新設のシステム路側機の存在に基づいて新規な道路が特定されるので、従来よりも正確に新規道路を検出することができる。特に、当該新規道路の記録のうち、有料道路への入口、および当該新規道路と既存の有料道路との合流点を正確に特定することができる。
【0015】
またこのとき、新規道路記録装置は、第1検出機能の検出がある前に最後に走行道路抽出機能が抽出した道路上の位置を、新規な道路に繋がる点として記録するようになっていてもよい。このようにすることで、このような新設の導入路が、どの既存の道路に繋がっているか、すなわち、既存の道路のうち、どの道路から新規の有料道路に進入できるかが、わかりやすくなる。
【0016】
また、本発明の第3の特徴は、自車両の存在位置を繰り返し特定する位置特定機能と、システム路側機を個々に識別できる識別データを複数のシステム路側機分記憶すると共に、複数の道路の位置データを記憶する記憶媒体と、を有する新規道路記録装置についてのものである。
【0017】
この新規道路記録装置は、位置特定機能によって特定された存在位置と、上記記憶媒体が記憶する複数の道路の位置データとの関係が所定の近接条件を満たす場合に、自車両が走行している道路を、複数の道路から1つ抽出し、また、当該関係が当該近接条件を満たさない場合に、複数の道路から1つを抽出できない旨を判定するという作動を、繰り返し実行する走行道路抽出機能を有する。
【0018】
この新規道路記録装置は、システム路側機と通信可能な無線通信手段が第1のシステム路側機と通信したとき、第1のシステム路側機が有料道路の出口用のものであり、かつ、第1のシステム路側機の識別データが当該記憶媒体に記憶されていないことを検出する第1検出機能と、第1検出機能による検出がある前に、走行道路抽出機能において有料道路が抽出されたことを検出する第2検出手段とを有している。
【0019】
そして、この新規道路記録装置は、第2検出機能による検出が最後にあってから第1検出機能による検出があるまでに位置特定機能が特定した複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する。
【0020】
このように、新規道路記録装置は、有料道路の出口において記憶媒体にその識別データが記憶されていないシステム路側機、すなわち新設のシステム路側機の検出を利用し、最後に既存の道路を離れてからその新設のシステム路側機までの自車両の走行経路を新設道路として記録する。したがって、新設のシステム路側機の存在に基づいて新規な道路が特定されるので、従来よりも正確に新規道路を検出することができる。特に、当該新規道路の記録のうち、有料道路の出口、および当該新規道路と既存の有料道路との分岐点を正確に特定することができる。
【0021】
また、本発明の第1の特徴は、自車両の存在位置を繰り返し特定する位置特定手段と、有料道路の料金自動収受システムの路側機(以下、システム路側機という)を個々に識別できる識別データを複数のシステム路側機分記憶する記憶媒体と、を備えた新規道路記録装置に用いるプログラムであって、システム路側機と通信可能な無線通信手段が第1のシステム路側機と通信したとき、前記第1のシステム路側機が有料道路の入口用のものであり、かつ、前記第1のシステム路側機の識別データが前記記憶媒体に記憶されていないことを検出する第1検出手段、前記第1検出手段による検出があった後に、前記無線通信手段が第2のシステム路側機と通信したとき、前記第2のシステム路側機が有料道路の出口用のものであることを検出する第2検出手段、および、前記第1検出手段の検出があってから前記第2検出手段の検出があるまでに前記位置特定手段が特定した複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する記録手段として、コンピュータを機能させるプログラム、としても捉えることができる。
【0022】
また、本発明の第2の特徴は、自車両の存在位置を繰り返し特定する位置特定手段と、有料道路の料金自動収受システムの路側機(以下、システム路側機という)を個々に識別できる識別データを複数のシステム路側機分記憶すると共に、複数の道路の位置データを記憶する記憶媒体と、を備えた新規道路記録装置に用いるプログラムであって、前記位置特定手段が特定した存在位置と、前記記憶媒体が記憶する前記複数の道路の位置データとの関係が所定の近接条件を満たす場合に、自車両が走行している道路を、前記複数の道路から1つ抽出し、また、前記関係が前記近接条件を満たさない場合に、複数の道路から1つを抽出できない旨を判定するという作動を、繰り返し実行する走行道路抽出手段、システム路側機と通信可能な無線通信手段が第1のシステム路側機と通信したとき、前記第1のシステム路側機が有料道路の入口用のものであり、かつ、前記第1のシステム路側機の識別データが前記記憶媒体に記憶されていないことを検出する第1検出手段、前記第1検出手段による検出があった後に、前記走行道路抽出手段において有料道路が初めて抽出されたことを検出する第2検出手段、および、前記第1検出手段の検出があってから前記第2検出手段の検出があるまでに前記位置特定手段が特定した複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する記録手段として、コンピュータを機能させるプログラム、としても捉えることができる。
【0023】
また、本発明の第3の特徴は、自車両の存在位置を繰り返し特定する位置特定手段と、有料道路の料金自動収受システムの路側機(以下、システム路側機という)を個々に識別できる識別データを複数のシステム路側機分記憶すると共に、複数の道路の位置データを記憶する記憶媒体と、を備えた新規道路記録装置に用いるプログラムであって、前記位置特定手段が特定した存在位置と、前記記憶媒体が記憶する前記複数の道路の位置データとの関係が所定の近接条件を満たす場合に、自車両が走行している道路を、前記複数の道路から1つ抽出し、また、前記関係が前記近接条件を満たさない場合に、複数の道路から1つを抽出できない旨を判定するという作動を、繰り返し実行する走行道路抽出手段、システム路側機と通信可能な無線通信手段が第1のシステム路側機と通信したとき、前記第1のシステム路側機が有料道路の出口用のものであり、かつ、前記第1のシステム路側機の識別データが前記記憶媒体に記憶されていないことを検出する第1検出手段、前記第1検出手段による検出がある前に、前記走行道路抽出手段において有料道路が抽出されたことを検出する第2検出手段、および、前記第2検出手段の検出が最後にあってから前記第1検出手段の検出があるまでに前記位置特定手段が特定した複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する記録手段として、コンピュータを機能させるプログラム、としても捉えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成図を示す。車両に搭載される車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、画像表示装置12、操作スイッチ群13、スピーカ14、ETC車載器15、地図データ取得部16、および制御回路17を有している。
【0025】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等の物理量センサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置(緯度、経度等)、向き、および速度等を示す情報を制御回路17に出力する。
【0026】
画像表示装置12は、制御回路17から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。操作スイッチ群13は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作に基づいた信号を制御回路17に出力する。
【0027】
ETC車載器15は、自車両がETC(料金自動収受システム)の路側機に接近したときに、当該ETC路側機と無線通信することで、自車両による有料道路の使用に応じて課される料金の算出および支払いのための処理を行う装置である。
【0028】
ETC路側機は、複数の有料道路の入口ゲートおよび出口ゲートにそれぞれ設置され、当該ゲートを通過する車両に搭載されたETC車載器15と、上述の算出および支払いのための通信を行う。ETC路側機は、自らを識別するための個別データとして、路側機毎に異なる値となっている路側機ID(または、料金所毎に異なるIDとなっている料金所ID)を記憶しており、記憶している自らの路側機ID(または料金所ID)を、通信相手のETC車載器に送信する。また、ETC路側機は、自らが入口ゲートに設置されているか、出口ゲートに設置されているかを区別することができる入口出口情報を記憶しており、この入口出口情報を、通信相手のETC車載器に送信する。なお、料金所とは、1つ以上のETCゲートを有する有料道路の入口全体または出口全体をいう。
【0029】
ETC車載器15は、ETC路側機と通信すると、通信相手のETC路側機から受けた路側機ID(または料金所ID)および入口出口情報を、制御回路17に出力する。これによって、ETC車載器15は、ETC路側機と通信した旨、および、その通信の位置が、有料道路の入口および出口のいずれであったかの情報を、制御回路17に伝えることができる。
【0030】
地図データ取得部16は、DVD、CD、HDD等の不揮発性の記憶媒体およびそれら記憶媒体に対してデータの読み出し(および可能ならば書き込み)を行う装置から成る。当該記憶媒体は、制御回路17が実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0031】
地図データは、道路データおよび施設データを有している。道路データは、リンクの位置情報(道路の位置データの一例に相当する)、種別(例えば有料道路か一般道路か等の別)情報、ノードの位置情報、種別情報、および、ノードとリンクとの接続関係の情報等を含んでいる。
【0032】
施設データは、施設毎のレコードを複数有しており、各レコードは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報(例えば、緯度および経度)、個別データを有している。施設としては、銀行、コンビニエンスストア、デパート、公園等に加え、ETC路側機がある。ここで、ETC路側機の個別データは、上述の路側機ID(または料金所ID)である。ETC路側機の個別データおよび所在位置情報のそれぞれが、識別データの一例に相当する。
【0033】
制御回路(コンピュータの一例に相当する)17は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、I/O等を有するマイコンである。CPUは、RAMまたは地図データ取得部16から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、および地図データ取得部16から情報を読み出し、RAMおよび(可能であれば)地図データ取得部16の記憶媒体に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、画像表示装置12、操作スイッチ群13、およびスピーカ14と信号の授受を行う。
【0034】
制御回路17がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、マップマッチング処理17a、経路案内処理17b、新設道路記録処理17c等がある。
【0035】
マップマッチング処理17aは、位置検出器11から出力された自車両の存在位置の座標と、地図データ中の複数のリンクの位置情報とに基づいて、自車両走行しているリンクを、地図データ中のリンクから1つ抽出し、さらに、そのリンク中のどの位置に自車両がいるかを特定する処理である。ただし、制御回路17は、マップマッチング処理17aにおいては、位置検出器11から受けた存在位置座標と、複数のリンクの位置情報との関係が所定の近接条件を満たす場合に限り、上述の抽出を実行し、当該関係が当該近接条件を満たさない場合、複数のリンクから1つを抽出できない旨、すなわち、マップマッチングができない旨の判定を行う。
【0036】
ここで、所定の近接条件とは、位置検出器11の検出による存在位置が、複数のリンクのいずれかに十分近いとみなせるための条件である。例えば、複数のリンクのうち、位置検出器11の検出による存在位置からの最短距離が最もリンクを最接近リンクとすると、最接近リンクから当該存在位置までの最短距離が基準距離未満であることが、当該近接条件であってもよい。なお、基準距離は、あらかじめ記憶された一定値であってもよいし、各種条件(例えば、リンクの幅員、リンクの密集度、位置検出器11の検出精度、車速)に基づいて変動する値であってもよいし、一定の範囲内でランダムに決まる値であってもよい。
【0037】
この例においては、当該近接条件が満たされている場合、抽出するリンクを最接近リンクとし、また、最接近リンクと上記自車両の存在位置との最短距離を構成する直線経路の、最接近リンク側の端点を、自車両が走行しているとしてもよい。
【0038】
経路案内処理17bは、誘導経路算出処理は、操作スイッチ群13からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出し、算出された誘導経路および現在位置等を地図データの示す地図上に重ねた画像を、画像表示装置12に出力し、案内交差点の手前に自車両が到達したとき等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声信号をスピーカ14に出力させる処理である。
【0039】
新設道路記録処理17cは、地図データに記録されていない新設の道路の存在を検出し、検出した新設道路の位置情報を地図データ取得部16の記憶媒体、制御回路17のフラッシュメモリ等に記録する処理である。この新設道路記録処理17cのために、制御回路17は、図2に示すプログラム100を繰り返し実行する。
【0040】
このプログラム100の実行において、制御回路17は、まずステップ105で、自車両が入口ETCゲートを通過したか否かを、ETC車載器15が入口ETC路側機と通信したか否かに基づいて判定する。ETC車載器15から、入口のETC路側機であることを示す入口出口情報を受けたことに基づいて、制御回路17は、ETC車載器15が入口ETC路側機と通信したと判定する。ステップ105の判定結果が肯定的である場合、続いてステップ110を実行し、否定的である場合、再度ステップ105を実行する。
【0041】
ステップ110では、通過した入口ETCゲートが新設のETCゲートであるか否かを判定する。新設であるか否かは、通過した入口ETCゲートにおける入口ETC路側機の識別データが、地図データ中の施設データに記録されているか否かによって判定する。ここで、通過した入口ETC路側機の識別データとは、その入口ETC路側機通過時における位置検出器11による存在位置のデータ、または、その入口ETC路側機通過時においてETC車載器15が出力した個別データをいう。このような識別データが、施設データ中の施設毎に1つある複数のレコードのうち、いずれか1つの個別データまたは所在位置情報と一致(個別データの場合は完全一致、所在位置情報の場合は所定の許容誤差範囲内で一致)する場合、通過した入口ETCゲートは既存のETCゲートとなり、一致しない場合、通過した入口ETCゲートは新設のETCゲートとなる。ステップ110の判定結果が肯定的な場合、続いてステップ115を実行し、否定的な場合、プログラム100の1回分の実行が終了する。
【0042】
ステップ115では、走行軌跡の記録を開始する。すなわち、位置検出器11から繰り返し出力される位置情報を、時系列に沿って蓄積する処理を開始する。続いてステップ120では、自車両が出口ETCゲートを通過したか否かを、ETC車載器15から出口である旨の入口出口情報を受けたか否かで判定する。自車両が出口ETCゲートを通過した場合、続いてステップ125を実行し、通過していない場合、続いてステップ130を実行する。
【0043】
出口ETCゲートを通過した後のステップ125では、ステップ115によって開始された蓄積処理によって記録された自車両の軌跡を、新設の有料道路の位置情報として、地図データ取得部16の記憶媒体または制御回路17のフラッシュメモリに記録し、その後プログラム100の実行を終了する。これによって、図3に示すように、ステップ105、110で通過が検出された入口ETC路側機34の位置から、ステップ120で通過が検出された出口ETC路側機35までの自車両の経路36が、新設の有料道路の位置情報として記録されることになる。
【0044】
出口ETCゲートを通過していない状態のステップ130では、位置検出器11による自車両の存在位置座標を記録する。続いてステップ135では、マップマッチング処理17aによって、位置検出器11による存在位置が、既存の有料道路、すなわち地図データ中の有料道路のリンクにマッチするか否かを判定する。この判定結果が肯定的な場合、続いてステップ140を実行し、否定的な場合、続いてステップ120を実行する。したがって、このステップ130の処理が、自車両が出口ETCゲートを通過するまで(ステップ120参照)、または、自車両の存在位置が既存の有料道路にマッチするまで(ステップ135参照)、繰り返されることで、ステップ115で開始された走行軌跡の記録が実現する。
【0045】
存在位置が既存の有料道路にマッチした後のステップ140では、ステップ115によって開始された蓄積処理によって記録された自車両の軌跡を、新設の有料道路の位置情報として、地図データ取得部16の記憶媒体または制御回路17のフラッシュメモリに記録し、その後プログラム100の実行を終了する。これによって、図4に示すように、ステップ105、110で通過が検出された入口ETC路側機34の位置から、ステップ135で自車両の現在位置がマッチした既存の有料道路37の合流点38までの自車両の経路39が、新設の有料道路の位置情報として記録されることになる。
【0046】
以上のようなプログラム100を制御回路17に実行させることで、車両用ナビゲーション装置1は、通過した入口ETCゲートが(ステップ105参照)新設の(すなわち地図データに記録されていない)ETCゲートである場合(ステップ110参照)、その新設ETCゲートを通過してから出口ETCゲートを通過する(ステップ120参照)までの期間、または、その新設ETCゲートを通過してからマップマッチング処理17aにより既存の(すなわち地図データ中に記録された)有料道路に初めてマッチされるまで(ステップ135参照)、位置検出器11による自車両の存在位置を逐次蓄積する(ステップ130参照)。
【0047】
そして、車両用ナビゲーション装置1は、出口ETCゲートを通過した後(ステップ120参照)または、既存の有料道路に存在位置がマッチされた後(ステップ135参照)、上述の通り蓄積した複数の存在位置を時系列に並べることで生成される軌跡を、新設の有料道路であるとして、地図データ取得部16の記憶媒体または制御回路17のフラッシュメモリに記録する(ステップ125、140参照)。
【0048】
このように、車両用ナビゲーション装置1は、有料道路の入口において地図データ中にその路側機ID(または料金所ID)または所在位置が記憶されていない入口ETC路側機(第1のシステム路側機の一例に相当する)、すなわち新設のETC路側機の検出を利用し、その新設のETC路側機から出口ETC路側機(第2のシステム路側機の一例に相当する)までの自車両の走行経路を新設道路として記録する。したがって、新設のETC路側機の存在に基づいて新規な道路が特定されるので、従来よりも正確に新規の有料道路を検出することができる。特に、当該新規道路の記録のうち、有料道路への入口、有料道路からの出口を正確に特定することができる。有料道路のデータにおいては、その入口および出口の位置が途中の位置よりも重要となる場合が多いので、この点においても本発明に係る新規道路記録装置は有利である。
【0049】
また、車両用ナビゲーション装置1は、有料道路の入口において地図データ中にその路側機ID(または料金所ID)または所在位置が記憶されていない入口ETC路側機(第1のシステム路側機の一例に相当する)、すなわち新設のETC路側機の検出を利用し、その新設のETC路側機から既存の有料道路(すなわち、既にデータとして記録されている有料道路)への合流点までの自車両の走行経路を新設の有料道路として記録する。したがって、新設のシステム路側機の存在に基づいて新規な道路が特定されるので、従来よりも正確に新規道路を検出することができる。特に、当該新規道路の記録のうち、有料道路への入口、および当該新規道路と既存の有料道路との合流点を正確に特定することができる。
【0050】
なお、図5に示すように、ステップ125、140において、制御回路17は、ステップ105、110で検出した新設の入口ETC路側機34から、その入口ETC路側機34を検出する前の期間においてマップマッチング処理17aによって現在位置がマッチした道路上31上の経路30の最後の点32、すなわち、最後に位置検出器11による所在位置がマッチした道路上の位置を、新設の道路に繋がる点(またはインターチェンジ)として、新設の道路の位置情報と共に記録するようになっていてもよい。このようにすることで、最後にマッチした位置32か入口ETC路側機34までの自車両の軌跡33、すなわち、既存の道路から新設の有料道路への導入路33が、どの既存の道路に繋がっているか、すなわち、既存の道路のうち、どの道路から新規の有料道路に進入できるかが、わかりやすくなる。
【0051】
また、制御回路17は、新設道路記録処理17cのために、図6に示すプログラム200を繰り返し実行する。このプログラム200の実行において、制御回路17は、まずステップ205で、自車両が既存の有料道路を走行しているか否かを判定する。自車両が既存の有料道路を走行していることの判定は、マップマッチング処理17aによって、位置検出器11による自車位置が地図データ中の有料道路にマッチしていることによって判定してもよい。また、自車両が既存の有料道路を走行していることの判定は、ETC車載器15が入口ETC路側機と通信した後、出口ETC路側機と通信していないことに基づいて判定してもよい。ステップ205の判定が肯定的な場合、続いてステップ210を実行し、否定的な場合、再度ステップ205を実行する。
【0052】
ステップ210では、自車両が出口ETCゲートを通過したか否かを、ステップ120と同じ処理で判定する。通過したと判定すると、続いてステップ240を実行し、通過していないと判定すると、続いてステップ215を実行する。ステップ215では、位置検出器11による自車位置、または、マップマッチング処理17aによって自車位置がマッチされた道路および当該道路上の位置、を算出する。
【0053】
続いてステップ220では、自車位置がステップ205で検出した既存の有料道路から外れているか否かを判定する。具体的には、マップマッチング処理17aによって、位置検出器11による存在位置が、当該既存の有料道路、すなわち地図データ中の有料道路のリンクにマッチすれば、ステップ220の判定結果は否定的になり、当該既存の有料道路にマッチしていなければ、ステップ220の判定結果は肯定的になる。この判定結果が肯定的な場合、続いてステップ225を実行し、否定的な場合、続いてステップ235を実行する。
【0054】
ステップ225では、現在走行軌跡を記録中であるか否かを判定し、記録中であれば再度ステップ210を実行し、記録中でなければ続いてステップ230で走行軌跡の記録を開始すると共にその後ステップ210を再度実行する。走行軌跡の記録が開始された後は、制御回路17は、ステップ215で繰り返し算出された現在位置を、時系列に沿って走行軌跡として、RAMまたはフラッシュメモリに蓄積する。
【0055】
ステップ235では、蓄積している走行軌跡があれば、その走行軌跡のデータを消去する。ステップ235の後、再度ステップ210を実行する。
【0056】
ステップ210で出口ETCゲートの通過を検出した後は、続いてステップ240で、その出口ETCゲートが新設のETCゲートであるか否かを判定する。新設であるか否かは、通過した出口ETCゲートにおける出口ETC路側機の識別データが、地図データ中の施設データに記録されているか否かによって判定する。このような識別データが、施設データ中の施設毎に1つある複数のレコードのうち、いずれか1つの個別データまたは所在位置情報と一致(個別データの場合は完全一致、所在位置情報の場合は所定の許容誤差範囲内で一致)する場合、通過した出口ETCゲートは既存のETCゲートとなり、一致しない場合、通過した出口ETCゲートは新設のETCゲートとなる。ステップ240の判定結果が肯定的な場合、続いてステップ245を実行し、否定的な場合、プログラム200の1回分の実行が終了する。
【0057】
ステップ245では、ステップ230によって開始されステップ215において継続された蓄積処理によって記録された自車両の軌跡を、新設の有料道路の位置情報として、地図データ取得部16の記憶媒体または制御回路17のフラッシュメモリに記録し、その後プログラム200の1回分の実行を終了する。
【0058】
以上のようなプログラム200を制御回路17に実行させることで、車両用ナビゲーション装置1は、自車両が既存の有料道路に入ってから(ステップ205参照)出口ETCゲートを出るまでの間に(ステップ210参照)、位置検出器11による存在位置がマップマッチング処理17aによって当該有料道路にマッチしなくなると(ステップ220参照)、それ以後の自車両の存在位置を時系列に沿って繰り返し記録していくことで、それ以後の自車両の軌跡を記録する(ステップ225、230参照)。
【0059】
ただし、位置検出器11による存在位置がマップマッチング処理17aによって当該有料道路に再度マッチすると(ステップ220参照)、それまでの軌跡の記録を破棄する(ステップ235参照)ので、記録されている軌跡は、位置検出器11による存在位置が最後に当該有料道路にマッチしなくなってからの軌跡となる。
【0060】
そして車両用ナビゲーション装置1は、自車両が出口ETCゲートを通過すると(ステップ210参照)、通過した出口ETCゲートが新設の(すなわち地図データに記録されていない)ETCゲートである場合(ステップ240参照)、その時点で記録されている軌跡を新設の有料道路として記録する(ステップ245参照)。
【0061】
このように、車両用ナビゲーション装置1は、有料道路の出口において、新設のETC路側機と通信したことを検出する第1検出機能と、第1検出機能による検出がある前に、走行道路抽出機能において有料道路が抽出されたことを検出する第2検出手段とを有している。
【0062】
そして、この車両用ナビゲーション装置1は、第2検出機能による検出が最後にあってから第1検出機能による検出があるまでに位置検出器11によって特定した複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する。
【0063】
このように、車両用ナビゲーション装置1は、新設の出口ETC路側機の検出を利用し、最後に既存の道路を離れてからその新設の出口ETC路側機までの自車両の走行経路を新設の有料道路として記録する。したがって、新設の出口ETC路側機の存在に基づいて新規な道路が特定されるので、従来よりも正確に新規道路を検出することができる。特に、当該新規道路の記録のうち、有料道路の出口、および当該新規道路と既存の有料道路との分岐点を正確に特定することができる。
【0064】
なお、上記実施形態においては、車両用ナビゲーション装置1が新規道路記録装置の一例に相当し、位置検出器11が位置特定手段の一例に相当し、ETC車載器15が無線通信手段の一例に相当し、地図データ取得部16が記憶媒体の一例に相当する。また、制御回路17が、マップマッチング処理17a用のプログラムを実行することで、走行道路抽出手段の一例として機能する。
【0065】
また、制御回路17が、プログラム100の実行において、ステップ105および110を実行することで第1検出手段の一例として機能し、ステップ120、135を実行することで第2検出手段の一例として機能し、ステップ125、130、140を実行することで記録手段の一例として機能する。
【0066】
また、制御回路17が、プログラム200の実行において、ステップ210および240を実行することで第1検出手段の一例として機能し、ステップ205、220を実行することで第2検出手段の一例として機能し、ステップ225、230、235、245を実行することで記録手段の一例として機能する。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0067】
例えば、通信相手のETC路側機が入口ゲート用のものであるか出口ゲート用のものであるかについては、入口出口情報に基づいて特定する必要は必ずしもない。例えば、制御回路17は、ETC路側機との通信を行ったときに、マップマッチング処理17aによって最後にマッチした道路が一般道路である場合に、当該ETC路側機を入口用のETC路側機であると特定するようになっていてもよい。また例えば、制御回路17は、ETC路側機との通信を行ったときに、マップマッチング処理17aによって最後にマッチした道路が有料道路である場合に、当該ETC路側機を出口用のETC路側機であると特定するようになっていてもよい。
【0068】
また、上記実施形態のように、車両用ナビゲーション装置がETC車載器の機能を兼ね備えていてもよいし、あるいは、車両用ナビゲーション装置がETC車載器の機能を有しておらずともよい。後者の場合、車両用ナビゲーション装置は、車両に別途搭載された外部機器としてのETC車載器から、上記の個別データおよび入口出口情報等を示す信号を受け付けるようになっていてもよい。
【0069】
また、上記実施形態のように、車両用ナビゲーション装置がETC車載器を兼ね備えていてもよいし、あるいは、車両用ナビゲーション装置が、ETC車載器を有しておらずともよい。後者の場合、車両用ナビゲーション装置は、車両に搭載された外部のETC車載器から、路側器ID(または料金所ID)、入口出口情報等の入力を受け付けるようになっていてもよい。
【0070】
また、上記の実施形態において、制御回路17がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【0071】
また、本発明の新規道路記録装置は、車両用ナビゲーション装置1に限らず、他の車載器として実現されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成図である。
【図2】制御回路17が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図3】新設の入口ETC路側機34から出口ETC路側機35までの間の自車両の経路36を示す概略図である。
【図4】新設の入口ETC路側機34から既存の有料道路37中の合流点38までの自車両の経路39を示す概略図である。
【図5】マップマッチング処理17aによって最後にマッチした位置32から入口ETC路側機34までの経路を示す概略図である。
【図6】制御回路17が実行するプログラム100のフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
1…車両用ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…画像表示装置、
13…操作スイッチ群、14…スピーカ、15…ETC車載器、
16…地図データ取得部、17…制御回路、17a…マップマッチング処理、
17b…経路案内処理、17c…新設道路記録処理、30…マップマッチした経路、
31…一般道路、32…最後のマップマッチ地点、
33…マップマッチしなかった経路、34…入口ETC路側機、
35…出口ETC路側機、36、39…経路、37…既存有料道路、38…合流点、
100、200…プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の存在位置を繰り返し特定する位置特定手段と、
有料道路の料金自動収受システムの路側機(以下、システム路側機という)を個々に識別できる識別データを複数のシステム路側機分記憶する記憶媒体と、
システム路側機と通信可能な無線通信手段が第1のシステム路側機と通信したとき、前記第1のシステム路側機が有料道路の入口用のものであり、かつ、前記第1のシステム路側機の識別データが前記記憶媒体に記憶されていないことを検出する第1検出手段と、
前記第1検出手段による検出があった後に、前記無線通信手段が第2のシステム路側機と通信したとき、前記第2のシステム路側機が有料道路の出口用のものであることを検出する第2検出手段と、
前記第1検出手段の検出があってから前記第2検出手段の検出があるまでに前記位置特定手段が特定した複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する記録手段と、を備えた新規道路記録装置。
【請求項2】
前記記憶媒体はさらに、複数の道路の位置データを記憶し、
当該新規道路記録装置は、前記位置特定手段が特定した存在位置と、前記記憶媒体が記憶する前記複数の道路の位置データとの関係が所定の近接条件を満たす場合に、自車両が走行している道路を、前記複数の道路から1つ抽出し、また、前記関係が前記近接条件を満たさない場合に、複数の道路から1つを抽出できない旨を判定するという作動を、繰り返し実行する走行道路抽出手段を備え、
前記記録手段は、前記第1検出手段の検出がある前に最後に前記走行道路抽出手段が抽出した道路上の位置を、前記新規な道路に繋がる点として記録することを特徴とする請求項1に記載の新規道路記録装置。
【請求項3】
自車両の存在位置を繰り返し特定する位置特定手段と、
有料道路の料金自動収受システムの路側機(以下、システム路側機という)を個々に識別できる識別データを複数のシステム路側機分記憶すると共に、複数の道路の位置データを記憶する記憶媒体と、
前記位置特定手段が特定した存在位置と、前記記憶媒体が記憶する前記複数の道路の位置データとの関係が所定の近接条件を満たす場合に、自車両が走行している道路を、前記複数の道路から1つ抽出し、また、前記関係が前記近接条件を満たさない場合に、複数の道路から1つを抽出できない旨を判定するという作動を、繰り返し実行する走行道路抽出手段と、
システム路側機と通信可能な無線通信手段が第1のシステム路側機と通信したとき、前記第1のシステム路側機が有料道路の入口用のものであり、かつ、前記第1のシステム路側機の識別データが前記記憶媒体に記憶されていないことを検出する第1検出手段と、
前記第1検出手段による検出があった後に、前記走行道路抽出手段において有料道路が初めて抽出されたことを検出する第2検出手段と、
前記第1検出手段の検出があってから前記第2検出手段の検出があるまでに前記位置特定手段が特定した複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する記録手段と、を備えた新規道路記録装置。
【請求項4】
前記記録手段は、前記第1検出手段の検出がある前に最後に前記走行道路抽出手段が抽出した道路上の位置を、前記新規な道路に繋がる点として記録することを特徴とする請求項3に記載の新規道路記録装置。
【請求項5】
自車両の存在位置を繰り返し特定する位置特定手段と、
有料道路の料金自動収受システムの路側機(以下、システム路側機という)を個々に識別できる識別データを複数のシステム路側機分記憶すると共に、複数の道路の位置データを記憶する記憶媒体と、
前記位置特定手段が特定した存在位置と、前記記憶媒体が記憶する前記複数の道路の位置データとの関係が所定の近接条件を満たす場合に、自車両が走行している道路を、前記複数の道路から1つ抽出し、また、前記関係が前記近接条件を満たさない場合に、複数の道路から1つを抽出できない旨を判定するという作動を、繰り返し実行する走行道路抽出手段と、
システム路側機と通信可能な無線通信手段が第1のシステム路側機と通信したとき、前記第1のシステム路側機が有料道路の出口用のものであり、かつ、前記第1のシステム路側機の識別データが前記記憶媒体に記憶されていないことを検出する第1検出手段と、
前記第1検出手段による検出がある前に、前記走行道路抽出手段において有料道路が抽出されたことを検出する第2検出手段と、
前記第2検出手段の検出が最後にあってから前記第1検出手段の検出があるまでに前記位置特定手段が特定した複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する記録手段と、を備えた新規道路記録装置。
【請求項6】
自車両の存在位置を繰り返し特定する位置特定手段と、
有料道路の料金自動収受システムの路側機(以下、システム路側機という)を個々に識別できる識別データを複数のシステム路側機分記憶する記憶媒体と、を備えた新規道路記録装置に用いるプログラムであって、
システム路側機と通信可能な無線通信手段が第1のシステム路側機と通信したとき、前記第1のシステム路側機が有料道路の入口用のものであり、かつ、前記第1のシステム路側機の識別データが前記記憶媒体に記憶されていないことを検出する第1検出手段、
前記第1検出手段による検出があった後に、前記無線通信手段が第2のシステム路側機と通信したとき、前記第2のシステム路側機が有料道路の出口用のものであることを検出する第2検出手段、および、
前記第1検出手段の検出があってから前記第2検出手段の検出があるまでに前記位置特定手段が特定した複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する記録手段として、コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項7】
自車両の存在位置を繰り返し特定する位置特定手段と、
有料道路の料金自動収受システムの路側機(以下、システム路側機という)を個々に識別できる識別データを複数のシステム路側機分記憶すると共に、複数の道路の位置データを記憶する記憶媒体と、を備えた新規道路記録装置に用いるプログラムであって、
システム路側機と通信可能な無線通信手段が特定した存在位置と、前記記憶媒体が記憶する前記複数の道路の位置データとの関係が所定の近接条件を満たす場合に、自車両が走行している道路を、前記複数の道路から1つ抽出し、また、前記関係が前記近接条件を満たさない場合に、複数の道路から1つを抽出できない旨を判定するという作動を、繰り返し実行する走行道路抽出手段、
前記無線通信手段が第1のシステム路側機と通信したとき、前記第1のシステム路側機が有料道路の入口用のものであり、かつ、前記第1のシステム路側機の識別データが前記記憶媒体に記憶されていないことを検出する第1検出手段、
前記第1検出手段による検出があった後に、前記走行道路抽出手段において有料道路が初めて抽出されたことを検出する第2検出手段、および、
前記第1検出手段の検出があってから前記第2検出手段の検出があるまでに前記位置特定手段が特定した複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する記録手段として、コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項8】
自車両の存在位置を繰り返し特定する位置特定手段と、
有料道路の料金自動収受システムの路側機(以下、システム路側機という)を個々に識別できる識別データを複数のシステム路側機分記憶すると共に、複数の道路の位置データを記憶する記憶媒体と、を備えた新規道路記録装置に用いるプログラムであって、
前記位置特定手段が特定した存在位置と、前記記憶媒体が記憶する前記複数の道路の位置データとの関係が所定の近接条件を満たす場合に、自車両が走行している道路を、前記複数の道路から1つ抽出し、また、前記関係が前記近接条件を満たさない場合に、複数の道路から1つを抽出できない旨を判定するという作動を、繰り返し実行する走行道路抽出手段、
システム路側機と通信可能な無線通信手段が第1のシステム路側機と通信したとき、前記第1のシステム路側機が有料道路の出口用のものであり、かつ、前記第1のシステム路側機の識別データが前記記憶媒体に記憶されていないことを検出する第1検出手段と、
前記第1検出手段による検出がある前に、前記走行道路抽出手段において有料道路が抽出されたことを検出する第2検出手段、および、
前記第2検出手段の検出が最後にあってから前記第1検出手段の検出があるまでに前記位置特定手段が特定した複数の存在位置に基づいて、自車両の走行軌跡を、新規な道路の位置データとして記録する記録手段として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−128692(P2008−128692A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311040(P2006−311040)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】