説明

施設案内装置、施設案内方法、施設案内システムおよびプログラム

【課題】ユーザが選択した目的地とする施設が、提携駐車場を有さない場合であっても、目的施設周辺の提携駐車場を有する目的施設とは異なる他の施設を利用することで、割引サービスが受けることができる施設案内装置、施設案内方法、施設案内システム、およびプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】施設情報と提携駐車場情報を記憶した記憶部110を備えた施設案内装置1であって、提携駐車場有無判断部103が、施設情報を用いて目的施設に提携駐車場があるか否かを判断する。当該目的施設が提携駐車場を有さない場合に、周辺提携駐車場検索部104が、当該目的施設周辺の他の施設と提携する提携駐車場の提携駐車場情報を検索し、制御部100が、他の施設と提携する駐車場の名称およびその提携駐車場の提携先の施設の名称を、表示部130を介して表示させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設案内装置、施設案内方法、施設案内システムおよびプログラムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの嗜好・目的に合わせた目的地を検索する施設検索機能は、車載用のナビゲーション装置や、通信端末などにより提供される情報検索に広く用いられている。しかし、目的地への移動に自動車を用いる場合、目的地に到着すると駐車場が必要となる。
ユーザは、目的地としている施設と提携している駐車場に駐車した場合、駐車料金の割引サービスを受けることができるという利点がある。
そこで、ユーザが選択した目的地とする施設の提携駐車場の有無情報を検索し、提携駐車場がある場合には、提携駐車場情報を表示し、提携駐車場がない場合には、選択した施設の周辺に存在する駐車場を検索して表示する施設案内装置が提示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−227291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ユーザが選択した目的地とする施設が、提携駐車場を持たない場合は、目的施設と提携していない駐車場を利用することとなり、駐車料金の割引サービスを受けることができない。
【0004】
またユーザは、ユーザ自身が頻繁に利用する地域の施設であれば、提携駐車場を有さない目的施設の近傍に、目的施設以外の施設と提携している駐車場の存在を知っていることがある。その場合にユーザは、その提携駐車場に駐車し、本来の目的施設を利用した後に、その提携駐車場と提携する施設に立ち寄ることで、駐車料金の割引サービスを受けることができる。しかし、目的施設の周辺にある施設に詳しくない場合、適切な提携駐車場とその提携先の施設を見つけるのは、ユーザにとっては難しいものとなる。
【0005】
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、目的施設が提携駐車場を持たない場合であっても、目的施設周辺の提携駐車場とその提携先の施設をユーザに提示する施設案内装置、施設案内方法、施設案内システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の施設案内装置、施設案内方法、施設案内システムおよびプログラムは、記憶部に記憶された施設情報を検索し、目的施設が提携駐車場を有するか否かを判断し、当該目的施設が提携駐車場を有さないと判断した場合には、目的施設周辺に存在する目的施設とは異なる他の施設が提携している提携駐車場の提携駐車場情報を検索することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、目的施設が提携駐車場を持たない場合であっても、目的施設周辺の提携駐車場とその提携先の施設をユーザに提示する施設案内装置、施設案内方法、施設案内システムおよびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明を実施するための最良の形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る施設案内装置の構成例を示す機能ブロック図である。
施設案内装置1は、施設と提携駐車場に関する情報を記憶した記憶部110、ユーザの操作を入力する入力部120、施設案内装置1を制御するために各種の処理を行う制御部100、制御部により処理された結果を表示する表示部130とを有する。
【0010】
記憶部110は、図2に示すように、少なくとも施設名称、施設位置情報(場所)、および提携駐車場の有無情報を含んだ施設情報である施設テーブル200と、少なくとも提携駐車場名称、提携駐車場位置情報(場所)、および提携先の施設の名称(提携する施設を識別するための提携先施設ID)を含んだ提携駐車場情報である提携駐車場テーブル250とを記憶している。
【0011】
施設テーブル(施設情報)200は、図2(a)に示すように、施設位置情報(場所)201、施設ID202、施設名称203、提携駐車場有無情報204、施設カテゴリ205、施設営業時間206などの施設に関する情報が記憶される。この他に、施設の住所や、電話番号などの情報を含めることができる。
【0012】
提携駐車場テーブル(提携駐車場情報)250は、図2(b)に示すように、提携駐車場位置情報(場所)251、駐車場を識別するための駐車場ID252、提携駐車場と提携関係にある施設を識別するための提携先施設ID253、提携駐車場名称254、駐車場営業時間255、駐車料金256、割引サービス257などの提携駐車場に関する情報が記憶される。この他に、駐車可能な自動車の大きさの制限(例えば、高さ2m以内)、駐車台数などの情報を含めることができる。
【0013】
入力部120(図1参照)は、目的地を検索する手掛かりとなる名称や施設のカテゴリ、住所などをユーザにより入力する機能を有し、タッチパネルやキーボードなどにより実現される。
【0014】
制御部100は、図1に示すように、施設情報検索部102、提携駐車場有無判断部103、周辺提携駐車場検索部104、推薦情報生成部105、および一時記憶部101を有する。
【0015】
施設情報検索部102は、記憶部110に記憶された施設テーブル200を用いて、ユーザが入力部120によって入力した目的施設を検索する機能を有する。例えば、施設名称をもとに目的施設を検索する場合、施設情報検索部102は、ユーザが入力した施設名称と一致するデータを、施設テーブル200の施設名称203において検索する。そして、検索された情報と関連付けられている他の施設情報である施設位置情報201や施設ID202などを取得する機能を持つ。
【0016】
提携駐車場有無判断部103は、記憶部110に記憶された施設テーブル200の提携駐車場有無情報204を取得し、目的施設と提携している提携駐車場があるか否かを判断する機能を有する。
【0017】
周辺提携駐車場検索部104は、目的施設周辺に存在する目的施設とは異なる他の施設が提携している提携駐車場を検索する機能を持つ。具体的には、記憶部110に記憶された施設テーブル200の施設位置情報201と、提携駐車場テーブル250の提携駐車場位置情報251とに基づき、目的施設から所定の距離の範囲内にある提携駐車場を検索する機能を有する。
【0018】
推薦情報生成部105は、記憶部110に記憶された施設情報と提携駐車場情報を用いて、立ち寄り施設として適切な提携駐車場と目的施設とは異なる他の施設とをユーザに選択させるための推薦情報を生成する機能を有する。
【0019】
また、推薦情報生成部105は、経路長算出部106を備えている。
経路長算出部106は、記憶部110に記憶された施設テーブル200の施設位置情報201から、目的施設と目的施設とは異なる他の施設の位置情報を取得し、提携駐車場テーブル250の提携駐車場位置情報251から提携駐車場の位置情報を取得して、目的施設、他の施設、提携駐車場をユーザが回る際の距離である経路長の合計を算出する機能を有する。
【0020】
一時記憶部101は、記憶部110から読み出された施設情報や提携駐車場情報を一時的に記憶しておくための記憶手段であり、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。
【0021】
表示部130は、制御部100で処理された情報を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイなどで構成される。また、視覚による提示だけでなく、文字情報を音声に変換してユーザに提示する構成にすることもできる。
【0022】
次に、図1〜図2を参照しつつ、図3に沿って、本実施形態に係る施設案内装置が行う処理の流れを説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る施設案内装置1において、目的施設が設定されてから、提携駐車場とその提携駐車場の提携先である施設(目的施設とは異なる他の施設)の推薦情報をユーザに対して提示するまでのフローチャートである。
【0023】
まず、ユーザが目的地とする施設を検索する(ステップS301)。
具体的には、目的地とする施設の情報、例えば、施設名称、住所、施設の属するカテゴリなどを、ユーザが入力部120において入力する(ユーザが利用を目的としている施設が指定させる)。すると、施設情報検索部102は、例えば、施設名称が入力された場合であれば、記憶部110内の施設テーブル200において、施設名称203を検索することで、該当する施設を探し出す。そして、検索された目的施設に関する施設情報である施設位置情報201や施設ID202などの関連情報を一時記憶部101に記憶する。
【0024】
次に、提携駐車場有無判断部103は、施設情報検索部102の検索結果により、一時記憶部101に記憶された目的施設の施設情報から、提携駐車場有無情報204を参照することで、目的施設が提携駐車場を有するか否かを判断する(ステップS302)。
また、提携駐車場有無判断部103は、施設情報検索部102で得た目的施設の施設情報から、施設ID202を取得し、記憶部110内の提携駐車場テーブル250の提携先施設ID253を検索する。ここで、施設ID202と提携先施設ID253は、同一の施設に対しては同一のID番号が付されて登録されている。よって、施設ID202と同じID番号が、提携先施設ID253において検出されれば、その目的施設は提携駐車場があると判断し、同じID番号が検出されなければ、提携駐車場を有さないと判断することができる。
【0025】
ステップS302の結果、目的施設に提携駐車場がある場合(ステップS302→Yes)、制御部100は、目的施設の提携駐車場を表示部130に表示して(ステップS309)、処理を終了する。
ステップS302の結果、目的施設が提携駐車場を有さない場合(ステップS302→No)、周辺提携駐車場検索部104は、目的施設周辺に存在する他の施設が有する提携駐車場を検索する(ステップS303)。
【0026】
図4(a)は、ステップS303の検索結果を概念図として表したものである。ここでは、目的施設をAとし、その位置情報を(X,Y)としている。ステップS303では、A(X,Y)を中心とした所定距離を半径とする円400の内部に存在する目的施設とは異なる他の施設が提携する提携駐車場を検索する。
周辺提携駐車場検索部104は、記憶部110内の提携駐車場テーブル250の提携駐車場位置情報251から、円400の内部に入る座標を検索する。検索の結果、所定距離内において提携駐車場が一件も見つからなかった場合(ステップS304→No)には、処理を終了する。
一方、所定距離内において提携駐車場が見つかった場合(ステップS304→Yes)は、検出された提携駐車場の提携駐車場位置情報251、提携先施設ID253、提携駐車場名称254などの提携駐車場情報を取得し、一時記憶部101に記憶させる。
図4(a)は、目的施設から所定距離の円400の内部に、提携駐車場P1〜P5が存在している例を示している。
【0027】
次に、周辺提携駐車場検索部104は、ステップS303で取得した提携駐車場情報のうち、提携先施設ID253をもとに施設情報を検索する(ステップS305)。すなわち、提携駐車場テーブル250の提携先施設ID253と一致するID番号を施設テーブル200の施設ID202において検索する。検索の結果、検出された目的施設とは異なる他の施設の施設情報を一時記憶部101に記憶させる。
図4(b)は、ステップS305の検索結果を概念図として表したものである。提携駐車場P1とP5の提携先の施設がF3、提携駐車場P2とP3の提携先の施設がF2、提携駐車場P4の提携先の施設がF1である例を示している。
【0028】
次に、ステップS301で検出された目的施設、ステップS305で検出された目的施設とは異なる他の施設、およびステップS303で検出された提携駐車場とをユーザが回る際の距離である経路長を算出する(ステップS306)。
【0029】
経路長を算出する具体的なフローチャートを図5に示す。
経路長算出部106は、まず、目的施設の位置情報を取得する(ステップS501)。これは図3のステップS301で一時記憶部101に記憶した目的施設の施設位置情報201を読み出すことによって行われる。
【0030】
次に、経路長算出部106は、目的施設とは異なる他の施設の位置情報を取得する(ステップS502)。これは、図3のステップS305で一時記憶部101に記憶した他の施設の施設位置情報201を読み出すことによって行われる。
【0031】
さらに、経路長算出部106は、提携駐車場の位置情報を取得する(ステップS503)。これは図3のステップS303で一時記憶部101に記憶した提携駐車場の提携駐車場位置情報251を読み出すことによって行われる。
【0032】
そして、経路長算出部106は、ステップS501〜S503で読み出した位置情報から、目的施設、他の施設、提携駐車場の3つを回る際の経路長を算出する(ステップS504)。
図4(c)は、ユーザが、目的施設、他の施設、提携先駐車場を回る経路を概念図として示したものである。例えば、提携駐車場P1に駐車したユーザは、目的施設A、他の施設F3を経由して提携駐車場P1に戻る経路を表している。ここで各2点間の距離はxy座標から3平方の定理を用いて求めることができ、矢印(→)で示された2地点間の直線距離を合計することで経路長を算出することができる。
【0033】
図3に戻りステップS306で経路長が算出されると、推薦情報生成部105は、一時記憶部101に記憶した提携駐車場情報と施設情報に加えて、目的施設、他の施設、提携先駐車場を回る経路長の合計である経路長情報を追加した推薦情報を生成する(ステップS307)。
推薦情報は、図6に示すように、目的施設とは異なる他の施設の施設情報と提携駐車場情報とが提携先施設ID253を介して関連付けられた情報であり、経路長算出部106によって算出された経路長の合計である経路長情報601を含んで構成される。
【0034】
そして、ステップS307の結果、推薦情報生成部105により生成された推薦情報は、表示部においてユーザに提示される(ステップS308)。
図7は、表示部において表示された推薦情報の一例である。目的施設とは異なる他の施設と提携駐車場とが組となって表示され、施設名称203、施設営業時間206や、提携駐車場名称254、駐車料金256、割引サービス257、立ち寄り距離などを表示する。ここで立ち寄り距離は、目的施設、他の施設、提携先駐車場をユーザが回る際の経路長の合計である経路長情報601を示している。
【0035】
このようにすることで、目的施設に提携駐車場がない場合であっても、ユーザは推薦情報の表示から、立ち寄り距離や割引サービスなどの情報をもとに他の施設と提携駐車場を選択でき、目的地周辺の目的施設とは異なる他の施設が有する提携駐車場を利用することで、割引サービスを受けることができるようになる。
【0036】
また、推薦情報生成部105により生成され、目的施設とは異なる他の施設と提携駐車場の組み合わせで示された推薦情報が、多数検出される場合も考えられる。その場合には、図8(a)に示すように、ユーザの嗜好に沿ったカテゴリの他の施設を選択できるようにし、多数検出された推薦情報を絞り込む構成とすることもできる。
また、検出件数が多い場合には、目的施設と同じカテゴリの他の施設の推薦情報を優先して表示させる構成にすることもできる。図8(b)は、目的施設の施設カテゴリが「デパート」である場合に、施設カテゴリが「本屋」である施設F3は表示せず、施設カテゴリが目的施設と同じ「デパート」である施設F1と施設F2のみを表示していることを示している。
【0037】
このようにすることで、推薦情報生成部105により生成された推薦情報が、多数検出された場合であっても、ユーザの嗜好にあった他の施設を提示することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る施設案内装置の構成例を示す機能ブロック図である。
第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、同一の機能を有するものとして説明を省略する。
【0039】
図9に示すように、第2の実施形態に係る施設案内装置9は、第1の実施形態を示す図1の施設案内装置1に備えられた、制御部100、記憶部110、入力部120、表示部130に加えて、道路情報記憶部940、GPS受信部950、および通信部960を有している。
【0040】
道路情報記憶部940は、道路の形状を道路リンクと呼ばれる線分の集合で表現し、各道路リンクの始点と終点の地図上の座標を記憶している。さらに、道路リンクを通過する際に経過に要する時間(旅行時間と呼ぶ)を各道路リンクごとに記憶しているものである。各道路リンクにはID番号が割り当てられており、ID番号を指定することで、道路リンクの始点・終点の座標と旅行時間の情報を読み出すことができる。また、道路情報を用いて出発座標と到着座標を結ぶ道路リンクの組み合わせを求め、その道路リンクの長さを合計することで、道路に沿った経路長の合計を算出することができる。
【0041】
GPS受信部950は、複数の衛星から電波信号を受信し、各衛星の信号受信のタイミングの差から受信機の存在する位置を算出する。
また、通信部960は、駐車場の満車・空車に関する情報を無線通信により送受信する機能を有する。
【0042】
さらに、推薦情報生成部105は、第1の実施形態に係る施設案内装置1で備えられた経路長算出部106に加えて、旅行時間算出部907と駐車場利用状況取得部908とを有している。
【0043】
旅行時間算出部907は、道路情報記憶部940に記憶された道路情報を用いて、出発地点から到達地点まで移動する際の所要時間を求める機能を持つ。
具体的には、まず、出発地点から到着地点までの経路を探索する。検索方法は、出発地点と到着地点の両座標から最も近い道路上の座標を道路情報記憶部940から探し出す。そして、出発地点に最も近い道路上の座標(出発座標)から、到着地点に最も近い道路上の座標(到着座標)へ向かう際の道路の経路を探索する。経路を探索すると、探索された経路を構成する各道路リンクの旅行時間を、道路情報記憶部940から読み出す。そして、各道路リンクの旅行時間の合計が目的地までの所要時間となる。
【0044】
駐車場利用状況取得部908は、通信部960を介して、提携駐車場の満車・空車情報を取得する機能を有する。駐車場利用状況取得部908が、満車・空車情報を取得することにより、提携駐車場が満車でありユーザが利用できない状況であれば、満車であることを明示した推薦情報を生成したり、満車である提携駐車場を推薦情報として提示しないことができる。
【0045】
次に第2の実施形態に係る施設案内装置9が行う処理の流れを説明する。
第2の実施形態において、目的施設の設定から、提携駐車場とその提携駐車場と提携する施設の推薦情報をユーザに対し提示する全体の流れは、第1の実施形態における図3のフローチャートと同一である。第1の実施形態に係る施設案内装置1との違いは、後述するように、道路情報記憶部940に記憶された道路情報を用いて、経路長算出部106が実際にユーザが歩くこととなる道路に沿った経路長を算出する点、また、推薦情報生成部105が、施設への到着予定時刻に関する情報、満車・空車情報を処理した上で推薦情報を生成する点である。
【0046】
図10は、図3のステップS306に相当する経路長合計を算出する流れを、施設案内装置9が行う場合のフローチャートを示したものである。
まず、経路長算出部106が、目的施設と目的施設周辺に存在する目的施設とは異なる他の施設との間の経路長を算出する(ステップS1001)。
具体的には、経路長算出部106は、一時記憶部101に記憶された施設テーブル200から、目的施設と他の施設の施設位置情報201を読み出し、次に道路情報記憶部940において、目的施設の座標に最も近い道路上の座標(出発座標)から、他の施設の座標に最も近い道路上の座標(到着座標)へ向かう際の道路の経路を検索し、各道路リンク間の距離を合計することで、目的施設と他の施設の間の経路長を算出する。
【0047】
次に、経路長算出部106は、他の施設と提携駐車場との間の経路長を算出する(ステップS1002)。
経路長算出部106は、一時記憶部101に記憶された、施設テーブル200から他の施設の施設位置情報201を読み出し、提携駐車場テーブル250から、提携駐車場位置情報251を読み出す。次に、道路情報記憶部940の道路情報を用いて、ステップS1001と同様の処理を行い、他の施設から提携駐車場へ向かう際の道路の経路を検索し、各道路リンク間の距離を合計することで、経路長を算出する。
【0048】
さらに、経路長算出部106は、提携駐車場と目的施設との間の経路長を算出する(ステップ1003)。
経路長算出部106は、一時記憶部101から提携駐車場位置情報251と目的施設の施設位置情報201を読み出す。次に、ステップS1001と同様の処理を行い、提携駐車場から目的施設へ向かう際の道路の経路を検索し、各道路リンク間の距離を合計することで、経路長を算出する。
【0049】
ステップS1001〜ステップ1003で求めた3つの経路長を合計することで、ユーザが、目的施設、他の施設、提携駐車場を回る際の道路に沿った経路長の合計値を算出する(ステップS1004)。
【0050】
そして、経路長算出部106は、他の施設が有するすべての提携駐車場について経路長合計を求めたかを判断する(ステップS1005)。経路長が合計されていない提携駐車場がある場合には(ステップS1005→No)、ステップS1002へ戻り、経路長算出処理が続けられる。すべての提携駐車場について経路長合計が求められた場合には(ステップS1005→Yes)、ステップS1006へと進み処理される。
【0051】
次に、経路長算出部106は、すべての他の施設について経路長合計を求めたかを判断する(ステップS1006)。経路長が合計されていない他の施設がある場合には(ステップS1006→No)、ステップS1001に戻り経路長算出処理が続けられる。すべての他の施設について経路長合計が求められた場合には(ステップS1006→Yes)、経路長算出の処理を完了し、推薦情報を生成する処理に進む(図3のステップS307)。
【0052】
このようにすることで、ユーザが立ち寄ることとなる、目的施設、他の施設、提携駐車場を回る際の道路に沿った経路で経路長合計を求め、その経路長情報をユーザに提示することができる。
【0053】
次に、施設案内装置9における図3のステップS307として、推薦情報を生成する処理について説明する。
【0054】
図11は、提携駐車場の満車・空車情報を施設案内装置9が取得する場合の構成例を示す機能ブロック図である。このシステムは、満車・空車情報を受信する施設案内装置9と、駐車場情報配信センタ1100と、満車・空車情報を送信する通信手段を備えた駐車場A1110、駐車場B1120、駐車場C1130…とで構成される。
【0055】
施設案内装置9は、満車・空車情報を取得するための通信部960を備えている。推薦情報生成部105が有する駐車場利用状況取得部908が、通信部960を介して満車・空車情報を取得する。
【0056】
駐車場情報配信センタ1100は、各駐車場から満車・空車情報を受信する駐車場情報通信部1101と、駐車場情報通信部1101を介して受信した満車・空車情報を記憶する駐車場情報記憶部1102と、駐車場情報記憶部1102に記憶された満車・空車情報を施設案内装置9に送信するためのセンタ通信部1103とから構成される。
【0057】
また、駐車場A1110、駐車場B1120、駐車場C1130…は、駐車場の満車・空車情報を駐車場の料金メータなどから取得する駐車場監視部1111、1121、1131と、満車・空車情報を送信するための駐車場通信部1112、1122、1132とを有する。
【0058】
各駐車場1110、1120、1130は、駐車場通信部1112、1122、1132から、数分間から数十分程度の周期で駐車場情報配信センタ1100に満車・空車情報を送信する。満車・空車情報を受信すると、駐車場配信センタ1100は、駐車場情報記憶部1102に、各駐車場の満車・空車情報を、駐車場を識別するための駐車場IDで検索できるデータとして記憶しておく。
【0059】
施設案内装置9の駐車場利用状況取得部908は、提携駐車場の満車・空車情報を得るために、一時記憶部101に記憶された提携駐車場テーブル250の駐車場ID252を検索キーとするデータを、駐車場情報配信センタ1100に送信する。次に、駐車場情報配信センタ1100は、該当する駐車場IDを有する駐車場を駐車場情報記憶部1102において検索し、その駐車場の満車・空車情報を施設案内装置9に送信する。そして、駐車場利用状況取得部908は、通信部960を介して提携駐車場の満車・空車情報を得ることができる。
【0060】
施設案内装置9が、推薦情報を生成するため、到達予定時刻に関する情報と満車・空車情報とを処理するステップを図12に示す。
【0061】
まず、ステップS1201において、推薦情報生成部105は、目的施設への到達予定時刻を取得する。
施設案内装置9では、GPS受信部950が算出した現在位置を出発地点とし、旅行時間算出部907が、道路情報記憶部940に記憶した道路情報をもとに、目的地までの旅行時間を、各道路リンクの旅行時間を合計することにより求めることができる。推薦情報生成部105は、図示しないタイマ部を有し、現在位置の出発時刻に旅行時間算出部907が算出した旅行時間を加えた時間を、到達予定時刻として取得する。
また、ユーザが到達予定時刻を入力部120を介して入力する構成とすることもできる。
【0062】
次に、推薦情報生成部105は、ステップ1201で取得した到達予定時刻が営業時間外となる他の施設、提携駐車場が存在するかを検索する(ステップS1202)。これは、到達予定時刻が、施設テーブル200において該当する他の施設の施設営業時間206内に入っているか、また、提携駐車場テーブル250において該当する提携駐車場の駐車場営業時間255内に入っているかどうかで判断することができる。
ステップS1202において、到達予定時刻が営業時間外になる他の施設、提携駐車場が存在すると判断された場合は(ステップS1202→Yes)、該当する他の施設、提携駐車場が営業時間外であるとして変更した推薦情報を生成する。
また、到達予定時刻が営業時間外になる他の施設、提携先駐車場が存在しない場合は(ステップS1202→No)、ステップS1204の処理に進む。
【0063】
次に、駐車場利用状況取得部908は、通信部960を介して提携駐車場の満車・空車情報を取得する(ステップS1204)。
ステップS1204において、推薦情報生成部105は、該当する提携駐車場のうち、満車状態である提携駐車場が存在する場合は(ステップS1205→Yes)、満車情報を加えて、変更した推薦情報を生成する。
また、満車状態である提携駐車場が存在しない場合は(ステップS1205→No)、処理を終え、推薦情報を表示する処理に移る(図3のステップS308)。
【0064】
図13(a)は、推薦情報生成部105が、到達予定時刻に関する情報と満車・空車情報とを処理した上で、推薦情報を生成し、表示部130において表示した例である。P4駐車場は、到達予定時刻では、営業時間外であることを示している(1301)。また、P5駐車場は、営業時間内ではあるが、満車状態であることを示している(1302)。
また、図13(b)は、他の施設と提携駐車場との両方が利用可能な場合のみ推薦情報として表示するようにした例である。施設F1と提携しているP4駐車場は、営業時間外であったため、推薦情報としての表示自体を削除している。また、P5駐車場は、満車状態のため表示を削除した構成であることを示している。
【0065】
このようにすることで、ユーザが目的施設に到着する時間、満車・空車情報を考慮し、実際にユーザが利用可能な他の施設と提携駐車場を適切に提示することができる。そして、目的施設が提携駐車場を有さない場合であっても、ユーザは目的施設周辺に存在する目的施設とは異なる他の施設を利用することで、確実に提携駐車場の割引サービスを受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る施設案内装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】図2(a)は、本発明の実施形態に係る施設情報のデータ構成の一例を示す図である。図2(b)は、本発明の実施形態に係る提携駐車場情報のデータ構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る施設案内装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図4(a)は、本発明の第1の実施形態に係る施設案内装置が、経路長を算出するときの目的施設と提携駐車場との関係を示す概念図である。図4(b)は、提携駐車場と他の施設との関係を示す概念図である。図4(c)は、目的施設、他の施設、提携駐車場を回る経路を示す概念図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る施設案内装置において、目的施設、他の施設、提携駐車場を回る際の経路長を算出する動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る推薦情報のデータ構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る推薦情報を表示した一例を示す図である。
【図8】図8(a)は、本発明の第1の実施形態に係る推薦情報を選択するための一例を示す図である。図8(b)は、本発明の第1の実施形態に係る推薦情報を表示した一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る施設案内装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る施設案内装置において、目的施設、他の施設、提携駐車場の回る際の経路長を算出する動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る施設案内装置を用いた施設案内システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る施設案内装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る推薦情報を表示した例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1、9 施設案内装置
100 制御部
101 一時記憶部
102 施設情報検索部
103 提携駐車場有無判断部
104 周辺提携駐車場検索部
105 推薦情報生成部
106 経路長算出部
110 記憶部
120 入力部
130 表示部
200 施設テーブル(施設情報)
250 提携駐車場テーブル(提携駐車場情報)
907 旅行時間算出部
908 駐車場利用状況取得部
940 道路情報記憶部
950 GPS受信部
960 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに利用される各施設の名称、場所、および提携駐車場の有無が対応付けて登録された施設情報を記憶するとともに、各提携駐車場の名称、場所、および提携先の施設の名称が対応付けて登録された提携駐車場情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザが利用を目的としている施設が入力部を介して指定されると、前記記憶部に記憶された施設情報を検索して提携駐車場の有無を調べ、前記指定された施設に提携駐車場がない場合は、前記記憶部に記憶された提携駐車場情報を検索し、前記指定された施設の周辺の他の施設と提携する提携駐車場の名称およびその提携駐車場の提携先の施設の名称を取得し、取得した情報を表示部を介して表示させる制御部と、
を備えることを特徴とする施設案内装置。
【請求項2】
前記記憶部に記憶された施設情報と提携駐車場情報とから、前記他の施設と前記他の施設と提携する提携駐車場についての推薦情報を生成する推薦情報生成部と、
前記記憶部に記憶された施設情報と提携駐車場情報とから、前記ユーザにより指定された施設の場所、前記他の施設の場所、および前記他の施設と提携する提携駐車場の場所についての情報を取得して、前記ユーザが各場所を回る際の経路の合計である経路長を算出する経路長算出部とを備え、
前記制御部は、前記経路長算出部で算出された経路長を含めた前記推薦情報を、前記表示部を介して表示させることを特徴とする請求項1に記載の施設案内装置。
【請求項3】
道路情報を記憶した道路情報記憶部と、
衛星から電波信号を受信し、位置を特定するGPS受信部と、
出発地点を前記GPS受信部により特定し、前記道路情報記憶部の道路情報を用いて、当該出発地点から到達地点まで移動する際の所要時間を求める旅行時間算出部とを備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された施設情報と提携駐車場情報とに基づき、前記旅行時間算出部により算出された到達予想時刻が、前記他の施設および前記提携駐車場の営業時間内であるときに前記推薦情報を前記表示部を介して表示させることを特徴とする請求項2に記載の施設案内装置。
【請求項4】
前記提携駐車場の満車・空車情報を無線通信により受信する通信部と、
前記通信部を介して前記提携駐車場の前記満車・空車情報を取得する駐車場利用状況取得部とを備え、
前記制御部は、前記駐車場利用状況取得部を介して取得された前記満車・空車情報を含めた前記推薦情報を、前記表示部を介して表示させることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の施設案内装置。
【請求項5】
ユーザに利用される各施設の名称、場所、および提携駐車場の有無が対応付けて登録された施設情報を記憶するとともに、各提携駐車場の名称、場所、および提携先の施設の名称が対応付けて登録された提携駐車場情報を記憶する記憶部と、前記記憶部から施設情報と提携駐車場情報とを取得し、取得した情報を表示部を介して表示するように制御する制御部とを備えた施設案内装置を用いた施設案内方法であって、
前記ユーザが利用を目的としている施設が入力部を介して指定されると、前記制御部は、前記記憶部に記憶された施設情報を検索して提携駐車場の有無を調べ、前記指定された施設に提携駐車場がない場合は、前記記憶部に記憶された提携駐車場情報を検索し、前記指定された施設の周辺の他の施設と提携する提携駐車場の名称およびその提携駐車場の提携先の施設の名称を取得し、取得した情報を表示部を介して表示させることを特徴とする施設案内方法。
【請求項6】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された施設情報と提携駐車場情報とから、前記他の施設と前記他の施設と提携する提携駐車場についての推薦情報を生成し、
前記記憶部に記憶された施設情報と提携駐車場情報とから、前記ユーザにより指定された施設の場所、前記他の施設の場所、および前記他の施設と提携する提携駐車場の場所についての情報を取得して、前記ユーザが各場所を回る際の経路の合計である経路長を算出し、
前記算出された経路長を含めた前記推薦情報を、前記表示部を介して表示させることを特徴とする請求項5に記載の施設案内方法。
【請求項7】
道路情報を記憶した道路情報記憶部と、
衛星から電波信号を受信し、位置を特定するGPS受信部とをさらに備え、
前記制御部は、
出発地点を前記GPS受信部により特定し、前記道路情報記憶部の道路情報を用いて、当該出発地点から到達地点まで移動する際の所要時間を算出し、
前記記憶部に記憶された施設情報と提携駐車場情報とに基づき、前記算出された到達予想時刻が、前記他の施設および前記提携駐車場の営業時間内であるときに前記推薦情報を前記表示部を介して表示させることを特徴とする請求項6に記載の施設案内方法。
【請求項8】
前記提携駐車場の満車・空車情報を無線通信により受信する通信部をさらに備え、
前記制御部は、
前記通信部を介して前記提携駐車場の前記満車・空車情報を取得し、
前記取得した満車・空車情報を含めた前記推薦情報を、前記表示部を介して表示させることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の施設案内方法。
【請求項9】
ユーザに利用される各施設の名称、場所、および提携駐車場の有無が対応付けて登録された施設情報を記憶するとともに、各提携駐車場の名称、場所、および提携先の施設の名称が対応付けて登録された提携駐車場情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザが利用を目的としている施設が入力部を介して指定されると、前記記憶部に記憶された施設情報を検索して提携駐車場の有無を調べ、前記指定された施設に提携駐車場がない場合は、前記記憶部に記憶された提携駐車場情報を検索し、前記指定された施設の周辺の他の施設と提携する提携駐車場の名称およびその提携駐車場の提携先の施設の名称を取得し、取得した情報を表示部を介して表示させる制御部と、
を備えることを特徴とする施設案内システム。
【請求項10】
請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の施設案内方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2009−92464(P2009−92464A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262045(P2007−262045)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】