施設選択装置及び施設選択方法
【課題】ユーザがある特定の設備、サービス、商品等を要求した場合に、ユーザの嗜好にあった施設へ案内することができる施設選択装置を提供する。
【解決手段】ユーザが施設検索画面でサービス、例えば、トイレを選択して検索を指示すると、車両の現在位置と検索範囲を施設情報管理センタに送信し、センタから受信した多数の施設の中からトイレを持つ施設をサーチする(ステップ101)。次に、各施設の位置、例えば、進行経路沿い右側等、の優位性により重み付けした後、自車両の位置と各候補施設との距離に基づいて各施設の距離の優位性により重み付けを行う(ステップ102、103)。さらに、各施設の利便性、例えば、公衆トイレ、駅またはビルのトイレ等、による重み付けとユーザ評価による重み付けを行った後、最もポイントの高い施設を表示部の地図上に表示する(ステップ104、105)。
【解決手段】ユーザが施設検索画面でサービス、例えば、トイレを選択して検索を指示すると、車両の現在位置と検索範囲を施設情報管理センタに送信し、センタから受信した多数の施設の中からトイレを持つ施設をサーチする(ステップ101)。次に、各施設の位置、例えば、進行経路沿い右側等、の優位性により重み付けした後、自車両の位置と各候補施設との距離に基づいて各施設の距離の優位性により重み付けを行う(ステップ102、103)。さらに、各施設の利便性、例えば、公衆トイレ、駅またはビルのトイレ等、による重み付けとユーザ評価による重み付けを行った後、最もポイントの高い施設を表示部の地図上に表示する(ステップ104、105)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが要求する設備、サービス、商品等をキーとして、それらを得られる施設を検索し、その中で最もユーザの嗜好に合う施設を選択する施設選択装置及び施設選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のカーナビゲーション装置は、目的地までの道順を指示したり、道路交通情報システム(ITS)から得られる、リアルタイムの渋滞情報を用いて目的地までの最適な道順を検索する、等の基本的な機能だけでなく、様々な付加的な情報提供機能を備えている。
例えば、様々な施設の位置を表示部の地図上に表示したり、条件等を入力することで所望の施設(例えば、駅、公園、飲食店、駐車場、ガソリンスタンド、宿泊施設等)の情報を表示させることもできる。
【0003】
このように、カーナビゲーション装置には、種々の情報提供機能が備えられているが、カーナビゲーション装置に含まれる情報のみでは情報が限られるとともに、逐次情報を更新しないと、間違った情報を提供することもありうるので、最近、施設に関連した情報を施設情報管理センタに登録し、カーナビゲーション装置からインターネット等のネットワークを介して施設情報管理センタと交信し、施設情報管理センタに登録されている施設の情報をカーナビゲーション装置に取り込むことが行われ始めている。
この施設情報管理センタに蓄積されている施設の情報を逐次更新することによって、ユーザはカーナビゲーション装置を介して常に最新の施設に関する情報を入手することができる。
【0004】
しかしながら、従来は、目的とする施設名をユーザが指定することによりその施設を探し出し、施設単体ついて施設情報を調べてサービスの有無を調べることしかできず、レストランに行きたい、トイレに行きたい、等の漠然とした要求があった場合には、その要望に応えることができなかった。このため、各施設のサービスに関する情報や営業中か否かの情報等に基づいて施設を検索することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−138193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、従来、特定のサービスや商品が欲しい場合には、施設単体ついて施設情報を調べ、サービスの有無を調べることができるが、施設毎のサービスを比較したいときは、それぞれの施設をユーザが手入力で検索しなければならず、面倒であった。特に、トイレ、ATM等、サービスを受けられる施設の種類が多岐に渡る場合には、施設の選択から作業を始めなくてはならないので、場合によっては、目的の施設があるのにそれを見落としてしまうケースもあった。
【0006】
一方、上記のように、各施設のサービスに関する情報や営業中か否かの情報等に基づいて施設を検索することが提案されているが、この提案では、単にサービスの内容と営業中か否かを判断基準にしており、サービスを提供する施設が目的地までの経路沿いに近いか否か、サービスの料金、施設の設備の適否、施設までの距離等を考慮していないので、多数の施設が検索出力された場合には、ユーザの嗜好に合った施設を多数の施設の中からユーザ自身が探し出さなければならない。
また、ある場所でのサービスが嗜好に合わなかった、もしくは都合によりサービスを受けられなかった場合、その後の目的地までの経路でより自分の嗜好に合うサービスが受けられるかどうかを判断することも困難である。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、ユーザがある特定の設備、サービス、商品等を要求する場合に、ユーザの嗜好にあった施設へ案内することができるとともに、ユーザの判断ミスを未然に防ぎ、ユーザが正しい選択ができるように手助けすることができる施設選択装置及び施設選択方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明に係る施設選択装置(1)は、
設備、サービス、商品等をキーとして施設を検索する制御手段を備えた施設選択装置であって、
上記制御手段が、所定範囲内の施設を上記キーにより検索し、当該検索出力された施設を施設の各種条件に基づいて重み付けすることにより最適な施設を選択することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る施設選択装置(2)は施設選択装置(1)において、
上記重み付け条件に、施設の所在方向、施設までの距離、施設の利便性、ユーザ評価の少なくとも二つ以上が含まれていることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明に係る施設選択装置(3)は施設選択装置(1)または(2)において、
検索出力された施設数が所定数以下の場合、上記制御手段が、所定範囲外にある施設までの所要時間を提示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る施設選択装置(4)は施設選択装置(2)または(3)において、
上記制御手段が、選択された施設の利用時に入力されたユーザ評価を記憶手段に記憶及び/または施設データベースに登録することを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明に係る施設選択装置(5)は施設選択装置(4)において、
選択された施設の近くで車両が停止し、ドアが開閉された場合、当該施設が利用されたと判定し、ユーザ評価要請画面を表示することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る施設選択方法(1)は、
設備、サービス、商品等をキーとして施設を選択する施設選択方法であって、
所定範囲内の施設を上記キーにより検索し、当該検索出力された施設を施設の各種条件に基づいて重み付けすることにより最適な施設を選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る施設選択装置(1)、(2)及び施設選択方法(1)によれば、設備、サービス、商品等をキーとして施設が検索されるので、ユーザがサービス等を受けられることを知らなかった場所も候補にいれて探すことができるとともに、施設の所在方向、施設までの距離、施設の利便性、ユーザ評価等の条件に基づいて各施設が重み付けされ、最適な施設が選択されるので、ユーザの嗜好を満たす場所へユーザを案内することが可能となる。
すなわち、走行中の地点を基準に、「経路に沿った場所にあるか」、「使いやすい施設であるか」、あるいは「ユーザ評価が高いか」等を基準に施設が選ばれるので、ユーザに適した施設にユーザを案内することができる。
【0015】
また、本発明に係る施設選択装置(3)によれば、検索出力された施設数が所定数以下の場合、所定範囲外にある施設までの所要時間が提示されるので、ユーザの嗜好を満たすサービスが近くの場所で受けられるが、そのチャンスを逃すと次にサービスを受けられる場所まで時間がかかるような場合、その旨をユーザが知ることが可能となる。
すなわち、一応要求に合う場所があったが、他の場所の方がもっと要求に合うと思って通り過ぎた場合に、次に要求に合う場所がみつからない、といった判断ミスを未然に防ぐことができるので、ユーザが正しい選択ができるように手助けすることが可能となる。
【0016】
さらに、本発明に係る施設選択装置(4)によれば、選択された施設の利用時にユーザ評価が車載端末装置や施設データベースへ登録され、ユーザが施設に対して不満だった場合には、悪い評価を入力することにより、その場所もしくは似たような場所の選択優先度を下げることができるので、さらにユーザの嗜好に合う施設を選択することができるようになる。
また、本発明に係る施設選択装置(5)によれば、選択された施設の近くで車両が停止し、ドアが開閉された場合、当該施設が利用されたと判定され、ユーザへの評価入力要請画面が自動的に表示されるので、ユーザが評価を容易に入力することができる。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の施設選択装置の実施例について図面により説明する。図1は本発明の施設選択装置を適用したシステム全体の概略ブロック図であり、1は車両2に搭載された車載端末装置、3は施設情報管理センタ、4〜7はコンビニエンスストア、雑居ビル、JR駅、公園等の施設であり、これらの施設から施設情報センタ3に各施設の設備、販売物品等の施設情報がリストとして定期的に送信される。
【0018】
車載端末装置1は、携帯電話等の通信装置によりインターネット等を介して施設情報管理センタ3に情報伝送可能に接続され、停車状態だけでなく走行状態においても施設情報管理センタ3と交信を行うことができる。なお、この車載端末装置1は、車載ナビゲーション装置の機能の一部として追加することができるが、単独の装置として構成することも可能である。
【0019】
図2は車載端末装置1の具体的構成を示すブロック図であり、図2に示すように、車載端末装置1は、位置検出手段としての位置検出部11、地図データ及び施設情報を記憶している地図データ格納部12、表示部13、入力部14、メモリ部15、音声出力部16、データ通信部17及び制御部18を備えている。
【0020】
位置検出部11は、GPSセンサやジャイロセンサ等から構成され、車両の現在位置と進行方向を検出し、地図データ格納部12は、DVDプレーヤやHDD(ハードディスクドライバ)等から構成され、道路地図データを含む地図データ及び施設に関する情報を記憶している。表示部13は、地図を表示したり、施設の選択を行う際の評価入力画面等を表示するためのディスプレイ装置であり、入力部14は、表示部13のディスプレイ装置の左右や上下に取り付けられたスイッチ類やディスプレイ装置に設けられたタッチパネルによって構成され、ユーザはこの入力部14を介して各種の指示を行ったり、施設評価の入力を行うことができる。
【0021】
メモリ部15は、例えばROMやRAM(図示せず)から構成されており、ROMにはナビゲーションのプログラムを始め各種処理を実行するためのプログラムが格納され、RAMには、プログラム実行時の一時的なデータや地図データ格納部12から取得したデータ等を一時格納する領域が形成されている。また、音声出力部16は、ユーザをナビゲートするための音声を出力し、データ通信部17は、相互通信機能を有しており、例えば、携帯電話や自動車電話、ビーコン等により構成される。
【0022】
制御部18は、車載端末装置1の上記各部を制御するもので、地図データ取得部21、経路計算部22、経路案内部23、描画部24、画面制御部25、通信制御部26、施設選択部27及び施設評価部28から構成されているが、これらの各部は、CPU、ROM、RAM等のメモリ、HDD等によって構成され、各部の機能はソフトウェアにより実行される。
【0023】
地図データ取得部21、経路計算部22、経路案内部23、描画部24及び画面制御部25は通常のカーナビ装置と同様の機能を有し、通信制御部26は、入力部14を使用してユーザがサービス検索の要求を行った場合、データ通信部17に指示して、施設情報管理センタ3との相互通信が可能な状態にする。このように相互通信が可能となったとき、通信制御部26は、位置検出部11により検出された現在位置情報等を施設情報管理センタ3に通知する。
【0024】
また、施設選択部27は施設情報センタ3から送信された施設情報に基づいてユーザの嗜好に合う施設を選択して表示部13に表示し、施設評価部28は、施設の利用時にユーザに対して評価入力を要請し、入力された評価をメモリ部15に登録するとともに、施設情報管理センタ3に送信する。
【0025】
一方、施設情報管理センタ3は、コンビニエンスストア、公園、ビル、駅、ホテル、レジャー施設、商店、飲食店、ガソリンスタンド、あるいは駐車場等の多数の施設の情報が登録されたデータベース31を備え、このデータベース31には、例えば、図3(a)、(b)に示すように、各施設の「建物ID」、「名称」、「施設の種類」、「住所」、「電話番号」、「入口の方角」、「設備」、「サービス内容」、「取扱商品」等の情報が登録されており、商品の在庫数等、時間的に変動する情報については、各店舗またはチェーン本部から適宜送信されて更新されるようになっている。
【0026】
次に、ユーザがサービスを入力して最も嗜好に合った施設を探す場合の作用について、フローチャート及び車載端末装置1における表示画面を用いて説明する。
ユーザが目的地を入力部14から入力すると、通常のカーナビ装置と同様に、制御部18の地図データ取得部21が位置検出部11から車両の現在位置を取得して地図データ格納部12から現在の車両位置の地図を取得し、経路計算部22が当該地図の情報に基づいて目的地までの経路を算出し、経路案内部23が描画部24及び画面制御部25を制御することにより表示部13に車両近辺の地図及び経路を表示する。
この状態でユーザが表示部13に表示された施設検索画面でサービス、例えば、トイレを選択して検索を指示すると、制御部18の施設選択部27は、図4のフローチャートに示す施設選択プログラムを開始し、まず、施設の属性にトイレを持つ施設をサーチする(ステップ101)。
【0027】
図5は、この施設サーチのサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、このサブルーチンプログラムを開始すると、施設選択部27は、位置検出部11から取り込んだ車両の現在位置と検索範囲、例えば、半径5km以内、の情報をデータ通信部17を介して施設情報管理センタ3に送信する(ステップ201)。
これにより、施設情報管理センタ3は、施設データベース31内の施設情報を検索し、当該車両位置から半径5km以内の施設の情報を車載端末装置1に送信する。
【0028】
施設選択部27は、車両位置・検索範囲を施設情報管理センタ3に送信した後、施設情報管理センタ3から施設情報を受信したか否かを判定しており(ステップ202)、施設情報管理センタ3から施設情報を受信すると、受信した多数の施設の情報をメモリ部15に記憶する(ステップ203)。
次に、施設選択部27は、記憶した施設の一つを選択した(ステップ204)後、当該施設の情報に基づいてその施設にトイレが存在するか否かを判定し(ステップ205)、その施設にトイレが存在すると判定した場合、当該施設をメモリ部15の候補リストに追加する(ステップ206)。
【0029】
ステッ205でその施設にトイレが存在しないと判定した場合、または、ステップ206でその施設を候補リストに追加した後、施設選択部27は、メモリ部15に記憶した全ての施設についてトイレの有無をチェックしたか否かを判定し(ステップ207)、未だチェックしていない施設が残っている場合には、ステップ204に戻って次の施設のチェックを行い、全ての施設のチェックが完了したと判定すると、サブルーチンプログラムを終了する。
【0030】
図4のフローチャートにおいて、トイレを持つ施設のサーチが完了すると、施設選択部27は、候補リストに挙げられた各施設に位置の優位性の重み付けを行う(ステップ102)。
図6は、この位置優位性の重み付けのサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、このサブルーチンプログラムを開始すると、施設選択部27は、位置検出部11から車両の現在位置と方向ベクトルを取得した(ステップ301)後、候補リストの施設の中から一つを選択する(ステップ302)。次に、施設選択部27は、選択した施設の位置をメモリ部15に記憶された当該施設の住所に基づいて取得した(ステップ303)後、対象施設が進行方向前方にあるか否かを判定し(ステップ304)、対象施設が進行方向前方にないと判定した場合、当該施設の重み付けポイントを1にする(ステップ305)。
【0031】
ステップ304で対象施設が進行方向前方にあると判定した場合、施設選択部27は、対象施設が経路沿い右側にあるか否かを判定し(ステップ306)、対象施設が経路沿い右側にあると判定した場合、当該施設の重み付けポイントを4にする(ステップ307)。
また、ステップ306で対象施設が経路沿い右側にないと判定した場合、施設選択部27は、対象施設が経路沿い左側にあるか否かを判定し(ステップ308)、対象施設が経路沿い左側にあると判定した場合、当該施設の重み付けポイントを5にし(ステップ309)、ステップ308で対象施設が経路沿い左側にないと判定した場合、重み付けポイントを3にする(ステップ310)。
【0032】
そして、選択した施設の重み付けを終了すると、施設選択部27は、候補リストに挙げられた全ての施設に重み付けを行ったか否かを判定し(ステップ311)、未だ重み付けを行っていない施設が残っている場合には、ステップ302に戻って候補リストの次の施設を選択し、候補リストの全ての施設の重み付けが完了したと判定すると、サブルーチンプログラムを終了する。
【0033】
図4のフローチャートにおいて、候補リストの施設の位置の優位性の重み付けを完了すると、施設選択部27は、候補リストに挙げられた各施設の距離の優位性の重み付けを行う(ステップ103)。
すなわち、施設選択部27は、自車両の位置と候補リストの施設との距離を算出し、例えば、距離が1km以内の施設は5ポイント、距離が1km〜2kmの施設は4ポイント、距離が2km〜3kmの施設は3ポイント、距離が3km〜4kmの施設は2ポイント、距離が4km〜5kmの施設は1ポイント、距離が5km以上の施設は0ポイントを各施設に追加する。
【0034】
次に、施設選択部27は、候補リストに挙げられた各施設に施設の利便性の優位性の重み付けを行う(ステップ104)。
図7は、この施設利便性の重み付けのサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、このサブルーチンプログラムを開始すると、施設選択部27は、候補リストの施設の中から一つを選択した(ステップ401)後、メモリ部15に記憶された当該施設の情報に基づいて対象施設が公衆トイレか否かを判定し(ステップ402)、対象施設が公衆トイレであると判定した場合、当該施設の重み付けポイントに3を追加する(ステップ403)。
【0035】
ステップ402で対象施設が公衆トイレでないと判定した場合、施設選択部27は、対象施設が鉄道の駅またはビルか否かを判定し(ステップ404)、対象施設が鉄道の駅またはビルであると判定した場合、当該施設の重み付けポイントに2を追加する(ステップ405)。
また、ステップ404で対象施設が鉄道の駅またはビルでないと判定した場合、施設選択部27は、対象施設がコンビニエンスストアか否かを判定し(ステップ406)、対象施設がコンビニエンスストアであると判定した場合、当該施設の重み付けポイントに1を追加し(ステップ407)、対象施設がコンビニエンスストアでないと判定した場合、重み付けポイントに0を追加する(ステップ408)。
【0036】
そして、選択した施設の利便性の重み付けポイントの追加を終了すると、施設選択部27は、ユーザ評価によるポイントを付加する(ステップ409)。このユーザ評価によるポイントは、図3に示すように、施設情報管理センタ3に登録された施設の各設備について一般ユーザによる評価が5段階で登録されているので、この評価をメモリ部15に記憶された各施設の情報から読み出して使用することができ、また、メモリ部15に当該施設または当該施設に類似する施設、例えば、当該施設がコンビニエンスストアであった場合には、その他のコンビニエンスストアに関するユーザの評価が記憶されている場合には、その評価も追加することもできる。
【0037】
ユーザ評価によるポイント追加を完了すると、施設選択部27は、候補リストに挙げられた全ての施設に重み付けポイントの追加を行ったか否かを判定し(ステップ410)、未だ重み付けポイントの追加を行っていない施設が残っている場合には、ステップ401に戻って候補リストの次の施設を選択し、候補リストの全ての施設への重み付けポイントの追加が完了したと判定すると、サブルーチンプログラムを終了する。
【0038】
そして、図4のフローチャートにおいて、候補リストの施設の利便性の重み付けを完了すると、施設選択部27は、候補リストの各施設のポイントを足し合わせ、最もポイントの高い施設を表示部13の地図上に表示する。
すなわち、施設選択部27は最もポイントの高い施設を地図データ格納部12に記憶されている施設に関する情報の中から検索し、例えば、当該施設までの経路を表示することにより、当該施設にユーザを案内する。
【0039】
なお、当該施設までの経路を表示する代わりに、表示部13にポイントの高い順に施設名及び場所を表示したり、音声出力部16により最もポイントの高い施設の名称と場所を音声によって通知するようにすることもでき、また、施設の優位性として、その施設が車両の進行経路からどれくらい離れているかや、駐車場の有無等を判断して、ポイントを追加するようにすることも可能である。
【0040】
次に、上記の図7のフローチャートのステップ409で使用するユーザ評価の入力時の作用について図8、図9のフローチャートにより説明する。
図4のフローチャートのステップ105で最もポイントの高い施設を表示した後、施設評価部28は、図8のフローチャートに示す施設利用判定プログラムを開始し、このプログラムを開始すると、表示部13の地図表示画面に当該施設が表示されているか否かを判定し(ステップ501)、表示部13の地図表示画面に当該施設が表示されていない場合、プログラムを終了し、表示部13の地図表示画面に当該施設が表示されている場合、位置検出部11から車両の現在位置を取り込む(ステップ502)。
【0041】
次に、施設評価部28は、現在、車両が当該施設の近くにいるか否かを判定し(ステップ503)、車両が当該施設の近くにいないと判定した場合、ステップ501に戻り、車両が当該施設の近くにいると判定した場合、車両が停止したか否かを判定する(ステップ504)。
車両が停止していないと判定した場合、ステップ501に戻り、車両が停止したと判定した場合、施設評価部28は、ドアが開き、施錠されたか否かを判定する(ステップ505)。
【0042】
そして、ドアが開かず、施錠されていないと判定した場合、ステップ501に戻り、ドアが開き、施錠されたと判定した場合、施設評価部28は、当該施設が利用されたと判断し(ステップ506)、プログラムを終了する。
以上のように、表示部13の地図表示画面に当該施設が表示されなくなるか、あるいは、当該施設が利用されたと判断された場合にこのプログラムは終了する。
【0043】
上記のプログラムで当該施設が利用されたと判断した場合、施設評価部28は、図9のフローチャートに示す施設評価記録プログラムを開始し、このプログラムを開始すると、ドアが再び開かれたか否かを判定し(ステップ601)、ドアが再び開かれたと判定すると、図10に示すような、評価要請画面を表示部13に表示する(ステップ602)。
【0044】
次に、施設評価部28は、評価が入力されたか否かを判定し(ステップ603)、ユーザが評価要請画面のいずれかの評価表示部分を押下すると、ユーザの入力した評価を当該施設名及び必要な場合は設備名とともにメモリ部15に記憶した(ステップ604)後、当該評価と当該施設名・設備名をデータ通信部17を介して施設情報管理センタ3に送信する(ステップ605)。
これにより、施設情報管理センタ3は、評価が「良い」の場合には当該施設の設備の評価ポイントをアップし、評価が「悪い」の場合には当該施設の設備の評価ポイントをダウンし、そのポイントに応じて当該施設の設備の5段階評価を修正する。
【0045】
一方、ステップ603で評価が入力されていないと判定した場合、施設評価部28は、車両が発進したか否かを判定し(ステップ606)、車両が発進していないと判定した場合、ステップ603に戻って再び評価が入力されたか否かを判定する。
また、ステップ606で車両が発進したと判定した場合、施設評価部28は、当該施設が以前に評価した施設か否かを判定し(ステップ607)、当該施設が以前に評価した施設であると判定した場合、プログラムを終了し、当該施設が以前に評価した施設でないと判定した場合、ユーザ評価を「普通」にしてメモリ部15に当該施設名・設備名とともに記憶した(ステップ608)後、プログラムを終了する。
【0046】
これにより、ユーザが施設を利用した場合、当該施設の評価を車載端末装置及び施設情報管理センタ3に登録することができ、その後当該施設が候補リストに挙がった場合、ユーザ評価によるポイント付加に利用することができる。
なお、上記の実施例では、最もポイントの高い施設を利用した場合に、評価記録を実行するようにしたが、候補リストに挙げられた全ての施設を対象に、当該施設が利用された場合にも評価記録を行うようにしてもよい。
【0047】
以上のように、ユーザが目的の施設、商品あるいはサービスを指定すると、それを得るのにユーザにとって最適な施設情報を提示することができ、例えば、図11に示すような状況でトイレ検索を指示すると、公衆トイレが選ばれ、案内が実行されることになる。
【実施例2】
【0048】
上記の実施例ではサービス等を指定して検索を実行すると、単にポイントの高い施設が表示されるだけであるが、該当する施設が少ない場合には、選択された施設がユーザの好みに合わない場合もあるので、該当する施設が少ない場合には、経路沿いで次に当該サービスを提供できる施設を教えるようにすることもでき、以下、該当する施設が少ない場合に、経路沿いの先にある当該サービスを提供できる施設を教える場合の作用を図12のフローチャートにより説明する。
なお、システム構成は図1、図2と同様であるので、説明は省略する。
【0049】
ユーザが表示部13に表示された施設検索画面でサービス、例えば、あるみやげの商品名を入力して検索を指示すると、制御部18の施設選択部27は、図12のフローチャートに示す施設選択プログラムを開始し、まず、指定されたみやげを扱っている施設をサーチする(ステップ701)。
このサーチは、図5のフローチャートのサブルーチンプログラムと同様なプログラムにより実行され、指定されたみやげを扱っている施設が候補リストにリストアップされる。
【0050】
指定されたみやげを扱っている施設を候補リストにリストアップすると、施設選択部27は、該当施設が3箇所以上見つかったか否かを判定し(ステップ702)、該当施設が3箇所以上見つかった場合は、経路沿い、安さ、品揃え、在庫等により候補リストの各施設にポイントの重み付けを行った(ステップ703)後、最もポイントの高い施設を表示部13のナビゲーション画面の地図上に表示する(ステップ704)。
なお、上記のポイントの重み付けは、図7のフローチャートに示すサブルーチンプログラムと同様なプログラムにより実行することができ、例えば、図13に示すような状況でみやげの検索を指示すると、道の駅△△が選ばれ、案内が実行される。
【0051】
一方、ステップ702で該当施設が2箇所以下しか見つからなかったと判定した場合、施設選択部27は、見つかった施設を表示部13のナビゲーション画面の地図上に表示した(ステップ705)後、経路沿いで次に遭遇する、指定されたみやげを扱う施設をサーチする。
このサーチは、図5のフローチャートのサブルーチンプログラムと同様なプログラムにより実行され、例えば、車両の進行経路沿いで20km以内の施設情報を施設情報管理センタ3から取り込み、その施設の中で指定されたみやげを扱っている店が候補リストに挙げられる。
【0052】
次に、施設選択部27は、該当施設が有ったか否かを判定し(ステップ707)、該当施設が有ったと判定した場合、最初の該当施設までの距離を算出し、当該距離と車両速度に基づいて当該施設までの所要時間を算出した(ステップ708)後、音声出力部16から、例えば、「次にみやげを買える店まで約20分かかります。」等の音声を出力することにより、該当施設までの所要時間の音声案内を実行する(ステップ709)。
【0053】
また、ステップ707で進行経路沿いで20km以内に該当施設がないと判定した場合、施設選択部27は、音声出力部16から、例えば、「前方に指定されたみやげを買える店はありません。よろしいですか?」等の音声を出力することにより前方にみやげが買える店がない旨の音声案内を実行する(ステップ710)。
【0054】
以上のように、該当する施設が少ない場合には、経路沿い前方での当該サービスを提供できる施設の有無が案内されるので、該当する施設が少なく、選択された施設がユーザの好みに合わない場合であっても、前方で指定したみやげを買えるか否かをユーザが知ることができる。
なお、この実施例では、経路沿い前方での当該サービスを提供できる施設の有無を音声により案内したが、ナビゲーション画面に表示することによりユーザに通知するようにしてもよい。
【0055】
また、以上の実施例では、車載端末装置から車両位置・検索範囲を施設情報管理センタに送信して施設情報を受信し、車載端末装置で重み付けを行ったが、車両位置・検索範囲及び指定されたサービスを施設情報管理センタに送信し、施設情報管理センタで該当施設に重み付けを行って最適な施設を選択するようにすることも可能であり、また、車載端末装置に常時更新される施設データベースを設けることにより、施設情報管理センタと通信を行うことなく、車載端末装置により自車両の位置から所定範囲内の施設の情報を検索するようにしてもよい。
【0056】
さらに、以上の実施例では、トイレ、みやげを例として説明したが、例えば、貯金を下ろすサービスであれば、ユーザの口座に対し施設の提供するサービスが対応できるかどうか、要求を満たす際にかかる金額(手数料)等を優位性としてポイント付けすることもでき、また、特定のみやげでなく、土地にちなんだものであれば、何でもよいという場合もあるので、各地方を代表するみやげのリストをナビゲーション装置に持っておき、単にみやげの検索指示があった場合、そのリストからみやげを特定することも可能である。
また、みやげの施設の選択時に、経路沿いに複数の種類の建物がある場合、例えば、「1.みやげ専門店」、「2.道の駅」、「3.鉄道の駅」というような優先順位でポイントを追加するようにすることもできる。
【0057】
さらに、車載端末装置で最もユーザの嗜好に合う施設がどれかという判断は常に行うが、実際に音声とナビゲーションによる詳細な案内を行うか否かはユーザが適宜設定できるようにすることも可能である。
また、以上の実施例では、ユーザが選択された施設を利用した場合に、その施設の評価を入力するようにしたが、システム側が判断した「ユーザに最も適した施設」をユーザが選ばなかった場合に、代わりにユーザが選んだ施設のデータを蓄積してその傾向を学習し、その後案内の要求を受けたときにその傾向に従った案内をすることも可能である。
この場合、要求を満たす施設がたかだか1〜2箇所しかない場合、ユーザがその旨を伝える案内を受けてそこに立ち寄ったとしても上記のような嗜好学習を行わないようにすることが望ましい。
【0058】
さらに、以上の実施例では、選択された施設が利用されたか否かを判断する際、ドアが開き、施錠されたと判定した場合、当該施設が利用されたと判断したが、車体にかかる重さの合計や車内センサによって人数が減っているか否かを判定することにより、当該施設が利用されたと判断することも可能である。
また、以上の実施例では、要求を満たす施設を地図上に表示する際に、施設の種類で表示したが、サービスの種類で表示したり、いずれかをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0059】
さらに、以上の実施例では、ユーザから要求があったときに施設の選択を行ったが、高速道路に乗る手前や降りた直後、2時間以上駐車場に停まらずに、ノンストップで運転を続けているようなとき、あるいは、周りに何も無いような場所を通り、長い一本道を抜けた直後等に、トイレの検索・選択を自動的に実行したり、昼食時に、食堂の検索・選択を自動的に実行するようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の施設選択装置を実施するシステムの全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】車載端末装置の具体的構成を示すブロック図である。
【図3】施設情報管理センタのデータベースに登録されている施設情報の一例を示す図である。
【図4】施設選択プログラムの作用を示すフローチャートである。
【図5】施設サーチのサブルーチンプログラムの作用を示すフローチャートである。
【図6】位置優位性の重み付けのサブルーチンプログラムの作用を示すフローチャートである。
【図7】施設の利便性の重み付けのサブルーチンプログラムの作用を示すフローチャートである。
【図8】施設利用判定プログラムの作用を示すフローチャートである。
【図9】施設評価記録プログラムの作用を示すフローチャートである。
【図10】評価要請画面の一例を示す図である。
【図11】トイレを指定した場合の最適な施設情報を示すナビゲーション画面の一例を示す図である。
【図12】他の実施例の施設選択プログラムの作用を示すフローチャートである。
【図13】特定のみやげを指定した場合の最適な施設情報を示すナビゲーション画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1 車載端末装置
11 位置検出部
12 地図データ格納部
13 表示部
14 入力部
15 メモリ部
16 音声出力部
17 データ通信部
18 制御部
2 車両
3 施設情報管理センタ
31 データベース
4 コンビニ
5 雑居ビル
6 JR駅
7 公園
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが要求する設備、サービス、商品等をキーとして、それらを得られる施設を検索し、その中で最もユーザの嗜好に合う施設を選択する施設選択装置及び施設選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のカーナビゲーション装置は、目的地までの道順を指示したり、道路交通情報システム(ITS)から得られる、リアルタイムの渋滞情報を用いて目的地までの最適な道順を検索する、等の基本的な機能だけでなく、様々な付加的な情報提供機能を備えている。
例えば、様々な施設の位置を表示部の地図上に表示したり、条件等を入力することで所望の施設(例えば、駅、公園、飲食店、駐車場、ガソリンスタンド、宿泊施設等)の情報を表示させることもできる。
【0003】
このように、カーナビゲーション装置には、種々の情報提供機能が備えられているが、カーナビゲーション装置に含まれる情報のみでは情報が限られるとともに、逐次情報を更新しないと、間違った情報を提供することもありうるので、最近、施設に関連した情報を施設情報管理センタに登録し、カーナビゲーション装置からインターネット等のネットワークを介して施設情報管理センタと交信し、施設情報管理センタに登録されている施設の情報をカーナビゲーション装置に取り込むことが行われ始めている。
この施設情報管理センタに蓄積されている施設の情報を逐次更新することによって、ユーザはカーナビゲーション装置を介して常に最新の施設に関する情報を入手することができる。
【0004】
しかしながら、従来は、目的とする施設名をユーザが指定することによりその施設を探し出し、施設単体ついて施設情報を調べてサービスの有無を調べることしかできず、レストランに行きたい、トイレに行きたい、等の漠然とした要求があった場合には、その要望に応えることができなかった。このため、各施設のサービスに関する情報や営業中か否かの情報等に基づいて施設を検索することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−138193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、従来、特定のサービスや商品が欲しい場合には、施設単体ついて施設情報を調べ、サービスの有無を調べることができるが、施設毎のサービスを比較したいときは、それぞれの施設をユーザが手入力で検索しなければならず、面倒であった。特に、トイレ、ATM等、サービスを受けられる施設の種類が多岐に渡る場合には、施設の選択から作業を始めなくてはならないので、場合によっては、目的の施設があるのにそれを見落としてしまうケースもあった。
【0006】
一方、上記のように、各施設のサービスに関する情報や営業中か否かの情報等に基づいて施設を検索することが提案されているが、この提案では、単にサービスの内容と営業中か否かを判断基準にしており、サービスを提供する施設が目的地までの経路沿いに近いか否か、サービスの料金、施設の設備の適否、施設までの距離等を考慮していないので、多数の施設が検索出力された場合には、ユーザの嗜好に合った施設を多数の施設の中からユーザ自身が探し出さなければならない。
また、ある場所でのサービスが嗜好に合わなかった、もしくは都合によりサービスを受けられなかった場合、その後の目的地までの経路でより自分の嗜好に合うサービスが受けられるかどうかを判断することも困難である。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、ユーザがある特定の設備、サービス、商品等を要求する場合に、ユーザの嗜好にあった施設へ案内することができるとともに、ユーザの判断ミスを未然に防ぎ、ユーザが正しい選択ができるように手助けすることができる施設選択装置及び施設選択方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明に係る施設選択装置(1)は、
設備、サービス、商品等をキーとして施設を検索する制御手段を備えた施設選択装置であって、
上記制御手段が、所定範囲内の施設を上記キーにより検索し、当該検索出力された施設を施設の各種条件に基づいて重み付けすることにより最適な施設を選択することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る施設選択装置(2)は施設選択装置(1)において、
上記重み付け条件に、施設の所在方向、施設までの距離、施設の利便性、ユーザ評価の少なくとも二つ以上が含まれていることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明に係る施設選択装置(3)は施設選択装置(1)または(2)において、
検索出力された施設数が所定数以下の場合、上記制御手段が、所定範囲外にある施設までの所要時間を提示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る施設選択装置(4)は施設選択装置(2)または(3)において、
上記制御手段が、選択された施設の利用時に入力されたユーザ評価を記憶手段に記憶及び/または施設データベースに登録することを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明に係る施設選択装置(5)は施設選択装置(4)において、
選択された施設の近くで車両が停止し、ドアが開閉された場合、当該施設が利用されたと判定し、ユーザ評価要請画面を表示することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る施設選択方法(1)は、
設備、サービス、商品等をキーとして施設を選択する施設選択方法であって、
所定範囲内の施設を上記キーにより検索し、当該検索出力された施設を施設の各種条件に基づいて重み付けすることにより最適な施設を選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る施設選択装置(1)、(2)及び施設選択方法(1)によれば、設備、サービス、商品等をキーとして施設が検索されるので、ユーザがサービス等を受けられることを知らなかった場所も候補にいれて探すことができるとともに、施設の所在方向、施設までの距離、施設の利便性、ユーザ評価等の条件に基づいて各施設が重み付けされ、最適な施設が選択されるので、ユーザの嗜好を満たす場所へユーザを案内することが可能となる。
すなわち、走行中の地点を基準に、「経路に沿った場所にあるか」、「使いやすい施設であるか」、あるいは「ユーザ評価が高いか」等を基準に施設が選ばれるので、ユーザに適した施設にユーザを案内することができる。
【0015】
また、本発明に係る施設選択装置(3)によれば、検索出力された施設数が所定数以下の場合、所定範囲外にある施設までの所要時間が提示されるので、ユーザの嗜好を満たすサービスが近くの場所で受けられるが、そのチャンスを逃すと次にサービスを受けられる場所まで時間がかかるような場合、その旨をユーザが知ることが可能となる。
すなわち、一応要求に合う場所があったが、他の場所の方がもっと要求に合うと思って通り過ぎた場合に、次に要求に合う場所がみつからない、といった判断ミスを未然に防ぐことができるので、ユーザが正しい選択ができるように手助けすることが可能となる。
【0016】
さらに、本発明に係る施設選択装置(4)によれば、選択された施設の利用時にユーザ評価が車載端末装置や施設データベースへ登録され、ユーザが施設に対して不満だった場合には、悪い評価を入力することにより、その場所もしくは似たような場所の選択優先度を下げることができるので、さらにユーザの嗜好に合う施設を選択することができるようになる。
また、本発明に係る施設選択装置(5)によれば、選択された施設の近くで車両が停止し、ドアが開閉された場合、当該施設が利用されたと判定され、ユーザへの評価入力要請画面が自動的に表示されるので、ユーザが評価を容易に入力することができる。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の施設選択装置の実施例について図面により説明する。図1は本発明の施設選択装置を適用したシステム全体の概略ブロック図であり、1は車両2に搭載された車載端末装置、3は施設情報管理センタ、4〜7はコンビニエンスストア、雑居ビル、JR駅、公園等の施設であり、これらの施設から施設情報センタ3に各施設の設備、販売物品等の施設情報がリストとして定期的に送信される。
【0018】
車載端末装置1は、携帯電話等の通信装置によりインターネット等を介して施設情報管理センタ3に情報伝送可能に接続され、停車状態だけでなく走行状態においても施設情報管理センタ3と交信を行うことができる。なお、この車載端末装置1は、車載ナビゲーション装置の機能の一部として追加することができるが、単独の装置として構成することも可能である。
【0019】
図2は車載端末装置1の具体的構成を示すブロック図であり、図2に示すように、車載端末装置1は、位置検出手段としての位置検出部11、地図データ及び施設情報を記憶している地図データ格納部12、表示部13、入力部14、メモリ部15、音声出力部16、データ通信部17及び制御部18を備えている。
【0020】
位置検出部11は、GPSセンサやジャイロセンサ等から構成され、車両の現在位置と進行方向を検出し、地図データ格納部12は、DVDプレーヤやHDD(ハードディスクドライバ)等から構成され、道路地図データを含む地図データ及び施設に関する情報を記憶している。表示部13は、地図を表示したり、施設の選択を行う際の評価入力画面等を表示するためのディスプレイ装置であり、入力部14は、表示部13のディスプレイ装置の左右や上下に取り付けられたスイッチ類やディスプレイ装置に設けられたタッチパネルによって構成され、ユーザはこの入力部14を介して各種の指示を行ったり、施設評価の入力を行うことができる。
【0021】
メモリ部15は、例えばROMやRAM(図示せず)から構成されており、ROMにはナビゲーションのプログラムを始め各種処理を実行するためのプログラムが格納され、RAMには、プログラム実行時の一時的なデータや地図データ格納部12から取得したデータ等を一時格納する領域が形成されている。また、音声出力部16は、ユーザをナビゲートするための音声を出力し、データ通信部17は、相互通信機能を有しており、例えば、携帯電話や自動車電話、ビーコン等により構成される。
【0022】
制御部18は、車載端末装置1の上記各部を制御するもので、地図データ取得部21、経路計算部22、経路案内部23、描画部24、画面制御部25、通信制御部26、施設選択部27及び施設評価部28から構成されているが、これらの各部は、CPU、ROM、RAM等のメモリ、HDD等によって構成され、各部の機能はソフトウェアにより実行される。
【0023】
地図データ取得部21、経路計算部22、経路案内部23、描画部24及び画面制御部25は通常のカーナビ装置と同様の機能を有し、通信制御部26は、入力部14を使用してユーザがサービス検索の要求を行った場合、データ通信部17に指示して、施設情報管理センタ3との相互通信が可能な状態にする。このように相互通信が可能となったとき、通信制御部26は、位置検出部11により検出された現在位置情報等を施設情報管理センタ3に通知する。
【0024】
また、施設選択部27は施設情報センタ3から送信された施設情報に基づいてユーザの嗜好に合う施設を選択して表示部13に表示し、施設評価部28は、施設の利用時にユーザに対して評価入力を要請し、入力された評価をメモリ部15に登録するとともに、施設情報管理センタ3に送信する。
【0025】
一方、施設情報管理センタ3は、コンビニエンスストア、公園、ビル、駅、ホテル、レジャー施設、商店、飲食店、ガソリンスタンド、あるいは駐車場等の多数の施設の情報が登録されたデータベース31を備え、このデータベース31には、例えば、図3(a)、(b)に示すように、各施設の「建物ID」、「名称」、「施設の種類」、「住所」、「電話番号」、「入口の方角」、「設備」、「サービス内容」、「取扱商品」等の情報が登録されており、商品の在庫数等、時間的に変動する情報については、各店舗またはチェーン本部から適宜送信されて更新されるようになっている。
【0026】
次に、ユーザがサービスを入力して最も嗜好に合った施設を探す場合の作用について、フローチャート及び車載端末装置1における表示画面を用いて説明する。
ユーザが目的地を入力部14から入力すると、通常のカーナビ装置と同様に、制御部18の地図データ取得部21が位置検出部11から車両の現在位置を取得して地図データ格納部12から現在の車両位置の地図を取得し、経路計算部22が当該地図の情報に基づいて目的地までの経路を算出し、経路案内部23が描画部24及び画面制御部25を制御することにより表示部13に車両近辺の地図及び経路を表示する。
この状態でユーザが表示部13に表示された施設検索画面でサービス、例えば、トイレを選択して検索を指示すると、制御部18の施設選択部27は、図4のフローチャートに示す施設選択プログラムを開始し、まず、施設の属性にトイレを持つ施設をサーチする(ステップ101)。
【0027】
図5は、この施設サーチのサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、このサブルーチンプログラムを開始すると、施設選択部27は、位置検出部11から取り込んだ車両の現在位置と検索範囲、例えば、半径5km以内、の情報をデータ通信部17を介して施設情報管理センタ3に送信する(ステップ201)。
これにより、施設情報管理センタ3は、施設データベース31内の施設情報を検索し、当該車両位置から半径5km以内の施設の情報を車載端末装置1に送信する。
【0028】
施設選択部27は、車両位置・検索範囲を施設情報管理センタ3に送信した後、施設情報管理センタ3から施設情報を受信したか否かを判定しており(ステップ202)、施設情報管理センタ3から施設情報を受信すると、受信した多数の施設の情報をメモリ部15に記憶する(ステップ203)。
次に、施設選択部27は、記憶した施設の一つを選択した(ステップ204)後、当該施設の情報に基づいてその施設にトイレが存在するか否かを判定し(ステップ205)、その施設にトイレが存在すると判定した場合、当該施設をメモリ部15の候補リストに追加する(ステップ206)。
【0029】
ステッ205でその施設にトイレが存在しないと判定した場合、または、ステップ206でその施設を候補リストに追加した後、施設選択部27は、メモリ部15に記憶した全ての施設についてトイレの有無をチェックしたか否かを判定し(ステップ207)、未だチェックしていない施設が残っている場合には、ステップ204に戻って次の施設のチェックを行い、全ての施設のチェックが完了したと判定すると、サブルーチンプログラムを終了する。
【0030】
図4のフローチャートにおいて、トイレを持つ施設のサーチが完了すると、施設選択部27は、候補リストに挙げられた各施設に位置の優位性の重み付けを行う(ステップ102)。
図6は、この位置優位性の重み付けのサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、このサブルーチンプログラムを開始すると、施設選択部27は、位置検出部11から車両の現在位置と方向ベクトルを取得した(ステップ301)後、候補リストの施設の中から一つを選択する(ステップ302)。次に、施設選択部27は、選択した施設の位置をメモリ部15に記憶された当該施設の住所に基づいて取得した(ステップ303)後、対象施設が進行方向前方にあるか否かを判定し(ステップ304)、対象施設が進行方向前方にないと判定した場合、当該施設の重み付けポイントを1にする(ステップ305)。
【0031】
ステップ304で対象施設が進行方向前方にあると判定した場合、施設選択部27は、対象施設が経路沿い右側にあるか否かを判定し(ステップ306)、対象施設が経路沿い右側にあると判定した場合、当該施設の重み付けポイントを4にする(ステップ307)。
また、ステップ306で対象施設が経路沿い右側にないと判定した場合、施設選択部27は、対象施設が経路沿い左側にあるか否かを判定し(ステップ308)、対象施設が経路沿い左側にあると判定した場合、当該施設の重み付けポイントを5にし(ステップ309)、ステップ308で対象施設が経路沿い左側にないと判定した場合、重み付けポイントを3にする(ステップ310)。
【0032】
そして、選択した施設の重み付けを終了すると、施設選択部27は、候補リストに挙げられた全ての施設に重み付けを行ったか否かを判定し(ステップ311)、未だ重み付けを行っていない施設が残っている場合には、ステップ302に戻って候補リストの次の施設を選択し、候補リストの全ての施設の重み付けが完了したと判定すると、サブルーチンプログラムを終了する。
【0033】
図4のフローチャートにおいて、候補リストの施設の位置の優位性の重み付けを完了すると、施設選択部27は、候補リストに挙げられた各施設の距離の優位性の重み付けを行う(ステップ103)。
すなわち、施設選択部27は、自車両の位置と候補リストの施設との距離を算出し、例えば、距離が1km以内の施設は5ポイント、距離が1km〜2kmの施設は4ポイント、距離が2km〜3kmの施設は3ポイント、距離が3km〜4kmの施設は2ポイント、距離が4km〜5kmの施設は1ポイント、距離が5km以上の施設は0ポイントを各施設に追加する。
【0034】
次に、施設選択部27は、候補リストに挙げられた各施設に施設の利便性の優位性の重み付けを行う(ステップ104)。
図7は、この施設利便性の重み付けのサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、このサブルーチンプログラムを開始すると、施設選択部27は、候補リストの施設の中から一つを選択した(ステップ401)後、メモリ部15に記憶された当該施設の情報に基づいて対象施設が公衆トイレか否かを判定し(ステップ402)、対象施設が公衆トイレであると判定した場合、当該施設の重み付けポイントに3を追加する(ステップ403)。
【0035】
ステップ402で対象施設が公衆トイレでないと判定した場合、施設選択部27は、対象施設が鉄道の駅またはビルか否かを判定し(ステップ404)、対象施設が鉄道の駅またはビルであると判定した場合、当該施設の重み付けポイントに2を追加する(ステップ405)。
また、ステップ404で対象施設が鉄道の駅またはビルでないと判定した場合、施設選択部27は、対象施設がコンビニエンスストアか否かを判定し(ステップ406)、対象施設がコンビニエンスストアであると判定した場合、当該施設の重み付けポイントに1を追加し(ステップ407)、対象施設がコンビニエンスストアでないと判定した場合、重み付けポイントに0を追加する(ステップ408)。
【0036】
そして、選択した施設の利便性の重み付けポイントの追加を終了すると、施設選択部27は、ユーザ評価によるポイントを付加する(ステップ409)。このユーザ評価によるポイントは、図3に示すように、施設情報管理センタ3に登録された施設の各設備について一般ユーザによる評価が5段階で登録されているので、この評価をメモリ部15に記憶された各施設の情報から読み出して使用することができ、また、メモリ部15に当該施設または当該施設に類似する施設、例えば、当該施設がコンビニエンスストアであった場合には、その他のコンビニエンスストアに関するユーザの評価が記憶されている場合には、その評価も追加することもできる。
【0037】
ユーザ評価によるポイント追加を完了すると、施設選択部27は、候補リストに挙げられた全ての施設に重み付けポイントの追加を行ったか否かを判定し(ステップ410)、未だ重み付けポイントの追加を行っていない施設が残っている場合には、ステップ401に戻って候補リストの次の施設を選択し、候補リストの全ての施設への重み付けポイントの追加が完了したと判定すると、サブルーチンプログラムを終了する。
【0038】
そして、図4のフローチャートにおいて、候補リストの施設の利便性の重み付けを完了すると、施設選択部27は、候補リストの各施設のポイントを足し合わせ、最もポイントの高い施設を表示部13の地図上に表示する。
すなわち、施設選択部27は最もポイントの高い施設を地図データ格納部12に記憶されている施設に関する情報の中から検索し、例えば、当該施設までの経路を表示することにより、当該施設にユーザを案内する。
【0039】
なお、当該施設までの経路を表示する代わりに、表示部13にポイントの高い順に施設名及び場所を表示したり、音声出力部16により最もポイントの高い施設の名称と場所を音声によって通知するようにすることもでき、また、施設の優位性として、その施設が車両の進行経路からどれくらい離れているかや、駐車場の有無等を判断して、ポイントを追加するようにすることも可能である。
【0040】
次に、上記の図7のフローチャートのステップ409で使用するユーザ評価の入力時の作用について図8、図9のフローチャートにより説明する。
図4のフローチャートのステップ105で最もポイントの高い施設を表示した後、施設評価部28は、図8のフローチャートに示す施設利用判定プログラムを開始し、このプログラムを開始すると、表示部13の地図表示画面に当該施設が表示されているか否かを判定し(ステップ501)、表示部13の地図表示画面に当該施設が表示されていない場合、プログラムを終了し、表示部13の地図表示画面に当該施設が表示されている場合、位置検出部11から車両の現在位置を取り込む(ステップ502)。
【0041】
次に、施設評価部28は、現在、車両が当該施設の近くにいるか否かを判定し(ステップ503)、車両が当該施設の近くにいないと判定した場合、ステップ501に戻り、車両が当該施設の近くにいると判定した場合、車両が停止したか否かを判定する(ステップ504)。
車両が停止していないと判定した場合、ステップ501に戻り、車両が停止したと判定した場合、施設評価部28は、ドアが開き、施錠されたか否かを判定する(ステップ505)。
【0042】
そして、ドアが開かず、施錠されていないと判定した場合、ステップ501に戻り、ドアが開き、施錠されたと判定した場合、施設評価部28は、当該施設が利用されたと判断し(ステップ506)、プログラムを終了する。
以上のように、表示部13の地図表示画面に当該施設が表示されなくなるか、あるいは、当該施設が利用されたと判断された場合にこのプログラムは終了する。
【0043】
上記のプログラムで当該施設が利用されたと判断した場合、施設評価部28は、図9のフローチャートに示す施設評価記録プログラムを開始し、このプログラムを開始すると、ドアが再び開かれたか否かを判定し(ステップ601)、ドアが再び開かれたと判定すると、図10に示すような、評価要請画面を表示部13に表示する(ステップ602)。
【0044】
次に、施設評価部28は、評価が入力されたか否かを判定し(ステップ603)、ユーザが評価要請画面のいずれかの評価表示部分を押下すると、ユーザの入力した評価を当該施設名及び必要な場合は設備名とともにメモリ部15に記憶した(ステップ604)後、当該評価と当該施設名・設備名をデータ通信部17を介して施設情報管理センタ3に送信する(ステップ605)。
これにより、施設情報管理センタ3は、評価が「良い」の場合には当該施設の設備の評価ポイントをアップし、評価が「悪い」の場合には当該施設の設備の評価ポイントをダウンし、そのポイントに応じて当該施設の設備の5段階評価を修正する。
【0045】
一方、ステップ603で評価が入力されていないと判定した場合、施設評価部28は、車両が発進したか否かを判定し(ステップ606)、車両が発進していないと判定した場合、ステップ603に戻って再び評価が入力されたか否かを判定する。
また、ステップ606で車両が発進したと判定した場合、施設評価部28は、当該施設が以前に評価した施設か否かを判定し(ステップ607)、当該施設が以前に評価した施設であると判定した場合、プログラムを終了し、当該施設が以前に評価した施設でないと判定した場合、ユーザ評価を「普通」にしてメモリ部15に当該施設名・設備名とともに記憶した(ステップ608)後、プログラムを終了する。
【0046】
これにより、ユーザが施設を利用した場合、当該施設の評価を車載端末装置及び施設情報管理センタ3に登録することができ、その後当該施設が候補リストに挙がった場合、ユーザ評価によるポイント付加に利用することができる。
なお、上記の実施例では、最もポイントの高い施設を利用した場合に、評価記録を実行するようにしたが、候補リストに挙げられた全ての施設を対象に、当該施設が利用された場合にも評価記録を行うようにしてもよい。
【0047】
以上のように、ユーザが目的の施設、商品あるいはサービスを指定すると、それを得るのにユーザにとって最適な施設情報を提示することができ、例えば、図11に示すような状況でトイレ検索を指示すると、公衆トイレが選ばれ、案内が実行されることになる。
【実施例2】
【0048】
上記の実施例ではサービス等を指定して検索を実行すると、単にポイントの高い施設が表示されるだけであるが、該当する施設が少ない場合には、選択された施設がユーザの好みに合わない場合もあるので、該当する施設が少ない場合には、経路沿いで次に当該サービスを提供できる施設を教えるようにすることもでき、以下、該当する施設が少ない場合に、経路沿いの先にある当該サービスを提供できる施設を教える場合の作用を図12のフローチャートにより説明する。
なお、システム構成は図1、図2と同様であるので、説明は省略する。
【0049】
ユーザが表示部13に表示された施設検索画面でサービス、例えば、あるみやげの商品名を入力して検索を指示すると、制御部18の施設選択部27は、図12のフローチャートに示す施設選択プログラムを開始し、まず、指定されたみやげを扱っている施設をサーチする(ステップ701)。
このサーチは、図5のフローチャートのサブルーチンプログラムと同様なプログラムにより実行され、指定されたみやげを扱っている施設が候補リストにリストアップされる。
【0050】
指定されたみやげを扱っている施設を候補リストにリストアップすると、施設選択部27は、該当施設が3箇所以上見つかったか否かを判定し(ステップ702)、該当施設が3箇所以上見つかった場合は、経路沿い、安さ、品揃え、在庫等により候補リストの各施設にポイントの重み付けを行った(ステップ703)後、最もポイントの高い施設を表示部13のナビゲーション画面の地図上に表示する(ステップ704)。
なお、上記のポイントの重み付けは、図7のフローチャートに示すサブルーチンプログラムと同様なプログラムにより実行することができ、例えば、図13に示すような状況でみやげの検索を指示すると、道の駅△△が選ばれ、案内が実行される。
【0051】
一方、ステップ702で該当施設が2箇所以下しか見つからなかったと判定した場合、施設選択部27は、見つかった施設を表示部13のナビゲーション画面の地図上に表示した(ステップ705)後、経路沿いで次に遭遇する、指定されたみやげを扱う施設をサーチする。
このサーチは、図5のフローチャートのサブルーチンプログラムと同様なプログラムにより実行され、例えば、車両の進行経路沿いで20km以内の施設情報を施設情報管理センタ3から取り込み、その施設の中で指定されたみやげを扱っている店が候補リストに挙げられる。
【0052】
次に、施設選択部27は、該当施設が有ったか否かを判定し(ステップ707)、該当施設が有ったと判定した場合、最初の該当施設までの距離を算出し、当該距離と車両速度に基づいて当該施設までの所要時間を算出した(ステップ708)後、音声出力部16から、例えば、「次にみやげを買える店まで約20分かかります。」等の音声を出力することにより、該当施設までの所要時間の音声案内を実行する(ステップ709)。
【0053】
また、ステップ707で進行経路沿いで20km以内に該当施設がないと判定した場合、施設選択部27は、音声出力部16から、例えば、「前方に指定されたみやげを買える店はありません。よろしいですか?」等の音声を出力することにより前方にみやげが買える店がない旨の音声案内を実行する(ステップ710)。
【0054】
以上のように、該当する施設が少ない場合には、経路沿い前方での当該サービスを提供できる施設の有無が案内されるので、該当する施設が少なく、選択された施設がユーザの好みに合わない場合であっても、前方で指定したみやげを買えるか否かをユーザが知ることができる。
なお、この実施例では、経路沿い前方での当該サービスを提供できる施設の有無を音声により案内したが、ナビゲーション画面に表示することによりユーザに通知するようにしてもよい。
【0055】
また、以上の実施例では、車載端末装置から車両位置・検索範囲を施設情報管理センタに送信して施設情報を受信し、車載端末装置で重み付けを行ったが、車両位置・検索範囲及び指定されたサービスを施設情報管理センタに送信し、施設情報管理センタで該当施設に重み付けを行って最適な施設を選択するようにすることも可能であり、また、車載端末装置に常時更新される施設データベースを設けることにより、施設情報管理センタと通信を行うことなく、車載端末装置により自車両の位置から所定範囲内の施設の情報を検索するようにしてもよい。
【0056】
さらに、以上の実施例では、トイレ、みやげを例として説明したが、例えば、貯金を下ろすサービスであれば、ユーザの口座に対し施設の提供するサービスが対応できるかどうか、要求を満たす際にかかる金額(手数料)等を優位性としてポイント付けすることもでき、また、特定のみやげでなく、土地にちなんだものであれば、何でもよいという場合もあるので、各地方を代表するみやげのリストをナビゲーション装置に持っておき、単にみやげの検索指示があった場合、そのリストからみやげを特定することも可能である。
また、みやげの施設の選択時に、経路沿いに複数の種類の建物がある場合、例えば、「1.みやげ専門店」、「2.道の駅」、「3.鉄道の駅」というような優先順位でポイントを追加するようにすることもできる。
【0057】
さらに、車載端末装置で最もユーザの嗜好に合う施設がどれかという判断は常に行うが、実際に音声とナビゲーションによる詳細な案内を行うか否かはユーザが適宜設定できるようにすることも可能である。
また、以上の実施例では、ユーザが選択された施設を利用した場合に、その施設の評価を入力するようにしたが、システム側が判断した「ユーザに最も適した施設」をユーザが選ばなかった場合に、代わりにユーザが選んだ施設のデータを蓄積してその傾向を学習し、その後案内の要求を受けたときにその傾向に従った案内をすることも可能である。
この場合、要求を満たす施設がたかだか1〜2箇所しかない場合、ユーザがその旨を伝える案内を受けてそこに立ち寄ったとしても上記のような嗜好学習を行わないようにすることが望ましい。
【0058】
さらに、以上の実施例では、選択された施設が利用されたか否かを判断する際、ドアが開き、施錠されたと判定した場合、当該施設が利用されたと判断したが、車体にかかる重さの合計や車内センサによって人数が減っているか否かを判定することにより、当該施設が利用されたと判断することも可能である。
また、以上の実施例では、要求を満たす施設を地図上に表示する際に、施設の種類で表示したが、サービスの種類で表示したり、いずれかをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0059】
さらに、以上の実施例では、ユーザから要求があったときに施設の選択を行ったが、高速道路に乗る手前や降りた直後、2時間以上駐車場に停まらずに、ノンストップで運転を続けているようなとき、あるいは、周りに何も無いような場所を通り、長い一本道を抜けた直後等に、トイレの検索・選択を自動的に実行したり、昼食時に、食堂の検索・選択を自動的に実行するようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の施設選択装置を実施するシステムの全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】車載端末装置の具体的構成を示すブロック図である。
【図3】施設情報管理センタのデータベースに登録されている施設情報の一例を示す図である。
【図4】施設選択プログラムの作用を示すフローチャートである。
【図5】施設サーチのサブルーチンプログラムの作用を示すフローチャートである。
【図6】位置優位性の重み付けのサブルーチンプログラムの作用を示すフローチャートである。
【図7】施設の利便性の重み付けのサブルーチンプログラムの作用を示すフローチャートである。
【図8】施設利用判定プログラムの作用を示すフローチャートである。
【図9】施設評価記録プログラムの作用を示すフローチャートである。
【図10】評価要請画面の一例を示す図である。
【図11】トイレを指定した場合の最適な施設情報を示すナビゲーション画面の一例を示す図である。
【図12】他の実施例の施設選択プログラムの作用を示すフローチャートである。
【図13】特定のみやげを指定した場合の最適な施設情報を示すナビゲーション画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1 車載端末装置
11 位置検出部
12 地図データ格納部
13 表示部
14 入力部
15 メモリ部
16 音声出力部
17 データ通信部
18 制御部
2 車両
3 施設情報管理センタ
31 データベース
4 コンビニ
5 雑居ビル
6 JR駅
7 公園
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備、サービス、商品等をキーとして施設を検索する制御手段を備えた施設選択装置であって、
上記制御手段が、所定範囲内の施設を上記キーにより検索し、当該検索出力された施設を施設の各種条件に基づいて重み付けすることにより最適な施設を選択することを特徴とする施設選択装置。
【請求項2】
請求項1に記載された施設選択装置において、
上記重み付け条件に、施設の所在方向、施設までの距離、施設の利便性、ユーザ評価の少なくとも二つ以上が含まれていることを特徴とする施設選択装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載された施設選択装置において、
検索出力された施設数が所定数以下の場合、上記制御手段が、所定範囲外にある施設までの所要時間を提示することを特徴とする施設選択装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載された施設選択装置において、
上記制御手段が、選択された施設の利用時に入力されたユーザ評価を記憶手段に記憶及び/または施設データベースに登録することを特徴とする施設選択装置。
【請求項5】
請求項4に記載された施設選択装置において、
選択された施設の近くで車両が停止し、ドアが開閉された場合、上記制御手段が、当該施設が利用されたと判定し、ユーザ評価要請画面を表示することを特徴とする施設選択装置。
【請求項6】
設備、サービス、商品等をキーとして施設を選択する施設選択方法であって、
所定範囲内の施設を上記キーにより検索し、当該検索出力された施設を施設の各種条件に基づいて重み付けすることにより最適な施設を選択することを特徴とする施設選択方法。
【請求項1】
設備、サービス、商品等をキーとして施設を検索する制御手段を備えた施設選択装置であって、
上記制御手段が、所定範囲内の施設を上記キーにより検索し、当該検索出力された施設を施設の各種条件に基づいて重み付けすることにより最適な施設を選択することを特徴とする施設選択装置。
【請求項2】
請求項1に記載された施設選択装置において、
上記重み付け条件に、施設の所在方向、施設までの距離、施設の利便性、ユーザ評価の少なくとも二つ以上が含まれていることを特徴とする施設選択装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載された施設選択装置において、
検索出力された施設数が所定数以下の場合、上記制御手段が、所定範囲外にある施設までの所要時間を提示することを特徴とする施設選択装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載された施設選択装置において、
上記制御手段が、選択された施設の利用時に入力されたユーザ評価を記憶手段に記憶及び/または施設データベースに登録することを特徴とする施設選択装置。
【請求項5】
請求項4に記載された施設選択装置において、
選択された施設の近くで車両が停止し、ドアが開閉された場合、上記制御手段が、当該施設が利用されたと判定し、ユーザ評価要請画面を表示することを特徴とする施設選択装置。
【請求項6】
設備、サービス、商品等をキーとして施設を選択する施設選択方法であって、
所定範囲内の施設を上記キーにより検索し、当該検索出力された施設を施設の各種条件に基づいて重み付けすることにより最適な施設を選択することを特徴とする施設選択方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−193391(P2007−193391A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−8167(P2006−8167)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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