説明

有害な昆虫およびクモ形類を駆除するためのヒドラゾン誘導体

本発明は、昆虫またはクモ形類、昆虫もしくはクモ形類が成長するもしくは成長する可能性のあるその生息環境、繁殖場所、食物供給、植物、種子、土壌、地域、素材もしくは環境、または昆虫もしくはクモ形類による攻撃もしくは侵入から保護すべき素材、植物、種子、土壌、表面または空間に、殺虫効果を有する量の一般式I(式中、Arは環式基であり、nは、0または1であり、XはCOまたはSO2であり、R1〜R4は請求項1に定義された通りである)の化合物またはその塩を接触させることを含む、昆虫またはクモ形類を駆除するための方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害な昆虫およびクモ形類を駆除するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、有害な昆虫およびクモ形類を防除するための殺虫剤が市販されているが、昆虫およびクモ形類により引き起こされる発育中および収穫されたものの両方の作物への損害、および疾病の伝達などの他の問題は依然として生じている。したがって、有害な昆虫およびクモ形類を駆除するために有用な化合物を提供することの必要性は依然として存在する。
【0003】
したがって、本発明の目的は有害な昆虫およびクモ形類を駆除するために有用な化合物を提供することである。
【0004】
R.J.Cremlyn (J. Chem Soc. C 1967, 77-81)は、ある種のスルファニルヒドラジドが殺菌活性を示すことを記載している。
【0005】
WO 87/66133には、温血動物およびヒトに寄生する線虫、吸虫および多節条虫類などの体内寄生虫を殺すのに有用なアシルヒドラゾンが記載されている。
【0006】
US 3066023には、静電写真法の材料の光伝導絶縁層の成分としてのアロイルヒドラゾンが開示されている。
【0007】
WO 99/01423には、グルカゴン拮抗薬または逆作動薬として有用なアロイルヒドラゾンの調製が開示されている。
【0008】
EP-A 322691には、1-アシルピラゾリンの調製のための前駆体としてのアロイルヒドラゾンが開示されている。
【発明の開示】
【0009】
本出願の発明者は、驚くべきことに、式I
【化1】

【0010】
[式中、
Arは、フェニル、ナフチル、および互いに独立してO、NおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5または6員複素環基から選択される環式基であり、上記5または6員複素環基は1または2個のフェニル環と縮合していてもよく、上記環式基は、互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニル、R5R6N-CO-、フェニル、ベンジルおよびフェノキシから選択される1、2、3、4または5個の置換基Raを有してもよく、ここで、フェニル、ベンジルおよびフェノキシは、互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニルおよびR5R6N-CO-から選択される1、2、3、4または5個の置換基Rbにより置換されていてもよく;
Xは、COまたはSO2であり;
R1は、H、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C2-C10-ハロアルキニルまたはフェニルであり、上記フェニルは互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニルおよびR5R6N-CO-から選択される1〜5個の置換基により置換されていてもよく;
R2およびR3は、互いに独立して、H、ハロゲン、シアノ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、ヒドロキシ- C1-C10-アルキル、C1-C10-アルコキシ- C1-C10-アルキル、ハロ- C1-C10-アルコキシ- C1-C10-アルキル、C1-C10-アルコキシカルボニル-C1-C10-アルキル、ハロ-C1-C10-アルコキシカルボニル- C1-C10-アルキルまたはフェニルであり、上記フェニルは互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニルおよびR5R6N-CO-から選択される1〜5個の置換基により置換されていてもよく;
R4は、フェニル、ピリジル、ピリミジルまたはフリル、チエニルから選択される芳香族基であり、上記芳香族基は、互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニル、R5R6N-CO-およびフェノキシから選択される1、2、3、4または5個の置換基Rcを有してもよく、上記フェノキシは、互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニルおよびR5R6N-CO-から選択される1、2、3、4または5個の置換基Rdにより置換されていてもよく;または、
R2およびR4は、これらが結合している炭素原子と共にフェニル環、または互いに独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を有する5または6員複素環を形成し、ここで、上記フェニル環および5または6員複素環はフェニル環と縮合していてもよく、また、上記フェニル環および5または6員複素環および/またはそれらが縮合しているフェニル環は、互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C2-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C2-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニル、R5R6N-CO-およびフェノキシから選択される1、2、3または4個の置換基Reを有してもよく、上記フェノキシは、互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニル、およびR5R6N-CO-から選択される1、2、3、4または5個の置換基Rfにより置換されていてもよく、また、5または6員複素環は環員として1個のカルボニル基を含んでいてもよく;
R5およびR6は、互いに独立してHまたはC1-C10-アルキルであり;
nは、0または1である]
の化合物またはその塩が昆虫およびクモ形類を駆除するために有用であることを見出した。
【0011】
そこで、本発明は、昆虫もしくはクモ形類、昆虫もしくはクモ形類が成長するもしくは成長する可能性のあるそれらの生息環境、繁殖場所、食物供給、植物、種子、土壌、地域、素材もしくは環境、または昆虫もしくはクモ形類による攻撃もしくは侵入から保護すべき素材、植物、種子、土壌、表面または空間に、殺虫効果を有する量の式Iのヒドラゾン化合物を接触させることを含む、有害な昆虫およびクモ形類を駆除するための方法に関する。
【0012】
特に、本発明は、作物に殺虫効果を有する量の上に定義した式Iの化合物を接触させることを含む、昆虫またはクモ形類による攻撃または侵入から作物を保護する方法に関する。
【0013】
好適な一般式Iの化合物は、存在し得る全ての可能な立体異性体(シス/トランス異性体)およびその混合物を包含する。立体異性中心は、たとえばヒドラゾン基(N=C)の炭素原子ならびに基R3およびR4を有する炭素原子である。また、好適な化合物には可能な鏡像異性体およびラセミ混合物も包含される。
【0014】
本発明による使用に適した式Iの化合物の塩は、特に農業上許容される塩である。それらは通常の方法により、たとえば、化合物を当該アニオンの酸と反応させることにより形成することができる。
【0015】
好適な塩の例としては、マレイン酸、二マレイン酸、フマル酸、二フマル酸、メタンスルフェン酸、メタンスルホン酸、およびコハク酸と化合物Iとの付加物が挙げられる。さらに「塩」には、たとえば、双性イオンを含む、アミン、金属、アルカリ土類金属塩基または第4級アンモニウム塩基と共に形成されるものが含まれる。塩を形成するのに適した金属およびアルカリ土類金属水酸化物としては、バリウム、アルミニウム、ニッケル、銅、マンガン、コバルト、亜鉛、鉄、銀、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムの塩が挙げられる。さらに、塩を形成するものとしては、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、水素化物、および水酸化物が挙げられる。望ましい塩としては、化合物Iとマレイン酸、二マレイン酸、フマル酸、二フマル酸、およびメタンスルホン酸との付加物が挙げられる。
【0016】
本明細書において使用される「互いに独立してO、NおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5または6員複素環基」という用語は、環員として1〜4個、好ましくは1、2、または3個のヘテロ原子を有する芳香族および非芳香族環(たとえば、飽和または部分的不飽和基)の両方を指す。
【0017】
ヘテロ芳香族環の例は、トリアジニル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリルまたはイソキサゾリルである。
【0018】
5または6員ヘテロ芳香族環が1または2個のフェニル環と縮合している場合には、これは、たとえば、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンズチエニル、ベンズチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ジベンゾピロリル、ジベンゾフラニルまたはジベンゾチエニルを指す。
【0019】
非芳香族環の例は、ピロリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ジオキソラニル、ジオキソレニル、チオラニル、ジヒドロチオフェニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、オキサゾリニル、イソキサゾリニル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、チオピラニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニルおよびチアジニルである。
【0020】
5または6員複素環式非芳香族基がフェニル基と縮合している場合、これは、たとえば、ジヒドロインドリル、ジヒドロインドリジニル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロチノリニル、ジヒドロイソチノリニル、クロメニル、クロマニル等を指す。
【0021】
本明細書において使用される「互いに独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を有する5または6員複素環であって、上記5または6員複素環がフェニル環と縮合していてもよいもの」という用語は、たとえば、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンズチエニル、ベンズチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリルまたはクロメニル、さらに、5または6員非芳香族複素環およびフェニル基と縮合した非芳香族環の例として挙げられた基を指す。
【0022】
フェニル環に縮合していてもよい1または2個のヘテロ原子を含む5または6員複素環が環員としてカルボニル基を含む場合、これは、たとえば、ピロリドニル、ピラゾリドニル、ピラゾロニル、オキサゾリドニル、ピリドニル、ピロニル、インドキシリル、オキシインドリル、クマリニル、クロメノニル(クロモニル)等を指す。
【0023】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味するものとする。
【0024】
本明細書において使用される「C1-C10-アルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子を有する分枝鎖または非分枝鎖の飽和炭化水素基、たとえば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニルおよびデシル、ならびにそれらの異性体を指す。C1-C4-アルキルは、たとえば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピルまたは1,1-ジメチルエチルを意味する。
【0025】
本明細書において使用される「C1-C10-ハロアルキル」の用語は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基(上記の通りの)であって、これらの基の中の水素原子の一部または全部が上記の通りのハロゲン原子により置換されていてもよいもの、たとえば、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル等のようなC1-C4-ハロアルキルを指す。
【0026】
同様に、「C1-C10-アルコキシ」および「C1-C10-アルキルチオ」は、アルキル基の中の任意の結合においてそれぞれ酸素またはイオウによる連結を介して結合する1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基(上記の通りの)を指す。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、イソブトキシおよびtert-ブトキシなどのC1-C4-アルコキシ、ならびにメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、およびn-ブチルチオなどのC1-C4-アルキルチオが挙げられる。
【0027】
したがって、「C1-C10-ハロアルコキシ」および「C1-C10-ハロアルキルチオ」は、アルキル基の中の任意の結合においてそれぞれ酸素またはイオウによる連結を介して結合する1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基(上記の通りの)であって、これらの基の中の水素原子の一部または全部が上記の通りのハロゲン原子により置換されていてもよいもの、たとえば、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、1-クロロエトキシ、1-ブロモエトキシ、1-フルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシおよびペンタフルオロエトキシなどのC1-C2-ハロアルコキシ、ならびにクロロメチルチオ、ブロモメチルチオ、ジクロロメチルチオ、トリクロロメチルチオ、フルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、クロロフルオロメチルチオ、ジクロロフルオロメチルチオ、クロロジフルオロメチルチオ、1-クロロエチルチオ、1-ブロモエチルチオ、1-フルオロエチルチオ、 2-フルオロエチルチオ、2,2-ジフルオロエチルチオ、2,2,2-トリフルオロエチルチオ、2-クロロ-2-フルオロエチルチオ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチルチオ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチルチオ、2,2,2-トリクロロエチルチオ、およびペンタフルオロエチルチオなどのC1-C2-ハロアルキルチオ等を指す。
【0028】
本明細書において使用される「C2-C10-アルケニル」という用語は、2〜10個の炭素原子および任意の位置に二重結合を有する分枝鎖または非分枝鎖不飽和炭化水素基、たとえば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチル-エテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニルおよび1-エチル-2-メチル-2-プロペニルを意味する。
【0029】
本明細書において使用される「C2-C10-ハロアルケニル」という用語は、2〜10個の炭素原子およびいずれかの位置に二重結合を有する分枝鎖または非分枝鎖不飽和炭化水素基であって、これらの基の中の水素原子の一部または全部が上記の通りのハロゲン原子により置換されていてもよいものを意味する。
【0030】
同様に、本明細書において使用される「C2-C10-アルケニルオキシ」という用語は、2〜10個の炭素原子および任意の位置に二重結合を有する分枝鎖または非分枝鎖不飽和炭化水素基であって、アルケニル基の中の任意の結合において、アルケニル基がそれぞれ酸素による連結を介して結合しているもの、例えば、エテニルオキシ、プロペニルオキシ等を意味する。
【0031】
したがって、本明細書において使用される「C2-C10-ハロアルケニルオキシ」という用語は、2〜10個の炭素原子およびいずれかの位置に二重結合を有する分枝鎖または非分枝鎖不飽和炭化水素基であって、アルケニル基の中の任意の結合において、アルケニル基がそれぞれ酸素による連結を介して結合しており、これらの基の中の水素原子の一部または全部が上記の通りのハロゲン原子により置換されていてもよいものを意味する。
【0032】
本明細書において使用される「C2-C10-アルキニル」という用語は、2〜10個の炭素原子を有し、少なくとも1個の三重結合を含む分枝鎖または非分枝鎖不飽和炭化水素基、たとえば、エチニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル等を指す。
【0033】
本明細書において使用される「C3-C10-ハロアルキニル」という用語は、3〜10個の炭素原子を有し、少なくとも1個の三重結合を含む分枝鎖または非分枝鎖不飽和炭化水素基であって、これらの基の中の水素原子の一部または全部が上記の通りのハロゲン原子により置換されており、ただしハロゲン原子は三重結合に直接結合していないものを指す。
【0034】
本明細書において使用される「C2-C10-アルキニルオキシ」という用語は、2〜10個の炭素原子を有し、少なくとも1個の三重結合を含む分枝鎖または非分枝鎖不飽和炭化水素基であって、アルキニル基の中の任意の結合においてアルキニル基が酸素による連結を介して結合しているものを指す。
【0035】
同様に、本明細書において使用される「C3-C10-ハロアルキニルオキシ」という用語は、3〜10個の炭素原子を有し、少なくとも1個の三重結合を含む分枝鎖または非分枝鎖不飽和炭化水素基であって、アルキニル基の中の任意の結合において上記の基は酸素による連結を介して結合しており、これらの基の中の水素原子の一部または全部が上記の通りのハロゲン原子により置換されていてもよく、ただしハロゲン原子は三重結合に直接結合していないものを指す。
【0036】
本明細書において使用される「C3-C10-シクロアルキル」という用語は、単環式3〜10員飽和炭素原子環、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルおよびシクロデシルを指す。
【0037】
本明細書において使用される「C3-C10-ハロシクロアルキル」という用語は、単環式3〜10員飽和炭素原子環、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルおよびシクロデシルであって、これらの基の中の水素原子の一部または全部が上記の通りのハロゲン原子により置換されているもの、たとえば、クロロ、ジクロロおよびトリクロロシクロプロピル、フルオロ、ジフルオロおよびトリフルオロシクロプロピル、クロロ、ジクロロ、トリクロロ、テトラクロロ、ペンタクロロおよびヘクサクロロシクロヘキシル等を指す。
【0038】
式Iの化合物の本発明による使用に関して、置換基は、各々の場合において、それ自体で、または組み合わせて、次の意味を有するのが特に好ましい:
式Iにおいて、Arが、フェニル、ナフチル、互いに独立してO、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5または6員複素環基から選択される環式基であって、上記5または6員複素環基が1または2個のフェニル環と縮合していてもよく、上記環式基が無置換であるか、上で定義された通りに、すなわち、1、2、3、4または5個の上記の基Raにより置換されている化合物を使用することが好ましい。
【0039】
式Iにおいて、Arが、フェニル、トリアジニル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンズチエニル、ベンズチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、クロメニル、クロメノニル、ジベンゾピラニルまたはフルオレニルから選択される環式基であって、上記環式基が無置換であるか、上で定義された通りに置換されている化合物を使用することが特に好ましい。
【0040】
さらに、式Iにおいて、Arが、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ナフチル、ジベンゾピラニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリルまたはクロメノニルから選択される環式基であって、上記環式基が無置換であるか、1、2、3、4または5個の上記の基Raにより置換されている化合物を使用することが特に好ましい。
【0041】
さらに、式Iにおいて、Arが、チエニル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ナフチル、ジベンゾピラニル、インドリルまたはベンゾチエニルから選択される環式基であって、上記環式基が無置換であるか、1、2、3、4または5個の上記の基Raにより置換されている化合物を使用することが特に好ましい。
【0042】
さらに、式Iにおいて、Arが、チエニル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ナフチル、インドリルまたはベンゾチエニル、特にチエニル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ナフチルまたはインドリルから選択される環式基であって、上記環式基が無置換であるか、1、2、3、4または5個の上記の基Raにより置換されている化合物を使用することがより一層好ましい。
【0043】
式Iにおいて、Arが、チエニル、フリル、ピラゾリル、フェニル、イソキサゾリルまたはピリジルから選択される環式基であって、上記環式基が無置換であるか、1、2、3、4または5個の上記の基Raにより置換されている化合物を使用することが特別好ましい。また、Arが場合により置換されているフェニルである化合物も特別に好ましい。
【0044】
好ましくは、Arについて述べた環式基は、無置換であるか、1、2、3または4個の置換基Ra、特に1、2または3個、より好ましくは1または2個の置換基Raを有する。
【0045】
好ましい置換基Raは、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、フェニル、フェノキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニルおよびNR5R6-CO-から選択される。
【0046】
特に好ましい置換基Raは、互いに独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、フェニル(無置換であるか、特に、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-アルコキシから選択される1〜3個の置換基Rbにより、特にハロゲンにより置換されている)、およびフェノキシ(無置換であるか、特に互いに独立してハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-アルコキシから選択される1〜3個の置換基Rbにより、特にC1-C4-ハロアルキルにより置換されている)から選択される。
【0047】
より好ましい置換基Raは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシおよびC1-C4-ハロアルコキシから選択される。
【0048】
特別に好ましい置換基Raは、互いに独立して、フッ素、塩素、臭素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、特にメトキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、特にジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシおよびCF3から選択される。
【0049】
式Iにおいて、R1がH、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである化合物を使用することが好ましい。
【0050】
式Iにおいて、R1がHまたはメチル、最も好ましくはHである化合物を使用することが特に好ましい。
【0051】
式Iにおいて、R2がH、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、ハロゲン、フェニルまたはシアノである化合物を使用することが好ましい。
【0052】
式Iにおいて、R2がH、C1-C10-アルキル、特にC1-C4-アルキル、ハロゲン、フェニルまたはシアノである化合物を使用することが特に好ましい。
【0053】
さらに、式Iにおいて、R2がH、C1-C10-アルキル、特にC1-C4-アルキルまたはハロゲン、たとえば、メチル、エチル、イソプロピル、フッ素、塩素または臭素である化合物を使用することが特に好ましい。最も好ましくは、R2はC1-C4-アルキル、特にメチルまたはエチルである。
【0054】
式Iにおいて、R3がH、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、ハロゲンまたはフェニルである化合物を使用することが好ましい。
【0055】
式Iにおいて、R3がH、C1-C4-アルキル、ハロゲンまたはフェニル、特にHまたはハロゲンである化合物を使用することが特に好ましい。
【0056】
式Iにおいて、R4が、フェニル、ピリジル、ピリミジル、フラニル、チエニルまたはベンゾフリルから選択される芳香族基であって、上記芳香族基が無置換であるか、上記の通りに、すなわち、1、2、3、4または5個の上記の基Rcにより置換されている化合物を使用することが好ましい。
【0057】
式Iにおいて、R4が、無置換であるか、上で定義された通りに置換されているフェニルである化合物を使用することが特に好ましい。
【0058】
R4について述べた芳香族基は無置換であるか、1〜5個、好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個、特に1または2個の置換基Rcを有していてもよい。
【0059】
好ましい置換基Rcは、互いに独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、R5R6N-CO-およびフェノキシ(C1-C4-ハロアルキルにより置換されていてもよい)から選択される。
【0060】
特に好ましい置換基Rcは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロ、NR5R6およびフェノキシ(C1-C4-ハロアルキルにより置換されていてもよい)から選択される。
【0061】
さらに好ましい置換基Rcは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシおよびC1-C4-ハロアルキルチオ、たとえば、フッ素、塩素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルチオから選択される。
【0062】
特別に好ましい置換基Rcは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキルおよびC1-C4-ハロアルキルから選択される。
【0063】
R4が1、2または3個の上記の置換基Rcを有するフェニルである場合、好ましくは置換基の少なくとも1個は2、4および/または6-位に位置する。特に好ましい置換フェニルの例は表2および3で基R4として記載されるものである。
【0064】
あるいは、式Iにおいて、R2およびR4が、これらが結合している炭素原子と共にフェニル環または互いに独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を有する5または6員複素環を形成し、上記5または6員複素環はフェニル環と縮合していてもよく、上記5または6員複素環および/またはそれが縮合するフェニル環は1、2、3または4個の上記の置換基Reを有してもよい化合物を使用することが好ましい。好ましくは、置換基Reは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロ、フェニル(無置換であるか、または互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシおよびハロゲンから選択される1、2または3個の置換基Rfにより置換されている)、およびフェノキシ(無置換であるか、または互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシおよびハロゲンから選択される1〜3個の置換基により置換されている)から選択され、5または6員複素環は環員として1個のカルボニル基を含んでいてもよい。
【0065】
あるいは、式Iにおいて、R2およびR4が、これらが結合している炭素原子と共に、フェニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、クロメニル、クロメノニル、ピラゾリルまたはフラニル部分を形成し、上記部分が1、2、3または4個の上記の置換基Reを有してもよい化合物を使用することが特に好ましい。
【0066】
さらに、式Iにおいて、R2およびR4が、これらが結合している炭素原子と共に、フェニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニルまたはクロメニル部分を形成し、上記部分が1、2または3個の上記の置換基Reにより置換されていてもよい化合物を使用することが特に好ましい。
【0067】
さらに、式Iにおいて、R2およびR4が、これらが結合している炭素原子と共に、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニル部分を形成する化合物を使用することがより一層好ましい。
【0068】
あるいは、R3はHであるか、R2およびR4がこれらが結合している炭素原子と共に形成した部分の上記の置換基の1つであるかのいずれかである。
【0069】
特に、置換基Reは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロ、フェニル(無置換であるか、または互いに独立して、C1-C4-ハロアルキルおよびハロゲンから選択される1、2または3個の置換基により置換されている)、およびフェノキシ(無置換であるか、またはC1-C4-ハロアルキルにより置換されている)から選択される。好ましくは、置換基Reは、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、シアノおよびニトロから選択される。より好ましくは、置換基Reは、互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキルおよびハロゲンから選択される。
【0070】
特に好ましい基Rb、RdおよびRfは、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、シアノおよびニトロ、特にハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシから選択される。
【0071】
本発明の非常に好ましい実施形態は、一般式Ia
【化2】

【0072】
[式中、Ra、R1およびR3は本明細書中に定義される通りであり、
mは、0、1、2または3であり、
R2aは、HまたはC1-C4-アルキルであり、
R4aは、1、2、3または4個の本明細書中に定義される通りの置換基Rcを有してもよいフェニルである]
のピリジル化合物の使用に関する。
【0073】
R2aがC1-C4-アルキルであって、さらに下記の項目i)〜iv)のうちの一つに当てはまる場合には、化合物Iaは新規であり、したがって本発明の一部である:
i) mは0ではない、または
ii) R4aは、少なくとも1個の水素以外の置換基Rcを有する、または
iii) R1は水素ではない、または
iv) R2aはメチルではない。
【0074】
式Iaにおいて、mが0、1または2である化合物が好ましい。
【0075】
好ましくは、式IaにおいてRaは、好ましい、より好ましい、特に好ましい、または特別に好ましいと示された意味のうちの一つを有する。最も好ましくはRaはハロゲン、特にF、ClまたはBr、C1-C4-アルキル、特にメチルまたはエチル、フェニル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルまたはC1-C4-アルコキシ、特にメトキシである。
【0076】
式Iaの化合物の中で、R1およびR3が、互いに独立して、好ましい、より好ましい、特に好ましい、または特別に好ましいと示された意味のうちの一つを有するものが好ましい。最も好ましいのは、R1およびR3が水素である化合物Iaである。
【0077】
好ましくは、置換基Rcは、存在する場合には、好ましい、より好ましい、特に好ましい、または特別に好ましいと示された意味のうちの一つを有する。特に、Rcは、F、Cl、メトキシまたはメチルから選択される。特に、置換フェニルは、表3または4においてR4に対して与えられた意味の一つから選択され、特に、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2-クロロフェニル、3-クロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、4-クロロフェニル、2-フルオロ-4-クロロフェニル、3-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェニル、3,4,5-トリフルオロフェニル、2-トリフルオロメトキシフェニル、3-トリフルオロメトキシフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、2-トルフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-ジフルオロメトキシフェニル、3-ジフルオロメトキシフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニルから選択される。また、R4aが無置換フェニルである化合物Iaもまた非常に好ましい。
【0078】
式Iaにおいて、R2aは最も好ましくはメチルまたはエチルである。
【0079】
別の非常に好ましい本発明の実施形態は、一般式Ib
【化3】

【0080】
[式中、n、X、R1、R2、R3およびR4は本明細書中に定義される通りであり、
Arは、1または2個の本明細書中に定義される通りの置換基Raを有してもよいイソキサゾリルである。]
のイソキサゾール化合物の使用に関する。
【0081】
Arが置換4-イソキサゾリルである場合、Arが基Raとして場合により置換されているフェニル基を有していなければ、これらの化合物は新規であって、本発明の一部である。
【0082】
式Ibの化合物の中で、n、X、Ra、R1、R2、R3およびR4が、互いに独立して、好ましい、より好ましい、特に好ましい、または特別に好ましいと示された意味のうちの一つを有するものが好ましい。特に、変異基R1、R2、R3およびRaは下記の意味を有する:
R1は、Hであり、
R2は、HまたはC1-C4-アルキル、最も好ましくはメチルまたはエチルであり、
R3は、Hであり、
R4は、1、2、3または4個の本明細書中に定義される置換基Rcを有してもよいフェニルである。
【0083】
好ましくは、置換基Rcは、存在する場合には、好ましい、より好ましい、特に好ましい、または特別に好ましいと示された意味のうちの一つを有する。特に、Rcは、F、Cl、メトキシまたはメチルから選択される。特に、置換フェニルは、表3または4においてR4に対して与えられた意味の一つから選択され、特に、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2-クロロフェニル、3-クロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、4-クロロフェニル、2-フルオロ-4-クロロフェニル、3-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェニル、3,4,5-トリフルオロフェニル、2-トリフルオロメトキシフェニル、3-トリフルオロメトキシフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、2-トルフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-ジフルオロメトキシフェニル、3-ジフルオロメトキシフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニルから選択される。また、R4が無置換フェニルである化合物Iaもまた非常に好ましい。
【0084】
式Ibにおいて、Xは好ましくはC=Oであり、nは好ましくは0である。
【0085】
別の非常に好ましい本発明の実施形態は、一般式Ic
【化4】

【0086】
[式中、n、X、R1、R2、R3およびR4は請求項1で定義した通りであり、
Arは、ピラゾリルであって、ピラゾールの窒素原子に置換基Ra2を有し、さらに1または2個の請求項1に定義される通りの置換基Raを有していてもよく、ここでRa2はC1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、フェニルおよびベンジルから選択され、上記フェニルおよびベンジルは無置換であるか、1、2、3、4または5個の請求項1に定義される通りの置換基Rbにより置換されている]
のピラゾール化合物の使用に関する。
【0087】
式Icの化合物は新規であり、したがって本発明の一部である。
【0088】
式Icの化合物の中で、n、X、Ra、Rb、R1、R2、R3およびR4が、互いに独立して、好ましい、より好ましい、特に好ましい、または特別に好ましいと示された意味のうちの一つを有するものが好ましい。
【0089】
Ra2は、好ましくはC1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキルまたはフェニルから選択される。特に好ましい実施形態において、Ra2はC1-C4-アルキルである。
【0090】
特に、変異基R1、R2、R3およびR4は下記の意味を有する:
R1は、Hであり、
R2は、HまたはC1-C4-アルキル、最も好ましくはメチルまたはエチルであり、
R3は、Hであり、
R4は、1、2、3または4個の本明細書中に定義される置換基Rcを有してもよいフェニルである。
【0091】
好ましくは、置換基Rcは、存在する場合には、好ましい、より好ましい、特に好ましい、または特別に好ましいと示された意味のうちの一つを有する。特に、Rcは、F、Cl、メトキシまたはメチルから選択される。特に、置換フェニルは、表3または4においてR4に対して与えられた意味の一つから、特に、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2-クロロフェニル、3-クロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、4-クロロフェニル、2-フルオロ-4-クロロフェニル、3-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェニル、3,4,5-トリフルオロフェニル、2-トリフルオロメトキシフェニル、3-トリフルオロメトキシフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-ジフルオロメトキシフェニル、3-ジフルオロメトキシフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニルから選択される。また、R4が無置換フェニルである化合物Iaもまた非常に好ましい。
【0092】
式Icにおいて、Xは好ましくはC=Oであり、nは好ましくは0である。
【0093】
本発明の非常に好ましい実施形態は、一般式Id
【化5】

【0094】
[式中、Ra、R1およびR3は本明細書中に定義される通りであり、
mは、1、2または3であり、
R2dは、HまたはC1-C4-アルキルであり、
R4dは、1、2、3または4個の本明細書中に定義される通りの置換基Rcを有してもよいフェニルである]
のフェニル化合物の使用に関する。
【0095】
式Idにおいて、mが1または2である化合物が好ましい。
【0096】
好ましくは、式IdにおいてRaは、好ましい、より好ましい、特に好ましい、または特別に好ましいと示された意味のうちの一つを有する。最も好ましくは、Raはハロゲン、特にF、ClまたはBr、C1-C4-アルキル、特にメチルまたはエチル、フェニル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルまたはC1-C4-アルコキシ、特にメトキシである。最も好ましくは、少なくとも1個の基Raがハロゲン、特にフッ素である。
【0097】
式Idの化合物の中で、R1およびR3が、互いに独立して、好ましい、より好ましい、特に好ましい、または特別に好ましいと示された意味のうちの一つを有するものが好ましい。最も好ましいのは、R1およびR3が水素である化合物Iaである。
【0098】
好ましくは、置換基Rcは、存在する場合には、好ましい、より好ましい、特に好ましい、または特別に好ましいと示された意味のうちの一つを有する。特に、Rcは、F、Cl、メトキシまたはメチルから選択される。特に、置換フェニルは、表3または4においてR4に対して与えられた意味の一つから、特に、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2-クロロフェニル、3-クロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、4-クロロフェニル、2-フルオロ-4-クロロフェニル、3-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェニル、3,4,5-トリフルオロフェニル、2-トリフルオロメトキシフェニル、3-トリフルオロメトキシフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、2-トルフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-ジフルオロメトキシフェニル、3-ジフルオロメトキシフェニル、4-ジフルオロメトキシフェニルから選択される。
【0099】
式Idにおいて、R2dは最も好ましくはメチルまたはエチルである。
【0100】
特定の立体異性体に関する限り、C/N二重結合のコンホメーションがEである式Iの化合物を使用することが好ましい。また、C/N二重結合に関して、E異性体が多数を占めるE/Z異性体の混合物を使用することが好ましい。
【0101】
さらに、R2およびR4が互いにシスの位置に結合した式Iの化合物を使用することが好ましい。また、R2およびR4の互いの位置に関して、シス異性体が多数を占めるシス/トランス異性体の混合物が好ましい。
【0102】
式Iの化合物は、合成有機化学の分野で周知の技術を用いて容易に合成することができる。合成法の例は、たとえば、WO 87/06133に記載されている。
【0103】
たとえば、適当なアシルヒドラジドをアルデヒドまたはケトンと反応させてアシルヒドラゾンを生成することができる:
【化6】

【0104】
ケイヒアルデヒドおよび類似のケトンは、ベンズアルデヒドおよび脂肪族ケトンまたはアルデヒドから文献に記載された方法(Organikum, Johann Ambrosius Barth Verlag, Heidelberg, 1996, pp. 493-495)により得ることができる。
【0105】
スルホニルヒドラゾン(X = SO2)は、対応するスルホン酸ヒドラジドを出発物質として同様の方法により得ることができる(たとえば、Munshi, Shah, Trivedi, Indian J. Chem. 1963, 1, 318-320):
【化7】

【0106】
出発物質(アシルヒドラジド)が市販されていない場合には、文献に記載された方法(たとえば、Khan, Siddiqui, Bhatt, Oriental Journal of Chemistry 2002, 18, 163-164)に従って、たとえば、カルボン酸エステル(Ar-(CH2)n-COORa)またはAr-(CH2)n-COY (Y = ハロゲン)などの他の酸誘導体をヒドラジンと反応させて対応するアシルヒドラジドを生成することにより調製することができる。あるいは、カルボン酸(Ar-(CH2)n-COOH)を、DCCまたはDICなどのカップリング剤の存在下で保護されたヒドラジンと反応させた後(Guan, Green, Bergstrom, J. Comb. Chem. 2000, 2, 297-300に従って)、保護基を除去する(Messina, Botta, Corelli, Paladino, Tetrahedron Asymm. 2000, 11, 4895-4901; Greene, Wuts, 「有機合成における保護基」(Protective Groups in Organic Synthesis), 第2版、1991, pp.309)ことができる:
Ar-(CH2)n-COORa + NH2-NH2 → Ar-(CH2)n-CO-NH-NH2
Ar-(CH2)n-COOH + NH2-NHP* → Ar-(CH2)n-CO-NH-NHP* →Ar-(CH2)n-CO-NH-NH2
*P = 保護基;Ra = C1-C10-アルキル
【0107】
スルホニルヒドラジド(X = SO2)は、対応するスルホン酸誘導体から、たとえば、対応するスルホン酸(Ar-(CH2)n-SO2OH)またはスルホン酸ハロゲン化物(Ar-(CH2)n-SO2Y; Y = ハロゲン)のような別の誘導体を出発物質として同様の方法により得ることができる(たとえば、El-Maghrabi, Mohamed, J. Chem. Tech. Biotechnol. 1983, 33A, 25-32):
Ar-(CH2)n-SO2OH + NH2-NHP* → Ar-(CH2)n-SO2-NH-NHP* → Ar-(CH2)n-SO2-NH-NH2
*P = 保護基;Ra = C1-C10-アルキル
【0108】
個々の化合物Iを上記の経路により得ることができない場合には、これらは他の化合物Iの誘導体化により、または上記の合成系路の通常おこなわれる変更により調製することができる。
【0109】
式Iの化合物を調製した場合に、これらが異性体の混合物(立体異性体、鏡像異性体)として得られる可能性がある。所望により、これらを結晶化またはクロマトグラフィー、ならびに光学活性吸着質などの、この目的に通常用いられる方法により分割して純粋な異性体を得ることができる。
【0110】
本発明の方法に従って、一般式Iの化合物は有害な昆虫およびクモ形類を防除するために使用される。特に、これらは下記の有害動物を防除するために使用される:
鱗翅目(Lepidoptera)の昆虫、たとえば、タマナヤガ(Agrotis ypsilon)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、Alabama argillacea、Anticarsia gemmatalis、リンゴヒメシンクイ(Argyresthia conjugella)、ガンマキンウワバ(Autographa gamma)、Bupalus piniarius、Cacoecia murinana、Capua reticulana、Cheimatobia brumata、トウヒシントメハマキ(Choristoneura fumiferana)、Choristoneura occidentalis、アワヨトウ(Cirphis unipuncta)、コドリンガ(Cydia pomonella)、Dendrolimus pini、Diaphania nitidalis、Diatraea grandiosella、ミスジアオリンガ(Earias insulana)、Elasmopalpus lignosellus、ブドウホソハマキ(Eupoecilia ambiguella)、Evetria bouliana、Feltia subterranea、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)、Grapholitha funebrana、ナシヒメシンクイ(Grapholitha molesta)、Heliothis armigera、オオタバコガ(Heliothis virescens)、Heliothis zea、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、Hibernia defoliaria、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、Hyponomeuta malinellus、Keiferia lycopersicella、Lambdina fiscellaria、シロイチモンジヨトウ(Laphygma exigua)、Leucoptera coffeella、Leucoptera scitella、Lithocolletis blancardella、Lobesia botrana、Loxostege sticticalis、マイマイガ(Lymantria dispar)、ノンネマイマイ(Lymantria monacha)、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)、オビカレハ(Malacosoma neustria)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、Orgyia pseudotsugata、ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)、マツキリガ(Panolis flammea)、ワタアカミムシガ(Pectinophora gossypiella)、ニセタマナヤガ(Peridroma saucia)、Phalera bucephala、ジャガイモキバガ(Phthorimaea operculella)、ミカンコハモグリ(Phyllocnistis citrella)、オオモンシロチョウ(Pieris brassicae)、Plathypena scabra、コナガ(Plutella xylostella)、Pseudoplusia includens、Rhyacionia frustrana、Scrobipalpula absoluta、バクガ(Sitotroga cerealella)、テングハマキ(Sparganothis pilleriana)、Spodoptera eridania、Spodoptera frugiperda、Spodoptera littoralis、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、Thaumatopoea pityocampa、Tortrix viridana、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)およびZeiraphera canadensis、
甲虫(鞘翅目、Coleoptera)、たとえば、アカバナガタマムシ(Agrilus sinuatus)、Agriotes lineatus、Agriotes obscurus、Amphimallus solstitialis、Anisandrus dispar、ワタミハナゾウムシ(Anthonomus grandis)、ナシハナゾウムシ(Anthonomus pomorum)、Atomaria linearis、Blastophagus piniperda、Blitophaga undata、ソラマメゾウムシ(Bruchus rufimanus)、エンドウゾウムシ(Bruchus pisorum)、Bruchus lentis、ドロハマキチョッキリ(Byctiscus betulae)、カメノコハムシ(Cassida nebulosa)、Cerotoma trifurcata、Ceuthorrhynchus assimilis、Ceuthorrhynchus napi、Chaetocnema tibialis、Conoderus vespertinus、Crioceris asparagi、Diabrotica longicornis、Diabrotica 12-punctata、Diabrotica virgifera、インゲンテントウ(Epilachna varivestis)、Epitrix hirtipennis、Eutinobothrus brasiliensis、マツアナアキゾウムシ(Hylobius abietis)、Hypera brunneipennis、アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica)、ヤツバキクイムシ(Ips typographus)、Lema bilineata、Lema melanopus、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、Limonius californicus、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、Melanotus communis、Meligethes aeneus、Melolontha hippocastani、ヨーロッパコフキコガネ(Melolontha melolontha)、イネクビホソハムシ(Oulema oryzae)、Ortiorrhynchus sulcatus、Otiorrhynchus ovatus、Phaedon cochleariae、Phyllotreta chrysocephala、Phyllophaga sp.、Phyllopertha horticola、Phyllotreta nemorum、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、マメコガネ(Popillia japonica)、アカアシチブコクキコムシ(Sitona lineatus)およびグラナリヤコクゾウ(Sitophilus granaria)、
双翅目(Diptera)の昆虫、たとえば、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヤブカ(Aedes vexans)、メキシコミバエ(Anastrepha ludens)、Anopheles maculipennis、ミバエ(Ceratitis capitata)、旧世界ラセンウジバエ(Chrysomya bezziana)、Chrysomya hominivorax、Chrysomya macellaria、ソルガムタマバエ(Contarinia sorghicola)、ヒトクイバエ(Cordylobia anthropophaga)、アカイエカ(Culex pipiens)、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、オリーブミバエ(Dacus oleae)、Dasineura brassicae、ヒメイエバエ(Fannia canicularis)、Gasterophilus intestinalis、ツェツェバエ(Glossina morsitans)、ノサシバエ(Haematobia irritans)、Haplodiplosis equestris、タネバエ(Hylemyia platura)、Hypoderma lineata、トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、Lucilia caprina、ヒツジキンバエ(Lucilia cuprina)、ヒロズキンバエ(Lucilia sericata)、Lycoria pectoralis、ヘシアンバエ(Mayetiola destructor)、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)、ヒツジバエ(Oestrus ovis)、Oscinella frit、Pegomya hysocyami、Phorbia antique、Phorbia brassicae、Phorbia coarctata、Rhagoletis cerasi、Rhagoletis pomonella、Tabanus bovinus、Tipula oleraceaおよびTipula paludosa、
アザミウマ(総翅目、Thysanoptera)、たとえば、Dichromothrips corbetti、Frankliniella fusca、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、Frankliniella tritici、Scirtothrips citri、Thrips oryzae、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)およびネギアザミウマ(Thrips tabaci)、
膜翅目(Hymenoptera)の昆虫、たとえば、カブラハバチ(Athalia rosae)、ハキリアリ(Atta cephalotes)、チャイロハキリアリ(Atta sexdens)、ハキリアリ(Atta texana)、Hoplocampa minuta、Hoplocampa testudinea、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、アカカミアリ(Solenopsis geminate)およびヒアリ(Solenopsis invicta)、
異翅目(Heteroptera)の昆虫、たとえば、Acrosternum hilare、Blissus leucopterus、Cyrtopeltis notatus、Dysdercus cingulatus、Dysdercus intermedius、Eurygaster integriceps、Euschistus impictiventris、Leptoglossus phyllopus、Lygus lineolaris、ミドリメクラガメ(Lygus pratensis)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、Piesma quadrata、Solubea insularisおよびThyanta perdito、
同翅目(Homoptera)の昆虫、たとえば、Acyrthosiphon onobrychis、カラマツカサアブラムシ(Adelges laricis)、Aphidula nasturtii、マメクロアブラムシ(Aphis fabae)、イチゴネアブラムシ(Aphis forbesi)、Aphis pomi、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、Aphis grossulariae、Aphis schneideri、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、Aphis sambuci、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)、Brachycaudus cardui、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helichrysi)、Brachycaudus persicae、Brachycaudus prunicola、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、Capitophorus horni、Cerosipha gossypii、イチゴハクギケアブラムシ(Chaetosiphon fragaefolii)、Cryptomyzus ribis、Dreyfusia nordmannianae、Dreyfusia piceae、ギシギシネアブラムシ(Dysaphis radicola)、Dysaulacorthum pseudosolani、Dysaphis plantaginea、Dysaphis pyri、ジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、チシャミドリアブラムシ(Hyperomyzus lactucae)、ムギヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum avenae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、Macrosiphon rosae、Megoura viciae、Melanaphis pyrarius、ムギウスイロアブラムシ(Metopolophium dirhodum)、Myzodes persicae、Myzus ascalonicus、Myzus cerasi、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、カワリコブアブラムシ(Myzus varians)、Nasonovia ribis-nigri、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、Pemphigus bursarius、クロツノウンカ(Perkinsiella saccharicida)、ホップイボアブラムシ(Phorodon humuli)、Psylla mali、Psylla piri、Rhopalomyzus ascalonicus、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、Rhopalosiphum insertum、Sappaphis mala、Sappaphis mali、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)、Schizoneura lanuginosa、Sitobion avenae、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、Toxoptera aurantiiandおよびブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii)。
【0111】
シロアリ(等翅目、Isoptera)、たとえば、Calotermes flavicollis、Leucotermes flavipes、Reticulitermes lucifugusおよびTermes natalensis、
直翅目(Orthoptera)の昆虫、たとえば、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domestica)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、ヨーロッパクギヌキハサミムシ(Forficula auricularia)、Gryllotalpa gryllotalpa、トノサマバッタ(Locusta migratoria)、Melanoplus bivittatus、Melanoplus femur-rubrum、Melanoplus mexicanus、Melanoplus sanguinipes、Melanoplus spretus、アカトビバッタ(Nomadacris septemfasciata)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、アメリカイナゴ(Schistocerca americana)、Schistocerca peregrina、Stauronotus maroccanusおよびクラズミウマ(Tachycines asynamorus)、
クモ形類(ダニ目、Acarina)のようなアラクノイデア(Arachnoidea)、たとえば、アメリカキララマダニ(Amblyomma americanum)、Amblyomma variegatum、ナガヒメダニ(Argas persicus)、Boophilus annulatus、Boophilus decoloratus、オウシマダニ(Boophilus microplus)、Dermacentor silvarum、Hyalomma truncatum、Ixodes ricinus、Ixodes rubicundus、Ornithodorus moubata、Otobius megnini、ワクモ(Dermanyssus gallinae)、ヒツジキュウセンヒゼンダニ(Psoroptes ovis)、Rhipicephalus appendiculatus、Rhipicephalus evertsi、ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)などのヒトダニ科(Argasidae)、マダニ科(Ixodidae)およびヒゼンダニ科(Sarcoptidae)、およびリンゴサビダニ(Aculus schlechtendali)、Phyllocoptrata oleivoraおよびEriophyes sheldoniなどのフシダニ科(Eriophyidae spp.);シクラメンホコリダニ(Phytonemus pallidus)およびチャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)などのホコリダニ科(Tarsonemidae spp.);ミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis)などのヒメハダニ科(Tenuipalpidae spp.);ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、オウトウハダニ(Tetranychus pacificus)、ダイズハダニ(Tetranychus telarius)およびナミハダニ(Tetranychus urticae)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、ミカンハダニ(Panonychus citri)およびoligonychus pratensisなどのハダニ科(Tetranychidae spp.)。
【0112】
式Iの化合物は、好ましくは鱗翅目、総翅目、同翅目、およびダニ目の害虫を防除するために、より好ましくは鱗翅目および同翅目の昆虫を防除するために使用される。
【0113】
式(I)の化合物は、植物/作物を、殺虫効果を有する量の式(I)の化合物と接触させることにより、成長中の植物および作物を昆虫またはクモ形類による攻撃または侵入から保護するために使用することができる。「作物」という用語は成長中および収穫後の両方の作物を指す。
【0114】
昆虫、クモ形類、植物および/または植物が成長する土壌または水を、当技術分野で公知のいずれかの施用方法により本発明の化合物Iまたはそれらを含む組成物と接触させることができる。その場合、「接触」には、直接的接触(化合物/組成物を昆虫、クモ形類、および/または植物 - 典型的には植物の葉、茎または根に直接施用する)および間接的接触(化合物/組成物を昆虫、クモ形類、および/または植物の場に施用する)の両方が含まれる。
【0115】
さらに、昆虫またはクモ形類は、標的の害虫、その食物またはその場を、殺虫効果を有する量の式(I)の化合物と接触させることにより防除してもよい。その場合、施用は場所、成長している作物、または収穫後の作物への害虫の侵入の前または後に実施してもよい。
【0116】
「場」は、害虫または寄生生物が成長している、または成長する可能性がある生息環境、繁殖地、植物、種子、土壌、領域、素材または環境を意味する。
【0117】
一般的に、作物を処理するための使用には、本発明の化合物および/または組成物の施量は、ヘクタールあたり約0.1g〜約4000g、望ましくは、約25g〜約600g、より望ましくは約50g〜約500gの範囲である。種子を処理するための使用には、典型的な施量は、種子1kgあたり約1g〜約500g、望ましくは約2g〜約300g、より望ましくは約10g〜約200gである。素材の保護のための通常の施量は、たとえば、処理される素材の立法メートルあたり約0.001g〜約2000g、望ましくは約0.005g〜約1000gの活性化合物である。
【0118】
化合物Iは 通常の製剤、たとえば、溶液、乳液、マイクロエマルション、懸濁液、フロアブル製剤、粉剤、粉末、ペーストおよび粒剤に変換することができる。使用剤形は個々の目的に依存するが、いずれの場合にも、本発明の化合物の微細で均一な分布を保証するものでなければならない。
【0119】
製剤は公知の方法により、たとえば、活性成分を溶媒および/または担体により、所望により乳化剤および分散剤を用いて希釈することにより調製され、希釈剤として水を使用する場合には、補助溶媒として他の有機溶媒を使用することも可能である。好適な補助剤は、基本的には、芳香族(たとえば、キシレン)、塩素化芳香族(たとえば、クロロベンゼン)、パラフィン(たとえば、鉱油留分)、アルコール(たとえば、メタノール、ブタノール)、ケトン(たとえば、シクロヘキサノン)、アミン(たとえば、エタノールアミン、ジメチルホルムアミド)および水などの溶媒;粉砕天然鉱物(たとえば、カオリン、クレー、タルク、白亜)および粉砕合成鉱物(たとえば、高分散シリカ、ケイ酸塩)などの担体;非イオンおよびアニオン乳化剤(たとえば、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルスルホネートおよびアリールスルホネート)のなどの乳化剤およびリグニン亜硫酸廃液およびメチルセルロースなどの分散剤である。
【0120】
好適な界面活性剤は、リグノスルホン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルスルホン酸、脂肪アルコール硫酸および脂肪酸、ならびにそれらのアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン酸化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールまたはホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグニン亜硫酸廃液およびメチルセルロースである。
【0121】
直接噴霧可能な溶液、乳液、ペーストまたは油分散物の調製に好適な物質は、灯油またはディーゼル油などの中程度から高い沸点を有する鉱油留分、さらにコールタール油および植物または動物由来の油、脂肪族、環状および芳香族炭化水素、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンまたはそれらの誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、クロロホルム、四塩化炭素、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、イソホロン、強極性溶媒、たとえば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンおよび水である。
【0122】
粉末、散布用材料および粉剤は、活性物質を固体の担体と混合または共に粉砕することにより調製することができる。
【0123】
粒剤、たとえば、被覆粒剤、圧縮粒剤、含浸粒剤および均質粒剤は、活性成分を固体の担体と結合させることにより調製することができる。固体の担体の例は、鉱物土、たとえば、シリカ、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、アタクレー、石灰石、石灰、白亜、膠塊粘土、黄土、クレー、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成鉱物、肥料、たとえば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、および植物由来の製品、たとえば、穀類の粗挽き粉、樹皮の粗挽き粉、木材の粗挽き粉および木の実の殻の粗挽き粉、セルロース粉末および他の固体の担体である。
【0124】
上記のような本発明の製剤または組成物は、1種類以上の農業上許容される不活性な固体または液体の担体と混合された本発明の式Iの化合物(またはそれらの組合せ)を含む。それらの組成物は殺虫効果を有する量の上記化合物(1種または複数種)を含むが、上記量は個々の化合物、標的の害虫、および使用法に応じて変化し得る。
【0125】
一般的に、製剤は、0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%の活性成分を含む。活性成分は、90%〜100%、好ましくは95%〜100%の純度(NMRスペクトルによる)のものを使用する。
【0126】
以下に製剤の例を示す:
I. 5重量パートの本発明の化合物を95重量パートの微細に粉砕したカオリンと緊密に混合する。これにより5重量%の活性成分を含む粉剤が得られる。
【0127】
II. 30重量パートの式Iの化合物を、92重量パートの粉末シリカゲルおよび8重量パートのパラフィン油の混合物(上記パラフィン油を上記シリカゲルの表面に噴霧して調製した)と緊密に混合する。これにより高い接着性を有する活性成分の製剤が得られる(23重量%の活性成分を含む)。
【0128】
III. 10重量パートの式Iの化合物を、90重量パートのキシレン、6重量パートの8〜10molのエチレンオキシドと1molのオレイン酸N-モノエタノールアミドの付加生成物、2重量パートのドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、および2重量パートの40molのエチレンオキシドと1molのひまし油の付加生成物からなる混合物に溶解する(9重量%の活性成分を含む)。
【0129】
IV. 20重量パートの式Iの化合物を、60重量パートのシクロヘキサノン、30重量パートのイソブタノール、5重量パートの7molのエチレンオキシドと1molのイソオクチルフェノールの付加生成物、および5重量パートの40molのエチレンオキシドと1molのひまし油の付加生成物からなる混合物中に溶解する(16重量%の活性成分を含む)。
【0130】
V. 80重量パートの式Iの化合物を、3重量パートのジイソブチルナフタレン-α-スルホン酸ナトリウム、10重量パートの亜硫酸廃液から得たリグノスルホン酸のナトリウム塩および7重量パートの粉末シリカゲルと完全に混合し、混合物をハンマーミルで粉砕する(80重量%の活性成分を含む)。
【0131】
VI. 90重量パートの式Iの化合物を10重量パートのN-メチル-a-ピロリドンと混合し、マイクロドロップの形で使用するのに適した溶液を得る(90重量%の活性成分を含む)。
【0132】
VII. 20重量パートの式Iの化合物を、40重量パートのシクロヘキサノン、30重量パートのイソブタノール、20重量パートの7molのエチレンオキシドと1molのイソオクチルフェノールの付加生成物、および10重量パートの40molのエチレンオキシドと1molのひまし油の付加生成物からなる混合物中に溶解する。この溶液を100000重量パートの水中に注ぎ、その中に微細に分布させると、0.02重量%の活性成分を含む水性分散物が得られる。
【0133】
VIII. 20重量パートの式Iの化合物を、3重量パートのジイソブチルナフタレン-a-スルホン酸ナトリウム、17重量パートの亜硫酸廃液から得たリグノスルホン酸のナトリウム塩および60重量パートの粉末シリカゲルと完全に混合し、混合物をハンマーミルで粉砕する。この混合物を20000重量パートの水に微細に分布させると、0.1重量%の活性成分を含む噴霧混合物が得られる。
【0134】
活性成分は、そのままで、それらの製剤またはそれらから調製された使用剤形の形態で、たとえば、直接噴霧可能な溶液、粉末、懸濁液または分散物、乳液、油分散物、ペースト、粉剤、散布用材料、または粒剤の形態で、噴霧(spraying、atomizing)、散粉、散乱または注入により使用することができる。使用剤形は意図される目的に完全に依存するが、いずれの場合にも、これは本発明の活性成分の可能な限り微細な分布を保証することを意図するものである。
【0135】
水性の使用剤形は、濃縮乳液、ペーストまたは水和剤(噴霧用粉末、油分散物)に水を加えることにより調製することができる。乳液、ペーストまたは油分散物を調製するために、物質をそのままで、または油もしくは溶媒に溶解して、湿潤剤、粘着剤、分散剤または乳化剤を用いて水中にホモジナイズすることができる。あるいは、活性物質、湿潤剤、粘着剤、分散剤または乳化剤、および適切な場合には溶媒または油を含む濃縮物を調製することが可能であり、上記濃縮物は水で希釈するのに適している。
【0136】
そのまま使用できる製品中の活性成分濃度は、かなりの範囲で変化し得る。一般的に、それは0.0001〜10%、好ましくは0.01〜1%である。
【0137】
また、活性成分は、95重量%以上の活性成分を含む製剤、または添加剤を含まない活性成分のみを施用することが可能な微量散布法(ULV)においても効果的に使用することができる。
【0138】
本発明により使用される組成物は、他の活性成分、たとえば、他の農薬、殺虫剤、除草剤、硝酸アンモニウム、尿素、カリ、および過リン酸塩などの肥料、植物に有害な物質および植物成長調節物質、薬害軽減剤(safener)および線虫駆除薬を含んでもよい。これらの付加的な成分は上記の組成物と連続して、または組み合わせて使用することができ、適切な場合には使用の直前に加えることができる(タンクミックス)。たとえば、植物に、他の活性成分による処理の前または後のいずれにおいて本発明の組成物を噴霧してもよい。
【0139】
これらの薬剤は、本発明により使用される薬剤と1:10〜10:1の重量比で混合することができる。化合物Iまたはそれらを含む殺虫剤としての使用剤形の組成物を他の殺虫剤と混合すると、しばしばより広い活性の殺虫スペクトルが得られる。
【0140】
下に記載する式Iの化合物と共に使用することができる殺虫剤のリストは、可能な組合せを例示することを目的とするものであって、これらにより限定されるものではない:
有機リン酸塩:アセフェート(Acephate)、アジンホスメチル(Azinphos-methyl)、クロルピリホス(Chlorpyrifos)、クロルフェンビンホス(Chlorfenvinphos)、ジアジノン(Diazinon)、ジクロルボス(Dichlorvos)、ジクロトホス(Dicrotophos)、ジメトエート(Dimethoate)、ジスルホトン(Disulfoton)、エチオン(Ethion)、フェニトロチオン(Fenitrothion)、フェンチオン(Fenthion)、イソキサチオン(Isoxathion)、マラチオン(Malathion)、メタミドホス(Methamidophos)、メチダチオン(Methidathion)、メチルパラチオン(Methyl-Parathion)、メビンホス(Mevinphos)、モノクロトホス(Monocrotophos)、オキシデメトンメチル(Oxydemeton-methyl)、パラオキソン(Paraoxon)、パラチオン(Parathion)、フェントエート(Phenthoate)、ホサロン(Phosalone)、ホスメット(Phosmet)、ホスファミドン(Phosphamidon)、ホレート(Phorate)、ホキシム(Phoxim)、ピリミホスメチル(Pirimiphos-methyl)、プロフェノホス(Profenofos)、プロチオホス(Prothiofos)、スルプロホス(Sulprophos)、トリアゾホス(Triazophos)、トリクロルホン(Trichlorfon);
カルバミン酸塩:アラニカルブ(Alanycarb)、ベンフラカルブ(Benfuracarb)、カルバリル(Carbaryl)、カルボスルファン(Carbosulfan)、フェノキシカルブ(Fenoxycarb)、フラチオカルブ(Furathiocarb)、インドキサカルブ(Indoxacarb)、メチオカルブ(Methiocarb)、メトミル(Methomyl)、オキサミル(Oxamyl)、ピリミカルブ(Pirimicarb)、プロポキスル(Propoxur)、チオジカルブ(Thiodicarb)、トリアザメート(Triazamate);
ピレトロイド:ビフェントリン(Bifenthrin)、シフルトリン(Cyfluthrin)、シペルメトリン(Cypermethrin)、デルタメトリン(Deltamethrin)、エスフェンバレレート(Esfenvalerate)、エトフェンプロックス(Ethofenprox)、フェンプロパトリン(Fenpropathrin)、フェンバレレート(Fenvalerate)、シハロトリン(Cyhalothrin)、ラムダ-シハロトリン(Lambda-Cyhalothrin)、ペルメトリン(Permethrin)、シラフルオフェン(Silafluofen)、タウ-フルバリネート(Tau-Fluvalinate)、テフルトリン(Tefluthrin)、トラロメトリン(Tralomethrin)、ゼータ-シペルメトリン(Zeta-Cypermethrin);
節足動物成長調節物質:a) キチン合成阻害剤:ベンゾイル尿素:クロルフルアズロン(Chlorfluazuron)、ジフルベンズロン(Diflubenzuron)、フルシクロクスロン(Flucycloxuron)、フルフェノクスロン(Flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(Hexaflumuron)、ルフェヌロン(Lufenuron)、ノバルロン(Novaluron)、テフルベンズロン(Teflubenzuron)、トリフルムロン(Triflumuron);ブプロフェジン(Buprofezin)、ジオフェノラン(Diofenolan)、ヘキシチアゾックス(Hexythiazox)、エトキサゾール(Etoxazole)、クロフェンタジン(Clofentazine);b) エクジソンアンタゴニスト:ハロフェノジド(Halofenozide)、メトキシフェノジド(Methoxyfenozide)、テブフェノジド(Tebufenozide);c) 幼若ホルモン様物質:ピリプロキシフェン(Pyriproxyfen)、メトプレン(Methoprene)、フェノキシカルブ(Fenoxycarb);d) 脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン(Spirodiclofen);
その他:アバメクチン(Abamectin)、アセキノシル(Acequinocyl)、アミトラズ(Amitraz)、アザジラクチン(Azadirachtin)、ビフェナゼート(Bifenazate)、カルタップ(Cartap)、クロルフェナピル(Chlorfenapyr)、クロルジメホルム(Chlordimeform)、シロマジン(Cyromazine)、ジアフェンチウロン(Diafenthiuron)、ジネトフラン(Dinetofuran)、ジオフェノラン(Diofenolan)、エマメクチン(Emamectin)、エンドスルファン(Endosulfan)、エチプロール(Ethiprole)、フェナザキン(Fenazaquin)、フィプロニル(Fipronil)、ホルメタネート(Formetanate)、塩酸ホルメタネート、ヒドラメチルノン(Hydramethylnon)、イミダクロプリド(Imidacloprid)、インドキサカルブ(Indoxacarb)、ピリダベン(Pyridaben)、ピメトロジン(Pymetrozine)、スピノサド(Spinosad)、イオウ、テブフェンピラド(Tebufenpyrad)、チアメトキサム(Thiamethoxam)、およびチオシクラム(Thiocyclam)。
【0141】
ここで、以下の実施例により本発明をより詳細に説明する。
【実施例】
【0142】
1. 合成例
1.1 出発物質の調製
生成物は高速液体クロマトグラフィー/質量分析(HPLC/MS)の組合せにより、NMRにより、または融点により特定された。
HPLCカラム:RP-18カラム(Chromolith Speed ROD、ドイツ、Merk KgaA製)。
溶離:アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)/水+0.1% TFA、5:95〜95:5の比で、40℃で5分間。
MS:Quadrupol電子スプレーイオン化、80V(プラス方式(positiv modus))。
【0143】
1.1.1 4-メチルチオフェンカルボン酸ヒドラジドの調製
142.2mg (1mmol)の4-メチルチオフェンカルボン酸、158.6mg (1.2mmol)のBoc-保護ヒドラジンおよび518mg (1mmol)のN-シクロヘキシル-N’-メチルポリスチレンカルボジイミドの8mlのジクロロメタン中の混合物を室温で一晩撹拌した。濾過した後、400mgの4-ベンジルオキシベンズアルデヒドポリスチレンを加えて一晩撹拌した。濾過し、溶媒を蒸発させると、130mg (0.51mmol、51%)のBoc-保護アシルヒドラジドが得られた(保持時間(RT) = 2.339分、m/z = 279 [M+Na]+)。次いで、3mlのトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(1:1)を加えた。2時間後、溶媒を減圧除去し、水を加えた。ジクロロメタンによる抽出(3回)および溶媒の除去により生成物を単離した。純度は次の反応に十分であった(RT = 1.132分、m/z = 157 [M+H]+)。
【0144】
1.2 最終的な式Iのヒドラゾンの調製
1.2.1 フラン-2-カルボン酸[(ベンゾフラン-2-イル)メチレン]ヒドラジドの調製
219.2mg (1.5mmol)のベンゾ[b]フラン-2-カルボキシアルデヒドおよび283.7mg (2.25mmol)のフラン-2-カルボン酸ヒドラジドの4mlのメタノール中の混合物を3時間還流した。室温に冷却した後、白色の固体が沈殿し、これを減圧乾燥した。収量398mg(1H NMRにより純度95%)。
【0145】
1H NMR (d6-DMSO; 400 MHz); 6.8 (s, 1H), 7.3 (m, 1H), 7.4 (m, 1H), 7.45 (m, 1H), 7.6 (d, 1H), 7.7 (d, 1H), 8.0 (s, 1H), 8.5 (s, 1H), 12.1 (s, 1H)。
【0146】
下記の表1から4に記載された化合物を同様の方法により調製した。表4に記載されたそれぞれの化合物は、低い施量、たとえば500ppmまたはより低い量で施用された場合に、少なくとも1種の上記の昆虫の種に対して、またはアブラムシの種に対して殺虫活性を示す。
【表1】

【0147】

【0148】

【0149】

【0150】

【0151】

【0152】

【0153】

【0154】

【0155】

【0156】

【0157】

【0158】

【0159】

【0160】

【0161】

【0162】

【0163】

【0164】

【0165】

【0166】

【0167】

【0168】

【0169】

【0170】

【0171】

【0172】

【0173】

【0174】

【0175】

【0176】

【0177】

【0178】

【0179】

【0180】

【0181】
2. 害虫に対する活性の例
式Iの化合物の害虫に対する活性を以下の実験により証明した。
【0182】
2.1 サザンアーミーワーム(Spodoptera eridania)、第2齢幼虫
昆虫およびクモ形類に対する活性を試験するために、活性化合物をアセトン(35%)および水の混合物中に10.000ppmの溶液として製剤し、必要な場合には水で希釈した。
【0183】
ライマメ(Sieva lima bean)の7〜8cmの長さに伸びた葉を、撹拌中の試験溶液に3秒間浸して、フードの中で乾燥させる。次に、上記の葉を、底に湿った濾紙および10匹の第2齢の毛虫を入れた100×10mmのペトリ皿に入れる。5日目に、死亡率、採餌の減少、または正常な脱皮の何らかの障害についての観察をおこなう。
【0184】
この試験において、番号18、97、101、134、160、161、162、164、166、174、175、177、183、185、190、192、198、238、318、406、427および445の化合物は、300ppmで、未処理の対照と比較して80%以上の死亡率を示した。
【0185】
2.2 ワタアブラムシ(aphis gossypii)
活性化合物を50:50アセトン:水および100ppm Kinetic(登録商標)界面活性剤中に製剤した。
【0186】
子葉期のワタの苗(植木鉢あたり1本)を、それぞれの子葉の上にメインコロニーからの重度に寄生された葉を置くことにより寄生させた。一晩かけてアブラムシを宿主の植物に移動させ、アブラムシの移動に用いた葉を取り除いた。子葉を試験溶液に浸して乾燥させた。5日後、死亡率を計数した。
【0187】
この試験において、番号8、67、70、71、120、121、126、130、131、156、157、159、181、194、202、203、207、236、240、277、314、319、392、394、395、398、399、429、442、444、447、450および451の化合物は、300ppmで、未処理の対照と比較して75%以上の死亡率を示した。
【0188】
2.3 モモアカアブラムシ(Myzus persicae)
活性化合物を50:50アセトン:水および100ppm Kinetic(登録商標)界面活性剤中に製剤した。
【0189】
第2対葉期(2nd leaf-pair stage)のピーマンの苗(品種「California Wonder」)に、試験植物の上に寄生された葉の切片を置くことにより、およそ40匹の実験室で飼育されたアブラムシを寄生させた。24時間後に葉の切片を取り除いた。無傷の植物の葉を試験化合物の勾配溶液に浸して乾燥させた。試験植物を約25℃および20〜40%の相対湿度で、蛍光を当てて維持した(24時間光周期)。5日後に、基準植物の死亡率と比較した、処理された植物のアブラムシの死亡率を測定した。
【0190】
この試験において、番号3、10、14、19、20、76、128、152、173、186、194、195、197、198、200、204、235、237、278、320、321、393、396、397、400、401、407、408、409、411および453の化合物は、300ppmで、未処理の対照と比較して75%以上の死亡率を示した。
【0191】
2.4 マメクロアブラムシ(aphis fabae)
活性化合物を50:50アセトン:水および100ppm Kinetic(登録商標)界面活性剤中に製剤した。
【0192】
Metro mix中で育てた第1対葉期のキンレンカの苗(品種「Mixed Jewle」)に、試験植物の上に寄生された植物の切片を置くことにより、およそ2〜30匹の実験室で飼育されたアブラムシを寄生させた。24時間後に植物の切片を取り除いた。それぞれの植物を試験溶液に浸して、葉、茎、突き出た種の表面および取り囲む立方体の表面が完全に覆われるようにして、煙フードの中で乾燥させた。処理された植物を約25℃で連続的に蛍光を当てながら維持した。3日後にアブラムシの死亡率を測定した。
【0193】
この試験において、番号18、69、71、126、157、159、168、169、170、171、184、191、196、199、202、210、253、436、442、444および446の化合物は、300ppmで、未処理の対照と比較して75%以上の死亡率を示した。
【0194】
2.5 シルバーリーフコナジラミ(bemisia argentifolii)
活性化合物を50:50アセトン:水および100ppm Kinetic(登録商標)界面活性剤中に製剤した。
【0195】
選択されたワタの苗を子葉期まで育てた(植木鉢あたり1本の苗)。子葉を試験溶液に浸して葉が完全に覆われるようにして、通気性のよい場所に置き、乾燥させた。処理された苗を植えたそれぞれの鉢をプラスチックの容器に入れて10〜12匹のコナジラミの成虫(およそ3〜5日齢)を導入した。昆虫はアスピレーターおよびバリアピペットチップに接続した0.6cmの無毒のTygon(登録商標)チューブ(R-3603)を用いて集めた。次に、集めた昆虫が付いたチップを処理された植物を植えた土壌に静かに挿入して、昆虫がチップからはい出て採餌のために葉に到達できるようにした。再使用できる網の蓋(Tetko Inc製の150ミクロンメッシュポリエステル網PeCap)により容器に蓋をした。試験植物を約25℃および20〜40%相対湿度の室内で、容器の内側に熱がこもるのを防ぐために蛍光(24時間光周期)が直接当たらないようにして3日間維持した。植物を処理した3日後に死亡率を評価した。
【0196】
この試験において、番号2、6、50、156、158、175、183、187、189、193、406および435の化合物は、300ppmで、未処理の対照と比較して80%以上の死亡率を示した。
【0197】
2.6 ナミハダニ(tetranychus urticae、OP耐性系統)
活性化合物を50:50アセトン:水および100ppm Kinetic(登録商標)界面活性剤中に製剤した。
【0198】
初生葉が7〜12cmに伸びたライマメの苗を、それぞれの上にメインコロニーから取った寄生された葉の小さい断片(約100匹のダニがついた)を置くことにより寄生させた。これを処理の約2時間前におこない、ダニが試験植物上に移動して産卵できるようにした。ダニを移動させるために用いた葉の断片を取り除いた。新しく寄生させた植物を試験溶液に浸して乾燥させた。試験植物を、約25℃および20〜40%の相対湿度で蛍光(24時間光周期)を当てて維持した。5日後、1枚の葉を取って死亡率の計数をおこなった。
【0199】
この試験において、番号21、91、96、114、138、183、429および452の化合物は、300ppmで、未処理の対照と比較して75%以上の死亡率を示した。
【0200】
2.7 ランアザミウマ(dichromothrips corbetti)
バイオアッセイに用いたランアザミウマの成虫は、実験室の条件下で継続的に維持されたコロニーから得た。試験の目的で、試験化合物をアセトン:水の1:1混合物に0.01% Kinetic(登録商標)界面活性剤を加えたものの中に500ppmの濃度(化合物の重量:希釈剤の体積)に希釈した。
【0201】
それぞれの化合物のアザミウマへの効力を花浸漬(floral-immersion)技術を用いて評価した。試験容器としてプラスチックのペトリ皿を使用した。個々の無傷のランの花の全ての花弁をおよそ3秒間処理溶液に浸して、2時間乾燥させた。処理された花を10〜15匹の成虫のアザミウマと共に個々のペトリ皿に入れた。次いでペトリ皿に蓋をした。全ての試験容器にアッセイの期間中連続的に光を当て、約28℃の温度で維持した。4日後、それぞれの花およびそれぞれのペトリ皿の内側の壁上の生きているアザミウマの数を計数した。アザミウマの死亡率のレベルを前処理したアザミウマの数から推定した。
【0202】
この試験において、番号103、105および144の化合物は、500ppmで、未処理の対照と比較して95%以上の死亡率を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昆虫もしくはクモ形類、昆虫もしくはクモ形類が成長するもしくは成長する可能性のあるそれらの生息環境、繁殖場所、食物供給、植物、種子、土壌、地域、素材もしくは環境、または昆虫もしくはクモ形類の攻撃もしくは侵入から保護すべき素材、植物、種子、土壌、表面または空間に、殺虫効果を有する量の一般式I
【化1】

[式中、
Arは、フェニル、ナフチル、および互いに独立してO、NおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5または6員複素環基から選択される環式基であり、上記5または6員複素環基は1または2個のフェニル環と縮合していてもよく、上記環式基は、互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニル、R5R6N-CO-、フェニル、ベンジルおよびフェノキシから選択される1、2、3、4または5個の置換基Raを有してもよく、ここで、フェニル、ベンジルおよびフェノキシは、互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニルおよびR5R6N-CO-から選択される1、2、3、4または5個の置換基Rbにより置換されていてもよく;
Xは、COまたはSO2であり;
R1は、H、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニルまたはフェニルであり、上記フェニルは互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C2-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニルおよびR5R6N-CO-から選択される1〜5個の置換基により置換されていてもよく;
R2およびR3は、互いに独立して、H、ハロゲン、シアノ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、ヒドロキシ- C1-C10-アルキル、C1-C10-アルコキシ- C1-C10-アルキル、ハロ- C1-C10-アルコキシ- C1-C10-アルキル、C1-C10-アルコキシカルボニル-C1-C10-アルキル、ハロ-C1-C10-アルコキシカルボニル- C1-C10-アルキルまたはフェニルであり、上記フェニルは互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニルおよびR5R6N-CO-から選択される1〜5個の置換基により置換されていてもよく;
R4は、フェニル、ピリジル、ピリミジルおよびフリル、チエニルから選択される芳香族基であり、上記芳香族基は、互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニル、R5R6N-CO-およびフェノキシから選択される1〜5個の置換基Rbを有してもよく、上記フェノキシは、互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニルおよびR5R6N-CO-から選択される1〜5個の置換基により置換されていてもよく;または、
R2およびR4は、これらが結合している炭素原子と共にフェニル環、または互いに独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を有する5または6員複素環を形成し、ここで、上記フェニル環および5または6員複素環はフェニル環と縮合していてもよく、また、上記フェニル環および5または6員複素環および/またはそれらが縮合しているフェニル環は、互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C2-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C2-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニル、R5R6N-CO-およびフェノキシから選択される1、2、3または4個の置換基Reを有してもよく、上記フェノキシは、互いに独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、C1-C10-アルコキシ、C1-C10-ハロアルコキシ、C2-C10-アルケニルオキシ、C2-C10-ハロアルケニルオキシ、C2-C10-アルキニルオキシ、C3-C10-ハロアルキニルオキシ、C1-C10-アルキルチオ、C1-C10-ハロアルキルチオ、C1-C10-アルキルスルフィニル、C1-C10-ハロアルキルスルフィニル、C1-C10-アルキルスルホニル、C1-C10-ハロアルキルスルホニル、ヒドロキシ、NR5R6、C1-C10-アルコキシカルボニル、C1-C10-ハロアルコキシカルボニル、C2-C10-アルケニルオキシカルボニル、C2-C10-ハロアルケニルオキシカルボニル、C1-C10-アルキルカルボニル、C1-C10-ハロアルキルカルボニル、およびR5R6N-CO-から選択される1、2、3、4または5個の置換基Rfにより置換されていてもよく、また、5または6員複素環は環員として1個のカルボニル基を含んでいてもよく;
R5およびR6は、互いに独立してHまたはC1-C10-アルキルであり;
nは、0または1である]
の化合物またはその塩を接触させることを含む、昆虫またはクモ形類を駆除するための方法。
【請求項2】
Arが、フェニル、ナフチル、および互いに独立してO、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5または6員複素環基から選択される環式基であり、上記5または6員複素環基は1または2個のフェニル環と縮合していてもよく、上記環式基は、互いに独立してハロゲン、ヒドロキシ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-ハロアルキルチオ、フェニル(無置換であるか、互いに独立してハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-アルコキシから選択される1、2または3個の置換基Rbにより置換されている)、およびフェノキシ(無置換であるか、互いに独立してハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-アルコキシから選択される1、2または3個の置換基Rbにより置換されている)から選択される1、2、3または4個の置換基Raを有してもよい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Arが、チエニル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ナフチル、ジベンゾピラニル、インドリルまたはベンゾチエニルから選択される環式基であり、上記環式基は、互いに独立してハロゲン、ヒドロキシ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、フェニル(無置換であるか、互いに独立してハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-アルコキシから選択される1、2または3個の置換基Rbにより置換されている)、およびフェノキシ(無置換であるか、互いに独立してハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシおよびC1-C4-ハロアルキルから選択される1、2または3個の置換基Rbにより置換されている)から選択される1、2または3個の置換基Raにより置換されていてもよい、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
Arが、チエニル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ナフチル、インドリルまたはベンゾチエニルから選択される環式基であり、上記環式基は、互いに独立してハロゲン、ヒドロキシ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシおよびC1-C4-ハロアルコキシから選択される1または2個の置換基Raにより置換されていてもよい、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
R1がH、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである、前記の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
R1がHまたはメチルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
R2およびR4が、それらが結合する炭素原子と共に、フェニル環または互いに独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を有する5または6員複素環を形成し、上記5または6員複素環はフェニル環と縮合していてもよく、上記5または6員複素環および/またはそれが縮合するフェニル環は、互いに独立してハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロ、フェニル(無置換であるか、互いに独立してC1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシおよびハロゲンから選択される1、2または3個の置換基により置換されている);およびフェノキシ(無置換であるか、互いに独立してC1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシおよびハロゲンから選択される1、2または3個の置換基Rfにより置換されている)から選択される1、2、3または4個の置換基Reを有してもよく、また、上記5または6員複素環は環員として1個のカルボニル基を含んでいてもよい、前記の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
R2およびR4が、それらが結合する炭素原子と共に、フェニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、クロメニル、クロメノニル、ピラゾリルまたはフラニル部分を形成し、上記の部分は、互いに独立してハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-ハロアルキルチオ、シアノおよびニトロから選択される1、2、3または4個の置換基Reを有してもよい、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
R2およびR4が、それらが結合する炭素原子と共に、フェニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニルまたはクロメニル部分を形成し、上記の部分は、互いに独立してC1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキルおよびハロゲンから選択される1、2または3個の置換基Reにより置換されていてもよい、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
R2がH、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、ハロゲン、フェニルまたはシアノである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
R3がH、C1-C4-アルキル、ハロゲンまたはフェニルである、請求項1〜6、または10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
R4が、フェニル、ピリジル、ピリミジル、フリルまたはチエニルから選択される芳香族基であり、上記芳香族基は、互いに独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロ、NR5R6およびフェノキシ(C1-C4-ハロアルキルにより置換されていてもよい)から選択される1、2、3、4または5個の置換基Rcを有してもよく;
R5およびR6が請求項1に定義された通りである、請求項1〜6、10または11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
R4が、互いに独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロ、NR5R6およびフェノキシ(C1-C4-ハロアルキルにより置換されていてもよい)から選択される1、2、3、4または5個の置換基Rcを有してもよいフェニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
R2がH、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、ハロゲン、フェニルまたはシアノであり;
R3がH、C1-C4-アルキル、ハロゲンまたはフェニルであり;
R4が、フェニル、ピリジル、ピリミジル、フリルまたはチエニルから選択される芳香族基であり、上記芳香族基は、互いに独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロ、NR5R6およびフェノキシ(C1-C4-ハロアルキルにより置換されていてもよい)から選択される1、2、3または4個の置換基Rcを有してもよく;
R5およびR6が請求項1に定義された通りである、請求項1〜6、または10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
R4が、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-ハロアルキルチオ、シアノ、ニトロ、NR5R6およびフェノキシ(C1-C4-ハロアルキルにより置換されていてもよい)から選択される1、2、3または4個の置換基Rcを有してもよいフェニルである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
R2がH、C1-C10-アルキルまたはハロゲンであり;
R3がHまたはハロゲンであり;
R4が、互いに独立して、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-ハロアルキルチオ、シアノおよびニトロから選択される1、2または3個の置換基Rcを有してもよいフェニルである、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
作物を殺虫効果を有する量の請求項1に定義された式Iの化合物と接触させることを含む、昆虫またはクモ形類による攻撃または侵入から作物を保護する方法。
【請求項18】
式Iの化合物を0.1g/ha〜4000g/haの量で施用する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
一般式Ia
【化2】

[式中、Ra、R1およびR3は請求項1に定義された通りであり、
mは、0、1、2または3であり、
R2aは、C1-C4-アルキルであり、
R4aは、請求項1に定義された通りの1、2、3または4個の基Rcを有してもよいフェニルであり、
但し、
i) mは0ではない、または
ii) R4aは少なくとも1個の水素以外の置換基Rcを有する、または
iii) R1は水素ではない、または
iv) R2aはメチルではない
のいずれかを満たす]
のピリジル化合物。
【請求項20】
式Ib
【化3】

[式中、n、X、R1、R2、R3およびR4は請求項1に定義された通りであり、
Arは、1または2個の請求項1に定義された通りの置換基Raを有してもよいイソキサゾリルであり、
但し、Arが置換4-イソキサゾリルである場合には、Arは場合により置換されているフェニル基を有しない]
のイソキサゾリル化合物。
【請求項21】
式Ic
【化4】

[式中、n、X、R1、R2、R3およびR4は請求項1に定義された通りであり、
Arは、ピラゾール窒素原子に置換基Ra2を有し、1または2個の請求項1に定義された通りの置換基Raを有していてもよいピラゾリルであり、
Ra2は、C1-C10-アルキル、C1-C10-ハロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-ハロシクロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C10-ハロアルケニル、C2-C10-アルキニル、C3-C10-ハロアルキニル、フェニルおよびベンジルから選択され、ここで、フェニルおよびベンジルは無置換であっても、1、2、3、4または5個の請求項1に定義された通りの置換基Rbにより置換されていてもよい]
のピラゾリル化合物。

【公表番号】特表2006−528955(P2006−528955A)
【公表日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529926(P2006−529926)
【出願日】平成16年5月26日(2004.5.26)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005681
【国際公開番号】WO2004/105488
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】